(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】充放電回路、充放電システム及び充放電制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231023BHJP
B60L 58/25 20190101ALI20231023BHJP
【FI】
H02J7/00 L
H02J7/00 P
H02J7/00 S
B60L58/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524100
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2022088187
(87)【国際公開番号】W WO2023010894
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/110706
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】黄孝鍵
(72)【発明者】
【氏名】但志敏
(72)【発明者】
【氏名】潘先喜
(72)【発明者】
【氏名】高錦鳳
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA08
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5G503DA08
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5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
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5H125DD02
5H125EE21
5H125EE51
5H125FF16
(57)【要約】
本出願は、充放電回路、充放電システム及び充放電制御方法を開示した。この充放電回路は、給電モジュールと、スイッチモジュールと、エネルギー貯蔵モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールと給電モジュールとは、並列に接続され、エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、スイッチモジュールに接続され、エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、充放電切り替えモジュールに接続され、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させるために用いられる。本出願の充放電回路において、そのスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させることができ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱し、モータの振動雑音を効果的に抑制することができ、従来の動力電池加熱技術がモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で発生したモータ振動雑音が大きすぎるという問題を解決した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電回路であって、
給電モジュールと、スイッチモジュールと、エネルギー貯蔵モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
前記スイッチモジュールと、前記充放電切り替えモジュールと、前記給電モジュールとは、並列に接続され、
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールに接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールに接続され、
前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、前記充放電回路に交流電流を発生させるために用いられ、前記交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする充放電回路。
【請求項2】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路との接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、前記充放電イネーブル信号に基づいてオン又はオフにされるために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の充放電回路。
【請求項3】
前記第一の切り替え回路は、上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、下アームを含み、
前記上アームと前記下アームとの接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項4】
前記上アームは、第一のスイッチを含み、前記下アームは、第二のスイッチを含み、又は、
前記上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、前記下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
前記第一のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記第一のダイオードの正極は、前記第二のダイオードの負極と接続され、前記第二のダイオードの正極は、前記第一の組電池の負極と接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の充放電回路。
【請求項5】
前記第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、前記第三のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項6】
前記第一の切り替え回路は、前記第三のダイオードと前記給電モジュールの正極との間に直列に接続される第四のスイッチをさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載の充放電回路。
【請求項7】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記給電モジュールの負極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項8】
前記第二の切り替え回路は、前記第四のダイオードと前記給電モジュールの負極との間に直列に接続される第六のスイッチをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充放電回路。
【請求項9】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードと、第六のスイッチとを含み、前記第四のダイオードの負極は、前記第六のスイッチによって前記給電モジュールの負極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータを含み、
前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記M相アーム回路のM個の上下アーム接続点は、前記第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールは、前記第一のM相モータの中性点と接続される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、前記第一のM相モータの中性点と前記充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続される少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の充放電回路。
【請求項12】
前記少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、第二のM相モータを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、
前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、前記M個の上アームは、前記M個の下アームと一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールのM個の上下アーム接続点は、前記第二のM相モータのM個の巻線と一対一に対応して接続される、ことを特徴とする請求項11に記載の充放電回路。
【請求項13】
前記少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、前記第一のM相モータの中性点と前記充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続されるインダクタ及び/又はキャパシタを含む、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の充放電回路。
【請求項14】
前記給電モジュールは、少なくとも一つの組電池を含む、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項15】
前記給電モジュールに含まれる組電池の両端には、キャパシタが並列に接続されている、ことを特徴とする請求項14に記載の充放電回路。
【請求項16】
充放電切り替えモジュールの両端には、キャパシタが並列に接続されている、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項17】
充放電システムであって、
制御モジュールと、請求項1から16のいずれか1項に記載の充放電回路とを含み、
前記制御モジュールは、前記充放電回路に充放電イネーブル信号を送信して前記給電モジュールの充放電を制御するために用いられる、ことを特徴とする充放電システム。
【請求項18】
前記充放電システムは、前記充放電回路と接続される充電装置をさらに含み、
前記充電装置は、前記充放電回路によって前記給電モジュールに含まれる組電池を充電するために用いられる、ことを特徴とする請求項17に記載の充放電システム。
【請求項19】
充放電制御方法であって、
請求項17又は18に記載の充放電システムに用いられ、前記方法は、
充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、前記充電回路と前記放電回路に交流電流を発生させることを含み、前記交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする充放電制御方法。
【請求項20】
予め設定される周波数で前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールに充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信し、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールが動作するように制御し、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することをさらに含む、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、
