(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】自動糸通し繊維配置ヘッド
(51)【国際特許分類】
B29C 70/38 20060101AFI20231023BHJP
B29C 70/54 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B29C70/38
B29C70/54
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514746
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020049133
(87)【国際公開番号】W WO2022050942
(87)【国際公開日】2022-03-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127543
【氏名又は名称】フィブ・マシニング・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】グリムショー,マイケル・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ニコルソン,クリストファー・ディー
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC03
4F205AD16
4F205AJ08
4F205HA14
4F205HA23
4F205HA37
4F205HB01
4F205HK03
4F205HK04
4F205HM13
4F205HT26
(57)【要約】
複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッド組立体であって、複合材テープ供給源から複合材テープを受け取って型に適用するように構成された繊維配置ヘッドを含む、繊維配置ヘッド組立体。組立体はまた、繊維配置ヘッドと連結された1つまたは複数の空気動作式コンベヤであって、それぞれが、複合材テープ供給源から複合材テープの一端を受け取るように構成された入口、複合材テープの一端を繊維配置ヘッドに提供するように構成された出口、および、供給源から圧縮流体を受け取って出口の方へ向かわせることにより複合材テープの一端を入口から出口へさらには繊維配置ヘッド内へ搬送するように構成された1つまたは複数の直列真空コンベヤを有する、1つまたは複数の空気動作式コンベヤを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッド組立体であって、
複合材テープ供給源から複合材テープを受け取って前記複合材テープを前記型に適用するように構成された繊維配置ヘッドと、
前記繊維配置ヘッドと連結された1つまたは複数の空気動作式コンベヤであって、前記空気動作式コンベヤの各々が、前記複合材テープ供給源から複合材テープの一端を受け取るように構成された入口、前記複合材テープの前記一端を前記繊維配置ヘッドに提供するように構成された出口、および、供給源から圧縮流体を受け取って前記圧縮流体を前記出口の方へ向かわせることにより前記複合材テープの前記一端を前記入口から前記出口へさらには前記繊維配置ヘッド内へ搬送するように構成された1つまたは複数の直列真空コンベヤを有する、1つまたは複数の空気動作式コンベヤと、
を備える、繊維配置ヘッド組立体。
【請求項2】
前記繊維配置ヘッドが、複数の繊維経路および複数の空気動作式コンベヤを備える、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項3】
前記空気動作式コンベヤが、配管のセグメントを含み、前記配管のセグメントが、前記入口および前記出口を有し、前記入口に、前記出口に、または前記入口と前記出口との間に前記直列真空コンベヤを有する、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項4】
前記複合材テープ供給源が、前記繊維配置ヘッドに解放可能に連結されるように構成される、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項5】
前記複合材テープ供給源が、ピンチローラ組立体および切断組立体を備える、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項6】
前記複合材テープ供給源が、前記ピンチローラ組立体と前記切断組立体との間で複合材テープに接触する方向変更ローラを備える、請求項5に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項7】
