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特表2023-545249物質及び装備を地下展開する方法ならびにシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-27
(54)【発明の名称】物質及び装備を地下展開する方法ならびにシステム
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20231020BHJP
   E21D 1/00 20060101ALI20231020BHJP
   E02D 29/00 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
E02D3/12 101
E21D1/00
E02D29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518194
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 IB2021058250
(87)【国際公開番号】W WO2022058853
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】2014837.5
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521437758
【氏名又は名称】ハイパートンネル アイピー リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヘリウェル,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ミークス,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン,スティーヴ
【テーマコード(参考)】
2D040
2D147
【Fターム(参考)】
2D040AA01
2D040AB01
2D040BA01
2D040CA01
2D147DA00
(57)【要約】
【課題】ジェットグラウトは、グラウトを地盤物質の中に注入して、その質を改良することを含む。しかし、グラウトの使用は、改良する領域の比較的近くに注入システムを位置付けられる状況に、限定される。これは、(例えば重度に建て込んだ領域、荒れた地形、もしくは海底の下など)では実現が困難となる場合があるか、または(トンネルを閉鎖する必要がある場合など)不都合がある。
【解決手段】本発明は、物質及び/または装備を、ボア43のライニングの孔を貫通させて基礎地盤の中に展開するために、展開装備41がボアの中を下降するのを可能にする。このように、地下資産はその外部箇所から修繕され、従来の地盤処理技術では不可能、またはコストがかかる状況における修繕を可能にし得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下展開の方法であって、
基礎地盤を通して地下ボアを穴開けするステップと、
前記ボアをパイプでライニングするステップと、
展開装備を、所定の箇所まで前記パイプの中を下降させるステップと、
物質及び/または装備を、前記パイプの孔を貫通させて基礎地盤の中に展開するステップと、
を含む、地下展開の方法。
【請求項2】
装備を、所定の経路に沿って所定の箇所までボアの中を下降させるステップと、
前記装備を使用して、所定の箇所において前記パイプを部分的に貫通させて孔を作るステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の地下展開の方法。
【請求項3】
前記装備を使用して、所定の箇所において最大でも部分的にのみ前記パイプを貫通させて孔を作るステップをさらに含む、請求項2に記載の地下展開の方法。
【請求項4】
前記パイプは、前記ボアの中に挿入する前に孔を含む、請求項1~3の内いずれか一項に記載の地下展開の方法。
【請求項5】
請求項1~4の内いずれか一項に記載の地下展開の方法を実行するためのシステムであって、
基礎地盤を通して地下ボアの穴を開けるための、方向性穴開け装置と、
前記方向性穴開け装置によって穴を開けられた前記ボアを、ライニングするためのパイプと、
前記パイプを用いて前記ボアをライニングするための、パイプライニング装備と、
所定の箇所まで前記パイプの中を下降するよう、及び物質及び/または装備を、前記パイプの孔を貫通させて基礎地盤の中に展開するよう構成された、展開装備と、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、物質及び装備を地下展開する方法、ならびにシステムに関し、他を除外しないが、特に構造物及び地下資産に隣接した地盤物質を安定化させる有用性を見出す。
【背景技術】
【0002】
