(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】テラヘルツ電磁波の伝播を特徴付けるモデルに関連付けられたデータを処理するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
H04B 17/391 20150101AFI20231023BHJP
【FI】
H04B17/391
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521797
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021070228
(87)【国際公開番号】W WO2022078644
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】102020127387.8
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523127187
【氏名又は名称】ヘルムート フィッシャー ゲーエムベーハー インスティトゥート フューア エレクトロニック ウント メステクニック
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】メーテル,リュディガー
(72)【発明者】
【氏名】アンクラム,ラース-クリスチャン
(57)【要約】
本発明は、空間領域における、テラヘルツ(THz)の伝播を特徴付けるモデルに関連付けられたデータを、処理するための方法に関する。この空間領域は、テラヘルツ電磁波を放射及び/または受け取るために、少なくとも1つのテラヘルツデバイス、及び/またはテラヘルツ電磁波を受ける対象となり得る少なくとも1つの対象物、を備える。この方法は、モデルを提供することと、このモデルによって、空間領域で隣接した2つの媒体間における、少なくとも1つの境界面の領域で、テラヘルツ電磁波の伝播を特徴付けることと、を含む。このモデルは、以下の要素、a)テラヘルツ電磁波の周波数、b)例えば第1の空間方向に沿った、2つの隣接した媒体の内少なくとも一方の空間的拡張、の内少なくとも一方に依存した条件を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば対象物(20)の少なくとも1つの特性を検出する(302)ために、空間領域(RB)において、テラヘルツ(THz)電磁波(TS)の伝播を特徴付けるモデル(MOD)に関連付けられたデータ(DAT)を処理する、例えばコンピュータ実施方法である方法であって、前記空間領域(RB)は、テラヘルツ電磁波(TS)を送信及び/もしくは受信するための、少なくとも一つのテラヘルツデバイス(10)、ならびに/または前記テラヘルツ電磁波(TS)に露出され得る少なくとも1つの対象物(20)を有し、前記方法は、前記モデル(MOD)を提供すること(100)と、前記モデル(MOD)を使用して前記空間領域(RB)内の2つの隣接した媒体(M1、M2)間における少なくとも1つの境界面(GF)の領域で、テラヘルツ電磁波(TS)の伝播を特徴付けること(102)と、を含み、前記モデル(MOD)は条件(T)を有し、前記条件(T)は、前記THz電磁波を特徴付け、かつ以下の要素、a)テラヘルツ電磁波(TS)の周波数、b)例えば第1の空間方向(R-x)に沿って、2つの隣接した前記媒体(M1、M2)の内少なくとも一方の空間的拡張(D)及び/または位置、の内少なくとも一方に依存し、前記モデル(MOD)は、可干渉性の重畳関数(kohaerenten Ueberlagerungsfunktion)によって、前記空間領域(RB)内の2つのそれぞれ隣接した媒体(M1、M2)間の複数の境界面(GF-1、GF-2)において、テラヘルツ電磁波(TS)の複数の反射(r
0、r
1、r
2、r
0’、r
1’)及び/または透過(t
0、t
1、t
0’、t
1’)を特徴付け、前記条件(T)は、前記可干渉性の重畳関数(kohaerenten Ueberlangerungsfunktion)の内少なくともいくつかの構成要素のための重み付け係数(G)として提供される、方法。
【請求項2】
前記モデル(MOD)は、少なくとも2つの前記媒体(M1,M2,M3、M4)間の、少なくとも1つの前記境界面(GF:GF-1、GF-2、GF-3)におけるテラヘルツ電磁波(TS)の少なくとも1つの反射(r
0、r
1、r
2、r
0’、r
1’)及び/または透過(t
0、t
1、t
0’、t
1’)を特徴付け、例えば前記モデル(MOD)は、様々な異なる媒体(M1、M2、M3)間の少なくとも2つの境界面(GF-1、GF-2、GF-3)におけるテラヘルツ電磁波(TS)の、複数の反射(r
0、r
1、r
2、r
0’、r
1’)及び/または透過(t
0、t
1、t
0’、t
1’)を特徴付け、例えばテラヘルツ電磁波(TS)を特徴付ける前記条件(T)は、少なくとも2つの前記境界面(GF-1、GF-2)の、各々のための異なる値(T-1、T-2、T-3)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記条件(T)は、前記可干渉性の重畳関数(kohaerenten Ueberlagerungsfunktion)の少なくともいくつかの構成要素の1つ以外の、重み付け係数(G)として提供される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記モデル(MOD)は、テラヘルツ電磁波(TS)によって、反射配置または透過配置における前記対象物(20)のサンプル測定を特徴付ける第1の構成要素(MOD-1)を有し、例えば前記第1の構成要素(MOD-1)は、例えば反射範囲の周波数領域で、以下の数式に基づいて特徴付けられ、
【数1】
ここでF
S(ω,x,y,z)は、例えば周波数依存であり得る、サンプル信号の場の強度を特徴付け、ここでωは、テラヘルツ電磁波(TS)の周波数に関連付けられた角周波数を特徴付け、ここでxは、第1の空間座標を特徴付け、ここでyは、第2の空間座標を特徴付け、ここでzは、第3の空間座標を特徴付け、ここでI
0(ω,x,y,z)は、前記テラヘルツ電磁波(TS)を生成するエミッタ(11)における、例えば周波数依存であり得るテラヘルツ電磁波(TS)の場の強度を特徴付け、ここでexp[ ]は、指数関数を特徴付け、ここでiは、虚数単位を特徴付け、ここでc
0は、真空における光の速度を特徴付け、ここでLは、前記テラヘルツデバイス(10)と基準対象物(20’)との間の距離を特徴付け、ここでΔDは、基前記準対象物(20’)と前記対象物(20)との間のずれを特徴付け、ここでn
Aは、前記空間領域(RB)に存在する、空気などの媒体の屈折率を特徴付け、ここで∈
Aは、前記空間領域(RB)に存在する媒体の吸光係数を特徴付け、ここでΦ
0(ω,x,y,z)は、前記テラヘルツ電磁波(TS)を生成する前記エミッタ(11)における、周波数依存であるテラヘルツ電磁波(TS)の位相を特徴付け、ここでt
A1は、前記空間領域(RB)に存在する媒体と、前記対象物(20)の表面(20a)を特徴付ける層(20-1)との間の境界面(GF-0)における、透過係数を特徴付け、ここでt
1Aは、前記対象物(20)の表面(20a)を特徴付ける前記層(20-1)と、前記空間領域(RB)に存在する媒体との間の前記境界面(GF-0)における、透過係数を特徴付け、ここでr
1Sは、前記対象物(20)の層(20-3)と基体(20-4)との間の境界面(GF-3)における、反射係数を特徴付け、ここでRは、テラヘルツ電磁波(TS)の反射及び/もしくは透過の、数ならびに/または連続の順序を特徴付ける反射指数を特徴付け、ここでr
1Aは、前記対象物(20)の前記表面(20a)の前記層(20-1)と、前記空間領域(RB)に存在する媒体との間の境界面(GF-0)における、反射係数を特徴付け、ここでG(D,R,ω,x,y,z,α,β,Ω)は、THz電磁波または重み付け係数(G)を特徴付ける条件(T)を、特徴付け、ここでDは、層の層厚を特徴付け、ここでnは、層の屈折率を特徴付け、ここで∈は、層の吸光係数を特徴付け、ここでr
A1は、前記空間領域(RB)に存在する媒体と、前記対象物(20)の表面(20a)を特徴付ける層(20-1)との間の境界面(GF-0)における、反射係数を特徴付け、ここでα及び/またはβは、前記対象物(20)に対する前記テラヘルツデバイス(10)の角度配向を、任意選択で特徴付け、ここでΩは、前記対象物(20)の表面(20a)の特性を、任意選択で特徴付け、前記対象物(20)の前記表面(20a)の特性は、例えば以下の要素、a)曲率などの前記表面(20a)の形状、b)前記表面(20a)の粗度、の内少なくとも一方を含み、例えば前記第1の構成要素(MOD-1)は、以下の数式に基づいて特徴付けられ、
【数2】
ここでR
max>∞である、
請求項1~3の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記モデル(MOD)は、テラヘルツ電磁波(TS)による反射配置または透過配置における基準対象物(20’)の基準測定を特徴付ける第2の構成要素(MOD-2)を有し、前記第2の構成要素(MOD-2)は、例えば反射配置の周波数領域で、以下の数式に基づいて特徴付けられ、
【数3】
ここでF(ω,x,y,z)は、例えば周波数依存の、基準信号の場の強度を特徴付け、ここでr
AMは、前記空間領域(RB)に存在する媒体と、前記基準対象物(20’)の表面(20a’)との間の境界面(GF-0’)における、反射係数を特徴付ける、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
例えば反射配置のための前記モデル(MOD)は、周波数領域で、例えば以下の数式に基づいて特徴付けられ、
