(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】トリフルオロヨードメタンの製造に有用なトリフルオロアセチルヨージド組成物
(51)【国際特許分類】
C07C 53/48 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
C07C53/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519486
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 US2021071841
(87)【国際公開番号】W WO2022082181
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ハイヨウ
(72)【発明者】
【氏名】ナイル、ハリダサン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】マーケル、ダニエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ベクテセヴィッチ、セルマ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、テリス
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AB84
4H006BM10
4H006BM71
4H006BS90
(57)【要約】
本開示は、トリフルオロアセチルヨージドと、少なくとも1種の有機不純物と、少なくとも1種の無機不純物と、を含む組成物を提供する。少なくとも1種の有機不純物は、ジフルオロヨードメタン、ペンタフルオロヨードエタン、ヨードメタン、ヨードプロパン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルトリフルオロアセテート、無水トリフルオロ酢酸、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1種の無機不純物は、ヨウ化水素、塩化水素、ヨウ素、及び三ヨウ化水素のうちの少なくとも1つを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリフルオロアセチルヨージドと、
ジフルオロヨードメタン、ペンタフルオロヨードエタン、ヨードメタン、ヨードプロパン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルトリフルオロアセテート、無水トリフルオロ酢酸、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種の有機不純物と、
ヨウ化水素、塩化水素、ヨウ素及び三ヨウ化水素のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種の無機不純物と、
を含む組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約5.0GC面積%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約1.0GC面積%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.001GC面積%~約1.0GC面積%の量で存在する無水トリフルオロ酢酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001GC面積%~約0.5GC面積%の量で存在するペンタフルオロヨードエタンを含む、請求項1に記載の組成物。
請求項1~5のいずれか1項
【請求項6】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001GC面積%~約0.5GC面積%の量で存在するヨードメタンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.001GC面積%~約2.0GC面積%の量で存在するメチルトリフルオロアセテートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、合計で約0.0001GC面積%~約0.5GC面積%の量で存在する、ジフルオロヨードメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、ヨードプロパン、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
トリフルオロ酢酸、トリフルオロアセチルフルオリド、トリフルオロアセチルクロリド、トリフルオロヨードメタン、及びクロロトリフルオロエタンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種の追加の有機不純物を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の追加の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.001GC面積%~約2.0GC面積%の量で存在するトリフルオロ酢酸を含む、請求項9に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年10月14日に出願された米国仮特許出願第63/091,725号に対する優先権を主張する、2021年10月6日に出願された米国特許出願第17/495,506号に対する優先権を主張し、これら両方の出願は、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、トリフルオロアセチルヨージド組成物に関する。具体的には、本開示は、トリフルオロヨードメタンを製造するのに有用なトリフルオロアセチルヨージド組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
トリフルオロヨードメタン(CF3I)は、ペルフルオロメチルヨージド、トリフルオロメチルヨージド、又はヨードトリフルオロメタンとしても知られているが、例えば、冷媒又は消火剤としての商業用途において有用な化合物である。トリフルオロヨードメタンは、そのオゾン層破壊ポテンシャルが無視できるほど小さい、地球温暖化ポテンシャルの低い分子である。トリフルオロヨードメタンは、より環境的に害のある材料に取って代わることが可能である。
【0004】
トリフルオロアセチルヨージドの調製方法は既に知られている。例えば、論文「The Reactions of Metallic Salts of Acids with Halogens.Part I.The Reaction of Metal Trifluoroacetates with Iodine,Bromine,and Chlorine,」R.N.Haszeldine,Journal of the Chemical Society,pp.584-587(1951)には、トリフルオロアセチルクロリドと無水ヨウ化水素とを、触媒なしで、120℃で8時間にわたりバッチ反応させることで、トリフルオロアセチルヨージドを約62%の収率で生成することが記載されている。
【0005】
