(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A41D13/11 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527984
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2021015693
(87)【国際公開番号】W WO2022124577
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0170559
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0002262
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523165628
【氏名又は名称】金 康権
【氏名又は名称原語表記】KIM, Kang Kweon
【住所又は居所原語表記】10518, 5F, 118-31, Chungjang-ro, Deogyang-gu, Goyang-si, Gyeonggi-do, Republic of KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】金 康権
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211CA02
3B211CC06
(57)【要約】
本発明は、マスク本体の内側上部部分に鼻背密着カバーを取り付けることにより、マスクを着用したまま話をしたりあくびをしたりしても、マスクがずれ落ちず鼻背を外れることなく正常な着用状態を維持することができ、呼吸時の呼気により眼鏡に曇りが発生する現象を防止し、マスク着用時にマスク本体の両側面が着用者の頬から浮くことなく密着される、ずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスクを提供する。
【代表図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の口と鼻とを覆い、上端部にノーズワイヤ(nose wire)が埋め込まれた矩形状のマスク本体と、マスク本体の両側面にそれぞれ取り付けられて着用時にマスク本体が顔面から離脱することを防止するためのイヤーバンドと、を備えて構成されたデンタルマスクにおいて、
前記デンタルマスクは、上端と両側面がマスク本体の内側上部部分に融着されて取り付けられた鼻背密着カバーが備えられて構成され、
前記鼻背密着カバーの上端は、マスク本体におけるノーズワイヤが埋め込まれる部分よりも下部に位置し、
マスク着用時に鼻背密着カバーの下部をマスク本体から分離して鼻背密着カバーが着用者の鼻背に密着されながら引っかかるようにして着用することを特徴とするずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスク。
【請求項2】
前記鼻背密着カバーの両側面において、上端部分は、マスク本体と融着された融着部であり、両側面において、融着部の下部は、マスク本体と分離された非融着部であることを特徴とする請求項1に記載のずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスク。
【請求項3】
前記鼻背密着カバーの上下方向の高さは、マスク本体の上下方向の高さの1/2~1/3で形成されることを特徴とする請求項1に記載のずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンタルマスクに関し、より詳しくは、デンタルマスクを着用して話をしていてもマスクがずれ落ちないので鼻背を外れず、眼鏡の曇りを防止し、マスク本体の両側面が頬に密着されて漏れが防止される、ずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
マスクは、一般的に外の冷たい空気を遮断し、病菌、埃などの吸入と飛沫遮断のために鼻と口とを覆うもので、布地などを用いて作製する防寒用マスクから各種フィルターを結合させて微細な粉塵まで遮断できる産業用マスクや防塵マスクまで様々なタイプの製品が用途に応じて販売されている。重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)に続き、最近の新型コロナウイルス感染症(Corona Virus 19)の拡散に因り、世界保健機関(WHO)でパンデミック(Pandemic)を宣言するに至った。マスクへの関心が高まることはもちろん、マスク着用が日常化しつつ外出時にはマスクが必需品となった。
【0003】
