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特表2023-545411LIDARシステムにおける位相障害を補償する技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】LIDARシステムにおける位相障害を補償する技術
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/493 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
G01S7/493
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520488
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 US2021052700
(87)【国際公開番号】W WO2022076225
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】63/087,432
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/234,460
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521095112
【氏名又は名称】エヴァ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100119792
【弁理士】
【氏名又は名称】熊崎 陽一
(72)【発明者】
【氏名】ビスワナサ クマール バルガブ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ペリン ホセ
(72)【発明者】
【氏名】ムートリ ラジェンドラ ツシャール
(72)【発明者】
【氏名】レズク ミナ
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084AA10
5J084AC02
5J084BA03
5J084BA48
5J084BB04
5J084BB14
5J084BB16
5J084BB20
5J084BB28
5J084BB31
5J084CA08
5J084CA27
5J084CA29
5J084CA31
5J084CA48
5J084CA49
5J084DA01
5J084DA08
5J084DA09
5J084EA13
5J084FA01
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】ターゲットに向けて第1の光ビームを送信し、ターゲットから第2の光ビームを受信して受信光ビームを生成し、局部発振器(LO)信号、第1の光検出器および受信光ビームを用いてデジタル的にサンプリングしたターゲット信号を生成し、ファイバ遅延装置および第2の光検出器を介して伝送される基準ビームを用いてデジタル的にサンプリングされた基準信号を生成し、デジタル的にサンプリングされた基準信号を用いてLIDARシステムにおける1つ以上の位相障害を推定して1つ以上の推定位相障害を生成し、局部発振器(LO)信号によってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第1の位相障害に対して第1の補正を行い、受信光ビームによってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第2の位相障害に対して第2の補正を行う。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出および測距(LIDAR)システムにおける位相障害を補正する方法であって、
ターゲットに向けて第1の光ビームを送信するステップと、
前記ターゲットからの第2の光ビームを受信して受信光ビームを生成するステップと、
局部発振器(LO)信号、第1の光検出器、および前記受信光ビームを用いて、デジタル的にサンプリングされたターゲット信号を生成するステップと、
ファイバ遅延装置および第2の光検出器を介して伝送される基準ビームを用いて、デジタルサンプリングされた基準信号を生成するステップと、
前記デジタルサンプリングされた基準信号を用いて、LIDARシステムの1つ以上の位相障害を推定し、1つ以上の推定位相障害を生成するステップと、
第1の位相障害は、前記局部発振器(LO)信号によって前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号に生じており、前記1つ以上の推定位相障害を用いて、前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号における前記1つ以上の位相障害からの前記第1の位相障害に対して第1の補正を行うステップと、
第2の位相障害は、前記受信光ビームによって前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号に生じており、前記1つ以上の推定位相障害を用いて、前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号における1つ以上の位相障害からの前記第2の位相障害に対して第2の補正を行うステップと、
前記第1および第2の補正を処理して、ポイントクラウドに送信するための補正されたターゲット信号を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
ゼロフォース推定器、MMSE推定器、最尤推定器、およびマップ推定器のうちの少なくとも1つを用いて前記1つ以上の位相障害を推定する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の位相障害の推定に少なくとも部分的に基づいて形成された1つ以上のフィルタを用いて前記第1の補正を行う方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記受信光ビームを複数のデジタル遅延器を通して遅延させ、かつ、最適な遅延を選択するブルートフォース遅延補正フィルタを用いて前記第2の補正を行う方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記複数のデジタル遅延の高速フーリエ変換(FFT)を実行し、最も高いピークを持つ遅延を選択することにより、最適な遅延を選択する方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記受信光ビームを異なるデジタル遅延で繰り返し遅延させる反復遅延補正フィルタを用いてピークが収束するまで補正することにより前記第2の補正を行う方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
デスキュー補償補正フィルタを用いることにより前記第2の補正を行う方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
複数の異なるファイバ遅延装置を介して伝送される基準ビームを用いて、複数のデジタルサンプリングされた基準信号を生成し、各ファイバ遅延装置は、それぞれの光検出器と接続されていることを、さらに含む方法。
【請求項9】
光検出および測距(LIDAR)システムは、
ターゲットに対して第1の光ビームを照射する光ビーム源と、
前記ターゲットからの受信光ビームおよび局部発振器(LO)信号を受信し、デジタルサンプリングされたターゲット信号を生成する第1の検出器と、
既知の長さを有し、前記光ビーム源に結合されたファイバ遅延装置と、
前記ファイバ遅延装置に結合されており、前記ファイバ遅延装置を介して伝送される基準ビームを用いてデジタルサンプリングされた基準信号を生成する第2の検出器と、
