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特表2023-545439コールドゾーンを有するヒーターを備えるエアロゾル発生装置
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  • 特表-コールドゾーンを有するヒーターを備えるエアロゾル発生装置 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】コールドゾーンを有するヒーターを備えるエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20231023BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231023BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231023BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023521843
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2021079554
(87)【国際公開番号】W WO2022090162
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】20204491.3
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ジャリオー マリン
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァンシー フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】パンテア シルビウ ナタナエル
(72)【発明者】
【氏名】ペイネンブルグ ヨハンネス ペートルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】イム ジュン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】イシ グレゴリ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC01
4B162AC22
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品に関する。ヒーター組立品は、エアロゾル形成基体を加熱するための細長い加熱チャンバーを備える。ヒーター組立品は、加熱チャンバーの周りに配置される発熱体をさらに備える。加熱チャンバーは第一の長さを有し、発熱体は第二の長さを有する。加熱チャンバーの長さは、加熱チャンバーの近位端と発熱体の近位端との間に近位距離があるように、発熱体の長さよりも大きい。本発明はさらに、ヒーター組立品を含むエアロゾル発生装置、ならびにエアロゾル発生装置およびエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生システムに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のヒーター組立品であって、
エアロゾル形成基体を加熱するための細長い加熱チャンバーと、
前記加熱チャンバーの周りに配置される発熱体であって、前記加熱チャンバーが第一の長さを有し、前記発熱体が第二の長さを有する発熱体と、を備え、
前記加熱チャンバーの前記長さが、前記加熱チャンバーの近位端と前記発熱体の近位端との間に近位距離があるように、前記発熱体の前記長さよりも大きく、前記近位距離が、0.1ミリメートル~4ミリメートルである、ヒーター組立品。
【請求項2】
前記近位距離が、1ミリメートル~3ミリメートル、より好ましくは1.5ミリメートル~2.5ミリメートル、最も好ましくは約2ミリメートルである、請求項1に記載のヒーター組立品。
【請求項3】
前記加熱チャンバーの内径と前記近位距離との比が、2~4、好ましくは2.25~3.15、より好ましくは2.60~2.75、最も好ましくは約2.68である、請求項1または2のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項4】
前記加熱チャンバーの長さと前記近位距離との比が、5.5~22、好ましくは9~13、より好ましくは約11である、請求項1~3のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項5】
前記近位距離が、前記加熱チャンバーの前記長さの6パーセント~14パーセント、好ましくは8パーセント~11パーセント、より好ましくは約9パーセントである、請求項1~4のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項6】
前記加熱チャンバーの前記長さが、15ミリメートル~35ミリメートル、好ましくは18ミリメートル~26ミリメートル、より好ましくは20ミリメートル~24ミリメートル、最も好ましくは約22ミリメートルである、請求項1~5のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項7】
前記発熱体の前記長さが、15ミリメートル~21ミリメートル、好ましくは17ミリメートル~18ミリメートル、より好ましくは約17ミリメートルである、請求項4に記載のヒーター組立品。
【請求項8】
前記加熱チャンバーの前記長さが、10ミリメートル~14ミリメートル、好ましくは11ミリメートル~13ミリメートル、より好ましくは約12ミリメートルである、請求項1~3のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項9】
前記発熱体の前記長さが、10ミリメートル~13ミリメートル、好ましくは約11ミリメートルである、請求項8に記載のヒーター組立品。
【請求項10】
前記加熱チャンバーの前記内径が、4.5ミリメートル~6.3ミリメートル、好ましくは5.2ミリメートル~5.5ミリメートル、より好ましくは約5.35ミリメートルであり、または前記加熱チャンバーの前記内径が、6.8ミリメートル~7.5ミリメートル、好ましくは7.2ミリメートル~7.4ミリメートル、より好ましくは約7.3ミリメートルまたは7.35ミリメートルである、請求項1~9のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項11】
前記加熱チャンバーの遠位端と前記発熱体の遠位端との間に遠位距離がある、請求項1~10のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項12】
前記遠位距離が、1ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートル、より好ましくは2.5ミリメートル~3.5ミリメートル、最も好ましくは約3ミリメートルである、請求項11に記載のヒーター組立品。
【請求項13】
前記加熱チャンバーの内径と前記遠位距離との比が、1~3、好ましくは1.5~2.1、より好ましくは1.73~1.83、最も好ましくは約1.78である、請求項11または請求項12に記載のヒーター組立品。
【請求項14】
