(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置
(51)【国際特許分類】
B24C 5/04 20060101AFI20231023BHJP
B01F 25/10 20220101ALI20231023BHJP
B01F 25/312 20220101ALI20231023BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20231023BHJP
B01F 101/27 20220101ALN20231023BHJP
【FI】
B24C5/04 Z
B01F25/10
B01F25/312
B01F35/71
B01F101:27
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523542
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2021115053
(87)【国際公開番号】W WO2022142420
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011644569.3
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】梁 忠偉
(72)【発明者】
【氏名】沈 忠健
(72)【発明者】
【氏名】劉 暁初
(72)【発明者】
【氏名】蕭 金瑞
(72)【発明者】
【氏名】趙 春輝
(72)【発明者】
【氏名】黄 珊珊
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AC22
4G035AC41
4G035AC44
4G035AE13
4G037AA01
4G037AA02
4G037DA01
4G037EA01
(57)【要約】
本発明は、研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置を開示し、混合管と、旋回流外管と、回転内管と、混合投入蓋を含む。前記旋回流外管の両端は、それぞれ混合管及び混合投入蓋に固定接続されている。前記回転内管は、回転可能な構造により旋回流外管の内腔に設けられている。前記旋回流外管の内腔壁には螺旋ガイド溝が設けられている。前記混合投入蓋には2つの投入口が設けられ、2つの投入口の一端は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と回転内管の内腔にそれぞれ連通している。前記混合管は、ベンチュリ管構造として設けられ、該混合管の負圧段で投入管と連通している。前記回転内管の内腔には、固定して設けられた負圧スクリューが設けられている。この多相流回転噴流混合装置は、多相研磨材を均一に混合することができ、研磨加工強化の効果を高めることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
混合管と、旋回流外管と、回転内管と、混合投入蓋を含み、
前記旋回流外管の両端は、それぞれ混合管及び混合投入蓋に固定接続され、
前記回転内管は、回転可能な構造により旋回流外管の内腔に設けられ、
前記旋回流外管の内腔壁には螺旋ガイド溝が設けられ、
前記混合投入蓋には2つの投入口が設けられ、2つの投入口の一端は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と回転内管の内腔にそれぞれ連通し、
前記混合管は、ベンチュリ管構造として設けられ、該混合管の負圧段で投入管と連通し、
前記回転内管の内腔には、固定して設けられた負圧スクリューが設けられていることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記混合管の内腔における旋回流外管に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、
前記混合段階的縮小段の段階的縮小角θ
1=15-45°であり、
前記混合段階的拡大段の段階的拡大角θ
2=15°-45°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記混合管の軸線と投入管の軸線とのなす角度が90°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記回転可能な構造は、回転軸受を含み、
前記回転内管の両端は、それぞれ前記回転軸受を介して旋回流外管の軸受取付溝と混合投入蓋の軸受取付溝に接続されていることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項5】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記螺旋ガイド溝のピッチは、0.1D
1-0.3D
1であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D
1は、螺旋ガイド溝の大径であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項6】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記負圧スクリューのピッチは、0.1D
2-0.3D
2であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D
2は、負圧スクリューのスクリュー部の大径であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項7】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記回転内管の内腔における混合投入蓋に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、
前記内管段階的縮小段の段階的縮小角α=15°-45°であり、
前記内管段階的拡大段の段階的拡大角β=15°-45°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項8】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
