(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ライナーレスフィルムスタック
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20231023BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20231023BHJP
C09J 7/20 20180101ALI20231023BHJP
【FI】
B32B27/00 M
C09J7/38
C09J7/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522759
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 IB2021059245
(87)【国際公開番号】W WO2022079558
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】タイ,フイウェン
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,ジョン エー.
(72)【発明者】
【氏名】エムスランダー,ジェフリー オー.
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
【Fターム(参考)】
4F100AK03A
4F100AK03E
4F100AK04C
4F100AK25A
4F100AK25B
4F100AK25D
4F100AK25E
4F100AK42A
4F100AK42E
4F100AK51A
4F100AK51E
4F100AK52C
4F100AK68A
4F100AK68E
4F100AL02C
4F100AR00A
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100AR00D
4F100AR00E
4F100AT00
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4F100CB05D
4F100CB05G
4F100JL14
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA06
4J004CC03
4J004FA08
(57)【要約】
フィルムスタックが記載される。特に、共押出可能な第1のベース基材と、第1の感圧接着剤と、剥離層と、第2の感圧接着剤と、第2のベース基材と、を備えるフィルムスタックが記載される。そのようなフィルムスタックは、従来のフィルムスタックと比較して、廃棄物の削減、より単純な製造、及びより薄い全体構造体から利益を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムスタックであって、
第1のベース基材と、
第1の感圧接着剤と、
剥離層と、
第2の感圧接着剤と、
第2のベース基材と、
を順に備え、
前記第1のベース基材、前記第1の感圧接着剤、前記剥離層、前記第2の感圧接着剤、及び前記第2のベース基材が共押出可能である、フィルムスタック。
【請求項2】
前記第1のベース基材と前記第1の感圧接着剤との間の第1の結合層、及び前記第2のベース基材と前記第2の感圧接着剤との間の第2の結合層のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載のフィルムスタック。
【請求項3】
第1の結合層及び前記第2の結合層のうちの少なくとも1つが、ポリアミド又はコポリアミドを含む、請求項2に記載のフィルムスタック。
【請求項4】
前記第1の感圧接着剤の反対側の前記第1のベース基材上に配置された第1の保護層、及び前記第2の感圧接着剤の反対側の前記第2のベース基材上に配置された第2の保護層のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載のフィルムスタック。
【請求項5】
第1の保護層及び前記第2の保護層のうちの少なくとも1つが、ポリオレフィンを含む、請求項4に記載のフィルムスタック。
【請求項6】
前記第1のベース基材と前記第2のベース基材とが、同じ材料及び厚さである、請求項1に記載のフィルムスタック。
【請求項7】
前記第1のベース基材及び前記第2のベース基材が、ポリ乳酸を含む、請求項6に記載のフィルムスタック。
【請求項8】
前記第1のベース基材及び前記第2のベース基材が、ポリウレタンを含む、請求項6に記載のフィルムスタック。
【請求項9】
前記第1のベース基材及び前記第2のベース基材が、アイオノマー樹脂を含む、請求項6に記載のフィルムスタック。
【請求項10】
前記第1のベース基材及び前記第2のベース基材が、エチレンとメタクリル酸とのコポリマーを含む、請求項8に記載のフィルムスタック。
【請求項11】