前記デジタルサンプリングされた基準信号を用いて前記LIDARシステムの1つ以上の位相障害を推定し、1つ以上の推定位相障害を生成する位相障害推定器と、
前記局部発振器(LO)信号によってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第1の位相障害を補正する第1の位相障害補正器と、
前記受信光ビームによって前記デジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第2の位相障害を補正する第2の位相障害補正器と、を備えているシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記1つ以上の位相障害を推定するためのゼロフォース推定器、MMSE推定器、最尤推定器、およびマップ推定器のうちの少なくとも1つをさらに備えているシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、
前記第1の位相障害補正器は、前記第1の位相障害の推定に少なくとも部分的に基づいて形成された1つ以上のフィルタを備えているシステム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムであって、
前記第2の位相障害補正器は、前記受信光ビームを複数のデジタル遅延で遅延させ、かつ、最適な遅延を選択するブルートフォース遅延補正フィルタを備えているシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記複数のデジタル遅延の高速フーリエ変換(FFT)を実行し、最も高いピークを有する遅延を選択することにより、最適な遅延を選択することを含むシステム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムであって、
前記第2の位相障害補正器は、ピークが収束するまで、異なるデジタル遅延を介して前記受信光ビームを繰り返し遅延させる反復遅延補正フィルタを備えているシステム。
【請求項15】
請求項9に記載のシステムであって、
前記第2の位相障害補正器は、デスキュー補償補正フィルタを備えているシステム。
【請求項16】
請求項9に記載のシステムであって、
前記ファイバ遅延装置は、距離が遠いターゲットからの反射がより遅延し、距離が近いターゲットからの反射がより遅延しないように、受信光ビームの周波数に比例した遅延を生成するシステム。
【請求項17】
請求項9に記載のシステムであって、
デジタルサンプリングされた複数の基準信号を生成するための複数の異なるファイバ遅延素子および光検出器をさらに備えているシステム。
【請求項18】
光検出および測距(LIDAR)システムにおける位相障害を補正する方法であって、該方法は、
局部発振器(LO)信号、第1の光検出器、およびターゲットから反射された受信光ビームを用いて、デジタル的にサンプリングされたターゲット信号を生成するステップと、
ファイバ遅延装置および第2の光検出器を介して伝送される基準ビームを用いて、デジタルサンプリングされた基準信号を生成するステップと、
前記局部発振器(LO)信号によってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第1の位相障害を推定するステップと、
前記受信光ビームによってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第2の位相障害を推定するステップと、
前記第1の位相障害を補正する第1の補正を行うステップと、
前記第2の位相障害を補正する第2の補正を行うステップと、
を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記第2の位相障害を推定するステップは、
ゼロフォース推定器、MMSE推定器、最尤推定器、およびマップ推定器のうちの少なくとも1つを用いる方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
前記第2の補正を行うステップは、
前記受信光ビームを複数のデジタル遅延で遅延させ、かつ、最適な遅延を選択するブルートフォース遅延補正フィルタを用いることと、
前記受信光ビームを異なるデジタル遅延を介して繰り返し遅延させる反復遅延補正フィルタを用いて、ピークが収束するまで補正することと、あるいは、デスキュー補償補正フィルタを用いることと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2021年4月19日に出願された米国特許出願第16/994,325号および2020年10月5日に出願された米国仮特許出願第63/087,432号の優先権を主張するものであり、それら全内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本開示は、光検出および測距(LIDAR)システムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の周波数変調連続波(FMCW)LIDARシステムには、レーザの位相ノイズ、回路の位相ノイズ、レーザの駆動用電子部品が発するフリッカノイズ、温度/天候によるドリフト、チャープレートオフセットなどの位相障害が含まれている。これらの障害は、検出確率の低下、誤警報および距離/速度のバイアスの増加を引き起こし、さらに、推定ターゲット距離/速度の誤差の増加を引き起こす。
【0004】
本開示は、特に、システムに基準チャンネルを追加して予め決められた距離のターゲットをエミュレートし、基準チャネルに基づいて位相障害を推定し、推定された位相障害に基づいて信号を補正するLIDARシステムおよび方法の様々な実施形態ついて説明する。
本発明の実施形態は、位相障害を推定する機能と、リターン信号における位相障害を補償する機能とを含む。
このような障害には、例えば、レーザ位相ノイズ、回路位相ノイズ、フリッカノイズ、温度や天候によるドリフト、チャープレートオフセットなどに基づくものがあり、検出確率の低下、誤報の増加、さらに、距離・速度の偏りや距離・速度誤差の増大を招くような距離・速度の誤推定を招くことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によれば、本開示は、光検出および測距(LIDAR)システムにおける位相障害を補正する方法に関する。
該方法は、ターゲットに向けて第1の光ビームを送信するステップと、前記ターゲットからの第2の光ビームを受信して受信光ビームを生成するステップと、局部発振器(LO)信号、第1の光検出器、および前記受信光ビームを用いて、デジタル的にサンプリングされたターゲット信号を生成するステップと、さらに、ファイバ遅延装置および第2の光検出器を介して伝送される基準ビームを用いて、デジタルサンプリングされた基準信号を生成するステップと、を含む。
該方法はまた、デジタルサンプリングされた基準信号を用いて、LIDARシステムの1つ以上の位相障害を推定し、1つ以上の推定位相障害を生成するステップを含む。該方法はまた、第1の位相障害は、前記局部発振器(LO)信号によって前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号に生じており、前記1つ以上の推定位相障害を用いて、前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号における前記1つ以上の位相障害からの前記第1の位相障害に対して第1の補正を行うステップを含む。該方法はまた、第2の位相障害は、前記受信光ビームによって前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号に生じており、前記1つ以上の推定位相障害を用いて、前記デジタル的にサンプリングされたターゲット信号における1つ以上の位相障害からの前記第2の位相障害に対して第2の補正を行うステップを含む。当該方法はまた、前記第1および第2の補正を処理して、ポイントクラウドに送信するための補正されたターゲット信号を生成するステップを含む。
