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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】治療用細菌組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/74 20150101AFI20231023BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20231023BHJP
   A61K 35/741 20150101ALI20231023BHJP
   A61K 35/745 20150101ALI20231023BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20231023BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20231023BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20231023BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20231023BHJP
【FI】
A61K35/74
A61P1/04
A61K35/741
A61K35/745
C12N1/20 E ZNA
C12N15/11 Z
C12N1/20 C
A23L33/135
C12Q1/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520219
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 GB2021052558
(87)【国際公開番号】W WO2022069907
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】2015687.3
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522059955
【氏名又は名称】マイクロバイオティカ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ガイス・バクダーシュ
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・ハリス
(72)【発明者】
【氏名】ドミニカ・クリスコ
(72)【発明者】
【氏名】トレヴァー・ローリー
(72)【発明者】
【氏名】ショーニン・マクラスキー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】アン・ネヴィル
(72)【発明者】
【氏名】エイミー・ポップル
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー・リミントン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ロビンソン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ロマノス
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ウィルキンソン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B063
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B018MD85
4B018MD87
4B018ME14
4B018MF05
4B018MF06
4B018MF08
4B063QA18
4B063QA20
4B063QQ03
4B063QQ06
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR75
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4B063QS40
4B063QX01
4B065AA01X
4B065AA21X
4B065AC20
4B065BD06
4B065BD11
4B065CA44
4B065CA46
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC30
4C087BC59
4C087MA02
4C087MA27
4C087MA35
4C087MA37
4C087MA52
4C087MA60
4C087NA14
4C087ZA68
(57)【要約】
本開示は、潰瘍性大腸炎又はクローン病の処置において有用な単離された細菌を含む治療用組成物に関する。関連する方法及び使用もまた開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4つの細菌種から選択される単離された細菌を含む組成物であって、第1の種からの細菌が、配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、第2の種からの細菌が、配列番号2に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、第3の種からの細菌が、配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、及び第4の種からの細菌が、配列番号4に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む、組成物。
【請求項2】
配列番号11、14又は17、18及び12、15又は19を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
配列番号5、20、6、21、7、22、8、23、9、13、24、10及び/又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される1つ又は複数の更なる細菌を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
配列番号6に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
配列番号7に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項7】
配列番号8に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項8】
配列番号9に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項9】
配列番号10に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項10】
経口又は直腸投与のために製剤化されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
カプセル、錠剤、ゲル又は液体の形態である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
腸溶性コーティング中に被包されている、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
生きた弱毒化された又は殺滅された細菌を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
細菌胞子を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
細菌胞子を実質的に含まない、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
1又は複数のヒトドナーを起源とする細菌株を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
細菌が凍結乾燥されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも約1×103~1×1013 CFUの細菌を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物及び薬学的担体を含む医薬組成物。
【請求項20】
疾患の処置における使用のための、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物又は請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
潰瘍性大腸炎又はクローン病の処置における使用のための、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物又は請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
潰瘍性大腸炎又はクローン病を処置する方法であって、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物又は請求項19に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
【請求項23】
組成物又は医薬組成物が経口投与又は直腸投与により投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
組成物又は医薬組成物が、潰瘍性大腸炎又はクローン病に対する別の処置での処置の前、並行して又は後に投与される、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物又は請求項19に記載の医薬組成物を含むキット。
【請求項26】
配列番号1~配列番号25から選択されるポリヌクレオチド配列に対して少なくとも97%、例えば98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を有する細菌を検出するための手段;
及び任意選択で使用のための指示書
を含むキット。
【請求項27】
請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物又は請求項19に記載の医薬組成物を含む食品製品又はワクチン。
【請求項28】
糞便ドナーを同定する方法であって、配列番号1~25の1つから選択される16S rDNAを有する1つ又は複数の細菌の存在について対象の糞便試料を評価すること;配列番号1~25の1つから選択される16S rDNAを有する1つ又は複数の細菌の存在及び/又は存在量に基づいて糞便ドナーを同定することを含む、方法。
【請求項29】
FMT療法のためのドナーを同定する方法における、配列番号1~25の1つから選択される16S rDNAを有する1つ又は複数の細菌の使用。
【請求項30】
対象への投与の前に糞便移植片を処理する方法であって、糞便移植片に、配列番号1~25の1つ又は複数から選択される16S rDNAを有する1つ又は複数の細菌を補充することを含む、方法。
【請求項31】
Table 1(表1)に示されている1つ又は複数の細菌から選択される細菌を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序論
潰瘍性大腸炎(UC)は、結腸の粘膜内壁における免疫媒介性炎症により特徴付けられる慢性炎症性腸疾患である。この慢性炎症は近位結腸と直腸との間で起こり、腹痛、直腸出血、及び頻繁な/血性の下痢に繋がる結腸上皮障壁の潰瘍化により特徴付けられる(Ungaroら、2017)。この疾患の発生率及び有病率は増加し続けており、疾患進行を伴う患者の10~15%は結腸切除術を必要とする(Ungaroら、2017; Farrell、2019)。
【0002】
UCに類似して、クローン病(CD)は免疫媒介性炎症により特徴付けられる慢性炎症性腸疾患であるが、胃腸管全体を通じて起こりうる。疾患の過程にかけて患者は、手術を必要とする合併症、例えば狭窄、及び瘻を示す(Torresら、2017; GBD 2017 Inflammatory Bowel Disease Collaborators、2020)。
【0003】
既存の標準治療処置は、免疫モジュレーションを介して粘膜治癒を誘導及び維持することを目的とする。2020年現在、軽度~中等度の潰瘍性大腸炎に対するNICE推奨のファーストライン療法は局所5-ASAである(Abdulrazegら、2019)。患者がファーストライン療法に応答しないか、又はより重度の疾患を示す場合、患者は、コルチコステロイド、免疫モジュレーター、抗TNF、及び抗体療法の処置オプションのシリーズに沿って段階的に進む(Ungaroら、2017)。全ての既存の処置オプションは、免疫系をモジュレートするための機序を標的化し、これは重度の副作用を有しうる(Caviglia、Boskoski及びCicala、2008)。しかしながら、最近の証拠は、マイクロバイオームが疾患病因論において役割を果たしうることを示している(Neurath、2020)。これは、マイクロバイオームを考慮しない既存の療法、例えば抗TNFを評価する試験において見られる可変的な応答を説明しうる(Rutgeertsら、2005)。
【0004】
Moayyediらは、潰瘍性大腸炎を有する患者を処置するために糞便マイクロバイオータ移植片(faecal microbiota transplant;FMT)が使用されうることを最初に実証した(Moayyediら、2015)。追加の研究はこの効果を実証し続けている(Costelloら、2017)。2019年に、Costelloらは、FMTは軽度~中等度の潰瘍性大腸炎を有する患者の32%においてステロイドフリーの寛解を誘導及び維持できることを実証した論文をJAMAにおいて発表した(Costelloら、2019)。追加的に、Kumpらは、抗生物質はFMTの使用なしではUC患者の疾患活動性に対して最小の効果を有することを示しており、細菌株の追加が臨床的な寛解のために必要とされることを示唆している(Kumpら、2018)。これは、健常ドナーからのマイクロバイオータの移入はUC患者において臨床的な寛解を誘導することが可能であることを示唆する。
【0005】
FMTはまた、CDにおいて役割を果たすことが示されており、Sokolらは、マイクロバイオータの生着は寛解の維持と関連付けられることを示している(Sokolら、2020)。Metwalyらは、造血幹細胞療法(HSCT)で処置されたCD患者のマルチオミクスプロファイルを探索することによりマイクロバイオームの役割を更に探索した。該研究において、疾患において役割を果たしうるマイクロバイオーム機序が同定された(Metwalyら、2020)。
【0006】
現行で利用可能な限られた処置オプションを考慮すると、大腸炎を処置する向上した方法が必要とされている。本発明はこの必要性に対処することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2013/171515号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2017/182796号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】GBD 2017 Inflammatory Bowel Disease Collaborators、2020
【非特許文献2】Green及びSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、4th ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor, N.Y. (2012)
【非特許文献3】Travisら、Gut. 61:第535~542頁 (2012)
【非特許文献4】Fewis及びHeaton、Scand J Gastroenterol. 32(9):第920~924頁 (1997)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、FMT後のUC患者のマイクロバイオーム中の特定の細菌における変化は臨床的な寛解と相関するという発見に基づく。
【0010】
そのため、本発明者らは、ドナー糞便からの細菌株の患者への生着及びマイクロバイオーム中の細菌の関連付けられる存在量変化は処置応答と相関することを見出した。そのため、ドナーを起源とする、UCの処置において有用な細菌が、疾患重症度の低減を伴う患者において同定された。
【0011】
本明細書において同定及び記載される細菌は、UC又はCDの処置を提供するために個々に又は組合せで用いられてもよい。
【0012】
同定された細菌は、ペイシェント-ファーストディスカバリー(patient-first discovery)により導出され、患者応答と相関する。
【0013】
そのため、第1の態様において、本発明は、Table 1(表1)に示されている1つ又は複数の細菌種から選択される細菌を含む、例えばTable 1(表1)に示されている1つ又は複数の細菌から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の単離された細菌を含む組成物に関する。一部の実施形態において、組成物は、本明細書に示されている複数の細菌種(「細菌の集合体」(a consortium of bacteria))、即ち2~10の細菌種を含む。