マスクは、鼻と口とが覆われるように正常に着用したときには、その効果があるが、鼻と口とを両方覆うと息苦しいので鼻を覆わない状態で着用するか、または鼻と口とのを両方覆わず顎に掛けて着用する人も一部には見受けられる。特に、最近では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡散に因り、政府では外出時にマスク着用を義務化する行政措置を施行しているが、多衆利用施設や公共交通機関又は公共の場所などでマスクを正常に着用していないため、是非が問われることも頻繁に発生している。ところが、マスク着用時に最も多く経験する問題は、マスクを正常に着用していても、話をするとマスクがずれ落ちて、鼻背を外れて鼻が覆われなくなるので、話をしながら手でマスク本体の上部を取って引き上げて、マスクが鼻を覆うようにする動作を繰り返すという問題があり、このとき手でマスク本体を取って引き上げるため、手にウイルスが付いて感染の原因になるという深刻な問題がある。
【0004】
また、マスクを着用したときに眼鏡をかけた人々にとって最も不便なことは、マスクを着用したまま会話をしなくても呼吸時の呼気に因って眼鏡が曇り視界を塞ぐと、非常に不便なだけでなく前方を注視しなければならない状況では、眼鏡を外さなければならないことが頻繁に発生するという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、韓国特許登録第1418787号「着用が容易でずれ落ちを防止するマスク」及び韓国特許登録第1651728号「締付手段が設けられたマスク」などが出願されているが、これらはマスク着用紐が頭を包むように構成されているので、使い捨てマスクに適用することには困難であるという問題がある。
【0006】
一方、保健用マスクのうち3Dマスクは、ドーム状に形成されるマスク本体の上部に、鼻背に掛けられてマスクが下にずれ落ちないように支持する鼻背密着カバーと顎を覆う顎カバーとが別個に形成されており、2Dマスクはマスク形状の中央上端が鼻背に引っかかるようにする構造なので、マスクを着用して話をしていてもマスクのずれ落ちは割と少ない方だった。
【0007】
しかし、デンタルマスクやサージカルマスクは、マスク本体が矩形状でマスク本体の上端部にノーズワイヤ(nose wire)を埋め込んだ構造であるので、マスクを着用して話をすると顔の動きにより、マスクのずれ落ちが発生するという問題がある。また、マスク本体の構造的な問題に因り、マスク本体が鼻背の両側の屈曲部位の隙間を塞げないので、呼吸時の呼気によって眼鏡の曇り現象がひどくなるという問題があり、マスク着用時に矩形状のマスク本体の両側面が着用者の頬に密着せずに浮くので、浮いた隙間により呼気の漏れ及び各種ウイルスや埃などが侵入するという深刻な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、マスク本体の内側上部部分に鼻背密着カバーを取り付けることにより、マスクを着用したまま話をしたりあくびをしたりしても、マスクがずれ落ちないので鼻背を外れることなく正常な着用状態を維持し、呼吸時の呼気によって眼鏡が曇る現象を防止し、マスク着用時にマスク本体の両側面が着用者の頬から浮くことなく密着される、ずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスクを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るデンタルマスクは、矩形状のマスク本体の内側上部部分に一定の幅を有する鼻背密着カバーを取り付けることにより、マスクを着用したまま話をしていてもマスクがずれ落ちず、眼鏡に曇りが生じる現象を防止し、マスクの着用時にマスク本体の両側面が着用者の頬から浮くことなく密着されるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るデンタルマスクは、矩形状に作製されたマスク本体の内側上端部分に一定の幅を有する鼻背密着カバーの上端及び両側面をマスク本体に融着させて付けた構造であるため、マスクを着用したときに鼻背密着カバーからマスク本体と融着されていない下端の中央部分が鼻背に引っかかりながら密着されるように着用されるので、マスクを着用したまま話をしたりあくびをしたりしても、マスクが鼻背を外れなくなって、下方にずれ落ちず正常な着用状態を維持する。また、鼻背密着カバーが鼻背と鼻背の両側の屈曲部位に密着されて隙間を塞ぐので、隙間によるウイルスの浸透を遮断するだけでなく、呼吸時の呼気によって眼鏡に曇りが生じる現象を防止する。
【0011】
また、マスクを着用してイヤーバンドが耳に掛けられると、矩形状のマスク本体の側面の上端部と下端部とがイヤーバンドによって外側方向に引っ張られながら、鼻背密着カバーは下端の中央部分が鼻背に密着されて高さが高くなった状態で、マスク本体の両側面を内側方向に引っ張るので、マスク本体の両側面が浮かず着用者の頬に密着される。したがって、鼻背密着カバーが備えられていない一般的なデンタルマスクを着用したとき、マスク本体の両側面が着用者の頬から浮くことになり、漏れや各種ウイルスや埃などが侵入するという問題点を完全に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るデンタルマスクの外側部を示す図である。
