(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】電池の筐体、電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/242 20210101AFI20231023BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20231023BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231023BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20231023BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20231023BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231023BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231023BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20231023BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/342 101
H01M10/613
H01M10/6556
H01M50/35 201
H01M50/249
H01M10/625
H01M50/291
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523633
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2021111151
(87)【国際公開番号】W WO2023010516
(87)【国際公開日】2023-02-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲飄▼▲飄▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小波
(72)【発明者】
【氏名】李 耀
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ 明光
(72)【発明者】
【氏名】岳 金如
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB01
5H031KK06
5H040AA14
5H040AA37
5H040AS07
5H040NN00
5H040NN01
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池の筐体、電池、電力消費装置、電池を製造する方法、及び電池を製造する装置を提供する。電池の筐体は、複数の電池セル(20)を収容するための電気キャビティ(11a)であって、少なくとも一つの電池セル(20)は放圧機構(213)を含む電気キャビティ(11a)と、流体を収容して複数の電池セル(20)の温度を調節するための熱管理部品(13)と、放圧機構(213)が作動する時に、放圧機構(213)が設けられた電池セル(20)からの排出物を収集するための収集キャビティ(11b)とを含み、ここで、熱管理部品(13)は電気キャビティ(11a)と収集キャビティ(11b)を隔離するためのものであり、収集キャビティ(11b)に支持部材(31)が設置され、支持部材(31)は収集キャビティ(11b)の圧壊強度を高めるためのものである。本出願の実施例の技術案は、電池の安全性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体であって、
複数の電池セル(20)を収容するための電気キャビティ(11a)であって、前記複数の電池セル(20)の少なくとも一つの電池セル(20)は放圧機構(213)を含み、前記放圧機構(213)は、前記放圧機構(213)が設けられた電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものである電気キャビティ(11a)と、
流体を収容して前記複数の電池セル(20)の温度を調節するための熱管理部品(13)と、
前記放圧機構(213)が作動する時に、前記放圧機構(213)が設けられた前記電池セル(20)からの排出物を収集するための収集キャビティ(11b)とを含み、
ここで、前記熱管理部品(13)は前記電気キャビティ(11a)と前記収集キャビティ(11b)を隔離するためのものであり、前記収集キャビティ(11b)に支持部材(31)が設置され、前記支持部材(31)は前記収集キャビティ(11b)の圧壊強度を高めるためのものである、ことを特徴とする電池の筐体。
【請求項2】
前記支持部材(31)に、前記排出物を通過させるための通路が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記支持部材(31)に開孔(310)が設置され、前記開孔(310)は、前記支持部材(31)において前記通路を形成するためのものである、ことを特徴とする請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記通路は、前記排出物における気体を通過させるためのものであり、前記支持部材(31)は、前記排出物における固体を阻止するためのものである、ことを特徴とする請求項3に記載の筐体。
【請求項5】
前記開孔(310)の数は、予め設定された閾値よりも大きく、それによって前記支持部材(31)において予め設定された数よりも多い前記通路を形成する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の筐体。
【請求項6】
前記支持部材(31)における前記開孔(310)のメッシュ数は5メッシュ以上である、ことを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項7】
前記熱管理部品(13)に放圧領域(130)が設置され、前記排出物は、前記放圧機構(213)が作動する時に、前記放圧領域(130)を介して排出され、
前記支持部材(31)と前記熱管理部品(13)の非放圧領域が対応して設置され、それによって前記排出物を通過させる通路を形成する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項8】
前記支持部材(31)は前記熱管理部品(13)の非放圧領域と接触する、ことを特徴とする請求項7に記載の筐体。
【請求項9】
前記熱管理部品(13)に放圧領域(130)が設置され、前記排出物は、前記放圧機構(213)が作動する時に、前記放圧領域(130)を介して排出され、
前記支持部材(31)に第1の開孔(311)が設置され、前記第1の開孔(311)と前記放圧領域(130)は対応して設置され、それによって前記支持部材(31)において前記排出物を通過させる通路を形成する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項10】
前記第1の開孔(311)は、前記熱管理部品(13)の放圧領域に連通する、ことを特徴とする請求項9に記載の筐体。
【請求項11】
前記第1の開孔(311)の断面積は、前記放圧領域(130)の面積以上である、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の筐体。
【請求項12】
前記筐体は、
防護部材(115)をさらに含み、前記防護部材(115)は、前記熱管理部品(13)を防護するためのものであり、前記防護部材(115)と前記熱管理部品(13)は前記収集キャビティ(11b)を形成し、
前記支持部材(31)は、前記熱管理部品(13)及び/又は前記防護部材(115)と接触する、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項13】
前記支持部材(31)の接続面は、前記熱管理部品(13)及び/又は前記防護部材(115)と接触し、前記支持部材(31)の非接続面に第2の開孔(312)が設置され、それによって前記支持部材(31)において前記排出物を通過させる通路を形成する、ことを特徴とする請求項12に記載の筐体。
【請求項14】
前記防護部材(115)と前記支持部材(31)は一体化構造である、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の筐体。
【請求項15】
前記支持部材(31)は中空構造である、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項16】
前記支持部材(31)は管状構造である、ことを特徴とする請求項15に記載の筐体。
【請求項17】
前記管状構造の横断面は中空の多角形であり、前記多角形の辺の数は4以上である、ことを特徴とする請求項16に記載の筐体。
【請求項18】
前記管状構造の管壁の厚さは0.5mm~3mmである、ことを特徴とする請求項16又は17に記載の筐体。
【請求項19】
前記管状構造はストリップ状、リング状又は枠型である、ことを特徴とする請求項16~18のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項20】
前記管状構造の数は複数であり、複数の前記管状構造は、前記収集キャビティ(11b)において互いに間隔を置いて設置される、ことを特徴とする請求項16~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項21】
複数の前記管状構造は、前記収集キャビティ(11b)において対称に設置される、ことを特徴とする請求項20に記載の筐体。
【請求項22】
前記管状構造の数は複数であり、複数の前記管状構造は互いに積み重ねて接続され、ここで、複数の前記管状構造の横断面はハニカム状を呈する、ことを特徴とする請求項16~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項23】
相互接続される二つの前記管状構造の接続面に、互い対応する開孔が設置され、前記互いに対応する開孔は、二つの前記管状構造において前記排出物を通過させる通路を形成するためのものである、ことを特徴とする請求項22に記載の筐体。
【請求項24】
前記支持部材(31)の表面に降温材料が設置される、ことを特徴とする請求項1~23のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項25】
前記支持部材(31)は中空構造であり、前記中空構造に降温材料が設置される、ことを特徴とする請求項1~24のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項26】
前記降温材料は相変化材料PCMである、ことを特徴とする請求項24又は25に記載の筐体。
【請求項27】
前記支持部材(31)の材料は金属材料である、ことを特徴とする請求項1~26のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項28】
電池であって、
複数の電池セル(20)であって、前記複数の電池セル(20)の少なくとも一つの電池セル(20)は放圧機構(213)を含み、前記放圧機構(213)は、前記放圧機構(213)が設けられた電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものである電池セル(20)と、
前記複数の電池セル(20)を収容するための、請求項1~27のいずれか一項に記載の筐体とを含む、ことを特徴とする電池。
【請求項29】
電力消費装置であって、電気エネルギーを提供するための、請求項28に記載の電池を含む、ことを特徴とする電力消費装置。
【請求項30】
前記電力消費装置は車両、船舶又は宇宙航空機である、ことを特徴とする請求項29に記載の電力消費装置。
【請求項31】
電池を製造する方法であって、
複数の電池セル(20)を提供することであって、前記複数の電池セル(20)の少なくとも一つの電池セル(20)は放圧機構(213)を含み、前記放圧機構(213)は、前記放圧機構(213)が設けられた電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものであること(301)と、
筐体(11)を提供することであって、前記筐体(11)は、
前記複数の電池セル(20)を収容するための電気キャビティ(11a)と、
流体を収容して前記複数の電池セル(20)の温度を調節するための熱管理部品(13)と、
前記放圧機構(213)が作動する時に、前記放圧機構(213)が設けられた前記電池セル(20)からの排出物を収集するための収集キャビティ(11b)とを含み、ここで、前記熱管理部品(13)は前記電気キャビティ(11a)と前記収集キャビティ(11b)を隔離するためのものであり、前記収集キャビティ(11b)に支持部材(31)が設置され、前記支持部材(31)は前記収集キャビティ(11b)の圧壊強度を高めるためのものであること(302)と、
前記複数の電池セル(20)を前記電気キャビティ(11a)に収容すること(303)とを含む、ことを特徴とする電池を製造する方法。
【請求項32】
電池を製造する装置であって、
複数の電池セル(20)を提供するための第1の提供モジュール(410)であって、前記複数の電池セル(20)の少なくとも一つの電池セル(20)は放圧機構(213)を含み、前記放圧機構(213)は、前記放圧機構(213)が設けられた電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものである第1の提供モジュール(410)と、
筐体(11)を提供するための第2の提供モジュール(420)であって、前記筐体(11)は、
前記複数の電池セル(20)を収容するための電気キャビティ(11a)と、
流体を収容して前記複数の電池セル(20)の温度を調節するための熱管理部品(13)と、
前記放圧機構(213)が作動する時に、前記放圧機構(213)が設けられた前記電池セル(20)からの排出物を収集するための収集キャビティ(11b)とを含み、
ここで、前記熱管理部品(13)は前記電気キャビティ(11a)と前記収集キャビティ(11b)を隔離するためのものであり、前記収集キャビティ(11b)に支持部材(31)が設置され、前記支持部材(31)は前記収集キャビティ(11b)の圧壊強度を高めるためのものである第2の提供モジュール(420)と、
前記複数の電池セル(20)を前記電気キャビティ(11a)に収容するための取り付けモジュール(430)とを含む、ことを特徴とする電池を製造する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、電池分野に関し、具体的には電池の筐体、電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギである。このような場合、電動車両は、その省エネと環境保護の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能を高めるほか、安全性の問題も無視できない問題となっている。電池の安全性を確保できなければ、その電池を使用することはできない。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池の安全性を向上させることができる電池の筐体、電池、電力消費装置、電池を製造する方法、及び電池を製造する装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、電池の筐体を提供し、該筐体は、複数の電池セルを収容するための電気キャビティであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものである電気キャビティと、流体を収容して該複数の電池セルの温度を調節するための熱管理部品と、該放圧機構が作動する時に、該放圧機構が設けられ該電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティとを含み、ここで、該熱管理部品は該電気キャビティと該収集キャビティを隔離するためのものであり、該収集キャビティに支持部材が設置され、該支持部材は該収集キャビティの圧壊強度を高めるためのものである。
【0006】
本出願の実施例では、熱管理部品を採用して電池の筐体の電気キャビティと収集キャビティを隔離する。つまり、複数の電池セルを収容する電気キャビティと、排出物を収集する収集キャビティとは分離している。このように、電池セルの放圧機構が作動する時に、電池セルの排出物は収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず又は少ししか入らず、それによって電気キャビティにおける電気的接続に影響を与えないため、電池の安全性を向上させることができる。さらに、収集キャビティに支持部材が設置され、中空の構造に対して、支持部材が収集キャビティにおいて支持作用を提供するため、支持部材が設置された該収集キャビティはより良い圧壊強度を有し、換言すれば、外部圧力が電池に作用する時、支持部材が設置された収集キャビティは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって、外部圧力による熱管理部品及び電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。いくつかの応用シーンにおいて、電池の筐体は電気自動車のシャーシに取り付けられてもよく、筐体における複数の電池セルは、電気自動車の走行のために電力を提供し、電気自動車が走行する過程において、揺れや飛石衝突などの不具合が発生する可能性があり、電気自動車のシャーシないしシャーシ上に取り付けられた電池に対して衝撃と底打ちを与えることになる。本出願の実施例の技術案により、電池筐体における収集キャビティが、電気キャビティに対して電気自動車のシャーシに向かって設置され、この場合、支持部材が設置された収集キャビティは、良好な衝撃防止と底打ち防止の機能を提供し、電気自動車の走行過程における不具合による電池への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を向上させることによって、電気自動車の安全性をさらに高めることができる。
【0007】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材に、該排出物を通過させるための通路が形成される。
【0008】
該実施形態では、支持部材は、支持する役割を果たす以外に、電池セルにおける排出物の排出に影響を与えることがなく、電池セルの安全性を確保することができる。また、中空の構造に比べ、支持部材で形成された通路は、排出物の収集キャビティにおける排出経路を延長させ、その筐体から排出した後の温度を低下させ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高めることができる。
【0009】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材に開孔が設置され、該開孔は、該支持部材において該通路を形成するためのものである。
【0010】
いくつかの可能な実施形態において、該通路は、該排出物における気体を通過させるためのものであり、該支持部材は、該排出物における固体を阻止するためのものである。
【0011】
該実施形態において、電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は破裂した正負極板、セパレータの破片、反応で生成した高温高圧ガス、火花などを含むが、それらに限らず、該排出物はいずれも高温物質であり、ここで、高温の正負極板、高温のセパレータ破片、火花などの固体物質が排出弁を通って直接的に電池筐体外に排出される場合、大きな安全上のリスクが存在する。本出願の実施例の技術案により、支持部材における通路は、排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させることができ、支持部材は、排出物における高温固体を阻止するためのものであり、即ち支持部材における通路は、排出物における高温固体を濾過し、排出物における高温固体が電池筐体外に排出されることによりもたらされる安全上のリスクを防止することができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0012】
いくつかの可能な実施形態において、該開孔の数は、予め設定された閾値よりも大きく、それによって該支持部材において予め設定された数よりも多い該通路を形成する。
【0013】
該実施形態において、支持部材に、予め設定された閾値よりも大きい開孔を設置することにより、一方では、排出物の支持部材における流動性を高め、十分に長い排出経路を形成し、電池筐体から排出される排出物の温度を低下させることができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。他方では、予め設定された閾値よりも大きい開孔は、十分に多い通路を形成することができ、該十分に多い通路は、排出物における高温固体をより良く濾過することができ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高める。
【0014】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材における開孔のメッシュ数は5メッシュ以上であり、それによって上記開孔で形成される通路の、排出物における高温固体に対する濾過効果を実現する。
【0015】
いくつかの可能な実施形態において、該熱管理部品に放圧領域が設置され、該排出物は、該放圧機構が作動する時に、該放圧領域を介して排出され、該支持部材と該熱管理部品の非放圧領域が対応して設置され、それによって該排出物を通過させる通路を形成する。
【0016】
該実施形態において、支持部材と熱管理部品における非放圧領域は対応して設置され、支持部材による、熱管理部品における放圧領域及びそれに対応する電池セルの放圧機構への影響、例えば、放圧機構及び放圧領域を介して排出される、電池セル内部からの排出物をブロックし、それが収集キャビティに収集されないようになることを回避する。そのため、本出願の実施例に基づいて設置される支持部材は、収集キャビティの圧壊強度を高めると同時に、電池セルの安全性に影響を与えることがない。
【0017】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は、該熱管理部品の非放圧領域と接触することによって、支持部材が熱管理部品に対して良好な支持作用を有するように確保する。
【0018】
いくつかの可能な実施形態において、該熱管理部品に放圧領域が設置され、該排出物は、該放圧機構が作動する時に、該放圧領域を介して排出され、該支持部材に第1の開孔が設置され、該第1の開孔と該放圧領域は対応して設置され、それによって該支持部材において該排出物を通過させる通路を形成する。
【0019】
該実施形態において、支持部材上の第1の開孔は、熱管理部品の放圧領域に対応して設置され、支持部材が支持機能を実現すると同時に、それに設置された第1の開孔は、放圧領域から排出される電池セルの排出物を受け取りやすく、排出物は、第1の開孔を通ってから筐体の収集キャビティに収集され、排出物による電気キャビティにおける電池セルなどの電気デバイスへの影響を防止する。
【0020】
いくつかの可能な実施形態において、該第1の開孔は、該熱管理部品の放圧領域に連通することによって、第1の開孔の、電池セルの排出物に対する良好な導通効果を実現する。
【0021】
いくつかの可能な実施形態において、該第1の開孔の断面積は、該放圧領域の面積以上であり、それによって第1の開孔の排出物に対する良好な導通効果をさらに高める。
【0022】
いくつかの可能な実施形態において、該筐体は、防護部材をさらに含み、該防護部材は、該熱管理部品を防護するためのものであり、該防護部材と該熱管理部品は該収集キャビティを形成し、該支持部材は、該熱管理部品及び/又は該防護部材と接触する。
【0023】
該実施形態において、防護部材と熱管理部品で形成される収集キャビティは、電池セルを収容する筐体の空間を占有しないため、大きな空間を有する収集キャビティを設置することができ、それによって排出物を効果的に収集と緩衝し、その危険性を低減させることができる。また、支持部材は熱管理部品及び/又は防護部材と接触し、熱管理部品及び/又は防護部材の圧壊強度を高めることによって、外部圧力による電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を防止することができる。
【0024】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材の接続面は、該熱管理部品及び/又は該防護部材と接触し、該支持部材の非接続面に第2の開孔が設置され、それによって該支持部材において該排出物を通過させる通路を形成し、それにより電池セルの排出物を通過させる排出経路を増加させ、電池の安全性を高める。
【0025】
いくつかの可能な実施形態において、該防護部材と該支持部材は、一体化構造である。
【0026】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は、中空構造である。
【0027】
該実施形態において、中実構造の支持部材に比べ、中空構造の支持部材は、収集キャビティのために支持を提供し、圧壊強度を高めると同時に、支持部材自体の重量が小さく、電池に大きい重量を追加することがなく、それによって電池のエネルギー密度を高める。また、該中空構造の支持部材に、電池セルの排出物を通過させるための通路が形成されてもよく、それによって排出物が通路を通って収集キャビティに容易に収集される。中空構造の支持部材は、収集キャビティにおける空間を多く占有することがなく、収集キャビティに、電池セルの排出物を収容し収集するために十分な空間があるように確保することができる。
【0028】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は、管状構造である。
【0029】
該実施形態において、管状構造の支持部材は、軸方向の剛性が高く、径方向の寸法が収集キャビティの高さに適応可能であり、それによって収集キャビティのために良好な支持を提供することができる。
【0030】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の横断面は中空の多角形であり、該多角形の辺の数は4以上であり、それによって管状構造の収集キャビティにおける安定性を高める。
【0031】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の管壁の厚さは0.5mm~3mmであり、管状構造の支持部材の剛性と圧壊強度を確保できるとともに、収集キャビティにおける空間を多く占有することがない。
【0032】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造はストリップ状、リング状又は枠型である。
【0033】
該実施形態において、ストリップ状の支持部材は、加工しやすく、規則又は不規則な形状のキャビティに柔軟に取り付けることができ、リング状又は枠型の支持部材は、規則形状のキャビティに適用でき、キャビティのために全面的な支持を提供する。
【0034】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の数は複数であり、複数の該管状構造は、該収集キャビティにおいて互いに間隔を置いて設置され、収集キャビティのために均一で全面的な支持を提供し、それによって収集キャビティの圧壊強度を均一且つ全面的に高める。
【0035】
いくつかの可能な実施形態において、複数の該管状構造は、該収集キャビティにおいて対称に設置され、収集キャビティの安定性を高めることによって、電池の筐体の、その機器での取り付けの安定性を高めることができる。
【0036】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の数は複数であり、複数の該管状構造は互いに積み重ねて接続され、ここで、複数の該管状構造の横断面はハニカム状を呈する。
【0037】
該実施形態において、収集キャビティに、シングルポイント降伏性を有し、軸方向の剛性が高く、圧壊強度が高いハニカム型の管状支持部材を設置することで、収集キャビティの圧壊強度を高め、電池の位置する電力消費装置の安全性を高めることができる。
【0038】
いくつかの可能な実施形態において、相互接続される二つの該管状構造の接続面に、互い対応する開孔が設置され、該互いに対応する開孔は、二つの該管状構造において該排出物を通過させる通路を形成するためのものである。
【0039】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材の表面に降温材料が設置される。
【0040】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は中空構造であり、該中空構造に降温材料が設置される。
【0041】
該実施形態において、支持部材に降温材料が設置されてもよく、支持部材を通る排出物に対してさらに降温を行い、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0042】
いくつかの可能な実施形態において、該降温材料は、相変化材料PCMである。
【0043】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材の材料は、金属材料である。
