(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-27
(54)【発明の名称】コンポーネントを取り扱う際に使用されるシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/64 20200101AFI20231020BHJP
G01R 27/26 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
G01R31/64
G01R27/26 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519244
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 US2021051665
(87)【国際公開番号】W WO2022081320
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141632
【氏名又は名称】エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】フー,ホンファ
(72)【発明者】
【氏名】ミロ,ジーン
(72)【発明者】
【氏名】イノホス,フアン
(72)【発明者】
【氏名】ハンフリー,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ボール,カイル
(72)【発明者】
【氏名】ダンディ,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ストラニー,ゲール
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン,グレッグ
【テーマコード(参考)】
2G014
2G028
【Fターム(参考)】
2G014AA17
2G014AB53
2G028BB06
2G028CG07
(57)【要約】
多層セラミックキャパシタ(MLCC)テスタは電源及びステーションを含む。ステーションは、試験場所に移送された共通のMLCCに同時に電気的に接続するように配置及び構成された第1の接点及び第2の接点を有する少なくとも1つの試験ヘッドと、消弧ソース回路とを含み得る。消弧ソース回路は、電源の出力と第1の接点との間に電気的に接続され得る。消弧ソース回路は、MLCCと電源との間の電気的接続に対してインピーダンスを導入するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層セラミックキャパシタ(MLCC)テスタであって、
電源と、
試験場所に移送された共通のMLCCに同時に電気的に接続するように配置及び構成された第1の接点及び第2の接点を有する少なくとも1つの試験ヘッドと、
前記電源の出力と前記第1の接点との間に電気的に接続される消弧ソース回路であって、前記MLCCと前記電源との間の電気的接続に対してインピーダンスを導入するように構成された消弧ソース回路と
を含むステーションと
を備える、MLCCテスタ。
【請求項2】
前記電源は、前記試験場所に移送された前記MLCCに1kV以上の電圧で電位を供給可能である、請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項3】
前記第1の接点及び前記第2の接点は、前記試験場所の両側に配置される、請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項4】
前記消弧ソース回路は、抵抗、インダクタ、及びキャパシタからなる群から選択される少なくとも1つの回路要素を含む、 請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの回路要素は、前記第1の接点の6インチ以内にある、請求項4に記載のMLCCテスタ。
【請求項6】
前記消弧ソース回路は、
前記電源及び第1の接点を選択的に電気的に接続及び切断可能なスイッチと、
前記スイッチに接続され、前記スイッチの動作を制御するように構成されるスイッチ制御回路と
を含む、請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項7】
前記スイッチは、光学リレーを含む、請求項6に記載のMLCCテスタ。
【請求項8】
前記スイッチ制御回路は、前記MLCCが前記試験場所に移送された後、所定の時間が経過した後にはじめて前記電源及び前記第1の接点を電気的に接続するように前記スイッチを制御するように構成される、請求項6に記載のMLCCテスタ。