前記加熱チャンバーの長さと前記遠位距離との比が、5~11であり、好ましくは6~9であり、より好ましくは約7.3である、請求項11~請求項13のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項15】
前記遠位距離が、前記加熱チャンバーの前記長さの9パーセント~20パーセント、好ましくは12パーセント~15パーセント、より好ましくは約13.6パーセントである、請求項11~請求項14のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項16】
前記加熱チャンバーが中空管である、請求項1~15のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項17】
前記加熱チャンバーがステンレス鋼を含む、請求項1~16のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項18】
前記発熱体が、電気的に絶縁された基体上に一つ以上の導電トラックを備える、請求項1~17のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項19】
前記発熱体が、電気的に絶縁された基体上に一つ以上の導電トラックを備える、請求項1~18のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項20】
前記発熱体が可撓性であり、前記加熱チャンバーの周りに巻かれる、請求項1~18のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項21】
請求項1~19のいずれかに記載のヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項22】
請求項20に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含む基体部分を含むエアロゾル発生物品とを備え、前記エアロゾル発生物品が、前記加熱チャンバーの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される、エアロゾル発生システム。
【請求項23】
前記エアロゾル発生物品が前記加熱チャンバーの中に完全に挿入される時、前記発熱体の前記近位端と前記基体部分の近位端との間に近位コールドゾーンが延在する、請求項21に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項24】
前記システムが、前記エアロゾル形成基体を含む基体部分を含むエアロゾル発生物品を含み、前記エアロゾル発生物品が、前記加熱チャンバーの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される、請求項21または22に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項25】
前記基体部分の長さが、前記発熱体の長さよりも大きい、請求項23に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項26】
前記基体部分の長さが、前記加熱チャンバーの長さ以上である、請求項23に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項27】
前記基体部分の前記長さが、15ミリメートル~35ミリメートル、好ましくは18ミリメートル~26ミリメートル、より好ましくは20ミリメートル~24ミリメートル、最も好ましくは約22ミリメートルである、請求項21~25のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項28】
前記エアロゾル発生物品の外径が、4ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは約5.3ミリメートルである、請求項21~26のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品に関する。本開示はさらに、エアロゾル発生装置に関する。本開示はさらに、エアロゾル発生装置およびエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル発生物品に含有されたエアロゾル形成基体を加熱しうる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中にエアロゾル発生物品を挿入するためにロッド形状を有してもよい。発熱体は通常、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配置されている。
【0003】
発熱体によって生成される熱は、加熱チャンバーから誤って放散されることがある。熱は、周囲またはエアロゾル発生システムの他の構成要素に放散されることがある。熱は、自由空気の対流を介して加熱チャンバーから誤って放散されることがある。熱は、エアロゾル発生装置の構成要素を介した熱伝導によって、加熱チャンバーから誤って放散されることがある。熱は、例えば、エアロゾル形成基体を介して、エアロゾル発生物品の構成要素を介して熱伝導によって、加熱チャンバーから誤って放散されることがある。加熱チャンバーからの熱放散は、加熱することを意図しない装置の構成要素の加熱を引き起こしうる。例えば、ユーザーによって把持される装置のハウジングは、不快なほど高温になりうる。加熱チャンバーからの熱放散は、加熱チャンバー内の熱損失を引き起こす場合がある。加熱チャンバー内の熱損失により、加熱効率が低下しうる。加熱チャンバーを所望の温度に加熱するために、過剰な量のエネルギーが必要とされうる。
【0004】
エアロゾル発生物品は、基体部分および隣接するフィルター部分を含み得る。基体部分は、物品の遠位端に位置してもよく、エアロゾル形成基体を含み得る。フィルター部分は、物品の近位端に位置してもよく、マウスピースフィルター、例えば、セルロースアセテートフィルターを含んでもよい。使用中、加熱された基体部分からマウスピースフィルターに向かって熱があまりにも多く放散される場合、マウスピースフィルター内で潜在的に有害な成分が発生しうる。使用中、基体部分の大きな近位部分が充分に加熱されない場合、基体部分の遠位部分で発生されるエアロゾルは、ユーザーの口に到達する前に基体部分の冷たい近位部分内で誤って凝縮し得る。
【0005】
基体部分以外のエアロゾル発生物品の一部分の加熱を低減し得るエアロゾル発生装置を有することが望ましい。基体部分の近位部分に相当量のエアロゾルが凝縮するのを回避しうるエアロゾル発生装置を有することが望ましい。
【0006】
さらに、加熱チャンバーからの熱損失を低減し得るエアロゾル発生装置を有することが望ましい。エアロゾル発生装置の他の構成要素に対して加熱チャンバーを熱的に絶縁することが望ましい。ユーザーによって把持される装置の外側ハウジングの加熱を低減しうるエアロゾル発生装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置のためのヒーター組立品が提供される。ヒーター組立品は、エアロゾル形成基体を加熱するための細長い加熱チャンバーを備えてもよい。ヒーター組立品は、加熱チャンバーの周りに配置される発熱体をさらに備えてもよい。加熱チャンバーは、第一の長さを有してもよく、発熱体は、第二の長さを有してもよい。加熱チャンバーの長さは、加熱チャンバーの近位端と発熱体の近位端との間に近位距離があるように、発熱体の長さよりも大きくてもよい。
