(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-27
(54)【発明の名称】動的カンバス張力付与システム
(51)【国際特許分類】
E04F 21/18 20060101AFI20231020BHJP
【FI】
E04F21/18 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522914
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 IB2021059405
(87)【国際公開番号】W WO2022079631
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358741
【氏名又は名称】レンソン、サンプロテクション、スクリーンズ、ナムローゼ、フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】RENSON SUNPROTECTION SCREENS NV
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】スティン、コルパート
(72)【発明者】
【氏名】ヨースト、ベンヤミン、レナート、ド、フレーヌ
(72)【発明者】
【氏名】トマス、ブレヒト、ベルビッシュ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ルミエグル
(72)【発明者】
【氏名】バート、アベール
(57)【要約】
本発明は、ズックまたはカンバスに張力付与するための手段および方法に関する。具体的には、本発明は、カンバスがフレームの片側または両側に沿って動的に張力付与され得る張力付与システムを提供する。また、本発明は、カンバスにフレームの片側または両側において動的に張力付与するための方法にさらに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つ以上のフレームプロファイルから実質的に組み立てられるフレームの片側に設けられた少なくとも1つのカンバス(50)に動的に張力付与するための片側張力付与システム(10)であって、前記張力付与システム(10)は、
-直立した中央部(110)を有する後壁と、前記フレームの前記横方向(L)に延びる2つの直立した側壁(120)とを含むフレームプロファイル(100)であって、少なくとも1つのストッパ(125)を有するフレームプロファイル(100)と、
-前記カンバス(50)を固定するための手段を有するガイド(200)であって、前記フレームプロファイル(100)において前記中央部(110)と側壁(120)との間に前記横方向(L)に移動可能に装着されるガイド(200)と、
-連結手段(310)と阻止片(320)とを含む係止要素(300)であって、前記連結手段(310)が前記係止要素(300)を前記中央部(110)に連結するように構成される、係止要素(300)と、
-前記ガイド(200)に固定された前記カンバス(50)に動的に張力付与するように構成された張力付与手段(400)と、
を備え、
前記張力付与手段(400)が前記ストッパ(125)とガイド(200)との間で張力付与されることにより、前記ガイド(200)は前記フレームの前記中央方向(C)に動的に張力付与可能であり、前記阻止片(320)は前記ガイド(200)の少なくとも一方向における移動を阻止できるように配置される、および/または、
前記張力付与手段(400)が前記阻止片(320)とガイド(200)との間で張力付与されることにより、前記ガイド(200)は前記フレームの前記中央方向(C)に動的に張力付与可能であり、前記ストッパ(125)は前記ガイド(200)の少なくとも一方向における移動を阻止できるように配置される、
張力付与システム(10)において、
前記係止要素(300)および/または前記係止片(320)は、前記フレームプロファイル(100)に対する変位により前記ガイド(200)の前記阻止を解除するよう構成され、これにより、前記ガイド(200)に固定された前記カンバス(50)が、前記フレームプロファイル(100)の側壁(120)上で、前記張力付与手段(400)により動的に張力付与される、
片側張力付与システム(10)。
【請求項2】
4つ以上のフレームプロファイルから実質的に組み立てられるフレームの両側に設けられた少なくとも2つのカンバス(50)に動的に張力付与するための両側張力付与システム(10)であって、前記張力付与システム(10)は、
-直立した中央部(110)を有する後壁と、前記フレームの前記横方向(L)に延びる2つの直立した側壁(120)とを含むフレームプロファイル(100)であって、少なくとも1つのストッパ(125)を各側に有するフレームプロファイル(100)と、
-別個のカンバス(50)を固定するための手段を各々有する少なくとも2つのガイド(200)であって、前記フレームプロファイル(100)において前記中央部(110)と別個の側壁(120)との間に前記横方向(L)に移動可能に各々装着されるガイド(200)と、
-連結手段(310)と少なくとも2つの阻止片(320)とを含む係止要素(300)であって、前記阻止片(320)が前記係止要素(300)の両側に設けられ、前記連結手段(310)が前記係止要素(300)を前記中央部(110)に連結するように構成される、係止要素(300)と、
-別個の前記ガイド(200)に固定された前記カンバス(50)に動的に張力付与するように構成された少なくとも2つの張力付与手段(400)と、
を備え、
前記張力付与手段(400)が別個のストッパ(125)と各ガイド(200)との間で張力付与されることにより、これらの前記ガイド(200)を前記フレームの前記中央方向(C)に動的に張力付与可能であり、別個の前記係止片(320)は、これらの前記ガイド(200)の少なくとも一方向における移動を阻止できるように配置される、および/または、
前記張力付与手段(400)が別個の阻止片(320)とガイド(200)との間で張力付与されることにより、これらの前記ガイド(200)を前記フレームの前記中央方向(C)に動的に張力付与可能であり、別個の前記ストッパ(125)はこれらの前記ガイド(200)の少なくとも一方向における移動を阻止できるように配置される、
張力付与システム(10)において、
前記係止要素(300)および/または前記係止片(320)は、前記フレームプロファイル(100)に対する変位により別個の前記ガイド(200)の前記阻止を解除するよう構成され、これにより、別個の前記ガイド(200)に固定された前記カンバス(50)が、前記フレームプロファイル(100)の別個の側壁(120)上で動的に張力付与される、
両側張力付与システム(10)。
【請求項3】
前記フレームプロファイル(100)の少なくとも1つの側壁(120)は、内向きのストッパ(125)を、好適にはその一端部に有し、これにより、前記張力付与手段(400)は、前記ストッパ(125)と前記ガイド(200)との間で張力付与される、および/または、
前記フレームプロファイル(100)の各側壁(120)は、内向きのストッパ(125)を、好適にはその一端部に有し、これにより、前記張力付与手段(400)は、これら別個の前記ストッパ(125)とガイド(200)との間で張力付与される、
請求項1または2に記載の張力付与システム(10)。
【請求項4】
前記フレームプロファイル(100)の前記中央部(110)は、少なくとも1つの外向きのストッパ(125)を、好適にはその一端部に有し、これにより、前記張力付与手段(400)は、前記ストッパ(125)と前記ガイド(200)との間で張力付与される、および/または、
前記フレームプロファイル(100)の前記中央部(110)は、両側において少なくとも2つの外向きのストッパ(125)を、好適にはその一端部に有し、これにより、前記張力付与手段(400)は、これら別個の前記ストッパ(125)とガイド(200)との間で張力付与される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項5】
前記連結手段(310)は、前記係止要素(300)を前記中央部(110)に、少なくとも2つの位置において、好適には押込位置および押出位置において連結するように構成され、
前記係止要素(300)の変位、好適には押込位置から押出位置または押出位置から押込位置への変位により、単数の前記カンバス(50)および/または複数の前記カンバス(50)は張力付与される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項6】
前記ガイド(200)は、横向きに突出する阻止壁(225)を有し、
前記阻止壁(225)は、前記フレームプロファイル(100)の前記ストッパ(125)、好適には前記フレームプロファイル(100)の側壁に設けられた内向きのストッパ(125)に接触するように適合された端部を有することにより、前記ガイド(200)の少なくとも一方向における移動を阻止する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項7】
前記係止要素(300)は、少なくとも1つ、好適には2つの押付可能な凸部を有し、
各凸部は、外向きのフックポイント(310)を有し、
前記フレームプロファイル(100)の前記中央部(110)はフックインポイントを有し、前記フックインポイントにフックポイント(310)が堅固に引っ掛かることで前記係止要素(300)を前記中央部(110)に連結することができ、
前記係止要素(300)は、押付可能な前記凸部を押し込むことにより、前記中央部(110)から連結解除することができる、
請求項1~6のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項8】
少なくとも1つの押付可能な凸部、好適には押付可能な各凸部は、外向きの傾斜端面を有し、これにより、前記凸部は、前記中央部(110)における前記係止要素(300)の変位により押し込まれ得る、
請求項7に記載の張力付与システム(10)。
【請求項9】
前記阻止片(320)、好適には横向きに突出するウィングまたは横向きに突出する円形端面が、前記係止要素(300)から横向きに突出し、
前記ガイド(200)との接触に適合された平坦化された端部が設けられる、
請求項1~8のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項10】
前記フレームプロファイル(100)の前記後壁は、前記中央部(110)の下方に開口を有し、これにより、前記中央部(110)において前記開口に沿って配置された前記係止要素(300)は、好適には前記フレームの前記横方向(L)に押し込まれ得る、
請求項1~9のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項11】
前記フレームプロファイル(110)の前記中央部(110)は、開口を有し、これにより、前記中央部(110)において前記開口に沿って配置された前記係止要素(300)は、好適には前記フレームの前記中央方向(C)に押し込まれ得る、
請求項1~10のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項12】
前記張力付与手段(400)は、単数または複数の弾性要素および/またはバネ要素を含み、好適にはアーチ形状または波形状のバネを含み、または複数のアーチ形状または波形状のバネを含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項13】
前記ストッパ(125)および/または前記ガイド(200)は、前記張力付与手段(400)を挿入するための凹部を有する、
請求項1~12のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項14】
前記カンバス(50)を固定するためのカンバス固定要素(60)であって、前記ガイド(200)内に摺動可能なカンバス固定要素(60)をさらに備え、
好適には、前記カンバス(50)はジッパーを有し、前記カンバス固定要素(60)はジッパーガイドを含む、
請求項1~13のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項15】
-前記ガイド(200)に固定された前記カンバス(50)の前記一部(58)は、前記フレームプロファイル(110)の前記側壁(120)間に位置し、
-前記ガイド(200)、前記ガイド(200)から前記フレームプロファイル(100)の前記側壁(120)の曲げポイント(56)まで延びる前記カンバス(50)の前記一部(58)、および/または前記張力付与手段(400)は、前記フレームプロファイル(100)が奥行方向(D)において延びる前記距離(100D)の60%以下の領域、好適には50%以下、好適には40%以下の領域における距離(10D)に亘って前記奥行方向(D)に延び、前記奥行方向(D)は、前記フレームプロファイル(100)の前記長手方向および前記横方向(L)に対して横断方向に延びる、
請求項1~14のいずれか一項に記載の張力付与システム(10)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の片側張力付与システム(10)を有するフレームと、カンバス(50)と、を備える片側カンバスフレームにおいて、
前記カンバス(50)は、前記フレームの片側において動的に張力付与される、
片側カンバスフレーム。
【請求項17】
請求項2~15のいずれか一項に記載の両側張力付与システム(10)を有するフレームと、2つのカンバス(50)と、を備える両側カンバスフレームにおいて、
前記カンバス(50)は、前記フレームの両側において動的に張力付与される、
両側カンバスフレーム。
【請求項18】
請求項1~15のいずれか一項に記載の片側張力付与システム(10)または両側張力付与システム(10)を有するフレームを含むカンバスフレームの、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体としての使用、あるいは、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体におけるパネルとしての使用。
【請求項19】
請求項1~15のいずれか一項に記載の片側張力付与システム(10)を有するフレームの片側においてカンバス(50)に動的に張力付与するための方法であって、前記方法は、
(a)フレームプロファイル(100)を設けるステップと、
(b)前記フレームプロファイル(100)において中央部(110)と側壁(120)との間にガイド(200)を配置するステップと、
(c)係止要素(300)を設けるステップと、
(d)選択的に、前記係止要素(300)を前記中央部(110)に連結するステップと、
(e)張力付与手段(400)に、一方でストッパ(125)および/または阻止片(320)と、他方で前記ガイド(200)との間で張力付与するステップと、
(f)前記カンバス(50)を前記ガイド(200)に固定するステップであって、前記カンバス(500)は、前記フレームプロファイルの前記側壁(120)上で折り畳まれるステップと、
(g)選択的に、前記係止要素(300)を前記中央部(110)から連結解除するステップと、
(h)前記係止要素(300)を変位させることにより、前記カンバス(50)を前記フレームプロファイル(100)の前記側壁(120)上で張った状態にするステップと、
(i)選択的に、前記係止要素(300)を前記中央部(110)に連結するステップと、
を備え、
前記方法は、ステップ(d)およびステップ(h)並びに/またはステップ(i)を少なくとも備える、
方法。
【請求項20】
請求項2~15のいずれか一項に記載の両側張力付与システム(10)を有するフレームの両側において2つのカンバス(50)に動的に張力付与するための方法であって、前記方法は、
(A)フレームプロファイル(100)を設けるステップと、
(B)前記フレームプロファイル(100)においてその中央部(110)と第1側壁(120)との間に第1ガイド(200)を配置するステップ、および、前記フレームプロファイル(100)においてその中央部(110)と第2側壁(120)との間に第2ガイド(200)を配置するステップと、
(C)係止要素(300)を設けるステップと、
(D)選択的に、前記係止要素(300)を前記中央部(110)に連結するステップと、
(E)第1張力付与手段(400)に、一方で第1ストッパ(125)および/または阻止片(320)と、他方で前記第1ガイド(200)との間で張力付与するステップ、並びに、第2張力付与手段(400)に、一方で第2ストッパ(125)および/または阻止片(320)と、他方で前記第2ガイド(200)との間で張力付与するステップと、