【請求項9】
前記絶縁スイッチと前記第1の接点との間に電気的に接続される少なくとも1つのダイオードであって、電流が前記MLCCから逆流することを防止するように構成される少なくとも1つのダイオードをさらに備える、請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項10】
前記MLCCを前記試験場所に移送可能なキャリアプレートをさらに備える、請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項11】
前記ステーションは、前記試験場所に移送された前記MLCCの試験を促進可能な回路を含まない、請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項12】
前記試験場所に移送された前記MLCCの試験を促進可能なステーション回路と、
前記ステーション回路と前記第2の接点との間に電気的に接続される消弧ロード回路であって、前記MLCCと前記ステーション回路との間の電気的接続に対してインピーダンスを導入するように構成される消弧ロード回路と
をさらに備える、請求項1に記載のMLCCテスタ。
【請求項13】
前記ステーション回路は、前記試験場所に移送された前記MLCCのキャパシタンス、散逸率、及び絶縁抵抗からなる群から選択される少なくとも1つを試験可能である、請求項12のMLCCテスタ。
【請求項14】
前記消弧ロード回路は、抵抗、インダクタ、及びキャパシタからなる群から選択される少なくとも1つの回路要素を含む、請求項12に記載のMLCCテスタ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの回路要素は、前記第1の接点の6インチ以内にある、請求項14に記載のMLCCテスタ。
【請求項16】
前記絶縁スイッチと前記第1の接点との間に電気的に接続される少なくとも1つのダイオードであって、電流が前記MLCCから逆流することを防止するように構成される少なくとも1つのダイオードをさらに備える、請求項12に記載のMLCCテスタ。
【請求項17】
多層セラミックキャパシタ(MLCC)テスタであって、
試験場所に移送された共通のMLCCに同時に電気的に接続するように配置及び構成された第1の接点及び第2の接点を有する少なくとも1つの試験ヘッドと、
前記試験場所に移送された前記MLCCの試験を促進可能なステーション回路と
前記ステーション回路と前記第2の接点との間に電気的に接続される消弧ロード回路であって、前記MLCCと前記ステーション回路との間の電気的接続に対してインピーダンスを導入するように構成される消弧ロード回路と
を含むステーション
を備える、MLCCテスタ。
【請求項18】
前記ステーション回路は、前記試験場所に移送された前記MLCCのキャパシタンス、散逸率、及び絶縁抵抗からなる群から選択される少なくとも1つを試験可能である、請求項17のMLCCテスタ。
【請求項19】
前記消弧ロード回路は、抵抗、インダクタ、及びキャパシタからなる群から選択される少なくとも1つの回路要素を含む、請求項17に記載のMLCCテスタ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの回路要素は、前記第1の接点の6インチ以内にある、請求項19に記載のMLCCテスタ。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
I.技術分野
本明細書で述べられる実施形態は、電気コンポーネントを取り扱うためのシステム及び方法に関するものである。
【0002】
II.関連技術の説明
電荷を蓄えるキャパシタは、電子回路の基本構成ブロックの1つである。その最も基本的な形態においては、キャパシタは、短い距離だけ互いに離間した2つの導電面を有しており、これらの導電面の間に非導電性の誘電材料が位置している。そのような構成のキャパシタンスCは、Kが誘電材料の誘電率、Aが対向する導電面の面積、dが導電面間の距離であるとすると、KA/dに比例する。多層セラミックキャパシタ(MLCC)は、電極と誘電材料(すなわちセラミック材料)の層が交互に配置されたキャパシタの種類である。MLCCは、電子回路において(例えば、バイパスキャパシタとして、あるいはフィルタや演算増幅回路内などで)一般に用いられている。MLCCの製造メーカーは、典型的には、キャパシタンス(C)、散逸率(DF)、絶縁抵抗(IR)などのパラメータによりキャパシタを特定している。MLCCは、典型的には、販売又は使用される前に、許容限度内に入っていることを保証するために試験される。
