(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】自動食器洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/825 20060101AFI20231023BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20231023BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
C11D1/825
C11D1/72
C11D1/722
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522852
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 US2021058144
(87)【国際公開番号】W WO2022108764
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】デルプランケ、パトリック・フィルミン・アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】ゴヴェールツ、ジョーク
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC08
4H003AC23
4H003DA19
4H003DB02
4H003DC02
4H003EA16
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB13
4H003EB24
4H003EB28
4H003EE05
4H003FA04
(57)【要約】
i)50℃以上の高曇点を有する非イオン性界面活性剤と、ii)50℃未満の低曇点を有する非イオン性界面活性剤と、iii)50℃未満の曇点を有するエチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーと、を含む非イオン性界面活性剤の3成分混合物を有する自動食器洗浄組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む自動食器洗浄組成物であって、前記3成分混合物が、
(a)50℃以上の高曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、前記高曇点非イオン性界面活性剤が、単一のアルコキシレートタイプを有し、かつ界面活性剤1モル当たり3~20モルのアルキレンオキシドを有するアルコキシル化されたC
6~22アルコール非イオン性界面活性剤である、高曇点非イオン性界面活性剤と、
(b)50℃未満の低曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、前記低曇点非イオン性界面活性剤が、エトキシ、プロポキシ及びブトキシから選択される2つのアルコキシレートタイプのみを有するアルコキシル化されたC
4~25アルコール非イオン性界面活性剤である、低曇点非イオン性界面活性剤と、
(c)50℃未満の曇点を有するエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーであって、前記エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーが、以下の構造:
EOx1 POy1 EOx2(I)
POy2 EOx3 POy3(II)
(式中、x1、x2及びx3のそれぞれは約1~約50の範囲であり、y1、y2及びy3のそれぞれは約10~約70の範囲である)のうちの1つを有するトリブロックコポリマーである、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーと、を含み、
前記高曇点非イオン性界面活性剤(a)と前記エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比が少なくとも約1.2:1であり、
前記低曇点非イオン性界面活性剤(b)と前記エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比が少なくとも約1.2:1である、自動食器洗浄組成物。
【請求項2】
前記高曇点非イオン性界面活性剤と前記低曇点非イオン性界面活性剤との重量平均比が、約2:1~1:2である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記高曇点非イオン性界面活性剤の前記曇点が60℃~80℃の範囲であり、前記低曇点非イオン性界面活性剤の前記曇点が8℃~35℃の範囲である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記高曇点非イオン性界面活性剤が、エトキシル化されたC
6~22アルコール非イオン性界面活性剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、前記組成物の0.5重量%~40重量%の前記非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、リン酸塩を含まず、酵素及び任意に漂白剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物がすすぎ補助剤である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物を使用する、低温での自動食器洗浄における油汚れ懸濁性を改善する方法。
【請求項9】
自動食器洗浄における低温での油汚れ懸濁性を改善するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項10】
食器洗浄機における洗浄中に乾燥を提供する方法であって、前記食器洗浄機の主洗浄に、請求項1~7のいずれか一項に記載の自動食器洗浄洗剤組成物を供給する工程を含む、方法。
【請求項11】
前記洗剤組成物が単位用量形態である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
食器洗浄機における乾燥を提供する方法であって、前記食器洗浄機のすすぎに、請求項1~7のいずれか一項に記載のすすぎ組成物を供給する工程を含む、方法。
【請求項13】
自動食器洗浄における洗浄中に乾燥を提供するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗浄の分野に属する。特に、本発明は、非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む組成物に関する。本発明の組成物は、低温であっても、改善された油汚れ懸濁性及び光沢を提供し、また改善された乾燥性を提供する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄における傾向は、自動食器洗浄プロセスに必要とされるエネルギー量を低減することである。エネルギー消費を低減する方法の1つに、より低い温度を使用することがある。より低い温度は、特に高度の油汚れのある重度に汚れた洗い物の場合に、その使用にともなう課題がある。低温における油汚れは、食器洗浄機内の食器に再付着して、油膜及び染みを生じ、フィルターを含む食器洗浄機の内部部品内に再付着する可能性がある。別の課題として、食器がプロセスの終了時に乾燥されていない場合があることがある。
【0003】
国際公開第2010/067054(A1)号は、a)50℃以上の曇点を有する非イオン性界面活性剤と、b)50℃未満の曇点を有する非イオン性界面活性剤と、を含む非イオン性界面活性剤混合物を含む液体組成物であって、a)とb)との重量比が2.25:1~1:1の範囲である、液体組成物を開示している。この組成物は良好な乾燥性を提供するものの、乾燥時間には更に改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/067054(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低温であっても改善された油汚れ懸濁性及び光沢、並びに良好な乾燥性を有する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、自動食器洗浄組成物が提供される。本組成物は、非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む。3成分混合物は、
