IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブライトシード・インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ サンフォード バーナム プレビーズ メディカル ディスカバリー インスティテュートの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】肝脂肪症を逆転させるための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/165 20060101AFI20231023BHJP
   C07C 235/32 20060101ALI20231023BHJP
   C07C 255/13 20060101ALI20231023BHJP
   C07C 311/08 20060101ALI20231023BHJP
   C07C 317/18 20060101ALI20231023BHJP
   C07C 233/22 20060101ALI20231023BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20231023BHJP
   A61K 31/164 20060101ALI20231023BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231023BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231023BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20231023BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20231023BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20231023BHJP
【FI】
A61K31/165
C07C235/32
C07C255/13
C07C311/08
C07C317/18
C07C233/22
A61P1/16
A61K31/164
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/167
A61K31/4245
A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522875
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 US2021054570
(87)【国際公開番号】W WO2022081567
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/091,766
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】520253214
【氏名又は名称】ブライトシード・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517006821
【氏名又は名称】サンフォード バーナム プレビーズ メディカル ディスカバリー インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リー・ヘイル・チェ
(72)【発明者】
【氏名】フレッド・レヴァイン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB03
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB09
4B018MD07
4B018ME14
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZC202
4C084ZC232
4C084ZC751
4C084ZC802
4C086AA01
4C086BC71
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZC20
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA03
4C206GA06
4C206GA07
4C206GA23
4C206GA26
4C206GA28
4C206GA31
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZA75
4C206ZC75
4H006AA03
4H006AB20
4H006BN30
4H006BP30
4H006BV53
4H006TA02
4H006TB02
(57)【要約】
消耗性組成物を提供することによって、肝脂肪症を逆転させるための方法が本明細書に開示される。提供されるいくつかの実施形態は、例えば、式(I)の化合物または式(II)の化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態は、組成物が、栄養補助食品、食品成分または添加物、医療用食品、栄養補給食品または医薬組成物として製剤化されることを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする対象の肝脂肪症を逆転させるための方法であって、前記方法が、
少なくとも1つの担体および有効量の式(I)の化合物またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートを含む経口組成物を、それを必要とする前記対象に投与し:
【化1】
(式中
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され、破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Xは、CHまたはOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)
それによって肝脂肪症を逆転させるステップを含む、方法。
【請求項2】
前記化合物が、式IIの構造を有する、請求項1に記載の方法:
【化2】
(式中、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)。
【請求項3】
前記組成物が、栄養補助食品、食品成分または添加物、医療用食品、栄養補給食品または医薬組成物として製剤化される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
、R、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;
破線の結合が存在し;
Xが、Oであり;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
、R、およびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
、R、R、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;
破線の結合が存在し;
Xが、CHまたはOであり;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
およびRが、-OHであり;
が、Hであり;
破線の結合が存在し;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
およびRが、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
が、-OHであり;
が、Hであり;
破線の結合が存在し;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
、RおよびRが、-OHであり;
が、Hであり;
破線の結合が存在し;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
式(I)または式(II)の前記化合物が、N-トランス-カフェオイルチラミン、N-シス-カフェオイルチラミン、N-トランス-フェルロイルチラミン、N-シス-フェルロイルチラミン、p-クマロイルチラミン、シンナモイルチラミン、シナポイルチラミン、および5-ヒドロキシフェルロイルチラミン、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、ならびに前述の組み合わせからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
式(I)または式(II)の前記化合物が、式(II)の化合物が、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-エトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-メトキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(メチルスルホニル)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸エチル、(E)-N-(4-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-(シアノメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-2-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-イソブトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(チオフェン-2-イルオキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3-ジメチルブトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-((1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-ヒドロキシ-5-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)炭酸水素フェニル、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(4-フルオロフェノキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(シアノメトキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)フェノキシ)酢酸、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-(シアノメトキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリロイル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)グリシン、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-(ピリジン-4-イルメチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-イソブチルアクリルアミド、(E)-N-(シアノメチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)プロパンアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(メチルスルホンアミド)フェネチル)プロパンアミド、または医薬塩、溶媒和物、および前述の組み合わせから選択されるからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
式(I)または式(II)の前記化合物が、薬学的に許容される塩の形態である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
式(I)または式(II)の前記組成物が、単位剤形であり、投与1回あたり0.1~100mg/kg体重(前記対象の体重)の式(I)または式(II)の化合物を投与するように構成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
式(I)または式(II)の前記化合物の投与が、肝脂肪症を逆転させる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
肝脂肪症を逆転させることが、肝脂肪症に関連する疾患または状態を治療または改良することである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項15】
脂肪クリアランスの促進を必要とする対象の脂肪クリアランスを促進するための方法であって、前記方法が、
少なくとも1つの担体および有効量の式(I)の化合物、またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートを含む経口消耗性組成物を投与し:
【化3】
(式中
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Xは、CHまたはOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)
それによって脂肪クリアランスを促進するステップを含む、方法。
【請求項16】
前記化合物が、式IIの構造を有する、請求項15に記載の方法:
【化4】
(式中、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)。
【請求項17】
前記組成物が、栄養補助食品、食品成分または添加物、医療用食品、栄養補給食品または医薬組成物として製剤化される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
、R、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;
破線の結合が存在し;
Xが、Oであり;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
、R、およびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
、R、R、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;
破線の結合が存在し;
Xが、CHまたはOであり;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
およびRが、-OHであり;
が、Hであり;
破線の結合が存在し;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
およびRが、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
が、-OHであり;
が、Hであり;
破線の結合が存在し;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
、RおよびRが、-OHであり;
が、Hであり;
破線の結合が存在し;
Zが、CHR、NRまたはOであり;かつ
が、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
式(I)または式(II)の前記化合物が、N-トランス-カフェオイルチラミン、N-シス-カフェオイルチラミン、N-トランス-フェルロイルチラミン、N-シス-フェルロイルチラミン、p-クマロイルチラミン、シンナモイルチラミン、シナポイルチラミン、および5-ヒドロキシフェルロイルチラミン、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、ならびに前述の組み合わせからなる群から選択される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項24】
式(I)または式(II)の前記化合物が、式(II)の化合物が、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-エトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-メトキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(メチルスルホニル)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸エチル、(E)-N-(4-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-(シアノメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-2-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-イソブトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(チオフェン-2-イルオキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3-ジメチルブトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-((1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-ヒドロキシ-5-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)炭酸水素フェニル、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(4-フルオロフェノキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(シアノメトキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)フェノキシ)酢酸、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-(シアノメトキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリロイル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)グリシン、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-(ピリジン-4-イルメチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-イソブチルアクリルアミド、(E)-N-(シアノメチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)プロパンアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(メチルスルホンアミド)フェネチル)プロパンアミド、または医薬塩、溶媒和物、および前述の組み合わせから選択されるからなる群から選択される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項25】
式(I)または式(II)の前記化合物が、薬学的に許容される塩の形態である、請求項15または16に記載の方法。
【請求項26】
式(I)または式(II)の前記組成物が、単位剤形であり、投与1回あたり0.1~100mg/kg体重(前記対象の体重)の式(I)または式(II)の化合物を投与するように構成される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項27】
式(I)または式(II)の前記化合物の投与が、肝臓における脂肪クリアランスを促進する、請求項15または16に記載の方法。
【請求項28】
脂肪クリアランスを促進することが、脂肪肝に関連する疾患または状態を治療または改良することである、請求項15または16に記載の方法。
【請求項29】
肝臓が、非アルコール性脂肪肝である、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
スフィンゴシン-1-リン酸輸送体SPNS2を阻害するインビトロ方法であって、前記方法が、
細胞を式(I)の化合物またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートと接触させるステップを含む、方法:
【化5】
(式中
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Xは、CHまたはOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)。
【請求項31】
脂肪クリアランスを必要とする対象の脂肪クリアランスのための方法であって、前記方法が、
ジヒドロスフィンゴシン、セラミド、スフィンゴ糖脂質およびスフィンゴシンから選択される1つ以上の化合物と、
担体と、
式(I)の化合物、またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートと、を含む組成物をそれを必要とする前記対象に投与するステップを含む、方法:
【化6】
(式中
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Xは、CHまたはOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)。
【請求項32】
前記1つ以上の化合物が、ジヒドロセラミド、セラミド、またはスフィンゴシンである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記セラミドが、天然セラミド、合成セラミド、リン酸セラミド、1-O-アシル-セラミド、ジヒドロセラミド、ジヒドロセラミドホスフェート、および2-ヒドロキシセラミドからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記天然セラミドが、ブタの脳または卵である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記合成セラミドが、N-オクタデカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18)、N-ヘキサデカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16)N-アセトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C2セラミド、d18:1/2:0)、N-ブチロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C4セラミド、d18:1/4:0)、N-ヘキサノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C6セラミド、d18:1/6:0)、N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8セラミド、d18:1/8:0)、N-デカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C10セラミド、d18:1/10:0)、N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12セラミド、d18:1/12:0)、N-ミリストイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C14セラミド、d18:1/14:0)、N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16セラミド、d18:1/16:0)、N-ヘプタデカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17セラミド、d18:1/17:0)、N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18セラミド、d18:1/18:0)、N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18:1セラミド、d18:1/18:1(9Z))、N-アラキドイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C20セラミド、d18:1/20:0)、N-ベヘノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C22セラミド、d18:1/22:0)、N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24セラミド、d18:1/24:0)、N-ネルボノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1セラミド、d18:1/24:1(15Z))、N-アセトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C2セラミド、d17:1/2:0)、N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C8セラミド、d17:1/8:0)、N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C18セラミド、d17:1/18:0)、N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C18:1セラミド、d17:1/18:1(9Z))、N-アラキドイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C20セラミド、d17:1/20:0)、N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C24セラミド、d17:1/24:0)、およびN-ネルボノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C24:1セラミド、d17:1/24:1(15Z))からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