【0044】
該実施形態において、金属材料の支持部材は、良好な延性と高い強度を有し、それは外部の圧力を緩衝し抵抗することができ、且つ高い圧壊強度を有する。
【0045】
第2の態様によれば、電池を提供し、該電池は、複数の電池セルであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものである電池セルと、複数の電池セルを収容するための、上記第1の態様又は第1の態様におけるいずれか一つの可能な実施形態に記載の筐体とを含む。
【0046】
第3の態様によれば、電力消費装置を提供し、該電力消費装置は、電気エネルギーを提供するための、上記第2の態様による電池を含む。
【0047】
いくつかの可能な実施形態において、該電力消費装置は車両、船舶又は宇宙航空機である。
【0048】
第4の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、該方法は、複数の電池セルを提供することであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものであることと、筐体を提供することであって、該筐体は、該複数の電池セルを収容するための電気キャビティと、流体を収容して該複数の電池セルの温度を調節するための熱管理部品と、該放圧機構が作動する時に、該放圧機構が設けられ該電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティとを含み、ここで、該熱管理部品は該電気キャビティと該収集キャビティを隔離するためのものであり、該収集キャビティに支持部材が設置され、該支持部材は該収集キャビティの圧壊強度を高めるためのものであることと、該複数の電池セルを該電気キャビティに収容することとを含む。
【0049】
第5の態様によれば、電池を製造する装置を提供し、該装置は、複数の電池セルを提供するための第1の提供モジュールであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものである第1の提供モジュールと、筐体を提供するための第2の提供モジュールであって、該筐体は、該複数の電池セルを収容するための電気キャビティと、流体を収容して該複数の電池セルの温度を調節するための熱管理部品と、該放圧機構が作動する時に、該放圧機構が設けられ該電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティとを含み、ここで、該熱管理部品は該電気キャビティと該収集キャビティを隔離するためのものであり、該収集キャビティに支持部材が設置され、該支持部材は該収集キャビティの圧壊強度を高めるためのものである第2の提供モジュールと、該複数の電池セルを該電気キャビティに収容するための取り付けモジュールとを含む。
【0050】
本出願の実施例では、熱管理部品を採用して電池の筐体の電気キャビティと収集キャビティを隔離する。つまり、複数の電池セルを収容する電気キャビティと、排出物を収集する収集キャビティとは分離している。このように、電池セルの放圧機構が作動する時に、電池セルの排出物は収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず又は少ししか入らず、それによって電気キャビティにおける電気的接続に影響を与えないため、電池の安全性を向上させることができる。さらに、収集キャビティに支持部材が設置され、中空の構造に対して、支持部材が収集キャビティにおいて支持作用を提供するため、支持部材が設置された該収集キャビティはより良い圧壊強度を有し、換言すれば、外部圧力が電池に作用する時、支持部材が設置された収集キャビティは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって、外部圧力による熱管理部品及び電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【0052】
【
図1】本出願の一実施例による車両の構造概略図である。
【
図2】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
【
図3】本出願の一実施例による電池セルの構造概略図である。
【
図4】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図5】本出願の一実施例によるいくつかの支持部材の斜視概略図である。
【
図6】本出願の一実施例によるいくつかの支持部材の斜視概略図である。
【
図7】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図8】
図7に示される実施例の電池の筐体におけるA領域の分解概略図である。
【
図9】本出願の一実施例による電池の筐体における一部の構造の分解概略図である。
【
図10】本出願の一実施例による電池の筐体における一部の構造の分解概略図である。
【
図11】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図12】
図11に示される実施例における電池の筐体の平面概略図である。
【
図13】
図11に示される実施例の電池の筐体におけるB部分の拡大概略図である。
【
図14】本出願の一実施例による電池の筐体の分解概略図である。
【
図15】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図16】
図15に示される実施例における電池の筐体の平面概略図である。
【
図17】
図15に示される実施例の電池の筐体におけるC部分の拡大概略図である。
【
図18】本出願の一実施例によるいくつかの支持部材の斜視概略図である。
【
図19】本出願の一実施例による電池の筐体の分解概略図である。
【
図20】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図21】
図20に示される実施例における電池の筐体の平面概略図である。
【
図22】
図20に示される実施例の電池の筐体におけるD部分の拡大概略図である。
【
図23】本出願の一実施例による支持部材の斜視概略図及び局所拡大図である。
【
図24】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図25】
図24に示される実施例の電池の筐体におけるE部分の拡大概略図である。
【
図26】本出願の一実施例による電池の筐体の分解概略図である。
【
図27】本出願の一実施例による電池を製造する方法の概略フローチャートである。
【
図28】本出願の一実施例による電池を製造する機器の概略ブロック図である。 図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されるべきではなく、即ち本出願は、説明された実施例に限定されない。
【0054】
なお、本出願の説明において、特に説明がない限り、「複数」の意味は、二つ以上であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、本出願の限定として理解されるべきではない。なお、用語「第1」、「第2」、「第3」などは、説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解すべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。
【0055】
以下の説明に現れる方位詞はいずれも、図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。本出願の説明において、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付ける」、「連結する」、「接続する」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、一体的に接続されることであってもよいし、直接接続されることであってもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されることであってもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0056】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表すことができる。また、本出願における文字「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0057】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての科学技術用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本出願において、出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記の図面の説明における用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記の図面における用語「第1の」、「第2の」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0058】
本出願において「実施例」と言及する場合、実施例で説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他して独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に説明された実施例を他の実施例と組み合せてもよいことを明示的且つ暗示的に理解できる。
【0059】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、直方体角形電池セルとパウチ電池セルの三つの種類に分けられ、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0060】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0061】
電池セルは電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータから構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質はポリプロピレン(Polypropylene、PP)又はポリエチレン(Polyethylene、PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0062】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0063】
電池セルにとって、主な安全上のリスクは充放電過程に由来するものであり、また適切な環境温度設計が必要とされる。不必要な損失を効果的に回避するために、電池セルに対して、一般的には、少なくとも三重の保護手段が存在する。具体的には、保護手段は少なくとも、スイッチ素子、適切なセパレータ材料の選択及び放圧機構を含む。スイッチ素子は、電池セル内の温度又は抵抗が一定の閾値に達した時に電池の充電又は放電を停止できる素子である。セパレータは、正極板と負極板を隔離するためのものであり、一定の温度まで昇温する時にそれに付着しているミクロンオーダー(さらにはナノメートルオーダー)の微細孔を自動的に溶解して除去することができ、それによって金属イオンがセパレータを通過できなくなり、電池セルの内部反応を終止する。
【0064】
放圧機構は、電池セルの内部圧力又は温度が予め設定された閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃がす素子又は部品である。該閾値の設計は、設計の需要によって異なっている。前記閾値は、電池セルにおける正極板、負極板、電解液及びセパレータのうちの一つ又は複数の材料によって決まる可能性がある。放圧機構は、防爆弁、空気弁、放圧弁又は安全弁などのような形式を用いてもよく、そして具体的には感圧又は感温性の素子又は構造を用いてもよく、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が予め設定された閾値に達した時に放圧機構が動作を実行するか又は放圧機構に設けられる脆弱な構造が破裂することによって、内部圧力又は温度を逃がすための開口又は通路を形成する。
【0065】
本出願で言及した「作動」は、放圧機構に動作が発生するか又は一定の状態まで活性化されることによって、電池セルの内部圧力及び温度を逃がすことである。放圧機構に発生する動作は、放圧機構の少なくとも一部が破裂、破砕、破断又は開放されることなどを含んでもよいが、それらに限らない。放圧機構が作動する時、電池セルの内部の高温高圧物質は、排出物として、作動する部位から外へ排出される。該方式によって圧力又は温度を制御可能な場合に電池セルを放圧と降温することによって、潜在的なより重大な事故の発生を回避することができる。
【0066】
本出願で言及した電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は破裂した正負極板、セパレータの破片、反応で生成した高温高圧ガス、火花などを含むが、それらに限らない。
【0067】
電池セル上の放圧機構は、電池の安全性に対して重要な影響を及ぼす。例えば、短絡、過充電などの現象が発生した時、電池セル内部に熱暴走が発生することによって圧力又は温度の急上昇を引き起こす可能性がある。このような場合には、放圧機構の作動によって内部圧力又は温度を外へ放出して、電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0068】
現在の放圧機構の設計案において、電池セル内部の高圧と高熱を放出すること、即ち前記排出物を電池セルの外部に排出することに主に着目する。しかしながら、電池の出力電圧又は電流を確保するために、往々にして、複数の電池セルを必要とし、且つ複数の電池セルの間は、バスバー部品によって電気的に接続される。電池セルの内部から排出された排出物は、残りの電池セルに短絡現象を引き起こす可能性があり、例えば、排出された金属屑が二つのバスバー部品に電気的に接続される時に、電池に短絡を引き起こすため、安全上のリスクが存在する。そして、高温高圧の排出物は、電池セルに放圧機構が設置される方向に向かって排出され、且つより具体的には、放圧機構が作動する領域に向かう方向に沿って排出され、このような排出物の威力と破壊力は、非常に大きい可能性があり、ひいては、該方向上の一つ又は複数の構造を突き破るのに十分であり、さらなる安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【0069】
これに鑑みて、本出願は技術案を提供し、熱管理部品を利用して電池の筐体の内部を、電池セルを収容する電気キャビティと、排出物を収集する収集キャビティとに分離し、放圧機構が作動する時に、電池セルの排出物が収集キャビティに入り、電気キャビティに入ることがなく又は少量のみ電気キャビティに入ることにより、排出物による電気キャビティにおけるバスバー部品への影響を軽減し、そのため電池の安全性を向上させることができる。電池セルの排出物が収集キャビティを介して収集されるため、高温高圧排出物が緩衝され、排出物の圧力及び温度が低下し、他の構造への破壊力を減少し、それにより電池の安全性をさらに向上させる。
【0070】
熱管理部品は、流体を収容して複数の電池セルの温度を調節するためのものである。ここで、流体は、液体又は気体であってもよく、温度を調節することは、複数の電池セルを加熱又は冷却することを指す。電池セルを冷却又は降温させる場合、該熱管理部品は、複数の電池セルの温度を低下させるように冷却流体を収容するために用いられ、この時、熱管理部品は、冷却部品、冷却システム又は冷却板などと呼ばれてもよく、収容される流体は、冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的には、冷却液又は冷却気体と呼ばれてもよい。また、熱管理部品は、複数の電池セルを昇温するように加熱するためにも用いられてもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。任意選択的に、上記流体は、より良い温度調節効果を達成できるように、循環して流れるものであってもよい。任意選択的に、流体は、水、水とエチレングリコールの混合液、又は空気などであってもよい。
【0071】
電気キャビティは、複数の電池セルとバスバー部品を収容するためのものである。電気キャビティは、シールされていてもよく、シールされていなくてもよい。電気キャビティは、電池セルとバスバー部品の取り付け空間を提供する。いくつかの実施例において、電気キャビティに、電池セルを固定するための構造を設置してもよい。電気キャビティの形状は、収容される複数の電池セルとバスバー部品に応じて決められてもよい。いくつかの実施例において、電気キャビティは、六つの壁を有する直方体であってもよい。電気キャビティ内の電池セルは、電気的接続によって高い電圧出力を形成するため、電気キャビティは、「高圧キャビティ」と呼ばれてもよい。
【0072】
バスバー部品は、複数の電池セル間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのものである。バスバー部品は、電池セルの電極端子を接続することによって電池セル間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バスバー部品は、溶接によって電池セルの電極端子に固定することができる。「高圧キャビティ」に対応して、バスバー部品から形成される電気的接続は、「高圧接続」と呼ばれてもよい。
【0073】
収集キャビティは、排出物を収集するためのものであり、シールされていてもよく、シールされていなくてもよい。いくつかの実施例において、前記収集キャビティ内に、空気、又は他の気体が含まれてもよい。収集キャビティ内には、電圧出力に接続される電気的接続がなく、「高圧キャビティ」に対応し、収集キャビティは、「低圧キャビティ」と呼ばれてもよい。任意選択的に、又は付加的に、前記収集キャビティ内に液体、例えば冷却媒体が含まれてもよく、又は、該液体を収容する部品が設置されてもよく、収集キャビティに入る排出物をさらに降温させる。さらに任意選択的に、収集キャビティ内の気体又は液体は、循環して流れるものである。
【0074】
電池の応用過程において、それは外部環境の関連影響を受ける可能性があり、例えば、外部圧力が電池の筐体に作用し、電池の筐体ないし筐体における電池セルに対して影響を与えることにより、電池の安全性に影響を与える。例示的に、いくつかの応用シーンにおいて、電池は電気自動車のシャーシに取り付けられてもよく、且つ電気自動車の走行のために電力を提供し、電気自動車が走行する過程において、揺れや飛石衝突などの不具合が発生する可能性があり、自動車のシャーシないしシャーシ上に取り付けられた電池に対して衝撃と底打ちを与え、電池に悪影響を与えることがある。
【0075】
これに鑑みて、本出願の実施例は上記実施例を基礎として、電池筐体の収集キャビティに支持部材をさらに設置し、収集キャビティの圧壊強度を高め、外部圧力が電池に作用する時、支持部材が設置された収集キャビティは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって、外部圧力による熱管理部品及び電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。上記の電池が電気自動車のシャーシに取り付けられる応用シーンに対して、電池筐体における収集キャビティが、電気キャビティに対して自動車のシャーシに向かって設置され、この場合、支持部材が設置された収集キャビティは、良好な衝撃防止と底打ち防止の機能を提供し、電気自動車の走行過程における不具合による電池への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を向上させることによって、電気自動車の安全性をさらに高めることができる。
【0076】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な装置、例えば、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、バッテリ車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙航空機などに適用でき、例えば、宇宙航空機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0077】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で説明された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電動車両を例にして説明する。
【0078】
例えば、
図1に示すように、
図1は、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40と、コントローラ30と、電池10とが設置されてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は先頭又は後尾に電池10を設置してもよい。電池10は、車両1への給電に用いられてもよい。例えば、電池10を車両1の操作電源とすることができ、車両1の電気回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0079】
様々な電力消費需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。電池は、電池パックと呼ばれてもよい。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成する。つまり、複数の電池セルは直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよい。
【0080】
例えば、
図2に示すように、
図2は、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、複数の電池単体20を含んでもよい。電池10は、筐体(又はハウジングと呼ばれる)をさらに含んでもよく、筐体内部が中空構造であり、複数の電池セル1020が筐体内に収容される。
図2に示すように、筐体は二つの部分を含んでもよく、ここではそれぞれ第1の部分111と第2の部分112と呼び、第1の部分111と第2の部分112は、互いに係合される。第1の部分111と第2の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせた形状に基づいて決定されてもよく、第1の部分111と第2の部分112はいずれも一つの開口を有してもよい。例えば、第1の部分111と第2の部分112は、いずれも中空の直方体であり、それぞれ一つの面のみが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口とが対向して設置され、且つ第1の部分111と第2の部分112とが互いに係合して、密閉されたキャビティを有する筐体を形成する。複数の電池セル20を互いに並列又は直列又は直並列接続して組み合わせた後、第1の部分111と第2の部分112を係合して形成された筐体内に置く。
【0081】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、該電池10は、複数の電池セル20同士の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部品をさらに含んでもよい。具体的に、バスバー部品は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20同士の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに導電機構により筐体を通過して導出することができる。任意選択的に、導電機構は、バスバー部品に属するものであってもよい。
【0082】
様々な電力需要に応じて、電池セル20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20を直列、並列又は直並列の方式で接続して、大きい容量又は電力を実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数は多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20が電池モジュールを構成してもよい。電池モジュールに含まれる電池セル20の数には制限がないが、需要に応じて設置すればよい。
【0083】
図3に示すように、
図3は、本出願の一実施例による電池単体20の構造概略図である。電池単体20は、一つ又は複数の電極アセンブリ22と、ケース211と、カバープレート212とを含む。ケース211の壁及びカバープレート212は、いずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ケース211は、一つ又は複数の電極アセンブリ22を組み立てた後の形状に基づいて決定され、例えば、ケース211は、中空の直方体又は立方体又は円柱体であってもよく、ケース211における一つの面は、一つ又は複数の電極アセンブリ22をケース211内に置くことが可能になるように、開口を有する。例えば、ケース211が中空の直方体又は立方体である場合、ケース211における一つの平面が開口面であり、即ち該平面は壁体を有しておらず、ケース211の内外を連通させる。ケース211が中空の円柱体である場合、ケース211の端面が開口面であり、即ち該端面は壁体を有しておらず、ケース211の内外を連通させる。カバープレート212は開口を覆い、且つケース211に接続されることによって、電極アセンブリ22を置くための密閉のキャビティを形成する。ケース211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0084】
該電池セル20は、二つの電極端子214をさらに含んでもよく、二つの電極端子214はカバープレート212上に設置されてもよい。カバープレート212は、一般的には平板形状であり、二つの電極端子214は、カバープレート212の平板表面上に固定され、二つの電極端子214は、それぞれ正電極端子214aと負電極端子214bである。各電極端子214に対応してそれぞれ一つの接続部材23が設置され、又は集電部材23と呼ばれてもよいが、それはカバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214との電気的接続を実現するためのものである。
【0085】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aと第2のタブ222aは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221aが正極タブである場合、第2のタブ222aは負極タブである。一つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは一つの接続部材23を介して一つの電極端子に接続され、一つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ212a222aはもう一つの接続部材23を介してもう一つの電極端子に接続される。例えば、正電極端子214aは一つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子214bはもう一つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0086】
該電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22は一つ又は複数設置されてもよいが、
図3に示すように、電池セル20内に四つの独立した電極アセンブリ22が設置されている。
【0087】
例示的に、電池セル20の一つの壁、
図3に示される第1の壁21a上に、放圧機構213がさらに設置されてもよい。図示の便宜上、
図3では第1の壁21aとケース211は分離しているが、これは、ケース211の底側が開口を有することを限定しない。放圧機構213は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃がすためのものである。
【0088】
該放圧機構213は、第1の壁21aの一部であってもよく、第1の壁21aとは別体型構造であってもよく、例えば溶接の方式によって第1の壁21a上に固定されてもよい。放圧機構213が第1の壁21aの一部である場合、例えば、放圧機構213は、第1の壁21a上に切り込みを設置する方式で形成することができ、該切り込みに対応する第1の壁21aの厚さは、放圧機構213の切り込み以外の他の領域の厚さよりも小さい。該切り込みは、放圧機構213の最も脆弱な位置である。電池セル20から発生した気体が多過ぎて、ケース211の内部圧力が上昇して閾値に達したか、又は電池セル20の内部で反応して熱量が発生して電池セル20の内部温度が上昇して閾値に達した時、放圧機構213は、該切り込みにおいて破裂することによってケース211の内外を連通させ、気体圧力及び温度は放圧機構213の裂開によって外に放出され、さらに電池セル20の爆発の発生を回避することができる。
【0089】
任意選択的に、本出願の一実施例において、
図3に示すように、放圧機構213が電池セル20の第1の壁21aに設置される場合、電池セル20の第2の壁に電極端子214が設置され、第2の壁は、第1の壁21aと異なる。