【0014】
別の態様において、本発明は、少なくとも4つの種から選択される単離された細菌を含む組成物であって、第1の種からの細菌が、配列番号1又は11に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、第2の種からの細菌が、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、第3の種からの細菌が、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、及び第4の種からの細菌が、配列番号4、12、15又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む、組成物に関する。例えば、組成物は、配列番号1、2、3、4、11、14又は17、18、12、15及び/又は19を含んでもよい。
【0015】
組成物は、配列番号5、20、6、21、7、22、8、23、9、13、24、10及び/又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される1つ又は複数の更なる細菌を更に含んでもよい。
【0016】
別の態様において、本発明は、Table 1(表1)に示されている1つ又は複数の細菌から選択される細菌、例えばTable 1(表1)に示されている1つ又は複数の細菌から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の単離された細菌及び薬学的担体を含む医薬組成物に関する。例えば、医薬組成物は、少なくとも4つの種から選択される単離された細菌を含んでもよく、第1の種からの細菌は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、第2の種からの細菌は、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、第3の種からの細菌は、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含み、及び第4の種からの細菌は、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む。例えば、医薬組成物は、配列番号1、2、3、4、11、14又は17、18、12、15及び/又は19を含んでもよい。
【0017】
医薬組成物は、配列番号5、20、6、21、7、22、8、23、9、13、24、10及び/又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される1つ又は複数の更なる細菌を更に含んでもよい。
【0018】
別の態様において、本発明は、疾患の処置における使用のための上記されている組成物又は医薬組成物に関する。
【0019】
別の態様において、本発明は、UC又はCDの処置における使用のための上記されている組成物又は医薬組成物に関する。
【0020】
別の態様において、本発明は、UC又はCDを処置する方法であって、上記されている組成物又は医薬組成物を対象に投与することを含む方法に関する。別の態様において、本発明は、UC又はCDの処置のための医薬の生産における記載されている組成物又は医薬組成物の使用に関する。
【0021】
別の態様において、本発明は、上記されている組成物を含むキットに関する。
【0022】
別の態様において、本発明は、生物学的試料を受け入れるように構成された密閉可能な容器及び本明細書において同定される細菌単離物を検出するための手段を含むキットに関する。例えば、キットは、少なくとも1つの腸関連細菌からの1つ又は複数の16S rDNAポリヌクレオチド配列を増幅して、増幅された16S rDNAポリヌクレオチド配列を形成させるためのポリヌクレオチドプライマーであって、増幅された16S rDNA配列が、配列番号1~配列番号25から選択されるポリヌクレオチド配列に対して少なくとも97%の同一性を有する、ポリヌクレオチドプライマー;増幅された16S rDNA配列を検出するための検出試薬;及び使用のための指示書を含んでもよい。代替的に、他のゲノム配列が増幅されてもよい。
【0023】
別の態様において、本発明は、上記されている組成物を含む食品製品又はワクチンに関する。
【0024】
別の態様において、本発明は、糞便ドナーを同定する方法であって、Table 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の存在について対象の糞便試料を評価すること;Table 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の存在及び/又は存在量に基づいて糞便ドナーを同定することを含む方法に関する。
【0025】
別の態様において、本発明は、FMT療法のためのドナーを同定する方法におけるTable 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の使用に関する。
【0026】
別の態様において、本発明は、対象への投与の前に糞便移植片を処理する方法であって、糞便移植片にTable 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌を補充することを含む方法に関する。
【0027】
別の態様において、本発明は、疾患、例えばUC又はCDの予防及び/又は処置における使用のためのクリステンセネラ科(Christensenellaceae)R-7群菌細菌又はクリステンセネラ科R-7群菌細菌を含む組成物に関する。
【0028】
別の態様において、本発明は、配列番号2、14又は17に記載のクリステンセネラ科R-7群菌細菌を含む組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】Caco-2障壁修復アッセイ。このアッセイの結果は、単離された細菌は損傷した後の上皮層を修復できることを示す。これは、免疫モジュレーション及び障壁を壊す種のデコロナイゼーション(decolonisation)と並んでUCの処置における鍵となる機序である。
図2】Caco-2障壁完全性アッセイ。このアッセイの結果は、単離された細菌は定常状態条件下で上皮障壁完全性を維持することを示す。
図3】樹状細胞活性化アッセイ。このアッセイの結果は、ある特定の細菌は、共刺激分子CD86のより低い発現レベルにより反映されるように、LPS誘導性樹状細胞成熟を阻害できることを示す。
図4】M1マクロファージサイトカイン産生アッセイ。このアッセイの結果は、単離された細菌は、LPS対照に類似したTNF-αレベルを保ちながら寛容原性サイトカインIL-10の産生を増強することによりサイトカイン産生プロファイルを改変することを示す。
図5】M1マクロファージサイトカイン産生アッセイ。このアッセイの結果は、単離された細菌のある特定の組成物は、LPS対照に類似したTNF-αレベルを保ちながら寛容原性サイトカインIL-10の産生を増強することによりサイトカイン産生プロファイルを改変することを示す。
図6】CD4+ T細胞極性化アッセイ。このアッセイの結果は、LPSに加えて単離された細菌で処理された樹状細胞は、CD4+ T細胞をIL-10産生エフェクター細胞に極性化できることを示す。
図7】CD4+ T細胞極性化アッセイ。このアッセイの結果は、LPSに加えて、単離された細菌のある特定の組成物で処理された樹状細胞は、CD4+ T細胞をIL-10産生エフェクター細胞に極性化できることを示す。
図8】CD4+ T細胞極性化アッセイ。このアッセイの結果は、LPSに加えて配列番号2で処理された樹状細胞は、CD4+ T細胞をFoxp3発現エフェクター細胞に極性化できることを示す。
図9】組成物Bは、SPF DSS誘導性大腸炎疾患モデルにおいて疾患誘導性体重喪失を低減させた。マウスをDSS単独で又はビヒクル対照若しくは組成物Bのいずれかと組み合わせて2つの投薬スケジュールで処置した。データは、D8における個々のマウスの体重喪失平均パーセンテージ±SEMとして描写されている。両方の処置群は、体重喪失が予防されたので、ビヒクル処置マウスと比較して優れた有効性を示した(一元配置ANOVA p<0.002)。
図10】組成物B処置は、SPF誘導性大腸炎疾患モデルにおいて疾患誘導性結腸短縮を低減させる。結腸長さを、組成物Bで処置されたSPF DSS誘導性大腸炎疾患モデルにおいてD10においてcmで測定した。マウスをDSS単独で又はビヒクル対照若しくは組成物Bのいずれかと組み合わせて2つの投薬スケジュールで処置した。データは、個々のマウスのcmでの平均長さ±SEMとして描写されている。
図11】組成物B処置は、SPF誘導性大腸炎疾患モデルにおいて結腸炎症を低減させる。結腸炎症を組織学的分析により評価した。マウスをDSS単独で又はビヒクル対照若しくは組成物Bのいずれかと組み合わせて2つの投薬スケジュールで処置した。結腸検体をD10に切除し、マウス大腸炎組織学インデックス(Koelnikら 2018)を使用してスコア付けした。データは、個々のマウスの組織学重症度スコア±SEMとして描写されている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
本発明がこれより更に記載される。以下の節において、本発明の異なる態様がより詳細に定義される。そのように定義される各々の態様は、そうでないことが明確に指し示されなければ、任意の他の1つ又は複数の態様と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であるとして指し示される任意の特徴は、好ましい又は有利であるとして指し示される任意の他の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0031】
一般に、本明細書に記載される微生物学、細胞及び組織培養、病理学、分子生物学、遺伝学並びにタンパク質及び核酸化学並びにハイブリダイゼーションとの繋がりにおいて使用される学術用語、並びにその技術は、当技術分野において周知及び一般的に使用されるものである。本開示の方法及び技術は、他に指し示されなければ、当技術分野において周知の並びに本明細書の全体を通じて参照及び議論される様々な一般的な及びより特有の参考文献に記載されている従来の方法にしたがって一般に行われる。例えば、Green及びSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、4th ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor, N.Y. (2012)を参照。
【0032】
本明細書に記載される分析化学、微生物学、バイオインフォマティクス並びに医薬及び薬化学との繋がりにおいて使用される学術用語、並びにその実験室手順及び技術は、当技術分野において周知及び一般的に使用されるものである。
【0033】
本発明は、規定された細菌単離物の1つ又は複数、例えば集合体を各々含む治療用細菌組成物に関する。組成物は、疾患、特にUC及びCDの処置において有用である。
【0034】
本発明の細菌組成物は、単離された細菌を含み、したがって糞便マイクロバイオータ移植片(FMT)ではない。それらは、糞便材料を含有しないが、糞便材料を含まない、細菌単離物の規定された混合物を含有する。規定された細菌混合物を含有する調製物は、FMTよりも安全な処置であると一般に認められている。本発明の組成物の利点は、完全に規定及び特徴付けされた細菌のみを含み、ドナー糞便中に存在しうる規定されていない又は望ましくない成分を含まず、それにより、治療用組成物が標準化されたものとなること及び組成物の安全性を増加させることを可能としていることである。そのため、細菌組成物に関する態様において、本発明は糞便移植片の投与を除外する。
【0035】
FMTは、健常ヒトドナーからの糞便試料に依拠し、該試料は、レシピエントに直接的に、例えばコロノスコピーを介して、糞便試料中に存在する細菌がレシピエントへのFMTの投与の前に単離されることなく投与される。FMTは広く使用されているが、FMTと関連付けられるいくつかの欠点がある。FMT材料の組成は非常にドナー依存的であり、したがって非一貫的である。ドナーのスクリーニングにもかかわらず、試料の細菌負荷を決定することは困難である。ドナーはまた、病原体についてスクリーニングされる必要があり、及び薬物耐性細菌のコロナイゼーションのリスクを評価する必要がある。追加的に、FMTの生産及び供給は、物流の課題を提示し、医薬品製造物として容易に拡張可能ではない。以下に記載されるある特定の態様において、本発明はまた、本明細書に開示されている1つ又は複数の種からの1つ又は複数の細菌単離物でのFMT療法の増強及び糞便ドナーをスクリーニング/同定する方法に関する。
【0036】
本発明における組成物は、単離された細菌を含む。「単離された」という用語は、天然の環境又は試料から単離された細菌を指す。単離された細菌、例えば単離された細菌株は、他の細胞材料、化学物質及び/又は糞便材料を実質的に含まない。そのため、本明細書において使用される場合、「単離された」細菌という用語は、1つ若しくは複数の望ましくない成分、例えば別の細菌若しくは細菌株、増殖培地の1つ若しくは複数の成分、及び/又は試料、例えば糞便試料の1つ若しくは複数の成分から分離されている細菌を指す。一部の実施形態において、細菌は、供給源の他の成分が検出されないように供給源から実質的に単離されている。
【0037】
本明細書において使用される場合、「種」という用語は、ゲノム配列及び表現型的特徴により従来定義されている分類学上の実体を指す。「株」は、従来の微生物学技術にしたがって単離及び精製されている種の特定の事例である。細菌及び細菌単離物という用語は、本明細書において使用される場合、細菌集団である、複数の細菌を指すことが理解されるであろう。
【0038】
1つの実施形態において、組成物の細菌は、投与の前に代謝的に不活動性である。例えば、細菌は凍結乾燥されている。1つの実施形態において、組成物は、栄養細菌細胞を含み、及び細菌胞子を含まない。1つの実施形態において、組成物は、栄養細菌細胞及び/又は細菌胞子を含む。1つの実施形態において、組成物は、栄養細菌細胞を含み、及び細菌胞子を含まないか、又は胞子を実質的に欠いている。1つの実施形態において、組成物は、約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%又は5%より少ない胞子を含む。
【0039】
1つの実施形態において、本明細書において列記される種からの単離された細菌、例えば単離された細菌株は、対象に投与された場合に前記対象の胃腸にコロナイゼーションを可能とする生存細菌であることができる。
【0040】
組成物は、好ましくは、生存細菌製造物又は生存生物治療剤製造物である。本明細書に記載される場合、生存細菌製造物(細菌組成物、生存細菌集合体、又は細菌集合体としても参照される)は、本明細書に記載されている1つ又は複数の細菌種からの1つ又は複数の単離された生存細菌;例えば細菌株を含む。生存細菌療法という用語は、本明細書において細菌療法と交換可能に使用され、健康を回復させるか、又は疾患/疾患症状を軽減するか、又は療法に対する応答を増加させるために生存細菌を使用する療法を定義する。
【0041】
細菌組成物は、対象(例えば、UC又はCD患者)に投与された場合に所望される応答を誘導又は刺激する生存細菌製造物の能力に基づいて選択される。
【0042】
細菌組成物は、免疫抑制効果及び療法に関連する他の効果/機序を提供する。
【0043】
組成物は、Table 1(表1)に列記される細菌種から選択される1つ又は複数の細菌種を含む。有益な効果、即ち免疫抑制効果を誘導する生存細菌製造物の細菌種の特有の細菌又は組合せの能力は、当技術分野において公知の方法のいずれか、例えば、例えば細胞培養を使用するin vitroアッセイ、又はin vivo研究を使用して評価されうる。例示的なアッセイは実施例に記載されている。
【0044】
1つの実施形態において、単離された細菌、例えば単離された細菌株は、対象に投与された場合に前記対象の胃腸にコロナイゼーション及び/又は生着することを可能とする生存細菌であることができる。
【0045】
本発明者らは、ある特定の細菌を使用することにより、例えば異なる種からの細菌を組み合わせることにより、UC又はCDに対する処置としての用途を有する治療用組成物が提供されうることを示した。そのため、第1の態様において、本発明は、table 1(表1)に列記されている細菌種B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9及び/若しくはB10の1つ若しくは複数又はそのサブセットから選択される1つ、2つ又はより多くの単離された細菌、例えば細菌株を含む組成物に関する。本発明は、そのため、配列番号1~25から選択される16SrDNAを有する1つ又は複数の細菌単離物、例えば細菌集団を含む組成物に関する。本発明は、そのため、table 1(表1)に示されている種の1つ又は複数の細菌単離物を含むか又はからなる組成物に関する。
【0046】
