(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】オストミーシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522990
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 US2021071891
(87)【国際公開番号】W WO2022082215
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509146126
【氏名又は名称】コンバテック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONVATEC TECHNOLOGIES INC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ファーン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ラミレス-アジャラ デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ケーファー,サブリナ
(72)【発明者】
【氏名】ドロフィーヴァ,イリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ユスチャク,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ババラジュ,ナレシュ
(72)【発明者】
【氏名】シャキール,アシフ
(72)【発明者】
【氏名】ワッデル,ジャニーヌ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC18
4C098CD01
4C098CD10
(57)【要約】
オストミーシステムのメンテナンスバッグは、新たなユーザに通常使用される診断的または分析的なオストミーバッグよりも少ないセンサを含むことができる。メンテナンスバッグは、バッグの充填レベルを検出するためのセンサおよび電子機器を含むことができる。メンテナンスバッグはまた、排水事象を検出し、ユーザがバッグの在庫を追跡するのを補助することができるバッグシール機構を含むことができる。オストミーバッグと共に使用することができるウエハは、流出物の漏れを検出するように構成された漏れセンサを含むことができる。ウエハはまた、炎症を検出するように構成された温度センサを含むことができる。ウエハは、特定のユーザとより良好に適合するための凸状界面をさらに含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミーバッグであって、
バッグ層の縁部の一部の周りで互いに恒久的に接合された2つのバッグ層であって、前記バッグ層の前記縁部の残りの部分は、排水開口部を画定するために開いたままであり、前記バッグ層のうちの第1のものは、ユーザの皮膚に向いて配置されるように構成され、前記バッグ層のうちの第2のものは、前記バッグ層のうちの前記第1のものが前記ユーザの前記皮膚に向くときに前記ユーザから外方に向くように構成される、2つのバッグ層、
第1の壁におけるストーマ開口部であって、前記ユーザのストーマの周囲に配置され、前記ストーマからの流出物を受けるように構成されたストーマ開口部、および
可撓性センサ層であって、ハードウェアプロセッサとコイン型電池とを含み、前記ハードウェアプロセッサが前記コイン型電池によって補助される、可撓性センサ層、を含む、オストミーバッグ。
【請求項2】
前記コイン型電池が、導電性接着剤によって前記ハードウェアプロセッサおよび/または前記センサ層に取り付けられる、請求項1に記載のオストミーバッグ。
【請求項3】
前記ハードウェアプロセッサの少なくとも一部が、前記コイン型電池の中心の近くに配置されて、前記オストミーバッグが屈曲している間構成要素が外れるのを低減する、請求項1または2に記載のオストミーバッグ。
【請求項4】
前記センサ層がプリント回路基板を含まない、請求項1~3のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項5】
前記ハードウェアプロセッサが、前記センサ層のユーザに向いている側に配置され、前記コイン型電池が、前記ユーザの外方に向く前記センサ層の反対側にある、請求項1~4のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項6】
前記センサ層が、前記センサ層の可撓性を改善するための複数の開口部を含む、請求項1~5のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項7】
前記センサ層が、複数の温度センサをさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項8】
前記温度センサが、アレイまたはマトリックスに配置されている、請求項7に記載のオストミーバッグ。
【請求項9】
前記ハードウェアプロセッサが、前記温度センサからの信号に少なくとも部分的に基づいて、前記バッグの充填レベルまたは出力量を検出するように構成される、請求項7または8に記載のオストミーバッグ。
【請求項10】
前記センサ層が、前記ストーマを観察するための観察ウィンドウを画定するように構成される切り欠き部分またはスロットを含む、請求項1~9のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項11】
前記バッグの最外層が、前記切り欠き部分またはスロットと位置合わせされる間隙または開口部を含む、請求項10に記載のオストミーバッグ。
【請求項12】
前記バッグ層の両側に快適層をさらに含み、前記快適層が前記バッグの最外層を画定する、請求項1~11のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項13】
前記センサ層が、前記快適層のうちの1つと前記第2のバッグ層との間に配置される、請求項12に記載のオストミーバッグ。
【請求項14】
前記センサ層が、透明なプロテクタ層によって前記快適層のうちの前記1つから保護される、請求項13に記載のオストミーバッグ。
【請求項15】
所定の数の新たなオストミーバッグを含むオストミーキットのオストミーバッグであって、
バッグ層の縁部の一部の周りで互いに恒久的に接合された2つのバッグ層であって、前記バッグ層の前記縁部の残りの部分は、排水開口部を画定するために開いたままであり、前記バッグ層のうちの第1のものは、ユーザの皮膚に向いて配置されるように構成され、前記バッグ層のうちの第2のものは、前記バッグ層のうちの前記第1のものが前記ユーザの前記皮膚に向くときに前記ユーザから外方に向くように構成される、2つのバッグ層、
前記第1のバッグ層におけるストーマ開口部であって、前記ユーザのストーマの周囲に配置され、前記ストーマからの流出物を受けるように構成されたストーマ開口部、
前記排水開口部の近くに配置されたコネクタであって、前記ユーザの皮膚に向く前記バッグの第1の側の第1の部分と、前記ユーザから外方に向く前記バッグの反対側の第2の側に配置された第2の部分とを備え、前記第1および第2の部分が互いに相補的であり、それにより、前記排水開口部の近くの前記バッグの一部が折り畳まれたとき、前記第1の部分を前記第2の部分の上に解放可能に固定して前記バッグを密封することができる、コネクタ、
ハードウェアプロセッサ、および
センサ層であって、前記排水開口部の近くにセンサを含み、前記センサは、前記第1の部分が前記コネクタの前記第2の部分に初めて取り付けられたときに前記プロセッサに信号を出力するように構成され、前記ハードウェアプロセッサは、前記センサからの前記信号に応答して前記オストミーバッグが使用されたというメッセージをリモートサーバに無線通信するように構成され、前記リモートサーバのプロセッサは、前記メッセージに応答して前記所定の数の新たなオストミーバッグを1つ減少させるように構成される、センサ層を含む、オストミーバッグ。
【請求項16】
前記バッグの前記ハードウェアプロセッサまたは前記リモートサーバの前記プロセッサが、前記キットに残っている新たなオストミーバッグの前記数が閾値まで減少したときに前記ユーザに警告するように構成される、請求項15に記載のオストミーバッグ。
【請求項17】
前記バッグの前記ハードウェアプロセッサまたは前記リモートサーバの前記プロセッサが、前記キットに残っている新たなオストミーバッグの前記数が閾値に達したことに応答して、前記ユーザに新たなオストミーバッグを注文するように促すようにさらに構成される、請求項16に記載のオストミーバッグ。
【請求項18】
前記バッグの前記ハードウェアプロセッサまたは前記リモートサーバの前記プロセッサが、前記キットに残っている新たなオストミーバッグの前記数が閾値に達したことに応答して、新たなオストミーバッグの注文を自動的に開始するようにさらに構成される、請求項16に記載のオストミーバッグ。
【請求項19】
前記センサが、排水事象を検出するために、前記コネクタの前記第2の部分から前記第1の部分がその後外れることを検出するようにさらに構成される、請求項15~18のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項20】
前記バッグの前記ハードウェアプロセッサまたは前記リモートサーバの前記プロセッサが、排水事象の前記数の傾向を検出するように構成される、請求項19に記載のオストミーバッグ。
【請求項21】
前記バッグの前記ハードウェアプロセッサまたは前記リモートサーバの前記プロセッサが、前記ユーザの排水事象が前記傾向から判定されたベースラインから増加または減少したときに警告を出力するように構成される、請求項20に記載のオストミーバッグ。
【請求項22】
前記コネクタが金属性構成要素を含む、請求項15~21のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項23】
前記センサが、1つまたは複数の電極を含む、請求項22に記載のオストミーバッグ。
【請求項24】
前記1つまたは複数の電極は、前記センサ層の排水タブに配置され、前記排水タブは、前記センサ層の本体から離れて前記バッグの前記排水開口部に向かって延在する、請求項23に記載のオストミーバッグ。
【請求項25】
前記1つまたは複数の電極が、前記センサ層のユーザに向いている側に配置される、請求項23または24に記載のオストミーバッグ。
【請求項26】
前記1つまたは複数の電極は、前記センサ層の前記ユーザから外方に向いている側に配置される、請求項23~25のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項27】
前記バッグ層の両側に快適層をさらに含み、前記快適層が前記バッグの最外層を画定する、請求項15~26のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項28】
前記センサ層が、前記快適層のうちの1つと前記第2のバッグ層との間に配置される、請求項27に記載のオストミーバッグ。
【請求項29】
前記センサ層が、透明なプロテクタ層によって前記快適層のうちの前記1つから保護される、請求項28に記載のオストミーバッグ。
【請求項30】
前記コネクタの前記第1の部分が、前記透明なプロテクタ層のユーザに向いている側に配置される、請求項29に記載のオストミーバッグ。
【請求項31】
前記コネクタが、インターロックジッパーを含む、請求項15~30のいずれかに記載のオストミーバッグ。
【請求項32】
ユーザにオストミーバッグを連結するように構成されたオストミーウエハであって、
リング状の本体と、前記本体から半径方向内側に延在する複数の内側フィンガとを少なくとも部分的に含むセンサ層、
前記複数の内側フィンガに配置された複数のセンサであって、漏れセンサおよび温度センサを含む複数のセンサ、および
ハードウェアプロセッサであって、前記複数のセンサのうちの1つまたは複数からの信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ皮膚温度または流出物の漏れのうちの少なくとも1つを検出するように構成されたハードウェアプロセッサを含む、オストミーウエハ。
【請求項33】
前記複数のセンサに電力を供給するように構成されたバッテリをさらに含む、請求項32に記載のオストミーウエハ。
【請求項34】
前記複数の漏れセンサは、4つの象限に分離されるように構成される、請求項32または33に記載のオストミーウエハ。
【請求項35】
各漏れセンサが、接地電極および検知電極を含む、請求項32~34のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項36】
各漏れセンサは、前記内側フィンガのうちの1つに配置され、前記接地電極は、前記検知電極よりも前記フィンガのうちの1つの先端からさらに遠く離れている、請求項35に記載のオストミーウエハ。
【請求項37】
前記複数の内側フィンガは、複数の検知領域を形成し、各検知領域は、漏れセンサを有する2つの内側フィンガの間に温度センサを有する1つの内側フィンガを含む、請求項32~36のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項38】