(a)50℃以上の高曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、高曇点非イオン性界面活性剤が、単一のアルコキシレートタイプを有し、かつ界面活性剤1モル当たり3~20モルのアルキレンオキシドを有するアルコキシル化されたC6~22アルコール非イオン性界面活性剤である、高曇点非イオン性界面活性剤と、
(b)50℃未満の低曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、低曇点非イオン性界面活性剤が、エトキシ、プロポキシ及びブトキシから選択される2つのアルコキシレートタイプのみを有するアルコキシル化されたC4~25アルコール非イオン性界面活性剤である、低曇点非イオン性界面活性剤と、
(c)50℃未満の曇点を有するエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーであって、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーが、以下の構造:
EOx1 POy1 EOx2(I)
POy2 EOx3 POy3(II)
(式中、x1、x2及びx3のそれぞれは約1~約50の範囲であり、y1、y2及びy3のそれぞれは約10~約70の範囲である)のうちの1つを有するトリブロックコポリマーである、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーと、を含み、
高曇点非イオン性界面活性剤(a)と、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は少なくとも約1.2:1であり、
低曇点非イオン性界面活性剤(b)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は少なくとも約1.2:1である。
【0007】
本発明の組成物は、自動食器洗浄における主洗浄又はすすぎにおいて使用することができる。本組成物は、主洗浄洗剤若しくはすすぎ助剤の一部であってもよく、又は主洗浄、すすぎのいずれか若しくは両方に自動投入ディスペンサーから別々に添加されてもよい。本組成物は、自動投入ディスペンサーから供給することができる。本組成物は、単位用量形態で食器洗浄のディスペンサーから、又はすすぎ助剤の形態ですすぎ助剤リザーバから分配することができる。
【0008】
本発明の更なる態様によれば、自動食器洗浄の方法、並びに油汚れ懸濁性及び乾燥性を提供するための本発明の組成物の使用が提供される。
【0009】
本発明の第1の態様の要素は、必要な変更を加えて、本発明の他の態様に適用される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む自動食器洗浄組成物を包含する。本発明はまた、低温であっても良好な油汚れ懸濁性及び光沢、並びに良好な乾燥性を提供するための方法及び組成物の使用を包含する。本方法は、好ましくは家庭用食器洗浄機で行われる。
【0011】
自動食器洗浄機は、家庭用又は商業用/施設用の機械型のものであってよい。一般に、違いは、サイズ、処理量、及び食器洗浄プロセスの時間の長さに関する。これは、機械が大きく異なる様式で設計されていることを意味し得る。産業用/施設用機械は、多くの場合、家庭用機械と比較して大幅に短いがよりエネルギー集約的な(例えば、より高い温度での)サイクルを有し、及び/又は大幅に強力な化学物質を使用する。通常、これらの産業用/施設用機械では酵素を使用しないが、これは、これらの酵素は効果的に機能するうえで処理された汚れとの一定の接触時間を必要とし、商業的サイクル時間では短すぎることによる。市販の食器洗浄機の場合、機械は、食器が食器洗浄機の単一又は複数のタンクを通って移動するコンベヤシステムに基づくことができるが、家庭用機械では、食器は、一般に、食器洗浄機の内側の1つのタンク内で常に静止したままであり、全ての洗浄ステップがその単一のタンク内で行われる。家庭用食器洗浄では、漂白剤及び酵素を洗剤に含めることが従来から行われている。
【0012】
本明細書で使用される場合、「自動食器洗浄洗剤組成物」という用語は、食器洗浄機で使用される食器洗浄組成物を意味する。
【0013】
本明細書における「食器」とは、調理器具、食器類及び食卓用食器類、すなわち、食器洗浄機内で通常洗浄される飲食物の調理及び提供に関連する全ての品目を意味する。
【0014】
本明細書で使用される場合、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求される又は記載されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。別途注記がない限り、全ての構成成分又は組成物のレベルは、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。具体的に述べられていない限り、又は文脈においてそうでないことが必要とされない限り、本明細書に記載の実施形態は、本発明の全ての態様に等しく適用される。記載されているパーセンテージは、具体的に述べられていない限り、又は文脈においてそうでないことが必要とされない限り、重量によるものである。
【0015】
特に明記されない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0016】
3成分界面活性剤混合物
組成物は、非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む。3成分混合物は、
(a)50℃以上の高曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、高曇点非イオン性界面活性剤が、単一のアルコキシレートタイプを有し、かつ界面活性剤1モル当たり3~20モルのアルキレンオキシドを有するアルコキシル化されたC6~22アルコール非イオン性界面活性剤である、高曇点非イオン性界面活性剤と、
(b)50℃未満の低曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、低曇点非イオン性界面活性剤が、エトキシ、プロポキシ及びブトキシから選択される2つのアルコキシレートタイプのみを有するアルコキシル化されたC4~25アルコール非イオン性界面活性剤である、低曇点非イオン性界面活性剤と、
(c)50℃未満、好ましくは40℃未満の曇点を有有するエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーであって、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーが、以下の構造:
EOx1 POy1 EOx2(I)
POy2 EOx3 POy3(II)
(式中、x1、x2及びx3のそれぞれは約1~約50の範囲であり、y1、y2及びy3のそれぞれは約10~約70の範囲である)のうちの1つを有するトリブロックコポリマーである、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーと、を含み、
高曇点非イオン性界面活性剤(a)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は少なくとも約1.2:1であり、
低曇点非イオン性界面活性剤(b)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は少なくとも約1.2:1である。
【0017】