【数4】
ここでH(ω)は、例えば基準測定に関連したテラヘルツ電磁波(TS)の透過関数を特徴付け、例えば前記モデルは、周波数領域内で、以下の数式に基づいて特徴付けられ得る、
【数5】
請求項1~5の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記条件(T)は、a)テラヘルツ電磁波(TS)の周波数、ならびに/または、b)例えば第1の空間方向に沿った2つの隣接した前記媒体(M1、M2)の内少なくとも一方の、空間拡張(D)及び/もしくは位置、の代替または追加として、以下の要素、c)反射(r
0、n、r
2、r
0’、r
1’)及び/もしくは透過(t
0、t
1、t
0’、t
1’)の数及び連続を特徴付ける反射指数(R)、d)前記対象物(20)及び/もしくは基準対象物(20’)に対する、前記テラヘルツデバイス(10)の角度配向、e)例えば少なくとも1つの前記テラヘルツデバイス(10)及び/もしくは少なくとも1つの前記対象物(20)の間における距離、f)前記表面(20a)の形状及び/もしくは前記表面(20a)の粗度など、少なくとも1つの前記対象物(20)における前記表面(20a)の特性、の内少なくとも1つに依存する、請求項1~6の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
例えば前記条件(T)及び/または重み付け係数(G)を使用して、前記モデル(MOD)は、テラヘルツ電磁波(TS)における透過関数の距離依存のスペクトル変化を、距離依存及び/または深さ依存の、減衰及び/または増幅としてモデル化する、請求項1~7の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
例えば前記条件(T)及び/または重み付け係数(G)を使用して、前記モデル(MOD)は、テラヘルツ電磁波(TS)における透過関数の角度依存のスペクトル変化を、角度依存の減衰及び/または増幅としてモデル化する、請求項1~8の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
例えば前記条件(T)及び/または重み付け係数(G)を使用して、前記モデル(MOD)は、少なくとも1つの前記対象物(20)の少なくとも1つの前記表面(20a)の特性に基づいて、テラヘルツ電磁波(TS)における透過関数のスペクトル変化を、例えば前記表面(20a)の形状及び/または前記表面(20a)の粗度に基づくようモデル化する、請求項1~9の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記モデル(MOD)は、様々な媒体(M1、M2、M3、M4)のいくつかの層(20-1、20-2、20-3、20-4)を有する対象物を含み、例えば前記モデル(MOD)は、以下の要素、a)隣接した層間など、前記対象物(20)におけるテラヘルツ電磁波(TS)の反射及び/または透過、b)前記対象物(20)におけるテラヘルツ電磁波(TS)の、複数の反射及び/または複数の透過、c)例えば反射指数によって特徴付けられ得る、前記対象物(20)の仮想反射ポイント及び/または仮想透過ポイント、d)前記対象物(20)のテラヘルツ電磁波(TS)における、様々な反射及び/または透過の可干渉性の重畳関数(kohaerente Ueberlagerung)、の内少なくとも1つを特徴付ける、請求項1~10の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記テラヘルツデバイス(10)、ならびに前記対象物(20)及び/または基準対象物(20’)、ならびに任意選択で、前記テラヘルツデバイス(10)及び前記対象物(20)または基準対象物(20’)の周りの周囲媒体(UM)、を特徴付けるシステム(SYS)の光学的モデル(MOD-OPT)に基づいて、前記条件(T)及び/または前記条件(T)の個々の値(T-1、T-2、T-3,・・・)を決定すること(110)、をさらに含み、ここで例えば前記光学的モデル(MOD-OPT)は、例えば前記システム(SYS)内におけるテラヘルツ電磁波(TS)のスペクトル透過関数を特徴付ける、請求項1~11の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記テラヘルツデバイス(10)、ならびに前記対象物(20)及び/または基準対象物(20’)、ならびに任意選択で、前記テラヘルツデバイス(10)及び前記対象物(20)もしくは基準対象物(20’)の周りの周囲媒体(UM)、を特徴付けるシステム(SYS)の、光学的モデル(MOD-OPT)に基づいて、前記条件(T)及び/または前記条件(T)の個々の値(T-1、T-2、T-3、・・・)を決定すること(110)、をさらに含み、ここで前記光学的モデル(MOD-OPT)は、例えば前記システム(SYS)内でテラヘルツ電磁波(TS)の空間的拡張にわたる振幅及び位相を特徴付ける、請求項1~12の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記光学的モデル(MOD-OPT)は、テラヘルツ電磁波(TS)の回折効果を考慮に入れる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
a)光線追跡(120a)、及び/または、b)例えばコリンズ積分などの回折積分による回折理論(120b)に基づいた説明、及び/または、c)モデル関数を有するパラメトリック計算(120c)、ならびに任意選択で、前記光学的モデル(MOD-OPT)を較正すること(122)、によるモデル化に基づいて、光学的モデル(MOD-OPT)を決定すること(120)、をさらに含み、ここで、例えば前記光学的モデル(MOD-OPT)を決定すること(120)及び/または較正すること(122)は、周波数分解技術によって実行される、請求項12~14の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
以下の要素、a)前記テラヘルツデバイス(10)の光学軸(OA)と、前記対象物(20)または基準対象物(20’)に対して垂直の表面(20a-n)との間における角度(α、β)、b)前記テラヘルツデバイス(10)と、前記対象物(20)または基準対象物(20’)の表面(20a)との間の距離(L)、c)例えば前記表面(20a、20a’)の曲率などの形状(FO)、及び/または前記表面(20a、20a’)の粗度に基づいた、少なくとも1つの前記対象物(20)及び/または基準対象物(20’)における前記表面(20a)の特性、d)テラヘルツ電磁波(TS)の周波数、の内少なくとも1つに基づいて、例えば前記スペクトル透過関数ならびに/または空間的振幅及び/もしくは位相に対して前記光学的モデル(MOD-OPT)を較正すること(122)、をさらに含む、請求項12~15の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記モデル(MOD)によって特徴付けられた、反射ポイント(GF-0、GF-1、GF-2、・・・)及び/または透過ポイント(GF-0、GF-1、GF-2、・・・)の空間的位置を変えること(130)と、前記変えること(132)に基づいて、前記対象物(20)の媒体(M2)における少なくとも1つの層(20-2)の厚さ(D-M2)等の特性を、導出すること(132)と、をさらに含み、ここで例えば以下の要素、a)相関法を実施すること(132a)、b)パターン認識のための方法を実施すること(132b)、c)最大及び/または最小を判断すること(132c)、d)機械学習方法を利用すること(132d)、e)フィッティング方法を実施すること(132e)、の内少なくとも1つが、前記導出すること(132)のために使用される、請求項1~16の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
例えば事前計算など、前記モデル(MOD)の少なくとも1つの構成要素(MOD-1、MOD-2)、及び/または光学的モデル(MOD-OPT)を決定すること(140)と、同様に任意選択で例えば事前計算など、前記決定すること(140)の結果(VE)を、少なくとも一時的に記憶すること(142)と、をさらに含み、例えば前記結果(VE)はデータベース(DB)に記憶される、請求項1~17の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記テラヘルツデバイス(10)及び前記対象物(20)または基準対象物(20’)の、互いに対するいくつかの様々な空間的配置のための基準データ(RD)を決定すること(150)をさらに含み、前記決定すること(150)は、前記テラヘルツデバイス(10)ならびに前記対象物(20)及び/または基準対象物(20’)を、互いに対して例えば所与の配置に配設すること(150a)と、前記所与の配置のための、前記基準データ(RD)を決定すること(150b)と、同様に任意選択で、配設するステップ(150a)及び決定するステップ(150b)を、例えば予め決められた最終基準に達するまで繰り返すこと(152)と、を含み、ここで前記配設すること(150a)は、例えば前記テラヘルツデバイス(10)及び/または前記対象物(20)もしくは基準対象物(20’)を、ロボットなどの位置付けデバイス(PE、PE’)によって位置付けることを含む、請求項1~18の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