複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッド組立体であって、
複合材テープ供給源から複合材テープを受け取って前記複合材テープを前記型に適用するように構成された繊維配置ヘッドと、
前記繊維配置ヘッドと連結された1つまたは複数の空気動作式コンベヤであって、前記空気動作式コンベヤの各々が、複合材テープの一端を受け取るように構成された入口、前記一端を前記繊維配置ヘッドに提供するように構成された出口、および、供給源から圧縮流体を受け取って前記圧縮流体を前記出口の方へ向かわせることにより前記複合材テープの前記一端を前記入口から前記出口へさらには前記繊維配置ヘッド内へ搬送するように構成された1つまたは複数の直列真空コンベヤを有する、1つまたは複数の空気動作式コンベヤと、
複数の複合材テープ供給源であって、前記複合材テープ供給源の各々が、前記繊維配置ヘッドと解放可能に連結するように構成され、かつ、前記空気動作式コンベヤの前記入口に選択的に複合材テープを供給するピンチローラ組立体を含む、複数の複合材テープ供給源と、
を備える、繊維配置ヘッド組立体。
【請求項8】
前記繊維配置ヘッドが、複数の繊維経路および複数の空気動作式コンベヤを備える、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項9】
前記空気動作式コンベヤが、配管のセグメントを含み、前記配管のセグメントが、前記入口および前記出口を有し、前記入口に、前記出口に、または前記入口と前記出口との間に前記直列真空コンベヤを有する、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項10】
前記複合材テープ供給源が、ピンチローラ組立体および切断組立体を備える、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項11】
前記複合材テープ供給源が、前記ピンチローラ組立体と前記切断組立体との間で複合材テープに接触する方向変更ローラを備える、請求項10に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項12】
複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッド組立体であって、
複合材テープ供給源から複合材テープを受け取って前記複合材テープを前記型に適用するように構成された繊維配置ヘッドと、
前記繊維配置ヘッドと連結された複数の空気動作式コンベヤであって、前記空気動作式コンベヤの各々が、複合材テープの一端を受け取るように構成された入口、前記一端を前記繊維配置ヘッドに提供するように構成された出口、および、供給源から圧縮流体を受け取って前記圧縮流体を前記出口の方へ向かわせることにより前記複合材テープの前記一端を前記入口から前記出口へさらには前記繊維配置ヘッド内へ搬送するように構成された少なくとも1つの直列真空コンベヤを有する、複数の空気動作式コンベヤと、
複数の複合材テープ供給源であって、前記複合材テープ供給源の各々が、前記繊維配置ヘッドと解放可能に連結するように構成され、かつ、複合材テープを保管するスプール、前記空気動作式コンベヤの前記入口に選択的に複合材テープを供給するピンチローラ組立体、および、前記供給源と前記ピンチローラ組立体との間で前記複合材テープに接触する少なくとも1つの方向変更ローラを含む、複数の複合材テープ供給源と、
を備える、繊維配置ヘッド組立体。
【請求項13】
前記繊維配置ヘッドが、複数の繊維経路を備える、請求項12に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項14】
前記空気動作式コンベヤが、配管のセグメントを含み、前記配管のセグメントが、前記入口および前記出口を有し、前記入口に、前記出口に、または前記入口と前記出口との間に前記直列真空コンベヤを有する、請求項12に記載の繊維配置ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、繊維配置機に関し、より詳細には、複合材テープをスプールからヘッドに通す繊維配置ヘッドに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002]繊維配置機は、複合材ワークピースを作り出すために使用される。樹脂が浸透した繊維状物質の形態の複合材テープまたは複合材料が、複合材ワークピースを集団的に形成するために、正確な位置および長さで機械により型またはマンドレルに適用される。繊維配置機は、複合材ワークピースの最終的な形状に複合材テープを正確に適用するために、繊維配置ヘッドを型の上で移動させる。繊維配置ヘッドは、移動するにつれて、連続体(course)またはトウ(tow)とも呼ばれる複数の複合材テープセグメントを型に残す。