(F)前記第1カンバス(50)を前記第1ガイド(200)に固定するステップであって、前記第1カンバス(50)が前記フレームプロファイルの前記第1側壁(120)上で折り畳まれるステップ、および、前記第2カンバス(50)を前記第2ガイド(200)に固定するステップであって、前記第2カンバス(50)が前記フレームプロファイルの前記第2側壁(120)上で折り畳まれるステップと、
(G)選択的に、前記係止要素(300)を前記中央部(110)から連結解除するステップと、
(H)前記係止要素(300)を変位させることにより、前記第1カンバス(50)を前記フレームプロファイル(100)の前記第1側壁(120)上で張った状態にするとともに、前記第2カンバス(50)を前記フレームプロファイル(100)の前記第2側壁(120)上で張った状態にするステップと、
(I)選択的に、前記係止要素(300)を前記中央部(110)に連結するステップと、
を備え、
前記方法は、ステップ(D)およびステップ(H)並びに/またはステップ(I)を少なくとも備える、
方法。
【請求項21】
(c)または(C)前記係止要素(300)を前記フレームプロファイル(100)の前記中央部(110)に少なくとも部分的に挿入するステップと、
(d)または(D)前記係止要素(300)を前記中央部(110)に第1位置において連結するステップであって、前記第1位置が前記係止要素(300)の押込位置または押出位置に一致するステップと、
(i)または(I)前記係止要素(300)を前記中央部(110)に第2位置において連結するステップであって、前記第2位置が前記係止要素(300)の押出位置または押込位置に一致するステップと、
を備える請求項19または20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズックまたはカンバスに張力付与する手段および方法に関する。特に、本発明は、カンバスがフレームの片側または両側に沿って動的に張力付与され得る張力付与システムを提供する。また、本発明は、フレームの片側または両側においてカンバスに動的に張力付与する方法をさらに提供する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、カンバスは、クランプ、釘またはフック等の従来の固定要素によりフレームに固定される。カンバスがフレームの周囲で張った状態とされて(張力付与されて)シワや折り目なく完璧にぴったりと平坦な状態になることが非常に重要である。ここでわずかでも欠点があると、美観が損なわれた製品となってしまう。主として隅部のレベルで、完璧なフィニッシュ(仕上げ)を得ることが難しい。したがって、カンバスに張力付与することは、困難な操作を伴う専門的な作業であり、これを達成するにはかなりの経験を必要とする。
【0003】
しかしながら、一定の静的な張力の下でカンバスに良好に張力付与することは、期間が限られている。一方で、必要なカンバスの張力は、カンバス自体の自然な膨張の結果として、時間の経過とともに変化し得る。他方で、カンバスは外圧に弱く、例えば風の作用で伸び得る。広がった、または伸びたカンバスは、時間の経過とともにシワを形成する。
【0004】
上述の問題は、両側フレーム、すなわち、2つのカンバスがフレームの両側に固定されるフレームに張力付与する場合に、さらに顕著になる。固定具を見えないようにするために利用可能な表面領域は、フレームの側縁部に限られている。現代の建造物では、できる限り多くの要素を視界から隠す傾向がある。固定具の存在が見えることは、あまり美観的でないとみなされている。これにより、カンバスの想定されるメンテナンスがさらに困難になっている。なぜならば、一方のカンバスしか交換する必要がない場合でも、両方のカンバスをクランプ解除しなければならないことが多いからである。
【0005】
したがって、先行技術の欠点を是正するための改良された手段を開発する必要がある。特に、カンバスの張力付与をより簡単でより利便性の高いものにする必要がある。さらに、カンバスの取り外しをより簡単でより利便性の高いものにする必要もある。またさらに、カンバスを固定するためのすべての手段をほとんど完全に視界から隠す必要もある。また、張力付与したカンバスの張力の経時的変化を防止するための解決策も必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
上述のニーズを満たすために、本発明者らは、フレームの周囲でカンバスに張力付与するための方法および手段を開発した。具体的には、本発明は、フレームの片側または両側においてそれぞれカンバスに動的に張力付与するための片側張力付与システムまたは両側張力付与システムに関する。動的張力付与システムは、例えばカンバスに何かがぶつかったり、強風に押されたり、当たったりしたときに撓み得るが、カンバスが再び張った状態になり得るように配置される。動的張力付与システムの主たる利点は、本分野での経験が浅くても、カンバスに簡単かつ利便性の高い態様において完璧にぴったりと平坦に張力付与し得るということである。動的張力付与システムのさらなる利点を、本明細書においてより詳細に説明する。動的張力付与システムによれば、圧入により、一時的であるか否かにかかわらず、および/またはカンバスの長さ変化にかかわらず、例えばバネ要素によるさらなる操作や介入を必要とせずに、恒久的かつ自動的にカンバスに張力を適用できることが明らかである。これは、静的な張力付与システムとは対照的である。静的張力付与システムでは、カンバスの初期の張力付与中に張力がカンバスに静的に適用され、カンバスの長さ変化や押込によりカンバスの張力が変化する。この変化は、自動的に、すなわちカンバスに再び静的に張った状態にするための介入なしに補正することはできない。
【0007】
本発明の一態様は、4つ以上のフレームプロファイルから実質的に組み立てられるフレームの片側のカンバスに動的に張力付与するための片側張力付与システムであって、前記張力付与システムは、直立した中央部を有する後壁と、前記フレームの前記横方向に延びる2つの直立した側壁とを含むフレームプロファイルであって、少なくとも1つのストッパを有するフレームプロファイルと、前記カンバスを固定するための手段を有するガイドであって、前記フレームプロファイルにおいて前記中央部と側壁との間に前記横方向において移動可能に装着されるガイドと、連結手段と阻止片とを含む係止要素であって、前記連結手段は、前記係止要素を前記中央部に連結するように構成される係止要素と、前記ガイドに固定された前記カンバスに動的に張力付与するように構成された張力付与手段と、を備え、前記張力付与手段が前記ストッパと前記ガイドとの間で張力付与されることにより、前記ガイドに前記フレームの前記中央方向において動的に張力付与可能であり、前記阻止片は前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、および/または、前記張力付与手段が前記阻止片と前記ガイドとの間で張力付与されることにより、前記ガイドに前記フレームの前記中央方向において動的に張力付与可能であり、前記ストッパは前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、張力付与システムにおいて、前記係止要素および/または前記係止片は、前記フレームプロファイルに対する変位により前記ガイドの前記阻止を解除するよう構成され、これにより、前記ガイドに固定された前記カンバスが、前記フレームプロファイルの側壁上で、前記張力付与手段により動的に張った状態にされる、片側張力付与システムに関する。
【0008】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの少なくとも1つの側壁は、内向きのストッパを、好適にはその一端部に有し、これにより、張力付与手段は、ストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0009】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの中央部は、少なくとも1つの外向きのストッパを、好適にはその一端部に有し、これにより、張力付与手段は、このストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0010】
好適な実施形態において、張力付与システムは、フレームプロファイルに、好適にはフレームプロファイルの中央部に連結可能なストッパプロファイルを備え、ストッパプロファイルは、連結時に、少なくとも1つのストッパを形成し、これにより、張力付与手段は、このストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0011】
本発明の一態様は、4つ以上のフレームプロファイルから実質的に組み立てられるフレームの両側の2つのカンバスに動的に張力付与するための両側張力付与システムであって、前記張力付与システムは、直立した中央部を有する後壁と、前記フレームの前記横方向において延びる2つの直立した側壁とを含むフレームプロファイルであって、少なくとも2つのストッパを両側に有するフレームプロファイルと、別個のカンバスを固定するための手段を各々有する少なくとも2つのガイドであって、前記フレームプロファイルにおいて前記中央部と別個の側壁との間に前記横方向において移動可能に各々装着されるガイドと、連結手段と少なくとも2つの阻止片とを含む係止要素であって、前記阻止片は、前記係止要素の両側に設けられ、前記連結手段は、前記係止要素を前記中央部に連結するように構成される係止要素と、別個の前記ガイドに固定された前記カンバスに動的に張力付与するように構成された少なくとも2つの張力付与手段と、を備え、前記張力付与手段が別個のストッパとガイドとの間で張力付与されることにより、これらの前記ガイドを前記フレームの前記中央方向において動的に張力付与可能であり、前記係止片は、これらの前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、および/または、前記張力付与手段が別個の阻止片とガイドとの間で張力付与されることにより、これらの前記ガイドを前記フレームの前記中央方向において動的に張力付与可能であり、前記ストッパはこれらの前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、張力付与システムにおいて、前記係止要素および/または前記係止片は、前記フレームプロファイルに対する変位により種々の前記ガイドの前記阻止を解除するよう構成され、これにより、種々の前記ガイドに固定された前記カンバスが、前記フレームプロファイルの別個の側壁上で動的に張力付与される、両側張力付与システムに関する。
【0012】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの少なくとも各側壁は、ストッパを、好適にはその端部に有し、これにより、2つの張力付与手段の各々は、別個のストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0013】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの中央部は、両側において少なくとも2つの外向きのストッパを、好適にはその一端部に有し、これにより、2つの張力付与手段の各々は、別個のストッパとガイドとの間で張力付与され得る。
【0014】
好適な実施形態において、張力付与システムは、フレームプロファイルに、好適にはフレームプロファイルの中央部に連結可能なストッパプロファイルを備え、ストッパプロファイルは、連結時に、少なくとも2つのストッパを両側に形成し、これにより、2つの張力付与手段の各々は、別個のストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0015】
好適な実施形態において、係止要素は、中央部における摺動取付体であることにより(中央部に摺動可能に取り付けられることにより)、フレームプロファイルに対して摺動できる。
【0016】
好適な実施形態において、連結手段は、係止要素を中央部に、少なくとも2つの位置において、好適には押込位置および押出位置において連結するように構成される。
【0017】
好適な実施形態において、係止要素の押込位置から押出位置または押出位置から押込位置への変位により、単数のカンバスまたは複数のカンバスは張力付与され得る。
【0018】
好適な実施形態において、ガイドは、フレームプロファイルのストッパに接触するように適合された端部を持つ、横向きに突出する阻止壁を有する。
【0019】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの後壁は、中央部の下方に開口を有し、これにより、係止要素は、中央部のこの開口に沿って配置され得る、または押し込まれ得る。
【0020】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの中央部は、開口を有し、これにより、係止要素は、中央部のこの開口に沿って配置され得る、または押し込まれ得る。
【0021】
好適な実施形態において、係止要素は、少なくとも1つ、好適には2つの押付可能な凸部を有し、各凸部は、外向きのフックポイントを有し、フレームプロファイルの中央部はフックインポイントを有し、フックインポイントにフックポイントが堅固に引っ掛かる(フックする)ことで係止要素を中央部に連結することができ、係止要素は、押付可能な凸部を押し込むことにより、中央部から連結解除することができる。
【0022】
好適な実施形態において、押付可能な各凸部は外向きの傾斜端面を有し、これにより、凸部は、係止要素のフレームの横方向における中央部に向かう変位により、好適には中央部との接触を介して押し込まれ得る。
【0023】
好適な実施形態において、側壁のストッパは、側縁において丸みを帯びており、中央側に、張力付与手段を挿入するためのノッチが設けられる。
【0024】
好適な実施形態において、ガイドはジッパーガイドを備え、カンバスは、好適にはフレームの端部方向に沿ってジッパーガイド内に摺動するジッパーを有している。
【0025】
好適な実施形態において、ガイドは、張力付与手段を挿入するための凹部を有する。
【0026】
好適な実施形態において、張力付与手段は、単数または複数の弾性要素および/またはバネ要素を含む。
【0027】
好適な実施形態において、張力付与手段は、アーチ形状または波形状のバネを含む。
【0028】
好適な実施形態において、張力付与手段は、複数のアーチ形状または波形状のバネを含む。
【0029】
好適な実施形態において、係止要素の阻止片は、ガイドとの接触に適合された平坦化された端部を有する横向きに突出するウィングを含む。
【0030】
好適な実施形態において、係止要素の阻止片は、ガイドとの接触に適合された端部を有する横向きに突出する円を含む。
【0031】
好適な実施形態において、張力付与システムは、フレームプロファイルに、好適には中央部に連結してフレームの側壁を形成可能な側部カバープロファイルを含む。
【0032】
好適な実施形態において、張力付与システムは、フレームプロファイルに、好適には中央部に連結してフレームの中央壁を形成可能な中央カバープロファイルを含む。
【0033】
好適な実施形態において、張力付与システムは、フレームプロファイルに、好適には中央部に連結可能な取付具であって、好適にはレール、ローラ、ストッパ、係止具、ヒンジおよび/またはフレームガイドのリストから選択される単数または複数のフレーム要素を連結するように構成された取付具を備える。
【0034】
好適な実施形態において、中央部は、両側に、取付具および/または側部カバープロファイルに連結するように構成された連結要素を有する。
【0035】
好適な実施形態において、ガイドに固定されたカンバスの一部は、フレームプロファイルの側壁間に位置する。
【0036】
好適な実施形態において、張力付与システムは、ガイド、ガイドからフレームプロファイルの側壁の曲げポイントまで延びるカンバスの一部、および/または張力付与手段が、フレームプロファイルが奥行方向において延びる距離の60%以下の領域、好適には50%以下、好適には40%以下の領域における距離に亘って奥行方向において延びるように構成され、奥行方向は、フレームプロファイルの長手方向および横方向に対して横断方向に延びる。
【0037】
本発明の一態様は、本明細書に記載の張力付与システムを有するフレームと、カンバスと、を備える片側カンバスフレームにおいて、カンバスは、フレームの片側において動的に張力付与される、片側カンバスフレームに関する。
【0038】
本発明の一態様は、本明細書に記載の張力付与システムを有するフレームと、2つのカンバスと、を備える両側カンバスフレームにおいて、カンバスは、フレームの両側において動的に張力付与される、両側カンバスフレームに関する。
【0039】
本発明の一態様は、本明細書に記載の張力付与システムを、カンバスにフレームの片側において張力付与するために使用することである。