例えばセンサを使用して、以下の要素、a)前記テラヘルツデバイス(10)と前記対象物(20)または基準対象物(20’)との間の距離(L、AB)、b)前記テラヘルツデバイス(10)と、前記対象物(20)または基準対象物(20’)との間の、例えば一次元配置または二次元配置における、角度配向(WA)、c)前記対象物(20)または基準対象物(20’)の前記表面(20a、20a’)における、例えば曲率などの形状(FO)、の内少なくとも1つを決定すること(160)、をさらに含む、請求項1~19の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
例えば前記条件(T)、ならびに/または前記条件(T)の個々の値(T-1、T-2、T-3、・・・)を決定する前記モデル(MOD)のために、距離(AB)及び/もしくは角度配向(WA)、ならびに/または、前記表面(20a、20a’)の曲率などの形状(FO)及び/もしくは前記表面(20a、20a’)の粗度に基づいて、少なくとも1つの前記対象物(20)もしくは基準対象物(20’)の前記表面(20a)の特性、を利用すること(162)をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記条件(T)の値(T-1、T-2、T-3、・・・)、ならびに/または、例えば計算及び/もしくは較正された透過関数を介して特徴付けられ得る前記基準データ(RD)、が利用可能であるパラメータ範囲内に、例えば反射ポイント(GF)である対象の少なくとも1つの領域が位置されるかを判断すること(170)と、前記判断すること(170)に基づいて、例えば距離及び/もしくは角度などの空間的配置を変えること(172)と、をさらに含み、ここで例えば前記変えること(172)は、前記対象の領域が、前記パラメータ範囲内に位置されるまで繰り返され(173)、ならびに任意選択で評価を実施する(174)、請求項1~21の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1~22の内いずれか一項に記載の方法を、実行するためのデバイス(200)。
【請求項24】
コンピュータ(202)によって実行されるとき、請求項1~22の内いずれか一項に記載の方法を前記コンピュータ(202)に行わせる命令(PRG)を備える、機械読み取り可能記憶媒体(SM)。
【請求項25】
コンピュータ(202)によって実行されるとき、請求項1~22の内いずれか一項に記載の方法を前記コンピュータ(202)に行わせる、コンピュータプログラム(PRG)。
【請求項26】
請求項25に記載されたコンピュータプログラムを、送信及び/または特徴付ける、データ伝送信号(DCS)。
【請求項27】
以下の要素、a)例えば対象物(20)の少なくとも1つの層(20-2)の層厚(M2-D)など、前記対象物(20)の少なくとも1つの特性を決定すること(302)、b)限定ではないが例えば平面波など、非平坦形態のテラヘルツ電磁波(TS)の伝播を考慮に入れることで、モデル(MOD)の精度を高めること(304)、c)前記テラヘルツデバイス(10)までの距離(L、AB)におけるスペクトル透過関数の依存性を考慮に入れること(306)、d)前記テラヘルツデバイス(10)に対する角度(α、β)におけるスペクトル透過関数の依存性を考慮に入れること(308)、e)例えば表面(20a、20a’)の曲率などの形状(FO)、及び/または前記表面(20a、20a’)の粗度に基づいて、少なくとも1つの前記対象物(20)または基準対象物(20’)の前記表面(20a)の特性を考慮に入れること(308)、の内少なくとも1つのための、請求項1~22の内いずれか一項に記載の方法と、請求項23に記載のデバイス(200)と、請求項23に記載の機械読み取り可能記憶媒体(SM)と、請求項25に記載のコンピュータプログラム(PRG)と、請求項26に記載のデータ伝送信号(DCS)と、の利用方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間領域内におけるテラヘルツ(THz)電磁波の伝播を特徴付けるモデルに関連付けられたデータを処理するための方法に関する。
【0002】
さらに本開示は、空間領域内におけるテラヘルツ(THz)電磁波の伝播を特徴付けるモデルに関連付けられたデータを処理するためのデバイスに関する。
【発明の概要】
【0003】
例示的な実施形態は、空間領域内におけるテラヘルツ(THz)電磁波の伝播を特徴付けるモデルに関連付けられたデータを処理するための方法に関する。この空間領域は、テラヘルツ電磁波を放射及び/もしくは受け取るための、少なくとも1つのテラヘルツデバイス、ならびに/または、テラヘルツ電磁波に露出され得る少なくとも1つの対象物、を含む。本方法は、モデルを提供することと、このモデルによって、空間領域における2つの隣接した媒体間の、少なくとも1つの境界面における領域で、テラヘルツ電磁波の伝播を特徴付けることと、を含む。このモデルは、THz電磁波を特徴付け、かつ以下の要素、a)テラヘルツ電磁波の周波数、b)例えば第1の空間的方向に沿って、2つの隣接した媒体の内少なくとも一方の空間的拡張及び/または位置、の内少なくとも一方に依存する条件を含む。
【0004】
別の例示的な実施形態において、少なくとも2つの媒体間の、少なくとも1つの境界面におけるテラヘルツ電磁波の、少なくとも1つの反射及び/または透過を特徴付けるために、モデルが提供される。例えばこのモデルは、異なる媒体間の少なくとも2つの境界面における、テラヘルツ電磁波のいくつかの反射及び/または透過を特徴付ける。例えばテラヘルツ電磁波を特徴付ける条件は、少なくとも2つの境界面の各々で異なる値を有する。
【0005】
別の例示的な実施形態において、可干渉性の重畳関数(kohaerente Ueberlangerungsfunktion)によって、空間領域における全ての2つの隣接した媒体間における複数の境界面で、テラヘルツ電磁波の、1つまたは複数の反射及び/もしくは透過を特徴付けるために、モデルが提供される。条件は、重み付け係数として、例えば可干渉性の重畳関数(kohaerente Ueberlangerungsfunktion)の少なくともいくつかの構成要素以外の重み付け係数として、提供される。
【0006】
別の例示的な実施形態において、テラヘルツ電磁波による、反射配置または透過配置における対象物のサンプル測定を特徴付ける、第1の構成要素を有するモデルが提供される。例えば、この第1の構成要素は、以下の数式に基づいて、反射配置の周波数領域で特徴付けられ得る:
【0007】
【数1】
ここでF
S(ω,x,y,z)は、サンプル信号の場の強度を特徴付け、それは例えば周波数依存であってよい。ここでωは、テラヘルツ電磁波の周波数に関連付けられた角周波数を特徴付ける。ここでxは、第1の空間座標を特徴付ける。ここでyは、第2の空間座標を特徴付ける。ここでzは、第3の空間座標を特徴付ける。ここでI
0(ω,x,y,z)は、テラヘルツ電磁波を生成するエミッタにおけるテラヘルツ電磁波の場の強度を特徴付け、それは例えば周波数依存である。ここでexp[ ]は、指数関数を特徴付ける。ここでiは、虚数単位を特徴付ける。ここでc
0は、真空における光の速度を特徴付ける。ここでLは、テラヘルツデバイスと基準対象物との間の距離を特徴付ける。ここでΔDは、基準対象物と対象物との間のずれを特徴付ける。ここでn
Aは、空間領域に存在する、空気などの媒体の屈折率を特徴付ける。ここで∈
Aは、空間領域に存在する媒体の吸光係数を特徴付ける。ここでΦ
0(ω,x,y,z)は、テラヘルツ電磁波を生成するエミッタにおけるテラヘルツ電磁波の位相を特徴付け、それは例えば周波数依存である。ここでt
A1は、空間領域に存在する媒体と、対象物の表面を特徴付ける層との間の境界面における、透過係数を特徴付ける。ここでt
1Aは、対象物の表面を特徴付ける層と、空間領域に存在する媒体との間の境界面における、透過係数を特徴付ける。ここでr
1Sは、対象物の層と基体との間の境界面における、反射係数を特徴付ける。ここでRは、テラヘルツ電磁波の反射ならびに/または透過の、数及び/もしくは連続を特徴付ける反射指数を、特徴付ける。ここでr
1Aは、対象物の表面を特徴付ける層と、空間領域に存在する媒体との間の境界面における、反射係数を特徴付ける。ここでG(D,R,ω,x,y,z,α,β,Ω)は、THz電磁波を特徴付ける条件(T)または重み付け係数を、特徴付ける。ここでDは、層の層厚を特徴付ける。ここでnは、層の屈折率を特徴付ける。ここで∈は、層の吸光係数を特徴付ける。ここでr
A1は、空間領域に存在する媒体と、対象物の表面を特徴付ける層との間の境界面における、反射係数を特徴付ける。ここでα及び/またはβは、任意選択で、対象物に対するテラヘルツデバイスの角度配向を特徴付ける。ここでΩは、任意選択で、対象物の表面の特性を特徴付け、この表面の特性は、例えば以下の要素、a)曲率などの表面の形状、b)表面の粗度、の内少なくとも一方を含む。
【0008】
別の例示的な実施形態において、テラヘルツ電磁波によって、反射配置または透過配置における基準対象物の基準測定を特徴付ける、第2の構成要素を有するモデルが提供される。例えば、第2の構成要素は、反射配置の周波数領域において、例えば以下の数式に基づいて特徴付けられ得る:
【0009】
【数2】
ここでF(ω,x,y,z)は、例えば周波数依存で、基準信号の場の強度を特徴付ける。ここでr
AMは、空間領域に存在する媒体と基準対象物の表面との間の境界面における、反射係数を特徴付ける。
【0010】
別の例示的な実施形態において、例えば以下の数式に基づいて、例えば周波数領域における反射配置のために特徴付けることができるモデルが提供される:
【0011】
【数3】
ここでH(ω)は、例えば基準測定に関連した、テラヘルツ電磁波の透過関数である。
【0012】
