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特表2023-545204モーションセンサを用いたソーシャルディスタンスを監視するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】モーションセンサを用いたソーシャルディスタンスを監視するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20231019BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20231019BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G16H50/80
G08B25/04 K
G08B21/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523531
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2021077916
(87)【国際公開番号】W WO2022084070
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】63/093,538
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20207289.8
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ムルティ アービシェック
(72)【発明者】
【氏名】ヤダブ ダクシャ
(72)【発明者】
【氏名】ユー ジン
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L099
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086CA12
5C086FA15
5C087AA16
5C087DD03
5C087DD23
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
5L099AA04
(57)【要約】
ソーシャルディスタンスを監視するためのシステムが提供される。システムは、環境内のセンサに通信可能に結合されるコントローラを含む。コントローラは、(1)センサの各々に対する期待センサ挙動モデルを受ける、(2)センサの各々に対する期待センサ挙動モデル及びセンサの各々に対する環境調整モデルに基づいてセンサの各々に対する調整センサ挙動モデルを生成する、(3)環境のレイアウトを受ける、(4)レイアウト及び調整センサ挙動モデルに基づいて期待レイアウト挙動モデルを生成する、(5)センサを介して、測定期間中に観察挙動データセットを捕捉する、及び、(6)観察挙動データセット及び期待レイアウト挙動モデルに基づいて環境内の個人のソーシャルディスタンス状態を距離が取られている又は距離が取られていないと決定するように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のバリアによって隔てられる複数のワークステーションを有する環境における個人のソーシャルディスタンスを監視するためのシステムであって、当該システムは、前記環境内の1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを含み、前記コントローラは、
前記1つ以上のセンサの各々に対する期待センサ挙動モデルを受け、前記期待センサ挙動モデルは、前記複数のワークステーションの1つ以上が少なくとも1つのセンサの視野内にある場合の少なくとも1つのセンサの期待挙動を表す、
前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待センサ挙動モデル及び前記1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する調整センサ挙動モデルを生成し、前記環境調整モデルは、前記1つ以上のセンサの少なくとも1つのセンサによって捕捉される情報への前記環境の影響を表す、
前記環境のレイアウトを受け、前記レイアウトは、複数のワークステーションロケーション及び1つ以上のセンサロケーションを含み、各ワークステーションロケーションは、占有又は非占有の占有状態を有する、
前記レイアウト及び前記調整センサ挙動モデルに基づいて期待レイアウト挙動モデルを生成する、
前記1つ以上のセンサを介して、測定期間中に観察挙動データセットを捕捉する、及び
前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいて前記環境内の個人のソーシャルディスタンス状態を距離が取られている又は距離が取られていないと決定する、
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待センサ挙動モデルは、センサマイナーモーション確率分布、センサミディアムモーション確率分布、及びセンサメジャーモーション確率分布を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記1つ以上のセンサを介して、前記環境が占有されていない場合に環境挙動データセットを捕捉する、及び
前記環境挙動データセット及び前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待挙動モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する前記環境調整モデルを算出する、
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記期待レイアウト挙動モデルは、レイアウトマイナーモーション確率分布、レイアウトミディアムモーション確率分布、及びレイアウトメジャーモーション確率分布を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記観察挙動データセットは、観察マイナーモーションカウント、観察ミディアムモーションカウント、及び観察メジャーモーションカウントを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ソーシャルディスタンス状態を決定することは、
仮説検定を介して、前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいてソーシャルディスタンスp値を算出することと、
前記ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値以下である場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られているに割り当てることと、
前記ソーシャルディスタンスp値が前記ソーシャルディスタンス閾値よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られていないに割り当てることと、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記バリアは、アクリルガラスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の照明器具に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
1つ以上の照明器具が、前記複数のワークステーションの上方に位置付けられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記測定期間は、約5分である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の受動赤外線センサ、1つ以上の単一ピクセルサーモパイルセンサ、1つ以上のマルチピクセルサーモパイルセンサ、及び/又は1つ以上のマイクロ波レーダセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記環境のソーシャルディスタンス状態が距離が取られていないである場合、警告信号を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
1つ以上のバリアによって隔てられる複数のワークステーションを有する環境における個人のソーシャルディスタンスを監視するための方法であって、当該方法は、
前記環境内の1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを介して、前記1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデルを受けることであって、前記期待挙動モデルは、前記複数のワークステーションの1つ以上が少なくとも1つのセンサの視野内にある場合の少なくとも1つのセンサの期待挙動を表す、ことと、
