IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

<>
  • 特表-LEDドライバ回路 図1
  • 特表-LEDドライバ回路 図2
  • 特表-LEDドライバ回路 図3
  • 特表-LEDドライバ回路 図4
  • 特表-LEDドライバ回路 図5
  • 特表-LEDドライバ回路 図6
  • 特表-LEDドライバ回路 図7
  • 特表-LEDドライバ回路 図8
  • 特表-LEDドライバ回路 図9
  • 特表-LEDドライバ回路 図10
  • 特表-LEDドライバ回路 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】LEDドライバ回路
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/325 20200101AFI20231023BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20231023BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20231023BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20231023BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20231023BHJP
【FI】
H05B45/325
H05B45/37
H05B45/20
H05B45/10
H05B47/155
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523174
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2021077902
(87)【国際公開番号】W WO2022078906
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】20202184.6
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ザイルマン テオ ヘリット
(72)【発明者】
【氏名】カールマン ヘンリクス マリウス ヨセフ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ホンテレ ベルトラント ヨハン エドヴァルト
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA22
3K273BA25
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA13
3K273CA26
3K273FA03
3K273FA04
3K273FA12
3K273FA14
3K273FA21
3K273FA26
3K273GA03
3K273GA10
3K273GA12
(57)【要約】
LEDドライバ回路は、パルス幅変調によって制御される、出力電流を設定するための第1電流源回路と、蓄積コンデンサを充電するための第2電流源回路とを使用する。補償装置は、前記パルス幅変調のオフ期間中に前記第2電流源回路によって供給される電流を増加させるために使用される。これは、入力から引き出される電流を補償し、入力電流パルスのより良いタイミング制御を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整流主電源入力信号を受信するための入力と、
蓄積コンデンサと、
出力電流を設定するための第1電流源回路であって、前記第1電流源回路が、オン期間及びオフ期間を備えるパルス幅変調によって制御され、前記第1電流源回路及び前記蓄積コンデンサが、コンデンサ放電ループを形成する第1電流源回路と、
前記蓄積コンデンサを充電するための充電回路であり、第2電流源回路を含む充電回路であって、前記第2電流源回路及び前記蓄積コンデンサが、コンデンサ充電ループを形成する充電回路と、
前記パルス幅変調のオフ期間中に前記第2電流源回路によって供給される電流を増加させるための補償装置とを有するLEDドライバ回路。
【請求項2】
前記補償装置が、前記入力から電流が引き出されている間だけ、前記パルス幅変調のオフ期間中に前記第2電流源回路によって供給される電流を増加させるためのものである請求項1に記載のドライバ回路。
【請求項3】
前記補償装置が、前記第1電流源回路と前記第2電流源回路との間の結合を有する請求項1又は2に記載のドライバ回路。
【請求項4】