米国特許第7,196,236号(Mukhopadhyayら)は、トリフルオロヨードメタンを生成するための触媒プロセスを開示し、このプロセスは、ヨウ素源、少なくとも化学量論量の酸素、及び反応物CF3R(式中、Rは、-COOH、-COX、-CHO、-COOR2、及び-SO2Xからなる群から選択され、なお、R2はアルキル基であり、Xは塩素、臭素、又はヨウ素である)を含む、反応物を使用するものである。反応により生成され得るヨウ化水素は、少なくとも化学量論量の酸素によって酸化され、水及びヨウ素を生成することができ、経済的なリサイクルが可能となっている。
【0006】
米国特許第7,132,578号(Mukhopadhyayら)もまた、触媒を用いる、1工程のプロセスを開示しており、このプロセスでは、トリフルオロアセチルクロリドからトリフルオロヨードメタンを生成する。しかしながら、ヨウ素源はフッ化ヨウ素(IF)である。ヨウ化水素とは対照的に、フッ化ヨウ素は比較的不安定であり、0℃を超えるとI2及びIF5に分解してしまう。フッ化ヨウ素はまた、商業的に有用な量で利用することができない場合がある。
【0007】
トリフルオロアセチルヨージド(CF3COI)からトリフルオロヨードメタン(CF3I)を調製する商業的方法は既に知られている。例えば、同時係属中の米国特許出願第16/549,412号は、トリフルオロアセチルヨージドからトリフルオロヨードメタンを製造するためのプロセスと、トリフルオロアセチルヨージドを製造するためのプロセスとを開示している。開示されたプロセスは、高収率の気相プロセスであり、比較的安価な出発物質であって、商業的な量で容易に入手可能な出発物質を使用するものである。
【0008】
トリフルオロアセチルヨージドからのトリフルオロヨードメタンの製造は望ましくない副反応を受けるおそれがあるので、より経済的な操作を可能にするトリフルオロアセチルヨージドの組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、トリフルオロアセチルヨージド(CF3COI)と、少なくとも1種の有機不純物と、少なくとも1種の無機不純物とを含む組成物であって、トリフルオロヨードメタン(CF3I)の製造に適した組成物を提供する。
【0010】
一実施形態において、本発明は、トリフルオロアセチルヨージドと、少なくとも1つの有機不純物と、少なくとも1つの無機不純物とを含む組成物を提供し、上記の少なくとも1つの有機不純物は、ジフルオロヨードメタン、ペンタフルオロヨードエタン、ヨードメタン、ヨードプロパン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルトリフルオロアセテート、無水トリフルオロ酢酸、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含み、上記の少なくとも1つの無機不純物は、ヨウ化水素、塩化水素、ヨウ素、及び三ヨウ化水素のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
本開示の上記及びその他の特徴、並びにそれらを実現する形態は、以下の実施形態の説明を参照することによってより明白になり、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】トリフルオロアセチルヨージド組成物を製造するための気相プロセスを示すプロセスフロー図である。
【
図2】トリフルオロアセチルヨージド組成物からトリフルオロヨードメタンを製造するための気相プロセスを示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、少なくとも1種の有機不純物と少なくとも1種の無機不純物とを含む、トリフルオロアセチルヨージド組成物を記載する。不純物があっても、組成物はトリフルオロヨードメタンの製造に適しているということが判明している。
【0014】
トリフルオロアセチルヨージド(CF3COI)からのトリフルオロヨードメタン(CF3I)の製造は、気相反応器中で、以下の式1に従って行うことができる:
式1:CF3COI→CF3I+CO。
【0015】
式1によるトリフルオロヨードメタンの製造において、トリフルオロアセチルヨージドは有機不純物及び無機不純物を含む組成物として提供されるが、それは、純粋なトリフルオロアセチルヨージドは、トリフルオロヨードメタンの製造を経済的に効率的ならしめるには、コストがかかり過ぎる可能性があるためである。一部の不純物は、他の不純物よりもプロセスの全体的な効率に対して、より有害な影響を及ぼし得るということが判明している。例えば、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の、一部の水素含有不純物及び一部のハロゲン含有不純物は、三フッ化メチル(CF3H)及びヨウ素(I2)などの副生成物の形成の増加をもたらし得ると考えられる。これらの副生成物が生成されるには、所望のトリフルオロヨードメタン生成物の生成が犠牲になってしまう。水素含有不純物の例としては、トリフルオロ酢酸(TFA)、ヨウ化水素(HI)、塩化水素(HCl)、及び三ヨウ化水素(HI3)が挙げられる。ハロゲン含有不純物の例としては、トリフルオロアセチルフルオリド(CF3COF)、トリフルオロアセチルクロリド(CF3COCl)、ジフルオロヨードメタン(CF2HI)、ペンタフルオロヨードエタン(CF3CF2I)、ヨードメタン(CH3I)、ヨウ素(I2)、ヨードプロパン(C3H7I)、及びトリフルオロヨードメタン(CF3I)が挙げられる。トリフルオロヨードメタンが所望の生成物である一方、反応に供給されるトリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロヨードメタンが反応して、望ましくない副生成物を生成する可能性がある。
【0016】
また、ヨウ素(I2)及び三ヨウ化水素(HI3)などの一部のヨウ素含有不純物の濃度が増加すると、処理装置の腐食が増加し得ると考えられる。腐食が増大すると、処理装置の有効寿命が短くなる可能性がある。
【0017】
対照的に、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の一部の他の有機不純物は、プロセスの効率に対して、比較的、極めて小さい影響しか及ぼさないということが判明している。このような不純物は、一般に、反応することなく反応器を通過するため、処理装置を腐食することがない。このような有機不純物の例としては、ジクロロテトラフルオロエタン(C2Cl2F4)、ジクロロトリフルオロエタン(C2HCl2F3)、クロロトリフルオロエタン(C2H2ClF3)、トリクロロトリフルオロエタン(C2Cl3F3)、トリフルオロ酢酸メチル(CF3COOCH3)、無水トリフルオロ酢酸((CF3CO)2O)、ジフルオロブタン(C4H8F2)、及びメチルプロパン(CH3CH(CH3)CH3)が挙げられる。
【0018】
