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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】双方向サイリスタデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/747 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
H01L29/747
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531667
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2021082491
(87)【国際公開番号】W WO2022112169
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】20209815.8
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボベッキー,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ベムラパティ,ウママヘスワラ
【テーマコード(参考)】
5F005
【Fターム(参考)】
5F005AA01
5F005AB01
5F005AD02
5F005AE03
5F005AF02
5F005EA00
(57)【要約】
第1の主面(21)と第2の主面(22)との間に延在する半導体本体(2)を備える双方向サイリスタデバイス(1)が提供され、第1の主電極(31)および第1のゲート電極(41)が第1の主面上に配置され、第2の主電極(32)および第2のゲート電極(42)が第2の主面上に配置される。第1の主電極は、互いに離間した複数の第1のセグメント(310)を備え、第1のセグメントのうちの少なくともいくつかは、第1の主面に向かって見て第1のゲート電極によって完全に囲まれる。第2の主電極は、互いに離間した複数の第2のセグメント(320)を備え、第2のセグメントのうちの少なくともいくつかは、第2の主面に向かって見て第2のゲート電極によって完全に囲まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面(21)と第2の主面(22)との間に延在する半導体本体(2)と、
前記第1の主面(21)上に配置された第1の主電極(31)と、
前記第2の主面(22)上に配置された第2の主電極(32)と、
前記第1の主面(21)上に配置された第1のゲート電極(41)と、
前記第2の主面(22)上に配置された第2のゲート電極(42)と
を備える双方向サイリスタデバイス(1)であって、
前記第1の主電極(31)は、互いに離間した複数の第1のセグメント(310)を備え、前記第1のセグメント(310)のうちの少なくともいくつかは、前記第1の主面(21)に向かって見て前記第1のゲート電極(41)によって完全に囲まれ、
前記第2の主電極(32)は、互いに離間した複数の第2のセグメント(320)を備え、前記第2のセグメント(320)のうちの少なくともいくつかは、前記第2の主面(22)に向かって見て前記第2のゲート電極(42)によって完全に囲まれ、
前記複数の第1のセグメント(310)のうちの1つは、前記少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)を介して第1のサイリスタ機能要素(11)のカソードとして、および少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)を介して第2のサイリスタ機能要素(12)のアノードとして作用する、双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項2】
前記半導体本体(2)は、
第1の導電型の第1のベース層(51)と、
前記第1の導電型の第2のベース層(52)と、
前記第1のベース層(51)と前記第2のベース層(52)との間に配置される、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層(53)と
を備え、
前記第1のセグメント(310)の各々は、前記第2の導電型の前記少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)および前記第1の導電型の前記少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)に隣接する、請求項1に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項3】
前記第1のゲート電極(41)は、前記第1のベース層(51)とオーミックコンタクトを形成する、請求項2に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項4】
前記第2の主電極(32)の前記第2のセグメント(320)の各々は、前記第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域(62)および前記第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域(72)に隣接する、先行する請求項のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項5】
前記第1のゲート電極(41)は、前記第1の主面(21)に向かって見て多角形形状を有する複数の第1のセル(4110)を有する第1のグリッド構造(411)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項6】