圧力グラウト及びジェットグラウトは公知の技術であり、そこではグラウトが地盤物質(例えば土壌、砂、及び/または岩)の中に注入され、その質を改善し、例えば断層を修正し、その強度を改善し、及び/またはそこを流れる水を低減させる。このようなグラウト技術は、大規模構造物(建物、橋梁など)の基礎周り、ならびに大型管及びトンネルを含んだ地下資産の周り、に使用されることが多い。一般に圧力グラウトにおいて、グラウトは、現存の物質を乱すことなく安定化させるために、地盤物質の中に注入され、任意の相互接続された細孔及び空洞を充填する。対照的に、一般にジェットグラウトは、比較的高速であるグラウトの噴射を用いて実現される。それは、地盤物質を浸食し、地盤物質を原位置で有意に混合するために使用され、しばしは特定の形状(柱及び/またはプラットフォーム)を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、グラウトの使用は、改良する領域の比較的近くに注入システムを位置付けられる状況に、限定される。これは、(例えば重度に建て込んだ領域、荒れた地形、もしくは海底の下など)では実現が困難となる場合があるか、または(トンネルを閉鎖する必要がある場合など)不都合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によると、地下展開する方法が提供され、この方法は:基礎地盤を通して地下のボアを穴開けするステップと;パイプを用いてこのボアをライニングするステップと;展開装備を、パイプの中を下降させて所定の箇所まで通すステップと;物質及び/または装備を、パイプの孔を貫通させて基礎地盤の中に展開するステップと、を含む。
【0005】
このように、地下資産はその外部箇所から修繕され、従来の地盤処理技術では不可能、またはコストがかかる状況における修繕を可能にし得る。詳細には、相互に連動して安定化された構造が資産の周りに形成されるよう、グラウト合成物の水柱が注入され、それによって十分な安定性が、後続の作業のために実現される。
【0006】
追加として、監視デバイスなどの装備が、さらに資産に隣接して展開され得る。それは、従来のグラウト処理技術では不可能であるか、またはコストがかかる。
【0007】
地下は、任意の地表面下における箇所を意味し得る。周りの地盤は、所定の箇所に隣接した地盤物質を意味し、かつ基礎地盤内とし得る。
【0008】
展開は、ある物を所定の位置まで移動させることを意味し、物質及び/または装備の展開を含み得る。展開は、注入を含み得る。
【0009】
物質は、グラウト、ならびに/または、エポキシ樹脂、ポリウレタンフォーム、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セメント系グラウト、及び水溶液などの改良物質、を備え得る。グラウトは、セメント系、樹脂系、または化学混合物溶液、とし得る。
【0010】
展開は、基礎地盤を安定させることを含み得る処置を、備え得る。このように、領域の外側における物質が比較的脆弱で、空洞を含み、不安定または浸水した場合に、物質を安定化させることができる。装備をボアの下方に設置して、パイプの外側における基礎地盤を安定化させ得る。
【0011】
展開は、物質及び/または装備を展開することを含み得る。展開は、物質の注入を含み得る。
【0012】
物質は、グラウト及び/または改良物質を含み得る。グラウトは、セメント系、樹脂系、または化学混合溶液、とし得る。改良物質は、エポキシ樹脂、ポリウレタンフォーム、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セメント系グラウト、及び水溶液、を含み得る。
【0013】
安定化は、例えば冷却剤をポンプで、パイプの孔を貫通させることによって、地盤凍結技術を介するものであってよい。凍結技術は仮設であってよい。恒久的な安定化が、例えば化学薬品送達ノズル(例えば伸縮自在アーム内)を介した、化学安定剤を注入することによって実現され得る。使用される安定剤の量及びタイプは、安定化させる地盤によって判断することになり、必要に応じて制御することができ、セメント、またはマイクロセメント、(コロイド状シリカとして公知の)鉱物グラウト、感水性のポリウレタン(水の浸入に対抗する、素早く反応する発泡用樹脂)、素早く反応する非感水性の任意のポリ尿素シリケートシステム(空隙を充填するための膨張発泡体)、アクリル樹脂、ジェットグラウトすなわちソイルクリート(Soilcrete)(登録商標)として良く知られる、設計した特性まで地盤を硬化させる原位置施工など、任意の他の材料を備え得る。
【0014】
基礎地盤の安定化は、完全に防止するとまではいかないが、さらなる水の浸入を大幅に軽減させ得る。
【0015】
基礎地盤を通して地下のボアを穴開けすることは、鉱業、オイル及びガス産業、ならびに建設産業で使用されるような、方向性ボーリング技術を使用することを含み得る。例えば、水平方向性穴開け(HDD)は、パイプなどを設定するために使用される。HDDは、100~1200mmの径のみで800mの長さまで、精確なボアを好適にボーリングすることができる。代替として方向性穴開けは、オイル及びガス産業で使用され、より長いボアをボーリングすることができる。
【0016】