【0040】
本発明の一態様は、本明細書に記載の張力付与システムを、2つのカンバスにフレームの両側において張力付与するために使用することである。
【0041】
本発明の一態様は、本明細書に記載の張力付与システムの、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体としての使用、あるいは、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体におけるパネルとしての使用である。
【0042】
本発明の特徴をより良好に例示するために、本発明のいくつかの好適な実施形態を、何ら限定的な性格を持つことなく添付図面に記載する。
【0043】
図面、特許請求の範囲、および実施例を通して、以下の符号を使用する:フレーム(1);張力付与システム(10);連結要素(20);カンバス(50);ジッパー(52);隅部(54);カンバス固定要素/ジッパーガイド(60);フレームプロファイル(100);中央部(110);側壁(120);ストッパ(125);ガイド(200);阻止壁(225);係止要素(300);連結手段(310);阻止片(320);張力付与手段(400);取付具(500);側部カバープロファイル(510);中央カバープロファイル(520);フレーム要素(530);ヒンジ(540);固定機構(550);細長要素(560)。図面および参照符号については、実施例でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、本明細書に記載の張力付与システム(10)のフレームプロファイル(100)の側面図である。
【
図2】
図2は、2つのガイド(200)がさらに設けられた本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図3】
図3は、押出位置でフレームプロファイル(100)に連結された係止要素(300)をさらに設けられた本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図4】
図4は、押込位置でフレームプロファイル(100)に連結された係止要素(300)をさらに設けられた本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図5】
図5は、第1張力付与手段(400)をさらに設けられた本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図6】
図6は、第2張力付与手段(400)をさらに設けられた本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図7】
図7は、第1カンバス(50)が第1ガイド(300)に第1カンバス固定要素(60)により固定された、本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図8】
図8は、第2カンバス(50)が第2ガイド(300)に第2カンバス固定要素(60)により固定された、本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図9】
図9は、フレームプロファイル(100)の両側に固定された2つのカンバス(50)が動的に張力付与されている、本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図10A】
図10Aは、挿入側部カバープロファイル(510)に連結された取付具(500)をさらに設けられた、本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図10B】
図10Bは、表面装着側部カバープロファイル(510)に連結された取付具(500)をさらに設けられた、本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図11】
図11は、フレーム要素(530)に連結された取付具(500)をさらに設けられた、本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図12】
図12は、表面装着側部カバープロファイル(510)に連結された取付具(500)と、中央カバープロファイル(520)とをさらに設けられた、本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図13】
図13は、本明細書に記載の張力付与システム(10)のフレームプロファイル(100)の斜視底面図である。
【
図14】
図14は、第1の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視図である。
【
図15】
図15は、第1の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視図である。
【
図16】
図16は、第1の好適な実施形態による係止要素(300)の配置の斜視図である。
【
図17】
図17は、押出位置での第1実施形態による係止要素(300)の斜視側面図である。
【
図18】
図18は、押込位置での第1の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視側面図である。
【
図19】
図19は、第2の好適な実施形態による係止要素(300)の配置の斜視側面図である。
【
図20】
図20は、押出位置での第2の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視側面図である。
【
図21】
図21は、押込位置での第2の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視側面図である。
【
図22】
図22は、第3の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視側面図である。
【
図23】
図23は、押出位置での第3の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視側面図である。
【
図24】
図24は、押込位置での第3の好適な実施形態による係止要素(300)の斜視側面図である。
【
図25】
図25は、押出位置での第2の好適な実施形態による本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図26】
図26は、押込位置での第2の好適な実施形態による本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図27】
図27は、第3の好適な実施形態による本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図28】
図28は、第3の好適な実施形態による本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図29】
図29は、第4の好適な実施形態による本明細書に記載の張力付与システム(10)の側面図である。
【
図30】
図30は、第4の好適な実施形態による本明細書に記載の張力付与システム(10)の斜視図である。
【
図31】
図31は、片側カンバスフレームの実施形態の分解図である。
【
図33】
図33は、両側カンバスフレームの実施形態の分解図である。
【
図35】
図35は、
図34に示すカンバスフレームの実施形態のフレームプロファイルの実施形態の図であって、
図10Aと同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1~
図9は、フレームの両側の2つのカンバス(50)を、本明細書に記載の第1の好適な実施形態による張力付与システム(10)によって動的に張力付与するための動作原理を示す。これらの図面については、実施例1でより詳細に説明する。
【0046】
図14~
図24は、本明細書に記載の張力付与システム(10)の種々の好適な実施形態により、係止要素(300)をフレームプロファイル(100)に連結するための動作原理を示す。これらの図面については、実施例2でより詳細に説明する。
【0047】
図25~
図30は、本明細書に記載された張力付与システム(10)の種々の好適な実施形態による張力付与手段(400)を配置するための動作原理を示す。これらの図面については、実施例3でより詳細に説明する。
【0048】
本発明によるシステムおよび方法を説明する前に、本発明は説明した特定のシステムおよび方法または組み合わせに限定されないことを理解されたい。これは、そのようなシステムおよび方法および組み合わせは当然に変化し得るからである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用する用語は限定することを意図していないことも明らかにされなければならない。
【0049】
本明細書で引用する全ての文書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0050】
以下、単数形の「a」、「an」等は、文脈から明らかに異なる場合を除き、単数形と複数形の両方を包含するものとする。
【0051】
以下で使用する用語「comprise」、「comprises」(「備える」、「含む」)は、「inclusive」、「include」(「包含する」、「含む」、「有する」)または「contain」、「contains」(「有する」)と同義であり、包括的または開放的で、記載されていない方法の追加の部分、要素またはステップを除外しない。用語「comprise」、「comprises」は、用語「contain」を含む。
【0052】
数字の範囲による数値の列挙は、この範囲内のすべての値および分数、ならびに引用された端点(境界値)を含む。
【0053】
パラメータ、量、持続時間などの測定可能な値に言及する際に使用する「約」という用語は、本明細書に記載の発明において機能するために適用可能である限りにおいて、規定値の±10%以下、好適には±5%以下、より好適には±1%以下、さらに好適には±0.1%以下の変動を含むことが意図されている。用語「約」がそれ自体を指す値も既知であったことを理解されたい。
【0054】
本発明の様々な態様が、以下でより詳細に定義される。このように定義された各態様は、そうでないと明確に記載されていない限り、別の単数の態様または複数の態様と組み合わされ得る。特に、「好適な」または「有利な」と示された特徴は、「好適である」および/または「有利である」と記載された他の特徴または性質と組み合わされ得る。本明細書において「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の機能、構造または特徴が、本発明の少なくとも一実施形態において適用可能であることを意味する。本明細書において、「一実施形態において」または「一実施形態」という文言が異なる箇所で記載されている場合、必ずしも同一の実施形態について言及するわけではないが、これを排除するものでもない。さらに、説明される特徴、構造または特性は、この説明に基づいて当業者に明らかになるように、任意の適切な方法で組み合わされ得る。特許請求の範囲に記載され請求された実施形態は、あらゆる組み合わせで使用され得る。
【0055】
本発明の説明において、その一部を構成するとともに本発明の特定の実施形態を示す添付の図面を参照する。特定の要素に関連付けられた括弧内の数字または太字の数字は、一例としてそれぞれの要素を説明するものであり、これにより要素を限定するものではない。本発明の範囲内に留まりつつ、他の実施形態が使用され、構造的または論理的な変更がなされ得ることが理解されねばならない。以下の詳細な説明は、限定的とみなされるべきものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0056】
別途定義しない限り、技術用語および科学用語を含む本発明で使用するすべての用語は、当業者によって通常理解される意味を有する。さらなる手引きとして、本発明の説明で使用する用語をさらに説明するように定義が与えられている。
【0057】
上述のニーズを満たすべく、本発明者らは、カンバスにフレームの周囲において張力付与するための方法および手段を開発した。具体的には、本発明は、カンバスにフレームの片側または両側においてそれぞれ動的に張力付与する(張った状態にする)ための片側張力付与システムまたは両側張力付与システムに関する。したがって、片側張力付与システムにより、カンバスにフレームの、典型的には前壁を形成する片側において動的に張力付与することが可能になる。両側張力付与システムにより、2つのカンバスにフレームの、典型的には前壁および背壁を形成する両側において動的に張力付与することが可能になる。
【0058】
「動的に張力付与する」という用語は、カンバスの張力をその必要な抵抗に動的に調整するための、本明細書に記載の張力付与システムの特徴を指す。具体的には、張力付与システムは、例えばカンバスに何かがぶつかったり、強風に押されたり、当たったりしたときに撓み得るが、再びカンバスに張力付与するものである。比較のために、先行技術による静的な張力付与システムにおいては、カンバスが一定の静的な張力下に置かれる。この場合、カンバスおよびフレームが損傷しやすい場合があり、時間の経過とともにカンバスにシワが形成され得るという欠点がある。
【0059】
したがって、本明細書に記載の張力付与システムは、本分野での経験が浅くても、カンバスに簡単かつ利便性の高い態様において完璧にぴったりと平坦に張力付与し得るという利点を有する。さらに、動的張力付与システムにより、とりわけ、時間の経過に伴うカンバスの張力の調整により、カンバスが平坦でぴったりと張力付与された状態をより長く維持し得ることが保証される。こうして、カンバスの寿命を向上させる恒久的な解決策が提供され得る。
【0060】
本発明の張力付与システムにより、カンバスをその設置に際して所定位置に維持するための一時的な接合手段、例えば接着剤やシリコーンを使用せずに設置し、そして、釘、ネジ、フック等の恒久的な固定具、またはこの用途のために特別に作製されたツールを使用せずにカンバスに張力付与することができる。このようにして、カンバスの設置時および張力付与時にカンバスが損傷することを回避することができる。また、動的張力付与システムは、フレームのより美観的なフィニッシュを目的として完全に隠すこともできる。具体的には、フレームの縁部および本発明の張力付与システムの機械的部品がカンバスの下に隠され得るため、カンバスによりフレームをより完璧に覆うことが可能になる。
【0061】
さらに、動的張力付与システムは、カンバスの取り外しをより容易にし得る。本発明の張力付与システムにおいて、カンバスは、連結解除することなくクランプ解除され得る。これにより、クランプ解除された状態においても、カンバスが脱落しないことが保証される。また、これにより、特に両側フレームにおいて片側のカンバスの取り外しが必要な場合に、カンバスの取り外しがより容易になるとともに利便性が高くなる。
【0062】
本明細書で使用する単数または複数のカンバス、またはスクリーンは、フレーム上で張った状態にされ得る柔軟な媒体に関する。カンバスは、弾性を有していてもよいし、部分的に予め張った状態とされてもよい。本発明に適したカンバス材料の例は、織物またはポリエステル等のプラスチックからなる材料、ガラス繊維、(細かい)金属ガーゼ、または他のタイプのカンバス材料である。カンバスは、例えば、良好な暗色化や遮光性を得るため、または、耐水性および/または耐風性を向上させるために、複数の層から構成され得る。カンバスには、印刷や装飾要素が施され得る。カンバスは、好適にはカンバスの縁部に設けられたジッパーであって、既知の態様でジッパーガイドに固定され得るジッパーを備え得る。このジッパーは、例えば、カンバスの縁部に厚肉部を形成し得る。カンバスは、例えば、カンバスの両側、あるいはカンバスの各側にジッパーが設けられ得る。
【0063】
本明細書で使用するフレームまたはフレームワークは、上述のカンバスを支持するための剛性構造体を指す。フレームは、単一の連続したフレームプロファイルにより形成され得る。しかしながら、フレームを複数のフレームプロファイルから組み立てる方が単純で安価である。典型的なフレームは、4つのフレームプロファイルから実質的に構成されるが、当業者には、これを限定的に解釈すべきでないことが理解されるであろう。「実質的に」という用語は、好適にはフレームが4つのフレームプロファイルから組み立てられるというだけであって、原理的には任意の個数のフレームプロファイルから組み立てられ得ると解釈されるべきである。これらのフレームプロファイルは、ストリップまたはブラケット等の連結要素により互いに連結され得る。代替的に、フレームプロファイルは、互いに摺動取付体であり得る。この場合、フレームプロファイルは、隣接するフレームプロファイルを互いに対して移動させるための手段を有する。
