(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】再構成可能なロボットユニットモジュール及び再構成可能なロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 9/08 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
B25J9/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523541
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2021114643
(87)【国際公開番号】W WO2022088891
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202011181412.1
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】朱 大昌
(72)【発明者】
【氏名】杜 宝林
(72)【発明者】
【氏名】黄 楽涵
(72)【発明者】
【氏名】頼 俊豪
(72)【発明者】
【氏名】盤 意華
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CU09
3C707CX01
3C707CX03
3C707HS27
3C707HT24
(57)【要約】
再構成可能なロボットユニットモジュールであって、主棒(1)と、接続棒(2)と、支持棒(3)とを含む。主棒(1)の一端は、第1の減速機(4)を介して接続棒(2)の一端に回動接続され、接続棒(2)の他端は、第2の減速機(5)を介して支持棒(3)の側壁に回動接続される。支持棒(3)の一端に第1の挟持突合せ具(6)が接続され、支持棒(3)の他端に第2の挟持突合せ具(7)が接続される。支持棒(3)には、第1の挟持突合せ具(6)と第2の挟持突合せ具(7)の挟持又は解放を制御するために使用される挟持制御機構(8)が設けられている。再構成可能なロボットを更に提供し、台座(9)及び少なくとも1つの再構成可能なロボットユニットモジュールを含む。この再構成可能なロボットユニットモジュールは、他のユニットモジュールを安定して把持し、複数のユニットモジュールの接続を実現することができる。この再構成可能なロボットは、自由度が多く、スムーズに動作し、環境適応能力が高く、多重環境のタスク要件を満たすことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
主棒と、接続棒と、支持棒とを含み、
主棒の一端は、第1の減速機を介して接続棒の一端に回動接続され、
接続棒の他端は、第2の減速機を介して支持棒の側壁に回動接続され、
支持棒の一端に第1の挟持突合せ具が接続され、支持棒の他端に第2の挟持突合せ具が接続され、
支持棒には、第1の挟持突合せ具と第2の挟持突合せ具の挟持又は解放を制御するために使用される挟持制御機構が設けられていることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
主棒内に第1のサーボモータが設けられ、
第1のサーボモータは、第1の減速機に接続され、接続棒を主棒上で回転駆動し、
接続棒内に第2のサーボモータが設けられ、
第2のサーボモータは、第2の減速機に接続され、支持棒を接続棒上で回転駆動することを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
挟持制御機構は、モータ取付フレームと、第1の回転軸と、第2の回転軸を含み、
モータ取付フレームは、支持棒の側壁に固定され、
モータ取付フレームに第3のサーボモータが取り付けられ、
第3のサーボモータの出力軸にアクティブベベルギアがセットされ、
第1の回転軸の一端に第1の従動ベベルギアがセットされ、第1の回転軸の他端に第1の円筒ギアがセットされ、
第2の回転軸の一端に第2の従動ベベルギアがセットされ、第2の回転軸の他端に第2の円筒ギアがセットされ、
アクティブベベルギアの一方の側は、第1の従動ベベルギアに噛合接続され、アクティブベベルギアの他方の側は、第2の従動ベベルギアに噛合接続されていることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第1の挟持突合せ具は、第1の軸受を含み、
第1の軸受は、支持棒の一端にセットされ、
第1の軸受の内輪は、支持棒に固定され、
第1の軸受の外輪の内側に第1のラックが設けられ、
第1のラックは、第1の円筒ギアに噛合接続し、