複合材テープセグメントが型に適用されるときに、スプール上の複合材テープの供給源からセグメントを分離する切断作用により、セグメントの長さが定められる。一部のワークピースは、他のスプールおよび/もしくは繊維配置ヘッド上に保管され得るかまたは他のスプールおよび/もしくは繊維配置ヘッドによって運ばれ得る異なるサイズの複合材テープの適用を伴う。異なる複合材テープが必要とされる場合、ロボットアームが、あるタイプまたはサイズの複合材テープを通された既存の繊維配置ヘッドを解放し、異なるタイプまたはサイズの複合材テープを通された新たな異なる繊維配置ヘッドを選択することができる。各繊維配置ヘッドは、複合材テープの一端をスプールから繊維配置ヘッドに手作業で通す機械オペレータなどの人物により、複合材テープを事前に通され得る。しかし、手作業で通された特有の複合材テープをそれぞれが有する複数の繊維配置ヘッドを維持することは、費用および複雑さを増大させ得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]1つの実施態様では、複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッド組立体であって、複合材テープ供給源から複合材テープを受け取って型に適用するように構成された繊維配置ヘッドを含む、繊維配置ヘッド組立体である。組立体はまた、繊維配置ヘッドと連結された1つまたは複数の空気動作式コンベヤを含み、空気動作式コンベヤのそれぞれは、複合材テープ供給源から複合材テープの一端を受け取るように構成された入口と、上記複合材テープの一端を繊維配置ヘッドに提供するように構成された出口と、供給源から圧縮流体を受け取って出口の方へ向かわせることにより上記複合材テープの一端を入口から出口へさらには繊維配置ヘッド内へ搬送するように構成された1つまたは複数の直列真空コンベヤと、を有する。
【0004】
[0004]別の実施態様では、複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッド組立体が、複合材テープ供給源から複合材テープを受け取って型に適用するように構成された繊維配置ヘッドと、繊維配置ヘッドと連結された1つまたは複数の空気動作式コンベヤであって、それぞれが、複合材テープの一端を受け取るように構成された入口、上記一端を繊維配置ヘッドに提供するように構成された出口、および、供給源から圧縮流体を受け取って出口の方へ向かわせることにより上記複合材テープの一端を入口から出口へさらには繊維配置ヘッド内へ搬送するように構成された1つまたは複数の直列真空コンベヤを有する、1つまたは複数の空気動作式コンベヤと、複数の複合材テープ供給源であって、それぞれが、繊維配置ヘッドと解放可能に連結するように構成され、かつ、空気動作式コンベヤの入口に選択的に複合材テープを供給するピンチローラ組立体を含む、複数の複合材テープ供給源と、を含む。
【0005】
[0005]さらに別の実施態様では、複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッド組立体が、複合材テープ供給源から複合材テープを受け取って型に適用するように構成された繊維配置ヘッドと、繊維配置ヘッドと連結された複数の空気動作式コンベヤであって、それぞれが、複合材テープの一端を受け取るように構成された入口、上記一端を繊維配置ヘッドに提供するように構成された出口、および、供給源から圧縮流体を受け取って出口の方へ向かわせることにより上記複合材テープの一端を入口から出口へさらには繊維配置ヘッド内へ搬送するように構成された少なくとも1つの直列真空コンベヤを有する、複数の空気動作式コンベヤと、複数の複合材テープ供給源であって、それぞれが、繊維配置ヘッドと解放可能に連結するように構成され、かつ、複合材テープを保管するスプール、空気動作式コンベヤの入口に選択的に複合材テープを供給するピンチローラ組立体、および、供給源とピンチローラ組立体との間で複合材テープに接触する少なくとも1つの方向変更ローラを含む、複数の複合材テープ供給源と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0006]繊維配置機の一実施態様を示す斜視図である。
【
図2】[0007]繊維配置ヘッドの一部分の一実施態様を示す斜視図である。
【
図3】[0008]繊維配置ヘッドの一部分の一実施態様を示す別の斜視図である。
【
図4】[0009]繊維配置ヘッドの一部分の一実施態様を示す別の斜視図である。
【
図5】[0010]複合材テープ供給源および空気動作式コンベヤの一実施態様を示す断面図である。
【
図6】[0011]空気動作式コンベヤに対する複合材テープ供給源の一実施態様を示す別の断面図である。
【