【0064】
フレームは、典型的には、中央側と横側とを有し得る。本明細書で使用する「横」は、外側方向、すなわちフレームの中心からの方向を指す。横方向は、添付図面において(L)で示されている。同様に、本明細書で使用する「中央」は、内側方向、すなわちフレームの中心に向かう方向を指す。中央方向は、添付図面において(C)で示されている。フレームプロファイルの位置およびフレームの配向に応じて、横方向および中央方向は、上向き、下向き、横向き(例えば、左向き、または右向き)であり得る。
【0065】
フレームプロファイルは、好適には、フレームが略四角形または略長方形を形成するように配置される。「略」という用語は、フレームが言及された幾何学的形状に非常に近いこと、すなわち、丸み、突起、連結要素、溝、スロット、リブ、開口、接続片、強化手段等を除いたものであると解釈されるべきである。さらなる説明のために、図面を参照されたい。
【0066】
フレームプロファイルは、典型的には、剛性材料から製造される。これは、例えばアルミニウムであり得る。アルミニウムは、プロファイル材料として多くの利点を有する。すなわち、頑丈で耐久性があり軽量である。しかしながら、他のプロファイル材料も好適であり、それらの特性は、当業者に知られているものとする。フレームプロファイルは、所望の構成に応じて、特定のフィニッシュ、例えば滑らかな表面または粗い表面が施され得る。
【0067】
好適には、フレームの一部を形成するフレームプロファイルは、それらの輪郭がフレームの外縁部を画定するように配置される。フレームの寸法、ひいてはフレームプロファイルの寸法には無数のバリエーションが存在し得る。一例として、寸法は、各辺につき0.1m~3.0mの範囲にあり、例えば、1.0m、例えば1.5m、例えば2.0m、例えば2.5m等である。
【0068】
本発明の一態様は、4つ以上のフレームプロファイルから実質的に組み立てられるフレームの片側にカンバスに動的に張力付与するための片側張力付与システムであって、前記張力付与システムは、直立した中央部を有する後壁と、前記フレームの前記横方向に延びる2つの直立した側壁とを含むフレームプロファイルであって、少なくとも1つのストッパを有するフレームプロファイルと、前記カンバスを固定するための手段を有するガイドであって、前記フレームプロファイルにおいて前記中央部と側壁との間に移動可能に装着されるガイドと、連結手段と阻止片とを含む係止要素であって、前記連結手段は、前記係止要素を前記中央部に連結するように構成される係止要素と、前記ガイドに固定された前記カンバスに張力付与するため張力付与手段と、を含み、前記張力付与手段は、前記ストッパと前記ガイドとの間で張力付与されることにより、前記ガイドを前記フレームの前記中央方向において張力付与可能であり、前記阻止片は前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、および/または、前記張力付与手段は、前記阻止片と前記ガイドとの間で張力付与されることにより、前記ガイドを前記フレームの前記中央方向において張力付与可能であり、前記ストッパは前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、張力付与システムにおいて、前記係止要素および/または阻止片の前記フレームプロファイルに対する変位により、前記ガイドに固定された前記カンバスは、前記プロファイルの側壁上で張った状態になる、張力付与システムに関する。
【0069】
好適な実施形態において、係止要素は、中央部における摺動取付体であるとともに、係止要素を中央部に少なくとも2つの位置において、好適には押込位置および押出位置において連結するための連結手段を有する。係止要素および/または阻止片の押込位置から押出位置または押出位置から押込位置への変位により、ガイドに固定されたカンバスは、プロファイルの側壁上で張った状態になる。
【0070】
好適な実施形態に置いて、フレームプロファイルの少なくとも1つの側壁は、内向きのストッパを、好適にはその一端部に有し得る。これにより、張力付与手段は、ストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0071】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの中央部は、少なくとも1つの外向きのストッパを、好適にはその一端部に有し得る。これにより、張力付与手段は、このストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0072】
好適な実施形態において、張力付与システムは、フレームプロファイルに、好適にはフレームプロファイルの中央部に連結可能なストッパプロファイルを含み得る。ストッパプロファイルは、連結時に、少なくとも1つのストッパを形成し、これにより、張力付与手段は、このストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0073】
好適な実施形態において、係止要素の阻止片は、フレームの中央方向におけるガイドの移動を阻止できるように配置される。この実施形態は、係止要素が、中央部においてフレームプロファイルの中央側に沿った、好適にはフレームプロファイルの後壁に設けられた開口に沿った摺動取付体である実施形態に特に適している。
【0074】
好適な実施形態において、係止要素の阻止片は、フレームの横方向におけるガイドの移動を阻止できるように配置される。この実施形態は、係止要素が、中央部においてフレームプロファイルの横側に沿った、好適にはフレームプロファイルの中央部に設けられた開口に沿った摺動取付体である実施形態に特に適している。
【0075】
好適な実施形態において、フレームプロファイルのストッパは、フレームの横方向におけるガイドの移動を阻止できるように配置される。この実施形態は、係止要素が、中央部においてフレームプロファイルの横側に沿った、好適にはフレームプロファイルの中央部に設けられた開口に沿った摺動取付体である実施形態に特に適している。
【0076】
好適な実施形態において、係止要素は、中央部における摺動取付体であるとともに、係止要素を中央部に、少なくとも2つの位置において、好適には押込位置および押出位置において連結するための連結手段を有する。係止要素および/または阻止片の押込位置から押出位置または押出位置から押込位置への変位により、ガイドに固定されたカンバスは、プロファイルの側壁上で張った状態になる。
【0077】
本発明の一態様は、4つ以上のフレームプロファイルから実質的に組み立てられるフレームの両側における2つのカンバスに動的に張力付与するための両側張力付与システムであって、前記張力付与システムは、直立した中央部を有する後壁と、前記フレームの前記横方向において延びる2つの直立した側壁とを含むフレームプロファイルであって、少なくとも2つのストッパを両側に有するフレームプロファイルと、別個のカンバスを固定するための手段を各々有する少なくとも2つのガイドであって、前記フレームプロファイルにおいて前記中央部と別個の側壁との間に移動可能に各々装着されるガイドと、連結手段と少なくとも2つの阻止片とを含む係止要素であって、前記阻止片は、前記係止要素の両側に設けられ、前記連結手段は、前記係止要素を前記中央部に連結するように構成される係止要素と、前記ガイドに固定された前記カンバスに張力付与するための少なくとも2つの張力付与手段と、を含み、前記張力付与手段が別個のストッパとガイドとの間で張力付与されることにより、これらの前記ガイドを前記フレームの前記中央方向において張力付与可能であり、前記係止片は、これらの前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、および/または、前記張力付与手段が別個の阻止片とガイドとの間で張力付与されることにより、これらの前記ガイドを前記フレームの前記中央方向において張力付与可能であり、前記ストッパはこの前記ガイドの移動を阻止できるように配置される、張力付与システムにおいて、前記係止要素および/または前記係止片の前記フレームプロファイルに対する変位により、別個の前記ガイドに固定された前記カンバスは、前記フレームプロファイルの別個の側壁上で張力付与される、両側張力付与システムに関する。
【0078】
好適な実施形態において、係止要素の別個の阻止片は、フレームの中央方向における別個のガイドの移動を阻止できるように配置される。この実施形態は、係止要素が、中央部においてフレームプロファイルの中央側に沿った、好適にはフレームプロファイルの後壁に設けられた開口に沿った摺動取付体である実施形態に特に適している。
【0079】
好適な実施形態において、係止要素の別個の阻止片は、フレームの横方向における別個のガイドの移動を阻止できるように配置される。この実施形態は、係止要素が、中央部においてフレームプロファイルの横側に沿った、好適にはフレームプロファイルの中央部に設けられた開口に沿った摺動取付体である実施形態に特に適している。
【0080】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの別個のストッパは、フレームの横方向における別個のガイドの移動を阻止できるように配置される。この実施形態は、係止要素が、中央部においてフレームプロファイルの横側に沿った、好適にはフレームプロファイルの中央部に設けられた開口に沿った摺動取付体である実施形態に特に適している。
【0081】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの少なくとも各側壁は、ストッパを、好適にはその一端部に有し得る。これにより、2つの張力付与手段の各々は、別個のストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0082】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの中央部は、両側において少なくとも2つの外向きのストッパを、好適にはその一端部に有し得る。これにより、張力付与手段は、別個のストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0083】
好適な実施形態において、張力付与システムは、フレームプロファイルに、好適にはフレームプロファイルの中央部に連結可能なストッパプロファイルを備え得る。ストッパプロファイルは、連結時に、少なくとも2つのストッパを両側に形成し、これにより、2つの張力付与手段の各々は、別個のストッパとガイドとの間で張力付与される。
【0084】
好適な実施形態において、係止要素は、中央部における摺動取付体であるとともに、係止要素を中央部に少なくとも2つの位置において、好適には押込位置および押出位置において連結するための連結手段を含んでいる。係止要素および/または阻止片の押込位置から押出位置または押出位置から押込位置への変位により、別個のガイドに固定されたカンバスは、プロファイルの側壁上で張った状態になる。
【0085】
本明細書に記載の動的な片側張力付与システムおよび/または両側張力付与システムの構成要素について、以下により詳細に説明するとともに、張力付与システムの効率性および利便性をさらに向上させることを目的とする好適な実施形態も記載する。しかしながら、当業者には、張力付与システムの特定の構成要素が、機能を損なうことなく互換可能または組み合わせ可能であることが理解されるであろう。構成要素を主として別々に説明するが、これは、このようにすることで張力付与システム、ひいてはフレームの製造および設置が簡略化されると本発明者らが理解しているためである。
【0086】
当業者には、片側張力付与システムおよび/または両側張力付与システムに設けられる単数または複数のストッパの上述の実施形態は、本発明に対する限定的な性格を持たない好適な例を示すに過ぎないことが理解されるであろう。本発明者らは、これらの実施形態が、張力付与システムの利便性に関して種々の利点を有することを見出したが、当業者には、この種の張力付与システムに適切なストッパを設けるために他の実施形態も可能であることが理解されるであろう。さらなる説明について、本明細書に含まれる図面および実施例を参照されたい。
【0087】
フレームプロファイルは、少なくとも1つの直立した側壁および直立した中央部を有する少なくとも1つの後壁を含んでいる。ここで、「直立」という用語は、この構造体が基準とされる構造体に対して直立している、好適にはこれに対して垂直であることを示す。好適な実施形態において、直立した構造体は、後壁に対して垂直である。代替的に、後壁と直立した構造体との間に、わずかに内向きまたは外向きの傾斜が設けられ得る。フレームプロファイルは、直立した構造体がフレームの横方向に延び得るように配置される。フレームプロファイルの構成要素は、好適には全体を形成する(一体形成される)。それらは、例えば、フレームプロファイルの製造時に共押し出しされ得る。代替的に、構成要素は、例えば固定要素を介して互いに固定され得る。
【0088】
側壁は、下記の張力付与システムの構成要素を受容するのに適したスペースを形成し得る。好適な実施形態において、フレームプロファイルは、少なくとも2つの直立した側壁を含む。側壁は、フレームの横方向に延び得る。フレームプロファイルが2つの直立した側壁を含む一実施形態において、このスペースは、U字形状、またはその変形例、例えばV字形状であり得る。代替的に、フレームプロファイルは、少なくとも4つの反対方向に延びる直立した側壁を含み得る。フレームプロファイルが4つの直立した側壁を含む一実施形態において、このスペースは、H形状またはその変形例の形状であり得る。側壁は、フレームの中央方向および横方向に延び得る。
【0089】
側壁は、カンバスに張力付与するための構造体、すなわち張力付与壁を形成し得る。側壁の端部は、カンバスとの接触に適合された適切な形状を有し得る。壁とカンバスとの摩擦を低減するように、端部は、例えば部分的に丸みを帯びていてもよい。代替的に、張力付与壁とカンバスとの摩擦を増加させるように、端部にリブを設けてもよい。好適には、張力付与壁の端部は、部分的または全体的に球状である。好適な実施形態において、側壁の端部は、横側において丸みを帯びていてもよい。
【0090】
側壁は、少なくとも1つのストッパをさらに有し得る。このストッパは、ガイドの少なくとも一方向における移動、例えば、フレームの中央方向および/またはフレームの横方向における移動を阻止できるように配置され得る。代替的または追加的に、このストッパは、張力付与手段がこのストッパとガイドとの間で張力付与され得るように配置され得る。これにより、張力付与手段が部分的または全体的に張力付与される。一実施形態において、側壁のストッパは、「内向き」、すなわちフレームプロファイルの中央部に面していてもよい。内向きのストッパは、典型的には、側壁の一端部に設けられ得る。この実施形態により、例えば、張力付与手段をフレームプロファイルの外側に固着することが可能となる。
【0091】
側壁のストッパは、張力付与手段との接触にマッチする適切な形状を有し得る。端部は、例えば、張力付与手段が配置され得る凹部を有し得る。これにより、張力付与手段は、設置中に移動したり、圧力がカンバスにかかったときでも飛び出ることがない。好適な実施形態において、側壁のストッパは、横側において丸みを帯びていてもよく、かつ中央側に張力付与手段を挿入するための凹部を有していてもよい。
【0092】
また、側壁のストッパは、ガイドの少なくとも一方向における移動、例えばフレームの横方向における移動を機械的に阻止するように構成され得る。この実施形態により、例えば、張力付与手段を以下に説明する係止要素により固着することが可能となる。
【0093】
中央部は、第1億壁と中央部の一側との間に形成された第1スペースと、第2側壁と中央部の別の側との間に形成された第2スペースとの間の仕切を形成し得る。好適には、中央部は、後壁に沿った途中、すなわちその中央に配置され得る。これにより、フレームプロファイルは、2つの同一かつ対称の部分に分割される。中央部は、複数の直立した隔壁、例えば2つの直立した隔壁を含み得る。これらの隔壁は、フレームプロファイルの剛性を高めるように、一体的に接合され得る。例えば、隣接する隔壁の側面同士が後壁から距離を置いて一体的に接合されるブリッジ構造が形成され得る。
【0094】
中央部は、係止要素を少なくとも部分的に受容するためのスペースを形成し得る。好適な実施形態において、係止要素は、中央部における摺動取付体である。この目的のために、中央部は、係止要素の摺動を向上させる、またはガイドするための手段、例えば溝を有し得る。好適な実施形態において、フレームプロファイルの後壁は、中央部の下方に開口を有し得る。これにより、係止要素は、中央部のこの開口に沿って配置され得る、または押し込まれ得る。
【0095】