以下のTable 1(表1)は、組成物中に存在する単離された細菌が選択される10の細菌種を列記する。各々の種を特徴付ける例示的な16S rDNA配列への参照もまた提供される。16S rDNA配列又は16S rDNAという用語は、本明細書において使用される場合、16S rRNA核酸配列、即ち核酸分子をコードするDNA核酸配列、即ち核酸分子を指す。核酸配列はtable 11に列記される。また、以下に更に説明されるように、組成物の細菌は、以下に列記される配列番号に対してある特定の配列同一性を有する16S rDNA配列を有してもよい。そのため、1つの実施形態において、組成物は、種名により規定される1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の細菌の集団を含むか又はからなる。追加的に又は代替的に、細菌は、table 1(表1)及びtable 11中にあり、及び本明細書において更に説明されている配列番号への参照により規定されうる。また、以下に更に説明されるように、組成物及び本明細書に記載されている他の態様の細菌は、以下に列記されている配列番号に対してある特定の配列同一性を有する16S rDNA配列を有してもよい。
【0047】
【表1-1】
【0048】
【表1-2】
【0049】
Table 1(表1)は、16S rDNAへの参照により提供される細菌種の例示的な株への参照を提供する。本明細書に記載される発明の態様及び実施形態は、Table 1(表1)及びTable 11に示されている種名及び/又は配列番号への参照により規定される。一部の場合において、異なる例示的な配列が、Table 1(表1)において、例えば同じ種に属する異なる例示的な株に対応する、同じ種について提供される。複数の配列が種について提供される場合、これらの配列は高い配列同一性を共有し、例えば異なる株は少なくとも98.7%の配列同一性を有する。
【0050】
本明細書に記載される態様及び実施形態において、B1~B10の各々について、上記に規定される配列(配列番号1~25)のいずれかが使用されうる。そのため、複数の配列が単一の種について提供される場合、これらの配列のいずれかが使用されうる。
【0051】
一部の実施形態において、生存細菌製造物は、上記の10の記載される種の各々の1つ又は複数の細菌株を含む。提供される株は例示的な株であること及び同じ種の密接に関連する細菌株(例えば、16S rDNA配列及びある特定の配列同一性パーセンテージ、例えば98.7%により定義される)は非常に類似した又は同じ生物学的特性を有することが理解されるべきである。したがって、上に列記される細菌株は同じ種の細菌株で置き換えられうることは当業者に明らかである。本発明は例示的な株に限定されない。
【0052】
1つの実施形態において、組成物は、10の異なる単離された細菌、即ちtable 1(表1)に列記される10の細菌種及び/又は配列参照、例えば表に示されている配列若しくは以下に説明されるようにそれに対して同一性を有する配列を参照したものの各々からの細菌を含むか又はからなる。1つの実施形態において、組成物は、table 1(表1)に列記される細菌種のサブセット/組合せを含む。異なる細菌種からの単離物の任意のサブセット/組合せが提供されることが想定される。1つの実施形態において、組成物は、9の単離された細菌、例えばtable 1(表1)に列記されている細菌B1及びB3~B10を含むか又はからなる。
【0053】
1つの実施形態において、組成物は、任意の他の種、即ちTable 1(表1)に列記されていない種の細菌を含まないか、又は組成物は、最小限度の若しくは生物学的に有意味でない量のみの、Table 1(表1)に列記されていない別の種からの細菌を含む。生物学的に有意味でないにより、UC又はCDの処置において効果を有しない細菌が意味される。しかしながら、組成物は、細菌でない更なる成分、例えば薬学的担体等を含んでもよい。
【0054】
1つの実施形態において、組成物は、Table 1(表1)に列記される属内に入る他の細菌種を含まない。しかしながら、組成物は、細菌ではない更なる成分、例えば薬学的担体等を含んでもよい。
【0055】
別の実施形態において、組成物は、Table 1(表1)に列記される属内に入る他の細菌種を含んでもよいが、Table 1(表1)に列記されない属の細菌種を含まない。しかしながら、組成物は、細菌ではない更なる成分、例えば薬学的担体等を含んでもよい。
【0056】
別の実施形態において、組成物は、他の細菌種、即ちtable 1(表1)に列記されない細菌種を含んでもよい。
【0057】
当業者に明らかなように、table 1(表1)に列記される細菌種から選択される1又は多数の細菌種が単一の組成物中で組み合わせられうる。例えば、組成物は、例えばtable 1(表1)に示されている配列を参照して、table 1(表1)に示される細菌種から選択される少なくとも1又は2、例えば3まで、4まで、5まで、6まで、7まで、8まで、9まで又は10までの単離された細菌種を含むか又はからなる。細菌種の組合せの例は以下において示されている。1つ又は複数の株が各々の種のために使用されうる。
【0058】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 11に示されている配列を参照して、table 1(表1)に列記される細菌種から選択される少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9又は少なくとも10の単離された細菌種を含む。
【0059】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 11に示されている配列を参照して、table 1(表1)に列記される細菌種から選択される2以下、3以下、4以下、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下又は10以下の単離された細菌種を含むか又はからなる。
【0060】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 11に示されている配列を参照して、table 1(表1)に示される細菌種から選択される2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9又は2~10の単離された細菌種を含むか又はからなる。
【0061】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 11に示されている配列を参照して、table 1(表1)に示される細菌種から選択される1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9又は1~10の単離された細菌種を含むか又はからなる。
【0062】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、table 1(表1)に列記される細菌種から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の単離された細菌種を含むか又はからなる。
【0063】
1つの実施形態において、組成物は、table 2(表2)中の組成物Aに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、10の異なる種(B1~B10)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0064】
1つの実施形態において、組成物は、table 3(表3)中の組成物Bに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、9つの異なる種(B1、B2~B10)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0065】
1つの実施形態において、組成物は、table 4(表4)中の組成物Cに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、8つの異なる種(B1~B5、B7、B8、B10)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0066】
1つの実施形態において、組成物は、table 5(表5)中の組成物Dに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、8つの異なる種(B1~B8)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0067】
1つの実施形態において、組成物は、table 6(表6)中の組成物Eに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、9つの異なる種(B1~B5、B7、B8、B9、B10)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0068】
1つの実施形態において、組成物は、table 7(表7)中の組成物Fに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、6つの異なる種(B1~B4、B7、B10)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0069】
1つの実施形態において、組成物は、table 8(表8)中の組成物Gに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、4つの異なる種(B2、B3、B4、B7)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0070】
1つの実施形態において、組成物は、table 9(表9)中の組成物Hに示されている単離された細菌を含むか又はからなる。この表は、3つの異なる種(B3、B4、B7)からの細菌を示す。そのため、1つの実施形態において、組成物は、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0071】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、table 1(表1)に列記される種から選択される4つの種からの単離された細菌、例えばB.アドレセンティス(B. adoloscentis)、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラツム、セネガリマシリア嫌気性菌及びクリステンセネラ科R-7群菌を含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第1の種からの細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第2の種からの細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第3の種からの細菌及び配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第4の種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。別の実施形態において、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0072】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、table 1(表1)に列記される種から選択される4つの種からの単離された細菌、例えばB.アドレセンティス、ユーバクテリウム・ベントリオサム、クリステンセネラ科R-7群菌、プレボテラ・コプリ、バクテロイデス・ステルコリス及びバルネシエラ・インテスティニホミニスを含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号1、11若しくは16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号6若しくは21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号2、14若しくは17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号4、12、15若しくは19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号8若しくは23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌及び/又は配列番号7若しくは22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0073】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、table 1(表1)に列記される種から選択される4つの種からの単離された細菌、例えばB.アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、バクテロイデス・ステルコリス及びロゼブリア・フェシスを含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第1の種からの細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第2の種からの細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第3の種からの細菌及び配列番号29、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第4の種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0074】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、table 1(表1)に列記される種から選択される4つの種からの単離された細菌、例えばB.アドレセンティス、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラツム、バクテロイデス・ステルコリス及びユーバクテリウム・ベントリオサムを含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第1の種からの細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第2の種からの細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第3の種からの細菌及び配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む第4の種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0075】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、table 1(表1)に列記される種から選択される6つの種からの単離された細菌、例えばB.アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、セネガリマシリア嫌気性菌、バルネシエラ・インテスティニホミニス、ユーバクテリウム・ベントリオサム及びクリステンセネラ科R-7群菌を含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌及び配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0076】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、table 1(表1)に列記される種から選択される5つの種からの単離された細菌、例えばビフィドバクテリウム・アドレセンティス、バルネシエラ・インテスティニホミニス、セネガリマシリア嫌気性菌、クリステンセネラ科R-7群菌、及びプレボテラ・コプリを含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌及び配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0077】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、B.アドレセンティス、クリステンセネラ科R-7群菌、セネガリマシリア嫌気性菌及びプレボテラ・コプリを含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、及び配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0078】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、セネガリマシリア嫌気性菌、プレボテラ・コプリ、バルネシエラ・インテスティニホミニス、バクテロイデス・ステルコリス、及びロゼブリア・フェシスを含むか又はからなる。そのため、組成物は、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌及び配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0079】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、プレボテラ・コプリ、ユーバクテリウム・ベントリオサム、クリステンセネラ科R-7及び/又はロゼブリア・フェシスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0080】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 11に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、ユーバクテリウム・ベントリオサム及びロゼブリア・フェシスを含まない。そのため、組成物は、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌、及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む種からの細菌を含むか又はからなるものであってもよい。