前記ハードウェアプロセッサが、前記内側フィンガの前記温度センサからの信号に少なくとも部分的に基づいて前記ユーザの炎症を検出するように構成される、請求項32~37のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項39】
前記本体から半径方向外側に延在する外側フィンガをさらに含む、請求項32~38のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項40】
前記外側フィンガに配置された複数の温度センサをさらに含む、請求項39に記載のオストミーウエハ。
【請求項41】
前記ハードウェアプロセッサが、前記外側フィンガの前記複数の温度センサからの信号に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの身体からの前記ウエハの剥離を検出するように構成される、請求項40に記載のオストミーウエハ。
【請求項42】
加速度計をさらに含む、請求項32~41のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項43】
前記ハードウェアプロセッサが、前記漏れおよび/または温度センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号と、前記加速度計からのデータとに基づいて、漏れおよび/または炎症の位置を判定するようにさらに構成される、請求項42に記載のオストミーウエハ。
【請求項44】
ユーザにオストミーバッグを連結するように構成されたオストミーウエハであって、
前記ウエハのストーマ開口部を取り囲む複数の漏れセンサを含むセンサ層であって、前記複数の漏れセンサは、前記ストーマ開口部の中心からほぼ等しい距離離れている、センサ層、および
ハードウェアプロセッサであって、前記複数の漏れセンサのうちの1つまたは複数からの信号に少なくとも部分的に基づいて流出物の漏れを検出するように構成され、前記漏れセンサが、開回路構成にあり、水分または液体との接触が、漏れ検出回路を完成させるように構成される、ハードウェアプロセッサ、を含む、オストミーウエハ。
【請求項45】
前記ハードウェアプロセッサが、閉回路にある少なくとも1つの漏れセンサの位置に少なくとも部分的に基づいて漏れの位置を判定するように構成される、請求項44に記載のオストミーウエハ。
【請求項46】
前記ハードウェアプロセッサが、いずれかの漏れセンサまたはいずれかの漏れセンサのグループが閉回路にあるかどうかを判定するために、1つまたは複数の漏れセンサの電圧の値を受信するように構成される、請求項44または45に記載のオストミーウエハ。
【請求項47】
前記ハードウェアプロセッサが、前記電圧の値をバッテリ電圧の値によって正規化するように構成される、請求項46に記載のオストミーウエハ。
【請求項48】
前記ハードウェアプロセッサが、いずれかの漏れセンサまたはいずれかの漏れセンサのグループが閉回路にあるかどうかを判定するために前記電圧の値の変化率を判定するようにさらに構成される、請求項46または47に記載のオストミーウエハ。
【請求項49】
前記ハードウェアプロセッサが、前記ユーザの発汗または流出物の漏れに起因する水分を区別するようにさらに構成される、請求項46~48のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項50】
前記複数の漏れセンサは、4つのグループに分離されるように構成される、請求項46~49のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項51】
加速度計をさらに含む、請求項44~50のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項52】
前記ハードウェアプロセッサが、前記漏れセンサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号および前記加速度計からのデータに基づいて漏れの位置および/または方向を判定するようにさらに構成される、請求項51に記載のオストミーウエハ。
【請求項53】
ユーザ接着層をさらに備え、前記ユーザ接着層が、前記漏れセンサのうちの1つまたは複数と重なるように構成された1つまたは複数の開口部を含む、請求項44~52のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項54】
前記1つまたは複数の開口部は、前記漏れセンサの外径よりも長い内径を有する、請求項53に記載のオストミーウエハ。
【請求項55】
ユーザにオストミーバッグを連結するように構成されたオストミーウエハであって、
前記ウエハのストーマ開口部を取り囲む複数の温度センサを含むセンサ層であって、前記複数の温度センサは、4つの象限に分離されるように構成される、センサ層、および
ハードウェアプロセッサであって、前記複数の温度センサのうちの1つまたは複数からの信号に少なくとも部分的に基づいて炎症を検出するように構成され、同じ象限の前記温度センサの平均温度を判定するように構成されている、ハードウェアプロセッサ、を含む、オストミーウエハ。
【請求項56】
前記ハードウェアプロセッサが、同じ象限の前記温度センサの短期平均温度と長期平均温度との間の差を計算するようにさらに構成される、請求項55に記載のオストミーウエハ。
【請求項57】
前記ハードウェアプロセッサが、前記短期および長期平均温度との間の差の変化率を計算するようにさらに構成される、請求項56に記載のオストミーウエハ。
【請求項58】
前記センサ層は、少なくとも部分的に、リング状の本体と、前記本体から半径方向内側に延びる複数のフィンガとを備え、前記複数の温度センサは、前記複数のフィンガに配置される、請求項55~57のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項59】
加速度計をさらに含む、請求項55~58のいずれかに記載のオストミーウエハ。
【請求項60】
前記ハードウェアプロセッサが、前記温度センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号と、前記加速度計からのデータとに基づいて、炎症の位置を判定するようにさらに構成される、請求項59に記載のオストミーウエハ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
優先権出願の参照による組込み
本願と共に提出された出願データシートにおいて外国または国内の優先権主張が特定されているすべての出願は、37 CFR 1.57の下で、参照により本明細書に組み込まれる。本願は2020年10月15日に出願された米国仮出願第63/092,437号の優先権の利益を主張し、この全体は参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部と見なされるべきである。
【0002】
関連出願
本願は、米国特許出願公開第2019/0133810号明細書、第2019/0133811号明細書、第2019/0133812号明細書、および第2020/0188161号明細書に関連する。各関連出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部と見なされるべきである。本願に記載された実施形態は、関連出願に記載された実施形態と適合し、その一部とすることができ、本願に記載された特徴の一部またはすべてを、関連出願に記載された特徴のいずれかと一緒に使用する、さもなければ共に組み合わせることができる。
【技術分野】
【0003】
本開示は、センサおよび任意選択で電子機器を含むことができるいくつかの異なる例示的なオストミーバッグおよびウエハを記載する。
【背景技術】
【0004】
オストミーバッグは、とりわけ癌、外傷、炎症性腸疾患(IBD)、腸閉塞、感染症および便失禁を含む医学的問題のために排泄物を自然に排出することができない患者から人間の排泄物(便、尿、またはその両方のいずれか)を収集する医療バッグであり得る。そのような場合、外科的処置が行われ、それによって排泄物の通路が作成される。この排泄物の通路は、尿管(ウロストミーと呼ばれる)、小腸もしくは回腸(イレオストミーと呼ばれる、小腸の一部)、または大腸もしくは結腸(大腸の一部である、コロストミーと呼ばれる)であり得、これは腹壁の人工開口部に迂回させ、そのため特定の内部解剖学的構造の一部が体壁の外側に部分的に位置することになり得る。この処置はオストミーと呼ぶことができ、身体の外側に見える排泄物の通路の部分はストーマと呼ぶことができる。
【0005】
オストミーシステムは、別個のウエハおよびバッグ(したがって、アタッチメントまたはフランジなどの連結機構を含む)を含むことができる。バッグは、ユーザの身体からウエハを取り外す必要なく配置することができる。
【発明の概要】
【0006】
本開示によるオストミーバッグは、バッグ層の縁部の一部の周りで互いに恒久的に接合された2つのバッグ層であって、バッグ層の縁部の残りの部分は、排水開口部を画定するために開いたままであり、バッグ層のうちの第1のものは、ユーザの皮膚に向いて配置されるように構成され、バッグ層のうちの第2のものは、バッグ層のうちの第1のものがユーザの皮膚に向いているときにユーザから外方に向くように構成される、2つのバッグ層、第1の壁におけるストーマ開口部であって、ユーザのストーマの周囲に配置され、ストーマからの流出物を受けるように構成されたストーマ開口部、および可撓性センサ層であって、ハードウェアプロセッサとコイン型電池とを含み、ハードウェアプロセッサがコイン型電池によって補助される、可撓性センサ層を備え得る。
【0007】
一構成において、オストミーバッグのコイン型電池は、導電性接着剤によってハードウェアプロセッサおよび/またはセンサ層に取り付けられ得る。
【0008】
一構成において、ハードウェアプロセッサの少なくとも一部が、コイン型電池の中心の近くに配置され得て、オストミーバッグが屈曲している間構成要素が外れるのを低減する。
【0009】
一構成において、センサ層は、プリント回路基板を含まなくてもよい。
【0010】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、センサ層のユーザに向いている側に配置され得て、コイン型電池が、ユーザの外方に向くセンサ層の反対側にある。
【0011】
一構成では、センサ層は、センサ層の可撓性を改善するための複数の開口部を備え得る。
【0012】
一構成において、センサ層は、複数の温度センサをさらに備え得る。
【0013】
一構成において、温度センサは、アレイまたはマトリックスに配置され得る。
【0014】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、温度センサからの信号に少なくとも部分的に基づいて、バッグの充填レベルまたは出力量を検出するように構成され得る。
【0015】
一構成において、センサ層が、ストーマを観察するための観察ウィンドウを画定するように構成される切り欠き部分またはスロットを備え得る。
【0016】
一構成において、バッグの最外層が、切り欠き部分またはスロットと位置合わせされる間隙または開口部を含み得る。
【0017】
一構成において、オストミーバッグは、バッグ層の両側に快適層をさらに備え得て、快適層がバッグの最外層を画定する。
【0018】
一構成において、センサ層が、快適層のうちの1つと第2のバッグ層との間に配置され得る。
【0019】
一構成において、センサ層は、透明なプロテクタ層によって快適層のうちの1つから保護され得る。
【0020】
本開示によるオストミーバッグは、所定の数の新たなオストミーバッグを含むオストミーキットの一部であり得る。オストミーバッグは、バッグ層の縁部の一部の周りで互いに恒久的に接合された2つのバッグ層であって、バッグ層の縁部の残りの部分は、排水開口部を画定するために開いたままであり、バッグ層のうちの第1のものは、ユーザの皮膚に向いて配置されるように構成され、バッグ層のうちの第2のものは、バッグ層のうちの第1のものがユーザの皮膚に向くときにユーザから外方に向くように構成される、2つのバッグ層、第1のバッグ層におけるストーマ開口部であって、ユーザのストーマの周囲に配置され、ストーマからの流出物を受けるように構成されたストーマ開口部、排水開口部の近くに配置されたコネクタであって、ユーザの皮膚に向くバッグの第1の側の第1の部分と、ユーザから外方に向くバッグの反対側の第2の側に配置された第2の部分とを備え、第1および第2の部分が互いに相補的であり、それにより、排水開口部の近くのバッグの一部が折り畳まれたとき、第1の部分を第2の部分の上に解放可能に固定してバッグを密封することができる、コネクタ、ハードウェアプロセッサ、およびセンサ層であって、排水開口部の近くにセンサを含み、センサは、第1の部分がコネクタの第2の部分に初めて取り付けられたときにプロセッサに信号を出力するように構成され、ハードウェアプロセッサは、センサからの信号に応答してオストミーバッグが使用されたというメッセージをリモートサーバに無線通信するように構成され、リモートサーバのプロセッサは、メッセージに応答して所定の数の新たなオストミーバッグを1つ減少させるように構成される、センサ層を備え得る。
【0021】
一構成において、バッグのハードウェアプロセッサまたはリモートサーバのプロセッサが、キットに残っている新たなオストミーバッグの数が閾値まで減少したときにユーザに警告するように構成され得る。