記リン酸セラミドが、N-アセトイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C2セラミド-1-ホスフェート、d18:1/2:0)、N-オクタノイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C8セラミド-1-ホスフェート、d18:1/8:0)、N-ラウロイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C12セラミド-1-ホスフェート、d18:1/12:0)、N-パルミトイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C16セラミド-1-ホスフェート、d18:1/16:0)、N-オレオイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C18:1セラミド-1-ホスフェート、d18:1/18:1(9Z))、N-リグノセロイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C24セラミド-1-ホスフェート、18:1/24:0)、N-アセトイル-セラミド-1-ホスフェート(C17塩基)(アンモニウム塩)(C2セラミド-1-ホスフェート、d17:1/2:0)およびN-オクタノイル-セラミド-1-ホスフェート(C17塩基)(アンモニウム塩)(C8セラミド-1-ホスフェート、d17:1/8:0)からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記ジヒドロセラミドが、N-ヘキサノイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C6ジヒドロセラミド、d18:0/6:0)、N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C8ジヒドロセラミド、d18:0/8:0)、N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C16ジヒドロセラミド、d18:0/16:0)、N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C18ジヒドロセラミド、d18:0/18:0)、N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C18:1ジヒドロセラミド、d18:0/18:1(9Z))、N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C24ジヒドロセラミド、d18:0/24:0)、およびN-ヌノボノイル-D-エリスロ-スフィンガニン-D-エリスロ-スフィンガニン(C24:1ジヒドロセラミド、d18:0/24:1(15Z))からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記ジヒドロセラミドホスフェートが、N-パルミトイル-D-エリスロ-ジヒドロセラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C16ジヒドロセラミド-1-ホスフェート、d18:0/16:0)またはN-リグノセロイル-D-エリスロ-ジヒドロセラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C24ジヒドロセラミド-1-ホスフェート、d18:0/24:0)である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記2-ヒドロキシセラミドが、N-(2’-(R)-ヒドロキシラウロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(12:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシラウロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(12:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシパルミトイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(16:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシパルミトイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(16:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシヘプタデカノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(17:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシヘプタデカノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(17:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシステアロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシステアロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシオレオイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:1(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシオレオイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:1(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシアラキドイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(20:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシラキドイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(20:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシベヘノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(22:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシルベヘノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(22:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシリグノセロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシリグノセロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシネルボノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:1(2R-OH)セラミド)、およびN-(2’-(S)-ヒドロキシルネルボノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:1(2S-OH)セラミド)からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記スフィンゴシンが、天然スフィンゴシン、合成スフィンゴシン、リン酸化スフィンゴシン(S1P)およびメチル化スフィンゴシンからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記天然スフィンゴシンが、D-エリスロ-スフィンゴシンである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記合成スフィンゴシンが、スフィンゴシン(d18:1)、スフィンゴシン(d17:1)、スフィンゴシン(d20:1)、L-トレオ-スフィンゴシン(d18:1)、1-デオキシスフィンゴシン、および1-デスオキシメチルスフィンゴシンからなる群から選択され、いくつかの実施形態では、前記スフィンガニンが、スフィンガニン(d18:0)、スフィンガニン(d17:0)、スフィンガニン(d20:0)、1-デオキシスフィンガニン、1-デスオキシメチルスフィンガニン、およびL-トレオ-ジヒドロスフィンゴシン(d18:0)(サフィンゴール)からなる群から選択され、いくつかの実施形態では、前記リン酸化スフィンゴシンが、スフィンゴシン-1-ホスフェート(d18:1)、スフィンゴシン-1-ホスフェート(DMA付加物)、スフィンゴシン-1-ホスフェート(d17:1)、スフィンゴシン-1-ホスフェート(d20:1)、スフィンガニン-1-ホスフェート(d18:0)、スフィンガニン-1-ホスフェート(d17:0)およびスフィンガニン-1-ホスフェート(d20:0)からなる群から選択され、いくつかの実施形態では、メチル化スフィンゴシンが、モノメチルスフィンゴシン(d18:1)、ジメチルスフィンゴシン(d18:1)、ジメチルスフィンゴシン(d17:1)、トリメチルスフィンゴシン(d18:1)、トリメチルスフィンゴシン(d17:1)、ジメチルスフィンガニン(d18:0)、トリメチルスフィンガニン(d18:0)、ジメチルスフィンゴシン-1-ホスフェート(d18:1)およびジメチルスフィンガニン-1-ホスフェート(d18:0)からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記スフィンゴ糖脂質が、天然スフィンゴ糖脂質、グリコシルスフィンゴ脂質、ガラクトシルスフィンゴ脂質、ラクトシルスフィンゴ脂質、スルファチド、およびα-ガラクトシルセラミド(αGalCer)からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
前記天然スフィンゴ糖脂質が、セレブロシド(例えば、ブタの脳から)、グルコセレブロシド(例えば、大豆から)、スルファチド(アンモニウム塩)(例えば、ブタの脳から)、GM1ガングリオシド(アンモニウム塩)(例えば、ヒツジの脳から)、ガングリオシドGM1(例えば、ヒツジの脳から)および全ガングリオシド抽出物(アンモニウム塩)(例えば、ブタの脳から)からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記グリコシルスフィンゴ脂質が、D-グルコシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(グルコシル(β)スフィンゴシン、d18:1)、D-グルコシル-β-1、1’N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8グルコシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12グルコシル(β)セラミド、d18:1/12:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16グルコシル(β)セラミド、d18:1/16:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18グルコシル(β)セラミド、d18:1/18:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18:1グルコシル(β)セラミド、d18:1/18:1(9Z))、およびD-グルコシル-β1-1’-N-ネノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1グルコシル(β)セラミド、dl8:1/24:1(15Z))からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記ガラクトシルスフィンゴ脂質が、D-ガラクトシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(ガラクトシル(β)スフィンゴシン、d18:1)、N,N-ジメチル-D-ガラクトシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(ガラクトシル(β)ジメチルスフィンゴシン、d18:1)、D-ガラクトシル-β-1,1’N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-ガラクトシル-β-1,1’N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/12:0)、D-ガラクトシル-β-1,1’N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/16:0)およびD-ガラクトシル-β-1,1’N-ネルノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/24:1(15Z))からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記ラクトシルスフィンゴ脂質が、D-ラクトシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(ラクトシル(β)スフィンゴシン、d18:1)、D-ラクトシル-β-1,1’N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8ラクトシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-ラクトシル-β1-1’-N-オクタノイル-L-トレオ-スフィンゴシン(C8L-トレオ-ラクトシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-ラクトシル-β-1,1’N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12ラクトシル(β)セラミド、d18:1/12:0)、D-ラクトシル-β-1,1’N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16ラクトシル(β)セラミド、d18:1/16:0)、D-ラクトシル-β-1,1’N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24ラクトシル(β)セラミド、d18:1/24:0)、およびD-ラクトシル-β1-1’-N-ネルノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1ラクトシル(β)セラミド、d18:1/24:1)からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
組成物であって、
マクロライド、レチニド、およびDES1阻害剤から選択される1つ以上の化合物;
担体;及び
式(I)の化合物、またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートと、を含む、組成物:
【化7】
(式中
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され;
破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Xは、CHまたはOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)。
【請求項49】
前記レチニドが、フェンレチニド、N-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド(4-HPR)、4-オキソ-N-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド(4-オキソ-HPR)、またはモトレチニドである、請求項51に記載の組成物。
【請求項50】
前記DES1阻害剤が、N-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-2-(2-トリデシル-1-シクロプロペニル)エチル]オクタンアミド(GT011)および(Z)-4-((5-(4-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)アミノ)-N’-ヒドロキシベンズイミドアミド(B-0027)から選択される、請求項48に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝脂肪症を逆転させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪肝疾患は、罹患率および死亡率の主な原因である。肥満に続発する過剰な触覚脂肪貯蔵は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)とよばれる肝細胞機能障害を引き起こす。NAFLDは、多くの場合、炎症、線維症および肝細胞死を特徴とする非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へと進行する。一部の個体では、これは、肝硬変および器官不全にさらに進行する。肥満関連肝疾患は、肝臓移植の主な原因である。
【0003】
脂肪毒性疾患を治療するための主要な課題は、疾患病因の基本的な側面に影響を及ぼす標的を識別することである。HNF4aは、NAFLDおよびT2Dの病因における主要なプレイヤーである肝臓および膵臓b細胞における代謝の制御において中心的な役割を果たすので、非常に魅力的な標的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、とりわけ、強力なHNF4αアゴニストの発見、およびHNF4αが肝臓における脂肪貯蔵のレベルを制御する、これまで知られていない経路を明らかにするためのそれらの使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
肝脂肪症の逆転に関連する方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、肝脂肪症を逆転させるための方法は、少なくとも1つの担体と、有効量の式(I)の化合物またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートを含む抽出物と、を含む消耗性組成物を提供し:
【化1】
(式中
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され、破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Xは、CHまたはOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)それによって肝脂肪症を逆転させることを含む。
【0006】
脂肪クリアランスを促進するための方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、脂肪クリアランスを促進するための方法は、少なくとも1つの担体と、有効量の式(I)の化合物またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートを含む抽出物と、を含む消耗性組成物を提供し:
【化2】
(式中
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され、破線の結合は、存在するか、または存在せず;
Xは、CHまたはOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;かつ
は、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される)それによって脂肪クリアランスを促進することを含む。
【0007】
本明細書に記載の組成物および方法の特徴および利点は、添付の図面と併せて以下の説明から明らかになるであろう。これらの図面は、本出願に記載された組成物および方法の特定の態様を示しており、したがって、限定的であると見なされるべきではない。図面では、文脈上別段の指示がない限り、同様の参照番号または記号は通常、同様の構成要素を識別する。図面は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】DIOマウスに対するN-トランス-カフェオイルチラミン(NCT)の効果を示す図である。食餌誘導性肥満マウスに、DMSOまたはN-トランス-カフェオイルチラミン(200mg/kg/用量)を14日間、IPで1日2回注射した。屠殺後、器官を採取し、秤量し、組織学のために処理した。N-トランス-カフェオイルチラミンは、肝臓重量を減少させた(A)が、精巣上体脂肪パッド重量は、増加した(B)。血清FFAが増加し(C)、ALPが減少した(D)。各点は、1匹のマウスを表す。*p<0.05、**p<0.01。
図2】N-トランス-カフェオイルチラミン(NCT)がDIOマウスの肝脂肪症を逆転させることを示す図である。食餌誘導性肥満マウスに、DMSOまたはN-トランス-カフェオイルチラミン(200mg/kg/用量)を14日間、IPで1日2回注射した。屠殺後、オイルレッドOで染色するために(すべて独立したマウス由来のパネル)、またはオイルレッドO染色(G)およびトリグリセリド(TG)決定(H)の定量のために、DMSO(A~C)またはN-トランス-カフェオイルチラミン(D~F)を注射したマウスから肝臓を採取した。N-トランス-カフェオイルチラミンは、肝臓トリグリセリドレベルを有意に低下させた(p=.007)。*p<0.05、**p<0.01。群あたりn=12匹のマウス。
図3】N-トランス-カフェオイルチラミンがDIOマウスの肝臓におけるHNF4a発現の喪失を逆転させることを示す図である。図1のマウスの肝臓の切片をオイルレッドOおよびHNF4a(緑色核染色)ならびにDAPI(青色)について染色した。N-トランス-カフェオイルチラミンは、オイルレッドOを有意に減少させ、HNF4a染色を増加させた。
図4】HNF4αによる肝脂肪蓄積の制御のモデルを示す図である。
図5】HNF4α活性についてのアッセイを示す図である。
図6】インスリンプロモーター、エストロゲン性、PPARγアゴニスト、および脂肪クリアランスアッセイの結果を示す図である。パネルAは、エストロゲン活性についてのアッセイを示す。パネルBは、PPARγアゴニスト活性についてのアッセイを示す。パネルCは、脂肪クリアランスアッセイを示す。
図7】HNF4α活性)のさらなる尺度としてqPCRによって測定されたインスリンおよびHNF4α mRNAアッセイを示す図である。
図8】T6PNE細胞におけるヒトインスリンプロモーター-GFP導入遺伝子の活性を反映するGFP陽性細胞の定量化を示す図であり、これは、Celigoイメージングサイトメーター(N=14)を使用して用量応答性を実証するために複数回用量のNCTおよびNFTを使用して実行した。
図9】複数回用量のNCTおよびNFT(N=4)を用いたqPCTによって測定されるインスリンおよびHNF4α mRNAレベルを測定するアッセイの結果を示す図である。
図10】HNF4αsiRNAがHNF4αアゴニストの効果を遮断したことを実証するアッセイを示す図である。
図11図10に示すデータの代表的な画像を示す図である。
図12】HNF4αプロテアーゼ感受性に対する化合物の効果を検出するためのDARTSアッセイを示す図である。左側のDARTSアッセイについては、HepG2細胞をDMSO(レーン1)、BI6015(レーン2)、NCT(レーン3)またはNFT(レーン4)で40または80μMの濃度で16時間処理した。総細胞タンパク質を抽出し、各試料を、サブチリシンなし(-)またはサブチリシンあり(+)のタンパク質分解のために2つのアリコートに分割し、HNF4αについてウエスタンブロッティングによって分析した。HNF4αの検出後、メンブレンを対照としてポンソーS(マゼンタ色)で染色して、化合物が非特異的タンパク質分解を誘導しないことを確実にした(レーンMはMWマーカーを有する)。すべての化合物を同じゲル上で泳動した。右側のHNF4αアッセイについては、左側のDARTSパネルのウエスタンブロットを使用して、ImageJによってHNF4αレベルを定量化した。
図13】オイルレッドO(上のパネル)またはナイルレッド(下のパネル)で脂肪について染色した代表的なウェルの顕微鏡写真を示す図である。
図14図13に基づくCeligoイメージングサイトメーターを使用して細胞基底ごとに行われたナイルレッド染色の定量化を示す図である。
図15】トリグリセリドレベルがBCAによって測定された細胞タンパク質に対して正規化され、倍率変化がDMSO対照(N=6)に対して計算されたことを実証するアッセイを示す図である。
図16】siRNAのアッセイ検証を示す図である。T6PNE細胞をsiRNAで各標的遺伝子にトランスフェクトした。2日後、細胞をRNA単離のために採取した。QPCRを実行し、18s rRNAのレベルに対して正規化した。すべてのsiRNAは、標的mRNAのレベルの有意な低下を誘導した。値は、3回の技術的反復の平均±SEを表す、*p<0.05(対各遺伝子のスクランブルsiRNA)。
図17】siRNAを使用してNCT誘導性脂肪クリアランスにおける役割についてスクリーニングされた、脂肪代謝における役割を有するNCTによって誘導される候補遺伝子のアッセイを示す図である。
図18図17で処理したナイルレッド陽性細胞の定量化を示す図である。
図19】SPHK2ではなくSPNS2およびS1PR3がNCT-Oに必要であることを実証するピクトグラフを示す図である。
図20図19に示すナイルレッド染色によって検出された細胞脂肪の定量化を示す図である。
図21】0.25mMパルミチン酸塩および示された化合物で2日間処理し、続いてナイルレッドで脂肪を染色したT6PNE細胞の顕微鏡写真である。
図22図21に記載のナイルレッド染色の定量化を示す図である。
図23】DH-Cerによって誘導された脂肪クリアランスのSPNS2またはS1PR3に対するsiRNAによる阻害を示す写真である。T6PNE細胞を、siRNAでSPNS2またはS1PR3にトランスフェクトした。2日後、DH-Cerを2日間添加し、続いてオイルレッドで染色した。