上記式1のプロセスにしたがってトリフルオロヨードメタンを製造するための供給原料として有用なトリフルオロアセチルヨージド組成物としては、トリフルオロアセチルヨージドと、少なくとも1種の有機不純物、及び少なくとも1種の無機不純物を含み、上記の少なくとも1種の有機不純物は:ジフルオロヨードメタン、ペンタフルオロヨードエタン、ヨードメタン、ヨードプロパン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルトリフルオロアセテート、無水トリフルオロ酢酸、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含み、上記の少なくとも1種の無機不純物は:ヨウ化水素、塩化水素、ヨウ素、及び三ヨウ化水素のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中の有機化合物は、ガスクロマトグラフィー(GC)分析及びガスクロマトグラフィー質量分光(GC-MS)分析によって測定され得る。有機化合物のそれぞれに対してGC分析によって提供されるピーク面積どうしを合わせて、全有機化合物に対するGC面積百分率(GC面積%)を、有機化合物のそれぞれについて、組成物中の有機化合物の相対濃度の尺度として提供することができる。GC面積%は、重量%と同等であると解釈され得る。
【0020】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中の有機不純物の濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.05%、約0.1%、約0.5%、若しくは約1%などの比較的低濃度であってもよく、又は約2%、約3%、約4%、若しくは約5%などの比較的高濃度であってもよい。あるいは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の有機不純物の濃度は、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.05%~約5%、約0.1%~約4%、約0.5%~約3%、約1%~約2%、約0.05%~約2%、約0.5%~約2%、約2%~約5%、又は約0.05%~約1%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の無機不純物の濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.05%~約3%であってよい。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の無機不純物の濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.05%~約2%であってよい。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の無機不純物の濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.05%~約1%であってよい。
【0021】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中の、ジフルオロヨードメタン、ヨードプロパン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンの合計の濃度は、例えば、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、若しくは約0.03%程度の比較的低濃度でもよく、又は約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、若しくは約0.5%程度の比較的高濃度でもよい。あるいは、この合計濃度は、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001%~約0.5%、約0.001%~約0.3%、約0.005%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.001%~約0.2%、約0.001%~約0.03%、約0.05%~約0.5%、又は約0.1%~約0.3%であってもよい。
【0022】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、無水トリフルオロ酢酸が存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、若しくは約0.03%と比較的低濃度であってもよく、又は約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、若しくは約1%と比較的高くてもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.001%~約1%、約0.005%~約0.5%、約0.01%~約0.3%、約0.02%~約0.2%、約0.03%~約0.1%、約0.01%~約0.05%、約0.1%~約1%、又は約0.01%~約0.3%であってもよい。
【0023】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、ペンタフルオロヨードエタンが存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、若しくは約0.03%などの比較的低濃度でもよく、又は約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、若しくは約0.5%などの比較的高濃度でもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001%~約0.5%、約0.001%~約0.3%、約0.005%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.001%~約0.2%、約0.001%~約0.03%、約0.05%~約0.5%、若しくは約0.1%~約0.3%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のペンタフルオロヨードエタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.2%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のペンタフルオロヨードエタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.1%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のペンタフルオロヨードエタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.05%である。
【0024】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、ヨードメタンが存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、若しくは約0.03%などの比較的低濃度でもよく、又は約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、若しくは約0.5%などの比較的高濃度でもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001%~約0.5%、約0.001%~約0.3%、約0.005%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.001%~約0.2%、約0.001%~約0.03%、約0.05%~約0.5%、若しくは約0.1%~約0.3%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨードメタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.2%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨードメタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.1%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨードメタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.05%である。