図7】[0012]複合材テープ供給源および空気動作式コンベヤの別の実施態様を示す断面図である。
【
図8】[0013]空気動作式コンベヤに対する複合材テープ供給源の別の実施態様を示す別の断面図である。
【
図9】[0014]空気動作式コンベヤの一実施態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0015]繊維配置機が、繊維配置ヘッドを担持するロボットアームを使用することができ、繊維配置ヘッドは、複数の複合材テープ供給源と解放可能に接続し、かつ、複合材テープを複合材テープ供給源から繊維配置ヘッドへ自動的に送る。繊維配置ヘッドは、空気動作式コンベヤから圧縮空気を受け取りかつ複合材テープ供給源から繊維配置ヘッドまで延在する配管を含み得る。配管は、複合材テープを供給源から繊維配置ヘッドへ送ることができる。繊維配置ヘッドが複合材テープ供給源に取り付いた後、複合材テープの一端が、配管の入口に位置決めされ得る。空気動作式コンベヤは、繊維配置ヘッドに向かって一方向に圧縮空気または流体を配管内に供給することにより、配管の入口において複合材テープ供給源から複合材テープを引き込んで、複合材テープ端部を繊維配置ヘッドのローラへの配管の出口へ送ることができ、繊維配置ヘッドでは、複合材テープは、複合材ワークピースの形成中にヘッドによって制御されて型に適用され得る。複合材ワークピースを作り出すために使用される複合材テープは、樹脂が含浸された繊維状物質で構成されることが多く、樹脂は、熱で活性化された後に複合材ワークピースに強度を与える。これは、「プリプレグ」複合材と呼ばれることが多い。複合材料の1つの例は、炭素繊維である。
【0008】
[0016]繊維配置機10の一実施態様が、
図1に示されている。繊維配置機10は、繊維配置ヘッド14と分離可能に連結されたロボットアーム12を含む。ロボットアームは、ベース16によって支持されてよく、ロボットアームは、ベース16上で軸(x)の周りで直線的に移動する。例えば枢動、回転、または伸縮によって移動することができる複数の可動セグメント18が、ベース16から外方に延在し得る。ロボットアーム12は、ベース16に対して複数の軸の周りで移動することができる。例えば、第1のセグメント18aが、ロボットアーム12がベース16を中心として回転することができるように、一方の端部においてベース16に回転可能に連結してよい。第2のセグメント18bが、第1のセグメント18aと枢動可能に連結してよく、第3のセグメント18cが、第2のセグメントと枢動可能に連結してよい。第4のセグメント18dが、第3のセグメント18cに連結されて、第3のセグメントから離れるようにまた第3のセグメントに向かうように伸縮自在に移動してよい。セグメント18は、ワークピースを作り出すために使用される型20またはマンドレルに対してロボットアーム12の遠位端部を移動させるために、流体ラム(fluidic ram)、電気モータ、もしくはそれらの組合せ、または他の駆動要素を使用して、互いに対して移動され得る。
【0009】
[0017]複数の複合材テープ供給源24(クリールと呼ばれることもある)が、繊維配置ヘッド14と解放可能に連結され得る。この実施形態では、ロボットアーム12は、繊維配置ヘッド14が第1の複合材テープ供給源24aに近接するように、軸(a)に沿って移動することができる。ロボットアーム12は、アーム12が軸(a)に沿って移動するときに供給源24aがアーム12とともに移動するように、第1の複合材テープ供給源24aと連結し得る。第1の複合材テープ供給源24aは、1つのタイプまたはサイズの複合材テープを繊維配置ヘッド14に供給することができる。
図2により詳細に示される繊維配置ヘッド14は、第1の複合材テープ供給源24aによって供給される複合材テープの一端を、圧縮空気などの圧縮流体によって供給されかつヘッド14によって担持される空気動作式コンベヤを使用して、その圧縮ローラに向かって引き込むことができる。空気動作式コンベヤについては、以下でより詳細に論じられる。繊維配置ヘッド14は、異なるタイプの複合材テープが所望されるまで、第1の複合材テープ供給源24aから複合材テープを受け取る。次いで、ロボットアーム12は、軸(a)に沿ったその利用可能な行程範囲の一方の端まで軸(a)に沿って移動し、複合材テープを切断し、軸(a)の端に供給源24aを残して第1の複合材テープ供給源24aから分離することができる。次いで、ロボットアーム12は、軸(a)のもう一方の端に向かって第1の複合材テープ供給源24aから離れるように移動してよく、軸(a)のもう一方の端では、アーム12は、第2の複合材テープ供給源24bと連結することができる。繊維配置ヘッド14は、第2の複合材テープ供給源24bによって供給される複合材テープの一端を、上記のように圧縮空気によって供給されかつヘッド14によって担持される空気動作式コンベヤを使用して、その圧縮ローラに向かって引き込むことができる。