【0008】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置のためのヒーター組立品が提供される。ヒーター組立品は、エアロゾル形成基体を加熱するための細長い加熱チャンバーを備える。ヒーター組立品は、加熱チャンバーの周りに配置される発熱体をさらに備える。加熱チャンバーは第一の長さを有し、発熱体は第二の長さを有する。加熱チャンバーの長さは、加熱チャンバーの近位端と発熱体の近位端との間に近位距離があるように、発熱体の長さよりも大きい。
【0009】
近位距離を提供することによって、使用中に、加熱チャンバーの近位端は、発熱体によって囲まれる加熱チャンバーの他の部分よりも低い温度に加熱され得る。例えば、加熱チャンバーの近位端は、加熱チャンバーの長手方向の中心領域と比較して、より低い温度に加熱されてもよい。加熱チャンバーの近位の「コールドゾーン」は、発熱体の近位端と加熱チャンバーの近位端との間に提供されてもよい。使用中、コールドゾーンの温度は、加熱チャンバーの長手方向中心の温度を下回る場合がある。使用中に、コールドゾーン内の温度は、加熱チャンバー内の熱伝達のために、加熱チャンバーの外側の温度を著しく超えることがある。
【0010】
コールドゾーンの長手方向中心における温度は、加熱チャンバーの長手方向中心における温度の25パーセント~95パーセントとしうる。コールドゾーンの長手方向中心の温度は、加熱チャンバーの長手方向中心の温度の30パーセント~60パーセントとしうる。コールドゾーンの長手方向中心の温度は、加熱チャンバーの長手方向中心の温度の35パーセント~50パーセントとしうる。コールドゾーンの長手方向中心における温度は、加熱チャンバーの長手方向中心における温度の約45パーセントとしうる。加熱チャンバー内の最大温度は、240°C~280°C、好ましくは260°Cとすることができる。コールドゾーン内の最も冷たい点は、45°C~85°C、好ましくは65°Cとすることができる。
【0011】
エアロゾル形成基体が加熱チャンバーの中に挿入される時、エアロゾル形成基体の近位部分はコールドゾーン内に位置し得る。コールドゾーン内に位置するエアロゾル形成基体の近位部分は、エアロゾル形成基体の近位部分のエアロゾルの凝縮が低減または回避され得るように十分に加熱されてもよい。コールドゾーン内に位置するエアロゾル形成基体の近位部分は、エアロゾル形成基体の近位端に隣接して位置する構成要素の不注意による過剰加熱を低減または回避できるように、エアロゾル形成基体の遠位部分よりも低い温度に加熱されてもよい。
【0012】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の基体部分であってもよい。近位距離によって、基体部分以外のエアロゾル発生物品の一部分の加熱を低減または回避することができる。エアロゾル発生物品のマウスピースの不注意による加熱を低減または回避することができる。
【0013】
近位距離を提供することによって、使用中に、加熱チャンバーの近位端が熱くならないようにすることができる。加熱チャンバーの熱くない近位端から、周囲およびエアロゾル発生装置またはシステムの他の構成要素の一方または両方への熱損失が、より少なくなり得る。近位距離によって、エアロゾル発生装置またはシステムの他の構成要素に対する加熱チャンバーの断熱性が改善されうる。近位距離によって、ユーザーによって把持される装置の外側ハウジングの加熱を低減するエアロゾル発生装置が提供されてもよい。
【0014】
近位距離は、0.1ミリメートル~4ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~4ミリメートル、より好ましくは1ミリメートル~3ミリメートル、より好ましくは1.5ミリメートル~2.5ミリメートル、最も好ましくは約2ミリメートルであってもよい。これらの距離は、熱損失およびコールドゾーン内の潜在的に有害な成分の発生を効果的に減少させるために十分に長くてもよい。同時に、これらの距離は、コールドゾーン内に位置するエアロゾル形成基体の近位部分のエアロゾルの凝縮を低減または回避するために、コールドゾーン内に位置するエアロゾル形成基体をまだ十分に加熱するように、十分に小さくてもよい。
【0015】
加熱チャンバーの内径は、加熱チャンバーの長手方向軸に直交する方向に画定され得る。加熱チャンバーの内径は、4ミリメートル~9ミリメートル、好ましくは4.5ミリメートル~8ミリメートルであり得る。加熱チャンバーの内径は、4.5ミリメートル~6.3ミリメートル、より好ましくは5.2ミリメートル~5.5ミリメートル、もっとも好ましくは約5.35ミリメートルであってもよい。加熱チャンバーの内径は、6.8ミリメートル~7.5ミリメートル、好ましくは7.2ミリメートル~7.4ミリメートル、より好ましくは約7.3ミリメートルまたは7.35ミリメートルであってもよい。
【0016】
加熱チャンバーの長さは、加熱チャンバーの長手方向軸に沿って測定されてもよい。加熱チャンバーの長さは、10ミリメートル~35ミリメートル、好ましくは18ミリメートル~26ミリメートル、より好ましくは20ミリメートル~24ミリメートル、最も好ましくは約22ミリメートルであってもよい。加熱チャンバーの長さは、10ミリメートル~14ミリメートル、好ましくは11ミリメートル~13ミリメートル、より好ましくは約12ミリメートルであってもよい。
【0017】
発熱体の長さは、加熱チャンバーの長手方向軸に平行な方向に測定されてもよい。発熱体の長さは、10ミリメートル~21ミリメートル、好ましくは17ミリメートル~18ミリメートル、より好ましくは約17ミリメートルであってもよい。発熱体の長さは、10ミリメートル~13ミリメートル、好ましくは約11ミリメートルであってもよい。
【0018】
ヒーター組立品は、加熱チャンバーの遠位端と発熱体の遠位端との間の遠位距離を含み得る。
【0019】
遠位距離を提供することによって、使用中に、加熱チャンバーの遠位端が熱くならないようにすることができる。より冷たい遠位端から、周囲およびエアロゾル発生装置の他の構成要素の一方または両方への熱損失がより少なくなり得る。遠位距離によって、加熱チャンバーからの熱損失が低減され得る。遠位距離によって、エアロゾル発生装置の他の構成要素に対する加熱チャンバーの断熱性が改善され得る。遠位距離によって、ユーザーによって把持される装置の外側ハウジングの加熱を低減する、エアロゾル発生装置が提供されてもよい。
【0020】
遠位距離は、1ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは1.5ミリメートル~6ミリメートル、より好ましくは2ミリメートル~4ミリメートル、より好ましくは2.5ミリメートル~3.5ミリメートル、最も好ましくは約3ミリメートルであってもよい。遠位距離は、約1ミリメートルであってもよい。
【0021】
一実施形態によれば、加熱チャンバーの長さは22ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は5.35ミリメートルであり、発熱体の長さは17ミリメートルであり、近位距離は2ミリメートルであり、遠位距離は3ミリメートルである。一実施形態によれば、加熱チャンバーの長さは19ミリメートル~22ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は5.35ミリメートルであり、発熱体の長さは17ミリメートル~20ミリメートルであり、近位距離は2ミリメートルである。