前記第1電流源回路が、第1制御入力であって、グランド端子と前記第1制御入力との間の第1抵抗器の両端の電圧に基づいて、電流レベルを設定するための第1制御入力を有し、前記第2電流源回路が、第2制御入力であって、仮想端子と前記第2制御入力との間の第2抵抗器の両端の電圧に基づいて、電流レベルを設定するための第2制御入力を有し、前記補償装置が、前記仮想グランド端子と前記第1制御入力との間の結合を有する請求項3に記載のドライバ回路。
【請求項5】
前記補償装置が、前記第1電流源回路のパルス幅変調設定に依存して前記第2電流源の電流を設定するための補償回路を有する請求項1に記載のドライバ回路。
【請求項6】
前記補償回路が、前記第1電流源回路の前記パルス幅変調設定に依存して前記第2電流源の制御端子をハイ又はローにプルするためのトランジスタを有する請求項5に記載のドライバ回路。
【請求項7】
前記第2電流源回路が、第1制御入力であって、グランド端子と前記第1制御入力との間の第1抵抗器の両端の電圧に基づいて、電流レベルを設定するための第1制御入力を有し、前記補償装置が、前記第1抵抗器と並列に補償コンデンサを有する請求項1又は2に記載のドライバ回路。
【請求項8】
前記第1抵抗器及び前記補償コンデンサが、PWM周波数の2倍より大きいカットオフ周波数を持つ回路を形成する請求項7に記載のドライバ回路。
【請求項9】
前記充電ループ内に第1ダイオードを有し、前記放電ループ内に第2ダイオードを有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のドライバ回路。
【請求項10】
前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとが、反対の極性でノードに接続する請求項9に記載のドライバ回路。
【請求項11】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のドライバ回路と、
前記出力電流が供給されるLED装置とを有する照明装置。
【請求項12】
前記LED装置が、LEDフィラメント電球を有する請求項11に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDフィラメントランプは、それらの白熱灯のようなランプ外観のため、ますます人気が高まっている。
【0003】
これらのランプは、高いLEDストリング電圧を持ち、ランプドライバがエジソン口金に収まらなければならないというサイズ制限もある。これらの要件を満たすために、フィラメントLEDストリップに供給するために、リニア低力率電流源ドライバが使用される。これらのリニアドライバにおける電流は、振幅制御又はパルス幅変調制御(PWM調光)されることができる。これらのドライバにおいては、PWM制御が、結果として生じる主電源入力電流歪みにもかかわらず、調光精度及びカラーポイント制御のため、好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、入力電流の波形は、規制上の要件を満たす必要があり、これは、PWM調光を実施する場合に達成することが困難である。とりわけ、PWM調光信号は、高周波信号であり、例えば1kHzの信号である。
【0005】
既知のリニアドライバは、LEDに固定電流を流すために、LEDストリングと直列に電流源回路を有する。蓄積コンデンサが、例えば、組み合わされたLEDストリング及び直列接続電流源回路と並列にある。コンデンサは、蓄電コンデンサ電圧が整流主電源入力電圧より高いときにLEDストリングに(固定PWM制御電流で)放電し、整流主電源入力電圧がより高いときに整流主電源入力から充電する。充電フェーズ中には、整流主電源からの電流は、LED装置にも流れる。LED電流の如何なる変調も、主電流歪みの一因となる。
【0006】
別の(固定)電流源を使用して蓄積コンデンサの充電を制御することが知られている。これは、電流歪みを低減し、力率を改善する。しかしながら、PWM制御信号の高速スイッチング周波数の結果として、電流歪みが残る。この結果、整流主電源に対する入力電流の位相角がうまく制御されず、とりわけ、入力電流におけるピークのタイミング(「ピーク角度」)が、規制上の要件が満たされないことをもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項によって規定されている。
【0008】
本発明の或る態様による例によれば、
整流主電源入力信号を受信するための入力と、
蓄積コンデンサと、
出力電流を設定するための第1電流源回路であって、前記第1電流源回路が、オン期間及びオフ期間を備えるパルス幅変調によって制御され、前記第1電流源回路及び前記蓄積コンデンサが、コンデンサ放電ループを形成する第1電流源回路と、
前記蓄積コンデンサを充電するための充電回路であり、第2電流源回路を含む充電回路であって、前記第2電流源回路及び前記蓄積コンデンサが、コンデンサ充電ループを形成する充電回路と、
前記パルス幅変調のオフ期間中に前記第2電流源回路によって供給される電流を増加させるための補償装置とを有するLEDドライバ回路が提供される。
