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特表2023-545302改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド、ならびにそれを作製および使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-27
(54)【発明の名称】改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド、ならびにそれを作製および使用する方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/55 20060101AFI20231020BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20231020BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20231020BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 33/04 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20231020BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20231020BHJP
   C12N 15/26 20060101ALN20231020BHJP
【FI】
C07K14/55
C12N5/0783
A61K38/20
A61K45/00
A61P29/00
A61P37/02
A61P43/00 121
A61P43/00 105
A61P31/00
A61P37/04
A61P35/00
A61P35/02
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P17/00
A61P17/06
A61P37/08
A61P21/04
A61P1/04
A61P11/06
A61P3/10
A61P5/14
A61P33/00
A61P33/04
A61P31/04
A61P11/00
A61P15/00
A61P31/20
A61P31/14
A61P31/12
A61P31/22
A61P31/16
C12N15/26 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522427
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 US2021054809
(87)【国際公開番号】W WO2022081728
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/091,679
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522057869
【氏名又は名称】サイティム セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ハイニン
(72)【発明者】
【氏名】シュー, シャオ
(72)【発明者】
【氏名】フェン, ユー
(72)【発明者】
【氏名】モグノル, ジュリアナ
(72)【発明者】
【氏名】ジン, カン
(72)【発明者】
【氏名】ギメット, ダイアナ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065BB19
4B065BD39
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA19
4C084BA01
4C084DA14
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA59
4C084ZA68
4C084ZA81
4C084ZA89
4C084ZA94
4C084ZA96
4C084ZB07
4C084ZB09
4C084ZB11
4C084ZB13
4C084ZB15
4C084ZB21
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZB32
4C084ZB33
4C084ZB35
4C084ZB37
4C084ZB38
4C084ZB39
4C084ZC06
4C084ZC35
4C084ZC75
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA57
4H045CA40
4H045DA04
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA72
4H045FA74
4H045GA22
4H045GA26
(57)【要約】
本開示は、とりわけ、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド;かかる改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターおよびウイルスベクター;かかる改変されたIL-2ポリペプチド、ならびにそれをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターおよびウイルスベクターを作製する方法;ならびにかかる改変されたIL-2ポリペプチド、ならびにそれをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターおよびウイルスベクターを使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1または配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然または非天然のアミノ酸による置換を含み、
a)前記置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体α(IL-2Rα)に対する増強された結合を有する;および/または
b)前記置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)に対する増強された結合を有する;および/または
b)前記置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)を発現する細胞に対する増強された結合を有する;および/または
c)前記置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγを介した増強された受容体シグナル伝達潜在力を有する;および/または
e)前記置換なしのIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ受容体シグナル伝達潜在力のIL-2Rβγ受容体シグナル伝達潜在力に対する比と比較して、IL-2Rαβγ受容体シグナル伝達潜在力のIL-2Rβγ受容体シグナル伝達潜在力に対する増強された比を有する;および/または
f)コンジュゲート化部分にコンジュゲートされるように構成されている;および/または
g)コンジュゲート化部分にコンジュゲートされている;および/または
h)a)~g)の組合せである、改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項2】
a)N29位におけるシステイン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換;および/または
b)Y31位におけるシステイン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシンまたはフェニルアラニンによる置換
を含む、請求項1に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項3】
置換N29Cを含む、請求項1または2に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項4】
置換Y31Cを含む、請求項1から3のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項5】
L18、L19、V69、Q74、N88、V91およびI128からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、メチオニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリンまたはチロシンによる置換を含む、請求項1から4に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項6】
Y31Cからなる群から選択される置換を含む、請求項1から5のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項7】
水溶性ポリマー、脂質、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択されるコンジュゲート化部分にコンジュゲートされている、請求項1から6のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項8】
ポリエチレングリコールにコンジュゲートされている、請求項1から7のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項9】
N29C、N30C、Y31C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131Cからなる群から選択される突然変異を含み、N29C、N30C、Y31C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131C部位においてペグ化されている、請求項1から8のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項10】
N29CまたはY31C突然変異を含む、請求項1から9のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項11】
a)N29、N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置における、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換;または
b)N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置における、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換
を含む、請求項1から10のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項12】
a)N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み、
N29、N30、Y31、E100、N119、T123、S127、T131からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに
(i)コンジュゲートされていない;
(ii)コンジュゲートされている;または
(iii)コンジュゲートされるように構成されている;ならびに/あるいは
b)N29、N30、Y31からなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み、
N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに
(i)コンジュゲートされていない;
(ii)コンジュゲートされている;または
(iii)コンジュゲートされるように構成されている;ならびに/あるいは
c)N29、N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み、
前記改変されたIL-2ポリペプチドのN末端および/またはC末端において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに
(i)コンジュゲートされていない;
(ii)コンジュゲートされている;または
(iii)コンジュゲートされるように構成されている、請求項1から11のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項13】
a)N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、システインによる置換;および/または
b)N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、システインによる置換;および/または
c)Y31の位置において、システインによる置換;および/または
f)N30の位置において、システインによる置換
を含む、請求項1から12のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項14】
IL-2Rα相互作用領域および/またはIL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、請求項1から13のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項15】
IL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、請求項1から14のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項16】
L18、L19、V69、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、請求項1から15のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項17】
L18、L19、V69、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、メチオニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリンまたはチロシンによる1つまたは複数の置換を含む、請求項1から16のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項18】
a)L18位において、メチオニンによる置換;および/または
b)L19の位置において、セリンによる置換;および/または
c)Y31の位置において、システインによる置換、および/または
d)V69の位置において、アラニンによる置換;および/または
e)Q74の位置において、プロリンによる置換;および/または
f)N88の位置において、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシンによる置換;および/または
g)N88の位置において、アルギニンによる置換;および/または
h)N88の位置において、アスパラギン酸による置換;
i)N88の位置において、グルタミン酸による置換;
j)N88の位置において、リシンによる置換;
k)V91の位置において、リシンによる置換;
l)I128の位置において、スレオニンによる置換;および/または
m)a)~l)の組合せ
を含む、請求項1から17のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項19】
a)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;ならびに/または
b)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;ならびに/または
c)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、IL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換
を含む、請求項1から18のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項20】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合を有する、請求項1から19のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項21】
IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する前記改変されたIL-2ポリペプチドの結合親和性が、約10%から約100%まで増加される、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加される、請求項1から20のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項22】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞に対する増加した結合を有する、請求項1から21のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項23】
約10%から約100%まで増加された、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加された、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞に対する増加した結合を有する、請求項1から22のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項24】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による低減された内在化を有する、請求項1から23のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項25】
約10%から約100%までである、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加された、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による内在化を有する、請求項1から24のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項26】
IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による検出可能な内在化を有さない、請求項1から25のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項27】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、請求項1から26のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項28】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する増加した結合を有し、前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、請求項1から27のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項29】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合、ならびにIL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞上での増加した結合を有し、前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による低減された内在化を有する、請求項1から28のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項30】
(i)IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合を有する;(ii)前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞上での増加した結合を有する;(iii)前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による検出可能な内在化を有さない;ならびに(iv)前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、請求項1から29のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項31】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体β(IL-2Rβ)またはインターロイキン2受容体γ(IL-2Rγ)に対する低減された結合レベルを有する;および/または
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへの低減された受容体シグナル伝達潜在力を有する、請求項1から30のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項32】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへのより低い受容体シグナル伝達潜在力を有する、請求項1から31のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項33】
(i)前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2RβまたはIL-2Rγに対するより低い結合レベル;および(ii)前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへのより低い受容体シグナル伝達潜在力を有する、請求項1から32のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項34】
前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへのそのシグナル伝達潜在力とIL-2Rβγへのシグナル伝達潜在力との間での増加した比を有する、請求項1から33のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項35】
1倍よりも大きい、10倍よりも大きい、100倍よりも大きい、1,000倍よりも大きい、10,000倍よりも大きい、100,000倍よりも大きい、IL-2Rαβγへのそのシグナル伝達潜在力とIL-2Rβγへのシグナル伝達潜在力との間での増加した比を有する、請求項1から34のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項36】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、N末端欠失を含み、前記欠失が、前記N末端欠失を含まない対応する改変されたIL-2ポリペプチド中に存在するそれらを包含するアミノ酸残基1~30のうち1つまたは複数の欠失を含む、請求項1から35のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項37】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、C末端欠失を含み、前記欠失が、前記C末端欠失を含まない対応する改変されたIL-2ポリペプチド中に存在するそれらを包含するアミノ酸残基114~134のうち1つまたは複数の欠失を含む、請求項1から36のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項38】
N末端欠失およびC末端欠失を含む、請求項1から37のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項39】
追加のアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドの一部である、請求項1から38のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項40】
前記改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む組換え融合タンパク質を含む、請求項1から39のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項41】
前記改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されている、請求項1から40のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項42】
前記改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含む、請求項1から41のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項43】
前記改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体のFc部分、またはその一部分もしくは断片を含む、請求項1から42のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項44】
単離されている、請求項1から43のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項45】
前記改変されたIL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターから発現される、請求項1から44のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項46】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、前記改変されたIL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターから発現され、前記ベクターが、RNAベクター、DNA、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターである、請求項1から45のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項47】
水溶性ポリマー、脂質、ポリペプチド、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされた請求項1から46のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドを含む、改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項48】
1つまたは複数の共有結合を介して、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から47のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項49】
1つまたは複数の非共有結合を介して、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から48のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項50】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から49のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項51】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から50のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項52】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から51のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項53】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたシステインを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から52のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項54】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から53のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項55】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から54のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項56】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から55に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項57】
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたシステインを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から56に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項58】
前記改変されたIL-2ポリペプチドの単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から57のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項59】
i)前記改変されたIL-2ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;
ii)前記改変されたIL-2ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;または
iii)前記改変されたIL-2ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位
を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から58のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項60】
リンカーを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされている、請求項1から59のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項61】
前記改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から60のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項62】
前記改変されたIL-2ポリペプチド内に位置する単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から61のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項63】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、前記改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、前記単一のアミノ酸残基が、前記追加のアミノ酸配列内に位置する、請求項1から62のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項64】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、前記改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含む、請求項1から63のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項65】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、前記改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体のFc部分を含む、請求項1から64のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項66】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、前記改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、前記単一のアミノ酸残基が、
i)前記融合ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;
ii)前記融合ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;または
iii)前記融合ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位
である、請求項1から65のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項67】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、前記改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、前記融合ポリペプチドが、リンカーを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされている、請求項1から65のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項68】
水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、請求項1から67のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項69】
ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカリド)、ポリ(a-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、またはそれらの組合せを含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、請求項1から68のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項70】
PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、請求項1から69のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項71】
直鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、請求項1から70のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項72】
分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、請求項1から71のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項73】
中心コア基から発する約3~約10本のPEG鎖を含む分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、請求項1から72のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項74】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、前記分岐鎖PEG分子が、中心コア基から発する約10~約100本のPEG鎖を含む星型PEGである、請求項1から73のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項75】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、前記分岐鎖PEG分子が、ポリマー骨格上にグラフトされた複数のPEG鎖を含む櫛型PEGである、請求項1から74のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項76】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、前記PEG分子が、約300g/mol~約10,000,000g/molの分子量の範囲を有する、請求項1から75のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項77】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、前記PEG分子が、約5,000ダルトン~約1,000,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項1から76のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項78】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、前記PEG分子が、約20,000ダルトン~約30,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項1から77のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項79】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、前記PEG分子が、単分散型、均質型または離散型PEG分子である、請求項1から78のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項80】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、前記水溶性ポリマーが、ポリサッカリドを含む、請求項1から79のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項81】
脂質にコンジュゲートされている、請求項1から80のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項82】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、脂質にコンジュゲートされており、前記脂質が、脂肪酸を含む、請求項1から81のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項83】
タンパク質にコンジュゲートされている、請求項1から82のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項84】
前記改変されたIL-2ポリペプチドが、タンパク質にコンジュゲートされており、前記タンパク質が、抗体またはその結合性断片を含む、請求項1から83のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項85】
抗体のFc部分またはその断片にコンジュゲートされている、請求項1から84のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項86】
前記改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸にリンカーを介して間接的に結合された水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から85のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項87】
前記改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸に直接的に結合された水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、請求項1から86のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項88】
約5分間~約10日間のin vivo半減期を有する、請求項1から87のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項89】
ACT5200、ACT5201、ACT5210、ACT5211、ACT5212、ACT522S0、ACT522S1、ACT5230、ACT5231、ACT5260、ACT5261、ACT5270、ACT5271、ACT5280、ACT5281、ACT5290およびACT5291からなる群から選択される、請求項1から88のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【請求項90】
請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドの有効量と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項91】
別の活性成分をさらに含む、請求項90に記載の医薬組成物。
【請求項92】
1種または複数の追加の成分をさらに含み、前記1種または複数の活性成分が、
(i)抗炎症性物質もしくは抗自己免疫性物質;
(ii)抗新生物物質;
(iii)抗感染性疾患物質;および/または
(iv)免疫不全障害
を含む、請求項90または91に記載の医薬組成物。
【請求項93】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項94】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、前記疾患または障害が、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【請求項95】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、前記疾患または障害が、増殖疾患または障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【請求項96】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、前記疾患または障害が、感染性疾患または障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【請求項97】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、前記疾患または障害が、免疫不全障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【請求項98】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防するための方法であって、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項99】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防するための方法であって、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、前記疾患または障害が、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害を含む、方法。
【請求項100】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防するための方法であって、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、前記疾患または障害が、増殖疾患または障害を含む、方法。
【請求項101】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防するための方法であって、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、前記疾患または障害が、感染性疾患または障害を含む、方法。
【請求項102】
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、前記疾患または障害を処置または予防するための方法であって、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは請求項90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、前記疾患または障害が、免疫不全疾患または障害を含む、方法。
【請求項103】
前記対象がヒトである、請求項93から97のいずれかに記載の使用または請求項98から102のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
前記対象が非ヒト哺乳動物である、請求項93から97のいずれかに記載の使用または請求項97から102のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
前記増殖障害が、腫瘍を含む、請求項95に記載の使用または請求項100に記載の方法。
【請求項106】
前記増殖障害が、がんを含む、請求項95に記載の使用または請求項100に記載の方法。
【請求項107】
前記増殖障害が、固形腫瘍またはがんを含む、請求項95に記載の使用または請求項100に記載の方法。
【請求項108】
前記増殖障害が、固形腫瘍またはがんを含み、前記固形腫瘍または前記がんが、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、心臓がん、星細胞腫、脳幹神経膠腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣腫、原始神経外胚葉性腫瘍、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫、神経膠腫、髄芽腫、神経芽腫、乏突起神経膠腫、松果体星細胞腫、下垂体腺腫、視覚路および視床下部神経膠腫、乳房がん、浸潤性小葉癌、管状癌、浸潤性篩状癌、髄様癌、男性乳房がん、葉状腫瘍、炎症性乳房がん、副腎皮質癌、膵島細胞癌(膵内分泌部)、多発性内分泌腫瘍症候群、副甲状腺がん、褐色細胞腫、甲状腺がん、メルケル細胞癌、ブドウ膜黒色腫、網膜芽細胞腫、肛門がん、虫垂がん、胆管細胞癌、消化管カルチノイド腫瘍(Carcinoid tumor,gastrointestinal)、結腸がん、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃(Gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍(Gastrointestinal carcinoid tumor)、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、膵島細胞がん、直腸がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん(表面上皮-間質腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、陰茎がん、腎細胞癌、腎盂および尿管の移行上皮がん、前立腺がん、精巣がん、妊娠性絨毛性腫瘍、尿管および腎盂の移行上皮がん、尿道がん、子宮肉腫、腟がん、外陰部がん、ウィルムス腫瘍、食道がん、頭頸部がん、上咽頭癌、口腔がん、中咽頭がん、副鼻腔および鼻腔がん、咽頭がん、唾液腺がん、下咽頭がん、基底細胞癌、黒色腫、皮膚がん(非黒色腫)、気管支腺腫/カルチノイド、小細胞肺がん、中皮腫、非小細胞肺がん、胸膜肺芽細胞腫、喉頭がん、胸腺腫および胸腺癌、AIDS関連がん、カポジ肉腫、類上皮血管内皮腫(EHE)、線維形成性小円形細胞腫瘍ならびに脂肪肉腫からなる群から選択される、請求項95に記載の使用または請求項100に記載の方法。