別の例示的な実施形態において、a)テラヘルツ電磁波の周波数、ならびに/または、b)例えば第1の空間方向に沿った2つの隣接した媒体の内少なくとも一方の、空間拡張及び/もしくは位置、に対する代替または追加として、以下の要素、c)反射及び/または透過の数、ならびに連続を特徴付ける、反射指数、d)対象物及び/または基準対象物に対するテラヘルツデバイスの角度配向、e)例えば少なくとも1つのテラヘルツデバイス及び/または少なくとも1つの対象物の間の距離、f)表面の形状及び/または表面の粗度など、少なくとも1つの対象物における表面の特性、の内少なくとも1つに依存する条件が提供される。
【0013】
別の例示的な実施形態において、例えば条件及び/または重み付け係数を使用して、テラヘルツ電磁波の透過関数における距離依存のスペクトル変化を、距離依存及び/または深さ依存の、減衰及び/または増幅としてモデル化するために、モデルが提供される。
【0014】
別の例示的な実施形態において、例えば条件及び/または重み付け係数を使用して、テラヘルツ電磁波の透過関数における角度依存のスペクトル変化を、角度依存の減衰及び/または増幅としてモデル化するために、モデルが提供される。
【0015】
別の例示的な実施形態において、例えば条件及び/または重み付け係数を使用することで、例えば表面の形状及び/または表面の粗度に基づくなど、少なくとも1つの対象物における少なくとも1つの表面の特性に基づいて、テラヘルツ電磁波の透過関数のスペクトル変化をモデル化する、モデルが提供される。
【0016】
別の例示的な実施形態において、異なる媒体のいくつかの層を有する対象物を含むために、モデルが提供される。例えばこのモデルは、以下の要素、a)隣接する層間などでの、対象物におけるテラヘルツ電磁波の反射及び/または透過、b)対象物におけるテラヘルツ電磁波の、複数の反射及び/または複数の透過、c)例えば反射指数によって特徴付けられ得る、対象物の仮想反射ポイント及び/または仮想透過ポイント、d)対象物におけるテラヘルツ電磁波の様々な反射及び/または透過の可干渉性の重畳(kohaerente Ueberlagerung)、の内少なくとも1つを特徴付ける。
【0017】
別の実施形態において、テラヘルツデバイス、ならびに対象物及び/または基準対象物、同様に任意選択として、テラヘルツデバイス及び対象物もしくは基準対象物の周りの周囲媒体、を特徴付けるシステムの光学的モデルに基づいた、条件及び/または条件の個々の値を決定すること、をさらに含むための方法が提供される。例えばこの光学的モデルは、例えばシステム内でテラヘルツ電磁波のスペクトル透過関数を特徴付ける。
【0018】
別の例示的な実施形態において、テラヘルツデバイス、ならびに対象物及び/または基準対象物、同様に任意選択として、テラヘルツデバイス及び対象物もしくは基準対象物の周りの周囲媒体、を特徴付けるシステムの光学的モデルに基づいた、条件及び/または条件の個々の値を決定すること、をさらに含むために方法が提供される。この光学的モデルは、例えばシステム内でテラヘルツ電磁波の空間的拡張にわたる振幅及び位相を特徴付ける。
【0019】
別の例示的な実施形態において、テラヘルツ電磁波の回折効果を考慮に入れた光学的モデルが提供される。
【0020】
別の例示的な実施形態において、a)光線追跡、及び/または、b)例えばコリンズ積分などの回折積分による回折理論に基づいた説明、及び/または、c)モデル関数を有するパラメトリック計算、ならびに任意選択で、この光学的モデルを較正すること、によるモデル化に基づいて光学的モデルを決定すること、をさらに含むための方法が提供される。ここで、例えば光学的モデルを決定及び/または較正することは、周波数分解技術によって実行される。
【0021】
別の例示的な実施形態において、以下の要素、a)テラヘルツデバイスの光学軸と、対象物または基準対象物に対して垂直の表面との間の角度、b)テラヘルツデバイスと、対象物または基準対象物の表面との間の距離、c)例えば表面の曲率などの形状、及び/または表面の粗度に基づいて、少なくとも1つの対象物及び/または基準対象物の表面の特性、d)テラヘルツ電磁波の周波数、の内少なくとも1つに基づいて、例えばスペクトル透過関数、ならびに/または空間的振幅及び/もしくは位相に対して、光学的モデルを較正すること、をさらに含むための方法が提供される。
【0022】
別の例示的な実施形態において、モデルによって特徴付けられた反射ポイント及び/または透過ポイントの、空間的位置を変化させることと、この変化させることに基づいて対象物の媒体における少なくとも1層の厚さなどの特性を導出することと、をさらに含むための方法の準備が提供される。例えば以下の要素、a)相関法を実施すること、b)パターン認識の方法を実施すること、c)最大及び/または最小を判断すること、d)機械学習方法を利用すること、e)例えば最小二乗法に基づいてモデルを適応することによるフィッティング法を実施すること、の内少なくとも1つが、上記の特性を導出するために使用される。
【0023】
別の例示的な実施形態において、例えば対象物の層厚を判断するプロセスにおける、反射ポイント及び/または透過ポイントの空間的位置を変えるときに、変化させない条件の値、または重み付け係数が提供される。
【0024】
別の例示的な実施形態において、例えば対象物の層厚を判断するプロセスにおける、反射ポイント及び/または透過ポイントの空間的位置を変えるときに、変化させる条件の値、または重み付け係数が提供される。
【0025】
別の例示的な実施形態において、例えば利用可能な値を利用することによって、反射ポイント及び/または透過ポイントの空間的位置を変えるときに、内挿される条件の値、または重み付け係数が提供される。別の例示的な実施形態において、例えばモデル、及び/または光学的モデルの少なくとも1つの構成要素を、事前計算するのを判断すること、ならびに任意選択で、この事前計算の判断結果を、例えばデータベースに少なくとも一時的に記憶すること、をさらに含むための方法が提供される。
【0026】
別の例示的な実施形態において、テラヘルツデバイス及び対象物または基準対象物の、互いに対するいくつかの異なる空間的配置の基準データを決定すること、をさらに含むための方法が提供され、それは、所与の配置において例えばテラヘルツデバイスならびに対象物及び/または基準対象物を、互いに対して配設することと、この所与の配置のための基準データを決定することと、同様に任意選択で、予め決定された終了基準に達するまで、配設及び決定のステップを繰り返すことと、をさらに含む。この配設することは、例えばテラヘルツデバイス及び/または対象物もしくは基準対象物を、ロボットなどの位置付けデバイスによって位置付けることを含む。
【0027】
別の例示的な実施形態において、基準データを、少なくとも1つのデータベースによって少なくとも断続的に記憶することができる。
【0028】
別の例示的な実施形態において、以下の要素:a)テラヘルツデバイスと、対象物または基準対象物との間の距離、b)テラヘルツデバイスと、対象物または基準対象物との間の、一次元または二次元配置における角度配向、c)対象物または基準対象物の表面における曲率などの形状、の内少なくとも1つを、追加のセンサなどのセンサを使用して判断すること、をさらに含むための方法が提供される。別の例示的な実施形態において、光学的センサ(例えばレーザ距離測定及び/もしくはレーザ角度測定)、及び/もしくは音響センサ(例えば超音波センサ)、ならびに/またはレーダセンサなどの電磁波の利用に基づいたセンサ、がこの目的のために使用され得る。
【0029】
別の例示的な実施形態において、例えば条件ならびに/または条件の個々の値を決定するために、モデルの距離及び/もしくは角度配向、及び/もしくは形状を利用することを、さらに含むための方法が提供される。
【0030】
別の例示的な実施形態において、例えば計算され、及び/または較正された透過関数を介して特徴付けられ得る、条件の値及び/または基準データが利用可能である、例えば反射ポイントなど、少なくとも1つの対象領域が、パラメータ範囲(例えば距離範囲及び/または角度範囲で特徴付け可能)内に位置されるかどうかを判断することと、この判断に基づいて、例えば少なくとも1つの位置付けデバイス(例えばロボット)によって、例えば距離及び/または角度などの空間的配置を変えることと、をさらに含むための方法が提供される。例えば、この空間位置を変えることは、対象領域が上記のパラメータ範囲内に位置されるまで繰り返され、任意選択で評価を実施する。
【0031】
別の例示的な実施形態は、これらの実施形態に従った方法を実施するためのデバイスに言及する。
【0032】
別の例示的な実施形態は、コンピュータによって実行されるときに、実施形態に従った方法をこのコンピュータに実行させる命令を備えた、機械読み取り可能な記憶媒体に言及する。
【0033】
別の例示的な実施形態は、コンピュータによって実行されるときに、実施形態に従った方法をこのコンピュータに実行させる命令を備えた、コンピュータプログラムに言及する。
【0034】
別の例示的な実施形態は、実施形態に従った上記のコンピュータプログラムを送信及び/または特徴付ける、データ伝送信号に言及する。
【0035】
別の例示的な実施形態は、実施形態に従った方法、及び/または実施形態に従ったデバイス、及び/または実施形態に従った機械読み取り可能な記憶媒体、及び/または実施形態に従ったコンピュータプログラム、及び/または以下の要素、a)例えば対象物の少なくとも1つの層厚など、対象物の少なくとも1つの特性を判断すること、b)限定ではないが例えば平坦波など、非平坦形態のテラヘルツ電磁波の伝播を考慮に入れることによって、モデルの精度を高めること、c)テラヘルツデバイスまでの距離におけるスペクトル透過関数の依存性を考慮に入れること、d)テラヘルツデバイスに対する角度におけるスペクトル透過関数の依存性を考慮に入れること、e)例えば表面の曲率などの形状、及び/または表面の粗度に基づいて、少なくとも1つの対象物または基準対象物の表面の特性を考慮に入れること、の内少なくとも1つのための、実施形態に従ったデータ伝送信号、の利用に言及する。