パイプは、ボアをライニングするためのライナーを含み得る。このように、ボアの完全性が保護され得る。ライニングは、ボア全体をライニングすること、またはボアの一部のみをライニングすることを含み得る。このライナーは、固体壁を備え得る。
【0017】
穴は、単一の穴または複数の穴を含み得る。穴は、円形の貫通穴、スロットなど、任意の形態の開口部を含み得る。
【0018】
本方法は:(例えば孔開け装備、または孔を作るための、いくつかの他の形態の装備などの)装備を、所定の経路に沿って所定の箇所までボアの中を下降させるステップ;及び/または、装備を使用して、所定の箇所において少なくとも部分的にパイプを貫通させて孔を作るステップ、をさらに含み得る。孔は、孔開け、穿孔、ミリング、パンチング、溝切り、切断、及び/または任意の他の好適な方法で成され得る。
【0019】
このように、パイプを貫通させて、物質/装備を展開させることが可能である。
【0020】
装備は、ドリル、または孔を作るための他の形態のデバイス、を取付けるキャリッジを備え得る。ドリル/デバイスは後退可能であり得る(例えば長手方向の伸縮及び/または枢動)。デバイスは、例えば動作を繰り返すミリングヘッドを備え得る。ミリングヘッドは、パイプに単一または様々な形状の開口部を作り出すよう構成され得る。
【0021】
本方法は:所定の箇所において、最大でも部分的にのみパイプを貫通させて孔を作るための装備を使用するステップ、をさらに備え得る。
【0022】
このように、外部の物質及び/または水は、制御できずにボアに入るのを防止され得る。詳細には、孔はパイプ壁のほとんど全てを貫通して延び得る(パイプ壁の外側から例えば2mm未満まで、特に1mm未満まで)。
【0023】
代替の配置において、ドリル/デバイスは、パイプ全体を貫通して孔を作るよう、及び周囲の地盤の中に孔を開けるように、構成され得る。
【0024】
パイプは、ボアの中に挿入する前に孔を含み得る。
【0025】
例えば、パイプは予め孔が開けられ得る。このように、現場の時間及びコストは、基礎地盤が良好に理解された状況において、避けられ得る。予め孔が開けられたライナーは、孔を覆う外側スリーブを備え得る。このように、外部の物質及び/または水が、制御されない方法でボアの中に入るのを防止し得る。
【0026】
孔を通して物質及び/または装置を展開することは、孔を通してプローブをパイプの外側に通過させるように延ばすこと、を含み得る。場合によっては、プローブは周囲の地盤の中に突出し得る。
【0027】
このプローブは、パイプ壁を通してパンチングするように構成され得る。詳細には、このプローブは、孔開け後に残ったパイプ壁の薄い厚さか、または予め孔が開けられたパイプのためのスリーブか、のいずれかを貫通してパンチングするよう構成され得る。
【0028】
このプローブは、ニードルを備え得る。このニードルは、それを通して物質が流れるのを可能にするよう構成され得る。代替として、このニードルは、後退するように構成され、物質は孔を通して直接注入され得る。
【0029】
パイプ及び/またはライナーは、当技術分野で公知のプラスチック材料で構成され得る。
【0030】
様々な装備(孔開け装備及び/または展開装備を含む)を、従来の方法でパイプを貫通させて、任意の所望箇所で作業を実施し得る。例えば、特定の装備が取り付けられ得るキャリッジ、及び/または特定の装備の一部を形成し得るキャリッジが、設けられ得る。キャリッジのトレーンが設けられ、それによって装備の様々なピースを、単一のトレーンとして所定の箇所までパイプの中を下降させ得る。例えば、単一のトレーンは、パイプに沿って箇所を判断するよう構成された、第1のキャリッジと、パイプを貫通させて孔開けするよう構成された、第2のキャリッジと、孔を貫通させてグラウトを注入するよう構成された、第3のキャリッジと、を有し得る。理解され得るように、装備の複数のピースが、単一のキャリッジに取付けられてもよく、それによって上記の効果、類似の効果、または異なる効果が、より少ない(または多い)キャリッジを用いて実現され得る。
【0031】
2つ以上のキャリッジ及び/またはトレーンを、単一のパイプを下降させて、類似作業及び/もしくは共同作業を、例えばパイプに沿って同時かつ異なる所定の箇所で、または異なる時間に連続して、実施し得る。
【0032】
同様に、複数のキャリッジ及び/またはトレーンは、同時に働くか、または異なる時間に連続して働くかのいずれかで、共に協働し得る。異なる/別個のパイプ/ボアでも、同じパイプ/ボアにおける任意の協働と同様に、協働し得る。例えば、複数のボアが穴を開けられ、単一の資産の周りに並べられた場合、それぞれのキャリッジ/トレーンを、(例えばグラウトを同時に注入するなど)各ボアの中を下降させ得る。及び/または、2つ以上のキャリッジ/トレーンは、(例えば単一のボア/パイプに沿って2つ以上の所定の箇所から資産を監視するなど)単一ボア/パイプの中を下降させ得る。
【0033】
キャリッジ/トレーンは、例えば電力を供給することによって、またはボア/パイプから取り外すために、故障したキャリッジ/トレーンに装着することによって、故障したキャリッジ/トレーンを回収するよう構成され得る。
