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特表2023-545203連結部片を有するカップリングユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】連結部片を有するカップリングユニット
(51)【国際特許分類】
   F04D 13/06 20060101AFI20231019BHJP
   F04D 7/06 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
F04D13/06 Z
F04D7/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523293
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021078396
(87)【国際公開番号】W WO2022079144
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】102020006363.2
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021005123.8
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ゼッキンガー,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】シュンク,アクセル
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AA22
3H130AB22
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA32Z
3H130DA02Z
3H130DD01X
3H130DJ01X
3H130EA04Z
(57)【要約】
本発明は、ポンプケーシング(2)をモーターケーシング(3)に連結するカップリングユニット(1)を有するポンプアセンブリーに関する。カップリングユニット(1)は、ポンプ側連結部品(4)およびモーター側連結部品(5)を有する。連結部品(4、5)の間に、環状要素(6)が支持体(7)によって吊設されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプハウジング(2)とモーターハウジング(3)とを互いに連結するカップリングユニット(1)を有し、前記カップリングユニット(1)がポンプ側連結構成要素(4)およびモーター側連結構成要素(5)を有するポンプ機構であって、
前記連結構成要素(4、5)間に、環状要素(6)が保持部材(7)によって吊設されていることを特徴とする、ポンプ機構。
【請求項2】
前記環状要素(6)は、少なくとも1つの連結要素(4、5)のベース面の内側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ機構。
【請求項3】
前記保持部材(7)は支柱状に構築されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のポンプ機構。
【請求項4】
前記連結構成要素(4、5)と前記環状要素(6)との間に安定化要素(25)が配置されており、安定化要素(25)は、好ましくは、2つの保持部材(7)の間に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項5】
前記保持部材(7)は、前記環状要素(6)に対して径方向内向きに延びることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項6】
前記保持部材(7)の連結領域における径方向断面の断面積(8、10)は、前記環状要素(6)の端面の断面積(11)よりも65%超、好ましくは75%超、特に85%超小さくなるように構築されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項7】
前記環状要素(6)は、開口状の材料切抜き部(13)を少なくとも1つ有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項8】
前記環状要素(6)は構造体(14)を少なくとも1つ有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項9】
前記環状要素(6)は、各端部で3個または4個または5個または6個または7個または8個の保持部材(7)によって吊設されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項10】
前記環状要素(6)の各端部において、安定化要素(25)の数は保持部材(7)の数に一致することを特徴とする、請求項4から9のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項11】