【0090】
任意選択的に、第2の壁は、第1の壁21aに対向して設置される。例えば、第1の壁21aは、電池セル20の底壁であってもよく、第2の壁は、電池セル20の最上壁、即ちカバープレート212であってもよい。
【0091】
任意選択的に、
図3に示すように、該電池セル20は、パッド24をさらに含んでもよく、該パッド24は、電極アセンブリ22とケース211の底壁との間に位置し、電極アセンブリ22を支持する役割を果たすことができ、さらに電極アセンブリ22とケース211の底壁の周辺のラウンドコーナーとの干渉を効果的に防止することができる。また、該パッド24上に一つ又は複数の貫通孔が設置されてもよく、例えば、均一に並んでいる複数の貫通孔が設置されてもよく、又は、放圧機構213がケース211の底壁に設置される時に、該放圧機構213に対応する位置に貫通孔を設置してもよく、それによって液体と気体を通過させやすくすることができ、具体的には、このようにパッド24の上下表面の空間を連通させ、電池セル20の内部で発生した気体及び電解液は、いずれもパッド24を自由に通ることができる。
【0092】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の異なる壁上に設置することによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、電極端子214からより遠く離れることができ、それにより排出物による電極端子214及びバスバー部品への影響を軽減し、そのため電池の安全性を向上させることができる。
【0093】
さらに、電極端子214が電池セル20のカバープレート212上に設置される時、放圧機構213を電池セル20の底壁に設置することによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、電池10の底部に向かって排出することができる。このように、電池10の底部の熱管理部品などを利用して排出物の危険性を低減させる一方、電池10の底部は一般的にはユーザから離れており、それによってユーザへの危害を低減させることができる。
【0094】
放圧機構213はいかなる可能な放圧機構であってもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。例えば、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達した時に溶融できるように配置される感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達した時に破裂できるように配置される感圧性放圧機構であってもよい。
【0095】
図4は、本出願の一実施例による電池の筐体11の概略図である。
図4に示すように、筐体11は以下を含む。電気キャビティ11aであって、複数の電池セル20を収容するためのものであり、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含んでもよく、放圧機構213は、放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃すためのものである。
【0096】
熱管理部品13であって、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調節するためのものである。
【0097】
収集キャビティ11bであって、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集するためのものである。
【0098】
ここで、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離するためのものである。該収集キャビティ11bに支持部材31が設置され、該支持部材31は、該収集キャビティ11bの圧壊強度を高めるためのものである。
【0099】
本出願の実施例では、熱管理部品13を採用して電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離する。つまり、複数の電池セル20を収容する電気キャビティ11aと、排出物を収集する収集キャビティ11bは分離している。このように、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は収集キャビティ11bに入り、電気キャビティ11aに入らず又は少ししか入らず、それによって電気キャビティ11aにおける電気的接続に影響を与えないため、電池の安全性を向上させることができる。
【0100】
さらに、収集キャビティ11bに支持部材31がさらに設置される。中空の構造に対して、支持部材31が収集キャビティ11bにおいて支持作用を提供するため、支持部材31が設置された該収集キャビティ11bはより良い圧壊強度を有し、換言すれば、外部圧力が電池に作用する時、支持部材31が設置された収集キャビティ11bは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって外部圧力による熱管理部品13及び電気キャビティ11aにおける電池セル20などの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。
【0101】
いくつかの応用シーンにおいて、電池は電気自動車のシャーシに取り付けられてもよく、且つ電気自動車の走行のために電力を提供する。具体的には、電池の収集キャビティ11bは、電気キャビティ11aに対して電気自動車のシャーシに向かい、電気自動車が走行する過程において、揺れや飛石衝突などの不具合が発生する可能性があり、自動車のシャーシないしシャーシ上に取り付けられた電池に対して衝撃と底打ちを与えることになる。本出願の実施例の技術案により、収集キャビティ11bにおける支持部材31は、良好な衝撃防止と底打ち防止の機能を提供し、電気自動車の走行過程における不具合による電池への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を向上させることによって、電気自動車の安全性をさらに高めることができる。
【0102】
理解できるように、
図4は、例として収集キャビティ11bに設置される支持部材31の断面概略図を示しており、それは本出願の保護範囲を限定するものではない。本出願の実施例による支持部材31は、
図4に示される実施例以外に、他の形態であってもよく、及び/又は、収集キャビティ11bの他の位置に設置されてもよく、収集キャビティ11bに支持を提供して収集キャビティ11bの圧壊強度を高めることを目的とし、本出願の実施例では、支持部材31の形態と位置を具体的に限定しない。
【0103】
任意選択的に、本出願の一実施例において、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに共用される壁を有する。
図4に示すように、熱管理部品13は、同時に、電気キャビティ11aの一つの壁及び収集キャビティ11bの一つの壁であってもよい。つまり、熱管理部品13(又はその一部)は、直接的に電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに共用される壁とすることができる。このように、電池セル20の排出物は、熱管理部品13を通って収集キャビティ11bに入ることができるとともに、熱管理部品13の存在のため、該排出物と電気キャビティ11aを可能な限り隔離することにより、排出物の危険性を低減させ、電池の安全性を向上させることができる。
【0104】
良好な支持性能を提供するために、
図5では、本出願によるいくつかの支持部材31の斜視概略図が示されている。
【0105】
図5における図(a)と図(b)に示すように、該二つの支持部材31は、ストリップ状構造である。該ストリップ状構造は加工しやすく、且つ規則又は不規則な形状のキャビティに柔軟に取り付けることができる。例えば、収集キャビティ11bが直方体である場合、該ストリップ状構造の支持部材31は、収集キャビティ11bの長辺又は短辺と平行して収集キャビティ11bに取り付けられることが容易になる。
【0106】
図5における図(c)に示すように、該支持部材31はリング状構造であり、
図5における図(d)に示すように、該支持部材31は枠型構造である。該リング状の支持部材31又は枠型の支持部材31は、規則形状のキャビティに適用でき、キャビティのために全面的な支持を提供する。例えば、収集キャビティ11bが直方体である場合、該リング状構造又は枠型構造の支持部材31は、対応して収集キャビティ11bの中心に設置されてもよい。
【0107】
任意選択的に、上記出願の実施例における支持部材31は、支持する役割を果たすと同時に、電池セル20の排出物を通過させる通路を形成する。具体的には、支持部材31と収集キャビティ11bのキャビティ壁との間で排出物を通過させる通路を形成してもよく、又は、支持部材31の数が複数であれば、複数の支持部材31の間で排出物を通過させる通路を形成してもよい。
【0108】
該実施形態において、収集キャビティ11bにおける支持部材31の設置は、電池セル20における排出物の排出に影響を与えず、電池セル20の安全性を確保する。また、中空の収集キャビティ11bに比べ、支持部材31で形成された通路は、排出物の収集キャビティ11bにおける排出経路を延長させ、その筐体11から排出した後の温度を低下させ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高めることができる。
【0109】
任意選択的に、いくつかの実施形態において、本出願の実施例の支持部材31に開孔が設置されてもよく、該開孔は、支持部材31において通路を形成することによって、電池セル20が放圧構造213を通って排出する排出物を通過させるためのものである。
【0110】
任意選択的に、通路を形成するための該開孔は複数の設置方式を有し、例示的に、支持部材31が中実構造の支持部材である場合、開孔は、電池セル20の排出物を通過させる通路を形成するための、支持部材31を貫通する開孔であってもよい。支持部材31が中空構造の支持部材である場合、開孔は支持部材31の壁に設置されてもよく、且つ該開孔は、支持部材31の内部空間と収集キャビティ11bを連通させるために用いることができ、該開孔と中空構造はいずれも電池セル20の排出物の通路を形成するためのものである。
【0111】
中実構造の支持部材31に比べ、中空構造の支持部材31は、収集キャビティ11bのために支持を提供し、圧壊強度を高めると同時に、支持部材31自体の重量が小さく、電池に大きい重量を追加することがなく、それによって電池のエネルギー密度を高める。開孔を有する中空構造の支持部材31は、収集キャビティ11bにおける空間を多く占有することがなく、収集キャビティ11bに、電池セルの排出物を収容し収集するために十分な空間があるように確保することができる。
【0112】
任意選択的に、該中空構造の支持部材31は、両端が開口を有する管状構造であってもよく、その軸方向の剛性が高く、径方向の寸法が収集キャビティ11bの高さに適応可能であり、それによって収集キャビティ11bのために良好な支持を提供することができる。説明の便宜上、以下の管状構造は、いずれも両端が開口を有する管状構造である。
【0113】
いくつかの実施形態において、該管状構造の横断面は中空の多角形であり、該多角形の辺の数は4以上であり、それによって管状構造の収集キャビティ11bにおける安定性を高める。別のいくつかの実施形態において、該管状構造の横断面はリング状、コース形又は他の形状であってもよく、本出願の実施例では、それを具体的に限定しない。
【0114】
例示的に、
図5における図(a)と図(b)に示すように、支持部材31はストリップ状の管状構造であり、図(a)では、該支持部材31の横断面は中空の六角形であり、図(b)では、該支持部材31の横断面は中空の四角形である。任意選択的に、
図5における図(c)に示される支持部材31はリング状の管状構造であってもよく、該支持部材の横断面はリング状であり、図(d)に示される支持部材31は枠型の管状構造であってもよく、該支持部材31の横断面は中空の四角形である。
【0115】
任意選択的に、本出願の実施例による管状構造の支持部材31の管壁の厚さは0.5mm~3mmであってもよく、管状構造の支持部材31の剛性と圧壊強度を確保できるとともに、収集キャビティ11bにおける空間を多く占有することがない。
【0116】
また、本出願の実施例による支持部材31の材料は、良好な延性と高い強度を有する材料であってもよく、それは外部の圧力を緩衝し抵抗することができ、且つ高い圧壊強度を有する。例示的に、該支持部材31の材料は金属材料、例えば、銅、アルミニウムなどであってもよい。又は、支持部材21の材料は、一定の強度を有する非金属材料、例えば、マイカ、セラミックなどであってもよい。
【0117】
以上のように、本出願の実施例による複数の支持部材31は、良好な延性を有し、軸方向の剛性が高く、圧壊強度が高いため、収集キャビティ11bのために良好な支持を提供し、収集キャビティ11bの圧壊強度を高めることができる。支持部材31が中空構造、例えば管状構造である場合、支持部材31は、収集キャビティ11bの圧壊強度を高めることができるとともに、支持部材31において電池セルの排出物を通過させるための通路を形成することもでき、収集キャビティ11bに該排出物を収集するために十分な空間を備えさせる。
【0118】
以上の
図5における図(a)と図(b)に示される支持部材31に基づき、
図6では、本出願による別の二つの支持部材31の斜視概略図が示されている。
【0119】
図6における図(a)と図(b)に示すように、管状構造の支持部材31に開孔310が設置され、該開孔310は、管状構造の少なくとも一部の管壁に設置されてよい。例えば、
図6における図(a)に示すように、開孔310は、六角形の管状構造の五つの側の管壁に設置されてもよく、各側の管壁上に、複数の開孔310が設置されてもよく、該複数の開孔310は、管状構造の軸方向に沿って配列される。任意選択的に、開孔310の形状は角丸長方形、円形又は他の任意の形状であってもよい。
【0120】
図6に示される実施例に基づき、支持部材31は管状構造であり、管状構造のキャビティが排出物の通路を提供する上で、開孔310と管状構造のキャビティとの間にも排出物を通過させる通路が形成される。開孔310の数が複数である場合、該管状構造上に設置される複数の開孔310の間は、排出物を通過させる通路を形成してもよい。
【0121】
理解できるように、
図6では、例示的に、支持部材31が管状構造である場合の開孔310の設置方式が示されており、支持部材31が他の中空構造である場合、開孔310の設置方式は同様に文脈の関連記載を参照してもよい。また、支持部材31が中実構造である場合、開孔310は、支持部材31を貫通する開孔であってもよく、開孔深さの違い以外に、他の関連技術案は、文脈の関連記載を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0122】
任意選択的に、支持部材31における開孔310で形成される通路は、排出物における気体及び/又は液体を通過させるために用いることができ、支持部材31は、排出物における固体を阻止するためのものである。上記のとおり、電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は破裂した正負極板、セパレータの破片、反応で生成した高温高圧ガス、火花などを含むが、それらに限らない。該排出物はいずれも高温物質であり、ここで、高温の正負極板、高温のセパレータ破片、火花などの固体物質が直接的に排出弁を通って筐体11外に排出される場合、大きな安全上のリスクが存在する。本出願の実施例の技術案により、開孔310は、排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させることができ、且つ支持部材31は、排出物における高温固体を阻止する。即ち支持部材31における開孔310は、排出物における高温固体を濾過し、排出物における高温固体が筐体11外に排出されることによりもたらされる安全上のリスクを防止することができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0123】
上記の開孔310の濾過効果を実現するために、支持部材31における開孔310のメッシュ数は5メッシュ以上であってもよい。別の次元から言えば、支持部材31における開孔310の孔径は、4mm以内であってもよい。
【0124】
ここで、メッシュ数とは網の1インチあたりの目の数を指し、メッシュ数が高いほど、目が多い。本出願の実施例における支持部材31上の開孔310は5メッシュ以上であり、つまり孔径が約4mm未満であり、このように支持部材31の支持強度にほとんど影響を与えない。
【0125】
任意選択的に、支持部材31における開孔310の数は、予め設定された閾値より大きくてもよく、それによって支持部材31において、予め設定された数よりも多い通路を形成し、一方では、排出物の支持部材31における流動性を高め、十分に長い排出経路を形成し、筐体11から排出される排出物の温度を低下させることができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。他方では、十分に多い通路は、排出物における高温固体をより良く濾過することができ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高める。
【0126】
さらに、支持部材31に形成される通路の排出物に対する降温効果を実現するために、支持部材31に降温材料が設置されてもよく、通路を通る排出物に対してさらに降温を行い、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0127】
任意選択的に、いくつかの実施形態において、降温材料は支持部材31の表面に設置されてもよく、例えば、支持部材31の表面に塗布されてもよい。
【0128】
任意選択的に、別のいくつかの実施形態において、支持部材31が中空構造である場合、降温材料は中空構造に設置されてもよい。
【0129】
例示的に、本出願の実施例が採用する降温材料は、相変化材料(Phase Change Material、PCM)コーティングであってもよく、相変化材料は、高温の排出物と接触すると、溶融することができ、熱を大量に吸収し、排出物に対して降温を行う。
【0130】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31上に降温材料が設置される。収集キャビティ11bが電池セルの高温排出物を収集する時、支持部材31上に設置される降温材料は、該高温排出物に対して降温を行い、高温排出物による安全上のリスクを防止することによって、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高めることができる。
【0131】
さらに、支持部材31が中空構造である場合、中空構造のキャビティは、排出物に通路を提供するだけでなく、キャビティにおける空間及び/又は中空構造の表面を利用して降温材料を設置することもでき、排出物が通路を通る時、降温材料は該排出物に対して降温を行う。
【0132】
さらに、支持部材31に開孔310が設置される場合、開孔310は、排出物により多くの通路を提供する。排出物の排出経路を延長させて排出物に対して降温を行うと同時に、降温材料が、通った気体排出物及び濾過された固体排出物に対してさらに降温を行い、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高める。
【0133】
以上は、
図5と
図6を結び付けながら本出願によるいくつかの支持部材31の構造を説明した。以下では、
図7~
図26を結び付けながら、支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式について説明する。
【0134】
任意選択的に、本出願の一実施例において、収集キャビティ11bは、熱管理部品13と防護部材によって形成されてもよい。例えば、
図7に示すように、筐体11は、防護部材115をさらに含む。防護部材115は、熱管理部品13を防護するために用いられ、且つ、防護部材115と熱管理部品13は、収集キャビティ11bを形成する。
【0135】
防護部材115と熱管理部品13から形成される収集キャビティ11bは、電池セル20を収容する筐体11の空間を占有しないため、大きい空間を有する収集キャビティ11bを設置することができ、それによって排出物を効果的に収集と緩衝し、その危険性を低減させることができる。
【0136】
任意選択的に、本出願のいくつかの実施形態において、収集キャビティ11bは、シールされるキャビティであってもよい。例えば、防護部材115と熱管理部品13との接続箇所は、シール部材によってシールされてもよい。
【0137】
任意選択的に、本出願の別のいくつかの実施形態において、収集キャビティ11bは、シールされるキャビティでなくてもよい。例えば、収集キャビティ11bは、筐体11外部の空気と連通することができ、このように、一部の排出物は、さらに筐体11の外部に排出することができる。任意選択的に、防護部材115に排出弁が設置されてもよく、収集キャビティ11bは、排出弁を介して筐体の外部空気と連通することができる。
【0138】
任意選択的に、本出願の実施例において、収集キャビティ11bにおける支持部材31は、防護部材115及び/又は熱管理部品13に固定して設置されてもよく、支持部材31が防護部材115に固定して設置されれば、支持部材31は防護部材115と接触し、この場合、支持部材31は同時に熱管理部品13と接触してもよく、又は熱管理部品13と一定の隙間を保持してもよい。類似的に、支持部材31が熱管理部品13に固定して設置される場合、支持部材31は同時に防護部材115と接触してもよく、又は防護部材115と一定の隙間を保持してもよい。
【0139】
図7に示すように、支持部材31は防護部材115及び熱管理部品13と同時に接触し、この場合、支持部材31は、防護部材115及び熱管理部品13に同時に支持作用を提供し、防護部材115及び熱管理部品13の全体的な圧壊強度を高めることによって、外部圧力による熱管理部品13の他側の電気キャビティ11aにおける電池セル20などの電気部品への影響を防止することができる。
【0140】
図8は、
図7に示される筐体11におけるA領域の分解概略図である。
【0141】
図7及び
図8に示すように、支持部材31はストリップ状の管状構造であり、支持部材31の数は複数であり、該複数の支持部材31は互いに平行し、且つ互いに間隔を置いて収集キャビティ11bに設置され、収集キャビティ11bのために均一で全面的な支持を提供し、それによって収集キャビティ11bの圧壊強度を均一且つ全面的に高める。
【0142】
任意選択的に、
図8に示すように、該複数の支持部材31の軸方向は、筐体11の長手方向に平行し、即ち
図8に示すx方向である。
図8と
図7に示す座標系は同じであり、ここで、z方向は筐体11の高さ方向を指示し、それは水平地面に垂直であってもよく、x方向とy方向は、それぞれ筐体11の長手方向と幅方向を指示する。
【0143】
説明すべきこととして、
図7と
図8では、例示的に、複数のストリップ状支持部材31が収集キャビティ11bに設置される概略図を示しているが、該複数のストリップ状支持部材31は、さらに他の方式によって収集キャビティ11bに設置されてもよく、例えば、複数の支持部材31の軸方向は筐体11の幅方向、即ち
図8に示されるy方向に平行してもよい。
【0144】
任意選択的に、複数の支持部材31は、
図8に示す方式に従って収集キャビティ11bに設置される以外に、
図9又は
図10に示す方式に従って収集キャビティ11bに設置されてもよく、該
図9と
図10における座標系は、
図8における座標系と同じである。
【0145】
図9に示すように、該実施形態において、複数の支持部材31は枠型支持部材であり、該複数の枠型支持部材は、収集キャビティ11bの中心を取り囲んで設置され、収集キャビティ11bの中心に近い枠型支持部材の寸法が小さく、収集キャビティ11bの中心から離れる枠型支持部材の寸法が大きく、隣接する二つの枠型支持部材の間は隙間を有する。
【0146】
類似的に、
図10に示すように、該実施形態において、複数の支持部材31はリング状支持部材であり、該複数のリング状支持部材の設置方式は、上述の複数の枠型支持部材の設置方式と類似し、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【0147】
任意選択的に、上記
図9と
図10に示す実施例において、枠型支持部材又はリング状支持部材は、中空の管状構造であってもよく、任意選択的に、該枠型支持部材又はリング状支持部材に、開孔が形成されてもよい。
【0148】
任意選択的に、上記
図8~
図10に示す実施例において、複数の支持部材31は、収集キャビティ11bにおいて対称に設置され、具体的には、
図8に示すように、複数のストリップ状支持部材31において、中央のストリップ状支持部材31は、収集キャビティ11bの中心に位置し、且つその延伸方向は、筐体11の長手方向(x方向)に平行し、他のストリップ状支持部材31は、筐体11の幅方向(y方向)に沿って中央のストリップ状支持部材31の両側に対称に分布する。
【0149】
図9と
図10に示すように、複数の枠型支持部材31又は複数のリング状支持部材31における各支持部材は、収集キャビティ11bの中心を取り囲んで設置され、各支持部材は、該収集キャビティ11bの中心に対して対称に設置される。
【0150】
本出願の実施例の技術案により、複数の支持部材31は、収集キャビティ11bにおいて対称に設置され、収集キャビティ11bの安定性を高めることによって、筐体11のその機器での取り付けの安定性を高めることができる。
【0151】
任意選択的に、本出願において、支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式は、電池セルの位置にも関連し、具体的には、支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式は、電池セル20における放圧機構213の位置に関連している。
【0152】
図11は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図12は、
図11に示される電池の筐体11の平面図であり、ここで、
図11は、
図12におけるA-A’方向に沿う断面図であってもよい。
【0153】
電池の筐体11における複数の電池セル20と支持部材31との位置関係を容易に比較するために、
図11と
図12において、破線で筐体における複数の電池セル20を示している。
【0154】
図11に示すように、熱管理部品13に放圧領域130が設置され、該放圧領域130は、電池セル20の放圧機構213に対応して設置されてもよく、放圧機構213が作動する時に、電池セル20内部の排出物は、該放圧領域130を介して排出される。
【0155】
任意選択的に、いくつかの実施形態において、熱管理部品13における放圧領域130は特殊処理しなくてもよく、本出願の実施例は、熱管理部品13における放圧機構213に対応する一部の領域を表すために、該一部の領域を放圧領域130と呼ぶだけである。
【0156】
任意選択的に、別のいくつかの実施形態において、熱管理部品13における放圧領域130は、放圧機構213が作動する時にさらに破壊されやすくなるように、特殊処理されてもよい。
【0157】
例示的に、該放圧領域130は脆弱なエリアであってもよく、その強度は、熱管理部品13における、該放圧領域130以外の他の領域の強度よりも小さい。
【0158】
任意選択的に、熱管理部品13に、放圧機構213に対応して設置される凹溝が設置され、凹溝の底壁は、脆弱エリアを形成する。凹溝の底壁は、熱管理部品13の他の領域よりも脆弱であるため、排出物に破壊されやすく、放圧機構213が作動する時に、排出物は、凹溝の底壁を破壊して収集キャビティ11bに入ることができる。
【0159】
任意選択的に、さらに他の方式によって熱管理部品13に放圧領域130として脆弱エリアを形成してもよく、例えば、熱管理部品13において切り込みを設置して脆弱エリアを形成することなど、本出願は、それを具体的に限定しない。
【0160】
該実施形態の技術案により、熱管理部品13における、放圧機構213に対応する局所領域(即ち放圧領域130)を脆弱エリアとして設置し、それによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、該脆弱エリアを衝撃し且つより容易に開けることができ、電池セル20の排出物は、該脆弱エリアを介して収集キャビティ11bに収集され、排出物による電気キャビティ11aにおける電気部品への影響を防止する。
【0161】
図11と
図12に示すように、本出願の実施例において、支持部材31と熱管理部品13における非放圧領域は対応して設置され、電池セル20からの排出物を通過させる通路を形成することによって、該排出物は収集キャビティ11bに収集される。該非放圧領域とは、熱管理部品13における、該放圧領域130以外の他の領域を指す。筐体11の高さ方向(z方向)において、支持部材31は非放圧領域の下方に設置される。
【0162】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31と熱管理部品13における非放圧領域は対応して設置され、支持部材31による、熱管理部品13における放圧領域130及びそれに対応する放圧機構213への影響を回避する。例えば、放圧機構213及び放圧領域130を介して排出される、電池セル20内部からの排出物をブロックすることにより、それは収集キャビティ11bに収集されなくなる。そのため、本出願の実施例に基づいて設置される支持部材31は、収集キャビティ11bの圧壊強度を高めると同時に、電池セル20の安全性に影響を与えることがない。