好ましくは、高曇点非イオン性界面活性剤(a)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は、少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.8:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2.0:1、又は少なくとも約2.1:1、又は少なくとも約2.2:1、又は少なくとも約2.3:1、又は少なくとも約2.4:1、又は少なくとも約2.5:1、又は少なくとも約2.6:1、又は少なくとも約2.7:1、又は少なくとも約2.8:1、又は少なくとも約2.9:1、又は少なくとも約3.0:1である。好ましくは、高曇点非イオン性界面活性剤(a)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は、少なくとも約1.2:1~20:1、又は少なくとも約1.5:1~15:1、又は少なくとも約2.0:1~10:1である。
【0018】
好ましくは、低曇点非イオン性界面活性剤(b)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は、少なくとも約1.3:1、又は少なくとも約1.4:1、又は少なくとも約1.5:1、又は少なくとも約1.6:1、又は少なくとも約1.7:1、又は少なくとも約1.8:1、又は少なくとも約1.9:1、又は少なくとも約2.0:1、又は少なくとも約2.1:1、又は少なくとも約2.2:1、又は少なくとも約2.3:1、又は少なくとも約2.4:1、又は少なくとも約2.5:1、又は少なくとも約2.6:1、又は少なくとも約2.7:1、又は少なくとも約2.8:1、又は少なくとも約2.9:1、又は少なくとも約3.0:1である。好ましくは、低曇点非イオン性界面活性剤(b)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比は、少なくとも約1.2:1~20:1、又は少なくとも約1.5:1~15:1、又は少なくとも約2.0:1~10:1である。
【0019】
本発明による組成物に含まれる非イオン性界面活性剤の3成分混合物について以下に記載する。この混合物を含む組成物は、低温であっても良好な油汚れ懸濁性を示し、特に食器洗浄運転で処理された物品で乾燥特性を示すことが見出された。
【0020】
本発明の組成物は、3成分界面活性剤混合物であって、a)50℃以上の曇点を有する非イオン性界面活性剤(本明細書において「高曇点非イオン性界面活性剤」と称される)と、b)50℃未満の曇点を有する非イオン性界面活性剤(本明細書において「低曇点非イオン性界面活性剤」と称される)と、を含み、a)とb)との重量比が、好ましくは2:1~1:2の範囲である、3成分界面活性剤混合物を含む。3成分界面活性剤混合物は、50℃未満、好ましくは40℃未満の曇点を有するエチレンオキシド-プロピレンオキシドトリブロックコポリマーを更に含む。
【0021】
曇点とは、非イオン性界面活性剤溶液相が水に富む相と界面活性剤に富む相とに分離して濁る温度である。曇点温度は、曇りが生じる温度を特定することによって視覚的に決定することができる。
【0022】
非イオン性界面活性剤の曇点温度は、以下のように決定することができる。すなわち、蒸留水中、溶液の1重量%の対応する界面活性剤を含有する溶液を調製する。分析の前に溶液を軽く撹拌して、プロセスが化学平衡で生じるようにする。転相温度は、界面活性剤溶液を75mm密封ガラス試験管中で浸漬することによって熱安定浴中で測定する。漏れがないようにするため、曇点温度の測定の前後に試験管を秤量しておく。温度が予め推定した曇点温度より数度下に達するまで、温度を1℃/分未満の速度で徐々に上昇させる。曇点温度は、濁りの最初の兆候があった時点で視覚的に判定される。
【0023】
高曇点非イオン性界面活性剤の曇点は、55℃~85℃、より好ましくは60℃~80℃の範囲であることが好ましい。低曇点非イオン性界面活性剤の曇点は、5℃~45℃、より好ましくは8℃~35℃の範囲であることが好ましい。
【0024】
本発明によれば、高曇点非イオン性界面活性剤が60℃~80℃の範囲の曇点を有し、低曇点非イオン性界面活性剤が8℃~35℃の範囲の曇点を有することが最も好ましい。本発明によれば、高曇点非イオン性界面活性剤が単一のアルコキシレートタイプを有するアルコキシル化非イオン性界面活性剤であり、低曇点非イオン性界面活性剤が少なくとも2つのアルコキシレートタイプを有するアルコキシル化非イオン性界面活性剤であるような、非イオン性界面活性剤混合物を含む組成物によって特に良好な結果が達成された。
【0025】
高曇点のアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、6~22個の炭素原子、好ましくは8~20個の炭素原子、最も好ましくは10~18個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールの反応によって調製することができる。アルコキシレート界面活性剤のタイプは、エトキシレート、ブトキシレート又はプロポキシレートであることが好ましく、エトキシレートが特に好ましい。高曇点界面活性剤は、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり3~20モル、特に好ましくは4~10モル、更により好ましくは5~8モルのアルキレンオキシド、特にエチレンオキシドを有することが好ましい。特に好ましい高曇点非イオン性界面活性剤は、5~10個のEOを有するC10~C15、より好ましくは7個のEOを有するC13である。高曇点非イオン性界面活性剤は、上記のタイプの分岐鎖又は直鎖脂肪アルコールのいずれかから調製することができる。
【0026】
高曇点非イオン性界面活性剤の好ましい例は、Lutensol TO7(BASF)、Marlipal O13/70(Sasol)、Imbentin-T/070(Kolb)、Emuldac AS-11(Sasol)及びEmuldac AS-20(Sasol)である。
【0027】
低曇点のアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、4~25個の炭素原子、好ましくは6~20個の炭素原子、最も好ましくは8~14個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールの反応によって調製することができる。低曇点界面活性剤は、界面活性剤1モル当たり合計2~45モルのアルキレンオキシドを有することが好ましい。低曇点界面活性剤中のアルコキシレートのタイプは、エトキシレート、ブトキシレート及び/又はプロポキシレートのうちの少なくとも2つの混合物であることが好ましく、エトキシレートとプロポキシレートとの混合物が特に好ましい。低曇点界面活性剤は、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり2~25モル、特に5~20モルのエチレンオキシド、及びアルコール又はアルキルフェノール1モル当たり2~40モル、より好ましくは5~30モルのプロピレンオキシドを有することが好ましい。ブチレンオキシド又はプロピレンオキシドの混合物も可能である。特に好ましい低曇点界面活性剤は、10~20個のEO及び10~20個のPOを有するC10~C12である。低曇点非イオン性界面活性剤は、上記のタイプの分岐鎖又は直鎖脂肪アルコールのいずれかから調製することができる。
【0028】
低曇点界面活性剤はまた、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー単位を更に含む、エトキシル化及びブトキシル化モノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールである界面活性剤を含んでもよい。このような界面活性剤のアルコール又はアルキルフェノール部分は、非イオン性界面活性剤の全分子量の30重量%超、好ましくは50重量%超、より好ましくは70重量%超を構成する。
【0029】
低曇点非イオン性界面活性剤の好ましい例は、Plurafac SLF-180(BASF)及びEcosurf LFE-1410(Dow)である。別の好ましい低曇点非イオン性界面活性剤として、LF224がある。低曇点非イオン性界面活性剤の組み合わせ、例えばSLF180とLF224の組み合わせを使用することもできる。