2つの投入口は、それぞれ、混合投入蓋の側面に開設された第1の投入口、混合投入蓋の頂部に開設された第2の投入口であり、
前記第1の投入口は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と連通し、
前記第2の投入口は、回転内管の内腔と連通していることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨加工強化用の混合装置に関し、具体的には研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
研磨加工強化は、複合加工方法に基づく耐疲労、耐腐食、耐摩耗の金属材料表面強化加工方法であり、その原理として、鋼ビーズ、研磨粉、研磨液及び圧縮ガスを混合して加工対象のワーク表面に噴射し、斜め方向、高速噴射の混合噴流により、加工ワークの表面にランダムな均等確率衝突(塑性加工、残留圧縮応力発生)とマイクロ切削(研磨)が発生し、金属ワークの低い表面粗さとその一致性(形状制御)が得られ、同時に潤滑に有利な「オイルカプセル」及び摩擦が小さく、耐腐食、耐摩耗、耐疲労などの高性能が得られる。このうち、混合噴流によりワークの表面に衝撃を与えると、ワークに対して表面塑性強化と2段研磨切削作用を同時に行い、ワークの表面強度を高め、ワークの表面粗さを改善し、その使用寿命を延長する。
【0003】
従来の研磨加工の過程で、直噴ノズルを通じて高速に混合物材料をワークの表面に噴射する。まず、混合物材料は、気、液、固体の3種類の材料の集合であるため、その混合の均一さは、研磨加工の効果に直接影響するだけでなく、投入システムの安定性にも影響する。次に、重力の影響により、研磨無回転噴流は、噴射の過程で下に傾斜し、研磨噴流の安定性、正確性及び射程の減少を招き、正確な加工目標位置ができず、研磨加工の効果に直接影響を与える。そのため、従来技術では、回転ノズルを通じて噴射する加工方法が提案されている。回転ノズルが3次元速度を有する回転噴流を生成することができるため、回転噴流は、無回転噴流又は単一ノズルによって生成された噴流に比べて、より良好な巻取力と混合力を有し、より良好な安定性、正確性及び射程を有する。研磨加工を強化するための回転ノズルは、生成される噴流が一定の軸方向速度を有するだけでなく、一定の接線方向速度も必要である。
【0004】
回転噴流の速度形式上の優位性に基づいて、回転ノズルは、その巻取力、混合力、安定性、正確性及び射程を向上させることができ、研磨加工の正確性と品質を更に高めるのに積極的な役割を果たすことができる。ここで、回転噴流の発生方式は、接線方向の投入による回転と、ガイド素子による回転との2種類に大別される。単一の接線方向の投入による回転は、回転軸方向速度が小さく、形成された回転噴流が拡散しやすく、加工需要を満たしていない。一方、単一のガイド素子による回転は、最大軸方向速度を偏心させ、加工の正確性と加工品質を低下させる可能性がある。そのため、上記方式による回転噴流は、研磨加工の強化には適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記のような課題を克服して、多相研磨材を均一に混合することができ、研磨加工強化の効果を高めることができる研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
混合管と、旋回流外管と、回転内管と、混合投入蓋を含み、
前記旋回流外管の両端は、それぞれ混合管及び混合投入蓋に固定接続され、
前記回転内管は、回転可能な構造により旋回流外管の内腔に設けられ、
前記旋回流外管の内腔壁には螺旋ガイド溝が設けられ、
前記混合投入蓋には2つの投入口が設けられ、2つの投入口の一端は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と回転内管の内腔にそれぞれ連通し、
前記混合管は、ベンチュリ管構造として設けられ、該混合管の負圧段で投入管と連通し、
前記回転内管の内腔には、固定して設けられた負圧スクリューが設けられている。
【0007】
上記の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置の動作原理は、以下のとおりである。
動作時、搬送管を介して一方の研磨材を混合投入蓋に搬送する。この研磨材は、混合投入蓋の一方の投入口を通って旋回流外管の螺旋ガイド溝(この研磨材は、回転内管の外壁と螺旋ガイド溝との間に位置する)に流入する。この研磨材は、螺旋ガイド溝に沿って前進移動し、この研磨材の接線方向速度を向上させ、同時に回転内管を回転させ、最後に螺旋ガイド溝の出口から混合管に移る。それと同時に、回転内管の負圧スクリューが回転内管に追従して回転することにより、回転内管に負圧が発生し、他方の研磨材が混合投入蓋の他方の投入口を通って回転内管の内腔に吸い込まれる。他方の研磨材が回転内管に追従して回転することにより、この研磨材の接線方向速度が強化され、同時に投入と回転操作が完了し、更に回転内管の出口から混合管に移る。
【0008】
上記2種類の研磨材は、混合管の中で合流し、回転噴流を形成する。この時の速度形式は、主に軸方向速度と接線方向速度によって結合される。混合管の混合段階的縮小段により、流体(研磨材)の接線方向速度と軸方向速度を強化し、流体(研磨材)の接線方向速度を再び強化する。ここで、2種類の研磨材がベンチュリ管構造の混合管を高速で通過する際、混合管の負圧段に負圧が発生し、第3種類の研磨材を混合管に吸い込み、他の2種類の研磨材と混合し、均一な3相研磨噴流(3相流体は、置換可能な気体、固体、液態研磨材)を形成し、より質の高い強化効果を得る。
【0009】
本発明の好ましい技術態様として、前記混合管の内腔における旋回流外管に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、前記混合段階的縮小段の段階的縮小角θ1=15-45°であり、前記混合段階的拡大段の段階的拡大角θ2=15°-45°である。
【0010】
本発明の好ましい技術態様として、前記混合管の軸線と投入管の軸線とのなす角度が90°である。
【0011】