一実施形態では、ゼロフォース推定器、MMSE推定器、最尤推定器、およびマップ推定器のうちの少なくとも1つを用いることにより、前記1つ以上の位相障害を推定することを含む。一実施形態では、前記第1の位相障害の推定に少なくとも部分的に基づいて形成された1つ以上のフィルタを用いることにより、前記第1の補正を行うことを含む。一実施形態では、前記受信光ビームを複数のデジタル遅延器を通して遅延させ、かつ、最適な遅延を選択するブルートフォース遅延補正フィルタを用いることにより、前記第2の補正を行うことを含む。一実施形態では、前記複数のデジタル遅延の高速フーリエ変換(FFT)を実行し、最も高いピークを持つ遅延を選択することにより、最適な遅延を選択することを含む。一実施形態では、前記受信光ビームを異なるデジタル遅延で繰り返し遅延させる反復遅延補正フィルタを用いて、ピークが収束するまで補正することにより、前記第2の補正を行うことを含む。一実施形態では、デスキュー補償補正フィルタを用いることにより、前記第2の補正を行うことを含む。
一実施形態では、当該方法はまた、複数の異なるファイバ遅延装置を介して伝送される基準ビームを用いて複数のデジタルサンプリングされた基準信号を生成し、各ファイバ遅延装置はそれぞれの光検出器と接続されていることを含む。
【0006】
別の側面によれば、本開示は、以下を含む光検出および測距(LIDAR)システムに関する。
当該システムは、ターゲットに対して第1の光ビームを照射する光ビーム源と、前記ターゲットからの受信光ビームおよび局部発振器(LO)信号を受信し、デジタルサンプリングされたターゲット信号を生成する第1の検出器と、既知の長さを有し、前記光ビーム源に結合されたファイバ遅延装置と、前記ファイバ遅延装置に結合されており、前記ファイバ遅延装置を介して伝送される基準ビームを用いてデジタルサンプリングされた基準信号を生成する第2の検出器と、前記デジタルサンプリングされた基準信号を用いて前記LIDARシステムの1つ以上の位相障害を推定し、1つ以上の推定位相障害を生成する位相障害推定器と、前記局部発振器(LO)信号によってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第1の位相障害を補正する第1の位相障害補正器と、前記受信光ビームによって前記デジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第2の位相障害を補正する第2の位相障害補正器と、を備えている。
一実施形態では、当該システムは、前記1つ以上の位相障害を推定するためのゼロフォース推定器、MMSE推定器、最尤推定器、およびマップ推定器のうちの少なくとも1つをさらに備えている。一実施形態では、前記第1の位相障害補正器は、前記第1の位相障害の推定に少なくとも部分的に基づいて形成された1つ以上のフィルタを備えている。一実施形態では、前記第2の位相障害補正器は、前記受信光ビームを複数のデジタル遅延で遅延させ、かつ、最適な遅延を選択するブルートフォース遅延補正フィルタを備えている。一実施形態では、最適な遅延を選択することは、前記複数のデジタル遅延の高速フーリエ変換(FFT)を実行し、最も高いピークを有する遅延を選択することを含む。一実施形態では、前記第2の位相障害補正器は、ピークが収束するまで、異なるデジタル遅延を介して受信光ビームを繰り返し遅延させる反復遅延補正フィルタを備えている。一実施形態では、前記第2の位相障害補正器は、デスキュー補償補正フィルタを備えている。一実施形態では、ファイバ遅延装置は、距離が遠いターゲットからの反射がより遅延し、距離が近いターゲットからの反射がより遅延しないように、受信光ビームの周波数に比例した遅延を生成する。一実施形態では、当該システムはまた、デジタルサンプリングされた複数の基準信号を生成するための複数の異なるファイバ遅延素子および光検出器を備える。
【0007】
別の側面によれば、本開示は、光検出および測距(LIDAR)システムにおける位相障害を補正するための方法に関するものである。
該方法は、局部発振器(LO)信号、第1の光検出器、およびターゲットから反射された受信光ビームを用いて、デジタル的にサンプリングされたターゲット信号を生成するステップと、ファイバ遅延装置および第2の光検出器を介して伝送される基準ビームを用いて、デジタルサンプリングされた基準信号を生成するステップと、前記局部発振器(LO)信号によってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第1の位相障害を推定するステップと、前記受信光ビームによってデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた第2の位相障害を推定するステップと、前記第1の位相障害を補正する第1の補正を行うステップと、前記第2の位相障害を補正する第2の補正を行うステップと、を含む。
一実施形態では、前記第2の位相障害を推定するステップは、ゼロフォース推定器、MMSE推定器、最尤推定器、およびマップ推定器のうちの少なくとも1つを用いることを含む。
一実施形態では、前記第2の補正を行うステップは、前記受信光ビームを複数のデジタル遅延で遅延させ、かつ、最適な遅延を選択するブルートフォース遅延補正フィルタを用いることと、前記受信光ビームを異なるデジタル遅延を介して繰り返し遅延させる反復遅延補正フィルタを用いて、ピークが収束するまで補正することと、あるいは、デスキュー補償補正フィルタを用いることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の種々の態様を明確にするために、後述の詳細な説明(実施形態)で参照される図面を示す。なお、図中の同一の符号は同一の要素である。
【0009】
図1】本開示の実施形態に従った例示的なLIDARシステムを示す。
【0010】
図2】本開示の実施形態によるLIDAR波形が検出および処理される方法を示す時間周波数図である。
【0011】
図3】本開示の実施形態によって検出可能な位相の様々な高速変動を示す。
【0012】
図4】本開示の実施形態によって検出可能な位相の様々な低速変動を示す。
【0013】
図5】本開示の実施形態によって検出可能な様々なチャープレートオフセットを示す。
【0014】
図6】本開示の実施形態による基準アームを備えた例示的なLIDARシステムのブロック図である。
【0015】
図7】本開示の実施形態によるデジタル信号処理アーキテクチャを示す。
【0016】
図8】本開示のいくつかの実施形態によるリターン信号からの障害を補正するための例示的なシステムを示す。
【0017】
図9】本開示のいくつかの実施形態による複数の遅延を用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
【0018】
図10】本開示のいくつかの実施形態による反復遅延補正フィルタを用いて位相障害を修正するための例示的なシステムを示す。
【0019】
図11】本開示のいくつかの実施形態によるデスキュー補償補正フィルタを用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
【0020】
図12】本開示のいくつかの実施形態によるジョイント障害補正器およびピーク検出器を用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
【0021】
図13】本開示のいくつかの実施形態による複数の基準チャネルを用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
【0022】
図14】本開示の一実施形態によるLIDARシステム内の位相障害を補正するための例示的な方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態による、位相障害を補償するLIDARシステムおよびその方法について説明する。