【0030】
低曇点界面活性剤は、一般的には、高曇点界面活性剤よりも疎水性が高く、特許請求される混合物中の2つの界面活性剤の量及びタイプは、好ましくは、組成物の発泡特性が所望の範囲内に制御されるように選択される。自動食器洗浄用途では、通常、低発泡特性が望ましい。
【0031】
本発明によれば、高曇点非イオン性界面活性剤はエトキシル化非イオン性界面活性剤であり、低曇点非イオン性界面活性剤は混合プロポキシル化-エトキシル化-プロポキシル化非イオン性界面活性剤であることが特に好ましい。
【0032】
高曇点非イオン性界面活性剤と低曇点非イオン性界面活性剤との重量比は、2:1~1:2、より好ましくは1.5:1~1:1.5の範囲であることが好ましい。
【0033】
自動食器洗浄プログラムの主洗浄に使用するための組成物の場合、非イオン性3成分界面活性剤混合物の量は、組成物の0.5~20重量%である。自動食器洗浄プログラムのすすぎに使用される組成物の場合、非イオン性3成分混合物の量は、組成物の0.5~40重量%である。
【0034】
エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー
エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーであり、以下の構造:
EOx1 POy1 EOx2(I)
POy2 EOx3 POy3(II)
(式中、x1、x2及びx3のそれぞれは約1~約50の範囲であり、y1、y2及びy3のそれぞれは約10~約70の範囲である)のうちの1つを有することができる。
【0035】
式Iのエチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシドトリブロックコポリマーは、好ましくは、10~70個、好ましくは20~60個、より好ましくは25~55個のプロピレンオキシド単位の平均プロピレンオキシド鎖長を有する。
【0036】
式IIのエチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシドトリブロックコポリマーは、好ましくは、1~50個、好ましくは2~40個、より好ましくは3~30個のエチレンオキシド単位の平均エチレンオキシド鎖長を有する。
【0037】
式I及び式IIのエチレンオキシド-プロピレンオキシドトリブロックコポリマーは、50℃未満、好ましくは40℃未満の曇点を有する。
【0038】
好ましくは、式I及び式IIのエチレンオキシド-プロピレンオキシドトリブロックコポリマーは、約1000~約10,000ダルトン、好ましくは約1200~約8000ダルトン、より好ましくは約1500~約7000ダルトン、更により好ましくは約1750~約5000ダルトン、最も好ましくは約2000~約4000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0039】
好適なエチレンオキシド-プロピレンオキシドトリブロックコポリマーは、BASF社よりPluronic PE及びPluronic RPEシリーズとして又はDow Chemical社よりTergitol Lシリーズとして市販されている。特に好適な材料は、Pluronic PE 9200、Tergitol L81、Tergitol L62、Tergitol L61、Pluronic RPE 3110及びPluronic RPE 2520である。
【0040】
本発明の組成物は、好ましくはリン酸塩を含まない洗浄組成物とすることができる。組成物は、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を含まないことが好ましい。組成物は、界面活性剤3成分混合物と、任意であるが好ましくは、錯化剤、分散剤ポリマー、漂白剤、無機ビルダー(好ましくは炭酸塩及び/又はケイ酸塩)、酵素、特にプロテアーゼ及びアミラーゼ酵素、ガラスケア剤、金属ケア剤などを含む。
【0041】
本発明の組成物が洗浄組成物である場合、組成物は、好ましくは、20℃の蒸留水中、1重量%の水溶液で測定した場合に、少なくとも10、より好ましくは少なくとも10.5のpHを有する。
【0042】
錯化剤
錯化剤は、硬質イオン、特にカルシウム及び/又はマグネシウムを隔離することができる物質である。
【0043】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の10重量%~60重量%、好ましくは20重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~35重量%の、メチルグリシン-N,N-二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、クエン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸(ASDA)、その塩及びこれらの混合物からなる群から選択される錯化剤を含んでもよい。本明細書での使用に特に好ましい錯化剤は、MGDAの塩、特にMGDAの三ナトリウム塩である。クエン酸塩とMGDAの三ナトリウム塩との混合物も、本明細書での使用に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の15重量%~40重量%のMGDAの三ナトリウム塩を含む。
【0044】
無機ビルダー
本発明の組成物は、好ましくは、無機ビルダーを含む。好適な無機ビルダーは、炭酸塩、ケイ酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される。炭酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウムが本明細書での使用に特に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の5~50重量%、より好ましくは10~40重量%、特に15~30重量%の炭酸ナトリウムを含む。
【0045】
ポリマー
ポリマーは、存在する場合、組成物の約0.1重量%~約30重量%、好ましくは0.5重量%~約20重量%、より好ましくは1重量%~15重量%の任意の好適な量で使用される。スルホン化/カルボキシル化ポリマーは、本発明の組成物に特に好適である。
【0046】
本明細書に記載される好適なスルホン化/カルボキシル化ポリマーは、約100,000Da以下、又は約75,000Da以下、又は約50,000Da以下、又は約3,000Da~約50,000Da、好ましくは約5,000Da~約45,000Daの重量平均分子量を有し得る。
【0047】
好ましいスルホン化モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピル、3-スルホ-プロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及び上述の酸又はこれらの水溶性塩の混合物のうちの1つ以上を含む。
【0048】
好ましくは、ポリマーは、以下の濃度のモノマー、すなわち、ポリマーの約40~約90重量%、好ましくは約60~約90重量%の1種以上のカルボン酸モノマー、ポリマーの約5~約50重量%、好ましくは約10~約40重量%の1種以上のスルホン酸モノマー、及び任意にポリマーの約1重量%~約30重量%、好ましくは約2~約20重量%の1種以上の非イオン性モノマーを含む。特に好ましいポリマーは、ポリマーの約70重量%~約80重量%の少なくとも1種のカルボン酸モノマー及びポリマーの約20重量%~約30重量%の少なくとも1種のスルホン酸モノマーを含む。
【0049】
ポリマー中、カルボン酸基又はスルホン酸基の全て又はいくつかが中和形態で存在していてよく、すなわちいくつか又は全ての酸性基中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の酸性水素原子が、金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンと置き換えられ得る。
【0050】