前記第1のグリッド構造(411)は、少なくともいくつかの領域においてハニカムパターンを形成する、請求項5に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項7】
前記第1のセル(4110)のうちの少なくとも1つの一辺(4111)の長さ(L1)は、500μm以上5000μm以下である、請求項5または6に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項8】
前記第1のセル(4110)のうちの少なくとも1つの一辺(4111)の幅(W1)は、100μm以上2000μm以下である、請求項5~7のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)の最大横方向範囲(E1)は、50μm以上1000μm以下である、請求項5~8のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項10】
複数の第1のエミッタ短領域(71)が、前記第1のセル(4110)のうちの1つとともに配置される、請求項5~9のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項11】
同じ第1のセル内に配置される少なくとも2つの第1のエミッタ短領域(71)は、前記最大横方向範囲に関して互いに異なる、請求項10に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項12】
同じ第1のセル内の2つのエミッタ短領域(71)間のエッジ間距離(D1)は、200μm以上1000μm以下である、請求項10または11に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項13】
前記第1のグリッド構造と前記第1のグリッド構造(411)に最も近く配置された前記第1のエミッタ短領域(71)との間のエッジ間距離(D2)は、50μm以上400μm以下である、請求項5~12のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項14】
増幅ゲート構造(8)が、前記第1のゲート電極(41)および前記第2のゲート電極(42)の少なくとも一方に統合される、先行する請求項のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項15】
前記第1のゲート電極(41)および前記第2のゲート電極(42)は、同じベース形状を有する、先行する請求項のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
双方向サイリスタデバイスが規定される。
【背景技術】
【0002】
様々な用途では、従来のフレキシブル交流伝送システム(FACTS)のような費用効率の高い逆並列接続サイリスタが必要である。これらは、一般にハイブリッドマルチモジュラコンバータ(MMC)と呼ばれる高電圧直流(HVDC)伝送用の電圧源コンバータ(VSC)に基づく次世代バルブの概念にも有益である。
【0003】
双方向制御サイリスタ(BCT)は、1つのウェハ上の2つの分離された個別にトリガされる領域によって形成される2つのモノリシックに集積された逆並列サイリスタ機能によって得ることができる。しかしながら、プロセスフローは非常に複雑であり、デバイス面積に依存する電気的パラメータは半分になる。例えば、サージ電流は、フルウェハデバイスの半分であり、サイリスタの熱抵抗は、同じサイズのウェハにおける単一サイリスタの熱抵抗の2倍である。
【0004】
国際公開第2019/158594A1号は、いわゆるBiPCT概念を記載しており、デバイスは、両方の逆並列p-n-p-nセクションに対して共通のp-n-p領域を有する。この概念は、短い転流ターンオフ時間を得ることを可能にする。しかしながら、デバイスは、短いターンオン時間および高いdi/dt能力に関して同時に最適化されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、ターンオン時間およびターンオフ時間が短いデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、とりわけ、請求項1に記載の双方向サイリスタデバイスによって達成される。開発および便宜は、さらなる請求項の主題である。
【0007】
少なくとも1つの実施形態によれば、双方向サイリスタデバイスは、第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面との間に延在する半導体本体を備える。第1の主電極および第1のゲート電極が第1の主面上に配置される。第2の主電極および第2のゲート電極が第2の主面上に配置される。第1の主電極は、互いに離間した複数の第1のセグメントを備え、第1のセグメントのうちの少なくともいくつかは、第1の主面に向かって見て第1のゲート電極によって完全に囲まれる。第2の主電極は、互いに離間した複数の第2のセグメントを備え、第2のセグメントのうちの少なくともいくつかは、第2の主面に向かって見て第2のゲート電極によって完全に囲まれる。例えば、1つの第1のセグメントは、少なくとも1つの第1のエミッタ領域を介して第1のサイリスタ機能要素のカソードとして、および少なくとも1つの第1のエミッタ短領域を介して第2のサイリスタ機能要素のアノードとして作用する。
【0008】