【0009】
このやり方においては、前記補償装置は、前記第2電流源回路の充電電流を増加させることによって、出力が全く電流を引き出していない時間を補償する。
【0010】
本発明は、受信される前記整流主電源信号がPWM制御信号と同期しないという問題に対処する。目的は、主電源周波数信号とPWM信号との間のタイミングオフセットに関係なく、電流ピークが一定のタイミングで発生する回路を提供することである。
【0011】
前記補償装置は、例えば、前記入力から電流が引き出されている間だけ、前記パルス幅変調のオフ期間中に前記第2電流源回路によって供給される電流を増加させるためのものである。
【0012】
前記コンデンサ充電ループの動作中に前記入力から電流が引き出され、前記コンデンサ放電ループの動作中には入力電流は引き出されない。従って、前記入力電流は、整流周波数のパルスを有する。これらのパルスは、前記第1電流源の前記パルス幅変調に起因する高周波歪みに悩まされる。前記補償装置は、これらのパルスのピークが各パルスの開始時に発生することを確実にする。
【0013】
前記補償装置は、前記第1電流源回路と前記第2電流源回路との間の結合を有してもよい。
【0014】
この結合は、前記第2電流源回路の前記充電電流が、可変にされ、前記第1電流源回路の状態に依存することを可能にする。
【0015】
或る例においては、前記第1電流源回路は、第1制御入力であって、グランド端子と前記第1制御入力との間の第1抵抗器の両端の電圧に基づいて、電流レベルを設定するための第1制御入力を有し、前記第2電流源回路は、第2制御入力であって、仮想端子と前記第2制御入力との間の第2抵抗器の両端の電圧に基づいて、電流レベルを設定するための第2制御入力を有し、前記補償装置は、前記仮想グランド端子と前記第1制御入力との間の結合を有する。
【0016】
従って、補償機能は、とりわけ、制御入力を前記第2電流源回路に適応させ、それによって、前記供給される電流を(LED電流である)前記出力電流に依存させるために、単に、前記第1電流源回路と前記第2電流源回路との間の結合として実施され得る。
【0017】
このやり方においては、出力電流PWM歪みは、前記第2電流源回路の制御回路(とりわけ、検出抵抗器)にそれを加えることによって、効果的に補償される。このやり方においては、前記入力電流の歪みは補償される。
【0018】
このやり方においては、前記第1電流源回路を制御するために使用される、検知される電流の流れが、前記第2電流源回路(即ち、充電ループ)のための制御入力に供給され、それによって、アナログ制御領域における補償を提供する。
【0019】
別の構成においては、前記補償装置は、前記第1電流源回路のパルス幅変調設定に依存して前記第2電流源の電流を設定するための補償回路を有する。
【0020】
従って、前記パルス幅変調信号が、前記第2電流源回路を制御するために使用され得る。これは、前記第1電流源回路の出力と前記第2電流源回路の出力との間の如何なる結合も回避するが、同じPWM信号のみを利用するので、実施するのが簡単である。
【0021】
前記補償回路は、前記第1電流源回路の前記パルス幅変調設定に依存して前記第2電流源の制御端子をハイ又はローにプルする(pull)ためのトランジスタを有してもよい。
【0022】
別の例においては、前記第1電流源回路は、第1制御入力であって、グランド端子と前記第1制御入力との間の第1抵抗器の両端の電圧に基づいて、電流レベルを設定するための第1制御入力を有し、前記補償装置は、前記第1抵抗器と並列に補償コンデンサを有する。
【0023】
前記補償コンデンサの追加は、フィルタ回路、とりわけ、微分器回路をもたらし、このことは、前記入力電流のピークを電流波形の開始点にシフトさせる。従って、効果は、前記ピーク角度の要件が満たされることができるように、入力電流歪みのピークをシフトさせ、増加させることである。
【0024】
前記第1抵抗器及び前記補償コンデンサは、PWM周波数の2倍より大きいカットオフ周波数を持つ回路を形成し得る。
【0025】
本発明は、
上記で規定されているようなドライバ回路と、
前記出力電流が供給されるLED装置とを有する照明装置も提供する。
【0026】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明のより良い理解のために、及び本発明がどのようにして実施され得るかをより明確に示すために、ここで、ほんの一例として、添付図面を参照する。
図1】既知のリニアLEDドライバを示す。
図2図1の回路から生じる入力電流歪みを示す。
図3】本発明によるリニアLEDドライバの第1例を示す。
図4図3の回路から生じる入力電流歪みを示す。
図5図3の回路の更なる波形を示す。
図6】本発明によるリニアLEDドライバの第2例を示す。
図7図6の回路から生じる入力電流歪みを示す。