【0003】
MLCCは様々な機械で試験され得る。典型的には、そのような機械(本明細書においては「MLCCテスタ」ともいう)は、様々な機能(例えば、試験、予浸、プレチャージなど)を発揮する一連のステーションにMLCCを通過させる。スループットを上げるために、MLCCテスタは、典型的には、それぞれのステーションに複数のMLCCを同時に通過させるように構成されている。したがって、それぞれのステーションは、複数の試験ヘッドを含んでおり、それぞれの試験ヘッドは、単一のMLCCと電気的に接触するように構成され(それぞれの試験ヘッドは、MLCCの異なる端子電極に接触するように配置された1対の接点を含んでいる)、共通のステーションの1セットの試験ヘッドは、同時に(又は少なくとも実質的に同時に)それぞれのセットのMLCCと電気的に接触するように配置及び構成されている。例えば、仮想的なMLCCテスタのステーションが4つの試験ヘッドを有しているとした場合、それらの4つの試験ヘッドは、同時に4つのMLCCと電気的に接触する。異なるステーションの試験ヘッドのセットが、同時に異なるセットのMLCCと電気的に接触することを保証することによってスループットも上がる。例えば、仮想的なMLCCテスタが4つのステーションを有しているとした場合、それらの4つのステーションの試験ヘッドは、実質的に同時に16個のMLCCと電気的に接触する。
【0004】
図2は、上述した従来のMLCCテスタの斜視図を示している。この従来のMLCCテスタは、米国特許第5,842,579号においても述べられており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図2を参照すると、(参照符号2で特定される)MLCCテスタにおいては、キャリアプレート5に形成されたコンポーネントシート4を有する1以上の同心リング3が、(例えばモータにより)ターンテーブルハブ6を中心として時計回りに回転可能となっている。キャリアプレート5が回転すると、コンポーネントシート4は、ローディング領域10の下方を通過して、(例えば5つの試験ヘッドモジュール12(
図2においては2つのみが示されている)を有する)試験ヘッドアセンブリ11及びイジェクションマニホルド13に入って試験ヘッドアセンブリ11及びイジェクションマニホルド13から出てくる。ローディング領域10においては、MLCC14(
図3参照)は、同心リング3に投入され、コンポーネントシート4のうちの1つに着座するまでランダムに転がる。その後、MLCC14は、回転により試験ヘッドアセンブリ11に入り、この試験ヘッドアセンブリ11では、それぞれのMLCC14が電気的に接触されてパラメータ的に試験される。MLCC14が試験されると、MLCC14は、さらなる回転によりイジェクションマニホルド13に至り、イジェクションマニホルド13は、選択的に駆動された空間的に整列された空気圧弁(図示せず)からの空気の噴射によりシート4からMLCC14を噴出する。噴出されたMLCC14は、好ましくはイジェクションチューブ15aを通って選別ビン15bに案内される。
【0005】
図3及び
図4は、
図2に示される試験ヘッドアセンブリ11をより詳細に示すものである。すなわち、
図3は、試験ヘッドアセンブリ11の斜視図を示しており、試験ヘッドアセンブリ11上には試験ヘッドモジュール12のすべての要素よりも少ない要素が示されている。
図4は、キャリアプレート5内に着座したMLCC14の部分断面図に並べて配置された、
図3の線4-4に沿った部分断面図である。
図3及び
図4を参照すると、それぞれの試験ヘッドモジュール12は、複数の試験ヘッドを含んでいる。それぞれの試験ヘッドは、試験ヘッドに関連付けられた試験場所に搬送されたMLCC14の両側の電気的接触端部に対する1対の接点(すなわち上側接点16と下側接点18)として設けられている。それぞれの試験ヘッドの内部で、下側接点18は、
図4に示されるように、対応する上側接点16から試験プレート5の反対側に位置している。このように、試験ヘッドアセンブリ11は、MLCC14の端子が試験ヘッドの接点に同時に接触可能となることにより、試験ヘッドアセンブリ11に搬送されたMLCCに同時に接触する、試験ヘッドモジュール12のすべての要素を含んでいる。
【0006】
