(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】歯列矯正アーチワイヤー
(51)【国際特許分類】
A61C 7/20 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
A61C7/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523021
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 US2021054923
(87)【国際公開番号】W WO2022081808
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518145802
【氏名又は名称】オルト オーガナイザーズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】パケット,デビッド
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052AA20
4C052JJ01
(57)【要約】
歯列矯正アーチワイヤーは多くの不正咬合を治療するように構成されている。当該アーチワイヤーは、第1の後部と第2の後部との間に真っ直ぐな前部を有する。第1の後部および第2の後部はそれぞれ複数の曲率半径を有し、かつ互いに鏡像である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯列矯正アーチワイヤーであって、
その長さに沿って矩形横断面を有する細長いワイヤーと、
真っ直ぐな前部と
を備える、歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項2】
前記真っ直ぐな前部は0.400インチ未満の長さを有する、請求項1に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項3】
前記真っ直ぐな前部は0.675インチ未満の長さを有する、請求項1に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項4】
前記真っ直ぐな前部は1.000インチ未満の長さを有する、請求項1に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項5】
第1の後部および第2の後部は前記真っ直ぐな前部から延在している、請求項2に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項6】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有する、請求項5に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項7】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ、0.542インチの第1の曲率半径、0.243インチの第2の曲率半径、0.763インチの第3の曲率半径および0.378インチの第4の曲率半径を有する、請求項6に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項8】
前記第1の後部および前記第2の後部は互いに鏡像である、請求項7に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項9】
前記第1の後部および前記第2の後部の曲率半径は同じである、請求項8に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項10】
前記矩形横断面は患者のために快適さを高めるように構成された丸い角を有する、請求項9に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項11】
前記アーチワイヤーはステンレス鋼、NiTi、CuNiTi、ベータIIIチタン、エルジロイおよび超弾性金属合金のいずれかを含む金属から形成されている、請求項10に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項12】
その長さに沿って矩形横断面を有する細長いワイヤーと、
湾曲した第1の後部と湾曲した第2の後部との間に真っ直ぐな前部と
を含む、歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項13】
前記真っ直ぐな前部は0.040インチ未満の長さを有する、請求項12に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項14】
前記真っ直ぐな前部は0.675インチ未満の長さを有する、請求項12に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項15】