前記コントローラを介して、前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待挙動モデル及び前記1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する調整挙動モデルを生成することであって、前記環境調整モデルは、前記1つ以上のセンサの少なくとも1つのセンサによって捕捉される情報への前記環境の影響を表す、ことと、
前記コントローラを介して、前記環境のレイアウトを受けることであって、前記レイアウトは、複数のワークステーションロケーション及び1つ以上のセンサロケーションを含み、各ワークステーションロケーションは、占有又は非占有の占有状態を有する、ことと、
前記コントローラを介して、前記レイアウト及び前記調整挙動モデルに基づいて期待レイアウト挙動モデルを生成することと、
前記1つ以上のセンサを介して、測定期間中に観察挙動データセットを捕捉することと、
前記コントローラを介して、前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいて前記環境内の個人のソーシャルディスタンス状態を距離が取られている又は距離が取られていないと決定することと、
を含む、方法。
【請求項14】
当該方法は、
前記1つ以上のセンサを介して、前記環境が占有されていない場合に環境挙動データセットを捕捉することと、
前記環境挙動データセット及び前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待挙動モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する前記環境調整モデルを算出することと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ソーシャルディスタンス状態を決定することは、
仮説検定を介して、前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいてソーシャルディスタンスp値を算出することと、
前記ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値以下である場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られているに割り当てることと、
前記ソーシャルディスタンスp値が前記ソーシャルディスタンス閾値よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られていないに割り当てることと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、モーションセンサを用いてソーシャルディスタンス(social distancing)を監視することに関する。
【背景技術】
【0002】
COVID-19パンデミックは、色々な意味でオープンオフィス環境を変化させた。主な変化の一つは、オフィス環境の占有者が互いに離れて座ることを要求する、ソーシャルディスタンスポリシーの実施であった。この結果、いつでも使える机が一部に限られる可能性がある。
【0003】
さらに、ソーシャルディスタンスポリシーに加えて、くしゃみ及び他のウイルス源から従業員を保護するために、アクリルガラスシールド及び仕切りの形態であることが多い、物理的バリアが、オフィス環境に設置される必要がある可能性がある。これらのガラスシールドを実装することは、利用可能な監視システムによって収集される情報に影響を与えることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、オフィス環境におけるアクリルガラスシールド及び仕切りの設置にかかわらず、このようなポリシーの実施を自動的に監視する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、一般に、受動赤外線(passive infrared)(「PIR」)センサ等、モーションセンサを用いた、アクリルガラス等、バリアによって隔てられるワークステーションを有する環境におけるソーシャルディスタンスを監視するためのシステム及び方法に関する。PIRセンサは、視野内のマイナーモーション(minor motion)、ミディアムモーション(medium motion)、及びメジャーモーション(major motion)の数をカウントするように構成される。システムは、視野内の占有ワークステーションの数に依存するモーションカウント(motion count)の各々に対する確率分布を含む、各センサに対する期待センサ挙動モデル(expected sensor behavior model)を受ける。システムは、ガラスバリアに起因する損失について期待挙動モデルを調整する。システムは、ワークステーションの配置、ワークステーションの占有状態、及びセンサの配置を示す環境のレイアウトを受ける。レイアウト及び調整センサ挙動モデル(adjusted sensor behavior model)に基づいて、システムは、ソーシャルディスタンスが実践されている場合のレイアウト全体におけるモーションカウントの各々の確率分布の合計を含む、期待レイアウト挙動モデル(expected layout behavior model)を生成する。システムは、通常動作中に環境のデータを捕捉するためにセンサを使用し、当該データを期待レイアウト挙動モデルと比較して、環境を「距離が取られている(distanced)」又は「距離が取られていない(not-distanced)」に分類する。
【0006】
一般に、一態様において、1つ以上のバリア(barrier)によって隔てられる複数のワークステーションを有する環境における個人のソーシャルディスタンスを監視するためのシステムが提供される。バリアは、アクリルガラスであってもよい。
【0007】
システムは、環境内の1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを含む。1つ以上のセンサは、1つ以上のPIRセンサ、1つ以上の単一ピクセルサーモパイル(single pixel thermopile)(「SPT」)センサ、1つ以上のマルチピクセルサーモパイル(multipixel thermopile)(「MPT」)センサ、及び/又は1つ以上のマイクロ波レーダセンサを含んでもよい。1つ以上のセンサは、1つ以上の照明器具に配置されてもよい。1つ以上の照明器具は、複数のワークステーションの上方に位置付けられてもよい。
【0008】
コントローラは、1つ以上のセンサの各々に対する期待センサ挙動モデル(expected sensor behavior model)を受けるように構成されてもよい。1つ以上のセンサの各々に対する期待センサ挙動モデルは、センサマイナーモーション確率分布(sensor minor motion probability distribution)、センサミディアムモーション確率分布(sensor medium motion probability distribution)、及びセンサメジャーモーション確率分布(sensor major motion probability distribution)を含んでもよい。
【0009】
コントローラはさらに、1つ以上のセンサの各々に対する調整センサ挙動モデル(adjusted sensor behavior model)を生成するように構成されてもよい。調整センサ挙動モデルは、1つ以上のセンサの各々に対する期待センサ挙動モデル及び1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデル(environment adjustment model)に基づいて生成されてもよい。
【0010】
コントローラはさらに、環境のレイアウトを受けるように構成されてもよい。レイアウトは、複数のワークステーションロケーションを含んでもよい。レイアウトは、1つ以上のセンサロケーションも含んでもよい。各ワークステーションロケーションは、占有(occupied)又は非占有(unoccupied)の占有状態を有してもよい。
【0011】
コントローラはさらに、期待レイアウト挙動モデル(expected layout behavior model)を生成するように構成されてもよい。期待レイアウト挙動モデルは、レイアウト及び調整センサ挙動モデルに基づいて生成されてもよい。期待レイアウト挙動モデルは、レイアウトマイナーモーション確率分布(layout minor motion probability distribution)、レイアウトミディアムモーション確率分布(layout medium motion probability distribution)、及びレイアウトメジャーモーション確率分布(layout major motion probability distribution)を含んでもよい。
【0012】