【
図2】マスク本体の内側部に取り付けられた鼻背密着カバーの側面全体を融着された実施形態を示す図である。
【
図3a】鼻背密着カバーの両側面において上端部分の一部が融着され、下端部分の一部は非融着された実施形態を示す図である。
【
図3b】鼻背密着カバーの両側面において上端部分の一部が融着され、下端部分の一部は非融着された実施形態を示す図である。
【
図4】鼻背密着カバーをマスク本体から分離した状態を示す図である。
【
図5】本発明に係るデンタルマスクを着用した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0013】
10 デンタルマスク
11 マスク本体
111 皺部
112 ノーズワイヤ
12 鼻背密着カバー
121 融着部
122 非融着部
13 イヤーバンド
【発明の実施のための最善の形態】
【0014】
本発明に係るずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスクは、着用者の口と鼻とを覆い、上端部にノーズワイヤが埋め込まれた矩形状のマスク本体と、マスク本体の両側面にそれぞれ取り付けられて着用時にマスク本体が顔面から離脱することを防止するためのイヤーバンドと、を備えて構成される。前記デンタルマスクは、上端と両側面とがマスク本体の内側上部部分に融着されて取り付けられた鼻背密着カバーが備えられて構成され、鼻背密着カバーの上端はマスク本体におけるノーズワイヤが埋め込まれる部分よりも下部に位置し、マスク着用時に鼻背密着カバーの下部をマスク本体から分離して鼻背密着カバーが着用者の鼻背に密着されながら引っかかるようにして着用することを特徴とする。
【0015】
好ましくは、鼻背密着カバーの両側面において、上端部分はマスク本体と融着された融着部であり、両側面において、融着部の下部は、マスク本体から分離された非融着部で構成される。
【0016】
好ましくは、鼻背密着カバーの上下方向の高さは、マスク本体の上下方向の高さの1/2~1/3サイズで形成される。
【発明の実施のための形態】
【0017】
本発明に係る鼻背密着カバー12が取り付けられたマスクは、マスク本体11が矩形状に形成されたデンタルマスク及び医師や看護師など医療従事者が主に使用するサージカルマスク(surgical mask)に適用され、マスク本体の上部に鼻背に掛けられる鼻背密着カバーが備えられ、下部には顎カバーが別途に形成された3Dマスクと、マスク本体が折られながら、折られた部分の上端部が自然に鼻背に引っかかる2Dマスクには適用されない。本明細書において「デンタルマスク」と記載したものは、デンタルマスクはもちろんサージカルマスクも含むことを予め明らかしておく。
【0018】
デンタルマスク10は、着用者の口と鼻とを覆う矩形状のマスク本体11と、マスク本体11の両側面にそれぞれ取り付けられ、着用時にマスク本体が顔面から離脱することを防止するためのイヤーバンド13と、を備えて構成され、マスク本体11の矩形状において、上端部の中央部分には着用時に鼻背形状に折って着用するノーズワイヤ(nose wire、112)が埋め込まれており、矩形状の縁部に沿って融着されて作製され、マスク本体11には、マスク着用時に顔面形状に応じて折り畳まれた部分が広がって面積が大きくなるように2段又は3段の皺構造で形成された皺部111が形成されているのがデンタルマスクの一般的な構造である。
【0019】
本発明に係るデンタルマスク10の最も特徴的な構成は、鼻背密着カバー12であるが、鼻背密着カバー12は、マスク本体11の内側部の上端部分に位置するように構成され、鼻背密着カバー12は、両側面と上端とがマスク本体11に融着されて取り付けられる(
図2参照)。融着させるということは、2つの部材を結合させるためのものであるので、縫製して結合させることも融着の意味に含まれるものとする。
【0020】
鼻背密着カバー12は、一定の幅(「幅」は上下方向の高さをいう)を有する矩形又は台形などのような四角形状であるが、必ずしも四角形状である必要はなく、四角形状の両側面の下端部分を斜線形状、円弧のようなラウンド形状など様々な形状にしてもよく、鼻背密着カバー12の下部もラウンド形状に形成してもよく、鼻背密着カバー12の下部中央部分を一定の長さだけ垂直に切開したり、又は三角形状に切開して形成するなど、様々な形態で形成してもよい(
図3a、3b参照)。鼻背密着カバー12の下部中央部分を一定の長さだけ切開させたり、三角形状に切開させたりしておくと、切開された部分又は三角形状に切開された部分が鼻背に密着されて引っかかりながら、鼻背密着カバー12が鼻背周囲の屈曲部位にさらに密着されるようになるので、曇りや漏れ防止にも大きな効果を奏でる。