上述した観点から、MLCCがMLCCテスタ内で搬送される際に、MLCCと試験ヘッドとの間で繰り返し同時に電気的接続が確立され、解除されることは理解できよう。このようにMLCCテスタを動作させると、放射性放出又は伝導放出、試験ヘッドから接点材料の放出の繰り返し(試験ヘッド接点の凹み形成)、又はある試験ヘッドに接続された回路から隣接する試験ヘッドに接続された回路に伝搬する過渡波によって、意図しない干渉のような悪影響が生じる可能性がある。これらの悪影響により、MLCCテスタの動作が不安定になり、試験ヘッド接点の劣化が加速し、接続コンポーネントへのダメージが生じ、試験ヘッド接点又は他のコンポーネントの修理、修繕又は取替の必要性が増し、MLCCテスタのダウンタイムが増す可能性がある。
【概要】
【0007】
本発明の一実施形態は、電源及びステーションを含む多層セラミックキャパシタ(MLCC)テスタとして特徴付けることができる。ステーションは、試験場所に移送された共通のMLCCに同時に電気的に接続するように配置及び構成された第1の接点及び第2の接点を有する少なくとも1つの試験ヘッドと、消弧ソース回路とを含み得る。上記消弧ソース回路は、上記電源の出力と上記第1の接点との間に電気的に接続され得る。上記消弧ソース回路は、上記MLCCと上記電源との間の電気的接続に対してインピーダンスを導入するように構成される。
【0008】
本発明の他の実施形態は、試験場所に移送された共通のMLCCに同時に電気的に接続するように配置及び構成された第1の接点及び第2の接点を有する少なくとも1つの試験ヘッドと、上記試験場所に移送された上記MLCCの試験を促進可能なステーション回路と、上記ステーション回路と上記第2の接点との間に電気的に接続される消弧ロード回路とを有するステーションを含む多層セラミックキャパシタ(MLCC)テスタとして特徴付けることができる。上記消弧ロード回路は、上記MLCCと上記ステーション回路との間の電気的接続に対してインピーダンスを導入するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態によるMLCCテスタのステーションに関連付けられたコンポーネントを模式的に示すものである。
【0010】
【
図2】
図2は、従来のMLCCテスタの斜視図を示すものである。
【0011】
【
図3-4】
図3及び
図4は、
図2に示されるMLCCテスタの試験ヘッドアセンブリをより詳細に示すものである。
【詳細な説明】
【0012】
ここで、添付した図面を参照しつつ実施形態の例を述べる。明示的に述べている場合を除き、図面においては、コンポーネント、特徴、要素などのサイズや位置などやそれらの間の距離は、必ずしも縮尺通りではなく、また理解しやすいように誇張されている。図面を通して同様の数字又は用語は同様の要素を意味している。このため、同一又は類似の番号は、対応する図面で言及又は説明されていない場合であっても、他の図面を参照して述べられることがある。また、参照番号の付されていない要素であっても、他の図面を参照して述べられることがある。
【0013】
明細書において使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、限定を意図しているものではない。特に定義されている場合を除き、本明細書において使用される(技術的用語及び科学的用語を含む)すべての用語は、当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される場合には、内容が明確にそうではないことを示している場合を除き、単数形は複数形を含むことを意図している。さらに、「備える」及び/又は「備えている」という用語は、本明細書で使用されている場合には、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在又は追加を排除するものではないことを理解すべきである。特に示している場合を除き、値の範囲が記載されているときは、その範囲は、その範囲の上限と下限の間にあるサブレンジだけではなく、その上限及び下限を含むものである。特に示している場合を除き、「第1」や「第2」などの用語は、要素を互いに区別するために使用されているだけである。例えば、あるノードを「第1のノード」と呼ぶことができ、同様に別のノードを「第2のノード」と呼ぶことができ、あるいはこれと逆にすることもできる。
【0014】