【0081】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、ユーバクテリウム・ベントリオサム、ロゼブリア・フェシス、及びクリステンセネラ科R-7菌を含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0082】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、ロゼブリア・フェシスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0083】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、ユーバクテリウム・ベントリオサムを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号3又は18に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0084】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌、ユーバクテリウム・ベントリオサム、ロゼブリア・フェシス、及びクリステンセネラ科R-7菌を含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0085】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌、ユーバクテリウム・ベントリオサム及びロゼブリア・フェシスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0086】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌及びユーバクテリウム・ベントリオサムを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0087】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌及びロゼブリア・フェシスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0088】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌、スラッキア・イソフラボニコンベルテンス、及びクリステンセネラ科R-7菌を含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0089】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌、スラッキア・イソフラボニコンベルテンス、及びクリステンセネラ科R-7、ユーバクテリウム・ベントリオサム及びロゼブリア・フェシスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0090】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌、スラッキア・イソフラボニコンベルテンス、及びクリステンセネラ科R-7、及びユーバクテリウム・ベントリオサムを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、及び配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0091】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌、スラッキア・イソフラボニコンベルテンス、及びクリステンセネラ科R-7、及びロゼブリア・フェシスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0092】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌及びスラッキア・イソフラボニコンベルテンスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0093】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌及びスラッキア・イソフラボニコンベルテンス及びロゼブリア・フェシスを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号6又は21に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0094】
1つの実施形態において、組成物は、例えばtable 1(表1)及びtable 3(表3)に示されている配列番号を参照して、Table 1(表1)から選択される細菌を含むか又はからなるが、セネガリマシリア嫌気性菌及びスラッキア・イソフラボニコンベルテンス及びユーバクテリウム・ベントリオサムを含まない。1つの実施形態において、組成物は、そのため、配列番号1、11又は16に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号2、14又は17に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号4、12、15又は19に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号5又は20に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号7又は22に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号8又は23に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌、配列番号9、13又は24に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌及び配列番号10又は25に記載の核酸配列と少なくとも98.7%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌から選択される単離された細菌を含むか又はからなる。
【0095】
1つの実施形態において、組成物は、プレボテラ・コプリ、ビフィドバクテリウム(Bifodobacterium)及び/又はバクテロイデス・ステルコリスを含まない。
【0096】
1つの実施形態において、組成物は、配列番号1~25として表される細菌種から選択される16S rDNA配列に対して少なくとも97%、例えば98.7%、の配列同一性又は配列同一性を有する16S rDNA配列を有する1~10、例えば2、3、4、5、6、7、8、9又は10の細菌種、例えば細菌株を含むか又はからなる単離された細菌混合物(集合体)を含む。例示的な組成物は上記に示されている。
【0097】
Table 1(表1)から選択され、並びに本発明の組成物及び方法における使用のための細菌種は、Table 11に示される配列又はそれに対してある特定の同一性パーセンテージを有する配列を有することができ、及び生物学的活性;即ちUC又はCDに対する活性、例えばUC又はCDの症状の低減を保持することを当業者は理解する。
【0098】
配列同一性を決定する方法は当技術分野において公知である。クレード、操作的分類単位(operational taxonomic unit; OTU)、種、及び株は、一部の実施形態において、それらの16S rDNA配列により同定されることが公知である。関連性は同一性パーセントにより決定可能であり、これは当技術分野において公知の方法を使用して決定されうる。
【0099】
本明細書に記載されている組成物において使用される細菌種及び株は、16S核酸配列(全長又はその部分、例えばV領域)に基づいて同定されうる。16SリボソームDNA遺伝子は、細菌リボソームの30SサブユニットのDNA成分をコードする。それは全ての細菌種において広く存在する。異なる細菌種は、16S rDNA遺伝子の1~複数個のコピーを有し、16S rDNA遺伝子のコピーは同じ細菌内で配列が異なってもよい。細菌は、通常、16S rDNA遺伝子の複数のコピーを有する。16S rDNA遺伝子シークエンシングは断然、細菌系統発生及び属/種分類を研究するためにハウスキーピング遺伝子を標的化する最も一般的な方法の1つである。そのため、細菌は、16S核酸配列をコードする遺伝子、例えば細菌中のリボソームDNA(rDNA)の配列に基づいて分類学的に分類されうる。この遺伝子配列はまた、リボソームDNA配列(rDNA)として参照される。細菌16S rDNAは約1500ヌクレオチドの長さであり、系統発生アプローチを使用する1つの細菌単離物の別の細菌単離物に対する進化的関係性及び配列類似性の再構築において使用される。16S rDNA配列は、一般に高度に保存されているが、殆どの微小生物の属及び種を区別するために十分なヌクレオチド多様性を宿す特有の超可変領域を含有するため、系統発生再構築のために使用される。
【0100】
全長16S rDNA配列又は16S rDNA配列の任意の超可変領域の配列を決定するために周知の技術を使用して、ゲノムDNAが細菌試料から抽出され、16S rDNA(全長領域又は特有の超可変領域)がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して増幅され、PCR生成物が洗浄され、ヌクレオチド配列が確定されて、16S rDNA遺伝子又は遺伝子のサブドメインの遺伝子組成が決定される。全長16S rDNAシークエンシングが行われる場合、使用されるシークエンシング方法は、サンガーシークエンシングであってもよいが、これに限定されない。1つ又は複数の超可変領域、例えばV4領域が使用される場合、シークエンシングは、サンガー法を使用して又は次世代シークエンシング法、例えばマルチプレックス反応を可能とするバーコード化プライマーを使用するIllumina(シークエンシングバイシンセシス)法を使用して行われてもよいが、これに限定されない。次世代全ゲノムシークエンシングは、遺伝子の複数のコピーが存在する場合に、細菌ゲノム内の各々の16S rDNA遺伝子の配列を得るために使用されうる。16SのV1~V9領域は、細菌試料の遺伝子型判定のために多くの場合に使用される16S rDNA遺伝子の最初の9つの超可変領域を指す。遺伝子配列は、特有のヌクレオチドに対する文字表現、即ちA、T、G、Cを使用して本明細書において提示される。細菌内の16S rDNA遺伝子配列コピー中の多型は、IUPACコードを使用して表されうる(Johnson、2010)。IUPACコードは、本明細書において示されるコンセンサス配列において使用される。
【0101】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている同定された細菌種は、当技術分野において公知のように及び本明細書に記載されるように16S rDNA配列に対する配列同一性により同定される。一部の実施形態において、選択された種は、Table 11に示されている全長16S rDNA配列に対する配列同一性により同定される。一部の実施形態において、選択された種は、Table 11に示されている全長16S rDNA配列の部分に対する配列同一性により同定される。例えば、全長16S rDNAのV1~V9の少なくとも1つ、例えばV3~V4又はV3又はV4が、細菌単離物を特徴付けるために使用される。
【0102】
本明細書において使用される場合、「相同性」又は「同一性」という用語は、参照配列の残基と同一である配列中の核酸残基のパーセンテージを一般に指し、該配列は参照配列と、配列をアライメントし、及び一部の実施形態において必要な場合に最大の相同性パーセンテージを達成するためにギャップを導入した後に、配列同一性の部分として任意の保存的置換を考慮せずに、比較される。そのため、2つの核酸配列の間の相同性パーセンテージは2つの配列の間の同一性パーセンテージと同等である。アライメントのための方法及びコンピュータプログラムは周知である。2つの配列の間の同一性パーセンテージは、周知の数学的アルゴリズムを使用して決定されうる。
【0103】
1つの実施形態において、クエリ配列と参照配列との間の配列同一性の程度は、商業的に利用可能な配列比較プログラムの補助と共に決定されうる。これは、デフォルトのスコアリングマトリックス及びデフォルトのギャップペナルティを使用して2つの配列をアライメントすること、正確なマッチの数を同定すること、並びに正確なマッチの数を参照配列の長さで割ることを典型的には伴う。同一性を決定するために有用な好適なコンピュータプログラムは、例えば、BLAST (blast.ncbi.nlm.nih.gov)を含む。
【0104】
本明細書に示されている様々な実施形態において、配列番号が参照される場合、全長配列に対してある特定のパーセンテージの配列同一性を有する配列もまた本発明の範囲内である。
【0105】
table 1(表1)中の配列番号への参照と共にtable 11に列記され、並びに本発明の組成物及び方法において使用される細菌種の全長又は部分16S rDNAは、対応する参照16S rDNA(即ち配列番号1~10)に対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%、の配列同一性を有する。一部の実施形態において、配列同一性の閾値は少なくとも94.5%である。1つの実施形態において、前記配列同一性は少なくとも95%である。1つの実施形態において、前記配列同一性は少なくとも97%である。1つの実施形態において、前記配列同一性は少なくとも98.7%である。
【0106】
1つの態様において、組成物は、したがって、配列番号1~10から選択される16S rDNA配列を含むか、又は配列番号1~25から選択される核酸配列に対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列を含む1、2又はより多くの細菌種を含む。
【0107】
一部の実施形態において、配列同一性の閾値は、94.5%、94.6%、94.7%、94.8%、94.9%、95.0%、95.1%、95.2%、95.3%、95.4%、95.5%、95.6%、95.7%、95.8%、95.9%、96.0%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97.0%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98.0%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9% 99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%又は100%である。1つの実施形態において、組成物中に存在する細菌は、本明細書に開示される細菌と同じ種に属し、配列番号1~25から選択される核酸配列に対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%又は98.7%の同一性を有し、及びUC又はCDに対する活性を保持する。
【0108】
1つの実施形態において、組成物は、以下の配列番号の16sDNAを有する以下の10の異なる細菌種の1つ又は複数を含むか又はからなる:
種B1:配列番号1、11若しくは16又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B2:配列番号2、14若しくは17又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B3:配列番号3若しくは18又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B4:配列番号4、12、15若しくは19又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B5:配列番号5若しくは20又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B6:配列番号6若しくは21又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B7:配列番号7若しくは22又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B8:配列番号8若しくは23又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B9:配列番号9若しくは13又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列、