【0010】
[0018]実行可能命令を有するコンピュータ可読記憶媒体と通信しているマイクロプロセッサ(図示せず)が、流体ラム、電気モータ、または他の駆動要素の動きを制御し、それによりロボットアーム12の可動セグメント18の動作および位置を制御し得る。マイクロプロセッサはまた、ローラ組立体のみならず空気動作式コンベヤへの圧縮流体の供給をも制御し得る。マイクロプロセッサは、マイクロコントローラ、ホストプロセッサ、コントローラ、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、電子命令を処理することができる任意のタイプのデバイスであってよい。マイクロプロセッサは、ロボットアーム12の制御を行うためだけに使用される専用プロセッサであってよく、または、他の機械機能と共有されてもよい。マイクロプロセッサは、メモリに格納されたソフトウェアまたはファームウェアプログラムなどの、様々なタイプのデジタル記録された命令を実行する。ロボットアームを動かす流体ラムまたは電気モータなどの機構とマイクロプロセッサとの間の通信は、通信バスを介して行われ得る。ロボットアーム12は、点検修理のためにヘッド14を位置決めするために、または複合材テープを型20に適用するために、繊維配置ヘッド14を3つの軸に沿って移動させることができる。これは、繊維配置ヘッドとともに使用され得るロボットアーム12の1つの実施態様であるが、複合材テープを適用するロボットアームまたは機械的デバイスの他の実施態様も、同様に使用され得る。
【0011】
[0019]ベース16に対して遠位のロボットアーム12の端部は、繊維配置ヘッド14と解放可能に係合するチャック22を含み得る。チャック22および繊維配置ヘッド14の一部分は、チャック22が繊維配置ヘッド14を解放可能に掴むことができるように、対応する特徴を有し得る。1つの実施態様では、繊維配置ヘッド14は、ヘッド14の表面に対して直角に延在する円筒形シャンクを含む。ロボットアーム12は、チャック22がシャンクと係合しまた繊維配置ヘッド14がアーム12に弾性的に連結されるように、チャック22を位置決めすることができる。
【0012】
[0020]
図3~4に示されるように、繊維配置ヘッド14は、空気動作式コンベヤ26と、切断挟持再始動(cut, clamp, restart)(CCR)組立体32(
図4により詳細に示される)とを含み得る。CCR組立体32は、空気動作式コンベヤ26を介して複合材テープ供給源24から複合材テープを受け取って型20に適用して複合材部品を作り出す圧縮ローラ34(あるいは、圧縮摺動部)を含み得る。複合材テープは、型20への最終的な適用のために、複合材テープ供給源24によって供給されて、圧縮ローラ34内へ移動し得る。本実施形態では、繊維配置ヘッド14の1つのレーンに複合材テープを供給する空気動作式コンベヤ26が示される。しかし、
図4に示されるように繊維配置ヘッド14の別々のレーンまたは個別の繊維経路にさらなる複合材テープを供給するためにさらなる空気動作式コンベヤ26が繊維配置機10に含まれ得ることが、理解されるべきである。
【0013】
[0021]繊維配置ヘッド14は、繊維配置ヘッド14の構成要素と、CCR組立体32と、最終的に複合材テープの連続体を型20に押し付ける圧縮ローラ34とを支持するための、CCRフレーム40を含み得る。圧縮ローラ34に到達する前に、複合材テープの一部分は、上部送り部分42を通過することができ、複合材テープの別の部分は、下部送り部分44を通過することができる。上部送り部分42は、偶数番目の複合材テープを処理することができ、下部送り部分44は、圧縮ローラ34において出会う奇数番目の複合材テープを処理することができる。例として、8つの繊維経路またはレーンを有する繊維配置ヘッド14の場合、上部送り部分42は、番号2、4、6、および8によって識別される複合材テープを処理することができ、一方で、下部送り部分44は、番号1、3、5、および7によって識別される複合材テープを処理することができる。上部送り部分42および下部送り部分44は、角度(α)だけ離隔され得る。複数のレーン組立体54が、上部送り部分42および下部送り部分44に含まれ得る。上部送り部分42および下部送り部分44のそれぞれは、複数の取付けベース52を受け入れるためのマニホルド64を含むことができ、取付けベース52は、複数のレーン組立体54を解放可能に受け入れることができる。取付けベース52は、弁取付け具68を含むことができ、弁取付け具68は、ベース52をマニホルド64に対して位置合わせし、かつ、複数のレーン組立体54を繊維配置ヘッド14に対して解放可能に連結する。ボールロックなどの弁取付け具68は、取付けベース52からマニホルド64まで流体経路66を位置合わせし、かつ、ベース52とともに流体密シールを形成するのに役立つ。