【0022】
一実施形態によれば、加熱チャンバーの長さは12ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は7.0ミリメートル~7.35ミリメートルであり、発熱体の長さは10ミリメートルであり、近位距離は1ミリメートルであり、遠位距離は1ミリメートルである。一実施形態によれば、加熱チャンバーの長さは11ミリメートル~12ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は7.0ミリメートル~7.35ミリメートルであり、発熱体の長さは10ミリメートル~11ミリメートルであり、近位距離は1ミリメートルである。
【0023】
本明細書で使用される「上流」および「前方」、ならびに「下流」および「後方」という用語は、その使用時にエアロゾル発生装置を通って空気が流れる方向に関連して、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の一部分の相対的位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生装置は、使用時にエアロゾルが装置から出る近位端を備える。エアロゾル発生装置の近位端は、口側端または下流端と呼ばれることもある。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれる場合がある。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の一部分は、エアロゾル発生装置の気流経路に対する相対的位置に基づいて、互いの上流または下流にあるものとして説明され得る。
【0024】
本発明によるヒーター組立品の近位端は、装置の口側端または下流端に向かう方向にエアロゾル発生装置内に配置されるように構成される。本発明によるヒーター組立品の遠位端は、装置の遠位端または上流端に向かう方向にエアロゾル発生装置内に配置されるように構成される。加熱チャンバーの長手方向軸は、加熱チャンバーの近位端と加熱チャンバーの遠位端との間に延在し得る。加熱チャンバーの長手方向軸は、ヒーター組立品の近位端とヒーター組立品の遠位端との間に延在し得る。
【0025】
近位距離は、加熱チャンバーの長手方向軸に平行な方向に測定されてもよい。遠位距離は、加熱チャンバーの長手方向軸に平行な方向に測定されてもよい。
【0026】
ヒーター組立品は、ヒーターケーシングを含み得る。ヒーターケーシングは、ヒーターケーシングの壁を含んでもよい。ヒーターケーシングは、加熱チャンバーの周囲に配置されてもよい。ヒーターケーシングは、加熱チャンバーから放射状に離間して配置されてもよい。ヒーター組立品は、第一の接続壁をさらに備えてもよい。ヒーター組立品は、第二の接続壁をさらに備えてもよい。ヒーター組立品は、気密中空空間をさらに備えてもよい。気密中空空間は、加熱チャンバー、ヒーターケーシング、ならびに第一および第二の接続壁の間に画定されてもよい。加熱チャンバーは、加熱チャンバーの壁を備えてもよい。第一および第二の各接続壁は、加熱チャンバーの壁とヒーターケーシングの壁との間に広がりうる。第一および第二の接続壁は、ヒーターケーシングを加熱チャンバーの外壁と密封的に接続してもよい。接続壁は、加熱チャンバーの長手方向軸に対して垂直に配向されてもよい。第一の接続壁は、近位接続壁であってもよい。第二の接続壁は、遠位接続壁であってもよい。
【0027】
加熱チャンバーは、エアロゾル形成基体を受容するために構成されてもよい。加熱チャンバーは、エアロゾル形成基体を挿入することができる空洞を備えてもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部であってもよい。加熱チャンバーは、エアロゾル形成基体を受容するための加熱チャンバーの近位端に開口部を備えてもよい。開口部はまた、空気出口として役立ちうる。加熱チャンバーは、加熱チャンバーの遠位端に空気入口を備えてもよい。
【0028】
加熱チャンバーは細長い形状を有してもよい。加熱チャンバーの長手方向軸は、加熱チャンバーの近位端と遠位端との間に延在し得る。
【0029】
加熱チャンバーは、中空管であってもよい。中空管は、加熱チャンバーの壁から形成されてもよい。加熱チャンバーの壁は、金属もしくは合金を含んでもよく、または金属もしくは合金で作製されてもよい。加熱チャンバーの壁は、ステンレス鋼を含んでもよく、またはステンレス鋼で作製されてもよい。
【0030】
発熱体は、加熱チャンバーの壁の周囲に少なくとも部分的に配置されてもよい。発熱体は、加熱チャンバーの壁の外周を完全に同軸に囲むように配置されることが好ましい。発熱体は、加熱チャンバーの長手方向軸の少なくとも一部に沿って配置されてもよい。
【0031】
加熱チャンバーは、発熱体を含む中央領域を備えてもよい。中央領域という用語は、長手方向を指す。加熱チャンバーは、近位領域および遠位領域をさらに含み得る。近位領域および遠位領域のうちの一方または両方は、それぞれの近位距離およびそれぞれの遠位距離のうちの一方または両方によって、長手方向に発熱体から離れてもよい。近位コールドゾーンは、近位距離によって画定され得る。遠位コールドゾーンは、遠位距離によって画定され得る。使用中、近位コールドゾーンおよび遠位コールドゾーンの一方または両方は、加熱チャンバーの中央領域よりも冷たい場合がある。第一および第二の接続壁は、それぞれ近位および遠位のコールドゾーンの加熱チャンバーに接触しうる。したがって、第一および第二の接続壁は、使用中に加熱チャンバーの最も冷たい点で加熱チャンバーに接触しうる。これにより、加熱チャンバーから接続壁およびヒーターケーシングへの熱損失がさらに低減され得る。断熱性は、さらに改善され得る。
【0032】
加熱チャンバーの壁は、ステンレス鋼で作製されてもよい。これは、使用中、近位コールドゾーンおよび遠位コールドゾーンが、加熱チャンバーの中央領域よりも冷たい場合があるという効果を有利に強化し得る。
【0033】
発熱体は、電気的に絶縁された基体上の一つ以上の導電トラックを含み得る。一つ以上の導電トラックは、抵抗加熱トラックであってもよい。一つ以上の導電トラックは、誘導加熱されるサセプタとして構成されてもよい。電気的に絶縁された基体は可撓性基体であってもよい。
【0034】
発熱体は、可撓性であってもよく、加熱チャンバーの周りに巻かれてもよい。発熱体は、加熱チャンバーとヒーターケーシングとの間に配置されてもよい。
【0035】
本開示の全ての態様で、発熱体は電気抵抗性の材料を含み得る。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。
【0036】