好適な実施形態において、フレームプロファイルの後壁は、中央部の下方に開口を含む。これにより、中央部においてこの開口に沿って配置された係止要素は、好適にはフレームの横方向に押し込まれ得る。好適な実施形態において、フレームプロファイルの中央部は、開口部を含む。これにより、中央部においてこの開口に沿って配置された係止要素は、好適にはフレームの中央方向に押し込まれ得る。
【0096】
中央部は、少なくとも1つのストッパをさらに有し得る。このストッパは、ガイドの少なくとも一方向における移動、例えばフレームの中央方向および/またはフレームの横方向における移動を阻止できるように配置され得る。代替的または追加的に、このストッパは、張力付与手段がこのストッパとガイドとの間で張力付与され得るように配置され得る。これにより、張力付与手段は、部分的または全体的に張力付与される。
【0097】
一実施形態において、中央部のストッパは、「外向き」、すなわちフレームプロファイルの側壁に面していてもよい。外向きのストッパは、典型的には、中央部の一端部に設けられ得る。この実施形態により、例えば、張力付与手段をフレームプロファイルの内側に固着することが可能となる。
【0098】
中央部のストッパは、張力付与手段との接触にマッチする適切な形状を有し得る。端部は、例えば、張力付与手段が配置され得る凹部を有し得る。これにより、張力付与手段は、設置中に移動したり、圧力がカンバスにかかったときでも跳ね出ることがない。好適な実施形態において、側壁のストッパは、横側において丸みを帯びていてもよく、かつ中央側に張力付与手段を挿入するための凹部を有していてもよい。
【0099】
中央部は、取付具またはカバープロファイルに連結するための構造体を形成し得る。具体的には、中央部は、取付具またはカバープロファイルに連結するように設けられた連結可能な構造体を有し得る。好適な実施形態において、中央部は、取付具またはカバープロファイルが引っ掛かることが可能なフック可能な構造体を有し得る。代替的に、中央部それ自体が、取付具またはカバープロファイルへ引っ掛かるように適合されたフックを有し得る。当業者は、中央部の端部を他の構造体に連結するように適切に適合させることができると想定される。張力付与システムは、選択的に、張力付与手段を部分的または全体的に固定するためのストッパを形成するストッパプロファイルを含み得る。ストッパプロファイルは、中央部または側壁等のフレームプロファイルの構成要素に連結可能である。別個のストッパを設けることにより、フレームを装着した後にのみ、カンバスに張力付与することができ得る。これは、例えば、完全なフレームをカンバスととともに事前に設置する場合に有利であり得る。
【0100】
張力付与システムは、カンバスを固定するのに適合されたガイドを含む。ガイドは、クランプ等のカンバスを固定するための手段を有し得る。代替的に、ガイドは、カンバスに直接的に固定され得る。カンバスは、例えば接着剤、または釘等の固定要素によりガイドに分離不能に固定され得る。好適には、カンバスは、ガイドから取り外すことができることにより、ガイドを外すことなくカンバスを交換することができる。
【0101】
ガイドは、カンバス固定要素をさらに含み得る。カンバスは、カンバス固定要素に配置され得る厚肉部を有する。好適な実施形態において、ガイドはジッパーガイドを含み得る。カンバスは、ジッパーガイドに配置され得るジッパーを有する。カンバス固定要素、好適にはジッパーガイドは、例えば、カンバスの一部を挿入する、または押し込むための開口、例えばジッパーを有し得る。カンバス固定要素、好適にはジッパーガイドは、例えば、カンバス固定要素に部分的に可撓性を持たせることにより、カンバス、好適にはジッパーを挿入または押し込む際にこの開口を部分的に拡大するように適合され得る。
【0102】
好適な実施形態において、カンバス固定要素、好適にはジッパーガイドは、前記ガイドにおける摺動取付体である別個の構成要素である。これにより、カンバスを、好適にはジッパーにより、カンバス固定要素に事前に固定することができる。これにより、カンバスをガイドに配置することがより簡単でより利便性の高いものとなる。発明者らは、例えば複数のジッパーを有するカンバスをカンバスの両側または各側に固定するための特に効率的な実施形態が得られることを見出した。カンバスにフレームの複数の側に固定することは、ガイドが既に張力付与手段により部分的に張力下に既にあるため、典型的には難しい作業である。好適にはジッパーガイドの形状にある別個の摺動可能なカンバス固定要素を設けることにより、カンバスは、好適にはジッパーにより全体的に阻止され得るため、カンバスは行先がなくなり、カンバスをフレームの複数の側に固定することがやはり可能になる。
【0103】
ガイドは、側壁とフレームプロファイルの中央部との間に移動可能に配置され得る。「移動可能」とは、ガイドがフレームプロファイルに連結または固着されていないため、少なくとも2方向に、具体的にはフレームの中央方向および横方向において移動できることを意味する。ガイドの移動は、一方で係止要素により、他方で張力付与手段により決定され得る。具体的には、張力付与手段は、ガイドにフレームの中央方向に張力付与できるが、係止要素に設けられた阻止片は、フレームの中央方向におけるガイドの移動を阻止できる。このようにして、ガイドの位置は、カンバスがフレームの片側または両側に沿って動的に張力付与され得るように、常に適合され得る。さらなる説明については、図面および本明細書に含まれる実施例を参照されたい。
【0104】
ガイドの長さは、隣接する側壁またはカンバスの縁部の長さにマッチさせ得る。代替的に、ガイドは、限定された長さ、例えばフレームまたはカンバスの長さの半分、例えば長さの4分の1、例えば長さの数分の1を有し得る。複数のガイドが、好適には互いから一定の距離を置いて互いに並んで配置され得る。ガイドの寸法は、好適には、フレームプロファイルにおいてガイドを受容するためのスペースに適合される。ガイドは、好適には、フレームプロファイルに抵抗なく配置されるように十分に小さいことにより中央方向および横方向に自由に移動可能であるが、フレームプロファイルにおいて側壁と中央部との間で張力付与されるように十分に大きいことにより横向きに移動することはできない。
【0105】
ガイドは、フレームプロファイルのストッパとの接触に適合された端部を持つ、横向きに突出する阻止壁をさらに有し得る。ストッパは、フレームの横方向におけるガイドブロックの移動を阻止できる。したがって、阻止壁は、カンバスの装着中または張力付与の解除中に、ガイドがフレームプロファイルから引き出されることを防止し得る。
【0106】
ガイドは、張力付与手段を挿入するための凹部または溝をさらに有し得る。好適な実施形態において、この凹部は、カンバスが風や強風等の圧力を受けたときでも、張力付与手段が所定位置において張力付与されたままであるように配置される。凹部は、好適には、張力付与手段が凹部から滑り落ちないように丸みを帯びている。張力付与手段とカンバスとの摩擦を増加させるように、凹部にリブを設けてもよい。代替的に、ガイドは、張力付与手段に連結され得る。
【0107】
張力付与システムは、ガイドをフレームの中央方向において張力付与させるように適合された張力付与手段を備える。この目的のために、張力付与手段は、ガイドとフレームプロファイルとの間で張力付与され得る。また、互いに並んで配置されることでガイドをともに張力付与する複数の張力付与手段が、設けられ得る。これにより、所望の張力をモジュール式に適合させることができる。張力付与手段により覆われる表面は、好適には隣接するガイドの長さにマッチする。複数のガイドが互いに並んで配置される場合、同様に複数の張力付与手段が設けられる。例えば、ガイド毎に1つの張力付与手段が設けられる。代替的に、複数のガイドに沿って延びる長い張力付与手段が設けられ得る。代替的に、互いに背後に配置される複数のより短い張力付与手段を設けてもよい。
【0108】
張力付与手段の高さは、例えば強い風荷重または弱い風荷重、あるいは重い遮蔽カンバスまたは軽い遮蔽カンバスに必要な荷重の強度に応じて適合され得る。張力付与手段の高さは、フレームプロファイルの隣接する側壁の長さにも適合され得る。
【0109】
張力付与手段は、曲げたり延ばしたり圧縮したりした後に元の形状に戻り得る材料から作製され得る。張力付与手段は、弾性材料および/またはバネ材料を含み得る、またはこれらからなり得る。張力付与手段の弾力性は、例えば強い風荷重または弱い風荷重、あるいは重い遮蔽カンバスまたは軽い遮蔽カンバスに必要な荷重の強度に応じて適合され得る。また材料の選択に応じて、張力付与手段はより剛性または硬性であり得る、あるいはより可撓性および弾性であり得る。当業者には、材料の選択がどのように張力付与手段の弾力性に影響し得るかを理解することが想定される。
【0110】
好適な実施形態において、張力付与手段は、アーチ形状の単数のバネ、またはアーチ形状の複数のバネを含み得る。アーチ形状によれば、張力付与手段の長さを隣接する係止要素の長さにマッチさせることが容易になる。アーチ形状の例は、半円または半楕円である。または、アーチ形状は不規則な曲線を有し得る。好適には、アーチ形状のバネは、その頂部が張力付与プロファイルに接触し、端部がガイドに接触するように、または逆に、頂部がガイドに接触し、端部が張力付与プロファイルに接触するように設置され得る。
【0111】
好適な実施形態において、張力付与手段は、波形状の単数のバネ、または波形状の複数のバネを含み得る。波形状の例は、正弦波である。波形状のバネの長さは、単数または複数の波、例えば2つまたは3つの波と一致し得る。好適には、波形状のバネは、その単数または複数の山部が張力付与プロファイルと接触し、単数または複数の谷部がガイドと接触するように、または逆に単数または複数の山部がガイドと接触し、単数または複数の谷部が張力付与プロファイルと接触するように配置される。好適には張力付与手段が上述のものと同様に取り付けられ機能する単数または複数の弾性要素および/またはバネ要素を含む、張力付与手段のさらに代替的な実施形態が可能であることが明らかである。
【0112】
張力付与システムは、フレームプロファイルに、特にフレームプロファイルの中央部に連結可能な係止要素を備える。好適な実施形態において、係止要素は、係止要素を中央部に、少なくとも2つの位置において、例えば押込位置および押出位置において連結するように構成された連結手段を有する。代替的に、係止要素は複数の連結手段を含み得る。各連結手段は、係止要素を中央部に異なる位置において連結するように構成される。複数の連結位置または連結手段を設けることにより、固定されたカンバスの装着または取り外し時に、最大張力の度合をより良く制御し得る。
【0113】
係止要素は、少なくとも1つの阻止片をさらに含む。阻止片は、ガイドの少なくとも一方向における移動、例えば、フレームの中央方向および/またはフレームの横方向における移動を阻止できるように配置され得る。阻止片は、例えば、ガイドの移動を阻止できるストッパを形成し得る。
【0114】
代替的または追加的に、阻止片は、張力付与手段に部分的または全体的に張力付与できるように配置され得る。阻止片は、例えばストッパを形成し得る。これにより、張力付与手段が、阻止片とガイドとの間で張力付与され得る。係止要素は典型的には本体を含み、この本体に、本体から突出する少なくとも1つ、好適には少なくとも2つの阻止片が設けられる。
【0115】
好適な実施形態において、阻止片は、少なくとも1つの横向きに突出するウィングを含み得る、または、より好適には、両側に、少なくとも2つの横向きに突出するウィングを含み得る。すなわち、横向きに突出するウィング形状の構造体が係止要素の本体を形成し、その一端部が阻止片を形成する。
【0116】
好適な実施形態において、阻止片は、少なくとも1つの横向きに突出する円、すなわち、係止要素の本体の周囲に横向きに突出する円形端部を含み得る。これにより、この端部の一部が、単数または複数の阻止片を形成する。当業者には、円形端部が、アーチ形状の端部または楕円形状の端部でもあり得ることが理解されるであろう。
【0117】
好適な実施形態において、阻止片は、細長いナット、すなわち矩形のナットを含み得る。その少なくとも1つの端部が係止要素の本体から横向きに突出することで、この端部の一部が単数または複数の阻止片を形成する。
【0118】
阻止片は、ガイドとの接触に適合された端部であって、隣接するガイドに対するストッパを形成する端部を有し得る。端部は、平坦化された端部であり得る。端部は、ガイドとの接触を向上させるフィニッシュ、例えば、ガイドを部分的に受容するのに適した溝を設けられ得る。好適な実施形態において、係止要素は、両側に2つの阻止片を有する。これらの阻止片は、係止要素の本体から反対方向において横向きに突出する同様のウィング片を形成し得る。
【0119】
係止要素は、フレームプロファイル内に導入され得る。具体的には、係止要素は、中央部における摺動取付体であり得る。これにより、係止要素は、フレームプロファイルに対して、少なくともフレームの中央方向および横方向において摺動可能である。この変位により、係止要素の位置が、少なくとも2つの異なる位置、例えば押込位置と押出位置との間で適合され得る。複数の位置を設けることにより、例えば張力付与手段の弾力性を制限するという張力付与システムの適合性について利点が提供され得ることが理解される。発明者らは、少なくとも2つの位置を設けることが、本発明の特に効率的な実施形態であることを見出した。
【0120】
係止要素は、フレームプロファイルに、連結手段により連結され得る。好適な実施形態において、連結手段は、係止要素を少なくとも2つの位置のうちの一方において連結するように構成され得る。具体的には、係止要素は、フレームプロファイルに連結するように適合された連結手段を有し得る。または、フレームプロファイルは、係止要素を連結するための連結手段を有し得る。または、係止要素およびフレームプロファイルの両方が、一体に連結し得る相補的な要素を有し得る。
【0121】
連結手段は、好適には、繰り返し連結するように構成される。これにより、係止要素は、繰り返し連結され得るとともに繰り返し連結解除され得る。これにより、係止要素の位置を調整しやすくなる。連結手段は、スナップフィット要素、すなわちスナップフィット連結部を有し得る。連結手段は、ねじ込み可能な要素、すなわちねじ込み連結部を有し得る。
【0122】
好適な実施形態において、連結手段は、少なくとも1つ、好適には2つ以上の押付可能な凸部を有する。各凸部は、フックポイントを有する。フックポイントは、内向きでも外向きでもよいが、好適には外向きである。フックポイントは、例えば、フレームプロファイル、特に中央部に設けられたフックインポイントに固着され得る。このフックインポイントは、例えば、中央部の直立した壁に設けられた開口であり得る。好適には、フックインポイントは、フレームの横断方向に設けられ得る。これにより、フックポイントは、ガイドに接触したり場合によりこれを阻止したりすることがない。フックポイントは、好適には、係止要素が2つの押付可能な凸部を押し込むことにより連結解除され得るように配置される。当業者には、複数の押付可能な凸部、例えば4つの押付可能な凸部により同様の効果が得られ得ることが理解されるであろう。しかしながら、本発明者らは、2つの凸部が、不要な複雑さを伴わない特に効率的な実施形態を形成することを発見した。
【0123】
好適な実施形態において、係止要素および特にその押付可能な凸部は、傾斜端面を有する。傾斜端面により、フレームの横方向における係止要素の変位により、凸部が押し込まれ得る。そして、傾斜端面は中央部の隔壁に接触し得ることにより、凸部は次第に押し込まれ得る。傾斜端面は内向きでも外向きでもよいが、好適には外向きである。この目的のために、押付可能な凸部間の距離は、中央部の隔壁間の距離よりも大きくてもよい。
【0124】
好適な実施形態において、連結手段は、フレームプロファイルに、好適には中央部に配置され得るネジを有する。係止要素は、ナットをこのネジの端部に固定することにより連結され得る。ネジの頭部は、中央部の横側に設けられ得ることにより、簡単にネジ留めできる。ナットは、細長い本体を有し得る。本体の端部が阻止片を形成する。この種の実施形態により、係止要素または阻止片が複数の位置で連結され得る。これにより、カンバスに対する最大張力および最小張力が動的に適合され得る。当業者には、複数のネジおよび/またはナットを有する凸部により同様の効果が得られ得ることが理解されるであろう。しかしながら、発明者らは、細長いナットを有する1つのネジが、不要な複雑さを伴わない特に効率的な実施形態であることを発見した。
【0125】
張力付与システムは、張力付与システムを覆うように適合されたカバープロファイルをさらに備え得る。カバープロファイルは、フレームプロファイルに、特にその中央部に連結され得る。具体的には、カバープロファイルは、フレームプロファイルに連結するように適合された連結手段を有し得る。または、フレームプロファイルは、カバープロファイルを連結するための連結手段を有し得る。または、カバープロファイルおよびフレームプロファイルの両方が、互いに連結し得る相補的な要素を有し得る。この連結は、好適には、繰り返し元に戻され得る。これにより、カバープロファイルは、張力付与システムを取り外す際に、簡単に連結解除され得る。