図8図6の回路の更なる波形を示す。
図9】本発明によるリニアLEDドライバの第3例を示す。
図10図9の回路から生じる入力電流歪みを示す。
図11図9の回路の更なる波形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図を参照して本発明について説明する。
【0029】
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、説明の目的のためのものでしかなく、本発明の範囲を限定しようとするものではないことは理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からよりよく理解されるようになるだろう。図は、単に概略的なものに過ぎず、縮尺通りには描かれていないことは、理解されたい。図の全体を通して、同じ参照符号は、同じ又は同様のパーツを示すために使用されていることも、理解されたい。
【0030】
本発明は、パルス幅変調によって制御される、出力電流を設定するための第1電流源回路と、蓄積コンデンサを充電するための第2電流源回路とを使用するLEDドライバ回路を提供する。補償装置は、パルス幅変調のオフ期間中に第2電流源回路によって供給される電流を増加させるために使用される。これは、入力から引き出される電流を補償し、入力電流パルスのより良いタイミング制御を可能にする。
【0031】
図1は、既知のリニア電流ドライバを示している。
【0032】
入力は、整流主電源信号Vrectである。入力は、(単に第1電流源と呼ばれる)第1電流源回路1と直列のLEDストリングD3、D4、D5に供給される。第1電流源は、LEDストリングに定電流を流すが、電流源は、パルス幅変調(PWM)を使用してオン及びオフにされる。
【0033】
蓄積コンデンサC1は、LEDストリング及び電流源回路と並列にある。蓄積コンデンサC1の或る端部は、入力Vrectに接続し、蓄積コンデンサC1の別の端部は、ノードN1に接続する。このノードは、逆方向ダイオードD2を介してグランドに接続し、故に、蓄積コンデンサ及びダイオードD2の直列組み合わせは、LEDストリング及び第1電流源1と並列にある。ノードN1は、順方向ダイオードD1を介して、単に第2電流源と呼ばれる、第2電流源回路2に接続する。この電流は、電流検出抵抗器Rsenseを流れる。
【0034】
蓄積コンデンサC1の目的は、主電源周波数リップルを平滑化することであり、第1電流源1のパルス幅変調の目的は、調光制御を提供することである。
【0035】
PWM調光制御は、例えば1kHzで動作し、故に、第1電流源1は、1kHzでオン及びオフにする。デューティサイクルは、流れる平均電流を決定する。
【0036】
回路は、充電サイクルと放電サイクルとを有する。
【0037】
充電サイクルは、瞬時電圧Vrectが、蓄積コンデンサC1に蓄積される平滑化電圧より大きいときに、行われる。この期間中、第1電流源1は、入力Vrectから電流を引き出し、第2電流源2は、ダイオードD1を介して蓄積コンデンサへの充電電流を引き出す。ダイオードD2はオフである。電荷の流れが、実線の矢印によって示されている。
【0038】
従って、蓄積コンデンサは、第2電流源2の定電流で充電される。
【0039】
放電サイクルは、瞬時電圧Vrectが、蓄積コンデンサC1に蓄積される平滑化電圧未満であるときに、行われる。この期間中、第1電流源1は、点線の矢印によって示されている電荷の流れで蓄積コンデンサC1から電流を引き出す。このフェーズにおいては、ダイオードD2は導通し、ダイオードD1はオフである。従って、ダイオードは、事実上、入力における電圧に基づいて放電サイクルにおいて第2電流源2を自動的に(受動的に)オフにする。第1電流源は能動的にオン及びオフにされる。
【0040】
蓄積コンデンサC1の充電及び放電サイクルは、主電源の50Hz又は60Hzの周波数のものであり、50Hz又は60Hzのリップルを平滑化する。(第1電流源がオフであるときはゼロ電流があることから)LED電流には1kHzのリップルが残る。補償されない場合、このリップルは主電源電流にも存在する。
【0041】
図2は、図1の回路における、(整流前の)主電源電圧Vmainsと、主電源から引き出される(整流前の)電流Imainsとを示している。
【0042】
Imains信号の各ピークは、入力電圧Vrectが蓄積コンデンサC1の電圧より大きい時間である。残りの時間、蓄積コンデンサは、第1電流源1によって引き出される電流の供給源を提供している。
【0043】
入力電流において高周波リップルが見られ得る。PWM制御信号の高速スイッチング周波数が主電源周波数と同期しないことから、特定の問題が生じる。この結果、整流主電源に対する電流ピークの位相角がうまく制御されず、とりわけ、電流におけるピークのタイミング(「ピーク角度」)が、規制上の要件が満たされないことをもたらし得る。