【0022】
一構成において、バッグのハードウェアプロセッサまたはリモートサーバのプロセッサが、キットに残っている新たなオストミーバッグの数が閾値に達したことに応答して、ユーザに新たなオストミーバッグを注文するように促すようにさらに構成され得る。
【0023】
一構成において、バッグのハードウェアプロセッサまたはリモートサーバのプロセッサが、キットに残っている新たなオストミーバッグの数が閾値に達したことに応答して、新たなオストミーバッグの注文を自動的に開始するようにさらに構成され得る。
【0024】
一構成において、センサが、排水事象を検出するために、コネクタの第2の部分から第1の部分がその後外れることを検出するようにさらに構成され得る。
【0025】
一構成において、バッグのハードウェアプロセッサまたはリモートサーバのプロセッサが、排水事象の数の傾向を検出するように構成され得る。
【0026】
一構成において、バッグのハードウェアプロセッサまたはリモートサーバのプロセッサが、ユーザの排水事象が傾向から判定されたベースラインから増加または減少したときに警告を出力するように構成され得る。
【0027】
一構成において、コネクタは、金属性構成要素を備え得る。
【0028】
一構成において、センサは、1つまたは複数の電極を備え得る。
【0029】
一構成において、1つまたは複数の電極は、センサ層の排水タブに配置され得、排水タブは、センサ層の本体から離れてバッグの排水開口部に向かって延在する。
【0030】
一構成において、1つまたは複数の電極は、センサ層のユーザに向いている側に配置され得る。
【0031】
一構成において、1つまたは複数の電極は、センサ層のユーザから外方に向いている側に配置され得る。
【0032】
一構成において、オストミーバッグは、バッグ層の両側に快適層をさらに備え得て、快適層がバッグの最外層を画定する。
【0033】
一構成において、センサ層が、快適層のうちの1つと第2のバッグ層との間に配置され得る。
【0034】
一構成において、センサ層は、透明なプロテクタ層によって快適層のうちの1つから保護され得る。
【0035】
一構成において、コネクタの第1の部分が、透明なプロテクタ層のユーザに向いている側に配置され得る。
【0036】
一構成において、コネクタは、インターロックジッパーを備え得る。
【0037】
本開示によるオストミーウエハは、オストミーバッグをユーザに連結するように構成され得る。ウエハは、リング状の本体と、本体から半径方向内側に延在する複数の内側フィンガとを少なくとも部分的に含むセンサ層、複数の内側フィンガに配置された複数のセンサであって、漏れセンサおよび温度センサを含む複数のセンサ、およびハードウェアプロセッサであって、複数のセンサのうちの1つまたは複数からの信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ皮膚温度または流出物の漏れのうちの少なくとも1つを検出するように構成されたハードウェアプロセッサを備え得る。
【0038】
一構成において、オストミーウエハは、複数のセンサに電力を供給するように構成されたバッテリをさらに備え得る。
【0039】
一構成において、複数の漏れセンサは、4つの象限に分離されるように構成され得る。
【0040】
一構成において、各漏れセンサは、接地電極および検知電極を備え得る。
【0041】
一構成において、各漏れセンサは、内側フィンガのうちの1つに配置され得、接地電極は、検知電極よりもフィンガのうちの1つの先端からさらに遠く離れている。
【0042】
一構成において、複数の内側フィンガは、複数の検知領域を形成し得、各検知領域は、漏れセンサを有する2つの内側フィンガの間に温度センサを有する1つの内側フィンガを含む。
【0043】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、内側フィンガの温度センサからの信号に少なくとも部分的に基づいてユーザの炎症を検出するように構成され得る。
【0044】
一構成において、オストミーウエハセンサ層は、本体から半径方向外側に延在する外側フィンガをさらに備え得る。
【0045】
一構成において、オストミーウエハは、外側フィンガに配置された複数の温度センサをさらに備え得る。
【0046】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、外側フィンガの複数の温度センサからの信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの身体からのウエハの剥離を検出するように構成され得る。
【0047】
一構成において、オストミーウエハは、加速度計をさらに備え得る。
【0048】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、漏れおよび/または温度センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号と、加速度計からのデータとに基づいて、漏れおよび/または炎症の位置を判定するようにさらに構成され得る。
【0049】
本開示によるオストミーウエハは、オストミーバッグをユーザに連結するように構成され得る。ウエハは、ウエハのストーマ開口部を取り囲む複数の漏れセンサを含むセンサ層であって、複数の漏れセンサは、ストーマ開口部の中心からほぼ等しい距離離れている、センサ層、およびハードウェアプロセッサであって、複数の漏れセンサのうちの1つまたは複数からの信号に少なくとも部分的に基づいて流出物の漏れを検出するように構成され、漏れセンサが、開回路構成にあり、水分または液体との接触が、漏れ検出回路を完成させるように構成される、ハードウェアプロセッサを備え得る。
【0050】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、閉回路にある少なくとも1つの漏れセンサの位置に少なくとも部分的に基づいて漏れの位置を判定するように構成され得る。
【0051】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、いずれかの漏れセンサまたはいずれかの漏れセンサのグループが閉回路にあるかどうかを判定するために、1つまたは複数の漏れセンサの電圧の値を受信するように構成され得る。
【0052】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、電圧の値をバッテリ電圧の値によって正規化するように構成され得る。
【0053】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、いずれかの漏れセンサまたはいずれかの漏れセンサのグループが閉回路にあるかどうかを判定するために電圧の値の変化率を判定するようにさらに構成され得る。
【0054】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、ユーザの発汗または流出物の漏れに起因する水分を区別するようにさらに構成され得る。
【0055】
一構成において、複数の漏れセンサは、4つのグループに分離されるように構成され得る。
【0056】
一構成において、オストミーウエハは、加速度計を備え得る。
【0057】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、漏れセンサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号および加速度計からのデータに基づいて漏れの位置および/または方向を判定するようにさらに構成され得る。
【0058】
一構成において、オストミーウエハは、ユーザ接着層をさらに備え得、ユーザ接着層が、漏れセンサのうちの1つまたは複数と重なるように構成された1つまたは複数の開口部を含む。
【0059】
一構成において、1つまたは複数の開口部は、漏れセンサの外径よりも長い内径を有し得る。
【0060】
本開示によるオストミーウエハは、オストミーバッグをユーザに連結するように構成され得る。ウエハは、ウエハのストーマ開口部を取り囲む複数の温度センサを含むセンサ層であって、複数の温度センサは、4つの象限に分離されるように構成される、センサ層、およびハードウェアプロセッサであって、複数の温度センサのうちの1つまたは複数からの信号に少なくとも部分的に基づいて炎症を検出するように構成され、同じ象限の温度センサの平均温度を判定するように構成され得る、ハードウェアプロセッサを備え得る。
【0061】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、同じ象限の温度センサの短期平均温度と長期平均温度との間の差を計算するようにさらに構成され得る。
【0062】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、短期および長期平均温度との間の差の変化率を計算するようにさらに構成され得る。
【0063】
一構成において、センサ層は、少なくとも部分的に、リング状の本体と、本体から半径方向内側に延びる複数のフィンガとを備え、複数の温度センサは、複数のフィンガに配置され得る。
【0064】
一構成において、オストミーウエハは、加速度計をさらに備え得る。
【0065】
一構成において、ハードウェアプロセッサが、温度センサのうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの信号と、加速度計からのデータとに基づいて、炎症の位置を判定するようにさらに構成され得る。
【0066】
様々な実施形態が、例示を目的として添付の図面に示されており、決して実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、異なる開示された実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加の実施形態を形成することができる。対応する数字は対応する部分を示す。図面の任意の寸法は例示的な寸法であり、限定することを意味するものではない。オストミーシステムに関して、前側は、ユーザの身体から外方を向く側であり、裏側は、ユーザの身体に向く側である。オストミーバッグの例の任意の特徴は、本明細書に開示されるオストミーバッグの任意の他の例に組み込むことができる。オストミーウエハの例の任意の特徴は、本明細書に開示される任意の他のオストミーウエハの例に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】プリント回路基板(PCB)を含まないオストミーシステムの例示的なオストミーバッグの分解図を示す。
【
図2A】明瞭にするために様々な構成要素が隠されている、
図1の例示的なオストミーバッグの正面図を示す。
【
図2B】明瞭にするために様々な構成要素が隠されている、
図1の例示的なオストミーバッグの正面図を示す。
【
図3A】
図1の例示的なオストミーバッグの背面図を示す。
【
図3B】
図1のオストミーバッグのバッグシール機構の詳細な図を示す。
【
図4】
図1の例示的なオストミーバッグの上面図を示す。
【
図5A】
図1のオストミーバッグの例示的なセンサ層の背面図を示す。
【
図5B】
図1のオストミーバッグの例示的なセンサ層の正面図を示す。
【
図6A】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の背面図を示す。
【
図6B】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の正面図を示す。
【
図7A】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の背面図を示す。
【
図7B】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の正面図を示す。
【
図8A】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の背面図を示す。
【
図8B】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の正面図を示す。
【
図9A】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の背面図を示す。
【
図9B】オストミーバッグのセンサ層の他の様々な構成の正面図を示す。
【
図10A】プリント回路基板(PCB)を有さない別の例示的なオストミーバッグの背面図を示す。
【
図10B】プリント回路基板を有さない別の例示的なオストミーバッグの斜視図を示す。
【
図10C】プリント回路基板を有さない別の例示的なオストミーバッグの分解図を示す。
【
図11A】オストミーシステムの例示的なウエハまたはベースプレートの正面図を示す。
【