双方向サイリスタデバイスの動作中、サイリスタデバイスは、第1および第2のゲート電極を介して2つの対向する電流方向でオンにされ得る。その後、負荷転流によってオフにされることができる。関連する主電極のセグメントを囲むゲート電極は、非常に速くオンになるデバイスを得ることを可能にする。例えば、ゲート電極は、第1および第2の主面全体に分布してもよい。このようにして、ゲート電極とカソードとの間の境界が最大化され、高いdi/dtターンオン能力を有する高速ターンオンを容易にする。
【0009】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体本体は、第1の導電型の第1のベース層と、第1の導電型の第2のベース層と、第1のベース層と第2のベース層との間に配置される、第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層とを備える。例えば、第1の導電型はp型であり、第2の導電型はn型であり、またはその逆である。
【0010】
例えば、第1の主電極の第1のセグメントの各々は、第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域および第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域に隣接する。
【0011】
これに応じて、第2の主電極の第2のセグメントの各々は、第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域および第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域に隣接する。
【0012】
第3のベース層は、横方向、すなわち第1の主面に平行に延びる方向に、完全に非構造化されてもよい。2つの逆並列サイリスタ間の分離領域は、各サイリスタが全ウェハエリアを利用するという利点を省くことができる。
【0013】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のゲート電極は、第1のベース層とオーミックコンタクトを形成する。これは、例えば、第1のゲート電極と第1のベース層との間にp-n接合が存在しないことを意味する。これに応じて、第2のゲート電極は、第2のベース層とオーミックコンタクトを形成することができる。
【0014】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の電極の1つのセグメントは、第1のエミッタ領域を介して第1のサイリスタ機能要素のカソードとして、および第1のエミッタ短領域を介して第2のサイリスタ機能要素のアノードとして作用する。
【0015】
第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素は両方とも、第1のベース層と第3のベース層との間および第2のベース層と第3のベース層との間に形成されるp-n接合の全エリアを使用することができる。
【0016】
阻止方向に関して、第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素は、例えば逆並列に配置される。換言すれば、1つのサイリスタ機能要素のカソード短領域は、同時に逆並列サイリスタ機能要素のアノード領域として作用する。
【0017】
例えば、サイリスタデバイスの記載された構成は、2つの逆並列サイリスタ間の分離領域の必要性を回避するためにアノード、カソードおよびゲート領域の交互嵌合を伴う同じデバイス内の2つの逆並列接続サイリスタ構造(第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素)をもたらす。
【0018】
さらに、ゲート-カソード境界の長さが増加し、高速ターンオンのための増強されたdi/dt能力をもたらし得る。同時に、dV/dt能力は変化しないままであり得る。
【0019】
さらに、非常に低い回復電荷Qrrおよびターンオフ時間tq、ならびに同じサイズの単一サイリスタに近い非常に高いサージ電流能力が得られ得る。
【0020】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のゲート電極は、複数の第1のセルを有する第1のグリッド構造を備える。第1のセルは、第1の主面に向かって見て多角形形状を有してもよい。例えば、第1のセルは、六角形、八角形または四角形の形状を有することができる。例えば、サイリスタデバイスは、約100mmの直径を有するウェハに20個以上2000個以下の第1のセルを備える。セルの数は、サイリスタデバイスの特定の要件に応じて広範囲で変化し得る。
【0021】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のグリッド構造は、少なくともいくつかの領域においてハニカムパターンを形成する。例えば、ハニカムパターンは、正六角形によって形成される。
【0022】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のセルのうちの少なくとも1つの一辺の長さは、500μm以上5000μm以下、例えば900μm以上3000μm以下である。
【0023】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のセルのうちの少なくとも1つの一辺の幅は、100μm以上2000μm以下、例えば100μm以上500μm以下である。
【0024】
「長さ」および「幅」という用語は、横方向の延長を指す。厚さは、鉛直方向、すなわち第1の主面に垂直な範囲を指す。
【0025】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの第1のエミッタ短領域の最大横方向範囲は、50μm以上1000μm以下、例えば100μm以上500μm以下である。