コントローラはさらに、1つ以上のセンサを介して、測定期間中に観察挙動データセット(observed behavior data set)を捕捉するように構成されてもよい。観察挙動データセットは、観察マイナーモーションカウント(observed minor motion count)、観察ミディアムモーションカウント(observed medium motion count)、及び観察メジャーモーションカウント(observed major motion count)を含んでもよい。測定期間は、5分であってもよい。
【0013】
コントローラはさらに、観察挙動データセット及び期待レイアウト挙動モデルに基づいて環境内の個人のソーシャルディスタンス状態(social distancing state)を距離が取られている(distanced)又は距離が取られていない(not-distanced)と決定するように構成されてもよい。
【0014】
一例によれば、コントローラはさらに、1つ以上のセンサを介して、環境が占有されていない場合に環境挙動データセット(environmental behavior data set)を捕捉するように構成されてもよい。
【0015】
コントローラはさらに、1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルを算出するように構成されてもよい。環境調整モデルは、環境挙動データセット及び1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデルに基づいて算出されてもよい。
【0016】
一例によれば、ソーシャルディスタンス状態は、(1)仮説検定(hypothesis test)を介して、観察挙動データセット及び期待レイアウト挙動モデルに基づいてソーシャルディスタンスp値(social distancing p-value)を算出する、(2)ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値(social distancing threshold)以下である場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られているに割り当てる、及び、(3)ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られていないに割り当てることによって決定されてもよい。
【0017】
一例によれば、コントローラはさらに、環境のソーシャルディスタンス状態が距離が取られていないである場合、警告信号を送信するように構成されてもよい。
【0018】
別の態様において、1つ以上のバリアによって隔てられる複数のワークステーションを有する環境における個人のソーシャルディスタンスを監視するための方法が提供される。方法は、環境内の1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを介して、1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデルを受けることを含んでもよい。
【0019】
方法はさらに、1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデル及び1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルに基づいて1つ以上のセンサの各々に対する調整挙動モデルを生成することを含んでもよい。方法はさらに、環境のレイアウトを受けることであって、レイアウトは、複数のワークステーション及び1つ以上のセンサを含み、各ワークステーションは、占有又は非占有の占有状態を有する、ことを含んでもよい。方法はさらに、レイアウト及び調整挙動モデルに基づいて期待レイアウト挙動モデルを生成することを含んでもよい。方法はさらに、1つ以上のセンサを介して、測定期間中に観察挙動データセットを捕捉することを含んでもよい。方法はさらに、観察挙動データセット及び期待レイアウト挙動モデルに基づいて環境内の個人のソーシャルディスタンス状態を距離が取られている又は距離が取られていないと決定することを含んでもよい。
【0020】
一例によれば、方法はさらに、1つ以上のセンサを介して、環境が占有されていない場合に環境挙動データセットを捕捉することを含んでもよい。方法はさらに、環境挙動データセット及び1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデルに基づいて1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルを算出することを含んでもよい。
【0021】
一例によれば、ソーシャルディスタンス状態を決定することは、仮説検定を介して、観察挙動データセット及び期待レイアウト挙動モデルに基づいてソーシャルディスタンスp値を算出することを含んでもよい。ソーシャルディスタンス状態を決定することはさらに、ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値以下である場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られているに割り当てることを含んでもよい。ソーシャルディスタンス状態を決定することは、ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られていないに割り当てることを含んでもよい。
【0022】
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では「メモリ」と総称される、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等の、揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなど)に関連付けられてもよい。一部の実装形態では、これらの記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する、1つ以上のプログラムでエンコードされてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、あるいは、それらの記憶媒体上に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書で論じられる様々な態様を実施するために、プロセッサ又はコントローラ内にロードされることができるように、可搬性であってもよい。用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、本明細書では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために採用されることが可能な、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味で使用される。
【0023】
上述の概念と、以下でより詳細に論じられる追加的概念との全ての組み合わせは(そのような概念が互いに矛盾しないという条件下で)、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される点を理解されたい。特に、本開示の最後に記載されている特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される。また、参照により組み込まれるいずれかの開示にもまた現れ得る、本明細書で明示的に採用されている用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味が与えられるべきである点も理解されたい。
【0024】
様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わり一般的に、様々な実施形態の原理を例示することに重点が置かれている。
図1】一例による、ソーシャルディスタンスを監視するためのシステムのトップレベル概略図である。
図2】一例による、ソーシャルディスタンスを監視するためのシステムにおける照明器具の概略図である。
図3】一例による、ソーシャルディスタンスを監視するためのシステムにおけるコントローラの概略図である。
図4】一例による、ソーシャルディスタンスについて監視される環境のレイアウトである。
図5】一例による、受動赤外線(PIR)センサによって生成される2つの例示的なアナログ信号を示すプロットである。
図6】一例による、k=1、2、及び3の占有ワークステーションがPIRセンサの視野内にある場合に検出されるマイナーモーション、ミディアムモーション、及びメジャーモーションの期待確率分布を含む、期待センサ挙動モデルを示す。
図7】一例による、机の例示的なレイアウト及びソーシャルディスタンスポリシーについて観察環境においてPIRセンサによって検出されるマイナーモーション、ミディアムモーション、及びメジャーモーションの期待確率分布を含む、期待レイアウト挙動モデルを示す。
図8】一例による、ソーシャルディスタンスを監視するための方法のフローチャートである。