【0036】
別の特徴、使用選択肢、及び利点は、図面に表わされた例示的な実施形態の、以下の説明で確認し得る。本明細書で説明するか、または表わされる特徴の全ては、それら自体、または任意の組み合わせで、特許請求の範囲または後方参照において要約される方法に関わらず、かつ説明ならびに/または図面における構成及び/もしくは表現に関わらず、例示的な実施形態の目的を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】例示的な実施形態と共に使用されるTHzデバイスの、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図2】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図3】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図4A】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図4B】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図5】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図6】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図7】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図8】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図9】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図10】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図11】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図12】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図13】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図14】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図15】別の例示的な実施形態による、簡略化した流れ図を概略で示す図である。
【
図16】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【
図17】別の例示的な実施形態による、使用の選択肢の態様を概略で示す図である。
【
図18】別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、例示的な実施形態による方法を用いて使用するために好適な、THzデバイス10のブロック図を概略で示す。THzデバイス10は、例えば対象物20で反射もしくは透過したTHz電磁波TSなど、THz電磁波TSを放射及び/または受け取るように構成される。
【0039】
図2における別の例示的な実施形態は、空間領域内RBにおけるテラヘルツ(THz)電磁波TSの伝播を特徴付けるモデルMODに関連付けられたデータDAT(
図1)を、処理するための方法に関する。この空間領域RBは、テラヘルツ電磁波TSを放射及び/もしくは受け取るための、少なくとも1つのテラヘルツデバイス10、ならびに/または、テラヘルツ電磁波TSに露出され得る少なくとも1つの対象物20、を含む。本方法は、モデルMODを提供すること100(
図2)と、このモデルMODによって、空間領域RBにおける2つの隣接した媒体M1、M2間の、少なくとも1つの境界面GF(
図3参照)における領域で、テラヘルツ電磁波TSの伝番を特徴付けること(例えば説明すること)102と、を含む。このモデルMODは、THz電磁波TSを特徴付け、かつ以下の要素、a)テラヘルツ電磁波TSの周波数、b)例えば第1の空間的方向R-xに沿って2つの隣接した媒体M1、M2の内少なくとも一方の空間的拡張D及び/または位置、の内少なくとも一方に依存する条件Tを含む。
【0040】
別の例示的な実施形態において、空間領域RB内で隣接した2つの媒体M1、M2は、THzデバイス10(例えばTHzエミッタ(
図1に図示せず)及び/もしくは任意選択で光線形成THz光学システムなど)で重要となり、ならびに/または、周囲空気及び/もしくは乾燥空気及び/もしくは防護ガスなど、空間領域RBの環境UMに存在する媒体は、対象物20で重要となり得る。
図3による例示的な層構造M1、M2を参照されたい。
【0041】
別の例示的な実施形態において、空間的拡張Dは、例えば対象物20における層M1の層厚などの、厚さとし得る。
【0042】
図3は、例えば
図1による対象物20の例示的な構造を示す。この所与の構造は、例えば各々が対応した材料M1,M2,M3、M4から構成された、4つの層20-1、20-2、20-3、20-4を有する。参照記号GF-0は、層20-1の媒体M1と、環境UM(
図1)に存在する周囲媒体との間における境界面を表わす。参照記号GF-1は、層20-1の媒体M1と、層20-2の媒体M2との間における境界面を表わす。参照記号GF-2は、層20-2の媒体M2と、層20-3の媒体M3との間における境界面を表わす。参照記号GF-3は、層20-3の媒体M3と、層20-4の媒体M4との間の境界面を表わす。
図4Aによる構造内で伝播されたTHz電磁波は、
図4Aにおいて破線のブロック矢印TSで表わされる。
【0043】
図4Bは、
図4Aによる構造に類似して、THz電磁波TSにおける構成要素のいくつかの反射及び/または透過の詳細を伴う構造の例を示す。THz電磁波TSは、例えば以下の例によって説明するTHzパルスの形態で照射される。
【0044】
別の例示的な実施形態において、媒体M1は、例えばTHzデバイス10と対象物20との間における環境UMに存在する周囲媒体を表わし得る。
【0045】
別の例示的な実施形態において、媒体M4は、例えば金属製基体を表わし得る。その上に、この例では2つである、他の媒体M2、M3で作られた2つの層20-2、20-3が配設され得る。これらの層は、例えば基体M4をコーティングするための塗料など、ポリマーを含むコーティング材料で作られる。
【0046】
別の例示的な実施形態において、少なくとも2つの媒体M1,M2,M3、M4間の、少なくとも1つの境界面GF-1、GF-2、GF-3におけるテラヘルツ電磁波TSの少なくとも1つの反射r
0、r
1、r
2、r
0’、r
1’(
図4B)及び/または透過t
0、t
1、t
0’、t
1’を特徴付けるために、モデルMOD(
図1)が提供される。例えばこのモデルMODは、様々な異なる媒体間の少なくとも2つの境界面における、テラヘルツ電磁波TSの複数の反射及び/または透過を特徴付ける。例えばテラヘルツ電磁波を特徴付ける条件T(
図1)は、少なくとも2つの境界面の各々で異なる値T-1、T-2(
図4A)、T-1、T-2、T-3(
図4B)を有する。
【0047】
別の例示的な実施形態において、可干渉性の重畳関数(kohaerenten Ueberlagerungsfunktion)によって、空間領域RB(
図1)における全ての2つの隣接した媒体M1、M2、M3、M4(
図4A、
図4B)間の複数の境界面GF-0、GF-1、GF-2、GF-3において、テラヘルツ電磁波TSの、1つまたは複数の、反射及び/もしくは透過を特徴付けるために、モデルMODが提供される。条件Tは、重み付け係数Gとして、例えば可干渉性の重畳関数(kohaerenten Ueberlagerungsfunktion)の少なくともいくつかの構成要素以外の重み付け係数として、提供される。
【0048】
図5における別の例示的な実施形態において、テラヘルツ電磁波TSによる、反射配置または透過配置における対象物20のサンプル測定を特徴付ける、第1の構成要素MOD-1を有するモデルMODが提供される。例えば、第1の構成要素MOD-1は、周波数領域において、例えば以下の数式に基づいた反射配置で特徴付けられ得る:
【0049】
【数4】
ここでF
S(ω,x,y,z)は、サンプル信号の場の強度を特徴付け、それは例えば周波数依存である(及び例えば対象物20で反射または透過したTHz電磁波TSの構成要素として、THzデバイス10によって受け取られ得る)。ここでωは、テラヘルツ電磁波TSの周波数に関連付けられた(例えばω=2πfに従った)角周波数fを特徴付ける。ここでxは、第1の空間座標を特徴付ける。ここでyは、第2の空間座標を特徴付ける。ここでzは、第3の空間座標を特徴付ける。ここでI
0(ω,x,y,z)は、テラヘルツ電磁波TSを生成するエミッタ11(
図6)におけるテラヘルツ電磁波TSの場の強度を特徴付け、それは例えば周波数依存であってよい。ここでexp[ ]は、指数関数を特徴付ける。ここでiは、虚数単位を特徴付ける。ここでc
0は、真空における光の速度を特徴付ける。ここでLは、テラヘルツデバイス10と基準対象物20’との間の距離(
図6)を特徴付ける(金属製の「層」など、例えば公知の構造を有する)。ここでΔDは、基準対象物20’と対象物20との間のずれを特徴付ける。ここでn
Aは、空間領域RB(
図1)に存在する、空気(例えば周囲空気、乾燥空気)などの媒体の屈折率を特徴付ける。ここで∈
Aは、空間領域RBに存在する媒体の吸光係数を特徴付ける。ここでΦ
0(ω,x,y,z)は、テラヘルツ電磁波TSを生成するエミッタ11におけるテラヘルツ電磁波TSの位相を特徴付け、それは例えば周波数依存である。ここでt