【0163】
任意選択的に、
図11に示すように、該支持部材31は、該熱管理部品13の非放圧領域と接触することによって、支持部材31が熱管理部品13に対して良好な支持作用を有するように確保する。さらに、支持部材31は防護部材115及び熱管理部品13の非放圧領域と同時に接触し、この場合、支持部材31は、防護部材115及び熱管理部品13に同時に支持作用を提供し、防護部材115及び熱管理部品13の全体的な圧壊強度を高めることによって、外部圧力による熱管理部品13の他側の電気キャビティ11aにおける電池セル20などの電気部品への影響を防止することができる。
【0164】
任意選択的に、例示的に、
図12に示す実施例において、筐体11の幅方向(y方向)に沿って4列の電池セル20が配列され、且つ各列の電池セル20は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って配列される。該実施例において、隣接する2列の電池セル20の間に、一つのストリップ状構造の支持部材31が対応して設置されてもよく、該ストリップ状構造の支持部材31の延伸方向は、各列の電池セル20の配列方向と同じである。即ち本出願の実施例において、ストリップ状構造の支持部材31は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸する。筐体11の高さ方向(z方向)において、各ストリップ状構造の支持部材31は、隣接する2列の電池セルの下方に対応して設置される。
【0165】
本出願の実施例の技術案により、一方では、支持部材31を隣接する2列の電池セルの間に対応して設置することによって、支持部材31の電池セルの安全性への影響を回避するとともに、支持部材31の熱管理部品13及び全ての電池セル20に対する均一で完全な支持を確保することもできる。他方では、支持部材31をストリップ状構造として設置し、且つ筐体11の長手方向に沿って延伸させることで、少量の取り付けやすい支持部材を利用して、効果良好な支持作用を実現することができる。
【0166】
【0167】
熱管理部品13は、熱伝導性材料によって流体の流路を形成してもよい。流体は流路を流れ、熱伝導性材料を介して熱を伝導することによって電池セル20を降温させる。
【0168】
任意選択的に、
図13に示すように、本出願の一実施例において、熱管理部品13は、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132を含んでもよい。第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132は、流体を収容するための流路133を形成する。第1の熱伝導板131は、電池セル20の第1の壁21aと第2の熱伝導板132との間に位置し、且つ第1の壁21aに付設される。
【0169】
本出願の実施例において、熱管理部品13における非放圧領域に流路133が設置され、支持部材31は第2の熱伝導板132と接触してもよく、且つ筐体11の高さ方向(z方向)において、支持部材31は流路133の下方に位置する。
【0170】
任意選択的に、
図11~
図13に示す実施例において、支持部材31はストリップ状の管状構造であり、例えば、それは具体的には
図5における図(a)又は
図6における図(a)に示されるような構造であってもよく、又は、それは
図5における図(b)又は
図6における図(b)に示されるような構造であってもよい。
【0171】
説明すべきこととして、以上の実施例では、支持部材31がストリップ状構造であることを例にして、該ストリップ状構造の支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置を説明したが、該ストリップ状構造の支持部材31の延伸方向は、筐体11の長手方向(x方向)である以外に、筐体11の幅方向(y方向)であってもよい。また、隣接する2列の電池セル20の間にいずれも一つの支持部材31を対応して設置する必要がなく、支持部材31は、一部の隣接する2列の電池セル20の間にだけ対応して設置されてもよい。
【0172】
さらに説明すべきこととして、以上の実施例において、支持部材31は、ストリップ状構造のほか、枠型構造又はリング状構造であってもよく、支持部材31が枠型構造又はリング状構造である場合、該支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式は、熱管理部品13における放圧領域130及びそれに対応する放圧構造123が電池セル20の排出物の排出に影響を与えることなく、支持部材31と熱管理部品13における非放圧領域とを対応して設置することを目的とする。
【0173】
本出願実施例における電池の筐体11の構造図をより詳細に説明するために、
図14は、
図11と
図12に示される電池の筐体11の分解図を示している。
【0174】
図11と
図14に示すように、筐体11は、開口を有するハウジング110をさらに含む。開口を有するハウジング110は、セミクローズドキャビティであり、外部に連通する開口を有し、熱管理部品13は該開口をカバーし、キャビティ、即ち電気キャビティ11aを形成する。
【0175】
任意選択的に、ハウジング110は、複数の部分から構成されてもよく、例えば、
図11と
図14に示すように、ハウジング110は、第1の部分111と第2の部分112を含んでもよい。第2の部分112の両側はそれぞれ開口を有し、第1の部分111は、第2の部分112の片側の開口をカバーし、熱管理部品13は、第2の部分112の他側の開口をカバーすることにより、電気キャビティ11aを形成する。
【0176】
図11と
図14の実施例は、
図2を基礎として改良して得ることができる。具体的には、
図2における第2の部分112の底壁を熱管理部品13に置き換え、熱管理部品13を電気キャビティ11aの一つの壁とすることにより、
図11と
図14における電気キャビティ11aを形成する。換言すれば、
図2における第2の部分112の底壁を除去し、即ち、両側が開口であるリング壁を形成し、第1の部分111と熱管理部品13は、それぞれ第2の部分112の両側の開口をカバーし、キャビティ、即ち電気キャビティ11aを形成する。
【0177】
任意選択的に、本出願の実施例の電池の筐体11は、隔離部材113をさらに含み、該隔離部材113は第2の部分112に設置され、複数の電池セル20が電気キャビティ11aに収容される時、該隔離部材113は、複数の電池セル20を隔離して複数のグループにするために用いられ、各グループの電池セル20は、少なくとも一つの電池セルを含む。任意選択的に、いくつかの実施形態において、該隔離部材113は、ビームと呼ばれてもよい。
【0178】
例示的に、
図11、
図12及び
図14に示すように、隔離部材113は、複数の電池セルを、数が等しい4グループに隔離し、各グループの電池セルの間は隔離部材113によって互いに隔離される。複数の電池セル20を直接的に大きな空間の電気キャビティ11aに設置することに比べ、本出願の実施例の技術案により、隔離部材113を利用して電気キャビティ11aにおける複数の電池セルを隔離し、複数の電池セルの筐体における取り付けの安定性を高めることができる一方、ある電池セルに熱故障が発生した時、他の電池セルへの影響を軽減することもでき、それによって電池の安全性を高める。
【0179】
図15は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図16は、
図15に示される電池の筐体11の平面図であり、ここで、
図15は、
図16におけるB-B’方向に沿う断面図であってもよい。
【0180】
電池の筐体11における複数の電池セル20と支持部材31との位置関係を容易に比較するために、
図15と
図16において、破線で筐体における複数の電池セル20を示している。
【0181】
図15に示すように、熱管理部品13に放圧領域130が設置され、該放圧領域130は、電池セル20の放圧機構213に対応して設置されてもよく、放圧機構213が作動する時に、電池セル20内部の排出物は、該放圧領域130を介して排出される。
【0182】
具体的には、本出願実施例の放圧領域130の関連設置は、以上の実施例の関連記述を参照されたい。
【0183】
また、本出願の実施例において、支持部材31に第1の開孔が設置され、該第1の開孔と熱管理部品13の放圧領域130は対応して設置され、それによって支持部材31において電池セルの排出物を通過させる通路を形成する。
【0184】
該第1の開孔と放圧領域130の設置方式をより明瞭に示すために、
図17では、
図15におけるC部分の局所拡大概略図が示されている。
【0185】
図17に示すように、支持部材31は管状構造であってもよく、支持部材31の管壁上に第1の開孔311が設置され、該第1の開孔311と熱管理部品13における放圧領域130を対応して設置することによって、第1の開孔311は、放圧弁213及び放圧領域130を通って排出される電池セルの排出物を受け取ることが容易になる。
【0186】
任意選択的に、
図17に示す実施例において、熱管理部品13は、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132を含み、該第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132は相互接続され、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132における、放圧機構213に対応する局所領域は、いずれも貫通孔として設計され、それによって放圧領域130を形成する。なお、熱管理部品13における非放圧領域において、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132は、流体を収容するための流路133をさらに形成し、それによって電池セル20を降温させる。
【0187】
理解できるように、熱管理部品13における放圧領域130は、
図17に示すように貫通孔として設計される以外に、置き換え可能に、該放圧領域130は他の構造、例えば脆弱エリアなどとして設計されてもよく、本出願の実施例では、それを具体的に限定しない。
【0188】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31上の第1の開孔311は、熱管理部品13の放圧領域130に対応して設置され、支持部材31が支持機能を実現すると同時に、それに設置された第1の開孔311は、放圧領域130から排出される電池セルの排出物を受け取りやすく、排出物は、第1の開孔311を通ってから筐体11の収集キャビティ11bに収集され、排出物による電気キャビティ11aにおける電気デバイスへの影響を防止する。
【0189】
任意選択的に、第1の開孔311の排出物に対する良好な導通効果を実現するために、該第1の開孔311は、熱管理部品13の放圧領域130と連通してもよい。任意選択的に、該第1の開孔311の断面積は、放圧領域130の面積以上であってもよく、それによって第1の開孔311の排出物に対する良好な導通効果をさらに高める。
【0190】
任意選択的に、例示的に、
図15と
図16に示す実施例において、筐体11の幅方向(y方向)に沿って4列の電池セル20が配列され、且つ各列の電池セル20は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って配列される。該実施例において、各列の電池セル20に、一つのストリップ状構造の支持部材31が対応して設置されてもよく、該ストリップ状構造の支持部材31の延伸方向は、各列の電池セル20の配列方向と同じであり、即ち本出願の実施例において、ストリップ状構造の支持部材31は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸する。筐体11の高さ方向(z方向)において、各ストリップ状構造の支持部材31は、各列の電池セル20の放圧機構213の下方に対応して設置される。
【0191】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31をストリップ状構造として設置し、且つ筐体11の長手方向に沿って延伸させることで、少量で取り付けやすい支持部材31を利用して、効果良好な支持作用を実現することができる。
【0192】
任意選択的に、上記出願の実施例において、支持部材31の接続面は、熱管理部品13及び/又は防護部材115と接触してもよく、該支持部材31の非接続面、即ち支持部材31における、熱管理部品13及び/又は防護部材115と接触しない面に、第2の開孔が設置されてもよく、それによって支持部材13において排出物を通過させる通路を形成する。
【0193】
例示的に、以上の
図15~
図17に示す実施例において、支持部材31上に、第1の開孔311を設置する以外に、第2の開孔312をさらに設置してもよく、それによって電池セル20の排出物を通過させる排出経路を増加させる。
【0194】
図18における図(a)は、以上の
図15~
図17に示す実施例における支持部材31の立体構造概略図である。
【0195】
図18における図(a)に示すように、該支持部材31は四角形の管状構造であり、第1の開孔311は、該四角形管状構造の一つの側壁上に設置され、且つ該四角形管状構造の他の側壁に、第2の開孔312がさらに設置されてもよく、該第1の開孔311と第2の開孔312は、いずれも電池セルの排出物を通過させる通路を形成するために用いることができる。
【0196】
また、以上の
図15~
図17に示す実施例において、支持部材31は、
図18の図(b)に示されるような構造であってもよく、即ち該支持部材31は六角形の管状構造である。
図18における図(a)に示される構造と類似し、第1の開孔311は該六角形管状構造の一つの側壁上に設置され、且つ該六角形管状構造の他の側壁に、第2の開孔312がさらに設置されてもよい。
【0197】
任意選択的に、第1の開孔311と第2の開孔312の寸法は異なっていてもよく、例えば、第1の開孔311の寸法は第2の開孔312の寸法よりも大きく、それによって寸法が大きい第1の開孔311は、排出物の排出を阻害することなく、放圧機構213を介して排出される排出物を通過させることができ、寸法が小さい第2の開孔312は、濾過する役割を果たすことができ、即ち該第2の開孔312は、排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させ、且つ支持部材31は、排出物における高温固体を阻止し、排出物における高温固体が筐体11外に排出されることによりもたらされる安全上のリスクを防止することによって、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0198】
【0199】
図19に示すように、筐体11の幅方向(y方向)に沿って、4列の電池セル20が配列され、収集キャビティ11bに設置される支持部材31の数は4であり、熱管理部品13において4列の電池セル20に対応して4列の放圧領域130が設置され、各支持部材31における第1の開孔311は、1列の放圧領域130に対応して設置される。
【0200】
任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31の数と設置方式及び熱管理部品13の構造が以上の
図14に示す実施例と異なる点を除いて、筐体11の具体的な構造は、以上の
図14に示す実施例の関連記述を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0201】
また、説明すべきこととして、
図14に示す実施例において、熱管理部品13は、本出願の実施例における熱管理部品13と同じ構造として設置されてもよく、即ち
図14に示す実施例において、熱管理部品13には、電池セル20における排出物が放圧機構213及び放圧領域130を通って収集キャビティ11bに排出されるように、放圧領域130を設置してもよい。
【0202】
任意選択的に、以上の実施例において、複数の支持部材31は、互い間隔を置いて収集キャビティ11bに設置され、任意選択的に、複数の支持部材31は、互いに積み重ねて収集キャビティ11bに設置されてもよい。
【0203】
いくつかの実施形態において、複数の支持部材31は、六角形の管状構造であってもよく、該複数の六角形管状構造の支持部材31は、互いに積み重ねて接続して設置されてもよく、且つ該複数の六角形管状構造の支持部材31の横断面は、ハニカム構造を呈する。
【0204】
本出願の実施例の技術案により、電池の筐体11の収集キャビティ11bに、シングルポイント降伏性を有し、軸方向の剛性が高く、圧壊強度が高いハニカム型の管状支持部材を設置することで、収集キャビティ11bの圧壊強度を高め、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高めることができる。
【0205】
例示的に、
図20は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図21は、
図20に示される電池の筐体11の平面図であり、ここで、
図20は、
図21におけるC-C’方向に沿う断面図であってもよい。
【0206】
電池の筐体11における複数の電池セル20と支持部材31との位置関係を容易に比較するために、
図20と
図21において、破線で筐体における複数の電池セル20を示している。
【0207】
任意選択的に、
図20と21に示すように、該複数の六角形管状構造の支持部材31の軸方向は、筐体11の長手方向(x方向)に平行し、複数の六角形管状構造の支持部材31の横断面(yz方向の平面に沿う横断面)は、ハニカム構造を呈する。
【0208】
筐体11の長手方向(x方向)において、該複数の六角形管状構造の支持部材31における各支持部材31の長さは、収集キャビティ11bの長さに似ており、筐体11の幅方向(y方向)において、該複数の六角形管状構造の支持部材31の全体的な幅は、収集キャビティ11bの幅に似ている。換言すれば、本出願の実施例において、複数の六角形管状構造の支持部材31は、長手方向と幅方向において全面的に収集キャビティ11bを覆うことができ、また、複数の六角形管状構造の支持部材31は相互接続され、支持部材31は収集キャビティ11bにおいて密度が高く、それによって収集キャビティ11bの圧壊強度を全面的に密集して高める。
【0209】
なお、複数の六角形管状構造の支持部材31の軸方向は、筐体11の長手方向(x方向)に平行する以外に、該複数の六角形管状構造の支持部材31の軸方向は、筐体11の幅方向(y方向)に平行してもよく、複数の六角形管状構造の支持部材31の横断面(xz方向の平面に沿う横断面)は、ハニカム型構造を呈する。
【0210】
任意選択的に、
図20に示すように、複数の管状構造の支持部材31は筐体11の防護部材115に設置され、複数の六角形管状構造の支持部材31において、一部の支持部材31が熱管理部品13と接触し、例えば、
図20に示す実施例において、一部の支持部材31が、熱管理部品13における、電池セルの放圧機構213に対応する放圧領域130と接触する。
【0211】
任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31に開孔が設置されてもよく、相互接続される支持部材31の接続面に、互いに対応する開孔310が設置されてもよく、該開孔310は、支持部材31において電池セルの排出物を通過させる通路を形成するためのものである。
【0212】
支持部材31における開孔の設置をより明瞭に示すために、
図22では、
図20におけるD部分の局所拡大概略図が示されている。
図23は、支持部材31の立体構造図である。
【0213】
図22と
図23に示すように、本出願の実施例において、管状構造の支持部材31の管壁上に開孔313が設置されてもよく、相互接続される支持部材31の接続面に、互いに対応する開孔313が設置され、互いに対応する該開孔313は、二つの管状構造の支持部材において排出物を通過させる通路を形成するためのものであり、また、支持部材31の非接続面上の開孔313は、支持部材31と収集キャビティ11bとの間の通路を形成することができる。
【0214】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31は、数が多く且つ相互接続され、収集キャビティ11bのために安定した支持を提供する以外に、支持部材31上に設置された開孔313は、相互接続される支持部材31間の通路、及び支持部材31と収集キャビティ11bとの間の通路を提供することができ、したがって、該実施形態により、支持部材31において数が多い通路を形成し、電池セルの排出物の通路における排出経路を増加させ、収集キャビティ11bから排出される排出物の温度を低下させ、電池の安全性を高めることができる。
【0215】
図23を参照すると、
図23における図(a)は、支持部材31の全体的な斜視図であり、
図23における図(b)は、図(a)の局所拡大図である。
図23に示すように、本出願の実施例において、支持部材31の管径が小さく、収集キャビティ11bにおいて相互接続してハニカム構造を形成しやすく、そのため、支持部材31の各側の管壁の幅はそれに応じて小さく、各側の管壁上に形成される開孔313の孔径も小さい。
【0216】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31上に孔径が小さい開孔313を形成することで、電池セルの排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させやすく、排出物における高温固体を阻止し、高温固体が収集キャビティ11bの外に排出され、大きな安全上のリスクをもたらすことを防止する。
【0217】
任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31上の開孔313のメッシュ数は、5メッシュ以上であってもよい。別の次元から言えば、本出願の実施例において、開孔313の孔径は、4mm以下であってもよい。
【0218】
また
図22に戻って参照すると、任意選択的に、本出願の実施例において、熱管理部品13の放圧機構213に対応する位置に放圧領域130が設置され、それによって電池セルの排出物は、放圧機構213及び放圧領域130を介して容易に排出することができる。例えば、
図22に示す実施例において、該放圧領域130は、貫通孔であってもよい。又は、他の実施例において、該放圧領域130は、以上の実施例に記載の他の構造であってもよく、本出願の実施例では、それを具体的に限定しない。
【0219】
また、本出願の実施例において、熱管理部品13及び筐体11における他の部材の関連技術案は、以上の実施例における関連記述を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0220】
以上の実施例に記載の支持部材31に対し、それは、様々な固定方式によって収集キャビティ11bに設置することができ、支持部材31が収集キャビティ11bにおいて移動して、電池の確実性に影響を与えることを防止する。
【0221】
例えば、一実施形態において、収集キャビティ11bを形成する熱管理部品13及び/又は防護部材115に固定部材が設置され、該固定部材は、支持部材31を固定するためのものである。任意選択的に、該固定部材は接着層、ボルト、係合溝などを含むが、それらに限定されない。
【0222】
また例えば、別の実施形態において、支持部材31と防護部材115は一体化構造であってもよく、任意選択的に、支持部材31と防護部材115は、溶接などのプロセスによって一体化構造を形成してもよい。
【0223】
例示的に、
図24は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図25は、
図24におけるE部分の局所拡大図である。
【0224】
図24と
図25に示すように、防護部材115上にU型溝116が設置され、支持部材31はU型溝116に設置され、該U型溝116の幅は支持部材31の幅に相当し、それによって支持部材31は防護部材115に固定して設置される。該実施形態により、支持部材31の取り付け方式は簡単で、支持部材31の取り外しと交換がしやすく、電池の筐体11の取り付け効率及びメンテナンス効率を高める。
【0225】
任意選択的に、
図24と
図25に示すように、防護部材115の筐体11に向かう内部は突出部117を形成し、隣接する突出部117の間は、U型溝116を形成することができる。本出願の実施例の技術案により、直接的に防護部材115を利用して突出部117及びU型溝116を形成し、追加の構造部材を利用してU型溝を形成することを回避し、製造コストを削減する。また、追加の構造部材が防護部材115、支持部材31及び筐体11における他の部材に対して悪影響を及ぼすことを防止し、電池の安全性と確実性を高めることもできる。
【0226】
当然ながら、代替的な実施案として、本出願の実施例において、追加の構造部材を利用して防護部材115に設置することによって、防護部材115上にU型溝を形成してもよい。
【0227】
【0228】
図26に示すように、任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31はストリップ状の支持部材31であり、防護部材115に、ストリップ状の支持部材31に適合するように、ストリップ状のU型溝116が設置される。例示的に、該実施例において、ストリップ状の支持部材31は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸し、この場合、ストリップ状のU型溝116も同様に筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸し、該ストリップ状U型溝116の長さは、ストリップ状支持部材31の長さに相当する。
【0229】
理解できるように、
図26は、ストリップ状支持部材31とストリップ状U型溝116の概略図を概略的に示すものに過ぎず、支持部材31が他の形状、例えばリング状又は枠型である場合、U型溝116は同様に、リング状支持部材31又は枠型支持部材31に適合するように、リング状U型溝又は枠型U型溝として設置されてもよい。
【0230】
本出願の実施例におけるU型溝116の長さ及び幅は、それぞれ支持部材31の長さ及び幅に相当し、該二つの方向上の寸法が適合するため、支持部材31が安定してU型溝に固定的に設置されることを実現可能である。したがって、また
図24に戻って参照すると、任意選択的に、U型溝116の深さは、支持部材31の高さより小さくてもよく、即ち防護部材115の突出部117が突出する高さは、支持部材31の高さより小さくてもよく、突出部117の加工の難易度を低減させる。
【0231】
任意選択的に、本出願の実施例の筐体11における支持部材31及び他の構造部材の関連技術案は、以上の実施例における関連記述を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0232】
また、支持部材31は、上記U型溝116によって防護部材115に固定して設置される以外に、ボルトなど他のタイプの固定部材におって支持部材31を固定してもよい。例えば、防護部材115に固定ボルトが設置され、該ボルトは、支持部材31を通過して支持部材31を支持して固定することができる。任意選択的に、ボルトは支持部材31上の開孔を通過し、筐体11の他の構造部材に接続されることによって、支持部材31の安定性を向上させることができる。いくつかの実施形態において、ボルトは支持部材31の開孔を通過し、且つ熱管理部品13を通過し、さらに筐体11の隔離部材113に接続されてもよい。該実施形態により、ボルトは、支持部材31の固定を補強できるだけでなく、熱管理部品13の固定を補強することもできる。筐体11の全体的な安定性を向上させるとともに、支持部材31と熱管理部品13との間に相対的な移動がないようにし、支持部材31による熱管理部品13への影響を回避し、電池の安全性を高める。
【0233】
本出願の一実施例は、電池10をさらに提供し、該電池10は、複数の電池セル20、及び前記各実施例に記載の筐体11を含んでもよく、該筐体11は、複数の電池セル20を収容するためのものであり、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含み、該放圧機構213は、前記放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すためのものである。
【0234】
本出願の一実施例は、電力消費機器をさらに提供し、該電力消費機器は、上記各実施例における電池10を含んでもよく、電池10は、該電力消費機器に電気エネルギーを提供するためのものである。任意選択的に、電力消費機器は車両1、船舶又は宇宙航空機であってもよい。
【0235】
以上は、本出願実施例の電池の筐体11、電池10と電力消費機器について説明したが、以下は、本出願実施例の、電池を製造する方法と機器について説明する。詳細に説明していない部分は、上記各実施例を参照されたい。
【0236】
図27は、本出願の一実施例による電池を製造する方法300の概略フローチャートである。
図27に示すように、該方法300は、以下のステップを含んでもよい。
【0237】
301、複数の電池セル20を提供し、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含んでもよく、放圧機構213は、放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃すためのものである。
【0238】
302、筐体11を提供し、筐体11は、上記複数の電池セル20を収容するための電気キャビティ11aと、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調節するための熱管理部品13と、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ11bとを含み、ここで、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bとを隔離するためのものであり、該収集キャビティ11bに支持部材31が設置され、該支持部材31は、該収集キャビティ11bの圧壊強度を高めるためのものである。
【0239】
303、複数の電池単体20を筐体11内に収容する。
【0240】
図28は、本出願の一実施例による電池を製造する装置400の概略ブロック図である。
図28に示すように、電池を製造する機器400は、第1の提供モジュール410と、第2の提供モジュール420と、取り付けモジュール43とを含んでもよい。
【0241】
第1の提供モジュール410は、複数の電池セル20を提供するためのものであり、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含んでもよく、放圧機構213は、放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃すためのものである。
【0242】
第2の提供モジュール420は、筐体11を提供するためのものであり、該筐体11は、上記複数の電池セル20を収容するための電気キャビティ11aと、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調節するための熱管理部品13と、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ11bとを含み、ここで、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bとを隔離するためのものであり、該収集キャビティ11bに支持部材31が設置され、該支持部材31は、該収集キャビティ11bの圧壊強度を高めるためのものである。
【0243】
取り付けモジュール430は、複数の電池単体20を筐体11内に収容するためのものである。
【0244】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0245】
10 電池
20 電池セル
21a 第1の壁
22 電極アセンブリ
23 集電部材(接続部材)
24 パッド
111 第1の部分
112 第2の部分
211 ケース
212 カバープレート
213 放圧機構
214 電極端子
214a 正電極端子
214b 負電極端子
221a 第1のタブ
222a 第2のタブ
【手続補正書】
【提出日】2023-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、電池分野に関し、具体的には電池の筐体、電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギである。このような場合、電動車両は、その省エネと環境保護の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能を高めるほか、安全性の問題も無視できない問題となっている。電池の安全性を確保できなければ、その電池を使用することはできない。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池の安全性を向上させることができる電池の筐体、電池、電力消費装置、電池を製造する方法、及び電池を製造する装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、電池の筐体を提供し、該筐体は、複数の電池セルを収容するための電気キャビティであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものである電気キャビティと、流体を収容して該複数の電池セルの温度を調節するための熱管理部品と、該放圧機構が作動する時に、該放圧機構が設けられ該電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティとを含み、ここで、該熱管理部品は該電気キャビティと該収集キャビティを隔離するためのものであり、該収集キャビティに支持部材が設置され、該支持部材は該収集キャビティの圧壊強度を高めるためのものである。
【0006】
本出願の実施例では、熱管理部品を採用して電池の筐体の電気キャビティと収集キャビティを隔離する。つまり、複数の電池セルを収容する電気キャビティと、排出物を収集する収集キャビティとは分離している。このように、電池セルの放圧機構が作動する時に、電池セルの排出物は収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず又は少ししか入らず、それによって電気キャビティにおける電気的接続に影響を与えないため、電池の安全性を向上させることができる。さらに、収集キャビティに支持部材が設置され、中空の構造に対して、支持部材が収集キャビティにおいて支持作用を提供するため、支持部材が設置された該収集キャビティはより良い圧壊強度を有し、換言すれば、外部圧力が電池に作用する時、支持部材が設置された収集キャビティは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって、外部圧力による熱管理部品及び電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。いくつかの応用シーンにおいて、電池の筐体は電気自動車のシャーシに取り付けられてもよく、筐体における複数の電池セルは、電気自動車の走行のために電力を提供し、電気自動車が走行する過程において、揺れや飛石衝突などの不具合が発生する可能性があり、電気自動車のシャーシないしシャーシ上に取り付けられた電池に対して衝撃と底打ちを与えることになる。本出願の実施例の技術案により、電池筐体における収集キャビティが、電気キャビティに対して電気自動車のシャーシに向かって設置され、この場合、支持部材が設置された収集キャビティは、良好な衝撃防止と底打ち防止の機能を提供し、電気自動車の走行過程における不具合による電池への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を向上させることによって、電気自動車の安全性をさらに高めることができる。
【0007】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材に、該排出物を通過させるための通路が形成される。
【0008】
該実施形態では、支持部材は、支持する役割を果たす以外に、電池セルにおける排出物の排出に影響を与えることがなく、電池セルの安全性を確保することができる。また、中空の構造に比べ、支持部材で形成された通路は、排出物の収集キャビティにおける排出経路を延長させ、その筐体から排出した後の温度を低下させ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高めることができる。
【0009】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材に開孔が設置され、該開孔は、該支持部材において該通路を形成するためのものである。
【0010】
いくつかの可能な実施形態において、該通路は、該排出物における気体を通過させるためのものであり、該支持部材は、該排出物における固体を阻止するためのものである。
【0011】
該実施形態において、電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は破裂した正負極板、セパレータの破片、反応で生成した高温高圧ガス、火花などを含むが、それらに限らず、該排出物はいずれも高温物質であり、ここで、高温の正負極板、高温のセパレータ破片、火花などの固体物質が排出弁を通って直接的に電池筐体外に排出される場合、大きな安全上のリスクが存在する。本出願の実施例の技術案により、支持部材における通路は、排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させることができ、支持部材は、排出物における高温固体を阻止するためのものであり、即ち支持部材における通路は、排出物における高温固体を濾過し、排出物における高温固体が電池筐体外に排出されることによりもたらされる安全上のリスクを防止することができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0012】
いくつかの可能な実施形態において、該開孔の数は、予め設定された閾値よりも大きく、それによって該支持部材において予め設定された数よりも多い該通路を形成する。
【0013】
該実施形態において、支持部材に、予め設定された閾値よりも大きい開孔を設置することにより、一方では、排出物の支持部材における流動性を高め、十分に長い排出経路を形成し、電池筐体から排出される排出物の温度を低下させることができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。他方では、予め設定された閾値よりも大きい開孔は、十分に多い通路を形成することができ、該十分に多い通路は、排出物における高温固体をより良く濾過することができ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高める。
【0014】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材における開孔のメッシュ数は5メッシュ以上であり、それによって上記開孔で形成される通路の、排出物における高温固体に対する濾過効果を実現する。
【0015】
いくつかの可能な実施形態において、該熱管理部品に放圧領域が設置され、該排出物は、該放圧機構が作動する時に、該放圧領域を介して排出され、該支持部材と該熱管理部品の非放圧領域が対応して設置され、それによって該排出物を通過させる通路を形成する。
【0016】
該実施形態において、支持部材と熱管理部品における非放圧領域は対応して設置され、支持部材による、熱管理部品における放圧領域及びそれに対応する電池セルの放圧機構への影響、例えば、放圧機構及び放圧領域を介して排出される、電池セル内部からの排出物をブロックし、それが収集キャビティに収集されないようになることを回避する。そのため、本出願の実施例に基づいて設置される支持部材は、収集キャビティの圧壊強度を高めると同時に、電池セルの安全性に影響を与えることがない。
【0017】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は、該熱管理部品の非放圧領域と接触することによって、支持部材が熱管理部品に対して良好な支持作用を有するように確保する。
【0018】
いくつかの可能な実施形態において、該熱管理部品に放圧領域が設置され、該排出物は、該放圧機構が作動する時に、該放圧領域を介して排出され、該支持部材に第1の開孔が設置され、該第1の開孔と該放圧領域は対応して設置され、それによって該支持部材において該排出物を通過させる通路を形成する。
【0019】
該実施形態において、支持部材上の第1の開孔は、熱管理部品の放圧領域に対応して設置され、支持部材が支持機能を実現すると同時に、それに設置された第1の開孔は、放圧領域から排出される電池セルの排出物を受け取りやすく、排出物は、第1の開孔を通ってから筐体の収集キャビティに収集され、排出物による電気キャビティにおける電池セルなどの電気デバイスへの影響を防止する。
【0020】
いくつかの可能な実施形態において、該第1の開孔は、該熱管理部品の放圧領域に連通することによって、第1の開孔の、電池セルの排出物に対する良好な導通効果を実現する。
【0021】
いくつかの可能な実施形態において、該第1の開孔の断面積は、該放圧領域の面積以上であり、それによって第1の開孔の排出物に対する良好な導通効果をさらに高める。
【0022】
いくつかの可能な実施形態において、該筐体は、防護部材をさらに含み、該防護部材は、該熱管理部品を防護するためのものであり、該防護部材と該熱管理部品は該収集キャビティを形成し、該支持部材は、該熱管理部品及び/又は該防護部材と接触する。
【0023】
該実施形態において、防護部材と熱管理部品で形成される収集キャビティは、電池セルを収容する筐体の空間を占有しないため、大きな空間を有する収集キャビティを設置することができ、それによって排出物を効果的に収集と緩衝し、その危険性を低減させることができる。また、支持部材は熱管理部品及び/又は防護部材と接触し、熱管理部品及び/又は防護部材の圧壊強度を高めることによって、外部圧力による電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を防止することができる。
【0024】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材の接続面は、該熱管理部品及び/又は該防護部材と接触し、該支持部材の非接続面に第2の開孔が設置され、それによって該支持部材において該排出物を通過させる通路を形成し、それにより電池セルの排出物を通過させる排出経路を増加させ、電池の安全性を高める。
【0025】
いくつかの可能な実施形態において、該防護部材と該支持部材は、一体化構造である。
【0026】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は、中空構造である。
【0027】
該実施形態において、中実構造の支持部材に比べ、中空構造の支持部材は、収集キャビティのために支持を提供し、圧壊強度を高めると同時に、支持部材自体の重量が小さく、電池に大きい重量を追加することがなく、それによって電池のエネルギー密度を高める。また、該中空構造の支持部材に、電池セルの排出物を通過させるための通路が形成されてもよく、それによって排出物が通路を通って収集キャビティに容易に収集される。中空構造の支持部材は、収集キャビティにおける空間を多く占有することがなく、収集キャビティに、電池セルの排出物を収容し収集するために十分な空間があるように確保することができる。
【0028】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は、管状構造である。
【0029】
該実施形態において、管状構造の支持部材は、軸方向の剛性が高く、径方向の寸法が収集キャビティの高さに適応可能であり、それによって収集キャビティのために良好な支持を提供することができる。
【0030】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の横断面は中空の多角形であり、該多角形の辺の数は4以上であり、それによって管状構造の収集キャビティにおける安定性を高める。
【0031】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の管壁の厚さは0.5mm~3mmであり、管状構造の支持部材の剛性と圧壊強度を確保できるとともに、収集キャビティにおける空間を多く占有することがない。
【0032】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造はストリップ状、リング状又は枠型である。
【0033】
該実施形態において、ストリップ状の支持部材は、加工しやすく、規則又は不規則な形状のキャビティに柔軟に取り付けることができ、リング状又は枠型の支持部材は、規則形状のキャビティに適用でき、キャビティのために全面的な支持を提供する。
【0034】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の数は複数であり、複数の該管状構造は、該収集キャビティにおいて互いに間隔を置いて設置され、収集キャビティのために均一で全面的な支持を提供し、それによって収集キャビティの圧壊強度を均一且つ全面的に高める。
【0035】
いくつかの可能な実施形態において、複数の該管状構造は、該収集キャビティにおいて対称に設置され、収集キャビティの安定性を高めることによって、電池の筐体の、その機器での取り付けの安定性を高めることができる。
【0036】
いくつかの可能な実施形態において、該管状構造の数は複数であり、複数の該管状構造は互いに積み重ねて接続され、ここで、複数の該管状構造の横断面はハニカム状を呈する。
【0037】
該実施形態において、収集キャビティに、シングルポイント降伏性を有し、軸方向の剛性が高く、圧壊強度が高いハニカム型の管状支持部材を設置することで、収集キャビティの圧壊強度を高め、電池の位置する電力消費装置の安全性を高めることができる。
【0038】
いくつかの可能な実施形態において、相互接続される二つの該管状構造の接続面に、互い対応する開孔が設置され、該互いに対応する開孔は、二つの該管状構造において該排出物を通過させる通路を形成するためのものである。
【0039】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材の表面に降温材料が設置される。
【0040】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材は中空構造であり、該中空構造に降温材料が設置される。
【0041】
該実施形態において、支持部材に降温材料が設置されてもよく、支持部材を通る排出物に対してさらに降温を行い、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0042】
いくつかの可能な実施形態において、該降温材料は、相変化材料PCMである。
【0043】
いくつかの可能な実施形態において、該支持部材の材料は、金属材料である。
【0044】
該実施形態において、金属材料の支持部材は、良好な延性と高い強度を有し、それは外部の圧力を緩衝し抵抗することができ、且つ高い圧壊強度を有する。
【0045】
第2の態様によれば、電池を提供し、該電池は、複数の電池セルであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものである電池セルと、複数の電池セルを収容するための、上記第1の態様又は第1の態様におけるいずれか一つの可能な実施形態に記載の筐体とを含む。
【0046】
第3の態様によれば、電力消費装置を提供し、該電力消費装置は、電気エネルギーを提供するための、上記第2の態様による電池を含む。
【0047】
いくつかの可能な実施形態において、該電力消費装置は車両、船舶又は宇宙航空機である。
【0048】
第4の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、該方法は、複数の電池セルを提供することであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものであることと、筐体を提供することであって、該筐体は、該複数の電池セルを収容するための電気キャビティと、流体を収容して該複数の電池セルの温度を調節するための熱管理部品と、該放圧機構が作動する時に、該放圧機構が設けられ該電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティとを含み、ここで、該熱管理部品は該電気キャビティと該収集キャビティを隔離するためのものであり、該収集キャビティに支持部材が設置され、該支持部材は該収集キャビティの圧壊強度を高めるためのものであることと、該複数の電池セルを該電気キャビティに収容することとを含む。
【0049】
第5の態様によれば、電池を製造する装置を提供し、該装置は、複数の電池セルを提供するための第1の提供モジュールであって、該複数の電池セルの少なくとも一つの電池セルは放圧機構を含み、該放圧機構は、該放圧機構が設けられた電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して該内部圧力を逃すためのものである第1の提供モジュールと、筐体を提供するための第2の提供モジュールであって、該筐体は、該複数の電池セルを収容するための電気キャビティと、流体を収容して該複数の電池セルの温度を調節するための熱管理部品と、該放圧機構が作動する時に、該放圧機構が設けられ該電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティとを含み、ここで、該熱管理部品は該電気キャビティと該収集キャビティを隔離するためのものであり、該収集キャビティに支持部材が設置され、該支持部材は該収集キャビティの圧壊強度を高めるためのものである第2の提供モジュールと、該複数の電池セルを該電気キャビティに収容するための取り付けモジュールとを含む。
【0050】
本出願の実施例では、熱管理部品を採用して電池の筐体の電気キャビティと収集キャビティを隔離する。つまり、複数の電池セルを収容する電気キャビティと、排出物を収集する収集キャビティとは分離している。このように、電池セルの放圧機構が作動する時に、電池セルの排出物は収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず又は少ししか入らず、それによって電気キャビティにおける電気的接続に影響を与えないため、電池の安全性を向上させることができる。さらに、収集キャビティに支持部材が設置され、中空の構造に対して、支持部材が収集キャビティにおいて支持作用を提供するため、支持部材が設置された該収集キャビティはより良い圧壊強度を有し、換言すれば、外部圧力が電池に作用する時、支持部材が設置された収集キャビティは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって、外部圧力による熱管理部品及び電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【0052】
【
図1】本出願の一実施例による車両の構造概略図である。
【
図2】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
【
図3】本出願の一実施例による電池セルの構造概略図である。
【
図4】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図5】本出願の一実施例によるいくつかの支持部材の斜視概略図である。
【
図6】本出願の一実施例によるいくつかの支持部材の斜視概略図である。
【
図7】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図8】
図7に示される実施例の電池の筐体におけるA領域の分解概略図である。
【
図9】本出願の一実施例による電池の筐体における一部の構造の分解概略図である。
【
図10】本出願の一実施例による電池の筐体における一部の構造の分解概略図である。
【
図11】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図12】
図11に示される実施例における電池の筐体の平面概略図である。
【
図13】
図11に示される実施例の電池の筐体におけるB部分の拡大概略図である。
【
図14】本出願の一実施例による電池の筐体の分解概略図である。
【
図15】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図16】
図15に示される実施例における電池の筐体の平面概略図である。
【
図17】
図15に示される実施例の電池の筐体におけるC部分の拡大概略図である。
【
図18】本出願の一実施例によるいくつかの支持部材の斜視概略図である。
【
図19】本出願の一実施例による電池の筐体の分解概略図である。
【
図20】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図21】
図20に示される実施例における電池の筐体の平面概略図である。
【
図22】
図20に示される実施例の電池の筐体におけるD部分の拡大概略図である。
【
図23】本出願の一実施例による支持部材の斜視概略図及び局所拡大図である。
【
図24】本出願の一実施例による電池の筐体の構造概略図である。
【
図25】
図24に示される実施例の電池の筐体におけるE部分の拡大概略図である。
【
図26】本出願の一実施例による電池の筐体の分解概略図である。
【
図27】本出願の一実施例による電池を製造する方法の概略フローチャートである。
【
図28】本出願の一実施例による電池を製造する機器の概略ブロック図である。 図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されるべきではなく、即ち本出願は、説明された実施例に限定されない。
【0054】
なお、本出願の説明において、特に説明がない限り、「複数」の意味は、二つ以上であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、本出願の限定として理解されるべきではない。なお、用語「第1」、「第2」、「第3」などは、説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解すべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。
【0055】
以下の説明に現れる方位詞はいずれも、図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。本出願の説明において、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付ける」、「連結する」、「接続する」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、一体的に接続されることであってもよいし、直接接続されることであってもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されることであってもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0056】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表すことができる。また、本出願における文字「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0057】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての科学技術用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本出願において、出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記の図面の説明における用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記の図面における用語「第1の」、「第2の」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0058】
本出願において「実施例」と言及する場合、実施例で説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他して独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に説明された実施例を他の実施例と組み合せてもよいことを明示的且つ暗示的に理解できる。
【0059】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、直方体角形電池セルとパウチ電池セルの三つの種類に分けられ、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0060】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0061】
電池セルは電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータから構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質はポリプロピレン(Polypropylene、PP)又はポリエチレン(Polyethylene、PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0062】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0063】
電池セルにとって、主な安全上のリスクは充放電過程に由来するものであり、また適切な環境温度設計が必要とされる。不必要な損失を効果的に回避するために、電池セルに対して、一般的には、少なくとも三重の保護手段が存在する。具体的には、保護手段は少なくとも、スイッチ素子、適切なセパレータ材料の選択及び放圧機構を含む。スイッチ素子は、電池セル内の温度又は抵抗が一定の閾値に達した時に電池の充電又は放電を停止できる素子である。セパレータは、正極板と負極板を隔離するためのものであり、一定の温度まで昇温する時にそれに付着しているミクロンオーダー(さらにはナノメートルオーダー)の微細孔を自動的に溶解して除去することができ、それによって金属イオンがセパレータを通過できなくなり、電池セルの内部反応を終止する。
【0064】