前記真っ直ぐな前部は1.000インチ未満の長さを有する、請求項12に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項16】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有する、請求項13に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項17】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有する、請求項16に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項18】
前記第1の後部および前記第2の後部は互いに鏡像である、請求項17に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項19】
前記第1の後部および前記第2の後部の曲率半径は同じである、請求項18に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項20】
前記矩形横断面は患者のために快適さを高めるように構成された丸い角を有する、請求項19に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項21】
前記アーチワイヤーはステンレス鋼、NiTi、CuNiTi、ベータIIIチタン、エルジロイおよび超弾性金属合金のいずれかを含む金属から形成されている、請求項20に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項22】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ0.770インチの第1の曲率半径、0.975インチの第2の曲率半径、0.843インチの第3の曲率半径および0.253インチの第4の曲率半径を有する、請求項16に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項23】
歯列矯正アーチワイヤーであって、
その長さに沿って正方形横断面を有する細長いワイヤーと、
湾曲した第1の後部と湾曲した第2の後部との間に真っ直ぐな前部と
を備える、歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項24】
前記真っ直ぐな前部は0.040インチ未満の長さを有する、請求項23に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項25】
前記真っ直ぐな前部は0.675インチ未満の長さを有する、請求項23に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項26】
前記真っ直ぐな前部は1.000インチ未満の長さを有する、請求項23に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項27】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有する、請求項24に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項28】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有する、請求項27に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項29】
前記第1の後部および前記第2の後部は互いに鏡像である、請求項28に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項30】
前記第1の後部および前記第2の後部の曲率半径は同じである、請求項29に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項31】
前記正方形横断面は患者のために快適さを高めるように構成された丸い角を有する、請求項30に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項32】
前記アーチワイヤーはステンレス鋼、NiTi、CuNiTi、ベータIIIチタン、エルジロイおよび超弾性金属合金のいずれかを含む金属から形成されている、請求項31に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項33】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ0.770インチの第1の曲率半径、0.975インチの第2の曲率半径、0.843インチの第3の曲率半径および0.253インチの第4の曲率半径を有する、請求項27に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項34】
歯列矯正アーチワイヤーであって、
その長さに沿ってダイアメトリック横断面を有する細長いワイヤーと、
湾曲した第1の後部と湾曲した第2の後部との間に真っ直ぐな前部と、
を備える、歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項35】
前記真っ直ぐな前部は0.040インチ未満の長さを有する、請求項34に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項36】
前記真っ直ぐな前部は0.675インチ未満の長さを有する、請求項34に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項37】