本発明の好ましい技術態様として、前記回転可能な構造は、回転軸受を含み、前記回転内管の両端は、それぞれ前記回転軸受を介して旋回流外管の軸受取付溝と混合投入蓋の軸受取付溝に接続されている。
【0012】
本発明の好ましい技術態様として、前記螺旋ガイド溝のピッチは、0.1D1-0.3D1であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D1は、螺旋ガイド溝の大径である。
【0013】
本発明の好ましい技術態様として、前記負圧スクリューのピッチは、0.1D2-0.3D2であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D2は、負圧スクリューのスクリュー部の大径である。
【0014】
本発明の好ましい技術態様として、前記回転内管の内腔における混合投入蓋に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、前記内管段階的縮小段の段階的縮小角α=15°-45°であり、前記内管段階的拡大段の段階的拡大角β=15°-45°である。
【0015】
本発明の好ましい技術態様として、2つの投入口は、それぞれ、混合投入蓋の側面に開設された第1の投入口、混合投入蓋の頂部に開設された第2の投入口であり、前記第1の投入口は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と連通し、前記第2の投入口は、回転内管の内腔と連通している。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
1、本発明における多相流回転噴流混合装置は、多相研磨材を均一に混合することができ、研磨加工強化の効果を高めることができる。
2、旋回流外管内に回転可能な回転内管を設置することにより、一方の研磨材が高速で螺旋ガイド溝に入った後、該研磨材の接線方向速度が向上するだけでなく、同時に回転内管を回転させ、他方の研磨材を回転内管に吸い込み、他方の研磨材が回転内管に追従して回転し、他方の研磨材の接線方向速度が向上し、同時に投入と回転操作を完了し、他の追加駆動機構を必要とせず、回転内管の出口から混合管に移行することで、構造が非常に巧妙であり、他の関連構造を簡略化し、製造コストを削減することができる。
3、前の2種類の研磨材がベンチュリ管構造の混合管を高速で通過する時、混合管の負圧段に負圧力が発生し、第3種類の研磨材を混合管に吸い込み、そして他の2種類の研磨材と混合し、均一な3相研磨噴流を形成し、品質のより高い強化効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明における研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置の断面図である。
【
図2】本発明における研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置の斜視爆発図である。
【
図3】
図1における回転内管と負圧スクリューの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術的態様を当業者がよく理解するために、以下に実施例及び図面に関連して本発明を更に説明するが、本発明の実施形態は、これに限定されない。
【0019】
図1-3を参照すると、本実施例における研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置は、混合管1と、旋回流外管2と、回転内管3と、混合投入蓋4を含む。前記旋回流外管2の両端は、それぞれ混合管1及び混合投入蓋4に固定接続される。前記回転内管3は、回転可能な構造により旋回流外管2の内腔に設けられている。当該回転可能な構造は、回転軸受5を含む。前記回転内管3の両端は、それぞれ前記回転軸受5を介して旋回流外管2の軸受取付溝と混合投入蓋4の軸受取付溝に接続されている。
【0020】
図1-3を参照すると、前記旋回流外管2の内腔壁には螺旋ガイド溝2-1が設けられている。当該螺旋ガイド溝2-1のピッチは、0.1D1-0.3D1であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D1は、螺旋ガイド溝2-1の大径である。更に、試験と数値シミュレーションに基づいて、螺旋ガイド溝2-1を通過する第1相流体は、螺旋ガイド溝2-1の構造パラメータの影響を受け、2相混合流体が混合管1を通過する際の3次元速度の強弱と回転内管3の回転速度の速さに影響を与えることがわかるため、固定長さ内では、ピッチが小さいほど巻数が増加して流れが長くなる。その際の流れが長いほど、旋回流外管2の螺旋ガイド溝2-1内の第1相流体の軸方向速度が弱くなるが、旋回流外管2の螺旋ガイド溝2-1内の第1相流体の接線方向速度と回転内管3の旋回速度が強化される。回転内管3の回転速度の増強は、回転内管3内の第2相流体の接線方向速度と軸方向速度を強化することができる。また、一定の巻数では、上昇角が高すぎると流れが長くなる。この時の流れが長いほど、旋回流外管2の螺旋ガイド溝2-1内の第1相流体の接線方向速度と回転内管3の回転速度が弱くなり、回転内管3の回転速度が弱くなると、回転内管3内の第2相流体の接線方向速度と軸方向速度が弱くなるが、旋回流外管2の螺旋ガイド溝2-1内の第1相流体の軸方向速度が強化される。そのため、上記構造パラメータをとる。
【0021】
図1~2を参照すると、前記混合投入蓋4には2つの投入口が設けられ、2つの投入口は、それぞれ、混合投入蓋4の側面に開設された第1の投入口4-1、混合投入蓋4の頂部に開設された第2の投入口4-2である。前記第1の投入口4-1は、旋回流外管2の螺旋ガイド溝2-1と連通し、前記第2の投入口4-2は、回転内管3の内腔と連通している。
【0022】
図1~2を参照すると、前記混合管1は、ベンチュリ管構造として設けられ、該混合管1の負圧段で投入管6と連通し、前記混合管1の軸線と投入管6の軸線とのなす角度が90°である。
【0023】