【0034】
疑義が生じるのを避けるために、所定の箇所は、単一の箇所、または複数の箇所を含み得る。
【0035】
展開装備は、ボアの外側に、パイプ内部の外側に、パイプ外部の外側に、及び/または周りの地盤の中に、監視装備を展開するよう構成され得る。これは、展開する物質の、追加または代替とし得る。監視装備は、資産の周り、及び/またはパイプに隣接した地盤条件のフィードバック(例えば継続的もしくは断続的にパイプを支援すること)を提供するよう構成され得る。
【0036】
資産の周りの地盤に設定されたパイプは、損傷を受けずに保たれ、かつ補修作業が実施された後で使用可能に保たれ得る。パイプは次に、(ワークピース内またはワークピースに隣接してセンサを設定することで)恒久的な資産を監視して、後続の(遠隔感知技術を使用した)結果評価をするために使用するか、排水チャネルとして使用するか、またはコンクリート及び/もしくは鉄筋などを充填して、構造物に追加の強度を提供することができる。
【0037】
ボアの穴開けデータを記録し、掘削することになる物質のタイプをオペレータに知らせるために使用することができる。これにより、基礎地質のより完全な見解を得ることができる。
【0038】
穴開け作業は、予め建設したトンネル入口及び/もしくは出口から、中間に位置された立坑から、ならびに/または地表から、実施され得る。
【0039】
ボアは、実質的に円形の断面、ならびにその径よりも大きい桁の延長を有する、穴及び/または立坑を備え得る。例えば、各ボアは、100~1200mmの径を有し得る。各ボアは、少なくとも25m、少なくとも50m、少なくとも100m、少なくとも200m以上の延長を有し得る。
【0040】
本方法は、第1の所定の経路(及び任意選択で第2の所定の経路)を判断することを含み得る。しかしこれは、従来の方法で成される。
【0041】
ボアは、少なくとも25m、または25m未満の延長を有し得る。例えば、第1のボアは、少なくとも5m、10m、15m、及び/または20mの延長を有し得る。しかし、第2の態様における他の特徴は、第1の態様と共通であってよい。
【0042】
本発明の第2の態様によると、任意の前述の請求による地下展開のための方法を、実行するためのシステムが提供される。このシステムは:基礎地盤を通して地下ボアを穴開けするための、方向性穴開け装置と;方向性穴開け装置によって穴を開けられたボアをライニングするためのパイプと;ボアをパイプでライニングするためのパイプライニング装備と、所定の箇所までパイプの中を降下されるよう、かつ物質及び/または装備を、パイプの孔を貫通させて基礎地盤の中に展開するよう、構成された展開装備と、を備える。
【0043】
本発明の、上記及び他の特性、特徴、及び利点は、本発明の原理を例として示す添付の図面を共に用いて、以下の詳細な説明から明確になろう。この説明は、例のためのみに与えられ、本発明の範囲を限定するものではない。以下で言及する参照図は、添付の図面を指す。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】地下展開のシステム及び方法が利用され得る環境の斜視図である。
図2】地下資産に隣接して使用されている、地下展開のシステムの概略図である。
図3】ライニングパイプ内におけるボアの下部に位置された装備のピースの、部分的に切り取った斜視図である。
図4】ライニングパイプ内におけるボアの下部に位置された展開装備のピースの、部分的に切り取った斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明を、特定の図面に対して説明するが、本発明はそれらではなく、特許請求の範囲のみによって限定される。示される図面は概略に過ぎず、非限定である。各図面は、本発明の全ての特徴を含み得ず、したがって必ずしも本発明の実施形態であると考慮する必要はない。図面において、いくつかの要素のサイズは誇張され、例示目的のため、縮尺に則っていない場合がある。寸法及び相対的寸法は、本発明の実施に対して実際の縮小に対応していない。
【0046】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における、第1の、第2の、第3の、等の用語は、類似の要素間を区別するために使用され、ランク付けまたは任意の他の方法における、時間的、空間的のいずれの順番も、必ずしも表わさない。このように使用される用語は、適切な状況において交換可能であり、その動作は、本明細書で説明または例示する以外の順番も可能であることを、理解されたい。同様に、特定の順番で説明または請求する方法ステップは、異なる順番で動作することが、理解され得る。
【0047】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における、上、下、上方、下方などの用語は、説明目的で使用され、必ずしも相対的位置を表わすためのものではない。このように使用される用語は、適切な状況において交換可能であり、その動作は、本明細書で説明または例示する以外の方向も可能であることを、理解されたい。