放圧機構は、電池セルの内部圧力又は温度が予め設定された閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃がす素子又は部品である。該閾値の設計は、設計の需要によって異なっている。前記閾値は、電池セルにおける正極板、負極板、電解液及びセパレータのうちの一つ又は複数の材料によって決まる可能性がある。放圧機構は、防爆弁、空気弁、放圧弁又は安全弁などのような形式を用いてもよく、そして具体的には感圧又は感温性の素子又は構造を用いてもよく、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が予め設定された閾値に達した時に放圧機構が動作を実行するか又は放圧機構に設けられる脆弱な構造が破裂することによって、内部圧力又は温度を逃がすための開口又は通路を形成する。
【0065】
本出願で言及した「作動」は、放圧機構に動作が発生するか又は一定の状態まで活性化されることによって、電池セルの内部圧力及び温度を逃がすことである。放圧機構に発生する動作は、放圧機構の少なくとも一部が破裂、破砕、破断又は開放されることなどを含んでもよいが、それらに限らない。放圧機構が作動する時、電池セルの内部の高温高圧物質は、排出物として、作動する部位から外へ排出される。該方式によって圧力又は温度を制御可能な場合に電池セルを放圧と降温することによって、潜在的なより重大な事故の発生を回避することができる。
【0066】
本出願で言及した電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は破裂した正負極板、セパレータの破片、反応で生成した高温高圧ガス、火花などを含むが、それらに限らない。
【0067】
電池セル上の放圧機構は、電池の安全性に対して重要な影響を及ぼす。例えば、短絡、過充電などの現象が発生した時、電池セル内部に熱暴走が発生することによって圧力又は温度の急上昇を引き起こす可能性がある。このような場合には、放圧機構の作動によって内部圧力又は温度を外へ放出して、電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0068】
現在の放圧機構の設計案において、電池セル内部の高圧と高熱を放出すること、即ち前記排出物を電池セルの外部に排出することに主に着目する。しかしながら、電池の出力電圧又は電流を確保するために、往々にして、複数の電池セルを必要とし、且つ複数の電池セルの間は、バスバー部品によって電気的に接続される。電池セルの内部から排出された排出物は、残りの電池セルに短絡現象を引き起こす可能性があり、例えば、排出された金属屑が二つのバスバー部品に電気的に接続される時に、電池に短絡を引き起こすため、安全上のリスクが存在する。そして、高温高圧の排出物は、電池セルに放圧機構が設置される方向に向かって排出され、且つより具体的には、放圧機構が作動する領域に向かう方向に沿って排出され、このような排出物の威力と破壊力は、非常に大きい可能性があり、ひいては、該方向上の一つ又は複数の構造を突き破るのに十分であり、さらなる安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【0069】
これに鑑みて、本出願は技術案を提供し、熱管理部品を利用して電池の筐体の内部を、電池セルを収容する電気キャビティと、排出物を収集する収集キャビティとに分離し、放圧機構が作動する時に、電池セルの排出物が収集キャビティに入り、電気キャビティに入ることがなく又は少量のみ電気キャビティに入ることにより、排出物による電気キャビティにおけるバスバー部品への影響を軽減し、そのため電池の安全性を向上させることができる。電池セルの排出物が収集キャビティを介して収集されるため、高温高圧排出物が緩衝され、排出物の圧力及び温度が低下し、他の構造への破壊力を減少し、それにより電池の安全性をさらに向上させる。
【0070】
熱管理部品は、流体を収容して複数の電池セルの温度を調節するためのものである。ここで、流体は、液体又は気体であってもよく、温度を調節することは、複数の電池セルを加熱又は冷却することを指す。電池セルを冷却又は降温させる場合、該熱管理部品は、複数の電池セルの温度を低下させるように冷却流体を収容するために用いられ、この時、熱管理部品は、冷却部品、冷却システム又は冷却板などと呼ばれてもよく、収容される流体は、冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的には、冷却液又は冷却気体と呼ばれてもよい。また、熱管理部品は、複数の電池セルを昇温するように加熱するためにも用いられてもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。任意選択的に、上記流体は、より良い温度調節効果を達成できるように、循環して流れるものであってもよい。任意選択的に、流体は、水、水とエチレングリコールの混合液、又は空気などであってもよい。
【0071】
電気キャビティは、複数の電池セルとバスバー部品を収容するためのものである。電気キャビティは、シールされていてもよく、シールされていなくてもよい。電気キャビティは、電池セルとバスバー部品の取り付け空間を提供する。いくつかの実施例において、電気キャビティに、電池セルを固定するための構造を設置してもよい。電気キャビティの形状は、収容される複数の電池セルとバスバー部品に応じて決められてもよい。いくつかの実施例において、電気キャビティは、六つの壁を有する直方体であってもよい。電気キャビティ内の電池セルは、電気的接続によって高い電圧出力を形成するため、電気キャビティは、「高圧キャビティ」と呼ばれてもよい。
【0072】
バスバー部品は、複数の電池セル間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのものである。バスバー部品は、電池セルの電極端子を接続することによって電池セル間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バスバー部品は、溶接によって電池セルの電極端子に固定することができる。「高圧キャビティ」に対応して、バスバー部品から形成される電気的接続は、「高圧接続」と呼ばれてもよい。
【0073】
収集キャビティは、排出物を収集するためのものであり、シールされていてもよく、シールされていなくてもよい。いくつかの実施例において、前記収集キャビティ内に、空気、又は他の気体が含まれてもよい。収集キャビティ内には、電圧出力に接続される電気的接続がなく、「高圧キャビティ」に対応し、収集キャビティは、「低圧キャビティ」と呼ばれてもよい。任意選択的に、又は付加的に、前記収集キャビティ内に液体、例えば冷却媒体が含まれてもよく、又は、該液体を収容する部品が設置されてもよく、収集キャビティに入る排出物をさらに降温させる。さらに任意選択的に、収集キャビティ内の気体又は液体は、循環して流れるものである。
【0074】
電池の応用過程において、それは外部環境の関連影響を受ける可能性があり、例えば、外部圧力が電池の筐体に作用し、電池の筐体ないし筐体における電池セルに対して影響を与えることにより、電池の安全性に影響を与える。例示的に、いくつかの応用シーンにおいて、電池は電気自動車のシャーシに取り付けられてもよく、且つ電気自動車の走行のために電力を提供し、電気自動車が走行する過程において、揺れや飛石衝突などの不具合が発生する可能性があり、自動車のシャーシないしシャーシ上に取り付けられた電池に対して衝撃と底打ちを与え、電池に悪影響を与えることがある。
【0075】
これに鑑みて、本出願の実施例は上記実施例を基礎として、電池筐体の収集キャビティに支持部材をさらに設置し、収集キャビティの圧壊強度を高め、外部圧力が電池に作用する時、支持部材が設置された収集キャビティは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって、外部圧力による熱管理部品及び電気キャビティにおける電池セルなどの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。上記の電池が電気自動車のシャーシに取り付けられる応用シーンに対して、電池筐体における収集キャビティが、電気キャビティに対して自動車のシャーシに向かって設置され、この場合、支持部材が設置された収集キャビティは、良好な衝撃防止と底打ち防止の機能を提供し、電気自動車の走行過程における不具合による電池への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を向上させることによって、電気自動車の安全性をさらに高めることができる。
【0076】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な装置、例えば、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、バッテリ車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙航空機などに適用でき、例えば、宇宙航空機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0077】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で説明された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電動車両を例にして説明する。
【0078】
例えば、
図1に示すように、
図1は、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40と、コントローラ30と、電池10とが設置されてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は先頭又は後尾に電池10を設置してもよい。電池10は、車両1への給電に用いられてもよい。例えば、電池10を車両1の操作電源とすることができ、車両1の電気回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0079】
様々な電力消費需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。電池は、電池パックと呼ばれてもよい。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成する。つまり、複数の電池セルは直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよい。
【0080】
例えば、
図2に示すように、
図2は、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、複数の電池単体20を含んでもよい。電池10は、筐体(又はハウジングと呼ばれる)をさらに含んでもよく、筐体内部が中空構造であり、複数の電池セル
20が筐体内に収容される。
図2に示すように、筐体は二つの部分を含んでもよく、ここではそれぞれ第1の部分111と第2の部分112と呼び、第1の部分111と第2の部分112は、互いに係合される。第1の部分111と第2の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせた形状に基づいて決定されてもよく、第1の部分111と第2の部分112はいずれも一つの開口を有してもよい。例えば、第1の部分111と第2の部分112は、いずれも中空の直方体であり、それぞれ一つの面のみが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口とが対向して設置され、且つ第1の部分111と第2の部分112とが互いに係合して、密閉されたキャビティを有する筐体を形成する。複数の電池セル20を互いに並列又は直列又は直並列接続して組み合わせた後、第1の部分111と第2の部分112を係合して形成された筐体内に置く。
【0081】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、該電池10は、複数の電池セル20同士の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部品をさらに含んでもよい。具体的に、バスバー部品は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20同士の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに導電機構により筐体を通過して導出することができる。任意選択的に、導電機構は、バスバー部品に属するものであってもよい。
【0082】
様々な電力需要に応じて、電池セル20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20を直列、並列又は直並列の方式で接続して、大きい容量又は電力を実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数は多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20が電池モジュールを構成してもよい。電池モジュールに含まれる電池セル20の数には制限がないが、需要に応じて設置すればよい。
【0083】
図3に示すように、
図3は、本出願の一実施例による電池単体20の構造概略図である。電池単体20は、一つ又は複数の電極アセンブリ22と、ケース211と、カバープレート212とを含む。ケース211の壁及びカバープレート212は、いずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ケース211は、一つ又は複数の電極アセンブリ22を組み立てた後の形状に基づいて決定され、例えば、ケース211は、中空の直方体又は立方体又は円柱体であってもよく、ケース211における一つの面は、一つ又は複数の電極アセンブリ22をケース211内に置くことが可能になるように、開口を有する。例えば、ケース211が中空の直方体又は立方体である場合、ケース211における一つの平面が開口面であり、即ち該平面は壁体を有しておらず、ケース211の内外を連通させる。ケース211が中空の円柱体である場合、ケース211の端面が開口面であり、即ち該端面は壁体を有しておらず、ケース211の内外を連通させる。カバープレート212は開口を覆い、且つケース211に接続されることによって、電極アセンブリ22を置くための密閉のキャビティを形成する。ケース211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0084】
該電池セル20は、二つの電極端子214をさらに含んでもよく、二つの電極端子214はカバープレート212上に設置されてもよい。カバープレート212は、一般的には平板形状であり、二つの電極端子214は、カバープレート212の平板表面上に固定され、二つの電極端子214は、それぞれ正電極端子214aと負電極端子214bである。各電極端子214に対応してそれぞれ一つの接続部材23が設置され、又は集電部材23と呼ばれてもよいが、それはカバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214との電気的接続を実現するためのものである。
【0085】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aと第2のタブ222aは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221aが正極タブである場合、第2のタブ222aは負極タブである。一つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは一つの接続部材23を介して一つの電極端子に接続され、一つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ
222aはもう一つの接続部材23を介してもう一つの電極端子に接続される。例えば、正電極端子214aは一つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子214bはもう一つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0086】
該電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22は一つ又は複数設置されてもよいが、
図3に示すように、電池セル20内に四つの独立した電極アセンブリ22が設置されている。
【0087】
例示的に、電池セル20の一つの壁、
図3に示される第1の壁21a上に、放圧機構213がさらに設置されてもよい。図示の便宜上、
図3では第1の壁21aとケース211は分離しているが、これは、ケース211の底側が開口を有することを限定しない。放圧機構213は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃がすためのものである。
【0088】
該放圧機構213は、第1の壁21aの一部であってもよく、第1の壁21aとは別体型構造であってもよく、例えば溶接の方式によって第1の壁21a上に固定されてもよい。放圧機構213が第1の壁21aの一部である場合、例えば、放圧機構213は、第1の壁21a上に切り込みを設置する方式で形成することができ、該切り込みに対応する第1の壁21aの厚さは、放圧機構213の切り込み以外の他の領域の厚さよりも小さい。該切り込みは、放圧機構213の最も脆弱な位置である。電池セル20から発生した気体が多過ぎて、ケース211の内部圧力が上昇して閾値に達したか、又は電池セル20の内部で反応して熱量が発生して電池セル20の内部温度が上昇して閾値に達した時、放圧機構213は、該切り込みにおいて破裂することによってケース211の内外を連通させ、気体圧力及び温度は放圧機構213の裂開によって外に放出され、さらに電池セル20の爆発の発生を回避することができる。
【0089】
任意選択的に、本出願の一実施例において、
図3に示すように、放圧機構213が電池セル20の第1の壁21aに設置される場合、電池セル20の第2の壁に電極端子214が設置され、第2の壁は、第1の壁21aと異なる。
【0090】
任意選択的に、第2の壁は、第1の壁21aに対向して設置される。例えば、第1の壁21aは、電池セル20の底壁であってもよく、第2の壁は、電池セル20の最上壁、即ちカバープレート212であってもよい。
【0091】
任意選択的に、
図3に示すように、該電池セル20は、パッド24をさらに含んでもよく、該パッド24は、電極アセンブリ22とケース211の底壁との間に位置し、電極アセンブリ22を支持する役割を果たすことができ、さらに電極アセンブリ22とケース211の底壁の周辺のラウンドコーナーとの干渉を効果的に防止することができる。また、該パッド24上に一つ又は複数の貫通孔が設置されてもよく、例えば、均一に並んでいる複数の貫通孔が設置されてもよく、又は、放圧機構213がケース211の底壁に設置される時に、該放圧機構213に対応する位置に貫通孔を設置してもよく、それによって液体と気体を通過させやすくすることができ、具体的には、このようにパッド24の上下表面の空間を連通させ、電池セル20の内部で発生した気体及び電解液は、いずれもパッド24を自由に通ることができる。
【0092】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の異なる壁上に設置することによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、電極端子214からより遠く離れることができ、それにより排出物による電極端子214及びバスバー部品への影響を軽減し、そのため電池の安全性を向上させることができる。
【0093】
さらに、電極端子214が電池セル20のカバープレート212上に設置される時、放圧機構213を電池セル20の底壁に設置することによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、電池10の底部に向かって排出することができる。このように、電池10の底部の熱管理部品などを利用して排出物の危険性を低減させる一方、電池10の底部は一般的にはユーザから離れており、それによってユーザへの危害を低減させることができる。
【0094】
放圧機構213はいかなる可能な放圧機構であってもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。例えば、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達した時に溶融できるように配置される感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達した時に破裂できるように配置される感圧性放圧機構であってもよい。
【0095】
図4は、本出願の一実施例による電池の筐体11の概略図である。
図4に示すように、筐体11は以下を含む。電気キャビティ11aであって、複数の電池セル20を収容するためのものであり、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含んでもよく、放圧機構213は、放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃すためのものである。
【0096】
熱管理部品13であって、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調節するためのものである。
【0097】
収集キャビティ11bであって、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集するためのものである。
【0098】
ここで、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離するためのものである。該収集キャビティ11bに支持部材31が設置され、該支持部材31は、該収集キャビティ11bの圧壊強度を高めるためのものである。
【0099】
本出願の実施例では、熱管理部品13を採用して電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離する。つまり、複数の電池セル20を収容する電気キャビティ11aと、排出物を収集する収集キャビティ11bは分離している。このように、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は収集キャビティ11bに入り、電気キャビティ11aに入らず又は少ししか入らず、それによって電気キャビティ11aにおける電気的接続に影響を与えないため、電池の安全性を向上させることができる。
【0100】
さらに、収集キャビティ11bに支持部材31がさらに設置される。中空の構造に対して、支持部材31が収集キャビティ11bにおいて支持作用を提供するため、支持部材31が設置された該収集キャビティ11bはより良い圧壊強度を有し、換言すれば、外部圧力が電池に作用する時、支持部材31が設置された収集キャビティ11bは、大部分ないし全部の外部圧力に抵抗することができ、それによって外部圧力による熱管理部品13及び電気キャビティ11aにおける電池セル20などの電気部品への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を高める。
【0101】
いくつかの応用シーンにおいて、電池は電気自動車のシャーシに取り付けられてもよく、且つ電気自動車の走行のために電力を提供する。具体的には、電池の収集キャビティ11bは、電気キャビティ11aに対して電気自動車のシャーシに向かい、電気自動車が走行する過程において、揺れや飛石衝突などの不具合が発生する可能性があり、自動車のシャーシないしシャーシ上に取り付けられた電池に対して衝撃と底打ちを与えることになる。本出願の実施例の技術案により、収集キャビティ11bにおける支持部材31は、良好な衝撃防止と底打ち防止の機能を提供し、電気自動車の走行過程における不具合による電池への影響を軽減又は除去し、電池の耐圧性と安全性を向上させることによって、電気自動車の安全性をさらに高めることができる。
【0102】
理解できるように、
図4は、例として収集キャビティ11bに設置される支持部材31の断面概略図を示しており、それは本出願の保護範囲を限定するものではない。本出願の実施例による支持部材31は、
図4に示される実施例以外に、他の形態であってもよく、及び/又は、収集キャビティ11bの他の位置に設置されてもよく、収集キャビティ11bに支持を提供して収集キャビティ11bの圧壊強度を高めることを目的とし、本出願の実施例では、支持部材31の形態と位置を具体的に限定しない。
【0103】
任意選択的に、本出願の一実施例において、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに共用される壁を有する。
図4に示すように、熱管理部品13は、同時に、電気キャビティ11aの一つの壁及び収集キャビティ11bの一つの壁であってもよい。つまり、熱管理部品13(又はその一部)は、直接的に電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに共用される壁とすることができる。このように、電池セル20の排出物は、熱管理部品13を通って収集キャビティ11bに入ることができるとともに、熱管理部品13の存在のため、該排出物と電気キャビティ11aを可能な限り隔離することにより、排出物の危険性を低減させ、電池の安全性を向上させることができる。
【0104】
良好な支持性能を提供するために、
図5では、本出願によるいくつかの支持部材31の斜視概略図が示されている。
【0105】
図5における図(a)と図(b)に示すように、該二つの支持部材31は、ストリップ状構造である。該ストリップ状構造は加工しやすく、且つ規則又は不規則な形状のキャビティに柔軟に取り付けることができる。例えば、収集キャビティ11bが直方体である場合、該ストリップ状構造の支持部材31は、収集キャビティ11bの長辺又は短辺と平行して収集キャビティ11bに取り付けられることが容易になる。
【0106】
図5における図(c)に示すように、該支持部材31はリング状構造であり、
図5における図(d)に示すように、該支持部材31は枠型構造である。該リング状の支持部材31又は枠型の支持部材31は、規則形状のキャビティに適用でき、キャビティのために全面的な支持を提供する。例えば、収集キャビティ11bが直方体である場合、該リング状構造又は枠型構造の支持部材31は、対応して収集キャビティ11bの中心に設置されてもよい。
【0107】
任意選択的に、上記出願の実施例における支持部材31は、支持する役割を果たすと同時に、電池セル20の排出物を通過させる通路を形成する。具体的には、支持部材31と収集キャビティ11bのキャビティ壁との間で排出物を通過させる通路を形成してもよく、又は、支持部材31の数が複数であれば、複数の支持部材31の間で排出物を通過させる通路を形成してもよい。
【0108】
該実施形態において、収集キャビティ11bにおける支持部材31の設置は、電池セル20における排出物の排出に影響を与えず、電池セル20の安全性を確保する。また、中空の収集キャビティ11bに比べ、支持部材31で形成された通路は、排出物の収集キャビティ11bにおける排出経路を延長させ、その筐体11から排出した後の温度を低下させ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高めることができる。
【0109】
任意選択的に、いくつかの実施形態において、本出願の実施例の支持部材31に開孔が設置されてもよく、該開孔は、支持部材31において通路を形成することによって、電池セル20が放圧機構213を通って排出する排出物を通過させるためのものである。
【0110】
任意選択的に、通路を形成するための該開孔は複数の設置方式を有し、例示的に、支持部材31が中実構造の支持部材である場合、開孔は、電池セル20の排出物を通過させる通路を形成するための、支持部材31を貫通する開孔であってもよい。支持部材31が中空構造の支持部材である場合、開孔は支持部材31の壁に設置されてもよく、且つ該開孔は、支持部材31の内部空間と収集キャビティ11bを連通させるために用いることができ、該開孔と中空構造はいずれも電池セル20の排出物の通路を形成するためのものである。
【0111】
中実構造の支持部材31に比べ、中空構造の支持部材31は、収集キャビティ11bのために支持を提供し、圧壊強度を高めると同時に、支持部材31自体の重量が小さく、電池に大きい重量を追加することがなく、それによって電池のエネルギー密度を高める。開孔を有する中空構造の支持部材31は、収集キャビティ11bにおける空間を多く占有することがなく、収集キャビティ11bに、電池セルの排出物を収容し収集するために十分な空間があるように確保することができる。
【0112】
任意選択的に、該中空構造の支持部材31は、両端が開口を有する管状構造であってもよく、その軸方向の剛性が高く、径方向の寸法が収集キャビティ11bの高さに適応可能であり、それによって収集キャビティ11bのために良好な支持を提供することができる。説明の便宜上、以下の管状構造は、いずれも両端が開口を有する管状構造である。
【0113】
いくつかの実施形態において、該管状構造の横断面は中空の多角形であり、該多角形の辺の数は4以上であり、それによって管状構造の収集キャビティ11bにおける安定性を高める。別のいくつかの実施形態において、該管状構造の横断面はリング状、コース形又は他の形状であってもよく、本出願の実施例では、それを具体的に限定しない。
【0114】
例示的に、
図5における図(a)と図(b)に示すように、支持部材31はストリップ状の管状構造であり、図(a)では、該支持部材31の横断面は中空の六角形であり、図(b)では、該支持部材31の横断面は中空の四角形である。任意選択的に、