【0021】
ノーズワイヤ112は、マスクを着用するときにワイヤを鼻背状に折って鼻背形状を形成してマスク本体の形状を整えるための構成であるが、本発明では鼻背密着カバー12が鼻背に密着されながら鼻背に引っかかるので、ノーズワイヤ112がその役割を果たせる特別な機能がないことから、必ずしもノーズワイヤを備えなければならないわけではない。矯正施設に収監された受刑者にノーズワイヤが凶器として悪用されることもあるが、本発明に係るデンタルマスクはノーズワイヤが必ず備えられる必要はなく、構造上2Dマスク及び3Dマスクよりも経済性に優れているため、矯正施設での使用には最適のマスクである。
【0022】
鼻背密着カバー12の下部はマスク本体11と融着せずに分離されているため、マスク着用時にノーズワイヤ112を鼻背形状に折り、鼻背密着カバー12の下部をマスク本体11から分離すると、鼻背密着カバー12とマスク本体11の内側面との間にスペースが形成される。スペースが形成された部分の鼻背密着カバー12を鼻背に載せたままデンタルマスク10を着用すればよい(
図4参照)。
【0023】
鼻背密着カバー12の上端をマスク本体11と融着させるときに、鼻背密着カバー12の上端がマスク本体11においてノーズワイヤ112が埋め込まれた部分の下部に位置するように融着されることが好ましいが、鼻背密着カバー12がマスク本体11においてノーズワイヤ112が埋め込まれた部分の下部に位置するので、鼻背密着カバー12がノーズワイヤ112の干渉を受けることなく鼻背に密着されることができる。また、鼻背密着カバー12の両側面がマスク本体11と融着されているため、鼻背密着カバー12の両側面から鼻背密着カバー12がずれ落ちないように整える役割を果たす。また、鼻背密着カバー12の上端がノーズワイヤ112よりも下部に融着されているため、マスク本体11を手で取って下に引っ張ってもマスク本体11のみ下に若干下がり、鼻背密着カバー12は、鼻背に密着された状態をそのまま維持することができる。
【0024】
仮に、鼻背密着カバー12をマスク本体11におけるノーズワイヤ112が埋め込まれた部分の上部に融着させると、マスクを着用したときに鼻背密着カバー12が鼻背に密着される密着力が弱くなるだけでなく、ノーズワイヤ112が鼻背に触れなくなり、皺部111が完全に広がらず、また鼻背密着カバー12がマスク本体11の上部で膨らんでしまうので、美観も良好でなく、膨らんだ部分が視野を妨げる可能性もあって、マスク着用が不便になる。
【0025】
鼻背密着カバー12にはノーズワイヤが埋め込まれていないため、鼻背密着カバー12が柔軟で鼻背に密着されることができ、鼻背の両側の屈曲部位に生じた隙間を完全に塞ぐので、隙間によるウイルスの浸透を遮断するだけでなく、マスクを着用して話をしたり呼吸時の呼気によって眼鏡に曇りが発生したりすることを防止できる。また、鼻背密着カバー12の両側面がマスク本体11と融着された状態であるため、マスクを着用してイヤーバンド13が耳に掛けられると、矩形状のマスク本体11側面の上端と下端とがイヤーバンド13によって側方向に引っ張られ、鼻背密着カバー12は、下端の中央部分が鼻背に掛けられながら高くなった状態で鼻背密着カバー12の両側の融着された部分であるため、マスク本体11が内側方向に引っ張られるようになり、鼻背密着カバー12がずれ落ちることなくマスク本体11の両側面が浮かず着用者の頬に密着される。したがって、一般的なデンタルマスクを着用するときに、マスク本体の両側面が着用者の頬から浮くという問題点を完全に解決することができる。
【0026】
しかし、3Dマスクの場合には、ドーム状に形成されたマスク本体の上部に、別の構成で鼻背密着カバーを形成し、鼻背密着カバーにノーズワイヤが埋め込まれているため、マスクを着用するときにノーズワイヤを鼻背形状に折って着用すると、最初は鼻背の両側の屈曲部位の隙間を塞いでは、少し時間が経過したらノーズワイヤが弾性によって広がりながら、鼻背の両側の屈曲部位の隙間を塞げなくなるので、隙間によるウイルスの浸透はもちろん曇り現象を防ぐことができなくなるという問題がある。2Dマスクの場合にもマスク本体の上端部にノーズワイヤが埋め込まれていて、3Dマスクの場合と同様の問題が発生する。しかし、本発明に係る鼻背密着カバー12は、ノーズワイヤが埋め込まれておらず、柔軟であるため、着用者の顔面や鼻の大きさに関係なく鼻背に密着され、2Dマスクと3Dマスクとで発生する上記問題を完全に解決することができる。
【0027】
図2は、鼻背密着カバー12の両側面全体をマスク本体11と融着させた実施形態のものを示すが、
図3a及び
図3bに示す実施形態のもののように、鼻背密着カバー12の両側面全体を融着せずに一部のみを融着してもよい。具体的に説明すると、鼻背密着カバー12の両側面において上端部分は、マスク本体11と融着された融着部121であり、両側面において融着部121の下部は、マスク本体11と融着させていない非融着部122である。