【0126】
カバープロファイルは、フレームの側壁を形成し得る。これは、張力付与システムの構成要素が保護される、ならびに完全に視界から見えなくなるという利点を有する。好適な実施形態において、カバープロファイルは、連結中に、フレームプロファイルの直立した単数または複数の壁の単数または複数の端部を有する整列平面を形成して、挿入カバープロファイルを形成し得る。好適な実施形態において、カバープロファイルは、連結中に、フレームプロファイルの直立した単数または複数の壁の単数または複数の端部上に配置されて、表面装着カバープロファイルを形成し得る。代替的に、カバープロファイルは、フレームプロファイルの直立した壁間に、ホイール、照明(例えばLED)、装飾要素等の追加のフィニッシュ要素が設けられ得る溝を形成し得る。
【0127】
カバープロファイルは、フレームの横側に連結されて、フレームプロファイルへの連結時にフレームの側壁を形成する側部カバープロファイルを形成し得る。側部カバープロファイルは、片側張力付与システムおよび両側張力付与システムの両方について、張力付与システムの構成要素を見えなくすることに特に適している。カバープロファイルは、フレームの中央部に連結されて、フレームプロファイルへの連結時にフレームの中央壁を形成する中央カバープロファイルを形成し得る。中央カバープロファイルは、片側張力付与システムの背後で張力付与システムの構成要素を見えなくするのに特に適しているが、両側張力付与システムでも使用され得る。
【0128】
好適な実施形態において、カバープロファイルは、2つの直立した壁を有する後壁を含む。後壁の長さは、カンバスが部分的に覆われ得るように、フレームプロファイルの直立した壁間の距離にマッチし得る。または、カンバスとの接触を避けるために短くしてもよい。少なくとも2つの直立した壁は、好適には、後壁の端部に位置していない。これにより、直立した壁は、フレームプロファイルに完全に配置され得る。直立した壁は、例えば、後壁の途中の中間まで設けられ得る。少なくとも2つの直立した壁の端部は、フック形状の構造体を含み得る。フック形状の構造体は、例えば、フレームプロファイルに、および特にその中央部に連結可能である。なぜならば、それらは、フック形状の構造体に堅固に引っ掛かる、またはこれに沿うからである。
【0129】
張力付与システムは、単数または複数のフレーム要素を連結するように構成された取付具をさらに含み得る。フレーム要素は、例えば、レール、ローラ、ストッパ、係止具、ヒンジ、フレームガイド等を含み得る。当業者には、本発明が特定のフレーム要素に限定されないことを理解されるであろう。取付具は、挿入カバープロファイルまたは表面装着カバープロファイル等の上述のカバープロファイルを連結するようにも構成され得る。
【0130】
本発明の一態様は、本明細書に記載の張力付与システムを有するフレームと、カンバスと、を備える片側カンバスフレームにおいて、カンバスは、フレームの片側において動的に張力付与される、片側カンバスフレームに関する。本明細書に記載の片側張力付与システムの好適な実施形態は、片側カンバスフレームの好適な実施形態も形成することを理解されたい。
【0131】
本発明の一態様は、本発明の一態様は、本明細書に記載の張力付与システムを有するフレームと、2つのカンバスと、を備える両側カンバスフレームにおいて、カンバスは、フレームの両側において動的に張力付与される、両側カンバスフレームに関する。本明細書に記載の両側張力付与システムの好適な実施形態は、両側カンバスフレームの好適な実施形態も形成することを理解されたい。
【0132】
本発明の一態様は、本明細書に記載の片側張力付与システムを、カンバスにフレームの片側において張力付与するために使用することに関する。本明細書に記載の片側張力付与システムの好適な実施形態は、片側張力付与システムの使用の好適な実施形態も形成することを理解されたい。
【0133】
本発明の一態様は、本明細書に記載の片側張力付与システムの、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体としての使用、あるいは代替的に、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体におけるパネルとしての使用に関する。
【0134】
本発明の一態様は、本明細書に記載の両側張力付与システムを、カンバスにフレームの両側において張力付与するために使用することに関する。本明細書に記載の両側張力付与システムの好適な実施形態は、両側張力付与システムの使用の好適な実施形態も形成することを理解されたい。
【0135】
本発明の一態様は、本明細書に記載の両側張力付与システムの、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体としての使用、あるいは代替的に、屋根、仕切、壁、ドア、または閉鎖体におけるパネルとしての使用に関する。
【0136】
さらなる態様において、本発明は、カンバスにフレームの片側において動的に張力付与するための方法に関する。本明細書に記載の片側張力付与システムの好適な実施形態は、本方法の好適な実施形態も形成することを理解されたい。
【0137】
第1の好適な実施形態において、本方法は、
(a)フレームプロファイルを設けるステップと、
(b)前記フレームプロファイルにおいて、前記フレームプロファイルの中央部と側壁との間にガイドを配置するステップと、
(c)係止要素を設けるステップと、
(d)選択的に、前記係止要素を前記フレームプロファイルの前記中央部に連結するステップと、
(e)張力付与手段に、一方で前記フレームプロファイルのストッパおよび/または前記係止要素の阻止片と、他方で前記ガイドとの間で張力付与するステップと、
(f)前記カンバスを前記ガイドに固定するステップであって、前記カンバスは、前記フレームプロファイルの前記側壁上で折り畳まれるステップと、
(g)選択的に、前記係止要素を前記中央部から連結解除するステップと、
(h)前記係止要素を移動させることにより、前記カンバスを前記フレームプロファイルの前記側壁上で張った状態にするステップと、
(i)選択的に、前記係止要素を前記フレームプロファイルの前記中央部に連結するステップと、
を備える;
好適な実施形態において、ステップ(d)+ステップ(h)および/またはステップ(i)のうちの少なくとも1つを備える。
【0138】
好適な実施形態において、本方法は、
(c)係止要素をフレームプロファイルの中央部に少なくとも部分的に挿入するステップと、
(d)係止要素を中央部に第1位置において連結するステップであって、第1位置は、係止要素の押込位置に一致するステップと、
(i)係止要素を中央部に第2位置において連結するステップであって、第2位置は、係止要素の押出位置に一致するステップと、
を備える。
【0139】
好適な実施形態において、本方法は、
(c)選択的に、係止要素をフレームプロファイルの中央部に少なくとも部分的に挿入するステップと、
(d)係止要素を中央部に第1位置において連結するステップであって、第1位置は、係止要素の押出位置に一致するステップと、
(i)係止要素を中央部に第2位置において連結するステップであって、第2位置は、係止要素の押込位置に一致するステップと、
を備える。
【0140】
第2の好適な実施形態において、本方法は、
(a)中央部と側壁とを含むフレームプロファイルを設けるステップと、
(b)前記フレームプロファイルにおいて、値前記中央部と前記側壁との間にガイドを配置するステップと、
(c)係止要素を前記フレームプロファイルの前記中央部に挿入するステップと、
(d)前記係止要素を前記フレームの前記横方向に押し込むことにより、前記係止要素の阻止片が前記ガイドに接触するステップと、
(e)前記係止要素を前記フレームプロファイルの前記中央部に第1位置において連結するステップであって、前記第1位置は、前記係止要素の押込位置に一致するステップと、
(f)張力付与手段に、前記側壁のストッパと前記ガイドとの間で張力付与するステップと、
(g)前記カンバスを前記ガイドに固定するステップであって、前記カンバスは、前記フレームプロファイルの前記側壁上で折り畳まれるステップと、
(h)前記係止要素を前記フレームプロファイルの前記中央部から連結解除するステップと、
(i)前記係止要素を前記フレームの中央方向に摺動させることにより、前記カンバスを前記フレームプロファイルの前記側壁上で張った状態にするステップと、
(j)前記係止要素前記フレームプロファイルの前記前記中央部に第2位置において連結するステップであって、前記第2位置は、前記係止要素の押出位置に一致するステップと、
(k)選択的に、中央カバープロファイルを前記フレームプロファイルに連結して、前記フレームの中央壁を形成するステップと、
(l)選択的に、側部カバープロファイルを前記フレームプロファイルに連結して、前記フレームの側壁を形成するステップと、および/または、
単数または複数のフレーム要素および/または前記側部カバープロファイルを連結するように構成された取付具を前記フレームプロファイルに連結するステップと、
を備える。
【0141】
さらなる態様において、本発明は、2つのカンバスにフレームの両側において動的に張力付与するための方法に関する。本明細書に記載の両側張力付与システムの好適な実施形態は、本方法の好適な実施形態も形成することを理解されたい。
【0142】
第1の好適な実施形態において、本方法は、
(A)フレームプロファイルを設けるステップと、
(B)前記フレームプロファイルにおいてその中央部と第1側壁との間に第1ガイドを配置するステップ、および、前記フレームプロファイルにおいてその中央部と第2側壁との間に第2ガイドを配置するステップと、
(C)係止要素を設けるステップと、
(D)選択的に、前記係止要素を前記中央部に連結するステップと、
(E)第1張力付与手段に、一方で第1ストッパおよび/または第1阻止片と、他方で前記第1ガイドとの間で張力付与するステップ、および、第2張力付与手段に、一方で第2ストッパおよび/または第2阻止片と、他方で前記第2ガイドとの間で張力付与するステップと、
(F)前記第1カンバスを前記第1ガイドに固定するステップであって、前記第1カンバスは、前記フレームプロファイルの前記第1側壁上で折り畳まれるステップ、および、前記第2カンバスを前記第2ガイドに固定するステップであって、前記第2カンバスは、前記フレームプロファイルの前記第2側壁上で折り畳まれるステップと、
(G)選択的に、前記係止要素を前記中央部から連結解除するステップと、
(H)前記係止要素を移動することにより、前記第1カンバスを前記フレームプロファイルの前記第1側壁上で張った状態にするとともに、前記第2カンバスを前記フレームプロファイル前記第2側壁上で張った状態にするステップと、
(I)選択的に、前記係止要素を前記中央部連結するステップと、
を備える。
【0143】
好適な実施形態において、本方法は、ステップ(D)+ステップ(H)および/またはステップ(I)のうちの少なくとも1つを備える。
【0144】
好適な実施形態において、本方法は、
(C)係止要素をフレームプロファイルの中央部に少なくとも部分的に挿入するステップと、
(D)係止要素を中央部に第1位置において連結するステップであって、第1位置は、係止要素の押込位置に一致するステップと、
(I)係止要素を中央部に第2位置において連結するステップであって、第2位置は、係止要素の押出位置に一致するステップと、
を備える。
【0145】
好適な実施形態において、本方法は、
(C)選択的に、係止要素をフレームプロファイルの中央部に少なくとも部分的に挿入するステップと、
(D)係止要素を中央部に第1位置において連結するステップであって、第1位置は、係止要素の押出位置に一致するステップと、
(I)係止要素を中央部に第2位置において連結するステップであって、第2位置は、係止要素の押込位置に一致するステップと、
を備える。
【0146】
第2の好適な実施形態において、本方法は、
(A)中央部と2つの側壁とを含むフレームプロファイルを設けるステップと、
(B)前記フレームプロファイルにおいて前記中央部と第1側壁との間に第1ガイドを配置するステップ、および前記フレームプロファイルにおいて前記中央部と第2側壁との間に第2ガイドを配置するステップと、
(C)係止要素を前記フレームプロファイルの前記中央部に挿入するステップと、
(D)前記係止要素を前記フレームの横方向に押し込むことにより、前記係止要素の第1阻止片が前記第1ガイドに接触するとともに、第2素子片が第2ガイドに接触するステップと、
(E)前記係止要素を前記フレームプロファイルの前記中央部に第1位置において連結するステップであって、前記第1位置は、前記係止要素の押込位置に一致するステップと、
(F)第1張力付与手段に前記第1側壁のストッパと前記第1ガイドとの間で張力付与するステップ、および、第2張力付与手段に前記第2側壁のストッパと前記第2ガイドとの間で張力付与するステップと、
(G)前記第1カンバスを前記第1ガイドに固定するステップであって、前記第1カンバスは、前記フレームプロファイルの前記第1側壁上で折り畳まれるステップ、および、前記第2カンバスを前記第2ガイドに固定するステップであって、前記第2カンバスは、前記フレームプロファイルの前記第2側壁上で折り畳まれるステップと、
(H)前記係止要素を前記中央部から連結解除するステップと、
(I)前記係止要素を前記フレームの中央方向に摺動させることにより、前記第1カンバスを前記フレームプロファイルの前記第1側壁上で張った状態にするとともに、前記第2カンバスを前記フレームプロファイルの前記第2側壁上で張った状態にするステップと、
(J)前記係止要素前記フレームプロファイルの前記中央部に第2位置において連結するステップであって、前記第2位置は、前記係止要素の押出位置に一致するステップと、
(K)選択的に、中央カバープロファイルを前記フレームプロファイルに連結して、前記フレームの中央壁を形成するステップと、
(L)選択的に、側部カバープロファイルを前記フレームプロファイルに連結して、前記フレームの側壁を形成するステップと、および/または、
単数または複数のフレーム要素および/または前記側部カバープロファイルを連結するように構成された取付具を前記フレームプロファイルに連結するステップと、
を備える。
【0147】
さらなる態様において、本発明は、カンバスを動的に張力付与解除して選択的に取り外すための方法に関する。カンバスは好適には本明細書に記載の方法により動的に張力付与されたものであることを理解されたい。好適な実施形態において、本方法は、以下のステップをさらに備える。
(i)係止要素を中央部から連結解除するステップと、
(ii)係止要素をフレームの横方向に押し込むことにより、カンバスをフレームプロファイルの側壁上で緩めるステップと、
(iii)係止要素を中央部に第1位置において連結するステップであって、第1位置は、係止要素の押込位置に一致するステップと、
(iv)選択的に、カンバスをガイドから取り外すステップ。
【0148】
実施例
本発明の特徴をより良く説明することを目的として、いくつかの好適な実施形態を、添付図面を参照しつつ、限定的な性格を持たない例として以下に説明する。図示の実施形態は、本発明の好適な実施形態に関するものであり、決して限定して解釈されるべきではない。
【0149】
実施例1:張力付与システム
本発明およびその使用のさらなる説明のために、
図1~
図9を参照する。これらの図面は、第1の好適な実施形態による両側張力付与システム(10)を側面図(フレームの横断方向)において示す。ここで、係止要素(300)が、フレームプロファイル(100)において、フレームプロファイル(100)の中央側に沿って配置されている。すなわち、係止要素(300)は、フレームの横方向(L)において移動し得る。フレームプロファイル(100)の後壁は、この第1の好適な実施形態において、係止要素(300)を挿入するための開口を有している。この例を
図13に示す。
【0150】
また、
図1~
図9は、両側張力付与システム(10)の第1の好適な実施形態による2つのカンバスに動的に張力付与するための方法を示す。当業者には、本明細書に記載した本発明による代替的な実施形態によるカンバスへの張力付与が、同様の態様で実施され得ることが理解されるであろう。張力付与システム(10)の他の好適な実施形態の例については、実施例3でより詳細に説明する。
図1~
図9について、時系列順に、すなわち、カンバス(50)を張力付与システムの第1の好適な実施形態による張力付与システム(10)に装着するための順序に従って以下に説明する。
【0151】
張力付与システムの第1の好適な実施形態