【0025】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、メチルトリフルオロアセテートが存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、若しくは約0.05%などの比較的低濃度でよく、又は約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約1%、若しくは約2%などの比較的高濃度でもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.001%~約2%、約0.005%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.02%~約0.3%、約0.03%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.1%~約1%、又は約0.02%~約0.1%などであってもよい。
【0026】
上述のトリフルオロアセチルヨージド組成物の任意のものは、トリフルオロ酢酸、トリフルオロアセチルフルオリド、トリフルオロアセチルクロリド、トリフルオロヨードメタン、及びクロロトリフルオロエタンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種の追加の有機不純物を更に含んでもよい。
【0027】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、トリフルオロ酢酸が存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、若しくは約0.05%などの比較的低濃度でよく、又は約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約1%、若しくは約2%などの比較的高濃度でもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.001%~約2%、約0.005%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.02%~約0.3%、約0.03%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.1%~約1%、又は約0.02%~約0.1%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロ酢酸の濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%~約1%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロ酢酸の濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%~約0.5%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロ酢酸の濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%~約0.2%である。
【0028】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、トリフルオロアセチルフルオリドが存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%、約0.0005%、約0.001%、約0.002%、若しくは約0.003%等の比較的低濃度であってよく、又は約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、若しくは約0.05%などの比較的高濃度であってもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001%~約0.05%、約0.0005%~約0.03%、約0.001%~約0.02%、約0.002%~約0.01%、約0.003%~約0.005%、約0.0005%~約0.02%、約0.005%~約0.05%、若しくは約0.001%~約0.01%であってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロアセチルフルオリドの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.02%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロアセチルフルオリドの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.01%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロアセチルフルオリドの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.005%である。
【0029】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、トリフルオロアセチルクロリドが存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、若しくは約0.05%などの比較的低濃度でよく、又は約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.5%、約1%、若しくは約2%などの比較的高濃度でもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.001%~約2%、約0.005%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.02%~約0.3%、約0.03%~約0.2%、約0.05%~約0.1%、約0.1%~約1%、又は約0.02%~約0.1%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロアセチルクロリドの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%~約1%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロアセチルクロリドの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%~約0.5%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロアセチルクロリドの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.001%~約0.2%である。