図1~3を参照すると、前記回転内管3の内腔には、固定して設けられた負圧スクリュー7が設けられている。当該負圧スクリューのピッチは、0.1D2-0.3D2であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D2は、負圧スクリューのスクリュー部の大径である。更に、試験と数値シミュレーションによると、回転内管3を通過する第2相流体は、負圧スクリュー7の構造パラメータの影響を受け、2相混合流体が混合管1を通過する際の3次元速度の強弱に影響する。固定長さ内では、ピッチが小さいほど、巻数が増加して流れが長くなる。この際に流れが長くなるほど、負圧スクリュー7内の第2相流体の軸方向速度が弱くなるが、その接線方向速度が強化される。また、一定の巻数では、上昇角が高すぎると流れが長くなる。この際の流れが長いほど、負圧スクリュー7内の第2相流体に対する接線方向速度が弱くなるが、その軸方向速度が強化される。そのため、上記の構造パラメータをとる。
【0024】
図1~2を参照すると、前記混合管1の内腔における旋回流外管2に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、前記混合段階的縮小段の段階的縮小角θ
1=15-45°であり、前記混合段階的拡大段の段階的拡大角θ
2=15°-45°である。
【0025】
図3を参照すると、前記回転内管3の内腔における混合投入蓋4に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、前記内管段階的縮小段の段階的縮小角α=15°-45°であり、前記内管段階的拡大段の段階的拡大角β=15°-45°である。
【0026】
図1~3を参照すると、本実施例における研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置の動作原理は、以下のとおりである。
動作時、搬送管を介して一方の研磨材を混合投入蓋4に搬送する。この研磨材は、混合投入蓋4の一方の投入口を通って旋回流外管2の螺旋ガイド溝2-1(この研磨材は、回転内管3の外壁と螺旋ガイド溝2-1との間に位置する)に流入する。この研磨材は、螺旋ガイド溝2-1に沿って前進移動し、この研磨材の接線方向速度を向上させ、同時に回転内管3を回転させ、最後に螺旋ガイド溝2-1の出口から混合管1に移る。それと同時に、回転内管3の負圧スクリュー7が回転内管3に追従して回転することにより、回転内管3に負圧が発生し、他方の研磨材が混合投入蓋4の他方の投入口を通って回転内管3の内腔に吸い込まれる。他方の研磨材が回転内管3に追従して回転することにより、この研磨材の接線方向速度が強化され、同時に投入と回転操作が完了し、更に回転内管3の出口から混合管1に移る。
【0027】
上記2種類の研磨材は、混合管1の中で合流し、回転噴流を形成する。この時の速度形式は、主に軸方向速度と接線方向速度によって結合される。混合管1の混合段階的縮小段により、流体(研磨材)の接線方向速度と軸方向速度を強化し、流体(研磨材)の接線方向速度を再び強化する。ここで、2種類の研磨材がベンチュリ管構造の混合管1を高速で通過する際、混合管1の負圧段に負圧が発生し、第3種類の研磨材を混合管に吸い込み、他の2種類の研磨材と混合し、均一な3相研磨噴流(3相流体は、置換可能な気体、固体、液態研磨材)を形成し、より質の高い強化効果を得る。
【0028】
上記は本発明の好ましい実施形態であるが、本発明の実施形態は、上記の内容に限定されるものではなく、他のいかなる本発明の精神的実質と原理から逸脱していない変更、修飾、代替、組み合わせ、簡略化も、本発明の保護範囲内に含まれる等価な置換形態でなければならない。
【0029】
(付記)
(付記1)
研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
混合管と、旋回流外管と、回転内管と、混合投入蓋を含み、
前記旋回流外管の両端は、それぞれ混合管及び混合投入蓋に固定接続され、
前記回転内管は、回転可能な構造により旋回流外管の内腔に設けられ、
前記旋回流外管の内腔壁には螺旋ガイド溝が設けられ、
前記混合投入蓋には2つの投入口が設けられ、2つの投入口の一端は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と回転内管の内腔にそれぞれ連通し、
前記混合管は、ベンチュリ管構造として設けられ、該混合管の負圧段で投入管と連通し、
前記回転内管の内腔には、固定して設けられた負圧スクリューが設けられていることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【0030】
(付記2)
付記1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記混合管の内腔における旋回流外管に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、
前記混合段階的縮小段の段階的縮小角θ1=15-45°であり、
前記混合段階的拡大段の段階的拡大角θ2=15°-45°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【0031】
(付記3)
付記1又は2に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記混合管の軸線と投入管の軸線とのなす角度が90°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【0032】
(付記4)
付記1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記回転可能な構造は、回転軸受を含み、
前記回転内管の両端は、それぞれ前記回転軸受を介して旋回流外管の軸受取付溝と混合投入蓋の軸受取付溝に接続されていることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【0033】
(付記5)
付記1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記螺旋ガイド溝のピッチは、0.1D1-0.3D1であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D1は、螺旋ガイド溝の大径であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【0034】