図12A】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図12B】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図13A】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図13B】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図14A】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図14B】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図15A】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図15B】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図16A】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図16B】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図16C】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図17A】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図17B】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図17C】オストミーシステムのウエハまたはベースプレートの例示的なセンサ層の様々な構成を示す。
【
図18A】本開示のウエハの例示的な漏れセンサの様々な構成を示す。
【
図18B】本開示のウエハの例示的な漏れセンサの様々な構成を示す。
【
図19】例示的な凸状ウエハまたはベースプレートを示す。
【
図20A】オストミーバッグの開口部を密封するための例示的なジッパー構成を示す。
【
図21A】
図1のバッグの例示的なバッグ連結構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
当業者は、本明細書の開示に基づいて、本開示が具体的に開示された実施形態および/または使用ならびにそれらの明白な修正および均等物を超えて拡張されることを理解するであろう。そのため、本開示の範囲は、本明細書に記載の任意の特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0069】
本開示によるオストミーバッグは、センサ、バイオマーカー(例えば、癌細胞、血液などのもの)、および/または電子機器の任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの構成では、医療キットは、本明細書に開示されるいずれかのオストミーバッグの3つのグループ、診断バッグである第1のオストミーバッグのグループ、分析バッグである第2のオストミーバッグのグループ、およびメンテナンスバッグである第3のオストミーバッグのグループを含むことがある。医療キット内のすべてのオストミーバッグは、流出物とも呼ばれるストーマの出力に関連する1つまたは複数のパラメータを測定するための電子機器およびセンサを含むことができる。バッグは、スマートフォン(例えば、
図11Aに示すように)またはコンピュータなどのユーザデバイスと電気的に通信することができる。ユーザおよび/または臨床医は、オストミーバッグの使用およびユーザのストーマ状態を監視(例えば、遠隔で)することができる。
【0070】
診断バッグは、手術後および退院前に患者が着用することができる。手術直後に患者の様々なパラメータを監視することが、相対的に重要である場合がある。しかしながら、診断バッグは高額なことがある。他のオストミーバッグの構成により、ユーザは、どのセンサが自分の状態に関係するかを選択して、より安価な代替物を得ることが可能になり得る。そのようなバッグの構成は、相対的に少ない、例えば、ストーマの状態に順応し得る進行した患者用の、ウエハおよび/またはバッグ内の温度センサしかないようなギリギリの最小限のセンサを有することができる。診断バッグよりも少ないセンサ、バイオマーカーおよび/または電子機器が付属する分析バッグなどのより単純で安価なオストミーバッグは、出力または流出物の量および漏れを検出することに加えて、バッグの電子ハブまたはバッグのいずれかの場所(例えば、バッグが電子ハブを含まない場合)のカメラおよび/またはマイクロフォンを介して、ストーマ出力、皮膚温度変化(およびそれによる皮膚感染症)、および/またはストーマ/出力画像/音声の段階を監視するために使用することもできる。分析バッグは、手術後の所定の期間、例えば、2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、またはそれらの値の間の任意の範囲、または病院から退院した後に使用することができる。患者はまた、任意選択で、体積および漏れの検出のためのセンサおよび電子機器のみを含むメンテナンスバッグに切り替えることができる。メンテナンスバッグはまた、任意選択で、患者の水分補給または脱水症状を追跡するためのセンサおよび電子機器を含むことができる。患者は、手術後の所定の時間、例えば3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、またはそれらの値の間の任意の範囲にメンテナンスバッグに切り替えることができる。いくつかの実装形態では、医療キットは、診断バッグの1つまたは複数、分析バッグの1つまたは複数、およびメンテナンスバッグの1つまたは複数を含むことができる。
【0071】
本明細書に開示されるオストミーバッグおよびウエハの例は、長期患者(「確立されたオストメイト」としても知られる)であり得る患者ならびに凸状を必要とする患者の必要性に対処することができる。
【0072】
本明細書に開示されるオストミーバッグおよびオストミーウエハの例は、改善されたデータ、洞察、および製品体験をもたらすことによって、オストメイトとしての経験および生活の質、ならびに臨床転帰を改善することができる。
【0073】
本明細書に開示される例示的なオストミーバッグおよびウエハのいくつかの例は、以下の非限定的な特徴のうちの1つまたは複数を含む。
・ 早期介入の機会を提供するためのオストミー機能、器具の使用および皮膚の状態の遠隔および/または継続的な監視。
・ リアルタイムのデータ、および/または臨床医、または医療専門家ではない場合がある別の経験豊富なオストメイトによる患者の指導を利用して、患者が自身の状態をよりよく理解するのを補助する。
・ より良い患者体験を提供する。
【0074】
本明細書に開示されるオストミーバッグの例(「メンテナンスバッグ」とも呼ばれる)は、上述の診断バッグまたは分析バッグなどの既存のオストミーバッグ製品と比較した場合など、以下の非限定的な特徴の1つまたは複数を含むことができる。
・ 既存のオストミーバッグで使用される布地よりも、触れると柔らかく、脱水時間が速く、および/または日常的に着用するためにより高いレベルの快適性をもたらすことができる布地から構成されるバッグ。
・ ストーマをより容易に観察するための視覚化ウィンドウ。
・ より高い快適性および安全性をもたらすが、患者が小さな空間で衛生的かつ簡便に排水するべく操作するのに依然として充分容易である排水閉鎖またはバッグシール機構。
・ より薄く、より柔軟で、離散的である;本明細書に開示されるバッグは、折り畳まれ、ぴったりとした衣服の下に入れられ、または、容易に気付かれることなくおよび/またはその機能に影響を与えることなくオストミーベルトもしくはトラスと共に使用され得る。
・ 本明細書に開示されるバッグは、人工知能支援モニタリング、脱水症状、閉塞、漏出、および皮膚の状態というリスクの追跡を含む、バッグのユーザにとって重要な複数の事象および/または状態を追跡することができる。
・ 本明細書に開示されるバッグは、それらがいつ使用されたかを追跡することができ、使用の追跡を患者に通知することができるので、患者は支給物が足りなくなることを心配する必要がない。
・ 本明細書に開示されるバッグは、大きなストーマを有するユーザであっても安全で快適なシールを設けることができる連結を特徴とすることができる。
・ 小型電子機器のフォームファクタ(例えば、約1cm~約4cmの範囲の最大寸法を有する)
・ より柔軟(例えば、プリント回路基板(PCB)なし)
・ 軽量
・ センサ技術を統合して、オストミーケアのより良い追跡を支援する。
【0075】
メンテナンスバッグは、経験豊富なオストメイト、少なくとも3ヶ月間自分のオストミーを有しており、任意選択で、いつバッグを空にするについて警告される必要がない人物が使用することができる。したがって、メンテナンスバッグは、診断バッグまたは分析バッグよりも大幅に少ない電子機器を収容するのでもよく、患者の衣服の下でより離散的で、より高い可撓性のものにすることができるようにしてもよい。電子機器の機能に影響を与えることなく、バッグを着用者の衣服の下に折り畳むことができる。
【0076】
図1~
図4は、本開示の例示的なメンテナンスバッグ100を示す。バッグ100は、複数の層を含むことができる。層は、バッグ100の開口部142を除いて、周囲に沿って溶接されて溶接シーム140を形成することができる。バッグ100は、ユーザから外方を向くように構成された前面を有することができる。バッグ100は、前面に第1快適層102、103を有することができる。第1快適層102、103の前面は、バッグ100の前面を画定することができる。第1快適層102、103は、任意選択で、
図1に示すように上部102および底部103を含むことができ、または
図10Cに示すように一体部品とすることができる。上部および底部102、103は、間隙または開口部によって分離することができる。
【0077】
バッグ100は、使用中に裏側がユーザに向くように、前面の反対側の背面を有することができる。バッグ100の裏側は、バッグ100を本明細書に開示されるウエハの例または任意の他の適切なウエハなどのウエハまたはベースプレートに連結することができるバッグ連結構成要素104で終端することができる。バッグ100は、バッグ連結構成要素104に隣接する第2快適層106を含むことができる。
【0078】
バッグ100は、第1バッグフィルム108および第2バッグフィルム110によって形成された流出物容器を含むことができる。第2バッグフィルム110は、バッグ連結構成要素104に連結することができる開口部を含むことができる。バッグフィルム108、110は、EVA(エチレン-酢酸ビニル)または任意の他の適切な材料で作ることができる。バッグシール機構は、バッグ100を解放可能に閉鎖または封止することを可能にするために、バッグ開口部142の近くの第1および/または第2バッグフィルム108、110に取り付けることができ、これについては以下により詳細に説明する。バッグシール機構は、流出物容器の延長部109に取り付けることができる。
【0079】
バッグ100は、
図5A~
図9Bを参照して以下により詳細に説明するセンサおよび他の電子機器を含むことができるバッグセンサ層112を含むことができる。センサ層112は、ストーマをより容易に観察するための観察ウィンドウを設けるための切り欠き部分またはスロット114を含むことができる。スロット114は、バッグセンサ層112の上側からバッグ開口部側に向かって延びることができる。スロット114は、ユーザが上部102と底部103との間の上部快適層の間隙または開口部を通してストーマを見ることを可能にするために、バッグ100の長さに沿った長さを有することができる。これにより、ユーザは、ウエハがユーザの身体に接しているときに、より容易にバッグを位置合わせしてウエハに接続することができる。センサ層112は、プラスチックセンサプロテクタ層116によって第1快適層102、103から分離または保護することができる。プラスチックプロテクタ層116は、透明ポリエチレンフィルムであってもよく、または任意の他の適切な透明材料で作製されてもよい。いくつかの例では、バッグ識別タグ136、例えば、バッグのシリアル番号を含むタグ、バーコード、QRコード(登録商標)、RFIDタグなどを、センサプロテクタ層116と第1快適層102、103との間に含めることができる。ユーザは、任意選択でバッグのIDを入力するか、スマートフォンなどのユーザデバイスを使用してタグ136をスキャンすることができる。ユーザ、臨床医、および/またはバッグ製造業者は、入力またはスキャンされたバッグのIDに基づいて使用されたバッグを追跡し、および/またはバッグが本物の製品であるかどうかを判定することができる。
【0080】
バッグ100を閉じるために、ユーザは、最初に、第1シール118が取り付けられたセンサプロテクタ層116の延長部117を上昇させることができる。次いで、ユーザは、第1および第2バッグフィルム108、110の延長部109をバッグ110の前側に向かって3回転がしたり折り曲げたりすることができる。転がすことは、
図3Bの第2バッグフィルム110の延長部109の詳細な図に示すような3つの折り線により、誘導することができる。3ロール後、第2シール120は、今やバッグ100の前側にある。次いで、ユーザは、センサプロテクタ層116の延長部117を下降させて、第1および第2シール118、120を嵌合させてバッグを解放可能に閉じることができる。第1および第2シール118、120は、
図20Aに示すように、2つの相補的なジッパーであってもよい。
図20A~
図20Cのジッパーの設計は3列を示しているが、任意の他の適切な数の列、例えば6列を使用することができる。第1および第2シール118、120のインターロックジッパーは、液密シールを作成することができる。ユーザは、第1および第2シール118、120を互いに押し付けるように圧力を加えることによって、シールを形成することができる。Velcroコネクタ、クリップ、磁石などの任意の他の適切なシール機構または締結具を、第1および第2シールとして使用することができる。