第1の軸受の外輪の側壁には、複数の第1の円弧状挟持片が回動接続され、
第1の円弧状挟持片に第1の円弧状ガイドレールが設けられ、
第1の軸受の内輪には、第1の円弧状ガイドレールに対応する第1の調整棒が複数設けられ、
第1の調整棒は、第1の円弧状ガイドレールに位置することを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第2の挟持突合せ具は、第2の軸受を含み、
第2の軸受は、支持棒の他端にセットされ、
第2の軸受の内輪は、支持棒に固定され、
第2の軸受の外輪の内側に第2のラックが設けられ、
第2のラックは、第2の円筒ギアに噛合接続し、
第2の軸受の外輪の側壁には、複数の第2の円弧状挟持片が回動接続され、
第2の円弧状挟持片に第2の円弧状ガイドレールが設けられ、
第2の軸受の内輪には、第2の円弧状ガイドレールに対応する第2の調整棒が複数設けられ、
第2の調整棒は、第2の円弧状ガイドレールに位置することを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第1の円弧状挟持片の取り付け方向と第2の円弧状挟持片の取り付け方向とが反対であることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項7】
請求項5に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第1の円弧状挟持片の数と第2の円弧状挟持片の数は、いずれも3つ以上であることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項8】
請求項1に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
主棒の他端の側壁には、台座と接続するための係止溝が設けられていることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【請求項9】
再構成可能なロボットであって、
台座と、少なくとも1つの請求項1~8のいずれか1項に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールを含み、
ユニットモジュールの数が1つである場合、ユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、
ユニットモジュールの数が2つ以上である場合、一方のユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、隣接する他方のユニットモジュールの主棒は、一方のユニットモジュールの支持棒に固定されることを特徴とする再構成可能なロボット。
【請求項10】
請求項9に記載の再構成可能なロボットであって、
台座にスロットが設けられ、
台座に接続されたユニットモジュールの主棒がスロットに挿入され、
台座の側壁に挿通孔が設けられ、
台座は、台座の挿通孔を貫通して主棒の係止溝に係合する挿通棒を更に含むことを特徴とする再構成可能なロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット技術分野に関し、具体的には再構成可能なロボットユニットモジュール及び再構成可能なロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
ここ30年来、情報技術、新材料技術などの科学学科技術の急速な発展と広範な応用は、世界の製造業の巨大な変革を引き起こした。産業用ロボットは、ハイテクデジタル化知能装備として、その高効率、高柔軟性などの優位性ですでに機械加工、自動車及び自動車部品製造など多くの工業分野に広く応用されており、フレキシブル製造システム(FMS)、産業自動化(FA)、コンピュータ統合製造システム(CIMS)の先進的な自動化ツールとなっている。しかし、産業機械が担当するタスクがますます複雑で多様になるにつれて、伝統的な構成のロボットは、多重環境のタスク要求を満たすのに十分ではない。多重環境のタスク要求を満たすために、再構成可能なロボットの使用が開始されている。再構成可能なロボットは、タスクの需要と環境の変化に応じて再構成可能なロボットであり、一般的には複数の同種又は異種のユニットモジュールから接続によって構成され、各モジュール間には統一的なインタフェース環境があり、力、運動及びエネルギーなどを伝達するために使用でき、モジュール間の接続切断操作を通じて、再編を行って全体の構造を変更し、運動形式を拡張し、多種の運動と操作タスクを完成する。