【0030】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、トリフルオロヨードメタンが存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%、約0.001%、約0.01%、約0.02%、若しくは約0.05%などの比較的低濃度であってよく、又は約0.1%、約0.5%、約1%、若しくは約2%などの比較的高濃度であってもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001%~約2%、約0.001%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.02%~約0.1%、約0.001%~約0.05%、約0.1%~約0.5%、約0.05%~約0.3%、若しくは約0.001%~約0.03%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロヨードメタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約1%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロヨードメタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.5%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のトリフルオロヨードメタンの濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%~約0.1%である。
【0031】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、クロロトリフルオロエタンが存在する場合、その濃度は、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001%、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、若しくは約0.03%などの比較的低濃度でもよく、又は約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、若しくは約0.5%などの比較的高濃度でもよい。あるいは、前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001%~約0.5%、約0.001%~約0.3%、約0.005%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.001%~約0.2%、約0.001%~約0.03%、約0.05%~約0.5%、又は約0.1%~約0.3%などであってもよい。
【0032】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨウ素(I2)の濃度は、当技術分野で知られているように、滴定によって測定することができる。ヨウ化水素、塩化水素、三ヨウ化水素、及び他の水素含有無機化合物の濃度は、当技術分野で知られているように、H-NMRによって測定することができる。
【0033】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中の無機不純物の濃度は、約0.01重量パーセント(重量%)、約0.02重量%、約0.03重量%、若しくは約0.05重量%などの比較的低濃度であってよく、又は約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.5重量%、約1重量%、若しくは約1.5重量%などの比較的高濃度であってもよい。あるいは、前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.01重量%~約1.5重量%、約0.02重量%~約1重量%、約0.03重量%~約0.5重量%、約0.05重量%~約0.3重量%、約0.02重量%~約0.2重量%、約0.01重量%~約0.05重量%、約0.1重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約0.5重量%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の無機不純物の濃度は、約0.01重量%~約0.5重量%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の無機不純物の濃度は、約0.01重量%~約0.1重量%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の無機不純物の濃度は、約0.01重量%~約0.05重量%である。
【0034】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、ヨウ化水素が存在する場合、その濃度は、約0.0001重量%、0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、若しくは約0.03重量%などの比較的低濃度であってよく、又は約0.05重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%若しくは約0.5重量%などの比較的高濃度であってもよい。あるいは前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001重量%~約0.5重量%、約0.001重量%~約0.5重量%、約0.005重量%~約0.3重量%、約0.01重量%~約0.2重量%、約0.02重量%~約0.1重量%、約0.03重量%~約0.05重量%、約0.01重量%~約0.3重量%、約0.005重量%~約0.03重量%、約0.05重量%~約0.5重量%、若しくは約0.05重量%~約0.3重量%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨウ化水素の濃度は、約0.0001重量%~約0.3重量%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨウ化水素の濃度は、約0.0001重量%~約0.1重量%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨウ化水素の濃度は、約0.0001重量%~約0.05重量%である。
【0035】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、ヨウ素(I2)が存在する場合、その濃度は、例えば、約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、又は約0.03重量%などの比較的低濃度であってよく、又は約0.05重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、又は約0.5重量%などの比較的高濃度であってもよい。あるいは、前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.001重量%~約0.5重量%、約0.005重量%~約0.3量%、約0.01重量%~約0.2重量%、約0.02重量%~約0.1重量%、約0.03重量%~約0.05重量%、約0.01重量%~約0.3重量%、約0.005重量%~約0.03重量%、約0.05重量%~約0.5重量%、又は約0.05重量%~約0.3重量%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨウ素の濃度は、約0.001重量%~約0.3重量%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨウ素の濃度は、約0.001重量%~約0.1重量%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中のヨウ素の濃度は、約0.001重量%~約0.05重量%である。