図5における図(c)に示される支持部材31はリング状の管状構造であってもよく、該支持部材の横断面はリング状であり、図(d)に示される支持部材31は枠型の管状構造であってもよく、該支持部材31の横断面は中空の四角形である。
【0115】
任意選択的に、本出願の実施例による管状構造の支持部材31の管壁の厚さは0.5mm~3mmであってもよく、管状構造の支持部材31の剛性と圧壊強度を確保できるとともに、収集キャビティ11bにおける空間を多く占有することがない。
【0116】
また、本出願の実施例による支持部材31の材料は、良好な延性と高い強度を有する材料であってもよく、それは外部の圧力を緩衝し抵抗することができ、且つ高い圧壊強度を有する。例示的に、該支持部材31の材料は金属材料、例えば、銅、アルミニウムなどであってもよい。又は、支持部材31の材料は、一定の強度を有する非金属材料、例えば、マイカ、セラミックなどであってもよい。
【0117】
以上のように、本出願の実施例による複数の支持部材31は、良好な延性を有し、軸方向の剛性が高く、圧壊強度が高いため、収集キャビティ11bのために良好な支持を提供し、収集キャビティ11bの圧壊強度を高めることができる。支持部材31が中空構造、例えば管状構造である場合、支持部材31は、収集キャビティ11bの圧壊強度を高めることができるとともに、支持部材31において電池セルの排出物を通過させるための通路を形成することもでき、収集キャビティ11bに該排出物を収集するために十分な空間を備えさせる。
【0118】
以上の
図5における図(a)と図(b)に示される支持部材31に基づき、
図6では、本出願による別の二つの支持部材31の斜視概略図が示されている。
【0119】
図6における図(a)と図(b)に示すように、管状構造の支持部材31に開孔310が設置され、該開孔310は、管状構造の少なくとも一部の管壁に設置されてよい。例えば、
図6における図(a)に示すように、開孔310は、六角形の管状構造の五つの側の管壁に設置されてもよく、各側の管壁上に、複数の開孔310が設置されてもよく、該複数の開孔310は、管状構造の軸方向に沿って配列される。任意選択的に、開孔310の形状は角丸長方形、円形又は他の任意の形状であってもよい。
【0120】
図6に示される実施例に基づき、支持部材31は管状構造であり、管状構造のキャビティが排出物の通路を提供する上で、開孔310と管状構造のキャビティとの間にも排出物を通過させる通路が形成される。開孔310の数が複数である場合、該管状構造上に設置される複数の開孔310の間は、排出物を通過させる通路を形成してもよい。
【0121】
理解できるように、
図6では、例示的に、支持部材31が管状構造である場合の開孔310の設置方式が示されており、支持部材31が他の中空構造である場合、開孔310の設置方式は同様に文脈の関連記載を参照してもよい。また、支持部材31が中実構造である場合、開孔310は、支持部材31を貫通する開孔であってもよく、開孔深さの違い以外に、他の関連技術案は、文脈の関連記載を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0122】
任意選択的に、支持部材31における開孔310で形成される通路は、排出物における気体及び/又は液体を通過させるために用いることができ、支持部材31は、排出物における固体を阻止するためのものである。上記のとおり、電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は破裂した正負極板、セパレータの破片、反応で生成した高温高圧ガス、火花などを含むが、それらに限らない。該排出物はいずれも高温物質であり、ここで、高温の正負極板、高温のセパレータ破片、火花などの固体物質が直接的に排出弁を通って筐体11外に排出される場合、大きな安全上のリスクが存在する。本出願の実施例の技術案により、開孔310は、排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させることができ、且つ支持部材31は、排出物における高温固体を阻止する。即ち支持部材31における開孔310は、排出物における高温固体を濾過し、排出物における高温固体が筐体11外に排出されることによりもたらされる安全上のリスクを防止することができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0123】
上記の開孔310の濾過効果を実現するために、支持部材31における開孔310のメッシュ数は5メッシュ以上であってもよい。別の次元から言えば、支持部材31における開孔310の孔径は、4mm以内であってもよい。
【0124】
ここで、メッシュ数とは網の1インチあたりの目の数を指し、メッシュ数が高いほど、目が多い。本出願の実施例における支持部材31上の開孔310は5メッシュ以上であり、つまり孔径が約4mm未満であり、このように支持部材31の支持強度にほとんど影響を与えない。
【0125】
任意選択的に、支持部材31における開孔310の数は、予め設定された閾値より大きくてもよく、それによって支持部材31において、予め設定された数よりも多い通路を形成し、一方では、排出物の支持部材31における流動性を高め、十分に長い排出経路を形成し、筐体11から排出される排出物の温度を低下させることができ、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。他方では、十分に多い通路は、排出物における高温固体をより良く濾過することができ、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高める。
【0126】
さらに、支持部材31に形成される通路の排出物に対する降温効果を実現するために、支持部材31に降温材料が設置されてもよく、通路を通る排出物に対してさらに降温を行い、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0127】
任意選択的に、いくつかの実施形態において、降温材料は支持部材31の表面に設置されてもよく、例えば、支持部材31の表面に塗布されてもよい。
【0128】
任意選択的に、別のいくつかの実施形態において、支持部材31が中空構造である場合、降温材料は中空構造に設置されてもよい。
【0129】
例示的に、本出願の実施例が採用する降温材料は、相変化材料(Phase Change Material、PCM)コーティングであってもよく、相変化材料は、高温の排出物と接触すると、溶融することができ、熱を大量に吸収し、排出物に対して降温を行う。
【0130】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31上に降温材料が設置される。収集キャビティ11bが電池セルの高温排出物を収集する時、支持部材31上に設置される降温材料は、該高温排出物に対して降温を行い、高温排出物による安全上のリスクを防止することによって、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高めることができる。
【0131】
さらに、支持部材31が中空構造である場合、中空構造のキャビティは、排出物に通路を提供するだけでなく、キャビティにおける空間及び/又は中空構造の表面を利用して降温材料を設置することもでき、排出物が通路を通る時、降温材料は該排出物に対して降温を行う。
【0132】
さらに、支持部材31に開孔310が設置される場合、開孔310は、排出物により多くの通路を提供する。排出物の排出経路を延長させて排出物に対して降温を行うと同時に、降温材料が、通った気体排出物及び濾過された固体排出物に対してさらに降温を行い、それによって電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性をさらに高める。
【0133】
以上は、
図5と
図6を結び付けながら本出願によるいくつかの支持部材31の構造を説明した。以下では、
図7~
図26を結び付けながら、支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式について説明する。
【0134】
任意選択的に、本出願の一実施例において、収集キャビティ11bは、熱管理部品13と防護部材によって形成されてもよい。例えば、
図7に示すように、筐体11は、防護部材115をさらに含む。防護部材115は、熱管理部品13を防護するために用いられ、且つ、防護部材115と熱管理部品13は、収集キャビティ11bを形成する。
【0135】
防護部材115と熱管理部品13から形成される収集キャビティ11bは、電池セル20を収容する筐体11の空間を占有しないため、大きい空間を有する収集キャビティ11bを設置することができ、それによって排出物を効果的に収集と緩衝し、その危険性を低減させることができる。
【0136】
任意選択的に、本出願のいくつかの実施形態において、収集キャビティ11bは、シールされるキャビティであってもよい。例えば、防護部材115と熱管理部品13との接続箇所は、シール部材によってシールされてもよい。
【0137】
任意選択的に、本出願の別のいくつかの実施形態において、収集キャビティ11bは、シールされるキャビティでなくてもよい。例えば、収集キャビティ11bは、筐体11外部の空気と連通することができ、このように、一部の排出物は、さらに筐体11の外部に排出することができる。任意選択的に、防護部材115に排出弁が設置されてもよく、収集キャビティ11bは、排出弁を介して筐体の外部空気と連通することができる。
【0138】
任意選択的に、本出願の実施例において、収集キャビティ11bにおける支持部材31は、防護部材115及び/又は熱管理部品13に固定して設置されてもよく、支持部材31が防護部材115に固定して設置されれば、支持部材31は防護部材115と接触し、この場合、支持部材31は同時に熱管理部品13と接触してもよく、又は熱管理部品13と一定の隙間を保持してもよい。類似的に、支持部材31が熱管理部品13に固定して設置される場合、支持部材31は同時に防護部材115と接触してもよく、又は防護部材115と一定の隙間を保持してもよい。
【0139】
図7に示すように、支持部材31は防護部材115及び熱管理部品13と同時に接触し、この場合、支持部材31は、防護部材115及び熱管理部品13に同時に支持作用を提供し、防護部材115及び熱管理部品13の全体的な圧壊強度を高めることによって、外部圧力による熱管理部品13の他側の電気キャビティ11aにおける電池セル20などの電気部品への影響を防止することができる。
【0140】
図8は、
図7に示される筐体11におけるA領域の分解概略図である。
【0141】
図7及び
図8に示すように、支持部材31はストリップ状の管状構造であり、支持部材31の数は複数であり、該複数の支持部材31は互いに平行し、且つ互いに間隔を置いて収集キャビティ11bに設置され、収集キャビティ11bのために均一で全面的な支持を提供し、それによって収集キャビティ11bの圧壊強度を均一且つ全面的に高める。
【0142】
任意選択的に、
図8に示すように、該複数の支持部材31の軸方向は、筐体11の長手方向に平行し、即ち
図8に示すx方向である。
図8と
図7に示す座標系は同じであり、ここで、z方向は筐体11の高さ方向を指示し、それは水平地面に垂直であってもよく、x方向とy方向は、それぞれ筐体11の長手方向と幅方向を指示する。
【0143】
説明すべきこととして、
図7と
図8では、例示的に、複数のストリップ状支持部材31が収集キャビティ11bに設置される概略図を示しているが、該複数のストリップ状支持部材31は、さらに他の方式によって収集キャビティ11bに設置されてもよく、例えば、複数の支持部材31の軸方向は筐体11の幅方向、即ち
図8に示されるy方向に平行してもよい。
【0144】
任意選択的に、複数の支持部材31は、
図8に示す方式に従って収集キャビティ11bに設置される以外に、
図9又は
図10に示す方式に従って収集キャビティ11bに設置されてもよく、該
図9と
図10における座標系は、
図8における座標系と同じである。
【0145】
図9に示すように、該実施形態において、複数の支持部材31は枠型支持部材であり、該複数の枠型支持部材は、収集キャビティ11bの中心を取り囲んで設置され、収集キャビティ11bの中心に近い枠型支持部材の寸法が小さく、収集キャビティ11bの中心から離れる枠型支持部材の寸法が大きく、隣接する二つの枠型支持部材の間は隙間を有する。
【0146】
類似的に、
図10に示すように、該実施形態において、複数の支持部材31はリング状支持部材であり、該複数のリング状支持部材の設置方式は、上述の複数の枠型支持部材の設置方式と類似し、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【0147】
任意選択的に、上記
図9と
図10に示す実施例において、枠型支持部材又はリング状支持部材は、中空の管状構造であってもよく、任意選択的に、該枠型支持部材又はリング状支持部材に、開孔が形成されてもよい。
【0148】
任意選択的に、上記
図8~
図10に示す実施例において、複数の支持部材31は、収集キャビティ11bにおいて対称に設置され、具体的には、
図8に示すように、複数のストリップ状支持部材31において、中央のストリップ状支持部材31は、収集キャビティ11bの中心に位置し、且つその延伸方向は、筐体11の長手方向(x方向)に平行し、他のストリップ状支持部材31は、筐体11の幅方向(y方向)に沿って中央のストリップ状支持部材31の両側に対称に分布する。
【0149】
図9と
図10に示すように、複数の枠型支持部材31又は複数のリング状支持部材31における各支持部材は、収集キャビティ11bの中心を取り囲んで設置され、各支持部材は、該収集キャビティ11bの中心に対して対称に設置される。
【0150】
本出願の実施例の技術案により、複数の支持部材31は、収集キャビティ11bにおいて対称に設置され、収集キャビティ11bの安定性を高めることによって、筐体11のその機器での取り付けの安定性を高めることができる。
【0151】
任意選択的に、本出願において、支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式は、電池セルの位置にも関連し、具体的には、支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式は、電池セル20における放圧機構213の位置に関連している。
【0152】
図11は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図12は、
図11に示される電池の筐体11の平面図であり、ここで、
図11は、
図12におけるA-A’方向に沿う断面図であってもよい。
【0153】
電池の筐体11における複数の電池セル20と支持部材31との位置関係を容易に比較するために、
図11と
図12において、破線で筐体における複数の電池セル20を示している。
【0154】
図11に示すように、熱管理部品13に放圧領域130が設置され、該放圧領域130は、電池セル20の放圧機構213に対応して設置されてもよく、放圧機構213が作動する時に、電池セル20内部の排出物は、該放圧領域130を介して排出される。
【0155】
任意選択的に、いくつかの実施形態において、熱管理部品13における放圧領域130は特殊処理しなくてもよく、本出願の実施例は、熱管理部品13における放圧機構213に対応する一部の領域を表すために、該一部の領域を放圧領域130と呼ぶだけである。
【0156】
任意選択的に、別のいくつかの実施形態において、熱管理部品13における放圧領域130は、放圧機構213が作動する時にさらに破壊されやすくなるように、特殊処理されてもよい。
【0157】
例示的に、該放圧領域130は脆弱なエリアであってもよく、その強度は、熱管理部品13における、該放圧領域130以外の他の領域の強度よりも小さい。
【0158】
任意選択的に、熱管理部品13に、放圧機構213に対応して設置される凹溝が設置され、凹溝の底壁は、脆弱エリアを形成する。凹溝の底壁は、熱管理部品13の他の領域よりも脆弱であるため、排出物に破壊されやすく、放圧機構213が作動する時に、排出物は、凹溝の底壁を破壊して収集キャビティ11bに入ることができる。
【0159】
任意選択的に、さらに他の方式によって熱管理部品13に放圧領域130として脆弱エリアを形成してもよく、例えば、熱管理部品13において切り込みを設置して脆弱エリアを形成することなど、本出願は、それを具体的に限定しない。
【0160】
該実施形態の技術案により、熱管理部品13における、放圧機構213に対応する局所領域(即ち放圧領域130)を脆弱エリアとして設置し、それによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、該脆弱エリアを衝撃し且つより容易に開けることができ、電池セル20の排出物は、該脆弱エリアを介して収集キャビティ11bに収集され、排出物による電気キャビティ11aにおける電気部品への影響を防止する。
【0161】
図11と
図12に示すように、本出願の実施例において、支持部材31と熱管理部品13における非放圧領域は対応して設置され、電池セル20からの排出物を通過させる通路を形成することによって、該排出物は収集キャビティ11bに収集される。該非放圧領域とは、熱管理部品13における、該放圧領域130以外の他の領域を指す。筐体11の高さ方向(z方向)において、支持部材31は非放圧領域の下方に設置される。
【0162】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31と熱管理部品13における非放圧領域は対応して設置され、支持部材31による、熱管理部品13における放圧領域130及びそれに対応する放圧機構213への影響を回避する。例えば、放圧機構213及び放圧領域130を介して排出される、電池セル20内部からの排出物をブロックすることにより、それは収集キャビティ11bに収集されなくなる。そのため、本出願の実施例に基づいて設置される支持部材31は、収集キャビティ11bの圧壊強度を高めると同時に、電池セル20の安全性に影響を与えることがない。
【0163】
任意選択的に、
図11に示すように、該支持部材31は、該熱管理部品13の非放圧領域と接触することによって、支持部材31が熱管理部品13に対して良好な支持作用を有するように確保する。さらに、支持部材31は防護部材115及び熱管理部品13の非放圧領域と同時に接触し、この場合、支持部材31は、防護部材115及び熱管理部品13に同時に支持作用を提供し、防護部材115及び熱管理部品13の全体的な圧壊強度を高めることによって、外部圧力による熱管理部品13の他側の電気キャビティ11aにおける電池セル20などの電気部品への影響を防止することができる。
【0164】
任意選択的に、例示的に、
図12に示す実施例において、筐体11の幅方向(y方向)に沿って4列の電池セル20が配列され、且つ各列の電池セル20は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って配列される。該実施例において、隣接する2列の電池セル20の間に、一つのストリップ状構造の支持部材31が対応して設置されてもよく、該ストリップ状構造の支持部材31の延伸方向は、各列の電池セル20の配列方向と同じである。即ち本出願の実施例において、ストリップ状構造の支持部材31は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸する。筐体11の高さ方向(z方向)において、各ストリップ状構造の支持部材31は、隣接する2列の電池セルの下方に対応して設置される。
【0165】
本出願の実施例の技術案により、一方では、支持部材31を隣接する2列の電池セルの間に対応して設置することによって、支持部材31の電池セルの安全性への影響を回避するとともに、支持部材31の熱管理部品13及び全ての電池セル20に対する均一で完全な支持を確保することもできる。他方では、支持部材31をストリップ状構造として設置し、且つ筐体11の長手方向に沿って延伸させることで、少量の取り付けやすい支持部材を利用して、効果良好な支持作用を実現することができる。
【0166】
【0167】
熱管理部品13は、熱伝導性材料によって流体の流路を形成してもよい。流体は流路を流れ、熱伝導性材料を介して熱を伝導することによって電池セル20を降温させる。
【0168】
任意選択的に、
図13に示すように、本出願の一実施例において、熱管理部品13は、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132を含んでもよい。第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132は、流体を収容するための流路133を形成する。第1の熱伝導板131は、電池セル20の第1の壁21aと第2の熱伝導板132との間に位置し、且つ第1の壁21aに付設される。
【0169】
本出願の実施例において、熱管理部品13における非放圧領域に流路133が設置され、支持部材31は第2の熱伝導板132と接触してもよく、且つ筐体11の高さ方向(z方向)において、支持部材31は流路133の下方に位置する。
【0170】
任意選択的に、
図11~
図13に示す実施例において、支持部材31はストリップ状の管状構造であり、例えば、それは具体的には
図5における図(a)又は
図6における図(a)に示されるような構造であってもよく、又は、それは
図5における図(b)又は
図6における図(b)に示されるような構造であってもよい。
【0171】
説明すべきこととして、以上の実施例では、支持部材31がストリップ状構造であることを例にして、該ストリップ状構造の支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置を説明したが、該ストリップ状構造の支持部材31の延伸方向は、筐体11の長手方向(x方向)である以外に、筐体11の幅方向(y方向)であってもよい。また、隣接する2列の電池セル20の間にいずれも一つの支持部材31を対応して設置する必要がなく、支持部材31は、一部の隣接する2列の電池セル20の間にだけ対応して設置されてもよい。
【0172】
さらに説明すべきこととして、以上の実施例において、支持部材31は、ストリップ状構造のほか、枠型構造又はリング状構造であってもよく、支持部材31が枠型構造又はリング状構造である場合、該支持部材31の収集キャビティ11bにおける設置方式は、熱管理部品13における放圧領域130及びそれに対応する放圧機構213が電池セル20の排出物の排出に影響を与えることなく、支持部材31と熱管理部品13における非放圧領域とを対応して設置することを目的とする。
【0173】
本出願実施例における電池の筐体11の構造図をより詳細に説明するために、
図14は、
図11と
図12に示される電池の筐体11の分解図を示している。
【0174】
図11と
図14に示すように、筐体11は、開口を有するハウジング110をさらに含む。開口を有するハウジング110は、セミクローズドキャビティであり、外部に連通する開口を有し、熱管理部品13は該開口をカバーし、キャビティ、即ち電気キャビティ11aを形成する。
【0175】
任意選択的に、ハウジング110は、複数の部分から構成されてもよく、例えば、
図11と
図14に示すように、ハウジング110は、第1の部分111と第2の部分112を含んでもよい。第2の部分112の両側はそれぞれ開口を有し、第1の部分111は、第2の部分112の片側の開口をカバーし、熱管理部品13は、第2の部分112の他側の開口をカバーすることにより、電気キャビティ11aを形成する。
【0176】
図11と
図14の実施例は、
図2を基礎として改良して得ることができる。具体的には、
図2における第2の部分112の底壁を熱管理部品13に置き換え、熱管理部品13を電気キャビティ11aの一つの壁とすることにより、
図11と
図14における電気キャビティ11aを形成する。換言すれば、
図2における第2の部分112の底壁を除去し、即ち、両側が開口であるリング壁を形成し、第1の部分111と熱管理部品13は、それぞれ第2の部分112の両側の開口をカバーし、キャビティ、即ち電気キャビティ11aを形成する。
【0177】
任意選択的に、本出願の実施例の電池の筐体11は、隔離部材113をさらに含み、該隔離部材113は第2の部分112に設置され、複数の電池セル20が電気キャビティ11aに収容される時、該隔離部材113は、複数の電池セル20を隔離して複数のグループにするために用いられ、各グループの電池セル20は、少なくとも一つの電池セルを含む。任意選択的に、いくつかの実施形態において、該隔離部材113は、ビームと呼ばれてもよい。
【0178】
例示的に、
図11、
図12及び
図14に示すように、隔離部材113は、複数の電池セルを、数が等しい4グループに隔離し、各グループの電池セルの間は隔離部材113によって互いに隔離される。複数の電池セル20を直接的に大きな空間の電気キャビティ11aに設置することに比べ、本出願の実施例の技術案により、隔離部材113を利用して電気キャビティ11aにおける複数の電池セルを隔離し、複数の電池セルの筐体における取り付けの安定性を高めることができる一方、ある電池セルに熱故障が発生した時、他の電池セルへの影響を軽減することもでき、それによって電池の安全性を高める。
【0179】
図15は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図16は、
図15に示される電池の筐体11の平面図であり、ここで、
図15は、
図16におけるB-B’方向に沿う断面図であってもよい。
【0180】
電池の筐体11における複数の電池セル20と支持部材31との位置関係を容易に比較するために、
図15と
図16において、破線で筐体における複数の電池セル20を示している。
【0181】
図15に示すように、熱管理部品13に放圧領域130が設置され、該放圧領域130は、電池セル20の放圧機構213に対応して設置されてもよく、放圧機構213が作動する時に、電池セル20内部の排出物は、該放圧領域130を介して排出される。
【0182】
具体的には、本出願実施例の放圧領域130の関連設置は、以上の実施例の関連記述を参照されたい。
【0183】
また、本出願の実施例において、支持部材31に第1の開孔が設置され、該第1の開孔と熱管理部品13の放圧領域130は対応して設置され、それによって支持部材31において電池セルの排出物を通過させる通路を形成する。
【0184】
該第1の開孔と放圧領域130の設置方式をより明瞭に示すために、
図17では、
図15におけるC部分の局所拡大概略図が示されている。
【0185】
図17に示すように、支持部材31は管状構造であってもよく、支持部材31の管壁上に第1の開孔311が設置され、該第1の開孔311と熱管理部品13における放圧領域130を対応して設置することによって、第1の開孔311は、放圧弁213及び放圧領域130を通って排出される電池セルの排出物を受け取ることが容易になる。
【0186】
任意選択的に、
図17に示す実施例において、熱管理部品13は、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132を含み、該第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132は相互接続され、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132における、放圧機構213に対応する局所領域は、いずれも貫通孔として設計され、それによって放圧領域130を形成する。なお、熱管理部品13における非放圧領域において、第1の熱伝導板131と第2の熱伝導板132は、流体を収容するための流路133をさらに形成し、それによって電池セル20を降温させる。
【0187】
理解できるように、熱管理部品13における放圧領域130は、
図17に示すように貫通孔として設計される以外に、置き換え可能に、該放圧領域130は他の構造、例えば脆弱エリアなどとして設計されてもよく、本出願の実施例では、それを具体的に限定しない。
【0188】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31上の第1の開孔311は、熱管理部品13の放圧領域130に対応して設置され、支持部材31が支持機能を実現すると同時に、それに設置された第1の開孔311は、放圧領域130から排出される電池セルの排出物を受け取りやすく、排出物は、第1の開孔311を通ってから筐体11の収集キャビティ11bに収集され、排出物による電気キャビティ11aにおける電気デバイスへの影響を防止する。
【0189】
任意選択的に、第1の開孔311の排出物に対する良好な導通効果を実現するために、該第1の開孔311は、熱管理部品13の放圧領域130と連通してもよい。任意選択的に、該第1の開孔311の断面積は、放圧領域130の面積以上であってもよく、それによって第1の開孔311の排出物に対する良好な導通効果をさらに高める。
【0190】
任意選択的に、例示的に、
図15と
図16に示す実施例において、筐体11の幅方向(y方向)に沿って4列の電池セル20が配列され、且つ各列の電池セル20は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って配列される。該実施例において、各列の電池セル20に、一つのストリップ状構造の支持部材31が対応して設置されてもよく、該ストリップ状構造の支持部材31の延伸方向は、各列の電池セル20の配列方向と同じであり、即ち本出願の実施例において、ストリップ状構造の支持部材31は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸する。筐体11の高さ方向(z方向)において、各ストリップ状構造の支持部材31は、各列の電池セル20の放圧機構213の下方に対応して設置される。