種B10:配列番号10若しくは25又はそれに対して少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の同一性を有する16S rDNA配列。
【0109】
1つの例において、組成物において使用される種は、それらの16S rDNA配列(例えば、全長配列、又は部分配列)に基づいて同定される。一部の場合において、本発明において有用な細菌種の株、例えば、本明細書に開示される種の株は、公的な生物学的リソースセンター、例えばATCC (atcc.org)、DSMZ (dsmz.de)、又はRiken BioResource Center (en.brc.riken.jp)から得られうる。本発明の種又は他の態様を同定するために有用な16s rDNA配列は、公的なデータベース、例えば、Human Microbiome Project (HMP)ウェブサイト又はGenBankから得られうる。
【0110】
組成物は、table 1(表1)に列記されている特定の細菌種の1つ又は1つより多くの株を含んでもよいことを当業者は理解する。例えば、本発明の組成物は、種について1つより多くの細菌株を含む。例えば、一部の実施形態において、本発明の組成物は、table 1(表1)に列記される同じ種内からの1つより多くの株(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40又は45より多くの株)を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、各々の種について1つの細菌株を含む。
【0111】
1つの実施形態において、組成物の細菌は、対象の胃腸管にコロナイゼーションすることを可能とする。1つの実施形態において、組成物の細菌は、対象の胃腸管中に持続的に生着することを可能とする。
【0112】
1つの実施形態において、組成物は、生物学的及び臨床的特徴を含む以下の特徴の1つ又は複数を有する:
・組成物は、対象におけるUCの処置及び/又は予防において有効である。UCの処置はUCの1つ又は複数の症状を低減させる;
・組成物は、UCのためのin vitro又はin vivoモデルにおけるUCの処置及び/又は予防において有効である。例えば、モデルはDSS誘導性(デキストラン硫酸ナトリウム)大腸炎モデルであってもよく、体重喪失及び/又は結腸長さが測定されてもよい;
・組成物は、対象におけるCDの処置及び/又は予防において有効である。CDの処置はCDの1つ又は複数の症状を低減させる;
・組成物は、CDのためのin vitro又はin vivoモデルにおけるCDの処置及び/又は予防において有効である。例えば、モデルはDSS誘導性大腸炎モデルであってもよく、体重喪失が測定されてもよい;
・細胞、組織又は対象への組成物の投与は、C反応性タンパク質、糞便ラクトフェリン及び糞便カルプロテクチンから選択される1つ又は複数のバイオマーカーをモジュレートする;
・細胞、組織又は対象への組成物の投与は、対象において細菌の存在量を増加させ、これは、UC及び/又はCDの処置に貢献する環境又は微環境(例えば、メタボローム)を作り出す;
・細胞、組織又は対象への組成物の投与は抑制性Foxp3+又はIL-10+制御性T細胞の存在量を増加させる;
・細胞、組織又は対象への組成物の投与は、樹状細胞及びマクロファージによる抗炎症性サイトカイン、例えばIL-10又はTGF-βの産生を増加させる;
・細胞、組織又は対象への組成物の投与は、ヒト細胞における少なくとも1つの炎症促進性遺伝子産物、例えばIL-6、IL-12、IL-17及び/又はTNF-aの産生を低減又は減弱する;
・細胞、組織又は対象;例えばin vitro又はin vivoモデルへの組成物の投与は、ヒト細胞系(例えば上皮細胞)単層、例えば集合体で処理されたCaco2細胞単層の障壁完全性の崩壊を低減若しくは予防するか、又は該完全性を増加させ、ここで障壁機能は電気インピーダンスにより測定される。これは、実施例に示されるように測定されうる。
・組成物は、例えば樹状細胞活性化アッセイ、M1マクロファージアッセイ及びCD4+ T細胞極性化アッセイにおいて測定される場合に、例えばin vitro又はin vivoモデルにおいて実証されるように、対象の免疫系に対して免疫抑制効果を有する。
【0113】
好適なアッセイは実施例に示される。
【0114】
そのため、組成物は、上記に示される特徴の1つ又は複数を示す少なくとも1つの細菌株を含む。
【0115】
例えば上記に規定されている抗炎症効果を誘導する細菌種の特有の細菌又は組合せの能力は、当技術分野において公知の方法のいずれか、例えば、例えば細胞培養を使用するin vitroアッセイ、又はin vivo研究を使用して評価されうる。
【0116】
対象は、ヒト又は動物モデル、例えば齧歯動物、例えばマウスモデルであってもよい。治療用組成物及び/又は方法は、動物における疾患徴候若しくは症状の誘導前、誘導の間、又は少なくとも1つの徴候若しくは症状の出現後のいずれかに動物モデルに組成物を投与することにより試験される。in vitro又はex vivoモデル、例えば組織又は細胞ベースのモデルはまた、有効性を試験するために使用されうる。
【0117】
組成物は免疫応答を誘発し、即ち免疫抑制効果を有する。本明細書において使用される場合、「免疫応答」は、侵入病原体、病原体に感染した細胞若しくは組織、又はがん性若しくは他の異常な細胞の選択的な標的化、それに対する結合、それに対する損傷、その破壊、及び/又は対象からのその排除を結果としてもたらす免疫系の細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、樹状細胞、好中球等)並びにこれらの細胞のいずれか又は肝臓により産生される可溶性高分子(Ab、サイトカイン、及び補体を含む)の作用を指す。
【0118】
細菌単離物は、国際公開第2013/171515号パンフレット又は国際公開第2017/182796号パンフレット(両方とも参照により組み込まれる)に記載されるように単離されうる。1つの実施形態において、細菌株は、培養され、個々に増殖され、次に組成物中に合わせられる。
【0119】
組成物において使用される細菌単離物は好ましくは非病原性株である。換言すれば、細菌は、好ましくは、健常なヒト個体に投与された場合に前記個体において疾患を引き起こさない。
【0120】
1つの実施形態において、組成物中に存在する各々の細菌は、1つ又は複数の抗生物質での処理に対して感受性である。換言すれば、細菌は、少なくとも1つの抗生物質での処理に対して耐性ではない。これは、個体に投与された治療用組成物中に含まれる細菌の1つ又は複数が、予想に反して、個体において疾患を引き起こす場合における個体の抗生物質処置を可能とする。そのため、1つの実施形態において、細菌は、ベータラクタム、フシジン酸、エルファマイシン(elfamycin)、アミノグリコシド、ホスホマイシン、ツニカマイシン、メトロニダゾール及び/又はバンコマイシンからなる群から選択される1つ又は複数の抗生物質での処理に対して感受性である。抗生物質耐性について細菌をスクリーニングするin vitro及びin silico法は当技術分野において公知である。
【0121】
1つの実施形態において、組成物中に含まれる単離された細菌は、1つ若しくは複数の病原性因子をコードする1つ若しくは複数の遺伝子を含まなくてもよく、及び/又は好ましくは1つ若しくは複数の病原性因子を産生しない。この文脈における病原性因子は、個体において疾患を引き起こす細菌の潜在能力を増強する特性である。病原性因子は、細菌による細菌毒素、例えばエンドトキシン及びエキソトキシンの産生の他に、細菌の病原性に寄与しうる加水分解酵素の産生を含む。病原性因子をコードする遺伝子について細菌をスクリーニングする方法は当技術分野において公知である。
【0122】
一部の実施形態において、細菌株の1つ又は複数はヒト由来細菌であり、即ち、1つ又は複数の細菌株は、ヒト又はヒト(例えば、ヒトドナー)からの試料から取得又は同定されたものである。本明細書において提供される組成物の一部の実施形態において、細菌株の全てはヒト由来細菌である。本明細書において提供される組成物の一部の実施形態において、細菌株は、1より多くのヒトドナーに由来する。
【0123】
単離及び特徴付けは、当技術分野における標準的な方法を使用して達成されうる。例えば、16S rRNAコード遺伝子のV4~V5領域は増幅及びシークエンシングされうる。配列は次に、細菌単離物について本明細書において提供される16S配列とアライメント及び比較されうる。シークエンスプロトコール及びアライメントソフトウェアは当技術分野において周知である。
【0124】
一部の場合において、本発明において有用な細菌種の株、例えば、本明細書に開示される種の株は、上記されている公的な生物学的リソースセンターから得られうる。
【0125】
本明細書において提供される生存細菌製造物において使用される細菌株は、一般に、健常個体のマイクロバイオームから単離される。一部の実施形態において、生存細菌製造物は、単一の個体を起源とする株を含む。一部の実施形態において、生存細菌製造物は、複数の個体を起源とする株を含む。一部の実施形態において、細菌株は、複数の個体から得られ、単離され、及び個々に増殖される。個々に増殖された細菌組成物はその後に、本開示の組成物を提供するために合わせられてもよい。本明細書において提供される生存細菌製造物の細菌株の起源は、健常個体からのヒトマイクロバイオームに限定されないことが理解されるべきである。
【0126】
本発明の組成物が1つより多くの細菌株、種又は属を含む一部の実施形態において、個々の細菌株、種又は属は、別々の、同時の又は逐次的な投与のためであってもよい。一部の実施形態において、1つより多くの細菌株、種又は属は別々に貯蔵されるが、使用の前に混合される。
【0127】
本明細書において説明されるように、本発明の細菌組成物は、対象に投与された場合に治療効果を有し、UC又はCDの処置又は予防において使用されうる。そのため、本明細書に記載されている組成物は治療用組成物である。そのため、本発明はまた、本明細書に記載されている細菌の組成物を含む医薬組成物及び使用方法に拡張される。
【0128】
1つの実施形態において、組成物は、医薬的に許容される賦形剤、担体、緩衝剤、安定化剤又は当業者に周知の他の材料を含んでもよい。そのような材料は非毒性であるべきであり、治療用組成物中に存在する単離された細菌の有効性に干渉するべきではない。医薬的に許容される賦形剤又は他の材料の正確な性質は、経口又は直腸であってもよい投与の経路に依存する。治療用組成物の調製のための多くの方法が当業者に公知である。
【0129】
本発明の細菌組成物は、プレバイオティクス、医薬的に許容される担体、不溶性繊維、緩衝剤、浸透剤、抗気泡剤及び/又は防腐剤を含んでもよい。組成物中に含まれる賦形剤の特定の例は以下に開示される。
【0130】
プレバイオティクスは、細菌組成物中に存在する単離された細菌のための栄養分を提供して、個体への投与後のそれらの早い増殖及びコロナイゼーションを補助しうる。当技術分野において公知の任意のプレバイオティクスが使用されてもよい。プレバイオティクスの非限定的な例は、オリゴ糖、例えば、フルクトオリゴ糖、例えばオリゴフルクトース及びイヌリン、マンナンオリゴ糖並びにガラクトオリゴ糖、可溶性、オリゴフルクトース富化イヌリン並びに可溶性繊維を含む。不溶性繊維は、例えば、移動又は貯蔵の間の保護を提供するために、担体として治療用組成物中に含まれてもよい。緩衝剤は、存在する単離された細菌の生存を促進するために細菌組成物中に含まれてもよい。抗真菌剤は、防腐剤として細菌組成物中に含まれてもよい。
【0131】
1つの実施形態において、治療用細菌組成物は、他の単離された細菌を含む、本明細書に記載されている細菌単離物以外の他の活性成分を含まなくてもよく、及び任意選択でプレバイオティクスを含んでもよい。そのため、治療用組成物の活性成分は、本明細書に記載されている細菌単離物の群、及び任意選択でプレバイオティクスからなるものであってもよい。
【0132】
本発明の細菌組成物は、カプセル、錠剤、ゲル又は液体の形態を含む、本明細書の他の箇所により詳細に記載されている様々な仕方で対象に投与され得る。
【0133】
本発明の細菌組成物は、対象への経口又は直腸投与用であってもよい。組成物が経口投与用の場合、組成物は、カプセル、又は錠剤の形態であってもよい。治療用組成物が直腸投与用の場合、治療用組成物は浣腸の形態であってもよい。好適なカプセル、錠剤及び浣腸の調製は当技術分野において周知である。カプセル又は錠剤は、胃酸からカプセル又は錠剤を保護するために腸溶性コーティングを含んでもよい。例えば、カプセル又は錠剤は、腸溶性コーティングされた、pH依存性の、緩慢放出、及び/又は胃耐性のものであってもよい。そのようなカプセル及び錠剤は、例えば、胃中でのカプセル又は錠剤の溶解を最小化するが小腸中での溶解を可能とするために使用される。経口投与のために意図される場合、組成物は固体又は液体形態であることができ、ここで半固体、半液体、懸濁液及びゲル形態は、固体又は液体のいずれかとして本明細書において考慮される形態に含まれる。
【0134】
経口投与用の固体組成物として、組成物は、粉末、顆粒、圧縮錠剤、丸剤、カプセル、チューインガム、又はウェーハ等に製剤化されうる。そのような固体組成物は典型的には1つ又は複数の不活性希釈剤を含有する。追加的に、以下の1つ又は複数が存在することができる:結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、又はゼラチン、賦形剤、例えばデンプン、ラクトース又はデキストリン、崩壊剤、例えばアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、及びコーンスターチ等;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、滑剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、甘味剤、例えばスクロース又はサッカリン、香味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香味剤;並びに着色剤。組成物がカプセル(例えば、ゼラチンカプセル)の形態である場合、それは、上記の種類の材料に加えて、液体担体、例えばポリエチレングリコール、シクロデキストリン又は脂肪油を含有することができる。
【0135】
経口投与のために意図される場合、組成物は、甘味剤、防腐剤、色素/着色剤及び香味増強剤の1つ又は複数を含むことができる。注射による投与のための組成物において、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定化剤及び等張剤の1つ又は複数もまた含まれうる。
【0136】
細菌組成物は、医薬的に許容される担体を含んでもよく、又はビヒクルは粒子状物質であることができ、その結果、組成物は例えば錠剤又は粉末形態である。「担体」という用語は、それと共に組成物が投与される希釈剤、アジュバント又は賦形剤を指す。そのような薬学的担体は、石油、動物、植物又は合成起源のものを含む、液体、例えば水及び油、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、及びゴマ油等であることができる。担体は、食塩水、アカシアガム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、及び尿素等であることができる。追加的に、助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤が使用されうる。1つの実施形態において、組成物及び医薬的に許容される担体は無菌である。食塩水溶液並びに水性デキストロース及びグリセロール溶液もまた、特には注射可能な溶液のために、液体担体として用いられうる。好適な薬学的担体はまた、賦形剤、例えばデンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、穀粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、及びエタノール等を含む。本発明の組成物はまた、所望される場合、微量の湿潤若しくは乳化剤、又はpH緩衝化剤を含有することができる。
【0137】
組成物は、1つ又は複数の投薬単位の形態をとることができる。一実施形態において、用量単位は、少なくとも1×103、1×104、1×105、1×106、1×107、1×108、1×109、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013又は1×1011より高いコロニー形成単位(cfu)の栄養細菌細胞を含む。一実施形態において、用量単位は、医薬的に許容される賦形剤、腸溶性コーティング又はこれらの組合せを含む。細菌単離物又は組成物は、0.1~100g/日、例えば0.1、0.5、1、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80又は90g/日の用量において提供されてもよい。