【0026】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、正確に1つのエミッタ短領域が第1のセルのうちの1つ内に配置される。
【0027】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、複数の第1のエミッタ短領域が、第1のセルのうちの1つ内に配置される。例えば、第1のセルのうちの1つ内の第1のエミッタ短領域の数は、2以上100以下である。
【0028】
双方向サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、同じ第1のセル内に配置される少なくとも2つの第1のエミッタ短領域は、最大横方向範囲に関して、例えば少なくとも5μmまたは少なくとも10μmまたは少なくとも20μmだけ互いに異なる。円形の第1のエミッタ短領域の場合、最大横方向範囲は円の直径に対応する。しかしながら、他の幾何学的ベース形状が第1のエミッタ短領域にも適用され得る。
【0029】
例えば、第1のセグメントのエッジの近くに配置されるエミッタ短領域は、それぞれの第1のセグメントの中心の近くに配置される第1のエミッタ短領域の最大横方向範囲よりも小さい。
【0030】
例えば、第1のセグメントのエッジに近い第1のエミッタ短領域の最大横方向範囲は、50μm以上250μm以下であり、第1のセグメントの中心の近くに配置される第1のエミッタ短領域は、150μm以上500μm以下の最大横方向範囲を有する。
【0031】
サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、同じ第1のセル内の2つのエミッタ短部間のエッジ間距離は、200μm以上1000μm以下、例えば300μm以上500μm以下である。
【0032】
サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のグリッド構造と第1のグリッド構造に最も近く配置された第1のエミッタ短部との間のエッジ間距離は、50μm以上400μm以下、例えば100μm以上200μm以下である。この距離は、順方向阻止(いわゆるdV/dt能力)および転流ターンオフ時間の下で高速電圧過渡現象を阻止する能力に影響を及ぼし得る。狭い間隔の第1のエミッタ短領域を有するデバイスは、オフにすることがより容易であり得る。
【0033】
上記のパラメータは、既存のデバイス概念に適用されない設計規則を考慮に入れることができる。例えば、これは、1つのサイリスタ機能要素のカソード側のエミッタ短領域が、同時に逆並列サイリスタ機能要素のアノード領域として作用するためである。
【0034】
第1の主面上の構成に関連して説明した上記の特徴は、第2の主面にも適用することができる。したがって、第2の主面上に、第1のグリッド構造および第1のセルに対応する第2のセルを有する第2のグリッド構造を設けることができる。
【0035】
同様に、第1のエミッタ領域に対応する第2のエミッタ領域および第1のエミッタ短領域に対応する第2のエミッタ短領域が設けられてもよい。
【0036】
サイリスタデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、増幅ゲート構造が、第1のゲート電極および第2のゲート電極の少なくとも一方に統合される。増幅ゲート構造は、大面積ウェハで短いターンオン時間および均一なターンオンを得るのに役立つ。デバイス自体によるゲート電流の固有の増幅は、かさばる駆動回路の必要性を回避することができる。増幅ゲート構造を使用することにより、第1のゲート電極および第2の電極の両方に対して短いターンオン時間を両方の電流方向において得ることができる。
【0037】
サイリスタ装置の少なくとも1つの実施形態によれば、第1のゲート電極および第2のゲート電極は、同じベース形状を有する。換言すれば、第2のゲート電極は、第1のゲート電極のコピーまたは少なくとも相似のコピーを表す。
【0038】
このようにして、両方の電流方向に対するサイリスタデバイスの対称的な挙動が容易になる。
【0039】
例示的な実施形態および図において、同様または同様に作用する構成部品には同じ参照符号が付されている。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。特に明記しない限り、一実施形態における部分または態様の説明は、別の実施形態における対応する部分または態様にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1A】中央ゲート電極パッドを有する双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態の上面図である。
図1B】双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態による上面図の詳細を示す図である。
図1C】双方向サイリスタデバイスのさらなる例示的な実施形態による上面図の詳細を示す図である。
図1D】リソグラフィマスクに基づく双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態のゲート構造を示す図である。
図1E図1Fの詳細を示す図である。
図1F】双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態の詳細の断面図である。
図1G】ゲート電極パッドおよび増幅ゲート構造の上面図を含む図1Fのさらなる詳細を示す図である。
図1H】双方向サイリスタデバイスの増幅ゲート構造の中央部分を示す図である。