本発明の実施形態におけるLIDARシステムは、輸送、製造、計測、医療、拡張現実(AR)、仮想現実(バーチャル・リアリティ)、セキュリティシステムなど、任意のセンシング市場において実施することができるが、これらに限定されるものではない。
その他、実施形態で説明されるLIDARシステムは、自動運転支援システムや自動運転車の空間認識を支援する周波数変調連続波(FMCW)デバイスのフロントエンドの一部として実装される。
【0024】
図1は、一実施態様によるLIDARシステム100を示している。
LIDARシステム100は、複数の構成要素のいずれか1つまたは複数を含むが、図1に示すよりも少ない構成要素または追加の構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、図1に示された構成要素の1つ以上は、フォトニクスチップ上に実装することができる。光学回路101には、能動光学的構成要素と受動光学的構成要素との組み合わせが含まれている。いくつかの例では、能動光学的構成要素は、異なる波長の光ビームを有し、1つ以上の光増幅器、1つ以上の光検出器などを含んでいる。
【0025】
自由空間光学系115には、光信号を伝送し、能動光回路の適切な入力/出力ポートに光信号をルーティングして操作するための1つ以上の光導波路が含まれている。
自由空間光学系115には、タップ、波長分割マルチプレクサ(WDM)、スプリッタ/コンバイナ、偏光ビームスプリッタ(PBS)、コリメータ、カプラなどの1以上の光学的構成要素が含まれている。
一態様では、自由空間光学系115には、偏光状態を変換し、受信した偏光を、例えば、PBSを用いて光検出器に導くための構成要素が含まれている。また、自由空間光学系115には、異なる周波数を有する光ビームを軸(例えば、高速軸)に沿って異なる角度で偏向させる回折素子がさらに含まれる場合がある。
【0026】
本実施形態のLIDARシステム100は、1つ以上のスキャニングミラーを有する光スキャナ102を備えている。これらのスキャニングミラーは、スキャニングパターンに従って環境をスキャンする光信号を誘導するために、回折素子の速軸に直交または実質的に直交する軸(例.低速軸)に沿って回転可能になっている。例えば、スキャニングミラーは、1つ以上のガルバノメータによって回転可能である。ターゲット環境内の物体は、入射光を散乱させてリターン光ビームやターゲットリターン信号にすることがある。
また、光スキャナ102は、リターン光ビームまたはターゲットリターン信号を収集し、これは光学回路101の光回路構成要素に戻される場合がある。例えば、リターン光ビームは、偏光ビームスプリッタによって光検出器に向けられる。なお、光スキャナ102には、ミラーやガルバノメータに加えて、1/4波長板、レンズ、反射防止コーティングされた光学窓などが含まれる場合がある。
【0027】
LIDARシステム100には、光学回路101および光スキャナ102を制御およびサポートするために、LIDAR制御装置110が設けられている。LIDAR制御装置110には、LIDARシステム100に必要な処理装置が含まれている。
一態様では、処理装置は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理装置であり、具体的には、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサである。
また、上記処理装置は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:現場プログラム可能ゲートアレイ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等の特殊用途処理装置の1つ以上であってもよい。
【0028】
一態様では、LIDAR制御装置110には、DSPなどの信号処理ユニット112が設けられる。これにより、LIDAR制御装置110は、光学ドライバ103を制御するためのデジタル制御信号を出力する。そのデジタル制御信号は、信号変換ユニット106を介してアナログ信号に変換される。たとえば、信号変換ユニット106には、デジタル/アナログ変換器が含まれる。
光学ドライバ103は、光学回路101の能動光学的構成要素に駆動信号を供給し、レーザや増幅器などの光源を駆動する。一態様では、複数の光源を駆動するために、複数の光学ドライバ103および信号変換ユニット106を設けてもよい。
【0029】
LIDAR制御装置110はまた、光スキャナ102に対してデジタル制御信号を出力するように構成されている。モーション制御装置105は、LIDAR制御装置110から受信した制御信号に基づいて、光スキャナ102のガルバノメータを制御することができる。具体的には、デジタル/アナログ変換器を用いて、LIDAR制御装置110からの座標ルーティング情報を、光スキャナ102のガルバノメータによって処理可能な信号に変換することができる。
一態様では、モーション制御装置105は、光スキャナ102の構成要素の位置または動作に関する情報をLIDAR制御装置110に送り返すこともできる。具体的には、アナログ/デジタル変換器を用いて、ガルバノメータの位置に関する情報をLIDAR制御装置110が処理可能な信号に変換することができる。
【0030】
LIDAR制御装置110は、さらに、入力されたデジタル信号を解析するように構成されている。これに関連して、LIDARシステム100には、光学回路101によって受信された1つ以上のビームを測定するための光受信器104が設けられている。具体的には、光受信器104としての基準ビーム受信器は、能動光学的構成要素からの基準ビームの振幅を測定し、アナログ/デジタル変換器により、同基準ビーム受信器からの信号を、LIDAR制御装置110によって処理可能な信号に変換する。
また、光受信器104としてのターゲット受信器は、ビート周波数変調光信号の形でターゲットの距離と速度に関する情報を搬送する光信号を計測する。この場合、光信号の反射ビームは、局部発振器からの信号と混合されてもよい。光受信器104には、ターゲット受信器からの信号をLIDAR制御装置110によって処理可能な信号に変換する高速アナログ/デジタル変換器を設けることができる。
一態様では、光受信器104からの信号は、LIDAR制御装置110に受信される前に、信号調整ユニット107による信号調整の対象となり得る。たとえば、光受信器104からの信号は、リターン信号の増幅のために信号調整ユニット107のオペアンプに供給され、そのオペアンプによって増幅された信号がLIDAR制御装置110に供給されるようにしてもよい。
【0031】
一部のアプリケーションでは、LIDARシステム100には、環境の画像をキャプチャするように構成された1つ以上の撮像装置108、同システムの地理的位置を提供するように構成された全地球測位システム(GPS)109、または他のセンサ入力を追加的に設けることもできる。
また、LIDARシステム100には画像処理装置114を設けることができる。この場合、同画像処理装置114は、撮像装置108および全地球測位システム(GPS)109から画像および地理的位置を受信し、画像および位置またはそれに関連する情報を、LIDAR制御装置110またはそれに接続された他のシステムに送信するように構成することができる。
【0032】
いくつかの実施例による動作では、LIDARシステム100は、非縮退光学光源を用いて2次元で距離および速度を同時に測定するように構成される。この機能により、周囲環境の距離、速度、方位角および高さ(標高)について遠距離測定がリアルタイムで可能になる。
【0033】
いくつかの例では、スキャニングプロセスは、光学ドライバ103およびLIDAR制御装置110から開始される。LIDAR制御装置110は、光学ドライバ103に1つ以上の光ビームをそれぞれ変調するように指示し、これらの変調信号は光学回路101の受動光学回路を通って自由空間光学系115のコリメータに伝送される。同コリメータは、上記変調信号を光スキャナ102に誘導し、光スキャナ102はモーション制御装置105で事前にプログラムされたパターンで環境をスキャンする。