【0048】
特許請求の範囲において使用される用語「備えた、含んだ(comprising)」は、その後に列挙される手段に限定されるように解釈するべきではなく、他の要素またはステップを排除しないことに、留意されたい。したがってそれは、述べた特徴、整数、ステップ、もしくは構成要素の存在を言及したように特定するよう解釈されるが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、ステップ、もしくは構成要素、または、それらのグループの存在もしくは追加を、除外しないよう解釈するべきである。したがって、「A手段及びB手段を備えたデバイス」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみで構成されたデバイスに限定するべきではない。本発明に関して、デバイスの単なる関連構成要素が、A及びBであることを意味する。
【0049】
同様に、本明細書で使用される用語「接続された(connected)」は、直接的な接続のみに限定されるものと解釈するべきではないことに、留意されたい。したがって、表現の範囲「デバイスBに接続されたデバイスA」は、デバイスAの出力部がデバイスBの入力部に直接的に接続されるデバイスまたはシステムに、限定されるべきではない。それは、Aの出力部とBの入力部との間に経路が存在し、それは他のデバイスまたは手段を含む経路であってもよいことを意味する。「接続された」は、2つ以上の要素が、直接的に物理的接触しているか、もしくは電気的接触しているかのいずれか、または、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、やはり互いに協働もしくは相互作用していることを、意味し得る。例えば、ワイヤレス接続が企図される。
【0050】
この明細書全体の、「実施形態」または「態様」に対する参照は、実施形態または態様と共に説明した、特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または態様に含まれることを意味する。したがって、「1つの実施形態において」、「実施形態において」、または「態様において」という、本明細書の全体の様々な位置に現出するフレーズは、同じ実施形態または態様の全てを必ずしも指しておらず、様々な実施形態または態様を指し得る。さらに、本発明の、任意の1つの実施形態または態様における、特定の特徴、構造、または特性は、任意の好適な方法で、本発明の、別の実施形態または態様の、任意の他の特定の特徴、構造、もしくは特性と組み合わされてよく、それは、1つまたは複数の実施形態もしくは態様において、本開示から当業者には明確となろう。
【0051】
同様に、説明において、本発明の様々な特徴は、本開示を簡素化し、1つまたは複数の様々な発明の態様を理解する目的で、時としてそれらを単一の実施形態、図面、または説明において共にグループ化されることを、理解されたい。しかし本開示の方法は、請求する発明が、各請求項に明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とする意図を反映すると、解釈するべきではない。さらに、任意の個々の図面または態様の説明は、必ずしも本発明の実施形態であると考える必要はない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、上記で開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少なくなる。したがって、「発明を実施するための形態」の後の「特許請求の範囲」は、ここで明示的にこの「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として、それ自体で自立する。
【0052】
さらに、本明細書で説明するいくつかの実施形態が、他の実施形態に含まれたいくつかの特徴を含む一方で、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であることを意味し、当業者には理解されるように、さらに別の実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、任意の請求された実施形態を、任意の組み合わせで使用することができる。
【0053】
本明細書で提供される説明において、多くの特定の詳細が記載される。しかし、本発明の実施形態は、これら特定の詳細なしでも実施され得ることを理解されたい。他の例において、公知の方法、構造、及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないよう、詳細に示されていない。
【0054】
本発明の説明において、反対に述べない限り、パラメータの許容範囲で、上限または下限における代替の値の開示は、それらの値のうち一方が他方よりも好ましい表示と結合され、上記の代替のより好ましいものとあまり好ましくないものとの間にある、上記のパラメートの各中間値は、上記のあまり好ましくない値に対して、かつ上記のあまり好ましくない値と上記の中間値との間にある各値に対しても、それ自体好ましいことを暗黙の表現として解釈される。