特に示されている場合を除き、「約」や「その前後」などは、量、サイズ、配合、パラメータ、及び他の数量及び特性が、正確ではなく、また正確である必要がなく、必要に応じて、あるいは許容誤差、換算係数、端数計算、測定誤差など、及び当業者に知られている他のファクタを反映して、概数であってもよく、さらに/あるいは大きくても小さくてもよいことを意味している。本明細書において、「下方」、「下」、「下側」、「上方」、及び「上側」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるような、ある要素又は特徴の他の要素又は特徴に対する関係を述べる際に説明を容易にするために使用され得るものである。空間的に相対的な用語は、図において示されている方位に加えて異なる方位を含むことを意図するものであることは理解すべきである。例えば、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」にあるとして説明される要素は、図中の対象物が反転した場合には、他の要素又は特徴の「上方」を向くことになる。このように、「下方」という例示的な用語は、上方及び下方の方位の双方を含み得るものである。対象物が他の方位を向く場合(例えば90度回転される場合や他の方位にある場合)には、本明細書において使用される空間的に相対的な記述子はこれに応じて解釈され得る。
【0015】
本明細書において使用されるセクション見出しは、特に言及している場合を除いて、整理のためだけのものであり、述べられた主題を限定するものと解釈すべきではない。本開示の精神及び教示を逸脱することなく、多くの異なる形態、実施形態及び組み合わせが考えられ、本開示を本明細書で述べた実施形態の例に限定して解釈すべきではないことは理解できるであろう。むしろ、これらの例及び実施形態は、本開示が完全かつすべてを含むものであって、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されるものである。
【0016】
図1は、本発明のある実施形態によるMLCCテスタのステーションに関連付けられたコンポーネントを模式的に示すものである。
【0017】
図1を参照すると、MLCCテスタ(例えば、
図2~
図4に関して上記で述べたものと同様のMLCCテスタ)のステーションは、概略100で示されており、本明細書に記載されている本発明の実施形態によれば、消弧ソース回路102と、消弧ロード回路104と、オプションとしてステーション回路106とを含み得る。消弧ソース回路102の入力は電源108の出力に電気的に接続される。ステーション回路106が含められる場合には、ステーション回路106の入力は消弧ロード回路104の出力に電気的に接続される。
【0018】
一般的に、ステーション回路106は、(例えば、MLCCのキャパシタンス、散逸率、絶縁抵抗などの観点で)MLCCの試験を促進可能となっている。ステーション100は、ステーションが、いずれも当該分野において知られている予浸ステーション又はプレチャージステーションのようなステーションである場合には、ステーション回路106を含まない。電源108は、ステーション100に搬送されるMLCCに(例えば、1V未満から1kV以上の範囲の電圧で)電位を供給可能となっている。消弧ソース回路102及び消弧ロード回路104の追加の説明が以下の段落でさらになされる。
図1は、電源108に接続される単一のステーション100を示しているが、MLCCテスタは、任意の数(例えば、4、10、20、30、50など、あるいはこれらの値のいずれかの間の値)のステーション100を含んでいてもよく、1以上(又はすべて)のステーション100は、同一の電源108に又は異なる電源に接続されていてもよいことことは理解できよう。
【0019】
また、ステーション100は、ソース側接点110a及びロード側接点110bのような1対の接点を含むことができる。この1対の接点は、ステーション100の試験ヘッドを構成し得る。ソース側接点110aは、消弧ソース回路102の出力に電気的に接続され、ロード側接点110bは、消弧ロード回路104の入力に電気的に接続されている。ソース側接点110a及びロード側接点110b は、試験されるMLCC(本明細書では「DUT」とも呼ばれ、
図1にラベルが付けられている)がステーション100に搬送されたときに、ソース側接点110a及びロード側接点110bのそれぞれがDUTの異なる端子に電気的に接続されるように構成されている。説明を簡単にするために、DUTが試験ヘッドの試験場所に移動されたときに(すなわち、DUTの端子がそれぞれのソース側接点110a及びロード側接点110bに接触するように、DUTが
図1にも模式的に図示されている領域112内に完全に位置しているときに)、DUTがステーション100に搬送されたものとみなされる。
【0020】