従来の固定構成ロボットと比較して、再構成可能なロボットは、環境適応能力が高く、部品破損に対する包含性が高く、モジュール化された組み合わせ設計は、部品の汎用性を高めることができる。しかし、従来の再構成可能なロボットのユニットモジュールは、通常、単体モジュールの自由度が少なく、接続方式の精度が低く、ユニットモジュールが複雑であり、コストが高く、普及に不便であるなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術に存在する技術的課題に対して、本発明の第1の目的は、2つの自由度を有し、2つの挟持突合せ具を介して他のユニットモジュールを安定的に挟持し、複数のユニットモジュールの接続を実現する再構成可能なロボットユニットモジュールを提供することである。
【0004】
本発明の第2の目的は、複数の自由度を有し、柔軟性が高く、少なくとも1つの再構成可能なロボットユニットモジュールから構成される再構成可能なロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
再構成可能なロボットユニットモジュールであって、主棒と、接続棒と、支持棒とを含み、主棒の一端は、第1の減速機を介して接続棒の一端に回動接続され、接続棒の他端は、第2の減速機を介して支持棒の側壁に回動接続され、支持棒の一端に第1の挟持突合せ具が接続され、支持棒の他端に第2の挟持突合せ具が接続され、支持棒には、第1の挟持突合せ具と第2の挟持突合せ具の挟持又は解放を制御するために使用される挟持制御機構が設けられている。
【0006】
更に、主棒内に第1のサーボモータが設けられ、第1のサーボモータは、第1の減速機に接続され、接続棒を主棒上で回転駆動し、接続棒内に第2のサーボモータが設けられ、第2のサーボモータは、第2の減速機に接続され、支持棒を接続棒上で回転駆動する。
【0007】
更に、挟持制御機構は、モータ取付フレームと、第1の回転軸と、第2の回転軸を含み、モータ取付フレームは、支持棒の側壁に固定され、モータ取付フレームに第3のサーボモータが取り付けられ、第3のサーボモータの出力軸にアクティブベベルギアがセットされ、第1の回転軸の一端に第1の従動ベベルギアがセットされ、第1の回転軸の他端に第1の円筒ギアがセットされ、第2の回転軸の一端に第2の従動ベベルギアがセットされ、第2の回転軸の他端に第2の円筒ギアがセットされ、アクティブベベルギアの一方の側は、第1の従動ベベルギアに噛合接続され、アクティブベベルギアの他方の側は、第2の従動ベベルギアに噛合接続されている。
【0008】
更に、第1の挟持突合せ具は、第1の軸受を含み、第1の軸受は、支持棒の一端にセットされ、第1の軸受の内輪は、支持棒に固定され、第1の軸受の外輪の内側に第1のラックが設けられ、第1のラックは、第1の円筒ギアに噛合接続し、第1の軸受の外輪の側壁には、複数の第1の円弧状挟持片が回動接続され、第1の円弧状挟持片に第1の円弧状ガイドレールが設けられ、第1の軸受の内輪には、第1の円弧状ガイドレールに対応する第1の調整棒が複数設けられ、第1の調整棒は、第1の円弧状ガイドレールに位置する。
【0009】
更に、第2の挟持突合せ具は、第2の軸受を含み、第2の軸受は、支持棒の他端にセットされ、第2の軸受の内輪は、支持棒に固定され、第2の軸受の外輪の内側に第2のラックが設けられ、第2のラックは、第2の円筒ギアに噛合接続し、第2の軸受の外輪の側壁には、複数の第2の円弧状挟持片が回動接続され、第2の円弧状挟持片に第2の円弧状ガイドレールが設けられ、第2の軸受の内輪には、第2の円弧状ガイドレールに対応する第2の調整棒が複数設けられ、第2の調整棒は、第2の円弧状ガイドレールに位置する。
【0010】
更に、第1の円弧状挟持片の取り付け方向と第2の円弧状挟持片の取り付け方向とが反対である。
【0011】
更に、第1の円弧状挟持片の数と第2の円弧状挟持片の数は、いずれも3つ以上である。
【0012】
更に、主棒の他端の側壁には、台座と接続するための係止溝が設けられている。
【0013】
再構成可能なロボットであって、台座と、少なくとも1つの再構成可能なロボットユニットモジュールを含み、ユニットモジュールの数が1つである場合、ユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、ユニットモジュールの数が2つ以上である場合、一方のユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、隣接する他方のユニットモジュールの主棒は、一方のユニットモジュールの支持棒に固定される。
【0014】
更に、台座にスロットが設けられ、台座に接続されたユニットモジュールの主棒がスロットに挿入され、台座の側壁に挿通孔が設けられ、台座は、台座の挿通孔を貫通して主棒の係止溝に係合する挿通棒を更に含む。