カルボン酸は、好ましくは(メタ)アクリル酸である。スルホン酸モノマーは、好ましくは2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0051】
好ましい市販のポリマーとしては、Nouryonによって供給されるAlcosperse 240及びAquatreat AR 540;Dowによって供給されるAcumer 3100、Acumer 2000、Acusol 587G及びAcusol 588Gが挙げられる。特に好ましいポリマーは、Dowによって供給されるAcusol 587G及びAcusol 588Gである。
【0052】
好適なポリマーには、低分子量のアニオン性カルボン酸ポリマーが含まれる。それらは、約200,000g/モル以下、又は約75,000g/モル以下、又は約50,000g/モル以下、又は約3,000g/モル~約50,000g/モル、好ましくは約5,000g/モル~約45,000g/モルの重量平均分子量を有するホモポリマー又はコポリマーであり得る。分散剤ポリマーは、1,000~20,000、特に2,000~10,000、及び特に好ましくは3,000~5,000の平均分子量を有するポリアクリレートの低分子量ホモポリマーであってもよい。
【0053】
ポリマーは、70,000未満の分子量を有する、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とマレイン酸のコポリマー並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸とフマル酸のコポリマーであってもよい。それらの分子量は、2,000~80,000g/モル、より好ましくは20,000~50,000g/モル、特に30,000~40,000g/モルの範囲であり、(メタ)アクリレートとマレエート又はフマレートセグメントとの比は30:1~1:2である。
【0054】
ポリマーは、3,000~100,000、あるいは4,000~20,000の分子量を有するアクリルアミドとアクリレートとのコポリマーであってもよく、分散剤ポリマーの50重量%未満、あるいは20重量%未満のアクリルアミド含有量も使用され得る。あるいは、そのようなポリマーは、4,000~20,000の分子量、及びポリマーの0重量%~15%のアクリルアミド含有量を有してもよい。
【0055】
本明細書で好適なポリマーには、イタコン酸ホモポリマー及びコポリマーも含まれる。あるいは、ポリマーは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、アルコキシル化ポリカルボキシレート、ポリエチレングリコール、スチレンコポリマー、セルロースサルフェートエステル、カルボキシル化多糖、両親媒性グラフトコポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0056】
酵素
本発明の組成物は、好ましくは酵素を含む。より好ましくは、アミラーゼ及びプロテアーゼである。
【0057】
本明細書の酵素変異体を説明する際、参照しやすいように以下の命名法が用いられる:元のアミノ酸:位置:置換アミノ酸。標準的な酵素IUPACのアミノ酸の1文字コードを使用する。
【0058】
プロテアーゼ
好適なプロテアーゼには、メタロプロテアーゼ及び中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼ等のセリンプロテアーゼ、例えばスブチリシン(EC3.4.21.62)、並びにその化学的に又は遺伝的に修飾された突然変異体が挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのBacillus属由来のもの等のスブチリシン(EC3.4.21.62)が挙げられる。
【0059】
特に好ましいプロテアーゼは、Bacillus lentus由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、とりわけ100%の同一性を示すポリペプチドであり、これは、本明細書に参照により組み込まれる国際公開第00/37627号に示されるようなBPN番号方式システム及びアミノ酸略号を用いた場合に、以下に示す位置の1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上に突然変異体を含む:V68A、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I及び/又はM222S。
【0060】
最も好ましくは、プロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はスブチリシン309野生型(N87Sの自然変異体を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の突然変異体(BPN番号方式)を含む群から選択される。
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
【0061】
好適な市販のプロテアーゼ酵素として、Novozymes A/S(デンマーク)によって商標名Savinase(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)で販売されているもの、Genencor Internationalによって商標名Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)で販売されているもの、Solvay Enzymesによって商標名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)で販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわちBLAPが挙げられる。
【0062】
第2の組成物中のプロテアーゼの好ましい濃度は、組成物1グラム当たり約0.2~約2mgの活性プロテアーゼを含む。
【0063】
アミラーゼ
本発明の組成物は、アミラーゼを含み得る。好ましいアルカリ性アミラーゼは、Bacillusの菌種、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のBacillus属菌種、例えば、Bacillus属菌種NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)米国特許第5,856,164号並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号及び同第06/002643号に記載の変異体、とりわけAA560配列番号3に対して以下の位置に1つ以上の置換基を有する変異体:
9、26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、195、202、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、320、323、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、458、461、471、482、484、好ましくはD183*及びG184*の欠失も含む変異体。
(b)Bacillus属菌種707由来の野生型酵素(米国特許第6,093,562号中の配列番号7)と少なくとも95%の同一性を示す変異体、とりわけ以下の突然変異体:M202、M208、S255、R172及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L又はM202T突然変異体のうちの1つを含む。
【0064】