記載の通り、本開示の態様のうちのいずれかにおいて、発熱体はエアロゾル発生装置のためのヒーター組立品の加熱チャンバーの一部であってもよい。ヒーター組立品は、内部発熱体または外部発熱体、または内部および外部の両方の発熱体を含みうるが、ここで「内部」および「外部」は、エアロゾル形成基体を意味する。内部発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、内部発熱体は加熱ブレードの形態を取ってもよい。代替的に、内部ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを有するケーシングまたは基体の形態を取ってもよい。代替的に、内部発熱体は、エアロゾル形成基体の中心を通り抜ける一つ以上の加熱針またはロッドであってもよい。その他の代替としては、加熱ワイヤーまたはフィラメント、例えばNi-Cr(ニッケルクロム)、白金、タングステン、または合金ワイヤーもしくは加熱プレートが挙げられる。随意に、内部発熱体は剛直な担体材料の中またはこの材料上に配置されてもよい。こうした一実施形態において、電気抵抗性のある発熱体は、温度と比抵抗の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成され、その後ガラスなどの別の断熱材料中に挟まれてもよい。この様態で形成されたヒーターは動作中に、発熱体の加熱と、その温度のモニターの両方に使用されてもよい。
【0037】
外部発熱体は、任意の適切な形態をとりうる。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基体上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性の加熱箔は、基体受容空洞の周辺部に適合する形状にすることができる。代替的に、外部発熱体は、金属のグリッド、可撓性プリント基体、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と比抵抗の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な断熱材料の二つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は動作中に、外部発熱体の加熱と、外部発熱体の温度のモニターの両方に使用されてもよい。
【0038】
発熱体は有利なことに、熱伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は基体と少なくとも部分的に接触、または基体が堆積されている担体と少なくとも部分的に接触してもよい。代替的に、内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導されてもよい。
【0039】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースを吸煙してもよい。別の方法として、動作中、エアロゾル形成基体を含有する喫煙物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーは喫煙物品を直接吸煙してもよい。
【0040】
発熱体は、誘導発熱体として構成され得る。誘導発熱体は、誘導コイルおよびサセプタを含み得る。概して、サセプタは、交番磁場によって貫通された時に熱を発生する能力を有する材料である。本発明によると、サセプタは導電性、または磁性、または導電性と磁性の両方であってもよい。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された交番磁場は、サセプタを加熱し、これは次に、エアロゾルが形成されるように、熱をエアロゾル形成基体に伝達する。熱伝達は主に、熱の伝導によってもよい。こうした熱伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。誘導発熱体が採用される場合、誘導発熱体は、本明細書に記載の通りの内部発熱体として、または本明細書に記載の通りの外部ヒーターとして構成されてもよい。誘導発熱体が内部発熱体として構成される場合、サセプタ素子は、エアロゾル発生物品を貫通するためのピンまたはブレードとして構成されることが好ましい。誘導発熱体が外部発熱体として構成される場合、サセプタ素子は、空洞を少なくとも部分的に包囲するか、または空洞の側壁を形成する円筒状サセプタとして構成されることが好ましい。
【0041】
本発明はさらに、本明細書に記載のヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置に関する。
【0042】
エアロゾル発生装置は、発熱体に電力を供給するように構成された電力供給源を備えることが好ましい。電力供給源は電源を備えることが好ましい。電源はリチウムイオン電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源はコンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。例えば、電源はおおよそ六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、電源は所定の回数の吸煙、またはヒーター組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0043】
電力供給源は制御電子機器を備えてもよい。制御電子回路はマイクロコントローラーを備えてもよい。マイクロコントローラーはプログラム可能なマイクロコントローラーであることが好ましい。電気回路はさらなる電子構成要素を含んでもよい。電気回路はヒーター組立品への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動後、ヒーター組立品に連続的に供給されてもよく、または断続的に(例えば、吸煙するごとに)供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター組立品に供給されてもよい。
【0044】
本発明はさらに、本明細書に記載のエアロゾル発生装置と、加熱チャンバーの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成されたエアロゾル形成基体とを含むエアロゾル発生システムに関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよく、エアロゾル発生物品は、加熱チャンバーの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成されてもよい。
【0045】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を含む基体部分を含んでもよい。基体部分の長さは、発熱体の長さ以下であってもよい。基体部分の長さは、発熱体の長さより大きくてもよい。基体部分の長さは、発熱体の長さよりも大きくてもよいが、加熱チャンバーの長さよりも短くてもよい。基体部分の長さは、加熱チャンバーの長さ以上であってもよい。
【0046】
一般に、本明細書に記載のエアロゾル発生システムでは、近位コールドゾーンは、エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に完全に挿入された時に、発熱体の近位端と基体部分の近位端との間に延在し得る。発熱体の近位端は、エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に完全に挿入された時に、基体部分の近位端の遠位に配置されてもよい。加熱チャンバーの近位端は、エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に完全に挿入される時、基体部分の近位端と同じ長手方向位置に配置され得る。その場合、近位距離は、近位コールドゾーンと等しくてもよい。加熱チャンバーの近位端は、エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に完全に挿入される時、基体部分の近位端の遠位に配置され得る。