【請求項109】
前記増殖障害が、腫瘍またはがんを含み、前記腫瘍またはがんが、血液学的悪性疾患である、請求項95に記載の使用または請求項100に記載の方法。
【請求項110】
前記増殖障害が、腫瘍またはがんを含み、前記腫瘍またはがんが、骨髄性新生物、白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、細網内皮症、細網症、小グリア細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、形質細胞白血病、急性赤血病および赤白血病、急性赤血症性骨髄症、急性赤白血病(erythroid leukemia)、ハイルマイヤー・シェーナー病、急性巨核芽球性白血病、マスト細胞白血病、汎骨髄症、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、リンパ肉腫細胞白血病、細胞型不明の急性白血病、急性転化期慢性骨髄性白血病、幹細胞白血病、細胞型不明の慢性白血病、細胞型不明の亜急性白血病、移行期慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、急性前骨髄球性白血病、急性好塩基球性白血病、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟を伴う急性骨髄芽球性白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好中球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、慢性特発性骨髄線維症、多発性骨髄腫、ケーラー病、骨髄腫症、孤立性骨髄腫、形質細胞白血病、髄外性プラズマ細胞腫、悪性形質細胞腫瘍NOS、プラズマ細胞腫NOS、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、血管中心性免疫増殖性病変、リンパ様肉芽腫症、血管免疫芽球性リンパ節症、T-ガンマリンパ増殖性疾患、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アルファ重鎖病、ガンマ重鎖病、フランクリン病、免疫増殖性小腸疾患、地中海病、悪性免疫増殖性疾患、非特異型、ならびに免疫増殖性疾患NOSからなる群から選択される血液学的悪性疾患である、請求項95に記載の使用または請求項100に記載の方法。
【請求項111】
前記炎症性疾患もしくは障害または前記自己免疫性疾患もしくは障害が、炎症、自己免疫性疾患、傍腫瘍性自己免疫性疾患、軟骨炎症、線維性疾患および/または骨分解、関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、少関節型若年性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、若年性強直性脊椎炎、若年性腸炎性関節炎、若年性反応性関節炎、若年性ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、若年性皮膚筋炎、若年性乾癬性関節炎、若年性強皮症、若年性全身性エリテマトーデス、若年性血管炎、少関節型関節リウマチ、多関節型関節リウマチ、全身型関節リウマチ、強直性脊椎炎、腸炎性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、皮膚筋炎、乾癬性関節炎、強皮症、全身性エリテマトーデス、血管炎、筋炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、変形性関節症、結節性多発動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、強皮症、硬化症、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、シェーグレン症候群、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、粥状動脈硬化、ループス、スチル病、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、多発性硬化症(MS)、喘息、COPD、ギラン・バレー病、I型糖尿病、甲状腺炎(例えば、グレーブス病)、アジソン病、レイノー現象、自己免疫性肝炎、GVHDならびに移植拒絶反応からなる群から選択される、請求項94に記載の使用または請求項99に記載の方法。
【請求項112】
前記感染性疾患が、Acinetobacter感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、Arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性腟症、Bacteroides感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、Baylisascaris感染症、BKウイルス感染症、黒色砂毛、ブラストシスティス症(Blastocystosis)、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス症(および乳児ボツリヌス症)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、Burkholderia感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症;鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングニア熱、Chlamydia、Chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子(Taiwan acute respiratory agent)またはTWAR)、コレラ、クロモブラストミコーシス、ツボカビ症、肝吸虫症、Clostridium difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、風邪(急性ウイルス性鼻咽頭炎;急性コリーザ)、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、Desmodesmus感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、腸蟯虫症(蟯虫感染症)、Enterococcus感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス(Epidemic typhus)、伝染性紅斑(第五病)、突発性発疹(第六病)、肝蛭症、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、Clostridium perfringensによる食中毒、自由生息アメーバ感染症、Fusobacterium感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼡径肉芽腫(鼡径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、Haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ハートランドウイルス疾患、Helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘンドラウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトewingiiエーリキア症、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球性エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、条虫症、エプスタイン・バーウイルス感染性単核球症(Mono)、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、Kingella kingae感染症、クールー、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ病)、ポンティアック熱、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア症(象皮症)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、中東呼吸器症候群(MERS)、類鼻疽(ホイットモア病(Whitmore’s disease))、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、ムンプス、発疹熱(Murine typhus/Endemic typhus)、Mycoplasma肺炎、Mycoplasma genitalium感染症、菌腫、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、ニパウイルス感染症、ノロウイルス(小児および乳児)、(新)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、ノカルジア症、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、頭部シラミ寄生症(アタマジラミ)、体部シラミ寄生症(コロモジラミ)、ケジラミ寄生症(ケジラミ(pubic lice/crab lice))、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(Pertussis/whooping cough)、ペスト、肺炎球菌感染症、Pneumocystis肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、Prevotella感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢(Shigellosis/bacillary dysentery)、帯状疱疹(Shingles/Herpes zoster)、天然痘(痘瘡)、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、ベジェル、梅毒およびイチゴ腫、テニア症、破傷風(Tetanus/lockjaw)、須毛白癬(白癬性毛瘡)、頭部白癬(頭皮の白癬)、体部白癬(体部の白癬)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(Tinea versicolor/Pityriasis versicolor)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラズマ症、トラコーマ、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス(Typhus fever)、Ureaplasma urealyticum感染症、バレー熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、Vibrio vulnificus感染症、Vibrio parahaemolyticus腸炎、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛(白癬症(tinea blanca))、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、黄熱病、ゼアスポラ(Zeaspora)、ジカ熱ならびに接合菌症からなる群から選択される、請求項96に記載の使用または請求項101に記載の方法。
【請求項113】
前記免疫不全疾患または障害が、無ガンマグロブリン血症:X連鎖および常染色体劣性、毛細血管拡張性運動失調症、慢性肉芽腫性疾患および他の貪食細胞障害、分類不能型免疫不全症、補体欠損症、ディジョージ症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、高IgE症候群、高IgM症候群、IgGサブクラス欠損症、自然免疫欠損、NEMO欠損症候群、選択的IgA欠損症、選択的IgM欠損症、重症複合免疫不全症および複合免疫不全症、特異抗体欠損症、乳児一過性低ガンマグロブリン血症、WHIM症候群(疣贅、低ガンマグロブリン血症、感染症および骨髄性細胞貯留)、ウィスコット・アルドリッチ症候群、他の抗体欠損障害、他の原発性細胞性免疫不全症(Primary Cellular Immunodeficiency)、重症複合免疫不全症(SCID)、分類不能型免疫不全症(CVID)、ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)、薬物誘導性免疫不全症、移植片対宿主症候群、原発性免疫不全疾患(PIDD)ならびにリンパ球減少症からなる群から選択される、請求項97に記載の使用または請求項102に記載の方法。
【請求項114】
対象において疾患または障害を処置または予防するための医薬の製造のための、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量の使用。
【請求項115】
前記疾患または障害が、炎症性疾患または障害;自己免疫性疾患または障害;増殖性疾患または障害;感染性疾患または障害;および免疫不全疾患または障害からなる群から選択される、請求項114に記載の使用。
【請求項116】
Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、それにより、前記Treg細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法。
【請求項117】
Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、それにより、10%~100%低減された細胞死を伴った、前記Treg細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法。
【請求項118】
前記有効量が、前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドを用いて引き起こされるCD25Treg細胞の拡大増殖よりも少なくとも1倍、10倍、100倍、1000倍、10倍、10倍、10倍、10倍、10倍または10倍大きい、CD25T調節性(Treg)細胞の拡大増殖を引き起こす、請求項116または117に記載の方法。
【請求項119】
前記有効量が、前記置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、前記有効量とのインキュベーション後に、T細胞集団中のTreg細胞のパーセンテージの増加を引き起こし、前記Treg細胞のパーセンテージが、約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくはそれよりも大きい、または少なくとも0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくはそれよりも大きい、請求項116または117に記載の方法。
【請求項120】
in vivoで実施される、請求項116から119のいずれかに記載の方法。
【請求項121】
in vitroで実施される、請求項116から119のいずれかに記載の方法。
【請求項122】
ex vivoで実施される、請求項116から119のいずれかに記載の方法。
【請求項123】
細胞集団中のTreg細胞を拡大増殖させるための医薬の製造のための、請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または請求項1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量の使用。
【請求項124】
前記Treg細胞が、対象中で拡大増殖される、請求項123に記載の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年10月14日出願の米国仮特許出願第63/091,679号に基づく優先権を主張し、その内容および開示は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、とりわけ、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド、および/または改変されたIL-2ポリペプチドを含むコンジュゲート、かかる改変されたIL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば、DNAポリヌクレオチドおよび/またはRNAポリヌクレオチド、かかるポリヌクレオチドを保有するベクター、例えば、かかるベクターを保有する宿主細胞からのin vitroおよび/またはin vivoでの改変されたIL-2ポリペプチドの発現を容易にするウイルスまたは非ウイルスベクター、ならびにそれらの使用、例えば、ある特定の疾患、状態もしくは障害を処置するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
サイトカインは、細胞シグナル伝達タンパク質のファミリー、例えば、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、腫瘍壊死因子、ならびに自然および適応免疫細胞ホメオスタシスにおいて役割を果たす他の増殖因子を含む。サイトカインは、免疫細胞、例えば、マクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球およびマスト細胞、内皮細胞、線維芽細胞、ならびに異なる間質細胞によって産生される。一部の場合には、サイトカインは、体液性免疫応答と細胞ベースの免疫応答との間のバランスをモジュレートする。
【0004】
インターロイキンは、TおよびBリンパ球、単球系列の細胞、好中球、好塩基球、好酸球、巨核球、ならびに造血細胞の発生ならびに分化をモジュレートするシグナル伝達タンパク質である。インターロイキンは、ヘルパーCD4 TおよびBリンパ球、単球、マクロファージ、内皮細胞、ならびに他の組織常在細胞によって産生される。インターロイキン2(IL-2)は、多面的な1型サイトカインであり、その構造は、15.5kDaの4つのa-ヘリックスの束を含む。IL-2の前駆体形態は、長さが153アミノ酸残基であり、最初の20アミノ酸は、シグナルペプチドを形成し、残基21~153が成熟形態を形成する。IL-2は、抗原刺激後にCD4+T細胞によって主に産生され、より少ない程度まで、CD8+細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、およびNK T(NKT)細胞、活性化された樹状細胞(DC)、およびマスト細胞によって産生される。IL-2シグナル伝達は、IL-2受容体(IL-2R)サブユニット:IL-2Rα(CD25としても公知)、IL-2Rβ(CD122としても公知)およびIL-2Rγ(CD132としても公知)の特定の組合せとの相互作用を介して生じる。IL-2とIL-2Rαとの相互作用は、約10-8MのKで、「低親和性」IL-2受容体複合体を形成する。IL-2とIL-2RβおよびIL-2Rγとの相互作用は、約10-9MのKで、「中間親和性」IL-2受容体複合体を形成する。IL-2と3つ全てのサブユニット:IL-2Rα、IL-2RβおよびIL-2Rγとの相互作用は、約>10-11MのKで、「高親和性」IL-2受容体複合体を形成する。
【0005】
一部の場合には、「高親和性」IL-2Rαβγ複合体を介したIL-2シグナル伝達は、調節性T細胞の活性化および増殖をモジュレートする。調節性T細胞、例えば、CD4+CD25+Foxp3+調節性T(Treg)細胞は、エフェクター細胞、例えば、CD8+T細胞、ヘルパー細胞、例えば、CD4+Thl、Th2およびThl7細胞、B細胞、NK細胞、ならびにNK T細胞の抑制によって、免疫ホメオスタシスの維持を媒介する。一部の場合には、Treg細胞は、胸腺から生成され(tTreg細胞)、または末梢においてナイーブT細胞から誘導される(pTreg細胞)。一部の場合には、Treg細胞は、末梢性免疫寛容の優勢なメディエーターとみなされる。実際、1つの研究において、CD25枯渇された末梢CD4+T細胞の移入は、ヌードマウスにおいて種々の自己免疫性疾患を生じたが、CD4+CD25+T細胞の共移入は、自己免疫の発達を抑制した(Sakaguchi et al., J. Immunol. (1995))。Treg細胞集団の増大は、エフェクターT細胞増殖を下方調節し、自己免疫およびT細胞抗腫瘍応答を抑制する。
多くの疾患および障害、例えば、がんならびに自己免疫性疾患および炎症性疾患の処置のためのインターロイキン-2(IL-2)の臨床的使用は、毒性および短いin vivo半減期によって主に制限されてきた(Pachella et al., J Adv Pract Oncol (2015);Lotze et al. (1985) J. Immunol (1985))。毒性は、CD25(IL-2受容体αユニット、IL-2Rα)が欠損した動物において著しく低減されたことが観察されている(Boyman, et al., J Immunol (2009))。治療薬へのポリエチレングリコール(PEG)の共有結合であるPEG化もまた、ある特定の場合には、迅速な体内クリアランス、凝集および酵素的分解などのある特定の障害を克服することが示されている(Maiser et al., Biotechnol Bioeng (2014))。
WO2019/028419A1およびWO2019/028425A1は、ある特定の適応症の処置におけるある特定のインターロイキン(IL)コンジュゲート(例えば、IL-2コンジュゲート)および使用を開示している。また、WO2019/028419A1およびWO2019/028425A1には、インターロイキンコンジュゲート(例えば、IL-2コンジュゲート)のうち1つまたは複数を含む医薬組成物およびキットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/028419号
【特許文献2】国際公開第2019/028425号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Sakaguchi et al., J. Immunol. (1995)
【非特許文献2】Pachella et al., J Adv Pract Oncol (2015)
【非特許文献3】Lotze et al. (1985) J. Immunol (1985)
【非特許文献4】Boyman, et al., J Immunol (2009)
【非特許文献5】Maiser et al., Biotechnol Bioeng (2014)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
コンジュゲートを含むかかる改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが含まれる、改善された改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが必要とされている。本明細書の至る所で提供される開示は、このおよび他の関連の要求に取り組む。
【0009】
要旨
本明細書の至る所で提供される開示は、とりわけ、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド;かかる改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターおよびウイルスベクター;かかる改変されたIL-2ポリペプチド、ならびにかかるIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターおよびウイルスベクターを作製する方法;ならびにかかる改変されたIL-2ポリペプチド、ならびにかかるIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターおよびウイルスベクターを使用する方法に関する。
【0010】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然または非天然のアミノ酸による置換を含み、a)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体α(IL-2Rα)に対する増強された結合を有する;および/またはb)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)に対する増強された結合を有する;および/またはb)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)を発現する細胞に対する増強された結合を有する;および/またはc)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγを介した増強された受容体シグナル伝達潜在力を有する;および/またはe)置換なしのIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ受容体シグナル伝達潜在力のIL-2Rβγ受容体シグナル伝達潜在力に対する比と比較して、IL-2Rαβγ受容体シグナル伝達潜在力のIL-2Rβγ受容体シグナル伝達潜在力に対する増強された比を有する;および/またはf)コンジュゲート化部分にコンジュゲートされるように構成されている;および/またはg)コンジュゲート化部分にコンジュゲートされている;および/またはh)a)~g)の組合せである、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0011】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、a)N29位におけるシステイン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換;および/またはb)Y31位におけるシステイン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシンまたはフェニルアラニンによる置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0012】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換N29Cを含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0013】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換Y31Cを含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0014】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、V69、Q74、N88、V91およびI128からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、メチオニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリンまたはチロシンによる置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0015】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、Y31Cからなる群から選択される置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0016】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、水溶性ポリマー、脂質、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択されるコンジュゲート化部分にコンジュゲートされている、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0017】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、ポリエチレングリコールにコンジュゲートされている、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0018】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、N29C、N30C、Y31C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131Cからなる群から選択される突然変異を含み、N29C、N30C、Y31C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131C部位においてペグ化されている、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0019】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、N29CまたはY31C突然変異を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0020】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、a)N29、N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置における、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換;またはb)N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置における、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0021】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、a)N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み:N29、N30、Y31、E100、N119、T123、S127、T131からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに、(i)コンジュゲートされていない;(ii)コンジュゲートされている;または(iii)コンジュゲートされるように構成されている;ならびに/あるいはb)N29、N30、Y31からなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み:N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに、(i)コンジュゲートされていない;(ii)コンジュゲートされている;または(iii)コンジュゲートされるように構成されている;ならびに/あるいはc)N29、N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み:改変されたIL-2ポリペプチドのN末端および/またはC末端において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに、(i)コンジュゲートされていない;(ii)コンジュゲートされている;または(iii)コンジュゲートされるように構成されている、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0022】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、a)N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、システインによる置換;および/またはb)N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、システインによる置換;および/またはc)Y31の位置において、システインによる置換;および/またはf)N30の位置において、システインによる置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0023】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、IL-2Rα相互作用領域および/またはIL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0024】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、IL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0025】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、V69、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0026】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、V69、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、メチオニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリンまたはチロシンによる1つまたは複数の置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0027】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、a)L18位において、メチオニンによる置換;および/またはb)L19の位置において、セリンによる置換;および/またはc)Y31の位置において、システインによる置換、および/またはd)V69の位置において、アラニンによる置換;および/またはe)Q74の位置において、プロリンによる置換;および/またはf)N88の位置において、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシンによる置換;および/またはg)N88の位置において、アルギニンによる置換;および/またはh)N88の位置において、アスパラギン酸による置換;i)N88の位置において、グルタミン酸による置換;j)N88の位置において、リシンによる置換;k)V91の位置において、リシンによる置換;l)I128の位置において、スレオニンによる置換;および/またはm)a)~l)の組合せを含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0028】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、a)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;ならびに/またはb)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;ならびに/またはc)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、IL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0029】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合を有する、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0030】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する改変されたIL-2ポリペプチドの結合親和性が、約10%から約100%まで増加される、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加される、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0031】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞に対する増加した結合を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0032】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、約10%から約100%まで増加された、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加された、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞に対する増加した結合を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0033】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による低減された内在化を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0034】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、約10%から約100%までである、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加された、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による内在化を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0035】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による検出可能な内在化を有さない、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0036】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0037】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する増加した結合を有し、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0038】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合、ならびにIL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞上での増加した結合を有し、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による低減された内在化を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0039】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、(i)IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合を有する;(ii)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞上での増加した結合を有する;(iii)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による検出可能な内在化を有さない;ならびに(iv)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0040】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体β(IL-2Rβ)またはインターロイキン2受容体γ(IL-2Rγ)に対する低減された結合レベルを有する;および/または置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへの低減された受容体シグナル伝達潜在力を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0041】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへのより低い受容体シグナル伝達潜在力を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0042】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、(i)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2RβまたはIL-2Rγに対するより低い結合レベル;および(ii)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへのより低い受容体シグナル伝達潜在力を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0043】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへのそのシグナル伝達潜在力とIL-2Rβγへのシグナル伝達潜在力との間での増加した比を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0044】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、1倍よりも大きい、10倍よりも大きい、100倍よりも大きい、1,000倍よりも大きい、10,000倍よりも大きい、100,000倍よりも大きい、IL-2Rαβγへのそのシグナル伝達潜在力とIL-2Rβγへのシグナル伝達潜在力との間での増加した比を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0045】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、N末端欠失を含み、前記欠失が、前記N末端欠失を含まない対応する改変されたIL-2ポリペプチド中に存在するそれらを包含するアミノ酸残基1~30のうち1つまたは複数の欠失を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0046】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、C末端欠失を含み、前記欠失が、前記C末端欠失を含まない対応する改変されたIL-2ポリペプチド中に存在するそれらを包含するアミノ酸残基114~134のうち1つまたは複数の欠失を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0047】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、N末端欠失およびC末端欠失を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0048】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、追加のアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドの一部である、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0049】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む組換え融合タンパク質を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0050】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されている、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0051】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0052】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体のFc部分、またはその一部分もしくは断片を含む、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0053】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、単離されている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0054】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターから発現される、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0055】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターから発現され、前記ベクターが、RNAベクター、DNA、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターである、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが提供される。