前記第1のベース基材及び前記第2のベース基材が、エチレンビニルアセテートを含む、請求項6に記載のフィルムスタック。
【請求項12】
前記第1の感圧接着剤と前記第2の感圧接着剤とが、同じ材料及び厚さである、請求項1に記載のフィルムスタック。
【請求項13】
前記第1の感圧接着剤及び前記第2の感圧接着剤が、アクリル感圧接着剤である、請求項12に記載のフィルムスタック。
【請求項14】
前記フィルムスタックが、材料組成及び厚さに関して前記剥離層の両側で対称である、請求項1に記載のフィルムスタック。
【請求項15】
前記剥離層が、オレフィンブロックコポリマーを含む、請求項1に記載のフィルムスタック。
【請求項16】
前記剥離層が、シリコーン樹脂を含む、請求項1に記載のフィルムスタック。
【請求項17】
フィルムの形成方法であって、
第1のベース基材と、
第1の感圧接着剤と、
剥離層と、
第2の感圧接着剤と、
第2のベース基材と、
を順に含む溶融流を共押出することと、
前記溶融流を膨張させることと、
前記溶融流を急冷してフィルムを形成することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記溶融流が、前記第1のベース基材と前記第1の感圧接着剤との間の第1の結合層、及び前記第2のベース基材と前記第2の感圧接着剤との間の第2の結合層のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記溶融流が、前記第1の感圧接着剤の反対側の前記第1のベース基材上に配置された第1の保護層、及び前記第2の感圧接着剤の反対側の前記第2のベース基材上に配置された第2の保護層のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記フィルムを巻いてロールを形成することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フィルムスタックは、多くの用途で使用されている。例えば、オーバーラミネートフィルムスタックは、印刷された又は画像化されたグラフィックスフィルム、特にインクの耐久性を保護し、それに耐久性を与えるためのグラフィックスフィルム用途に使用される。ライナーは、典型的には、任意の感圧接着剤を設置前に保護するために使用される。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本明細書はフィルムスタックに関する。フィルムスタックは、第1のベース基材と、第1の感圧接着剤と、剥離層と、第2の感圧接着剤と、第2のベース基材と、を順に備える。第1のベース基材、第1の感圧接着剤、剥離層、第2の感圧接着剤、及び第2のベース基材は共押出可能である。
【0003】
別の態様では、本明細書は、フィルムの形成方法に関する。この方法は、第1のベース基材と、第1の感圧接着剤と、剥離層と、第2の感圧接着剤と、第2のベース基材と、を順に含む溶融流(melt stream)を共押出することを含む。この方法は、溶融流を膨張させることと、溶融流を急冷してフィルムを形成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【発明を実施するための形態】
【0005】
フィルムスタックは、ユーザにフィルムを適切なフォーマットで供給するために、多くの異なる状況で使用され得る。場合によっては、フィルムは接着剤を含み、スタックは、輸送、保管、又は変換中に接着剤を保護するように設計される。多くの場合、これらのフィルムスタックは、それがなければ露出する接着面に取り付けられた紙又はポリマー製のライナーを含む。紙ライナー又はポリマー材料は、従来、異なるステップで形成される。これは、典型的には、追加の製造及び取り付けステップを必要とし、それが製造のプロセスをいっそう複雑にする場合がある。
【0006】
いくつかの実施形態では、これらのフィルムスタックは、塗料保護用フィルム又は他の表面保護用フィルムであってもよい。ある場合には、これらのフィルムスタックは、グラフィックスフィルム又はオーバーラミネートであってもよく、グラフィックスフィルム又はオーバーラミネートを含んでもよい。オーバーラミネートは、印刷されたベースグラフィックスフィルムの耐久性を保護又は増強するためにグラフィックスフィルムと共に使用される。オーバーラミネートは、摩耗又は周囲条件に対してなどの物理的保護を提供し得る。オーバーラミネートは、印刷されたグラフィックスフィルム製品の使用可能な又は最適な寿命を延ばすのに役立ち得る。従来、オーバーラミネートは、印刷時又は印刷後に印刷されたベースグラフィックスフィルムに積層(laminate)される。
【0007】
図1は、フィルムスタックの概略側面断面図である。
図1は、第1のベース基材110Aと、第2のベース基材110Bと、第1の感圧接着剤120Aと、第2の感圧接着剤120Bと、剥離層130と、任意選択の第1の結合層112Aと、任意選択の第2の結合層112Bと、任意選択の第1の保護層114Aと、任意選択の第2の保護層114Bと、を備える、フィルムスタック100を含む。