図9】一例による、ソーシャルディスタンスを監視するための方法のソーシャルディスタンス状態の態様を決定するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、一般に、受動赤外線(「PIR」)センサ等、モーションセンサを用いた、アクリルガラス等、バリアによって隔てられるワークステーションを有する環境におけるソーシャルディスタンスを監視するためのシステム及び方法に関する。PIRセンサは、視野内のマイナーモーション、ミディアムモーション、及びメジャーモーションの数をカウントするように構成される。センサは、環境の周囲に位置付けられる照明器具に配置されてもよい。システムは、視野内の占有ワークステーションの数に依存するモーションカウントの各々に対する確率分布を含む、各センサに対する期待センサ挙動モデル(expected sensor behavior model)を受ける。システムは、ガラスバリアに起因する損失について期待挙動モデルを調整する。この調整は、環境が占有されている場合に捕捉されるセンサデータに基づく、環境調整モデルに基づいてもよい。システムは、ワークステーションの配置、ワークステーションの占有状態、及びセンサの配置を示す環境のレイアウトを受ける。レイアウト及び調整センサ挙動モデルに基づいて、システムは、ソーシャルディスタンスが実践されている場合のレイアウト全体におけるモーションカウントの各々の確率分布の合計を含む、期待レイアウト挙動モデルを生成する。システムは、通常動作中に環境のデータを捕捉するためにセンサを使用し、当該データを期待レイアウト挙動モデルと比較して、環境を「距離が取られている」又は「距離が取られていない」に分類する。この比較は、仮説検定を介してソーシャルディスタンスp値を算出することにより行われてもよい。
【0027】
一般に、一態様において、1つ以上のバリア108によって隔てられる複数のワークステーション106を有する環境104における個人のソーシャルディスタンスを監視するためのシステム100が提供される。ソーシャルディスタンスは、感染症のまん延を遅らせるために監視されてもよい。他の例では、システム100は、刑務所環境における囚人の交わりの防止等、他の目的のためにソーシャルディスタンスを監視するために使用されてもよい。
【0028】
バリア108は、アクリルガラス等(例えば、Plexiglas(登録商標)アクリル)であってもよい。バリア108は、透明又は半透明であってもよい。環境104の例示的なレイアウト120が図4に示されている。この環境104は、6つのブーメラン型机の3つのクラスタ、北壁に隣接する2つの単一長方形机、北壁に隣接するダブル長方形机、及び東壁に隣接する4つのワークステーション106を有する1つの長テーブルを含む。レイアウト120は、図4に示されるように、ワークステーション106の間に置かれるバリア108を含んでもよい。
【0029】
ワークステーション106は、典型的には、オフィスにおける机又はテーブルであってもよいが、システム100は、他のタイプの環境を監視するように構成されてもよい。例えば、環境104は製造工場であってもよく、ワークステーション106はアセンブリライン上のエリアであってもよい。別の例では、環境104は業務用厨房であってもよく、ワークステーション106は、プレップ(prep)ステーション又は厨房機器(オーブン、フライヤ、グリル等)に近接するエリアであってもよい。
【0030】
広く、図1を参照すると、システム100は、コントローラ102及び1つ以上の照明器具110を含んでもよい。照明器具110の各々は、センサ112、光源166、及び/又はトランシーバ420等のコンポーネントを含んでもよい。コントローラ102は、有線又はワイヤレスネットワーク400を介して照明器具110のコンポーネントと通信することが可能であってもよい。図1は、3つの照明器具110a~cを含み、各照明器具110a~cは、PIRセンサ112a~c、光源166a~c、及びトランシーバ420a~cを有する、例示的なシステム100を示している。
【0031】
図1及び図3を参照すると、コントローラ102は、メモリ250、プロセッサ300、及びトランシーバ410を含んでもよい。メモリ250及びプロセッサ300は、メモリ250に記憶されるデータの処理を促進するためにバスを介して通信可能に結合されてもよい。トランシーバ410は、ネットワーク400を介して1つ以上のセンサ112からデータを受信するために使用されてもよい。トランシーバ410によって受信されるデータは、メモリ250に記憶され、及び/又はプロセッサ300によって処理されてもよい。一例として、トランシーバ410は、コントローラ102とネットワーク400との間のワイヤレス接続を促進してもよい。トランシーバ410はまた、照明器具110の光源166を動作するために使用されてもよい。
【0032】
ネットワーク400は、コントローラ102、1つ以上のセンサ112、1つ以上の光源166、及び/又はこれらの任意の組み合わせ間の通信を促進するように構成されてもよい。ネットワーク400は、セルラーネットワーク(5G、LTE等)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)、及び/又は他の適切な通信プロトコル等の通信プロトコルに従った有線及び/又はワイヤレスネットワークであってもよい。一例では、PIRセンサ112は、ネットワーク400を介して、観察挙動データセット128又は環境挙動データセット142を、メモリ250への記憶及び/又はプロセッサ300による処理のためにコントローラ102にワイヤレスに送信してもよい。
【0033】
システム100は、環境104内の1つ以上のセンサ112に通信可能に結合されるコントローラ102を含む。1つ以上のセンサ112は、1つ以上のPIRセンサ、1つ以上の単一ピクセルサーモパイル(「SPT」)センサ、1つ以上のマルチピクセルサーモパイル(「MPT」)センサ、及び/又は1つ以上のマイクロ波レーダセンサを含んでもよい。PIRセンサは、赤外線エネルギを検出するように構成され、それゆえ、人体によって放射される暖かさ(warmth)を検出するために使用されることができる。各センサ112は、環境104の一部をカバーする視野を有する。PIRセンサによって生成される例示的な波形のペアが、図5に示されている。図5において、時間間隔400-500で示される励起は、左から右への動き(left-to-right movement)を示し、時間間隔650-800で示される励起は、右から左への動き(right-to-left movement)を示している。これらの波形は、マイナー、ミディアム、及びメジャーの3つのタイプのモーションカウントに変換される。マイナーモーションは、キーボードを打つ、マウスを動かす、電話で話す等、机に座っている従業員の通常のモーションに相当してもよい。ミディアムモーションは、従業員が立ち上がる又は腰を下ろすことに相当してもよい。メジャーモーションは、従業員が自身のワークステーションエリアに入る又は出ることに相当してもよい。以下で述べられるように、これらのモーションカウントは、環境104内の個人がソーシャルディスタンスを取っているかどうかを判断するために分析されてもよい。さらなる例では、SPTセンサ、MPTセンサ、又はマイクロ波レーダセンサによって収集される情報が、別個に又はPIRセンサと組み合わせて、環境内の動きを追跡するために同様に使用されてもよい。
【0034】
図2に示されるように、1つ以上のセンサ112は、1つ以上の照明器具110に配置されてもよい。1つ以上の照明器具110は、複数のワークステーション106の上方に位置付けられてもよい。図4の「X」は、環境104全体にわたるセンサ112の配置を示す。これらの配置に依存して、一部のセンサ112は、視野内の複数のワークステーション106を監視するように位置付けられてもよく、他のセンサは、1つのワークステーション106のみを監視するように位置付けられてもよく、さらに他のセンサは、視野内にワークステーション106を有さなくてもよい。
【0035】
コントローラ102は、1つ以上のセンサ112の各々に対する期待センサ挙動モデル114を受けるように構成されてもよい。期待センサ挙動モデル114は、k個の占有ワークステーション106がセンサ112の視野内にある場合の各センサ112の期待挙動(expected behavior)を表す。1つ以上のセンサ112の各々に対する期待センサ挙動モデル114は、センサマイナーモーション確率分布136、センサミディアムモーション確率分布138、及びセンサメジャーモーション確率分布140のうちの少なくとも1つを含んでもよい。環境104及びレイアウト120に依存して、システムは、センサマイナーモーション確率分布136、センサミディアムモーション確率分布138、及びセンサメジャーモーション確率分布140のうちの1つ、2つ、又は3つすべての任意の適切な組み合わせを使用してもよい。例示的な期待確率分布が、図6に示されている。一例として、マイナーモーション確率分布136は、ベータ分布B(a,b)を使用して以下の式で表されてもよい。
ここで、ベータ分布は、