【0056】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、水溶性ポリマー、脂質、ポリペプチド、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0057】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、1つまたは複数の共有結合を介して、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0058】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、1つまたは複数の非共有結合を介して、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0059】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0060】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0061】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0062】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたシステインを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0063】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0064】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0065】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0066】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたシステインを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0067】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドの単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0068】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、i)改変されたIL-2ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;ii)改変されたIL-2ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;またはiii)改変されたIL-2ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0069】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、リンカーを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0070】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0071】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチド内に位置する単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0072】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、単一のアミノ酸残基が、追加のアミノ酸配列内に位置する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0073】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、追加のアミノ酸配列が、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0074】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、追加のアミノ酸配列が、抗体のFc部分を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0075】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、単一のアミノ酸残基が、i)融合ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;ii)融合ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;またはiii)融合ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位である、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0076】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、融合ポリペプチドが、リンカーを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0077】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0078】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカリド)、ポリ(a-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、またはそれらの組合せを含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0079】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0080】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、直鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0081】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0082】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、中心コア基から発する約3~約10本のPEG鎖を含む分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0083】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、分岐鎖PEG分子が、中心コア基から発する約10~約100本のPEG鎖を含む星型PEGである、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0084】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、分岐鎖PEG分子が、ポリマー骨格上にグラフトされた複数のPEG鎖を含む櫛型PEGである、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0085】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、約300g/mol~約10,000,000g/molの分子量の範囲を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0086】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、約5,000ダルトン~約1,000,000ダルトンの平均分子量を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0087】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、約20,000ダルトン~約30,000ダルトンの平均分子量を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0088】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、単分散型、均質型または離散型PEG分子である、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0089】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、水溶性ポリマーが、ポリサッカリドを含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0090】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、脂質にコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0091】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、脂質にコンジュゲートされており、脂質が、脂肪酸を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0092】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、タンパク質にコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0093】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、タンパク質にコンジュゲートされており、タンパク質が、抗体またはその結合性断片を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0094】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、抗体のFc部分またはその断片にコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0095】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸にリンカーを介して間接的に結合された水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0096】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸に直接的に結合された水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0097】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、約5分間~約10日間のin vivo半減期を有する、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0098】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、ACT5200、ACT5201、ACT5210、ACT5211、ACT5212、ACT522S0、ACT522S1、ACT5230、ACT5231、ACT5260、ACT5261、ACT5270、ACT5271、ACT5280、ACT5281、ACT5290およびACT5291からなる群から選択される、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。
【0099】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物が提供される。
【0100】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量を含む医薬組成物であって、別の活性成分をさらに含む、医薬組成物が提供される。
【0101】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、1種または複数の追加の成分をさらに含み、1種または複数の活性成分が、(i)抗炎症性物質もしくは抗自己免疫性物質;(ii)抗新生物物質;(iii)抗感染性疾患物質;および/または(iv)免疫不全障害を含む、医薬組成物が提供される。
【0102】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量を含む医薬組成物であって、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、医薬組成物が提供される。
【0103】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のためのものであり、疾患または障害が、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害を含む、医薬組成物が提供される。
【0104】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のためのものであり、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含む、医薬組成物が提供される。
【0105】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のためのものであり、疾患または障害が、感染性疾患または障害を含む、医薬組成物が提供される。
【0106】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドの有効量を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のためのものであり、疾患または障害が、免疫不全障害を含む、医薬組成物が提供される。
【0107】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0108】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害を含む、方法が提供される。
【0109】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含む、方法が提供される。
【0110】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる前記対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、感染性疾患または障害を含む、方法が提供される。
【0111】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、免疫不全疾患または障害を含む、方法が提供される。
【0112】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、対象がヒトである、方法が提供される。
【0113】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、対象が非ヒト哺乳動物である、方法が提供される。
【0114】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含み、増殖障害が、腫瘍を含む、方法が提供される。
【0115】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含み、増殖障害が、がんを含む、方法が提供される。
【0116】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含み、増殖障害が、固形腫瘍またはがんを含む、方法が提供される。
【0117】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含み、増殖障害が、固形腫瘍またはがんを含み、固形腫瘍またはがんが、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、心臓がん、星細胞腫、脳幹神経膠腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣腫、原始神経外胚葉性腫瘍、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫、神経膠腫、髄芽腫、神経芽腫、乏突起神経膠腫、松果体星細胞腫、下垂体腺腫、視覚路および視床下部神経膠腫、乳房がん、浸潤性小葉癌、管状癌、浸潤性篩状癌、髄様癌、男性乳房がん、葉状腫瘍、炎症性乳房がん、副腎皮質癌、膵島細胞癌(膵内分泌部)、多発性内分泌腫瘍症候群、副甲状腺がん、褐色細胞腫、甲状腺がん、メルケル細胞癌、ブドウ膜黒色腫、網膜芽細胞腫、肛門がん、虫垂がん、胆管細胞癌、消化管カルチノイド腫瘍(Carcinoid tumor,gastrointestinal)、結腸がん、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃(Gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍(Gastrointestinal carcinoid tumor)、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、膵島細胞がん、直腸がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん(表面上皮-間質腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、陰茎がん、腎細胞癌、腎盂および尿管の移行上皮がん、前立腺がん、精巣がん、妊娠性絨毛性腫瘍、尿管および腎盂の移行上皮がん、尿道がん、子宮肉腫、腟がん、外陰部がん、ウィルムス腫瘍、食道がん、頭頸部がん、上咽頭癌、口腔がん、中咽頭がん、副鼻腔および鼻腔がん、咽頭がん、唾液腺がん、下咽頭がん、基底細胞癌、黒色腫、皮膚がん(非黒色腫)、気管支腺腫/カルチノイド、小細胞肺がん、中皮腫、非小細胞肺がん、胸膜肺芽細胞腫、喉頭がん、胸腺腫および胸腺癌、AIDS関連がん、カポジ肉腫、類上皮血管内皮腫(EHE)、ならびに線維形成性小円形細胞腫瘍ならびに脂肪肉腫からなる群から選択される、方法が提供される。
【0118】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含み、増殖障害が、腫瘍またはがんを含み、腫瘍またはがんが、血液学的悪性疾患である、方法が提供される。
【0119】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含み、増殖障害が、腫瘍またはがんを含み、腫瘍またはがんが、骨髄性新生物、白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、細網内皮症、細網症、小グリア細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、形質細胞白血病、急性赤血病および赤白血病(erythroleukaemia)、急性赤血症性骨髄症、急性赤白血病、ハイルマイヤー・シェーナー病、急性巨核芽球性白血病、マスト細胞白血病、汎骨髄症、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、リンパ肉腫細胞白血病、細胞型不明の急性白血病、急性転化期慢性骨髄性白血病、幹細胞白血病、細胞型不明の慢性白血病、細胞型不明の亜急性白血病、移行期慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、急性前骨髄球性白血病、急性好塩基球性白血病、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟を伴う急性骨髄芽球性白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好中球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、慢性特発性骨髄線維症、多発性骨髄腫、ケーラー病(Kahler's disease)、骨髄腫症、孤立性骨髄腫、形質細胞白血病、髄外性プラズマ細胞腫、悪性形質細胞腫瘍NOS、プラズマ細胞腫NOS、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、血管中心性免疫増殖性病変、リンパ様肉芽腫症、血管免疫芽球性リンパ節症、T-ガンマリンパ増殖性疾患、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アルファ重鎖病、ガンマ重鎖病、フランクリン病、免疫増殖性小腸疾患、地中海病、悪性免疫増殖性疾患、非特異型、ならびに免疫増殖性疾患NOSからなる群から選択される血液学的悪性疾患である、方法が提供される。
【0120】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害を含み、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害が、炎症、自己免疫性疾患、傍腫瘍性自己免疫性疾患、軟骨炎症、線維性疾患および/または骨分解、関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、少関節型若年性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、若年性強直性脊椎炎、若年性腸炎性関節炎、若年性反応性関節炎、若年性ライター症候群(Reter's Syndrome)、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、若年性皮膚筋炎、若年性乾癬性関節炎、若年性強皮症、若年性全身性エリテマトーデス、若年性血管炎、少関節型関節リウマチ、多関節型関節リウマチ、全身型関節リウマチ、強直性脊椎炎、腸炎性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、皮膚筋炎、乾癬性関節炎、強皮症、全身性エリテマトーデス、血管炎、筋炎(myolitis)、多発性筋炎(polymyolitis)、皮膚筋炎(dermatomyolitis)、変形性関節症、結節性多発動脈炎(polyarteritis nodossa)、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症(ploymyalgia rheumatica)、サルコイドーシス、強皮症、硬化症、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、シェーグレン症候群、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、粥状動脈硬化、ループス、スチル病、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、多発性硬化症(multiple schlerosis)(MS)、喘息、COPD、ギラン・バレー病、I型糖尿病、甲状腺炎(例えば、グレーブス病)、アジソン病、レイノー現象、自己免疫性肝炎、GVHDならびに移植拒絶反応からなる群から選択される、方法が提供される。
【0121】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、感染性疾患または障害を含み、感染性疾患が、Acinetobacter感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、Arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性腟症、Bacteroides感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、Baylisascaris感染症、BKウイルス感染症、黒色砂毛、ブラストシスティス症(Blastocystosis)、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス症(および乳児ボツリヌス症)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、Burkholderia感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症;鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングニア熱、Chlamydia、Chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子(Taiwan acute respiratory agent)またはTWAR)、コレラ、クロモブラストミコーシス、ツボカビ症、肝吸虫症、Clostridium difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、風邪(急性ウイルス性鼻咽頭炎;急性コリーザ)、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、Desmodesmus感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、腸蟯虫症(蟯虫感染症)、Enterococcus感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス(Epidemic typhus)、伝染性紅斑(第五病)、突発性発疹(第六病)、肝蛭症(Fasciolasis)、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、Clostridium perfringensによる食中毒、自由生息アメーバ感染症、Fusobacterium感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼡径肉芽腫(鼡径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、Haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ハートランドウイルス疾患、Helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘンドラウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトewingiiエーリキア症、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球性エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、条虫症、エプスタイン・バーウイルス感染性単核球症(Mono)、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、Kingella kingae感染症、クールー、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ病)、ポンティアック熱、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア症(象皮症)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、中東呼吸器症候群(MERS)、類鼻疽(ホイットモア病(Whitmore’s disease))、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、ムンプス、発疹熱(Murine typhus/Endemic typhus)、Mycoplasma肺炎、Mycoplasma genitalium感染症、菌腫、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、ニパウイルス感染症、ノロウイルス(小児および乳児)、(新)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、ノカルジア症、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、頭部シラミ寄生症(アタマジラミ)、体部シラミ寄生症(コロモジラミ)、ケジラミ寄生症(ケジラミ(pubic lice/crab lice))、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(Pertussis/whooping cough)、ペスト、肺炎球菌感染症、Pneumocystis肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、Prevotella感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢(Shigellosis/bacillary dysentery)、帯状疱疹(Shingles/Herpes zoster)、天然痘(痘瘡)、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、ベジェル、梅毒およびイチゴ腫、テニア症、破傷風(Tetanus/lockjaw)、須毛白癬(白癬性毛瘡)、頭部白癬(頭皮の白癬)、体部白癬(体部の白癬)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(Tinea versicolor/Pityriasis versicolor)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラズマ症、トラコーマ、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス(Typhus fever)、Ureaplasma urealyticum感染症、バレー熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、Vibrio vulnificus感染症、Vibrio parahaemolyticus腸炎、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛(白癬症(tinea blanca))、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、黄熱病、ゼアスポラ(Zeaspora)、ジカ熱ならびに接合菌症からなる群から選択される、方法が提供される。
【0122】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドまたは本明細書の至る所で開示される医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、免疫不全疾患または障害を含み、免疫不全疾患または障害が、無ガンマグロブリン血症:X連鎖および常染色体劣性、毛細血管拡張性運動失調症、慢性肉芽腫性疾患および他の貪食細胞障害、分類不能型免疫不全症、補体欠損症、ディジョージ症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、高IgE症候群、高IgM症候群、IgGサブクラス欠損症、自然免疫欠損、NEMO欠損症候群、選択的IgA欠損症、選択的IgM欠損症、重症複合免疫不全症および複合免疫不全症、特異抗体欠損症、乳児一過性低ガンマグロブリン血症、WHIM症候群(疣贅、低ガンマグロブリン血症、感染症および骨髄性細胞貯留)、ウィスコット・アルドリッチ症候群、他の抗体欠損障害、他の原発性細胞性免疫不全症(Primary Cellular Immunodeficiency)、重症複合免疫不全症(SCID)、分類不能型免疫不全症(CVID)、ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)、薬物誘導性免疫不全症、移植片対宿主症候群、原発性免疫不全疾患(PIDD)ならびにリンパ球減少症からなる群から選択される、方法が提供される。
【0123】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、対象において疾患または障害を処置または予防するための医薬の製造のための、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量が提供される。
【0124】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、対象において疾患または障害を処置または予防するための医薬の製造のための、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量であって、疾患または障害が、炎症性疾患または障害;自己免疫性疾患または障害;増殖性疾患または障害;感染性疾患または障害;および免疫不全疾患または障害からなる群から選択される、有効量が提供される。
【0125】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、それにより、Treg細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法が提供される。
【0126】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、それにより、10%~100%低減された細胞死を伴った、Treg細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法が提供される。
【0127】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、細胞集団を、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドを用いて引き起こされるCD25+Treg細胞の拡大増殖よりも少なくとも1倍、10倍、100倍、1,000倍、10倍、10倍、10倍、10倍、10倍または10倍大きい、CD25+T調節性(Treg)細胞の拡大増殖を引き起こす、方法が提供される。
【0128】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、細胞集団を、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、有効量が、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、有効量とのインキュベーション後に、T細胞集団中のTreg細胞のパーセンテージの増加を引き起こし、Treg細胞のパーセンテージが、約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくはそれよりも大きい、または少なくとも0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくはそれよりも大きい、方法が提供される。
【0129】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、細胞集団を、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、in vivoで実施される、方法が提供される。
【0130】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、細胞集団を、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、in vitroで実施される、方法が提供される。
【0131】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、細胞集団を、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、ex vivoで実施される、方法が提供される。
【0132】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、細胞集団中のTreg細胞を拡大増殖させるための医薬の製造のための、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量の使用が提供される。
【0133】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、細胞集団中のTreg細胞を拡大増殖させるための医薬の製造のための、各々独立して本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの有効量の使用であって、Treg細胞が、対象中で拡大増殖される、使用が提供される。
【0134】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、L18、L19、N29、N30、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128およびT131からなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸の1つまたは複数の置換を含み、水溶性ポリマー、脂質、またはタンパク質もしくはペプチドに、コンジュゲートされていなくてもコンジュゲートされていてもよい、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。本明細書の至る所で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、それが1つまたは複数のアミノ酸置換を含まないことを除いて、改変されたIL-2ポリペプチと配列が同一な、匹敵するIL-2ポリペプチドに関して、以下の特性のうち1つまたは複数を有し得る:a)1つまたは複数の置換なしの、インターロイキン2受容体α(IL-2Rα)に対する増強された結合;b)インターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)に対する増強された結合;c)インターロイキン2受容体α(IL-2Rα)またはインターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)受容体を発現する細胞による、低減された内在化;d)IL-2Rαβγを介した増強されたシグナル伝達潜在力;および/またはe)IL-2Rαβγ/IL-2Rβγシグナル伝達潜在力の増強された比。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、N29、N30、Y31、Q74、K76、E100、N119、T123、S127またはT131のうち1つまたは複数において、システインへのアミノ酸置換をさらに含む。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2に関して、N29C、N30C、Y31C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131Cからなる群から選択される突然変異をさらに含み、IL-2は、突然変異した部位において、システインを介して、脂質、糖、ペプチド、タンパク質またはポリマーにコンジュゲートされる。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2に関して、N29C、N30C、Y31C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131Cからなる群から選択される突然変異を有し得、IL-2は、突然変異したアミノ酸位置において、システインを介して、ポリエチレングリコールにコンジュゲートされる。本明細書の至る所で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2のいずれかに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の同一性を有し得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有し得る。
【0135】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される改変されたIL-2ポリペプチドであって、改変されたIL-2ポリペプチドが、L18、L19、N29、Y31、V69、N71、N88、V91、I128およびT131からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、天然または非天然のアミノ酸の置換を含み、N30C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CおよびT131Cからなる群から選択される突然変異を必要に応じてさらに含むことを除いて、配列番号1、配列番号2または配列番号3の配列を含む、改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。一部の例では、改変されたIL-2ポリペプチドは、突然変異L18M、L19S、N29C、Y31C、V69A、N71C、Q74P、N88R、V91KおよびI128Tのうち1つまたは複数を含み、N30C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CおよびT131Cからなる群から選択される突然変異をさらに含み、N30C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131C突然変異は、水溶性ポリマー、糖、脂質、タンパク質またはペプチドへのコンジュゲーションの部位である。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、アミノ酸位置L18、L19、N29、Y31、V69、N71、N88、V91、I128およびT131のうち1つまたは複数において突然変異を含み得、突然変異N30C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CおよびT131Cのうち1つまたは複数をさらに含み得、突然変異した残基N30C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CおよびT131Cのうち1つまたは複数は、水溶性ポリマー、糖、脂質、タンパク質またはペプチドへのコンジュゲーションの部位である。種々の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)にコンジュゲートされる。
【0136】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、配列番号1に関して、N29C、N30C、Y31C、N71C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CおよびT131Cからなる群から選択される突然変異を含む、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有する改変されたIL-2ポリペプチドが提供される。改変されたIL-2ポリペプチドは、N29C、N30C、Y31C、N71C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131C突然変異部位において、水溶性ポリマー、糖、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、アミノ酸位置29、30、31、74、76、100、119、123、127または131におけるシステインにおいて、PEGにコンジュゲートされる。種々の実施形態では、アミノ酸位置29、30、31、74、76、100、119、123、127または131におけるシステインにおいて、PEGにコンジュゲートされた改変されたIL-2ポリペプチドは、アミノ酸位置29、30、31、74、76、100、119、123、127または131におけるシステインにおいて、PEGにコンジュゲートされていない匹敵するIL-2ポリペプチドに関して、ヒト血清中での増加した半減期を有する。N29C、N30C、Y31C、Q74C、K76C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131Cにおいて水溶性ポリマー、糖、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされた改変されたIL-2ポリペプチドは、1つまたは複数の突然変異、例えば、本明細書の至る所で開示される任意の突然変異をさらに含み得る。
【0137】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、水溶性ポリマー、脂質、ポリペプチド、例えば、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされた上記改変されたIL-2ポリペプチドを含む、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートが提供される。改変されたIL-2ポリペプチドは、アミノ酸N29、N30、Y31、N71、Q74、K76、E100、N119、T123、S127またはT131のうちいずれかの、システインへの突然変異を含み得、水溶性ポリマー、糖、脂質、タンパク質またはペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドにコンジュゲートされている。ある特定の実施形態では、コンジュゲートは、システイン残基を介してPEGにコンジュゲートされた、本明細書の至る所に記載される改変されたポリペプチドを含む。改変されたIL-2ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を有し得、配列番号1または配列番号2に関して、アミノ酸L18、L19、N29、Y31、V69、N71、N88、V91およびI128のうち1つまたは複数において、置換をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2コンジュゲートは、突然変異L18M、L19S、N29C、Y31C、V69A、N71C、Q74P、N88R、V91KおよびI128Tのうちいずれかを有するIL-2ポリペプチドを含み得る。
【0138】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドをコードする核酸分子が提供される。ある特定の実施形態では、核酸分子は、RNAポリヌクレオチド配列またはDNAポリヌクレオチド配列を含み得る。ある特定の実施形態では、核酸分子は、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターであり得る。ある特定の実施形態では、かかるベクターは、発現制御配列および選択可能なまたは検出可能なマーカーのうち1つまたは複数を含む。送達化合物または構造、例えば、リポソームまたはナノ粒子と複合体化した、それに結合した、またはその中に封入された、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチド、または本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドをコードする核酸分子がさらに提供される。
【0139】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードする核酸分子、または改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートと、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物が提供される。
【0140】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、それを必要とする対象において、疾患または障害、例えば、感染性または自己免疫性疾患または障害を処置または予防するための方法であって、改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードする核酸分子、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、またはこれらのうちいずれかを含む医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0141】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、対象において疾患または障害、例えば、感染性または自己免疫性疾患または障害を処置または予防するための医薬の製造のための、本明細書の至る所に記載される改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードする核酸分子、または改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートの有効量の使用が提供される。
【0142】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、または他のIL-2Rαβγ発現細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、本明細書の至る所に記載される改変されたIL-2ポリペプチドもしくは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、または改変されたIL-2ポリペプチドもしくは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートを含む医薬組成物の有効量と接触させるステップを含み、それにより、Treg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、NK細胞、ならびに/またはNKT細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法が提供される。
【0143】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、Treg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、または他のIL-2Rαβγ発現細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、上記改変されたIL-2ポリペプチドまたはその改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするDNAポリヌクレオチド、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするウイルスベクター、または改変されたIL-2ポリペプチドをコードする非ウイルスベクター、あるいは改変されたIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートを含む医薬組成物の有効量と接触させるステップを含み、それにより、10%~100%低減された細胞死を伴った、Treg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、NK細胞、ならびに/またはNKT細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法が提供される。