光学回路101には、光が光学回路101を出る際に光の偏光状態を変換する偏光波長板(PWP)を設けてもよい。偏光された光ビームの一部は、光学回路101に戻るように反射される場合もある。たとえば、LIDARシステム100で用いられるレンズ系またはコリメート系は、自然な反射特性または反射コーティングを有する場合があり、これにより光ビームの一部が光学回路101に反射される。
【0034】
環境から反射された光信号は、光学回路101を通して受信器(光受信器104)に送られる。このとき、光の偏光状態は変換されているため、光学回路101に反射して戻ってきた偏光光の一部とともに偏光ビームスプリッタで反射される。その結果、反射された光信号は、光源と同じ光ファイバまたは導波路には戻らず、それぞれ別の光受信器に反射される。これらの信号は互いに干渉し、合成された信号を生成する。
ターゲットから戻ってくる各ビーム信号は、時間シフトされた波形を生成し、これら2つの波形間の時間的位相差によって光受信器(光検出器)で計測されるビート周波数が生成される。そして、その合成された信号は光受信器104に反射させることができる。
【0035】
光受信器104で受信したアナログ信号は、ADC(アナログ/デジタル変換器)によりデジタル信号に変換される。次いで、同デジタル信号は、LIDAR制御装置110に送信される。同装置の信号処理ユニット112は、同デジタル信号を受信しそれらを処理する。
一態様では、信号処理ユニット112は、モーション制御装置105およびガルバノメータ(図示されない)から位置データを受信し、画像処理装置114から画像データを受信する。これにより、信号処理ユニット112は、光スキャナ102が追加ポイントをスキャンする際に、環境内のポイントの距離と速度に関する情報を有する3Dポイントクラウドを生成することができる。
信号処理ユニット112はまた、3Dポイントクラウドを画像データと重ね合わせて、周囲の物体の速度および距離を決定する場合もある。
このシステムはさらに衛星ベースのナビゲーション位置データを処理して正確な全地球的位置情報を提供する場合もある。
【0036】
図2は、一実施形態において、LIDARシステム100のようなLIDARシステムがターゲット環境をスキャンするために使用可能なFMCWスキャニング信号201の時間-周波数図200である。この例において、fFM(t)と表示されたFMCWスキャニング信号201は、チャープ帯域幅ΔfCおよびチャープ周期TCを持つ鋸歯状波形(鋸歯「チャープ」)である。鋸歯の傾きは、k=(ΔfC/ TC)である。
図2にはまた、一実施形態におけるターゲットリターン信号202が示される。fFM(t-Δt)で示されるターゲットリターン信号202は、FMCWスキャニング信号201の時間遅延バージョンであり、Δtは、FMCWスキャニング信号201によって照射されたターゲットとの間の往復時間である。この往復時間はΔt=2R/v で与えられる。ここで、Rはターゲットの距離、vは光ビームの速度である光速cである。
したがって、同ターゲットの距離Rは、R=c(Δt/2) として計算できる。
ターゲットリターン信号202がFMCWスキャニング信号と光学的に混合されると、距離依存の差周波数(「ビート周波数」)ΔfR(t)が生成される。ビート周波数ΔfR(t)は、鋸歯の傾きkによって時間遅延Δtと線形の関係にある。
つまり、ΔfR(t)=kΔtとなる。ターゲットの距離RはΔtに比例するので、ターゲットの距離RはR=(c/2)(ΔfR(t)/k)として算出することができる。つまり、距離Rはビート周波数ΔfR(t)と線形の関係にある。
ビート周波数ΔfR(t)は、たとえば、LIDARシステム100の光受信器104でアナログ信号として生成される。このビート周波数は、たとえば、LIDARシステム100の信号調整ユニット107内のアナログ/デジタル変換器(ADC)によってデジタル化される。このようにしてデジタル化されたビート周波数信号は、LIDARシステム100内の信号処理ユニット(例えば、信号処理ユニット112)でデジタル処理される。
ただし、ターゲットがLIDARシステム100に対して相対速度を有する場合、ターゲットリターン信号202には一般に周波数オフセット(ドップラーシフト)が含まれることに注意する必要がある。ドップラーシフトは別途検出されてリターン信号の周波数を補正するために使用されるため、図2では簡略化と説明の容易化のためドップラーシフトは表示されていない。
また、ADCのサンプリング周波数は、エイリアシングを発生させずにシステムで処理可能な最高のビート周波数に決定されることに注意する必要がある。一般的に処理可能な最高周波数はサンプリング周波数の半分(すなわち「ナイキスト限界」)である。
例えば、限定はしないが、ADCのサンプリング周波数が1ギガヘルツである場合、エイリアシングなしで処理できる最高ビート周波数(ΔfRmax)は500メガヘルツである。この限界は、システムの最大ターゲット距離Rmax=(c/2)(ΔfRmax/k)で決まり、これは鋸歯の傾きkを変更することによって調整することができる。
一例では、ADCからのデータサンプルは連続的であってもよいが、後述する後続のデジタル処理は、LIDARシステム100の所定の周期性に関連付けることができる「時間セグメント」に分割することができる。たとえば、限定はしないが、時間セグメントは、チャープ周期TCの数、または前述の光スキャナによる方位角方向の回転数に対応する。
【0037】
図3は、本発明の実施形態によって検出することができる位相の様々な高速変動、すなわち位相障害を例示するグラフである。
本実施形態では、スキャニング信号Txの変動が301で示され、リターン信号Rxの変動が303で示されている。図3に示すように、とりわけ、レーザ位相ノイズ、回路位相ノイズ、およびフリッカノイズの変動は、図1に示されているような構成要素を用いて、本発明の実施形態によって説明されるLIDARシステムによって検出することができる。
【0038】
図4は、本発明の実施形態によって検出することができる位相の様々な低速変動を示す。
本実施形態では、スキャニング信号Txの変動が401で示され、リターン信号Rxの変動が403で示されている。図4に示すように、とりわけ、温度の変動は、図1に描かれているような構成要素を用いて、本発明の実施形態によって説明されるLIDARシステムによって検出することができる。
【0039】
図5は、本発明の実施形態によって検出できる様々なチャープレートオフセットを示す。
本実施形態では、スキャニング信号Txの変動が501で示され、リターン信号Rxの変動が503で示されている。図5に示すように、とりわけ、レーザーキャリブレーションおよび/または構成要素の経時劣化によって引き起こされるオフセットは、図1に示されるような構成要素を用いて、本発明の実施形態によって説明されるLIDARシステムによって検出することができる。
【0040】
図6は、本開示の実施形態による、基準アーム627を有する例示的なLIDARシステムのブロック図である。
図6に示すように、いくつかの実施形態によれば、1つ以上の基準アーム627をLIDARシステムに追加して、本明細書で説明する送信信号における位相障害を推定するために使用することができるデジタル的にサンプルされた基準信号626を生成することができる。
この態様では、基準アーム627は、ターゲット(例えば、ターゲット607)に対応するデジタル的にサンプリングされた基準信号626を、ターゲットからの受信信号上の位相障害と同様の位相障害を有する既知の遅延で作成する。デジタル的にサンプリングされた基準信号626は、その後の補正のために位相障害の推定に用いられる。