好適な市販のα-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、EVEREST(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、EXCELLENZ(商標)S 1000及びEXCELLENZ(商標)S 2000を含むEXCELLENZ(商標)Sシリーズ並びにPURASTAR OXAM(登録商標)(DuPont Industrial Biosciences,Palo Alto,California);並びにKAM(登録商標)(花王株式会社(日本、103-8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14-10))が挙げられる。本明細書における使用に特に好ましいアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、EXCELLENZ(商標)S 1000、EXCELLENZ(商標)S2000、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも0.005mg、好ましくは約0.0025~約0.025mg、より好ましくは約0.05~約0.3mg、特に約0.01~約0.25mgの活性アミラーゼを含む。
【0066】
好ましくは、組成物のプロテアーゼ及び/又はアミラーゼは、顆粒の形態であり、この顆粒は、顆粒の29重量%超の硫酸ナトリウムを含み、並びに/又は硫酸ナトリウム及び活性酵素(プロテアーゼ及び/若しくはアミラーゼ)は、3:1~100:1、又は好ましくは4:1~30:1、又はより好ましくは5:1~20:1の重量比である。
【0067】
結晶成長阻害剤
結晶成長阻害剤は、炭酸カルシウム結晶に結合して、アラゴナイト及び方解石などの種の更なる成長を防止することができる材料である。
【0068】
本明細書における使用に特に好ましい結晶成長阻害剤は、HEDP(1-ヒドロキシエチリデン1,1-ジホスホン酸)である。本発明の組成物は、好ましくは組成物の0.01~5重量%、より好ましくは0.05~3重量%、特に0.5~2重量%の結晶成長阻害剤、好ましくはHEDPを含む。
【0069】
漂白剤
本発明の組成物は、組成物の約8~約30重量%、より好ましくは約9~約25重量%、更により好ましくは約9~約20重量%の漂白剤を含んでもよい。
【0070】
無機漂白剤及び有機漂白剤が、本明細書での使用に好適である。無機漂白剤には、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などの過水和塩が挙げられる。無機過水和塩は、通常、アルカリ金属塩である。無機過水和塩は、追加の保護なしの結晶性固体として含まれ得る。あるいは、塩はコーティングされていてもよい。好適なコーティングには、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。当該コーティングは、表面に塗布される混合物として塗布されるか、又は順次積層して塗布され得る。
【0071】
アルカリ金属過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書における使用に好ましい漂白剤である。過炭酸塩は、最も好ましくは、製品内安定性を提供するコーティングされた形態で製品に組み込まれる。
【0072】
過酸化モノ過硫酸カリウムは、本明細書で有用な別の無機過水和塩である。
【0073】
典型的な有機漂白剤は、有機ペルオキシ酸、特にドデカンジペルオキシ酸、テトラデカンジペルオキシ酸、及びヘキサデカンジペルオキシ酸である。モノ及びジペルアゼライン酸、モノ及びジペルブラシル酸も、本明細書において好適である。ジアシル及びテトラアシル過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジラウロイルは、本発明の関連において使用可能な他の有機過酸化物である。
【0074】
更なる典型的な有機漂白剤としては、ペルオキシ酸が挙げられ、具体例は、アルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸である。好ましい代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換の誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸の他、ペルオキシ-α-ナフトエ酸及びモノペルフタル酸マグネシウム、(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えばペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタロイミノペルオキシヘキサン酸(PAP)]、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸及びN-ノネニルアミドペルスクシネート、並びに(c)脂肪族及び芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイルジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
【0075】
漂白活性化剤
漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度での洗浄の過程で漂白作用を強化する有機過酸前駆体である。本明細書での使用に好適な漂白活性化剤には、過加水分解条件下で、好ましくは1~12個の炭素原子、特に2~10個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸(peroxoycarboxylic acid)、及び/又は任意に置換された過安息香酸を与える化合物が含まれる。好適な物質は、炭素原子の数が指定されているO-アシル基及び/若しくはN-アシル基並びに/又は任意に置換されたベンゾイル基を有する。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-又はイソ-NOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、無水カルボン酸、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、二酢酸エチレングリコール及び2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、並びにクエン酸トリエチルアセチル(TEAC)も好まれる。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.2~2重量%の漂白活性化剤、好ましくはTAEDを含む。
【0076】
漂白触媒
本発明の組成物は、漂白触媒、好ましくは金属含有漂白触媒を含有することができる。より好ましくは、金属含有漂白触媒は、遷移金属含有漂白触媒、特にマンガン又はコバルト含有漂白触媒である。
【0077】
本明細書での使用に好ましい漂白触媒としては、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn、及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連する錯体が含まれる。
【0078】
組成物は、組成物の重量基準で0.001~0.5%、より好ましくは0.002~0.05%の漂白触媒を含んでもよい。好ましくは、漂白触媒は、マンガン漂白触媒である。
【0079】
金属ケア剤
金属ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、並びに銀及び銅などの非鉄金属を含む金属の曇り、腐食又は酸化を防止又は低減することができる。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、とりわけ0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、金属ケア剤はベンゾトリアゾール(BTA)である。
【0080】
ガラスケア剤
ガラスケア剤は、食器洗浄プロセス中にガラス製品の外観を保護する。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、特に0.3~3重量%のガラスケア剤を含み、好ましくは、ガラスケア剤は亜鉛塩である。
【0081】
