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特表2023-545378自動化された細胞工学システムのための滅菌サンプリング方法及びデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】自動化された細胞工学システムのための滅菌サンプリング方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   C12M 3/00 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
C12M3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519347
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 US2021071787
(87)【国際公開番号】W WO2022077026
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】63/089,335
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520070448
【氏名又は名称】オクタン バイオテック インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】OCTANE BIOTECH INC.
(71)【出願人】
【識別番号】512190365
【氏名又は名称】ロンザ ウォーカーズヴィル,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マクロビー, チェイス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルズ, レリン
(72)【発明者】
【氏名】ヒューイット, マシュー
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029BB11
4B029BB20
4B029DA04
4B029DB19
4B029DG01
4B029HA09
(57)【要約】
自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングのためのデバイス及び方法が提供される。滅菌サンプリングデバイスは、滅菌サンプリングデバイスへの流体又は他の材料の取り込み及び排出中にサンプルリザーバの滅菌性を維持するように構成されている。本明細書に提供される方法は、材料及び流体の、自動化された細胞工学システムからの滅菌引き出し及び自動化された細胞工学システムへの滅菌注入を達成するために、滅菌サンプリングデバイスを利用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌プランジャシリンジであって、
シリンジリザーバを画定し、かつ遠位端に相互接続部、及び近位端にシリンジバレルフランジによって取り囲まれた開口部を有する、シリンジバレルと、
シリンジプランジャロッドフランジ、プランジャロッド、及びリザーバ面を含むシリンジプランジャと、
前記リザーバ面の上に配設されており、前記シリンジプランジャが前記シリンジバレル内に着座したときに、前記リザーバ面と前記シリンジリザーバとの間にシールを提供するように構成された、ガスケットと、
前記シリンジバレルに固定されており、シリンジプランジャシールを提供するように構成された、シリンジプランジャシーリングデバイスと、を備える、滅菌プランジャシリンジ。
【請求項2】
前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、前記シリンジバレルの近位部分に固定されている、請求項1に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項3】
前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、前記シリンジバレルフランジに固定されている、請求項1に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項4】
前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、接着剤、熱接合、化学接合、又は音波溶接によって固定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項5】
前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、クランピングによって取り外し可能に固定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項6】
前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、複数のアコーディオンひだを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項7】
前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、前記シリンジリザーバの前記近位端で前記開口部をシールする、請求項1~6のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項8】
前記シリンジプランジャシールが、実質的に流体密である、請求項1~7のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項9】
前記シリンジプランジャシールが、実質的にガス密である、請求項8に記載の滅菌プランジャシリンジ。
【請求項10】
自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングの方法であって、前記方法が、
シリンジバレル、シリンジプランジャ、及びシリンジプランジャシールを提供するシリンジプランジャシーリングデバイスを含む滅菌プランジャシリンジを提供することと、
前記滅菌プランジャシリンジを前記自動化された細胞工学システムに接続することと、
前記自動化された細胞工学システムから生体サンプルを前記滅菌プランジャシリンジによって引き出すことと、を含む、方法。
【請求項11】
前記シリンジバレルが、遠位端に相互接続部、及び近位端にシリンジバレルフランジによって取り囲まれた開口部を有するシリンジリザーバを画定し、前記シリンジプランジャが、シリンジプランジャロッドフランジ、プランジャロッド、リザーバ面、及び前記リザーバ面の上に配設されており、前記シリンジプランジャが前記シリンジバレル内に着座したときに、前記リザーバ面と前記シリンジリザーバとの間にシールを提供するように構成されたガスケットを含み、前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、前記シリンジバレルに固定されており、前記シリンジプランジャシールを提供するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記シリンジプランジャシーリングデバイスが、前記シリンジリザーバの前記近位端で前記開口部をシールする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記滅菌プランジャシリンジを前記自動化された細胞工学システムに接続する前に、滅菌ガスの一部を前記滅菌プランジャシリンジ内に導入することを更に含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記シリンジプランジャシールが、前記シリンジリザーバの内部の滅菌性を維持する、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記シリンジリザーバの前記内部の滅菌性を維持することが、前記滅菌プランジャシリンジが動作されたときの前記シリンジリザーバの汚染を防止する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記生体サンプルを引き出した後、ガスの一部を注入して、前記自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記生体サンプルを引き出す前に、ガスの一部を注入して、前記自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記生体サンプルを引き出す前に、前記滅菌プランジャシリンジをポンピングして、前記自動化された細胞工学システム内で混合させることを更に含む、請求項10~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記滅菌プランジャシリンジをポンピングすることが、
混合サンプルを前記自動化された細胞工学システムから前記滅菌プランジャシリンジ内に引き出すことと、
前記混合サンプルを前記自動化された細胞工学システムに戻すことと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングの方法であって、前記方法が、
サンプルリザーバを画定するサンプルチャンバ、充填デバイス、及び滅菌シーリング装置を含む、滅菌サンプリングデバイスを提供することと、
前記滅菌サンプリングデバイスを前記自動化された細胞工学システムのカセットに接続することと、
前記充填デバイスを介して前記自動化された細胞工学システムから生体サンプルを引き出すことと、を含む、方法。
【請求項21】
前記滅菌サンプリングデバイスを前記カセットに接続する前に、ガスの一部を前記滅菌サンプリングデバイス内に導入することを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記滅菌シーリング装置を介して前記生体サンプルを引き出す間、前記サンプルリザーバの内部の滅菌性を維持することを更に含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記サンプルリザーバの前記内部の滅菌性を維持することが、前記滅菌サンプリングデバイスが動作されたときの前記サンプルリザーバの汚染を防止する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記生体サンプルを引き出した後、ガスの一部を注入して、前記自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記生体サンプルを引き出す前に、ガスの一部を注入して、前記自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記充填デバイスを介して前記生体サンプルを引き出す前に、前記自動化された細胞工学システム内で混合を引き起こすことを更に含む、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記混合させることが、
前記自動化された細胞工学システムから前記サンプルリザーバ内に混合サンプルを引き出すことと、
前記混合サンプルを前記自動化された細胞工学システムに戻すことと、によって引き起こされる、請求項26に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動化された細胞工学システムの使用に関する。特に、本開示は、自動化された細胞工学システム及び他の滅菌環境からの滅菌サンプリングを提供する方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
先進的な細胞療法の臨床導入が加速されることが期待される中、これらの療法が世界中の患者に恩恵をもたらすための根本的な製造戦略により注目が集まっている。
【0003】
細胞療法のための細胞の産生は、患者特有の産物のために、著しい手作業による関与を必要とし得る。ほんの一例では、CAR T細胞培養の自動化は、細胞の活性化、形質導入、及び増殖を含む複数の繊細な単位動作のために特に困難である。
【0004】
細胞の活性化、形質導入、及び増殖を商業的な製造プラットフォームに統合することは、これらの重要な免疫療法を幅広い患者集団に置き換えるために重要である。これらの救命治療がグローバルな患者集団に適用されるためには、個別化医療をサポートするための製造技術の転換が実施されなければならない。自動化の利益については、以前に述べたことがある。これらの利益には、自動化の使用に関連する労働時間の節減だけでなく、産物の一貫性の向上、部屋の区分化の減少、クリーンルームのフットプリントの縮小、複雑なトレーニングの減少、並びに規模拡大及び物流追跡の向上が含まれる。
【0005】
自動化の利益は、適切な滅菌プロセス制御なしでは完全には実現されない場合がある。本出願は、自動化された細胞工学システムに関連する動作中に滅菌性を維持するための解決策を提供する。本明細書に提供される解決策は、任意の種類の滅菌システムを伴う動作中に滅菌性を維持するのに更に好適である。
【発明の概要】
【0006】