前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを含む、ことを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームを遮断させ、前記第一の切り替え回路を遮断させ、且つ前記第二の切り替え回路をオンにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームを遮断させ、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記第一の切り替え回路をオンにし、且つ前記第二の切り替え回路を遮断させ、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームを遮断させ、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記第一の切り替え回路をオンにし、且つ前記第二の切り替え回路を遮断させ、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームを遮断させ、前記第一の切り替え回路を遮断させ、且つ前記第二の切り替え回路をオンにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、前記第三のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオフにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第一の切り替え回路は、前記第三のダイオードと前記給電モジュールの正極との間に直列に接続される第四のスイッチをさらに含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アーム及び前記第四のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アーム及び前記第四のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記給電モジュールの負極と接続され、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオフにし、前記第一の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオフにし、前記第二の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードと、第六のスイッチとを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記第六のスイッチによって前記給電モジュールの負極と接続され、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオフにし、前記第一の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第六のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオフにし、前記第二の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと、第二のM相モータとを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アーム及び前記充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記充放電切り替えモジュールのすべての上アーム及び前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと、第二のM相モータとを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記充放電切り替えモジュールのすべての上アームと前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させる前に、前記方法は、
前記給電モジュールの充電状態を決定することと、
前記充電状態が第一の予め設定される閾値よりも大きい場合、前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させるステップを実行することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記給電モジュールの温度が予め設定される温度に達しており、及び/又は前記給電モジュールの温度上昇が異常である場合、充放電を停止するよう前記給電モジュールに指示するための充放電停止信号を前記スイッチモジュールに送信することをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記エネルギー貯蔵モジュールの作動状態を取得することと、
前記エネルギー貯蔵モジュールが非駆動状態にある場合、前記スイッチモジュールに前記充放電イネーブル信号を送信することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記給電モジュールが充放電条件を満たすことを指示するための充放電要求を受信することをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項34】
動力装置であって、請求項18又は19に記載の充放電システムを含み、前記充放電システムの給電モジュールは、前記動力装置のために電源を提供するために用いられる、ことを特徴とする動力装置。
【請求項35】
電子機器であって、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記プログラムを実行して、請求項21から33のいずれか1項に記載の方法を実現する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項36】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、このプログラムは、プロセッサによって実行されて、請求項21から33のいずれか1項に記載の方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池充電技術分野に関し、具体的に、充放電回路、充放電システム及び充放電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー技術の発展に伴い、動力電池は、新エネルギー車両、消費電子、エネルギー貯蔵システムなどの分野に広く応用されている。動力電池は、エネルギー密度が高く、サイクル充電が可能であり、安全と環境保護などの利点を有する。動力電池の温度が低すぎる場合、その使用は、ある程度で制限されている。具体的には、動力電池の温度が低すぎる場合、その放電容量は、減衰するとともに、動力電池の温度が低すぎる場合に動力電池を充電することができない。そのため、動力電池を正常に使用することができるようにするために、温度が低すぎる動力電池を加熱する必要がある。従来の動力電池加熱技術は、モータ回路を利用して動力電池を加熱する過程においてモータ振動雑音が大きすぎるという問題がある。
【発明の概要】
【0003】
上記問題に鑑み、本出願は、従来の動力電池加熱技術がモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で発生したモータ振動雑音が大きすぎるという問題を解決できる充放電回路、充放電システム及び充放電制御方法を提供する。
【0004】
第一の態様によれば、本出願は、充放電回路を提供し、この充放電回路は、給電モジュールと、スイッチモジュールと、エネルギー貯蔵モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
前記スイッチモジュールと、前記充放電切り替えモジュールと、前記給電モジュールとは、並列に接続され、
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールに接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールに接続され、
前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、前記充放電回路に交流電流を発生させるために用いられ、前記交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含む。
【0005】
第一の態様による技術案では、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させることができ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱し、モータの振動雑音を効果的に抑制することができ、従来の動力電池加熱技術がモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で発生したモータ振動雑音が大きすぎるという問題を解決した。
【0006】
いくつかの実施例では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路との接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、前記充放電イネーブル信号に基づいてオン又はオフにされるために用いられる。
【0007】
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフし、スイッチモジュールの動作に合わせ、該当する充放電回路を形成し、充放電回路に交流電流を発生させ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱することができる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、下アームを含み、
前記上アームと前記下アームとの接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続される。
【0009】
充放電切り替えモジュールの上アームと下アームは、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフし、スイッチモジュールの動作に合わせ、該当する充放電回路を形成し、充放電回路に交流電流を発生させることができる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記上アームは、第一のスイッチを含み、前記下アームは、第二のスイッチを含み、又は、
前記上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、前記下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
前記第一のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記第一のダイオードの正極は、前記第二のダイオードの負極と接続され、前記第二のダイオードの正極は、前記第一の組電池の負極と接続される。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、前記第三のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続される。
【0012】