前記カップリングユニット(1)は、前記ポンプハウジング(2)と前記モーターハウジング(3)とを直列に連結することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項12】
前記カップリングユニット(1)は、筒状に、および/またはトランペット-漏斗状に、および/または円錐状に、および/または多角形のベース面を有する部材として、構築されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項13】
前記ポンプ側連結構成要素(4)は、前記ポンプハウジング(2)のモーター側圧力カバー(17)と一体になるように構築されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【請求項14】
前記モーター側連結構成要素(5)は、前記モーターハウジング(3)のポンプ側モーターカバーと一体になるように構築されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載のポンプ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプハウジングとモーターハウジングとを互いに連結するカップリングユニットを有し、そのカップリングユニットがポンプ側連結構成要素およびモーター側連結構成要素を有する、ポンプ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなポンプ機構は、例えば、遠心ポンプ機構でよい。遠心ポンプは、絶えず回転するインペラがそこを流れる流体に与えるトルクによってねじれ率を変えることで、エネルギーを流体に伝達するという動作原理に基づいている。
【0003】
ほとんどの場合、遠心ポンプは電気モーターによって駆動される。その電気駆動装置に加えて、遠心ポンプ技術では、ピストン力機械も駆動装置として使用される。その例では、電気モーターは一定のトルクを生成する。電気モーターは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電気機械エネルギー変換器である。電気エネルギーが利用できる形態に応じて、直流モーター、交流モーターまたは三相交流モーターが使用される。一般に、電気エネルギーは、この例では回転運動に変換される。
【0004】
遠心ポンプを駆動する電気モーターは、ほとんどの場合に、カップリングユニットによって、特定の間隔でポンプに連結されている。その例で、カップリングユニットは、モーターとポンプとの間の連結要素として働く。その場合、モーター駆動軸は、モーターハウジングおよびポンプハウジングに取り付けるための2つのフランジまたはカバーの開口部を通って中央を延びる。カップリングユニットは、通常、キャスト成形によって生産される。
【0005】
このようなカップリングユニットおよび対応する生産方法は、例えば、EP1038611A2に記載されている。その連結のタイプは、カップリングユニットの特に安定した実施形態を可能にする。
【0006】
高温の流体を運ぶために使用されるポンプ機構においては、ポンプハウジングから電気モーターに向かう方向に高熱の入力が起こる場合がある。これは電気モーターにいくつかの問題をもたらす恐れがある。高温は、エネルギー変換の効率を下げる。モーターの構成要素、具体的には、固定子および回転子の巻線が熱負荷を受け、そのため、その耐用期間が短くなる恐れがある。
【0007】
電気モーターのオーバーヒートを防ぐために、電気モーターの制御によって、場合によっては電力消費および速度を低下させることができるが、そのため、ポンプは所望の動作範囲で動作することができなくなる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一つの目的は、ポンプハウジングと駆動モーターとの間の連結要素としてのカップリングユニットを提供することである。そのカップリングユニットによって、高温の流体を運ぶときに放出される熱の、ポンプハウジングからモーターに向かう方向への伝導を可能な限り小さくするべきである。さらに、カップリングユニットは、コンパクトな構造タイプを特徴とするべきである。代替部品の交換は、カップリングユニットの構造によって容易にされるべきである。カップリングユニットは、単純かつ費用対効果が大きくなるように生産できるべきである。
【0009】
その目的は、本発明に係るカップリングユニットを有するポンプ機構によって実現される。好ましい一例は、従属請求項、明細書および図面から導き出すことができる。
【0010】
本発明によれば、連結構成要素の間に、環状要素が保持部材によって吊設されている。
【0011】
連結構成要素は、ポンプ側またはモーター側の連結フランジの形態であってよい。本発明の特にコンパクトな実施形態では、ポンプ側連結構成要素は、ポンプのベアリングキャリアカバーの形態であり、モーター側連結構成要素は、モーターブロックのカバーの形態である。
【0012】