実施形態では、滅菌プランジャシリンジが提供される。滅菌プランジャシリンジは、シリンジリザーバを画定し、かつ遠位端に相互接続部、及び近位端にシリンジバレルフランジによって取り囲まれた開口部を有する、シリンジバレルと、シリンジプランジャロッドフランジ、プランジャロッド、及びリザーバ面を含むシリンジプランジャと、リザーバ面の上に配設されており、シリンジプランジャがシリンジバレル内に着座したときに、リザーバ面とシリンジリザーバとの間にシールを提供するように構成された、ガスケットと、シリンジバレルに固定されており、シリンジプランジャシールを提供するように構成された、シリンジプランジャシーリングデバイスと、を含む。
【0007】
更なる実施形態では、自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングの方法が提供される。方法は、シリンジバレル、シリンジプランジャ、及びシリンジプランジャシールを提供するシリンジプランジャシーリングデバイスを含む滅菌プランジャシリンジを提供することと、滅菌プランジャシリンジを自動化された細胞工学システムに接続することと、自動化された細胞工学システムから生体サンプルを滅菌プランジャシリンジによって引き出すことと、を含む。
【0008】
更なる実施形態では、自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングの方法が提供される。方法は、サンプルリザーバ、サンプルチャンバ、充填デバイス、及び滅菌シーリング装置を含む、滅菌サンプリングデバイスを提供することと、滅菌サンプリングデバイスを自動化された細胞工学システムに接続することと、充填デバイスを介して自動化された細胞工学システムから生体サンプルを引き出すことと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】細胞培養のための一般化された製造プロセスを示す。
図2】本明細書の実施形態に記載される、例示的な細胞工学システムを包有する実験室空間を示す。
図3】本明細書の実施形態に記載される、細胞工学システム内で実行され得る細胞培養産生プロセスを示す。
図4A】閉鎖構成における自動化された細胞工学システムを示す。
図4B】自動化された細胞工学システム内に挿入され得るカセットを示す。
図4C】開放構成における自動化された細胞工学システムを示す。
図4D】自動化された細胞工学システム内で活用される細胞培養チャンバの場所を示す。
図4E】自動化された細胞工学システム内で活用される細胞培養チャンバの配向を示す。
図4F】自動化された細胞工学システム内で活用される細胞培養チャンバのより詳細な図を示す。
図4G】自動化された細胞工学システムについてのプロセスフローの凡例を示す。
図5A】別の構成の自動化された細胞工学システムに装填され得る使い捨てカセットを示す。
図5B】開放構成における別の構成の自動化された細胞工学システムを示す。
図5C】別の構成の自動化された細胞工学システム内に装填されたカセットを示す。
図5D】閉鎖構成における別の構成の自動化された細胞工学システムを示す。
図5E】別の構成の自動化された細胞工学システムとともに使用するためのカセットの詳細図を示す。
図6】カセットからサンプリングするためのシリンジ及びバッグの使用を示す。
図7】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図8A】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図8B】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図9図9A図9Cは、本明細書の実施形態と一致する追加の滅菌サンプリングデバイスを示す。
図10】本明細書の実施形態と一致する更なる滅菌サンプリングデバイスを示す。
図11A】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図11B】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図11C】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図11D】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図11E】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示す。
図12】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスを示すフロー図である。
図13A】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13B】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13C】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13D】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13E】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13F】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13G】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13H】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
図13I】本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングプロセスの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、自動化された細胞工学システムと連動して滅菌プロセスを維持するシステム及び方法を提供する。自動化された細胞工学システムは、様々な改変された細胞及び組織、並びに生物材料(例えば、タンパク質、ペプチド、抗体、抗体断片等)の産生のための強力なツールを提供する。本明細書に記載の自動化された細胞工学システムの利益の中には、滅菌自己完結型モジュールの使用がある。そのようなモジュールは、高レベルのクリーンルームでそのようなプロセスを遂行する必要なしに、細胞処理のための滅菌環境を作り出す。自動化された細胞工学システムが非滅菌環境で動作される場合、これらのシステムとのオペレータの対話中に滅菌性を維持するためのステップを講じる必要がある。
【0011】
本明細書に提供される方法及びデバイスは、自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングを容易にし、したがって、自動化された細胞工学システムからのサンプル、例えば、細胞培養物、生物材料サンプル、試薬サンプル、及び任意の他の流体又は材料サンプルの除去及び再挿入を可能にする。
【0012】
本明細書の実施形態と一致する1つの自動化された細胞工学システムは、Cocoon(商標)プラットフォームであり、その態様は、以下でより詳細に説明される。Cocoon(商標)プラットフォームは、2017年9月1日に出願された米国特許出願第16/119,618号により詳細に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に開示される滅菌サンプリングデバイス及び方法とともに使用され得る特定のシステム又は自動化された細胞工学システムの本明細書に提供される説明は、単なる例示である。本明細書に開示される滅菌サンプリングデバイス及び方法は、追加のシステム、例えば、ADVA_X3(登録商標)(Adva Biotechnology)及びCLINIMACS PRODIGY(登録商標)(Miltenyi Biotech)に適用され得る。特に、本明細書に開示される滅菌サンプリングデバイス及び方法は、サンプル及びシステムの両方の滅菌性を維持しながら、サンプルがそこから引き出されるべき任意の滅菌システムに好適に適用され得る。更に、本明細書に開示される滅菌サンプリングデバイス及び方法は、非滅菌環境に置かれた任意の滅菌システムに好適に適用され得る。
【0013】
本明細書に記載されるように、自動化された製造の設備及び包括的な検証は、改変された細胞及び組織の産生のための物流上及び運用上の課題に対する解決策を提供する。産生プロセスに自動化を導入するための重要な手法は、「単位動作」と称される、オペレータが産生材料に物理的、生物学的、又は化学的な変更を適用する主要なモジュール式ステップを特定することである。細胞製造の場合、これには、細胞分離、遺伝子操作、増殖、洗浄、濃縮、及び細胞採取等のステップが含まれる。製造業者は、多くの場合、自動化を導入するための即時的な機会として、局所的なプロセスのボトルネックを特定する。これは、市販のバイオリアクタの大部分の技術的動作スペクトルに反映されており、これは、個別のプロセスステップに焦点を当てる傾向がある。細胞製造におけるプロセスの課題(滅菌性の維持からサンプルの追跡まで)は、必然的なプロセスの変動を改善しながら、一貫した細胞出力を発生させるエンドツーエンド自動化によって本明細書で対処される。本明細書に記載の方法はまた、単純化をもたらし、関連する電子記録は、GMP基準に準拠する際の助けになる。
【0014】
がん免疫療法のための改変自家T細胞を含む、様々な細胞培養物の臨床開発の最近の急速な進歩は、関連する翻訳、及びスケールアップ/スケールアウトの意味合いの計画につながっている。
【0015】
特定の細胞培養成長プロトコルは、細胞製造に対して変動し得るが、一般化された細胞培養産生プロセスが図1に示されている(自家T細胞の産生を含む)。図1は、例えば、患者の血液サンプルの初期処理から自家T細胞療法のための出力細胞の形成までの、細胞製造の単位動作について記載している。
【0016】
本明細書に記載されるように、細胞製造自動化を達成するために、本明細書に記載のサンプリング方法は、各移行点における細胞の状態、及びそれらが外部分析機器の使用を通じて特定の単位動作によってどのように影響されるかを理解するために提供される。患者特有の療法のためのマイクロロット産生は、自動化の実現可能性に影響を及ぼす主要なプロセスの繊細さを尊重する必要がある。本明細書に記載の自動化は、様々なプロセスステップをうまく受け入れる。
【0017】
単一のオールインワンシステムは、大幅な空間効率の向上を提示して、高価なGMPクリーンルーム内における必要なフットプリントを最小限に抑えることができる。例えば、図2に示すように、完全に統合された自動化されたシステムは、必要なフットプリントを最大限に活用して、高価なGMPクリーンルーム空間を削減するように設計されている。図2は、例えば、標準的な実験室空間内で実行する96個の患者特有のエンドツーエンドユニットを示している。
【0018】
本明細書に記載されるように、実施形態では、提供される方法は、単一のターンキープラットフォームにおいて複数の単位動作を統合するCOCOONプラットフォーム(Octane Biotech(Kingston,ON))を活用する(例えば、米国公開特許出願第2019/0169572号を参照されたい。その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。しかしながら、Miltenyi Biotech,Inc.から入手可能なPRODIGY、General Electric HealthcareからのXURI及びSEFIA、並びにAtvio Biotech Ltd.から入手可能なシステム等の市販のものを含む、他の完全に又は部分的に自動化された細胞培養装置が、本明細書の実施形態に従って使用され得ることが理解される。本明細書に記載の滅菌サンプリングデバイス及び方法は、上記の各々及び任意の他の市販デバイスによって実行される滅菌サンプリング動作に好適であり得る。
【0019】
本明細書に記載の方法は、完全に統合された閉鎖型自動化システムにおいて、CAR T細胞の産生(活性化、ウイルス形質導入及び増殖、濃縮、並びに洗浄を含む)と連動して用いることができる(図3)。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、細胞培養物の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び採取ステップを実行するための命令を好適に有する、機能的に囲まれた自動化された細胞工学システム600(図4A図4Bを参照)に関連して実行される。細胞工学システム(全体を通して自動化された細胞工学システムとも呼ばれる)は、細胞培養物の自動化された産生を提供する。本明細書で使用される場合、「細胞培養物」は、個々の細胞、及び複数の細胞、又は組織構造に形成され得る細胞を含む、任意の好適な細胞の種類を指す。例示的な細胞培養物には、血液細胞、皮膚細胞、筋肉細胞、骨細胞、様々な組織及び器官からの細胞等が含まれる。実施形態では、本明細書に記載されるように、CAR T細胞を含む遺伝子組換え免疫細胞を産生することができる。例示的な自動化された細胞工学システムは、全体を通してCOCOON、又はCOCOONシステムとも呼ばれる。
【0021】