第三のダイオードと第三のスイッチは、充放電切り替えモジュールを構成し、構造が簡単であり、コストを低減させ、第三のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、前記第三のダイオードと前記給電モジュールの正極との間に直列に接続される第四のスイッチをさらに含む。
【0014】
第四のスイッチは、第一の切り替え回路のオンオフ制御方式をより多様且つ柔軟にすることができ、より多様な異なるトポロジー構造を形成する充放電回路に適用される。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記給電モジュールの負極と接続される。
【0016】
第四のダイオードと第五のスイッチは、充放電切り替えモジュールを構成し、構造が簡単であり、コストを低減させ、第四のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第二の切り替え回路は、前記第四のダイオードと前記給電モジュールの負極との間に直列に接続される第六のスイッチをさらに含む。
【0018】
第六のスイッチは、第二の切り替え回路のオンオフ制御方式をより多様且つ柔軟にすることができ、より多様な異なるトポロジー構造を形成する充放電回路に適用される。
【0019】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードと、第六のスイッチとを含み、前記第四のダイオードの負極は、前記第六のスイッチによって前記給電モジュールの負極と接続される。
【0020】
いくつかの実施例では、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータを含み、
前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記M相アーム回路のM個の上下アーム接続点は、前記第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールは、前記第一のM相モータの中性点と接続される。
【0021】
第一のM相モータの三相巻線は、電気エネルギーを蓄積し、放電回路に給電モジュールにより放出される電気エネルギーを吸収して蓄積するために用いられる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記エネルギー貯蔵モジュールは、前記第一のM相モータの中性点と前記充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続される少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材をさらに含む。
【0023】
エネルギー貯蔵部材は、給電モジュールにより放出される電気エネルギーを蓄積するように補助することによって、放電回路に給電モジュールにより放出されるより多くの電気エネルギーを吸収して蓄積し、充電回路に給電モジュールへの充電電流を大きくし、給電モジュールに対する加熱効率を向上させる。
【0024】
いくつかの実施例では、前記少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、第二のM相モータを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、
前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、前記M個の上アームは、前記M個の下アームと一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールのM個の上下アーム接続点は、前記第二のM相モータのM個の巻線と一対一に対応して接続される。
【0025】
第二のM相モータは、給電モジュールにより放出される電気エネルギーを蓄積するように補助することによって、放電回路に給電モジュールにより放出されるより多くの電気エネルギーを吸収して蓄積し、給電モジュールを充電する時の充電電流を大きくし、加熱効率を向上させる。
【0026】
いくつかの実施例では、前記少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、前記第一のM相モータの中性点と前記充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続されるインダクタ及び/又はキャパシタを含む。
【0027】
インダクタ又はキャパシタは、給電モジュールにより放出される電気エネルギーを蓄積するように補助することによって、放電回路に給電モジュールにより放出されるより多くの電気エネルギーを吸収して蓄積し、給電モジュールを充電する時の充電電流を大きくし、加熱効率を向上させる。
【0028】
いくつかの実施例では、前記給電モジュールは、少なくとも一つの組電池を含む。
【0029】
いくつかの実施例では、前記給電モジュールに含まれる組電池の両端には、キャパシタが並列に接続されている。
【0030】
キャパシタは、電圧の安定化とノイズ除去の役割を果たすことができる。
【0031】
いくつかの実施例では、前記充放電切り替えモジュールの両端には、キャパシタが並列に接続されている。キャパシタは、電圧の安定化とノイズ除去の役割を果たすことができる。
【0032】
第二の態様によれば、本出願は、充放電システムを提供し、この充放電システムは、制御モジュールと、第一の態様に記載の充放電回路とを含み、
前記制御モジュールは、前記充放電回路に充放電イネーブル信号を送信して前記給電モジュールの充放電を制御するために用いられる。
【0033】
第二の態様による充放電システムの技術案は、第一の態様の充放電回路を含み、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、制御モジュールにより送信される充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させることができ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱し、モータの振動雑音を効果的に抑制することができ、従来の動力電池加熱技術がモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で発生したモータ振動雑音が大きすぎるという問題を解決した。
【0034】
いくつかの実施例では、前記充放電システムは、前記充放電回路と接続される充電装置をさらに含み、
前記充電装置は、前記充放電回路によって前記給電モジュールに含まれる組電池を充電するために用いられる。
【0035】
充電装置は、給電モジュールに含まれる組電池を充電することで、給電モジュールの組電池の加熱レートを速めることができる。
【0036】
第三の態様によれば、本出願は、充放電制御方法を提供し、この充放電制御方法は、第二の態様に記載の充放電システムに用いられ、前記方法は、
充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、前記充電回路と前記放電回路に交流電流を発生させることを含み、前記交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0037】
第三の態様による技術案は、第二の態様に記載の充放電システムに用いられ、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、制御モジュールにより送信される充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱し、モータの振動雑音を効果的に抑制することができ、従来の動力電池加熱技術がモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で発生したモータ振動雑音が大きすぎるという問題を解決した。
【0038】
いくつかの実施例では、前記方法は、
予め設定される周波数で前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールに充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信し、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールが動作するように制御し、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することをさらに含む。
【0039】
予め設定される周波数で充電回路と放電回路を交互に形成することによって、給電モジュールに熱を発生させるレートを速めることができる。
【0040】
いくつかの実施例では、前記交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、
前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを含む。
【0041】
充電回路と放電回路は、給電モジュールを充放電し、給電モジュールに熱を発生させるために用いられる。
【0042】
いくつかの実施例では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームを遮断させ、前記第一の切り替え回路を遮断させ、且つ前記第二の切り替え回路をオンにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームを遮断させ、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記第一の切り替え回路をオンにし、且つ前記第二の切り替え回路を遮断させ、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む。
【0043】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ及び第一の切り替え回路と第二の切り替え回路のオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、充放電回路に交流電流を発生させ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱する。
【0044】
いくつかの実施例では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームを遮断させ、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記第一の切り替え回路をオンにし、且つ前記第二の切り替え回路を遮断させ、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームを遮断させ、前記第一の切り替え回路を遮断させ、且つ前記第二の切り替え回路をオンにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む。
【0045】