環状要素は、好ましくは、保持部材によって連結構成要素に連結されたスリーブの形態である。そうすることで、有利なことに、カップリングユニットは、特にコンパクトかつ省スペースになるように構成される。この例では、保持部材は、一方で、モーターブロックの重量の運搬および保持も可能にするために構造的に補強され、他方で、可能な限り最大限まで、ポンプハウジングからモーターハウジングの方向への熱伝導を低減するために、可能な限り小さくなるように構成されている。
【0013】
保持部材は、環状要素を連結構成要素に固定する取付け要素であり、同時に、環状要素をモーターハウジングおよびポンプハウジングまたは連結フランジに連結する連結要素である。
【0014】
本発明の有利な一例において、保持部材は、支柱状になるように構築されている。そうすることで、保持部材は、モーターハウジングまたはモーターブロックから伝達される力を、ポンプハウジングを介してポンプのベースに向ける。
【0015】
保持部材は、環状要素の強固な吊設を形成し、同時に、ポンプハウジングからモーターの方向への熱伝導をほぼ完全に遮断し、その結果、利用可能な場合に、熱伝導率の高い材料の使用が可能になる。
【0016】
本発明の特に有利な一例において、保持部材は、それぞれ連結構成要素の縁部から内側リング、具体的には、環状のスリーブまで延びる。その環状のスリーブは、例えば、ポンプシャフトのための径方向ベアリングを受けるベアリングキャリアとして働く。そうすることで、ベアリングキャリアのスリーブは、特に有利なように安定化され、構成要素のカップリングユニットは、必要な特徴部となるように効率的に構築される。
【0017】
カップリングユニットは、好ましくは、連結構成要素、保持部材および環状要素が好ましくはキャスト成形の形態の1つの構成要素を形成するように、一体になるように構築される。特に有利な一例において、カップリングユニットは、アルミニウムダイカスト構成要素の形態である。
【0018】
保持部材は、理想としては、連結構成要素から径方向内向きに突出し、環状要素を保持する。この例では、環状要素は、少なくとも1つの連結要素のベース面の内側に配置されている。環状要素は、内向きに突出する構造体によってその割合が小さくなる結果、断面積がより小さくなり、そのため、ポンプハウジングからモーターの方向への熱伝導が低減される。
【0019】
支柱の形態の保持部材は、主に、モーターの重量によって与えられる張力および圧力による力を解放するように働く構造要素である。径方向内向きに向けられた保持部材の形態によって、力の解放が促進される。
【0020】
本発明の有利な一例において、保持部材はウェブの形態である。ウェブは、連結構成要素と環状要素との間に距離を形成することによって離間を容易にし、そのため、ポンプハウジングからモーターに向かう方向への熱伝導は、極めて有利に遮断される。
【0021】
有利なことに、保持部材は、連結構成要素から環状要素に対して径方向内向きに延び、そのため、モーターに対するポンプハウジングの離間および熱伝導の遮断が容易にされる。
【0022】
有利なことに、環状要素と連結構成要素との連結は、さらに、少なくとも1つの安定化要素を用いて補強されるようにして構築することができる。この例において、安定化要素の断面積は、特に小さくなるように構成されており、小さい断面の安定化要素も正確に位置決めする結果、高度の補強が実現される。そうすることで、環状要素の吊設は、特に安定して構成され、ポンプハウジングからモーターに向かう方向の熱伝導は、ほとんど遮断される。
【0023】
本発明の特に有利な一例において、保持部材は、モーター側連結構成要素の保持部材に対してずらして、ポンプ側連結構成要素に配置されている。そうすることで、保持部材による遮断に加えて、保持要素を通る熱伝導の経路も延長され、そのため、ポンプハウジングからモーターハウジングの方向の熱伝導がさらに低減される。
【0024】
保持部材の断面積は、熱伝導を低減するために、環状要素の断面積と比べて有意に縮小されている。本発明の特に有利な一例において、径方向断面の最も小さい断面積が、保持部材の連結領域に、環状要素の端面の断面積よりも70%超、好ましくは80%超、特に90%超小さくなるように構築されている。カップリングユニットの、具体的には保持部材の特定の構造の結果、モーターの方向の熱伝導は有利なことに遮断される。
【0025】
好ましくは、保持部材の連結領域における径方向断面とは、同時に、同じく存在している安定化要素も切断されて保持部材の連結領域における断面積のある割合を形成することを意味する。理想としては、保持部材の連結領域における径方向断面の、保持部材の断面積および安定化要素の断面積の合計が、環状要素の端面の断面積よりも65%超、好ましくは75%超、特に85%超小さくなるように構築される。
【0026】
環状要素内の熱伝導を低減するために、環状要素は、好ましくは開口状に構築される付加的な材料切抜き部を有する。そのために、環状要素は、開口状の材料切抜き部を少なくとも1つ有する。本発明の特に有利な一例において、環状要素は、開口状の材料切抜き部を少なくとも4つ有する。そうすることで、環状要素の断面積は、有意に縮小され、そのため、ポンプハウジングからモーターに向かう方向の熱伝導は有意に低減される。