例えば、一態様では、システムは、FMCWレーザ源などのビーム源601を含む。ターゲットアーム605は、スキャニング信号603がターゲット607に向かう途中で通過する複数の光学的構成要素(例えば、レンズまたはフィルタ)を含む。
リターン信号609は、ターゲット607から反射され、光検出器611に導かれる。本実施形態では、スキャニング信号603の一部である局部発振器(LO)信号613は、ターゲット607に送出される前に光検出器611に導かれる。光検出器611から、デジタル的にサンプリングされたターゲット信号616は、その後、ターゲットADC615を経て、DSP617に至る。
【0041】
この実施形態で示されているように、基準アーム627は、スキャニング信号603の信号部分619を受信し、これは光検出器621に直接提供され、あるいは、既知の長さおよび/または遅延を持つ遅延装置623を通過した後に提供される。
一態様では、信号部分619は、スキャニング信号603がターゲットアーム605の光学的構成要素を介して同時に送信されると、光検出器621によって受信される。一態様では、信号部分619は、スキャニング信号603がターゲットアーム605の光学的構成要素を介して送信された後に光検出器621によって受信される。一態様では、遅延装置623は、ファイバ遅延装置などとすることができる。一態様では、遅延装置623は、既知の距離で仮想ターゲット(例えば、ファイバ-ターゲット)を作成することができる既知の長さを有するファイバ-コイルを含む。
【0042】
シナリオによっては、仮想ターゲットの距離を予め決めておくことができる。基準遅延の出力における光信号は、図2に描かれたターゲットリターン信号202と同じ特性を有する。一態様では、図2で説明したのと同様の方法で、本明細書で説明する仮想ターゲットは、スキャニング信号603の時間遅延バージョンであるリターン信号609を生成する。リターン信号609がスキャニング信号603と光学的に混合されると、基準距離依存の差周波数(「基準ビート周波数」)が生成される。一態様では、基準ビート周波数は、次に、例えば図1において本明細書に記載された手順を用いてデジタル化および条件付けされる。このデジタルサンプリングされた基準信号626は、ターゲットからの受信信号と同じ位相障害の特徴を有する。
基準アーム627によって生成されたデジタル的にサンプリングされた基準信号626と、本開示の実施形態によって説明される位相障害補正器(以下でより詳細に説明する)とに少なくとも部分的に基づく位相障害推定器は、ターゲットに向かって送信された信号(すなわち、「ターゲット」信号)およびそこから受信した信号(すなわち、「受信」信号)における位相障害を補償することができる。
【0043】
光検出器621から、基準信号626は、その後、基準ADC625を経て、DSP617に至る。図6に示すように、本発明の実施形態は、リターン信号609、局部発振器(LO)信号613、デジタルサンプリングされたターゲット信号616、およびデジタルサンプリングされた基準信号626を含む様々な信号の送受信に基づいてポイントクラウドデータ629を生成する。
【0044】
上述したように、デジタルサンプリングされたターゲット信号616の位相障害は、局部発振器(LO)信号613から取り入れられる障害と、リターン信号609から取り入れられる障害という2つの成分を含む。これらの障害の両方は、以下でより詳細に説明するように、本明細書で説明する実施形態によって様々な方法で補正される。
例えば、図14は、両方のタイプの位相障害を補正するための技術を説明し、図7~8は、本開示の実施形態に従って、局部発振器(LO)信号613から生じた位相障害を補正するための技術を説明し、図9~12は、リターン信号609から生じた位相障害を補正する技術を説明する。
【0045】
図7は、本発明の実施形態に係るデジタル信号処理アーキテクチャを示す。
一態様では、図7に記載される信号処理アーキテクチャは、図1に示される信号処理ユニット112内の構成要素に対応している。図7に示すように、いくつかの実施形態によれば、デジタル信号処理アーキテクチャは、1つ以上の基準ADC701およびターゲットADC705とともに、位相障害推定器703および位相障害補正器707を備えている。図7に示すように、デジタル信号処理アーキテクチャはまた、時間領域フィルタ709、時間-周波数領域変換器711(たとえば、FFT)、周波数領域フィルタ713、およびピーク検出部715を備えている。このアーキテクチャで処理される位相障害には、先に述べたものを含め、様々な位相障害がある。
図7に描かれているように、いくつかの実施形態によれば、デジタル信号処理アーキテクチャは、ポイントクラウドデータ717のようなデータを生成し、処理する。図7に描かれているように、いくつかのシナリオでは、時間領域フィルタ709、時間-周波数領域変換器711、周波数領域フィルタ713、およびピーク検出部715によって実行されるものなど、1つ以上のデジタル信号処理手順が実行される前に補正を実行することができる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、位相障害推定器703は、いくつかの異なるアプローチを用いて位相障害を推定することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、位相障害推定器703は、実施形態によって説明される基準アームの逆周波数応答に等しい周波数応答を有するフィルタに基準位相を通す「ゼロフォーシング」推定を使用することができる。いくつかの実施形態では、位相障害推定器703は、基準アームの周波数応答が一般に弱い周波数の付近で、ゼロフォーシング推定に起因するノイズ増幅を軽減することができる最小平均二乗推定(MMSE)を用いることができる。一態様では、位相障害推定器703は、所定期間にわたって収集された位相障害に関連する統計データに少なくとも部分的に基づくことができる最尤/MAP推定を用いることができる。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、位相障害補正器707は、いくつかの異なるアプローチを用いてリターン信号の位相障害を補正することができる。リターン信号の位相障害は、リターン信号だけでなく、局部発振器(LO)信号からも生じている障害で構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、位相障害補正器707は、リターン信号経路だけでなく、局部発振器(LO)信号に起因して生じる位相障害成分を補正することができ、これについては、以下でより詳細に説明する。
【0048】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、局部発振器(LO)信号から生じる障害を補正するための例示的なシステムを示す。
一態様では、位相障害推定器801は、本明細書に開示されるように、位相障害を推定することができ、これらの障害は、推定された位相障害に基づいて成形されたフィルタタップを有する補正フィルタ807を用いて補正することができる。一態様では、フィルタタップの形状は、位相障害推定器801に基づいてフィルタタップ計算モジュール803を用いて計算することができる。
【0049】
一態様では、フィルタタップは、位相ノイズの障害をキャンセルまたは均等化し、および/または推定の不正確さによるノイズ増幅を軽減するように形成することができる。いくつかのシナリオでは、位相障害の瞬時推定値が利用できない場合、実施形態は、位相障害の平均パワースペクトル密度(PSD)に従って形成されるマッチドフィルタタップ805を用いることができる。あるシナリオでは、位相障害の瞬時推定値が利用できない場合、実施形態では、周波数間の位相障害帯域幅の変動を考慮するために、異なる周波数で異なるタップおよび/または形状を有する補正用マッチドフィルタを用いることができる。
【0050】