いくつかの実施例では、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、前記第三のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオフにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0046】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ及び第三のスイッチのオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、この過程で第三のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0047】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、前記第三のダイオードと前記給電モジュールの正極との間に直列に接続される第四のスイッチをさらに含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アーム及び前記第四のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アーム及び前記第四のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0048】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ、第三のスイッチのオンオフ及び第四のスイッチのオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、この過程で第三のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0049】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記給電モジュールの負極と接続され、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオフにし、前記第一の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオフにし、前記第二の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0050】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ、第五のスイッチのオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、この過程で第四のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0051】
いくつかの実施例では、前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードと、第六のスイッチとを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記第六のスイッチによって前記給電モジュールの負極と接続され、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオフにし、前記第一の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第六のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオフにし、前記第二の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0052】
いくつかの実施例では、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと、第二のM相モータとを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アーム及び前記充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記充放電切り替えモジュールのすべての上アーム及び前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0053】
第二のM相モータは、エネルギー貯蔵部材として、エネルギー貯蔵モジュールの放電時のエネルギーを吸収して蓄積し、充電回路を形成した後に蓄積されたエネルギーをエネルギー貯蔵モジュールにチャージすることによって、エネルギー貯蔵モジュールに対する充電と放電のエネルギーを大きくすることができる。
【0054】
いくつかの実施例では、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと、第二のM相モータとを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記充放電切り替えモジュールのすべての上アームと前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0055】
いくつかの実施例では、前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させる前に、前記方法は、
前記給電モジュールの充電状態を決定することと、
前記充電状態が第一の予め設定される閾値よりも大きい場合、前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させるステップを実行することとをさらに含む。
【0056】
給電モジュールの充電状態が第一の予め設定される閾値よりも大きい場合、給電モジュールの電力量は、比較的に十分であり、前記の、前記制御モジュールにより送信される充放電イネーブル信号に応答して、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させるステップを実行することによって交流電流を形成し、この交流電流が給電モジュール内に熱を発生させ、加熱効率を向上させることができる。
【0057】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記給電モジュールの温度が予め設定される温度に達しており、及び/又は前記給電モジュールの温度上昇が異常である場合、充放電を停止するよう前記給電モジュールに指示するための充放電停止信号を前記スイッチモジュールに送信することをさらに含む。
【0058】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記エネルギー貯蔵モジュールの作動状態を取得することと、
前記エネルギー貯蔵モジュールが非駆動状態にある場合、前記スイッチモジュールに前記充放電イネーブル信号を送信することとをさらに含む。
【0059】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記給電モジュールが充放電条件を満たすことを指示するための充放電要求を受信することをさらに含む。
【0060】
第四の態様によれば、本出願は、動力装置を提供し、この動力装置は、第二の態様による充放電システムを含み、前記充放電システムの給電モジュールは、前記動力装置のために電源を提供するために用いられる。
【0061】
第四の態様の動力装置は、第二の態様による充放電システムを含み、充放電システムにおけるスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、制御モジュールにより送信される充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させることができ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱し、モータの振動雑音を効果的に抑制することができ、従来の動力電池加熱技術がモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で発生したモータ振動雑音が大きすぎるという問題を解決した。
【0062】
第五の態様によれば、本出願は、電子機器を提供し、この電子機器は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記プログラムを実行して、第三の態様による方法を実現する。第五の態様の技術案は、第三の態様による方法が達することができる有益な技術的効果を達成することができる。
【0063】
第六の態様によれば、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、このコンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、このプログラムは、プロセッサによって実行されて、第三の態様による方法を実現する。第六の態様の技術案は、第三の態様による方法が達することができる有益な技術的効果を達成することができる。
【0064】
上記説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術手段をより明確に理解することができるようにするために、明細書の内容に従って実施することができ、且つ本出願の上記と他の目的、特徴と利点をより明確に分かりやすくするために、以下は、特に本出願の具体的な実施の形態を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
以下の好ましい実施の形態に対する詳細な記述を読むことによって、当業者にとって、様々な他の利点及び有益点が明らかになる。図面は、好ましい実施の形態を示すためにのみ使用され、本出願に対する制限とは考えられない。且つ全ての図面において、同じ図面符号で同じ部材を示す。図面において、
【
図1】従来の充放電システムの回路構造ブロック図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施の形態の充放電回路の構造ブロック図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施の形態の充放電回路の構造ブロック図である。
【
図5】
図4に示す回路によって形成される電流と時間の関係図である。
【
図8(a)】本出願の一例の充放電回路の回路図である。
【
図8(b)】本出願の一例の充放電回路の回路図である。
【
図9】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの構造ブロック図である。
【
図10】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの構造ブロック図である。
【
図11】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの構造ブロック図を示した。
【
図12】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの放電回路概略図である。
【
図13】
図12に示す回路によって形成される電流と時間の関係図である。
【
図14】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの充電回路概略図である。
【
図15】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの放電回路概略図である。
【
図16】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの充電回路概略図である。
【
図17】本出願のいくつかの実施の形態の充放電制御方法のフローチャートである。
【
図18】本出願のいくつかの実施の形態の充放電制御方法のフローチャートである。
【
図19】本出願のいくつかの実施の形態の充放電システムの制御回路の概略構造図である。
【
図20】本出願のいくつかの実施の形態の電子機器の構造ブロック図である。
【
図21】本出願のいくつかの実施の形態のコンピュータ可読記憶媒体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下は、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳細に記述する。以下の実施例は、本出願の技術案をより明瞭に説明するためにのみ使用されるため、例としてのみ使用され、これによって本出願の保護範囲を制限することができない。