A1は、空間領域RBに存在する媒体と、対象物20の表面20aを特徴付ける層20-1との間の境界面GF-0(
図4A)における、透過係数を特徴付ける。ここでt
1Aは、対象物20の表面20aを特徴付ける層20-1と、空間領域RBに存在する媒体との間の境界面における、透過係数を特徴付ける。ここでr
1Sは、対象物20の層20-3と基体20-4との間の境界面GF-3における、反射係数を特徴付ける。ここでRは、テラヘルツ電磁波TSの反射及び/もしくは透過の、数ならびに/または連続する順番を特徴付ける反射指数を、特徴付ける。ここでr
1Aは、対象物20の表面20aを特徴付ける層と、空間領域RBに存在する媒体との間の境界面における、反射係数を特徴付ける。ここでG(D,R,ω,x,y,z,α,β,Ω)は、THz電磁波TSを特徴付ける条件T(
図1)、または重み付け係数(例えば式における被加数の重み付け)を特徴付ける。
【0050】
【数5】
ここでDは、層20-1、20-2の層厚を特徴付ける。ここでnは、層20-1、20-2、・・・の屈折率を特徴付ける。ここで∈は、層20-1、20-2の吸光係数を特徴付ける。ここでr
A1は、空間領域RBに存在する媒体と、対象物20の表面20aを特徴付ける層との間の境界面における、反射係数を特徴付ける。ここでα及び/またはβは、任意選択で、対象物20に対するテラヘルツデバイス10の(例えば1つまたは2つの空間的方向における)角度配向を特徴付ける。ここでΩは、任意選択で、対象物20における表面20aの特性を特徴付け、対象物20における表面20aの特性は、例えば以下の要素、a)曲率などの表面20a形状、b)表面20aの粗度、の内少なくとも一方を含む。
【0051】
図5における別の例示的な実施形態において、テラヘルツ電磁波TSによる、反射配置または透過配置における基準対象物20’の基準測定を特徴付ける、第2の構成要素MOD-2を有するモデルMODが提供される。第2の構成要素MOD-2は、周波数領域において、例えば以下の数式に基づいた反射配置で特徴付けられ得る:
【0052】
【数6】
ここでF(ω,x,y,z)は、例えば周波数依存で、(例えば基準対象物20’で反射したTHz電磁波TSの構成要素として、THzデバイス10によって受け取られ得る)基準信号の場の強度を特徴付ける。ここでr
AMは、空間領域RBに存在する媒体と、基準対象物20’の表面20a’との間の境界面における、反射係数を特徴付ける。
【0053】
別の例示的な実施形態において、例えば以下の数式に基づいて、周波数領域における反射配置(
図6)のために特徴付けることができる、モデルMOD(
図1、
図5)が提供される:
【0054】
【数7】
ここでH(ω)は、例えば基準測定に関連した、テラヘルツ電磁波TSの透過関数を特徴付ける。
【0055】
別の例示的な実施形態において、a)テラヘルツ電磁波TSの周波数、及び/もしくは角度周波数、ならびに/または、b)例えば第1の空間方向R-xに沿った2つの隣接した媒体の内少なくとも一方の、空間拡張及び/もしくは位置(例えば座標x,y,zによって特徴付けられる)、の代替または追加として、以下の要素、c)反射及び/または透過の数、ならびに連続を特徴付ける、反射指数R、d)対象物20に対するテラヘルツデバイス10の角度配向(例えばTHzデバイス10の光学軸OAと、表面20aの垂直ベクトル20a-nとの間の、少なくとも1つの角度α、β、
図9参照)、e)例えば少なくとも1つのテラヘルツデバイス10及び/もしくは少なくとも1つの対象物20の間の距離L、f)表面20aの形状及び/もしくは20a表面の粗度など、少なくとも1つの対象物20における表面20aの特性、の内少なくとも1つに依存する条件T、ならびに/または、重み付け係数G(例えば式の記号G(D,R,ω,x,y,z,α,β,Ω))が提供される。
【0056】
別の例示的な実施形態において、数式の以下の部分における合計は、上部境界「無限」まで評価されず、ここでは例として言及するが、反射指数の、予め決めることができる有限値Rmaxまで評価されない。したがって、別の例示的な実施形態において、以下を適用する、
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
別の例示的な実施形態において、Rmaxの値は、例えば以下の要素、a)所望の精度、b)利用可能な計算能力、の内少なくとも一方に基づいて選択され得る。
【0062】
別の例示的な実施形態において、例えば条件T及び/または重み付け係数G( )を使用して、テラヘルツ電磁波TSの透過関数における距離依存のスペクトル変化を、距離依存及び/または深さ依存の、減衰及び/または増幅としてモデル化するために、モデルMODが提供される。
【0063】
別の例示的な実施形態において、例えば条件T及び/または重み付け係数G( )を使用して、テラヘルツ電磁波TSの透過関数における角度依存のスペクトル変化を、角度依存の、減衰及び/または増幅としてモデル化するために、モデルMODが提供される。
【0064】
別の例示的な実施形態において、例えば条件T及び/または重み付け係数G( )を使用することで、例えば表面20aの形状及び/または表面20aの粗度に基づくなど、少なくとも1つの対象物20の少なくとも1つの表面20aの特性に基づいて、テラヘルツ電磁波TSの透過関数のスペクトル変化をモデル化するために、モデルMODが提供される。
【0065】
別の例示的な実施形態において、モデルMODは、「差分モデル化」として言及され得るTHz電磁波TSの伝播のモデル化を可能にする。したがって、例えば、モデル化目的のために、(及び/または、例えば任意の個々の反射における重要性のために)個々の反射の経路を、専用に考慮に入れることが可能である。
【0066】
別の例示的な実施形態において、モデルMODは、THz電磁波TSの(部分的な)パルスにおける反射及び透過の、例えばRmax値によって特徴付けられ得る、予め決定された最大次数までの、考えられる組み合わせの個々の説明を可能にする。別の例示的な実施形態において、個々の反射ポイント(例えば境界面の領域)における厚さ依存の距離は、各々のこのようなポイントのための対応した軌道を使用して、画定される。したがって、別の例示的な実施形態において、サンプルから導出された対象物20の幾何学的効果を、効率的に統合することが可能である(それによって、別の例示的な実施形態において、透過関数の距離依存のスペクトル変化は、深さ依存の減衰としてモデル化され得る)。
【0067】
別の例示的な実施形態において、少なくとも部分的に異なる媒体M1,M2、M3、M4のいくつかの層20-1、20-2、20-3、20-4(
図4B)を有する対象物20を含むために、モデルMODが提供される。例えばこのモデルMODは、以下の要素、a)隣接する層間などにおける、対象物20におけるテラヘルツ電磁波TSの反射及び/または透過、b)対象20における、テラヘルツ電磁波TSの複数の反射及び/または複数の透過、c)例えは反射指数Rによって特徴付けられ得る、対象物20の仮想反射ポイント及び/または仮想透過ポイント、d)対象物20における、テラヘルツ電磁波TSの様々な反射及び/または透過の可干渉性の重畳(kohaerente Ueberlagerung)、の内少なくとも1つを特徴付ける。
【0068】
図7における別の例示的な実施形態において、テラヘルツデバイス10、ならびに対象物20及び/または基準対象物20’(
図6)、ならびに任意選択として、テラヘルツデバイス10及び対象物20もしくは基準対象物20’の周りの周囲媒体UM、を特徴付けるシステムSYS(
図1)の、光学的モデルMOD-OPTに基づいて、条件T及び/または条件の個々の値T-1、T-2、T-3、・・・を決定すること110、をさらに含むための方法が提供される。例えば光学的モデルMOD-OPTは、例えばシステムSYS内でテラヘルツ電磁波TSのスペクトル透過関数を特徴付ける。
【0069】
他の例示的な実施形態において、例として上記で言及した反射の原理を使用して、測定が実施され得る。例えば
図6における破線ブロック12は、例えば(基準)対象物20、20’で反射したTHz電磁波など、THz電磁波TSを検出するための光学的検出器を表わす。
【0070】
別の例示的な実施形態において、例として上記で言及した反射の原理に対する、代替または追加として、透過の原理を使用することによって測定が実施され得る。
図6の右側における任意選択のTHz検出器12’を参照されたい。これは、例えば(基準)対象物20、20’で透過されたTHz電磁波TSの構成要素TS’を検出するのを可能にする。透過の原理に従った測定に基づいた実施形態のために、本明細書で説明するモデルMODの態様、及び条件Tの利用を、対応した方法で適用することになる。
【0071】
図7における別の例示的な実施形態において、テラヘルツデバイス10、ならびに対象物20及び/または基準対象物20’、ならびに任意選択として、テラヘルツデバイス10及び対象物20もしくは基準対象物20’の周りの周囲媒体UM、を特徴付けるシステムSYSの、光学的モデルMOD-OPTに基づいた、条件T及び/または条件Tにおける個々の値T-1、T-2、T-3、・・・を決定すること110、をさらに含むための方法が提供される。光学的モデルMOD-OPTは、例えばシステムSYS内でテラヘルツ電磁波TSの空間的拡張にわたる振幅及び位相を特徴付ける。
【0072】
別の例示的な実施形態において、テラヘルツ電磁波TSの回折効果を考慮に入れた光学的モデルMOD-OPTが提供される。
【0073】
図7の任意選択のステップ112は、条件Tか、またはその値を、例えばモデルMODを決定及び/または利用するために表わす。
【0074】