【0027】
開口状の材料切抜き部は、断面積を縮小するだけでなく、同時に、環状要素の現行の断面積を通る熱伝導の経路を延長することももたらす。
【0028】
本発明の有利な一例において、環状要素は、カップリングユニットを補強するように働く構造体を少なくとも1つ有する。そうすることで、比較的大きい重量を有するモーターをカップリングユニットに吊設することもできる。好ましくは、環状要素は、2つ、好ましくは3つ、特に4つの補強材を有する。
【0029】
環状要素が吊設される保持部材の数は、一方で、電気モーターの重量に適合されるように十分な荷重負担能力を形成するために、他方で、遠心ポンプの温度に適合されるように熱伝導を低減するために決定することができる。本発明の特に有利な一例において、環状要素は、ちょうど3つの保持部材でそれぞれ連結構成要素に吊設されている。
【0030】
本発明の有利な一例において、環状要素は、連結構成要素それぞれに4つの保持部材を有する。保持部材が支柱状であるため、環状要素は、特に安定してかつ同時に保持部材の断面を最小限に抑えて吊設されており、そのため、ポンプハウジングからモーターに向かう方向の熱伝導が低減される。
【0031】
本発明の別の一例において、環状要素は、各端部で5個または6個または7個または8個の保持部材によって吊設されている。
【0032】
有利なことに、環状要素の吊設は、安定化要素を用いて補強することができる。有利な一例において、環状要素は、連結構成要素にそれぞれ4個の安定化要素によって補強されている。
【0033】
好ましくは、環状要素は、各連結構成要素に、3個以上、特に4個以上、および/または6個未満、特に5個未満の安定化要素を有する。
【0034】
本発明の特に有利な一例において、安定化要素は、2つの保持部材の中央に配置されており、そのため、環状要素の吊設が特に頑丈かつ効率的に実行される。
【0035】
理想的には、保持部材は、それぞれ90°ずらして配置されており、付加的な4個の安定化要素も、互いに対して90°ずらして配置されている。本発明の特に有利な一例において、安定化要素は、この例においては、保持部材に対して45°ずらして位置決めされている。
【0036】
本発明の特に有利な一例において、カップリングユニットは、ポンプハウジングとモーターハウジングとを直列に連結する。そうすることで、ポンプ機構は、非常にコンパクトにかつ必要な構成要素に抑えるように構成されている。
【0037】
カップリングユニットは、好ましくは、筒状および/またはトランペット-漏斗状になるように構築されている。こうした空間構造は、モーターファンによって生成された、カップリングユニット上を流れる低温空気流による、カップリングユニットの付加的な冷却を実現するために特に有利である。本発明の代替的な一例では、カップリングユニットは、円錐形および/もしくは平行六面体の形態になるように、かつ/または多角形のベース面を有する部材として構築することもできる。
【0038】
本発明の一例において、カップリングユニットは、ポンプハウジングのモーター側圧力カバーと一体にかつ/またはポンプ側モーターカバーと一体になるように構築されている。その結果として、有利なことに、カップリングユニットは、特にコンパクトに構成でき、空間的関係が限定された設置位置で使用することもできるような寸法のポンプ機構を可能にする。
【0039】
カップリングユニットは、好ましくは、ポンプ側および/またはモーター側でベアリングキャリアとして構築される。そのことは、カップリングユニットの特にコンパクトな構造をもたらし、同時に、構成要素の数を減らすことで、組立ての複雑さを軽減する。
【0040】
本発明によるカップリングユニットは、保持部材を用いた離間によってポンプハウジングからモーターハウジングの方向への熱伝導が遮断された、コンパクトな軸方向の構造タイプを特徴とする。同時に、一体の構成要素としてのカップリングユニットは、生産が有利であり、組立てについても有利である。
【0041】
本発明の他の特徴および利点は、図面を参照しながら行われる実施形態の説明および図面そのものから理解される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】ポンプ機構の側面図を示す。
図2】本発明によるカップリングユニットの斜視図を示す。
図3】部分的に切断したカップリングユニットの斜視図を示す。
図4】カップリングユニットを通る別の断面斜視図を示す。
図5】カップリングユニットを通る第3の断面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、ポンプハウジング2とモーターハウジング3とを互いに連結するカップリングユニット1を有するポンプ機構を示す。本実施形態に示す遠心ポンプは流体を運ぶために使用され、その流体は利用分野によっては高温の場合がある。
【0044】