【0047】
基体部分の長さは、加熱チャンバーの長さと等しくてもよく、近位距離は、近位コールドゾーンと等しくてもよい。基体部分の長さが加熱チャンバーの長さよりも大きい場合、近位コールドゾーンは近位距離よりも長くてもよい。その場合、近位コールドゾーンの長さは、近位距離の和に、加熱チャンバーの近位端と基体部分の近位端との間の追加距離を加えたものであってもよい。
【0048】
基体部分の長さが加熱チャンバーの長さよりも短い場合、近位距離は近位コールドゾーンよりも長くてもよい。
【0049】
一実施形態によれば、エアロゾル発生物品の外径は5.3ミリメートルであり、近位コールドゾーンの長さは0.1ミリメートル~4ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~4ミリメートル、より好ましくは1ミリメートル~3ミリメートル、より好ましくは1.5ミリメートル~2.5ミリメートル、最も好ましくは約2ミリメートルである。
【0050】
一実施形態によれば、エアロゾル発生物品の外径は7.0ミリメートル~7.3ミリメートルであり、近位コールドゾーンの長さは0.1ミリメートル~2ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~1.5ミリメートル、より好ましくは約1ミリメートルである。
【0051】
基体部分の長さは10ミリメートル~35ミリメートル、好ましくは18ミリメートル~26ミリメートル、より好ましくは20ミリメートル~24ミリメートル、最も好ましくは約22ミリメートルであってもよい。エアロゾル発生物品の外径は4ミリメートル~8ミリメートル、好ましくは約5.3ミリメートルであってもよい。
【0052】
ある実施形態によれば、加熱チャンバーの長さは22ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は5.35ミリメートルであり、発熱体の長さは17ミリメートルであり、近位距離は2ミリメートルであり、遠位距離は3ミリメートルであり、エアロゾル発生物品の外径は5.3ミリメートルであり、基体部分の長さは20ミリメートル~24ミリメートル、好ましくは22ミリメートルである。
【0053】
基体部分の長さは、10ミリメートル~14ミリメートル、好ましくは11ミリメートル~13ミリメートル、より好ましくは約12ミリメートルであってもよい。エアロゾル発生物品の外径は、7ミリメートル~8ミリメートル、好ましくは7.0ミリメートル~7.3ミリメートル、より好ましくは約7.23ミリメートルであってもよい。
【0054】
一実施形態によれば、加熱チャンバーの長さは12ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は約7.3ミリメートルであり、発熱体の長さは10ミリメートルであり、近位距離は1ミリメートルであり、遠位距離は1ミリメートルであり、エアロゾル発生物品の外径は7.23ミリメートルであり、基体部分の長さは11ミリメートル~13ミリメートル、好ましくは12ミリメートルである。
【0055】
一実施形態では、エアロゾル発生物品の外径は、5.3ミリメートルであり、基体部分の長さは20ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は、5.35ミリメートルであり、発熱体の長さは、基体部分の長さの75パーセント~95パーセントであり、近位コールドゾーンの長さは、基体部分の長さの0パーセント超~20パーセントであり、遠位コールドゾーンの長さは、基体部分の長さの5パーセント~15パーセントである。
【0056】
一実施形態では、エアロゾル発生物品の外径は、5.3ミリメートルであり、基体部分の長さは22ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は、5.35ミリメートルであり、発熱体の長さは、基体部分の長さの68パーセント~95パーセント、好ましくは約77パーセントであり、近位コールドゾーンの長さは、基体部分の長さの0パーセント超~18パーセント、好ましくは、約9パーセントであり、遠位コールドゾーンの長さは、基体部分の長さの4.5パーセント~14パーセント、好ましくは約13.6パーセントである。
【0057】
一実施形態では、エアロゾル発生物品の外径は、5.3ミリメートルであり、基体部分の長さは24ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は、5.35ミリメートルであり、発熱体の長さは、基体部分の長さの62パーセント~88パーセントであり、近位コールドゾーンの長さは、0パーセント超~17パーセント、好ましくは約8パーセントであり、遠位コールドゾーンの長さは、基体部分の長さの4パーセント~13パーセントとすることができる。
【0058】
一実施形態では、エアロゾル発生物品の外径7.0ミリメートル~7.3ミリメートル、基体部分の長さは、12ミリメートルであり、加熱チャンバーの内径は、7.0ミリメートル~7.4ミリメートルであり、発熱体の長さは、基体部分の長さの67パーセント~92パーセントであり、近位コールドゾーンの長さは、0パーセント超~17パーセント、好ましくは、基体部分の長さの約8.3パーセントであり、遠位コールドゾーンの長さは、基体部分の長さの8パーセント~17パーセントである。
【0059】
本発明はさらに、エアロゾル発生装置のためのエアロゾル発生物品に関連する。エアロゾル発生物品は、本明細書に記載のエアロゾル発生物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、本明細書に記載のエアロゾル発生装置とともに使用するように適合され得る。
【0060】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合において、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0061】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。
【0062】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、エアロゾル形成基体を含むカートリッジの一方または両方と相互作用してもよい。一部の実施例において、エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を容易にする場合がある。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0063】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生システム」は、エアロゾル発生装置とエアロゾル形成基体の組み合わせを指す。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部を形成する時、エアロゾル発生システムはエアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品の組み合わせを指す。エアロゾル発生システムでは、エアロゾル形成基体およびエアロゾル発生装置は協働して、エアロゾルを発生する。