図8における別の例示的な実施形態において、a)光線追跡120a、及び/または、b)例えばコリンズ積分などの回折積分による回折理論に基づいた説明120b、及び/または、c)モデル関数を有するパラメトリック計算120c、ならびに任意選択で、光学的モデルMOD-OPTを較正すること122、によるモデル化に基づいて、光学的モデルMOD-OPTを決定すること120、をさらに含むための方法が提供される。ここで、例えば光学的モデルMOD-OPTを決定すること120及び/または較正すること122、は周波数分解技術によって実行される。
【0075】
別の例示的な実施形態において、以下の要素、a)テラヘルツデバイス10の光学軸OA(
図9)と、対象物20または基準対象物20’に対して垂直の表面20a-nとの間の角度α(β)、b)テラヘルツデバイス10と、対象物20または基準対象物20’の表面20a、20a’との間の距離L、c)例えば表面20a、20a’の曲率などの形状FO、及び/または表面20a、20a’の粗度に基づく、少なくとも1つの対象物20及び/または基準対象物20’の表面20aの特性、d)テラヘルツ電磁波TSの周波数、の内少なくとも1つに基づいて、例えばスペクトル透過関数、ならびに/または空間的振幅及び/もしくは位相に対して、光学的モデルMOD-OPTを較正すること122、をさらに含むための方法が提供される。
【0076】
図9の破線ブロック11は、THz電磁波TSを生成するための、任意選択のエミッタを表わす。
図9の破線ブロック12は、例えば対象物20及び/または基準対象物20’で反射または透過した、THz電磁波TSの部分など、THz電磁波TSを検出するための、任意選択の検出器を記号化する。
【0077】
例示的な実施形態において、光学的モデルMOD-OPTを決定する目的の計算は、例えば「開始面」(例えばTHzエミッタ11によって特徴付けられ得る)で開始して、任意選択の光学(THz)システム(図示せず)を介して、対象物20まで拡張することによって(局所範囲及び/または角度範囲における対象物20の位置の変動を含み)実施される。これは、適切な、対象物20からTHz検出器12(「目標面」)までの戻りにおいて、上記の任意選択の光学システムを介して提供され得る。
【0078】
別の例示的な実施形態において、外形を変化させることによって((対象物20)の形状、ならびに/または1つもしくは2つの空間的方向における距離及び角度、に関する乱れを考慮に入れることで)、周波数分解技術によって、THz信号のための伝達関数を計算することが可能であり、それに基づいて、別の例示的な実施形態において、例えば条件Tを決定することが可能である。
【0079】
別の例示的な実施形態において、受信経路及び送信経路を事前に独立して計算し、例えばデータベースDBに記憶させることが可能である。受信経路は、例えば対象物20からTHz検出器12までの距離によって特徴付けられ得る。受信経路は、例えばTHZzエミッタ11から対象物20までの距離によって特徴付けられ得る。
【0080】
別の例示的な実施形態において、光学的モデルMOD-OPTとして使用されるモデルは、例えばABCDマトリクスに基づいたパラメトリックの光学的モデルであってもよい。ABCDマトリクスは、例えば電力密度配分のモーメント、及び/またはこのモーメントの伝播を特徴付ける。
【0081】
別の例示的な実施形態において、光学的モデルMOD-OPTとして使用されるモデルは、例えば数的な光学的モデルであってもよい。
【0082】
図10における別の例示的な実施形態において、モデルMODによって特徴付けられた反射ポイント及び/または透過ポイントの、空間的位置(例えば境界面GF-0、GF-1、・・・の領域)を変化させること130と、この変化させること130に基づいて、対象物20の媒体M2における少なくとも1つの層20-2の厚さD-M2などの特性D-M2(
図4B)を導出すること132と、をさらに含むための方法が提供される。例えば、以下の要素、a)相関法を実施すること132a、b)パターン認識の方法を実施すること132b、c)最大及び/または最小を判断すること132c、d)機械学習方法を利用すること132d、e)フィッティング法を実施すること132e、の内少なくとも1つが、特性を導出する132ために使用される(
図11)。
【0083】
別の方法に当てはめると、別の例示的な実施形態において、モデルMODの少なくとも1つのパラメータは、モデルによって特徴付けられるTHz電磁波TSのための透過関数
【0084】
【数12】
が、例えば予め決められた許容の測定を用いて、対象物20に対する測定によって決定可能及び/または決定された、THz電磁波TSのための少なくとも1つの透過関数に相当するまで、変更される。それは、別の例示的な実施形態において、態様a)~e)の内少なくとも1つに従って、例えば上記の導出すること132によって、実施され得る。
【0085】
図12における別の例示的な実施形態において、モデル、及び/または光学的モデルの少なくとも1つの構成要素を事前計算するのを判断すること140、ならびに任意選択で、例えば事前計算するのを判断すること140の判断結果VEを、少なくとも一時的に記憶すること142、をさらに含むための方法が提供される。例えばこの結果VEは、データベースDB(やはり
図1参照)に記憶される。
【0086】
別の例示的な実施形態において、例えば複数の考えられるパラメータ値(例えば対象物20における様々な層の層厚D-M2)のために、モデルMOD及び/またはモデルMODの少なくとも構成要素MOD-1、MOD-2を、事前計算すること140は、例えばTHz電磁波TSの透過関数H( )と、事前計算すること140によって予め決定された少なくとも1つの考えられる透過関数と、を比較することによって、対象物20の特性(例えば層20-2の層厚D-M2)を、効率的に決定するのを可能にする。
【0087】
図13における別の例示的な実施形態において、テラヘルツデバイス10ならびに対象物20または基準対象物20’の、互いに対するいくつかの異なる空間的配置(例えば距離L及び/または少なくとも1つの角度α、β)の基準データRDを決定すること150、をさらに含むための方法が提供され、それは、例えば所与の配置において、テラヘルツデバイス10ならびに対象物20及び/または基準対象物20’を互いに対して配設すること150aと、所与の配置のための基準データRDを決定すること150bと、同様に任意選択で、予め決定された終了基準に達するまで、配設すること150a及び決定すること150bのステップを繰り返すこと152、をさらに含む。この配設すること150aは、例えばテラヘルツデバイス10及び/または対象物20もしくは基準対象物20’を、ロボットなどの位置付けデバイスPE、PE’(
図9)によって位置付けることを含む。
【0088】
図14における別の例示的な実施形態において、(例えば追加の)センサを使用して、以下の要素、a)テラヘルツデバイス10と、対象物20または基準対象物20’との間の距離L、AB、b)テラヘルツデバイス10と、対象物20または基準対象物20’との間の、例えば一次元配置(すなわち角度αによって特徴付けられる)または二次元配置(すなわち角度α、βによって特徴付けられる)における角度配向WA、c)対象物20または基準対象物20’の表面20aにおける曲率などの形状FO、の内少なくとも1つを決定すること160、をさらに含むための方法が提供される。別の例示的な実施形態において、光学的センサ(例えばレーザ距離測定及び/もしくはレーザ角度測定)、及びに/もしくは音響センサ(例えば超音波センサ)、ならびに/またはレーダセンサなどの電磁波の利用に基づいたセンサを決定すること160、のために使用され得る。
【0089】
図14における別の例示的な実施形態において、例えば条件Tならびに/または条件Tの個々の値を決定するために、モデルMODの距離L、AB及び/もしくは角度配向WA、及び/もしくは形状FOを利用すること162を、さらに含むための方法が提供される。
【0090】
図15における別の例示的な実施形態において、例えば反射ポイントGF(及び/または全ての顕著な反射ポイント、すなわち例えば予め決められた最小寄与を測定及び/または測定結果に提供する全ての反射ポイント)である、対象の少なくとも1つの領域が、パラメータ範囲(例えば距離範囲及び/または角度範囲によって特徴付けられる)内に位置されるか、を判断すること170、をさらに含むための方法が提供される。そのため、例えば計算及び/または較正された透過関数を介して特徴付けることができる、条件Tの値T-1、T-2、T-3、・・・、及び/または基準データRDは利用可能であり、例えば距離及び/または角度などの適切な空間的配置を決定すること170、変更すること172に基づく。例えば変更すること172は、例えば対象の領域が上記のパラメータ範囲内に位置するまで繰り返され173、任意選択で評価を実施する174。別の例示的な実施形態において、評価すること174は、事前計算140(
図12)の目的のためにも実施され得る。
【0091】
図16における別の例示的な実施形態は、これらの実施形態に従った方法を実施するためのデバイス200に言及する。
【0092】
別の例示的な実施形態において、コンピュータデバイス(「コンピュータ」)202と、以下の要素、a)データDAT(例えばモデルMOD及び/またはデータベースDB(
図1)の少なくとも一部)、b)特に実施形態に従った方法を実行するための、コンピュータプログラムPRG、の内少なくとも1つを一時的に記憶するためにコンピュータデバイス202に関連付けられた、記憶デバイス204と、を含むためのデバイス200が提供される。
【0093】
別の好ましい実施形態において、記憶デバイス204は、揮発性メモリ204a(例えばワーキングメモリ(RAM))、及び/または不揮発性メモリ204b(例えばフラッシュEEPROM)を有する。