図2A】双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態の詳細を示す上面図である。
図2B】双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態の詳細を示す上面図である。
図2C】双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態の詳細を示す上面図である。
図2D】双方向サイリスタデバイスの例示的な実施形態の詳細を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図に示される要素およびそれらの互いのサイズ関係は、必ずしも縮尺通りではない。むしろ、個々の要素または層の厚さは、より良い表現可能性のために、および/またはより良い理解のために、誇張されたサイズで表され得る。
【0042】
例示的な実施形態による双方向サイリスタデバイス1の概略上面図が図1Aに示されている。第1の主電極31および第1のゲート電極41が、双方向サイリスタデバイス1の半導体本体2の第1の主面21上に配置される。
【0043】
第1の主電極31は、互いに離間した複数の第1のセグメント310を備える。第1のセグメント310の少なくとも一部、例えば第1のセグメントの少なくとも50%、または少なくとも90%、または全部は、第1の主面21に向かって見て、第1のゲート電極41によって完全に囲まれる。
【0044】
第1のゲート電極41は、第1のグリッド構造411および第1のゲート電極パッド410を備える。第1のゲート電極パッド410は、第1のゲート電極41に外部から電圧および電流を印加するための外部コンタクトとして構成される。
【0045】
図1A図1Eに示す例示的な実施形態では、第1のグリッド構造411は、六角形の複数の第1のセル4110を含み、それによってハニカム構造を形成する。しかしながら、他の多角形の第1のセル、例えば四角形または八角形も第1のグリッド構造411に適用され得る。
【0046】
図1Fの断面図に示すように、第2の主電極32および第2のゲート電極42は、第1の主面21の反対側に配置された半導体本体の第2の主面22上に配置される。第2の主電極32は、第1の主電極31と同様に、複数の第2のセグメント320に分割される。第2のセグメント320の少なくとも一部、例えば第2のセグメント320の少なくとも50%、または少なくとも90%、または全部は、第2の主面22に向かって見て、第2のゲート電極42によって完全に囲まれる。
【0047】
半導体本体2は、第1の導電型の第1のベース層51および第2のベース層52を備える。第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層53が、鉛直方向において第1のベース層51と第2のベース層52との間に配置される。第1の主電極31の第1のセグメント310の各々は、第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域61および第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域71に隣接する。例えば、第1の導電型はp型であり、第2の導電型はn型であり、またはその逆である。
【0048】
第2の主電極32の第2のセグメント320の各々は、第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域62および第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域72に隣接する。
【0049】
第1のゲート電極41は、第1の主面21に隣接する半導体本体2の第1のゲートコンタクト領域91を介して、第1のベース層51とオーミックコンタクトを形成する。第2のゲート電極42は、第2の主面22に隣接する半導体本体2の第2のゲートコンタクト領域92を介して、第2のベース層52とオーミックコンタクトを形成する。第1のゲートコンタクト領域91および第2のゲートコンタクト領域92は、第1のベース層51と同じ導電型である。
【0050】
2つの矢印を使用して図1Fに概略的に示されるように、双方向サイリスタデバイス1は、2つの逆並列接続サイリスタ構造を表す第1のサイリスタ機能要素11および第2のサイリスタ機能要素12を含む。
【0051】
第1の主電極31は、第1のエミッタ領域61を介して第1のサイリスタ機能要素11のカソードとして作用する。第2のサイリスタ機能要素12では、第1の主電極31は第1のエミッタ短領域71を介してアノードとして作用する。
【0052】
第1のサイリスタ機能要素11は、アノードとして作用する第2のエミッタ短領域72、第2のベース層52、第3のベース層53、第1のベース層51および第1のエミッタ領域61によって形成される。これに応じて、第2のサイリスタ機能要素12は、第1のエミッタ短領域71、第1のベース層51、第3のベース層53、第2のベース層52および第2のエミッタ領域62によって形成される。その結果、エミッタ短領域71、72はまた、関連する逆並列サイリスタ機能要素のアノードの機能を果たす。
【0053】
第1のベース層51と第3のベース層53との間、および、第3のベース層53と第2のベース層52との間には、半導体本体2の全エリアにわたるp-n接合が形成される。したがって、第1のサイリスタ機能要素11と第2のサイリスタ機能要素12の両方がこれらのp-n接合の全エリアを使用してもよい。このようにして、同じサイズの単一サイリスタに近い高いサージ電流能力を得ることができる。非常に低い回復電荷Qrrおよび短いターンオフ時間tqを有する電圧転流による良好なターンオフ能力が得られ得る。