図24】DH-Cer誘導性脂肪クリアランスにはSPNS2およびS1PR3が必要であることを実証する図23のナイルレッド陽性細胞数の定量化を示す図である。
図25】脂肪クリアランスを増加させるDES-1阻害剤GT-11およびB-0027の写真である。T6PNE細胞を0.25mMパルチミン酸塩およびDMSOまたはNCTで処理した。
図26図25に示すナイルレッド細胞の定量化を示す図である。
図27】LC3BIに対するLC3BIIの比の増加を実証する抗LC3Bウエスタンブロットを示す図である。ウエスタンブロッティングのために、T6PNE細胞をDMSO(レーン1)、NCT(10μM)、ラパマイシン(10μM)で処理し、LC3B抗体でブロットした。LC3Bまたはp62を検出した後、同じメンブレンを抗β-アクチン抗体でリブロットして、各レーンに等量のタンパク質を確保した。
図28図27に示されるLC3BIに対するLC3BIIの比の定量化を示す図である。
図29】NCT(10μM)、RA(10μM)、NCT+RA(それぞれ10μM)、NFT(10μM)、フェンレチニド(5μM)、4-OH-RA(20μM)、またはパルチミン酸塩なしで処理したT6PNE細胞を用いたp62ウエスタンブロットを示す図である。
図30図29に示されるアクチンに対して正規化されたp62タンパク質発現の定量化を示す図である。同じメンブレンを抗β-アクチン抗体でリブロットして、各レーンに等量のタンパク質を確保した。フェンレチニドは、統計的に有意な効果を有したが、レチノイン酸は、有さなかった。
図31】パルチミン酸塩、NCT(5μM)、フェンレチニド(5μM)およびLAL阻害剤ラリスタット2(20μM)を用いてまたは用いずに2日間処理し、続いてナイルレッドで染色して細胞内脂肪を可視化したT6PNE細胞の画像を示す図である。
図32図31に示す条件の定量化を示す図である。
図33】ラリスタット2が脂肪クリアランスに対するNCTの効果を阻害することを示す図である。図31からの細胞をTG定量化のために採取し、図31および図32に示すナイルレッド染色を支持した。
図34】色の顕著な違いを実証する、NCT(200mg/kg、1日2回)を2週間腹腔内注射した後の肝臓の領域を示すボックスで器官を採取したDIOマウス(C57BL/6J)を示す図である。
図35】色および重量の違いを示すDIOマウスからの切断レバーを示す図である。
図36図34で説明した条件を各群N=12として定量化した図である。
図37】肝タンパク質(正常固形飼料対照、N=3、DMSOおよびNCT、N=12)に対して正規化された肝トリグリセリド(TG)含量のアッセイを示す図である。
図38】肝臓オイルレッドO染色の代表的な顕微鏡写真である(スケールバー=200μm)。
図39図38で説明したオイルレッドO定量化を示す図である。
図40】実験開始時(0日目)ならびにDMSOおよびNCTのIP注射の2週間後(各群N=12)の体重を測定するアッセイを示す図である。
図41】NCTによる重量増加を示す代表的なマウスの精巣上体脂肪パッドを示す図である(各群N=12)。
図42図41で説明した定量化結果を示す図である。
図43】DIOマウス(正常固形飼料対照、N=5、DMSOおよびNCT、N=12)における血清遊離脂肪酸(FFAレベル)のアッセイを示す図である。
図44】NCTを注射したマウスの血液および血清TGレベルでの肝臓プロファイルを示す図である。
図45】血中アルカリホスファターゼ(ALP)レベル(正常固形飼料対照、N=3およびDMSOおよびNCT、N=12)を決定するアッセイを示す図である。
図46】VetScanパネルを使用して示される肝機能のマーカーを決定するためのアッセイを示す図である。
図47】初代ヒト肝細胞においてNCTによって誘導されるHNF4aおよびCYP26a1 mRNAを示す図である。ヒト初代肝細胞を、リーン培地を含むマトリックスに播種し(0日目)、4日目に高脂肪培地+DMSOまたはNCT(5、15、40mM)に変えた。10日目に、細胞をRNA抽出のために採取した。HNF4aおよびCYP26a1は、NCTによって有意に誘導されたが、SPNS2 mRNAは、誘導されなかった。値は、3回の生物学的複製物の平均±SEを表す、*p<0.05(対DMSO)。
図48】正常固形飼料またはHFD+DMSOもしくはNCTを与えたマウスにおいて、Bodipy(緑色)、HNF4α(赤色)、DAPI(青色)について染色した肝臓切片およびマージ画像を示す図である。
図49図48に記載されるHNF4α核染色の定量化を示す図である。
図50図48に記載の肝臓HNF4amRNAレベルの定量化を示す図である。
図51】マウス肝臓ではなく、T6PNEおよびマウス膵臓においてNCTによってSPNS2 mRNAが誘導されたことを示す図である。SPNS2 qPCRを、T6PNE細胞、マウス肝臓およびマウス膵臓由来のcDNAに対して実行した。膵臓由来試料におけるSPNS2増幅についてのCt値は、マウス膵臓組織については31であったが、マウス肝臓については23であり、はるかに高いレベルの発現を反映していた。値は、6~9回の生物学的複製物の平均±SEを表す、*p<0.01(対DMSO)。
図52】肝臓CYP26A1 mRNAレベル(正常固形飼料対照;N=5、ならびにDMSOおよびCNTについて;N=10)のRT-PCT分析を示す図である。
図53】DMSO、NCT(10μM)、RA(10μM)、NCT+RA(10μM)、NFT(20μM)、フェンレチニド(5μM)、0.25mMパルチミン酸塩上の4-OH-RA(20μM)およびパルチミン酸塩なしのDMSOで2日間処理したT6PNE細胞におけるCYP26A1 mRNAレベルのRT-PCT分析を示す図である。
図54】パルチミン酸塩(0.25mM)+阻害剤ABT(10mM、広域CYP阻害剤)およびタラロゾール(10μM、選択的CYP26阻害剤)を含む示された化合物で2日間処理したT6PNE細胞を示す図である。
図55図54からのNCT(対有意性についてはNCT)による脂肪クリアランスに対するCYP阻害剤の効果の定量化を示す図である。
図56】NCTまたはRA代謝産物4-OXO-RA、5,6-エポキシ-RAもしくは4-OH-RA(20μM)で2日間処理し、ナイルレッドで染色したT6PNE細胞の代表的な画像を示す図である。
図57図56に記載の脂肪クリアランスに対するRA代謝産物の効果の定量化を示す図である。
図58】DMSO、NCT+RA(10μM)およびフェンレチニド(5μM)で処理した2日後に採取したT6PNE細胞の折れ線グラフを示す図である。NCTおよびフェンレチニドは、複数の同一のジヒドロセラミドを誘導した。
図59】NCT+RAまたはフェンレチニドで処理したT6PNE細胞においてセラミド(Cer)/ジヒドロセラミド(DH-Cer)比が減少したことを示す図である。
図60】DMSOまたはNCTで2週間処理したマウスの肝臓からのアッセイを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、とりわけ、強力なHNF4αアゴニストの発見、およびHNF4αが肝臓における脂肪貯蔵のレベルを制御する、これまで知られていない経路を明らかにするためのそれらの使用を提供する。理論に拘束されることを望むものではないが、これは、その合成および分泌がHNF4αによって誘導される遺伝子によって制御されるジヒドロセラミドによるリポファジーの誘導に関与すると考えられる。HNF4α活性化因子は、N-トランスカフェオイルチラミン(NCT)およびN-トランスフェロイルチラミン(NFT)であり、これらは、弱いHNF4α活性化因子である公知の薬物アルベリンおよびベンフルオレックスと構造的に関連している。本明細書に記載のインビトロ試験では、NCTおよびNFTは、パルチミン酸塩負荷細胞からの脂肪クリアランスを誘導した。本明細書に記載のインビボアッセイでは、DIOマウスにおいて、NCTは、血清遊離脂肪酸のレベル上昇および脂肪症の減少によって損なわれる正常な肝臓HNF4α発現の回復をもたらした。機構的には、HNF4αの下流のジヒドロセラミド産生および作用の増加は、SPNS2およびCYP26A1を含むHNF4α下流遺伝子の発現増加によって生じた。いくつかの実施形態では、NCTは、投与された最高用量で完全に非毒性であることが分かった。
【0010】
態様では、チラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドを含有する化合物および組成物が本明細書で提供される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、脂肪クリアランスを促進し、肝脂肪症を逆転させる方法で使用するための化合物および組成物を提供する。
【0011】
組成物
いくつかの態様では、本明細書で提供される開示は、芳香族アレーンに結合した1つ以上の酸性ヒドロキシル基を有する植物由来の芳香族代謝産物、および代謝を調節する際のそれらの使用を提供する。一実施形態では、植物由来の芳香族代謝産物は、化合物1の構造類似体である:
【化3】
Compound 1:化合物1
【0012】
特に、本開示は、式(I)の化合物、またはその異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートを包含する:
【化4】
【0013】
いくつかの実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される。
【0014】
いくつかの実施形態では、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシルまたはハロゲンである。
【0015】
いくつかの実施形態では、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択され、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシルまたはハロゲンである。
【0016】
いくつかの実施形態では、破線の結合は、存在するか、または存在しない。
【0017】
いくつかの実施形態では、Xは、CHまたはOである。
【0018】
いくつかの実施形態では、Zは、CHR、NRまたはOである。
【0019】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、その薬学的に許容される塩または溶媒和物として提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-エトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-メトキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(メチルスルホニル)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸エチル、(E)-N-(4-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-(シアノメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-2-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-イソブトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(チオフェン-2-イルオキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3-ジメチルブトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-((1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-ヒドロキシ-5-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)炭酸水素フェニル、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(4-フルオロフェノキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(シアノメトキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)フェノキシ)酢酸、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-(シアノメトキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリロイル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)グリシン、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-(ピリジン-4-イルメチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-イソブチルアクリルアミド、(E)-N-(シアノメチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)プロパンアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(メチルスルホンアミド)フェネチル)プロパンアミド、または医薬塩、溶媒和物、および前述の組み合わせから選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(II)の化合物を含む:
【化5】
【0023】
いくつかの実施形態では、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、破線の結合は、存在するか、または存在しない。
【0025】
いくつかの実施形態では、Zは、CHR、NRまたはOである。
【0026】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される。
【0027】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-エトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-メトキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(メチルスルホニル)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸、(E)-2-(4-(2-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド)エチル)フェノキシ)酢酸エチル、(E)-N-(4-(シクロプロピルメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-(シアノメトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-2-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-イソブトキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(オキセタン-3-イルメトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(チオフェン-2-イルオキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(3,3-ジメチルブトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(4-((1H-テトラゾール-5-イル)メトキシ)フェネチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)フェネチル)アクリルアミド、(E)-2-ヒドロキシ-5-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)炭酸水素フェニル、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(4-フルオロフェノキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-(シアノメトキシ)-4-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル)フェノキシ)酢酸、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-(ピリジン-4-イルメトキシ)フェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-((4-フルオロベンジル)オキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(3-ヒドロキシ-4-イソブトキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-3-(4-(シアノメトキシ)-3-ヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、(E)-N-(3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アクリロイル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)グリシン、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-(ピリジン-4-イルメチル)アクリルアミド、(E)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)-N-イソブチルアクリルアミド、(E)-N-(シアノメチル)-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)アクリルアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-ヒドロキシフェネチル)プロパンアミド、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-(4-(メチルスルホンアミド)フェネチル)プロパンアミド、または医薬塩、溶媒和物、および前述の組み合わせから選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、その薬学的に許容される塩または溶媒和物として提供される。
【0029】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(III)の化合物を含む:
【化6】
およびRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される。
【0030】
いくつかの実施形態では、それぞれ独立して選択される破線の結合は、存在するか、または存在しない。
【0031】
いくつかの実施形態では、Zは、CHR、NRまたはOである。
【0032】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12ヘテロアリールから選択される。
【0033】
いくつかの実施形態では、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して、結合、CHR、NR、C=Oおよび-O-から選択される。
【0034】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、任意選択により置換されていてもよいアミノ、任意選択により置換されていてもよいC-アミド、任意選択により置換されていてもよいN-アミド、任意選択により置換されていてもよいエステル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルケニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキニル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12シクロアルキル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC4-12ヘテロシクリル、任意選択により置換されていてもよい-(O)C4-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC5-12アリール、任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-12ヘテロアリール、および任意選択により置換されていてもよい-(O)C1-6アルキルC1-12ヘテロアリールから選択される。
【0035】
いくつかの実施形態では、Q、Qは、存在しない。いくつかの実施形態では、Qは、存在しない。
【0036】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、3または4である。
【0037】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、その薬学的に許容される塩または溶媒和物として提供される。
【0038】
「異性体」は、特に光学異性体(例えば、本質的に純粋なエナンチオマー、本質的に純粋なジアステレオマー、およびそれらの混合物)ならびに配座異性体(すなわち、少なくとも1つの化学結合のその角度のみが異なる異性体)、位置異性体(特に互変異性体)および幾何異性体(例えば、シス-トランス異性体)を指す。
【0039】
ある特定の実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は、以下から選択される:
【化7】
【化8】
【化9】
【0040】
本開示の化合物の塩は、親化合物の所望の薬理活性を有する化合物を指し、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸で形成された、もしくは酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホンカンファースルホン酸、酸、4-トルエンスルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などのような有機酸で形成された、酸付加塩、または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが置き換えられたときに形成された塩を含む。
【0041】
当技術分野で公知のように、ホモダイマーは、2つの同一のチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドサブユニットから構成される分子である。比較すると、ヘテロダイマーは、2つの異なるチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドサブユニットから構成される分子である。本開示のホモダイマーの例には、架橋N-トランス-フェルロイルチラミンダイマー、架橋N-トランス-カフェイン酸チラミンダイマーおよび架橋p-クマロイルチラミンダイマーが含まれるが、これらに限定されない。例えば、King&Calhoun(2005)Phytochemistry66(20):2468-73を参照されたく、この文献は、ジャガイモの一般的な痂皮病変からの架橋N-トランスフェロイルチラミンダイマーの単離を教示している。
【0042】
チラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドのモノマーとリグナンアミドなどの他の化合物とのコンジュゲート。コンジュゲートの例には、カンナビシンA、カンナビシンB、カンナビシンC、カンナビシンD、カンナビシンE、カンナビシンFおよびグロサミドが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
基が「任意選択により置換されていてもよい」と記載されている場合はいつでも、その基は非置換であってもよく、または示された置換基の1つ以上で置換されていてもよい。同様に、基が「非置換または置換されている」と記載されている場合、置換されている場合、置換基は、1つ以上の示された置換基から選択され得る。置換基が示されていない場合、示された「任意選択により置換されていてもよい」または「置換された」基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護されたC-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基および二置換アミノ基、ならびにそれらの保護された誘導体から個別にかつ独立して選択される1つ以上の基で個別にかつ独立して置換されていてもよいことを意味する。
【0044】
本明細書の基について、以下の括弧付きの添字は、以下のように基をさらに定義する:「(C)」は、基中の炭素原子の正確な数(n)を定義する。例えば、「C-C-アルキル」は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、1、2、3、4、5、もしくは6、またはそこから導出可能な任意の範囲(例えば、3~6個の炭素原子))を示す。
【0045】
異性体、塩、ホモダイマー、ヘテロダイマーおよびコンジュゲートに加えて、チラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドもグリコシル化され得る。グリコシル化チラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドは、チラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドをトランスグリコシル化して、グルコース単位、例えば、1、2、3、4、5、または5超のグルコース単位を、チラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドに付加することによって産生され得る。トランスグリコシル化は、プルラナーゼおよびイソマルターゼ(Lobov,et al.(1991)Agric.Biol.Chem.55:2959-2965)、~-ガラクトシダーゼ(Kitahata,et al.(1989)Agric.Biol.Chem.53:2923-2928)、デキストリンサッカラーゼ(Yamamoto,et al.(1994)Biosci.Biotech.Biochem.58:1657-1661)またはシクロデキストリングルコトランスフェラーゼが含まれるが、これらに限定されない任意の好適な酵素を用いて実施することができ、プルラン、マルトース、ラクトース、部分加水分解デンプンおよびマルトデキストリンは、ドナーである。