【0094】
別の例示的な実施形態において、コンピュータデバイス202は、以下の要素の内少なくとも1つを有する、及び/または、構成される:マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、プログラム可能論理デバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGA)、ハードウェア回路、またはこれらの任意の組み合わせ。
【0095】
別の例示的な実施形態は、コンピュータ202によって実行されるときに、実施形態に従った方法をコンピュータ202に実行させる命令PRG’を備えた、機械読み取り可能な記憶媒体SMに言及する。
【0096】
別の例示的な実施形態は、コンピュータ202によって実行されるときに、実施形態に従った方法をコンピュータ202に実行させる命令を備えた、コンピュータプログラムPRGに言及する。
【0097】
別の例示的な実施形態は、実施形態に従ったコンピュータプログラムPRGを特徴付け、及び/または送信する、データ伝送信号DCSに言及する。データ伝送信号DCSは、例えばデバイス200における任意選択のデータインターフェース206を介して、受信され得る。
【0098】
別の例示的な実施形態において、少なくとも1つの位置付けデバイスPE、PE’も、例えばデータインターフェース206を介して制御され得る。
【0099】
図17における別の例示的な実施形態は、実施形態に従った方法、ならびに/または実施形態に従ったデバイス、ならびに/または実施形態に従った機械読み取り可能な記憶媒体、ならびに/または実施形態に従ったコンピュータプログラム、ならびに/または以下の要素、a)例えば対象物20の少なくとも1つの層20-2の層厚D-M2など、対象物20の少なくとも1つの特性を決定すること302、b)限定ではないが例えば平坦波など、非平坦形態のテラヘルツ電磁波TSの伝播を考慮に入れることによって、モデルMODの精度を高めること304、c)テラヘルツデバイス10までの距離L、及び/もしくはテラヘルツデバイス10と対象物20との間の角度配向、及び/もしくは対象物20の形状及び/もしくは表面特性、におけるスペクトル透過関数の依存性を考慮に入れること306、d)テラヘルツデバイス10に対する角度α、βにおけるスペクトル透過関数の依存性を考慮に入れること306、e)例えば表面20a、20a’の曲率などの形状FO、及び/または表面20a、20a’の粗度に基づいて、少なくとも1つの対象物20または基準対象物20’の表面20aの特性を考慮に入れること308、の内少なくとも1つのための、実施形態に従ったデータ伝送信号の利用300に言及する。
【0100】
図18は、別の例示的な実施形態による、簡略化したブロック図を概略で示す。示されるのは配置であり、この配置の周りの、空気などの周囲媒体UMを伴い、基体20-3(例えば金属)上に適用された2つの塗料層20-1、20-2を有する、例えば測定対象物である。例示的な実施形態及び態様は、以降では
図18に従った配置を参照して説明する。例として、THz電磁波の入って来る平面波及び出ていく平面波は、記号「+」/「-」で区別される。
【0101】
別の例示的な実施形態において、(上記で記載された数式に関連した)以下の追加パラメータの1つまたはいくつかは、モデルMOD(
図1)のために提供され得る。
・F
-
A,n(ω):n回目の繰り返しステップで、空気において後方に進むTHzパルスの、周波数依存の場の強さ
・F
-
1,n(ω):n回目の繰り返しステップで、第1の塗料層(「層1」20-1)において後方に進むTHzパルスの、周波数依存の場の強さ
・F
-
2,n(ω):n回目の繰り返しステップで、第2の塗料層(「層2」)20-2において後方に進むTHzパルスの、周波数依存の場の強さ
・F
+
A,n(ω):n回目の繰り返しステップで、空気UMにおいて前方に進むTHzパルスの、周波数依存の場の強さ
・F
+
1,n(ω):n回目の繰り返しステップで、第1の塗料層20-1において前方に進むTHzパルスの、周波数依存の場の強さ
・F
+
2,n(ω):n回目の繰り返しステップの、第2の塗料層20-2において前方に進むTHzパルスの、周波数依存の場の強さ
・r
12:層1/層2の境界層における反射係数
・r
21:層2/層1の境界層における反射係数
・t
12:層1/層2の境界層における透過係数
・t
21:層2/層1の境界層における透過係数
・r
2S:層2/基体20-3の境界層における反射係数
・D1:層1(層20-1)の層厚
・D2:層2(層20-2)の層厚
・R
1:層1の反射指数
・R
2:層2の反射指数
・n1、n2は、層1及び層2の屈折率
・∈1、∈2は、層1及び層2の吸光係数
【0102】
別の例示的な実施形態において、以下の位相条件(例えば依存パラメータとして)の内1つまたはいくつかは、モデルMOD(
図1)のために提供され得る。
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
別の例示的な実施形態において、複数の反射が考慮に入れられ得るので、限定されていない数の条件が生成され得る。
図18に従った配置によって生成され得る。THz検出器12、12’(
図6)に到達する電界F
-
Aが、別の例示的な実施形態において、例えば以下の数式によって特徴付けられる連続した列によって画定される:
【0107】
【0108】
別の例示的な実施形態において、伝播するTHz電磁波に関連付けられた、層20-1、20-2(及び任意選択で周囲媒体UM)における電界は、例えば対応した列によって、以下の数式の内少なくとも1つに従って、または特徴付けられて、画定される:
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
別の例示的な実施形態において、開始条件は、以下のように選択される:
・F+
A,1(ω)=I0(ω,x,y,z)e-iΦ0(ω,x,y,z):入ってくる電界
・F-
A,1(ω)=F+
1,1(ω)=F-
1,1(ω)=F+
2,1(ω)=F-
2,1(ω)=0
【0115】
別の例示的な実施形態において、別の条件は、以下のように選択される:
・F+
A,n(ω)=0(1つのみの入力THzパルス)
・F-
A,n(ω)=r1AF-
1,n-1(ω)+rA1F+
A,n-1(ω)
・F-
1,n(ω)=r12A(1)F+
1,n-1(ω)+B(1)t21F-
2,n-1(ω)
・F+
1,n(ω)=F-
1,n-1(ω)r1A+tA1F+
A,n-1(ω)
・F-
2,n(ω)=F+
2,n-1(ω)r2SA(2)
・F+
2,n(ω)=F+
1,n-1(ω)t12B(1)+F-
2,n-1r21
【0116】
別の例示的な実施形態において、伝達関数は以下のように決定される。
【0117】
反射したTHzパルスF
-
vは、空気中で移動した距離を考慮に入れ、追加として、層パケット20-1、20-2における測定と、基準測定との間のずれΔDによって補正される(やはり
図6参照)。
【0118】
【0119】
別の例示的な実施形態において、基準測定は以下のようである。
【0120】
【0121】
様々な距離(「z」)依存性を考慮に入れるために、別の例示的な実施形態において、上記で説明した条件T、及び/または重み付け係数(または外形係数)とも呼ばれる条件G(D1,R1(n),D2,R2(n)、ω,x,y,z,α,β)が、挿入される。この目的のため、別の例示的な実施形態において、出ていく光線には、補正係数が提供される。
・F+
A,n(ω)=0(例えば1つのみの入射THzパルス)
・F-
A,n(ω)=(t1AF-
1,n-1(ω)+rv1F+
A,n-1(ω))・G(D1,R1(n),D2,R2(n),ω,x,y,z,α,β)
・F-
1,n(ω)=r12A(1)F+
1,n-1(ω)+B(1)t21F-
2,n-1(ω)
・F+
A,n(ω)=F-
1,n-1(ω)r1A+tA1F+
A,n-1(ω)
・F+
A,n(ω)=F+
2,n-1(ω)r25A(2)
・F+
2,n(ω)=F+
1,n-1(ω)t12B(1)+F-
2,n-1(ω)r21
ここで、例えばR1(n)、R2(n)は、層1または層2におけるTHz電磁波の反射の数を特徴付ける。これらの条件は、別の例示的な実施形態において、例えばそれぞれの条件におけるA(1)及びA(2)の有効性によって列を計算するときに、決定され得る。
【0122】
別の例示的な実施形態において、「L層の対象物」(いくつかのL層を有する配置及び/または測定対象物)に適用するよう、モデルMODの一般化を確立することが可能である。ここでFm,nは、n回目の繰り返しステップのためのm次層におけるTHz電磁波の電界を表わし、例えば以下によって特徴付けられる:
・F-
m,n(ω)=rm,m+1A(m)F+
m,n-1(ω)+B(m)tm+1,mFm+1,n-1(ω)
・F+
m,n=F-
m,n-1(ω)rm,m-1+tm-1,mF+
m-1,n-1(ω)
【0123】
別の例示的な実施形態において、以下の特別な事例が考慮され得る:
・F-
1,n(ω)=r12A(1)F+
1,n-1(ω)+B(1)t21F-
2,n-1(ω)
・F+
1,n(ω)=F-
1,n-1(ω)r1A+t1AF+
A,n-1(ω)
・m=L(letzte Schicht)
・rm,m+1=rL,S,F-
m+1,n-1(ω)=0
【0124】
開示条件:
F+
A,1(ω)=I0(ω,x,y,z)e-iΦ0(ω、x,y,z):入って来る電界、全ての他の条件は例えばゼロ。
【0125】
別の例示的な実施形態において、本実施形態による原理は、このように例えばL層の対象物及び/またはL層の対象物のためのモデルMOD、MOD-1、MOD-2にも適用され得る。
【国際調査報告】