【0081】
バッグ100は、バッグ100の排水事象を識別することができる1つまたは複数の排水検出センサを含むことができる。バッグシール機構は、第2シール120上に延びる金属ストリップ134と、第2シール120に直接隣り合うバックタブ130とを含むことができる。第1および第2バッグフィルム108、110の延長部109をバッグ110の前側に向かって3回転がした後、金属ストリップ134は、センサ層112の1つまたは複数の排水検出センサ1804(
図5A~
図8B参照)に接触することができる。排水検出タブ1804は、金属などの任意の導電性材料で作ることができる。金属ストリップ134と排水検出センサ1804との間の接触は、バッグ100が最初に使用される前に開回路である排水検出回路を完成させることができる。いくつかの例では、第1および第2シール118、120が互いにしっかりとインターロックされている場合にのみ、排水検出回路が完成でき、すなわち、金属ストリップ134が排水検出センサ1804としっかりと接触し得る。
【0082】
排水検出回路は、センサ層112のハードウェアプロセッサ1812(
図5A~
図9B参照)、例えばマイクロプロセッサと、電気的に通信することができる。排水検出回路が初めて閉じられるとき、バッグ100の電子機器を作動させることができ、ハードウェアプロセッサ1812は、バッグ100が密封されて今は使用中であるという指示を出力することができる。オンになると、ハードウェアプロセッサ1812はリモートサーバにデータを送信することができ、リモートサーバは、データパケットが有効である場合にバッグのタイムスタンプをアクティブ化状態で記録することができる。ユーザデバイスのアプリは、タイムスタンプされたアクティブ化状態を使用して、アクティブ化状態にない残りのバッグの数を判定して、残りの在庫を判定することができる。ハードウェアプロセッサ1812によって検出される、排水検出回路のいずれかのその後の遮断、および任意選択で排水検出回路が開いた後の排水検出回路の再閉鎖も、排水事象として推測することができる。これは、ユーザがバッグ100を開いて排水するときに排水検出回路が開になり得、その結果、金属ストリップ134がもはや排水検出センサ1804と接触しなくなるためである。また、ユーザがバッグ100を排水した後にバッグ100を再封止するとき、金属ストリップ134は、排水検出タブ1804との接触を再確立することができる。
【0083】
排水検出回路を使用して、メンテナンスバッグ100は、(1)1日を通して発生する排水事象の数を追跡し、および/または(2)医療キットの残りのバッグの数に関する在庫管理をユーザにもたらすことができる。バッグ100のハードウェアプロセッサ1812は、機械学習を使用して、ユーザが通常1日を通して有する排水の数の傾向を検出することができる。これらの傾向に基づいて、バッグ100は、ユーザの排水が例えばベースラインから特定の割合または所定の閾値だけ増加または減少したときに、ユーザ、ヘルスケアの専門家、またはサービスチームに警告することができる。バッグ100は、例えば、ユーザデバイスのアプリまたは電子メールアドレスにメッセージを出力することによって、警告を送信することができる。さらに、オストミーシステムは、バッグが廃棄され、新しいバッグが起動されたときを検出することができる。バッグのハードウェアプロセッサは、リモートサーバと無線通信して、新しいオストミーバッグが作動されたというメッセージを送信することができる。リモートサーバのプロセッサは、メッセージに応答して、ユーザのキットの新たなオストミーバッグの数を1つ減らすことができる。この新しいバッグの検出は、追加の物資が到着する前に製品が不足し得ることを避けるべくユーザがより多くの製品を注文すべきであるときに、ユーザに警告するためのアプリ内の在庫管理をもたらすことができる。ハードウェアプロセッサ1812またはリモートサーバは、ユーザにさらなるバッグを注文するように促すか、または新しいバッグの注文を自動的に開始することができる。
【0084】
1つまたは複数の排水検出センサ1804は、バッグセンサ層112の下部に配置され得る。
図5A~
図9Bは、オストミーバッグのセンサ層の例示的な構成を示す。
図5A~
図8Bに示すように、1つまたは複数の排水検出センサ1804は、バッグセンサ層112の排水検出タブ1904に配置されてもよい。排水検出タブ1904は、センサ層112の本体からバッグの開口部側に向かって延在し得る。排水検出タブ1904は、バッグフィルム108、110の延長部109がバッグ100の前側に向かって3回折り畳まれた後に、金属ストリップ134との接触領域を最大にするのに適した形状および/または長さを有することができる。
図5A~
図8Bに示すように、排水検出センサ1804は、排水検出タブ1904の長さに沿って延びる2つの平行なストリップを含むことができる。排水検出タブ1904は、オストミーバッグに関する異なる層の上など、異なる向きになるように構成されてもよい。いくつかの例では、排水検出タブ1904は、複数の層に含まれ得る。
図5A~
図6Bに示すように、排水検出センサ1804は、センサ層112の前面の排水検出タブ1904の上にあってもよい。
図7A~
図7Bに示すように、排水検出センサ1804は、センサ層112の裏面の排水検出タブ1904の上にあってもよい。
図8A~
図8Bに示すように、排水検出センサ1804は、センサ層112の前面および裏面の両方の排水検出タブ1904にあってもよく、バッグの排水検出またはバッグシール機構の構成の異なる変形版と、互換性があり得る。
図9A~
図9Bに示すようないくつかの例では、1つまたは複数の排水検出センサ1804は、バッグの開口部側により近いセンサ層912の本体に配置され得る。センサ層912は、
図5A~
図8Bに示すように排水検出タブを有さなくてもよい。
【0085】
図10A~
図10Cは、
図1~
図4に示されるのと同様の層および同様のバッグシール機構を有する別の例示的なオストミーバッグ1000を示し、相違点は
図10A~
図10Cを参照して説明される。
図10Cのセンサ層は、明確にするために視界から隠れている。
図10Cに示すように、センサプロテクタ層1016は、延長部またはタブを含まなくてもよい。むしろ、センサプロテクタ層1016は、バッグ開口部側1042、またはバッグ1000の底面に向かって2つの開口部1917を含むことができる。開口部1017は、
図9A~
図9Bに示すように、2つの排水検出電極1804を露出させることができる。バッグ1000の第1および第2シール1018、1020はジッパーであってもよいが、ジッパーである必要はなく、代替的に、本明細書に開示される任意の解放可能な締結具であってもよい。バッグ1000の金属ストリップ1034は、第2タブの1つとして機能してもよい。バッグフィルム108、110の延長部109が前側(バッグ連結構成要素104と反対に向く側)に向かって3回巻かれ、または折り畳まれると、金属ストリップ1034は、センサプロテクタ層1016の開口部1017によって露出された電極に接触して、排水検出回路を完成させることができる。
【0086】
本明細書に開示されるバッグのセンサ層は、排水事象を検出するために導電性材料と接触したときに閉じることができる開回路の設計に加えて、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、容量性および/またはサーミスタセンサを含むことができる。バッグセンサ層は、マイクロプロセッサに情報を送信するための導電性トレースの代わりに、導電性テープを含むことができる。いくつかの例では、センサは2つ以上のセンサ層に配置することができる。排水検出タブ1804に加えて、バッグセンサ層112、912は、電子機器1812(これは、マイクロプロセッサ、NFCアンテナまたはBluetooth構成要素または他の無線通信ハードウェア、加速度計および/または他の位置/動きセンサ1422、および他の電子構成要素などの少なくとも1つのハードウェアプロセッサを含むことができる)、バッテリ1406、バッテリ接点1408、および1つまたは複数のセンサ1806などの構成要素をさらに含むことができるが、これらに限定されない。加速度計および/または他の位置/動きセンサ1422は、ウエハの姿勢および/または向きならびに/あるいはユーザの姿勢および/または動きを検出することができ、これは、バッグが直立しているか、傾いているか、またはほぼ平らに横たわっているかを示すことができる。電子機器1812および1つまたは複数のセンサ1806は、センサ層112の裏面に配置することができる。バッテリ1406は、センサ層1132の前面に配置することができる。バッテリ1406は、コイン型電池とすることができる。
【0087】
図1~
図10Cに示すバッグ100、1000など、本明細書に開示するメンテナンスバッグには剛性PCBが存在しなくてもよい。むしろ、マイクロプロセッサを含む電子機器1812は、コイン型電池1406で補助することができる。例では、コイン型電池1406は、直径約20mmのcr2032とすることができる。他のタイプのコイン型電池も使用することができる。コイン型電池1406は、導電性接着剤によって電子機器1812および/またはセンサ層112、912に取り付けることができる。電子機器1812の少なくとも一部は、バッグが屈曲している間に構成要素が外れるのを低減するために、コイン型電池1406の中心の近くに配置することができる。いくつかの例では、バッグセンサ層は、可撓性または剛性の材料または基板を有することができる。電気的構成要素は、基板または可撓性材料に直接的または間接的に連結され得る。1つまたは複数のセンサ1806は、センサ1806がバッグの曲がる線に平行または実質的に平行になり得るように配向することができ、それによってセンサ1806の破損を低減する。センサ層112は、
図5A~
図5B、
図6A~
図6B、および
図8A~
図8Bに示すように、可撓性を改善するためのセンサ層の開口部がもはや必要でなくてもよくなるように、十分に可撓性であり得る。いくつかの例では、センサ層112は、センサ層112、912の可撓性を改善するために、
図7A~
図7Bおよび
図9A~
図9Bに示すような複数の開口部1802を依然として含むことができる。
【0088】
いくつかの例では、バッテリ1406は、はんだタブを用いてセンサ層に連結され得る。いくつかの例では、バッテリ1406は、はんだタブに加えて、またははんだタブの代わりに、導電性接着剤を用いてセンサ層に連結され得る。バッテリ接点1408は、バッテリ1406を折り畳むことができるタブであってもよい。タブ1408は、バッテリ1406と接触するように折り畳まれたときに、バッテリ1406および層の電子構成要素および/またはオストミーバッグもしくはウエハの他の構成要素との電気的接続を完了することができる。
【0089】
1つまたは複数のセンサ1806は、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、容量性および/またはサーミスタセンサを含んでもよい。いくつかの例では、1つまたは複数のセンサ1806はすべてサーミスタである。いくつかの例では、センサ層は、42個のサーミスタ、48個のサーミスタ、または異なる数のサーミスタを含むことができる。複数のサーミスタ1806は、センサ層の表面にわたってアレイ状に構成されてもよい。流出物の温度が、ユーザの身体に取り付けられたバッグの温度よりも高いと想定される人体の体温と実質的に同じであり得るので、サーミスタ1806を使用して、バッグの充填レベルを判定することができる。サーミスタ1806のアレイは、バッグが直立しているのではなく、ある角度で傾斜している場合でも、バッグの充填検出を可能にすることができる。サーミスタ1806は、水平方向、垂直方向、または層もしくはバッグの長手方向軸と角度を付けて配向されてもよい。いくつかの例では、サーミスタは、層またはバッグの長手方向軸に対して90度傾斜していてもよく、またはバッグの曲がる線と平行に傾斜していてもよく、いくつかの例では、層またはバッグの長手方向軸に対して90度の角度であり得る。有利にも、サーミスタ1806のこの角度は、サーミスタの屈曲による破損を低減することができる。使用中の破損のリスクを低減するために、センサと電子機器1812との間のトレースなどの電気接続の一部または全部を強化または厚くすることができる。いくつかの例では、トレースは、2mm、3mm、または4mmなど、3~4mmの間またはその範囲よりも厚いまたは薄い厚さを有することができる。
【0090】
ウエハは、本明細書に開示されるメンテナンスバッグと共に使用することができる。ウエハは、バッグをユーザに連結するように、ユーザの皮膚に連結することができる。以下に説明するように、ウエハは、以下を含むがこれらに限定されない特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
・ ユーザの快適性が向上した上部フィルム層。
・ より容易な取り付けおよび全体的により良好なセキュリティのためのより良好な連結設計。
・ より大きい連結が、より大きなサイズのストーマの収容を可能にする。
・ ハイドロコロイド配合物は、既存のハイドロコロイド接着剤よりもさらに長い摩耗時間に対してより高い快適性および強いシールをもたらす。