【0138】
治療用組成物中に存在する1つ又は複数の単離された細菌は、体積又は質量により治療用組成物の少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、7%、75%、80%、85%、又は90%を構成してもよい。
【0139】
組成物中の細菌単離物の安定性又は生存を向上させるために処理又は特有のプロセスが適用されうる。細菌組成物は乾燥形態又は湿潤形態(wet from)で適用されうる。細菌組成物は凍結乾燥されてもよい。凍結乾燥された治療用組成物は、1つ又は複数の安定化剤及び/又は凍結保護剤を含んでもよい。凍結乾燥された細菌組成物は、個体への投与の前に好適な希釈剤を使用して復元されてもよい。
【0140】
次に本発明はまた、Table 1(表1)の細菌から選択される1つ又は複数の細菌及び担体を含む医薬組成物に関する。
【0141】
別の態様において、疾患の処置における使用のための本明細書に記載される細菌組成物が提供される。別の態様において、疾患の処置又は予防のための医薬の生産における本明細書に記載される細菌組成物の使用が提供される。別の態様において、疾患の処置における使用のための、例えば生物分類により又は配列番号への参照により、table 1(表1)において規定されている細菌が提供される。
【0142】
別の態様において、対象において疾患を処置又は予防する方法であって、対象においてTable 1(表1)に示されているB1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9及び/若しくはB10から選択される1つ若しくは複数の細菌又はこれらのサブセットのレベルをモジュレートすること、例えばレベル/相対的な存在量を増加させることを含む方法が提供される。1つの実施形態において、サブセットは、Table 1(表1)から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の細菌を含むか又はからなる。対象において1つ又は複数の細菌のレベルをモジュレートすることはUCを処置する。1つの実施形態において、方法は、本明細書に記載されている組成物を投与することを含む。
【0143】
本明細書において使用される場合、「処置する」(treat)、「処置する」(treating)又は「処置」は、疾患又は障害を阻害又は緩和することを意味する。例えば、処置は、疾患若しくは障害と関連付けられる症状の発生の延期、及び/又は前記疾患と共に発生するか、若しくは発生すると予想されるそのような症状の重症度における低減を含むことができる。該用語は、既存の症状の軽快、追加の症状の予防、及びそのような症状の基礎となる原因の軽快又は予防を含む。そのため、該用語は、有益な結果が、処置されている哺乳動物、例えば、ヒト患者の少なくとも一部において付与されていることを表す。多くの医療処置は、処置を受ける患者の、全てではないが一部のために有効である。
【0144】
「対象」又は「患者」という用語は、処置、観察、又は診断の目的である動物を指す。単に例として、対象は、哺乳動物を含むが、これに限定されず、哺乳動物は、ヒト又は非ヒト哺乳動物、例えば非ヒト霊長動物、マウス、ウシ、ウマ、イヌ、ヒツジ、若しくはネコを含むが、これに限定されない。1つの実施形態において、対象は、以前のUC若しくはCD処置を受けたか、又は処置を受けているUC又はCD患者である。1つの実施形態において、対象は、従来の又は既存の療法に対して不十分な応答を有したか、又はそれに対して不耐性のUC又はCD患者である。
【0145】
1つの実施形態において、疾患はUCであり、及び組成物はUC療法を提供する。「UC療法」という用語は、UC/UCの症状を低減若しくは排除するか、又はUCの進行を緩慢化させることを目的とする任意の治療レジメンを指す。本明細書に記載される抗UC療法は、対象、例えば、UCを有するか、又はUCを有するリスクがある対象に抗UC療法を投与することを伴う。
【0146】
1つの実施形態において、疾患はCDであり、及び組成物はCD療法を提供する。「CD療法」という用語は、CD/CDの症状を低減若しくは排除するか、又はCDの進行を緩慢化させることを目的とする任意の治療レジメンを指す。本明細書に記載される抗CD療法は、対象、例えば、CDを有するか、又はCDを有するリスクがある対象に抗CD療法を投与することを伴う。
【0147】
上記の方法及び使用による投与は経口投与又は直腸投与を含む。
【0148】
UC又はCDの処置において有効な/活性の組成物の量は、障害又は状態の性質に依存し、標準的な臨床技術により決定されうる。追加的に、in vitro又はin vivoアッセイは、最適な投薬量範囲の同定を助けるために任意選択で用いられうる。組成物中に用いられるべき正確な用量はまた、投与の経路、及び疾患又は障害の深刻さに依存し、医師の判断及び各々の患者の状況にしたがって決定されるべきである。年齢、体重、性別、食事、投与の時間、排出の速度、宿主の条件、薬物組合せ、反応感受性及び疾患の重症度のような要因が考慮に入れられる。
【0149】
一部の実施形態において、本発明の組成物は、2つ又はより多く(例えば、2、3、4、5、又はより多く)の治療剤、例えばUC又はCDの処置において有用な剤と共に投与されてもよい。
【0150】
投与は「治療有効量」で為されてもよく、これは個体に対して利益を示すために十分なものである。そのような利益は少なくとも1つの症状の少なくとも軽快であってもよい。そのため、指定される疾患の「処置」は少なくとも1つの症状の軽快を指す。投与される実際の量、及び投与の速度及び時間経過は、処置されているものの性質及び重症度、処置されている特定の患者、個々の患者の臨床的な条件、組成物の送達の部位、治療用組成物の種類、投与の方法、投与のスケジューリング並びに医師にとって既知の他の要因に依存する。処置の処方、例えば投薬量の決定等は、総合医及び他の医師の責任の範囲内であり、症状の重症度及び/又は処置されている疾患の進行に依存しうる。本発明の治療用組成物の治療有効量又は好適な用量は、そのin vitro活性及び動物モデルにおけるin vivo活性を比較することにより決定されうる。マウス及び他の試験動物における有効な投薬量のヒトへの外挿方法は公知である。正確な用量は、治療用組成物が予防用であるのか、それとも処置用であるのかを含む、多数の要因に依存する。
【0151】
組成物の投与を要求する方法の1つの実施形態において、方法は、投与の後に対象において投与された細菌株の1つ又は複数の存在を検出する更なる工程を含む。検出方法は、例えば、前記対象において少なくとも1つの投与された細菌単離物の本明細書において規定されている16S核酸配列を検出することを含む。
【0152】
処置の有効性は、徴候及び/又は症状を評価することにより、並びに改善の誘導及び/又は寛解の維持又は状態の改善が、例えば、少なくとも1週、少なくとも2週、少なくとも3週、少なくとも4週、少なくとも8週、又は少なくとも12週にわたり達成されるかどうかにしたがって決定されうる。例えば、内視鏡的に、組織学的に又はイメージング技術を介して判断されるような粘膜治癒は、特には潰瘍性大腸炎又はCDを有すると診断された対象における長期臨床アウトカムを予測するために、そのような評価のために使用されうる。
【0153】
UCについて、治療有効性の指標は、例えば、糞便頻度の正常化、緊急性の欠如、内視鏡検査における粘膜外見、及び糞便中の血液の非存在を含む。少なくとも1つの徴候又は症状が処置の完了後に少なくとも4週にわたり低減される場合に寛解が達成されたと考えられる。粘膜治癒は、臨床的な寛解の指標の1つの例である。他の徴候/症状は、C反応性タンパク質及び/又は他の急性期指標の正常化、並びに主観的な徴候、例えば生活の質に関するものを含むことができる。徴候の他の例は、Montreal分類(Montreal Classification)、Mayoスコア(Mayo Score)(内視鏡検査サブスコアを伴う若しくは伴わない)、又は小児潰瘍性大腸炎インデックス(Pediatric Ulcerative Colitis Index)を使用した中等度から軽度への改善を含むことができる。一般に、本明細書に記載される方法及び組成物は、大腸炎を有すると診断された対象を処置するために有用である。
【0154】
改善は、疾患活動性のインデックスにおける改善により、臨床症状の軽快により又は疾患活動性の任意の他の指標により指し示されうる。疾患の1つの(Once)そのようなインデックスは潰瘍性大腸炎Mayoスコアである。Mayoスコアは、軽度、中等度、及び重度の潰瘍性大腸炎のための確立された、検証された疾患活動性インデックスであり、糞便頻度、直腸出血、内視鏡検査の所見、及び医師による大域的評価(physician's global assessment; PGA)の4つのサブスコアの和として算出され、0~12の範囲に及ぶ。3~5点のスコアは軽度活動性疾患を指し示し、6~10点のスコアは中等度活動性疾患を指し示し、11~12点のスコアは重度の疾患を指し示す。内視鏡検査サブスコアを伴わないMayoスコアである部分的Mayoスコアは、糞便頻度、直腸出血、及び医師による大域的評価サブスコアの和として算出され、0~9の範囲に及ぶ。PGAサブスコアを伴わないMayoスコアである改変Mayoスコアは、糞便頻度、直腸出血、及び内視鏡検査サブスコアの和として算出され、0~9の範囲に及ぶ。UCのための他の疾患活動性インデックスは、例えば、Ulcerative Colitis Endoscopic Index of Severity (UCEIS)スコア及びBristol Stool Form Scale (BSFS)スコアを含む。UCEISスコアは、粘膜血管パターン、出血、及び潰瘍化に基づくUCの内視鏡的重症度の全体的な評価を提供する(Travisら、Gut. 61:第535~542頁 (2012))。より高いスコアを有する3~11のスコア範囲は、内視鏡検査によるより重度の疾患を指し示す。BSFSスコアは、ヒト糞便の形態(又は一貫性)を7つのカテゴリーに分類するために使用される(Fewis及びHeaton、Scand J Gastroenterol. 32(9):第920~924頁 (1997))。
【0155】
UC又はCDを処置するための治療用組成物及び/又は方法の有効性の他の指標は、7日、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、若しくは12週における、table 1(表1)において同定される少なくとも1つの細菌種の生着;4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、若しくは12週における臨床的な寛解(例えば、>1のサブスコアなしでのMayoスコア<=2);又は4週における内視鏡的寛解(0のMayo内視鏡検査スコア)を含む。
【0156】
1つの実施形態において、「臨床応答」という用語は、薬物投与に対する対象の応答に関して本明細書において使用される場合、>30%及び>3点のMayoスコアにおける導入ベースラインからの減少であって、>1の直腸出血サブスコアにおけるベースラインからの減少又は0若しくは1の直腸出血サブスコアを伴うものを指す。
【0157】
ある特定の実施形態において、対象は、本出願の一実施形態による方法の処置に対するレスポンダーであり、(1)世界的サブミッション及び米国サブミッションの少なくとも1つに基づく臨床的な寛解;(2)内視鏡的治癒;(3)臨床応答;(4) Inflammatory Bowel Disease Questionnaire (IBDQ)スコアにおけるベースラインからの変化;(5)粘膜治癒;(6)Mayoスコアにおけるベースラインからの減少;並びに(7)C反応性タンパク質、糞便ラクトフェリン及び糞便カルプロテクチンからなる群から選択される1つ又は複数のバイオマーカーの正常化の少なくとも1つを有するとして同定される。好ましくは、上記(1)~(7)の少なくとも1つは、処置の16週目まで、より好ましくは8週目又は4週目まで、最も好ましくは2週目までの対象から同定される。
【0158】
徴候又は症状の寛解は、臨床的なインデックス、例えば、クローン病について、Crohn's Disease Activity Index (CDAI)、PCDAI、又はPCDAI若しくはCDAIの1つ若しくは複数の要素、例えば、液状便若しくは軟便の回数、腹痛、全般的健康状態、合併症(例えば関節痛若しくは関節炎、ぶどう膜炎;虹彩の炎症;結節性紅斑、壊疽性膿皮症、若しくはアフタ性潰瘍の存在;肛門亀裂、瘻、若しくは膿瘍;他の瘻、若しくは発熱)の存在、下痢のためのオピエート若しくはジフェノキシレート/アトロピンの摂取、腹部腫瘤の存在、又は標準的な体重からの逸脱パーセンテージの軽快を使用して決定されうる。一部の実施形態において、本明細書に記載される方法にしたがって処置された対象は、150より低いCDAIを達成する及び/又はそれに留まる。一部の実施形態において、方法に対する陽性応答は、少なくとも70点の対象のCDAIの低減である。
【0159】
本発明による組成物は、別の療法、即ち抗UC又はCD療法と共に投与されてもよい。組成物は、抗UC又はCD療法とは別々に(即ち前若しくは後に)又は一緒に投与されてもよい。抗UC又はCD療法は、抗体療法又はコルチコステロイドを含んでもよいが、それに限定されない。それらはまた、UC又はCDの処置においてアジュバントとして使用されうる。そのため、本発明はまた、本発明の組成物及び別の療法を含む併用療法であって、他の療法が抗UC又はCD療法であるものに関する。
【0160】
組成物の投与を要求する方法の1つの実施形態において、方法は、投与の後に対象において投与された1つ又は複数の細菌株の存在を検出する更なる工程を含む。検出方法は、例えば、前記対象において少なくとも1つの投与された細菌単離物の本明細書において規定されている16S核酸配列を検出することを含む。
【0161】
本発明の組成物は、好適な1つ又は複数の培地中で組成物中に存在する1、2又はより多くの単離された細菌を培養することを含む方法により調製されてもよい。本発明の治療用組成物中に含められる細菌を培養するために好適な培地及び条件は、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている。例えば、本発明による治療用組成物を調製する方法は、
(i)第1の単離された細菌を培養する工程;
(ii)第2の及び任意選択で更なる単離された細菌を培養する工程;並びに
(iii)(i)及び(ii)において得られた細菌を混合して治療用組成物を調製する工程
を含んでもよい。
【0162】
組成物中に含められる単離された細菌は、別々の工程において培養されてもよい。換言すれば、治療用組成物中に含められる各々の細菌の別々の培養物が好ましくは調製される。これは、各々の細菌の増殖を評価すること及び医薬組成物中に含められる各々の細菌の量を、所望されるように制御することを可能とする。工程(i)及び(ii)において培養される細菌は、好ましくは、別個の16S核酸配列、即ち99%、98.7%、98%、97%、96%又は95%より低い配列同一性を共有する16S核酸配列を有する。
【0163】
上記の方法は、組成物中に含められる各々の単離された細菌を培養する工程を含んでもよい。
【0164】
方法は、細菌が1つ又は複数の追加の成分、例えば医薬的に許容される賦形剤、プレバイオティクス、担体、不溶性繊維、緩衝剤、浸透剤、消泡剤、及び/又は防腐剤と混合される1つ又は複数の更なる工程を任意選択で含んでもよい。追加的に、又は代替的に、方法は、(i)及び任意選択で(ii)において得られた細菌をケモスタット培地、又は食塩水、例えば0.9%の食塩水に懸濁することを含んでもよい。(i)及び任意選択で(ii)において得られた細菌は、減圧雰囲気、例えばN2、CO2、H2、又はこれらの混合物、例えばN2:CO2:H2下で提供されてもよい。気体は、治療用組成物中に存在する細菌の保存のために適切な比で存在してもよい。例えば、減圧雰囲気は、80%のN2、10%のCO2及び10%のH2を含んでもよい。追加的に、又は代替的に、方法は、任意選択で安定化剤及び/又は凍結保護剤(cryprotectant)の存在下で、(i)及び任意選択で(ii)において得られた細菌を凍結乾燥する工程を含んでもよい。方法はまた、(i)及び任意選択で(ii)において得られた細菌を含むカプセル、錠剤、又は浣腸を調製する工程を含んでもよい。カプセル又は錠剤は、腸溶性コーティングされた、pH依存性の、緩慢放出、及び/又は胃耐性のものであってもよい。
【0165】
本発明の組成物はまた、栄養補助食品、飲料又は他の食料品の形態で提供されてもよい。本発明はまた、そのため、本発明の組成物を含む食品製品又はワクチンに関する。
【0166】
FMTのためのドナーの同定
患者の腸へのヒト結腸マイクロバイオータの移植又は投与による療法は糞便マイクロバイオータ移植(FMT)と呼ばれ、糞便細菌療法としても一般的に公知である。しかしながら、FMTは100%の有効率を有さず、これは、ドナーマイクロバイオータにおけるバラつきに部分的に起因すると考えられる。Moayyeddiら(2015)は、1人のドナーからの潰瘍性大腸炎におけるより高い寛解率を報告した。全糞便マイクロバイオータ中の治療成分の同定は、増加した治療有効性を有するドナー及び糞便試料の同定を可能とする。