【0054】
双方向サイリスタデバイス1の動作中、第1の主電極31の第1のセグメント310は、例えば導電性プレートまたは導電性ウェハを第1の主電極31に押し付けることによって同じ電位に電気的に接触されてもよい。図1Fに示すように、第1のグリッド構造411内の第1のゲート電極41の厚さは、第1の主電極31の厚さよりも小さい。したがって、第1のグリッド構造411はプレートまたはウェハと電気的接触を形成しない。第2の主電極32についても同様である。
【0055】
半導体本体2は、例えば、シリコンを含む。しかしながら、他の半導体材料、例えばSiCのようなワイドバンドギャップ材料も使用することができる。
【0056】
図1Dでは、第1のゲート電極41の構造は、100mmの直径を有するウェハ用のフォトリソグラフィマスクによって示されている。このサイズのデバイスは、例示的に、第1のグリッド構造411によって形成される数百の第1のセルを有する。しかしながら、第1のセルの数は、双方向サイリスタデバイス1の意図される用途に応じて広い範囲内で変化し得る。
【0057】
第1の主面21に向かって見た図は、第2の主面22に向かって見た図に対応してもよい。したがって、第2の主面22に向かって見た図は、図面に明示的に示されていない。
【0058】
例えば、第1の主電極31、第1のゲート電極41、第1のグリッド構造411、第1のセル4110、第1のエミッタ領域61および第1のエミッタ短領域71に関連して、第1の主面21上の構成に関連して説明した特徴およびパラメータは、同様に、例えば、第2の主電極32、第2のゲート電極42、第2のグリッド構造421、第2のセル4210、第2のエミッタ領域62および第2のエミッタ短領域72それぞれについて、第2の主面22上の対応する要素にも適用され得る。
【0059】
例えば、双方向サイリスタデバイス1は、第3のベース層53を通って延在する平面に関して対称または少なくとも実質的に対称であってもよい。
【0060】
図1B図1Cおよび図1Eは、第1の主電極31の第1のセグメント310内の第1のエミッタ短領域71の配置の異なる例を示す。
【0061】
図1Bに示す例では、各第1のセグメント310は、複数の第1のエミッタ短領域71と重なり、1つの第1のエミッタ短領域71は第1のセグメント310の中心に配置され、他方、さらなる第1のエミッタ短領域71は第1のセグメント310の周囲に沿って配置される。
【0062】
図1Cの例では、中央の第1のエミッタ短領域71は、いくつかのより小さい第1のエミッタ短領域71によって置き換えられている。
【0063】
双方向サイリスタデバイス1の様々なパラメータは、図1Eに関連して以下に説明される。しかしながら、パラメータは、さらなる例にも適用され得る。
【0064】
第1のセル4110の一辺4111の長さL1は、例えば、500μm以上5000μm以下、または、900μm以上3000μm以下である。長さL1が大きいほど、第1の主電極31の第1のセグメント310の連続面積が大きくなる。
【0065】
第1のセル4110のうちの少なくとも1つの一辺の幅W1は、100μm以上2000μm以下、例えば100μm以上500μm以下である。辺の幅は、それらの厚さとともに、第1のグリッド構造411の断面を画定する。第1のグリッド構造411の厚さは、例えば、3μm以上30μm以下または5μm以上12μm以下である。例えば、これらのパラメータを使用して、第1のグリッド構造411の断面は、第1のゲート電極パッド410から第1のグリッド構造411の最外エリアまでのゲート経路に沿った著しい電圧降下を回避するのに十分な大きさである。
【0066】
第1のエミッタ短領域71の最大横方向範囲E1は、例えば、50μm以上1000μm以下、または100μm以上500μm以下である。図1Bに示すように、例えば、1つの第1のセル内に配置された第1のエミッタ短領域71はまた、最大横方向範囲に対して異なる値を有してもよい。
【0067】
例えば、第1のセルのエッジに近接して配置された第1のエミッタ短領域71は、50μm以上250μm以下の直径を有してもよく、セルの中心の近くに配置される第1のエミッタ短領域71は、150μm以上500μm以下の直径を有してもよい。
【0068】
同じ第1のセル内の2つのエミッタ短領域71間のエッジ間距離D1は、例えば、200μm以上1000μm以下、または300μm以上500μm以下である。エミッタ短領域間の距離は、ターンオフ時間tqに対して十分に高いdV/dt能力および低い値を提供するように適切に選択することができる。
【0069】
第1のグリッド構造411と第1のグリッド構造に最も近く配置された第1のエミッタ短領域との間のエッジ間距離D2は、例えば、50μm以上400μm以下、または100μm以上200μm以下である。この範囲の距離は、良好な転流ターンオフ能力を提供することができる。
【0070】
第1の主面21および第2の主面22の両方からイオンを照射することにより、さらなるターンオフ性能の向上を図ることができる。例えば、これは、n型の第3のベース層53に近接した第1のベース層51および第2のベース層52の陽子照射によって得られ得る。陽子照射による局所寿命制御のこの方法は、国際公開第2019/158594A1号に記載されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
記載されたデバイス構造は、第1および第2の主面上のゲート電極と主電極との間の界面面積が大幅に増加するため、高いdi/dt能力を提供する。従来のデバイスと比較して、ゲート電流パルスの印加後の短いターンオン時間を得ることができる。
【0072】