・ 皮膚の温度の監視および漏れの検出。
・ 在庫の追跡。
【0091】
図11A~
図11Cは、例示的なウエハ200を示す。ウエハ200は、ユーザとは外方を向く前面を有することができる。前面は、ウエハ連結構成要素204で終端することができる。ウエハ連結構成要素204は、上述のバッグ連結構成要素104と解放可能に嵌合することができる。
図21A~
図21Eに示すように、バッグ連結構成要素104は、バッグ連結構成要素104の外壁の周りに円周方向リッジ2102を含むことができる。円周方向リッジ2102は、裏側、すなわち使用中にユーザに向く側に面取り部2104を含むことができる。
図22A~
図22Eに示すように、ウエハ連結構成要素204は、ウエハ連結構成要素204の内壁の周りに対応する溝2202を含むことができる。ウエハ連結構成要素204は、内壁の前面に向かって面取り部2204を含むことができる。ウエハ連結構成要素204の内壁は、バッグ連結構成要素104の外壁よりも長い直径を有する。バッグ連結構成要素104がウエハ連結構成要素204に向かって移動するとき、ウエハ連結構成要素204の内壁の面取り部2204およびバッグ連結構成要素104の円周方向リッジ2102の面取り部2104は、リッジ2102が溝2202にしっかりと係合するまで、バッグ連結構成要素104がウエハ連結構成要素204上へ摺動するのを誘導することができる。溝2202はまた、バッグ連結構成要素104がウエハ連結構成要素204から離れるように移動されるときにリッジ2102の溝2202からの係合解除を誘導するため、前面に面取り部2206を含む。本明細書に開示される連結機構は、例えば約20mm~約54mmの範囲の比較的大きなストーマを収容することができる。本明細書に開示される連結機構は、漏れを防止するのに十分な強度のシールを維持しながら、バッグとウエハとを共に連結するのに必要な力を低減することができる。連結機構は、シールするために0.85psi(約5.86kPa)以下、分離するために2.5psi(約17.2kPa)以上を必要とし得る。連結機構は、任意選択で、バッグおよびウエハ連結構成要素が適切に互いに固定されているときに、肯定のクリック音を発することができる。
【0092】
ウエハ連結構成要素204は、上部フィルム層208の前面の連結接着層206によって上部フィルム層208に取り付けることができる。上部フィルム層208の裏面で、ウエハセンサ層210は、上部フィルム接着層212によって上部フィルム層208に取り付けることができる。ウエハセンサ層210の裏面で、ウエハセンサ層210は、センサ接着層216によってユーザ接着層214に取り付けることができる。ユーザ接着層214は、親水コロイドを含むことができる。ウエハ200が使用される前に、裏側、すなわちユーザ接着層214のユーザに向いている側は、剥離ライナー218によって保護することができる。
【0093】
図12A~
図17Cは、例示的なウエハセンサ層210の背面図および正面図を示す。ウエハセンサ層210は、複数の電子機器、例えばインターフェース1412を含むことができ、これはマイクロプロセッサ、NFCアンテナまたはBluetooth構成要素または他の無線通信ハードウェアなどの少なくとも1つのハードウェアプロセッサ、加速度計および/または他の位置/動きセンサ、および他の電子構成要素をインターフェース1412の裏面に含むことができる。いくつかの例では、電子機器は、ボタンまたは他のタッチ感知デバイスをさらに含んでもよい。ボタンは、ウェイクアップのための押圧またはタッチなどの特定の機能を可能にすることができる。オンになると、ウエハはリモートサーバにデータを送信することができ、リモートサーバは、データパケットが有効である場合にウエハのタイムスタンプをアクティブ化状態で記録することができる。上記のようなユーザデバイスのアプリは、タイムスタンプされたアクティブ化状態を使用して、アクティブ化状態にない残りのウエハの数を判定して、残りの在庫を判定することができる。インターフェース1412は、インターフェース1412の前面に、バッテリ1406に連結することができる部分を含むことができる。いくつかの例では、バッテリ1406は、インターフェース1412の電子機器への電気的接続を行うことができる。いくつかの例では、第1バッテリ端子は、製造時に電子機器に接続することができる。第1端末接続は、永続的、半永続的、または一時的であり得る。いくつかの例では、インターフェース1412は、バッテリ1406への電気的接続を行うことができるタブ1408を含むことができる。例えば、タブ1408は、電気接点がバッテリ1406と接触したときに回路が形成されるように電気接点を含むことができる。いくつかの例では、電気接点はタブ1408の前面にあり得る。
図16Cおよび
図17Cに示すように、前面がバッテリ1406と接触するようにタブ1408が折り畳まれると、インターフェース1412の1つまたは複数の電子構成要素または他の関連する構成要素は、バッテリ1406によって電力供給され得る。タブ1408は、タブ1408の前面の電気接点とバッテリ1406の電気接点との間の接触を容易にするために、タブが折り畳まれることを可能にするように可撓性であってもよく、または可撓性の部分を有してもよい。いくつかの例では、タブ1408の電気接点は、タブ1408またはバッテリ1406に閾値圧力が加えられた後にのみ、バッテリ1406と電気的に接続することができる。
【0094】
ウエハセンサ層210のサイズは、40~70mmの間、またはその範囲より大きくても小さくてもよい。いくつかの例では、ウエハセンサ層210のサイズは57mmであり得る。導電性トレースの厚さおよび/または導電性トレース間の間隔は、
図12A~
図17Cに示すように変化してもよく、本明細書に開示されるバッグセンサ層の導電性トレースの厚さと同様であってもよい。
【0095】
図示の例では、ウエハセンサ層210は、複数の温度センサ1407を含むことができる。温度センサ1407は、サーミスタであってもよい。温度センサ1407は、裏面、すなわち、ウエハセンサ層210のユーザに向いている表面に配置することができる。複数の温度センサ1407は、患者の皮膚の温度を測定するように構成することができる。いくつかの例では、複数の温度センサ1407は、中央ストーマ開口部220の周りの内側リング構成に構成され得る。図示のように、複数の温度センサ1407は、ウエハセンサ層210のフィンガまたは突起1404に連結するかまたは埋め込まれるように構成することができる。フィンガまたは突起1404は、中央開口部220に向かって延在してもよい。フィンガ1404は、実質的に同じ長さを有することができる。各フィンガもしくは突起1404(例えば、
図12A~
図12Bに示すように)またはフィンガもしくは突起1404のサブセット(例えば、
図13A~
図17Cに示すように)は、関連する温度センサを有することができる。温度センサ1407は、フィンガ1404の先端からほぼ同じ距離に配置することができる。温度センサ1407の数および/または分布は、ウエハの下のユーザの皮膚の皮膚温度のサーモグラフィマッピングを可能にすることができる。サーモグラフィマッピングは、限定はしないが、既存の局所的な炎症および/または炎症の潜在的リスクを含む炎症の検出を可能にすることができる(より詳細は以下でさらに提示される)。これは、皮膚温度の局所的上昇が、創傷および/または創傷周囲の感染および/または炎症、例えば限定されないが、皮膚の炎症および深部の炎症に関連し得るためである。フィンガまたは突起1404および/または温度センサの他の構成も可能である。有利には、リング形成におけるフィンガ1404の構成は、ユーザのストーマの周りのより良好な嵌合を容易にし、センサ層のサイズまたは表面積を減らしながらストーマの周りの状態のより良好な監視を可能にすることができ、それはウエハ200の可撓性を改善し、ユーザの皮膚表面とより良好に嵌合することができる。
【0096】
内側フィンガ1404間の間隔は、均一または不均一、対称または非対称、または別の構成であってもよい。センサは、各フィンガ1404またはフィンガ1404のサブセットに含まれてもよい。異なるセンサが異なるフィンガ1404に含まれてもよい。各フィンガ1404には、2つ以上のセンサが含まれてもよい。いくつかのフィンガ1404は、複数のセンサを含むことができ、いくつかのフィンガ1404は、センサを1つ含むかまたは含まなくてもよい。
【0097】
ウエハセンサ層210の内側リングは、8、16、24、32またはそれ以上またはそれ以下のフィンガ1404を含むことができる。
図12A~
図12Bは、16本のフィンガ1404を有する例示的な層の背面図および正面図を示す。
図13A~
図17Bは、32本のフィンガ1404を有する例示的な層の背面図および正面図を示す。フィンガ1404間の間隔は、
図12A~
図13Bに示すように均一であってもよく、
図14A~
図17Cに示すように不均一であってもよい。
【0098】
ウエハセンサ層は、追加的または代替的に、フィンガに連結または埋め込まれた、または層の他の場所に設けられた他のセンサを含むことができる。例えば、
図13A~
図17Cに示すように、フィンガ1404のサブセットは温度センサ1407を含むことができ、フィンガのサブセットは漏れセンサ1403を含むことができる。
図13A~
図13Bでは、フィンガ1404はそれぞれ、温度センサ1407および漏れセンサ1403を代替的に含むことができる。
図14A~
図17Cに示すように、温度センサ1407を含む各フィンガ1404は、温度センサ1407を含むフィンガ1404の長手方向両側に漏れセンサ1403を含むフィンガを伴うことができる。3つのフィンガ1404は、1つの検知領域を形成することができる。検知領域間の間隔は、同じ検知領域内のフィンガ1404間の間隔よりも、大きくすることができる。
【0099】
いくつかの例では、ウエハセンサ層210は、インターフェースの外輪側に複数のフィンガ1402を含むことができる。
図14A~
図17Cは、外側リングに半径方向外側に延在する複数のフィンガ1402を含む例示的なウエハセンサ層210の背面図および正面図を示す。フィンガ1402は、概ね同じ長さを有することができる。フィンガ1402は、ウエハセンサ層210の周りに対称的または非対称的に間隔を設け得る。図示の例では、2つ以上のフィンガ1402は、フィンガ対を形成するために互いにより近くに間隔を設けてもよい。フィンガ対間の間隔は、同じペアの2つのフィンガ1402間の間隔よりも広くすることができる。例えば、ウエハセンサ層は、8個、16個、またはそれ以上もしくはそれ以下のフィンガ1402を含むことができる。8つのフィンガ1402(
図14A~
図17C)の図示の例では、同じ対の第1および第2フィンガ1402間の距離は、異なる対に属する第2フィンガ1402と第3フィンガ1402との間の距離の約半分、1/3、またはそれより長い、またはそれより短いものであってもよい。ウエハセンサ層210は、
図15Bに示すように各象限に1つずつ、4つのフィンガ対を含むことができる。外側フィンガ1402は、サーミスタなどの複数の温度センサ1407を含むことができる。温度センサ1407は、フィンガ1402の先端からほぼ同じ距離に配置することができる。図示の例では、単一のサーミスタ1407が各外側フィンガ1402に連結されている。有利には、フィンガ1402の外側8個のサーミスタは、ユーザの身体から剥がれるウエハ200の部分の検出を可能にすることができる。追加的または代替的に、外側フィンガ1402は、異なるセンサを含んでもよい。
【0100】
上述したように、内側フィンガのサブセットは、複数の温度センサ1407を含むことができる。例えば、8つの内側フィンガ1404は、複数の温度センサ1407を含むことができる。いくつかの例では、内側リングの温度センサ1407は、外側フィンガ1402の外側リングの温度センサ1407から極座標で、角度についてオフセットされ得る。極座標フレームは、ウエハセンサ層210のリング部分の中心1401に中心があり得る。あるいは、内側リング(すなわち、内側フィンガ1404で)の温度センサ1407は、外側リング(すなわち、外側フィンガ1402で)の温度センサ1407と、極座標で位置合わせしてもよい。
【0101】
本明細書に開示されるウエハは、任意選択に、流出物が温度センサの上に導かれることを可能にする開口部、例えば、複数のマイクロ流体チャネルを親水コロイド層に含むことができる。