【0008】
第1のベース基材110A及び第2のベース基材110Bは、任意の好適な材料であってもよく、任意の好適なプロセスによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材は、ポリ塩化ビニルを含むか、又はポリ塩化ビニルから作製される。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材は、ポリウレタン及びセルロースアセテートプロピオネート又はセルロースアセテートブチレートを含む。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材層は、ポリエステル若しくはコポリエステルを含むか、又はポリエステル若しくはコポリエステルから作製される。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材は、エチレンとメタクリル酸とのコポリマーのアイオノマー樹脂を含むか、又は上記アイオノマー樹脂から作製される。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材は、エチレンビニルアセテート(EVA)を含むか、又はEVAから作製される。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ乳酸若しくはポリスチレンを含むか、又はポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ乳酸若しくはポリスチレンから作製される。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材層は、エラストマー成分を含むか、又はエラストマー成分を含有する。ポリアミド及びポリアミドを含むブロックコポリマーが好適であり得る。特定の材料又は材料の組み合わせは、それらの物理的特性、光学的特性、及び/又はレオロジー特性に対して選択され得る。いくつかの実施形態では、第1又は第2のベース基材は、2つ以上の層を含んでもよく、2つ以上の層は、同じ材料又は異なる材料を含む。第1のベース基材110Aと第2のベース基材110Bとは、特定の実施形態では、同じ材料若しくは類似の材料から形成されてもよく、同じ材料若しくは異なる材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のベース基材と第2のベース基材とは、同じ厚さ及び材料であってもよい。
【0009】
第1のベース基材及び第2のベース基材は、任意の好適な厚さを有してもよく、押出(例えば、多層キャストフィルム押出若しくは単にキャストフィルム押出とも呼ばれる溶融押出、又はブロー(blown)フィルム成形)プロセスによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のベース基材及び第2のベース基材のそれぞれ又はいずれかは、25~100マイクロメートルの厚さを有する。第1のベース基材及び第2のベース基材は、滑らかな表面構造を有してもよく、テクスチャー表面構造を有してもよい。
【0010】
任意選択の第1の保護層114A及び任意選択の第2の保護層114Bは、任意の好適な材料であってもよく、任意の好適なプロセスから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の保護層又は第2の保護層は、ベース基材よりも剛性が高い。いくつかの実施形態では、保護層は、ポリプロピレンなどのポリオレフィンであってもよく、ポリオレフィンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、保護層は、任意の他の好適なポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドであってもよく、任意の他の好適なポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドを含んでもよい。任意選択の保護層は、10~150マイクロメートルを含む、任意の好適な厚さを有し得る。厚さ及び材料は、フィルムスタックに十分な剛性を付与し、層間剥離のために適切な剥離力を維持するように選択され得る。いくつかの実施形態では、層間剥離するための90度剥離力は、50~100グラム/インチ(1センチメートル当たり約20~40グラム)であり得る。取り外し可能なスキン層は、押出(溶融押出又はブローフィルム成形)、溶剤キャスト、又はコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、任意選択の第1の保護層と任意選択の第2の保護層とは、同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。いくつかの実施形態では、任意選択の第1の保護層と任意選択の第2の保護層とは、同じ材料及び厚さであってもよい。