【0191】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31をストリップ状構造として設置し、且つ筐体11の長手方向に沿って延伸させることで、少量で取り付けやすい支持部材31を利用して、効果良好な支持作用を実現することができる。
【0192】
任意選択的に、上記出願の実施例において、支持部材31の接続面は、熱管理部品13及び/又は防護部材115と接触してもよく、該支持部材31の非接続面、即ち支持部材31における、熱管理部品13及び/又は防護部材115と接触しない面に、第2の開孔が設置されてもよく、それによって支持部材31において排出物を通過させる通路を形成する。
【0193】
例示的に、以上の
図15~
図17に示す実施例において、支持部材31上に、第1の開孔311を設置する以外に、第2の開孔312をさらに設置してもよく、それによって電池セル20の排出物を通過させる排出経路を増加させる。
【0194】
図18における図(a)は、以上の
図15~
図17に示す実施例における支持部材31の立体構造概略図である。
【0195】
図18における図(a)に示すように、該支持部材31は四角形の管状構造であり、第1の開孔311は、該四角形管状構造の一つの側壁上に設置され、且つ該四角形管状構造の他の側壁に、第2の開孔312がさらに設置されてもよく、該第1の開孔311と第2の開孔312は、いずれも電池セルの排出物を通過させる通路を形成するために用いることができる。
【0196】
また、以上の
図15~
図17に示す実施例において、支持部材31は、
図18の図(b)に示されるような構造であってもよく、即ち該支持部材31は六角形の管状構造である。
図18における図(a)に示される構造と類似し、第1の開孔311は該六角形管状構造の一つの側壁上に設置され、且つ該六角形管状構造の他の側壁に、第2の開孔312がさらに設置されてもよい。
【0197】
任意選択的に、第1の開孔311と第2の開孔312の寸法は異なっていてもよく、例えば、第1の開孔311の寸法は第2の開孔312の寸法よりも大きく、それによって寸法が大きい第1の開孔311は、排出物の排出を阻害することなく、放圧機構213を介して排出される排出物を通過させることができ、寸法が小さい第2の開孔312は、濾過する役割を果たすことができ、即ち該第2の開孔312は、排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させ、且つ支持部材31は、排出物における高温固体を阻止し、排出物における高温固体が筐体11外に排出されることによりもたらされる安全上のリスクを防止することによって、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高める。
【0198】
【0199】
図19に示すように、筐体11の幅方向(y方向)に沿って、4列の電池セル20が配列され、収集キャビティ11bに設置される支持部材31の数は4であり、熱管理部品13において4列の電池セル20に対応して4列の放圧領域130が設置され、各支持部材31における第1の開孔311は、1列の放圧領域130に対応して設置される。
【0200】
任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31の数と設置方式及び熱管理部品13の構造が以上の
図14に示す実施例と異なる点を除いて、筐体11の具体的な構造は、以上の
図14に示す実施例の関連記述を参照してよく、ここでは説明を省略する。
【0201】
また、説明すべきこととして、
図14に示す実施例において、熱管理部品13は、本出願の実施例における熱管理部品13と同じ構造として設置されてもよく、即ち
図14に示す実施例において、熱管理部品13には、電池セル20における排出物が放圧機構213及び放圧領域130を通って収集キャビティ11bに排出されるように、放圧領域130を設置してもよい。
【0202】
任意選択的に、以上の実施例において、複数の支持部材31は、互い間隔を置いて収集キャビティ11bに設置され、任意選択的に、複数の支持部材31は、互いに積み重ねて収集キャビティ11bに設置されてもよい。
【0203】
いくつかの実施形態において、複数の支持部材31は、六角形の管状構造であってもよく、該複数の六角形管状構造の支持部材31は、互いに積み重ねて接続して設置されてもよく、且つ該複数の六角形管状構造の支持部材31の横断面は、ハニカム構造を呈する。
【0204】
本出願の実施例の技術案により、電池の筐体11の収集キャビティ11bに、シングルポイント降伏性を有し、軸方向の剛性が高く、圧壊強度が高いハニカム型の管状支持部材を設置することで、収集キャビティ11bの圧壊強度を高め、電池及びそれが位置する電力消費装置の安全性を高めることができる。
【0205】
例示的に、
図20は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図21は、
図20に示される電池の筐体11の平面図であり、ここで、
図20は、
図21におけるC-C’方向に沿う断面図であってもよい。
【0206】
電池の筐体11における複数の電池セル20と支持部材31との位置関係を容易に比較するために、
図20と
図21において、破線で筐体における複数の電池セル20を示している。
【0207】
任意選択的に、
図20と21に示すように、該複数の六角形管状構造の支持部材31の軸方向は、筐体11の長手方向(x方向)に平行し、複数の六角形管状構造の支持部材31の横断面(yz方向の平面に沿う横断面)は、ハニカム構造を呈する。
【0208】
筐体11の長手方向(x方向)において、該複数の六角形管状構造の支持部材31における各支持部材31の長さは、収集キャビティ11bの長さに似ており、筐体11の幅方向(y方向)において、該複数の六角形管状構造の支持部材31の全体的な幅は、収集キャビティ11bの幅に似ている。換言すれば、本出願の実施例において、複数の六角形管状構造の支持部材31は、長手方向と幅方向において全面的に収集キャビティ11bを覆うことができ、また、複数の六角形管状構造の支持部材31は相互接続され、支持部材31は収集キャビティ11bにおいて密度が高く、それによって収集キャビティ11bの圧壊強度を全面的に密集して高める。
【0209】
なお、複数の六角形管状構造の支持部材31の軸方向は、筐体11の長手方向(x方向)に平行する以外に、該複数の六角形管状構造の支持部材31の軸方向は、筐体11の幅方向(y方向)に平行してもよく、複数の六角形管状構造の支持部材31の横断面(xz方向の平面に沿う横断面)は、ハニカム型構造を呈する。
【0210】
任意選択的に、
図20に示すように、複数の管状構造の支持部材31は筐体11の防護部材115に設置され、複数の六角形管状構造の支持部材31において、一部の支持部材31が熱管理部品13と接触し、例えば、
図20に示す実施例において、一部の支持部材31が、熱管理部品13における、電池セルの放圧機構213に対応する放圧領域130と接触する。
【0211】
任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31に開孔が設置されてもよく、相互接続される支持部材31の接続面に、互いに対応する開孔310が設置されてもよく、該開孔310は、支持部材31において電池セルの排出物を通過させる通路を形成するためのものである。
【0212】
支持部材31における開孔の設置をより明瞭に示すために、
図22では、
図20におけるD部分の局所拡大概略図が示されている。
図23は、支持部材31の立体構造図である。
【0213】
図22と
図23に示すように、本出願の実施例において、管状構造の支持部材31の管壁上に開孔313が設置されてもよく、相互接続される支持部材31の接続面に、互いに対応する開孔313が設置され、互いに対応する該開孔313は、二つの管状構造の支持部材において排出物を通過させる通路を形成するためのものであり、また、支持部材31の非接続面上の開孔313は、支持部材31と収集キャビティ11bとの間の通路を形成することができる。
【0214】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31は、数が多く且つ相互接続され、収集キャビティ11bのために安定した支持を提供する以外に、支持部材31上に設置された開孔313は、相互接続される支持部材31間の通路、及び支持部材31と収集キャビティ11bとの間の通路を提供することができ、したがって、該実施形態により、支持部材31において数が多い通路を形成し、電池セルの排出物の通路における排出経路を増加させ、収集キャビティ11bから排出される排出物の温度を低下させ、電池の安全性を高めることができる。
【0215】
図23を参照すると、
図23における図(a)は、支持部材31の全体的な斜視図であり、
図23における図(b)は、図(a)の局所拡大図である。
図23に示すように、本出願の実施例において、支持部材31の管径が小さく、収集キャビティ11bにおいて相互接続してハニカム構造を形成しやすく、そのため、支持部材31の各側の管壁の幅はそれに応じて小さく、各側の管壁上に形成される開孔313の孔径も小さい。
【0216】
本出願の実施例の技術案により、支持部材31上に孔径が小さい開孔313を形成することで、電池セルの排出物における高温気体及び/又は高温液体を通過させやすく、排出物における高温固体を阻止し、高温固体が収集キャビティ11bの外に排出され、大きな安全上のリスクをもたらすことを防止する。
【0217】
任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31上の開孔313のメッシュ数は、5メッシュ以上であってもよい。別の次元から言えば、本出願の実施例において、開孔313の孔径は、4mm以下であってもよい。
【0218】
また
図22に戻って参照すると、任意選択的に、本出願の実施例において、熱管理部品13の放圧機構213に対応する位置に放圧領域130が設置され、それによって電池セルの排出物は、放圧機構213及び放圧領域130を介して容易に排出することができる。例えば、
図22に示す実施例において、該放圧領域130は、貫通孔であってもよい。又は、他の実施例において、該放圧領域130は、以上の実施例に記載の他の構造であってもよく、本出願の実施例では、それを具体的に限定しない。
【0219】
また、本出願の実施例において、熱管理部品13及び筐体11における他の部材の関連技術案は、以上の実施例における関連記述を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0220】
以上の実施例に記載の支持部材31に対し、それは、様々な固定方式によって収集キャビティ11bに設置することができ、支持部材31が収集キャビティ11bにおいて移動して、電池の確実性に影響を与えることを防止する。
【0221】
例えば、一実施形態において、収集キャビティ11bを形成する熱管理部品13及び/又は防護部材115に固定部材が設置され、該固定部材は、支持部材31を固定するためのものである。任意選択的に、該固定部材は接着層、ボルト、係合溝などを含むが、それらに限定されない。
【0222】
また例えば、別の実施形態において、支持部材31と防護部材115は一体化構造であってもよく、任意選択的に、支持部材31と防護部材115は、溶接などのプロセスによって一体化構造を形成してもよい。
【0223】
例示的に、
図24は、本出願の別の実施例による電池の筐体11の断面概略図である。
図25は、
図24におけるE部分の局所拡大図である。
【0224】
図24と
図25に示すように、防護部材115上にU型溝116が設置され、支持部材31はU型溝116に設置され、該U型溝116の幅は支持部材31の幅に相当し、それによって支持部材31は防護部材115に固定して設置される。該実施形態により、支持部材31の取り付け方式は簡単で、支持部材31の取り外しと交換がしやすく、電池の筐体11の取り付け効率及びメンテナンス効率を高める。
【0225】
任意選択的に、
図24と
図25に示すように、防護部材115の筐体11に向かう内部は突出部117を形成し、隣接する突出部117の間は、U型溝116を形成することができる。本出願の実施例の技術案により、直接的に防護部材115を利用して突出部117及びU型溝116を形成し、追加の構造部材を利用してU型溝を形成することを回避し、製造コストを削減する。また、追加の構造部材が防護部材115、支持部材31及び筐体11における他の部材に対して悪影響を及ぼすことを防止し、電池の安全性と確実性を高めることもできる。
【0226】
当然ながら、代替的な実施案として、本出願の実施例において、追加の構造部材を利用して防護部材115に設置することによって、防護部材115上にU型溝を形成してもよい。
【0227】
【0228】
図26に示すように、任意選択的に、本出願の実施例において、支持部材31はストリップ状の支持部材31であり、防護部材115に、ストリップ状の支持部材31に適合するように、ストリップ状のU型溝116が設置される。例示的に、該実施例において、ストリップ状の支持部材31は、筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸し、この場合、ストリップ状のU型溝116も同様に筐体11の長手方向(x方向)に沿って延伸し、該ストリップ状U型溝116の長さは、ストリップ状支持部材31の長さに相当する。
【0229】
理解できるように、
図26は、ストリップ状支持部材31とストリップ状U型溝116の概略図を概略的に示すものに過ぎず、支持部材31が他の形状、例えばリング状又は枠型である場合、U型溝116は同様に、リング状支持部材31又は枠型支持部材31に適合するように、リング状U型溝又は枠型U型溝として設置されてもよい。
【0230】
本出願の実施例におけるU型溝116の長さ及び幅は、それぞれ支持部材31の長さ及び幅に相当し、該二つの方向上の寸法が適合するため、支持部材31が安定してU型溝に固定的に設置されることを実現可能である。したがって、また
図24に戻って参照すると、任意選択的に、U型溝116の深さは、支持部材31の高さより小さくてもよく、即ち防護部材115の突出部117が突出する高さは、支持部材31の高さより小さくてもよく、突出部117の加工の難易度を低減させる。
【0231】
任意選択的に、本出願の実施例の筐体11における支持部材31及び他の構造部材の関連技術案は、以上の実施例における関連記述を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0232】
また、支持部材31は、上記U型溝116によって防護部材115に固定して設置される以外に、ボルトなど他のタイプの固定部材におって支持部材31を固定してもよい。例えば、防護部材115に固定ボルトが設置され、該ボルトは、支持部材31を通過して支持部材31を支持して固定することができる。任意選択的に、ボルトは支持部材31上の開孔を通過し、筐体11の他の構造部材に接続されることによって、支持部材31の安定性を向上させることができる。いくつかの実施形態において、ボルトは支持部材31の開孔を通過し、且つ熱管理部品13を通過し、さらに筐体11の隔離部材113に接続されてもよい。該実施形態により、ボルトは、支持部材31の固定を補強できるだけでなく、熱管理部品13の固定を補強することもできる。筐体11の全体的な安定性を向上させるとともに、支持部材31と熱管理部品13との間に相対的な移動がないようにし、支持部材31による熱管理部品13への影響を回避し、電池の安全性を高める。
【0233】
本出願の一実施例は、電池10をさらに提供し、該電池10は、複数の電池セル20、及び前記各実施例に記載の筐体11を含んでもよく、該筐体11は、複数の電池セル20を収容するためのものであり、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含み、該放圧機構213は、前記放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すためのものである。
【0234】
本出願の一実施例は、電力消費機器をさらに提供し、該電力消費機器は、上記各実施例における電池10を含んでもよく、電池10は、該電力消費機器に電気エネルギーを提供するためのものである。任意選択的に、電力消費機器は車両1、船舶又は宇宙航空機であってもよい。
【0235】
以上は、本出願実施例の電池の筐体11、電池10と電力消費機器について説明したが、以下は、本出願実施例の、電池を製造する方法と機器について説明する。詳細に説明していない部分は、上記各実施例を参照されたい。
【0236】
図27は、本出願の一実施例による電池を製造する方法300の概略フローチャートである。
図27に示すように、該方法300は、以下のステップを含んでもよい。
【0237】
301、複数の電池セル20を提供し、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含んでもよく、放圧機構213は、放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃すためのものである。
【0238】
302、筐体11を提供し、筐体11は、上記複数の電池セル20を収容するための電気キャビティ11aと、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調節するための熱管理部品13と、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ11bとを含み、ここで、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bとを隔離するためのものであり、該収集キャビティ11bに支持部材31が設置され、該支持部材31は、該収集キャビティ11bの圧壊強度を高めるためのものである。
【0239】
303、複数の電池単体20を筐体11内に収容する。
【0240】
図28は、本出願の一実施例による電池を製造する装置400の概略ブロック図である。
図28に示すように、電池を製造する機器400は、第1の提供モジュール410と、第2の提供モジュール420と、取り付けモジュール
430とを含んでもよい。
【0241】
第1の提供モジュール410は、複数の電池セル20を提供するためのものであり、該複数の電池セル20の少なくとも一つの電池セル20は放圧機構213を含んでもよく、放圧機構213は、放圧機構213が設けられた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃すためのものである。
【0242】
第2の提供モジュール420は、筐体11を提供するためのものであり、該筐体11は、上記複数の電池セル20を収容するための電気キャビティ11aと、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調節するための熱管理部品13と、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が設けられた電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ11bとを含み、ここで、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bとを隔離するためのものであり、該収集キャビティ11bに支持部材31が設置され、該支持部材31は、該収集キャビティ11bの圧壊強度を高めるためのものである。
【0243】
取り付けモジュール430は、複数の電池単体20を筐体11内に収容するためのものである。
【0244】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0245】
10 電池
20 電池セル
21a 第1の壁
22 電極アセンブリ
23 集電部材(接続部材)
24 パッド
111 第1の部分
112 第2の部分
211 ケース
212 カバープレート
213 放圧機構
214 電極端子
214a 正電極端子
214b 負電極端子
221a 第1のタブ
222a 第2のタブ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体であって、
複数の電池セ
ルを収容するための電気キャビテ
ィであって、前記複数の電池セ
ルの少なくとも一つの電池セ
ルは放圧機
構を含み、前記放圧機
構は、前記放圧機
構が設けられた電池セ
ルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものである電気キャビテ
ィと、
流体を収容して前記複数の電池セ
ルの温度を調節するための熱管理部
品と、
前記放圧機
構が作動する時に、前記放圧機
構が設けられた前記電池セ
ルからの排出物を収集するための収集キャビテ
ィとを含み、
ここで、前記熱管理部
品は前記電気キャビテ
ィと前記収集キャビテ
ィを隔離するためのものであり、前記収集キャビテ
ィに支持部
材が設置され、前記支持部
材は前記収集キャビテ
ィの圧壊強度を高めるためのものである
、電池の筐体。
【請求項2】
前記支持部
材に、前記排出物を通過させるための通路が形成される
、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記支持部
材に開
孔が設置され、前記開
孔は、前記支持部
材において前記通路を形成するためのものである
、請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記通路は、前記排出物における気体を通過させるためのものであり、前記支持部
材は、前記排出物における固体を阻止するためのものである
、請求項3に記載の筐体。
【請求項5】
前記開
孔の数は、予め設定された閾値よりも大きく、それによって前記支持部
材において予め設定された数よりも多い前記通路を形成する
、請求項3又は4に記載の筐体。
【請求項6】
前記支持部
材における前記開
孔のメッシュ数は5メッシュ以上である
、請求項3~5のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項7】
前記熱管理部
品に放圧領
域が設置され、前記排出物は、前記放圧機
構が作動する時に、前記放圧領
域を介して排出され、
前記支持部
材と前記熱管理部
品の非放圧領域が対応して設置され、それによって前記排出物を通過させる通路を形成する
、請求項1~6のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項8】
前記支持部
材は前記熱管理部
品の非放圧領域と接触する
、請求項7に記載の筐体。
【請求項9】
前記熱管理部
品に放圧領
域が設置され、前記排出物は、前記放圧機
構が作動する時に、前記放圧領
域を介して排出され、
前記支持部
材に第1の開
孔が設置され、前記第1の開
孔と前記放圧領
域は対応して設置され、それによって前記支持部
材において前記排出物を通過させる通路を形成する
、請求項1~6のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項10】
前記第1の開
孔は、前記熱管理部
品の放圧領域に連通する
、請求項9に記載の筐体。
【請求項11】
前記第1の開
孔の断面積は、前記放圧領
域の面積以上である
、請求項9又は10に記載の筐体。
【請求項12】
前記筐体は、
防護部
材をさらに含み、前記防護部
材は、前記熱管理部
品を防護するためのものであり、前記防護部
材と前記熱管理部
品は前記収集キャビテ
ィを形成し、
前記支持部
材は、前記熱管理部
品及び/又は前記防護部
材と接触する
、請求項1~11のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項13】
前記支持部
材の接続面は、前記熱管理部
品及び/又は前記防護部
材と接触し、前記支持部
材の非接続面に第2の開
孔が設置され、それによって前記支持部
材において前記排出物を通過させる通路を形成する
、請求項12に記載の筐体。
【請求項14】
前記防護部
材と前記支持部
材は一体化構造である
、請求項12又は13に記載の筐体。
【請求項15】
前記支持部
材は中空構造である
、請求項1~14のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項16】
前記支持部
材は管状構造である
、請求項15に記載の筐体。
【請求項17】
前記管状構造の横断面は中空の多角形であり、前記多角形の辺の数は4以上である
、請求項16に記載の筐体。
【請求項18】
前記管状構造の管壁の厚さは0.5mm~3mmである
、請求項16又は17に記載の筐体。
【請求項19】
前記管状構造はストリップ状、リング状又は枠型である
、請求項16~18のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項20】
前記管状構造の数は複数であり、複数の前記管状構造は、前記収集キャビテ
ィにおいて互いに間隔を置いて設置される
、請求項16~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項21】
複数の前記管状構造は、前記収集キャビテ
ィにおいて対称に設置される
、請求項20に記載の筐体。
【請求項22】
前記管状構造の数は複数であり、複数の前記管状構造は互いに積み重ねて接続され、ここで、複数の前記管状構造の横断面はハニカム状を呈する
、請求項16~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項23】
相互接続される二つの前記管状構造の接続面に、互い対応する開孔が設置され、前記互いに対応する開孔は、二つの前記管状構造において前記排出物を通過させる通路を形成するためのものである
、請求項22に記載の筐体。
【請求項24】
前記支持部
材の表面に降温材料が設置される
、請求項1~23のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項25】
前記支持部
材は中空構造であり、前記中空構造に降温材料が設置される
、請求項1~24のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項26】
前記降温材料は相変化材料PCMである
、請求項24又は25に記載の筐体。
【請求項27】
前記支持部
材の材料は金属材料である
、請求項1~26のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項28】
電池であって、
複数の電池セ
ルであって、前記複数の電池セ
ルの少なくとも一つの電池セ
ルは放圧機
構を含み、前記放圧機
構は、前記放圧機
構が設けられた電池セ
ルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものである電池セ
ルと、
前記複数の電池セ
ルを収容するための、請求項1~27のいずれか一項に記載の筐体とを含む
、電池。
【請求項29】
電力消費装置であって、電気エネルギーを提供するための、請求項28に記載の電池を含む
、電力消費装置。
【請求項30】
前記電力消費装置は車両、船舶又は宇宙航空機である
、請求項29に記載の電力消費装置。
【請求項31】
電池を製造する方法であって、
複数の電池セ
ルを提供することであって、前記複数の電池セ
ルの少なくとも一つの電池セ
ルは放圧機
構を含み、前記放圧機
構は、前記放圧機
構が設けられた電池セ
ルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものであるこ
とと、
筐
体を提供することであって、前記筐
体は、
前記複数の電池セ
ルを収容するための電気キャビテ
ィと、
流体を収容して前記複数の電池セ
ルの温度を調節するための熱管理部
品と、
前記放圧機
構が作動する時に、前記放圧機
構が設けられた前記電池セ
ルからの排出物を収集するための収集キャビテ
ィとを含み、ここで、前記熱管理部
品は前記電気キャビテ
ィと前記収集キャビテ
ィを隔離するためのものであり、前記収集キャビテ
ィに支持部
材が設置され、前記支持部
材は前記収集キャビテ
ィの圧壊強度を高めるためのものであるこ
とと、
前記複数の電池セ
ルを前記電気キャビテ
ィに収容するこ
ととを含む
、電池を製造する方法。
【請求項32】
電池を製造する装置であって、
複数の電池セ
ルを提供するための第1の提供モジュー
ルであって、前記複数の電池セ
ルの少なくとも一つの電池セ
ルは放圧機
構を含み、前記放圧機
構は、前記放圧機
構が設けられた電池セ
ルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すためのものである第1の提供モジュー
ルと、
筐
体を提供するための第2の提供モジュー
ルであって、前記筐
体は、
前記複数の電池セ
ルを収容するための電気キャビテ
ィと、
流体を収容して前記複数の電池セ
ルの温度を調節するための熱管理部
品と、
前記放圧機
構が作動する時に、前記放圧機
構が設けられた前記電池セ
ルからの排出物を収集するための収集キャビテ
ィとを含み、
ここで、前記熱管理部
品は前記電気キャビテ
ィと前記収集キャビテ
ィを隔離するためのものであり、前記収集キャビテ
ィに支持部
材が設置され、前記支持部
材は前記収集キャビテ
ィの圧壊強度を高めるためのものである第2の提供モジュー
ルと、
前記複数の電池セ
ルを前記電気キャビテ
ィに収容するための取り付けモジュー
ルとを含む
、電池を製造する装置。
【国際調査報告】