【0055】
用語「少なくとも1つの」の使用は、特定の状況において1つのみを意味し得る。用語「任意の」は、特定の状況において「全て」及び/または「各々」を意味し得る。
【0056】
次に本発明の原理を、例示的な特徴に関する少なくとも1枚の図面の「発明を実施するための形態」によって説明する。他の配置が、基礎となるコンセプトまたは技術的教示から逸脱することなく、当業者の理解に従って構成され得ることは明確である。本発明は添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定される。
【0057】
図1は、川3を横断する橋梁1の斜視図である。橋梁1は、第1の川岸7に第1の支柱5を、及び川3の対岸における第2の川岸11に第2の支柱9を有する。第1の川岸7は、ライン13で部分的に切り取られており、地下における第1の支柱5の底部を示す。
【0058】
2本のパイプ15が、方向性穴開けをされたボア(図示せず)内に示され、表面から延びて、第1の支柱5に隣接して終端する。
【0059】
展開装備(図示せず)は、第1の支柱5に隣接するまで、各パイプ15を降下し、次に物質及び/または装置を展開するために使用され得る。これは、地盤沈下及び/または水の浸透などの問題を引き起こしかねない、第1の支柱5に隣接した掘削の必要性を回避する。
【0060】
図2は、地上25の施設23に関連した地下資産21を示す。ボア27は、施設23から資産21に隣接するまで、方向性穴開けによって形成されている。ボア27は、ライニングされているが、これは明瞭に示されていない。
【0061】
展開デバイス29は、ボア27内に位置され、手段30を介して地表の施設23によって制御される。展開デバイス29は、ボア27に沿って移動するよう構成される。図面は17の箇所を示し、そこでは物質が資産21に隣接して展開されている31。17の箇所における物質の経路33が、ボア27内における展開デバイスの10個の独立した箇所から、さらに示される。
【0062】
図3は、ライニングパイプ43内におけるボアの下方に位置された孔開け装備41のピースの、部分的に切り取った斜視図である。孔開け装備41は、ボアの上向き端部45及びボアの下向き端部47に接続部を有し、パイプ壁43を通して延びて示されたドリルビット49を備える。ドリルビット49は、孔開け装備のケーシング内に後退可能であり、孔開け装備がライニングパイプ43を貫通するのを可能にする。
【0063】
図4は、ライニングパイプ53内におけるボアの下部に位置された展開装備51のピースの、部分的に切り取った斜視図である。展開装備51は、ボアの上向き端部55及びボアの下向き端部57に接続部を有し、パイプ53の孔61を貫通して延びるための、接合されたプローブ59を備える。このプローブは、従来の物質注入装置を備え得るか、またはパイプ53の外側に装備を展開するよう構成され得る。
【0064】
展開装備51は、その一部として孔開け装備63も含み、詳細には後退したドリルビット65を有する。
【0065】
展開装備51は、ドリルビット65のために、パイプ53内の位置まで移動させて、孔61を孔開けすることが可能であり、次に展開装備51は、さらに動かされ、プローブ59が孔61を貫通して延ばされるのを可能にし得る。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下展開の方法であって、
基礎地盤を通して地下ボアを穴開けするステップと、
前記ボアをパイプでライニングするステップと、
装備を、所定の箇所まで前記ボアの中を下降させるステップと、
前記装備を使用して、所定の箇所において最大でも部分的にのみ前記パイプを貫通させて孔を作るステップと、
展開装備を、所定の箇所まで前記パイプの中を下降させるステップと、
所定の箇所において前記パイプの残りを貫通して孔を開けるよう構成されたプローブを、前記孔を貫通させて延ばすステップと、
物質及び/または装備を、前記パイプの前記孔を貫通させて基礎地盤の中に展開するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の地下展開の方法を実行するためのシステムであって、
基礎地盤を通して地下ボアを穴開けするための、方向性穴開け装置と、
前記方向性穴開け装置によって穿孔された前記ボアを、ライニングするためのパイプと、
前記パイプを用いて前記ボアをライニングするための、パイプライニング装備と、
所定の箇所まで前記パイプの中を下降するよう、及び所定の箇所において最大でも部分的にのみ前記パイプを貫通させて穴を作るよう構成された、装備と、
所定の箇所まで前記パイプの中を下降するよう構成された、展開装備と、前記穴を貫通して延びて、所定の箇所において前記パイプの残りを貫通してパンチングするよう、及び物質及び/または装備を、前記パイプの孔を貫通させて基礎地盤の中に展開するよう構成された、プローブと、
を備える、システム。
【国際調査報告】