【0064】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0065】
実施例A:
エアロゾル発生装置用のヒーター組立品であって、
エアロゾル形成基体を加熱するための細長い加熱チャンバーと、
加熱チャンバーの周りに配置される発熱体であって、加熱チャンバーが第一の長さを有し、発熱体が第二の長さを有する発熱体と、を備え、
加熱チャンバーの長さが、加熱チャンバーの近位端と発熱体の近位端との間の近位距離が存在するように、発熱体の長さよりも大きい、ヒーター組立品。
実施例B:
近位距離が、0.1ミリメートル~4ミリメートル、好ましくは1ミリメートル~3ミリメートル、より好ましくは1.5ミリメートル~2.5ミリメートル、最も好ましくは約2ミリメートルである、実施例Aに記載のヒーター組立品。
実施例C:
加熱チャンバーの内径と近位距離との比が、2~4、好ましくは2.25~3.15、より好ましくは2.60~2.75、最も好ましくは約2.68である、実施例Aまたは実施例Bに記載のヒーター組立品。
実施例D:
加熱チャンバーの長さと近位距離との比が、5.5~22、好ましくは9~13、より好ましくは約11である、実施例A~Cのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例E:
近位距離が、加熱チャンバーの長さの6パーセント~14パーセント、好ましくは8パーセント~11パーセント、より好ましくは約9パーセントである、実施例A~Dのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例F:
加熱チャンバーの長さが、10ミリメートル~35ミリメートル、好ましくは18ミリメートル~26ミリメートル、より好ましくは20ミリメートル~24ミリメートル、最も好ましくは約22ミリメートルである、実施例A~Eのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例G:
発熱体の長さが、15ミリメートル~21ミリメートル、好ましくは17ミリメートル~18ミリメートル、より好ましくは約17ミリメートルである、実施例A~Fのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例H:
加熱チャンバーの内径が4.5ミリメートル~6.3ミリメートル、好ましくは5.2ミリメートル~5.5ミリメートル、より好ましくは約5.35ミリメートルであり、または加熱チャンバーの内径が6.8ミリメートル~7.5ミリメートル、好ましくは7.2ミリメートル~7.4ミリメートル、より好ましくは約7.3ミリメートルまたは7.35ミリメートルである、実施例A~Gのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例I:
加熱チャンバーの遠位端と発熱体の遠位端との間に遠位距離がある、実施例A~Hのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例J:
遠位距離が、1ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートル、より好ましくは2.5ミリメートル~3.5ミリメートル、最も好ましくは約3ミリメートルである、実施例Iに記載のヒーター組立品。
実施例K:
加熱チャンバーの内径と遠位距離との比が、1~3、好ましくは1.5~2.1、より好ましくは1.73~1.83、最も好ましくは約1.78である、実施例Iまたは実施例Jに記載のヒーター組立品。
実施例L:
加熱チャンバーの長さと遠位距離との比が、5~11、好ましくは6~9、より好ましくは約7.3である、実施例I~Kのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例M:
遠位距離が、9パーセント~20パーセント、好ましくは12パーセント~15パーセント、より好ましくは加熱チャンバーの長さの約13.6パーセントである、実施例I~Lのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例N:
加熱チャンバーが中空管である、実施例A~Mのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例O:
加熱チャンバーがステンレス鋼を含む、実施例A~Nのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例P:
発熱体が、電気的に絶縁された基体上に一つ以上の導電トラックを含む、実施例A~Oのいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例Q:
発熱体が可撓性であり、加熱チャンバーの周りに巻かれる、実施例Pに記載のヒーター組立品。
実施例R:
実施例A~Qのいずれかに記載のヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置。
実施例S:
実施例Rに記載のエアロゾル発生装置と、加熱チャンバーの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成されたエアロゾル形成基体とを備える、エアロゾル発生システム。
実施例T:
システムが、エアロゾル形成基体を含む基体部分を含むエアロゾル発生物品を備え、エアロゾル発生物品が、加熱チャンバーの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される、実施例Sに記載のエアロゾル発生システム。
実施例U:
基体部分の長さが、発熱体の長さよりも大きい、実施例Tに記載のエアロゾル発生システム。
実施例V:
基体部分の長さが、加熱チャンバーの長さ以上である、実施例Uに記載のエアロゾル発生システム。
実施例W:
基体部分の長さが、15ミリメートル~35ミリメートル、好ましくは18ミリメートル~26ミリメートル、より好ましくは20ミリメートル~24ミリメートル、最も好ましくは約22ミリメートルである、実施例T~Vのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
実施例X:
エアロゾル発生物品の外径が、4ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは約5.3ミリメートルである、実施例T~Wのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【0067】
図1図1aおよび1bは、エアロゾル発生物品と組み合わせたヒーター組立品を示す。
図2図2は、ヒーター組立品を示す。
図3図3はエアロゾル発生装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1aおよび1bは、ヒーター組立品10の実施形態を示す。ヒーター組立品10は、エアロゾル形成基体を加熱するための細長い加熱チャンバー12と、加熱チャンバー12の周りに配置された発熱体14とを含む。加熱チャンバー12の長さは、発熱体14の長さよりも大きいため、加熱チャンバー12の近位端と発熱体14の近位端との間に近位距離dpが存在する。
【0069】