一般的に、試験されるMLCCは、任意のタイプの2端子MLCC (すなわち2つの端子を有するMLCC)又は多端子MLCC(すなわち2つよりも多くの端子を有するMLCC)として提供され得る。このように、
図1は、ステーション100が試験場所112の両側に配置された2つの接点(すなわち、単一のソース側接点110aと単一のロード側接点110b)のみを含むものとして模式的に示しているが、ステーション100で試験されるMLCCのタイプに応じて1つのソース側接点110a 及び/又は単一のロード側接点110bよりも多くを設けて任意の方法により配置してもよいことは理解できよう。また、接点の配置はステーション100で試験されるMLCCのタイプに応じて変化し得ることも理解できよう。
【0021】
DUTは、当該分野において知られている任意の好適な機構によりステーション100に搬送され、ステーション100から搬送され得ることは理解できよう。 例えば、当該分野において知られている任意の好適なキャリアプレート(例えば、
図2及び
図4に関して上記で述べたようなもの)を使用して複数のDUTを同時に搬送してもよい。一般的に、キャリアプレートは、(例えばステーション回路106を用いてステーション100でDUTに対して何らかの機能を発揮させることができるように)キャリアプレートにより搬送されるDUTがステーション100に搬送され、(例えばDUTに対して機能を発揮させた後に)ステーション100から移動されるように、キャリアプレートを移動させるアクチュエータ(例えば、ステッピングモータ)に機械的に接続されている。
【0022】
DUTが試験ヘッドの試験場所に移動すると、DUTは、ソース側接点110a及びロード側接点110bに電気的に接続される。したがって、DUTは、(例えば電源108から電圧を受けるために)電源108に電気的に接続され、ステーション回路106に電気的に接続され得る。この場合において、消弧ソース回路102は、必要に応じて、DUTと電源108との間の電気的接続に対して所望のインピーダンスを提供するためにソース側接点110aに電気的に接続された1以上の回路要素(例えば、1以上の抵抗、インダクタ、キャパシタ、又はこれらを任意に組み合わせたもの)を含み得る。同様に、消弧ロード回路104は、必要に応じて、DUTとステーション回路106との間の電気的接続に対して所望のインピーダンスを提供するためにロード側接点110bに電気的に接続された1以上の回路要素(例えば、1以上の抵抗、インダクタ、キャパシタ、又はこれらを任意に組み合わせたもの)を含み得る。この場合において、消弧ソース回路102のインピーダンスを提供する回路要素は、ソース側接点110aに近接して配置され、消弧ロード回路104のインピーダンスを提供する回路要素は、ロード側接点110bに近接して配置される。本明細書で使用される場合には、インピーダンスを提供する回路要素が接点の6インチ(又はその前後)以内にあるときは、インピーダンスを提供する回路要素は接点(すなわちソース側接点110a又はロード側接点110bのいずれか)に近接した範囲内にある。すなわち、インピーダンスを提供する回路要素を接点に電気的に接続する電線(又は導体)の電気的長さが6インチ(又はその前後)以内であるときは、インピーダンスを提供する回路要素は接点(すなわちソース側接点110a又はロード側接点110bのいずれか)に近接した範囲内にある。試験ヘッドの試験場所のいずれかの側に近接した位置にインピーダンスを追加することは、DUTと試験ヘッドが位置しているステーション100の様々なコンポーネントとの間の漂遊キャパシタンスを低減するのを助けることができ、これにより、上述した有害な影響を生じるのに利用され得るエネルギーを低減することができる。
【0023】
一実施形態においては、消弧ソース回路102は、スイッチ(本明細書では「絶縁スイッチ」ともいう)及び絶縁スイッチに対して動作可能に接続されるスイッチ制御回路とを含み得る。一般的に、絶縁スイッチは、電源108に対してソース側接点110aを選択的に(すなわちスイッチ制御回路により出力された1以上の信号に応答して)電気的に接続又は切断するように配置され動作可能となっている。この場合において、絶縁スイッチは、光学リレー、MOSFETリレー、インダクタカプラ、電気化学リレーなど、あるいはこれらを任意に組み合わせたもののような固体リレーとして提供され得る。消弧ソース回路102が上述したインピーダンスを提供するための回路要素のうち1つ以上を含んでいる場合には、絶縁スイッチは、そのような要素と電源108の出力との間に位置している必要がある。さらに、消弧ソース回路102が上述したインピーダンスを提供するための回路要素のうち1つ以上を含んでいる場合には、絶縁スイッチは、DUTとステーション100の様々なコンポーネントとの間の漂遊キャパシタンスを低減するために、そのような要素に近接した位置に位置している必要がある。