前記真っ直ぐな前部は1.000インチ未満の長さを有する、請求項34に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項38】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有する、請求項35に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項39】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有する、請求項38に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項40】
前記第1の後部および前記第2の後部は互いに鏡像である、請求項39に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項41】
前記第1の後部および前記第2の後部の曲率半径は同じである、請求項40に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項42】
前記ダイアメトリック横断面は患者のために快適さを高めるように構成された丸い角を有する、請求項41に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項43】
前記アーチワイヤーはステンレス鋼、NiTi、CuNiTi、ベータIIIチタン、エルジロイおよび超弾性金属合金のいずれかを含む金属から形成されている、請求項42に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【請求項44】
前記第1の後部および前記第2の後部はそれぞれ0.770インチの第1の曲率半径、0.975インチの第2の曲率半径、0.843インチの第3の曲率半径および0.253インチの第4の曲率半径を有する、請求項38に記載の歯列矯正アーチワイヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯科矯正装置に関し、より詳細には歯列矯正処置において用いられるアーチワイヤーと共に使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯列矯正治療では通常、不適切に位置決めされた歯を正しいアライメントに促すために機械力を印加する。歯列矯正治療の1つの一般的な形態は、個々の歯の周りにバンドなどによって歯に固定するか、恐らくより一般的にはブラケットを歯に直接付着することによる歯列矯正ブラケットの使用を含む。次いで、弾力のある湾曲したアーチワイヤーをブラケットのアーチワイヤースロット内に通す。アーチワイヤーは一般に、リガチャーワイヤーまたは弾性バンドによってブラケットに取り付けられる。しかし場合によっては、ブラケットのアーチワイヤースロットの唇側を選択的に閉じる可動カバーを備えたセルフライゲーティングブラケットが使用される。可動カバーはアーチワイヤーを挿入するために開かれ、次いでアーチワイヤーをアーチワイヤースロット内に保持するために閉じられる。患者の歯が不正確にレベリングおよびアライメントされている場合、アーチワイヤーはブラケットに係合するために弾性変形し、それにより時間をかけて歯を正しい位置に動かすように促す力を導入する。
【0003】
セルフライゲーティング型ブラケットは、アーチワイヤーをブラケットに固定するためにブラケットのアーチワイヤースロットを選択的に閉じる可動カバーを備え、リガチャーワイヤーまたは弾性バンドの必要性をなくす。可動カバーはアーチワイヤーを挿入するために開かれ、次いでアーチワイヤーをアーチワイヤースロット内に保持するために閉じられる。アーチワイヤーはブラケットに係合するために弾性変形し、その設計された曲線に戻ろうとし、それにより時間をかけて歯を正しい位置に動かすように促す機械力を加える。アーチワイヤーはカバーによってアーチワイヤースロット内に固定されると、アーチワイヤースロット内を側方に自由に動き、これにより治療中の歯の移動を容易にする。
【0004】
不正咬合は、顎が閉じる際にそれらが互いに近づく場合の2つの歯列弓の歯の間のアライメント不良または不正確な関係である。不正咬合の分類は、上顎の第1大臼歯の近心頬側咬頭と下顎の第1大臼歯の頬側溝との関係に基づいている。この大臼歯関係が存在する場合、歯は正常な咬合にアライメントすることができる。不正咬合は理想的なものからの咬合のあらゆる偏位である。但し、不正咬合の評価は審美および機能性に対する影響も考慮に入れなければならない。不正咬合の正式な定義を満たしているにも関わらずこれらの様相が患者に許容される場合には、治療が必要でないことがある。
【0005】
不正咬合は深刻なものもあり、歯列矯正治療を必要とするものもある。例えばブロディ症候群は、外側帯の過剰な咬合を特徴とする横断性不正咬合の稀な形態であり、その接触は上顎の歯の口蓋側面と下顎の歯の唇側面との間で確立されるため、上顎と下顎の大臼歯の咬頭嵌合が存在しない。それを治療せずに放置した場合、咀嚼および筋肉機能に悪影響を与えるだけでなく、下顎の正常な成長および発達にも影響を与え、顎変形症の可能性も伴う。その異常は両側性または片側性の場合があり、臨床検査では非対称または下顎の側方偏位の徴候を探す。不正咬合の歯槽もしくは基底位置を指摘するために、さらなる検査が一般に必要とされる。概略的には、使用される治療手段は上顎歯列弓を狭窄させ、かつ下顎歯列弓を拡大させようとする。歯列矯正治療は複雑であり、先行技術の治療は常に理想的であったり有効であったりするわけではない。