【発明の効果】
【0015】
総じて言えば、本発明は、以下の利点を有する。
1、本発明の再構成可能なロボットユニットモジュールは、2つの自由度を有し、そしてこのユニットモジュールは、2つの挟持突合せ具を介して他のユニットモジュールを安定的に挟持し、複数のユニットモジュールの接続を実現することができる。
2、本発明の再構成可能なロボットは、少なくとも1つの再構成可能なロボットユニットモジュールから構成される。使用時、必要に応じてユニットモジュールの数を調整し、異なる形式の再構成可能なロボットを構成することができる。この再構成可能なロボットは、複数の自由度を有し、柔軟性が高く、環境適応能力が高く、多重環境のタスク要求を満たすことができる。
3、本発明の再構成可能なロボットは、自由度が多く、スムーズに動作し、ユニットモジュールの構造が簡単であり、ユニットモジュール間の接続精度が高く、普及に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の再構成可能なロボットユニットモジュールの構成図である。
【
図2】本発明の2つの再構成可能なロボットユニットモジュールの接続構造の概略図である。
【
図3】本発明の再構成可能なロボットの構成図である。
【
図4】本発明の支持棒と第1の挟持突合せ具、第2の挟持突合せ具との接続の構造概略図である。
【
図5】本発明の支持棒と第1の挟持突合せ具、第2の挟持突合せ具との接続の概略図である。
【
図6】本発明の第1の挟持突合せ具の構成図である。
【
図7】本発明の第1の挟持突合せ具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面及び具体的な実施形態を用いて本発明を更に詳細に説明する。
【0018】
図1及び
図2に示すように、再構成可能なロボットユニットモジュールは、主棒と、接続棒と、支持棒とを含む。主棒の一端は、第1の減速機を介して接続棒の一端に回動接続され、接続棒の他端は、第2の減速機を介して支持棒の側壁に回動接続される。即ち、支持棒の側壁にポートが開設され、接続棒の他端は、第2の減速機を介して支持棒の側壁のポートに回動接続される。本実施形態では、接続棒の一端と接続棒の他端は互いに垂直であり、すなわち接続棒の一端と接続棒の他端との間の角度は、90°である。支持棒の一端に第1の挟持突合せ具が接続され、支持棒の他端に第2の挟持突合せ具が接続される。支持棒は、円筒状の中空構造である。第1の挟持突合せ具と第2の挟持突合せ具は、他のユニットモジュールの主棒を挟持又は解放するために用いられる。他のユニットモジュールの主棒は、第1の挟持突合せ具又は第2の挟持突合せ具を貫通して支持棒に位置する。支持棒には、第1の挟持突合せ具と第2の挟持突合せ具の挟持又は解放を制御するために使用される挟持制御機構が設けられている。主棒の他端の側壁には、台座と接続するための係止溝が設けられている。
【0019】
主棒内に第1のサーボモータが設けられ、第1のサーボモータは、第1の減速機に接続され、接続棒を主棒上で回転駆動し、接続棒が主棒上で360°回転することができる。接続棒内に第2のサーボモータが設けられ、第2のサーボモータは、第2の減速機に接続され、支持棒を接続棒上で回転駆動し、支持棒が接続棒上で360°回転することができる。
【0020】
図4及び
図5に示すように、挟持制御機構は、モータ取付フレームと、第1の回転軸と、第2の回転軸を含む。モータ取付フレームは、支持棒の側壁に固定される。モータ取付フレームに第3のサーボモータが取り付けられる。第3のサーボモータの出力軸にアクティブベベルギアがセットされる。第1の回転軸の一端に第1の従動ベベルギアがセットされ、第1の回転軸の他端に第1の円筒ギアがセットされる。第2の回転軸の一端に第2の従動ベベルギアがセットされ、第2の回転軸の他端に第2の円筒ギアがセットされる。アクティブベベルギアの一方の側は、第1の従動ベベルギアに噛合接続され、アクティブベベルギアの他方の側は、第2の従動ベベルギアに噛合接続されている。第3のサーボモータは、アクティブベベルギアの回転を駆動するために用いられる。アクティブベベルギアの回転は、第1の従動ベベルギアと第2の従動ベベルギアの回転を駆動することができる。第1の従動ベベルギアの回転は、第1の回転軸の回転を駆動することができ、それによって第1の円筒ギアの回転を駆動することができる。第2の従動ベベルギアの回転は、第2の回転軸の回転を駆動することができ、それによって第2の円筒ギアの回転を駆動することができる。
【0021】
図6及び