【0046】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、完全飽和(二重結合も三重結合もない)炭化水素基を含む直鎖または分岐炭化水素鎖を指す。アルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得る(本明細書に現れるときはいつでも、「1~20」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指し、例えば、「1~20個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最大20個を含む炭素原子からなっていてもよいことを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の存在も網羅する)。アルキル基はまた、1~10個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルキルであってもよい。アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。化合物のアルキル基は、「C1-C4アルキル」または同様の呼称として指定されてもよい。単なる例として、「C1-C4アルキル」は、アルキル鎖に1~4個の炭素原子があること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルから選択されることを示す。典型的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチルおよびヘキシルが含まれるが、これらに全く限定されない。アルキル基は、置換されていても、または非置換であってもよい。
【0047】
本明細書で使用される「ハロゲン原子」または「ハロゲン」という用語は、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)およびヨード(I)基などの元素周期表の第7欄の放射線安定性原子のいずれか1つを意味する。
【0048】
本明細書に記載される基のいずれかにおいて、利用可能な水素は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニル、アシル、ハロ、ニトロ、アリールオキシカルボニル、シアノ、カルボキシ、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキルまたはヘテロシクリルで置き換えられてもよい。
【0049】
本出願に示される構造の原子上の任意の定義されていない原子価は、原子に結合した水素原子を暗黙的に表す。
【0050】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、直鎖または分岐炭化水素鎖に1つ以上の二重結合を含有する、本明細書で定義されるアルキル基を指す。アルケニル基は、非置換であっても、または置換されていてもよい。
【0051】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、直鎖または分岐炭化水素鎖に1つ以上の三重結合を含有する、本明細書で定義されるアルキル基を指す。アルキニル基は、非置換であっても、または置換されていてもよい。
【0052】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和した(二重結合も三重結合もない)単環式または多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環から構成される場合、環は、縮合様式で一緒に結合され得る。シクロアルキル基は、環に3~10個の原子または環に3~8個の原子を含有することができる。シクロアルキル基は、非置換であっても、または置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、少なくとも1つの環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する炭素環式(全炭素)単環式または多環式芳香環系(例えば、2つの炭素環式環が化学結合を共有する縮合、架橋またはスピロ環系、例えば、1つ以上のアリール環を有する1つ以上のアリール環または非アリール環を含む)を指す。アリール基中の炭素原子の数は、変動し得る。例えば、アリール基は、C-C14アリール基、C-C10アリール基、またはCアリール基であり得る。アリール基の例には、ベンゼン、ナフタレンおよびアズレンが含まれるが、これらに限定されない。アリール基は、置換されていても、または非置換であってもよい。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、S)を含む単環式または多環式環系を指す。そのような系は、不飽和であってもよく、いくらかの不飽和を含んでもよく、またはいくらかの芳香族部分を含んでもよく、またはすべて芳香族であってもよい。ヘテロシクリル基は、3~30個の原子を含有することができる。ヘテロシクリル基は、非置換であっても、または置換されていてもよい。
【0055】
特定の実施形態では、Rは存在し、パラ位のヒドロキシ基を表し、Rはメタ位のヒドロキシまたは低級アルコキシ基である。ある特定の実施形態では、式(I)の構造を有するチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドは、トランス配置である。
【0056】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素、および硫黄を含むが、これらに限定されない炭素以外の元素、ならびに少なくとも1つの芳香環を含有する単環式または多環式芳香環系(完全に非局在化したπ電子系を有する少なくとも1つの環を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環中の原子の数は、変動し得る。例えば、ヘテロアリール基は、環中に4~14個の原子、環中に5~10個の原子または環中に5~6個の原子を含有することができる。さらに、「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つのアリール環および少なくとも1つのヘテロアリール環、または少なくとも2つのヘテロアリール環などの2つの環が少なくとも1つの化学結合を共有する縮合環系を含む。ヘテロアリール環の例には、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリンおよびトリアジンが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、置換されていても、または非置換であってもよい。
【0057】
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、-NH基を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
【0059】
「シアノ」基は、「-CN」基を指す。
【0060】
「カルボニル」基は、C=O基を指す。
【0061】
「C-アミド」基は、RおよびRが独立して、上記に定義されるように、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキルまたは(ヘテロアリシクリル)アルキルであり得る「-C(=O)N(R)」基を指す。Cアミドは、置換されていても、または非置換であってもよい。
【0062】
「N-アミド」基は、RおよびRが独立して、上記に定義されるように、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、または(ヘテロアリシクリル)アルキルであり得る「RC(=O)N(R)-」基を指す。N-アミドは、置換されていても、または非置換であってもよい。
【0063】
「尿素」基は、RおよびRが独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキルまたは(ヘテロアリシクリル)アルキルであり得る「-N(R)-C(=O)-N(R)-」基を指す。尿素基は、置換されていても、または非置換であってもよい。
【0064】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってのその通常および通例の意味が与えられるべきであり(また、特別な意味または独自に作られた意味に限定されるべきではない)、限定はしないが、それが投与される生物に著しい刺激を引き起こさず、化合物の生物学的活性および特性を無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。医薬塩は、化合物をハロゲン化水素酸(例えば、塩酸または臭化水素酸)、硫酸、硝酸およびリン酸などの無機酸と反応させることによって得ることができる。医薬塩はまた、化合物を脂肪族または芳香族カルボン酸またはスルホン酸、例えばギ酸、酢酸(AcOH)、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、またはナフタレンスルホン酸などの有機酸と反応させることによって得ることができる。医薬塩はまた、化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩などの塩、リチウム、ナトリウムもしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムもしくはアルミニウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C-Cアルキルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、ならびにアルギニンおよびリジンなどのアミノ酸との塩などの有機塩基の塩、または水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのような無機塩基の塩、を形成することによって得ることができる。
【0065】
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載の任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されていない場合、各中心は、独立してR配置もしくはS配置またはそれらの混合物であり得ることが理解される。したがって、本明細書で提供される化合物は、エナンチオマー的に純粋であってもよく、エナンチオマー的に濃縮されていてもよく、または立体異性体混合物であってもよく、すべてのジアステレオマーおよびエナンチオマー形態を含む。加えて、EまたはZとして定義することができる幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する本明細書に記載の任意の化合物では、各二重結合は、独立してEまたはZそれらの混合物であり得ることが理解される。立体異性体は、所望であれば、立体選択的合成および/またはキラルクロマトグラフィーカラムによる立体異性体の分離などの方法によって得られる。
【0066】
同様に、記載される任意の化合物において、すべての互変異性形態も含まれることが意図されていることが理解される。
【0067】
本明細書に記載の化合物は、同位体的に、または発色団もしくは蛍光部分、生物発光標識もしくは化学発光標識の使用を含むが、これらに限定されない別の他の手段によって標識することができることが理解される。重水素などの同位体による置換は、例えば、インビボ半減期の増加または必要投与量の減少など、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造で表される各化学元素は、前記元素の任意の同位体を含み得る。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明示的に開示または理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)、水素-2(重水素)、および水素-3(トリチウム)を含むが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であり得る。したがって、本明細書における化合物への言及は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、すべての潜在的な同位体形態を包含する。
【0068】
本明細書に記載の化合物は、同位体的に、または発色団もしくは蛍光部分、生物発光標識もしくは化学発光標識の使用を含むが、これらに限定されない別の他の手段によって標識することができることが理解される。重水素などの同位体による置換は、例えば、インビボ半減期の増加または必要投与量の減少など、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造で表される各化学元素は、前記元素の任意の同位体を含み得る。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明示的に開示または理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)、水素-2(重水素)、および水素-3(トリチウム)を含むが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であり得る。したがって、本明細書における化合物への言及は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、すべての潜在的な同位体形態を包含する。
【0069】
本明細書に記載の方法および製剤は、いくつかの実施形態の化合物の結晶形態、非晶質相および/または薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物および配座異性体、ならびに同じタイプの活性を有するこれらの化合物の代謝産物および活性代謝産物の使用を含むことが理解される。配座異性体は、配座異性体である構造である。立体配座異性は、同じ構造式を有するが、回転結合の周りの原子の異なる立体配座(配座異性体)を有する分子の現象である。具体的な実施形態では、本明細書に記載される化合物は、水、エタノールなどのような薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどのような薬学的に許容される溶媒を用いて結晶化のプロセス中に形成され得る。溶媒が水である場合には水和物が形成され、溶媒がアルコールである場合にはアルコラートが形成される。加えて、本明細書で提供される化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法の目的のために、非溶媒和形態と同等であると見なされる。いくつかの実施形態の化合物を提供することができる他の形態には、非晶質形態、粉砕形態およびナノ粒子形態が含まれる。
【0070】
同様に、本明細書に記載される化合物、例えばいくつかの実施形態の化合物は、本明細書に記載される形態のいずれかの化合物(例えば、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、結晶形態、非晶質形態、溶媒和形態、エナンチオマー形態、互変異性形態など)を含むことが理解される。
【0071】
製剤
本開示の化合物を含む実質的に純粋な化合物または抽出物は、担体と組み合わせて、対象による消費または対象への投与のための任意の好適な形態で提供することができる。この点において、化合物または抽出物は、外因性成分または添加剤として消耗品に添加される。好適な消費可能な形態には、栄養補助食品、食品成分もしくは添加物、医療用食品、栄養補給食品または医薬組成物が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、化合物または抽出物は、液体形態または粉末形態のいずれかで提供される。
【0072】
食品成分または添加物は、直接的または間接的に、その構成成分になること、または他の方法で任意の食品(食品の生産、製造、包装、加工、調製、処理、包装、輸送もしくは保持に使用することを意図した任意の物質を含む)の特性に影響を及ぼすことを意図した食用物質である。食料品、特に機能性食品は、追加の相補的栄養素および/または有益成分を含むように加工中に強化または濃縮された食品である。本開示による食料品は、例えば、バター、マーガリン、スイートスプレッドもしくはセイボリースプレッド、調味料、ビスケット、ヘルスバー、パン、ケーキ、シリアル、キャンディ、菓子、スープ、ミルク、ヨーグルトもしくは発酵乳製品、チーズ、ジュースベースおよび野菜ベースの飲料、発酵飲料、シェイク、風味水、茶、油、または任意の他の好適な食品の形態であり得る。いくつかの実施形態では、食料品は、化合物の濃度が、特定の採取後および食品生産加工方法によって有効量の化合物を提供するレベルまで濃縮されている全食料品である。
【0073】
栄養補助食品は、本開示の化合物または抽出物を含有し、食事を補うことを意図した、経口摂取される製品である。栄養補給食品は、食品に見られる基本的な栄養価に加えて、追加の健康上の利益を提供する食品源に由来する製品である。医薬組成物は、疾患の診断、治癒、鎮静、治療、もしくは予防において薬理活性または他の直接的な効果をもたらすこと、またはヒトもしくは他の動物の身体の構造もしくは任意の機能に影響を及ぼすことを意図した製剤の任意の構成成分として定義される。栄養補助食品、栄養補給食品および医薬組成物は、多くのカプセル、形態、例えば錠剤、コーティング錠、丸剤、カプセル剤、ペレット剤、顆粒剤、ソフトゲル、ゲルキャップ、液剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エリキシル剤、シロップ、および使用に好適な任意の他の形態で見出すことができる。
【0074】
本明細書に開示される医薬組成物は、それ自体公知の方法で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、研和、乳化、カプセル化、封入または打錠プロセスによって製造され得る。さらに、活性成分は、その意図された目的を達成するのに有効な量で含有される。本明細書に開示される医薬組み合わせにおいて使用される化合物の多くは、薬学的に適合性の対イオンとの塩として提供され得る。
【0075】
筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内および眼内注射を含む経口、直腸、肺、局所、エアロゾル、注射、注入および非経口送達を含むが、これらに限定されない化合物、塩および/または組成物を投与する複数の技術が当技術分野に存在する。いくつかの実施形態では、式(I)、(II)、(III)の化合物を含む本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、経口投与することができる。
【0076】
化合物、塩および/または組成物を全身的ではなく局所的に、例えば、化合物を患部に直接注射または移植することによって、しばしばデポー製剤または持続放出製剤で投与し得る。さらに、標的薬物送達系において、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームにおいて化合物を投与し得る。リポソームは、器官に標的化され、器官によって選択的に取り込まれる。例えば、呼吸器疾患または状態を標的とするための鼻腔内送達または肺送達が望ましい場合がある。
【0077】
組成物は、所望であれば、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含有し得るパックまたはディスペンサ装置に存在し得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチック箔を含み得る。パックまたはディスペンサ装置は、投与のための説明書を伴い得る。パックまたはディスペンサはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関連する通知を伴い得、その通知は、ヒトまたは獣医学的投与のための薬物の形態の機関による承認を反映している。そのような通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベル、または承認された製品インサートであり得る。適合性医薬賦形剤に製剤化された本明細書に記載の化合物および/または塩を含むことができる組成物も調製し、適切な容器に入れ、示された状態の治療のために標識し得る。
【0078】
化合物、塩および/または医薬組成物は、キットの形態で投与医または他の医療専門家に提供することができる。キットは、好適な医薬組成物中の化合物を含有する容器、および医薬組成物を対象に投与するための説明書を収容するパッケージである。キットは、任意に、1つ以上のさらなる治療薬も含むことができる。キットはまた、連続投与または逐次投与のための化合物または医薬組成物の別個の用量を含有することができる。キットは、任意に、1つ以上の診断ツールおよび使用説明書を含有することができる。キットは、化合物および任意の他の治療薬を投与するための説明書と共に、好適な送達装置、例えば、シリンジなどを含有することができる。キットは、任意に、含まれるいずれかまたはすべての治療薬の貯蔵、再構成(適用可能な場合)、および投与のための説明書を含有することができる。キットは、対象に与える投与回数を反映する複数の容器を含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物は、約0.1~200mg/kg体重の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物は、約0.1~1、0.5~1、0.1~10、0.5~10、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、1~200、1~300、1~400、1~500、1~600、1~700、1~800、1~900、1~1000、1~11、1~12、1~13、1~13、1~14、1~15、1~16、1~17、1~18、1~19、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~200、10~300、10~400、10~500、10~600、10~700、10~800、10~900、10~1000、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~200、20~300、20~400、20~500、20~600、20~700、20~800、20~900、20~1000、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~200、30~300、30~400、30~500、30~600、30~700、30~800、30~900、30~1000、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~200、40~300、40~400、40~500、40~600、40~700、40~800、40~900、40~1000、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~200、50~300、50~400、50~500、50~600、50~700、50~800、50~900、60~70、60~80、60~90、60~100、60~200、60~300、60~400、60~500、60~600、60~700、60~800、60~900、60~1000、70~80、70~90、70~100、70~200、70~300、70~400、70~500、70~600、70~700、70~800、70~900、70~1000、80~90、80~100、80~200、80~300、80~400、80~500、80~600、80~700、80~800、80~900、80~100、90~100、90~200、90~300、90~400、90~500、90~600、90~700、90~800、90~900、90~1000、100~150、100~200、100~300、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、または100~1000mg/kg体重の範囲の用量で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物は、約0.01、0.02、0.03、0.05、0.07、0.1、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、80、90、または95mg/kg体重の用量で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物は、約0.01、0.02、0.03、0.05、0.07、0.1、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40mg/m体表面積未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物は、約0.01、0.02、0.03、0.05、0.07、0.1、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100mg/kg対象体重を超える用量で投与される。
【0080】
いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物の用量は、約0.1mg~10mg、0.1mg~25mg、0.1mg~30mg、0.1mg~50mg、0.1mg~75mg、0.1mg~100mg、0.5mg~10mg、0.5mg~25mg、0.5mg~30mg、0.5mg~50mg、0.5mg~75mg、0.5mg~100mg、1mg~10mg、1mg~25mg、1mg~30mg、1mg~50mg、1mg~75mg、1mg~100mg、2mg~10mg、2mg~25mg、2mg~30mg、2mg~50mg、2mg~75mg、2mg~100mg、3mg~10mg、3mg~25mg、3mg~30mg、3mg~50mg、3mg~75mg、3mg~100mg、4mg~100mg、5mg~10mg、5mg~25mg、5mg~30mg、5mg~50mg、5mg~75mg、5mg~300mg、5mg~200mg、7.5mg~15mg、7.5mg~25mg、7.5mg~30mg、7.5mg~50mg、7.5mg~75mg、7.5mg~100mg、7.5mg~200mg、10mg~20mg、10mg~25mg、10mg~50mg、10mg~75mg、10mg~100mg、15mg~30mg、15mg~50mg、15mg~100mg、20mg~20mg、20mg~100mg、30mg~100mg、40mg~100mg、10mg~80mg、15mg~80mg、20mg~80mg、30mg~80mg、40mg~80mg、10mg~60mg、15mg~60mg、20mg~60mg、30mg~60mg、または約40mg~60mgである。いくつかの実施形態では、投与される式(I)、式(II)または式(III)の化合物は、約20mg~60mg、27mg~60mg、20mg~45mg、または27mg~45mgである。いくつかの実施形態では、投与される式(I)、式(II)または式(III)の化合物は、約1mg~5mg、1mg~7.5mg、2.5mg~5mg、2.5mg~7.5mg、5mg~7.5mg、5mg~9mg、5mg~10mg、5mg~12mg、5mg~14mg、5mg~15mg、5mg~16mg、5mg~18mg、5mg~20mg、5mg~22mg、5mg~24mg、5mg~26mg、5mg~28mg、5mg~30mg、5mg~32mg、5mg~34mg、5mg~36mg、5mg~38mg、5mg~40mg、5mg~42mg、5mg~44mg、5mg~46mg、5mg~48mg、5mg~50mg、5mg~52mg、5mg~54mg、5mg~56mg、5mg~58mg、5mg~60mg、7mg~7.7mg、7mg~9mg、7mg~10mg、7mg~12mg、7mg~14mg、7mg~15mg、7mg~16mg、7mg~18mg、7mg~20mg、7mg~22mg、7mg~24mg、7mg~26mg、7mg~28mg、7mg~30mg、7mg~32mg、7mg~34mg、7mg~36mg、7mg~38mg、7mg~40mg、7mg~42mg、7mg~44mg、7mg~46mg、7mg~48mg、7mg~50mg、7mg~52mg、7mg~54mg、7mg~56mg、7mg~58mg、7mg~60mg、9mg~10mg、9mg~12mg、9mg~14mg、9mg~15mg、9mg~16mg、9mg~18mg、9mg~20mg、9mg~22mg、9mg~24mg、9mg~26mg、9mg~28mg、9mg~30mg、9mg~32mg、9mg~34mg、9mg~36mg、9mg~38mg、9mg~40mg、9mg~42mg、9mg~44mg、9mg~46mg、9mg~48mg、9mg~50mg、9mg~52mg、9mg~54mg、9mg~56mg、9mg~58mg、9mg~60mg、10mg~12mg、10mg~14mg、10mg~15mg、10mg~16mg、10mg~18mg、10mg~20mg、10mg~22mg、10mg~24mg、10mg~26mg、10mg~28mg、10mg~30mg、10mg~32mg、10mg~34mg、10mg~36mg、10mg~38mg、10mg~40mg、10mg~42mg、10mg~44mg、10mg~46mg、10mg~48mg、10mg~50mg、10mg~52mg、10mg~54mg、10mg~56mg、10mg~58mg、10mg~60mg、12mg~14mg、12mg~15mg、12mg~16mg、12mg~18mg、12mg~20mg、12mg~22mg、12mg~24mg、12mg~26mg、12mg~28mg、12mg~30mg、12mg~32mg、12mg~34mg、12mg~36mg、12mg~38mg、12mg~40mg、12mg~42mg、12mg~44mg、12mg~46mg、12mg~48mg、12mg~50mg、12mg~52mg、12mg~54mg、12mg~56mg、12mg~58mg、12mg~60mg、15mg~16mg、15mg~18mg、15mg~20mg、15mg~22mg、15mg~24mg、15mg~26mg、15mg~28mg、15mg~30mg、15mg~32mg、15mg~34mg、15mg~36mg、15mg~38mg、15mg~40mg、15mg~42mg、15mg~44mg、15mg~46mg、15mg~48mg、15mg~50mg、15mg~52mg、15mg~54mg、15mg~56mg、15mg~58mg、15mg~60mg、17mg~18mg、17mg~20mg、17mg~22mg、17mg~24mg、17mg~26mg、17mg~28mg、17mg~30mg、17mg~32mg、17mg~34mg、17mg~36mg、17mg~38mg、17mg~40mg、17mg~42mg、17mg~44mg、17mg~46mg、17mg~48mg、17mg~50mg、17mg~52mg、17mg~54mg、17mg~56mg、17mg~58mg、17mg~60mg、20mg~22mg、20mg~24mg、20mg~26mg、20mg~28mg、20mg~30mg、20mg~32mg、20mg~34mg、20mg~36mg、20mg~38mg、20mg~40mg、20mg~42mg、20mg~44mg、20mg~46mg、20mg~48mg、20mg~50mg、20mg~52mg、20mg~54mg、20mg~56mg、20mg~58mg、20mg~60mg、22mg~24mg、22mg~26mg、22mg~28mg、22mg~30mg、22mg~32mg、22mg~34mg、22mg~36mg、22mg~38mg、22mg~40mg、22mg~42mg、22mg~44mg、22mg~46mg、22mg~48mg、22mg~50mg、22mg~52mg、22mg~54mg、22mg~56mg、22mg~58mg、22mg~60mg、25mg~26mg、25mg~28mg、25mg~30mg、25mg~32mg、25mg~34mg、25mg~36mg、25mg~38mg、25mg~40mg、25mg~42mg、25mg~44mg、25mg~46mg、25mg~48mg、25mg~50mg、25mg~52mg、25mg~54mg、25mg~56mg、25mg~58mg、25mg~60mg、27mg~28mg、27mg~30mg、27mg~32mg、27mg~34mg、27mg~36mg、27mg~38mg、27mg~40mg、27mg~42mg、27mg~44mg、27mg~46mg、27mg~48mg、27mg~50mg、27mg~52mg、27mg~54mg、27mg~56mg、27mg~58mg、27mg~60mg、30mg~32mg、30mg~34mg、30mg~36mg、30mg~38mg、30mg~40mg、30mg~42mg、30mg~44mg、30mg~46mg、30mg~48mg、30mg~50mg、30mg~52mg、30mg~54mg、30mg~56mg、30mg~58mg、30mg~60mg、33mg~34mg、33mg~36mg、33mg~38mg、33mg~40mg、33mg~42mg、33mg~44mg、33mg~46mg、33mg~48mg、33mg~50mg、33mg~52mg、33mg~54mg、33mg~56mg、33mg~58mg、33mg~60mg、36mg~38mg、36mg~40mg、36mg~42mg、36mg~44mg、36mg~46mg、36mg~48mg、36mg~50mg、36mg~52mg、36mg~54mg、36mg~56mg、36mg~58mg、36mg~60mg、40mg~42mg、40mg~44mg、40mg~46mg、40mg~48mg、40mg~50mg、40mg~52mg、40mg~54mg、40mg~56mg、40mg~58mg、40mg~60mg、43mg~46mg、43mg~48mg、43mg~50mg、43mg~52mg、43mg~54mg、43mg~56mg、43mg~58mg、42mg~60mg、45mg~48mg、45mg~50mg、45mg~52mg、45mg~54mg、45mg~56mg、45mg~58mg、45mg~60mg、48mg~50mg、48mg~52mg、48mg~54mg、48mg~56mg、48mg~58mg、48mg~60mg、50mg~52mg、50mg~54mg、50mg~56mg、50mg~58mg、50mg~60mg、52mg~54mg、52mg~56mg、52mg~58mg、または52mg~60mgである。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物の用量は、0.1mg、0.3mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、5mg、約10mg、約12.5mg、約13.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約200mg、約300mg.約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、または約1000mgを超えるか、それらに等しいか、または約それらである。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物の用量は、約0.5mg、0.75mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、5mg、約10mg、約12.5mg、約13.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、または約200mg約未満である。
【0081】
本明細書で使用される「担体」という用語は、1つの器官または身体の一部から別の器官または身体の一部への対象化合物の運搬または輸送に関与する、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、製造助剤(例えば、潤滑剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入材料などの材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、対象に有害であってはならない。担体として機能することができる材料のいくつかの例には、(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖、(2)トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプンなどのデンプン類、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、およびヒドロキシルプロピルメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体、(4)トラガカント粉末、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、(9)落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などの油、(10)プロピレングリコールなどのグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール、(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物、ならびに(22)従来の製剤に用いられる他の非毒性適合性物質が含まれる。
【0082】
錠剤またはカプセルなどの固体組成物を調製するために、化合物または抽出物を担体(例えば、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはガムなどの従来の錠剤化成分)および他の希釈剤(例えば、水)と混合して、固体組成物を形成する。次いで、この固体組成物は、有効量の本開示の化合物を含有する単位剤形に細分される。化合物または抽出物を含有する錠剤または丸剤は、長時間作用の利点を与える剤形を提供するためにコーティングまたは他の方法で配合することができる。
【0083】
本開示の特定の実施形態では、消耗性組成物は、化合物または抽出物、担体および微生物の増殖を低減または遅延させるための保存剤を含む。防腐剤は、フィルムの最大約5重量%、好ましくは約0.01重量%~1重量%の量で添加される。好ましい防腐剤には、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、亜硝酸ナトリウム、二酸化硫黄、ソルビン酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムが含まれる。他の好適な防腐剤には、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸またはEDTAの塩としても公知であり、そのようなEDTA二ナトリウム)が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
本開示の化合物または抽出物が経口または非経口投与のために組み込まれる液体形態には、水溶液、好適に風味付けされたシロップ、水性または油懸濁液、および食用油を含む風味付けされたエマルジョン、ならびにエリキシルおよび同様のビヒクルが含まれる。水性懸濁液に好適な分散剤または懸濁化剤には、合成天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンが含まれる。経口投与用の液体製剤は、例えば溶液、シロップもしくは懸濁液の形態をとり得、またはそれらは、使用前に水もしくは他の好適なビヒクルで再構成するための乾燥製品として提示され得る。そのような液体調製物は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロースまたは水素化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステルまたはエチルアルコール)、防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)、ならびに人工もしくは天然の色および/または甘味料などの許容される添加剤を用いて従来の手段によって調製され得る。
【0085】
本開示の製剤または組成物を調製する方法は、本開示の化合物または抽出物を担体ならびに任意に、1つ以上の補助成分および/または活性成分と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、本開示の化合物または抽出物を液体担体もしくは細かく分割された固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで必要に応じて生成物を成形することによって調製される。したがって、開示される製剤は、好適な担体と組み合わせた本明細書に記載の化合物または抽出物からなり得るか、または本質的になり得る。
【0086】
本開示の化合物または抽出物を医薬品、栄養補給食品、または栄養補助食品としてヒトおよび動物に投与する場合、それらはそれ自体で、または例えば0.1~99%の活性成分を許容される担体と組み合わせて含有する組成物として投与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物または抽出物は、約0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%w/w、または前述の値を含むおよび/もしくはそれらに及ぶ範囲で投与され得る。
【0087】
消耗品は、本明細書に開示される化合物を1日あたり100mg未満で提供するために対象によって消費され得る。ある特定の実施形態では、消耗品は、10~60mg/日のチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドを提供する。有効量は、当技術分野で公知の方法によって確立され得、生物学的利用能、毒性などに依存し得る。
【0088】
個々のチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドが本開示の消耗品に使用され得ると考えられるが、さらに、2つ以上の化合物または抽出物を任意の相対量で組み合わせて、2つ以上のチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドを所望の比率で含有する成分のカスタムな組み合わせを産生して、製品の有効性を高め、官能特性または製品の最終的な使用に重要な何らかの他の品質尺度を改善することができると考えられる。
【0089】
組み合わせ
いくつかの態様は、式(I)、(II)または(III)の化合物と、ジヒドロスフィンゴシン、セラミド、スフィンゴ糖脂質およびスフィンゴシンから選択される1つ以上の化合物との組み合わせに関する。いくつかの実施形態では、組み合わせは、ジヒドロセラミド、セラミド、またはスフィンゴシンから選択されるより多くの化合物を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、セラミドは、天然セラミド、合成セラミド、リン酸セラミド、1-O-アシル-セラミド、ジヒドロセラミド、ジヒドロセラミドホスフェート、および2-ヒドロキシセラミドからなる群から選択される。
【0091】
いくつかの実施形態では、天然セラミドは、ブタの脳または卵である。
【0092】
いくつかの実施形態では、合成セラミドは、N-オクタデカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18)、N-ヘキサデカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16)N-アセトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C2セラミド、d18:1/2:0)、N-ブチロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C4セラミド、d18:1/4:0)、N-ヘキサノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C6セラミド、d18:1/6:0)、N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8セラミド、d18:1/8:0)、N-デカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C10セラミド、d18:1/10:0)、N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12セラミド、d18:1/12:0)、N-ミリストイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C14セラミド、d18:1/14:0)、N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16セラミド、d18:1/16:0)、N-ヘプタデカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17セラミド、d18:1/17:0)、N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18セラミド、d18:1/18:0)、N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18:1セラミド、d18:1/18:1(9Z))、N-アラキドイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C20セラミド、d18:1/20:0)、N-ベヘノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C22セラミド、d18:1/22:0)、N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24セラミド、d18:1/24:0)、N-ネルボノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1セラミド、d18:1/24:1(15Z))、N-アセトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C2セラミド、d17:1/2:0)、N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C8セラミド、d17:1/8:0)、N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C18セラミド、d17:1/18:0)、N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C18:1セラミド、d17:1/18:1(9Z))、N-アラキドイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C20セラミド、d17:1/20:0)、N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C24セラミド、d17:1/24:0)、およびN-ネルボノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C17塩基)(C24:1セラミド、d17:1/24:1(15Z))からなる群から選択される。
【0093】
いくつかの実施形態では、リン酸セラミドは、N-アセトイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C2セラミド-1-ホスフェート、d18:1/2:0)、N-オクタノイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C8セラミド-1-ホスフェート、d18:1/8:0)、N-ラウロイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C12セラミド-1-ホスフェート、d18:1/12:0)、N-パルミトイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C16セラミド-1-ホスフェート、d18:1/16:0)、N-オレオイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C18:1セラミド-1-ホスフェート、d18:1/18:1(9Z))、N-リグノセロイル-セラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C24セラミド-1-ホスフェート、18:1/24:0)、N-アセトイル-セラミド-1-ホスフェート(C17塩基)(アンモニウム塩)(C2セラミド-1-ホスフェート、d17:1/2:0)およびN-オクタノイル-セラミド-1-ホスフェート(C17塩基)(アンモニウム塩)(C8セラミド-1-ホスフェート、d17:1/8:0)からなる群から選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、ジヒドロセラミドは、N-ヘキサノイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C6ジヒドロセラミド、d18:0/6:0)、N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C8ジヒドロセラミド、d18:0/8:0)、N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C16ジヒドロセラミド、d18:0/16:0)、N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C18ジヒドロセラミド、d18:0/18:0)、N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C18:1ジヒドロセラミド、d18:0/18:1(9Z))、N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンガニン(C24ジヒドロセラミド、d18:0/24:0)、およびN-ヌノボノイル-D-エリスロ-スフィンガニン-D-エリスロ-スフィンガニン(C24:1ジヒドロセラミド、d18:0/24:1(15Z))からなる群から選択される。
【0095】
いくつかの実施形態では、ジヒドロセラミドホスフェートは、N-パルミトイル-D-エリスロ-ジヒドロセラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C16ジヒドロセラミド-1-ホスフェート、d18:0/16:0)またはN-リグノセロイル-D-エリスロ-ジヒドロセラミド-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(C24ジヒドロセラミド-1-ホスフェート、d18:0/24:0)である。
【0096】