例えば、ユーザは、細胞培養物及び試薬(例えば、活性化試薬、ベクター、細胞培養培地、栄養素、及び選択試薬等)が予め充填された細胞工学システム、並びに細胞産生のためのパラメータ(例えば、細胞の開始数、培地の種類、活性化試薬の種類、ベクターの種類、及び産生される細胞の数又は分量等)を提供することができ、細胞工学システムは、ユーザからの更なる入力なしに、CAR T細胞を含む遺伝子組換え免疫細胞培養物を含む、工学的細胞培養物を産生する方法を実行することができる。自動化された産生プロセスの終わりに、細胞工学システムは、産生された細胞を収集するようにユーザに警告し得る(例えば、警告メッセージを再生、又はモバイルアプリアラートを送信することによって)。いくつかの実施形態では、機能的に囲まれた細胞工学システムは、滅菌細胞培養チャンバを含む。機能的に囲まれたとは、自己完結型であるが、ガス交換手段、例えば、疎水性フィルタ及びガス透過性チュービングを含み得るシステムを指す。いくつかの実施形態では、機能的に囲まれた細胞工学システムは、細胞培養物の非滅菌環境への曝露を低減することによって、細胞培養物の汚染を最小限に抑える。追加の実施形態では、機能的に囲まれた細胞工学システムは、細胞のユーザの取り扱いを低減することによって、細胞培養物の汚染を最小限に抑える。
【0022】
本明細書に記載されるように、細胞工学システムは、カセット602を好適に含む(図4Bを参照)。本明細書で使用される場合、「カセット」は、本明細書に記載される方法の様々な要素を実行するための1つ以上のチャンバを含み、かつ好適には、細胞培地、活性化試薬、ベクター等のうちの1つ以上も含む、細胞工学システムの、大部分が自己完結型で取り外し可能かつ交換可能な要素を指す。カセットは、可撓性バッグ、剛性容器、又は他の構造要素を含み得る。いくつかの態様では、カセットは、使い捨てとして構成することができる。
【0023】
図4Bは、本明細書の実施形態によるカセット602の実施形態を示している。実施形態では、カセット602は、細胞培養培地の貯蔵に好適な低温チャンバ604、並びに免疫細胞培養物の活性化、形質導入、及び/又は増殖を実行するのに好適な高温チャンバ606を含む。好適には、高温チャンバ606は、熱バリア1092によって低温チャンバ604から分離されている(図5bを参照)。本明細書で使用される場合、「低温チャンバ」は、細胞培地等を冷蔵温度で維持するために、好適には室温未満で、より好適には約2℃~約8℃で維持されるチャンバを指す。低温チャンバは、約1L、約2L、約3L、約4L、又は約5Lの流体を含む、培地用のバッグ又は他のホルダを含み得る。追加の培地バッグ又は他の流体源は、カセットに外部から接続され得、アクセスポートを介して、例えば、閉鎖式ルアーフィッティング、溶接チュービング等によってカセットに接続され得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「高温チャンバ」は、室温超に好適に維持され、より好適には細胞の増殖及び成長を可能にする温度、すなわち、約35~39℃、より好適には約37℃で維持されるチャンバを指す。
【0025】
実施形態では、高温チャンバ606は、図4d及び図4eに示すように、細胞培養チャンバ610(全体を通して増殖チャンバ又は細胞増殖チャンバとも呼ばれる)を好適に含む。
【0026】
カセットは、いくつかの態様では、細胞培養チャンバに接続された1つ以上の流体工学経路を更に含み得、流体工学経路は、細胞培養チャンバ内の細胞を乱すことなく、再循環、廃棄物の除去、及び均質なガス交換、並びに細胞培養チャンバへの栄養素の分配を提供する。カセット602はまた、本明細書に記載されるように、カセットを通る流体を駆動するための蠕動ポンプを含む1つ以上のポンプ605、及び様々な流体工学経路を通る流れを制御するための1つ以上の弁607を更に含む。
【0027】
例示的な実施形態では、図4dに示すように、細胞培養チャンバ610は、容易に曲がらない又は屈曲しない平坦で非可撓性のチャンバである(すなわち、プラスチック等の実質的に非可撓性の材料で作製されている)。非可撓性チャンバの使用により、細胞を実質的に乱れていない状態に維持することが可能になる。図4eに示すように、細胞培養チャンバ610は、細胞培養物が細胞培養チャンバの底部612にわたって広がることを可能にするように配向されている。図4eに示すように、細胞培養チャンバ610は、好適に床又はテーブルと平行な位置に維持されており、細胞培養物を乱れていない状態に維持し、細胞培養物が細胞培養チャンバの底部612の広いエリアにわたって広がることを可能にする。実施形態では、細胞培養チャンバは、一貫した充填及び排出を容易にするために、反り等の特徴を含み得る。実施形態では、細胞培養チャンバ610の全体的な厚さ(すなわち、チャンバ高さ642)は、約0.5cm~約5cmの程度であり低い。本明細書に記載されるように、例示的な実施形態では、カセットは、細胞培養物、培地、活性化試薬、及び/又はベクター(これらのうちの任意の組み合わせを含む)のうちの1つ以上が予め充填されている。更なる実施形態では、これらの様々な要素は、好適な注入ポート等を介して後で追加することができる。
【0028】
本明細書に記載されるように、実施形態では、カセットは、好適には、pHセンサ、グルコースセンサ、溶存酸素センサ、二酸化炭素センサ、乳酸センサ/モニタ、及び/又は光学密度センサのうちの1つ以上を更に含む。カセットはまた、1つ以上のサンプリングポート及び/又は注入ポートを含み得る。そのようなサンプリングポート及び注入ポート(1094)の例は、図5a.に示されており、カートリッジをエレクトロポレーションユニット又は追加の培地源等の外部デバイスに接続するためのアクセスポートを含み得る。図5aはまた、細胞入力1095、細胞培地を温めるために使用することができる試薬加温バッグ1096等、並びに例えば、細胞培地、ベクター、栄養素、及び廃棄物等を含む、培地で使用するための様々な成分を保持する培養ゾーン1107の場所を示している。
【0029】
図5bは、カセット602が取り外されたCOCOON細胞工学システムを示している。図5bには、ガス制御シール1020、加温ゾーン1021、アクチュエータ1022、必要に応じて細胞工学システムを揺動又は傾斜させるためのピボット1023、及び低温チャンバ604を保持するための低温ゾーン1024を含む、細胞工学システムの構成要素が見える。また、例示的なユーザインターフェース1030が示されており、これは、一次元及び二次元コード、例えばバーコード及びQRコード(登録商標)用のリーダ、並びにタッチパッド又は他の同様のデバイスによる入力を用いて受信する能力を含み得る。バーコードリーダ、QRコード(登録商標)リーダ、無線周波数IDイントロゲータ等の構成要素識別センサ又は他の構成要素識別センサを更に含み得るユーザインターフェース1030。いくつかの態様では、カセット602は、バーコード等の第1の識別構成要素を含み得、ユーザインターフェース1030は、第1の識別構成要素を読み取り、識別するように構成されたリーダを含み得る。図5eは、追加の細胞培養容積が必要であることを使用することができる二次チャンバ1150、及び本明細書で産生される最終細胞培養物を回収するために使用することができる採取チャンバ1152の位置を含む、カセット602の追加の詳細図を示している。
【0030】
例示的な実施形態では、図4fに示すように、細胞培養チャンバ610は、細胞培養チャンバから気泡の除去を可能にするようにし、かつ又は再循環ポートとして構成された遠位ポート620、再循環入口ポートとして機能するように構成された中間ポート622、及び細胞除去のための排出ポートとして機能するように構成された近位ポート624のうちの少なくとも1つを更に備える。
【0031】
なお更なる実施形態では、本明細書において、免疫細胞培養物を収容するように構成されたチャンバ容積を有する、免疫細胞培養物の活性化、形質導入、及び/又は増殖を実行するための細胞培養チャンバ610と、免疫細胞培養物を収容することなく、培地及び他の作動流体に追加容積を提供することによって、細胞培養チャンバの作業容積を増加させるためのサテライト容積630(すなわち、サテライト容積は任意の細胞を包有しない)と、を含む、自動化された細胞工学システム600で使用するためのカセット602が提供される。
【0032】
図4gは、細胞培養チャンバ610とサテライト容積630との間の接続を示す概略図を示している。図4gにはまた、様々なセンサ(例えば、pHセンサ650、溶存酸素センサ651)、並びにサンプリング/サンプルポート652及び様々な弁(制御弁653、バイパスチェック弁654)の位置決め、並びに構成要素を接続するシリコーンベース又は他のチュービング構成要素を好適に備える1つ以上の流体工学経路640が示されている。本明細書に記載されるように、シリコーンベースのチュービング構成要素の使用は、チュービング構成要素を通じた酸素供給を可能にして、細胞培養のためのガス移送及び最適な酸素供給を容易にする。また、図4gには、ポンプチューブ657及びバッグ/弁モジュール658とともに、カセットの流路内の1つ以上の疎水性フィルタ655又は親水性フィルタ656の使用が示されている。
【0033】
追加の実施形態では、図4gに示すように、カセット602は、好適には、必要に応じて、追加の培地等を保持するためのクロスフローリザーバ632を更に含む。好適には、クロスフローリザーバは、約0.50ml~約300ml、より好適には約100ml~約150mlの容積を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、細胞工学システムは、複数のチャンバを含む。更なる実施形態では、本明細書に記載される細胞のための方法の活性化、形質導入、増殖、濃縮、及び採取ステップの各々は、細胞工学システムの複数のチャンバのうちの異なるチャンバで実行される。いくつかの実施形態では、細胞は、1つのチャンバから別のチャンバへの移送中に実質的に乱されない。他の実施形態では、方法のステップは、細胞工学システムの同じチャンバ内で実行され、細胞工学システムは、方法の各ステップについて必要に応じてチャンバ環境を自動的に調整する。したがって、様々なステップ中に細胞が乱されないようにすることを更に可能にする。
【0035】
自動化された細胞工学システムで行われる様々なプロセス及び/又は動作は、自動化された細胞工学システムから材料(細胞培養物、生物材料サンプル、又は他の流体等)を引き出すことを必要とし得る。いくつかのプロセス及び動作は、そのような材料を自動化された細胞工学システム内に注入して戻すことを更に必要とし得る。追加の要件には、トランスフェクション試薬、及び栄養素サプリメント、培地サプリメント等の様々な材料をシステム内に注入することが含まれる。そのようなプロセス及び動作は、非滅菌環境から任意の汚染物質を導入することなく、滅菌された様式でサンプルを引き出しかつ戻すように構成された滅菌サンプリングデバイスから利益を受け得る。
【0036】
図6は、自動化された細胞工学システム600からサンプルを引き出すために使用されている従来のシリンジ1170及びバッグ1172の使用を示している。従来のシリンジは、滅菌された内部を備え得る。非滅菌環境、すなわち、細胞工学システムの滅菌された内部よりも滅菌性が低い環境で動作されたとき、シリンジ内部の滅菌性が損なわれる可能性がある。例えば、従来のプランジャシリンジでは、動的シールが提供されて、シリンジプランジャの動きの範囲にわたってシリンジ内部をシーリングすることを可能にする。しかしながら、リザーバ面の後ろのシリンジ内部の一部分は、動作中、すなわち、シリンジプランジャが押し込まれるときに環境に曝露される。内部の壁にくっついている汚染物質は、プランジャの動作中にシリンジ内部に引き込まれる任意の物質に導入される可能性を有する。
【0037】
次に、滅菌サンプリングデバイス及び方法に関する具体的な実施形態が、図7図13を参照して説明される。別段の指示がない限り、本明細書で論じられる滅菌サンプリングデバイスについて、「遠位」及び「近位」という用語は、オペレータに対する位置又は方向に関して以下の説明において使用される。「遠位」及び「遠位に」は、滅菌サンプリングデバイスの入力/出力端を指す位置であり、標準使用下では、オペレータから離れていても、オペレータから離れた方向であっても位置である。「近位」及び「近位に」は、通常の使用中に臨床医に向かう方向の、滅菌サンプリングデバイスの動作端を指す位置である。
【0038】
本明細書の実施形態は、滅菌サンプリングデバイス内に引き込まれる及び/又は滅菌サンプリングデバイスから放出されるサンプルの滅菌性を維持するのに適した滅菌サンプリングデバイスを提供する。滅菌サンプリングデバイスは、サンプルリザーバを画定するサンプルチャンバを含む。サンプルリザーバは、生物材料サンプル、試薬サンプル、細胞培養物、又は任意の他の流体等のサンプルを包有するように構成されている。滅菌サンプリングデバイスは、サンプルチャンバの遠位端に相互接続部を含む。相互接続部は、サンプルチャンバを他のサンプリング機器に接続するように構成されており、例えば、溶接可能チュービング、ICU Medical Spiros及びBD Q-Syte等のルアー作動コネクタ、CPC AseptiQuik等のジェンダーレスコネクタ、標準ルアーロックフィッティング、ツイストフィット、及び任意の他の好適なコネクタを含み得る。
【0039】