図7に示すように、第1の挟持突合せ具は、第1の軸受を含み、第1の軸受は、支持棒の一端にセットされ、第1の軸受の内輪は、支持棒に固定され、第1の軸受の外輪の内側に第1のラックが設けられ、第1のラックは、第1の円筒ギアに噛合接続し、第1の軸受の外輪の側壁には、複数の第1の円弧状挟持片が回動接続され、第1の円弧状挟持片に第1の円弧状ガイドレールが設けられ、第1の軸受の内輪には、第1の円弧状ガイドレールに対応する第1の調整棒が複数設けられ、第1の調整棒は、第1の円弧状ガイドレールに位置する。第1のラックが第1の円筒ギアと噛合接続するため、第1の円筒ギアの回転は、第1の軸受の外輪の回転を駆動することができ、第1の軸受の外輪の回転は、第1の円弧状挟持片の回転を駆動することができる。第1の軸受の内輪が支持棒に固定され、第1の軸受の内輪には第1の調整棒が設けられ、第1の調整棒が第1の円弧状ガイドレールに位置するため、第1の円弧状挟持片は、第1の円弧状ガイドレールの方向に沿って中心に向かって挟持するか、エッジに向かって解放することしかできない。
【0022】
図6及び
図7を参照すると、第2の挟持突合せ具は、第2の軸受を含み、第2の軸受は、支持棒の他端にセットされ、第2の軸受の内輪は、支持棒に固定され、第2の軸受の外輪の内側に第2のラックが設けられ、第2のラックは、第2の円筒ギアに噛合接続し、第2の軸受の外輪の側壁には、複数の第2の円弧状挟持片が回動接続され、第2の円弧状挟持片に第2の円弧状ガイドレールレールが設けられ、第2の軸受の内輪には、第2の円弧状ガイドレールに対応する第2の調整棒が複数設けられ、第2の調整棒は、第2の円弧状ガイドレールに位置する。第2のラックが第2の円筒ギアと噛合接続するため、第2の円筒ギアの回転は、第2の軸受の外輪の回転を駆動することができ、第2の軸受の外輪の回転は、第2の円弧状挟持片の回転を駆動することができる。第2の軸受の内輪が支持棒に固定され、第2の軸受の内輪に第2の調整棒が設けられ、第2の調整棒が第2の円弧状ガイドレールに位置するため、第2の円弧状挟持片は、第2の円弧状ガイドレールの方向に沿って中心に向かって挟持するか、エッジに向かって解放することしかできない。
【0023】
第1の円弧状挟持片の取り付け方向と第2の円弧状挟持片の取り付け方向とが反対である。アクティブベベルギアが回転すると、アクティブベベルギアは、第1の従動ベベルギアと第2の従動ベベルギアの回転を駆動することができる。第1の従動ベベルギアと第2の従動ベベルギアの回転方向が逆であるため、第1の回転軸と第2の回転軸の回転方向も逆であり、第1の円筒ギアと第2の円筒ギアの回転方向も逆である。それにより、第1の軸受の外輪と第2の軸受の外輪の回転方向が逆であり、第1の円弧状挟持片と第2の円弧状挟持片の回転方向が逆になることを招く。第1の円弧状挟持片と第2の円弧状挟持片が同時に中心に向かって挟持し、又は同時にエッジに向かって解放することができるようにするために、第1の円弧状挟持片の取り付け方向と第2の円弧状挟持片の取り付け方向を逆にすることで、第1の円弧状挟持片と第2の円弧状挟持片の回転方向が逆になるものの、第1の円弧状挟持片と第2の円弧状挟持片が同時に中心に向かって挟持し、又はエッジに向かって解放することができ、第1の円弧状挟持片と第2の円弧状挟持片が同時に別のユニットモジュールの主棒を挟持したり別のユニットモジュールの主棒を同時に解放したりすることができることを保証する。
【0024】
第1の円弧状挟持片の数と第2の円弧状挟持片の数は、いずれも3つ以上である。第1の円弧状挟持片と第2の円弧状挟持片が他のユニットモジュールの主棒を挟持できることを確保するために、本実施形態では、第1の円弧状挟持片の数と第2の円弧状挟持片の数は、いずれも3つ以上である。
【0025】
再構成可能なロボットであって、台座と、少なくとも1つの再構成可能なロボットユニットモジュールを含む。ユニットモジュールの数が1つである場合、ユニットモジュールの主棒は、台座に固定される。ユニットモジュールの数が2つ以上である場合、一方のユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、隣接する他方のユニットモジュールの主棒は、一方のユニットモジュールの支持棒に固定される。
【0026】
複数のユニットモジュールをこのように接続することができ、必要に応じてユニットモジュールの数を調整し、異なる形式の再構成可能なロボットを構成することができる。
【0027】
図3に示すように、本実施形態では、ユニットモジュールの数は、2つであり、底部のユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、上部のユニットモジュールの主棒は、底部のユニットモジュールの支持棒に固定されている。