いくつかの実施形態では、2-ヒドロキシセラミドは、N-(2’-(R)-ヒドロキシラウロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(12:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシラウロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(12:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシパルミトイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(16:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシパルミトイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(16:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシヘプタデカノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(17:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシヘプタデカノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(17:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシステアロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシステアロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシオレオイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:1(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシオレオイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(18:1(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシアラキドイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(20:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシラキドイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(20:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシベヘノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(22:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシルベヘノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(22:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシリグノセロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:0(2R-OH)セラミド)、N-(2’-(S)-ヒドロキシリグノセロイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:0(2S-OH)セラミド)、N-(2’-(R)-ヒドロキシネルボノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:1(2R-OH)セラミド)、およびN-(2’-(S)-ヒドロキシルネルボノイル)-D-エリスロ-スフィンゴシン(24:1(2S-OH)セラミド)からなる群から選択される。
【0097】
いくつかの実施形態では、スフィンゴシンは、天然スフィンゴシン、合成スフィンゴシン、リン酸化スフィンゴシン(S1P)およびメチル化スフィンゴシンからなる群から選択される。
【0098】
いくつかの実施形態では、天然スフィンゴシンは、D-エリスロ-スフィンゴシンである。
【0099】
いくつかの実施形態では、合成スフィンゴシンは、スフィンゴシン(d18:1)、スフィンゴシン(d17:1)、スフィンゴシン(d20:1)、L-トレオ-スフィンゴシン(d18:1)、1-デオキシスフィンゴシン、および1-デスオキシメチルスフィンゴシンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、スフィンガニンは、スフィンガニン(d18:0)、スフィンガニン(d17:0)、スフィンガニン(d20:0)、1-デオキシスフィンガニン、1-デスオキシメチルスフィンガニン、およびL-トレオ-ジヒドロスフィンゴシン(d18:0)(サフィンゴール)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、リン酸化スフィンゴシンは、スフィンゴシン-1-ホスフェート(d18:1)、スフィンゴシン-1-ホスフェート(DMA付加物)、スフィンゴシン-1-ホスフェート(d17:1)、スフィンゴシン-1-ホスフェート(d20:1)、スフィンガニン-1-ホスフェート(d18:0)、スフィンガニン-1-ホスフェート(d17:0)およびスフィンガニン-1-ホスフェート(d20:0)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、メチル化スフィンゴシンは、モノメチルスフィンゴシン(d18:1)、ジメチルスフィンゴシン(d18:1)、ジメチルスフィンゴシン(d17:1)、トリメチルスフィンゴシン(d18:1)、トリメチルスフィンゴシン(d17:1)、ジメチルスフィンガニン(d18:0)、トリメチルスフィンガニン(d18:0)、ジメチルスフィンゴシン-1-ホスフェート(d18:1)およびジメチルスフィンガニン-1-ホスフェート(d18:0)からなる群から選択される。
【0100】
いくつかの実施形態では、スフィンゴ糖脂質は、天然スフィンゴ糖脂質、グリコシルスフィンゴ脂質、ガラクトシルスフィンゴ脂質、ラクトシルスフィンゴ脂質、スルファチド、およびα-ガラクトシルセラミド(αGalCer)からなる群から選択される。
【0101】
いくつかの実施形態では、天然スフィンゴ糖脂質は、セレブロシド(例えば、ブタの脳から)、グルコセレブロシド(例えば、大豆から)、スルファチド(アンモニウム塩)(例えば、ブタの脳から)、GM1ガングリオシド(アンモニウム塩)(例えば、ヒツジの脳から)、ガングリオシドGM1(例えば、ヒツジの脳から)および全ガングリオシド抽出物(アンモニウム塩)(例えば、ブタの脳から)からなる群から選択される。
【0102】
いくつかの実施形態では、グリコシルスフィンゴ脂質は、D-グルコシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(グルコシル(β)スフィンゴシン、d18:1)、D-グルコシル-β-1、1’N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8グルコシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12グルコシル(β)セラミド、d18:1/12:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16グルコシル(β)セラミド、d18:1/16:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-ステアロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18グルコシル(β)セラミド、d18:1/18:0)、D-グルコシル-β-1、1’N-オレオイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C18:1グルコシル(β)セラミド、d18:1/18:1(9Z))、およびD-グルコシル-β1-1’-N-ネノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1グルコシル(β)セラミド、dl8:1/24:1(15Z))からなる群から選択される。
【0103】
いくつかの実施形態では、ガラクトシルスフィンゴ脂質は、D-ガラクトシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(ガラクトシル(β)スフィンゴシン、d18:1)、N,N-ジメチル-D-ガラクトシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(ガラクトシル(β)ジメチルスフィンゴシン、d18:1)、D-ガラクトシル-β-1,1’N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-ガラクトシル-β-1,1’N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/12:0)、D-ガラクトシル-β-1,1’N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/16:0)およびD-ガラクトシル-β-1,1’N-ネルノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1ガラクトシル(β)セラミド、d18:1/24:1(15Z))からなる群から選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、ラクトシルスフィンゴ脂質は、D-ラクトシル-β1-1’-D-エリスロ-スフィンゴシン(ラクトシル(β)スフィンゴシン、d18:1)、D-ラクトシル-β-1,1’N-オクタノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C8ラクトシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-ラクトシル-β1-1’-N-オクタノイル-L-トレオ-スフィンゴシン(C8L-トレオ-ラクトシル(β)セラミド、d18:1/8:0)、D-ラクトシル-β-1,1’N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C12ラクトシル(β)セラミド、d18:1/12:0)、D-ラクトシル-β-1,1’N-パルミトイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C16ラクトシル(β)セラミド、d18:1/16:0)、D-ラクトシル-β-1,1’N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24ラクトシル(β)セラミド、d18:1/24:0)、およびD-ラクトシル-β1-1’-N-ネルノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(C24:1ラクトシル(β)セラミド、d18:1/24:1)からなる群から選択される。
【0105】
いくつかの実施形態では、スルファチドは、3-O-スルホ-D-ガラクトシル-β1-1’-N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(アンモニウム塩)(例えば、ブタの脳から)、3-O-スルホ-D-ガラクトシル-β1-1’-N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(アンモニウム塩)(C12モノスルホガラクトシル(β)セラミド、d18:1/12:0)、3-O-スルホ-D-ガラクトシル-β1-1’-N-ヘプタデカノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(アンモニウム塩)(C17モノ-スルホガラクトシル(β)セラミド、d18:1/17:0)、3-O-スルホ-D-ガラクトシル-β1-1’-N-リグノセロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(アンモニウム塩)(C24モノ-スルホガラクトシル(β)セラミド(d18:1/24:0)、3-O-スルホ-D-ガラクトシル-β1-1’-N-ネルボノイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(アンモニウム塩)(C24:1モノ-スルホガラクトシル(β)セラミド、d18:1/24:1)、および3,6-ジ-O-スルホ-D-ガラクトシル-β1-1’-N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシン(アンモニウム塩)(C12ジ-スルホガラクトシル(β)セラミド、d18:1/12:0)からなる群から選択される。
【0106】
いくつかの実施形態では、ホスホスフィンゴ脂質は、D-エリスロ-スフィンゴシルホスホエタノールアミン(スフィンゴシルPE、d18:1)、N-ラウロイル-D-エリスロ-スフィンゴシルホスホエタノールアミン(C17塩基)(C12スフィンゴシルPE、d17:1/12:0)およびD-エリスロ-スフィンゴシルホスホイノシトール(スフィンゴシルPI)からなる群から選択される。
【0107】
いくつかの実施形態では、フィトスフィンゴシンは、4-ヒドロキシスフィンガニン(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces Cerevisiae))(D-リボフィトスフィンゴシン)、4-ヒドロキシスフィンガニン(C17塩基)(D-リボフィトスフィンゴシン、C17塩基)、4-ヒドロキシスフィンガニン-N,N-ジメチル(サッカロミセス・セレビシエ)(フィトスフィンゴシン-N,N-ジメチル)、4-ヒドロキシスフィンガニン-N,N,N-トリメチル(硫酸メチル塩)(サッカロミセス・セレビシエ)(フィトスフィンゴシン-N,N,N-トリメチル)、4-ヒドロキシスフィンガニン-1-ホスフェート(サッカロミセス・セレビシエ)(D-リボフィトスフィンゴシン-1-ホスフェート)、4-ヒドロキシスフィンガニン-N,N-ジメチル-1-ホスフェート(アンモニウム塩)(サッカロミセス・セレビシエ)(フィトスフィンゴシン-N,N-ジメチル-1-ホスフェート)、N-アセトイル4-ヒドロキシスフィンガニン(サッカロミセス・セレビシエ)(N-02:0フィトスフィンゴシン)、N-オクタノイル4-ヒドロキシスフィンガニン(サッカロミセス・セレビシエ)(N-08:0フィトスフィンゴシン)、N-ステアロイル4-ヒドロキシスフィンガニン(サッカロミセス・セレビシエ)(N-18:0フィトスフィンゴシン)、および4-ヒドロキシスフィンガニン-1-ホスホコリン(サッカロミセス・セレビシエ)(フィトスフィンゴシンホスホコリン)からなる群から選択される。
【0108】
いくつかの態様は、式(I)、(II)または(III)の化合物と、マクロライド、レチニド、およびDES1阻害剤から選択される1つ以上の化合物との組み合わせに関する。いくつかの実施形態では、1つ以上のレチニドは、フェンレチニド、N-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド(4-HPR)、4-オキソ-N-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド(4-オキソ-HPR)、またはモトレチニドである。いくつかの実施形態では、DES1阻害剤は、N-[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-2-(2-トリデシル-1-シクロプロペニル)エチル]オクタンアミド(GT011)および(Z)-4-((5-(4-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)アミノ)-N’-ヒドロキシベンズイミドアミド(B-0027)から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のマクロライドは、ラパマイシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、フィダキソマイシン、カルボマイシンA、ジョサマイシン、キタサマイシン、ミデカマイシン、オレアンドマイシン、ソリスロマイシン、スピラマイシン、トロレアンドマイシン、タイロシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、セトロマイシン、ソリスロマイシン、ソリスロマイシン、タクロリムス、ピメクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、ポリエン抗真菌薬、およびクルエンタレンからなる群から選択される。
【0109】
使用方法
本開示は、少なくとも1つの担体を含む消耗性組成物を提供することを含む、肝脂肪症を逆転させることを提供する。そのような方法によれば、本明細書に記載の組成物を含む有効量の抽出物が、それを必要とする対象に提供され、それによって、対象の肝脂肪症が逆転させる。本明細書で使用される「対象」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物を指す。いくつかの実施形態では、対象は、獣医学的、コンパニオン、農場、実験動物または動物学的動物である。他の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0110】
いくつかの態様では、式(I)、式(II)もしくは式(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩、異性体、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートを含む組成物の投与は、肝脂肪症を逆転させる。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物を含む組成物は、対象の肝脂肪症を逆転させることに関連する疾患または状態を治療または改良する。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物を含む組成物は、対象の肝脂肪症に関連する疾患または状態を治療または改良する。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物を含む組成物は、肝脂肪症に関連する疾患または状態を治療または改良する。
【0111】
実施形態では、式(I)、式(II)もしくは式(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の投与は、対象の肝脂肪症に関連する少なくとも1つの因子を治療または改善する。他の態様では、本明細書に開示される式(I)、式(II)もしくは式(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%もしくは少なくとも95%、または前述の値を含むおよび/もしくはそれらに及ぶ範囲によって、対象の肝脂肪症を逆転させる。さらに他の態様では、式(I)、式(II)もしくは式(III)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、例えば約10%~約100%,約20%~約100%,約30%~約100%,約40%~約100%,約50%~約100%,約60%~約100%,約70%~約100%,約80%~約100%,約10%~約90%,約20%~約90%,約30%~約90%,約40%~約90%,約50%~約90%,約60%~約90%,約70%~約90%,約10%~約80%,約20%~約80%,約30%~約80%,約40%~約80%,約50%~約80%,または約60%~約80%,約10%~約70%,約20%~約70%,約30%~約70%,約40%~約70%,または約50%~約70%の範囲で肝脂肪症を改善する。
【0112】
本開示は、少なくとも1つの担体を含む消耗性組成物を提供することを含む脂肪クリアランスの促進をさらに提供する。そのような方法によれば、有効量の本明細書に記載の組成物を含む抽出物が、それを必要とする対象に提供され、それによって対象の脂肪クリアランスを促進する。本明細書で使用される「対象」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物を指す。いくつかの実施形態では、対象は、獣医学的、コンパニオン、農場、実験動物または動物学的動物である。他の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0113】
いくつかの態様では、式(I)、式(II)もしくは式(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩、異性体、ホモダイマー、ヘテロダイマーもしくはコンジュゲートを含む組成物の投与は、脂肪クリアランスを促進する。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物を含む組成物の投与は、対象の脂肪肝に関連する疾患または状態を治療または改良する。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物を含む組成物の投与は、対象の非アルコール性脂肪肝に関連する疾患または状態を治療または改良する。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物を含む組成物は、脂肪肝に関連する疾患または状態を治療または改良する。
【0114】
実施形態では、式(I)、式(II)もしくは式(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、対象の肝脂肪症に関連する少なくとも1つの因子を治療または改善する。他の態様では、本明細書に開示される式(I)、式(II)もしくは式(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、対象の肝脂肪症を、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%逆転させる。さらに他の態様では、式(I)、式(II)もしくは式(III)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、例えば約10%~約100%,約20%~約100%,約30%~約100%,約40%~約100%,約50%~約100%,約60%~約100%,約70%~約100%,約80%~約100%,約10%~約90%,約20%~約90%,約30%~約90%,約40%~約90%,約50%~約90%,約60%~約90%,約70%~約90%,約10%~約80%,約20%~約80%,約30%~約80%,約40%~約80%,約50%~約80%,または約60%~約80%,約10%~約70%,約20%~約70%,約30%~約70%,約40%~約70%,または約50%~約70%の範囲で肝脂肪症を改善する。
【0115】
本開示の組成物を必要とする対象には、脂肪肝に関連する観察可能な症状を有する対象、および脂肪肝の観察可能な症状を有さないが、脂肪肝を発症しやすいと決定された対象が含まれる。本開示の組成物を必要とする対象には、非アルコール性脂肪肝に関連する観察可能な症状を有する対象、および脂肪肝の観察可能な症状を有さないが、非アルコール性脂肪肝を発症しやすいと決定された対象が含まれる。
【0116】
本明細書で使用される「有効量」という用語は、障害を有意に改善するのに十分な、化合物、抽出物、または化合物もしくは抽出物を含有する製剤の量を意味する。本明細書で使用される場合、「改善する」または「改善された」という用語は、疾患状態の識別された特徴の改善を包含するように広く解釈されるべきであり、前記特徴は、対照と比較して、または問題の特徴に関連する公知の平均量と比較して、問題の疾患を一般的に相関させるか、または示すと当業者によって見なされる。例えば、本開示の化合物または抽出物の適用に関連する「改善された」脂肪クリアランスは、健康な対象の肝臓を必要とする対象の肝臓と比較することによって実証することができる。あるいは、当業者に公知の科学的または医学的刊行物で表されているように、本開示の化合物または抽出物で処置された対象の脂肪肝を対象の平均肝臓と比較することができる。本開示において、「改善された」は、必ずしもデータが統計的に有意であることを要求せず(すなわち、p<0.05)、むしろ、ある値(例えば、平均処置値)が別の値(例えば、平均対照値)と異なることを示す定量化可能な差は、「改善された」のレベルまで上昇し得る。
【0117】
ヒトにおいて使用されるべき有効量を決定するときに懸念されるのは、所望の効果(利益)と化合物の使用に関連するリスクとのバランスをとることである。そのようなリスク/利益評価の問題点は、観察される有害作用の種類およびそれらが生じる可能性である。
【0118】
一般に、本開示の化合物または抽出物の好適な1日用量は、所望の利益、この場合は消化器の健康、ひいては全体的な健康および幸福を改善する効果をもたらすのに有効な最低用量である化合物または抽出物の量である。そのような有効用量は、一般に、本明細書に記載の因子に依存する。経口投与の場合、用量は、約0.0001mg~約10グラム/キログラム体重/日、約5mg~約5グラム/キログラム体重/日、約10~約2グラム/キログラム体重/日、または任意の他の好適な用量の範囲であり得る。所望であれば、化合物または抽出物の有効な1日用量は、1日を通して適切な間隔で別々に投与される2、3、4、5、6以上のサブ用量として、任意で単位剤形で投与され得る。いくつかの実施形態では、投薬は、1日あたり1回の投与である。
【0119】
本開示の化合物または抽出物は、単独で、または特定の食事または標準的なケアと組み合わせて使用することができる。実例として、本開示の化合物または抽出物は、グルテンフリー食事と組み合わせてもよく、またはアミノサリチル酸塩、コルチコステロイド、チオプリン、メトトレキサート、JAK阻害剤、スフィンゴシン1-ホスフェート(SIP)受容体阻害剤、抗インテグリン生物製剤、抗IL12/23Rもしくは抗IL23生物製剤、および/または抗腫瘍壊死因子剤もしくは生物製剤と組み合わせて使用してもよい。
【実施例
【0120】
以下の非限定的な例は、本開示をさらに説明するために提供される。
【0121】
実施例1:DIOマウスに対するN-トランス-カフェオイルチラミンの効果
HNF4a活性に対して非常に感受性であるヒトインスリンプロモーター活性についてのアッセイを使用して、HNF4α活性が脂肪酸によって抑制されることが発見された。HNF4αは、糖尿病の常染色体優性単遺伝子型であるMODY1において変異しており、糖尿病の病因における直接的な役割についてのヒトの遺伝的証拠を提供する。これは、脂肪酸のリポトキシン効果がHNF4α活性を抑制した場合に予想されるように、正のフィードバックループによって自己調節され、T2DおよびNAFLDにおいて下方制御される。
【0122】
化合物を食餌誘導性肥満マウスに200mg/kg1日2回の用量で2週間IP注射した。その時点で、マウスを屠殺し、分析のために器官を採取した。HNF4aが肝臓脂肪貯蔵を制御するという仮説を試験するために、N-トランス-カフェオイルチラミンを、60%脂肪カロリー食で維持したC57BL/6J DIOマウスに投与した。N-トランス-カフェオイルチラミンを用いたPK研究に基づいて、これらの概念実証試験のためにIP注射を2週間選定した。2週間後、N-トランス-カフェオイルチラミン注射マウスの肝臓の重量は、対照マウスの肝臓の重量よりも少なかった。N-トランス-カフェオイルチラミンがリポファジーを刺激することが観察された(図1A)。さらに、肝臓の色が黄色から赤色にシフトした。脂肪含量の減少と共に、肝臓トリグリセリド含量が減少することが観察された(図2H)。肝臓切片の分析により、オイルレッドO染色による貯蔵脂肪の減少が明らかになった(図2、A~CをD~Fと比較し、Gで定量化した)。対照およびN-トランス-カフェオイルチラミン注射マウスの両方が、同程度に重量を増加させ、両方の群が健康で活動的なままであった。