図11Cに示されるように、ウエハ200のすべての層は、中央ストーマ開口部220を含むことができる。さらに、センサ接着層216およびユーザ接着層214は各々、中央ストーマ開口部220を取り囲む複数のより小さい開口部222、224を含むことができる。複数のより小さい開口部222、224は、中央ストーマ開口部220の周りに、1つまたは複数のリング(例えば、同心リング)を形成することができる。各リング内で、複数のより小さい開口部222、224は、ほぼ均等に間隔を設けることができる。センサ接着層216の複数のより小さい開口部222およびユーザ接着層214の複数のより小さい開口部224は、ウエハが組み立てられるときに互いに実質的に重なり合うことができる。センサ接着層216の複数のより小さい開口部222およびユーザ接着層214の複数のより小さい開口部224は、ウエハが組み立てられるときに漏れセンサ1403に実質的に重なり合うことができる。より小さい開口部222、224と漏れセンサ1403との重なりは、ユーザ接着層214の下のユーザの皮膚のいずれかの水分または流体が、ウエハセンサ層210の底面の露出した漏れセンサ1403に直接到達して接触することを可能にする。より小さい開口部の存在に加えて、不織布層がユーザ接着層とセンサ層との間に配置され得る。不織布は、流出物を温度センサに分散させるための吸上材料として作用することができ、温度の変化のより瞬時の記録をもたらすことができる。温度の変化はまた、発生している漏れの存在を実証することができる。あるいは、温度センサへ流出物を分散させることは、温度センサを短くすることができ、漏れの表示を示すことができる。追加的または代替的に、本明細書に開示されるウエハの漏れセンサは、漏れを検出するために流出物と接触したときに閉じることができる開回路の設計を含むことができる。ユーザ接着剤または親水コロイド層の開口部は、回路を閉じるために開回路の設計にある複数の漏れセンサ(例えば、電極または導体)に流出物が到達することを可能にすることができる。さらに、本明細書に開示されるウエハは、漏れの発生をより正確に検出するために、流出物を導体に導くための不織布層を任意選択で含むことができる開回路の設計を含むことができる。開回路の設計を使用した漏れの検出のさらなる詳細は、
図13A~
図18Bを参照して以下に説明される。
【0102】
図13A~
図18Bに示すようないくつかの例では、ウエハセンサ層210の1つまたは複数のセンサは、漏れセンサ1403を含むことができる。漏れセンサは、ユーザのストーマからのまたはその近くの水分または他の漏れの指標を検出するように構成されてもよい。漏れセンサ1403は、漏れのおおよその位置の判定を可能にするように間隔を設けてもよい。例えば、漏れセンサ1403は、漏れが近くのセンサを作動させる可能性が低くなるように間隔を設けてもよい。漏れセンサのサイズおよび形状は様々であり得る。漏れセンサ間の距離は変動があってよい。
図13A~
図14Bでは、漏れセンサ1403はそれぞれ、互いに隣接する2つの電極を含むことができる。図示の例では、各電極は略半円であり得る。
図13A~
図13Bの2つの半円間の間隔は、
図14A~
図14Bの2つの半円間の間隔よりも小さくすることができる。
図15A~
図17Cでは、漏れセンサ1403はそれぞれ、フィンガ1404の長さに沿って間隔を設けられた2つの円形電極を含むことができる。漏れセンサ1403は、フィンガ1404の先端からほぼ同じ距離に配置することができ、したがって開口部220の中心からもほぼ同じ距離に配置することができる。
【0103】
いくつかの例では、漏れセンサ1403は、ウエハセンサ層210のリング内部に配向されて、セクションまたは象限の中に分離またはクラスタ化され得る。例えば、複数の漏れセンサ1403は、リングの極座標フレームで4つの象限(
図15Bに示す1411A、1411B、1411C、1411D)に分離または分割することができ、座標フレームの中心は、ウエハセンサ層210のリング部分の中心1401に配置される。例えば、漏れセンサ1403を異なる象限1411A、1411B、1411C、1411Dに配置することにより、システムは、デバイスの向きが分かっているときに、漏れが発生した方向を判定することができる。デバイスの向きは、上述のようにインターフェース1412に配置することができる慣性測定ユニット(ジャイロスコープおよび/または加速度計など)からのデータに基づいて判定することができる。代替的または追加的に、個々の漏れセンサ1403は、追加のプロセッサモジュールの存在に応じて象限内部の漏れの正確な位置を検出するように構成することができる。追加のプロセッサモジュールを含めることにより、例えば、流出物が象限内部の追加の漏れセンサまたは異なる象限に広がり、潜在的な漏れが大きくなっているときに、漏れセンサが検出することが可能になる。漏れ検出アルゴリズムのさらなる詳細は、以下でさらに説明される。
【0104】
図18A~
図18Bは、
図15A~
図17Cに示すようなフィンガ1404など、ウエハセンサ層210の一部であり得る例示的な漏れセンサの例示的な向きを示す。漏れセンサは、4つ、またはそれより多いか少ない象限に分割することができ、漏れがどこで発生したかの判定を容易にする。漏れセンサはまた、流出物と接触した個々の漏れセンサの位置に基づいて、漏れた位置を判定することを可能にすることができる。ユーザ接着層214のより小さい開口部224のサイズは、露出した漏れセンサ1403よりも大きくてもよい、なぜなら親水コロイドが水分および汗によって飽和および膨張し、これにより、親水コロイド層のより小さい開口部224が、露出した漏れセンサ1403を完全に塞いで覆う可能性があるためである。
【0105】
図18A~
図18Bに示すように、漏れセンサは、水分と接触したときに電気信号を生成するように構成された接点または電極1704を含むことができる。
図18A~
図18Bに示すようないくつかの例では、接点または電極1704は円形であり得る。
図13A~
図14Bおよび
図18Bに示すような、半円形または涙滴の形状などの他の形状も可能であり得る。接点上の点(各接点の中心など)の間の距離は、例えば、
図18Aに示すように4.7mmまたは
図18Bに示すように5.2mmなど、4mmまたはそれより長いまたは短いものであってもよい。図示の例では、フィンガ1404の基部により近い接点1704は、接地電極であり得る。あるいは、フィンガ1404の先端により近い接点1704を接地電極とすることもできる。ウエハは、ユーザ接着層に1つまたは複数のより小さい開口部1706を含むことができる。いくつかの例では、ウエハは、ユーザ接着層の単一のより小さい開口部を含むことができる。いくつかの例示的な例では、ウエハは、2つ以上など、ユーザ接着層の複数のより小さい開口部を含むことができる。ユーザ接着層のより小さい開口部は、
図18Aに示すような円形、または
図18Bに示すような延長された円、楕円形、または他の形状であってもよい。ユーザ接着層のより小さい開口部は、半径が1.4mm~1.6mmであってもよく、またはその範囲より長いもしくは短い半径を有してもよい。ユーザ接着層のより小さい開口部が細長い円である場合などのいくつかの例では、開口部のサイズは半径約1.75mmであり、単一方向に約0.7mm延在することができる。電極または接点1704への電気接続部1702は、いくつかの例では、
図18Bに示すように涙型であり得る。これにより、ウエハの使用中に裂ける可能性を、有利にも低減することができる。
【0106】
漏れセンサによる水分の検出は、2つの電極間で検出される電圧の変化に起因し得る。電圧は、電極間に存在する流出物の量に基づいて変化し得る。電圧の変化率は、それが漏れであるか汗の存在であるかを示すことができる。漏れセンサは、ウエハセンサ層のハードウェアコントローラに信号を出力することができる。上述のように漏れセンサが4つの象限に分割される場合、各象限は単一の漏れセンサの値を出力することができ、これはアナログ-デジタル変換値とすることができる。各象限のセンサは、所定の速度、例えば、1サンプル/分~10サンプル/分で、サンプリングすることができる。あるいは、各漏れセンサは単一の漏れセンサの値を出力することができ、または各検知領域(すなわち、前述のように2つの漏れセンサの間に温度センサを有する3本フィンガの構成である)の2つの漏れセンサは、単一の漏れセンサの値を出力することができる。ハードウェアコントローラはまた、所定の速度、好ましくは漏れセンサと同じサンプリング速度でバッテリ電圧をサンプリングすることができる。単一の漏れセンサの値を電池の電圧によって正規化して、0から1.0の間の正規化されたサンプルの値を得ることができ、0は漏れを知らせる完全な短絡を示すことができる。1は、完全に開いていて、漏れを示さないことを示すことができる。漏れの値を電池の値で正規化することにより、漏れの検出の精度を向上させることができる。ハードウェアコントローラは、所定の一方に偏したサイズの対称的なスライディングウィンドウを使用して正規化されたサンプルの値を平均して、例えば、各象限、または各漏れセンサ、または各検知領域に対するウィンドウ化された平均を取得することができる。次いで、ハードウェアコントローラは、Thiel-Sen勾配推定器を使用して、例えば、各象限、または各漏れセンサ、または各検知領域について、ウィンドウ化された平均の勾配を計算することができる。ハードウェアコントローラは、漏れセンサの読み取り値から計算された複数の値、例えば、計算された勾配の値およびウィンドウ化された平均値のうちの1つまたは複数を監視し、例えば、スマートフォンなどのユーザデバイスに応じて、警告を出力することができる。
【0107】
漏れセンサ読み取り値に基づく漏れの監視のいくつかの非限定的な例を説明する。勾配が第1時間よりも長く、例えば5分から30分の間継続して、第1閾値を下回っている場合、ハードウェアコントローラは第1警報を出力することができ、これは急速な水分含有量変化の警報とすることができる。これは、例えば、その象限、またはその漏れセンサ、またはその検知領域について漏れがちょうど発生したことを示すことができる。ウィンドウ化された平均が、第2時間よりも長い間、例えば、20分~2時間連続的に第2閾値を下回ったままである場合、ハードウェアコントローラは、第2警報を出力することができ、これは、例えば、その象限、またはその漏れセンサ、またはその検知領域に対する持続的な水分の警報であり得る。ウィンドウ化された平均が、第3時間よりも長い間、例えば、1分~30分連続的に第3閾値を下回ったままである場合、ハードウェアコントローラは、第3警報を出力することができ、これは、例えば、その象限、またはその漏れセンサ、またはその検知領域に対する多い水分の警報であり得る。第3閾値は、第2閾値よりも低くてもよい。ウィンドウ化された平均が、例えば5分~1.5時間などのさらなる期間よりも長く連続して第4閾値を下回ったままである場合、ハードウェアコントローラは、第4警報を出力することができ、これは、例えば、その象限、またはその漏れセンサ、またはその検知領域に対する潜在的な漏れ警報であり得る。第4閾値は、第3閾値と同じであってもよく、より高くてもよく、またはより低くてもよい。ハードウェアコントローラは、上述の警告のうちの1つまたは複数の閾値が満たされたときに、漏れの最終判定を出力することができる。例えば、ハードウェアコントローラは、第3および/または第4の警報の閾値が満たされた場合に、流出物の漏れがあると判定することができる。ハードウェアコントローラは、漏れの最終判定をユーザデバイスに警告表示するだけの場合がある。
【0108】
さらに、ハードウェアコントローラは、各象限のサーミスタからの信号に基づいて炎症の検出を出力することができる。例では、ハードウェアコントローラは、象限の約1°C~約2.5°C、または約1.5°C~約2°Cを超える温度の上昇の検出に応答して、局所的炎症の検出を出力することができる。別の例では、ハードウェアコントローラは、4つの象限すべてにわたる温度上昇の検出に応答して、ユーザが発熱している可能性が高いと判定することができる。ハードウェアコントローラの炎症検出プロセスは、基準温度として異なる場所におけるユーザの温度の情報を必要としない場合がある。ハードウェアコントローラは、サーミスタ、例えば、
図12A~
図17Cの図示の例における4つのサーミスタを、所定のサンプリングレートで各象限においてサンプリングすることができる。サンプリングレートは、例えば、約1サンプル/分~5サンプル/分以上で変動し得る。ハードウェアコントローラは、該当の象限のすべてのサーミスタの読み取り値の平均をとることによって、象限の温度の値を判定することができる。ハードウェアコントローラは、例えば、一定数のサンプルを組み合わせてそれらの平均をとることによって達成することができる平滑化および/またはダウンサンプリングによって、象限の温度を処理することができる。ハードウェアコントローラは、さらなるノイズ抑制のために、所定の一方に偏したサイズの対称的なスライディングウィンドウを使用して、処理された象限温度をさらに平滑化することができる。さらに平滑化された象限温度は、その象限の短期の平均である。ハードウェアコントローラは、特定の期間(例えば、5分、10分、15分、20分、25分、30分、またはその他)内のその象限の短期の平均値を組み合わせることによって、その象限の長期の平均を計算することができる。ハードウェアコントローラは、各象限について短期の平均と長期の平均との間の差を計算し、Thiel-Sen勾配推定器を使用して、差の勾配をさらに計算することができる。ハードウェアコントローラは、温度センサの読み取り値から計算された複数の値、例えば、計算された勾配の値、差分の値、および他の計算された値のうちの1つまたは複数を監視し、例えば、スマートフォンなどのユーザデバイスに応じて警告を出力することができる。高い温度の警告は、その象限における炎症を示すことができる。
【0109】