図1に示すように、第1フレームプロファイル(100)が設けられる。フレームプロファイル(100)は、後壁を備えている。後壁は、フレームの横方向(L)において延びる直立した中央部(110)を有する。後壁は、フレームの中央方向(C)において延びる2つの側壁(120)をさらに有している。2つの側壁(120)は、それらの側端部において、内向きのストッパ(125)を有している。
【0152】
図2は、どのように2つのガイド(200)がフレームにおいて中央部(110)とそれぞれの側壁(120)との間に移動可能に配置されるかを示す。各ガイド(200)は、カンバス(50)を挿入するための開口を有している。この開口は、フレームの横方向(L)に配向されている。
【0153】
図3は、どのように係止要素(300)が設けられるかをさらに示す。係止要素(300)の他の実施形態については、実施例2でより詳細に説明する。係止要素(300)は、中央部(110)内に摺動可能に配置される。係止要素(300)は、その両側に2つの阻止片(320)を有している。
【0154】
図4は、フレームの横方向(L)(図面において右側)において中央部(110)を通過する係止要素(300)の移動を示す。この結果、係止要素(300)の阻止片(320)は、2つのガイド(200)に接触し得るため、フレームの中央方向(C)へのガイド(200)の移動が機械的に阻止される。係止要素(300)は、この第1の「押込」位置において、中央部(110)と連結され得ることにより、再び摺動して出ることはできない。係止要素(300)のフレームプロファイル(100)に対する連結の例については、実施例2でより詳細に説明する。
【0155】
図5は、どのように第1張力付与手段(400)が第1側壁(120)のストッパ(125)と第1ガイド(200)との間で張力付与されて、第1張力付与手段(400)が第1ガイド(200)にフレームの中央方向(C)(図面において左側)に張力付与し得るか、を示す。これにより、第1ガイド(200)は、フレームの中央方向(C)に移動し得ることが保証されるが、この移動は、ある時点から係止要素(300)の隣接する阻止片(320)により阻止され得る。
【0156】
同様に、
図6は、どのように第2張力付与手段(400)が第2側壁(120)のストッパ(125)と第2ガイド(200)との間に配置されるか、を示す。第2張力付与手段(400)は、第2ガイド(200)にフレームの中央方向(C)(図面において左側)に張力付与するが、このガイド(200)の移動は、係止要素(300)の隣接する阻止片(320)により同様に阻止され得る。フレームプロファイル(100)において張力付与手段(400)を別の位置に配置する実施形態については、実施例3でより詳細に説明する。
【0157】
図7は、どのように第1カンバス(50)が第1ガイド(200)に第1カンバス固定要素(60)により固定されるか、を示す。本例において、カンバス(50)は、その側面にジッパーを有しており、カンバス固定要素(60)は、ガイド(200)に押し込まれるジッパーガイド(60)である。ガイド(200)はフレームの中央方向(C)において阻止されているため、第1カンバス(50)は、クランプ解除された状態のままである。
【0158】
同様に、
図8は、どのように第2カンバス(50)が他方のガイド(200)に第2カンバス固定要素(60)により固定されるかを示す。第2カンバス(50)も、その側面にジッパーを有している。ジッパーは、ガイド(200)に押し込まれるジッパーガイド(60)に配置される。第2カンバス(50)も、クランプ解除された状態のままである。
【0159】
図9は、フレームの中央方向(C)への係止要素(300)の移動を示す。この結果、係止要素(300)の阻止片(320)はこれとともに移動し得るため、それらはもはやフレームの中央方向(C)へのガイド(200)の移動を阻止しない。ガイド(200)は、2つの隣接する張力付与手段(400)のフレームの中央方向(C)への張力付与により移動し得るため、2つのカンバス(50)は、フレームプロファイル(100)の側壁(120)上で張った状態とされ得る。係止要素(300)は、この第2「押出」位置において、中央部(110)に連結され得るため、摺動して中に後退することはできない。係止要素(300)の実施形態およびそのフレームプロファイル(100)に対する連結については、実施例2でより詳細に説明する。
【0160】
さらに
図10~
図12は、張力付与システム(10)の選択的なフィニッシュについての異なる実施形態を示す。特に、張力付与システム(10)は、取付具(500)をさらに有し得る。取付具(500)は、フレームプロファイル(100)の中央部(110)に連結され得る。
図10Aは、どのように挿入側部カバープロファイル(510)が取付具(500)に連結され得るかを示す。
図10Bは、どのように表面装着側部カバープロファイル(510)が取付具(500)に連結され得るかを示す。
図11は、どのようにフレーム要素(530)が取付具(500)に連結され得るかを示す。
【0161】
最後に、
図12は、張力付与システム(10)が、フレームプロファイル(100)に連結され得る中央カバープロファイル(520)も有し得ることを示す。この最後の実施形態は、張力付与システム(10)の部品を片側張力付与システム(10)の後方に隠すのに特に適している。当業者には、
図10~
図12に示すこれらの選択的なフィニッシュ形態が簡単に互いに組み合わせられ得ることが理解されるであろう。
【0162】
実施例2:係止要素
係止要素(300)、およびフレームプロファイル(100)に対するその連結についてさらに説明するために、係止要素(300)の種々の好適な実施形態について、
図13~
図26を参照して説明する。
図13は、フレームプロファイル(100)を示す。フレームプロファイル(100)は、フレームプロファイル(100)の後壁に開口を有している。この開口は、中央部(110)に露出している。さらに、
図14~
図18は係止要素(300)の第1の好適な実施形態を示し、
図19~
図23は第2の好適な実施形態を示し、
図24~
図26は第3の好適な実施形態を示す。係止要素(300)のこれら3つの実施形態および
図13に示すフレームプロファイル(100)に対するその想定可能な連結について、各々別個に以下に説明する。当業者には、これらの実施形態のさらに他の変形例が存在すること、およびそれらの態様も互いに組み合わせられ得ることが理解されるであろう。
【0163】
係止要素の第1の好適な実施形態
図14~
図28は、第1の好適な実施形態による係止要素(300)を示す。本実施形態において、係止要素(300)は、2つの押付可能な凸部を有している。
図14および
図15は、これらの押付可能な凸部を斜視図で示す。各凸部の端部は、連結手段(310)として機能し得る、外向きの傾斜端面を有している。特に、傾斜端面は、フックポイント(310)等の開口に引っ掛かることができる。
【0164】
この係止要素(300)は、係止要素(300)の両側において2つの阻止片(320)を形成する2つの横向きに突出するウィングをさらに有している。各阻止片(320)の端部は、調節ガイド(300)用のストッパとして機能し得る平坦化された端部ポイントを有している。
【0165】
実施例1において上述したように、係止要素(300)は、
図13のフレームプロファイル(100)に配置され得る。具体的には、
図16~
図18は、どのようにこの第1好適な実施形態による係止要素(300)がフレームプロファイル(100)の後壁に設けられた開口を通過してフレームの横方向(L)(図面において左側)に移動できるかを示す。
【0166】
図16は、凸部がフレームプロファイル(100)の方向に配置された態様で係止要素(300)が配向されていることを示す。次に、凸部がフレームプロファイル(100)内に押し込まれる。フレームプロファイル(100)の後壁に設けられた開口は、2つの凸部間の距離よりも小さいため、これらの凸部は、係止要素(300)の移動中に部分的に押し込まれ得る。すなわち、中央部(110)の隔壁に接触することにより、これらの凸部は部分的に押し込まれる。
【0167】
中央部(110)は、隔壁において、フックポイント(310)が凸部の各々の端部付近でフックし得る位置に開口をさらに有している。この結果、係止要素(300)は、フレームプロファイル(100)に連結することができる。1つのフックインポイント(310)を設けることにより、係止要素(300)は1つの位置においてのみ、具体的には押込位置においてのみ、フレームプロファイル(100)に連結することができる。2つのフックインポイント(310)を設けることにより、係止要素(300)は2つの位置において、具体的には押込位置および押出位置において、フレームプロファイル(100)に連結することができる。当業者には、複数のフックインポイントを設けることで、係止要素(300)の連結のための複数の位置が提供されることが理解されるであろう。
【0168】
図17は、押出位置における係止要素(300)のフレームプロファイル(100)に対する連結を示す。すなわち、係止要素(300)は、フレームプロファイル(100)内に部分的にしか押し込まれていない。係止要素(300)の現在の「押出」位置は、典型的には、固定されたカンバス(50)の張力付与された状態に一致し得る。
【0169】
図18は、係止要素(300)の押込位置における係止要素(300)のフレームプロファイル(100)に対する連結を示す。すなわち、係止要素(300)は、フレームプロファイル(100)内に完全に押し込まれている。係止要素(300)の「押込」位置は、典型的には、固定されたカンバス(50)のクランプ解除状態または部分的にのみ張力付与された状態に一致し得る。
【0170】
係止要素の第2の好適な実施形態
図19~
図21は、第2の好適な実施形態による係止要素(300)を示す。本実施形態において、係止要素(300)は、ネジとネジの周囲で回動可能であるナットとを備えている。ナットは、細長い本体を有し、その端部が阻止片(320)を形成している。阻止片(320)は、隣接するガイド(200)の移動を停止させ得る。
【0171】
図19は、係止要素(300)のネジが、中央部(110)に設けられた開口に沿って配置され得ることを示す。これにより、ネジの頭部がフレームプロファイル(100)の横側(図面において右側)に突出し、ネジ山を有する軸がフレームプロファイル(100)の中央側(図面において右側)に突出する。
【0172】
図20は、どのようにこのナットがネジに連結され得るか、そしてこれによりフレームプロファイル(100)に連結されるかを示す。ナットがネジの端部に配置されると、これは、阻止片(320)の押出位置に一致することになる。阻止片(320)の現在の「押出」位置、すなわち、ナットがネジの端部またはその付近に配置された位置は、典型的には、固定されたカンバス(50)の張力付与された状態に一致し得る。
【0173】
図21は、どのように阻止片(320)を有するナットがフレームプロファイル(100)に対して移動し得るかを示す。特に、ネジの頭部のねじ込み方向が、ナットの変位の方向を決定し得る。係止要素(300)は、本実施形態において、原則として複数の位置で連結され得る。阻止片(320)の現在の「押込」位置、すなわち、ナットがネジのヘッドまたはその付近に配置された位置は、典型的には、固定されたカンバス(50)の張力付与が解除された状態に一致し得る。
【0174】
係止要素の第3の好適な実施形態
図22~
図24は、第3の好適な実施形態による係止要素(300)を示す。本実施形態において、係止要素(300)は、2つの押付可能な凸部を有しており、それらは、第1の好適な実施形態と同様に、フックポイント(310)として機能し得る外向きの傾斜端面を各々有している。
【0175】
この係止要素(300)は、押付可能な凸部(310)の周囲に平面を形成する円形端部をさらに有している。円形端部の側面は、隣接するガイド(300)に対するストッパとして機能する連続的な阻止片(320)を形成している。
【0176】
図23は、押出位置、すなわち係止片(320)がフレームプロファイル(100)内に部分的にしか押し込まれていない位置における係止要素(300)の配置を示す。係止要素(300)は、選択的に、フレームプロファイル(100)に連結されてもよいし、または連結解除されたままでもよい。
【0177】
図24は、係止要素(300)の押込位置、すなわち係止片(320)が完全にフレームプロファイル(100)内に押し込まれた位置における係止要素(300)の連結を示す。係止要素(300)の「押込」位置は、典型的には、固定されたカンバス(50)の張力付与が解除された状態、または部分的にのみ張力付与された状態に一致し得る。
【0178】
実施例3:張力付与手段の張力付与
張力付与手段(400)およびフレームプロファイル(100)におけるその張力付与についてさらに説明するために、両側張力付与システム(10)の種々の好適な実施形態について、
図25~
図30を参照して説明する。具体的には、
図25および
図26は張力付与システム(10)の第2の好適な実施形態を示し、
図27および
図28は張力付与システム(10)の第3の好適な実施形態を示し、
図29および
図30は張力付与システム(10)の第4の好適な実施形態を示す。
【0179】
説明における不要な繰り返しを避けるため、異なる実施形態間の構造的な相違点のみを以下に説明し、張力付与システム(10)の一般的な動作原理の説明については、実施例1を参照されたい。当業者には、これらの実施形態のさらに他の変形例が存在すること、およびそれらの態様も互いに組み合わせられ得ることが理解されるであろう。
【0180】
張力付与システムの第2の好適な実施形態
図25および
図26は、張力付与システム(10)の第2の好適な実施形態を示す。ここでは、フレームプロファイル(100)の中央部(110)が、その一端部において、少なくとも2つの外向きのストッパ(125)を両側に有している。張力付与手段(400)は、これらの種々の外向きのストッパ(125)と隣接するガイド(200)との間で張力付与され得る。第1の好適な実施形態とは対照的に、張力付与手段(400)は、結果として、側壁(120)に向けて配向されることに代えて中央部(110)に向けて配向され得る。
【0181】
係止要素(300)のフレームプロファイル(100)に対する連結は、実施例1で説明した実施形態と同様に実施される。具体的には、係止要素(300)は、フレームプロファイル(100)の中央側に沿って中央部に配置され得る。すなわち、係止要素(300)は、フレームの横方向に押し込まれ得る。本実施形態において、フレームプロファイル(100)の後壁は、係止要素(300)を挿入するための開口を有している。
図26に示す「押込」位置から
図25に示す「押出」位置への係止要素(300)の変位により、フレームの両側の2つのカンバス(50)は張力付与され得る。
【0182】
張力付与システムの第3の好適な実施形態
図27および
図28は、張力付与システムの第3の好適な実施形態を示す。ここでは、係止要素(300)は、両側に2つの阻止片(320)を有している。張力付与手段(400)は、これらの種々の阻止片(320)と隣接するガイド(200)との間で張力付与され得る。第1の好適な実施形態とは対照的に、張力付与手段(400)は、結果として、側壁(120)に向けて配向されることに代えて中央部(110)に向けて配向され得る。
【0183】
ガイド(200)は、横向きに突出する阻止壁(225)をさらに有している。阻止壁(225)は、フレームプロファイル(100)の側壁(120)の端部に設けられたストッパ(125)に接触して、フレームの横方向(L)へのこれらガイド(200)の移動を阻止できる。したがって、阻止壁(225)は、カンバス(50)の装着時に、ガイドがフレームプロファイル(100)から引き出されることを防止し得る。
【0184】
係止要素(300)の連結は、フレームプロファイル(100)の側面に沿って実施される。すなわち、係止要素(300)は、フレームの中央方向に押し込まれ得る。本実施形態において、フレームプロファイル(100)の中央部(110)は、係止要素(300)を挿入するための開口を有している。この第3の好適な実施形態において、係止要素(300)は、複数の連結手段(310)を有している。
【0185】
第1連結手段(310)は、外向きのフックポイント(310)を有する2つの押付可能な凸部に関連している。フレームプロファイル(100)の中央部(110)は、少なくとも1つの開口を有している。この開口にこれらのフックポイント(310)が堅固に引っ掛かることで、
図27に示す第1「押出」位置において、係止要素(300)を中央部(110)に連結することができる。この第1「押出」位置において、フレームの両側に設けられたカンバス(50)は張力付与が解除され得る。
【0186】