本発明の組成物は、好ましくは、非イオン性3成分混合物と、任意にヒドロトロープ、香料、錯化剤、ガラスケア剤、金属ケア剤などを含むすすぎ助剤であってもよい。このような成分は、好ましくは、本発明の5重量%以下の量で存在する。本発明の組成物がすすぎ助剤である場合、組成物は、好ましくは、20℃の蒸留水中、1重量/体積%の水溶液で測定した場合に、8未満、より好ましくは7.5未満のpHを有する。
【0082】
好ましくは、本発明の洗浄組成物は、
i)組成物の5~50重量%のビルダーと、
ii)組成物の0.5~10重量%の非イオン性3成分混合物と、
iii)組成物の5~50重量%の錯化剤、好ましくはMGDAの塩を含む錯化剤と、
iv)酵素、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼと、
v)任意に、組成物の0.5~5重量%の分散剤ポリマー、好ましくはカルボキシレート/スルホネートポリマーと、
vi)任意に、組成物の5~20重量%の漂白剤、より好ましくは漂白触媒と、を含む。
【0083】
本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤と他の従来のすすぎ助剤成分との3成分混合物を含むすすぎ助剤であり得る。
【0084】
ヒドロトロープ
本発明のすすぎ助剤組成物は、ヒドロトロープを含むことができる。ヒドロトロープは、疎水性物質の水溶性を高め、組成物の物理的安定性を与える。いくつかの実施形態では、ヒドロトロープは、クメンスルホネート、キシレンスルホネート及びジアルキルジフェニルオキシドスルホネート材料などの低分子量芳香族スルホネート材料である。他の実施形態では、ヒドロトロープは、アルキル鎖中に10個未満の炭素原子を有する短鎖長アルキルサルフェートである。
【0085】
ヒドロトロープ又はヒドロトロープの組み合わせは、組成物中に組成物の約1重量%~約50重量%の量で存在することができる。他の実施形態では、ヒドロトロープ又はヒドロトロープの組み合わせは、組成物の約10重量%~約30重量%で存在することができる。
【0086】
担体
本発明のすすぎ組成物は、液体組成物として配合することができる。担体をそのような液体製剤に含めることができる。すすぎ助剤組成物での使用に適した任意の担体を、本発明で使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は担体として水を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、本発明による液体すすぎ助剤組成物は、組成物の約98重量%以下の水、通常は組成物の約90重量%以下の水を含有する。他の実施形態では、液体すすぎ助剤組成物は、担体として、組成物の少なくとも50重量%の水、又は組成物の少なくとも60重量%の水を含有する。
【0088】
すすぎ組成物は、pH調整剤、ガラスケア及び/又は金属ケア剤を含んでもよい。
【0089】
本発明の方法
本発明の方法は、食器洗浄機で実行される以下の工程、すなわち、
a)食器洗浄機に食器を入れる工程と、
b)本発明の非イオン性3成分混合物を含む主洗浄液に食器を曝露する工程と、を含む。
【0090】
この方法は、大きなストレスのかかった洗い物、すなわち油汚れを含む高レベルの汚れを含む洗い物の場合であっても、また低温の洗浄サイクルを有するプログラムであっても、油汚れの除去を提供する。
【0091】
本明細書において、「低温」とは、55℃以下、好ましくは45℃以下、好ましくは40℃以下の主洗浄温度を有するプログラムを意味する。
【0092】
本発明の方法は、食器洗浄機内で実行される以下のステップ、すなわち、
a)食器洗浄機に食器を入れる工程と、
b)本発明の非イオン性3成分混合物を含むすすぎ洗浄液に食器を曝露する工程と、を含む。
【0093】
この方法は、大きなストレスのかかるシステムであっても、また低温サイクルを有するプログラムであっても、良好な乾燥を提供する。
【0094】
非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む自動食器洗浄洗剤組成物を食器洗浄機の主洗浄に供給する工程を含む、食器洗浄機における洗浄中に乾燥を提供する方法も提供される。本方法は、組成物が単位用量形態で供給される場合であっても良好な乾燥を提供した。
【0095】
本出願の文脈では、「食器洗浄プログラム」は、好ましくは、主洗浄サイクルに加えて、予備洗浄、予備すすぎ及び/又はすすぎサイクルを含み、食器洗浄機のプログラムスイッチによって選択及び作動されることができる完全な洗浄プロセスである。これらの別個の洗浄プログラムの持続時間は、有利には少なくとも15分、有利には20~360分、好ましくは20~90分である。本出願の意味の範囲内で、「ショート洗浄プログラム」は60分未満継続し、「ロング洗浄プログラム」は60分未満継続する。
【0096】
家庭用食器洗浄機は、通常、ある程度まで乾燥した汚れた食器を洗浄するための、基本的な洗浄プログラム、非常に汚れた食器を洗浄するための、又は特に除去が困難な食物残渣(非常に乾燥した又は焦げた染み)の場合の、集中的な洗浄プログラム、汚れの少ない食器又は食器の部分量を洗浄するためのエコノミー洗浄プログラム、部分的な食器量のより速い洗浄が望まれる場合の、前のサイクルのような洗浄のための高速洗浄プログラム、などの複数のプログラムを提供することができる。各プログラムは、複数の連続する工程を含む。通常、1回又は2回の低温予洗サイクル、洗浄サイクル(主洗浄としても知られている)、低温すすぎサイクル、高温すすぎサイクル、及び任意に乾燥サイクルである。プログラムの異なるサイクルの間、異なる組成物が食器洗浄機内の水に添加されて、洗浄を助けることができる。好ましくは、第1の組成物は、予備洗浄に供給され、第2の組成物は、主洗浄サイクルに供給される。
【0097】
選択された食器洗浄プログラムの過程で、家庭用食器洗浄機は、一般に、予備洗浄、主洗浄、中間すすぎサイクル、最終すすぎサイクル、次いで乾燥サイクルなどの1つ以上のサイクルを実行してプログラムを終了する。それぞれのサイクル中、洗浄液は、回転スプレーアーム、固定スプレーノズル、例えばトップスプレーヘッド、可動スプレーノズル、例えばトップスピンユニット、及び/又は何らかの他の液体分配装置によって、食器洗浄機キャビティの処理チャンバ内に分配され、特に噴霧され、処理チャンバ内で、洗浄液は、好ましくは取り外し又は引き出すことができる少なくとも1つのローディングユニット、例えばプルアウトラック又はカトラリドロワ内及び/又は上に支持された洗浄される食器及び/又はカトラリなどの洗浄される品物に加えられる。この目的のために、食器洗浄機には、好ましくは、動作する循環ポンプによって少なくとも1つの供給ラインを介して洗浄液が供給され、当該洗浄液は、食器洗浄機キャビティの底部、好ましくは凹部、特にサンプに集まる。それぞれの液体誘導洗浄サブサイクル中に洗浄液が加熱されなければならない場合、洗浄液は、加熱設備によって加熱される。これは循環ポンプの一部であり得る。それぞれの液体誘導洗浄サブサイクルの終わりに、各インスタンスの食器洗浄機キャビティの処理チャンバ内に存在する洗浄液の一部又は全部が、排水ポンプによって汲み出される。
【0098】
本発明の組成物は、食器洗浄機の内部の貯蔵リザーバに入れることができ、リザーバは、複数のプログラムに分配される複数の用量を収容することができる。
【0099】
本発明の組成物が入れられたリザーバは、食器洗浄機の内側又は外側に位置することができる。食器洗浄機の内部に位置する場合、貯蔵リザーバは、自動食器洗浄機と一体化することができ(すなわち、自動食器洗浄機に恒久的に固定された(内蔵された)貯蔵リザーバ)とすることができ、また、自立型(すなわち、自動食器洗浄機の内部に挿入することができる独立した格納リザーバ)とすることもできる。
【0100】
一体化された貯蔵リザーバの例は、自動食器洗浄機のドアに組み込まれ、供給ラインによって食器洗浄機の内部に接続された容器である。
【0101】
投入装置は、例えば、貯蔵リザーバと、制御された量の異なる組成物を異なる時間に、例えば予備洗浄及び主洗浄に放出することができる分配ユニットと、を備える自動化ユニットとすることができる。異なるタイプのハードウェアは、洗浄組成物の分配を制御するための、又はデータ処理ユニット、食器洗浄機、若しくはユーザが操作することができるモバイル装置若しくはサーバなどの外部装置と通信するための投与装置の一部であってもよい。