【0123】
体重の差がないことは、肝臓重量の減少と相まって、肝臓から放出された脂肪が他の場所に存在しなければならないことを示唆した。これと一致して、精巣上体脂肪パッド質量の増加があった(図1B)。肝臓から脂肪組織への脂肪のシフトは、脂肪酸が循環を通過しなければならなかったことを示唆した。これは、リポファジーがLALの作用による細胞からの脂肪酸の放出に関与し、循環遊離脂肪酸(FFA)の増加をもたらすはずであるので、リポファジーがN-トランス-カフェオイルチラミンによって誘導されている場合に予想される。その予測を試験するために、グルコース負荷を使用してインスリン分泌を刺激するプロトコルを用いたが、これは脂肪細胞からのFFA放出を阻害し、肝臓由来FFAを循環FFAの主要な供給源として残す。N-トランス-カフェオイルチラミンは、遊離脂肪酸の増加を誘導した(図1C)。
【0124】
機構的には、N-トランス-カフェオイルチラミンは、スフィンゴ脂質代謝に関与する遺伝子、特にスフィンゴシン-1-ホスフェート(S1P)のトランスポーターとして最も研究されているSPNS2のT6PNEにおける発現を誘導することが注目された。SPNS2発現のノックダウンは、N-トランス-カフェオイルチラミンによる脂肪クリアランスを消失させたが、S1Pは、脂肪貯蔵に対するいかなる効果も及ぼさなかった。しかしながら、ジヒドロセラミドは、N-トランス-カフェオイルチラミンの非存在下で脂肪クリアランスを誘導するのに活性であった。これは、S1P受容体の発現を必要とし、ジヒドロセラミドが同じ受容体によって作用できることを示した。ジヒドロセラミドは、デルタ4-デサチュラーゼであるスフィンゴ脂質1(DES1)に関与する経路を通してN-トランス-カフェイン-チラミンによって誘導された。
【0125】
N-トランス-カフェオイルチラミンが脂肪クリアランスを誘導する機構は、脂質小胞とリソソームとの融合に関与するオートファジーの一種であるリポファギーの誘導によるものであり、脂質小胞トリグリセリドは、リソソーム酸リパーゼによって分解される。リソソーム酸リパーゼ阻害剤ラリスタット2は、N-トランス-カフェオイルチラミンが脂肪クリアランスを果たす能力を排除した。
【0126】
以前に、HNF4aアンタゴニストBI6015が肝臓におけるHNF4a発現の喪失を引き起こすことが見出され、HNF4aは、NAFLDにおいて重要な役割を果たすと考えられている。対照DIOマウスでは、HNF4aタンパク質が減少したが、N-トランス-カフェオイルチラミンは、その減少を逆転させた(図3)。これは、N-トランス-カフェオイルチラミンがHNF4a mRNAの発現を誘導するというインビトロの知見と一致している。
【0127】
N-トランス-カフェオイルチラミンは、リポファジーを誘導することによって、高脂肪食を供給されたマウスの脂肪肝からの脂肪クリアランスを促進し、肝脂肪貯蔵レベルの制御におけるHNF4αの役割を実証している。それらの強力なインビボ効果および毒性の欠如に基づいて、これらの新しいアゴニストは、NAFLD治療薬の強力な候補であるように見える。さらに、その後の研究は、N-トランス-カフェオイルチラミンの経口投与がマウスの肝脂肪症の低減に有効であることを示している。
【0128】
実施例2-肝脂肪貯蔵および強力なHNF4αアゴニスト
材料および方法
T6PNEインスリンプロモーターアッセイは、以前に記載されており、以下のようにわずかに修正してここで実行した:T6PNE細胞を、0.5μMタモキシフェンの存在下で384ウェル組織培養プレート(Greiner Bio-One)に200細胞/ウェルで播種した。DMSO中の本明細書に記載の化合物を、Echo 555 Acoustic Liquid Handler(Beckman Coulter)を用いて分注した。化合物添加の3日後、細胞を4%パラホルムアルデヒド(USBio)中で15分間固定し、DAPI(0.167μg/ml、Invitrogen)で染色した。青色(DAPI)および緑色(GFP)チャネルを、Celigoイメージングサイトメーター(Nexcelom Bioscience)を使用して画像化した。GFP陽性細胞の数をDAPI陽性細胞数に対して正規化し、DMSO対照に対して計算した倍率変化を算出した。
【0129】
T6PNE細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS、Sigma-Aldrich)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン(pen-strep、Gibco)を補充したRPMI(5.5mMグルコース、Corning)中で維持した。細胞を37℃の5%CO中で維持した。インスリンプロモーターアッセイのために、0.5μMタモキシフェン(Sigma-Aldrich)をT6PNE細胞培養培地に添加した。HepG2またはHeLa細胞を、10%FBSおよび1%pen-strepを補充したDMEM(高グルコース、Corning)中で培養し、5%CO、37℃で維持した。
【0130】
オイルレッドOおよびナイルレッド染色を使用して、脂質蓄積を測定した。オイルレッドO染色は、当技術分野で公知のように行った。簡単に述べると、固定した細胞をオイルレッドO溶液(Poly Scientific)と共に3時間インキュベートし、続いて顕微鏡写真撮影(Olympus、IX71)を行った。ナイルレッド染色のために、色素(エタノールストック中1mg/mlからPBS中1:500、Sigma)を室温で30分間添加し、DAPIを10分間添加した。ナイルレッド染色の定量化を、Celigoイメージングサイトメーター(Nexcelom Bioscience)を用いて行った。各定量化のために4000個を超える細胞を分析した。ナイルレッド陽性細胞の数を各ウェルのDAPI陽性細胞数に対して正規化し、DMSO対照ウェルに対する倍率変化を計算した。
【0131】
マウス由来の凍結肝臓組織切片を含有するスライドを10~20分間風乾し、続いて蒸留水中で再水和した。切片を無水プロピレングリコール(カタログ番号151957、MP Biomedicals,LLC、米国)に2分間浸漬し、続いてオイルレッドO溶液(カタログ番号K043、Poly Scientific R&D、米国)に0.5%を2時間浸漬した。次いで、スライドを85%プロピレングリコール溶液中で分化させ、dHOで2時間洗浄し、グリセリンゼリー封入剤を使用して封入した。Aperio Scanscope FLシステム(Aperio Technologies Inc.、米国カリフォルニア州ビスタ)を使用して、すべてのスライドを20倍の倍率でスキャンした。オイルレッドOで染色した肝臓領域を、いくつかの修正を加えて、記載のImageJソフトウェアを使用して測定した。オイルレッドO染色肝臓画像をImageJソフトウェアで開いた。Analyze>Set Scaleコマンドを使用して、画像のスケールバーを200umに設定した。次いで、RGB画像を、Image>Type>RGB Stackコマンドを使用してグレースケール画像に変換し、赤、青、および緑のチャネルに分割した。Image>Adjust>Thresholdコマンドを使用して、閾値を手動で設定して、緑色チャネル中のオイルレッドO染色された脂質液滴を強調表示した。すべての処理群のすべての画像に対して同じ閾値を使用し、Analyze→Measure toolコマンドを使用して%オイルレッドO染色面積を得た。正常固形飼料を供給したマウスからの画像に対して値を正規化することによって、倍率変化を計算した。
【0132】
パルミチン酸塩(150mM)(Sigma-Aldrich)を50%エタノール中で調製し、37Cウォーターシェーカー中15%脂肪酸フリーBSA(Research Organics、米国オハイオ州クリーブランド)でプレ複合体化した。BSAプレ複合体化パルミチン酸塩を、細胞培養培地中の0.25mMパルミチン酸塩の最終濃度ですべてのアッセイの12mMストック溶液として使用した。
【0133】
siRNAをAmbionから購入した。トランスフェクションのために、24μLの各siRNA(1μMストック)を、Opti-MEM中の90μLのLipofectamine RNAi MAX(Invitrogen、米国マサチューセッツ州ウォルサム)の1:100希釈液と混合した。トランスフェクションは、室温で30分間細胞とインキュベートすることによって、24ウェルプレート(Thermo Fisher Scientific、米国マサチューセッツ州ウォルサム)で行った。トランスフェクションの1日後、細胞を96ウェルプレート(2000細胞/ウェル)に移し、37℃でさらに1日インキュベートした。トランスフェクションの48時間後、パルチミン酸塩-BSA複合体またはBSA対照プラスもしくはマイナス化合物のいずれかを2日間添加した。siRNAの検証のために、トランスフェクト細胞をトランスフェクションの2日後にRNA精製および各遺伝子のQPCRのために採取した。
【0134】
インビトロ細胞培養実験からの定量PCR(Q-PCR)は、RNeasyキット(Qiagen)を使用して精製した全RNAを使用した。肝臓組織試料については、Trizol(Invitrogen)を使用して全RNAを単離し、RNAseq(マウス肝臓DMSOおよびNCT、N=3)用に調製した。qScript cDNA SuperMix(Quanta BioSciences、米国マサチューセッツ州ビバリー)を使用して3μgの全RNAを使用してcDNAを増幅した。QPCR分析を、SYBR(登録商標)Select Master Mix(Applied Biosystems)およびABI 7900HT(Applied Biosystems,Thermo Fisher Scientific)を使用して実行した。次いで、mRNA発現のCt値を18s rRNA値に対して正規化し、インビボ実験のための正常固形飼料または細胞培養実験のためのDMSO対照を供給したマウス由来の試料に対する倍率変化として表す。
【0135】
DARTSアッセイは、当技術分野で記載されているように行った。HepG2細胞を、40または80μMの濃度のDMSO、BI6015、NCT、NFTで16時間処理した。全細胞タンパク質を抽出し、BCAタンパク質アッセイ(Thermo Scientific)によって測定した。各試料を、サブチリシンなし(-)またはサブチリシンあり(+)(Sigma-Aldrich)のタンパク質分解のために2つのアリコートに分割した。40mgの細胞溶解物をプロテアーゼ(40ng/mlスブチリシン)の有無にかかわらず室温で35分間インキュベートした。
【0136】
全細胞抽出物を、プロテアーゼ阻害剤(Calbiochem、カリフォルニア州サンディエゴ)を含有するRIPA緩衝液(Invitrogen)中でのインキュベーションによって調製した。タンパク質(40mg)を12%または16%のトリグリシンゲル(Invitrogen)上で分離し、イモビロンPメンブレン(0.2μmの細孔、Millipore)に移した。3%乳を含むリン酸緩衝生理食塩水-Tween(PBST)中で1時間後、メンブレンを、HNF4α(マウス、Novus、1:1000)、LC3B(ウサギ、Novus、1:500)、p62(SQSTM1,マウス、Santa Cruz,1:1000)またはβ-アクチン(マウス、Santa Cruz、1:2000)に対する抗体とインキュベーションし、続いて西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲート化された二次抗体(1:5000、Jackson Immune)とインキュベーションした。シグナルをECL(Thermo)によって明らかにし、ChemiDoc MPイメージャ(Bio-Rad)で画像化した。
【0137】
ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキットアッセイ(Thermo scientific)を使用して、DART、ウエスタンブロッティングおよびTGアッセイのためのタンパク質量を測定した。プレートリーダーを使用して550nmでの吸光度を決定した。
【0138】
12週齢のC57BL/6 J DIO雄マウス(カタログ番号380050)をJackson Laboratoryから購入し、60kcal%の脂肪を含有する高脂肪食(Research Dietsカタログ番号D12492)を供給した。マウスを12時間の光/日サイクルで維持した。2週間の順化後、体重が同様のマウスを処置群または対照群に無作為に割り当てた。
【0139】
用量応答実験のために、ビヒクル対照としての10%DMSOまたは10%DMSOに溶解した4つの異なる用量のNCT(30、60、120および240mg/kg体重)をマウスの腹腔内に注射した。マウスは、3日間の注射の間に5時間の間隔を置いて1日あたり2用量を受けた。NCT(Sundia MediTech Company,Ltd.、カスタム合成)の効果を試験するために、200mg/kgを14日間にわたってIP注射を1日2回した。15日目に、マウスは、最終用量のNCTを受け、続いて3g/kgのデキストロースをIP注射した。1時間後、血液試料を収集し、ペントバルビタールを使用してマウスを安楽死させた。マウス、肝臓および精巣上体脂肪パッドの総重量を測定した。解剖した肝臓試料を冷PBSで洗浄し、小片に切断し、分析のために分配した。RNA単離およびELISAのために、肝臓試料を液体窒素を使用して急速凍結し、-80℃で保存した。組織形態計測および免疫蛍光分析のために、肝臓試料を4%の冷PFAで固定し、組織学のために処理した。すべての動物実験は、サンフォードバーナム・プレビス医学発見研究所の施設内動物管理使用委員会(IACUC)によって、国の規制に従って承認された。
【0140】
凍結肝臓切片を、0.3%Triton-Xを使用して透過処理し、抗原回復溶液(抗原回収クエン酸塩、Biogenex)中、サブボイル温度で10分間インキュベートした。その後、切片を、5%正常なロバ血清を含有するブロッキング緩衝液(Jackson Immuno Research)とインキュベーションし、続いてHNF4に対するマウスモノクローナル一次抗体(1:800、カタログ番号PP-H1415-00、R&D Systems)と4℃で一晩インキュベーションした。切片を洗浄し、Alexa flour 488(1:400、Invitrogen)またはDyLight 647(1:400、Jackson Immuno)と結合した抗マウス二次抗体と室温で1時間インキュベートし、DAPI(40,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール、Sigma Aldrich)で対比染色した。脂質液滴染色のために、スライドをBodipy 500/510(1mg/mlから1:100、4,4-ジフルオロ-5-メチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-ドデカン酸、Invitrogen)中で30分間インキュベートした。蛍光封入剤を使用してスライドを封入し、Olympus IX71蛍光顕微鏡を使用して40倍の倍率で画像を得た。HNF4α染色核の蛍光強度を、MetaMorph TLソフトウェア(バージョン7.6.5.0、Olympus)を使用して計算した。
【0141】
遊離脂肪酸定量比色/蛍光測定キット(カタログ番号K612、BioVision、米国)を使用して血清FFAレベルを測定した。倍率変化を、正常固形飼料を供給したマウスからの値に正規化することによって計算した。
【0142】
血清および肝臓TGレベルを、トリグリセリド熱量測定アッセイキット(カタログ番号10010303、Cayman Chemicals、米国)を使用して測定した。倍率変化を、正常固形飼料マウスからの値を正規化することによって計算した。
【0143】
100μLの全血をリチウムヘパリン採血管に収集し、単回使用VetScan哺乳動物肝臓プロファイル試薬ロータに移した。血液試料中に存在する複数の分析物のレベルを、VetScan VS2 Chemistry Analyzer(Abaxis North America、米国)を使用して定量した。
【0144】
血清試料中のアルカリホスファターゼレベルを、Catalyst One Chemistry Analyzer(IDEXX Laboratories,Inc.、米国)を使用して定量した。
【0145】
ミクロソーム安定性研究は、Conrad Prebys Center for Chemical Genomicsで実行した。インビトロ代謝を、NADPH生成系、試験化合物およびTris Cl緩衝液からなる系において行った。混合物を37℃で30分間プレインキュベートした。マウスまたはヒト肝ミクロソーム懸濁液の添加によって反応を開始し、空気に曝露しながら37℃で振盪した。試験化合物の安定性曲線を作成するために、インキュベーションを0、5、15、30および60分で終了した。NFTおよびNCT濃度をLC-MSによって決定した。代謝安定性の結果を、1時間で残存する化合物のパーセンテージとして表した。インビトロ半減期(t1/2)および固有クリアランス(Clint)を、インキュベーション時間にわたる薬物枯渇に基づいて計算した。
【0146】
マウスPKを、WuXi AppTec(中国上海)によって行った。7~9週齢のC57BL/6雄マウスをSLAC Laboratory Animal Co(中国上海)から得た。マウスを化合物投与前に12時間絶食させた。経口胃管栄養法をPO投薬のために使用した。IV投薬のために、化合物を尾静脈注射によって投与した。化合物濃度の決定のために、25μLの血液を顎下静脈または伏在静脈から収集し、血漿用に処理した。化合物の血漿濃度をLC-MS/MSによって決定した。
【0147】
セラミドおよびジヒドロセラミドは、前述のようにUCSD Lipidomics Core Facilityで測定した(Quehenberger et al.)。簡単に述べると、ブタノール:メタノール(BUME)法を使用して試料を抽出した。脂質層を収集し、Cortecs T3(C18)、2.1mm×150mmを備えたThermo-Vanquish UPLC(Thermo Scientific)、1.8uT3カラムおよび二元溶媒系で運転した。質量分析は、MS/MSデータ依存型取得スキャンモードおよびLipidSearchソフトウェア(Thermo Fisher Scientific)を備えたThermo Q Exactive機器を用いた。
【0148】
脂質命名法は、検証された種について与えられる:Cerd 32:1_19.14|d18:1/n14:0。dは、ジヒドロキシを表し、トリ-ヒドロキシを表し、d32:1は、総炭素が32であり、種が1つの二重結合を含有することを示し、アンダースコアに続く数字は、保持時間であり、d18:1/n14:0は、スフィンゴイド塩基脂肪酸が18:1であり、2つのヒドロキシ基を含有することを示し、14:0は、(n)ヒドロキシ基を含有しないアミド結合脂肪酸であり、n14:0は、14:0が(n)ヒドロキシ基を含有しないアミド結合脂肪酸であることを示す。
【0149】
STRING(https://string-db.org)は、タンパク質-タンパク質相互作用ネットワークを示す。NCT処置マウス肝臓で上方制御された上位50の遺伝子候補(N=3)を分析した。STRING機能的濃縮分析も実行した。
【0150】
初代ヒト肝細胞を用いた実験をCN-Bio(英国ケンブリッジ)によって実行した。初代ヒト肝細胞(PHH)、ヒトクッパー細胞(HK)およびヒト星細胞(HSC)を、5%FCSを含む1.6mlのCN-BioのHEPリーン培地中、PHHについては6×10細胞、HKおよびHSCについては6×10細胞で、CN-BioのPhysioMimix LC12 MPS培養プレート上に播種した。実験を通して、細胞を1μl/sの流速で維持した。播種の24時間後(1日目)、培地をHEPリーン培地に変え、細胞を4日目までインキュベートして、細胞が微小組織を形成することを可能にした。播種後4日目に、培地をHEP-脂肪培地に変え、DMSOまたはNCT(5、15、40μM)で処理した。培地を6日目および8日目に交換した。細胞を10日目にRNA抽出のために採取した。データは、示されるように、3つ以上の試料の平均±SEMとして提示される。統計的有意性は、スチューデントのt検定、ANOVAまたはR相関係数を使用して評価した。
【0151】
結果および考察
インスリンプロモーターアッセイを使用して、脂肪酸がHNF4αリガンド結合ポケットに結合することが公知であるにもかかわらず、脂肪酸がこれまでに記載されていない活性であるHNF4α活性を阻害することが見出された。また、インスリンプロモーターアッセイを使用して、HNF4αのアンタゴニストおよびアゴニストの両方が発見された。HNF4α活性化剤は、それぞれ過敏性腸症候群および重量減少/2型糖尿病に使用されている公知の薬物であるアルベリンおよびベンフルオレックスであった。注目すべきことに、ベンフルオレックスは、2型糖尿病の臨床試験において研究されており、HbA1cを低下させるのに有効であることが証明されている。残念なことに、アルベリンおよびベンフルオレックスの両方が比較的弱い活性化剤であり、リポトキシン性疾患におけるHNF4αの役割を研究することを困難にした。
【0152】
より強力なHNF4α活性化剤を見出すために、アルベリンまたはベンフルオレックスと構造的類似性を有する化合物を調べた。損傷応答の一部として植物細胞壁に関連する植物ベースの化合物であるN-トランス型カフェオイルチラミン(NCT)およびN-トランス型フェルロイルチラミン(NFT)は、T6PNE細胞におけるヒトインスリンプロモーター-GFP導入遺伝子のより強力な活性化因子であることが見出された。注目すべきことに、NFTは、カフェオイルチラミンO-メチルトランスフェラーゼの作用によってNCTに由来する。NCTおよびNFTは、インスリンプロモーターアッセイで使用したT6PNE細胞からの脂肪のクリアランスを誘導し、NCTは、肝脂肪症を逆転させたインビボで研究した。HNF4αが肝脂肪貯蔵に影響を及ぼす機構は、脂肪食の誘導であり、これは、脂肪滴とリソソームとの融合およびリソソーム酸リパーゼによる脂質加水分解に関与するオートファジーの形態である。理論に拘束されることを望まないが、これは、ホルモン感受性リパーゼを通して脂肪細胞の脂肪貯蔵を調節する機構とは異なる機構である。ここに提示されるデータは、HNF4αが、肝脂質貯蔵の制御を媒介することができる分子についての主要な要件の両方を満たすことを実証している。これは、HNF4α活性を制御するHNF4αリガンド結合ポケット(LBP)への脂肪酸結合によって脂肪を直接感知する。次いで、HNF4α活性のレベルは、肝細胞中の脂質小胞から脂肪を放出し、したがって肝臓に貯蔵される脂肪の量を調節するリポファジーの程度を決定する(図4)。
【0153】
ライブラリーを公知の薬物についてスクリーニングし、構造的に同様であるが、完全に異なる適応症のために使用されるアルベリンおよびベンフルオレックスが、HNF4αの活性化剤であることを発見した。アルベリンおよびベンフルオレックスは、かなり弱いHNF4α活性化剤であったので、より強い活性化剤の発見は、説得力があった。したがって、さらなるHNF4α活性化因子を見出すために、アルベリンおよびベンフルオレックスと構造的類似性を有するいくつかの化合物を試験した。N-トランスカフェオイルチラミン(NCT)およびN-トランスフェロイルチラミン(NFT)は、再現性のある陽性ヒットであった。NCTは、インスリンプロモーター活性の最も強い誘導物質であったが、NFTは、アルベリンとほぼ同程度に活性であった。非常に高感度の構造活性相関を有することが周知である核受容体リガンドについて予想されるように、小さな構造差は、活性の大きな変化をもたらした(図5)。NFTよりも強力であったNCTは、単一のメチル基によってNFTとは異なる。植物では、カフェオイルチラミン-O-メチルトランスフェラーゼによってNCTがNFTに変換され、一般にNCTよりも高レベルのNFTが得られる。エストロゲンまたはPPARγ受容体アゴニスト活性は存在せず、どちらもアッセイで偽陽性を生じ得る(図6)。
【0154】
NCTおよびNFTの両方、ならびにより少ない程度のN-p-クマロイルチラミンは、INSおよびHNF4α mRNAを増加させた(図7)。HNF4α遺伝子発現は、タンパク質が正のフィードバックループを通してそれ自体のプロモーターに作用する場合、本発明者らの手の中にあるHNF4α活性の最良の指標であるので、HNF4α mRNAの増加は特に重要である。NCTおよびNFTの両方が、INSプロモーターアッセイにおいて用量応答性を示し(図8)、INSおよびHNF4α mRNAレベルを増加させるそれらの能力に関して用量応答性を示した(図9)。脂肪酸およびHNF4aアゴニストが、HNF4a LBPの占有率について競合する可能性があり、これは、用量反応曲線に見られる閾値効果を説明し得る可能性がある。
【0155】
NCTおよびNFTは、HNF4αに直接作用する
化合物がHNF4αに作用する場合の予測は、HNF4α siRNAがそれらの効果を消失させるはずであるということである。その予測と一致して、HNF4α siRNAは、INSプロモーターに対するNCTおよびNFTの影響を抑制した(図10および図11)。
【0156】
化合物がその標的に結合すると、標的タンパク質の構造が変質すると予想される。これは、しばしば、DARTSアッセイの基礎であるタンパク質分解切断に対する感受性の変化として検出することができる。化合物がHNF4αの立体構造変化を誘導するかどうかを以前に決定し、したがってタンパク質に対する直接的な効果を実証した。本発明者らの以前の結果と一致して、強力なHNF4αアンタゴニストBI6015は、HNF4αの立体構造変化を誘導した(図12)。NCTおよびNFTはまた、それらが直接作用する場合に予想されるように、HNF4αタンパク質分解感受性の変化を誘導した(図12)。
【0157】
NCTは、細胞からの脂肪クリアランスを誘導する
HNF4αアンタゴニストBI6015は、インビトロおよびインビボで肝脂肪症を引き起こし、HNF4αの遺伝子欠失は、肝脂肪症をもたらす25。アルベリンおよびベンフルオレックスは、インスリンプロモーター活性のレベルがパルミチン酸塩で抑制されるインスリンプロモーターアッセイの改変において確認された。この改変アッセイでは、アルベリンおよびベンフルオレックスは、ヒトインスリンプロモーターの脂肪酸媒介抑制を逆転させた。したがって、より強力なHNF4αアゴニストが脂肪症を緩和することができるかどうかを尋ねることが論理的であった。細胞を、NCTまたはNFT(10μM)の存在下および非存在下、0.25mMパルチミン酸塩で2日間処理した。オイルレッドOおよびナイルレッド染色によって実証されるように、NCTまたはNFTで処理した細胞は、対照細胞よりも貯蔵脂肪が少なかった(図13図14図6で定量化)。これは、細胞トリグリセリド(TG)レベル(図15)の定量化によってさらに実証され、これは、そのアッセイの精度を検証するナイルレッド染色と同じ結果をもたらした。