【0036】
トリフルオロアセチルヨージド組成物中に、三ヨウ化水素が存在する場合、その濃度は、約0.0001重量%、約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、若しくは約0.03重量%などの比較的低濃度であってよく、又は約0.05重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%若しくは約0.5重量%などの比較的高濃度であってもよい。あるいは前述の値の任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.0001重量%~約0.05重量%、約0.001重量%~約0.5重量%、約0.005重量%~約0.3重量%、約0.01重量%~約0.2重量%、約0.02重量%~約0.1重量%、約0.03重量%~約0.05重量%、約0.01重量%~約0.3重量%、約0.005重量%~約0.03重量%、約0.05重量%~約0.5重量%、若しくは約0.05重量%~約0.3重量%などであってもよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の三ヨウ化水素の濃度は、約0.0001重量%~約0.3重量%である。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の三ヨウ化水素の濃度は、約0.0001重量%~約0.1重量%である。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物中の三ヨウ化水素の濃度は、約0.0001重量%~約0.05重量%である。
【0037】
図1は、トリフルオロアセチルヨージドを製造するための例示的気相プロセス10を示す、プロセスフロー図である。トリフルオロアセチルヨージドは、以下に説明するプロセス以外のプロセスによって生成されてもよい。
図1に示すように、プロセス10は、ヨウ化水素(HI)12と、トリフルオロアセチルクロリド(CF
3COCl)14とを含む、材料のフローを含む。
図1のプロセスを説明するためにトリフルオロアセチルクロリドが使用されるが、トリフルオロアセチルブロミド又はトリフルオロアセチルフルオリドをトリフルオロアセチルクロリドの代わりに使用してもよいということが理解される。ヨウ化水素12の流れ及びトリフルオロアセチルクロリド14の流れは、混合弁16で結合されて、反応物流18を形成する。反応物流18は、反応器20に直接供給され得る。代替的に、反応物流18は、反応物流18が反応器20に供給される前に反応物流18を加熱する予熱器22を通過してもよい。
【0038】
反応物流18中のトリフルオロアセチルクロリド及びヨウ化水素は、反応器20内に含まれる触媒24の存在下で反応して、トリフルオロアセチルヨージド(CF3COI)と、未反応のトリフルオロアセチルクロリド及びヨウ化水素を含む、様々な有機及び無機不純物と、を含む生成物流26を生成する。
【0039】
生成物流26は、蒸留カラム28に直接進み得る。代替的に、生成物流26は、
図1に示されるように、生成物流26が蒸留カラム28に供給される前に、熱交換器30を通過してもよい。熱交換器30は、生成物流26が蒸留カラム28に入る前に、その生成物流26を冷却するように構成されている。蒸留カラム28は、副生成物、反応物、及び有機化合物の一部を、トリフルオロアセチルヨージドから分離して、精製された生成物流32を生成するように構成されている。
図1に示すように、蒸留カラム28は、ヨウ化水素流36において、反応物流18で使用するために未反応ヨウ化水素を分離し、ヨウ化水素12の流れに戻すように、かつトリフルオロアセチルクロリド流34において、反応物流18で使用するために未反応トリフルオロアセチルクロリドを分離し、トリフルオロアセチルクロリド14の流れに戻すように構成することもできる。蒸留カラム28はまた、販売、他の場所での再利用、又は廃棄のために、塩化水素を塩化水素流38に分離するように構成することもできる。貯蔵タンク40に送られる精製された生成物流32は、上述のようなトリフルオロアセチルヨージド組成物を含む。精製された生成物流32は、貯蔵タンク40に送られる前に更に精製されてもよい。
【0040】
図2は、上述のトリフルオロアセチルヨージド組成物の任意のものからトリフルオロヨードメタンを製造するためのプロセス110を示す、プロセスフロー図である。上述のトリフルオロアセチルヨージド組成物のいずれかを含む供給流132は、
図2に示すように、気相反応器140に供給される。トリフルオロアセチルヨージドは、反応器140内で、反応温度で反応して、生成物流144を生成する。生成物流144は、トリフルオロヨードメタンと、上記式1による反応の副生成物である一酸化炭素とを含む。
【0041】
反応温度は、例えば、約200℃、約250℃、約300℃、約310℃、約320℃、約325℃、約330℃、約340℃、約350℃、若しくは約360℃などの比較的低温であってもよく、又は、約370℃、約380℃、約390℃、約400℃、約425℃、約450℃、約475℃、約500℃、約525℃、約550℃、約575℃、約600℃、約700℃、若しくは約800℃などの比較的高温であってもよい。あるいは、前述の値のうちのいずれか2つの間に定義される任意の範囲、例えば、約200℃~約800℃、約250℃~約600℃、約300℃~約500℃、約320℃~約450℃、約325℃~約400℃、約330℃~約390℃、約340℃~約380℃、約350℃~約370℃、又は約350℃~約450℃などであってもよい。好ましくは、反応温度は、約300℃~約500℃である。より好ましくは、反応温度は、約350℃~約450℃である。最も好ましくは、反応温度は、約375℃~約425℃である。
【0042】
反応は、反応器140内に含まれる触媒142の存在下で行われてもよい。触媒142は、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル-クロム合金、ニッケル-クロム-モリブデン合金、ニッケル-銅合金、銅、アルミナ、炭化ケイ素、白金、パラジウム、レニウム、活性炭(Norit-PK35、Calgon又はShirasagi炭素など)、又はこれらの組み合わせを含み得る。代替的又は追加的に、トリフルオロアセチルヨージド組成物と接触する反応器140の表面そのものが、触媒効果を提供してもよい。代替的又は追加的に、反応は、トリフルオロアセチルヨージドのパイロリシス、すなわち熱分解によって進行し得る。
【0043】