温度センサの読み取り値に基づく炎症モニタリングのいくつかの非限定的な例を説明する。勾配が第1閾値を超え、差が第1時間(例えば、20分、40分、1時間、1.5時間、2時間など)連続して長期の平均の所定の割合よりも大きい場合、ハードウェアプロセッサは第1警報を出力することができ、これは高い象限温度上昇警報とすることができる。差が単調に増加する場合、すなわち、勾配が0以上であり、差が第2時間(例えば、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間など)連続して長期の平均の所定の割合よりも大きい場合、ハードウェアプロセッサは、第2警報を出力することができ、これは持続的な象限温度上昇警報とすることができる。その象限の短期の平均が第3時間(例えば、20分、40分、1時間、1.5時間、2時間など)を超えて連続的に特定の温度の値よりも大きい場合、ハードウェアプロセッサは、高象限温度警報とすることができる第3の警報を出力することができる。差が第4時間(例えば、20分、40分、1時間、1.5時間、2時間など)を超えて連続的に特定の温度の値よりも大きい場合、ハードウェアプロセッサは、高象限温度差警報とすることができる第4の警報を出力することができる。ハードウェアコントローラは、上述の警告のうちの1つまたは複数の閾値が満たされたときに、炎症の最終判定を出力することができる。ハードウェアコントローラは、炎症の最終判定をユーザデバイスに警告表示するだけの場合がある。
【0110】
上述したように、位置および/または向きセンサ1422、例えば加速度計は、漏れおよび/または炎症の検出のために漏れおよび/または温度センサデータと組み合わせることができる追加の情報を提供することができる。加速度計は、ウエハの向きを測定することができ、それはウエハ加速度計がユーザの身体に対して回転する角度として定められる。この測定値を使用して、ウエハの象限を識別し、本明細書に開示されるそれぞれの検出方法が漏れおよび/または炎症のリスクがある可能性があると識別する炎症/漏れ領域を局在化するのを助けることができる。
【0111】
加速度計の測定値は、所定の速度で、例えば漏れセンサおよび/または温度センサと同様のサンプリング速度でサンプリングすることができる。各加速度計の測定値は、加速度計フレームのデカルト座標における加速度a=(ax;ay;az)である。ウエハの加速度計は、垂直方向、すなわち重力加速度の方向に垂直なy方向を指し示していると仮定することができる。axおよびayの値から、方位情報を含む回転角度を求めることができる。加速度計フレームの垂直に対する傾斜角は、azの値および加速度aの大きさを使用して計算することができる。加速度計の測定値から計算されたデータは、ユーザの身体の向きが既知である場合には第1のモードで、ユーザの向きが未知であると仮定される場合には第2のモードで使用することができる。第1のモードは、例えば、ユーザが直立しているときに使用することができ、その場合、回転角度それ自体が向きである。「ロック」された回転角度は、例えば、計算された回転角度の値の平均をとることによって推定することができる。例えば、10、15、20またはその他の計算された回転角度の値がある。第2のモードでは、ハードウェアコントローラは、所定のサイズ(例えば、10、15、20、25、30、またはその他)の移動ウィンドウを追跡し、回転角度の値の移動ウィンドウの平均を推定することができる。推定された移動ウィンドウの平均が特定の角度より小さく変化する場合(例えば、5、10、15、またはその他)、ウィンドウは安定していると考えられる。安定したウィンドウ内で、正規化された加速度の大きさ(加速度aの大きさを重力加速度gの大きさで割ったものである)およびその標準偏差がそれぞれ許容される第1および第2のマージン内にそれぞれ入る場合、すべての安定したウィンドウの推定される回転角度の値の平均をウエハ配向として出力することができる。任意選択で、加速度の大きさは、ウエハの向きを判定する前および/または後に重力加速度の大きさと比較することができる。加速度の大きさが重力加速度の大きさと著しく異なる(例えば、特定の割合で、または他の方法で)か、または高い分散を有する場合、ハードウェアコントローラは、ウエハの向きの判定を停止するか、または計算されたウエハの向きを信頼できないものとして破棄することができる。
【0112】
図19のウエハは、例示的な凸状ウエハ1900である。凸状ウエハ1900は、本明細書に開示されるウエハ200の特徴のいずれかを有することができる。概して平坦なウエハとは異なり、凸状ウエハ1900は、凹状または収縮ストーマを有するユーザに対応するために、裏、すなわち、ユーザに向いている側に突起または凸状界面1902を有する。凸状界面1902は、より良好な適合性および漏れの低減のために、ストーマに向かって内側に湾曲することができる。凸状界面1902は、
図22A~
図22Dに示すように、ウエハ連結構成要素204の凸状部分2208に起因し得る。この凸状の設計は、特定のユーザに対するより柔らかく、より柔軟で、および/または適合する凸状体験を可能にすることができる。凸状ウエハは、診断バッグ、分析バッグ、および/またはメンテナンスバッグなど、本明細書に開示される任意の種類のオストミーバッグと共に使用することができる。本明細書に開示される凸状ウエハは、本明細書に開示されるセンサのいずれかを含むことができる。凸状ウエハは、実質的に平坦なウエハを含むオストミーシステムを介して配信されるすべての同じデータおよび洞察へのアクセスを必要とする凸状を患者にもたらすことができる。
【0113】
本明細書に開示される任意の種類のオストミーバッグおよび/またはウエハは、シャワー中または水泳中に着用できるように、任意選択で防水性であってもよい。そのようなバッグおよび/またはウエハは、撥水性コーティングまたは他の適切な材料および/またはコーティングでコーティングされるポリエステル、ナイロン、マイクロスエードおよび/またはこれらのいずれかの組み合わせを含む様々な織布外側材料を含むことができる。
【0114】
用語
本明細書に記載されたもの以外の多くの他の変形形態は、本開示から明白である。例えば、実施形態に応じて、本明細書に記載されたアルゴリズムのいずれかの特定の動作、事象、または機能は、異なる順序で実行することができ、追加、融合、または完全に除外することができる(例えば、記載されたすべての行為または事象がアルゴリズムの実施に必要であるとは限らない)。さらに、特定の実施形態では、動作または事象は、順次ではなく、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサもしくはプロセッサコアを介して、または他の並列アーキテクチャで同時に実行することができる。さらに、異なるタスクまたはプロセスは、一緒に機能することができる異なる機械および/またはコンピューティングシステムによって実行することができる。
【0115】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムのステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、およびステップが、それらの機能に関して一般的に上述されている。そのような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途およびシステム全体に課される設計の制約に依存する。記載された機能は、特定の用途ごとに様々な方法で実施することができるが、そのような実施の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0116】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロックおよびモジュールは、デジタル論理回路を含むハードウェアプロセッサ、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、または本明細書に記載された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなどの機械によって実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替例では、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、それらの組み合わせなどとすることができる。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行するFPGAまたは他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することもできる。コンピューティング環境は、いくつか例を挙げると、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、または機器内の計算エンジンに基づくコンピュータシステムを含むが、これらに限定されない任意の種類のコンピュータシステムを含むことができる。
【0117】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された方法、プロセス、またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、1つまたは複数のメモリデバイスに格納され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つの組み合わせで直接実施することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の非一時的コンピュータ可読記憶媒体、媒体、または物理的コンピュータ記憶装置に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに連結することができる。あるいは、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。記憶媒体は、揮発性または不揮発性であり得る。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。
【0118】
とりわけ、「can(できる)」、「might(かもしれない)」、「may(かもしれない)」、「for example(例えば)」などのような本明細書で使用される条件付きの表現は、特に明記しない限り、または使用される文脈の中で他の意味で理解されない限り、概して、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/または状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付きの表現は、一般に、特徴、要素および/または状態が1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされること、または1つまたは複数の実施形態が、著者の刺激または鼓舞の有無にかかわらず、これらの特徴、要素および/または状態が任意の特定の実施形態に含まれるか、または実行されるべきかを決定するための論理を必然的に含むことを示すことを意図するものではない。「comprising(含む)」、「including(含む)」、「having(有する)」などの用語は同義語であり、包括的に、オープンエンド方式で使用され、追加の要素、特徴、作動、動作などを排除しない。また、「または」という用語は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用され、例えば、要素の列挙を接続するために使用される場合、「または」という用語は、列挙したものの要素の1つ、いくつか、またはすべてを意味する。さらに、本明細書で使用される「各」という用語は、その通常の意味を有することに加えて、「各」という用語が適用される要素のセットの任意のサブセットを意味することができる。
【0119】
句「X、YおよびZのうちの少なくとも1つ」などの選言的な表現は、特に明記しない限り、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれか、またはそれらの組み合わせであり得ることを伝えるために一般に使用される文脈で理解されるべきである。したがって、そのような接続語の表現は、一般に、特定の実施形態がそれぞれ存在するためにXのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つを必要とすることを意味することを意図するものではない。
【0120】
特に明記しない限り、「a((1つ)」または「an(1つ)」などの冠詞は、一般に、1つまたは複数の記載された項目を含むと解釈されるべきである。したがって、「ように構成されたデバイス」などの語句は、1つまたは複数の列挙されたデバイスを含むことが意図されている。そのような1つまたは複数の詳述されているデバイスはまた、指定された詳述を実行するように集合的に構成することができる。例えば、「A、B、およびCの詳述を実行するように構成されたプロセッサ」は、BおよびCの詳述を実行するように構成された第2のプロセッサと連携して動作して、Aの詳述を実行するように構成された第1のプロセッサを含むことができる。
【0121】
上の詳細な説明は、様々な実施形態に適用される新規な特徴を示し、説明し、指摘してきたが、例示されたデバイスまたはアルゴリズムの形態および詳細における様々な省略、置換、および変更は、本開示の精神から逸脱することなく行うことができることが理解されよう。理解されるように、いくつかの特徴が他の特徴と別個に使用または実施され得るため、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態は、本明細書に記載される特徴および利益のすべてを提供するものではない形態で、実施され得る。
【国際調査報告】