【0158】
S1PトランスポーターSPNS2は、NCTによる脂肪クリアランスに必要である
HNF4αが転写因子であることを考えると、新たに発見されたHNF4αアゴニストが細胞脂肪症の逆転を引き起こす機構は、HNF4αによって調節されるHNF4αの下流の遺伝子に関与するであろう。NCTおよびNFTの両方に影響され、脂質代謝に関与するmRNAレベルを有する遺伝子を、siRNAを使用してそれらの発現を阻害することによってHNF4αの下流の脂肪クリアランスにおける役割について試験した(図16におけるsiRNA検証)。試験した遺伝子のうち、ただ1つのSPNS2に対するsiRNAは、脂肪クリアランスに対するNCTの効果を遮断した(図17図18で定量化)。SPNS2は、スフィンゴシン-1-ホスフェート(S1P)を細胞内から細胞外空間に移動させる輸送体をコードする。注目すべきことに、脂肪症を誘導するために使用され、ヒトによって消費される主要な脂肪であるパルミチン酸塩は、S1P合成の前駆体である。免疫抑制を引き起こすS1P類似体(FTY720、別名フィンゴリモド)は、多発性硬化症の治療に承認されている。S1Pは、スフィンゴシンキナーゼ(Sphk1、2)の作用によってスフィンゴシンから合成される。T6PNE細胞は、有意な程度までSphk2のみを発現し(GEOアクセッションGSE18821、GSE33432)、Sphk2に対するsiRNAは、脂肪クリアランスの誘導を担う分子としてS1Pを排除するNCT(図19図20で定量化)によって誘導される脂肪クリアランスに影響を及ぼさなかった。
【0159】
SPNS2によって細胞外に輸送されると、S1Pは、シグナル伝達受容体のGPCRファミリーの受容体に結合し、そのうちに5つのファミリーメンバーが存在する(S1PR1-5)。S1PRシグナル伝達は、多様な細胞過程において、しかし、特に免疫応答において重要な役割を果たす。S1PRファミリーの1つのメンバーであるS1PR3のみが、T6PNE細胞において発現される(GEOアクセッションGSE18821、GSE33432)。S1PR3 siRNAは、NCTが脂肪クリアランスを誘導する能力を遮断し(図19図20で定量化)、これはS1PRシグナル伝達を刺激するSPNS2によって輸送される分子が、脂肪クリアランスを誘発するモデルと一致した。
【0160】
ジヒドロセラミドは、NCTによる脂肪クリアランスに必要である
本発明者らが驚いたことに、S1PもFTY720も脂肪クリアランスに影響を及ぼさなかった(図21図22で定量化)。しかしながら、SPNS2およびS1PR3の公知の役割のために、S1Pに構造的に関連し、SPNS2およびS1PR3によって作用され得る分子は、NCTによって誘導される脂肪クリアランスにおけるエフェクターであるための明らかな候補であった。デノボS1P生合成は、パルチミン酸塩およびセリンから始まり、ジヒドロスフィンゴシン、ジヒドロセラミド、セラミド、およびスフィンゴシンを通って進む(図4)。ジヒドロスフィンゴシンは、SPNS2によって輸送されることが示されているが、脂肪クリアランスに影響を及ぼさなかった(図21図22で定量化)。対照的に、複数のジヒドロセラミドは、脂肪クリアランスの誘導に非常に有効であった(図21図22で定量化)。これは、S1Pおよびジヒドロスフィンゴシンと同様に、ジヒドロセラミドがSPNS2によって輸送され、S1PRを通して作用して細胞からの脂肪クリアランスをもたらすことを示唆している(図23図24で定量化)。
【0161】
ジヒドロセラミドが脂肪クリアランスにおいて活性分子である場合、ジヒドロセラミドデサチュラーゼ1(DES1)によるセラミドへのその変換の阻害は、そのレベルを上昇させ、脂肪クリアランスを促進するはずである(図4)。フェンレチニドは、DES1を阻害するが、複数の他の標的も有する合成レチノイド誘導体である。これは、より特異的なDES1阻害剤であるGT-11およびB-0027(図25図26で定量化)と同様に、脂肪クリアランスアッセイにおいて強く陽性であった(図21図22で定量化)。これは、ジヒドロセラミドが、NCTが細胞からの脂肪クリアランスを誘導する能力を担う活性種であるというさらなる証拠を提供する。
【0162】
NCTは、リポファジーを誘導することによって脂肪クリアランスを促進する
ジヒドロセラミドが細胞からの脂肪クリアランスを果たす能力は、ジヒドロセラミドが作用する機構の問題を提起した。いくつかの研究は、オートファジーにおけるジヒドロセラミドの役割を見出している。オートファジーは、脂質化によるLC3Bの変質およびウエスタンブロッティングによって監視することができるp62オートファジー受容体のレベルに対する影響に関与し、これらの変化の極性は、複雑であり、異なる状況下および異なる細胞において変動する。p62がオートファジー流動とは逆に変動するが、オートファジーを誘導するために陽性対照として使用されたラパマイシンと同様の古典的な状況とは対照的に、NCTは、LC3B-II対LC3B-I比(図27図28で定量化)およびp62(図29図30で定量化)の増加を誘導した。
【0163】
脂質貪食は、ジヒドロセラミドに関連しているオートファジーの形態である。リポファジーの中心的な態様は、リソソーム酸リパーゼ(LAL)による脂質液滴からのトリグリセリドの切断である。脂質滴とリソソームとの間の直接的な会合が実証されている。リポファジーがNCTによって誘導される脂肪クリアランスに役割を果たすかどうかを決定するために、LAL阻害剤ラリスタット2を使用した。リポファジーの刺激によって作用するNCTと一致して、ラリスタット2は、脂肪クリアランスを促進するNCTの能力を阻害した(図31図32図33で定量化)。
【0164】
NCTは、肝脂肪症を逆転させる
NCTがインビトロで細胞中に貯蔵された脂肪のレベルを低下させることを確立したので、インビボでその効果を決定することは、興味深いものであった。肝臓は、最高レベルのHNF4αおよび病理学的脂肪貯蔵の主要部位、すなわちNAFLDを発現する器官として注目された。HNF4αは、NAFLDにおいて重要な役割を果たすと認識されている。脂肪貯蔵の他の主要部位である脂肪細胞は、HNF4αを発現しない。60%脂肪カロリー食で維持したC57BL/6J DIOマウスに、NCTをIP注射(200mg/kg、1日2回)で2週間投与した。用量は、マウスに漸増用量(30、60、120および240mg/kg、1日2回、3日間)でNCTを注射した用量応答研究に基づいて選択され、これは忍容性が高かった。
【0165】
2週間後、NCT注射マウスの肝臓は、脂肪含量の減少と共に予想されるように、肝臓の色が黄色から赤色へのシフトを示した(図34および図35)。NCTが肝脂肪の喪失を刺激している場合に予想されるように、NCT注射マウスの肝臓の重量は、対照マウスの肝臓の重量よりも小さく(図36)、これは肝トリグリセリド含量の減少によって裏付けられた(図37)。肝臓切片の分析により、オイルレッドO染色による貯蔵脂肪の減少が明らかになった(図38および図39)。対照マウスおよびNCT注射マウスは、重量が同程度まで増加し、両群とも健康で活動的なままであった(図40)。
【0166】
体重の差がないことは、肝臓重量の減少と相まって、肝臓から放出された脂肪が他の場所に存在しなければならないことを示唆した。これと一致して、精巣上体脂肪パッド質量の増加があった(図41および図42)。肝臓から脂肪組織への脂肪のシフトは、脂肪酸が循環によって移動して組織間をシフトしなければならないことを示唆した。これは、リポファジーがLALの作用による細胞からの脂肪酸の放出に関与し、循環遊離脂肪酸(FFA)の増加をもたらすはずであるので、リポファジーがNCTによって誘導された場合に予想される。その予測を試験するために、グルコース負荷を使用してインスリン分泌を刺激するプロトコルをヒトおよびマウスにおいて用いたが、これは脂肪細胞からのFFA放出を阻害し、肝臓由来FFAを循環FFAの主要な供給源として残す。本発明者らの仮説と一致して、NCTは、遊離脂肪酸の増加を誘導した(図43)。血清TGは、NCT投与の第1週にNCTによって増加したが、研究終了の第2週には増加しなかった(図44)。
【0167】
ALPは、NCTによって減少した
NAFLDでは、アルカリホスファターゼ(ALP)を含む肝障害のマーカーが上昇し、NAFLDから非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)への進行の一部として肝線維症への移行の初期指標としてALPが研究されている。NCTで処置したマウスは、ALPの減少を示した(図45)。VetScanパネルにおける他のマーカーのレベルに変化はなかった(図46)。
【0168】
NCTは、HNF4α発現に対する脂肪酸の悪影響を逆転させる
HNF4αは、正のフィードバックループでそれ自体のプロモーターにフィードバックし、本発明者らの経験においてHNF4α活性の最良のマーカーである。インビトロでは、NCTおよびNFTは、T6PNE細胞(図9)および初代ヒト肝細胞(図47)においてHNF4α発現を誘導した。インビボでは、強力なHNF4αアンタゴニストBI6015が肝臓におけるHNF4α発現の喪失を引き起こすことが示されたので、NCTがインビボで効果を有するかどうかを試験した。脂肪酸がHNF4α活性を阻害するという以前の知見を考慮すると予想されるように、対照DIOマウスでは、HNF4αタンパク質は、正常固形飼料食のマウスと比較して減少した(図48および図49)。興味深いことに、HNF4αの翻訳後調節に起因し得る、HFDによるHNF4a mRNAの減少(図50)は検出されなかった。NCTは、HNF4αタンパク質(図48および図49)およびmRNA(図50)の喪失を逆転させた。
【0169】
CYP26A1は、脂肪クリアランスの誘導において重要な役割を果たす
マウス膵臓およびT6PNE細胞では、NCTは、細胞脂肪症の逆転に必要なSPNS2発現(図51)を誘導した(図13~18を参照されたい)。しかしながら、NCTは、マウス肝臓(図51)または初代培養ヒト肝細胞(図47)においてSPNS2発現の変化を誘導しなかった。NCTは、ヒト膵臓に由来するインビトロのT6PNE細胞とは肝臓から脂肪を取り除くために根本的に異なる機構によって作用している可能性は低いと考えられたので、同じ経路に関与するかもしれない肝臓においてNCTによって誘導される他の遺伝子について調べた。CYP26A1は、レチノイン酸(RA)と共にHNF4αによって誘導され、RAを、4-オキソ-RA、5,6エポキシ-RAおよび4-OH-RAを含む複数の代謝産物に変換する。RAは、肝臓で合成されるため、肝臓に豊富である。
【0170】
DES1を阻害する合成レチノイドであるフェンレチニドが、T6PNE細胞からの脂肪クリアランスを誘導することが示され、CYP26A1が肝臓からのNCT誘導性脂肪クリアランスにおいて役割を果たすための良好な候補であると仮定された。NCTは、マウス肝臓(図52)、培養ヒト肝細胞(図47)およびT6PNE細胞(図53)においてCYP26a1を誘導した。一般化CYP阻害剤ABTおよび特異的CYP26阻害剤タラゾールは、NCTによって脂肪クリアランスを阻害した(図54および図55)。
【0171】
NCTの下流の脂肪クリアランスにおけるCYP26A1の役割を実証したので、CYP26によって産生されるレチノイン酸代謝産物の1つが脂肪クリアランスを誘導すべきであると仮定した。これと一致して、4-OH RAは、T6PNE細胞からの脂肪クリアランスを誘導した(図56および図57)。興味深いことに、4-OH-RAは、CYP26A1 mRNAの増加も誘導した(図53)したがって、RAおよびその代謝産物は、それぞれ転写機構および転写後機構を通して肝臓における脂肪貯蔵において重要な役割を果たす。
【0172】
NCTは、ジヒドロセラミド産生を誘導する
HNF4αによる肝脂肪貯蔵の制御の本発明者らのモデルの重要な予測は、HNF4αがジヒドロセラミドの産生を増加させるはずであるということである。これを、リピドームアプローチを使用してインビトロおよびインビボで試験した。リピドーム分析により、複数のジヒドロセラミドがT6PNE細胞においてNCTによって増加したことが明らかになった。驚くべきことに、NCTに応答して産生されたジヒドロセラミドとフェンレチニドによって誘導されたジヒドロセラミドとの間には強い相関があり(図58、R=0.79)、NCTの下流効果がDES1を阻害するというモデル(図4)と一致した。NCT+RA(CYP26Aを誘導するために使用される)およびフェンレチニドの両方が、対応するジヒドロセラミド(図59)に対して、DES1の作用によって産生されるセラミドの比率の実質的な減少を誘導した。これは、NCTをIP注射したマウス由来の肝臓のリピドーム分析においても明らかであった(図60)。これは、モデルによって予測されるように、DES1の阻害および結果としての肝臓におけるジヒドロセラミド産生の増加をもたらすインビボNCT投与と一致する(図4)。
【0173】
したがって、上記で提供されたデータは、HNF4αが肝脂肪貯蔵を制御するこれまで知られていない経路の発見を記載している。この発見は、ここでも報告される強力なHNF4αアゴニストの発見によって可能になった。HNF4αアゴニストNCTによるHNF4α活性の刺激は、2週間の短い時間枠で肝脂肪症の逆転をもたらした。有望にもその治療的可能性のために、NCT治療は、完全に無毒であり、肝損傷およびNAFLDからNASHへの進行の重要なマーカーであるALPの減少をもたらした。ALPは、肝線維症のマーカーとして提示されており、胆管炎のバイオマーカーとしても一般的に使用されている。
【0174】
本明細書に記載のHNF4αアゴニストは、HNF4α活性化剤であることが分かった公知の薬物であるアルベリンおよびベンフルオレックスと構造的に同様である。COVID-19を含む多くの疾患に使用されている薬物再利用の戦略は、成功例が少ない。アルベリンおよびベンフルオレックスは、弱いHNF4α活性化剤であり、インビボでの使用には適していないが、それらは、本明細書に記載の取り組みの重要な出発点として役立ったので、戦略の部分的検証として解釈することができる。しかしながら、NCTおよびNFTは、はるかに強力であり、インビボおよび機構的研究を可能にする。NCTおよびNFTは、植物に見られ、ヒトによって消費されるものもある。それらは、植物代謝の核受容体リガンドまたはメディエーターとしての公知の役割を有さず、植物にはHNF4aホモログは存在しない。2型糖尿病および脂肪肝疾患を含む脂肪過剰によって引き起こされる障害に有益な効果を有する植物および植物抽出物中に見出される化合物の多くの報告がある。NCTおよびNFTは、植物細胞壁に関連して見出される。それらは、損傷に応答して誘導され、病原体防御において役割を果たすと考えられている。しかしながら、それらの機能についてはほとんど知られていない。動物細胞およびマウスでは、それらは、抗炎症特性を有することが示されている。フェニルプロペン酸部分の3-ヒドロキシル基のO-メチル化によってNFTに変換されるNFT前駆体であるため、ほとんどの植物におけるNCTの濃度は低い。NFTは、より豊富であり、乾燥植物1グラムあたり数十マイクログラムで様々な植物に見られるが、それは採取前に化合物が誘導された程度に応じて変動する。食物として一般的に消費される植物における経口バイオアベイラビリティの低さおよび存在量の低さを考慮すると、NCTおよびNFTは、ほとんどのヒトの食事におけるHNF4αリガンドの生理学的に関連する供給源である可能性は低いが、これはさらなる調査に値する疑問である。
【0175】
HNF4αによる肝脂肪貯蔵の制御について見出された機構は、オートファジーの形態であるリポファジーの誘導に関与する。遺伝子ノックアウト研究およびオートファジーを刺激する分子は、脂肪肝疾患におけるオートファジーに関係している。しかしながら、HNF4αによるリポファジーの誘導は、これまで疑われていない。オートファジーの一般的な刺激剤ではなく、HNF4αアゴニストによってリポファジーを刺激する利点は、HNF4α発現が組織に高度に制約され、主に肝臓、膵臓、腎臓および腸で発現されることである。NCTのいかなる全身作用も観察されず、実際、毒性がないために最大耐量を確立することができなかった。肝臓から放出された脂肪は、HNF4αを発現しない脂肪細胞によって取り込まれるようであった。
【0176】
HNF4αは、核内受容体転写因子であるため、リポファジーを刺激する機構は、最終的にリポファジーを促進する遺伝子に対するHNF4α媒介転写効果に関与しなければならないと仮定された。インスリンプロモーターアッセイで使用されるT6PNE細胞では、トランスポーターであるSPNS2のNCTによる上方制御により、HNF4αの下流のリポファジーの刺激に重要な役割を果たすとしてジヒドロセラミドが識別された。インビボの肝臓では、HNF4αは、レチノイン酸と一緒に作用してCYP26A1転写を活性化する。この系における多くのフィードバックループのうちの1つでは、RAは、CYP26自体によっていくつかの代謝産物に代謝され、そのうちの少なくとも1つの4-OH RAは、ジヒドロセラミド代謝酵素DES1を阻害してジヒドロセラミドの産生を増加させることが見出された。4-OH RAはまた、CYP26A発現を誘導する。複雑で相互作用するフィードバックループは、本明細書に記載の経路の中心的な特徴であるように見える。それらの最も重要なものの1つは、パルミチン酸塩によるHNF4α活性の阻害であり、これはリポファジーの減少およびその結果としての脂肪貯蔵の増加をもたらすはずである。しかしながら、デノボジヒドロセラミド合成は、パルミチン酸塩、ヒトによって消費される主要な脂肪、および脂肪毒性の主要なエフェクターから始まる。ここでは、ジヒドロセラミドがリポファジーを刺激し、脂肪貯蔵の減少をもたらし、HNF4αへの結合による直接的阻害剤としてのHNF4αに対するその負の効果に対抗することが示される。
【0177】
ジヒドロセラミドは、肝脂肪症および2型糖尿病を含む脂肪分解性疾患に関係している。それらは、2型糖尿病および心血管疾患において測定されている。DES1の遺伝子除去は、インスリン抵抗性および肝脂肪症を改善するが、これらの疾患におけるジヒドロセラミドの機能は、十分に理解されていない。本発明者らのモデルの下では、分泌されたジヒドロセラミドの最高濃度は、SPNS2によるそれらの搬出部位のすぐ近くにあるので、それらは主に、近くの細胞上のS1PRを通してオートクリンおよび/またはパラクリン様式で作用する可能性が高い。S1PR3は、T6PNE細胞におけるNCTおよびジヒドロセラミドの作用に必要であり、したがってジヒドロセラミドの受容体でなければならないが、他の4つの受容体はこれに関して研究されていないことが分かった。それらは、複雑なパターンで発現され、他の組織における効果に潜在的に寄与し得る。例えば、ジヒドロセラミドは、造血幹細胞において重要な役割を果たすので、HNF4αを標的とすることによってNAFLDなどの特定の疾患に罹患している器官に対する活性を主に制約することにより、望ましくない副作用を潜在的に回避することができる。将来の研究の興味深い分野は、S1P受容体がどのように脂質小胞にシグナル伝達してリポファジーを促進するかを決定することであろう。
【0178】
上記のモデルは、内因性HNF4αアゴニストの存在を必要とせず、そのようなアゴニストは、見出されていない。むしろ、HNF4αは、リガンド結合の非存在下で高レベルの基底活性を示すようであり、脂肪酸は内因性アンタゴニストとして作用する。HNF4αアゴニストとしてのNCTの高い効力は、内因性脂肪の高い病理学的レベルにもかかわらず、リポファジーの活性化を可能にする。脂肪酸がHNF4α活性を調節するという知見は、HNF4αがリポファジーを調節するという知見と相まって、HNF4αが摂食条件下で高レベルの摂取脂肪によって抑制されるモデルを支持する。これは、肝臓リポファジーの抑制およびあらゆる利用可能な脂肪の貯蔵をもたらす。飢餓条件下では、HNF4αは、リノール酸について見出されるように結合脂肪を有さず、したがって、より活性であり、これは肝臓リポファジーの増加および貯蔵された脂肪の放出をもたらす。高レベルの食餌脂肪の摂取は、HNF4α活性の構成的下方制御をもたらし、したがって肝脂肪症をもたらす。
【0179】
肝脂肪症に加えて、HNF4αは、HNF4αが2型糖尿病を含めて高いHNF4α発現を有する組織に影響を及ぼすいくつかの他の疾患に関係しており、HNF4αは、いくつかのGWAS研究において2型糖尿病遺伝子であることが見出されている。HNF4αのハプロ不全は、糖尿病の遺伝子型であるMODY1を引き起こす。
【0180】
したがって、HNF4aアゴニストは、NAFLDに加えて他の状況において有益であり得る。注目すべきことに、肝脂肪症およびその結果としての肝インスリン抵抗性は、T2D病理発生において重要な役割を果たすので、NAFLDの改良は、膵島に対するいかなる効果とも無関係に糖尿病に対して有益な効果を有し得る。腸において、HNF4αは、GWAS研究によって炎症性腸疾患に関係している。有意なHNF4α発現の部位は、腎臓であり、肥満は、腎疾患発症の強い危険因子である。したがって、HNF4αの薬理学的活性化は、肝臓以外の器官に影響を及ぼす疾患において有用であり得る。ここで研究されるHNF4α活性化因子であるNCTおよびNFTは、インスリンプロモーターを活性化するそれらのそれぞれの能力が異なる。
【0181】
本開示は、多くの実施形態を説明するために肯定的な文言を使用して本明細書で一般的に説明される。本開示はまた、物質もしくは材料、方法ステップおよび条件、プロトコル、または手順などの主題が完全にまたは部分的に除外される実施形態を含む。特許請求される主題の範囲から逸脱することなく、上記の方法および構造に対して様々な他の省略、追加、および修正を行うことができる。そのような修正および変更はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、主題の範囲内に含まれることが意図されている。
【0182】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へと変換することができる。様々な単数/複数の置換は、明確にするために本明細書に明示的に記載され得る。
【0183】
一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、一般に、(例えば、「含む(including)」という用語は、「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきである、などである)「オープン」用語として意図されることが当業者によって理解されよう。特定の数の導入された請求項の記載が意図される場合、そのような意図は、請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記載を導入するための導入句「少なくとも1つ」および「1つ以上」の使用を含有することができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の記載を含有する任意の特定の請求項を、同じ請求項が導入句「1つ以上」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合であっても、1つのそのような列挙のみを含有する実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではなく、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。加えて、導入された請求項の記載の特定の数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載が少なくとも記載された数(例えば、他の修飾語を含まない「2つの記載」のありのままの記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者がその慣例を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、BおよびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者がその慣例を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、BおよびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の選言的な単語および/または語句は、明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれかにかかわらず、用語のうちの1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を考慮すると理解されるべきであることが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。
【0184】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても記載されていることを認識するであろう。
【0185】
当業者によって理解されるように、任意のおよびすべての目的のために、例えば書面による説明を提供することに関して、本明細書に開示されるすべての範囲はまた、任意のおよびすべての可能な部分範囲およびその部分範囲の組み合わせを包含する。列挙された範囲はいずれも、同じ範囲を少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割することを十分に説明し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」などのすべての言語は、記載された数を含み、上で考察したように部分範囲に後で分割することができる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、個々の各部材を含む。したがって、例えば、1~3つの物品を有する群は、1、2、または3つの物品を有する群を指す。同様に、1~5つの物品を有する基は、1、2、3、4または5つの物品を有する基などを指す。
【0186】
様々な態様および実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様および実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例示の目的のためのものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
【国際調査報告】