【0144】
本明細書の至る所で開示される他の実施形態と組み合わされ得るある特定の実施形態では、細胞集団中のTreg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、または他のIL-2Rαβγ発現細胞を拡大増殖させるための医薬の製造のための、上記改変されたIL-2ポリペプチドもしくは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートの有効量の使用が提供される。
【0145】
本開示の他の実施形態、態様および利点は、本明細書の至る所で提供される実施形態および例から明らかになる。
【0146】
簡潔にするために、特許および特許出願が含まれる、本明細書中で引用された刊行物の開示は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
図1図1Aは、125位においてシステインからセリンへの突然変異を含む例示的な組換えヒトIL-2(rhIL-2)ポリペプチドの配列を例示する(配列番号1)。個々のシステイン置換を介してペグ化されるために選択されたアミノ酸位置ならびに/または突然変異によってIL-2Rα相互作用をモジュレートする(例えば、増強する)および/もしくはIL-2Rβγ相互作用をモジュレートする(例えば、減退させる)ために選択された位置は、上付きの数字によって標識される。図1Bは、PDB構造2b5iから導出した、IL-2および受容体IL-2Rαβγ複合体の3-D構造を例示する。例えば、The Protein Data Bank H.M. Berman, J. Westbrook, Z. Feng, G. Gilliland, T.N. Bhat, H. Weissig, I.N. Shindyalov, P.E. Bourne (2000) Nucleic Acids Research, 28: 235-242. doi:10.1093/nar/28.1.235を参照されたい。図1A中に示される位置は、赤丸として示されている。
【0148】
図2-1】図2は、例示的なIL-2ムテインおよびPEG-コンジュゲートについてのクロマトグラフィーおよびSDS-PAGE解析の例示的なまたは典型的なプロファイルを例示する。図2Aは、Superdex 75 Increaseカラムによる、2つの例示的な改変されたIL-2ポリペプチド:ACT5210(Y31C+L18ML19S)およびACT5211(Y31C-PEG20+L18ML19S)のクロマトグラフィーを示す。図2Bは、ポリペプチドをSP Sepharose FFカラムに付与し、その後Superdex 75 Increaseカラムに付与することによって得られた溶出物中に含有される例示的な改変されたIL-2ポリペプチドACT5210、ACT5211、ACT5230、ACT5231画分のSDS-PAGE解析を示す(ムテイン名は、表2に提供される名称に対応する)。
図2-2】同上。
【0149】
図3-1】図3A~3Cは、Octet Qke(ForteBio、San Jose、CA)によって得られた、示された例示的なIL-2ムテインおよび対応するPEG-コンジュゲートとIL-2受容体との結合の例示的なセンサーグラムを提供する。図3Aは、IL-2Rαに対する結合を示す。図3Bは、示されたIL-2受容体複合体に対する結合を示す。図3Cは、IL-2、ACT5210およびACT5211についての種々の測定された結合および/または動力学的パラメーター(例えば、ka、kd、kD)を含む表を提供する。
図3-2】同上。
図3-3】同上。
【0150】
図4-1】図4A~4Cは、IL-2Rαβγ発現CTL-2細胞上の示された例示的なIL-2ムテインの結合データを提供する。図4Aおよび4Bは、PEG化ありまたはなしの多数の例示的なムテインが、示されるように、IL-2Rαβγ発現CTLL2およびCD25+T細胞に対する増強された結合を示すことを例示する。増強された結合は、PEG化されたY31C含有ムテインACT5211およびACT5261においても見られる(図4C)。
図4-2】同上。
【0151】
図5図5は、IL-2Rα発現T細胞と共に共培養した場合の、示された例示的なムテインならびにIL-R2のin vitro半減期を例示する。少なくともACT5201、ACT5210、ACT5211およびACT5231は、rhIL-2について観察された半減期と比較して延長された半減期を示した。
【0152】
図6-1】図6Aおよび6Bは、示されたムテイン、ならびにrhIL-2による処置の際に観察されたTreg細胞の刺激およびex vivo拡大増殖を提供する。図6Aは、rhIL2、ACT5211およびACT5231で観察された結果を提供する。図6Bは、rhIL2、ACT5211およびACT5261で観察された結果を提供する。
図6-2】同上。
【0153】
図7-1】図7Aおよび7Bは各々、示されたIL-2ムテインについてpSTATアッセイによって測定したT細胞活性化を例示する。
図7-2】同上。
【0154】
図8図8は、示されたIL-2ムテインを使用してELISAアッセイを実施することによって得られた結合データおよびEC50測定値を提供する。
【0155】
図9図9は、ACT2511の投与の際に得られたマウス薬物動態学的(PK)データを提供する(mpk=1キログラム当たりのミリグラム数(mg/kg))。
【0156】
図10-1】図10Aおよび10Bは、マウスへのACT2511の投与の際に得られた薬力学的(PD)データを提供する。
図10-2】同上。
【発明を実施するための形態】
【0157】
詳細な説明
例示的な技法
本明細書の至る所で提供される開示の実施は、他に示されない限り、当業者の技術範囲内の分子生物学(組換え技法が含まれる)、微生物学、細胞生物学、生化学、免疫学および薬理学の従来の技法を採用し得る。かかる技法は、文献、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. (Sambrook et al., 1989);Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed., 1984);Animal Cell Culture (R. I. Freshney, ed., 1987);Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.);Current Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel et al., eds., 1987, and periodic updates);PCR: The Polymerase Chain Reaction (Mullis et al., eds., 1994);およびRemington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th ed., (Lippincott, Williams & Wilkins 2003)中で完全に説明されている。
定義
【0158】
他に定義されない限り、本明細書の至る所で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書の至る所で言及される全ての特許、特許出願(公開または未公開)、および他の刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。このセクションに示される定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願、公開された出願および他の刊行物に示される定義と矛盾するまたは他の方法で食い違う場合、このセクションに示される定義が、参照により本明細書に組み込まれる定義に優先する。
【0159】
本明細書の至る所で使用される場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。同様に、任意の単語の任意の単数形での使用は、1つの指示対象に明示的かつ明白に限定されない限り、複数形の指示対象を含む。用語「または」は、文脈が他を示さない限り、包含的な意味で使用される、即ち、「および/または」と等価である。本明細書の至る所で使用される場合、用語「含む(comprise)」、「含む(include)」、およびそれらの文法的異形は、非限定的である意図であり、したがって、リスト中の項目の列挙は、列挙された項目に追加され得る他の同様の項目を排除しない。本明細書中のセクション分割は、読者の便宜のために提供されているにすぎず、議論される要素の任意の組合せを限定するものではない。参照により本明細書に組み込まれる資料と本明細書で提供される明示的に記載された内容との間に矛盾または対立が存在する場合には、明示的に記載された内容が支配する。
【0160】
用語「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、任意の長さのアミノ酸、例えば、少なくとも5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、1,000個またはそれよりも多くのアミノ酸のポリマーを指すために、本明細書の至る所で相互交換可能に使用される。ポリマーは、直鎖または分岐鎖であり得、改変されたアミノ酸を含み得、非アミノ酸によって割り込まれ得る。これらの用語は、天然に改変された、あるいは介入;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または任意の他の操作もしくは改変、例えば、標識化構成要素とのコンジュゲーションによって改変された、アミノ酸ポリマーもまた包含する。例えば、アミノ酸の1種または複数のアナログ(例えば、非天然のアミノ酸などが含まれる)、ならびに当該分野で公知の他の改変を含むポリペプチドもまた、この定義内に含まれる。
【0161】
本明細書の至る所で使用される場合、用語「バリアント」は、親ポリペプチド配列に対してある程度のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに関して使用される。バリアントは、親配列と類似であるが、そのアミノ酸配列中に、そのバリアントを親ポリペプチドとは異なる配列のものにする、少なくとも1つの置換、欠失または挿入を有する。さらに、バリアントは、親ポリペプチドの機能的特徴を保持し得る、例えば、親ポリペプチドの生物活性の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%の生物活性を維持する。
【0162】
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域中に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、標的、例えば、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどに特異的に結合することが可能な免疫グロブリン分子であり、任意のクラス、例えば、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEの免疫グロブリンであり得る。ニワトリなどの鳥類種における主要な抗体型であるIgYもまた、この定義内に含まれる。本明細書の至る所で使用される場合、この用語は、インタクトなポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、その断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、単鎖(ScFv)、その突然変異体、天然に存在するバリアント、要求される特異性の抗原認識部位を有する抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、キメラ抗体、および要求される特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の改変された構成もまた包含する。
【0163】
本明細書の至る所で使用される場合、用語「抗原」は、その抗原認識部位を介して抗体が特異的に結合する標的分子を指す。抗原は、一価または多価であり得る、即ち、1つまたは複数の抗体によって認識される1つまたは複数のエピトープを有し得る。抗体によって認識され得る抗原の種類の例には、ポリペプチド、オリゴサッカリド、糖タンパク質、ポリヌクレオチド、脂質などが含まれる。
【0164】
本明細書の至る所で使用される場合、用語「エピトープ」は、抗原の一部分、例えば、少なくとも約3~5、好ましくは約5~10または15であるが、約1,000アミノ酸以下の(またはそれらの間の任意の整数の)ペプチド配列を指し、それ自体で、またはより大きい配列の一部として、かかる配列に応答して生成された抗体に結合する配列を定義する。断片の長さに対して限界上限はなく、断片は、例えば、抗原配列のほぼ全長を含み得、またはさらには、標的抗原からの2つもしくはそれよりも多くのエピトープを含む融合タンパク質を含み得る。本発明における使用のためのエピトープは、それが由来する親タンパク質の部分の正確な配列を有するペプチドに限定されないが、ネイティブ配列と同一な配列、ならびにネイティブ配列に対する改変、例えば、欠失、付加および置換(性質は保存的)もまた包含する。
【0165】
本明細書の至る所で使用される場合、本明細書の至る所で相互交換可能に使用される、各々単数形または複数形での、用語「改変されたIL-2ポリペプチド」、「ムテイン」および「IL-2ムテイン」などは、1つまたは複数の参照IL-2ポリペプチドの改変されたバージョン、突然変異体および/またはバリアントを指す。ある特定の実施形態では、かかる改変されたIL-2ポリペプチド、ムテイン、IL-2ムテインまたはバリアントは、本明細書の至る所で開示される、1つまたは複数の置換、欠失、付加、およびまたは1つもしくは複数の追加のポリペプチドとの融合を含む。
【0166】
本明細書の至る所で使用される場合、本明細書の至る所で相互交換可能に使用される、各々単数形または複数形での、用語「IL-2ポリペプチドコンジュゲート」、「IL-2コンジュゲート」、「改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート」、「改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート」および「IL-2ムテイン」などは、そのようにコンジュゲートされていない対応するIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドの結合、結合親和性、活性化、および/またはその相互作用の他の生物学的、生化学的もしくは生理学的結果をモジュレートする1つまたは複数のポリマーまたは他の化学的部分にコンジュゲートされている、またはそれとのコンジュゲーションのために構成されている、IL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチド、IL-2ムテインまたはバリアントを指す。各々単数形または複数形での、かかるIL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2コンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2バリアントおよびIL-2ムテインなどは、それ自体で、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチド、IL-2ムテイン、IL-2バリアントなどであると、および/または本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチド、IL-2ムテイン、IL-2バリアントなどを含むと理解される。
【0167】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で相互交換可能に使用される、各々単数形または複数形での、「コンジュゲート」、「コンジュゲーション部分」、「コンジュゲート化部分」は、IL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2コンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2バリアントおよび/またはIL-2ムテインを生成するために採用され得る、共有結合および/または非共有結合などを介して会合および/または結合され得る化学的実体を指す。ある特定の実施形態では、かかるコンジュゲート、コンジュゲーション部分、コンジュゲート化部分は、ポリマーまたは他の化学的部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、ペプチドおよび/またはポリペプチドを含み得る。ある特定の実施形態では、かかるコンジュゲート、コンジュゲーション部分、コンジュゲート化部分は、ポリマーまたは他の化学的部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、ペプチドおよび/またはポリペプチドを含み得る。ある特定の実施形態では、かかるコンジュゲート、コンジュゲーション部分、コンジュゲート化部分は、1つまたは複数のポリエチレングリコール(PEG)部分またはポリマー単位を含む。
【0168】
ある特定の実施形態では、IL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2コンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2バリアントおよび/またはIL-2ムテインは、1つまたは複数のコンジュゲート、コンジュゲーション部分および/またはコンジュゲート化部分を含む。ある特定の実施形態では、IL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2コンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2バリアントおよび/またはIL-2ムテインは、1つまたは複数の、例えば、水溶性ポリマー、脂質、ペプチドおよび/またはポリペプチドを含む。ある特定の実施形態では、IL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2コンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート、IL-2バリアントおよび/またはIL-2ムテインは、1つまたは複数のポリエチレングリコール(PEG)部分またはポリマー単位を含む。
【0169】
本明細書の至る所で使用される場合、用語「特異的に結合する」は、特異的結合対の結合特異性を指す。他の潜在的標的の存在下での、抗体による特定の標的の認識は、かかる結合の1つの特徴である。特異的結合には、2つの異なる分子が関与し、一方の分子は、化学的または物理的手段を介して、第2の分子と特異的に結合する。これら2つの分子は、互いとの結合が、類似の特徴を有する他のアッセイ構成成分からそれらの結合パートナーをこれらの分子が識別することが可能であるような結合であるという意味で、関連している。結合構成要素対のメンバーは、リガンドおよび受容体(抗リガンド)、特異的結合対(SBP)メンバーおよびSBPパートナーなどと呼ばれる。分子は、分子の凝集のためのSBPメンバーでもあり得る;例えば、第2の抗体とその対応する抗原との免疫複合体に対する抗体は、免疫複合体のためのSBPメンバーであるとみなされ得る。
【0170】
本明細書の至る所で相互交換可能に使用される、「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、これには、DNAおよびRNAが含まれる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、改変されたヌクレオチドもしくは塩基、および/またはそれらのアナログ、あるいはDNAまたはRNAポリメラーゼによってポリマー中に取り込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、改変されたヌクレオチド、例えば、メチル化されたヌクレオチドおよびそれらのアナログを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する改変は、ポリマーのアセンブリの前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成要素によって割り込まれ得る。ポリヌクレオチドは、重合後に、例えば、標識化構成要素とのコンジュゲーションによって、さらに改変され得る。他の型の改変には、例えば、「キャップ」、天然に存在するヌクレオチドのうち1つもしくは複数の、アナログによる置換、ヌクレオチド間改変、例えば、非荷電連結を有するもの(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート(phosphoamidate)、カルバメート(cabamate)など)および荷電連結を有するもの(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、ペンダント部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リシン(ply-L-lysine)など)などを含有するもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレーター(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有するもの、アルキル化薬を含有するもの、改変された連結を有するもの(例えば、アルファアノマー核酸など)など、ならびに未改変の形態のポリヌクレオチドが含まれる。さらに、糖中に通常存在するヒドロキシル基のいずれかは、例えば、標準的な保護基によって保護されたホスホネート基、ホスフェート基によって置き換えられ得、または追加のヌクレオチドへの追加の連結を調製するために活性化され得、または固体支持体にコンジュゲートされ得る。5’末端および3’末端のOHは、リン酸化され得る、または1~20個の炭素原子のアミンもしくは有機キャップ基部分で置換され得る。他のヒドロキシルもまた、標準的な保護基へと誘導体化され得る。ポリヌクレオチドは、例えば、2’-O-メチル-2’-O-アリル、2’-フルオロ-または2’-アジド-リボース、炭素環式糖アナログ、α-アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノース、キシロースまたはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式アナログおよび脱塩基ヌクレオシドアナログ、例えば、メチルリボシドが含まれる、当該分野で一般に公知の類似の形態のリボースまたはデオキシリボース糖もまた含有し得る。1つまたは複数のホスホジエステル連結は、代替的連結基によって置き換えられ得る。これらの代替的連結基には、ホスフェートがP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH(「ホルムアセタール」)によって置き換えられる実施形態であって、式中、各RまたはR’が独立して、H、またはエーテル(--O--)連結、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジル(araldyl)を必要に応じて含有する、置換されたもしくは未置換のアルキル(1~20個のC)である実施形態が含まれるがこれらに限定されない。ポリヌクレオチド中の全ての連結が同一である必要はない。上述の記載は、RNAおよびDNAが含まれる、本明細書で言及される全てのポリヌクレオチドに当てはまる。
【0171】
「オリゴヌクレオチド」は、本明細書の至る所で使用される場合、長さが一般に約200ヌクレオチド未満であるが必ずしもそうでなくてもよい、短い、一般に一本鎖の、一般に合成のポリヌクレオチドを一般に指す。用語「オリゴヌクレオチド」と「ポリヌクレオチド」とは、相互に排他的ではない。ポリヌクレオチドについての上記の記載は、オリゴヌクレオチドに等しく完全に適用可能である。
【0172】
本明細書で使用される場合、用語「ホモログ」は、天然に存在する核酸に対する軽微な改変によって、天然に存在する核酸(例えば、「原型」または「野生型」核酸)とは異なるが、天然に存在する形態の基本的なヌクレオチド構造を維持する、核酸を指すために使用される。かかる変化には、欠失(例えば、短縮されたバージョンの核酸)、挿入および/または置換が含まれる、1つまたは数個のヌクレオチドにおける変化が含まれるがこれらに限定されない。ホモログは、天然に存在する核酸と比較して、増強された、減少した、または実質的に類似の特性を有し得る。ホモログは、天然に存在する核酸に対して相補的であり得る、または一致していてもよい。ホモログは、組換えDNA技法、化学的合成などが含まれるがこれらに限定されない、核酸の産生のための当該分野で公知の技法を使用して、産生され得る。
【0173】
本明細書の至る所で使用される場合、「実質的に相補的なまたは実質的に一致した」は、2つの核酸配列が、少なくとも90%の配列同一性を有することを意味する。好ましくは、2つの核酸配列は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する。あるいは、「実質的に相補的なまたは実質的に一致した」は、2つの核酸配列が、高ストリンジェンシー条件の下でハイブリダイズすることができることを意味する。
【0174】
配列改変されたポリペプチドに関して、用語「匹敵するポリペプチド」は、配列改変されたポリペプチドの配列改変または突然変異(1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失または挿入)を除いて、対象の配列改変されたポリペプチドと配列が同一なポリペプチドを指す。「匹敵するポリペプチド」は、コンジュゲートされた部分、例えば、コンジュゲートされた糖、脂質、タンパク質、ペプチドまたはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)を含む改変されたポリペプチドに関して、対象の改変されたポリペプチドと同一な配列を有するが、糖、脂質、タンパク質、ペプチドまたはポリマーにコンジュゲートされていない、ポリペプチドである。
【0175】
一般に、ハイブリッドの安定性は、イオン濃度および温度の関数である。典型的には、ハイブリダイゼーション反応は、より低いストリンジェンシーと、その後の、変動するがより高いストリンジェンシーの洗浄との条件下で、実施される。中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーションは、プローブなどの核酸分子が相補的な核酸分子に結合するのを許容する条件を指す。ハイブリダイズした核酸分子は、一般に、例えば、70%、75%、80%、85%、90%または95%の同一性のうち少なくともいずれかを含む、少なくとも60%の同一性を有する。中程度にストリンジェントな条件は、50%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSPE、0.2%SDS中42℃でのハイブリダイゼーションと、その後の、0.2×SSPE、0.2%SDS中42℃での洗浄と、等価な条件である。高ストリンジェンシー条件は、例えば、50%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSPE、0.2%SDS中42℃でのハイブリダイゼーションと、その後の、0.1×SSPEおよび0.1%SDS中65℃での洗浄とによって提供され得る。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーションは、10%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、6×SSPE、0.2%SDS中22℃でのハイブリダイゼーションと、その後の、1×SSPE、0.2%SDS中37℃での洗浄と、等価な条件を指す。デンハルト溶液は、1%Ficoll、1%ポリビニルピロリドンおよび1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する。20×SSPE(塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diamide tetraacetic acid)(EDTA))は、3M塩化ナトリウム、0.2Mリン酸ナトリウムおよび0.025M(EDTA)を含有する。他の適切な中程度ストリンジェンシーおよび高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションの緩衝液および条件は、当業者に周知である。
【0176】
本明細書の至る所で使用される場合、「ベクター」は、目的のポリペプチド、例えば、本明細書で開示される改変されたIL-2ポリペプチドを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む別個のエレメントを指す。ある特定の実施形態では、かかるベクターは、その発現または複製のいずれかのために、かかる改変されたIL-2ポリペプチドをコードする異種DNAまたはRNAポリヌクレオチドを、細胞中に導入するために採用され得る。かかるベクターの選択および使用は、当業者に周知であり、利用可能である。ある特定の実施形態では、かかるベクターは、1)複製起点;2)選択可能なまたは検出可能なマーカー;および3)発現制御(遺伝子調節)配列、例えば、プロモーター、のうち少なくとも1つを含む。
【0177】
ある特定の実施形態では、発現ベクターが含まれるかかるベクターは、そのような調節配列および/またはプロモーター領域に動作可能に連結された、本明細書で開示される改変されたIL-2ポリペプチドをコードする異種DNAまたはRNAポリヌクレオチド配列の発現をもたらすことが可能な調節配列、例えば、プロモーター領域に、動作可能に連結される。したがって、ある特定の実施形態では、発現ベクターは、適切な宿主細胞中への導入の際に、宿主細胞による、かかる改変されたIL-2ポリペプチドをコードする異種DNAまたはRNAポリヌクレオチド配列の発現を容易にすることが可能な、組換えDNAまたはRNA構築物、例えば、プラスミド、ファージ、組換えウイルスまたは他のベクターを指す。本明細書で開示される改変されたIL-2ポリペプチドをコードしそれを発現することにおける使用に適切な発現ベクターは、当業者に周知であり、利用可能であり、これには、真核生物細胞および/または原核生物細胞において複製可能なもの、ならびにエピソーム性であるものまたは宿主細胞ゲノム中に組み込まれたものが含まれる。
【0178】
本明細書の至る所で使用される場合、「プロモーター領域またはプロモーターエレメント」は、それが動作可能に連結されたDNAまたはRNAの転写を制御する、DNAまたはRNAのセグメントを指す。プロモーター領域は、RNAポリメラーゼの認識、結合および転写開始に十分な特定の配列を含む。プロモーター領域のこの部分は、プロモーターと呼ばれる。さらに、プロモーター領域は、RNAポリメラーゼのこの認識、結合および転写開始活性をモジュレートする配列を含む。これらの配列は、シス作用性であり得るか、またはトランス作用性因子に対して応答性であり得る。プロモーターは、調節の性質に依存して、構成的であり得るまたは調節され得る。原核生物における使用のために企図される例示的なプロモーターには、バクテリオファージT7およびT3プロモーターなどが含まれる。
【0179】
本明細書の至る所で使用される場合、「動作可能に連結されたまたは操作的に会合した」は、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAポリヌクレオチド配列の、調節およびエフェクターポリヌクレオチド配列との機能的関連性を指す。例示的なかかる調節および/またはエフェクターポリヌクレオチド配列には、プロモーター、エンハンサー、転写および翻訳開始部位、転写および翻訳停止部位、ポリアデニル化配列、リボソーム進入部位、Kozak配列などが含まれる。例えば、プロモーターに動作可能に連結された、ポリペプチドをコードするDNAは、ポリペプチドをコードするかかるDNAの転写が、ポリペプチドをコードするDNAを特異的に認識し、それに結合し、それを転写するRNAポリメラーゼによって、プロモーターから開始されるような、ポリペプチドをコードするDNAとプロモーターとの間の物理的および機能的関連性を指す。さらに、翻訳開始部位および/またはリボソーム進入部位を含むポリヌクレオチド配列に動作可能に連結された、ポリペプチドをコードするRNAは、コードされたポリペプチドの翻訳が開始されるような、ポリペプチドをコードするRNAと翻訳開始部位および/またはリボソーム進入部位との間の物理的および機能的関連性を指す。
【0180】
発現および/またはin vitro転写を最適化するために、転写または翻訳のいずれかのレベルで発現を妨害し得るまたは発現を低減させ得る、余分な、潜在的に望ましくない選択的翻訳開始(initiation)(即ち、開始(start))コドンまたは他の配列を除外するために、ポリペプチドをコードするある特定のDNAまたはRNAポリヌクレオチド配列の5’非翻訳部分を、除去、付加または変更することが必要であり得る。あるいは、コンセンサス部位が、開始コドンの直ぐ5’側に挿入され得、発現を増強し得る。例えば、Kozak (1991) J. Biol. Chem. 266:19867-19870を参照されたい。かかる改変の望ましさ(またはその必要性)は、経験的に決定され得る。
【0181】
「処置すること」または「処置」または「軽減」は、標的化された病的状態もしくは障害を回復させる、または状態の再発を予防するとはいかないまでも、目標が減速(低下)される、治療的処置を指す。対象は、治療的量の治療剤または処置を受けた後に、対象が、特定の疾患の1つまたは複数の徴候および症状における、観察可能なおよび/もしくは測定可能な低減、またはそれらの非存在を示す場合、首尾よく「処置されている」。疾患の徴候または症状の低減は、患者にも感じることができる。患者は、患者が安定疾患を経験する場合にも、処置されたとみなされる。ある特定の実施形態では、治療剤による処置は、処置の3か月後、好ましくは、処置の6か月間後、より好ましくは1年後、さらにより好ましくは2年またはそれよりも長い期間の後に無疾患である患者を生じるのに有効である。疾患における首尾よい処置および改善を評価するためのこれらのパラメーターは、当業者の医師が精通している慣用的な手順によって、容易に測定可能である。ある特定の実施形態では、「処置」は、状態、障害または疾患の症状が寛解されるまたは他の方法で有益に変更される任意の様式を意味する。処置は、本明細書の組成物の任意の薬学的使用もまた包含する。ある特定の実施形態では、特定の医薬組成物の投与による、特定の障害の症状の「寛解」は、組成物の投与に帰せられ得るまたは組成物の投与に関連し得る、永続的であれ一時的であれ、持続性であれ一過性であれ、任意の低下を指す。
【0182】
用語「予測」または「予後判定」は、患者が、薬物もしくは薬物のセットに対して好都合にもしくは不都合に、のいずれかで応答する見込み、または疾患の起こり得る転帰を指すために、本明細書でしばしば使用される。ある特定の実施形態では、予測は、応答または転帰の程度に関する。ある特定の実施形態では、予測は、患者が、処置、例えば、特定の治療剤による処置の後に、および疾患再発なしのある特定の期間にわたって、生存もしくは改善するかどうか、ならびに/または生存もしくは改善する可能性に関する。本明細書の至る所で開示される予測方法は、任意の特定の患者のために最も適切な処置モダリティを選択することによって処置決断を行うために臨床的に使用され得る。本明細書の至る所で開示される予測方法は、例えば、所与の治療剤または組合せの投与、外科的介入、ステロイド処置などが含まれる、所与の治療レジメンなどの処置レジメンに、患者が好都合に応答する可能性が高いかどうかを予測する際の価値あるツールである。
【0183】
本明細書の至る所で使用される場合、言葉「薬学的に許容される担体」は、医薬品投与と適合性の、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング、等張剤および吸収遅延剤などを含む意図である。薬学的に活性な物質のための、かかる媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th ed., (Lippincott, Williams & Wilkins 2003)を参照されたい。従来の媒体または薬剤が、活性化合物と不適合である場合を除いて、組成物中でのかかる使用が企図される。
【0184】
「薬学的に許容される塩」は、非毒性の、生物学的に許容可能な、または対象への投与のために他の点で生物学的に適切な、本明細書の至る所で示される化合物の遊離酸または塩基の塩を意味する意図である。一般に、Berge, et al., J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19を参照されたい。好ましい薬学的に許容される塩は、過度の毒性も刺激作用もアレルギー応答もなしに、薬理学的に有効であり、かつ対象の組織との接触に適切な、塩である。本明細書に記載される改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドまたはそのコンジュゲートは、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、両方の型の官能基、または各型のうち1つよりも多くを保有し得、いくつかの無機または有機塩基、ならびに無機および有機酸としかるべく反応して、薬学的に許容される塩を形成し得る。
【0185】
薬学的に許容される塩の例には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオン酸塩、ヘキシン-1,6-ジオン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、およびマンデル酸塩が含まれる。
【0186】
本明細書の至る所で使用される場合、用語「治療有効量」または「有効量」は、単独でまたは追加の治療剤と組み合わせて、細胞、組織または対象に投与された場合に、対象において疾患または障害、増殖疾患または障害を予防するまたは寛解させるのに有効な、治療剤の量を指す。治療有効用量は、症状の寛解、例えば、関連する医学的状態の処置、治癒、予防もしくは寛解、または処置の速度における増加、かかる状態の治癒、予防もしくは寛解を生じるのに十分な、治療剤の量をさらに指す。単独で投与される個々の活性成分に適用される場合、治療有効用量は、その成分単独を指す。組合せに適用される場合、治療有効用量は、組み合わせて投与される場合であれ、順次投与される場合であれ、同時に投与される場合であれ、治療効果を生じる、活性成分の組み合わされた量を指す。一部の実施形態では、「特定の疾患を処置するための化合物の有効量」は、疾患に関連する症状を寛解させるのに十分な、または一部の様式では、それを低減させるのに十分な、量である。かかる量は、単一の投薬量として投与され得、またはそれによってこの量が有効であるレジメンに従って投与され得る。この量は、疾患を回復させ得るが、典型的には、疾患の症状を寛解させるために投与される。反復投与が、症状の所望の寛解を達成するために要求され得る。
【0187】
用語「組合せ」は、1つの投薬単位形態での固定の組合せ、あるいは改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドまたはそのコンジュゲートと組合せパートナー(例えば、「治療剤」または「共薬剤(co-agent)」とも呼ばれる、以下で説明される別の薬物)とが、同じ時間に、または時間間隔内で別々に独立して投与され得る、特に、これらの時間間隔が、組合せパートナーが協同的な効果、例えば、相乗効果を示すことを可能にする、組合せ投与のための要素のキット、のいずれかを指す。用語「共投与」または「組合せ投与」などは、本明細書で利用される場合、それを必要とする単一の対象(例えば、患者)への、選択された組合せパートナーの投与を包含する意味であり、それらの薬剤が同じ投与経路によってまたは同じ時間に必ずしも投与されない、処置レジメンを含む意図である。用語「医薬組合せ」は、本明細書の至る所で使用される場合、1種よりも多くの活性成分の混合または組合せから生じる産物を意味し、これには、活性成分の固定の組合せおよび非固定の組合せの両方が含まれる。用語「固定の組合せ」は、活性成分、例えば、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドまたはそのコンジュゲートおよび組合せパートナーが共に、単一の実体または投薬量の形態で患者に同時に投与されることを意味する。用語「非固定の組合せ」は、活性成分、例えば、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドまたはそのコンジュゲートおよび組合せパートナーが共に、具体的な時間制限なしに、同時に、同時発生的にまたは順次のいずれかで別々の実体として患者に投与され、かかる投与が、患者の身体においてこれら2種の物質の治療的に有効なレベルを提供することを意味する。後者は、カクテル治療、例えば、3種またはそれよりも多くの活性成分の投与にも当てはまる。
【0188】
本明細書の至る所で使用される場合、「生体試料」は、高分子および生体分子の生きた供給源もしくはウイルス供給源または他の供給源から得られた任意の試料を指し、これには、核酸もしくはタンパク質または他の高分子がそこから得られ得る対象の任意の細胞型または組織が含まれる。生体試料は、生物学的供給源から直接的に得られた試料または加工された試料であり得る。ある特定の実施形態では、増幅される単離された核酸は、生体試料を構成する。生体試料には、体液、例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗、動物および植物由来の組織および器官試料、ならびにそれらに由来する加工された試料が含まれるがこれらに限定されない。
【0189】
用語「レベル(単数)」または「レベル(複数)」は、標的、例えば、疾患または障害の病因の一部である物質または生物の存在および/または量を指すために使用され、定性的または定量的に決定され得る。標的レベルにおける「定性的」変化は、正常対照から得られた試料において検出不能であるかまたはその中に存在する標的の出現または消失を指す。1種または複数の標的のレベルにおける「定量的」変化は、健康な対照と比較した場合の、標的レベルにおける測定可能な増加または減少を指す。
【0190】
「健康な対照」または「正常対照」は、治療的処置または診断法に関して、疾患または障害、例えば、増殖疾患または障害に罹患していない個体から取得された生体試料である。「陰性対照」は、アッセイがそれを検出するために設計されたいずれの特定の解析対象物も欠如する試料であり、したがって、そのアッセイのための参照ベースラインを提供する。
【0191】
本明細書の至る所で使用される場合、「哺乳動物」は、哺乳動物綱の種のいずれかを指す。しばしば、用語「哺乳動物」は、本明細書の至る所で使用される場合、ヒト、ヒト対象またはヒト患者を指す。「哺乳動物」は、非ヒト哺乳動物綱の種、例えば、実験、コンパニオンまたは経済非ヒト哺乳動物のいずれかもまた指す。例示的な非ヒト哺乳動物には、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、ゴリラおよびチンパンジーが含まれる。
【0192】
本明細書の至る所で使用される場合、「組換え手段による産生」は、クローニングされた核酸によってコードされるポリペプチドまたはタンパク質を発現させるための分子生物学の周知の方法に依存する組換え核酸法を使用する、産生方法を指す。
【0193】
本明細書の至る所で使用される場合、用語「対象」は、具体的な種または試料の型に限定されない。例えば、用語「対象」は、患者を指し得、しばしば、ヒト患者を指し得る。しかし、この用語は、ヒトに限定されず、したがって、種々の非ヒト動物または哺乳動物種を包含する。
【0194】
本明細書の至る所で使用される場合、「プロドラッグ」は、in vivo投与の際に、その物質の生物学的に、薬学的にまたは治療的に活性な形態に、代謝されるまたは他の方法で変換される物質である。プロドラッグを産生するために、薬学的に活性な物質は、代謝プロセスによって活性な物質が再生されるように、改変される。プロドラッグは、薬物の代謝安定性または輸送特徴を変更するように、副作用または毒性をマスキングするように、薬物の風味を改善するように、あるいは薬物の他の特徴または特性を変更するように、設計され得る。in vivoでの薬力学的プロセスおよび薬物代謝の知識のおかげで、当業者は、薬学的に活性な化合物がわかれば、その化合物のプロドラッグを設計することができる(例えば、Nogrady (1985) Medicinal Chemistry A Biochemical Approach, Oxford University Press, New York, pages 388-392を参照されたい)。
【0195】
本明細書の至る所で開示される態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」および/または「から本質的になる」を含むと理解される。
【0196】
本開示の至る所で、本開示の種々の態様が、範囲形式で示されている。範囲形式での記載は、簡便さおよび簡潔さのために過ぎず、本発明の範囲に対する確固たる限定として解釈すべきでないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能な部分範囲ならびにその範囲内の個々の数値を有するとみなすべきである。例えば、範囲の記載、例えば、1~6は、具体的に開示された部分範囲、例えば、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6など、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5および6を有するとみなすべきである。これは、範囲の幅にかかわらず当てはまる。
【0197】
本明細書の至る所で提供される開示の他の目標、利点および特色は、添付の図面と併せて解釈される以下の明細書から明らかになるであろう。
改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド
【0198】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、配列番号1(アミノ酸位置125においてシステインからセリンへの置換を含む、ヒトIL-2の成熟形態)もしくは配列番号2(アミノ酸位置1においてアラニンからメチオニンへの置換を含む、ヒトIL-2の成熟形態)に示されるアミノ酸配列、または配列番号1もしくは配列番号2のいずれかに対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸を含み、アミノ酸位置L18、L19、N29、N30、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、またはそれらの組合せにおいて、天然または非天然のアミノ酸による置換を含み、a))L18、L19、N29、N30、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、またはそれらの組合せにおいてアミノ酸置換を有さない匹敵するIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体α(IL-2Rα)に対する低減された結合を有する;および/またはb)匹敵するIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの低減された受容体シグナル伝達潜在力を有し、匹敵するIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドのアミノ酸置換(例えば、L18、L19、N29、N30、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、またはそれらの組合せにおけるアミノ酸置換)を含まないことを除いて、匹敵するIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと配列が同一な、改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドに関する。種々の実施形態では、かかる改変は、IL-2Rα相互作用領域、IL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内で見出される。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドの対応する領域のアミノ酸残基10~25、80~100および/または100~134の領域において、独立して、少なくとも約70%の配列同一性、少なくとも約80%の配列同一性、少なくとも約90%の配列同一性、少なくとも約95%の配列同一性、少なくとも約98%の配列同一性または少なくとも約99%の配列同一性を有する。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドに対して、少なくとも約50%の配列同一性、少なくとも約90%の配列同一性、少なくとも約70%の配列同一性、少なくとも約80%の配列同一性、少なくとも約90%の配列同一性、少なくとも約95%の配列同一性、少なくとも約98%の配列同一性または少なくとも約99%の配列同一性を有する。