【0167】
別の態様において、本発明は、糞便ドナーを同定する方法であって、Table 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の存在、非存在又は存在量について対象の糞便試料を評価すること;Table 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の存在及び/又は存在量に基づいて糞便ドナーを同定することを含む方法に関する。同定されたドナーからの試料は、UC又はCDの処置において有用でありうる。したがって、方法は、UC又はCD患者に試料を投与する追加の工程を含んでもよい。
【0168】
本発明は、FMT療法のためのドナーを同定する方法におけるTable 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の使用に関する。
【0169】
本発明は、対象への投与の前に糞便移植片を処理する方法であって、糞便移植片にTable 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌を補充することを含む方法に関する。そのように補充された糞便移植片で対象を処置する方法もまた想定される。
【0170】
キット
更なる態様において、本発明はキットに関する。キットは、本明細書に記載されているUC若しくはCDの処置において使用されうる構成要素又は試料中のtable 1(表1)に列記されている1つ若しくは複数の細菌の存在、非存在若しくは存在量を評価するための構成要素を含んでもよい。
【0171】
1つの実施形態において、キットは、本明細書に記載される医薬組成物及び任意選択で他の構成要素を含む。例において、キットは、試料に害を与えることなく、収集された材料を輸送するための材料を含むことができる(例えば、凍結乾燥形態においてパッケージ化される、又は水性培地中でパッケージ化される等)。キットは、無菌容器中の加工された材料又は処理、例えば経鼻胃(NG)チューブ、バイアル(例えば、保持浣腸との使用のため)、胃耐性カプセル(例えば、無菌の外部を有し、腸管に達するために生体内酸耐性(acid-bio resistant))等を含んでもよい。キットはまた、使用のための指示書を含んでもよい。
【0172】
代替的な態様において、キットは、本明細書に記載される細菌を検出するための試薬を含む。例えば、キットはシークエンシング試薬を含んでもよい。例えば、キットは、
・生物学的試料、例えば糞便試料を受け入れるように構成された密閉可能な容器;
・table 1(表1)に列記される1つ又は複数の細菌を検出するための手段、例えば少なくとも1つの腸関連細菌からのヌクレオチド配列、例えば16S rDNAポリヌクレオチド配列を増幅して、増幅された16S rDNAポリヌクレオチド配列を形成させるためのポリヌクレオチドプライマーであって、増幅された16S rDNA配列が、配列番号1~配列番号25から選択されるポリヌクレオチド配列に対して少なくとも97%の配列同一性を有するもの;
・増幅された16S rDNA配列を検出するための検出試薬;及び
・使用のための指示書
を含んでもよい。
【0173】
本発明の更なる態様及び実施形態は、以下の実験的例証を含む本開示を与えられた当業者に明らかである。
【0174】
本発明者らはまた、配列番号2、14又は17に記載の16S rDNAを含むクリステンセネラ科R-7群菌細菌は、CD4+ T細胞極性化アッセイにおいて特定の有効性を示すことを示した。クリステンセネラ科R-7群菌は、免疫調節性T細胞集団を増加させることによりLPSの存在下(炎症性状態)で免疫抑制効果を有することをデータは示す。
【0175】
この免疫抑制効果に起因して、クリステンセネラ科細菌、例えば配列番号2又は少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の配列同一性を有する配列の16S rDNAを含むクリステンセネラ科R-7群菌は、疾患の処置において使用されうる。
【0176】
そのため、別の態様において、本発明は、疾患、例えばUC又はCDの予防及び/又は処置における使用のための、単離されたクリステンセネラ科細菌、例えばクリステンセネラ科R-7群菌又はクリステンセネラ科細菌、例えばクリステンセネラ科R-7群菌を含む組成物に関する。例えば、クリステンセネラ科R-7群菌は、配列番号2又は少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の配列同一性を有する配列の16S rDNAを含む。
【0177】
別の態様において、本発明は、単離されたクリステンセネラ科細菌、例えばクリステンセネラ科R-7群菌を含む組成物、例えば医薬組成物に関する。例えば、クリステンセネラ科R-7群菌は、配列番号2又は少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の配列同一性を有する配列の16S rDNAを含む。
【0178】
組成物は、更なる細菌、例えば治療効果を有する細菌を含んでもよい。1つの実施形態において、組成物は、更なる細菌、例えば治療用細菌を含まない。そのため、組成物は、クリステンセネラ科R-7群菌からなるものであってもよい。例えば、クリステンセネラ科R-7群菌は、配列番号2又は少なくとも90%、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%;例えば97%若しくは98.7%の配列同一性を有する配列の16S rDNAを含む。
【0179】
上記の態様の一部の実施形態において、配列同一性は、94.5%、94.6%、94.7%、94.8%、94.9%、95.0%、95.1%、95.2%、95.3%、95.4%、95.5%、95.6%、95.7%、95.8%、95.9%、96.0%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97.0%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98.0%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9% 99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%又は100%である。
【0180】
1つの実施形態において、クリステンセネラ科R-7群菌は、例えば実施例2に示されるように、CD25hi Foxp3+制御性T細胞の頻度を増加させる能力を有する。
【0181】
1つの実施形態において、細菌は、対象に投与された場合に前記対象の胃腸にコロナイゼーション及び/又は生着する能力を有する生存細菌であることができる。
【0182】
組成物中の賦形剤、組成物の投薬形態及び投与経路は、上記に説明されるものから選択されてもよい。
【0183】
本明細書において他に定義されなければ、本開示との繋がりにおいて使用される科学技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有する。以上の開示は、本発明を製造及び使用する方法の他に、その最良の形態を含む、本発明の範囲内に包含される主題の概要を提供するが、当業者が本発明を実施することを更に可能にするため及びその完全な説明を提供するために以下の実施例が提供される。しかしながら、これらの実施例の詳細は、本発明に対する限定として読まれるべきではなく、本発明の範囲は、本開示に添付された請求項及びその均等物から把握されるべきであることを当業者は理解する。本発明の様々な更なる態様及び実施形態は、本開示を考慮して当業者に明らかである。
【0184】
本明細書において言及される全ての文献は、遺伝子アクセッション番号への任意の参照及び特許刊行物への参照を含めて、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0185】
「及び/又は」は、本明細書において使用される場合、他方を伴う又は伴わない2つの指定される特徴又は構成要素の各々の特有の開示として解釈されるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、各々が本明細書において個々に示されているかのように、(i)A、(ii)B並びに(iii)A及びBの各々の特有の開示として解釈されるべきである。文脈が他に規定しなければ、上記に示される特徴の記載及び定義は、本発明の任意の特定の態様又は実施形態に限定されず、記載される全ての態様及び実施形態に等しく適用される。
【0186】
本発明は、以下の実施形態において記載される:
1. Table 1(表1)に示されている1つ又は複数の細菌から選択される細菌を含む組成物。
2. Table 1(表1)に示されている1つ又は複数の細菌から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の単離された細菌を含む、実施形態1に記載の組成物。
3.1つ又は複数の単離された細菌が、配列番号1~25から選択される核酸配列と少なくとも95%、例えば97%、98%、98.7%又は99%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む、実施形態1又は2に記載の組成物。
4.経口又は直腸投与のために製剤化されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
5.カプセル、錠剤、ゲル又は液体の形態である、実施形態4に記載の組成物。
6.腸溶性コーティング中に被包されている、実施形態5に記載の組成物。
7.生きた弱毒化された又は殺滅された細菌を含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の組成物。
8.細菌胞子を含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物。
9.細菌胞子を実質的に含まない、実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物。
10. 1又は複数のヒトドナーを起源とする細菌株を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の組成物。
11.細菌が凍結乾燥されている、実施形態1~10のいずれか1つに記載の組成物。
12.少なくとも約1×103~1×1011 CFUの細菌を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の組成物。
13.実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物及び薬学的担体を含む医薬組成物。
14.疾患の処置における使用のための、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物又は実施形態14に記載の医薬組成物。
15. UC又はCDの処置における使用のための、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物又は実施形態14に記載の医薬組成物。
16. UC又はCDを処置する方法であって、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物又は実施形態14に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法。
17.組成物又は医薬組成物が経口投与又は直腸投与により投与される、実施形態16に記載の方法。
18.実施形態1~13のいずれか1つに記載の組成物を含むキット。
19.生物学的試料を受け入れるように構成された密閉可能な容器;
少なくとも1つの腸関連細菌からの16S rDNAポリヌクレオチド配列を増幅して、増幅された16S rDNAポリヌクレオチド配列を形成させるためのポリヌクレオチドプライマーであって、増幅された16S rDNA配列が、配列番号1~配列番号25から選択されるポリヌクレオチド配列に対して少なくとも97%の相同性を有する、ポリヌクレオチドプライマー;
増幅された16S rDNA配列を検出するための検出試薬;及び
使用のための指示書
を含むキット。
20.実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物を含む食品製品又はワクチン。
21.糞便ドナーを同定する方法であって、Table 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の存在について対象の糞便試料を評価すること;Table 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の存在及び/又は存在量に基づいて糞便ドナーを同定することを含む方法。
22. FMT療法のためのドナーを同定する方法におけるTable 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌の使用。
23.対象への投与の前に糞便移植片を処理する方法であって、糞便移植片にTable 1(表1)から選択される1つ又は複数の細菌を補充することを含む方法。
【0187】
本発明は、非限定的な実施例において更に記載される。
【実施例
【0188】
(実施例1)
細菌単離物の同定及び単離
軽度~中等度の潰瘍性大腸炎を有する患者において寛解を誘導及び維持するために糞便マイクロバイオータ移植(FMT)を使用した研究からの、複数の時点にわたる患者及びドナー試料に対してメタゲノムシークエンシング及びバイオインフォマティクス解析を行った(Costelloら、2019)。研究は、健常ドナーFMTを使用して32%の臨床的な寛解率、及び自家FMTを使用して9%のプラセボ率を実証した。研究内の各々の試料について正確なマイクロバイオームプロファイル、即ち試料中の各々の細菌種の相対的な存在量を生成した。この正確なプロファイルは、Microbiotica社のDiscovery Platform、特には専有の参照ゲノムデータベースを使用して生成された。
【0189】
FMTドナー材料及び患者試料の両方のマイクロバイオームプロファイルを使用し、機械学習を使用して、ドナー材料からのいずれの細菌種がレシピエントにおいて生着したのか、及び臨床的な寛解と関連付けられるのかを決定した。選択された種をその後に異なる集合体中に入れ替えて加え、臨床応答との関連性について試験した。この効果を最大化する種の集合体を選択した。この治療的な集合体は10の細菌からなる(「集合体又は組成物A」)。
【0190】
【表2】
【0191】
細菌種は、上記において統計的有意性の順序で列記されている。
【0192】
(実施例2)
Caco-2障壁アッセイ、樹状細胞活性化、及びCD4+ T細胞極性化アッセイにおける集合体A細菌の試験
Caco-2障壁アッセイ
Caco-2障壁機能アッセイを使用して、損傷した後の上皮層を修復する細菌の能力を決定した。UCにおいて、結腸の上皮障壁は損傷して、正のフィードバックの炎症促進性状態を導入する。これは、免疫モジュレーション及び病原性種のデコロナイゼーションと並んでUCの処置における鍵となる機序である。組成物A(table 1(表1))中の細菌を、バクテロイデス・ステルコリス(配列番号8)を例外として、リポ多糖(LPS)とのインキュベーションにより引き起こされる崩壊後に、上皮完全性を回復させる能力について評価した。上皮障壁完全性は、細菌の存在又は非存在下での、Caco2細胞単層の電気抵抗を測定することにより評価した。LPSを用いて観察されるように、電気抵抗の減少は単層における崩壊及び劣化した障壁機能を含意する。興味深いことに、細菌の殆どは、LPS誘導性損傷を反転させ、上皮完全性を回復させた。上皮完全性を保護することが公知であるフェカリバクテリウム・プラウスニッツイ(Faecalibacterium prausnitzii)を陽性対照として使用した一方、上皮完全性を劣化させることが公知であるサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)を陰性対照として使用した。細菌が加えられた時間に対して全てのデータを正規化し、平均±SEMとして描写した(あらゆる細菌について3つの独立した実験)。図1に示されるように、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、クリステンセネラ科R-7群菌、セネガリマシリア嫌気性菌、プレボテラ・コプリ、バルネシエラ・インテスティニホミニス、ユーバクテリウム・ベントリオサム、及びロゼブリア・フェシスは、LPS単独で処理された細胞と比較して電気抵抗を増加させ、障壁完全性の回復を指し示した。種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。
【0193】
障壁修復実験もまたいくつかの組成物を用いて行い、該実験において、LPSでコンディショニングされたCaco2単層への曝露前に組成物中の細菌を混合した。組成物A、B、G及びHを試験した(Table 2(表2)、Table 3(表3)、Table 7(表7)及びTable 8(表8))。組成物A及びBにおいて、種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。組成物A、B、G及びHは全て、LPS単独で処理された細胞と比較して電気抵抗を増加させ、障壁完全性の回復を指し示した(データは示さず)。