【0067】
特に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術と科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0068】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「第一」「第二」などは、異なる対象を区別するためにのみ使用され、相対的な重要性を指示又は暗示し、又は指示された技術特徴の数、特定の順序又は主従関係を非明示的に指示すると理解できない。本出願の実施例の記述において、「複数」とは、明確かつ具体的に限定されない限り、二つ以上を意味する。
【0069】
本明細書に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記述された実施例が他の実施例と組み合わされることが可能であることを明示的かつ非明示的に理解することができる。
【0070】
本出願の実施例の記述において、用語である「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、Aが存在するケース、AとBとが同時に存在するケース、Bが存在するケースの3つのケースを表してもよい。また、本明細書におけるキャラクタである「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0071】
本出願の実施例の記述において、用語である「複数」とは、二つ以上(二つを含む)であり、同様に、「複数組」とは、2組以上(2組を含む)であり、「複数枚」とは、2枚以上(2枚を含む)である。
【0072】
本出願の実施例の記述において、用語である「第一」、「第二」、「第三」などは、異なる対象を区別するためにのみ使用され、相対的な重要性を指示又は暗示し、又は指示された技術特徴の数、特定の順序又は主従関係を非明示的に指示すると理解できない。理解すべきこととして、用語である「第一」、「第二」、「第三」などは、異なる対象を区別するために用いられるが、これらの対象は、これらの用語の制限を受けない。
【0073】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「中心」「縦方向」「横方向」「長さ」「幅」「厚さ」「上」「下」「前」「後」「左」「右」「鉛直」「水平」「頂」「底」「内」「外」「時計回り」「反時計回り」「軸方向」「径方向」「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本出願の実施例を記述し、記述を簡略化することを容易にするためだけであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願の実施例に対する制限と理解することができない。
【0074】
本出願の実施例の記述において、特に明確に規定と限定しない限り、技術用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体になってもよく、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接に繋がってもよく、中間媒体を介して間接的に繋がってもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本出願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0075】
時代の発展に伴い、新エネルギー自動車は、その環境保護性、低騒音、低使用コストなどの利点から、巨大な市場見通しを有し、且つ省エネと汚染物質の排出削減を効果的に促進することができ、社会の発展と進歩に有利である。
【0076】
動力電池の電気化学特性により、低温環境で、動力電池の充放電気エネルギー力は、大幅に制限され、冬の顧客の車の使用体験に大きく影響する。そのため、動力電池を正常に使用することができるようにするために、低温環境で動力電池を加熱する必要がある。
【0077】
本出願の実施例における動力電池は、リチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池などであってもよく、ここで限定しない。規模から見ると、本出願の実施例における電池は、セル単体であってもよく、電池モジュール又は電池パックであってもよく、ここで限定しない。応用シナリオから見ると、電池は、自動車、汽船などの動力装置内に適用できる。例えば、動力自動車内に応用してもよく、動力自動車のモータに給電し、電気自動車の動力源とする。電池はさらに、電気自動車における他の電力消費デバイスに給電し、例えば車内エアコン、車載プレーヤーなどに給電してもよい。
【0078】
記述の便宜上、以下、動力電池を新エネルギー自動車(動力自動車)に応用することを実施例にして記述する。
【0079】
駆動モータ及びその制御システムは、新エネルギー自動車のコア部材の一つであり、その駆動特性は、自動車走行の主な性能指標を決めている。新エネルギー自動車のモータ駆動システムは、主に電動機(即ちモータ)、パワー変換器、モータコントローラ(例えば、インバータ)、様々な検出センサ及び電源などの部分で構成される。モータは、電磁誘導原理を応用して運行する回転電磁機械であり、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換を実現するために用いられる。運行時に電気システムから電気パワーを吸収し、機械システムに機械パワーを出力する。
【0080】
動力電池を加熱する時に必要のないコストが増えないように、モータ回路を利用して動力電池を加熱することができる。
【0081】
図1は、従来の充放電システムの回路図を示した。
図1に示すように、この充放電システム100は、給電モジュール110と、給電モジュール110に接続されるスイッチモジュール120と、スイッチモジュール120に接続されるモータ巻線130とを含んでもよい。充放電システムが動力電池を加熱するために用いられるため、充放電システムは、動力電池加熱システムと呼ばれてもよい。
【0082】
給電モジュール110に対し、動力電池そのものを採用して実現してもよいし、外部給電モジュール、例えば充電スタンドを採用して実現してもよい。この外部給電モジュールにより提供される加熱エネルギーは、例えば、外付け直流充電器により出力されるものであってもよく、又は外付け交流充電器が整流した後に出力したものであってもよく、これに対して具体的に限定しない。
【0083】
スイッチモジュール120に対し、様々なタイプのスイッチを採用して実現してもよい。例えば、このスイッチモジュール120は、モータ駆動システムにおけるインバータによって実現してもよく、ここで、このインバータは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)のアームスイッチを採用して実現してもよい。具体的には、このインバータのアーム数は、モータ巻線130における巻線数と同じである。例えば、このモータ巻線130が三相巻線を含む場合、このインバータは、三相アームを含み、即ちU相アームと、V相アームと、W相アームとを含む。ここで、この三相アームのうちの各相アームはいずれも、上アームと下アームを有し、その上アームと下アームには、それぞれスイッチユニットが設置され、即ちスイッチモジュール120は、U相アームにおける上アームスイッチ121と下アームスイッチ122、V相アームにおける上アームスイッチ123と下アームスイッチ124、及びW相アームにおける上アームスイッチ125と下アームスイッチ126をそれぞれ含む。
【0084】
モータ巻線130に対し、U相アームに繋がる巻線131と、V相アームに繋がる巻線132と、W相アームに繋がる巻線133とを具体的に含んでもよい。ここで、巻線131の端は、U相アームのうちの上アームと下アームとの接続点に繋がり、巻線132の端は、V相アームのうちの上アームと下アームとの接続点に繋がり、巻線133の端は、W相アームのうちの上アームと下アームとの接続点に繋がる。巻線131の他端、巻線132の他端と巻線133の他端は、接続される。
【0085】
説明すべきこととして、このモータ巻線130は、三相モータに限らず、六相モータなどであってもよく、これに応じて、このスイッチモジュール120は、六相アームを含んでもよい。
【0086】
いくつかの実施例では、スイッチモジュール120におけるスイッチの周期的なオンオフを制御することによって電流を変調してもよい。例えば、インバータにおけるターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチの周期的なオンオフを制御することによって電流を変調する。一例において、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ121である場合、ターゲット下アームスイッチは、下アームスイッチ124及び/又は下アームスイッチ126である。別の例において、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ123である場合、ターゲット下アームスイッチは、下アームスイッチ122及び/又は下アームスイッチ126である。別の例において、ターゲット上アームスイッチが上アームスイッチ125である場合、ターゲット下アームスイッチは、下アームスイッチ122及び/又は下アームスイッチ124である。
【0087】
説明すべきこととして、各周期におけるターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチを周期的にオンと遮断することは、同じであってもよく、異なってもよく、ここで限定しない。例えば、各周期において、いずれも上アームスイッチ121と下アームスイッチ124のオンと遮断を制御する。また例えば、一番目の周期において、上アームスイッチ121と下アームスイッチ124のオンと遮断を制御し、二番目の周期において、上アームスイッチ123と下アームスイッチ122のオンと遮断を制御し、三番目の周期において、上アームスイッチ121、下アームスイッチ124と下アームスイッチ126のオンと遮断を制御し、即ち異なる周期において、制御されるターゲット上アームスイッチと下アームスイッチは、異なってもよい。
【0088】
ターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチの周期的なオンと遮断を制御することによって、給電モジュールとターゲット上アームスイッチとターゲット下アームスイッチとモータ巻線との間に形成される異なる回路における電流方向が異なり、それによって交流電流を発生させた。即ち給電モジュールは、交互に充電と放電を行う。
【0089】
ここで、ターゲットオンスイッチは、少なくとも一つの上アームスイッチと、少なくとも一つの下アームスイッチとを含み、少なくとも一つの上アームスイッチと少なくとも一つの下アームスイッチは、異なるアームに位置する。
【0090】
図1に示す充放電システムを採用し、モータ巻線を流れる電流が3相非対称であり、且つ電流周波数が高いため、モータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で、モータ振動雑音が大きすぎるという問題が存在する。
【0091】
図2を参照すると、本出願の一つの実施例は、充放電回路を提供し、この充放電回路は、給電モジュールと、スイッチモジュールと、エネルギー貯蔵モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールと給電モジュールとは、並列に接続され、
エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、スイッチモジュールに接続され、エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、充放電切り替えモジュールに接続され、
スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させるために用いられ、交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含む。
【0092】
疑似三角波は、三角波をもとに波形が変化することによって形成されたものである。疑似三角波は、三角波の歪みによって発生した波形であってもよく、又は、三角波を変調することによって発生した波形であってもよい。例えば、電磁干渉などの要因の影響により、三角波の波形に歪みが生じ、正規の三角波と比べて、疑似三角波の波形に違いがあり、誤差が比較的に大きい場合、疑似三角波と正常三角波の波形との差は、比較的に大きく、誤差が比較的に小さい場合、疑似三角波と正常三角波の波形との差は、比較的に小さい。波形が歪んでいる場合は、例えば、波形曲線にバリが発生すること、波形曲線に比較的に大きい凹み又は突起などが形成されることを含んでもよい。
【0093】
疑似正弦波は、正弦波に基づいて波形が変化することによって形成されたものである。疑似正弦波は、正弦波の歪みによって発生した波形であってもよく、又は正弦波を変調することによって発生した波形であってもよい。例えば、電磁干渉などの要因の影響により、正弦波の波形に歪みが生じ、正規の正弦波と比べ、疑似正弦波の波形に違いがあり、誤差が比較的に大きい場合、疑似正弦波と正常正弦波との波形差は、比較的に大きく、誤差が比較的に小さい場合、疑似正弦波と正常正弦波との波形差は、比較的に小さい。波形が歪んでいる場合、例えば、波形曲線にバリが発生すること、波形曲線に比較的に大きい凹み又は突起などが形成されることを含んでもよい。
【0094】
スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、充放電回路に交流電流を発生させることができ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱し、モータの振動雑音を効果的に抑制することができ、従来の動力電池加熱技術がモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で発生したモータ振動雑音が大きすぎるという問題を解決した。
【0095】
いくつかの実施の形態では、給電モジュールは、少なくとも一つの組電池を含んでもよい。給電モジュールに含まれる組電池の両端には、キャパシタが並列に接続されてもよい。
【0096】
図3を参照すると、いくつかの実施の形態では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路と第二の切り替え回路との接続点は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、第一の切り替え回路と第二の切り替え回路は、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフするために用いられる。
【0097】
第一の切り替え回路と第二の切り替え回路は、充放電イネーブル信号のトリガーでオン又はオフし、スイッチモジュールの動作に合わせ、該当する充放電回路を形成し、充放電回路に交流電流を発生させ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱することができる。
【0098】
充放電切り替えモジュールは、第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路との二つの切り替え回路を含み、この二つの切り替え回路を利用して充電回路又は放電回路を形成するように充放電回路を制御することを容易にする。具体的には、第一の切り替え回路、第二の切り替え回路とスイッチモジュールのオン又はオフを制御することによって、給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールとの間に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、充放電回路に交流電流を発生させることによって、給電モジュールに含まれる組電池を加熱する効果を実現する。
【0099】
第一の切り替え回路と第二の切り替え回路との接続点は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続されるが、エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、スイッチモジュールと接続され、スイッチモジュール、第一の切り替え回路と第二の切り替え回路を合理的に制御することによって、給電モジュールとエネルギー貯蔵モジュールの間に交互に充放電することを実現することができ、それによって給電モジュールにおける組電池の内部抵抗を発熱させ、組電池内部から自己加熱する効果に達し、且つ組電池内部から自己加熱し、加熱効率がより高くなる。
【0100】
いくつかの実施の形態では、エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータを含み、スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、M相アーム回路のM個の上下アーム接続点は、第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、充放電切り替えモジュールは、第一のM相モータの中性点と接続される。Mは、3の正整数倍の値であり、例えば3又は6などであってもよい。第一のM相モータの三相巻線は、電気エネルギーを蓄積し、放電回路に給電モジュールにより放出される電気エネルギーを吸収して蓄積するために用いられる。第一のM相モータ巻線を流れる各相電流が対称であり、大きさが等しく、且つ位相が同じであり、それによってモータ回路を利用して給電モジュールを加熱する過程でモータによる振動雑音を効果的に抑制することができ、モータ回路を利用して動力電池を加熱する過程でモータ振動雑音が大きすぎるという従来の技術における問題を解決した。
【0101】
いくつかの実施の形態では、エネルギー貯蔵モジュールはさらに、エネルギー貯蔵モジュールの第二端と充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続される少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材を含んでもよい。この少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、エネルギー貯蔵モジュールの電気エネルギー貯蔵量をさらに増やしており、給電モジュールにより放出される電気エネルギーを蓄積するように第一のM相モータを補助することによって、放電回路に給電モジュールにより放出されるより多くの電気エネルギーを吸収して蓄積し、充電回路に給電モジュールへの充電電流を大きくし、放電回路に給電モジュールの放電電流を大きくし、給電モジュールを充電する時の充電時間長及び給電モジュールを放電する時の放電時間長を長くし、給電モジュールに対する加熱効率を向上させ、給電モジュールに対する加熱時間長を短縮する。
【0102】
いくつかの実施の形態では、少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端と充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続されるインダクタ及び/又はキャパシタを含む。インダクタ又はキャパシタは、給電モジュールにより放出される電気エネルギーを蓄積するように補助することによって、放電回路に給電モジュールにより放出されるより多くの電気エネルギーを吸収して蓄積し、給電モジュールを充電する時の充電電流を大きくし、加熱効率を向上させる。
【0103】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、第三のダイオードの負極は、給電モジュールの正極と接続される。第三のダイオードと第三のスイッチは、充放電切り替えモジュールを構成し、構造が簡単であり、コストを低減させ、第三のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0104】
図4に示す例の充放電回路を参照すると、動力電池B1を含み、V1~V7は、いずれも絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と略称され、D1~D7は、いずれも還流ダイオードであり、K1は、リレースイッチであり、Lは、インダクタである。
図4の例において、エネルギー貯蔵モジュールは、三相モータを含み、LA、LBとLCは、それぞれこの三相モータの三相巻線であり、第一の切り替え回路は、ダイオードD7を含み、第二の切り替え回路は、スイッチV7を含み、ダイオードD7の負極は、給電モジュールの正極と接続され、給電モジュールは、動力電池B1を含む。充放電切り替えモジュールは、D7と、V7とを含む。スイッチモジュールは、三つのアーム回路を含み、一番目のアーム回路は、互いに接続される第一の上アームと、第一の下アームとを含み、第一の上アームは、並列に接続されるV1と、D1とを含み、第一の下アームは、並列に接続されるV4と、D4とを含み、二番目のアーム回路は、互いに接続される第二の上アームと、第二の下アームとを含み、第二の上アームは、並列に接続されるV2と、D2とを含み、第二の下アームは、並列に接続されるV5と、D5とを含み、三番目のアーム回路は、互いに接続される第三の上アームと、第三の下アームとを含み、第三の上アームは、並列に接続されるV3と、D3とを含み、第三の下アームは、並列に接続されるV6と、D6とを含む。第一の上アームと第一の下アームとのアーム接続点は、LAに接続され、第二の上アームと第二の下アームとのアーム接続点は、LBに接続され、第三の上アームと第三の下アームとのアーム接続点は、LCに接続される。K1は、Lと三相巻線の中性点との間に接続される。LA、LBとLCの中性点は、K1の端に接続され、K1の他端は、Lの端に接続され、Lの他端と第一の切り替え回路は、第二の切り替え回路の接続点と接続される。D7の負極は、B1の正極と接続される。
図4の例において、B1に並列に接続されるキャパシタC1をさらに含む。制御モジュールは、モータコントローラ又は他のコントローラであってもよい。Lは、前述したエネルギー貯蔵部材とされる。
【0105】
図4を参照すると、第一の段階において、V1、V2、V3、V7は、同時にオンになり、インダクタ両端の電位差は、電池電圧から管電圧降下を差し引いたものである。インダクタ両端の電圧がインダクタの電流方向と同方向である場合、インダクタは、エネルギーを貯蔵し、電流は、IP1まで徐々に増える。第二の段階において、V1、V2、V3、V7は、同時に遮断され、インダクタの両端の電位差は、電池電圧にD4、D5、D6、D7の電圧降下を加えたものであり、インダクタの両端の電圧が逆方向であり、電流方向が変わらない場合、インダクタは、蓄積されたエネルギーを徐々に放出し、母線電流方向は、負方向であり、電流大きさは、IP2から徐々に0に下がる。形成される電流と時間との関係図は、
図5に示す通りである。
【0106】