【0044】
図3は、図1の回路の或る可能な実施例、及び本発明の例による第1修正例を示している。
【0045】
図3は、整流されていない主電源入力10と、整流器12と、EMIフィルタ14とを示している。フィルタの出力は、図1の整流主電源信号Vrectである。入力ダイオードD0も示されている。
【0046】
回路は、第1電流源1を実施する第1集積回路と、第2電流源2を実施する第2集積回路とを有する。
【0047】
第1電流源1において示されているように、この例は、2つのLEDストリング、例えば2200Kの温白色(warm white)(WW)のLEDの1つのストリングLED1と、例えば3000Kの冷白色(cool white)(CW)のLEDの1つのストリングLED2とを有する。それらは、LED供給電圧VLED+と、集積回路のそれぞれの出力ピンとの間に接続される。2つの異なる色温度は、所望の色温度の制御を提供するよう混ぜ合わされる。LEDストリングは、例えば、一緒にLEDフィラメント電球を形成する。
【0048】
この目的のために、各ストリングは、それ自身のPWM設定を持つ。このPWM設定は、WW及びCWとして示されており、これらの設定は、第1電流源1の調光入力に供給される。
【0049】
図3の修正例は、第2電流源2の制御においてPWM設定を使用するものである。
【0050】
この目的のために、第2電流源2は、PWM入力CW、WWのいずれかがハイであるときにオンにされる入力トランジスタQ1を有する。従って、トランジスタQ1は、入力ダイオード16と一緒にオフポートを形成する。Q1がオンにされるときには、電流源2への調光入力がローにプルされる。Q1のドレインと直列の抵抗器Rdrainが、Q1を介してグランドにプルされ、より低い(デフォルト)充電電流設定を与える。
【0051】
これの効果は、入力電流歪み補償が無効になるというものである。入力コンデンサの充電電流は、通常の充電設定を有する。
【0052】
Q1がオフにされるときには、Q1のドレインと直列の抵抗器Rdrainがグランドにプルダウンされないことから、電流源2への調光入力が電源電圧18にプルハイ(pull high)され、従って、充電電流源に対してより大きな電流がアクティブになる。
【0053】
これの効果は、入力電流歪み補償が有効になるというものである。入力コンデンサの充電電流は、通常の設定にLED電流の合計(WW+CW)を加えたものを有する。
【0054】
WW及びCWは、CW及びWWの組み合わせにおいて、最大輝度時に100%のデューティサイクルを持つように、相補的なやり方で切り替えられる。例えば、最大輝度において、WW=70%且つCW=30%である。90%まで調光するときには、WW=63%且つCW=30%となり、このことは、入力電流において歪みを生じさせる。
【0055】
Q1周辺の回路は、LEDストリングのPWM制御を介して、第2電流源2によって供給される電流の単純なカウンター変調(counter modulation)を実施する。LED電流が主電源入力を流れていない(即ち、WW及びCWがゼロである)ときには、端子Dim1及びDim2が電源18によってプルハイされることから、充電電流源は追加のLED電流で変調される。
【0056】
このやり方において、入力電流歪みが補償される。
【0057】
従って、トランジスタQ1は、第2電流源2の制御を、CW及びWWによって規定される調光レベルに適応させる。LED電流がないときには、追加の電流が供給される。
【0058】
最大輝度時には、トランジスタQ1はオンであり、通常の充電電流設定が供給される。信号WW及びCWの両方がゼロであるときにのみ、補償が有効になる。
【0059】
蓄積コンデンサC1、並びにダイオードD1及びD2は、図1において示されているのと同じように構成される。
【0060】
電流源は、各LEDストリングに対して1つずつ、電流検知入力を持つ。第1電流源1のための電流検出抵抗器RS1及びRS2が示されている。各LEDストリングのLED電流は、そのそれぞれの電流検出抵抗器を流れ、故に、結果として生じる電圧は、流れる電流の尺度となる。電流検出抵抗器RS3及びRS4は、図1においてRsenseによって表されているように、充電電流をモニタするために使用される。
【0061】
各電流源回路は、グランドピンを有する。図3の例においては、各電流源回路は、実際のグランドに接続されるそのグランドピンと接続される。
【0062】
図4は、図3の回路の入力電流Imainsへの影響を示している。
【0063】
図5は、更に、充電電流Ichargeと、(総)LED電流ILEDとを示している。充電電流は、もはや一定値ではなく、その代わりに1kHzのリップルを持つ。とりわけ、LED電流がゼロである(従って、PWM電流のローの部分がLEDストリングを流れている)ときに、増加した充電電流Ichargeがある。