【0194】
障壁完全性に影響する細菌の能力もまた評価した。この場合、Caco-2単層は、損傷を引き起こすためにLPSに曝露されなかった。Caco-2単層は、バクテロイデス・ステルコリスを例外として、組成物A中の細菌への曝露前に確立された。種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。F.プラウスニッツイ及びS.ティフィムリウムをそれぞれ陽性対照及び陰性対照として使用した。細菌曝露前の未処理の細胞についての値に対して全てのデータを正規化し、平均±SEMとして描写した(各々の細菌についての3つの独立した実験)(図2)。電気抵抗の増加により見られるような障壁機能における改善が、クリステンセネラ科R-7群菌、セネガリマシリア嫌気性菌、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラツム、バルネシエラ・インテスティニホミニス、スラッキア・イソフラボニコンベルテンス、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ及びロゼブリア・フェシスについて見られた。いくつかの組成物を用いて障壁機能実験も行い、該実験においてCaco2単層への曝露前に組成物中の細菌を混合した。組成物A、B及びC(Table 2(表2)、Table 3(表3)、及びTable 4(表4))は全て、電気抵抗の増加により見られるような障壁機能における向上を引き起こした。組成物Aにおいて、種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。
【0195】
樹状細胞活性化アッセイ
樹状細胞(DC)は、T細胞応答を調整させることにおいて重要な役割を果たす、鍵となる先天的な抗原提示細胞である。したがって、DCの成熟に対する組成物A中の10の細菌の各々の効果を評価した。種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号1、4及び9を使用した。DC成熟マーカーCD86のリポ多糖(LPS)誘導性発現、炎症促進性状態を阻害する細菌の能力を決定した。LPS刺激単独と比較された場合のマーカーCD86の低減は免疫抑制を指し示す。発現をフローサイトメトリーにより決定した。未刺激(未刺激;Unstim)DCを陰性対照として使用した。LPS条件に対して全てのデータを正規化し、平均±SEMとして描写した(細胞はあらゆる細菌について4人の異なるドナーに由来した)。図3に見られるように、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、クリステンセネラ科R-7群菌、セネガリマシリア嫌気性菌、プレボテラ・コプリ、ユーバクテリウム・ベントリオサム、バクテロイデス・ステルコリス、及びロゼブリア・フェシスは、LPS単独に曝露された場合に観察されるものより低くまで、CD86レベル、樹状細胞成熟マーカーを減少させる。CD86レベルにおけるこれらの低減は、これらの細菌種がLPS(炎症性状態)の存在下で免疫抑制効果を有することを指し示す。
【0196】
マクロファージアッセイ
腸上皮障壁の下にある、粘膜固有層中のマクロファージは、自然免疫応答における炎症促進性サイトカインTNF-αの主要な供給源でありうる(Bujkoら、2018)。これらの炎症性M1マクロファージのサイトカイン産生をTNF-α産生から遠ざけて免疫寛容原性IL-10の産生の上昇に向けて歪曲させることは、任意の新たな治療剤の鍵となる目的であろう。マクロファージにおいてサイトカイン産生を刺激する組成物A中の細菌株の能力を評価した。種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。簡潔に述べれば、マクロファージコロニー刺激因子(MCSF)を使用してヒト単球をマクロファージに分化させ、次に細菌に曝露した。LPS及びIFN-γの添加により炎症促進性M1マクロファージへの更なる分化を刺激した。TNF-α及び免疫調節性サイトカインIL-10の産生をELISAにより評価し、LPSにより誘導されるレベルと比べた倍数変化として表した。データを図4に示している。炎症性対照株、S.ティフィムリウムは、M1マクロファージを刺激して、LPSと比較して同様に増加したレベルのTNF-α及びIL-10の両方を産生させた。対照的に免疫調節性対照株、F.プラウスニッツイは、LPSと比べてTNF-αよりもIL-10におけるより高い倍数増加の産生を刺激した。組成物A中の細菌株のいずれも、LPSよりも有意に高いTNF-αの産生を刺激しなかったが、それらは全て、1.5~3倍高いIL-10を刺激した(図4)。これらの株はヒトマクロファージからのサイトカインバランスをIL-10に向けて歪曲させ、したがってより免疫調節性であることをこれは示す。
【0197】
細菌を集合体としてマクロファージ細胞とインキュベートしたこと、即ち全ての細菌を混合し、次にマクロファージと混合したことを除いて、上記のように更なるマクロファージアッセイを行った。これを組成物A、B及びC(Table 2(表2)、Table 3(表3)及びTable 4(表4))について行った。組成物A及びBにおいて、種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。別々に、対照株F.プラウスニッツイ及びS.ティフィムリウムを評価した。個々の株について観察されたものと類似した傾向が観察され、集合体はLPSと比較してより多くのIL-10産生を刺激したが、類似したレベルのTNF-αを刺激した。再び、炎症性対照株S.ティフィムリウムは、M1マクロファージからのより多くの両方のサイトカインの産生を刺激した(図5)。組成物A、B及びCはヒトマクロファージからのサイトカインバランスをIL-10に向けて歪曲させ、したがってより免疫調節性であることをこれは示す。
【0198】
CD4+ T細胞極性化アッセイ
ある特定のT細胞集団は免疫抑制のために重要である。制御性T細胞(Treg)は、適応免疫系の鍵となる抑制的部分であり、腸の微小生物コミュニティーを用いた免疫ホメオスタシスの維持において重要な役割を有する(Pandiyanら、2019)。Treg集団の増加又はその機能性の増強は、IBD患者において免疫バランスを再確立させうる。組成物A中の細菌あり又はなしでLPSに曝露されたDCを使用してメモリーT細胞の活性化を評価した。簡潔に述べれば、DCをLPS及び組成物A中の細菌に曝露し、細菌及びLPSを次に除去し、プライムされたDCをメモリーCD4+ T細胞とインキュベートし、共インキュベーションの11日後にサイトカイン産生を評価した。種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。図6は、LPS活性化DCにより極性化されたCD4+ T細胞におけるIL10産生における倍数変化を示し、ここでDCは組成物A中の細菌にも曝露されており;LPSに曝露されたDCとインキュベートされた同じT細胞と比べて倍数変化を測定している。DCのLPS処理は、未刺激のDCと比較して、IL-10産生CD4+ T細胞をプライムする能力を阻害した。しかしながら、単離された細菌へのLPSで処理されたDCの曝露はIL-10レベルを増加させ、組成物A中の全ての種はCD4+ T細胞によるIL-10産生のLPS阻害を反転させることを示唆した。IL-10産生におけるそのような増加は、Tregの免疫調節性Tr1型の拡大増殖又はTr1細胞へのCD4+ T細胞の分化を指し示す(Roncaroloら、2014)。
【0199】
いくつかの組成物を評価し、ここでDCを組成物からの全ての細菌に同時に曝露した。組成物A、B、D、E、F及びH(Table 2(表2)、Table 3(表3)、Table 5(表5)、Table 6(表6)、Table 7(表7)及びTable 9(表9))を試験した。組成物A及びBについて、種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについてそれぞれ配列番号11、12及び13を使用した。集合体及びLPSに曝露されたDCをメモリーT細胞とインキュベートした場合、IL10産生における有意な増加が、LPSのみに曝露されたDCと共培養されたT細胞と比べて各々の集合体について見られた。各々の集合体は、Tregの拡大増殖又はその免疫調節性Tr1型への分化を誘導できたことをこれは指し示す(図7)。
【0200】
転写因子Foxp3は古典的なTregの鍵となるマーカーである(Yagiら、2004)。DCを上記のようにLPSと共にクリステンセネラ科R-7群菌に曝露し、CD4+ T細胞との共インキュベーション後に、FoxP3の発現における倍数変化を測定した(図8)。データは、8つの独立した実験の平均±SEMとして描写されている。クリステンセネラ科R-7群菌は、CD25hi Foxp3+制御性T細胞の頻度を増加させた。
【0201】
全体として、単離された細菌は制御性T細胞を拡大増殖するか、又は2種類の制御性T細胞:Foxp3+ Treg並びにTr1型のTregを生じさせ、潰瘍性大腸炎の文脈において異なる機序を通じて免疫抑制を発揮することをこれらのデータは含意する(van Herkら、2016)。
【0202】
哺乳動物細胞アッセイにおけるTable 2(表2)中の細菌種に帰せられる活性の要約をTable 10(表10)に与えている。
【0203】
【表3】
【0204】
【表4】
【0205】
【表5】
【0206】
【表6】
【0207】
【表7】
【0208】
【表8】
【0209】
【表9】
【0210】
【表10-1】
【0211】
【表10-2】
【0212】
(実施例3)
DSS誘導性大腸炎モデルにおける組成物Bの試験
IBD研究において有効な、広く使用されているマウスモデルは、その急速性、簡便性、及び制御可能性に起因してDSS誘導性(デキストラン硫酸ナトリウム)大腸炎モデルである(Kiesler、Fuss及びStrober、2015)。この疾患モデルにおいて、マウスは、飲料水中のDSSに曝露され、DSSは上皮細胞損傷を誘導して、局在化された炎症及び大腸炎表現型の発生を結果としてもたらす。DSSモデルは、UCに特徴的な多くの特徴を有する(直腸~結腸の位置、大規模な上皮損傷及び表在性炎症)。更に、このモデルはまた、体重喪失を含む、クローン病の一部の特徴を有する。
【0213】
約6週齢の、雄特定病原体フリー(specific pathogen free; SPF)のC57/BL6Nマウスを全体を通じて使用した。細菌療法(LBT)の前日まで無菌飲料水中に調製されたカナマイシン(0.4mg/ml)、硫酸コリスチン(850U/ml)、硫酸ゲンタマイシン(0.035mg/ml)、メトロニダゾール(0.215mg/ml)、バンコマイシン(0.045mg/ml)、シプロフロキサシン(0.156mg/ml)、及びアンピシリン(0.1mg/ml)の抗生物質カクテルを用いて4日間、共生マイクロバイオームを除去するためにマウスを予備コンディショニングした。マウスは、抗生物質含有水を自由に飲むことができた。DSSの追加の前に4~6日間(処置群に依存する)、マウスを抗生物質を含まない飲料水に戻した。DSSを無菌飲料水内で2%において7日間投与し、研究の残りの持続期間にわたり無菌水のみで置き換えた。
【0214】
マウスを組成物Bの2つの投薬スケジュールで処置し、投薬スケジュール1は5回の1日当たりの用量で-5日目(D-5)に開始し、D-1まで、及びD2における最終用量とした。DSS処置の開始は0日目であった。投薬スケジュール2は、D-3からD3までの組成物Bの7回の1日当たりの用量を含んだ。組成物Bの各々の1日当たりの用量を1~2×107 cfuにおいてビヒクル緩衝剤中で経口胃管栄養法により投与した。組成物B中の種ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、プレボテラ・コプリ、及びロゼブリア・フェシスについて、それぞれ配列番号1、4及び9を使用した。
【0215】
DSS投与後に、マウスを1日毎の体重喪失についてD7からD10まで大腸炎表現型の一次パラメーターとしてモニターした。20%より大きい体重喪失、重度の湿潤性尾部、下痢、低体温症、寝がち又は無応答性が判明したマウスを安楽死させ、臨床状態と共に死の時点を記録した。研究エンドポイントはDSSの投与の10日後であり、その時点において最終のマウス体重、結腸長さ、及び組織試料を取得及び記録した。
【0216】
DSS処置後8日目について、体重喪失の結果を図9に示している。2つの組成物B投薬スケジュールの有効性を、それらの関連するビヒクル対照と比較して、及び互いと比較して試験した。体重喪失が予防されたので、両方の処置群はビヒクル処置マウスと比較して優れた有効性を示した(一元配置ANOVA p<0.002)。2つの投薬(doing)スケジュールの間で有意差は見出されなかった。両方の処置スケジュールは有効であり、組成物Bは、DSS誘導性マウス大腸炎の結果としてもたらされる体重喪失を予防したことをこれは実証する。組成物BはDSS誘導性大腸炎疾患モデルにおいて疾患重症度を低減させることをこれは示す。
【0217】
組織学的分析により決定された結腸炎症と共に、結腸長さを、研究の10日目に解剖により回収されたex vivoの結腸において評価した。結腸検体をホルマリンで固定し、切片(4μm)をヘマトキシリン/エオシンで染色した。マウス大腸炎組織学インデックス(Koelnikら 2018)を使用して病理をスコア付けした。結腸における炎症は結腸長さの低減に繋がる。両方の組成物B投薬スケジュールで処置されたマウスにおいて、結腸長さは、ビヒクルで処置されたマウスにおけるよりも長く、組成物B処置は結腸炎症を低減させることを指し示した(図10)。組成物B細菌(両方の投薬スケジュール)で処置されたマウスからの結腸切片の組織学重症度スコア付けは、それぞれのビヒクル処置群について観察されたものよりも低く、組成物B処置は結腸における炎症を低減させることを再び指し示した(図11)。組成物B投薬により引き起こされた結腸長さ及び組織学スコアに対する効果は、組成物BはDSS誘導性大腸炎疾患モデルにおいて疾患重症度を低減させることを示す。
【0218】
Table 11:配列
配列番号11 ビフィドバクテリウム・アドレセンティス
【0219】
【化1】
【0220】
配列番号7 バルネシエラ・インテスティニホミニス
【0221】
【化2】
【0222】
配列番号15 プレボテラ・コプリ
【0223】
【化3】
【0224】
配列番号5 ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラツム
【0225】
【化4】
【0226】
配列番号10 スラッキア・イソフラボニコンベルテンス
【0227】
【化5】
【0228】
配列番号3 セネガリマシリア嫌気性菌
【0229】
【化6】
【0230】
配列番号12 プレボテラ・コプリ
【0231】
【化7】
【0232】
配列番号14 クリステンセネラ科R-7菌
【0233】
【化8】
【0234】
配列番号13 ロゼブリア・フェシス
【0235】
【化9】
【0236】
配列番号2 クリステンセネラ科R-7菌
【0237】
【化10】
【0238】
配列番号8 バクテロイデス・ステルコリス
【0239】
【化11】
【0240】
配列番号6 ユーバクテリウム・ベントリオサム
【0241】
【化12】
【0242】
配列番号1 ビフィドバクテリウム・アドレセンティス
【0243】
【化13】
【0244】
配列番号4 プレボテラ・コプリ
【0245】
【化14】
【0246】
配列番号9 ロゼブリア・フェシス
【0247】
【化15】
【0248】
配列番号23 バクテロイデス・ステルコリス
【0249】
【化16】
【0250】
配列番号22 バルネシエラ・インテスティニホミニス
【0251】
【化17】
【0252】
配列番号16 ビフィドバクテリウム・アドレセンティス
【0253】
【化18】
【0254】
配列番号20 ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラツム
【0255】
【化19】
【0256】
配列番号21 ユーバクテリウム・ベントリオサム
【0257】
【化20】
【0258】
配列番号17 クリステンセネラ科R-7群種
【0259】
【化21】
【0260】
配列番号19 プレボテラ・コプリ
【0261】
【化22】
【0262】
配列番号24 ロゼブリア・フェシス
【0263】
【化23】
【0264】
配列番号18 セネガリマシリア嫌気性菌
【0265】
【化24】
【0266】
配列番号25 スラッキア・イソフラボニコンベルテンス
【0267】
【化25】
【0268】
株(Srain)の配列を株についてのコンセンサス配列と共に上記に示している。
【0269】
残基はIUPACコードにしたがって呼称される。
【0270】
【表11】
【0271】
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図2
図3
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図10
図11
【配列表】
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【国際調査報告】