【0102】
貯蔵リザーバは、特に食器洗浄機の内部に配置されるものである場合には、極めて良好な熱安定性を有する必要がある。
【0103】
本発明にかかる好ましい方法は、組成物が食器洗浄機の内部に計量供給される前に、少なくとも2回、好ましくは少なくとも4回、特に好ましくは少なくとも8回、特に少なくとも12回の別々の食器洗浄プログラムの間、食器洗浄機の外側(例えば、国際公開第2019/81910A1号)又は内側に位置する貯蔵リザーバ内に留まるようなものである。
【0104】
投与システムは、センサの入力に基づいて、必要な組成物の量を決定することができるセンサにリンクされることができる。使用され得るセンサは、pH、濁度、温度、湿度、導電率などを含む。食器洗浄機は、これを達成するためにデータ処理能力を必要とする場合がある。食器洗浄は、他の装置との接続性を有することが好ましい。これは、wi-fi、モバイルデータ、bluetooth(登録商標)などの形態をとることができる。これにより、食器洗浄機を遠隔で監視及び/又は制御することができる。好ましくは、これはまた、機械がインターネットと接続することを可能にする。
【0105】
1つ以上のチャンバを含む好ましい貯蔵リザーバの容積は、10~1000ml、好ましくは20~800ml、特に50~500mlである。
【0106】
以下は本発明の実施形態である:
1.非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む自動食器洗浄組成物であって、3成分混合物が、
(a)50℃以上の高曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、高曇点非イオン性界面活性剤が、単一のアルコキシレートタイプを有し、かつ界面活性剤1モル当たり3~20モルのアルキレンオキシドを有するアルコキシル化されたC6~22アルコール非イオン性界面活性剤である、高曇点非イオン性界面活性剤と、
(b)50℃未満の低曇点を有する非イオン性界面活性剤であって、低曇点非イオン性界面活性剤が、エトキシ、プロポキシ及びブトキシから選択される2つのアルコキシレートタイプのみを有するアルコキシル化されたC4~25アルコール非イオン性界面活性剤である、低曇点非イオン性界面活性剤と、
(c)50℃未満、好ましくは40℃未満の曇点を有有するエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーであって、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーが、以下の構造:
EOx1 POy1 EOx2(I)
POy2 EOx3 POy3(II)
(式中、x1、x2及びx3のそれぞれは約1~約50の範囲であり、y1、y2及びy3のそれぞれは約10~約70の範囲である)のうちの1つを有するトリブロックコポリマーである、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーと、を含み、
高曇点非イオン性界面活性剤(a)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比が少なくとも約1.2:1であり、
低曇点非イオン性界面活性剤(b)とエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(c)との重量比が少なくとも約1.2:1である、自動食器洗浄組成物。
2.高曇点非イオン性界面活性剤と低曇点非イオン性界面活性剤との重量平均比が、約2:1~1:2である、実施形態1に記載の組成物。
3. 高曇点非イオン性界面活性剤の曇点が60℃~80℃の範囲であり、低曇点非イオン性界面活性剤の曇点が8℃~35℃の範囲である、実施形態1又は2に記載の組成物。
4.高曇点非イオン性界面活性剤が、エトキシル化されたC6~22アルコール非イオン性界面活性剤である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物。
5.組成物が、組成物の0.5重量%~40重量%の非イオン性界面活性剤の3成分混合物を含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の組成物。
6.組成物が、リン酸塩を含まず、酵素及び任意に漂白剤を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の組成物。
7.組成物がすすぎ補助剤である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の組成物。
8.実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物を使用する、低温での自動食器洗浄における油汚れ懸濁性を改善する方法。
9.自動食器洗浄における低温での油汚れ懸濁性を改善するための、実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物の使用。
10.食器洗浄機における洗浄中に乾燥を提供する方法であって、食器洗浄機の主洗浄に、実施形態1~7のいずれか1つに記載の自動食器洗浄洗剤組成物を供給する工程を含む、方法。
11.洗浄組成物が単位用量形態である、実施形態10に記載の方法。
12.食器洗浄機における乾燥を提供する方法であって、食器洗浄機のすすぎに、実施形態1~7のいずれか1つに記載のすすぎ組成物を供給する工程を含む、方法。
13.自動食器洗浄における洗浄中に乾燥を提供するための、実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物の使用。
【実施例】
【0107】
自動食器洗浄組成物を、本明細書で下記に詳述するようにして調製した。
【0108】
I.試験組成物の調製
以下の洗剤組成物を用いて試験を実施した:
【0109】
【0110】
【0111】
II.試験手順
試験手順は、小規模の自動食器洗浄機プロセスの洗浄及びすすぎサイクルを再現し、自動食器洗浄機組成物の油汚れ懸濁能力を測定する。油汚れ懸濁能力は、添加された着色キャノーラ油のプラスチック基材(ポリプロピレン)への再付着を評価することによって測定される。
【0112】
着色キャノーラ油の調製:
250mgのSolvent Red 26(Sigma Aldrichより販売されるもの)を1リットルのキャノーラ油に添加し、色素が完全に溶解するまでよく混合する。
-調製:標的水硬度の水中で洗浄溶液を調製し、専用の小さな容器にピペットで移す。洗浄溶液を目標洗浄温度に予熱し、試験手順の洗浄サイクルの間、設定洗浄温度に保つ。
-洗浄工程:きれいなポリプロピレン不織布を洗浄液に入れる。布1cm2当たり4mlの洗浄溶液を使用する。洗浄溶液4ml当たり0.125mlの着色キャノーラ油を加える。洗浄溶液を容器に30分間、ピペットで出し入れすることによって洗浄を行う。30分の洗浄後、洗浄溶液をピペットで取り出す。
-すすぎ工程:周囲温度で脱塩水をピペットで容器に3回出し入れする。使用する脱塩水の量も布1cm2当たり4mlとする。このプロセスを4回繰り返す。
-乾燥工程:ポリプロピレン不織布を容器から取り出し、30℃でオーブンの中で24時間乾燥させる。
-分析:乾燥後、ポリプロピレン不織布を画像分析にかけ、それらの色を汚れていない布の色と比較する。これによりデルタE値が得られる。デルタE値が高いほど、より多くの着色キャノーラ油が再付着したことを意味し、油汚れ懸濁能力が低いことを意味する。
【0113】
【0114】
高いデルタEは、布地がより多くの着色汚れを含み、したがって、布地基材への油汚れの付着する防ぐ能力が低いことを意味する。
【0115】
実施例1
【0116】
【0117】
【0118】
上記の表から分かるように、本発明による配合Bは、本発明によらない配合Aと比較して、より低いデルタE及びより良好な油汚れ懸濁性を供給する。
【0119】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【国際調査報告】