【0006】
本発明の歯列矯正アーチワイヤーは、交叉咬合、ブロディ咬合および狭窄歯列弓を含む全ての種類の不正咬合を治療するように構成されている。
【0007】
従来では臼歯部交叉咬合は、固定式器具の前に配置されるハイラックスエキスパンダーまたはクワッドヘリックス型装置などの取外し式もしくは固定式拡大装置の使用によって矯正されてきた。固定式器具が適所にある間に交叉咬合が補正された場合、上顎臼歯部歯列弓を拡大させ、かつ下顎臼歯部歯列弓を狭めて噛み合わせを矯正するために必要とされる力を生じさせるために、交叉咬合エラスティックを利用することが多かった。
【0008】
本発明のアーチワイヤーの固有の設計により、歯列矯正治療が進むにつれて他の歯の移動と同時に歯列弓形を穏やかに、かつ徐々に矯正することが可能になる。大部分の現代の歯列矯正技術では典型的であるように、アーチワイヤーの断面サイズが大きくなるにつれて、上顎アーチワイヤーの固有の形状は、最適な審美性のために犬歯の幅および適切な前歯部の曲率を維持しながら、臼歯部において上顎歯列弓を拡大させる。同時に下顎アーチワイヤーの固有の形状は、それがなければ多くの場合に生じる下顎歯列弓の補償的拡大に対抗する。臼歯部歯列弓を狭めながら、下顎アーチワイヤーの形状により最適な前歯部歯列弓形を保持して上顎前歯部歯列弓形と調和させる。
【0009】
上顎歯列弓が下顎歯列弓よりも幅広であるブロディ咬合として知られている困難な臨床的状況では、上顎には狭いアーチワイヤーおよび下顎には拡大ワイヤーを用いてアーチワイヤーを反対方向に使用することができる。この場合も歯がアライメントされるにつれて、これらのアーチワイヤーの固有の設計により、歯列矯正治療が進むにつれて他の歯の移動と同時に歯列弓形を穏やかに、かつ徐々に矯正することが可能になる。
【発明の概要】
【0010】
現在の臨床的環境では、患者の矯正歯科医への通院回数および期間を減らすことが重要視されている。本発明のアーチワイヤーは、現代のセルフライゲーティング歯列矯正ブラケットと共に使用して患者の歯列弓を拡大させて、交叉咬合、ブロディ咬合および狭窄歯列弓などの複数の不正咬合を治療するように構成されている。超弾性材料から形成された本発明のアーチワイヤーの使用は、患者のためにより迅速かつ予測可能な治療結果を提供する。
【0011】
本発明の一態様では、歯列矯正アーチワイヤーは、細長いワイヤーの長さに沿って矩形横断面を有する細長いワイヤーを含む。矩形横断面は全てが細長いワイヤーに沿って同じサイズおよび形状である。細長いワイヤーは、真っ直ぐな前部ならびにそれぞれが真っ直ぐな前部から延在している第1の後部および第2の後部も含む。第1の後部および第2の後部はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有し、かつ一実施形態では、第1の後部および第2の後部は互いに鏡像である。この実施形態は、当該ワイヤーが不正咬合の中に活性化された場合に犬歯の狭窄を防止する。
【0012】
一実施形態では、細長いワイヤーの真っ直ぐな前部は0.400インチ未満の長さを有する。別の実施形態では、真っ直ぐな前部は0.675インチ未満の長さを有する。別の実施形態では、真っ直ぐな前部は1.000インチ未満の長さを有する。別の実施形態では、第1の後部および第2の後部はそれぞれ、0.542インチの第1の曲率半径、0.243インチの第2の曲率半径、0.763インチの第3の曲率半径および0.378インチの第4の曲率半径を有する。
【0013】
別の実施形態では、第1の後部および第2の後部はそれぞれ0.770インチの第1の曲率半径、0.975インチの第2の曲率半径、0.843インチの第3の曲率半径および0.253インチの第4の曲率半径を有する。
【0014】
本歯列矯正アーチワイヤーは、ステンレス鋼、NiTi、CuNiTi、ベータIIIチタン、エルジロイおよび超弾性金属合金を含む金属合金から作られていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】上顎歯列弓矯正アーチワイヤーを示す上面図である。
【
図2A】
図1の上顎歯列弓矯正アーチワイヤーの線2A-2Aに沿って切断された横断面図である。
【
図2B】
図1の上顎歯列弓矯正アーチワイヤーの線2B-2Bに沿って切断された断面図である。
【
図3】上顎歯列弓矯正アーチワイヤーの真っ直ぐな前部の部分拡大図である。
【
図4】下顎歯列弓矯正アーチワイヤーを示す上面図である。
【
図5A】
図4の下顎歯列弓矯正アーチワイヤーの線5A-5Aに沿って切断された横断面図である。
【
図5B】
図4の下顎歯列弓矯正アーチワイヤーの線5B-5Bに沿って切断された断面図である。
【
図6】
図4の下顎歯列弓矯正アーチワイヤーの真っ直ぐな前部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~3では、上顎歯列弓矯正アーチワイヤー20は、細長いワイヤーの長さに沿って矩形横断面24を有する細長いワイヤー22を含む。