【0011】
第1の感圧接着剤120A及び第2の感圧接着剤120Bは、剥離層130と、それぞれ第1のベース基材110A又は第2のベース基材110Bとの間に配置される。第1及び第2の感圧接着剤層は、アクリル接着剤、エポキシ、又は光学的に透明な接着剤を含む任意の好適な接着剤であってもよく、アクリル接着剤、エポキシ、又は光学的に透明な接着剤を含む任意の好適な接着剤を含んでもよい。特に透明又は半透明のベース基材の場合、接着剤の光学特性(典型的には、高い透過率、低いヘイズ、及び高い透明度)は、使用中のフィルムの全体的な外観を維持するために重要であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の感圧接着剤又は第2の感圧接着剤は、広範囲の露出温度及び湿度にわたってその形状を維持する(すなわち、流動しない)のに十分な構造を有してもよい。いくつかの実施形態では、接着剤は、完全に又は部分的に架橋されてもよい(押出される場合は、押出の前又は後に)。接着剤は、顔料、染料、又は他の着色剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、接着剤の厚さは、10~100マイクロメートルであってもよい。いくつかの実施形態では、接着剤は、ガラス、セラミック、若しくはポリマー樹脂、又は好適なバインダー材料で一緒に保持されたそれらの凝集物などの材料から作製された、部分的に埋め込まれたマイクロビーズを含んでもよい。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、構造化接着剤にインデックスを一致させてもよく、及び/又は透明であってもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の感圧接着剤と第2の感圧接着剤とは、同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の感圧接着剤と第2の感圧接着剤とは、同じ厚さ及び同じ材料であってもよい。
【0014】
ベース基材層は、本質的に感圧接着剤に良好に結合しない場合があるため、いくつかの実施形態は、任意選択の第1の結合層112A及び任意選択の第2の結合層112Bを含み得る。しばしばプライマー層又はプライム層とも呼ばれる結合層は、任意の好適な厚さを有する任意の好適な物質又は組成物であり得る。結合層の選択は、ベース基材層と感圧接着剤との間の十分な接着性(プライボールド破損を防止するため)を確実にするためのものである。いくつかの実施形態では、結合層は、ポリアミド又はコポリアミドを含み得る。特定の材料は、可塑剤、水、溶媒、又は他の汚染物質の、フィルムスタックの前面から接着剤への移動を防止するためのバリア層として代替的又は追加的に有用であり得る。結合層は、10マイクロメートル未満の厚さ、6マイクロメートル未満の厚さ、5マイクロメートル未満の厚さ、4マイクロメートル未満の厚さ、3マイクロメートル未満の厚さ、2マイクロメートル未満の厚さ、又は更には1マイクロメートル未満の厚さで非常に薄い場合がある。結合層は、溶剤キャスト、コーティング、又は更には押出若しくは共押出(他の層のうちの1つ以上と共に)されてもよい。
【0015】
第1及び第2の感圧接着剤が適用時近く又は適用時に分離していることが意図される場合、第1及び第2の感圧接着剤を意図しない自己接着から保護するために、剥離層130が、フィルムスタック100の一部として提供されてもよい。剥離層130は、シリコーン、ワックス、ブロックコポリマー、又は任意の他の好適な材料であり得る。いくつかの実施形態では、従来の剥離ライナーの代わりに剥離層を使用することが有利であり得る。剥離ライナーは、従来、剥離特性のための薄いコーティングを有する比較的厚い紙又はポリマー材料である。剥離ライナーの大部分は、保管中の損傷を防止し、フィルム構造体に剛性を付与することを意図している。本明細書に記載の実施形態では、剥離層はフィルムスタック内に埋め込まれているので、機械的、物理的保護を提供する必要がなく、非常に薄くすることができる。いくつかの実施形態では、剥離層130は、10~150マイクロメートルの厚さであってもよい。更に、コーティングされたライナー材料と対比した単一層として、単一ステップでの共押出は、剥離層構造体において、典型的には積層(lamination)を必要とする従来のコーティングされた剥離物品と対比して、より実現可能となり得る。いくつかの実施形態では、スタック全体は、材料組成及び厚さに関して剥離層の両側で対称である。
【0016】