【0028】
図8に示すように、台座にスロットが設けられ、台座に接続されたユニットモジュールの主棒がスロットに挿入され、台座の側壁に挿通孔が設けられ、台座は、挿通棒を更に含む。挿通棒は、台座の挿通孔を貫通して主棒の係止溝に係合することにより、ユニットモジュールを台座に固定する。
【0029】
本発明を使用する際には、まずボトムユニットモジュールとトップユニットモジュールを接続してから、ボトムユニットモジュールを台座に固定してもよく、又は、まずボトムユニットモジュールを台座に固定してから、トップユニットモジュールをボトムユニットモジュールに固定してもよい。ボトムユニットモジュールを台座に固定する場合、ボトムユニットモジュール上の主棒は、台座のスロットに挿入され、挿通棒は、台座の挿通孔を貫通してボトムユニットモジュール上の主棒の係止溝に係合し、ボトムユニットモジュールを台座に固定する。トップユニットモジュールをボトムユニットモジュールに固定する場合、トップユニットモジュールの主棒は、ボトムユニットモジュールの第1の挟持突合せ具又は第2の挟持突合せ具を貫通してボトムユニットモジュールの支持棒に穿孔した後、ボトムユニットモジュールの第3のサーボモータにより駆動され、トップユニットモジュールの主棒をボトムユニットモジュールの支持棒に挟持し、トップユニットモジュールとボトムユニットモジュールの接続を実現する。
【0030】
総じて言えば、本発明の再構成可能なロボットユニットモジュールは、2つの自由度を有し、そしてこのユニットモジュールは、2つの挟持突合せ具を介して他のユニットモジュールを安定的に挟持し、複数のユニットモジュールの接続を実現することができる。本発明の再構成可能なロボットは、少なくとも1つの再構成可能なロボットユニットモジュールから構成される。使用時、必要に応じてユニットモジュールの数を調整し、異なる形式の再構成可能なロボットを構成することができる。この再構成可能なロボットは、複数の自由度を有し、柔軟性が高く、環境適応能力が高く、多重環境のタスク要求を満たすことができる。本発明の再構成可能なロボットは、自由度が多く、スムーズに動作し、ユニットモジュールの構造が簡単であり、ユニットモジュール間の接続精度が高く、普及に有利である。
【0031】
上記は、本発明の好ましい実施形態であるが、本発明の実施形態は、上記の内容に限定されるものではなく、他のいかなる本発明の精神的実質と原理から逸脱していない変更、修飾、代替、組み合わせ、簡略化も、等価な置換形態であり、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【0032】
(付記)
(付記1)
再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
主棒と、接続棒と、支持棒とを含み、
主棒の一端は、第1の減速機を介して接続棒の一端に回動接続され、
接続棒の他端は、第2の減速機を介して支持棒の側壁に回動接続され、
支持棒の一端に第1の挟持突合せ具が接続され、支持棒の他端に第2の挟持突合せ具が接続され、
支持棒には、第1の挟持突合せ具と第2の挟持突合せ具の挟持又は解放を制御するために使用される挟持制御機構が設けられていることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0033】
(付記2)
付記1に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
主棒内に第1のサーボモータが設けられ、
第1のサーボモータは、第1の減速機に接続され、接続棒を主棒上で回転駆動し、
接続棒内に第2のサーボモータが設けられ、
第2のサーボモータは、第2の減速機に接続され、支持棒を接続棒上で回転駆動することを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0034】
(付記3)
付記1に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
挟持制御機構は、モータ取付フレームと、第1の回転軸と、第2の回転軸を含み、
モータ取付フレームは、支持棒の側壁に固定され、
モータ取付フレームに第3のサーボモータが取り付けられ、
第3のサーボモータの出力軸にアクティブベベルギアがセットされ、
第1の回転軸の一端に第1の従動ベベルギアがセットされ、第1の回転軸の他端に第1の円筒ギアがセットされ、
第2の回転軸の一端に第2の従動ベベルギアがセットされ、第2の回転軸の他端に第2の円筒ギアがセットされ、