滅菌サンプリングデバイスは、手動又は自動操作を通じて、サンプルをサンプルリザーバ内に引き込む、及び/又はサンプルリザーバからサンプルを放出するように構成された充填デバイスを更に含む。本明細書の実施形態と一致する充填デバイスは、自動化された細胞工学システムのリザーバに接続されているサンプルリザーバと外部環境との間に圧力差(過大圧力又は過小圧力のいずれか)を提供するように構成された任意のデバイス、機構、又はシステムを含む。充填デバイスによって提供される圧力差は、サンプルリザーバからの流体の引き出し及び吐出を駆動する。充填デバイスは、本明細書で論じられるように、様々なサンプルチャンバに接続して動作するように構成されている。例えば、以下に論じられるように、シリンジサンプルチャンバは、充填デバイスとしてシリンジプランジャとともに利用され得る。他のサンプルチャンバ設計は、以下に論じられるように、充填デバイスとしてポンプ、バキューム、シリンジ、及び他の機構を利用し得る。
【0040】
滅菌サンプリングデバイスは、滅菌サンプリングデバイスの動作中、例えば、サンプルリザーバの充填及び空にしている間に、環境汚染物質からサンプルリザーバの滅菌性を維持するように構成された滅菌シーリング装置を更に含む。本明細書で使用される場合、サンプルリザーバの滅菌性を維持することは、環境からのサンプルリザーバの汚染を防止し、サンプルリザーバを環境の滅菌レベルよりも高い滅菌レベルに維持することを指す。滅菌シーリング装置は、液体接触であってもよく、又は液体接触でなくてもよい。
【0041】
滅菌サンプリングデバイスの様々な態様の具体例は、図7図11に関して、以下でより詳細に論じられる。
【0042】
図7は、本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示している。図7の滅菌サンプリングデバイスは、滅菌プランジャシリンジ700であり、シリンジバレル701、シリンジプランジャ703、ガスケット705、及びシリンジプランジャシーリングデバイス709を含み得る。
【0043】
シリンジバレル701は、一般的に円筒形であり、シリンジバレル701の内部を占有するシリンジリザーバ702を画定する。シリンジバレル701は、サンプルリザーバを画定するサンプルチャンバの一例である。シリンジバレル701の遠位端は、相互接続部710を含む。相互接続部710は、例えば、ルアーロックチップ、スリップチップ、偏心チップ、及びカテーテルチップを含む、任意の種類のシリンジ相互接続部であり得る。任意の好適なシリンジチップが、相互接続部710として利用され得る。シリンジバレル701の近位端は、シリンジバレルフランジ707によって取り囲まれた近位開口部711を含む。近位開口部711は、シリンジリザーバ702と実質的に同じ直径を有する。シリンジバレル701は、シリンジリザーバ702内部の物質の体積を示すために、段階的な体積マーキングを含み得る。シリンジバレル701は、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ステンレス鋼等を含む、任意の好適な材料で製造され得る。
【0044】
シリンジプランジャ703は、シリンジプランジャロッド706、シリンジプランジャロッド706の近位端に位置付けされたシリンジプランジャロッドフランジ708、及びシリンジプランジャロッド706の遠位端に位置付けされたリザーバ面704を含む。シリンジプランジャロッド706は、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ステンレス鋼等を含む、任意の好適な材料で製造され得る。シリンジプランジャ703は、シリンジリザーバ702を充填しかつ空にするように構成された充填デバイスの一例である。
【0045】
ガスケット705は、リザーバ面704の上に配設されており、シリンジプランジャ703がシリンジバレル701内に着座したときに、リザーバ面704とシリンジバレル701の内壁との間にシールを提供するように構成されている。したがって、シリンジプランジャ703がシリンジバレル701内に着座したとき、ガスケット705はシリンジリザーバ702をシールする。滅菌プランジャシリンジ700が動作されたとき、シリンジプランジャ703は、流体、すなわち、液体又はガスを取り込みかつ放出するために、シリンジリザーバ702内で前後に移動させられる。
【0046】
リザーバ面704の遠位のシリンジリザーバ702の一部分は、本明細書ではシリンジリザーバ702の活動部分と称され、一方、リザーバ面704の近位のシリンジリザーバ702の一部分は、本明細書では、シリンジリザーバ702の非活動部分と称される。滅菌プランジャシリンジ700は、シリンジプランジャ703を移動させることによって、シリンジリザーバ702の活動部分の容積を拡張及び収縮させることによって動作される。活動部分の容積の拡張及び収縮は、流体をシリンジリザーバ702内に取り込みかつ放出するために必要な圧力不均衡を提供する。
【0047】
滅菌プランジャシリンジ700は、シリンジバレル701に固定されており、かつシリンジプランジャシール712を提供するように構成された、シリンジプランジャシーリングデバイス709を更に含む。本明細書で使用される場合、シリンジプランジャシーリングデバイスに関する「シール」は、流体密、好適には液密を指し、いくつかの実施形態では、任意の実質的な量の流体(液体及び/又はガスを含む)の移送を好適には、リザーバ702の容積の1%未満、より好適にはリザーバ702の容積の0.1%未満、0.01%未満、更により好適には0.001%未満の程度、シールを通過することを可能にしない、ガス密、結合、接続、又はフィッティングを指す。シリンジプランジャシーリングデバイス709は、シリンジリザーバ702の滅菌性を維持するように構成された滅菌シーリング装置の一例である。シリンジプランジャシーリングデバイス709は、滅菌プランジャシリンジ700の近位端及びシリンジプランジャ703を取り囲む。シリンジプランジャシーリングデバイス709は、チューブ、バッグ、バルーン、ソックス状構造、アコーディオンひだ構造、又は滅菌プランジャシリンジ700及びシリンジプランジャ703の近位端を囲むのに十分な任意の他の構造であり得る。シリンジプランジャシーリングデバイス709は、ポリマー、プラスチック等を含む任意の好適な材料から構築され得る。
【0048】
シリンジプランジャシーリングデバイス709の遠位部分は、シリンジバレルフランジ707の遠位のシリンジバレル701の近位部分に固定され得る。シリンジプランジャシーリングデバイス709はまた、シリンジバレルフランジ707自体に固定されてもよい。シリンジプランジャシーリングデバイス709のシリンジバレル701への固定又は取り付けは、接着剤、熱接合、化学接合、若しくは音波溶接によって、クランピング等の機械的手段によって、かつ/又は任意の他の好適な手段によって達成され得る。機械的手段は、シリンジプランジャシーリングデバイス709を取り外し可能に固定し得る。
【0049】
シリンジプランジャシーリングデバイス709の近位部分は、任意選択で、シリンジプランジャロッドフランジ708に固定されるか又は取り付けられ得る。シリンジプランジャシーリングデバイス709は、シリンジプランジャ703全体を包含又は取り囲み得る。そのような実施形態では、シリンジプランジャロッドフランジ708は、シリンジプランジャ703の移動がシリンジプランジャシーリングデバイス709の対応する移動を引き起こすように、シリンジプランジャシーリングデバイス709に接続され得る。
【0050】
更なる実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス709は、近位端に開口部を有する。そのような実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス709の近位端の開口部は、閉鎖を維持するためにシリンジプランジャロッドフランジ708にシールされる。近位端の開口部は、シリンジプランジャロッドフランジシール(図示せず)でシリンジプランジャロッドフランジ708にシールされ得る。
【0051】
実施形態では、シリンジプランジャシール712は、実質的に流体密である。実施形態では、シリンジプランジャシール712は、滅菌性を維持する目的で、実質的にガス密である。実施形態では、シリンジプランジャシール712は、実質的に液密であるが、例えば、ガス蒸気滅菌を可能にするために、実質的にガス密ではない。実施形態では、シリンジプランジャロッドフランジシールは、実質的に流体密である。実施形態では、シリンジプランジャロッドフランジシールは、実質的にガス密である。実施形態では、シリンジプランジャロッドフランジシールは、実質的に液密であるが、実質的にガス密ではない。好適には、リザーバ702の容積の1%未満、より好適には、0.1%未満、0.01%未満、更により好適には、リザーバ702の容積の0.001%未満の程度、シールを通過させる。
【0052】
シリンジプランジャシーリングデバイス709は、シリンジリザーバ702の滅菌性を維持又は保つように動作する。したがって、シリンジプランジャシーリングデバイス709は、シリンジリザーバ702の滅菌性を、包装された滅菌プランジャシリンジ700の初期滅菌性と同じレベルで維持又は保ち、滅菌されていない環境内での滅菌プランジャシリンジ700の動作によって引き起こされ得る滅菌性の悪化を防止する。
【0053】
従来のシリンジは、シリンジリザーバの活動部分の拡張及び収縮によって動作する。活動部分が拡張及び収縮されると同時に、シリンジリザーバの非活動部分はそれぞれ収縮及び拡張される。リザーバ面がシリンジバレルの遠位端から近位端に引き出されたとき、以前にシリンジの外側の環境に曝露されていたシリンジバレルの内壁は、シリンジリザーバの活動部分を画定する壁になる。したがって、シリンジの外側の環境からの汚染物質がシリンジバレルの壁にくっつき、シリンジリザーバの活動部分内に導入される可能性がある。また、シリンジの内部からの汚染物質がシリンジバレルの壁に同様にくっつき、したがって環境に逃げ込む可能性がある。これは、シリンジプランジャがシリンジバレル内外に繰り返し押されると、より可能性が高くなり得る。
【0054】
シリンジプランジャシーリングデバイス709は、滅菌プランジャシリンジ700の動作中に、シリンジリザーバ702の非活動部分を隔離する。シリンジリザーバ702の非活動部分を周囲の環境から隔離することによって、滅菌プランジャシリンジ700が使用される環境からのシリンジリザーバ702の汚染を防止することができる。滅菌プランジャシリンジ700は、滅菌プランジャシリンジ700が動作されている間、活動部分及び非活動部分の両方における、シリンジリザーバ702全体にわたって滅菌性を維持する。滅菌性の維持は、相互接続部710が滅菌又は無菌環境に接続されることを必要とし得る。
【0055】
図8A図8Bは、本明細書の実施形態と一致する更なる滅菌サンプリングデバイスを示している。図8A図8Bの滅菌サンプリングデバイスは、滅菌プランジャシリンジ800であり、シリンジバレル801、シリンジプランジャ803、ガスケット805、及びシリンジプランジャシーリングデバイス809を含み得る。
【0056】
シリンジバレル801は、シリンジバレル701と一般的に同様であり、全ての同じ特徴を含む。シリンジバレル801は、シリンジリザーバ802を画定し、相互接続部810、シリンジバレルフランジ807によって取り囲まれた近位開口部811を含む。シリンジバレル801は、サンプルリザーバを画定するサンプルチャンバの一例であり、シリンジリザーバは、サンプルリザーバの一例である。
【0057】
シリンジプランジャ803は、シリンジプランジャ703と一般的に同様であり、かつシリンジプランジャ703と同じ特徴の全てを含み、シリンジプランジャロッド806、シリンジプランジャロッド806の近位端に位置付けされたシリンジプランジャロッドフランジ808、及びシリンジプランジャロッド806の遠位端に位置付けされたリザーバ面804を含む。シリンジプランジャ803は、シリンジリザーバ802を充填しかつ空にするように構成された充填デバイスの一例である。ガスケット805は、リザーバ面804の上に配設されており、ガスケット705と一般的に同様である。リザーバ面804の遠位のシリンジリザーバ802の一部分は、本明細書では、シリンジリザーバ802の活動部分820(図8Bに示す)と称され、一方、リザーバ面804の近位のシリンジリザーバ802の一部分は、本明細書では、シリンジリザーバ802の非活動部分821(図8Bに示す)と称される。滅菌プランジャシリンジ800は、シリンジプランジャ803を移動させることによって、シリンジリザーバ802の活動部分820の容積を拡張及び収縮させることによって動作される。活動部分820の容積の拡張及び収縮は、流体をシリンジリザーバ802内に取り込みかつ放出するために必要な圧力不均衡を提供する。
【0058】
滅菌プランジャシリンジ800は、シリンジバレル801に固定されており、かつシリンジプランジャシール812を提供するように構成された、シリンジプランジャシーリングデバイス809を更に含む。シリンジプランジャシーリングデバイス809は、シリンジリザーバ802の滅菌性を維持するように構成された滅菌シーリング装置の一例である。シリンジプランジャシーリングデバイス809は、滅菌プランジャシリンジ800の近位端及びシリンジプランジャ803を取り囲む。
【0059】
シリンジプランジャシーリングデバイス809は、複数のアコーディオンひだ813を含む。アコーディオンひだ813は、図8Aに示すように、シリンジプランジャ803がシリンジリザーバ802内に前進させられたときに積み重なり、図8Bに示すように、シリンジプランジャ803がシリンジリザーバ802の近位端に向かって引き出されるときに伸びるように構成されている。