であり、Γ()は、標準ガンマ関数である。ベータ分布は、分布の変化するピーク及びテールを柔軟に捉えることができるため、モーションカウントの確率分布をモデル化するために利用される。パラメータa及びbは、ベータ分布の形状を制御し、分布のピーク及びテールは、a及びbを変更することによって適応されることができる。Γ(a)は、以下のように定義されてもよい。
パラメータa及びbは、観察された分布パターンに適合する(conform to)ようにシステム100によって選択又は学習されてもよい。例えば、システムは、センサ112がその視野内に2人の個人を有する場合、1つのマイナーモーションを検出する確率は0.10であり、5つのマイナーモーションを検出する確率は0.06であり、10のマイナーモーションを検出する確率は0.03であり、15のマイナーモーションを検出する確率は0.01であると知ることができる。システム100は、分布
がこの観察された確率に整合する(align)するようにパラメータa及びbを推定してもよい。
【0036】
図6に示されるように、期待カウントは、センサ112の視野内の占有ワークステーション106の数に応じて増加する。期待センサ挙動モデル114は、環境104又は類似の環境から以前に収集されたデータに基づいて生成されてもよい。
【0037】
さらなる例では、期待挙動センサモデル114はさらに、各ワークステーション106における個人の期待される向きを組み込んでもよい。センサ112によって収集されるデータは、人体の前部が背部よりも多くの熱を放出することに起因して、監視される個人の向きによって影響を受ける可能性がある。個人の向きの影響は、レイアウト120に組み込まれ、センサマイナーモーション確率分布136、センサミディアムモーション確率分布138、及びセンサメジャーモーション確率分布140の修正をもたらしてもよい。一例として、向きを考慮したマイナーモーション確率分布136は、以下のように表されてもよい。
【0038】
コントローラ102はさらに、1つ以上のセンサ112の各々に対する調整センサ挙動モデル116を生成するように構成されてもよい。調整センサ挙動モデル116は、1つ以上のセンサ112の各々に対する期待センサ挙動モデル114及び1つ以上のセンサ112の各々に対する環境調整モデル118に基づいて生成されてもよい。環境調整モデル118は、センサ112によって捕捉される情報への、任意のバリア108を含む、環境104の影響を表す。PIRセンサの例では、センサによって捕捉される赤外線信号は、任意の透明なバリア108のアクリルガラス又はPLEXIGLASSによって部分的に吸収され、センサ112によって捕捉される信号の強度を低下させることになる。システム100は、相応に期待センサ挙動モデル114を修正することによってこの影響を補正するために環境調整モデル118を使用する。代替例では、環境調整挙動モデル118は、(1)環境の通常の使用中にセンサ112によって捕捉される観察挙動データセット128を修正する、又は(2)赤外線吸収を補償するためにセンサ112の設定を較正することによって赤外線吸収を補償するために使用されてもよい。
【0039】
一例によれば、コントローラ102は、(1)1つ以上のセンサ112を介して、環境104が占有されていない場合に環境挙動データセット142を捕捉する、及び(2)環境挙動データセット142及び1つ以上のセンサ112の各々に対する期待挙動モデル114に基づいて1つ以上のセンサ112の各々に対する環境調整モデル118を算出することによって環境調整挙動モデル118を決定するように構成されてもよい。オープンオフィスの例では、センサ112は、勤務時間後に環境挙動データ142を捕捉するように構成されてもよい。環境挙動データ142は、バリア108が設置されているデータのサブセットと、バリア108が設置されていないデータのサブセットとを含んでもよい。このようにして、システム100は、バリア108がセンサ112によって検出される赤外線放射にどのように影響を与えるかを学習し、これらの影響について期待センサ挙動モデル114を較正するために環境調整モデル118を構成することができる。代替例では、コントローラ102は、環境調整モデル118を、メモリ250から、又は中央監視局等の外部ソースから取得してもよい。
【0040】
コントローラ102はさらに、環境104のレイアウト120を受けるように構成されてもよい。上述したように、例示的なレイアウトが図4に示されている。レイアウト120は、複数のワークステーションロケーション122及び1つ以上のセンサロケーション124を含んでもよい。レイアウト120は、環境104の天井の高さ、又はセンサ112の高さに関するデータも含んでもよい。各ワークステーションロケーション122は、占有又は非占有の占有状態132を有してもよい。図4のレイアウト120は、占有ワークステーションを円で指定し、センサロケーションを「X」で指定している。図4に示されるように、ワークステーション106は、適切なソーシャルディスタンスを可能にするために、占有/非占有を交互にするように配置される。図4に見られるように、センサロケーション124のいくつかは、占有ワークステーションの1つ以上に近接し、他のセンサロケーション122は近接していない。
【0041】
一例では、システム100は、占有ワークステーションに近接するセンサロケーション122に対応する「アクティブ(active)」センサ112のサブセット、及び、占有ワークステーションから遠位のセンサロケーション122に対応する「インアクティブ(inactive)」センサ112の関連サブセットを作成してもよい。一例によれば、「アクティブ」であるか「インアクティブ」であるかにかかわらず、すべてのセンサ112は、同じレートでデータを捕捉及び送信する。ある稀な例では、システム100は、システム100のデータ及び電力リソースを節約するために、その後のデータ捕捉(subsequent data capturing)中に「インアクティブ」センサ112を非アクティブにし(deactivate)てもよい。
【0042】
コントローラ102はさらに、期待レイアウト挙動モデル126を生成するように構成されてもよい。期待レイアウト挙動モデル126は、レイアウト120及び調整センサ挙動モデル116に基づいて生成されてもよい。したがって、期待レイアウト挙動モデル126は、レイアウト120に描かれるようなセンサロケーション124、ワークステーションロケーション122、及びワークステーション占有状態132について、バリア108について調整される、センサ112によって生成されると予想されるモーションカウントを表す。
【0043】
例えば、レイアウト120によれば、センサロケーション124にあるセンサ112は、その視野内に3つのワークステーションロケーション122を有する可能性がある。しかしながら、さらにレイアウト120によれば、これらのワークステーションロケーション122のうちの1つだけが、適切なソーシャルディスタンスを実践する際に占有される可能性がある。したがって、期待レイアウト挙動モデル126は、1つのワークステーションロケーション122が占有されていることに対応するマイナー、ミディアム、及びメジャーモーションカウントを予想することになる。3つのワークステーションロケーション122のすべてが占有される場合、センサによって捕捉されるモーションカウントは、期待レイアウト挙動モデル126と著しく異なることになり、システムは、環境104のソーシャルディスタンスポリシーが違反されたと決定する。
【0044】
期待レイアウト挙動モデル126は、レイアウトマイナーモーション確率分布144、レイアウトミディアムモーション確率分布146、及びレイアウトメジャーモーション確率分布148を含んでもよい。期待レイアウト挙動モデル126によって利用される確率分布は、期待センサ挙動モデル114の関連分布に対応してもよい。例えば、システム100がセンサメジャーモーション確率分布140のみを利用する場合、期待レイアウト挙動モデル126は、対応するレイアウトメジャーモーション確率分布148のみを含んでもよい。
【0045】
期待レイアウト挙動モデル126の例示的な確率分布が図7に示されている。図7の確率分布は、レイアウト120によって記述されるソーシャルディスタンスを置いた環境104内のすべてのアクティブにされたセンサ112の中での合計マイナー、ミディアム、及びメジャーモーションカウントの確率を表し、期待センサ挙動モデル114の確率分布(センサマイナーモーション確率分布136、センサミディアムモーション確率分布138、及びセンサメジャーモーション確率分布140)、環境104の特性、並びに、ワークステーションロケーション122及びセンサロケーション124のレイアウト120から導出される。以下で述べられるように、これらの確率分布からの逸脱は、提供されたレイアウト120にもかかわらず、環境内の個人が適切にソーシャルディスタンスを取っていないことを示し得る。さらに、極端な逸脱は、提供されたレイアウト120に適合し損ねている環境104を示す可能性がある。例えば、適合し損ねていること(failure to conform)は、非占有と指定されたワークステーションロケーション122を個人が占有することを許可している可能性がある。