(付記6)
付記1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記負圧スクリューのピッチは、0.1D2-0.3D2であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D2は、負圧スクリューのスクリュー部の大径であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【0035】
(付記7)
付記1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記回転内管の内腔における混合投入蓋に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、
前記内管段階的縮小段の段階的縮小角α=15°-45°であり、
前記内管段階的拡大段の段階的拡大角β=15°-45°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【0036】
(付記8)
付記1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
2つの投入口は、それぞれ、混合投入蓋の側面に開設された第1の投入口、混合投入蓋の頂部に開設された第2の投入口であり、
前記第1の投入口は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と連通し、
前記第2の投入口は、回転内管の内腔と連通していることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
混合管と、旋回流外管と、回転内管と、混合投入蓋を含み、
前記旋回流外管の両端は、それぞれ混合管及び混合投入蓋に固定接続され、
前記回転内管は、回転可能な構造により旋回流外管の内腔に設けられ、
前記旋回流外管の内腔壁には螺旋ガイド溝が設けられ、
前記混合投入蓋には2つの投入口が設けられ、2つの投入口の一端は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と回転内管の内腔にそれぞれ連通し、
前記混合管は、ベンチュリ管構造として設けられ、該混合管の負圧段で投入管と連通し、
前記回転内管の内腔には、固定して設けられた負圧スクリューが設けられていることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記混合管の内腔における旋回流外管に近接する一端に
混合段階的縮小段が設けられ、他端に
混合段階的拡大段が設けられ、
前記混合段階的縮小段の段階的縮小角θ
1=15-45°であり、
前記混合段階的拡大段の段階的拡大角θ
2=15°-45°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記混合管の軸線と投入管の軸線とのなす角度が90°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記回転可能な構造は、回転軸受を含み、
前記回転内管の両端は、それぞれ前記回転軸受を介して旋回流外管の軸受取付溝と混合投入蓋の軸受取付溝に接続されていることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項5】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記螺旋ガイド溝のピッチは、0.1D
1-0.3D
1であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D
1は、螺旋ガイド溝の大径であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項6】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記負圧スクリューのピッチは、0.1D
2-0.3D
2であり、螺旋線の上昇角は、10°-30°であり、巻数は、5-10であり、線数は、1であり、ここで、D
2は、負圧スクリューのスクリュー部の大径であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項7】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
前記回転内管の内腔における混合投入蓋に近接する一端に内管段階的縮小段が設けられ、他端に内管段階的拡大段が設けられ、
前記内管段階的縮小段の段階的縮小角α=15°-45°であり、
前記内管段階的拡大段の段階的拡大角β=15°-45°であることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【請求項8】
請求項1に記載の研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置であって、
2つの投入口は、それぞれ、混合投入蓋の側面に開設された第1の投入口、混合投入蓋の頂部に開設された第2の投入口であり、
前記第1の投入口は、旋回流外管の螺旋ガイド溝と連通し、
前記第2の投入口は、回転内管の内腔と連通していることを特徴とする研磨加工強化用の多相流回転噴流混合装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の好ましい技術態様として、前記混合管の内腔における旋回流外管に近接する一端に混合段階的縮小段が設けられ、他端に混合段階的拡大段が設けられ、前記混合段階的縮小段の段階的縮小角θ1=15-45°であり、前記混合段階的拡大段の段階的拡大角θ2=15°-45°である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図1~2を参照すると、前記混合管1の内腔における旋回流外管2に近接する一端に
混合段階的縮小段が設けられ、他端に
混合段階的拡大段が設けられ、前記混合段階的縮小段の段階的縮小角θ
1=15-45°であり、前記混合段階的拡大段の段階的拡大角θ
2=15°-45°である。
【国際調査報告】