エアロゾル発生基体は、図1aおよび1bに示すように、エアロゾル発生物品16の一部であってもよい。エアロゾル発生物品16は、エアロゾル形成基体を含む基体部分18と、マウスピース20とを含む。加熱チャンバー12は、図1aの矢印によって示されるように、エアロゾル形成基体を受容するように構成される。図1bは、エアロゾル発生物品16の基体部分18が加熱チャンバー12の中に挿入される構成を示す。図1bは、基体部分18の長さが加熱チャンバー12の長さと等しい実施形態を示す。したがって、発熱体14の近位端から基体部分18の近位端まで延在する近位コールドゾーンは、近位距離dpと等しい。
【0070】
図1aおよび1bの実施形態では、加熱チャンバー12の遠位端と発熱体14の遠位端との間の遠位距離ddも存在する。図1aおよび図1bの実施形態では、近位距離および遠位距離は、ほぼ等しい長さである。他の実施形態では、近位距離および遠位距離は、長さが異なってもよく、または遠位距離がない場合がある。
【0071】
図2は、加熱ヒーター組立品10の一実施形態を示す。加熱チャンバー12は、発熱体14を含む中央領域を含む。発熱体14は、加熱チャンバー12の周りに配置されている。加熱チャンバー12の壁は、金属管である。発熱体14は可撓性であり、金属管の周りに巻かれる。発熱体14は、導電性加熱トラックを含む。導電性加熱トラックは、抵抗発熱体として作用してもよく、または誘導加熱されるサセプタとして作用してもよい。導電性加熱トラックは、電気的に絶縁された可撓性基体22の上に提供される。示される実施形態では、可撓性基体22の近位端部分および遠位端部分は、導電性加熱トラックによって覆われていない。他の実施形態では、可撓性基体22の異なる領域またはさらに表面全体が加熱トラックによって覆われてもよい。発熱体の長さおよび発熱体の近位端および遠位端は、それぞれ、導電性加熱トラックの長さならびに導電性加熱トラックの近位端および遠位端を指す。
【0072】
加熱チャンバー12の近位領域および遠位領域は、長手方向に発熱体14から離れている。加熱チャンバー12の近位端と発熱体14の近位端との間に近位距離dpがある。加熱チャンバー12の遠位端と発熱体14の遠位端との間に遠位距離ddがある。図2の実施形態では、近位距離dpは、遠位距離ddよりも長さが小さい。
【0073】
発熱体14は、加熱チャンバー12とヒーター組立品10のヒーターケーシングとの間に配置される。第一および第二の接続壁24、26は、ヒーターケーシング28の壁を加熱チャンバー12の壁と密封的に接続する。
【0074】
第一および第二の接続壁24、26は、それぞれ近位領域および遠位領域の加熱チャンバー12に接触する。第一および第二の接続壁24、26は、発熱体14から離れた位置で加熱チャンバー12に接触する。したがって、第一および第二の接続壁24、26は、使用中に加熱される時、加熱チャンバー12の最も冷たい点で加熱チャンバー12に接触する。これにより、加熱チャンバー12から接続壁24、26および熱伝導を介したヒーターケーシングへの熱輸送による熱損失がさらに低減される。断熱性は、さらに改善され得る。
【0075】
図3は、図2のヒーター組立品10を備えるエアロゾル発生装置の実施形態を示す。エアロゾル発生装置はさらに電力供給源を備える。電力供給源は、電源30および制御電子機器32を備える。電源30は充電式電池であってもよい。開口部34では、エアロゾル形成基体は加熱チャンバー12の中に少なくとも部分的に挿入されてもよい。
図1a
図1b
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のヒーター組立品であって、
エアロゾル形成基体を加熱するための細長い加熱チャンバーと、
前記加熱チャンバーの周りに配置される発熱体であって、前記加熱チャンバーが第一の長さを有し、前記発熱体が第二の長さを有する発熱体と、を備え、
前記加熱チャンバーの前記長さが、前記加熱チャンバーの近位端と前記発熱体の近位端との間に近位距離があるように、前記発熱体の前記長さよりも大きく、前記近位距離が、0.1ミリメートル~4ミリメートルである、ヒーター組立品。
【請求項2】
前記近位距離が、1ミリメートル~3ミリメートル、より好ましくは1.5ミリメートル~2.5ミリメートル、最も好ましくは約2ミリメートルである、請求項1に記載のヒーター組立品。
【請求項3】
前記加熱チャンバーの内径と前記近位距離との比が、2~4、好ましくは2.25~3.15、より好ましくは2.60~2.75、最も好ましくは約2.68である、請求項1または2のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項4】
前記加熱チャンバーの長さと前記近位距離との比が、5.5~22、好ましくは9~13、より好ましくは約11である、請求項1~3のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項5】
前記近位距離が、前記加熱チャンバーの前記長さの6パーセント~14パーセント、好ましくは8パーセント~11パーセント、より好ましくは約9パーセントである、請求項1~4のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項6】
前記加熱チャンバーの遠位端と前記発熱体の遠位端との間に遠位距離がある、請求項1~5のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項7】
前記遠位距離が、1ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートル、より好ましくは2.5ミリメートル~3.5ミリメートル、最も好ましくは約3ミリメートルである、請求項6に記載のヒーター組立品。
【請求項8】
前記加熱チャンバーが中空管である、請求項1~7のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項9】
前記加熱チャンバーがステンレス鋼を含む、請求項1~8のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項10】
前記発熱体が、電気的に絶縁された基体上に一つ以上の導電トラックを備える、請求項1~9のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項11】
前記発熱体が可撓性であり、前記加熱チャンバーの周りに巻かれる、請求項1~10のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載のヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項13】
請求項12に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含む基体部分を含むエアロゾル発生物品とを備え、前記エアロゾル発生物品が、前記加熱チャンバーの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生物品が前記加熱チャンバーの中に完全に挿入される時、前記発熱体の前記近位端と前記基体部分の近位端との間に近位コールドゾーンが延在する、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記基体部分の長さが、前記発熱体の長さよりも大きい、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【国際調査報告】