図2に示すように、矩形横断面24は高さ28および幅30を有する面積26を有する。高さ28および幅30は細長いワイヤー22の長さに沿って同じである。上顎歯列弓アーチワイヤー20は一連の歯列矯正ブラケットのアーチワイヤースロット内に装着されるので、矩形横断面は当該産業における標準であり、典型的には0.016インチの幅×0.022インチの高さであってもよい。他の標準的な断面寸法としては、0.014インチの幅×0.025インチの高さ、0.018インチの幅×0.025インチの高さ、0.017インチの幅×0.025インチの高さおよび0.019インチの幅×0.025インチの高さが挙げられる。
【0017】
図28に示されている細長いワイヤー22の断面形状31は、その断面線が細長いワイヤーに対して角度を有するので、
図2Aに示されているものとは異なる面積を有する。矩形状の細長いワイヤー22は患者の快適さを高めるために丸い角を有する。本アーチワイヤーの横断面は、本発明の範囲から逸脱することなく正方形、ダイアメトリックまたは他の同様の断面形状などの矩形以外であってもよいものと考えられる。
【0018】
細長いワイヤー22は、真っ直ぐな前部32ならびにそれぞれが真っ直ぐな前部32から延在している第1の後部34および第2の後部36も含む。第1の後部34および第2の後部36はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有し、かつ一実施形態では、第1の後部および第2の後部は互いに鏡像である。この実施形態は、当該ワイヤーが不正咬合の中に活性化された場合に犬歯の狭窄を防止する。
【0019】
一実施形態では、細長いワイヤー22の真っ直ぐな前部32は0.400インチ未満である長さ37を有する。別の実施形態では、真っ直ぐな前部32は0.675インチ未満である長さ37を有する。別の実施形態では、真っ直ぐな前部32は1.000インチ未満である長さ37を有する。別の実施形態では、第1の後部34および第2の後部36はそれぞれ、0.542インチの第1の曲率半径38、0.243インチの第2の曲率半径40、0.763インチの第3の曲率半径42および0.378インチの第4の曲率半径44を有する。
【0020】
上顎歯列弓矯正アーチワイヤー20の中心線CLを参照すると、第1の曲率半径38の中心点39はCLから0.050インチであり、第2の曲率半径40の中心点41はCLから0.115インチであり、第3の曲率半径42の中心点43はCLから0.954インチであり、第4の曲率半径44の中心点45はCLから3.270インチである。
【0021】
図4~6では、下顎歯列弓矯正アーチワイヤー50は、細長いワイヤーの長さに沿って矩形横断面54を有する細長いワイヤー52を含む。
図5Aに示すように、矩形横断面54は高さ58および幅60を有する面積56を有する。高さ58および幅60は細長いワイヤー52の長さに沿って同じである。下顎歯列弓アーチワイヤー50は一連の歯列矯正ブラケットのアーチワイヤースロット内に装着されるので、矩形横断面は当該産業における標準であり、典型的には0.016インチの幅×0.022インチの高さであってもよい。他の標準的な断面寸法としては、0.014インチの幅×0.025インチの高さ、0.018インチの幅×0.025インチの高さ、0.017インチの幅×0.025インチの高さおよび0.019インチの幅×0.025インチの高さが挙げられる。
【0022】
図5Bでは、細長いワイヤー52の断面の面積61はその断面線が細長いワイヤー52に対して角度を有するので、
図5Aの面積56とは異なる。矩形状の細長いワイヤー52は患者の快適さを高めるために丸い角を有する。
【0023】
細長いワイヤー52は真っ直ぐな前部62ならびにそれぞれが真っ直ぐな前部62から延在している第1の後部64および第2の後部66も含む。第1の後部64および第2の後部66はそれぞれ複数の異なる曲率半径を有し、かつ一実施形態では、第1の後部および第2の後部は互いに鏡像である。この実施形態は、当該ワイヤーが不正咬合の中に活性化された場合に犬歯の狭窄を防止する。
【0024】
一実施形態では、細長いワイヤー52の真っ直ぐな前部62は0.040インチ未満である長さ68を有する。別の実施形態では、真っ直ぐな前部32は0.675インチ未満である長さ68を有する。別の実施形態では、真っ直ぐな前部32は1.000インチ未満である長さ68を有する。別の実施形態では、第1の後部64および第2の後部66はそれぞれ、0.770インチの第1の曲率半径70、0.975インチの第2の曲率半径72、0.843インチの第3の曲率半径74および0.253インチの第4の曲率半径76を有する。
【0025】
下顎歯列弓矯正アーチワイヤー50の中心線CLを参照すると、第1の曲率半径70の中心点71はCL上にあり、第2の曲率半径72の中心点73はCLから0.180インチであり、第3の曲率半径74の中心点75はCLから1.043インチであり、曲率半径76の中心点77はCLから5.425インチである。
【0026】
本明細書に開示されている寸法は例示であり、矯正歯科医および/または患者要求に応じて異なってもよい。
【0027】
上記実施形態は例示および実施例として若干詳細に記載されているが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく特定の変形および修飾が可能である。
【国際調査報告】