本実施例の回路構造は、スイッチコストを節約することができ、本実施例における第四のアームは、一つの還流ダイオードD7とトランジスタV7のみを採用しており、コストは、大幅に下がり、還流ダイオードD7は、受動制御であり、能動的に制御する必要がなく、スイッチ制御ポリシーを簡略化した。
【0107】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、第三のダイオードと給電モジュールの正極との間に直列に接続される第四のスイッチをさらに含む。第四のスイッチは、第一の切り替え回路のオンオフ制御方式をより多様且つ柔軟にすることができ、より多様な異なるトポロジー構造を形成する充放電回路に適用される。
【0108】
図6に示す一例の充放電回路を参照すると、動力電池B1を含み、キャパシタC1、V1~V7は、いずれも絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と略称され、D1~D7は、いずれも還流ダイオードであり、K1は、リレースイッチであり、Lは、インダクタであり、LA、LBとLCは、それぞれ三相モータの三つの巻線インダクタである。
図6に示す充放電回路において、第一の切り替え回路は、直列に接続されるK1と、ダイオードD7とを含み、即ちK1は、前述した第四のスイッチとし、第二の切り替え回路は、スイッチV7を含む。制御モジュールは、モータコントローラであってもよい。
図4に示す回路との違いは、
図6に示される回路において、K1がB1の正極とD7の負極との間に接続される点にある。
【0109】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、第四のダイオードの正極は、給電モジュールの負極と接続される。第四のダイオードと第五のスイッチは、充放電切り替えモジュールを構成し、構造が簡単であり、コストを低減させ、第四のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0110】
図7に示す例による充放電回路において、その回路構造と
図4に示す回路構造との違いは、第一の切り替え回路がV7を含み、第二の切り替え回路がD7を含み、D7の正極がB1の負極と接続される点だけである。
【0111】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、第二の切り替え回路は、直列に接続される第六のスイッチと、第四のダイオードとを含み、第六のスイッチは、第四のダイオードと給電モジュールの負極との間に直列に接続される。第六のスイッチは、第二の切り替え回路のオンオフ制御方式をより多様且つ柔軟にすることができ、より多様な異なるトポロジー構造を形成する充放電回路に適用される。
【0112】
図8(a)に示す一つの実施例による充放電回路において、その第二の切り替え回路は、直列に接続されるスイッチK1と、ダイオードD7とを含む。
図8(a)に示す回路構造と
図7に示す回路構造との違いは、K1がD7とB1負極の間に位置する点だけである。
【0113】
図8(b)に示す回路構造と
図8(a)に示す回路構造との違いは、
図8(b)に示す回路構造におけるD7の負極がK1によってB1の負極と接続される点だけである。
【0114】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、上アームを含み、第二の切り替え回路は、下アームを含み、上アームと下アームとの接続点は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端に接続される。
【0115】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路の上アームは、第一の上アームと呼ばれてもよく、第一の上アームは、第一のスイッチを含み、第二の切り替え回路の下アームは、第一の下アームと呼ばれてもよく、第一の下アームは、第二のスイッチを含む。第一の上アームと第一の下アームとの接続点は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端に接続される。
【0116】
いくつかの実施の形態では、第一の上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、第一の下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
第一のダイオードの負極は、給電モジュールの正極と接続され、第一のダイオードの正極は、第二のダイオードの負極と接続され、第二のダイオードの正極は、第一の組電池の負極と接続される。
【0117】
図15と
図16に示すように、いくつかの実施例では、少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、第二のM相モータを含み、第一のM相モータの中性点は、第二のM相モータの中性点と接続され、
第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、第二の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の下アームを含み、M個の上アームは、M個の下アームと一対一に対応して接続され、
充放電切り替えモジュールのM個の上下アーム接続点は、第二のM相モータのM個の巻線と一対一に対応して接続される。
【0118】
第二のM相モータは、給電モジュールにより放出される電気エネルギーを蓄積するように補助することによって、放電回路に給電モジュールにより放出されるより多くの電気エネルギーを吸収して蓄積し、給電モジュールを充電する時の充電電流を大きくし、加熱効率を向上させる。
【0119】
図9に示すように、本出願の別の実施例は、充放電システムを提供しており、この充放電システムは、制御モジュールと、上記いずれか一つの実施の形態の充放電回路とを含み、制御モジュールは、充放電回路に充放電イネーブル信号を送信して給電モジュールの充放電を制御するために用いられる。
【0120】
いくつかの実施の形態では、充放電システムは、充放電回路に接続される充電装置をさらに含み、充電装置は、充電放電回路によって給電モジュールに含まれる組電池を充電するために用いられる。充電装置は、給電モジュールに含まれる組電池を充電することで、給電モジュールの組電池の加熱レートを速めることができる。
【0121】
図10に示すように、いくつかの実施の形態では、充放電切り替え回路は、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、制御モジュールは、充放電切り替え回路と接続される。
【0122】
本実施例の充放電システムは、上記実施の形態の充放電回路と同じである有益な技術的効果を有する。
【0123】
図11は、本出願の別の実施例による充放電システム200の概略ブロック図を示した。この充放電システム200は、複数の第一の巻線210と、少なくとも一つのインダクタ220と、第一のスイッチ群230と、第二のスイッチ群240と、給電モジュール250と、制御モジュール260とを含む。
【0124】
これらの複数の第一の巻線210は、第一のモータにおけるすべての巻線であってもよく、この第一のモータは、三相モータ又は六相モータであってもよい。
【0125】
選択的に、この少なくとも一つのインダクタ220は、この第一のモータの中性点に繋がる外付けインダクタであってもよい。
【0126】
選択的に、この少なくとも一つのインダクタ220は、第二のモータにおける少なくとも一つの巻線であってもよい。さらに、この少なくとも一つのインダクタ220は、第二のモータにおけるすべての巻線であってもよく、この第二のモータは、三相モータ又は六相モータであってもよい。
【0127】
この第一のスイッチ群230は、これらの複数の第一の巻線210に、この第二のスイッチ群240は、この少なくとも一つのインダクタ220に繋がる。理解すべきこととして、この「繋がり」は、物理関係上の直接的な接続であってもよく、他のデバイスによって繋がることであってもよい。
【0128】
第一のスイッチ群230は、前記実施の形態におけるスイッチモジュールに相当し、第二のスイッチ群240は、前記実施の形態における充放電切り替えモジュールに相当する。
【0129】
この制御モジュール260は、この第一のスイッチ群230とこの第二のスイッチ群240のスイッチ状態を制御し、この第一のスイッチ群230とこれらの複数の第一の巻線210とこの少なくとも一つのインダクタ220とこの第二のスイッチ群240とこの給電モジュール250との間の回路を形成することで、電流が動力電池内に熱を発生させ、この動力電池を加熱するために用いられる。
【0130】
本出願の実施例では、これらの複数の第一の巻線を流れる電流の大きさは、等しく、且つ位相は、同じである。
【0131】
制御モジュール260は、第一のスイッチ群230と第二のスイッチ群240におけるスイッチの周期的なオンと遮断を制御することによって、給電モジュール250と第一のスイッチ群230と第二のスイッチ群240と複数の第一の巻線210と少なくとも一つのインダクタ220との間に形成される回路に交流電流を発生させた。例えば、一番目の周期内において、制御モジュール260は、第一のスイッチ群230と第二のスイッチ群240におけるスイッチを制御することで電流方向が給電モジュールの正方向から負方向に流入し、即ち放電回路である第一の回路を形成し、二番目の周期において、制御モジュール260は、第一のスイッチ群230と第二のスイッチ群240におけるスイッチを制御することで電流方向が給電モジュールの負方向から正方向に流入し、即ち充電回路である第二の回路を形成し、この第一の回路とこの第二の回路は、電流に動力電池内に熱を発生させることによって、動力電池を加熱するために用いられる。
【0132】
また、第一のスイッチ群230と第二のスイッチ群240におけるスイッチを周期的にオンと遮断することは、予め設定される周波数で第一のスイッチ群230と第二のスイッチ群240におけるスイッチを交互にオンと遮断することである。
【0133】
一方向巻線の起磁力は、空間において階段状に分布しており、時間とともに電流の変化の法則に従って交番する脈振動起磁力である。三相モータにおける三つの単相巻線の起磁力を重ね合わせると、三相巻線の合成磁界となる。一般的には、加熱過程で三相モータの三相巻線に流れる電流は、大きさが完全に等しいわけではなく、その中の二相巻線を流れる電流は、位相が互いに180o異なり、位相差のない二相電流の大きさは、等しい。それにより、モータ巻線を流れる電流三相が互いに対称でなく、且つ電流周波数が高いことによって動力電池の加熱中のモータ振動雑音が大きいという問題になる。本出願において、第一のモータに属するすべての巻線に流入する電流の大きさが等しく、且つ位相が同じになるように制御することによって、第一のモータ回路を利用して動力電池を加熱する時発生した振動雑音は、効果的に抑制されることができる。それと同時に、第一のモータが運転しないようにし、モータ内のロータが発熱する問題を解決することもでき、それによって電池の自己加熱使用時間を延長することができる。
【0134】
選択的に、本出願の実施例では、この充放電システム200は、第一のモータと、少なくとも一つのインダクタと、スイッチモジュールと、充放電切り替えモジュールと、制御モジュール260と、給電モジュール250とを含み、このスイッチモジュールは、第一のスイッチ群230を含み、第一のスイッチ群230は、第一のアーム群である。この充放電切り替えモジュールは、第二のスイッチ群240を含み、第二のスイッチ群240は、第二のアーム群であり、この第一のアーム群とこの第二のアーム群における各アームは、上アームと、下アームとをそれぞれ含み、この第一のアーム群における各アームの上アームと下アームとの接続点は、この第一のモータにおけるすべての巻線と一対一に対応して繋がり、この第二のアーム群における各アームの上アームと下アームとの接続点は、少なくとも一つのインダクタと一対一に対応して繋がり、この第一のアーム群とこの第二のアーム群は、いずれも給電モジュールに並列に接続される。つまり、この第一のモータに含まれる巻線は、複数の第一の巻線210であり、且つこれらの複数の第一の巻線210は、この第一のモータにおけるすべての巻線である。