従来の装置では、主電極縁からの短領域の距離は、dV/dt能力に反比例するため、低く保たれている。これにより、di/dt能力が低下する。対照的に、dV/dtおよびdi/dtの高い値は、例えばゲート-カソード面積の大幅な増加に起因して、記載されたサイリスタデバイスについて同時に得ることができる。
【0073】
例えば、記載された双方向サイリスタデバイス1は、電力用途、例えば1000V以上の阻止電圧を必要とし、逆並列接続された高速位相制御サイリスタを必要とする用途、例えばHVDCまたはFACTS用途に適している。
【0074】
記載された双方向サイリスタデバイスは、それらの用途に対してコスト削減が得られるように非常に効率的な方法で製造することができる。
【0075】
図1Gおよび図1Hに示すように、増幅ゲート構造8が、第1のゲート電極41および/または第2のゲート電極42に統合されてもよい。表現を容易にするために、図1Hの断面図は、第1の主面付近のデバイスの上部のみを示す。
【0076】
増幅ゲート構造8は、第1のゲート電極41のセクション80を備える。図1Gに示す例示的な実施形態では、セクション80は、第1のゲート電極パッド410の周りに延在するリングとして形成される。セクション80は、第1の導電型の第1の部分領域81および第2の導電型の第2の部分領域82と重なる。これにより、第1のゲート電極パッド410を介して第1のゲート電極41に印加される電流パルスが増幅される。原理的には、それは、2つのバイポーラトランジスタのダーリントン構成である。
【0077】
図2A図2B図2Cおよび図2Dは、第1のセル4110内の第1のエミッタ短領域71の配置のさらなる例を示す。これらの例では、六角形のセル4110の中心に1つの第1のエミッタ短領域71が配置される。図2A図2B、および図2Cの例では、六角形の角の近くに6つのさらなる第1のエミッタ短領域71が配置される。
【0078】
図2Aの例では、中央に配置された第1のエミッタ短領域は、さらなる第1のエミッタ短領域71よりも大きい。長さL1が930μmの場合、外側の第1のエミッタ短領域71間の距離は475μmである。外側の第1のエミッタ短領域と中央の第1のエミッタ短領域とのエッジ間距離は350μmである。
【0079】
図2Bの例では、第1のエミッタ短領域71は、同じ最大横方向範囲E1を有する。例えば、L1=980μmおよびE1=300μmの値の場合、第1のエミッタ短領域71の隣り合う近隣間の距離は等しく、すなわち300μmである。
【0080】
図2Cの例示的な実施形態では、中央における第1のエミッタ短領域71は、さらなる第1のエミッタ短領域71よりも小さい。例えば、L1=1080μmであり、第1のエミッタ短領域の最大横方向範囲E1は200μmであり、残りの第1のエミッタ短領域に対する最大横方向範囲E1が300μmの場合、第1のエミッタ短領域71の隣り合う近隣間で400μmの等しい距離が得られ得る。上記のサイズおよび短部の配置は、最適な技術曲線VT-Qrrを提供することができる。
【0081】
図2Dの例示的な実施形態では、正確に1つの第1のエミッタ短領域71が第1のセル4110内に配置される。例えば、第1のエミッタ短領域71は、第1のセル4110と同じ幾何学的形状、例えば六角形である。したがって、第1のセル4110のエッジと第1のエミッタ短領域71のエッジとは平行に走る。エミッタ短領域71は、第1のセグメント310に囲まれる。
【0082】
上記のパラメータを使用して、例えばQrr、オン状態電圧VT、ターンオフ時間tq、ターンオンdi/dt能力および/または(di/dt)max能力に関して、特定の用途に関連する電気パラメータの最適な組合せを得ることができる。
【0083】
半導体本体2は、図1Dに関連して説明したフルウェハであってもよい。しかしながら、半導体本体2はウェハの一部であってもよく、双方向サイリスタデバイス1は、処理されたウェハを個々のデバイスに個片化したチップである。この場合、双方向サイリスタデバイスは、例えばガードリングまたは可変横方向ドーピング(VLD)を使用して、平面pn接合終端を備えることができる。同時に、逆阻止能力のために深いp型シンクを設けることができる。
【0084】
なお、ここで説明する発明は、例示的な実施形態を用いて説明した内容に限定されるものではない。むしろ、本発明は、この特徴またはこの組合せ自体が請求項または例示的な実施形態において明示的に示されていなくても、特に請求項における特徴の任意の組合せを含む、任意の新規な特徴および特徴の任意の組合せを包含する。
【符号の説明】
【0085】
参照符号のリスト
1 双方向サイリスタデバイス
11 第1のサイリスタ機能要素
12 第2のサイリスタ機能要素
2 半導体本体
21 第1の主面
22 第2の主面
31 第1の主電極
310 第1のセグメント
32 第2の主電極
320 第2のセグメント
41 第1のゲート電極
410 第1のゲート電極パッド
411 第1のグリッド構造
4110 第1のセル
4111 辺
42 第2のゲート電極
421 第2のグリッド構造
4210 第2のセル
51 第1のベース層
52 第2のベース層
53 第3のベース層
61 第1のエミッタ領域
62 第2のエミッタ領域
71 第1のエミッタ短領域
72 第2のエミッタ短領域
8 増幅ゲート構造
80 セクション
81 第1の部分領域(第1の導電型)
82 第2の部分領域(第2の導電型)
91 第1のゲートコンタクト領域
92 第2のゲートコンタクト領域
L1 辺の長さ
W1 辺の幅(第1/第2のゲート電極に覆われる)
E1 第1のエミッタ短領域の最大横方向範囲
D1 エッジ間距離
D2 エッジ間距離
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面(21)と第2の主面(22)との間に延在する半導体本体(2)と、