一態様では、補正フィルタ807は、リターン信号を受信することができ、また、位相障害推定器801によって計算されたフィルタタップ計算モジュール803によって提供される入力、および/または平均PSDにマッチングされたマッチドフィルタタップ805によって提供される入力を受け取ることができる。これらの入力に基づき、補正フィルタ807は、補正されたリターン信号を生成することができる。
【0051】
一態様では、本明細書に記載のシステムおよび構成要素は、ターゲットからの受信信号から生じたリターン信号上の障害を補正することができる。あるシナリオでは、受信信号は、ターゲット遅延に等しい遅延を有する。一態様では、受信信号からの位相障害を補正することは、補正フィルタを実行する前に遅延を補償することを含む。様々な実施形態によって使用されるアプローチは、複数の遅延を用いるブルートフォース遅延補正フィルタ、反復遅延補正フィルタ、およびデスキュー補償補正フィルタを含むことができるが、これらに限定されない。
一態様では、位相障害推定器801およびフィルタタップ計算モジュール803は、図1で説明した信号処理ユニット112内の構成要素に対応することができ、マッチドフィルタタップ805および補正フィルタ807は、図1における光学回路101内の構成要素に対応することができる。
【0052】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、複数の遅延を用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
一態様では、位相障害補正器は、複数のデジタル遅延を介して受信光ビームを遅延させ、かつ、最適な遅延を選択することができるブルートフォース遅延補正フィルタを用いて構成することができる。最適な遅延を選択することは、例えば、デジタル遅延のFFTを実行し、最も高いピークを有する遅延を選択することを含むことができる。
図9に示されるように、この技術は、位相障害推定器901、計算されたフィルタタップ903、1つ以上の補正フィルタ909~911、時間領域フィルタ915、時間から周波数領域への変換器917(例えば、FFT)、周波数領域フィルタ919、およびピーク検出部921を用いることができるが、これに限定されない。
【0053】
一態様では、ターゲットアーム信号は、N個の異なる遅延905~907を通して送信され、補正フィルタ909~911は、可能性のあるターゲット遅延905~907のそれぞれについて適用することができる。複数の遅延がターゲットアーム信号に適用されると、最適な遅延913を選択することができる。一態様では、最良の一致は、例えば、最も強いピーク、より高いSNR、または信号検出に使用される他の指標に基づいて定義することができるが、これらに限定されない。一態様では、最適な遅延を選ぶことは、複数の遅延光ビームの高速フーリエ変換(FFT)を実行し、最も高いピークを有する遅延を選択することを含む。一態様では、図9に記載された構成要素は、図1に記載された信号処理ユニット112または光学回路101内の構成要素に対応することができる。
【0054】
図10は、本開示の一態様による、反復遅延補正フィルタを用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
図10に示されるように、この技術は、位相障害推定器1001、計算されたフィルタタップ1003、1つ以上の補正フィルタ1007、時間領域フィルタ1009、時間から周波数領域への変換器1011(例えば、FFT)、周波数領域フィルタ1013、およびピーク検出部1015を用いることができるが、これらには限定されない。一態様では、ターゲットアーム信号は、遅延部1005を通過し、その後、補正フィルタ1007および他の信号処理構成要素を通過する。ピーク検出部1015の後、信号は遅延部1005に戻され、収束するまで、最適な遅延とピーク周波数との間でプロセスを繰り返す。
一態様では、遅延部1005のための初期化は、例えば、現在のフレームにおける隣接する検出ポイント、および/または前のフレームからの検出ポイントに基づくことができる。一態様では、図10に記載された構成要素は、図1に記載された信号処理ユニット112または光学回路101内の構成要素に対応している。
【0055】
図11は、本開示の一態様による、デスキュー補償補正フィルタを用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
図11に示されるように、この技術は、位相障害推定器1101、計算されたフィルタタップ1103、1つ以上の補正フィルタ1107、時間領域フィルタ1109、時間から周波数領域への変換器1111(例えば、FFT)、周波数領域フィルタ1113、およびピーク検出部1115を用いることができるが、これらに限定はしない。一態様では、信号の周波数に基づいて異なる遅延を適用するために、ターゲットアーム信号は、デスキューフィルタ1105を通過させることができる。実施形態では、ピークの周波数と遅延とが線形の関係にあることを利用することができる。
【0056】
一態様では、デスキューフィルタ1105は、ピーク周波数に基づいて、位相障害推定値をシフトすることができる。一態様では、デスキューフィルタ1105は、ターゲットアーム信号の周波数コンテンツに比例するグループ遅延を信号に適用するために用いることができる。一態様では、リターン信号(Rx)にドップラーシフトがない場合に、正しいグループ遅延を適用するために1つ以上のデスキューフィルタを用いることができる。一態様では、図11に記載された構成要素は、図1に記載された信号処理ユニット112または光学回路101内の構成要素に対応することができる。
【0057】
図12は、本開示の一態様による、ジョイント障害補正器およびピーク検出器1213を用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
図12に示されるように、この技術は、1つ以上の基準ADC1201およびターゲットADC1205とともに、位相障害推定器1203、ジョイント障害補正器およびピーク検出器1213、時間領域フィルタ1207、時間-周波数領域変換器1209(例えば、FFT)、周波数領域フィルタ1211を用いることができるが、これに限定されない。本発明の実施形態は、これらの記載されたアーキテクチャからポイントクラウドデータ1215を生成することができる。一態様では、位相障害を前もって補正するのではなく、位相障害補正器をピーク検出器の一部として統合することにより、共同で最適なピークを推定することができる。一態様では、図12に記載された構成要素は、図1に記載された信号処理ユニット112または光学回路101内の構成要素に対応する。
【0058】
図13は、本開示の一態様による、複数の基準チャネルを用いて位相障害を補正するための例示的なシステムを示す。
図13に示すように、LIDARシステムは、FMWCレーザ光源などのビーム源1301を備えている。ターゲットアームは、スキャニング信号1303がターゲット1307に向かう途中で通過することができる所定数の光学的構成要素1305を備えている。リターン信号1309は、ターゲット1307から反射され、光検出器1311に向かう。本実施形態では、局部発振器(LO)信号1313は、ターゲット1307に送られる前に、光検出器1311に向かう。光検出器1311から、ターゲットアーム信号は、その後、ターゲットADC1315へ、そして、DSP1317を通過する。
【0059】
図13に示す実施形態では、スキャニング信号1303の一部1319が複数の基準アームに流用される。
一態様では、基準アームの各々は、光検出器と、既知の長さを有するファイバ遅延とを含むことができる。例えば、基準アームは、光検出器1321、ファイバ遅延1323、および基準ADC1325を備えている。同様に、N番目の基準アームは、それ自身の光検出器1327、ファイバ遅延1329、およびADC1331を備えている。
【0060】