【0060】
実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス809は、近位端及び遠位端の両方に開口部を有するように構成され得る。そのような実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス809は、アコーディオンひだによってプリーツ状になったチューブとして構成される。シリンジプランジャシーリングデバイス809の遠位端は、シリンジバレル801の近位部分のシリンジプランジャシール812でシリンジバレル801にシールされる。シリンジプランジャシール812は、シリンジバレルフランジ807上に位置付けされてもよく、又はシリンジバレル801の円筒形部分上の、シリンジバレルフランジ807の遠位に位置付けされてもよい。シリンジプランジャシーリングデバイス809の近位端は、シリンジプランジャロッドフランジシール822でシリンジプランジャ803にシールされる。シリンジプランジャシーリングデバイス809のシリンジバレル801及びシリンジプランジャロッドフランジ808への固定又は取り付けは、接着剤、熱接合、化学接合、若しくは音波溶接によって、クランピング等の機械的手段によって、かつ/又は任意の他の好適な手段によって達成され得る。機械的手段は、シリンジプランジャシーリングデバイス809を取り外し可能に固定し得る。
【0061】
実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス809は、シリンジプランジャシール812の場所の遠位端において単一の開口部を備えて構成され得る。シリンジプランジャシーリングデバイス809の閉鎖した近位端は、プランジャロッドフランジ808上を覆い得、任意選択で、シリンジプランジャロッドフランジシール822でプランジャロッドフランジ808にシールされ得る。シリンジプランジャシーリングデバイス809のシリンジバレル801及びシリンジプランジャロッドフランジ808への固定又は取り付けは、接着剤、熱接合、化学接合、若しくは音波溶接によって、クランピング等の機械的手段によって、かつ/又は任意の他の好適な手段によって達成され得る。機械的手段は、シリンジプランジャシーリングデバイス809を取り外し可能に固定し得る。
【0062】
シリンジプランジャシール712に関して上述したように、シリンジプランジャシール812及びシリンジプランジャロッドフランジシール822は、実質的に流体密、実質的にガス密、又は実質的に液密であってもよいが実質的にガス密でなくてもよい。
【0063】
シリンジプランジャシーリングデバイス809は、滅菌プランジャシリンジ800が動作されたとき、シリンジリザーバ802の滅菌性を維持又は保つように動作する。滅菌性の維持は、相互接続部810が滅菌又は無菌環境に接続されることを必要とし得る。
【0064】
実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス809は、シリンジプランジャ803による動作の範囲全体にわたって実質的に同様の容積を囲むように構成されている。本明細書で使用される場合、実質的に同様の容積は、10%未満、5%未満、又は1%未満で変動する容積を指す。シリンジプランジャ803がシリンジリザーバ802内に前進させられたとき(図8Aに示すように)、シリンジプランジャシーリングデバイス809は、内部容積830(図8Bに示すように)を囲み、その一部は、シリンジリザーバ802の非活動部分821によって形成されており、その一部は、シリンジプランジャロッド806とシリンジプランジャシーリングデバイス809との間の空間及び容積によって形成されている。シリンジプランジャロッド806がシリンジリザーバ802を通って近位方向に引き出されたとき(図8Bに示すように)、非活動部分821から形成された内部容積830の部分は、シリンジプランジャロッド806とシリンジプランジャシーリングデバイス809との間の空間及び容積によって形成された部分が増加すると同時に、サイズが減少する。シリンジプランジャロッド806の動作範囲全体を通して、内部容積830は実質的に同じ容積で維持される。本明細書で使用される場合、実質的に同じ容積は、内部容積830の容積の任意の変化が、滅菌プランジャシリンジ800の動作を妨げるのに十分なほど重要ではないことを意味する。例えば、実質的に同じ容積は、5%、4%、3%、2%、及び/又は1%未満の容積変化を含み得る。内部容積830の容積が動作中に異なる場合、それは、滅菌プランジャシリンジ800の動作を妨げる圧力不均衡を生じ得る。内部容積830を縮小することは、内部容積830内部の圧力によって抵抗され、一方、内部容積830を拡張することは、内部容積830外部の圧力によって抵抗される。
【0065】
内部容積830は、シリンジプランジャシーリングデバイス809の様々な設計態様によって、動作の範囲を通して実質的に同じ容積で維持され得る。実施形態では、アコーディオンひだ813は、内部容積830が折り畳まれ、かつ/又は伸ばされたときに、実質的に同じサイズのままであるように、サイズが決められ、構成されている。更なる実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス809は、シリンジプランジャシーリングデバイス809の屈曲を通じて動作中に内部容積830が実質的に同じ容積のままであることを可能にするように、可撓性である。更なる実施形態では、アコーディオンひだ813及び可撓性の両方が、内部容積830の維持の一部を提供する状態で、両方の方法が利用され得る。
【0066】
図9A図9Cは、本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリングデバイスを示している。
【0067】
図9A図9Cは、滅菌サンプリングデバイス900の実施形態を示している。滅菌サンプリングデバイス900は、サンプル容器901、フィルタ930、及びフィルタ相互接続部931を含む。図9A図9Cは、異なる容器フィルタコネクタ950/951/952及び異なる充填デバイス961/962/963を利用する滅菌サンプリングデバイス900を示している。
【0068】
サンプル容器901は、サンプルリザーバ902を画定し、相互接続部910及び近位開口部911を含む。サンプル容器901は、サンプルリザーバを画定するサンプルチャンバの一例である。サンプル容器901は、シリンジリザーバ又は任意の他の好適な容器であってもよい。サンプル容器901は、シリンジ又は他の円筒形容器であり得、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ステンレス鋼等を含む任意の好適な材料で構築され得る。実施形態では、サンプル容器901は、シリンジバレルフランジ等のフランジ907を含み得る。実施形態では、サンプル容器901は、段階的な体積マーキングを含み得る。
【0069】
容器フィルタコネクタ950/951/952は、近位開口部911でサンプル容器901に接続する。容器フィルタコネクタ950/951/952は、実質的に流体密シール、実質的にガス密シール、又は実質的に液密であるがガス密ではないシールを提供する。容器フィルタコネクタ950/951/952は、任意の好適なコネクタであり得る。例えば、容器フィルタコネクタ950は、図9Aに示すように、フランジ907にラッチし、かつ近位開口部911をシールするように構成された、シリンジバレルアダプタである。更なる実施形態では、図9Bに示すように、容器フィルタコネクタ951は、サンプル容器901の近位開口部911にねじ込むバヨネットフィッティングである。なお更なる実施形態では、図9Cに示すように、容器フィルタコネクタ952は、フィルタ930及びフィルタ相互接続部931と一体である。
【0070】
容器フィルタコネクタ950/951/952は、フィルタ930に接続する。実施形態では、フィルタ930、0.22マイクロメートル疎水性フィルタ他の好適なフィルタは、0.2ミクロン疎水性フィルタ、又はサンプリングデバイス内に包有されている流体とは異なる膜疎水性を有する任意のフィルタを含んでもよく、ここで、膜の細孔サイズは、流体を包有するのに十分なほど小さいが、滅菌サンプリングデバイスの性能が実質的に影響を受けないように、空気/ガスが膜を通過するのに十分なほど大きい。フィルタ930は、サンプルリザーバ902の滅菌性を維持するように構成された滅菌シーリング装置の一例である。フィルタ相互接続部931は、フィルタ930の近位側に配設されている。
【0071】
フィルタ相互接続部931に接続されているのは、サンプルリザーバ902を充填しかつ空にするように構成された充填デバイス961/962/963である。充填デバイス961/962/963は、別のシリンジ、ポンプ、シリンジポンプ、バキューム、又は相互接続部910を通じてサンプルをシリンジリザーバ内に引き込むのに好適な他の任意のデバイスであってもよい。例えば、図9Aは、シリンジ充填デバイス961の使用を示しており、図9Bは、ポンプ充填デバイス962の使用を示しており、図9Cは、シリンジポンプ充填デバイス963の使用を示している。
【0072】
滅菌サンプリングデバイス900は、動作されたとき、サンプルリザーバ902の滅菌性を維持する。滅菌性の維持は、相互接続部910が滅菌又は無菌環境に接続されることを必要とし得る。充填デバイス961/962/963は、サンプルリザーバ902内の圧力を減少させるように動作され、サンプル又は他の流体の取り込みを引き起こす。サンプル又は他の流体を放出するために、充填デバイス961/962/963が、サンプルリザーバ902内の圧力を増加させるように動作される。フィルタ930は、十分なガス(例えば、空気)を通過させて、適切な圧力減少及び増加を提供することによって、サンプル又は流体の取り込み及び排出を引き起こす。しかしながら、フィルタ930は、汚染物質の通過を可能にしない。したがって、フィルタ930は、滅菌サンプリングデバイス900の動作中に、サンプルリザーバ902の滅菌性を維持するように動作する。サンプルリザーバ902の滅菌性の維持は、充填デバイスが同様に滅菌されることを必要としない。
【0073】
図10は、本明細書の実施形態と一致する更なる滅菌サンプリングデバイスを示している。滅菌プランジャシリンジ1000は、滅菌サンプリングデバイスである。滅菌プランジャシリンジ1000は、シリンジリザーバ1002を画定し、かつ遠位端に位置付けされた相互接続部1010を有する、シリンジバレル1001を含む。シリンジバレル1001は、サンプルチャンバの一例であり、シリンジリザーバは、サンプルリザーバの一例である。
【0074】
滅菌プランジャシリンジ1000は、滅菌シール1012によって近位開口部1011シリンジリザーバ1002にシールされたサンプリングバルブ1005を更に含む。滅菌シール1012は、実質的に流体密であり、いくつかの実施形態では、実質的にガス密である。いくつかの実施形態では、滅菌シール1012は、実質的に液密であるが、実質的にガス密ではない。サンプリングバルブ1005は、シリンジリザーバ1002から流体を取り込み、かつ放出するように動作される。したがって、サンプリングバルブ1005は、シリンジリザーバ1002を充填し、かつ空にするように構成された充填デバイスの別の例である。滅菌シール1012と連動したサンプリングバルブ1005は、環境からの任意の汚染物質がシリンジリザーバ1002に入るのを防ぐように構成されている。したがって、サンプリングバルブ1005及び滅菌シール1012は、シリンジリザーバ1002の滅菌性を維持するように構成された滅菌シーリング装置の別の例である。
【0075】
動作中、サンプリングバルブ1005は、空気(又は他のガス)をシリンジリザーバ1002から放出するために押し潰されるか、又は圧縮される。サンプリングバルブ1005が解放されたとき、サンプリングバルブ1005は元の形状に戻り、相互接続部1010を通じて流体をシリンジリザーバ1002に引き込む。サンプリングバルブ1005及びシリンジリザーバ1002は閉鎖したシステムであるため、汚染物質は、環境からシリンジリザーバ1002に入ることができない。
【0076】
図11A図11Eは、本明細書の実施形態と一致する更なる滅菌サンプリングデバイスを示している。図11A図11Eの滅菌サンプリングデバイスは、滅菌プランジャシリンジ1100であり、シリンジバレル1101と、シリンジプランジャ1103と、ガスケット1105と、シリンジプランジャシーリングデバイス1109とを、含み得る。図11A及び図11Bは、シリンジプランジャ1103がシリンジバレル1101内に完全に挿入された状態の滅菌プランジャシリンジ1100の斜視及び切り欠き図である。図11C及び図11Dは、シリンジプランジャ1103が完全に引き出されているが、依然としてシリンジバレル1101内に着座している状態の、滅菌プランジャシリンジ1100の斜視図及び切り欠き図である。図11Eは、シリンジプランジャシーリングデバイス1109の拡大図である。
【0077】