アクティブベベルギアの一方の側は、第1の従動ベベルギアに噛合接続され、アクティブベベルギアの他方の側は、第2の従動ベベルギアに噛合接続されていることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0035】
(付記4)
付記3に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第1の挟持突合せ具は、第1の軸受を含み、
第1の軸受は、支持棒の一端にセットされ、
第1の軸受の内輪は、支持棒に固定され、
第1の軸受の外輪の内側に第1のラックが設けられ、
第1のラックは、第1の円筒ギアに噛合接続し、
第1の軸受の外輪の側壁には、複数の第1の円弧状挟持片が回動接続され、
第1の円弧状挟持片に第1の円弧状ガイドレールが設けられ、
第1の軸受の内輪には、第1の円弧状ガイドレールに対応する第1の調整棒が複数設けられ、
第1の調整棒は、第1の円弧状ガイドレールに位置することを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0036】
(付記5)
付記4に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第2の挟持突合せ具は、第2の軸受を含み、
第2の軸受は、支持棒の他端にセットされ、
第2の軸受の内輪は、支持棒に固定され、
第2の軸受の外輪の内側に第2のラックが設けられ、
第2のラックは、第2の円筒ギアに噛合接続し、
第2の軸受の外輪の側壁には、複数の第2の円弧状挟持片が回動接続され、
第2の円弧状挟持片に第2の円弧状ガイドレールが設けられ、
第2の軸受の内輪には、第2の円弧状ガイドレールに対応する第2の調整棒が複数設けられ、
第2の調整棒は、第2の円弧状ガイドレールに位置することを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0037】
(付記6)
付記5に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第1の円弧状挟持片の取り付け方向と第2の円弧状挟持片の取り付け方向とが反対であることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0038】
(付記7)
付記5に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
第1の円弧状挟持片の数と第2の円弧状挟持片の数は、いずれも3つ以上であることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0039】
(付記8)
付記1に記載の再構成可能なロボットユニットモジュールであって、
主棒の他端の側壁には、台座と接続するための係止溝が設けられていることを特徴とする再構成可能なロボットユニットモジュール。
【0040】
(付記9)
再構成可能なロボットであって、
台座と、少なくとも1つの付記1~8のいずれか1つに記載の再構成可能なロボットユニットモジュールを含み、
ユニットモジュールの数が1つである場合、ユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、
ユニットモジュールの数が2つ以上である場合、一方のユニットモジュールの主棒は、台座に固定され、隣接する他方のユニットモジュールの主棒は、一方のユニットモジュールの支持棒に固定されることを特徴とする再構成可能なロボット。
【0041】
(付記10)
付記9に記載の再構成可能なロボットであって、
台座にスロットが設けられ、
台座に接続されたユニットモジュールの主棒がスロットに挿入され、
台座の側壁に挿通孔が設けられ、
台座は、台座の挿通孔を貫通して主棒の係止溝に係合する挿通棒を更に含むことを特徴とする再構成可能なロボット。
【符号の説明】
【0042】
1:主棒、1-1:係止溝、2:接続棒、3:支持棒、4:第1の減速機、5:第2の減速機、6:第1の挟持突合せ具、6-1:第1の軸受、6-2:第1の軸受の内輪、6-3:第1の軸受の外輪、6-4:第1のラック、6-5:第1の円弧状挟持片、6-6:第1の円弧状ガイドレール、6-7:第1の調整棒、7:第2の挟持突合せ具、8:挟持制御機構、8-1:モータ取付フレーム、8-2:第3のサーボモータ、8-3:アクティブベベルギア、8-4:第1の回転軸、8-5:第1の従動ベベルギア、8-6:第1の円筒ギア、8-7:第2の回転軸、8-8:第2の従動ベベルギア、9:台座、9-1:スロット、9-2:挿通孔、9-3:挿通棒、10:ボトムユニットモジュール、11:トップユニットモジュール。
【国際調査報告】