前記第1の主面(21)上に配置された第1の主電極(31)と、
前記第2の主面(22)上に配置された第2の主電極(32)と、
前記第1の主面(21)上に配置された第1のゲート電極(41)と、
前記第2の主面(22)上に配置された第2のゲート電極(42)と
を備える双方向サイリスタデバイス(1)であって、
前記半導体本体(2)は、
第1の導電型の第1のベース層(51)と、
前記第1の導電型の第2のベース層(52)と、
前記第1のベース層(51)と前記第2のベース層(52)との間に配置される、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層(53)と
を備え、
前記双方向サイリスタデバイス(1)は、前記第3のベース層(53)を通って延在する平面に関して対称であり、
前記第1の主電極(31)は、互いに離間した複数の第1のセグメント(310)を備え、前記第1のセグメント(310)のうちの少なくともいくつかは、前記第1の主面(21)に向かって見て前記第1のゲート電極(41)によって完全に囲まれ、
前記第1のセグメント(310)の各々は、前記第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)および前記第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)に隣接し、
前記複数の第1のセグメント(310)のうちの1つは、前記少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)を介して第1のサイリスタ機能要素(11)のカソードとして、または、少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)を介して第2のサイリスタ機能要素(12)のアノードとして、作用できるように構成されており、
前記第2の主電極(32)は、互いに離間した複数の第2のセグメント(320)を備え、前記第2のセグメント(320)のうちの少なくともいくつかは、前記第2の主面(22)に向かって見て前記第2のゲート電極(42)によって完全に囲まれ、
前記第2の主電極(32)の前記第2のセグメント(320)の各々は、前記第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域(62)と、前記第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域(72)と、に隣接し、
前記複数の第2のセグメント(320)のうちの1つは、少なくとも1つの第2のエミッタ領域(62)を介して前記第2のサイリスタ機能要素(12)のカソードとして、または、少なくとも1つの第2のエミッタ短領域(72)を介して前記第1のサイリスタ機能要素(11)のアノードとして、作用できるように構成されている、
双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項2】
前記第1のゲート電極(41)は、前記第1のベース層(51)とオーミックコンタクトを形成する、請求項に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項3】
前記第1のゲート電極(41)は、前記第1の主面(21)に向かって見て多角形形状を有する複数の第1のセル(4110)を有する第1のグリッド構造(411)を備える、請求項1または2に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項4】
前記第1のグリッド構造(411)は、少なくともいくつかの領域において正六角形のハニカムパターンを形成する、請求項に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項5】
前記第1のセル(4110)のうちの少なくとも1つの一辺(4111)の長さ(L1)は、500μm以上5000μm以下である、請求項またはに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項6】
前記第1のセル(4110)のうちの少なくとも1つの一辺(4111)の幅(W1)は、100μm以上2000μm以下である、請求項のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)の最大横方向範囲(E1)は、50μm以上1000μm以下である、請求項のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項8】
複数の第1のエミッタ短領域(71)が、前記第1のセル(4110)のうちの1つの中に配置される、請求項のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項9】
同じ第1のセル内に配置される少なくとも2つの第1のエミッタ短領域(71)は、前記最大横方向範囲に関して互いに異なる、請求項に記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項10】
同じ第1のセル内の2つのエミッタ短領域(71)間のエッジ間距離(D1)は、200μm以上1000μm以下である、請求項またはに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【請求項11】
前記第1のグリッド構造と前記第1のグリッド構造(411)に最も近く配置された前記第1のエミッタ短領域(71)との間のエッジ間距離(D2)は、50μm以上400μm以下である、請求項10のいずれかに記載の双方向サイリスタデバイス(1)。
【国際調査報告】