【0199】
配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列は、以下に示される:
配列番号1
APTSSSTKKTQL13QLEHLL19LDLQMILNGI29303132333435KLT38RML414243KF45YMP48K49KATELKHLQCLEE62EL6465PLEEVL71NLA74QS76KNFHL81RPRD85LI87SNIN919293VLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTL133T)
配列番号2
MPTSSSTKKTQL13QLEHLL19LDLQMILNGI29303132333435KLT38RML414243KF45YMP48K49KATELKHLQCLEE62EL6465PLEEVL71NLA74QS76KNFHL81RPRD85LI87SNIN919293VLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTL133T)
【0200】
配列番号1および配列番号2は、1位(この場所で、配列番号2は、ネイティブヒト配列とも配列番号1とも異なる)および125位(この場所で、配列番号1は、ネイティブヒト配列とも配列番号2とも異なる)におけるアミノ酸の正体において、互いに異なり、ネイティブヒトIL-2配列(配列番号3)とも異なる。したがって、本明細書の至る所で提供される開示において使用されるアミノ酸番号付けは、ネイティブヒト成熟IL-2アミノ酸配列(配列番号3)、配列番号1および配列番号2のアミノ酸番号付けに従う。
【0201】
本明細書で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%またはそれよりも高い配列同一性を有する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、それらの任意の組合せが含まれる、L18、L19、N29、N30、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131位のいずれかにおける置換されたアミノ酸を除いて、配列番号1または配列番号2の配列と同一の配列を有する。本明細書で提供される改変されたIL-2ポリペプチドの1つまたは複数のアミノ酸置換(例えば、アミノ酸位置L18、L19、N29、N30、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、またはそれらの任意の組合せのいずれかにおける、配列番号1または配列番号2に関する置換)を含まないが、他の点では、本明細書で提供される改変されたIL-2ポリペプチドの配列と同一の配列を有するIL-2ポリペプチドは、本明細書で、「[アミノ酸位置]置換を有さない匹敵するIL-2ポリペプチド」、「[アミノ酸位置]置換を有さないIL-2ポリペプチド」、または同じ意味を提供する類似の用語とみなされる。当業者は、中性および保存的なアミノ酸変化、ならびに突然変異に寛容である可能性が低いIL-2ポリペプチドの領域の知識によって、活性なIL-2ポリペプチドを維持するために、開示された突然変異部位の外側で置換を行う際にガイドされ得る。
【0202】
ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、上述のアミノ酸位置のいずれかにおける置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドの対応する領域に対して、アミノ酸残基10~25の領域において、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、好ましくは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0203】
他の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドの対応する領域に対して、アミノ酸残基80~100の領域において、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、好ましくは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0204】
なお他の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドの対応する領域に対して、アミノ酸残基100~133の領域において、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%、好ましくは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性を有する。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、突然変異C125Sを含む(例えば、配列番号1)。他のC125置換、例えば、非限定的な例として、突然変異C125AおよびC125Tが、本明細書で提供される改変されたIL-2ポリペプチド中に存在し得る。
【0205】
追加の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドの対応する領域に対して、アミノ酸残基10~25および80~100の領域において、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%、好ましくは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0206】
さらに別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドの対応する領域に対して、アミノ酸残基10~25および100~133の領域において、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、好ましくは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0207】
さらに別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドの対応する領域に対して、アミノ酸残基80~100および100~133の領域において、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、好ましくは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0208】
さらに別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドの対応する領域に対して、アミノ酸残基10~25、80~100および100~133の領域において、少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、好ましくは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0209】
ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、天然のアミノ酸による任意の適切な置換を含み得る。ある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドは、L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、またはそれらの組合せの位置において、リシン、システイン、セリン、ヒスチジン、メチオニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換を含み得る。
【0210】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、a)L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸による置換を含み、コンジュゲート化部分にコンジュゲートされている、またはコンジュゲートされるように構成されている。ある特定の実施形態では、かかるコンジュゲート化部分は、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質もしくはペプチド、またはそれらの組合せを含み得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、a)L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の位置において、1つまたは複数のコンジュゲート化部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質もしくはペプチド、またはそれらの組合せを含む;ならびに/あるいはb)L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸による置換を含み、ポリペプチドのN末端および/またはC末端において、1つまたは複数のコンジュゲート化部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに、コンジュゲートされている、またはコンジュゲートされるように構成されている。
【0211】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、a)N29および/またはY31からなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸による置換を含み;b)N29および/またはY31ならびにそれらの組合せからなる群から選択される位置において、システインまたはセリンによる置換を含み;c)N29および/またはY31ならびにそれらの組合せからなる群から選択される位置において、システインによる置換を含み;d)Y31位において、システインによる置換を含み、e)Y31位において、セリンによる置換を含み、f)N29位において、システインによる置換を含み、あるいはg)N29位において、セリンによる置換を含む。
【0212】
ある特定の実施形態では、N29またはY31において天然のアミノ酸による置換を含む、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、a)L18および/またはL19における天然のアミノ酸による置換;ならびにb)L18位におけるメチオニンによる置換および/またはL19位におけるセリンによる置換をさらに含み得る。
【0213】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、a)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;b)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;またはc)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、IL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換をさらに含み得る。
【0214】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、N29またはY31における突然変異、ならびに必要に応じて、L18および/またはL19における突然変異に加えて、IL-2Rα相互作用領域、IL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、V69、N71、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸による置換をさらに含み得る。
【0215】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、あるいは、または、N29もしくはY31における突然変異、および必要に応じて、V69、N71、Q74、N88、V91、I128のいずれかにおける1つまたは複数の追加の突然変異を有することに加えて、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せから選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せから選択される位置において、リシン、システイン、ヒスチジンによる置換をさらに含み得る。
【0216】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、非天然のアミノ酸による任意の適切な置換を含み得る。ある特定の実施形態では、WO2019/028425A1およびWO2019/028419A1に開示される非天然のアミノ酸が使用され得る。ある特定の実施形態、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドでは、非天然のアミノ酸は、リシンアナログ、システインアナログまたはヒスチジンアナログであり得、芳香族側鎖を含み;アジド基を含み;アルキン基を含み;あるいはアルデヒドまたはケトン基を含む。別の実施形態では、非天然のアミノ酸は、芳香族側鎖を含まない。なお別の実施形態では、非天然のアミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リシン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リシン(PraK)、BCN-L-リシン、ノルボルネンリシン、TCO-リシン、メチルテトラジンリシン、アリルオキシカルボニルリシン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、L-Dopa、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン酸(2-amino-3- (phenylselanyl)propanoic)またはセレノシステインを含む。
【0217】
本明細書の至る所で開示されるある特定の実施形態では、非天然のアミノ酸は、任意の適切な手段または方法によって、改変されたIL-2ポリペプチド中に取り込まれ得る。本明細書の至る所で開示されるある特定の実施形態では、非天然のアミノ酸は、直交tRNAシンテターゼ/tRNA対によって、改変されたIL-2ポリペプチド中に取り込まれ得る。任意の適切な直交tRNAが使用され得る。本明細書の至る所で開示されるある特定の実施形態では、直交シンテターゼ/tRNA対の直交tRNAは、少なくとも1つの非天然の核酸塩基を含み得る。
【0218】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、アミノ酸置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する増強された結合を有し得る。本明細書の至る所で開示されるある特定の実施形態では、IL-2Rαに対する本発明の改変されたIL-2ポリペプチドの結合親和性は、約10%から約100%まで、またはそれらの部分範囲、増加され得る、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%増加され得る。本明細書の至る所で開示されるある特定の実施形態では、IL-2Rαに対する本発明の改変されたIL-2ポリペプチドの結合親和性は、約10%から約100%まで増加され得る、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加され得る、例えば、少なくとも1倍(100%)、10倍、100倍、1,000倍、10,000倍、100,000倍もしくはそれよりも大きく、例えば、約1倍と100,000倍との間、もしくはそれらの部分範囲、増加され得る。
【0219】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有し得る。本明細書の至る所で開示されるある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドの、IL-2Rαβγへのシグナル伝達潜在力、および置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドの、IL-2Rαβγへのシグナル伝達潜在力は、約10%から約100%まで、またはそれらの部分範囲、増加され得る、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%増加され得る。本明細書の至る所で開示されるある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドの、IL-2Rαβγへのシグナル伝達潜在力は、約10%から約100%まで増加され得る、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加され得る、例えば、約1倍(100%)、10倍、100倍、1,000倍、10,000倍、100,000倍までもしくはそれよりも大きく、または約1倍と100,000倍との間またはそれらの部分範囲、増加され得る。
【0220】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、アミノ酸置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγ発現細胞による低減された内在化を有し得る。ある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドの、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγ発現細胞による内在化と、置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドの、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγ発現細胞による内在化との間の比は、約1/2~約1/100,000、例えば、約1/2、1/5、1/10、1/100、1/1,000、1/10,000、1/100,000もしくはそれよりも大きい、またはそれらの部分範囲であり得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγ発現細胞による検出可能な内在化を有さない。
【0221】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ/IL-2Rβγシグナル伝達潜在力の比と比較して、IL-2Rαβγ/IL-2Rβγシグナル伝達潜在力の増強された比を有し得る。別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドの置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ/IL-2Rβγシグナル伝達潜在力の比と比較した、本明細書で開示される改変されたIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ/IL-2Rβγシグナル伝達潜在力の比は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、または100%よりも大きく増加され得る、例えば、約10%と約100%との間、またはそれらの部分範囲、増加され得る。さらなる実施形態では、置換なしの匹敵するIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ/IL-2Rβγシグナル伝達潜在力の比と比較した、改変されたIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ/IL-2Rβγシグナル伝達潜在力の比は、約10%から約100%まで増加され得る、または約1倍(100%)から約100,000倍まで、もしくはそれらの部分範囲、またはそれよりも大きく増加され得る、例えば、約1倍、10倍、100倍、1,000倍、10,000倍、100,000倍またはそれよりも大きく増加され得る。
【0222】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、本明細書で上に開示されるアミノ酸置換のうちの1つまたは複数、例えば、群L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128およびT131の1つまたは複数のアミノ酸置換を除いて、配列番号1または配列番号2の配列を有し得る。かかる例では、匹敵するIL-2ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2の配列を有する。さらなる例では、本明細書で上に開示されるアミノ酸置換のうち1つまたは複数、例えば、群L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128およびT131から選択されるアミノ酸位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を有する改変されたIL-2ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%の同一性を有する配列を有し得、匹敵するIL-2ポリペプチドは、群L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、E100、N119、T123、S127、I128およびT131から選択される位置における1つまたは複数のアミノ酸置換を除いて、改変されたIL-2ポリペプチドと同一な配列を有する。
【0223】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な位置において、欠失を含み得る。ある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドは、N末端欠失、例えば、アミノ酸残基1~10またはそれらの部分範囲のN末端欠失を有する。別の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドは、C末端欠失、例えば、アミノ酸残基114~133またはそれらの部分範囲のC末端欠失を有する。なお別の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドは、N末端欠失およびC末端欠失を有する。
【0224】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、融合ポリペプチド、例えば、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む組換え融合タンパク質の一部であり得る。融合ポリペプチドの一部であるかかる改変されたIL-2ポリペプチドは、それ自体、改変されたIL-2ポリペプチドの例である。本発明の改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な様式で、追加のアミノ酸配列に融合され得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端は、追加のアミノ酸配列に融合され得、またはその逆も同様である。追加のアミノ酸配列は、任意の適切な配列または内容を含み得る。ある特定の実施形態では、追加のアミノ酸配列は、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含み得る。別の例では、追加のアミノ酸配列は、抗体のFc部分を含み得る。
【0225】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な形態であり得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、単離されたまたは精製された形態であり得る。
【0226】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な技法またはプロセスを使用して調製され得る。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される改変されたIL-2ポリペプチドは、組換え産生、化学的合成、またはそれらの組合せによって調製され得る。
【0227】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な形態で適用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチドを投与することによって、患者に送達、例えば、投与され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、改変されたIL-2ポリペプチドをコードする非ウイルスベクターまたはウイルスベクターを投与することによって、患者に送達、例えば、投与され得る。
改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドコンジュゲート
【0228】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドを含む、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートに関する。それ自体例示的な改変されたIL-2ポリペプチドである、かかる改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートは、コンジュゲート化部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、およびそれらの組合せなどに、コンジュゲートされ得る、またはコンジュゲートされるように構成され得る。
【0229】
改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な様式で、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに、共有結合的にコンジュゲートされ得る。別の例では、改変されたIL-2ポリペプチドは、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに、非共有結合的にコンジュゲートされ得る。なお別の例では、改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。
【0230】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される改変されたIL-2ポリペプチドは、N29、N30、Y31、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされる。別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、N29、N30、Y31、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされる。なお別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、N29、N30、Y31、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、トリプトファン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、プロリン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされる。さらに別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、N29、N30、Y31、E100、N119、T123、S127、I128、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたシステインを介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされる。
【0231】
改変されたIL-2ポリペプチドは、N29、N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、N29位および/またはY31位において、置換された天然のアミノ酸を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされる。別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、N29およびY31の一方または両方において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、トリプトファン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、プロリン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされる。なお別の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、N29およびY31の一方または両方において、置換されたシステインを介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされる。
【0232】
改変されたIL-2ポリペプチドは、改変されたIL-2ポリペプチドの単一のアミノ酸残基または複数のアミノ酸残基を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、i)改変されたIL-2ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;ii)改変されたIL-2ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;またはiii)改変されたIL-2ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。
【0233】
改変されたIL-2ポリペプチドは、リンカーを介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされ得る。改変されたIL-2ポリペプチドはまた、リンカーなしに直接的に、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされ得る。
【0234】
改変されたIL-2ポリペプチドは、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。単一のアミノ酸残基は、任意の適切な位置に位置し得る。ある特定の実施形態では、単一のアミノ酸残基は、改変されたIL-2ポリペプチド内に位置し得る。別の例では、単一のアミノ酸残基は、追加のアミノ酸配列内に位置し得る。
【0235】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中の追加のアミノ酸配列は、任意の適切な配列または内容を含み得る。ある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中の追加のアミノ酸配列は、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含み得る。別の例では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中の追加のアミノ酸配列は、抗体のFc部分を含み得る。
【0236】
改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な様式で、融合ポリペプチド中で、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、改変されたIL-2ポリペプチドは、i)融合ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;ii)融合ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;またはiii)融合ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位を介して、別の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされ得る。別の例では、融合ポリペプチドは、直接的に、またはリンカーを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされ得る。
【0237】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な水溶性ポリマーにコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカリド)、ポリ(a-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、またはそれらの組合せを含み得る。例えば、WO2019/028425A1およびWO2019/028419A1を参照されたい。
【0238】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートでは、水溶性ポリマーは、PEG分子を含み得る。PEG分子は、直鎖PEGまたは分岐鎖PEGであり得る。分岐鎖PEGは、任意の適切な構成および/または任意の適切な数のPEG鎖を有し得る。ある特定の実施形態では、分岐鎖PEGは、中心コア基から発する約3~約10本のPEG鎖を有し得る。別の例では、分岐鎖PEGは、中心コア基から発する約10~約100本のPEG鎖を含む星型PEGであり得る。なお別の例では、分岐鎖PEGは、ポリマー骨格上にグラフトされた複数のPEG鎖を含む櫛型PEGであり得る。
【0239】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中のPEG分子は、任意の適切な分子量を有し得る。ある特定の実施形態では、PEG分子は、約300g/mol~約10,000,000g/molの、例えば、約300g/mol、500g/mol、1,000g/mol、10,000g/mol、100,000g/mol、1,000,000g/mol、10,000,000g/molまたはそれらの部分範囲の、分子量の範囲を有し得る。別の例では、PEG分子は、約5,000ダルトン~約1,000,000ダルトンの、例えば、約5,000ダルトン、10,000ダルトン、100,000ダルトン、1,000,000ダルトンまたはそれらの部分範囲の、平均分子量を有し得る。なお別の例では、PEG分子は、約20,000ダルトン~約30,000ダルトンの、例えば、約20,000ダルトン、21,000ダルトン、22,000ダルトン、23,000ダルトン、24,000ダルトン、25,000ダルトン、26,000ダルトン、27,000ダルトン、28,000ダルトン、29,000ダルトン、30,000ダルトンまたはそれらの部分範囲の、平均分子量を有し得る。
【0240】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中のPEG分子は、任意の適切な形態であり得る。ある特定の実施形態では、PEG分子は、単分散型、均質型または離散型PEG分子であり得る。
【0241】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中の水溶性ポリマーは、ポリサッカリドを含み得る。
【0242】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中の改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切な脂質にコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中の脂質は、脂肪酸を含み得る。
【0243】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中の改変されたIL-2ポリペプチドは、任意の適切なタンパク質にコンジュゲートされ得る。ある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲート中のタンパク質は、抗体またはその結合性断片を含み得る。抗体またはその結合性断片は、抗体のFc部分を含み得る。
【0244】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートでは、他の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドは、任意の適切な様式を介して、改変されたIL-2ポリペプチドに結合され得る。ある特定の実施形態では、他の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドは、リンカーを介して、改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸に間接的に結合され得る。別の例では、他の部分、例えば、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドは、改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸に直接的に結合され得る。
【0245】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートは、任意の適切なin vivo半減期を有し得る。ある特定の実施形態では、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートは、約5分間~約10日間、例えば、約5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間またはそれらの部分範囲のin vivo半減期を有し得る。
医薬組成物
【0246】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、上記改変されたIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートの有効量と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
【0247】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、任意の適切な疾患、障害または状態を処置または予防するために構成され得る。ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、対象において増殖障害を処置または予防するために構成され得る。
【0248】
ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、対象において固形腫瘍またはがんを処置または予防するために構成される。固形腫瘍またはがんは、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、心臓がん、星細胞腫、脳幹神経膠腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣腫、原始神経外胚葉性腫瘍、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫、神経膠腫、髄芽腫、神経芽腫、乏突起神経膠腫、松果体星細胞腫、下垂体腺腫、視覚路および視床下部神経膠腫、乳房がん、浸潤性小葉癌、管状癌、浸潤性篩状癌、髄様癌、男性乳房がん、葉状腫瘍、炎症性乳房がん、副腎皮質癌、膵島細胞癌(膵内分泌部)、多発性内分泌腫瘍症候群、副甲状腺がん、褐色細胞腫、甲状腺がん、メルケル細胞癌、ブドウ膜黒色腫、網膜芽細胞腫、肛門がん、虫垂がん、胆管細胞癌、消化管カルチノイド腫瘍(Carcinoid tumor,gastrointestinal)、結腸がん、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃(Gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍(Gastrointestinal carcinoid tumor)、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、膵島細胞がん、直腸がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん(表面上皮-間質腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、陰茎がん、腎細胞癌、腎盂および尿管の移行上皮がん、前立腺がん、精巣がん、妊娠性絨毛性腫瘍、尿管および腎盂の移行上皮がん、尿道がん、子宮肉腫、腟がん、外陰部がん、ウィルムス腫瘍、食道がん、頭頸部がん、上咽頭癌、口腔がん、中咽頭がん、副鼻腔および鼻腔がん、咽頭がん、唾液腺がん、下咽頭がん、基底細胞癌、黒色腫、皮膚がん(非黒色腫)、気管支腺腫/カルチノイド、小細胞肺がん、中皮腫、非小細胞肺がん、胸膜肺芽細胞腫、喉頭がん、胸腺腫および胸腺癌、AIDS関連がん、カポジ肉腫、類上皮血管内皮腫(EHE)、線維形成性小円形細胞腫瘍または脂肪肉腫であり得る。
【0249】
別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、対象において血液学的悪性疾患を処置または予防するために構成される。血液学的悪性疾患は、骨髄性新生物、白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、細網内皮症、細網症、小グリア細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、形質細胞白血病、急性赤血病および赤白血病、急性赤血症性骨髄症、急性赤白血病、ハイルマイヤー・シェーナー病、急性巨核芽球性白血病、マスト細胞白血病、汎骨髄症、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、リンパ肉腫細胞白血病、細胞型不明の急性白血病、急性転化期慢性骨髄性白血病、幹細胞白血病、細胞型不明の慢性白血病、細胞型不明の亜急性白血病、移行期慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、急性前骨髄球性白血病、急性好塩基球性白血病、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟を伴う急性骨髄芽球性白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好中球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、慢性特発性骨髄線維症、多発性骨髄腫、ケーラー病、骨髄腫症、孤立性骨髄腫、形質細胞白血病、髄外性プラズマ細胞腫、悪性形質細胞腫瘍NOS、プラズマ細胞腫NOS、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、血管中心性免疫増殖性病変、リンパ様肉芽腫症、血管免疫芽球性リンパ節症、T-ガンマリンパ増殖性疾患、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アルファ重鎖病、ガンマ重鎖病、フランクリン病、免疫増殖性小腸疾患、地中海病、悪性免疫増殖性疾患、非特異型、または免疫増殖性疾患NOSが含まれる血液学的悪性疾患であり得る。
【0250】
なお別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、対象において免疫不全疾患または障害を処置または予防するために構成される。免疫不全疾患または障害は、無ガンマグロブリン血症:X連鎖および常染色体劣性、毛細血管拡張性運動失調症、慢性肉芽腫性疾患および他の貪食細胞障害、分類不能型免疫不全症、補体欠損症、ディジョージ症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、高IgE症候群、高IgM症候群、IgGサブクラス欠損症、自然免疫欠損、NEMO欠損症候群、選択的IgA欠損症、選択的IgM欠損症、重症複合免疫不全症および複合免疫不全症、特異抗体欠損症、乳児一過性低ガンマグロブリン血症、WHIM症候群(疣贅、低ガンマグロブリン血症、感染症および骨髄性細胞貯留)、ウィスコット・アルドリッチ症候群、他の抗体欠損障害、他の原発性細胞性免疫不全症(Primary Cellular Immunodeficiency)、重症複合免疫不全症(SCID)、分類不能型免疫不全症(CVID)、ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)、薬物誘導性免疫不全症、移植片対宿主症候群、原発性免疫不全疾患(PIDD)またはリンパ球減少症であり得る。
【0251】
なお別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、対象において炎症性または自己免疫性疾患を処置または予防するために構成される。炎症性または自己免疫性疾患は、炎症、自己免疫性疾患、傍腫瘍性自己免疫性疾患、軟骨炎症、線維性疾患および/または骨分解、関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、少関節型若年性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、若年性強直性脊椎炎、若年性腸炎性関節炎、若年性反応性関節炎、若年性ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、若年性皮膚筋炎、若年性乾癬性関節炎、若年性強皮症、若年性全身性エリテマトーデス、若年性血管炎、少関節型関節リウマチ、多関節型関節リウマチ、全身型関節リウマチ、強直性脊椎炎、腸炎性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、皮膚筋炎、乾癬性関節炎、強皮症、全身性エリテマトーデス、血管炎、筋炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、変形性関節症、結節性多発動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、強皮症、硬化症、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、シェーグレン症候群、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、粥状動脈硬化、ループス、スチル病、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、多発性硬化症(MS)、喘息、COPD、ギラン・バレー病、I型糖尿病、甲状腺炎(例えば、グレーブス病)、アジソン病、レイノー現象、自己免疫性肝炎、GVHDならびに移植拒絶反応であり得る。
【0252】