流体は、吸込みノズル15を通って遠心ポンプのポンプハウジング2に入る。ポンプハウジング2の内部には不図示のインペラが配置されている。インペラは運動エネルギーを流体に伝達し、その流体は、圧力ノズル16を介して遠心ポンプを出る。流体およびインペラで満たされた空間は、ポンプハウジング2およびハウジングカバー17によって境界が定められている。インペラは、ポンプシャフト18に回転不能なように連結されており、ポンプシャフト18は、モーター機構によってインペラを駆動する。
【0045】
カップリングユニット1は、4つの連結要素20によってポンプハウジング2に固定されている。この一例において、連結構成要素5は、モーターカバーとして一体になるように構成されており、連結要素21によってモーターハウジング3に固定されている。カップリングユニット1は、非常にコンパクトに構成されており、環状要素6は、保持部材7によって連結構成要素4、5に吊設(保持)されている。
【0046】
図2は、カップリングユニット1の斜視図を示す。環状要素6は、それぞれ4つの保持部材7によって連結構成要素4および5に吊設されている。保持部材7は、支柱のように構築されており、そうすることで、支持されることが意図されたモーター構造の重量を確実に吊設できる能力もある。そのために、環状要素6は、図示の実施形態では、2つの構造体14によって補強されている。同時に、保持部材7は、径方向内向きに向けられており、高温のポンプハウジング2からモーターハウジング3への熱伝導を可能な限り小さくするために、可能な限り小さくなるように構成されている。熱伝導を最小限に抑えるためには、環状要素6は、この一例において、開口状の材料切抜き部13を4つ有する。カップリングユニット1は、アルミニウム圧力ダイカストから一体になるように構築されている。
【0047】
平行六面体の連結要素4は、角が丸くなるように構築されており、保持部材7は、それぞれ中央から始まって、支柱のように径方向内向きに延びる。そうすることで、環状要素6は、連結構成要素4よりも断面積が有意に小さい。その結果、環状要素6は、縮小された断面積で連結要素4のベース面の範囲内に配置され、そのため、モーターハウジング3の方向の熱伝導が有意に低減される。
【0048】
図3は、部分的に切断されたカップリングユニット1の斜視図を示す。環状要素6は、この一例では、4つの保持部材7を用いて連結構成要素5に吊設されており、さらに、4つの安定化要素25を用いて補強されている。
【0049】
図3はさらに、保持部材7の断面積10および安定化要素25の断面積8を有する、保持部材7の連結領域における径方向断面を示す。この例において、断面積8および10の合計は、図4の環状要素6の断面積11よりも80%超小さくなるように構築される。そうすることで、熱伝導面が4つの最小限の保持部材7および4つの安定化要素25に縮小されるように構築されるため、ポンプハウジング2からモーターハウジング3の方向への熱伝導の有意な低減が実現される。
【0050】
同時に、連結構成要素4の側および連結構成要素5の側で、保持部材7の間に材料切抜き部22が形成されている。不図示のモーターファンによって生成される冷却空気流が、熱流を排出するために材料切抜き部22を流れることができる。さらに、冷却空気流は、カップリングユニット1の外面上を流れることによって熱を排出する。
【0051】
図5は、カップリングユニット1を通る第3の断面斜視図を示し、図では環状要素6の開口状の材料切抜き部13も切断されている。断面積23は、図4の環状要素6の断面積11と比べると開口状の材料切抜き部13の分だけ40%縮小されており、そのため、ポンプハウジング2からモーターハウジング3に向かう方向の熱伝導が有意に低減される。同時に、モーターファンの冷却空気流は、開口状の材料切抜き部13を通って流れ、熱を排出することもできる。
【0052】
4つの支柱状の保持部材7は、連結構成要素5の縁部から筒状のベアリングスリーブ24まで延びる。ベアリングスリーブ24は、不図示の径方向ベアリングを受けるように働く。本発明のこの一例では、連結構成要素5は、モーターハウジング3のベアリングキャリアカバーとして一体になるように構成されており、ポンプシャフト18の径方向ベアリングを支持する。環状要素6の内側で保持部材7が連続している結果、有利なことに、ベアリングスリーブ24は補強および強化されている。
【0053】
4つの保持部材7に加えて、環状要素6を吊設するためのさらなる4つの安定化要素25が、環状要素6と連結構成要素5との間に配置されている。この例では、安定化要素25は、2つの保持部材7の間のそれぞれ中央に、熱伝導を低減するために非常に小さい断面積で配置されている。4つの保持部材7は、不図示のポンプシャフト18から始まって、それぞれ90°ずらして配置されており、4つの安定化要素25も、互いに対して90°ずらして配置されており、安定化要素25は、保持部材7に対して45°ずらして位置決めされている。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】