【0046】
さらなる例では、期待レイアウト挙動モデル126は、各個々のセンサ112の期待モーションカウントのベクトルモデル(vector model of expected motion counts)であってもよい。この例では、期待レイアウト挙動モデル126は、各センサ112に対する期待マイナー、ミディアム、及びメジャーモーションカウントを含んでもよい。このベクトルモデルは、センサの期待挙動のより正確な表現であろうが、このモデルを生成し、これをソーシャルディスタンス状態を決定するために利用することは、上述したような、各センサ112のモーションカウント確率を単に合計するモデルよりも著しく大きな計算資源を必要とするであろう。
【0047】
一例では、期待レイアウト挙動モデル126は、異なるワークステーション106の占有状態132の構成に対応する複数の異なるレイアウト120に基づいてもよい。複数の適切にソーシャルディスタンスを置いたレイアウト120を期待レイアウト挙動モデル126に組み込むことは、システム100が、ワークステーション106の占有状態132のいくつかの異なる組み合わせでソーシャルディスタンスについて環境104を同時に評価することを可能にする。
【0048】
コントローラ102はさらに、1つ以上のセンサ112を介して、測定期間130中に観察挙動データセット128を捕捉するように構成されてもよい。観察挙動データセット128は、オープンオフィスの通常の業務時間中等、環境104の通常の使用中に捕捉されるべきである。観察挙動データセット128は、観察マイナーモーションカウント150、観察ミディアムモーションカウント152、及び観察メジャーモーションカウント154を含んでもよい。各モーションカウント150、152、154は、アクティブにされたセンサ112すべてのモーションカウントの合計であってよい。
【0049】
一例によれば、測定期間130は、5分であってもよい。代替例では、測定期間130は、2時間であってもよい。ほとんどの例において、より長い測定期間130は、より高い精度に対応するであろう。測定期間130は、環境104の代表的な占有期間中に観察挙動データセット128を捕捉するのに十分な長さであるべきである。モーションカウントは、リアルタイム監視には理想的でない比較的粗い信号である。わずか数秒の測定期間130は、期待レイアウト挙動モデル126の確率分布と比較するのに必要なモーションを捕捉する可能性は低いであろう。代替例では、PIRセンサ112のアナログ応答が、システム100がリアルタイムでソーシャルディスタンスを評価することを可能にするために使用されてもよい。
【0050】
センサ112が観察挙動データセット128を補足すると、コントローラ102はさらに、環境内104の個人のソーシャルディスタンス状態134を距離が取られている又は距離が取られていないと決定するように構成されてもよい。ソーシャルディスタンス状態134を決定することは、観察挙動データセット128及び期待レイアウト挙動モデル126に基づいてもよい。したがって、期待レイアウト挙動モデル126からの観察挙動データセット128の著しい逸脱は、ソーシャルディスタンス状態134を距離が取られていないと決定する結果をもたらしてもよい。
【0051】
一例によれば、ソーシャルディスタンス状態134は、(1)仮説検定156を介して、観察挙動データセット128及び期待レイアウト挙動モデル126に基づいてソーシャルディスタンスp値158を算出する、(2)ソーシャルディスタンスp値158がソーシャルディスタンス閾値160以下である場合、ソーシャルディスタンス状態134を距離が取られているに割り当てる、及び、(3)ソーシャルディスタンスp値158がソーシャルディスタンス閾値160よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態134を距離が取られていないに割り当てることによって決定されてもよい。
【0052】
一例によれば、コントローラ102はさらに、環境104のソーシャルディスタンス状態134が距離が取られていないである場合、警告信号162を送信するように構成されてもよい。例えば、警告信号162は、中央監視局によって受信され、ソーシャルディスタンスを強制するためにスーパーバイザに環境104を調査させてもよい。同様に、警告信号162は、適切なソーシャルディスタンスが行われていないことを環境104内の個人に知らせるためにワークステーション106によって受信されてもよい。さらなる例では、照明器具110の1つ以上が、警告信号162を受信し、アラートモード166に入ってもよく、アラートモードにおいて、色の変更又はライトの点滅が、環境104の個人に、ソーシャルディスタンスプロトコルが守られていないことを警告してもよい。
【0053】
さらなる例では、システム100は、畜舎又は市場等の環境104における人及び/又は動物のソーシャルディスタンスを監視するために使用されてもよい。動物から動物、又は動物から人間への感染症のまん延に関する憶測(speculation)に起因して、承認されたレイアウト120を含む同様のソーシャルディスタンスプラクティスが、畜舎又は市場において実施されてもよい。
【0054】
別の態様において、1つ以上のバリアによって隔てられる複数のワークステーションを有する環境における個人のソーシャルディスタンスを監視するための方法500が提供される。方法500は、環境内の1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを介して、1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデルを受けること502を含んでもよい。
【0055】
さらなる例では、環境104は、パンデミックリスクが高い時にのみバリア108を備えてもよい。ウイルスリスクが低いと考えられる場合、バリア108は除去されてもよい。システム100は、バリア108の除去を検出する及び環境調整モデル118を(低減又は除去による等)修正するために使用されてもよい。
【0056】
方法500はさらに、1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデル及び1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルに基づいて1つ以上のセンサの各々に対する調整挙動モデルを生成すること504を含んでもよい。方法500はさらに、環境のレイアウトを受けること506であって、レイアウトは、複数のワークステーション及び1つ以上のセンサを含み、各ワークステーションは、占有又は非占有の占有状態を有する、ことを含んでもよい。方法500はさらに、レイアウト及び調整挙動モデルに基づいて期待レイアウト挙動モデルを生成すること508を含んでもよい。方法はさらに、1つ以上のセンサを介して、測定期間中に観察挙動データセットを捕捉すること510を含んでもよい。方法はさらに、観察挙動データセット及び期待レイアウト挙動モデルに基づいて環境内の個人のソーシャルディスタンス状態を距離が取られている又は距離が取られていないと決定すること512を含んでもよい。
【0057】
一例によれば、方法500はさらに、1つ以上のセンサを介して、環境が占有されていない場合に環境挙動データセットを捕捉すること514を含んでもよい。方法500はさらに、環境挙動データセット及び1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデルに基づいて1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルを算出すること516を含んでもよい。
【0058】
一例によれば、ソーシャルディスタンス状態を決定すること512は、仮説検定を介して、観察挙動データセット及び期待レイアウト挙動モデルに基づいてソーシャルディスタンスp値を算出すること518を含んでもよい。ソーシャルディスタンス状態を決定すること512はさらに、ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値以下である場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られているに割り当てること520を含んでもよい。ソーシャルディスタンス状態を決定すること512は、ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られていないに割り当てること522を含んでもよい。
【0059】
本明細書で定義及び使用されるような、全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文書中での定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配するように理解されるべきである。
【0060】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0061】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。