シリンジバレル1101は、シリンジバレル701又はシリンジバレル801と一般的に同様であり、同じ特徴の全てを含む。シリンジバレル1101は、シリンジリザーバ1102を画定し、かつ相互接続部1110、シリンジバレルフランジ1107によって取り囲まれた近位開口部1111を含むシリンジバレル1101は、サンプルリザーバを画定するサンプルチャンバの一例であり、シリンジリザーバは、サンプルリザーバの一例である。
【0078】
シリンジプランジャ1103は、シリンジプランジャ703及びシリンジプランジャ803と一般的に同様であり、かつシリンジプランジャ703及びシリンジプランジャ803と同じ特徴の全てを含み、シリンジプランジャロッド1106、シリンジプランジャロッド1106の近位端に位置付けされたシリンジプランジャロッドフランジ1108、及びシリンジプランジャロッド1106の遠位端に位置付けされたリザーバ面1104を含む。シリンジプランジャ1103は、シリンジリザーバ1102を充填かつ空にするように構成された充填デバイスの一例である。ガスケット1105は、リザーバ面1104の上に配設されており、ガスケット705及びガスケット805と一般的に同様である。リザーバ面1104の遠位のシリンジリザーバ1102の一部分は、本明細書では、シリンジリザーバ1102の活動部分1120(図11Bに示す)と称され、一方、リザーバ面1104の近位のシリンジリザーバ1102の一部分は、本明細書では、シリンジリザーバ1102の非活動部分1121(図11Dに示す)と称される。滅菌プランジャシリンジ1100は、シリンジプランジャ1103を移動させることによって、シリンジリザーバ1102の活動部分1120の容積を拡張及び収縮させることによって動作される。活動部分1120の容積の拡張及び収縮は、流体をシリンジリザーバ1102内に取り込みかつ放出するために必要な圧力不均衡を提供する。
【0079】
滅菌プランジャシリンジ1100は、シリンジバレル1101に固定されており、かつシリンジプランジャシール1112を提供するように構成された、シリンジプランジャシーリングデバイス1109を更に含む。シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、シリンジリザーバ1102の滅菌性を維持するように構成された滅菌シーリング装置の一例である。シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、滅菌プランジャシリンジ1100及びシリンジプランジャ1103の近位端を取り囲む。
【0080】
シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、第1の端でシリンジバレル1101にシールされ、かつ第2の端でシリンジプランジャロッドフランジにシールされた、可撓性チューブ又はバッグである。シリンジプランジャシーリングデバイス1109を構築するための材料には、様々なプラスチック及びポリマーが含まれ、好適には、約100mm~約1~2mm、例えば、約100mm~約1mm、又は約100mm~約800mm程度の厚さを有するプラスチックチューブ又はバッグが含まれる。
【0081】
シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、シリンジバレル1101の近位部分のシリンジプランジャシール1112でシリンジバレル1101にシールされている。シリンジプランジャシール1112は、シリンジバレルフランジ1107上に位置付けされてもよく、又はシリンジバレル1101の円筒形部分上の、シリンジバレルフランジ1107の遠位に位置付けされてもよい。シリンジプランジャシーリングデバイス1109の近位端は、シリンジプランジャロッドフランジシール1122でシリンジプランジャ1103にシールされる。シリンジプランジャシーリングデバイス1109のシリンジバレル1101及びシリンジプランジャロッドフランジ1108への固定又は取り付けは、接着剤、熱接合、化学接合、若しくは音波溶接によって、クランピング等の機械的手段によって、かつ/又は任意の他の好適な手段によって達成され得る。機械的手段は、シリンジプランジャシーリングデバイス1109を取り外し可能に固定し得る。
【0082】
実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、近位端及び遠位端の両方で開口部を有するように構成され得る。そのような実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、チューブとして構成されている。そのような実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス1109の端部は、シリンジプランジャシール1112及びシリンジプランジャロッドフランジシール1122によって閉鎖されている。
【0083】
実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、シリンジプランジャシール1112の場所の遠位端において単一の開口部を備えて構成され得る。シリンジプランジャシーリングデバイス1109の閉鎖した近位端は、プランジャロッドフランジ1108上を覆い得、任意選択で、シリンジプランジャロッドフランジシール1122でプランジャロッドフランジ1108にシールされ得る。シリンジプランジャシーリングデバイス1109のシリンジバレル1101及びシリンジプランジャロッドフランジ1108への固定又は取り付けは、接着剤、熱接合、化学接合、若しくは音波溶接によって、クランピング等の機械的手段によって、かつ/又は任意の他の好適な手段によって達成され得る。機械的手段は、シリンジプランジャシーリングデバイス1109を取り外し可能に固定し得る。
【0084】
シリンジプランジャシール712に関して上述したように、シリンジプランジャシール1112及びシリンジプランジャロッドフランジシール1122は、実質的に流体密、実質的にガス密、又は実質的に液密であってもよいが実質的にガス密でなくてもよい。
【0085】
シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、滅菌プランジャシリンジ1100が動作されたとき、シリンジリザーバ1102の滅菌性を維持又は保つように動作する。滅菌性の維持は、相互接続部1110が滅菌又は無菌環境に接続されることを必要とし得る。
【0086】
実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、シリンジプランジャ1103による動作の範囲全体にわたって実質的に同様の容積を囲むように構成されている。シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、内部容積1130を囲み、その形状は、滅菌プランジャシリンジ1100の動作に伴って動的に変化する。シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、シリンジプランジャ1103が引き出されたが、依然としてシリンジバレル1101内に着座しているとき(図11A及び図11Bに示すように)、シリンジプランジャシーリングデバイス1109が、シリンジバレル1101の内径と同様の内径を有するように構成されている。この構成では、内部容積1130は、シリンジプランジャシーリングデバイス1109とシリンジプランジャロッド1106との間の容積に加え、シリンジプランジャロッドとシリンジバレル1101の遠位端との間の任意の追加容積によって画定される。
【0087】
シリンジプランジャ1103がシリンジバレル1101内に押し込まれたとき、可撓性であるシリンジプランジャシーリングデバイス1109の余剰材料がシリンジバレル1101内に押し込まれる。可撓性シリンジプランジャシーリングデバイス1109は、ひだ1151でそれ自体を折り畳む。図11Eは、ひだ1151、及びシリンジバレル1101内に部分的に押し込まれたシリンジプランジャシーリングデバイス1109を示している。シリンジプランジャシーリングデバイス1109の材料は薄く、シリンジバレル1101の壁にくっついている。したがって、シリンジバレル1101内にあるシリンジプランジャシーリングデバイス1109の部分は、シリンジバレル1101内部の総容積の無視できる部分のみを占有する。本明細書で使用される場合、無視できる部分は、シリンジバレル1101内部の容積の5%未満、2%未満、1%未満、及び/又は0.5%未満である容積部分を指す。
【0088】
シリンジプランジャ1103がシリンジバレル1101内に部分的に押し込まれたとき、内部容積1130は、シリンジプランジャシーリングデバイス1109と、シリンジバレル1101から突出するシリンジプランジャロッド1106の部分との間の容積、及びシリンジバレル1101と、シリンジバレル1101内に配設されたシリンジプランジャロッド1106の部分との間の容積(折り畳まれたシリンジプランジャシーリングデバイス1109によって占有された無視できる部分を除く)によって画定される。シリンジプランジャ1103がシリンジバレル1101内に完全に押し込まれたとき、内部容積1130は、シリンジバレル1101とシリンジバレル1101内に配設されたシリンジプランジャロッド1106の部分との間の容積(折り畳まれたシリンジプランジャシーリングデバイス1109によって占有された無視できる部分を除く)、及びシリンジプランジャシーリングデバイス1109とシリンジバレル1101から依然として突出しているシリンジプランジャロッド1106の部分との間の残りの容積によって画定される。
【0089】
上述した構成、部分挿入、完全挿入、及び完全引き出しの各々、及びその間の全ての構成では、内部容積1130の形状は無視できるほどしか変動しないため、内部容積1130は実質的に同じままである。内部容積1130の長さは、リザーバ面1104の背面とシリンジプランジャロッドフランジ1108との間の距離によって表されたとき、変化しない。内部容積1130の直径は、様々な構成において、内部容積の直径が、シリンジバレル1101(シリンジバレル1101内部のシリンジプランジャシーリングデバイス1109の任意の部分を除く)によって部分的に、かつ上述したようにシリンジバレル1101の直径と同様のシリンジプランジャシーリングデバイス1109によって部分的に画定されるため、無視できるほどしか変化しない。シリンジプランジャ1103がシリンジバレル1101内外に移動するにつれて、シリンジバレル1101内部にある内部容積1130の相対的な割合は変化するが、内部容積1130のおおよその直径は変化しない。したがって、内部容積1130は、滅菌プランジャシリンジ1100の任意の構成全体を通して実質的に同じままである。
【0090】
更なる実施形態では、シリンジプランジャシーリングデバイス1109の可撓性は、シリンジプランジャ1103がシリンジバレル1101内に押し込まれたとき、シリンジバレル1101の内部の無視できる容積変化のバランスをとるように動作する。シリンジバレル1101の内部の一部を占有するシリンジプランジャシーリングデバイス1109によって引き起こされ得る内部容積1130の容積の任意の減少は、シリンジバレル1101の外側に残るシリンジプランジャシーリングデバイス1109の部分の、ほんのわずかな拡張によって、例えば、伸び又は移動の自由を通じて引き起こされ得る内部容積1130の容積の対応する増加によって相殺され得る。したがって、シリンジプランジャシーリングデバイス1109の可撓性は、内部容積1130がシリンジプランジャ1103の全ての構成全体を通して実質的に同じままであることを確実にするのに役立ち得る。
【0091】
上述のように、内部容積1130の容積は、動作中に異なるため、滅菌プランジャシリンジ1100の動作を妨げる圧力不均衡を生じ得る。内部容積1130を縮小することは、内部容積1130内部の圧力によって抵抗され、一方、内部容積1130を拡張することは、内部容積1130外部の圧力によって抵抗される。
【0092】
本明細書に記載の様々な滅菌サンプルデバイスは、本明細書に記載の自動化された細胞工学システム600のカセット602と併せて好適に使用される。そのようなサンプルデバイスは、システムの滅菌された完全性を損なう心配なしに、かつその中で産生されている細胞又は生物材料を乱すことなく、必要な又は所望の生物材料サンプル、細胞、培地等の除去及び/又は導入を可能にする。
【0093】
更なる実施形態では、本明細書に記載の様々な滅菌サンプリングデバイスが、滅菌ではない環境で動作しながら滅菌された内部を維持する任意のシステムとともに動作又は利用され得る。自動化された細胞工学システムに関して本明細書で論じられた滅菌性の懸念は、機能的に囲まれた滅菌された内部を含む更なるシステムに等しく当てはまり得る。そのようなシステムは、非滅菌環境における動作から利益を受け得、したがって、本明細書に開示される滅菌サンプリングデバイス及び方法の使用から利益を受け得る。
【0094】