【0024】
一般的に、スイッチ制御回路は、DUTがステーション100に搬送されたときにのみ絶縁スイッチにソース側接点110aを電源108に電気的に接続させるように動作する。このため、スイッチ制御回路は、DUTがステーション100にないとき(すなわち、DUTがステーション100に搬送されている又はステーション100から搬送されているとき)にソース側接点110aが確実に電源108から電気的に切断されるように絶縁スイッチにソース側接点110aを電源108から電気的に切断させるように動作する。DUTがステーション100に存在するときにのみソース側接点110aを電源108に電気的に接続することにより、上述した有害な影響をなくすか低減することができる。
【0025】
本発明者等は、ソース側接点110aの構成、DUTがステーション100に搬送されるときの移動速度などの1以上のファクタによって、ソース側接点110aとDUTの端子との間の接触は、DUTがステーション100に搬送された後の最初の期間(本明細書では「整定期間」ともいう)の間は間欠的になり得ることを見出した。したがって、スイッチ制御回路は、絶縁スイッチの動作を遅延させて整定期間が経過した後にソース側接点110aを電源108に電気的に接続するようにさらに動作可能である。
【0026】
一実施形態においては、ステーション100は、消弧ソース回路102の絶縁スイッチとソース側接点110aとの間に電気的に接続された1以上のダイオード(図示せず)を含み得る。一般的に、この1以上のダイオードは、電流がステーション100のDUTから図示されるステーション100に隣接するステーション(図示せず)に逆流するのを防止するように構成される。
【0027】
上述したように、本発明の実施形態は、放射性放出又は伝導放出を低減し、試験ヘッド接点の摩耗を低減し、コンポーネントの寿命を長くし、廃棄物を最小限にし、MLCCテスタのダウンタイムを最小限にするように実施され得る。上述したように、MLCCテスタは、複数のステーション100を含み得る。これらのステーション100の一部は、異なるDUT上で同一の機能を発揮するように構成され得る。これらのステーション100の一部は、あるDUT上で異なる機能を発揮するように構成され得る。異なるステーション100は、あるDUT上で異なる機能を発揮するように構成されるが、異なるステーション100のステーション回路106は異なるように構成され得ることは理解できよう。必要に応じて、消弧ソース回路102は、あるDUTに対して異なる機能を発揮するように構成されたステーション100間で異なるように構成され得る。例えば、DUTに対して予浸機能を発揮するように構成されたステーション100におけるソース消弧回路102は、上述した1以上のダイオードを含み得るが、異なる機能を発揮するように構成された他のステーション100におけるソース消弧回路102は、1以上のダイオードを含む必要がない(が依然として含んでいてもよい)。他の例においては、あるDUTに対して絶縁抵抗試験機能を発揮するように構成されたステーション100におけるソース消弧回路102は、上述した絶縁スイッチを含み得るが、異なる機能を発揮するように構成された他のステーション100におけるソース消弧回路102は、絶縁スイッチを含む必要がない(が依然として含んでいてもよい)。
【0028】
上記は、本発明の実施形態及び例を説明したものであって、これに限定するものとして解釈されるものではない。いくつかの特定の実施形態及び例が図面を参照して述べられたが、当業者は、本発明の新規な教示や利点から大きく逸脱することなく、開示された実施形態及び例と他の実施形態に対して多くの改良が可能であることを容易に認識するであろう。したがって、そのような改良はすべて、特許請求の範囲において規定される本発明の範囲に含まれることを意図している。例えば、当業者は、そのような組み合わせが互いに排他的になる場合を除いて、いずれかの文や段落、例又は実施形態の主題を他の文や段落、例又は実施形態の一部又は全部の主題と組み合わせることができることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲とこれに含まれるべき請求項の均等物とによって決定されるべきである。
【国際調査報告】