【0062】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。
【0063】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。
【0064】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0065】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、それぞれ、クローズド(closed)又は半クローズド(semi-closed)移行句である。
【0066】
述べられた主題の上述の例は、多数のやり方のいずれかで実施されることができる。例えば、いくつかの態様は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを使用して実装されてもよい。いずれかの態様が少なくとも部分的にソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のデバイス若しくはコンピュータに提供されるか、又は複数のデバイス/コンピュータ間で分散されるかにかかわらず、任意の適切なプロセッサ又はプロセッサの集合で実行されることができる。
【0067】
本開示は、任意の可能な技術的に詳細なレベルの統合でシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラムプロダクトとして実装されてもよい。コンピュータプログラムプロダクトは、本開示の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又はメディア)を含んでもよい。
【0068】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持及び記憶することができる有形デバイスであることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は上述の任意の好適な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストには、以下のものが含まれる:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュ(Flash)メモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピー(登録商標)ディスク、命令が記録されているパンチカード又は溝内で隆起した構造物等の機械的に符号化されたデバイス、及び上述の好適な組み合わせ。本明細書で使用される、コンピュータ可読記憶媒体は、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波路又は他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号等、一過性の信号そのものであると解釈されない。
【0069】
本明細書で述べられるコンピュータ可読プログラム命令は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又はワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータ若しくは外部記憶デバイスに、又は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスにダウンロードされることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでもよい。各計算/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれの計算/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体における記憶のためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0070】
本開示の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は、Smalltalk(登録商標)、C++等の物体指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語等の手続き型プログラミング言語、若しくは類似のプログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されるソースコード若しくは物体コードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上且つ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を含めた任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、この接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)実施されてもよい。いくつかの例では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む、電子回路は、本開示の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路を個別化することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0071】
本開示の態様は、本開示の例による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書で述べられている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装されることができることが理解されるであろう。
【0072】
コンピュータ可読プログラム命令は、マシンを製造するために、特別な目的のコンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する、命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為を実施するための手段を生成する。また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに特定のやり方で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、これにより、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為の態様を実施する命令を含む製造物品を含んでもよい。
【0073】
また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ実施プロセスを作り出すために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてもよく、これにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為を実施してもよい。
【0074】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な例によるシステム、方法、及びコンピュータプログラムプロダクトの可能な実装のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定されている論理関数を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、又は部分を表してもよい。一部の代替的な実装形態では、ブロックに記されている機能は、それらの図に記されている順序と異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、それらのブロックは、関与している機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定されている機能若しくは行為を実行する又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのシステムよって実施されることができる点にも留意されたい。
【0075】
他の実装形態は、以下の請求項、及び本出願人が権利を有し得る他の請求項の範囲内にある。
【0076】