本明細書に記載されるフィルムは、より単純な製造ステップを可能にし得る。フィルムスタック全体が共押出可能(溶融押出又はブローフィルム成形)である場合、製造中に複数のコーティング及び/又は積層(lamination)ステップは必要ない。更に、剥離コーティングがライナー基材によって担持される必要がなく、そのような構造体は、より高速で製造できる、より薄いフィルム構造体を可能にし得る。そのようなフィルムスタックは、経済性の向上(所与の面積に対して機能的に2つの有用なフィルム)及び廃棄物の削減(2つの別個のフィルムに対する剥離ライナーとは対照的に、2つのフィルムに対して単一の剥離層)をもたらし得る。最後に、そのようなフィルムが同様の部品を形成するように変換される場合(例えば、1つ以上のビークル(vehicle)表面が同一又は対称に成形され得る塗料保護フィルムの場合)、単一の変換ステップは、1つではなく2つのフィルムをもたらし得る。
【0017】
任意の好適な方法を使用して、本明細書に記載のフィルムスタックを形成することができる。本明細書に記載される特定の実施形態は、共押出及び/又はブローフィルムプロセスに特に好適であり得る。いくつかの実施形態では、これは、第1のベース基材と、第1の感圧接着剤と、剥離層と、第2の感圧接着剤と、第2のベース基材と、を含む溶融流を共押出することと、溶融流を膨張させること(例えば、ブローフィルムプロセスにおける空気圧によって、又は延伸によって)と、空気への曝露、冷却ロールとの接触、又は他の方法のいずれかによって溶融流を急冷してフィルムを形成することと、を含む。このフィルムを巻き取ってロールを形成することができる。いくつかの実施形態では、溶融流は、
図1に関連して記載される任意選択の結合層又は任意選択の保護層を含んでもよい。
【0018】
用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴のいかなる均等物もその一部分も除外する意図はなく、本発明の実施形態の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、特定の実施形態及び任意選択の特徴によって、本発明を具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、本発明の実施形態の範囲内であると見なされることが理解されるべきである。
【実施例】
【0019】
7層ガス膨張共押出フィルム構造体を製造した。フィルムを分離し、剥離力を測定した。
【0020】
これらの実施例は、単に説明する目的のためのものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書の実施例及び他の箇所における全ての部、百分率、比などは、別途指示がない限り、重量に基づくものである。以下の略語が本明細書で使用される:um=マイクロメートル、in=インチ、mm=ミリメートル、cm=センチメートル、℃=摂氏、min=分、kg=キログラム、g=グラム、%RH=相対湿度パーセント。
【0021】
【0022】
試験方法:
剥離試験
試験片を一定温度/湿度(23℃及び50%RH)の部屋に24時間保持した後、試験した。10インチ(25.4cm)(機械方向)×1インチ(2.54cm)(横方向)の試験片を、実験試料の中央から切断した。最下層(7)を、IPAで2回拭き取って浄化した1mm×55mm×350mmのアルミニウムパネルに、3M Removable Repositionable Tape 9415PC(3M Company,St.Paul,MN)を用いて積層(laminate)した。2.05kgの硬質ゴムローラーを3回通過させてフィルムを圧延した。試料を有するパネルを室温(およそ23℃)でおよそ15分間コンディショニングした。上半分(3層)を剥離層(INFUSE 9507層)から分離し、機能層を露出させた。上半分(3層)を剥離試験機(Testing Machines,Inc.(New Castle,DE 19720 USA)のModel#80-91-00-001)のジョーに接続して、90°の角度で、30.5cm/分(12インチ/分)の速度で引っ張った。結果はグラム単位で測定した。値は、各試料について3回の試験の平均である。
【0023】
実施例:
実施例を7層パンケーキ型スタックダイ(Labtech EngineeringのType LF-400 Coex 7-layer)上で製造した。ダイへの空気流を手動で調節して、約2:1の膨張比を達成した。その後、空気膨張した押出物を、約10フィート(3メートル)のダイ上で崩壊させ、横方向にローラーに通し、次いで3インチ(7.6cm)のコアに巻いて、巻き取った。供給材料は、7つの独立した直径20mmの押出機(Labtech Scientific Single Screw Extruder Type LE20-30/C HA)によって供給された。機能層材料(層3及び5)は、米国特許第9,486,982号(Emslanderら)の実施例の記載とおりに導入した。
【0024】
【0025】
結果:
機能層と剥離層との間の剥離力は54グラムであった。
【国際調査報告】