なお別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、対象において感染性疾患または障害を処置または予防するために構成される。感染性疾患または障害は、Acinetobacter感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、Arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性腟症、Bacteroides感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、Baylisascaris感染症、BKウイルス感染症、黒色砂毛、ブラストシスティス症(Blastocystosis)、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス症(および乳児ボツリヌス症)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、Burkholderia感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症;鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングニア熱、Chlamydia、Chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子(Taiwan acute respiratory agent)またはTWAR)、コレラ、クロモブラストミコーシス、ツボカビ症、肝吸虫症、Clostridium difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、風邪(急性ウイルス性鼻咽頭炎;急性コリーザ)、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、Desmodesmus感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、腸蟯虫症(蟯虫感染症)、Enterococcus感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス(Epidemic typhus)、伝染性紅斑(第五病)、突発性発疹(第六病)、肝蛭症、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、Clostridium perfringensによる食中毒、自由生息アメーバ感染症、Fusobacterium感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼡径肉芽腫(鼡径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、Haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ハートランドウイルス疾患、Helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘンドラウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトewingiiエーリキア症、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球性エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、条虫症、エプスタイン・バーウイルス感染性単核球症(Mono)、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、Kingella kingae感染症、クールー、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ病)、ポンティアック熱、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア症(象皮症)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、中東呼吸器症候群(MERS)、類鼻疽(ホイットモア病(Whitmore’s disease))、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、ムンプス、発疹熱(Murine typhus/Endemic typhus)、Mycoplasma肺炎、Mycoplasma genitalium感染症、菌腫、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、ニパウイルス感染症、ノロウイルス(小児および乳児)、(新)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、ノカルジア症、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、頭部シラミ寄生症(アタマジラミ)、体部シラミ寄生症(コロモジラミ)、ケジラミ寄生症(ケジラミ(pubic lice/crab lice))、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(Pertussis/whooping cough)、ペスト、肺炎球菌感染症、Pneumocystis肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、Prevotella感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢(Shigellosis/bacillary dysentery)、帯状疱疹(Shingles/Herpes zoster)、天然痘(痘瘡)、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、ベジェル、梅毒およびイチゴ腫、テニア症、破傷風(Tetanus/lockjaw)、須毛白癬(白癬性毛瘡)、頭部白癬(頭皮の白癬)、体部白癬(体部の白癬)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(Tinea versicolor/Pityriasis versicolor)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラズマ症、トラコーマ、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス(Typhus fever)、Ureaplasma urealyticum感染症、バレー熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、Vibrio vulnificus感染症、Vibrio parahaemolyticus腸炎、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛(白癬症(tinea blanca))、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、黄熱病、ゼアスポラ(Zeaspora)、ジカ熱ならびに接合菌症であり得る。
【0253】
本発明の医薬組成物は、別の活性成分をさらに含み得る。他の活性成分は、任意の適切な疾患、障害または状態を処置または予防するための活性成分であり得る。ある特定の実施形態では、他の活性成分は、抗新生物物質であり得る。
【0254】
追加の活性成分は、本開示の少なくとも1つの例示的な改変されたIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートとは別の医薬組成物中に製剤化され得、あるいは単一の医薬組成物中に、本開示の少なくとも1つの例示的な改変されたIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートと共に含まれ得る。
【0255】
本発明の医薬組成物は、経口で、非経口で、吸入により、外用で、直腸に、経鼻で、頬側に、腟に、移植されたリザーバーを介して、または他の薬物投与方法を介して投与されるように製剤化され得る。用語「非経口」には、本明細書の至る所で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病変内および頭蓋内注射または注入技法が含まれる。
【0256】
無菌の注射可能な組成物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、当該分野で公知の技法に従って製剤化され得る。無菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁物であり得る。採用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。適切な担体および他の医薬組成物構成要素は、典型的には無菌である。
【0257】
さらに、無菌の不揮発油が、溶媒または懸濁化媒体として従来から採用されている(例えば、合成モノグリセリドまたはジグリセリド)。脂肪酸、例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、薬学的に許容される油、例えば、特に、そのポリオキシエチル化バージョンでの、オリーブ油またはヒマシ油と同様、注射可能物の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁物は、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロースもしくは類似の分散剤もまた含有し得る。薬学的に許容される固体、液体または他の投薬形態の製造において一般に使用される種々の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤もまた、製剤化を目的として使用され得る。
【0258】
経口投与のための組成物は、錠剤、カプセル、乳濁物ならびに水性の懸濁物、分散物および溶液が含まれるがこれらに限定されない、任意の経口的に許容される投薬形態であり得る。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用される担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムもまた添加され得る。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。水性懸濁物または乳濁物が経口投与される場合、活性成分は、乳化剤または懸濁化剤と組み合わせて、油相中に懸濁または溶解され得る。必要に応じて、ある特定の甘味剤、香味剤または着色剤が添加され得る。経鼻エアロゾルまたは吸入組成物は、医薬品製剤化の分野で周知の技法に従って調製され得、当該分野で公知の適切な防腐剤(例えば、ベンジルアルコール)、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、および/または他の可溶化剤もしくは分散剤を採用して、例えば、食塩水中の溶液として、調製され得る。
【0259】
本明細書に記載される化合物の任意の適切な製剤が調製され得る。一般に、Remington's Pharmaceutical Sciences, (2000) Hoover, J. E. editor, 20th edition, Lippincott Williams and Wilkins Publishing Company, Easton, Pa., pages 780-857を参照されたい。製剤は、適切な投与経路に適切であるように選択される。化合物が、安定な非毒性の酸または塩基の塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、塩としての化合物の投与が適切であり得る。薬学的に許容される塩の例は、生理的に許容されるアニオンを形成する酸を用いて形成された有機酸付加塩、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩(tartarate)、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩およびα-グリセロリン酸塩である。塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩および炭酸塩が含まれる適切な無機塩もまた、形成され得る。薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性の化合物、例えば、アミンを、適切な酸と反応させることによって、生理的に許容されるアニオンを得る、当該分野で周知の標準手順を使用して得られる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩もまた作製される。
【0260】
企図される化合物または物質が薬理学的組成物中で投与される場合、それらの化合物または物質は、薬学的に許容される賦形剤および/または担体と混合して製剤化され得ることが企図される。ある特定の実施形態では、企図される化合物または物質は、中性の化合物もしくは物質として、または薬学的に許容される塩として経口投与され得る、あるいは生理的食塩水溶液中で静脈内投与され得る。従来の緩衝剤、例えば、リン酸塩、重炭酸塩またはクエン酸塩が、この目的のために使用され得る。もちろん、当業者は、特定の投与経路のための多数の製剤を提供するために、本明細書の教示内で製剤を改変してもよい。特に、企図される化合物または物質は、水または他のビヒクル中でより可溶性になるように改変され得、これは、例えば、当業者の技術範囲内に十分に入る軽微な改変(塩の製剤化、エステル化など)によって容易に達成され得る。患者における最大限の有益な効果のために、本発明の化合物または物質、例えば、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートの薬物動態を管理するために、特定の化合物または物質の投与経路および投薬量レジメンを改変することもまた、十分に当業者の技術範囲内である。
【0261】
本発明の改変されたIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートは、有機溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、グリセロール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(N,N-dimetheylaceatmide)、ジメチルスルホキシドなどの中で可溶性であり得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、本発明の改変されたIL-2ポリペプチドまたは改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートを薬学的に許容される担体と混合することによって調製される製剤を提供する。ある特定の実施形態では、製剤は、a)記載された化合物または物質を、水溶性有機溶媒、非イオン性溶媒、水溶性脂質、シクロデキストリン、ビタミン、例えばトコフェロール、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、またはそれらの組合せ中に溶解させて、溶液を提供するステップ;およびb)食塩水、または1~10%炭水化物溶液を含有する緩衝液を添加するステップ、を含む方法を使用して、調製され得る。ある特定の実施形態では、炭水化物は、デキストロースを含む。本発明の方法を使用して得られた医薬組成物は、動物および臨床適用のために、安定かつ有用である。
【0262】
本発明の医薬組成物中での使用のための水溶性有機溶媒の例示的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)、アルコール、アセトニトリル、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、またはそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。アルコールの例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロールまたはプロピレングリコールが含まれるがこれらに限定されない。
【0263】
本発明の医薬組成物中での使用のための水溶性非イオン性界面活性剤の例示的な例には、CREMOPHOR(登録商標)EL、ポリエチレングリコール改変されたCREMOPHOR(登録商標)(ポリオキシエチレングリセロールトリリシノレート(polyoxyethyleneglyceroltriricinoleat)35)、水素化CREMOPHOR(登録商標)RH40、水素化CREMOPHOR(登録商標)RH60、PEG-サクシネート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、SOLUTOL(登録商標)HS(ポリエチレングリコール660 12-ヒドロキシステアレート)、モノオレイン酸ソルビタン、ポロクサマー、LABRAFIL(登録商標)(エトキシ化パーシック油)、LABRASOL(登録商標)(カプリル-カプロイルマクロゴール-8-グリセリド)、GELUCIRE(登録商標)(グリセロールエステル)、SOFTIGEN(登録商標)(PEG 6カプリルグリセリド)、グリセリン、グリコール-ポリソルベート、またはそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。
【0264】
本発明の医薬組成物中での使用のための水溶性脂質の例示的な例には、植物(vegetable)油、トリグリセリド、植物(plant)油、またはそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。脂質油の例には、ヒマシ油、ポリオキシルヒマシ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油、ラッカセイ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、水素化植物(vegetable)油、水素化ダイズ油、ココナツ油のトリグリセリド、パームシード油、およびそれらの水素化形態、またはそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。
【0265】
本発明の医薬組成物中での使用のための脂肪酸および脂肪酸エステルの例示的な例には、オレイン酸、モノグリセリド、ジグリセリド、PEGのモノ脂肪酸エステルもしくはジ脂肪酸エステル、またはそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。
【0266】
本発明の医薬組成物中での使用のためのシクロデキストリンの例示的な例には、アルファ-シクロデキストリン、ベータ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテル-ベータ-シクロデキストリンが含まれるがこれらに限定されない。
【0267】
本発明の医薬組成物中での使用のためのリン脂質の例示的な例には、ダイズホスファチジルコリン、もしくはジステアロイルホスファチジルグリセロール、およびそれらの水素化形態、またはそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。
【0268】
当業者は、特定の投与経路のための多数の製剤を提供するために、本明細書の教示内で製剤を改変してもよい。特に、化合物または物質は、水または他のビヒクル中でより可溶性になるように改変され得る。患者における最大限の有益な効果のために、本発明の化合物または物質の薬物動態を管理するために、特定の化合物または物質の投与経路および投薬量レジメンを改変することもまた、十分に当業者の技術範囲内である。
疾患または障害を処置または予防するための方法
【0269】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、それを必要とする対象において、疾患または障害、例えば、増殖疾患または障害を処置または予防するための方法であって、上記改変されたIL-2ポリペプチド、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートまたは医薬組成物の有効量を前記対象に投与するステップを含む、方法に関する。
【0270】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、任意の適切な対象において、疾患または障害、例えば、増殖疾患または障害を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、ヒトにおいて、疾患または障害、例えば、増殖疾患または障害を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、非ヒト哺乳動物において、疾患または障害、例えば、増殖疾患または障害を処置または予防するために使用され得る。
【0271】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において増殖障害を処置するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において増殖障害を予防するために使用され得る。
【0272】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において任意の適切な増殖疾患または障害を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において腫瘍を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象においてがんを処置または予防するために使用され得る。
【0273】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において固形腫瘍またはがんを処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において任意の適切な固形腫瘍またはがんを処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態、本明細書の至る所で開示される方法では、固形腫瘍またはがんは、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、心臓がん、星細胞腫、脳幹神経膠腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣腫、原始神経外胚葉性腫瘍、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫、神経膠腫、髄芽腫、神経芽腫、乏突起神経膠腫、松果体星細胞腫、下垂体腺腫、視覚路および視床下部神経膠腫、乳房がん、浸潤性小葉癌、管状癌、浸潤性篩状癌、髄様癌、男性乳房がん、葉状腫瘍、炎症性乳房がん、副腎皮質癌、膵島細胞癌(膵内分泌部)、多発性内分泌腫瘍症候群、副甲状腺がん、褐色細胞腫、甲状腺がん、メルケル細胞癌、ブドウ膜黒色腫、網膜芽細胞腫、肛門がん、虫垂がん、胆管細胞癌、消化管カルチノイド腫瘍(Carcinoid tumor,gastrointestinal)、結腸がん、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃(Gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍(Gastrointestinal carcinoid tumor)、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、膵島細胞がん、直腸がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん(表面上皮-間質腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、陰茎がん、腎細胞癌、腎盂および尿管の移行上皮がん、前立腺がん、精巣がん、妊娠性絨毛性腫瘍、尿管および腎盂の移行上皮がん、尿道がん、子宮肉腫、腟がん、外陰部がん、ウィルムス腫瘍、食道がん、頭頸部がん、上咽頭癌、口腔がん、中咽頭がん、副鼻腔および鼻腔がん、咽頭がん、唾液腺がん、下咽頭がん、基底細胞癌、黒色腫、皮膚がん(非黒色腫)、気管支腺腫/カルチノイド、小細胞肺がん、中皮腫、非小細胞肺がん、胸膜肺芽細胞腫、喉頭がん、胸腺腫および胸腺癌、AIDS関連がん、カポジ肉腫、類上皮血管内皮腫(EHE)、線維形成性小円形細胞腫瘍または脂肪肉腫であり得る。
【0274】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において血液学的悪性疾患を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において任意の適切な血液学的悪性疾患を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、血液学的悪性疾患は、骨髄性新生物、白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、細網内皮症、細網症、小グリア細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、形質細胞白血病、急性赤血病および赤白血病、急性赤血症性骨髄症、急性赤白血病、ハイルマイヤー・シェーナー病、急性巨核芽球性白血病、マスト細胞白血病、汎骨髄症、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、リンパ肉腫細胞白血病、細胞型不明の急性白血病、急性転化期慢性骨髄性白血病、幹細胞白血病、細胞型不明の慢性白血病、細胞型不明の亜急性白血病、移行期慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、急性前骨髄球性白血病、急性好塩基球性白血病、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟を伴う急性骨髄芽球性白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好中球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、慢性特発性骨髄線維症、多発性骨髄腫、ケーラー病、骨髄腫症、孤立性骨髄腫、形質細胞白血病、髄外性プラズマ細胞腫、悪性形質細胞腫瘍NOS、プラズマ細胞腫NOS、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、血管中心性免疫増殖性病変、リンパ様肉芽腫症、血管免疫芽球性リンパ節症、T-ガンマリンパ増殖性疾患、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アルファ重鎖病、ガンマ重鎖病、フランクリン病、免疫増殖性小腸疾患、地中海病、悪性免疫増殖性疾患、非特異型、または免疫増殖性疾患NOSであり得る。
【0275】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において免疫不全疾患または障害を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において任意の適切な免疫不全疾患または障害を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、免疫不全疾患または障害は、無ガンマグロブリン血症:X連鎖および常染色体劣性、毛細血管拡張性運動失調症、慢性肉芽腫性疾患および他の貪食細胞障害、分類不能型免疫不全症、補体欠損症、ディジョージ症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、高IgE症候群、高IgM症候群、IgGサブクラス欠損症、自然免疫欠損、NEMO欠損症候群、選択的IgA欠損症、選択的IgM欠損症、重症複合免疫不全症および複合免疫不全症、特異抗体欠損症、乳児一過性低ガンマグロブリン血症、WHIM症候群(疣贅、低ガンマグロブリン血症、感染症および骨髄性細胞貯留)、ウィスコット・アルドリッチ症候群、他の抗体欠損障害、他の原発性細胞性免疫不全症(Primary Cellular Immunodeficiency)、重症複合免疫不全症(SCID)、分類不能型免疫不全症(CVID)、ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)、薬物誘導性免疫不全症、移植片対宿主症候群、原発性免疫不全疾患(PIDD)またはリンパ球減少症であり得る。
【0276】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、自己免疫性疾患または障害を処置または予防するために使用され得る。ある特定の実施形態では、自己免疫性疾患または障害は、炎症、自己免疫性疾患、傍腫瘍性自己免疫性疾患、軟骨炎症、線維性疾患および/または骨分解、関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、少関節型若年性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、若年性強直性脊椎炎、若年性腸炎性関節炎、若年性反応性関節炎、若年性ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、若年性皮膚筋炎、若年性乾癬性関節炎、若年性強皮症、若年性全身性エリテマトーデス、若年性血管炎、少関節型関節リウマチ、多関節型関節リウマチ、全身型関節リウマチ、強直性脊椎炎、腸炎性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、皮膚筋炎、乾癬性関節炎、強皮症、全身性エリテマトーデス、血管炎、筋炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、変形性関節症、結節性多発動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、強皮症、硬化症、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、シェーグレン症候群、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、粥状動脈硬化、ループス、スチル病、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、多発性硬化症(MS)、喘息、COPD、ギラン・バレー病、I型糖尿病、甲状腺炎(例えば、グレーブス病)、アジソン病、レイノー現象、自己免疫性肝炎、GVHD、移植拒絶反応などを含む。しかし、自己免疫性疾患は、非常に活発な研究領域であり、本明細書の至る所で提供される開示が処置によって得られ得るときには、さらなる疾患が同定される可能性がある。自己免疫性疾患の定義では、免疫系が、それ自身のヒト疾患タンパク質、細胞および組織を攻撃する。自己免疫性疾患の包括的レビューおよびリストは、The Autoimmune Diseases (Rose and Mackay, 2014, Academic Press)において見出され得る。本発明の方法は、対象において増殖障害を処置または予防するための第2の治療剤の有効量を投与するステップをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、対象において増殖疾患または障害、例えば、腫瘍またはがんを処置または予防するために使用され得、抗新生物物質を対象に投与するステップをさらに含み得る。
【0277】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される医薬組成物は、対象において感染性疾患または障害を処置または予防するために構成される。ある特定の実施形態では、感染性疾患または障害は、Acinetobacter感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、Arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性腟症、Bacteroides感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、Baylisascaris感染症、BKウイルス感染症、黒色砂毛、ブラストシスティス症(Blastocystosis)、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス症(および乳児ボツリヌス症)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、Burkholderia感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症;鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングニア熱、Chlamydia、Chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子(Taiwan acute respiratory agent)またはTWAR)、コレラ、クロモブラストミコーシス、ツボカビ症、肝吸虫症、Clostridium difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、風邪(急性ウイルス性鼻咽頭炎;急性コリーザ)、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、Desmodesmus感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、腸蟯虫症(蟯虫感染症)、Enterococcus感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス(Epidemic typhus)、伝染性紅斑(第五病)、突発性発疹(第六病)、肝蛭症、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、Clostridium perfringensによる食中毒、自由生息アメーバ感染症、Fusobacterium感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼡径肉芽腫(鼡径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、Haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ハートランドウイルス疾患、Helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘンドラウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトewingiiエーリキア症、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球性エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、条虫症、エプスタイン・バーウイルス感染性単核球症(Mono)、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、Kingella kingae感染症、クールー、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ病)、ポンティアック熱、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア症(象皮症)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、中東呼吸器症候群(MERS)、類鼻疽(ホイットモア病(Whitmore’s disease))、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、ムンプス、発疹熱(Murine typhus/Endemic typhus)、Mycoplasma肺炎、Mycoplasma genitalium感染症、菌腫、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、ニパウイルス感染症、ノロウイルス(小児および乳児)、(新)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、ノカルジア症、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、頭部シラミ寄生症(アタマジラミ)、体部シラミ寄生症(コロモジラミ)、ケジラミ寄生症(ケジラミ(pubic lice/crab lice))、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(Pertussis/whooping cough)、ペスト、肺炎球菌感染症、Pneumocystis肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、Prevotella感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢(Shigellosis/bacillary dysentery)、帯状疱疹(Shingles/Herpes zoster)、天然痘(痘瘡)、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、ベジェル、梅毒およびイチゴ腫、テニア症、破傷風(Tetanus/lockjaw)、須毛白癬(白癬性毛瘡)、頭部白癬(頭皮の白癬)、体部白癬(体部の白癬)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(Tinea versicolor/Pityriasis versicolor)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラズマ症、トラコーマ、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス(Typhus fever)、Ureaplasma urealyticum感染症、バレー熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、Vibrio vulnificus感染症、Vibrio parahaemolyticus腸炎、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛(白癬症(tinea blanca))、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、黄熱病、ゼアスポラ(Zeaspora)、ジカ熱または接合菌症を含む。
【0278】
本明細書の至る所で開示される方法を実施するために、上記改変されたIL-2ポリペプチド、および/または改変されたIL-2ポリペプチドもしくはそのコンジュゲートをコードするDNAポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクター、あるいはそれらのいずれかを含む医薬組成物は、任意の適切な経路を介して投与され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される、改変されたIL-2ポリペプチドおよび/または改変されたIL-2ポリペプチドもしくはそのコンジュゲートをコードするDNAポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクター、あるいはそれらのいずれかを含む医薬組成物は、経口で、非経口で、吸入により、外用で、直腸に、経鼻で、頬側に、腟に、移植されたリザーバーを介して、または他の薬物投与方法を介して投与され得る。用語「非経口」には、本明細書の至る所で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病変内および頭蓋内注射または注入技法が含まれる。
【0279】
無菌の注射可能な組成物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、当該分野で公知の技法に従って製剤化され得る。無菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁物であり得る。採用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。適切な担体および他の医薬組成物構成要素は、典型的には無菌である。
【0280】
さらに、無菌の不揮発油が、溶媒または懸濁化媒体として従来から採用されている(例えば、合成モノグリセリドまたはジグリセリド)。脂肪酸、例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、薬学的に許容される油、例えば、特に、そのポリオキシエチル化バージョンでの、オリーブ油またはヒマシ油と同様、注射可能物の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁物は、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロースもしくは類似の分散剤もまた含有し得る。薬学的に許容される固体、液体または他の投薬形態の製造において一般に使用される種々の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤もまた、製剤化を目的として使用され得る。
【0281】
経口投与のための組成物は、錠剤、カプセル、乳濁物ならびに水性の懸濁物、分散物および溶液が含まれるがこれらに限定されない、任意の経口的に許容される投薬形態であり得る。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用される担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムもまた添加され得る。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。水性懸濁物または乳濁物が経口投与される場合、活性成分は、乳化剤または懸濁化剤と組み合わせて、油相中に懸濁または溶解され得る。必要に応じて、ある特定の甘味剤、香味剤または着色剤が添加され得る。経鼻エアロゾルまたは吸入組成物は、医薬品製剤化の分野で周知の技法に従って調製され得、当該分野で公知の適切な防腐剤(例えば、ベンジルアルコール)、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、および/または他の可溶化剤もしくは分散剤を採用して、例えば、食塩水中の溶液として、調製され得る。
【0282】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、対象において疾患または障害、例えば、増殖疾患または障害を処置または予防するための医薬の製造のための、上記改変されたIL-2ポリペプチドおよび/または改変されたIL-2ポリペプチドもしくはそのコンジュゲートをコードするDNAポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクター、あるいはそれらのいずれかを含む医薬組成物の有効量の使用に関する。
種々の免疫細胞を拡大増殖させるための方法
【0283】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、CD25+Treg、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞またはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、上記改変されたIL-2ポリペプチドおよび/または改変されたIL-2ポリペプチドもしくはそのコンジュゲートをコードするDNAポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクター、あるいはそれらのいずれかを含む医薬組成物の有効量と接触させるステップを含み、それにより、Treg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、NK細胞、ならびに/またはNKT細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法に関する。
【0284】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、Treg細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞またはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、上記改変されたIL-2ポリペプチドおよび/または改変されたIL-2ポリペプチドもしくはそのコンジュゲートをコードするDNAポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクター、あるいはそれらのいずれかを含む医薬組成物の有効量と接触させるステップを含み、それにより、10%~100%低減された細胞死、例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはそれらの任意の部分範囲低減された細胞死を伴った、Treg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、NK細胞、ならびに/またはNKT細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法に関する。
【0285】
ある特定の実施形態では、上記改変されたIL-2ポリペプチドおよび/またはコードするRNA/DNA/ウイルスベクター、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートあるいは医薬組成物は、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む匹敵するIL-2ポリペプチドと接触させたCD3細胞集団中のCD25Treg細胞の拡大増殖と比較して、CD3細胞集団中のCD25T調節性(Treg)細胞を、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%よりも大きく、またはそれよりも大きく拡大増殖させる。ある特定の実施形態では、上記改変されたIL-2ポリペプチドおよび/または改変されたIL-2ポリペプチドもしくはそのコンジュゲートをコードするDNAポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクター、あるいはそれらのいずれかを含む医薬組成物は、細胞集団中のCD8T細胞を拡大増殖させない。なお別の実施形態では、上記改変されたIL-2ポリペプチドおよび/またはコードするRNA/DNA/ウイルスベクター、改変されたIL-2ポリペプチドコンジュゲートあるいは医薬組成物とのインキュベーション後の、細胞集団中のTreg細胞のTeff細胞に対する比は、約1:100、1:50、1:20、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、50:1、100:1、またはそれよりも大きい。
【0286】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、任意の適切な様式で実施され得る。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、in vivoで実施される。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、in vitroで実施される。ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で開示される方法は、ex vivoで実施される。
【0287】
ある特定の実施形態では、本明細書の至る所で提供される開示は、細胞集団中のTreg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞またはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡大増殖させるための医薬の製造のための、上記改変されたIL-2ポリペプチドおよび/または改変されたIL-2ポリペプチドもしくはそのコンジュゲートをコードするDNAポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクター、あるいはそれらのいずれかを含む医薬組成物の有効量の使用に関する。ある特定の実施形態では、本発明の使用は、対象中のTreg細胞、CD4ヘルパー細胞、CD8エフェクターナイーブおよびメモリー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞またはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡大増殖させるために構成される。
他の例示的な実施形態
【0288】
実施形態1.