反応は、例えば、約大気圧、約5psig(34kPaG)、約10psig(69kPaG)、約15psig(103kPaG)、約20psig(138kPaG)、約25psig(172kPaG)、約30psig(207kPaG)、約35psig(241kPaG)、約40psig(276kPaG)若しくは約50psig(345kPaG)などの比較的低い反応作動圧で行われるか、又は約60psig(414kPaG)、約70psig(483kPaG)、約80psig(552kPaG)、約100psig(689kPaG)、約120psig(827kPaG)、約150psig(1,034kPaG)、約200psig(1,379kPaG)、約225psig(1551kPaG)、約250psig(1,724kPaG)、約275psig(1,896kPaG),若しくは約300psig(2,068kPaG)などの比較的高い反応作動圧で行われてもよい。あるいは、反応は、前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約大気圧~約300psig(2,068kPaG)、約5psig(34kPaG)~約300psig(2,068kPaG)、約5psig(34kPaG)~約250psig(1,724kPaG)、約10psig(69kPaG)~約200psig(1,379kPaG)、約15psig(103kPaG)~約150psig(1,034kPaG)、約20psig(138kPaG)~約120psig(827kPaG)、約25psig(172kPaG)~約100psig(689kPaG)、約30psig(207kPaG)~約80psig(552kPaG)、約35psig(241kPaG)~約70psig(483kPaG)、約40psig(276kPaG)~約70psig(483kPaG)、約50psig(345kPaG)~約60psig(414kPaG)、50psig(345kPaG)~約250psig(1,724kPaG)、約100psig(689kPaG)~約200psig(1,379kPaG),若しくは約150psig(1,034kPaG)~約200psig(1,379kPaG)などの反応作動圧で行われてもよい。好ましくは、反応は、約5psig(34kPaG)~約275psig(1896kPaG)の反応作動圧で行われる。より好ましくは、反応は、約10psig(69kPaG)~約250psig(1,724kPaG)の反応作動圧で行われる。最も好ましくは、反応は、約20psig(138kPaG)~約225psig(1551kPaG)の反応作動圧で行われる。
【0044】
トリフルオロアセチルヨージド組成物は、触媒142(及び/又は反応器140の表面)と、例えば、約0.01秒、約0.05秒、約0.1秒、約1秒、約2秒、約3秒、約5秒、約8秒、約10秒、約12秒、若しくは約15秒などの比較的短時間の接触時間にわたって、又は約18秒、20秒、約25秒、約30秒、約35秒、約40秒、約50秒、約60秒、約300秒、若しくは約600秒などの比較的長時間の接触時間にわたって、接触していてよく、あるいは前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の任意の接触時間にわたって、例えば、約0.01秒~約600秒、約0.1秒~約600秒、約1秒~約60秒、約3秒~約50秒、約5秒~約40秒、約8秒~約35秒、約10秒~約30秒、約12秒~約25秒、約15秒~約20秒、約20秒~約25秒、約10秒~約40秒、又は約10秒~約30秒などの接触時間にわたって接触していてよい。好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物は、触媒142(及び/又は反応器140の表面)と、約0.1秒~約100秒の接触時間にわたって接触している。より好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物は、触媒142(及び/又は反応器140の表面)と、約0.1秒~約60秒の接触時間にわたって接触している。最も好ましくは、トリフルオロアセチルヨージド組成物は、触媒142(及び/又は反応器140の表面)と、約0.1秒~約10秒の接触時間にわたって接触している。
【0045】
生成物流144は、
図2に示すように、蒸留カラム146に直接進み得る。トリフルオロヨードメタン及び一酸化炭素に加えて、生成物流144は、未反応トリフルオロアセチルヨージドと、他の副生成物とを含み、後者は、例えば、トリフルオロメタン(CHF
3)、ヘキサフルオロエタン(C
2F
6)、及びヘキサフルオロアセトン((CF
3)
2CO)などである。蒸留カラム146は、未反応トリフルオロアセチルヨージド及び副生成物(一酸化炭素、トリフルオロメタン及びヘキサフルオロエタンなど)をトリフルオロヨードメタンから分離して、トリフルオロヨードメタンを含む、精製された生成物流148を生成するように構成されている。
図2に示すように、蒸留カラム146は、未反応トリフルオロアセチルヨージド流150において、未反応トリフルオロアセチルヨージドを分離し、供給流132に戻すように構成されてもよい。蒸留カラム146はまた、販売、他の場所での再利用、又は廃棄のために一酸化炭素を一酸化炭素流152に分離するように構成されてもよい。
【0046】
本発明は、例示的な設計に対するものとして説明してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は慣習的な実践に属する本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。
【0047】
本明細書で使用する場合、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちのいずれか2つから選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【0048】
本明細書で使用するとき、量に関連して使用される「約」という修飾語は、記述された値を含み、文脈によって規定される意味を有する(例えば、それは、特定の量の測定に関連する誤差の程度を少なくとも含む)。ある範囲の文脈で使用される場合、「約」という修飾語はまた、2つの端点の絶対値によって定義される範囲を開示するとも考えられる。
【実施例】
【0049】
式1による、トリフルオロアセチルヨージド組成物からのトリフルオロヨードメタンの製造。
この実施例では、本開示による、トリフルオロアセチルヨージド組成物からのトリフルオロヨードメタンの製造の成功が実証される。
図2で上述した動作を含むユニットを、1,894時間にわたり動作させた。反応器に供給するために使用したトリフルオロアセチルヨージド組成物の7つの試料を得て、有機組成物及び無機組成物について分析した。結果をそれぞれ下記の表1及び表2に示す。表1は、各試料の有機組成をGC面積%で示す。表2は、各試料の無機組成を、トリフルオロアセチルヨージド組成物に対する重量百分率で示す。トリフルオロアセチルヨージド組成物の各々は、許容できるトリフルオロヨードメタン生成物を生成した。
【0050】
【表1】
1「その他」には、ジクロロテトラフルオロエタン、ジフルオロヨードメタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジフルオロブタン、及びヨードプロパン、並びに他の有機不純物が含まれる。
【0051】
【表2】
2「その他」には、塩化水素が含まれるが、測定はしていない。
【0052】
態様