実施形態では、上記で論じられた滅菌サンプリングデバイスのいずれか又は全ては、手動又は自動で操作され得る。手動操作には、オペレータの手を介して、かつ/又は操作を支援するように構成された1つ以上のツール、備品、又はデバイスを使用して、滅菌サンプリングデバイスを操作することが含まれる。自動操作には、本明細書に記載されるように、滅菌サンプリングデバイスを動作させるためのアクチュエータ駆動システム又はデバイスの使用が含まれる。適切なアクチュエータには、シリンジポンプ、モータ、サーボモータ、真空ポンプ等が含まれる。上記のデバイスのいずれか又は全ては、自動操作に適合するように修正され得る。例えば、シリンジポンプでの使用のために、滅菌プランジャシリンジは、シリンジポンプの操作部分と相互接続するように構成された機械的部分を含み得る。更なる実施形態では、自動化された滅菌サンプリングデバイスが提供され得る。自動化された滅菌サンプリングデバイスは、相互接続部、サンプルチャンバ及びサンプルリザーバ、適切な流体通路、適切なガス通路、適切な弁、サンプルチャンバ内に流体を引き込み、かつサンプルチャンバから流体を放出するように構成された、充填デバイス、及び自動化された滅菌サンプリングデバイスの動作中に滅菌性を維持するように構成された滅菌シーリング装置を含む、カートリッジ又はカセットベースのサンプリングデバイスを含み得る。
【0095】
図12は、滅菌サンプリング方法のステップを示すフローチャートである。図12の滅菌サンプリング方法1200は、本明細書に開示される任意の滅菌サンプリングデバイスを使用して、手動の又は自動化された方法によって実行され得る。滅菌サンプリング方法1200は、以下で論じられる動作の全てが説明された順序で実行されることを要求しない。いくつかの動作は、説明されたような滅菌サンプリング方法の範囲から逸脱することなく、省略され、並べ変えられ、かつ/又は複数回繰り返され得る。滅菌サンプリング方法1200は、本明細書に記載されるように、細胞工学システムからサンプルを引き出すために実行され得る。引き出されたサンプルは、例えば、細胞培養物、生物材料サンプル、試薬サンプル、又は細胞工学システムから引き出されることが必要とされ得る任意の他の流体若しくは培地を含み得る。
【0096】
滅菌サンプリング方法を実行するために、滅菌サンプリングデバイスが提供され得る。滅菌サンプリング方法1200を実行するのに適した滅菌サンプリングデバイスは、本明細書に記載されるように、サンプルリザーバを画定し、かつ相互接続部、充填デバイス、及び滅菌性シーリング装置を有する、サンプルチャンバを少なくとも含み得る。滅菌サンプリングデバイスのこれらの態様の例が、本明細書に記載されており、以下に記載の滅菌サンプリング方法1200を実行するのに適している。
【0097】
動作1212において、滅菌サンプリング方法1200は、滅菌サンプリングデバイスのサンプルリザーバを第1のガス部分で充填することを含む。第1のガス部分は、空気であってもよく、かつ/又は任意の他の好適なガスであってもよい。第1のガス部分は、滅菌されていてもよく、かつ/又は滅菌環境から引き抜かれていてもよい。実施形態では、滅菌サンプリングデバイスは、滅菌ガス部分を包有するように包装され、提供され得る。更なる実施形態では、充填デバイスが、サンプルリザーバを第1のガス部分で充填するために利用され得る。
【0098】
動作1214において、滅菌サンプリング方法1200は、滅菌サンプリングデバイスを細胞工学システムに接続することを含む。滅菌サンプリングデバイスの相互接続部は、細胞工学システムのカセットのポートに好適に接続される。接続に先立って、細胞工学システムのポートは、例えば、滅菌ワイプ又はスプレーによって、サンプリング手順中の汚染を防止するために、適切に滅菌され得る。実施形態では、滅菌延長ラインが、滅菌サンプリングデバイスの相互接続部を細胞工学システムのポートに接続するために使用され得る。滅菌サンプリングデバイス、延長ライン、及び細胞工学システムポート間の接続は、ルアーロック、閉鎖式ルアーコネクタ、プレスフィットコネクタ、スナップフィットコネクタ等を含む任意の好適な手段を介して達成され得る。
【0099】
動作1216において、滅菌サンプリング方法1200は、充填デバイスを介して第1のガス部分のサブ部分を注入して、細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを含む。滅菌サンプリングデバイスは、第1のガス部分の一部又は全部を細胞工学システム内に注入するように動作される。注入されたガスは、細胞工学システムのフィードライン内に伝わり、細胞工学システムのサンプル包有システム培養リザーバ内に伝わる。細胞工学システムのフィードラインは、システム培養リザーバを細胞工学システムのポートに接続する、サンプルのための導管である。フィードラインを通してガスを注入することは、フィードライン内で収集された任意のサンプルをシステム培養リザーバ内に押し戻すのに役立つ。このステップは、サンプル引き出し前に、細胞工学システム培養リザーバ内のサンプルを均質化するのに役立ち得る。
【0100】
動作1218において、滅菌サンプリング方法1200は、充填デバイスの動作を介して、滅菌サンプリングデバイスによって細胞工学システム内でサンプルを混合することを含む。細胞工学システム培養リザーバ内のサンプルは、滅菌サンプリングデバイスを介して適用される混合手順を通じて更に均質化され得る。このような混合は、混合サンプルを滅菌サンプリングデバイス内に引き出し、次いで、混合サンプルを細胞工学システム培養リザーバ内に注入して戻すことによって達成され得る。引き出し及び再注入による混合は、任意の好適な回数行われてもよい。
【0101】
動作1220において、滅菌サンプリング方法1200は、充填デバイスを介して、滅菌サンプリングデバイスを用いて細胞工学システムからサンプルを引き出すことを含む。特定の量のサンプルが引き出され得る。サンプルの引き出しは、細胞工学システムフィードライン内の不要物を除去した後、かつ/又は混合手順が行われた後に行われ得る。
【0102】
動作1222において、滅菌サンプリング方法1200は、充填デバイスを介して、ガスの第2の部分を細胞工学システム内に注入することを含む。ガスの第2の部分は、サンプルの引き出し後に細胞工学システム内に注入されて、フィードライン内の不要物を除去する。細胞工学システムポートを通じてサンプルを引き出した後、サンプルの一部がフィードラインに残っていてもよい。ガスの第2の部分は、滅菌サンプリングデバイスから細胞工学システム内に注入され戻されて、フィードライン内の不要物を除去し得る。
【0103】
上述したように、滅菌サンプリング方法1200は、動作1212~1222の各々が説明された順序で実行されることを要求しない。様々な実施形態では、任意の数の動作1212~1222の任意の好適なアレンジメントが、滅菌サンプリング方法において実行され得る。例えば、一実施形態では、滅菌サンプリングデバイスは、動作1214において自動化された細胞工学システムに接続され得、サンプルは、いかなる中間動作も伴わずに、動作1222において滅菌サンプリングデバイスによって引き出され得る。更なる実施形態では、滅菌サンプリングデバイスのサンプルリザーバは、動作1212において第1のガス部分で充填され得、次に、動作1214において自動化された細胞工学システムに接続され得る。次いで、第1のガス部分のサブ部分は、動作1220において自動化された細胞工学システムからサンプルを引き出す前に、動作1216において自動化された細胞工学システム内に注入され得る。引き出しの後、ガスの第2の部分は、自動化された細胞工学システムのフィードライン内の不要物を除去するために、動作1222において自動化された細胞工学システム内に注入され得る。なお更なる実施形態では、ガスの第2の部分の注入は省略され得る。なおも更なる実施形態は、ガス注入動作1216及び1222の一方又は両方を除外しながら、動作1218において混合を引き起こすことを含み得る。追加の実施形態では、ガス注入ステップが省略されるか、又は滅菌サンプリングデバイスがガスの第1の部分で予め充填されるかのいずれかのため、前述の実施形態の全ては、動作1212で滅菌サンプリングデバイスをガスの第1の部分で充填することなく実行され得る。
【0104】
滅菌サンプリング方法1200及び滅菌サンプリングデバイスの動作の全体を通して、滅菌シーリング装置は、サンプルリザーバの滅菌性を維持するために利用される。サンプルリザーバの滅菌性を維持することは、サンプルリザーバ内に引き込まれる任意のサンプルの滅菌性を維持することを必然的に伴い、したがって、細胞工学システム内に包有された任意のサンプルの滅菌性を維持する。滅菌シーリング装置の動作を通じて、滅菌サンプリング方法1200は、細胞工学システムの滅菌性を損なうことなく、非滅菌環境で実行され得る。
【0105】
図13A図13Kは、図12に関して説明された滅菌サンプリング方法の具体的な実施形態を示している。図13A図13Kに関して説明される方法及び手順はまた、好適な自動化された手段を通じて実行されてもよい。図示のように、滅菌サンプリングデバイス1300は、滅菌サンプリング手順で利用される。滅菌サンプリングデバイス1300は、本明細書で論じられる滅菌サンプリングデバイスのいずれか、及び説明される手順のステップを予備形成することができる任意の他のデバイスを含み得る。図13A図13Kの具体的な実施形態は、滅菌サンプリング方法1200を表すが、それを限定するものではない。上述のように、滅菌サンプリング方法1200は、図13A図13Kに関して示される又は論じられるデバイス又はアクションに限定されない。
【0106】
図13Aは、自動化された細胞工学システム600のカセット602のポート1194に外部滅菌を提供する最初のステップを示している。本明細書で論じられる滅菌サンプリングデバイスは、非滅菌環境においてサンプリングするための滅菌デバイスを提供する。滅菌サンプリングデバイスを自動化された細胞工学システムに接続する前に、ポート1194が滅菌されて、非滅菌環境から任意の汚染物質を除去する。
【0107】
図13Bは、滅菌サンプリングデバイス1300を自動化された細胞工学システム600のカセット602のポート1094に接続するステップ、及び自動化された細胞工学システム内にガスの一部を導入又は注入する任意選択のステップを示している。滅菌サンプリングデバイス1300をポート1094に接続する前に、ガスの一部が滅菌サンプリングデバイス1300内に導入される。実施形態では、ガスは、空気又は任意の他の好適なガスであり得る。実施形態では、ガスは、滅菌されていてもよく、例えば、自動化された細胞工学システムの環境と少なくとも同じくらい滅菌されていてもよい。ガスの一部は、滅菌サンプリングデバイス1300から自動化された細胞工学システム内に注入されて、フィードライン内の不要物を除去し得る。図13Cは、空気注入の前に流体を包有するフィードライン1310を示している。フィードライン1310は、流体を包有する。図13Dは、空気注入後に流体を除去したフィードライン1310を示している。
【0108】
フィードライン1310は、流体の適切な混合がサンプリングされることを可能にするために、ガス注入によって不要物が除去され得る。例えば、フィードライン1310内の流体は、自動化された細胞工学システム600のシステム培養リザーバ内の流体と十分に混合され得ない。これは、例えば、システム培養リザーバ内の流体の追加(すなわち、追加された流体)又は変化(例えば、細胞成長)に起因して発生し得る。したがって、フィードラインをフラッシュすることにより、より均質な流体引き出しをもたらし得る。
【0109】
図13E及び図13Fは、自動化された細胞工学システム600内でサンプルを混合するステップを示している。図13Eに示すように、混合サンプルは、自動化された細胞工学システム600から引き出される。実施形態では、混合サンプルについて、指定された容積が引き出される。実施形態では、滅菌サンプリングデバイス1300は、相互接続部を有する遠位端が上向きになるように配向され得る。この配向により、引き出されたサンプルは、滅菌サンプリングデバイス1300のサンプルリザーバの近位部分に落ち着き、サンプルリザーバの遠位部分がガスで充填されたままになる。
【0110】
滅菌サンプリングデバイス1300の様々な配向が、図13A図13Iに示すプロセスに関して参照される。滅菌サンプリングデバイスの配向は、特定の用途に依存し得る。例えば、滅菌サンプリングデバイス内の足場に播種するために頂部からサンプリングリザーバに入る流体は、足場上の細胞のより最適な分布をもたらし得る。あるいは、流体が底部からサンプリングリザーバに入るようにサンプリングデバイスを配向することは、流体の剪断応力を防止するためのより少ない混合を提供し得る。更に、好ましい配向は、サンプリングデバイスの特定の設計に依存し得る。例えば、一端でフィルタに依存する滅菌サンプリングデバイスの場合、フィルタとの液体接触をもたらす配向で動作することは不適切であり得る。本明細書で論じられる配向は、本明細書で論じられる動作及び機器に適しているが、本開示の範囲から逸脱することなく、代替要件に従って変動し得る。
【0111】
サンプルの引き出し後、滅菌サンプリングデバイス1300を使用して、混合サンプルを自動化された細胞工学システム600内に注入して戻す。図13Fは、自動化された細胞工学システム600内に注入され戻される混合サンプルを示している。実施形態では、滅菌サンプリングデバイス1300は、相互接続部を有する遠位端が混合サンプルを注入するために下向きになるように配向される。この配向により、引き出されたサンプルがサンプルリザーバの遠位部分に落ち着き、サンプルリザーバの近位部分がガスで充填されたままになる。サンプルが自動化された細胞工学システム内に押し戻されたとき、滅菌サンプリングデバイス1300内の残りの空気がサンプルに続き、フィードライン1310内の不要物を除去する。引き出し及び注入のステップは、任意選択で複数回繰り返されてもよい。