【0014】
[0022]電気機械式弁62が、レーン組立体54に当接し、かつ、取付けベース52に連結され得る。各レーン組立体54は、弁62が作動のために組立体54に選択的に圧縮空気を供給するように、電磁弁62に当接し得る。取付けベース52は、マニホルド64と連結することができ、流体経路は、供給源(図示せず)から電気機械式弁62を通って最終的にはベース52に連結されたレーン組立体54に到達する圧縮空気を送る。圧縮空気は、マニホルド64からの空気を送る電磁弁62により、レーン組立体54に選択的に供給され得る。1つの実施態様では、電磁弁62は、レーン組立体54の作動を制御するためにマイクロプロセッサが開閉するスイッチによって制御される電圧を受け取るソレノイドを含む。複数のチューブを含む空気動作式コンベヤ26が、チューブの出口またはアウトプット90がマニホルド64に流体密に接続されるように、マニホルド64に連結され得る。空気動作式コンベヤ26のチューブは、オペレータによる手作業での支援を伴わずに、CCR組立体32へ繊維トウを送ることができる。いくつかの実施態様では、複数の通気穴100が、マニホルド64に隣接してチューブの出口90に形成され得る。これらの通気穴100は、チューブを通る圧縮空気の流れを促進し、かつ、チューブを通る繊維トウの移動を支援することができる。
【0015】
[0023]
図5~6に目を向けると、複合材テープ供給源24および空気動作式コンベヤ26の一実施態様が示されている。複合材テープ供給源24は、複合材テープを担持する供給スプール70と、定置式方向変更ローラ72と、ダンサ取付け式(dancer-mounted)方向変更ローラ74と、ピンチローラ組立体76と、切断組立体78とを含む。複合材テープは、供給スプール70に巻回されてよく、供給スプール70は、複合材テープ供給源24によって担持されたスピンドル(図示せず)に取り付けられる。スピンドルは、複合材テープ供給源24に対して位置を固定され得る。スピンドルの回転を選択的に可能にし、また、供給スプール70から離れる複合材テープにかかる望ましい量の張力を維持するために、クラッチがスピンドルと連結され得る。ピンチローラ組立体76は、制動ローラ(braked roller)78および動力ローラ80を含み、それらのうちの少なくとも一方は、複合材テープストランドの両側と係合するために制動ローラ80の径方向外側表面が動力ローラ82の径方向外側表面に近づけられるように、可動回転軸を有し得る。つまり、回転軸は、線形経路に沿って摺動することができる。制動ローラ80は、複合材テープが空気動作式コンベヤ26に提供されているかどうかに応じて、回転することを可能とされ得るか、または、回転を伴わずに不動に保持され得る。クラッチが制動ローラ80に含まれて、制動ローラ80が回転することを可能にするかまたは制動ローラ80を不動に保持するように選択的に作動され得る。動力ローラ82は、電気モータと連結されてよく、電気モータは、複合材テープを空気動作式コンベヤ26に向かって移動させるために、動力ローラ82を選択的に回転させる。ダンサ取付け式方向変更ローラ74は、スピンドル(図示せず)に取り付けられてよく、スピンドルは、軸(d)に沿って移動可能であり、かつ、ピンチローラ組立体76と複合材テープ供給源24との間の複合材テープにかかる望ましい量の張力を維持するために一方向に付勢される。付勢は、ばねなどにより受動的に生成されるか、または、流体ラムもしくはソレノイドなどの様々な機構のうちのいずれかによって能動的に生成され得る。ダンサ取付け式方向変更ローラ74は、供給スプール70から取り出された複合材テープにかかる望ましい量の張力を維持することができる。
【0016】
[0024]複合材テープ供給源24は、供給スプール70によって担持されてダンサ取付け式方向変更ローラ74、定置式方向変更ローラ72の周りを通って制動ローラ80および動力ローラ82の両方と係合する複合材テープの一端を通され得る。複合材テープ供給源24がヘッド14と連結されるようにロボットアーム12が繊維配置ヘッド14を移動させた後、ピンチローラ組立体78は、供給源24に最も近い空気動作式コンベヤ26の端部における入口82まで複合材テープの一端を移動させることができる。空気動作式コンベヤ26は、複合材テープ供給源24から繊維配置ヘッド14まで延在する配管86の少なくとも1つのセグメントを含み得る。配管は、プラスチックなどの様々な材料のうちのいずれかとして実装されてよく、一例は、PTFEを含む。コンベヤ26は、配管86のセグメントのどこかに1つまたは複数の直列真空コンベヤ88を含み、直列真空コンベヤ88は、供給源(図示せず)から圧縮流体を受け取って繊維配置ヘッド14の方へ向かわせる。空気動作式コンベヤ26は、繊維配置ヘッド14の近くに出口90(