一態様では、位相障害の推定値を改善するために、複数の基準チャンネルを異なる基準アーム遅延で追加することができる。一態様では、システムは、ターゲット環境からの信号および局部発振器(LO)信号を含む様々な信号の送受信に基づいて、ポイントクラウドデータ1333を生成することができる。一態様では、図13に記載されたコンポーネントは、図1に記載された信号処理ユニット112または光学回路101内の構成要素に対応することができる。
【0061】
図14は、本開示の実施形態による、LIDARシステム内の位相障害を補償するための例示的な方法を示すフロー図である。本方法は、動作1401において、光ビーム(第1の光ビーム)をターゲットに送信することによって始まる。光ビーム(第1の光ビーム)は、例えば、FMWCビームを含むことができる。
【0062】
動作1403では、ターゲットから反射光ビーム(第2の光ビーム)を受信して、受信光ビームを生成する。
【0063】
動作1405では、局部発振器(LO)信号、光検出器、および受信光ビームを用いて、デジタルサンプリングされたターゲット信号が生成される。
【0064】
動作1407では、ファイバ遅延装置および光検出器を介して伝送される基準ビームを用いて、デジタルサンプリングされた基準信号が生成される。一態様では、複数の異なるファイバ遅延装置を介して伝送される基準ビームを用いて、所定数のデジタルサンプリングされた基準信号が生成される。各ファイバ遅延装置は、一態様では、それぞれの光検出器と接続することができる。一態様では、ファイバ遅延装置は、距離が遠いターゲットからの反射がより遅延し、距離が近いターゲットからの反射がより遅延しないように、受信光ビームの周波数に比例した遅延を生成する。
【0065】
動作1409では、デジタルサンプリングされた基準信号を用いて、LIDARシステムにおける1つ以上の位相障害が推定される。これにより、1つ以上の推定された位相障害が生成される。一態様では、位相障害を推定することは、ゼロフォーシング推定器、MMSE推定器、最尤推定器、またはマップ推定器を用いることを含む。
【0066】
動作1411では、第1の補正が実行される。この第1の補正は、局部発振器(LO)信号に対応する第1の位相障害に対して実行される。つまり、第1の補正は、局部発振器(LO)信号からデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた位相障害を補正するものである。
一態様では、第1の補正を行うことは、第1の位相障害の推定に少なくとも部分的に基づいて形成された1つ以上のフィルタを使用することを含む。そのフィルタは、例えば、上述したマッチドフィルタタップである。
【0067】
動作1413では、第2の補正が実行される。この第2の補正は、受信光ビームに対応する第2の位相障害に対して実行される。つまり、第2の補正は、受信光ビームからデジタルサンプリングされたターゲット信号に生じた位相障害を補正するものである。
一態様では、第2の補正を行うことは、所定数のデジタル遅延を介して受信光ビームを遅延させ、最適な遅延を選択するブルートフォース遅延補正フィルタを使用することを含む。一態様では、デジタル遅延の高速フーリエ変換(FFT)を実行し、最も高いピークを持つ遅延を選択することにより、最適な遅延を選択することができる。
代替実施形態では、第2の補正は、ピークが収束するまで、異なるデジタル遅延を介して受信光ビームを繰り返し遅延させる反復遅延補正フィルタを使用することを含む。さらに他の実施形態では、第2の補正は、デスキュー補償補正フィルタを使用することを含む。
【0068】
動作1415において、第1および第2の補正を処理することによって、補正されたターゲット信号が生成される。補正されたターゲット信号が生成されると、それをポイントクラウドに送信することができる。
【0069】
本願で説明する様々な動作および方法は、いくつかの実施形態において、図1で上述した信号処理ユニット112、信号変換ユニット106、または信号調整ユニット107を用いて実行することができる。各種光学的構成要素、ファイバ遅延、その他の構成要素は、図1で説明した光学回路101として実装することができる。
【0070】
前述した説明では、本発明の実施形態を理解しやすくするために、特定のシステム、構成要素、方法などの具体例を複数示しているが、当業者であればこれらの具体例の説明がなくても本発明を実施することができる。また、公知の構成要素や方法はその詳細が省略され、または、単純なブロック図の形式で示されることがあるが、これは本発明の理解を容易にするためである。したがって、開示された内容は単に例示であり、一事例は他の例示と異なる場合があっても、本発明の範囲内に含まれると考えられる。
【0071】
本明細書において「一実施形態」または「実施形態」という表現が使用される場合、それらの実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも一つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書のいくつかの箇所で「一実施形態において」または「実施形態において」という表現が現れている場合、必ずしも同じ実施形態を示すものではない。
【0072】
「結合」という用語は、その派生語とともに、2つ以上の要素が相互に作用することを示すために使用される。これらの結合要素は、互いに直接的な物理的または電気的に接触している場合もあれば、接触していない場合もある。
【0073】
ここで説明されている方法の操作は特定の順序で示されているが、各方法の操作の順序は変更されることがあり、特定の操作を逆順で行ってもよいし、少なくとも一部の操作を他の操作と同時に行ってもよい。異なる操作の指示または補助的な操作は、断続的または交互に行うことができる。
【0074】
上記に記載されている発明の実施例についての説明(要約に記載されている内容を含む)は、詳細で網羅的であることを意図しているものではなく、開示された具体的形態に限定するものでもない。本発明の具体的な実施態様および実施例は、例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識する範囲で種々の同等な変更を行うことができる。ここで使用される「例」または「例示的」の語は、例、実例または説明として役立つことを意味するために使用されている。本明細書において「例」または「例示」と説明された態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。むしろ、「例」または「例示」という用語の使用は、概念を具体的な形で示すことを意図している。
本明細書において使用される「または」の用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」として解釈されることを意図している。つまり、特に指定されていない限り、あるいは文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを含む」という表現は、自然な包括的順列のいずれかを意味する。つまり、XがAを含む場合、XがBを含む場合、あるいはXがAおよびBの両方を含む場合、前述のいずれの場合にも、「XはAまたはBを含む」という条件を満たすことになる。
さらに、本明細書および添付された特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、特に指定されていない限り、文脈から単数形であることが明らかでない場合には「1つまたは複数」を意味するものと解釈される。
さらに、本明細書において「第1」、「第2」、「第3」、「第4」のような用語が使用される場合、これらの用語は異なる要素を区別するための識別子として使用されるもので、数字の指定に従って必ずしも順序を示すものではない。
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【国際調査報告】