種々の例が、本明細書で述べられ、図示されてきたが、当業者は、本明細書で述べられる機能を実行するための、並びに/又は、その結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に構想することとなり、このような変形態様及び/又は修正態様の各々は、本明細書で述べられる例の範囲内にあるものと見なされる。より一般的には、本明細書で述べられるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることが意図され、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、教示が使用される特定の1つ以上のアプリケーションに依存することを、当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書で述べられる特定の例に対する多くの等価物を認識し、又は確認することが可能であろう。それゆえ、上述の例は、例としてのみ提示されており、添付の請求項及びその等価物の範囲内で、具体的に述べられ、特許請求されるもの以外の例が実践されてもよいことを理解されたい。本開示の例は、本明細書で述べられる各々の個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のバリアによって隔てられる複数のワークステーションを有する環境における個人のソーシャルディスタンスを監視するためのシステムであって、当該システムは、前記環境内の1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを含み、前記コントローラは、
前記1つ以上のセンサの各々に対する期待センサ挙動モデルを受け、前記期待センサ挙動モデルは、前記複数のワークステーションの1つ以上が前記1つ以上のセンサの視野内にある場合の前記1つ以上のセンサの各々の期待挙動を表す、
前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待センサ挙動モデル及び前記1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する調整センサ挙動モデルを生成し、前記環境調整モデルは、前記1つ以上のセンサの各々によって捕捉される情報への前記環境の影響を表す、
前記環境のレイアウトを受け、前記レイアウトは、複数のワークステーションロケーション及び1つ以上のセンサロケーションを含み、各ワークステーションロケーションは、占有又は非占有の占有状態を有する、
前記レイアウト及び前記調整センサ挙動モデルに基づいて期待レイアウト挙動モデルを生成する、
前記1つ以上のセンサを介して、測定期間中に観察挙動データセットを捕捉する、及び
前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいて前記環境内の個人のソーシャルディスタンス状態を距離が取られている又は距離が取られていないと決定する、
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待センサ挙動モデルは、センサマイナーモーション確率分布、センサミディアムモーション確率分布、及びセンサメジャーモーション確率分布を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記1つ以上のセンサを介して、前記環境が占有されていない場合に環境挙動データセットを捕捉する、及び
前記環境挙動データセット及び前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待挙動モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する前記環境調整モデルを算出する、
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記期待レイアウト挙動モデルは、レイアウトマイナーモーション確率分布、レイアウトミディアムモーション確率分布、及びレイアウトメジャーモーション確率分布を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記観察挙動データセットは、観察マイナーモーションカウント、観察ミディアムモーションカウント、及び観察メジャーモーションカウントを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ソーシャルディスタンス状態を決定することは、
仮説検定を介して、前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいてソーシャルディスタンスp値を算出することと、
前記ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値以下である場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られているに割り当てることと、
前記ソーシャルディスタンスp値が前記ソーシャルディスタンス閾値よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られていないに割り当てることと、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記バリアは、アクリルガラスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の照明器具に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
1つ以上の照明器具が、前記複数のワークステーションの上方に位置付けられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記測定期間は、約5分である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の受動赤外線センサ、1つ以上の単一ピクセルサーモパイルセンサ、1つ以上のマルチピクセルサーモパイルセンサ、及び/又は1つ以上のマイクロ波レーダセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記環境のソーシャルディスタンス状態が距離が取られていないである場合、警告信号を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
1つ以上のバリアによって隔てられる複数のワークステーションを有する環境における個人のソーシャルディスタンスを監視するための方法であって、当該方法は、
前記環境内の1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを介して、前記1つ以上のセンサの各々に対する期待挙動モデルを受けることであって、前記期待挙動モデルは、前記複数のワークステーションの1つ以上が前記1つ以上のセンサの視野内にある場合の前記1つ以上のセンサの各々の期待挙動を表す、ことと、
前記コントローラを介して、前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待挙動モデル及び前記1つ以上のセンサの各々に対する環境調整モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する調整挙動モデルを生成することであって、前記環境調整モデルは、前記1つ以上のセンサの各々によって捕捉される情報への前記環境の影響を表す、ことと、
前記コントローラを介して、前記環境のレイアウトを受けることであって、前記レイアウトは、複数のワークステーションロケーション及び1つ以上のセンサロケーションを含み、各ワークステーションロケーションは、占有又は非占有の占有状態を有する、ことと、
前記コントローラを介して、前記レイアウト及び前記調整挙動モデルに基づいて期待レイアウト挙動モデルを生成することと、
前記1つ以上のセンサを介して、測定期間中に観察挙動データセットを捕捉することと、
前記コントローラを介して、前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいて前記環境内の個人のソーシャルディスタンス状態を距離が取られている又は距離が取られていないと決定することと、
を含む、方法。
【請求項14】
当該方法は、
前記1つ以上のセンサを介して、前記環境が占有されていない場合に環境挙動データセットを捕捉することと、
前記環境挙動データセット及び前記1つ以上のセンサの各々に対する前記期待挙動モデルに基づいて前記1つ以上のセンサの各々に対する前記環境調整モデルを算出することと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ソーシャルディスタンス状態を決定することは、
仮説検定を介して、前記観察挙動データセット及び前記期待レイアウト挙動モデルに基づいてソーシャルディスタンスp値を算出することと、
前記ソーシャルディスタンスp値がソーシャルディスタンス閾値以下である場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られているに割り当てることと、
前記ソーシャルディスタンスp値が前記ソーシャルディスタンス閾値よりも大きい場合、ソーシャルディスタンス状態を距離が取られていないに割り当てることと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】