配列番号1または配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む改変されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、L18、L19、N29、Y31、V69、N71、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然または非天然のアミノ酸による置換を含み、
a)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体α(IL-2Rα)に対する増強された結合を有する;および/または
b)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)に対する増強された結合を有する;および/または
b)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体αβγ(IL-2Rαβγ)を発現する細胞に対する増強された結合を有する;および/または
c)置換なしのIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγを介した増強された受容体シグナル伝達潜在力を有する;および/または
e)置換なしのIL-2ポリペプチドのIL-2Rαβγ受容体シグナル伝達潜在力のIL-2Rβγ受容体シグナル伝達潜在力に対する比と比較して、IL-2Rαβγ受容体シグナル伝達潜在力のIL-2Rβγ受容体シグナル伝達潜在力に対する増強された比を有する;および/または
f)コンジュゲート化部分にコンジュゲートされるように構成されている;および/または
g)コンジュゲート化部分にコンジュゲートされている;および/または
h)a)~g)の組合せである、改変されたIL-2ポリペプチド。
【0289】
実施形態2.
a)N29位におけるシステイン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換;および/または
b)Y31位におけるシステイン、リシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシンまたはフェニルアラニンによる置換
を含む、実施形態1に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0290】
実施形態3.
置換N29Cを含む、実施形態1または実施形態2に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0291】
実施形態4.
置換Y31Cを含む、実施形態1から3のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0292】
実施形態5.
L18、L19、V69、Q74、N88、V91およびI128からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、メチオニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリンまたはチロシンによる置換を含む、実施形態1から4に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0293】
実施形態6.
Y31Cからなる群から選択される置換を含む、実施形態1から5のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0294】
実施形態7.
水溶性ポリマー、脂質、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、およびそれらの組合せからなる群から選択されるコンジュゲート化部分にコンジュゲートされている、実施形態1から6のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0295】
実施形態8.
ポリエチレングリコールにコンジュゲートされている、実施形態1から7のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0296】
実施形態9.
N29C、N30C、Y31C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131Cからなる群から選択される突然変異を含み、N29C、N30C、Y31C、E100C、N119C、T123C、S127CまたはT131C部位においてペグ化されている、実施形態1から8のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0297】
実施形態10.
N29CまたはY31C突然変異を含む、実施形態1から9のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0298】
実施形態11.
a)N29、N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置における、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換;または
b)N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置における、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンによる置換
を含む、実施形態1から10のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0299】
実施形態12.
a)N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み、
N29、N30、Y31、E100、N119、T123、S127、T131からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに
(i)コンジュゲートされていない;
(ii)コンジュゲートされている;または
(iii)コンジュゲートされるように構成されている;ならびに/あるいは
b)N29、N30、Y31からなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み、
N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに
(i)コンジュゲートされていない;
(ii)コンジュゲートされている;または
(iii)コンジュゲートされるように構成されている;ならびに/あるいは
c)N29、N30、Y31、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による置換を含み、
改変されたIL-2ポリペプチドのN末端および/またはC末端において、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに
(i)コンジュゲートされていない;
(ii)コンジュゲートされている;または
(iii)コンジュゲートされるように構成されている
実施形態1から11のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0300】
実施形態13.
a)N29、N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、システインによる置換;および/または
b)N30、Y31からなる群から選択される1つまたは複数の位置において、システインによる置換;および/または
c)Y31の位置において、システインによる置換;および/または
f)N30の位置において、システインによる置換
を含む、実施形態1から12のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0301】
実施形態14.
IL-2Rα相互作用領域および/またはIL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、実施形態1から13のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0302】
実施形態15.
IL-2Rβ相互作用領域および/またはIL-2Rγ相互作用領域内の位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、実施形態1から14のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0303】
実施形態16.
L18、L19、V69、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸による1つまたは複数の置換を含む、実施形態1から15のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0304】
実施形態17.
L18、L19、V69、Q74、N88、V91、I128、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、リシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、メチオニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリンまたはチロシンによる1つまたは複数の置換を含む、実施形態1から16のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0305】
実施形態18.
a)L18位において、メチオニンによる置換;および/または
b)L19の位置において、セリンによる置換;および/または
c)Y31の位置において、システインによる置換、および/または
d)V69の位置において、アラニンによる置換;および/または
e)Q74の位置において、プロリンによる置換;および/または
f)N88の位置において、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシンによる置換;および/または
g)N88の位置において、アルギニンによる置換;および/または
h)N88の位置において、アスパラギン酸による置換;
i)N88の位置において、グルタミン酸による置換;
j)N88の位置において、リシンによる置換;
k)V91の位置において、リシンによる置換;
l)I128の位置において、スレオニンによる置換;および/または
m)a)~l)の組合せ
を含む、実施形態1から17のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
実施形態19.
a)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;ならびに/または
b)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換;ならびに/または
c)IL-2Rα相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、IL-2Rβ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換、およびIL-2Rγ相互作用領域内の位置における、天然のアミノ酸による置換
を含む、実施形態1から18のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0306】
実施形態20.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合を有する、実施形態1から19のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0307】
実施形態21.
IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する改変されたIL-2ポリペプチドの結合親和性が、約10%から約100%まで増加される、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加される、実施形態1から20のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0308】
実施形態22.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞に対する増加した結合を有する、実施形態1から21のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0309】
実施形態23.
約10%から約100%まで増加された、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加された、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞に対する増加した結合を有する、実施形態1から22のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0310】
実施形態24.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による低減された内在化を有する、実施形態1から23のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0311】
実施形態25.
約10%から約100%までである、または約1倍から約100,000倍までもしくはそれよりも大きく増加された、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による内在化を有する、実施形態1から24のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0312】
実施形態26.
IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による検出可能な内在化を有さない、実施形態1から25のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0313】
実施形態27.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、実施形態1から26のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0314】
実施形態28.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する増加した結合を有し、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、実施形態1から27のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0315】
実施形態29.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合、ならびにIL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞上での増加した結合を有し、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による低減された内在化を有する、実施形態1から28のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0316】
実施形態30.
(i)IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増加した結合を有する;(ii)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞上での増加した結合を有する;(iii)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rα発現細胞および/またはIL-2Rαβγ発現細胞による検出可能な内在化を有さない;ならびに(iv)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへの増加した受容体シグナル伝達潜在力を有する、実施形態1から29のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0317】
実施形態31.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、インターロイキン2受容体β(IL-2Rβ)またはインターロイキン2受容体γ(IL-2Rγ)に対する低減された結合レベルを有する;および/または
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへの低減された受容体シグナル伝達潜在力を有する
実施形態1から30のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
実施形態32.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへのより低い受容体シグナル伝達潜在力を有する、実施形態1から31のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
実施形態33.
(i)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2RβまたはIL-2Rγに対するより低い結合レベル;および(ii)置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rβγへのより低い受容体シグナル伝達潜在力を有する、実施形態1から32のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0318】
実施形態34.
置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαβγへのそのシグナル伝達潜在力とIL-2Rβγへのシグナル伝達潜在力との間での増加した比を有する、実施形態1から33のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0319】
実施形態35.
1倍よりも大きい、10倍よりも大きい、100倍よりも大きい、1,000倍よりも大きい、10,000倍よりも大きい、100,000倍よりも大きい、IL-2Rαβγへのそのシグナル伝達潜在力とIL-2Rβγへのシグナル伝達潜在力との間での増加した比を有する、実施形態1から34のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0320】
実施形態36.
改変されたIL-2ポリペプチドが、N末端欠失を含み、前記欠失が、前記N末端欠失を含まない対応する改変されたIL-2ポリペプチド中に存在するそれらを包含するアミノ酸残基1~30のうち1つまたは複数の欠失を含む、実施形態1から35のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0321】
実施形態37.
改変されたIL-2ポリペプチドが、C末端欠失を含み、前記欠失が、前記C末端欠失を含まない対応する改変されたIL-2ポリペプチド中に存在するそれらを包含するアミノ酸残基114~134のうち1つまたは複数の欠失を含む、実施形態1から36のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0322】
実施形態38.
N末端欠失およびC末端欠失を含む、実施形態1から37のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0323】
実施形態39.
追加のアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドの一部である、実施形態1から38のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0324】
実施形態40.
改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む組換え融合タンパク質を含む、実施形態1から39のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0325】
実施形態41.
改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されている、実施形態1から40のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0326】
実施形態42.
改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含む、実施形態1から41のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0327】
実施形態43.
改変されたIL-2ポリペプチドのN末端またはC末端が、追加のアミノ酸配列に融合されており、前記追加のアミノ酸配列が、抗体のFc部分、またはその一部分もしくは断片を含む、実施形態1から42のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0328】
実施形態44.
単離されている、実施形態1から43のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0329】
実施形態45.
改変されたIL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターから発現される、実施形態1から44のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
実施形態46.
改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターから発現され、前記ベクターが、RNAベクター、DNA、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターである、実施形態1から45のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0330】
実施形態47.
水溶性ポリマー、脂質、ポリペプチド、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされた実施形態1から46のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドを含む、改変されたIL-2ポリペプチド。
【0331】
実施形態48.
1つまたは複数の共有結合を介して、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から47のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0332】
実施形態49.
1つまたは複数の非共有結合を介して、1つまたは複数の水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から48のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0333】
実施形態50.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から49のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0334】
実施形態51.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から50のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0335】
実施形態52.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から51のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0336】
実施形態53.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたシステインを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から52のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0337】
実施形態54.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から53のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0338】
実施形態55.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換された天然のアミノ酸を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から54のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0339】
実施形態56.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたリシン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アラニン、トリプトファン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロシンを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から55に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0340】
実施形態57.
L18、L19、N30、Y31、V69、Q74、N88、V91、I128、E100、N119、T123、S127、T131、およびそれらの組合せからなる群から選択される位置において、置換されたシステインを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から56に記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0341】
実施形態58.
改変されたIL-2ポリペプチドの単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から57のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0342】
実施形態59.
i)改変されたIL-2ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;
ii)改変されたIL-2ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;または
iii)改変されたIL-2ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位
を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から58のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0343】
実施形態60.
リンカーを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされている、実施形態1から59のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0344】
実施形態61.
改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から60のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0345】
実施形態62.
改変されたIL-2ポリペプチド内に位置する単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から61のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0346】
実施形態63.
改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、単一のアミノ酸残基が、追加のアミノ酸配列内に位置する、実施形態1から62のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0347】
実施形態64.
改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、追加のアミノ酸配列が、抗体配列またはその一部分もしくは断片を含む、実施形態1から63のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0348】
実施形態65.
改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、追加のアミノ酸配列が、抗体のFc部分を含む、実施形態1から64のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0349】
実施形態66.
改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、単一のアミノ酸残基が、
i)融合ポリペプチドのN末端アミノ酸残基のアルファアミノ基;
ii)融合ポリペプチドのリシンアミノ酸残基のイプシロンアミノ基;または
iii)融合ポリペプチドのN-グリコシル化部位もしくはO-グリコシル化部位
である、実施形態1から65のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
実施形態67.
改変されたIL-2ポリペプチドが、改変されたIL-2ポリペプチドと追加のアミノ酸配列とを含む融合ポリペプチド中の単一のアミノ酸残基を介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされており、融合ポリペプチドが、リンカーを介して、水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドに共有結合的にコンジュゲートされている、実施形態1から65のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
実施形態68.
水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、実施形態1から67のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0350】
実施形態69.
ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカリド)、ポリ(a-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、またはそれらの組合せを含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、実施形態1から68のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0351】
実施形態70.
PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、実施形態1から69のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0352】
実施形態71.
直鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、実施形態1から70のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0353】
実施形態72.
分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、実施形態1から71のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0354】
実施形態73.
中心コア基から発する約3~約10本のPEG鎖を含む分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされている、実施形態1から72のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0355】
実施形態74.
改変されたIL-2ポリペプチドが、分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、分岐鎖PEG分子が、中心コア基から発する約10~約100本のPEG鎖を含む星型PEGである、実施形態1から73のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0356】
実施形態75.
改変されたIL-2ポリペプチドが、分岐鎖PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、分岐鎖PEG分子が、ポリマー骨格上にグラフトされた複数のPEG鎖を含む櫛型PEGである、実施形態1から74のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0357】
実施形態76.
改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、約300g/mol~約10,000,000g/molの分子量の範囲を有する、実施形態1から75のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0358】
実施形態77.
改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、約5,000ダルトン~約1,000,000ダルトンの平均分子量を有する、実施形態1から76のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0359】
実施形態78.
改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、約20,000ダルトン~約30,000ダルトンの平均分子量を有する、実施形態1から77のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0360】
実施形態79.
改変されたIL-2ポリペプチドが、PEG分子を含む水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、PEG分子が、単分散型、均質型または離散型PEG分子である、実施形態1から78のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0361】
実施形態80.
改変されたIL-2ポリペプチドが、水溶性ポリマーにコンジュゲートされており、水溶性ポリマーが、ポリサッカリドを含む、実施形態1から79のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0362】
実施形態81.
脂質にコンジュゲートされている、実施形態1から80のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0363】
実施形態82.
改変されたIL-2ポリペプチドが、脂質にコンジュゲートされており、脂質が、脂肪酸を含む、実施形態1から81のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0364】
実施形態83.
タンパク質にコンジュゲートされている、実施形態1から82のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0365】
実施形態84.
改変されたIL-2ポリペプチドが、タンパク質にコンジュゲートされており、タンパク質が、抗体またはその結合性断片を含む、実施形態1から83のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0366】
実施形態85.
抗体のFc部分またはその断片にコンジュゲートされている、実施形態1から84のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0367】
実施形態86.
改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸にリンカーを介して間接的に結合された水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から85のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0368】
実施形態87.
改変されたIL-2ポリペプチドの置換された天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸に直接的に結合された水溶性ポリマー、脂質、タンパク質またはペプチドにコンジュゲートされている、実施形態1から86のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0369】
実施形態88.
約5分間~約10日間のin vivo半減期を有する、実施形態1から87のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0370】
実施形態89.
ACT5200、ACT5201、ACT5210、ACT5211、ACT5212、ACT522S0、ACT522S1、ACT5230、ACT5231、ACT5260、ACT5261、ACT5270、ACT5271、ACT5280、ACT5281、ACT5290およびACT5291からなる群から選択される、実施形態1から88のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド。
【0371】
実施形態90.
実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドの有効量と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【0372】
実施形態91.
別の活性成分をさらに含む、実施形態90に記載の医薬組成物。
【0373】
実施形態92.
1種または複数の追加の成分をさらに含み、1種または複数の活性成分が、
(i)抗炎症性物質もしくは抗自己免疫性物質;
(ii)抗新生物物質;
(iii)抗感染性疾患物質;および/または
(iv)免疫不全障害
を含む、実施形態90または実施形態91に記載の医薬組成物。
【0374】
実施形態93.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物。
【0375】
実施形態94.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、疾患または障害が、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【0376】
実施形態95.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【0377】
実施形態96.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、疾患または障害が、感染性疾患または障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【0378】
実施形態97.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防することにおける使用のための、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-1ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物であって、疾患または障害が、免疫不全障害を含む、改変されたIL-1ポリペプチドまたは医薬組成物。
【0379】
実施形態98.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含む、方法。
【0380】
実施形態99.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害を含む、方法。
【0381】
実施形態100.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、増殖疾患または障害を含む、方法。
【0382】
実施形態101.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、感染性疾患または障害を含む、方法。
【0383】
実施形態102.
疾患または障害を有するまたは有すると疑われる対象において、疾患または障害を処置または予防するための方法であって、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドまたは実施形態90から92のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与するステップを含み、疾患または障害が、免疫不全疾患または障害を含む、方法。
【0384】
実施形態103.
対象がヒトである、実施形態93から97のいずれかに記載の使用または実施形態98から102のいずれかに記載の方法。
【0385】
実施形態104.
対象が非ヒト哺乳動物である、実施形態93から97のいずれかに記載の使用または実施形態97から102のいずれかに記載の方法。
【0386】
実施形態105.
増殖障害が、腫瘍を含む、実施形態95に記載の使用または実施形態100に記載の方法。
【0387】
実施形態106.
増殖障害が、がんを含む、実施形態95に記載の使用または実施形態100に記載の方法。
【0388】
実施形態107.
増殖障害が、固形腫瘍またはがんを含む、実施形態95に記載の使用または実施形態100に記載の方法。
【0389】
実施形態108.
増殖障害が、固形腫瘍またはがんを含み、固形腫瘍またはがんが、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、心臓がん、星細胞腫、脳幹神経膠腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣腫、原始神経外胚葉性腫瘍、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫、神経膠腫、髄芽腫、神経芽腫、乏突起神経膠腫、松果体星細胞腫、下垂体腺腫、視覚路および視床下部神経膠腫、乳房がん、浸潤性小葉癌、管状癌、浸潤性篩状癌、髄様癌、男性乳房がん、葉状腫瘍、炎症性乳房がん、副腎皮質癌、膵島細胞癌(膵内分泌部)、多発性内分泌腫瘍症候群、副甲状腺がん、褐色細胞腫、甲状腺がん、メルケル細胞癌、ブドウ膜黒色腫、網膜芽細胞腫、肛門がん、虫垂がん、胆管細胞癌、消化管カルチノイド腫瘍(Carcinoid tumor,gastrointestinal)、結腸がん、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃(Gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍(Gastrointestinal carcinoid tumor)、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、膵島細胞がん、直腸がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣がん、卵巣上皮がん(表面上皮-間質腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、陰茎がん、腎細胞癌、腎盂および尿管の移行上皮がん、前立腺がん、精巣がん、妊娠性絨毛性腫瘍、尿管および腎盂の移行上皮がん、尿道がん、子宮肉腫、腟がん、外陰部がん、ウィルムス腫瘍、食道がん、頭頸部がん、上咽頭癌、口腔がん、中咽頭がん、副鼻腔および鼻腔がん、咽頭がん、唾液腺がん、下咽頭がん、基底細胞癌、黒色腫、皮膚がん(非黒色腫)、気管支腺腫/カルチノイド、小細胞肺がん、中皮腫、非小細胞肺がん、胸膜肺芽細胞腫、喉頭がん、胸腺腫および胸腺癌、AIDS関連がん、カポジ肉腫、類上皮血管内皮腫(EHE)、線維形成性小円形細胞腫瘍ならびに脂肪肉腫からなる群から選択される、実施形態95に記載の使用または実施形態100に記載の方法。
【0390】
実施形態109.
増殖障害が、腫瘍またはがんを含み、腫瘍またはがんが、血液学的悪性疾患である、実施形態95に記載の使用または実施形態100に記載の方法。
【0391】
実施形態110.
増殖障害が、腫瘍またはがんを含み、腫瘍またはがんが、骨髄性新生物、白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、細網内皮症、細網症、小グリア細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、形質細胞白血病、急性赤血病および赤白血病、急性赤血症性骨髄症、急性赤白血病、ハイルマイヤー・シェーナー病、急性巨核芽球性白血病、マスト細胞白血病、汎骨髄症、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、リンパ肉腫細胞白血病、細胞型不明の急性白血病、急性転化期慢性骨髄性白血病、幹細胞白血病、細胞型不明の慢性白血病、細胞型不明の亜急性白血病、移行期慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、急性前骨髄球性白血病、急性好塩基球性白血病、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟を伴う急性骨髄芽球性白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞性慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好中球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、慢性特発性骨髄線維症、多発性骨髄腫、ケーラー病、骨髄腫症、孤立性骨髄腫、形質細胞白血病、髄外性プラズマ細胞腫、悪性形質細胞腫瘍NOS、プラズマ細胞腫NOS、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、血管中心性免疫増殖性病変、リンパ様肉芽腫症、血管免疫芽球性リンパ節症、T-ガンマリンパ増殖性疾患、ワルデンストレームマクログロブリン血症、アルファ重鎖病、ガンマ重鎖病、フランクリン病、免疫増殖性小腸疾患、地中海病、悪性免疫増殖性疾患、非特異型、ならびに免疫増殖性疾患NOSからなる群から選択される血液学的悪性疾患である、実施形態95に記載の使用または実施形態100に記載の方法。
【0392】
実施形態111.
炎症性疾患もしくは障害または自己免疫性疾患もしくは障害が、炎症、自己免疫性疾患、傍腫瘍性自己免疫性疾患、軟骨炎症、線維性疾患および/または骨分解、関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、少関節型若年性関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、若年性強直性脊椎炎、若年性腸炎性関節炎、若年性反応性関節炎、若年性ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、若年性皮膚筋炎、若年性乾癬性関節炎、若年性強皮症、若年性全身性エリテマトーデス、若年性血管炎、少関節型関節リウマチ、多関節型関節リウマチ、全身型関節リウマチ、強直性脊椎炎、腸炎性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、SEA症候群(血清陰性、腱付着部症、関節症症候群)、皮膚筋炎、乾癬性関節炎、強皮症、全身性エリテマトーデス、血管炎、筋炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、変形性関節症、結節性多発動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、強皮症、硬化症、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、シェーグレン症候群、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、粥状動脈硬化、ループス、スチル病、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、多発性硬化症(MS)、喘息、COPD、ギラン・バレー病、I型糖尿病、甲状腺炎(例えば、グレーブス病)、アジソン病、レイノー現象、自己免疫性肝炎、GVHDならびに移植拒絶反応からなる群から選択される、実施形態94に記載の使用または実施形態99に記載の方法。
【0393】
実施形態112.
感染性疾患が、Acinetobacter感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、Arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性腟症、Bacteroides感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、Baylisascaris感染症、BKウイルス感染症、黒色砂毛、ブラストシスティス症(Blastocystosis)、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス症(および乳児ボツリヌス症)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、Burkholderia感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症;鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングニア熱、Chlamydia、Chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子(Taiwan acute respiratory agent)またはTWAR)、コレラ、クロモブラストミコーシス、ツボカビ症、肝吸虫症、Clostridium difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、風邪(急性ウイルス性鼻咽頭炎;急性コリーザ)、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、Desmodesmus感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、腸蟯虫症(蟯虫感染症)、Enterococcus感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス(Epidemic typhus)、伝染性紅斑(第五病)、突発性発疹(第六病)、肝蛭症、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、Clostridium perfringensによる食中毒、自由生息アメーバ感染症、Fusobacterium感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼡径肉芽腫(鼡径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、Haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ハートランドウイルス疾患、Helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘンドラウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトewingiiエーリキア症、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球性エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、条虫症、エプスタイン・バーウイルス感染性単核球症(Mono)、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、Kingella kingae感染症、クールー、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ病)、ポンティアック熱、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア症(象皮症)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、中東呼吸器症候群(MERS)、類鼻疽(ホイットモア病(Whitmore’s disease))、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、ムンプス、発疹熱(Murine typhus/Endemic typhus)、Mycoplasma肺炎、Mycoplasma genitalium感染症、菌腫、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、ニパウイルス感染症、ノロウイルス(小児および乳児)、(新)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、ノカルジア症、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、頭部シラミ寄生症(アタマジラミ)、体部シラミ寄生症(コロモジラミ)、ケジラミ寄生症(ケジラミ(pubic lice/crab lice))、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(Pertussis/whooping cough)、ペスト、肺炎球菌感染症、Pneumocystis肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、Prevotella感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢(Shigellosis/bacillary dysentery)、帯状疱疹(Shingles/Herpes zoster)、天然痘(痘瘡)、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、ベジェル、梅毒およびイチゴ腫、テニア症、破傷風(Tetanus/lockjaw)、須毛白癬(白癬性毛瘡)、頭部白癬(頭皮の白癬)、体部白癬(体部の白癬)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(Tinea versicolor/Pityriasis versicolor)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラズマ症、トラコーマ、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス、発疹チフス(Typhus fever)、Ureaplasma urealyticum感染症、バレー熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、Vibrio vulnificus感染症、Vibrio parahaemolyticus腸炎、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛(白癬症(tinea blanca))、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、黄熱病、ゼアスポラ(Zeaspora)、ジカ熱ならびに接合菌症からなる群から選択される、実施形態96に記載の使用または実施形態101に記載の方法。
【0394】
実施形態113.