態様1は、トリフルオロアセチルヨージドと、少なくとも1種の有機不純物と、少なくとも1種の無機不純物と、を含む組成物である。少なくとも1種の有機不純物は、ジフルオロヨードメタン、ペンタフルオロヨードエタン、ヨードメタン、ヨードプロパン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルトリフルオロアセテート、無水トリフルオロ酢酸、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1種の無機不純物は、ヨウ化水素、塩化水素、ヨウ素、及び三ヨウ化水素のうちの少なくとも1つを含む。
【0053】
態様2は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約5.0GC面積%の量で存在する、態様1の組成物である。
【0054】
態様3は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約2.0GC面積%の量で存在する、態様1の組成物である。
【0055】
態様4は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約1.0GC面積%の量で存在する、態様1の組成物である。
【0056】
態様5は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.001GC面積%~約1.0GC面積%の量で存在する無水トリフルオロ酢酸を含む、態様1~4のいずれかの組成物である。
【0057】
態様6は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001GC面積%~約0.5GC面積%の量で存在するペンタフルオロヨードエタンを含む、態様1~5のいずれかの組成物である。
【0058】
態様7は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001GC面積%~約0.5GC面積%の量で存在するヨードメタンを含む、態様1~6のいずれかの組成物である。
【0059】
態様8は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.001GC面積%~約2.0GC面積%の量で存在するメチルトリフルオロアセテートを含む、態様1~7のいずれかの組成物である。
【0060】
態様9は、少なくとも1つの有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、合計で約0.0001GC面積%~約0.5GC面積%の量で存在する、ジフルオロヨードメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、ヨードプロパン、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含む、態様1~8のいずれかの組成物である。
【0061】
態様10は、トリフルオロ酢酸、トリフルオロアセチルフルオリド、トリフルオロアセチルクロリド、トリフルオロヨードメタン、及びクロロトリフルオロエタンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種の追加の有機不純物を更に含む、態様1~9のいずれかの組成物である。
【0062】
態様11は、少なくとも1種の追加の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.001GC面積%~約2.0GC面積%の量で存在するトリフルオロ酢酸を含む、態様10の組成物である。
【0063】
態様12は、少なくとも1種の追加の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001GC面積%~約0.05GC面積%の量で存在するトリフルオロアセチルフルオリドを含む、態様10又は態様11の組成物である。
【0064】
態様13は、少なくとも1つの追加の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.001GC面積%~約2.0GC面積%の量で存在するトリフルオロアセチルクロリドを含む、態様10~12のいずれかの組成物である。
【0065】
態様14は、少なくとも1種の追加の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001GC面積%~約2.0GC面積%の量で存在するトリフルオロヨードメタンを含む、態様10~13のいずれかの組成物である。
【0066】
態様15は、少なくとも1種の追加の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.0001GC面積%~約0.5GC面積%の量で存在するクロロトリフルオロエタンを含む、態様10~14のいずれかの組成物である。
【0067】
態様16は、少なくとも1種の無機不純物が、組成物の約0.01重量%~約1.5重量%の量で存在する、態様1~15のいずれかの組成物である。
【0068】
態様17は、少なくとも1種の無機不純物が、組成物の約0.01重量%~約0.5重量%の量で存在する、態様1~15のいずれかの組成物である。
【0069】
態様18は、少なくとも1種の無機不純物が、組成物の約0.001重量%~約0.5重量%の量のヨウ素を含む、態様1~17のいずれかの組成物である。
【0070】
態様19は、少なくとも1種の無機不純物が、組成物の約0.0001重量%~約0.5重量%の量のヨウ化水素を含む、態様1~18のいずれかの組成物である。
【0071】
態様20は、少なくとも1種の無機不純物が、組成物の約0.0001重量%~約0.5重量%の量の三ヨウ化水素を含む、態様1~18のいずれかの組成物である。
【0072】
態様21は、少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約5.0GC面積%の量で存在し、少なくとも1種の無機不純物が、組成物の約0.01重量%~約0.5重量%の量で存在する、態様1~19のいずれかの組成物である。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリフルオロアセチルヨージドと、
ジフルオロヨードメタン、ペンタフルオロヨードエタン、ヨードメタン、ヨードプロパン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルトリフルオロアセテート、無水トリフルオロ酢酸、ジフルオロブタン、及びメチルプロパンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種の有機不純物と、
ヨウ化水素、塩化水素、ヨウ素及び三ヨウ化水素のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種の無機不純物と、
を含む組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約5.0GC面積%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の有機不純物が、全有機化合物のGC面積%で、約0.05GC面積%~約1.0GC面積%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【国際調査報告】