図3に示される)を含み、出口90は、複合材テープが送達され得る場所である。1つの実施形態では、出口90は、上部送りローラ46または下部送りローラ48に隣接して位置決めされる。
【0017】
[0025]
図7~8には、複合材テープ供給源24および空気動作式コンベヤ26の別の実施態様が示されている。
図7~8に示された実施態様は、
図5~6に示されているものに類似しているが、ピンチローラ組立体76を有さない。代わりに、ピンチローラ組立体は、受動方向変更ローラ82’に置き換えられ得る。
【0018】
[0026]
図9に目を向けると、直列真空コンベヤ88の一実施態様が、入口92と、出口94と、流体供給孔96と、流体供給孔96において圧縮流体を受け取って繊維配置ヘッド14およびコンベヤ26の出口90の方へ向かわせる複数の流体ジェット(図示せず)と、を含み得る。出口90および/または入口92は、配管86の内径の内側に収まり、かつ、ホースクランプと連結され得る。または、他の実施態様では、出口90および/または入口92は、配管86上の対応するねじ山と螺合され得る。直列真空コンベヤ88によって生成される圧縮流体の繊維配置ヘッド14へ向かう流れは、複合材テープ供給源24に隣接する空気動作式コンベヤ26の入口において真空を作り出すことができ、真空は、人の支援なしに複合材テープの端部を繊維配置ヘッド14へ運んで出口から出すことができる。直列真空コンベヤ88の1つの実施態様は、「ラインバック(Line Vac)(登録商標)」という名称を使用して説明され、かつ、エグザイアー(Exair)社によって市販されている。上記の実施形態は1つの空気動作式コンベヤおよび1つの供給源を示すが、異なる実施態様は、繊維配置ヘッドにより型に同時に適用される複数の複合材テープのそれぞれにつき1つの空気動作式コンベヤなどの複数の空気動作式コンベヤを使用し得ることが、理解されるべきである。または、いくつかの実施態様では、配管86の1つのセグメントが、2つ以上の直列真空コンベヤ88を含み得る。
【0019】
[0027]アンビル98および往復式切刃100を含む切断組立体78は、ピンチローラ組立体76と空気動作式コンベヤ26との間に位置決めされ得る。切刃100がアンビル98から離隔されているときに、複合材テープは、空気動作式コンベヤ26へ向かう途中でそれらの間を通過し得る。ピンチローラ組立体76は、複合材テープ26を切刃100とアンビル98との間に移動させることができる。切刃100は、複合材テープを切断するために、アンビル98に対してテープを通過させられ得る。複合材テープは、ロボットアーム12が複合材テープ供給源24から分離してそれを保管位置に移すときに、切断され得る。
【0020】
[0028]これまで述べてきたことは、本発明の1つまたは複数の実施形態に関する説明であることが、理解されるべきである。本発明は、本明細書において開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲によってのみ定められる。さらに、上記の説明に含まれる記述は、特定の実施形態に関するものであり、また、用語もしくは語句が上記で明確に定義されている場合を除き、本発明の範囲への制限または特許請求の範囲において使用される用語の定義への制限と解釈されるべきではない。様々な他の実施形態、ならびに開示された実施形態に対する様々な変更および修正が、当業者には明らかになるであろう。すべてのそのような他の実施形態、変更、および修正は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれることが意図されている。
【0021】
[0029]本明細書および特許請求の範囲において、用語「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「例として(for instance)」、「~などの(such as)」、および「~のような(like)」、ならびに動詞「備えている(comprising)」、「有している(having)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの他の動詞の形態は、1つまたは複数の構成要素もしくは他の物品の列挙と併せて使用された場合、それぞれ無制限と解釈されるべきであり、つまり、列挙は、他の追加の構成要素または物品を除外すると見なされるべきではない。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈においてそれらの用語が使用される場合を除き、それらの用語の最も広い妥当な意味を使用して解釈されるべきである。
【国際調査報告】