【0028】
マスク着用時に鼻背密着カバー12をマスク本体11から分離すると、鼻背密着カバー12とマスク本体11が融着されていない鼻背密着カバー12の下部と両側面の非融着部122がマスク本体11から分離されながら、鼻背密着カバー12とマスク本体11の内側面との間にスペースが形成されるので、スペースが形成された部分の鼻背密着カバー12を着用者の鼻背に載せて鼻背に密着されながら引っかかるようにして着用する。
【0029】
また、鼻背密着カバー12の両側面において下端部分にマスク本体11と融着されていない非融着部122が形成されているため、鼻が大きい人も着用するのに問題がなく、マスク着用時に顔の大きさや鼻の大きさに関係なく鼻背密着カバー12を鼻背に載せてマスクを着用することも容易であり、マスク本体11の両側面が歪むことなく自然な線を形成しながら着用者の頬に密着されることができる。
【0030】
鼻背密着カバー12は、上下方向の高さをマスク本体11の上下方向の高さの1/2~1/3程度に形成することが最も好ましい。もし、鼻背密着カバー12の上下方向の高さをマスク本体11の上下方向の高さの1/2より大きく形成すると、マスクを着用し難く非常に不便であるだけでなく、マスク着用時にマスク本体11の側面が歪み、1/3以下で小さく形成すると、鼻背密着カバー12が鼻背に引っかかる部分が少なくて鼻背に引っかからなくなり、引っかかるとしても話をしているときに滑ってマスク本体11が鼻背を外れる可能性が多くなる。
【0031】
鼻背密着カバー12は、マスク本体11の作製後に別途取り付けてもよいが、作製時に利便性及びコスト削減のために、鼻背密着カバー12はマスクを製造するときにマスク本体11の一定の部分を折り畳んで皺部111を形成する方法と同様に、マスク本体11の一定の部分を折り畳んで2重に形成することが好ましい。2重に形成されていることから、鼻背密着カバー12が鼻背に密着される密着力が強くなり、マスク本体11が鼻背を外れないように整える力が強くなるだけでなく、鼻背周囲の屈曲部位の隙間を塞いで、曇り現象を防止する機能が向上し、マスク作製も簡単で便利である。
【0032】
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものであり、明細書に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば本発明の技術思想から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に記載された事項によって解釈され、それと同等の範囲内にある技術的事項も本発明の権利範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【産業上利用可能性】
【0033】
本発明に係るデンタルマスクは、矩形状のデンタルマスクの内側上端部に鼻背密着カバーを取り付けた構造であるので、マスク構造が単純ながらもマスクを着用すると鼻背密着カバーが鼻背に完全に密着されるようになり、話をしていてもマスクがずれ落ちないだけでなく、マスク着用時に鼻背周囲の隙間を完全に塞いで眼鏡に曇りが発生する現象を防止し、マスク本体の両側面が着用者の頬に密着されるので、非常に有効に用いられる。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の口と鼻とを覆い、上端部にノーズワイヤ(nose wire)が埋め込まれ
た矩形状のマスク本体と、マスク本体の両側面にそれぞれ取り付けられて着用時にマスク
本体が顔面から離脱することを防止するためのイヤーバンドと、を備えて構成されたデン
タルマスクにおいて、
前記デンタルマスクは、上端と両側面がマスク本体の内側上部部分に融着されて取り付
けられた鼻背密着カバーが備えられて構成され、
前記鼻背密着カバーの上端は、マスク本体におけるノーズワイヤが埋め込まれる部分よ
りも下部に位置し、
マスク着用時に鼻背密着カバーの下部をマスク本体から分離して鼻背密着カバーが着用
者の鼻背に密着されながら引っかかるようにして着用することを特徴とするずれ落ち防止
及び曇り止め機能を有するデンタルマスク。
【請求項2】
前記鼻背密着カバーの両側面において、上端部分は、マスク本体と融着された融着部で
あり、両側面において、融着部の下部は、マスク本体と分離された非融着部であることを
特徴とする請求項1に記載のずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスク。
【請求項3】
前記鼻背密着カバーの上下方向の高さは、マスク本体の上下方向の高さの1/2~1/
3で形成されることを特徴とする請求項1に記載のずれ落ち防止及び曇り止め機能を有す
るデンタルマスク。
【請求項4】
前記マスク本体においてノーズワイヤが取り除かれたことを特徴とする請求項1に記載のずれ落ち防止及び曇り止め機能を有するデンタルマスク。
【国際調査報告】