【0064】
図6は、本発明の第2例による修正を加えた図1の回路の実施例を示している。
【0065】
図6において示されている第2修正例は、第1電流源1のグランドピンを第2電流源2の電流検知入力のうちの1つに結合するものである。従って、第1電流源回路と第2電流源回路との間の結合がある。
【0066】
これの効果は、充電電流源の検出抵抗器RS4を介してRS1及びRS2を通る検知LED電流と検知充電電流との加算を実施することである。
【0067】
この実施例においては、RS3及びRS4を通る総電流が、モニタされ、Ichargeを制御するために使用され、従って、検知LED電流が、第2電流源2のいずれかの電流検知入力に加えられることができる。
【0068】
検出抵抗器RS1及びRS2を通るLED電流がゼロであるとき、充電電流源は、この低い検知電流を検出し、従って、電流源2によって実施されるフィードバック制御機構が、自動的に(LED電流に対応する)追加の電流を加える。
【0069】
従って、充電電流源は、LED電流がゼロである期間中、追加の電流を供給するよう作成される。このやり方において、入力電流歪みが更に補償される。
【0070】
図7は、図6の回路の入力電流Imainsへの影響を示している。
【0071】
図8は、更に、充電電流Ichargeと、(総)LED電流ILEDとを示している。この場合も先と同様に、充電電流は、もはや一定値ではなく、その代わりに1kHzのリップルを持つ。とりわけ、LED電流がゼロである(従って、PWM電流のローの部分がLEDストリングを流れている)ときに、増加した充電電流Ichargeがある。
【0072】
図9は、更なる代替手法を示している。
【0073】
第1電流源1は、図3と同様に、従来のままであり、即ち、第2電流源2の電流検知入力との間の結合はない。更に、第1電流源1は、グランドに接続されるそのグランドピンを有する。従って、第1電流源は示されていない。
【0074】
上記で説明したように、第2電流源回路2は、制御入力(示されている例においては、2つあり、CS1及びCS2がある)であって、グランド端子と制御入力との間の抵抗器(示されている例においては、2つあり、RS3及びRS4がある)の両端の電圧に基づいて、電流レベルを設定するための制御入力を有する。
【0075】
図9の修正例は、抵抗器と並列に補償コンデンサを設けるものであり、従って、この例においては、2つの補償コンデンサC2、C3がある。
【0076】
補償コンデンサの追加は、フィルタ回路、とりわけ、微分器回路をもたらし、このことは、入力電流ピークのピークを電流波形の開始点にシフトさせる。従って、効果は、ピーク角度の要件が満たされることができるように、入力電流歪みのピークをシフトさせ、増加させることである。各電流検出抵抗器及びその関連補償コンデンサは、例えば、PWM周波数の2倍より大きいカットオフ周波数を持つ回路を形成する。
【0077】
これは、アナログ制御による充電電流源へのピークパルス注入を提供する。充電電流源がコンデンサC1の充電を開始するとき、初期電流設定値が微分器コンデンサC2、C3を介して増加させられる。このやり方においては、入力電流歪みは改善されないが、ピーク角度が、規制上の要件を満たすよう、入力電流の開始点の方へシフトされる。
【0078】
図10は、入力電流Imainsへの影響を示している。
【0079】
図11は、更に、充電電流Ichargeと、(総)LED電流ILEDとを示している。この場合も先と同様に、充電電流は、もはや一定値ではなく、その代わりに初期ピークを持つ。
【0080】
上記の3つの例は、全て、パルス幅変調のオフ期間中に第2電流源回路によって供給される電流を(パルス幅変調のオン期間中の電流に比べて)増加させることを含む。従って、それらは、全て、主電源電流パルスのピークのタイミングを制御するという所望の効果を有する。電流源回路は、例えば、ICのBP5578EJである。
【0081】
上記の例は、2つのPWM信号及び2つの電流検知フィードバックループを備える、2つのLEDストリングを使用している。当然、回路は、図1において示されているような、1つのLEDストリングで実施されてもよい。
【0082】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。
【0083】
単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0084】
特許請求の範囲又は明細書において「~するよう適合される」という用語が使用されている場合には、「~するよう適合される」という用語は、「~するよう構成される」という用語と同等であるよう意図されていることに留意されたい。
【0085】
特許請求の範囲における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】