【0112】
引き出し及び注入のステップは、自動化された細胞工学システム600のカセット602のシステム培養リザーバ内での混合を引き起こすように作用する。自動化された細胞工学システム600のカセット602のシステム培養リザーバ内で流体を混合することは、より均質なサンプルの引き出しをもたらし得る。更なる実施形態では、自動化された細胞工学システム600のカセット602のシステム培養リザーバ内のサンプルは、自動化された細胞工学システム600のカセット602内部に含まれる機械的手段、及び任意の他の好適な方法を介して、自動化された細胞工学システム600のカセット602又はシステム培養リザーバを揺動又は振ることによって等、代替の方法で混合され得る。
【0113】
図13Gは、自動化された細胞工学システム600のカセット602からサンプルを引き出すステップを示している。特定の容量のサンプルが引き出される。実施形態では、滅菌サンプリングデバイス1300は、相互接続部を有する遠位端が上向きになるように配向され得る。この配向により、引き出されたサンプルは、滅菌サンプリングデバイス1300のサンプルリザーバの近位部分に落ち着き、サンプルリザーバの遠位部分がガスで充填されたままになる。
【0114】
この配向は、特定のサンプル容積を引き出す能力を高め得る。サンプルが延長チューブ及び相互接続部を通じて引き出されると、それはサンプルリザーバ内に落ち、滅菌サンプリングデバイス上の段階的なマーキングと比較することで、その容積を容易に確認することができる。
【0115】
図13Hは、サンプル引き出し後に、ガスの一部を自動化された細胞工学システム600のカセット602内に注入するステップを示している。サンプル引き出し後、滅菌サンプリングデバイス1300は、相互接続部が上向きになるように配向され得る。この配向により、サンプルはサンプルリザーバの近位端に落下し、サンプルリザーバの遠位部分がガスで充填されたままになる。次いで、ガスが自動化された細胞工学システム600システムのカセット602内に押し戻されて、図13Hに示すように、フィードライン1310内の不要物を除去する。
【0116】
図13Iは、サンプル移送のステップを示している。適切な量のサンプルを引き出した後、滅菌サンプリングデバイス1300は、自動化された細胞工学システム600から切断され得る。サンプルは、滅菌サンプリングデバイス1300から、貯蔵、出荷、分析、又は任意の更なる処理のための適切なサンプル容器内に吐出され得る。実施形態では、サンプルは、出荷、分析、又は更なる処理の前に貯蔵するために、滅菌サンプリングデバイス1300内に留まり得る。
【0117】
方法1200及び図13A図13Iに示す図示のステップに関して説明されるように、本明細書の実施形態と一致する滅菌サンプリング方法は、自動化された細胞工学システム600内への及び自動化された細胞工学システム600からの複数のサンプル移送を伴い得る。したがって、滅菌サンプリングデバイスに導入される任意の汚染物質は、自動化された細胞工学システム600内に導入される可能性を有する。そのような汚染は、自動化された細胞工学システム600で処理されている細胞培養物又は他の材料を損傷又は破壊する可能性がある。滅菌シーリング装置を含む、本明細書で論じられる滅菌サンプリングデバイスは、サンプリングプロセス全体を通してサンプリングデバイスの滅菌性を維持するために利用される。滅菌サンプリングデバイスのサンプルリザーバの滅菌性の維持は、滅菌サンプリングデバイスがサンプルを取り込みかつ放出するように動作されるときに、サンプルリザーバの汚染を防止する。滅菌サンプリングデバイスによって提供される滅菌性の維持は、自動化された細胞工学システム600に戻すことを目的とした混合サンプルであるか、又は後で処理することを目的としたサンプルであるかにかかわらず、滅菌サンプリングデバイスに引き込まれる任意のサンプルの滅菌性を維持する。したがって、本明細書に記載の滅菌性の維持は、自動化された細胞工学システム600及び後の処理のために引き出された任意のサンプルの滅菌性を維持するのに役立つ。
【0118】
例示的な実施形態
追加の実施形態は、以下を含む。
【0119】
実施形態1は、シリンジリザーバを画定し、かつ遠位端に相互接続部、及び近位端にシリンジバレルフランジによって取り囲まれた開口部を有する、シリンジバレルと、シリンジプランジャロッドフランジ、プランジャロッド、及びリザーバ面を含むシリンジプランジャと、リザーバ面の上に配設されており、シリンジプランジャがシリンジバレル内に着座したときに、リザーバ面とシリンジリザーバとの間にシールを提供するように構成された、ガスケットと、シリンジバレルに固定されており、シリンジプランジャシールを提供するように構成された、シリンジプランジャシーリングデバイスと、を備える、滅菌プランジャシリンジである。
【0120】
実施形態2は、シリンジプランジャシーリングデバイスが、シリンジバレルの近位部分に固定されている、実施形態1に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0121】
実施形態3は、シリンジプランジャシーリングデバイスが、シリンジバレルフランジに固定されている、実施形態1に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0122】
実施形態4は、シリンジプランジャシーリングデバイスが、接着剤、熱接合、化学接合、又は音波溶接によって固定されている、実施形態3に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0123】
実施形態5は、シリンジプランジャシーリングデバイスが、クランピングによって取り外し可能に固定されている、実施形態1~3のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0124】
実施形態6は、シリンジプランジャシーリングデバイスが、複数のアコーディオンひだを含む、実施形態1~5のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0125】
実施形態7は、シリンジプランジャシーリングデバイスが、シリンジリザーバの近位端で開口部をシールする、実施形態1~6のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0126】
実施形態8は、シリンジプランジャシールが、実質的に流体密である、実施形態1~7のいずれか一項に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0127】
実施形態9は、シリンジプランジャシールが、実質的にガス密である、実施形態8に記載の滅菌プランジャシリンジである。
【0128】
実施形態10は、自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングの方法であって、方法が、シリンジバレル、シリンジプランジャ、及びシリンジプランジャシールを提供するシリンジプランジャシーリングデバイスを含む滅菌プランジャシリンジを提供することと、滅菌プランジャシリンジを自動化された細胞工学システムに接続することと、自動化された細胞工学システムから生体サンプルを滅菌プランジャシリンジによって引き出すことと、を含む、方法である。
【0129】
実施形態11は、シリンジバレルが、遠位端に相互接続部、及び近位端にシリンジバレルフランジによって取り囲まれた開口部を有するシリンジリザーバを画定し、シリンジプランジャが、シリンジプランジャロッドフランジ、プランジャロッド、リザーバ面、及びリザーバ面の上に配設されており、シリンジプランジャがシリンジバレル内に着座したときに、リザーバ面とシリンジリザーバとの間にシールを提供するように構成された、ガスケット、及びシリンジバレルに固定されており、シリンジプランジャシールを提供するように構成された、シリンジプランジャシーリングデバイスを含む、実施形態10に記載の方法である。
【0130】
実施形態12は、シリンジプランジャシーリングデバイスが、シリンジリザーバの近位端で開口部をシールする、実施形態11に記載の方法である。
【0131】
実施形態13は、滅菌プランジャシリンジを自動化された細胞工学システムに接続する前に、ガスの一部を滅菌プランジャシリンジ内に導入することを更に含む、実施形態10~12のいずれか一項に記載の方法である。
【0132】
実施形態14は、シリンジプランジャシールが、シリンジリザーバの内部の滅菌性を維持する、実施形態10~13のいずれか一項に記載の方法である。
【0133】
実施形態15は、シリンジリザーバの内部の滅菌性を維持することが、滅菌プランジャシリンジが動作されたときのシリンジリザーバの汚染を防止する、実施形態14のいずれか一項に記載の方法である。
【0134】
実施形態16は、生体サンプルを引き出した後、ガスの一部を注入して、自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、実施形態10~15のいずれか一項に記載の方法である。
【0135】
実施形態17は、生体サンプルを引き出す前に、ガスの一部を注入して、自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、実施形態10~16のいずれか一項に記載の方法である。
【0136】
実施形態18は、生体サンプルを引き出す前に、滅菌プランジャシリンジをポンピングして、自動化された細胞工学システム内で混合させることを更に含む、実施形態10~17のいずれか一項に記載の方法である。
【0137】
実施形態19は、滅菌プランジャシリンジをポンピングすることが、混合サンプルを自動化された細胞工学システムから滅菌プランジャシリンジ内に引き出すことと、混合サンプルを自動化された細胞工学システムに戻すことと、を含む、実施形態17に記載の方法である。
【0138】
実施形態20は、自動化された細胞工学システムからの滅菌サンプリングの方法であって、方法が、サンプルリザーバを画定するサンプルチャンバ、充填デバイス、及び滅菌シーリング装置を含む、滅菌サンプリングデバイスを提供することと、滅菌サンプリングデバイスを自動化された細胞工学システムのカセットに接続することと、充填デバイスを介して自動化された細胞工学システムから生体サンプルを引き出すことと、を含む、方法である。
【0139】
実施形態21は、滅菌サンプリングデバイスをカセットに接続する前に、ガスの一部を滅菌サンプリングデバイス内に導入することを更に含む、実施形態20に記載の方法である。
【0140】
実施形態22は、滅菌シーリング装置を介して生体サンプルを引き出す間、サンプルリザーバの内部の滅菌性を維持することを更に含む、実施形態20又は21に記載の方法である。
【0141】
実施形態23は、サンプルリザーバの内部の滅菌性を維持することが、滅菌サンプリングデバイスが動作されたときのサンプルリザーバの汚染を防止する、実施形態22に記載の方法である。
【0142】
実施形態24は、生体サンプルを引き出した後、ガスの一部を注入して、自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、実施形態20~23のいずれか一項に記載の方法である。
【0143】
実施形態25は、生体サンプルを引き出す前に、ガスの一部を注入して、自動化された細胞工学システム内のフィードライン内の不要物を除去することを更に含む、実施形態20~24のいずれか一項に記載の方法である。
【0144】
実施形態26は、充填デバイスを介して生体サンプルを引き出す前に、自動化された細胞工学システム内で混合させることを更に含む、実施形態20~25のいずれか一項に記載の方法である。
【0145】
実施形態27は、混合させることが、自動化された細胞工学システムからサンプルリザーバ内に混合サンプルを引き出すことと、混合サンプルを自動化された細胞工学システムに戻すことと、によって引き起こされる、実施形態26に記載の方法である。
【0146】
本明細書に記載の方法及び用途に対する他の好適な修正及び適合を、実施形態のいずれかの範囲から逸脱することなく行うことができることは、関連する技術分野の当業者には容易に明らかとなるであろう。
【0147】
本明細書では特定の実施形態を例示及び記載しているが、特許請求の範囲は、記載及び図示される部分の特定の形態又はアレンジメントに限定されるべきではないことが理解されるべきである。本明細書では、例示的な実施形態が開示され、特定の用語が用いられるが、それらは、限定の目的ではなく、一般的かつ説明的な意味でのみ使用される。上記の教示に照らして、実施形態の修正及び変形が可能である。したがって、実施形態は、具体的に記載される以外の方法で実施され得ると理解されるべきである。
【0148】
本明細書中に言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれると具体的かつ個別に示されるのと同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。

図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12
図12G
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13H
図13I
【国際調査報告】