免疫不全疾患または障害が、無ガンマグロブリン血症:X連鎖および常染色体劣性、毛細血管拡張性運動失調症、慢性肉芽腫性疾患および他の貪食細胞障害、分類不能型免疫不全症、補体欠損症、ディジョージ症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、高IgE症候群、高IgM症候群、IgGサブクラス欠損症、自然免疫欠損、NEMO欠損症候群、選択的IgA欠損症、選択的IgM欠損症、重症複合免疫不全症および複合免疫不全症、特異抗体欠損症、乳児一過性低ガンマグロブリン血症、WHIM症候群(疣贅、低ガンマグロブリン血症、感染症および骨髄性細胞貯留)、ウィスコット・アルドリッチ症候群、他の抗体欠損障害、他の原発性細胞性免疫不全症(Primary Cellular Immunodeficiency)、重症複合免疫不全症(SCID)、分類不能型免疫不全症(CVID)、ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)、薬物誘導性免疫不全症、移植片対宿主症候群、原発性免疫不全疾患(PIDD)ならびにリンパ球減少症からなる群から選択される、実施形態97に記載の使用または実施形態102に記載の方法。
【0395】
実施形態114.
対象において疾患または障害を処置または予防するための医薬の製造のための、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量の使用。
【0396】
実施形態115.
疾患または障害が、炎症性疾患または障害;自己免疫性疾患または障害;増殖性疾患または障害;感染性疾患または障害;および免疫不全疾患または障害からなる群から選択される、実施形態114に記載の使用。
【0397】
実施形態116.
Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、それにより、Treg細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法。
【0398】
実施形態117.
Treg細胞集団を拡大増殖させる方法であって、IL-2Rαβγとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたって、細胞集団を、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含み、それにより、10%~100%低減された細胞死を伴った、Treg細胞集団の拡大増殖を刺激する、方法。
【0399】
実施形態118.
有効量が、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドを用いて引き起こされるCD25+Treg細胞の拡大増殖よりも少なくとも1倍、10倍、100倍、1000倍、10倍、10倍、10倍、10倍、10倍または10倍大きい、CD25+T調節性(Treg)細胞の拡大増殖を引き起こす、実施形態116または117に記載の方法。
【0400】
実施形態119.
有効量が、置換なしの配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むIL-2ポリペプチドと比較して、有効量とのインキュベーション後に、T細胞集団中のTreg細胞のパーセンテージの増加を引き起こし、Treg細胞のパーセンテージが、約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくはそれよりも大きい、または少なくとも0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくはそれよりも大きい、実施形態116または117に記載の方法。
【0401】
実施形態120.
in vivoで実施される、実施形態116から119のいずれかに記載の方法。
【0402】
実施形態121.
in vitroで実施される、実施形態116から119のいずれかに記載の方法。
【0403】
実施形態122.
ex vivoで実施される、実施形態116から119のいずれかに記載の方法。
【0404】
実施形態123.
細胞集団中のTreg細胞を拡大増殖させるための医薬の製造のための、実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチド、または実施形態1から89のいずれかに記載の改変されたIL-2ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド、DNAポリヌクレオチド、非ウイルスベクターもしくはウイルスベクターの有効量の使用。
【0405】
実施形態124.
Treg細胞が、対象中で拡大増殖される、実施形態123に記載の使用。
【実施例
【0406】
(実施例1)
PEG改変されたIL-2ムテインの設計
IL-2中のIL-2Rα増強突然変異部位の選択。C125S突然変異を含むように改変されたヒトIL-2ペプチド配列(例えば、Aldesleukin.DrugBank.DB00041(BTD00082、BIOD00082)を参照されたい)から、「部位1」のリスト(表1)からのアミノ酸のうち1つまたは複数を選択し、他のアミノ酸、例えば、システイン、セリンなどで置換する。これらのムテインは、ネイティブIL-2分子と比較して、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する増強された結合を有すると予想された。野生型ヒトIL-2の背景中に125位におけるシステインからセリンへの置換(即ち、C125S)を有するように全ての構築物を作製して、IL-2(本明細書でrhIL-2またはrhIL2と呼ばれる;配列番号1)中の、この対になっていないシステイン残基を除去した。例示的なペグ化されたIL-2ムテイン分子は、IL-2Rαに対する増強された親和性、IL-2Rαβγに対するロバストな結合、ならびに低減された受容体媒介性の内在化、ならびにヒトおよび他の動物における延長された半減期を有する。
表1. IL-2突然変異設計
【表1】
【0407】
IL-2中のPEG結合部位の選択。IL-2Rαおよび/またはIL-2Rαβγに対する結合の増強を生じる突然変異に加えて、表1に示される「部位2」欄からの他の突然変異および/または改変を導入した。例示的なムテインを、マレイミドで活性化されたPEGとコンジュゲートさせた。他のPEG試薬も同様に使用され得る。
【0408】
表1に示されるように、ある特定の突然変異は、部位1および部位2の両方に属し、したがって、かかる突然変異のうち1つまたは複数を含む改変されたIL-2ポリペプチドに、部位1および部位2の両方に関連する特性を提供する。例えば、PEG化を介した、かかる改変されたIL-2ポリペプチドの追加の改変は、ネイティブIL-2分子(ならびにrhIL-2C125Sポリペプチド)と比較して、延長された半減期を有すると予想される。かかるPEG化されたポリペプチドは、IL-2RαまたはIL-2Rαβγに対する結合親和性においていくらかの差異を示し得るが、かかる差異は、最小限であると予想される(図1、表1)。
【0409】
IL-2Rα媒介性の内在化を低減させる、および/またはIL-2Rβへの結合/IL-2Rβの活性化を低減させた、追加の突然変異部位の選択。表1の部位1および部位2中に列挙された改変に加えて、追加の改変を導入した。これらの改変は、「部位3」のリスト(表1)からのアミノ酸を、任意の他のアミノ酸で置換する、1つまたは複数の突然変異を保有した。これらの部位における突然変異は、IL-2Rαに対する結合を増強しまたはさらに増強し、受容体媒介性の内在化を低減させ、および/またはIL-2Rβγの結合/活性化を低減させた。
(実施例2)
IL-2ムテインの産生および精製
【0410】
IL-2ムテインをコードするcDNAを、合成し、pcDNA3.1(-)ベクター中にクローニングした。ある特定の例示的なムテインポリペプチド(およびそれらをコードするポリヌクレオチド)は、表2に示される。
表2.IL-2ムテインのコード名
【表2】
【0411】
例示的な改変されたIL-2ポリペプチドを、HEK293F細胞をPEI MAX(Polysciences)で一過性にトランスフェクトし、トランスフェクトされた細胞を96時間培養することによって、Hisタグ融合物として発現させた。上清を、4000×gで20分間の遠心分離によって回収した。
【0412】
次いで、標準的なタンパク質精製技法を使用して、改変されたIL-2ポリペプチドを上清から単離した。簡潔に述べると、改変されたIL-2ポリペプチドを各々、Complete(登録商標)His-Tag Purificationカラム(Roche)上で捕捉し、Superdex 75 Increaseカラム(GE Healthcare)を使用してポリッシュした。精製されたタンパク質を、0.1M MESおよび150mM NaCl、pH6.0を含有する緩衝液中で、Superdex 75 Increaseカラム(GE Healthcare)から溶出させ、さらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
(実施例3)
IL-2ムテインのPEG化
【0413】
精製されたIL-2ムテイン(1mg/ml)を、5mM TCEP(Thermo Fisher)によって室温で15分間還元し、次いで、50倍モル過剰のマレイミド-PEG 20K(Laysan Bio)と、室温で30分間反応させた。反応を、マレイミド-PEG 20kの2倍モル過剰になるようにL-システイン(Sigma)を添加することによって停止させた。PEG-コンジュゲートを、SP Sepharose FFカラム上で、その後、Superdex 75 Increaseカラム(GE Healthcare)上で、さらに精製した。精製プロセスの代表的なクロマトグラムおよびSDS-PAGE解析を、図3に示した。
(実施例4)
IL-2ムテインおよびPEG-コンジュゲートとIL-2受容体とのin vitro結合
【0414】
精製されたIL-2ムテインおよびPEG-コンジュゲートとIL-2受容体との結合親和性を、Octet QKe(ForteBio)によって決定した。ヒトFc融合タンパク質形式のIL-2RαまたはIL-2Rβ(ACROBiosystems)を、抗ヒトIgG Fc捕捉(AHC)センサー上で捕捉した。ベースラインを1×Kinetics緩衝液中で確立した後、センサーを、連続希釈したrhIL-2、IL-2ムテイン、またはPEG-コンジュゲートされたIL-2ムテインを含有するウェル中に浸して、会合定数を測定した。解離を、緩衝液単独を含有するウェル中にセンサーを移した後に検出した。データを収集し、Octet User Softwareによって解析した。反応速度定数の解析のために、1:1カーブフィッティングモデルを使用した。表3は、示された改変されたIL-2ポリペプチド-PEGコンジュゲートについて観察された、示されたIL-2受容体サブユニットとの結合および動力学的パラメーターを示している。結合の典型的なセンサーグラムは、図4に示される。
表3. IL-2Rαと相互作用する改変されたIL-2ポリペプチド-PEGコンジュゲートの反応速度定数
【表3】
(実施例5)
IL-2Rαβγ発現細胞に対するIL-2ムテインの表面結合
【0415】
共にIL-2Rαβγを発現するCTLL2細胞およびIL-2Rα+T細胞を使用して、IL-2Rαβγに対するIl-2ムテインの表面結合を解析した。
【0416】
PBMCから単離された活性化されたヒトT細胞を、抗CD3/CD28 Dynabeadsとのインキュベーションによって生成した。活性化された細胞の少なくとも90%が、IL-2Rαについて陽性であった。CTLL2細胞およびIL-2Rα+T細胞を収集し、冷結合緩衝液(FBB、DPBS中5%のFBS)中で、2~4百万細胞/mlで再懸濁した。Hisタグ化IL-2およびIL-2突然変異体を、細胞懸濁物に添加し、混合し、4℃で40分間インキュベートした。細胞を、洗浄緩衝液(FWB、DPBS中1%のFBS)中で1回洗浄し、細胞ペレットを、1:100 抗His-APC(BioLegend 362605)を含むFBB中で再懸濁した。試料を室温で15分間インキュベートした。次いで、細胞を、120ulのFWBで洗浄し、次いで、フローサイトメトリー解析のために再懸濁した。
【0417】
図4Aおよび図4Bに示されるように、いくつかのムテイン、例えば、Y31CおよびY31C-PEG20は、CTLL2細胞およびIL-2Rα陽性ヒトT細胞のいずれかまたは両方に対して、rIL-2と比較して増強された結合を示した。さらに、ACT5211(Y31C-PEG20+L18M+L19S)およびACT5261は、rhIL-2と比較して、IL-2Rα発現T細胞に対するより良好な結合を示した(図4C)。
(実施例6)
ELISAアッセイにおけるIL-2Rに対するIL-2ムテインの結合
【0418】
これらの受容体複合体に対するrhIL-2の結合親和性と比較した、IL-2RαおよびIL-2Rβγに対する例示的なIL-2ムテインの相対的な結合親和性を評価するために、IL-2RαまたはIL-2Rβγ受容体に対する、精製されたIL-2ムテインの結合を、ELISAベースのアッセイによって決定した。IL-2RαおよびIL-2Rβγ-ヒトFc融合タンパク質構築物(ACRO Biosystems)を各々発現させ、抗ヒトIgG Fc(abcam)によって固定化し、次いで、マイクロプレートのウェルの表面上で捕捉した。次いで、連続希釈したHis-コンジュゲートされたIL-2、His-コンジュゲートされたIL-2ムテイン(ACT5210)およびPEG-コンジュゲートされたIL-2ムテイン(ACT5211)試料を各々、IL-2RαまたはIL-2Rβγのいずれかを含有するウェルに添加した。結合を、基質と共にインキュベートした、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(Genscript)にコンジュゲートされた抗Hisまたは抗PEG抗体を使用して検出した。結合の定量化を、吸光度ベースのマイクロプレートリーダーで測定した。データを、Graphpas prism9 Softwareによって解析した。EC50を、各結合反応について計算し、IL-2ポリペプチド(例えば、rh-IL2、改変されたIL-2ムテイン、およびそれらのPEG化されたバージョン)の相対的結合親和性の尺度として使用した。
【0419】
一方で、図8に示されるように、rhIL-2は、IL-2Rαと比較して、IL-2Rβγに対する増強された結合を示すことが観察された。さらに、rhIL-2は、IL-2Rαとのインキュベーションの際に得られたEC50値と比較して、IL-2Rβγと共にインキュベートした場合、およそ13分の1の低さの(即ち、優先的な)EC50値を有することが観察され、IL-2Rαと比較して、IL-2Rβγに対する有意に優先的な結合親和性を示した。対照的に、ACT5210およびACT5211は共に、IL2Rαに対する増強された結合およびIL2Rβγに対する低減された結合を示した。以下の表4に提供されるように、ACT5211について図8で示される測定されたEC50値から計算したα/βγ EC50比は、rhIL-2について観察されたα/βγ EC50比と比較して、67倍を超えて増強された。
表4. rIL-2および例示的なムテインの、IL-2 IL2RαおよびIL2Rβγに対する結合についての、観察されたEC50
【表4】
(実施例7)
T細胞と共に共培養したIL-2およびムテインの半減期
【0420】
例示的なIL-2ムテインの相対的半減期を評価するために、AIM Vプラス5%FBS中で成長させ、100ng/ml 抗CD3(クローンOKT3)で2日間刺激した解凍したヒトPBMCから、活性化されたT細胞を得た。活性化されたT細胞を、96ウェルプレートのウェルに播種し、異なる濃度のヒト組換えIL-2(rhIL-2)または例示的なムテインを投薬した。上清を、1、2、4、6、8、24、48、72、96、120、144、168および192時間の時点で収集し、収集後即座に凍結させた。全ての試料を収集した後、凍結上清を解凍し、IL-2 Human Uncoated ELISA Kit(ThermoFisher)を使用して、IL-2およびIL-2ムテインの濃度について試験した。IL-2を欠如する培養培地を含むウェルを、IL-2安定性を評価するためのベースラインとして使用し、IL-2を添加した試料から減算して、IL-2ターンオーバーを評価した。
【0421】
図5に示されるように、ACT5210(Y31C+L18M+L19S)ムテインおよびACT5230(Y31C+V69A+Q74P)ムテインは共に、rhIL-2と比較して減少したターンオーバー速度を有した。さらに、これらのムテイン(即ち、それぞれ、ACT5211およびACT5231)のPEG化されたバージョンは、対応する非PEG化バージョンと比較して、著しく増強された延長を生じた。さらに、別の例示的なPEG化されたムテインであるACT5201は、rhIL-2と比較して、同様に増強された半減期延長を示すことが観察された。
(実施例8)
ペグ化されたIL-2ムテインに応答したリンパ球増殖
【0422】
例示的なIL-2ムテインがリンパ球増殖を誘導する能力を評価するために、ヒトPBMCの試料を解凍し、rhIL-2または例示的なムテインの各々のうち1つのいずれかの存在下で、AIM V、5%FBS、5ng/ml 抗CD3(クローンOKT3)中で、およそ5百万細胞/mlの濃度になるまで成長させた。5日目から開始して、細胞を、培地プラスIL-2またはIL-2ムテインリフレッシャーを用いて、3~4日毎に分割した。7日目から開始して、2~3日毎に、細胞を、1:1000 生/死FITC、1:200 抗CD3 BV650、1:200 抗CD4 BV421、1:100 抗CD25 APC-Cy7、1:50 抗FoxP3 Alexa647および1:200 抗CD8 PEで染色した。総細胞、T調節性(Treg)細胞(CD3+CD4+CD25+Foxp3+)およびCD8 T細胞(CD3+CD8+)の数を計数した。
【0423】
図6Aに示されるように、rhIL-2(「WT」)と比較して、例示的なムテインACT5211(Y31C-PEG20+L18M+L19S)は、1~500ng/mlの濃度で、特に、13日目と17日目との間に、CD8 T細胞よりもTregを優先的に刺激した。野生型組換えIL-2およびACT5231(Y31C-PEG20+V69A+Q74P)は、Treg細胞のこの優先的な刺激を示さなかった。同様に、図6Bに示される別の実験において、ムテインACT5211(Y31C-PEG20+L18M+L19S)およびACT5261(Y31C-PEG20+L18M+L19S+V69A+Q74P)は共に、CD8 T細胞よりもTreg細胞増殖を優先的に刺激し、最良の効果は、10ng/ml~100ng/mlの間で観察された。
(実施例9)
STAT5リン酸化によって測定したT細胞活性化
【0424】
STAT5リン酸化によって反映される、例示的なムテインがT細胞を活性化する能力を評価するために、凍結ヒトPBMCを、血清なしのAIM V培地(ThermoFisher)中で解凍し、37℃で2~4時間インキュベートした。このインキュベーション期間の後、およそ5×10細胞/ウェルを、96ウェルプレートに播種し、1つの選択された例示的なムテインの存在下で、37℃で15分間インキュベートした。遠心分離後、細胞ペレットを、細胞外マーカー(1:300 - 抗ヒトCD4 FITC、抗ヒトCD8 APC、抗ヒトCD25 BV650、抗ヒトR45RA BV421、BioLegend)およびFixable Viability Dye(1:1000 - eFluor 780、ThermoFisher)について15分間染色した。洗浄し、暗中で30分間固定した後に、細胞をスピンし、メタノールで4℃で一晩透過処理した。次いで、細胞をスピンダウンし、1:80 抗ヒトpSTAT5-PE(BioLegend)で室温で30分間染色した。示された表面マーカー、およびSTAT5リン酸化の程度を、ナイーブCD8+T細胞(CD8+CD45RA+CD25low、IL-2Rβγを発現)およびTreg(CD4+CD45RA-CD25high、IL-2Rαβγを発現)において、フローサイトメトリー(NovoCyte、ACEA Biosciences)によって評価した。
【0425】
図7Aに示されるように、~に応答したSTAT5リン酸化についての用量応答は、rhIL-2および示された例示的なIL-2ムテインが、IL-2Rβγ発現ナイーブCD8+T細胞の存在下よりも、IL-2Rαβγ発現Treg細胞の存在下でインキュベートした場合に、より高い活性(示されるように、より低いEC50値として表される)を示したことを実証した。ムテインY31CのPEG化は、両方のサブタイプのT細胞において、対応する非PEG化ムテインで観察された活性を僅かに低減させることが観察された。追加の突然変異は、STAT5リン酸化によって評価した場合、TregまたはCD8+ナイーブT細胞の活性化の調節において、差次的効果を示した(例えば、図7Bを参照されたい)。
(実施例10)
C57BL/6マウスにおけるPK研究
【0426】
ACT5211の薬物動態研究を、C57BL/6マウスにおいて実施した。3匹のマウスを、各血液収集時点について使用した。各マウスに、1、0.3または0.1mg/kgのACT5211の単一の皮下用量を投与した。血液試料を、ACT5211投薬の0.033、0.083、0.17、0.5、1、4、24、48、72、96、120および168時間後に収集した。血液を室温で凝血させ、その後、5000rpmで10分間遠心分離した。血清を収集し、ドライアイス中で凍結させ、ELISA解析まで-80℃で維持した。
【0427】
マウス血液中のACT5211を、ELISAアッセイによって決定した。PEG抗体である5E10E9(Genscript A01795)を、マイクロプレートのウェルの表面上で捕捉した。希釈した血清試料を、コーティングされたプレートの指定されたウェルに添加した。試料を、ビオチンコンジュゲートされたモノクローナルIL-2抗体(BG5、Biotin ThermoFisher)およびAvidinHRP(BioLegend)によって検出し、過剰な検出抗体を洗浄して除き、次いで、HRPコンジュゲートおよびHRP基質を添加した。ELISA測定値を、吸光度ベースのマイクロプレートリーダーを用いて取得し、Graphpas prism9 Softwareを用いて、対応するACT5211を使用して標準曲線を使用して、濃度(ng/ml)に変換した。図9に示されるように、ACT5211の血清濃度-時間プロファイルは、およそ1000~22,000ng/mlのピークから、用量依存的に増加した。さらに、ACT5211について観察された消失相半減期(t1/2)は、rhIL-2について観察された消失相半減期(t1/2)(およそ2.5時間)よりもおよそ4.6倍大きく、11.48時間であった。例えば、R. Melder et al. Cancer Immunology and Immunotherapy 54(6):535-47 (2005)を参照されたい。
(実施例11)
C57BL/6マウスにおけるPD研究
【0428】
ACT5211の薬力学的研究を、C57BL/6マウスにおいて実施した。3匹のマウスを、各血液収集時点について使用した。各マウスに、1、0.3または0.1mg/kgのACT5211の単一の皮下用量を投与した。投薬の3日後、マウスを屠殺し、血液および脾臓試料を収集した。
【0429】
脾臓試料から得た脾細胞を、フルオロフォアコンジュゲートされた抗CD3、抗CD4、抗Foxp3、抗CD49bおよび抗CD8抗体(全てBiolegendから)を用いて染色し、フローサイトメトリーによって検出した。細胞Treg、Tcontrol、CD8+T細胞およびNK細胞のパーセンテージを各々、試料中の脾細胞のパーセンテージとして計算した。図10Aで明らかなように、ACT2511は、Treg(CD4+FoxP3+)細胞の増殖を用量依存的に刺激し、最も低い用量(0.1mg/kg)は、かかるTreg細胞のパーセンテージにおいて、およそ4倍の増加を惹起し、最も高い用量(1mg/kg)は、かかるTreg細胞のパーセンテージにおいて、およそ10倍の増加を惹起した。対照的に、ACT2511は、モック処置した(PBS)動物と比較して、動物においてナチュラルキラー(NK)細胞の有意な増殖を惹起せず、最も高い用量(即ち、1mg/kg)においてのみ、モック処置した(PBS)動物と比較して、動物においてCD8+T細胞の増殖を中程度に誘導した。さらに、ACT2511は、それどころか、モック処置した(PBS)動物と比較して、動物においてTcon細胞のパーセンテージにおいて減少を惹起した。
【0430】
好酸球もまた、脾臓から得、末梢血液試料を、注射後1日目、2日目、3日目、5日目および7日目に収集した。好酸球を、抗CD45、抗siglec Fおよび抗CCR3抗体(全てBiolegendから)を使用するフローサイトメトリー解析によって決定した。好酸球のパーセンテージを各々、試料中の脾細胞のパーセンテージとして計算した。図10Bにおいて明らかなように、ACT2511は、モック処置した(PBS)動物で観察されたものと比較して、試験した時点のいずれにおいても、処置した動物における好酸球のパーセンテージに有意には影響しなかった。
[配列表]
配列
配列番号1
タンパク質
人工
C125S突然変異を有するHomo sapiens IL-2鎖Aのバリアント
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT
配列番号2
タンパク質
人工
A1M突然変異を有するHomo sapiens IL-2鎖Aのバリアント
MPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号3
タンパク質
Homo sapiens
インターロイキン2、鎖A2、成熟(GenBank受託番号:AAH66254.1)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
図1
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4-1】
図4-2】
図5
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図8
図9
図10-1】
図10-2】
【配列表】
2023545302000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2023-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2023545302000001.app
【国際調査報告】