第2連結手段(310)は、係止要素(300)の下側に設けられた2つの内向きのフックポイント(310)に関連している。これらのフックポイント(310)は、フレームプロファイル(100)の中央部(110)の一端部に設けられた2つの外向きのストッパ(125)に引っ掛かることで、
図28に示す第2「押込」位置において、係止要素(300)を中央部(110)に連結することができる。この第1「押込」位置において、フレームの両側に設けられたカンバス(50)は張力付与され得る。
【0187】
張力付与システムの第4の好適な実施形態
図29および
図30は、張力付与システム(10)の第4の好適な実施形態を示す。ここでは、係止要素(300)は、両側に2つの係止片(320)を有している。張力付与手段(400)は、これらの種々の阻止片(320)と隣接するガイド(200)との間で張力付与され得る。第1の好適な実施形態とは対照的に、張力付与手段(400)は、結果として、側壁(120)に向けて配向されることに代えて中央部(110)に向けて配向され得る。
【0188】
ガイド(200)は、横向きに突出する阻止壁(225)をさらに有している。阻止壁(225)は、フレームプロファイル(100)の側壁(120)の端部に設けられたストッパ(125)に接触して、フレームの横方向(L)へのこれらガイド(200)の移動を阻止できる。したがって、阻止壁(225)は、カンバス(50)の装着時に、ガイドがフレームプロファイル(100)から引き出されることを防止し得る。
【0189】
係止要素(300)の連結は、フレームプロファイル(100)の側面に沿って実施される。すなわち、係止要素(300)は、フレームの中央方向に押し込まれ得る。この第4の好適な実施形態において、係止要素(300)は、係止要素(300)の下側に設けられた2つの内向きのフックポイント(310)を有している。これらのフックポイント(310)は、フレームプロファイル(100)の中央部(110)の一端部に設けられた2つの外向きのストッパ(125)に引っ掛かることで、係止要素(300)を中央部(110)に連結することができる。
【0190】
本実施形態において、係止要素(300)は、1つの位置においてのみ連結可能であり、この連結により、フレームの両側に設けられたカンバス(50)は張力付与されることが保証される。
【0191】
実施例4:フレームの実施形態の提示
図31は、既に上述したものと同様のフレーム(1)すなわちフレームワークの実施形態の分解図であり、上述の実施形態と同様の片側張力付与システム(10)の実施形態を含んでいる。フレーム(1)は、上述のカンバス(50)を支持するための剛性構造体として機能することが明らかである。
【0192】
図32は、
図31の詳細を拡大して示す。
図31および
図32に示す実施形態の同様の要素は、同様の参照符号で示され、上述の実施形態と同様に機能する。図示の実施形態例によれば、フレームは上述のものと同様に、4つのフレームプロファイル(100)から組み立てられている。上述のように、フレームが別の適切な個数のフレームプロファイル(100)から組み立てられる代替的な実施形態例が可能であることが明らかである。
【0193】
図示の実施形態例によれば、4つのフレームプロファイル(100)は同一、またはほぼ同一の断面を有していることが明らかである。しかしながら、フレーム(1)のフレームプロファイル(100)が、任意の適切な断面および/または断面の変形を備える代替的な実施形態例が可能であることが明らかである。図示の実施形態例によれば、フレーム(1)の隅部のレベルにおいて、これらのフレームプロファイル(100)は、適切な連結要素(20)、例えば、2つの近接するプロファイルを互いに固着するように構成された張力付与要素により互いに連結されている。しかしながら、上述のように、フレームプロファイル(100)を互いに適切に接続してフレーム(1)を形成する代替的な実施形態が可能であることが明らかである。
【0194】
上述のように、フレーム(1)の実施形態は、フレーム(1)のそれぞれのフレームプロファイル(100)に対する中央縁部および側縁部を備えている。図示のように、横方向(L)は、外側方向、すなわちフレーム(1)の中央から離れる方向を指す。また図示のように、中央方向(C)は、内側方向、すなわちフレーム(1)の中央に向かう方向を指す。図示のように、フレーム(1)のそれぞれのフレームプロファイル(100)の位置およびフレーム(1)の配向に応じて、横方向(L)および中央方向(C)は、上向き、下向き、横向き(例えば、左向き、または右向き)である。
【0195】
提示された実施形態例によれば、フレームプロファイル(100)は、フレーム(1)が略矩形を形成するように配置されている。また、フレーム(1)は、フレーム(1)のフレームプロファイル(100)の中央長手方向軸により確定された中央長手方向平面を備えていることが明らかである。フレーム(1)のフレームプロファイル(100)の横方向(L)および中央方向(C)は、フレーム(1)のこの中央長手方向平面に対して平行に延びていることが明らかである。さらに、それぞれのフレームプロファイル(100)の横方向(L)および中央方向(C)は、それぞれのフレームプロファイル(100)の中央長手方向軸に対して横断方向に、または略横断方向に延びていることが明らかである。換言すれば、図示の実施形態について、矩形のフレーム(1)は、最短のフレームプロファイル(100)の中央長手方向軸に対して平行な幅方向(W)において、および最長のフレームプロファイル(100)中央長手方向軸に対して平行な長手方向(H)であって幅方向(W)を横断する長手方向(H)において延びる中央長手方向平面を備えている。フレーム(1)のこの中央長手方向平面は、少なくともフレーム(1)のフレームプロファイル(100)により包囲される領域において、すなわち換言すれば、フレーム(1)内において中央方向(C)において位置するとともにフレームプロファイル(100)により囲まれる中央部において、カンバス(50)が延びる平面に対しても平行であることが明らかである。したがって、これらの方向(H)、(W)は、フレーム(1)の長手方向平面における方向としてみなされ得ることが明らかである。換言すれば、方向(H)、(W)は、フレーム(1)の長手方向(H)、(W)としてもみなされ得る。
図31および
図32にも示すように、フレーム(1)の奥行方向(D)は、フレーム(1)の長手方向平面を横断する方向であり、したがって、長手方向(H)および横断方向(W)により規定される平面を横断する方向であり、換言すれば、フレームプロファイル(100)の長手方向も横断する、ならびにフレームプロファイル(100)の横方向(L)および中央方向(C)を横断する方向である。
【0196】
また、
図31および
図32に示すフレーム(1)の実施形態において、フレーム(1)は、フレーム(10)の内面(14)の周囲にフレーム(1)の外周を形成する4つの細長いフレームプロファイル(100)を備えていることが明らかである。そして、提示された実施形態例によれば、フレーム(1)のこの外周は矩形形状を有し、4つのフレームプロファイル(100)は、矩形外周の辺を各々形成していることが明らかである。したがって、フレーム(1)の内面(14)は、フレーム(1)のフレームプロファイル(100)により形成されたこの矩形の外周の内部に位置している。
【0197】
図示の実施形態によれば、フレーム10が、フレーム(1)の外周内に取り付けられる単数または複数の細長要素(560)を備え、内面14が3つの部分面に分割されることも可能である。提示された実施形態例によれば、細長要素(560)は、フレーム(1)の外周の一部を形成する2つの対向するフレームプロファイル(100)間の距離を結ぶ。細長要素(560)は、例えば、細長プロファイルとして作製され得る。提示された実施形態例によれば、これらの細長要素(560)は、それらの端部において2つの対向するフレームプロファイル(100)のそれぞれの中央カバープロファイル(520)に固定されている。しかしながら、例えばフレーム(1)が2つ以上の部分フレームに分割され、内面(14)が2つ以上の部分面に分割される代替的な実施形態が可能であることが明らかである。この種の実施形態例によれば、フレーム(1)の外周の一部を形成する2つの対向するフレームプロファイル(100)間の距離を結ぶ例えば適切な細長プロファイル等の追加の細長要素に、フレームプロファイル(100)が取り付けられる。
【0198】
図31および
図32に示すフレームの実施形態のフレームプロファイル(100)の実施形態は、例えば、上述の
図1~
図30に示すフレームプロファイル(100)に対応し得る。この種の実施形態によれば、フレームプロファイル(100)は、後壁(112)を備えている。この後壁(112)は、フレームプロファイル(100)の2つの側壁(120)間で延びる。さらに、2つの側壁(120)は、フレーム(1)の長手方向平面に対して平行または略平行に延びていることが明らかである。すなわち、換言すれば、フレーム(1)の横断方向(W)および長手方向(L)により規定される平面において。すなわち換言すれば、フレームプロファイル(100)の長手方向および横方向(L)または中央方向(C)により規定される平面において。
【0199】
提示された実施形態例によれば、後壁(112)は、フレームプロファイル(100)の長手方向において、かつ、フレーム(1)の長手方向平面を横断または略横断する平面において、すなわち換言すれば、フレームプロファイル(100)の長手方向およびフレームの中央方向(C)およびフレームの横方向(L)において延びる奥行方向(D)により規定される平面において延びている。上述のように、提示された実施形態例によれば、この後壁(112)は、この後壁(112)からフレーム(1)の横方向(L)に延びる直立した中央部(110)を有している。
【0200】
図31および
図32は、上述のものと同様の片側カンバスフレームの実施形態を示す。
図33および
図34は、上述のような両側カンバスフレームの実施形態を示す。同様の要素は同様の参照符号で示され、上述の実施形態と上述と同様に機能する。
図35は、
図10Aのようなフレームプロファイル(100)および張力付与システム(10)の同様の図をより詳細に示す。
図31および
図32に示す実施形態について、
図12と同様に、1つのカンバスを有する同様の実施形態が可能であることが明らかである。
図31~
図34に見られるように、カンバスの実施形態は、ジッパー(52)、またはカンバス(50)の外周の4つの辺のレベルにおける他の適切な肉厚部を備えている。代替的な実施形態によれば、ジッパー(52)は、例えば、カンバスの外周の2つの対向する辺にのみ設けられていることが明らかである。提示された実施形態例によれば、カンバス(50)の隅部(54)のレベルにおいて、ジッパーが外周に取り付けられていないゾーンが存在することが明らかである。この選択的な実施形態により、例えば
図35に詳細に示すように、カンバス(50)を固定するためにジッパー(52)をカンバス固定要素(60)に押し込むことがより容易となる。
【0201】
例えば
図35に示すように、提示された実施形態例によれば、固定された状態において、ガイド(200)に固定されたカンバス(50)の一部(58)が、フレームプロファイル(100)の側壁(120)間に位置していることが明らかである。すなわち換言すれば、ジッパー(52)およびカンバス固定要素(60)によりガイド(200)に固定されたカンバス(50)の外周は、フレームプロファイル(100)の側壁(120)間に、すなわち換言すれば、フレームプロファイル(100)の内部スペースの内側に、好適には、フレームプロファイル(100)の内部スペースの内側に完全に位置している。図示のように、この固定された状態において、カンバス(50)は、フレームプロファイル(100)の側壁(120)の外向きの平面に沿って、側壁(120)の側端部(126)のレベルにおける曲げポイント(56)まで延びている。この曲げポイント(56)の周囲で、カンバス(50)は、両側壁(120)間のフレームプロファイル(100)の内部に向かって曲げられる。
図35に見られるように、カンバス(50)の一部(58)は、フレームプロファイル(100)の側壁(120)間においてこの曲げポイント(56)を超えてガイド(200)まで延びている。ここで、カンバス(50)の外周を形成するこの部分(58)の端部は、ガイド(200)に、ジッパー(52)およびカンバス固定要素(60)により固定されている。
図35に示すように、ガイド(200)からフレームプロファイル(100)の側壁(120)上の曲げポイント(56)まで延びるカンバス(50)の一部(58)が、フレームプロファイル(100)が奥行方向(D)において延びる距離(100D)の60%以下の領域、好適には50%以下、好適には40%以下の領域における距離(10D)に亘って奥行き方向(D)において延びていると有利である。
【0202】
提示された実施形態例によれば、ガイド(200)および張力付与手段(400)の両方が、フレームプロファイル(100)が奥行方向(D)において延びる距離(100D)の60%以下の領域、好適には50%以下、好適には40%以下の領域における距離(10D)に亘って奥行き方向(D)においてしか延びない。
図35に示すように、これにより、両側カンバスフレームであっても、奥行方向(D)において、例えば適切な取付具(500)または他の適切な要素を適用するために側壁間に挿入される張力付与システム(10)の部分間で利用できるフリースペースを維持することが可能となる。このことは、片側カンバスフレームの提示された実施形態にも同様であることが明らかである。さらに、奥行方向(D)は、フレームプロファイル(100)の長手方向および横方向(L)に対して横断方向に、すなわち換言すれば、フレームの長手方向平面に対して横断方向に、すなわち換言すれば、側壁(120)の長手方向平面に対して横断方向または略横断方向に、すなわち換言すれば、フレームプロファイル(100)の提示された実施形態の後壁(112)の長手方向平面に対して平行または略平行に延びることが明らかである。さらに、フレームの片側に、すなわち、フレームプロファイル(120)の側壁(120)のうちの一方の一部に固定されたカンバス(50)は、奥行方向(D)において、フレームの他方の側まで延びない、またはこれを超えて延びない、すなわちフレームプロファイル(100)の他方の側壁(120)まで延びない、またはこれを超えて延びないことも明らかである。この利用可能なスペースは、取付具(500)、固定機構(550)、ヒンジ(540)、および/または任意の他の適切な要素等の要素を、カンバスフレーム(1)の側壁(120)間に少なくとも部分的に取り付ける、および/または固定するのに有利である。
【0203】
また、フレームプロファイル(100)、およびフレームプロファイル内で移動可能な単数のガイド(200)または複数のガイド(200)が、平行である中央長手方向軸を有する細長要素であることが明らかである。また、図示の実施形態によれば、可動ガイド(200)は、それらが取り付けられたフレームプロファイル(100)内で移動可能であることが明らかである。また、このような実施形態によれば、これらの可動ガイド(200)は、フレームプロファイル(100)においてフレームプロファイル(100)および可動ガイド(200)の中央長手方向軸を横断する方向において移動可能に装着されている、換言すれば、それらは、フレームプロファイル(100)において中央部(110)と側壁(120)との間で摺動可能であるため、フレームプロファイル(100)の中央長手方向軸を横断する方向において、換言すれば、中央方向(C)および横方向(L)において摺動できることが明らかである。また、図示の実施形態によれば、単数の可動ガイド(200)または複数の可動ガイド(200)は、フレームプロファイル(100)内に完全に位置していることが明らかである。また、図示の実施形態によれば、フレーム(1)の2つの対向するフレームプロファイル(100)の可動ガイド(200)は、カンバスをこれらのフレームプロファイル(100)の長手方向(100)を横断する方向において張った状態とするように、これらのフレームプロファイル(100)において移動可能であることが明らかである。また、図示の実施形態によれば、フレーム(1)は、4つのフレームプロファイル(100)により形成される矩形の外周を備えるとともに、単数の可動ガイド(200)または2つの可動ガイドを備え、カンバスは、第1方向において、第1の対向するフレームプロファイル対内で可動ガイド(200)により固定されるとともに張力付与され、カンバスは、第1方向を横断する第2方向において、フレームの第2の対向するフレームプロファイルの対内で可動ガイド(200)により固定されるとともに張力付与されることが明らかである。また、両側カンバスフレームを有する実施形態において、両カンバスが、カンバスフレームの中央長手方向平面の両側に取り付けられることが明らかである。
【国際調査報告】