【0135】
この制御モジュール260は、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号を送信するために用いられ、第一の加熱信号は、放電イネーブル信号とも呼ばれ、この第一の加熱信号は、この第一のアーム群のすべての上アームのオン、この第一のアーム群のすべての下アームの遮断、この第二のアーム群のすべての下アームのオン、及びこの第二のアーム群のすべての上アームの遮断を制御し、この第一のアーム群のすべての上アームとこの第一のモータにおけるすべての巻線とこの少なくとも一つのインダクタとこの第二のアーム群のすべての下アームとこの給電モジュールとの間の第一の回路を形成するために用いられ、また、この制御モジュール260は、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第二の加熱信号を送信するために用いられ、第二の加熱信号は、充電イネーブル信号とも呼ばれ、この第二の加熱信号は、この第一のアーム群のすべての下アームのオン、この第一のアーム群のすべての上アームの遮断、この第二のアーム群のすべての上アームのオン、及びこの第二のアーム群のすべての下アームの遮断を制御し、この第一のアーム群のすべての下アームとこの第一のモータにおけるすべての巻線とこの少なくとも一つのインダクタとこの第二のアーム群のすべての上アームとこの給電モジュールとの間の第二の回路を形成するために用いられ、この第一の回路とこの第二の回路は、電流に動力電池内に熱を発生させ、この動力電池を加熱するために用いられる。
【0136】
ここで、この第一のモータにおけるすべての巻線を流れる電流の大きさは、等しく、且つ位相は、同じである。
【0137】
第一のモータにおけるすべての巻線に流入する電流の大きさが等しく、且つ位相が同じになるように制御することによって、この第一のモータの回路を利用して動力電池を加熱する時、第一のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。また、本出願による充放電システムは、この第一のモータを運転させることなく、第一のモータにおけるロータが発熱する問題を解決することができ、それによって電池の自己加熱使用時間を延長する。
【0138】
選択的に、本出願の実施例では、この少なくとも一つのインダクタは、この第一のモータの中性点に繋がる外付けインダクタである。選択的に、この外付けインダクタは、外付け導線によって置き換えられてもよい。
【0139】
選択的に、本出願の実施例では、この少なくとも一つのインダクタは、第二のモータにおけるすべての巻線であり、且つこの第二のモータにおけるすべての巻線を流れる電流の大きさは、等しく、且つ位相は、同じである。
【0140】
第二のモータにおけるすべての巻線に流入する電流の大きさが等しく、且つ位相が同じになるようにさらに制御することによって、この第一のモータ及び第二のモータの回路を利用して動力電池を加熱する時、モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。また、本出願による充放電システムは、この第一のモータと第二のモータを運転させることなく、モータにおけるロータが発熱する問題を解決することができ、それによって電池の自己加熱使用時間を延長する。
【0141】
以下、
図12と
図14を結びつけながら、本出願の実施例による充放電システム300の回路図を詳細に記述する。
図12と
図14に示すように、第一のモータは、三相モータであり、これらの複数の第一の巻線は、三相モータにおける三相巻線であり、即ちそれぞれ巻線311、巻線312及び巻線313であり、この少なくとも一つのインダクタは、この三相モータの中性点に繋がる一つの外付けインダクタ321である。この第一のアーム群は、アーム331と、アーム332と、アーム333とを含む。この第二のスイッチ群は、外付けアーム341を含む。
図3と
図4に示す回路構造において、第一の切り替え回路は、第一の上アームを含み、第二の切り替え回路は、第一の下アームを含み、第一の上アームと第一の下アームとの接続点は、エネルギー貯蔵モジュールの第二端に接続される。第一の上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、第一の下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、第一のダイオードの負極は、給電モジュールの正極と接続され、第一のダイオードの正極は、第二のダイオードの負極と接続され、第二のダイオードの正極は、第一の組電池の負極と接続される。外付けアーム341は、充放電切り替えモジュールとされる。上アーム3411は、第一の上アームとし、下アーム3412は、第一の下アームとされる。
【0142】
いくつかの変形する実施の形態では、第一の上アームは、第一のスイッチのみを含むが、第一のダイオードを含まなくてもよく、第一の下アームは、第二のスイッチのみを含むが、第二のダイオードを含まなくてもよい。
【0143】
具体的には、アーム331の上アーム3311と下アーム3312との接続点は、巻線311の端に繋がり、アーム332の上アーム3321と下アーム3322との接続点は、巻線312の端に繋がり、アーム333の上アーム3331と下アーム3332との接続点は、巻線313の端に繋がり、外付けアーム341の上アーム3411と下アーム3412との接続点は、外付けインダクタ321の端に繋がり、巻線311の他端と巻線312の他端と巻線313の他端と外付けインダクタ321の他端とは、共同で接続される。
【0144】
給電モジュール350、上アーム3311~3331、巻線311~313、外付けインダクタ321及び下アーム3412は、放電回路を共同で形成し、
図12に示すように、同様に、給電モジュール350、下アーム3312~3332、巻線311~313、外付けインダクタ321及び上アーム3411は、充電回路を共同で形成し、
図14に示す通りである。ここで、制御モジュール(図示せず)の制御で、充電回路と放電回路は、周期的に交互にオンにする。
【0145】
図12と
図14に示す実施の形態では、第一のモータにおける巻線311~313に流入する電流大きさと位相が同じになるように制御することによって、この第一のモータの回路を利用して動力電池を加熱する時、モータの振動雑音を効果的に抑制することができる。且つ本出願の実施例による充放電システムがこの第一のモータを運転させることなく、モータにおけるロータが発熱する問題を解決することができ、それによって電池の自己加熱使用時間を延長する。
【0146】
巻線311~313は、入力巻線としてもよく、外付けインダクタ321は、出力巻線としてもよい。代わりに、巻線311~313は、出力巻線としてもよく、外付けインダクタ321は、入力巻線としてもよい。巻線311~313に繋がる三相アームの上アームと、外付けインダクタ321に繋がる外付けアームの下アームがスイッチのオン又はオフを同時に保ち、巻線311~313に繋がる三相アームの下アームと、外付けインダクタに繋がる外付けアームの上アームがスイッチのオン又はオフを同時に保つことを保証すれば、
図12に示す放電回路と
図14に示す充電回路を実現することができる。
【0147】
図12を参照すると、すべてスイッチ管のオン方式を採用すると、母線電流の方向は、三角波として表示され、
図13に示す通りである。スイッチ管のオンを主とし、インダクタ電圧方向は、正から負に変わり、インダクタは、エネルギーを放出するが、スイッチ管のオンにより、電池がインダクタを逆方向に充電することができるため、母線上の電流は、徐々に0に低下する。次の段階に入り、インダクタエネルギーは、放出された後、電池は、インダクタを充電し、インダクタ電流方向は、前の段階と逆である。この時、インダクタ電圧は、電流方向と同じであり、インダクタは、エネルギーを貯蔵する。
【0148】
選択的に、外付けインダクタ321は、導線であってもよい。また、本出願の実施例は、外付けインダクタ321の数に対して限定しなくてもよい。
【0149】
選択的に、第一のモータは、六相モータであってもよく、これらの複数の第一の巻線は、六相モータにおけるすべての巻線であってもよい。この第一のモータにおけるすべての巻線を流れる電流の大きさが等しく、且つ位相が同じになるように制御すれば、モータの振動雑音を効果的に低減することができる。
【0150】
図15と
図16は、本出願の実施例による充放電システム500の回路図を記述する。
【0151】
図15と
図16に示すように、第一のモータは、三相モータであり、これらの複数の第一の巻線は、それぞれ巻線511、巻線512及び巻線513であり、この充放電システム500は、第二のモータをさらに含み、この第二のモータも、三相モータであり、且つこの少なくとも一つのインダクタは、それぞれ第二のモータにおける巻線521、巻線522及び巻線523である。この第一のアーム群は、アーム531と、アーム532と、アーム533とを含む。この第二のスイッチ群は、アーム541と、アーム542と、アーム543とを含む。
【0152】
具体的には、アーム531の上アーム5311と下アーム5312の接続点は、巻線511の端に繋がり、アーム532の上アーム5321と下アーム5322の接続点は、巻線512の端に繋がり、アーム533の上アーム5331と下アーム5332の接続点は、巻線513の端に繋がり、アーム541の上アーム5411と下アーム5412の接続点は、巻線521の端に繋がり、アーム542の上アーム5421と下アーム5422の接続点は、巻線522の端に繋がり、アーム543の上アーム5431と下アーム5432の接続点は、巻線523の端に繋がり、巻線511の他端、巻線512の他端、巻線513の他端、巻線521の他端、巻線522の他端及び巻線523の他端は、共同で接続される。
【0153】
給電モジュール550、上アーム5311~5331、巻線511~513、巻線521~523及び下アーム5412~5432は、放電回路を共同で形成し、
図15に示すように、同様に、給電モジュール550、下アーム5312~5332、巻線511~513、巻線521~523及び上アーム5411~5431は、充電回路を共同で形成し、
図16に示す通りである。ここで、制御モジュール(図示せず)の制御で、充電回路と放電回路は、周期的に交互にオンにする。
【0154】
図15と
図16に示す実施例では、第一のモータのすべての巻線511~513に流入する電流の大きさが等しく、且つ位相が同じになるように制御することによって、第一のモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で、第一のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。同様に、第二のモータのすべての巻線521~523に流出する電流の大きさが等しく、且つ位相が同じになるように制御することによって、第二のモータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で、第二のモータの振動雑音を効果的に抑制することができる。
【0155】
巻線511~513は、入力巻線としてもよく、巻線521~523は、出力巻線としてもよい。代わりに、巻線511~513は、出力巻線としてもよく、巻線521~523は、入力巻線としてもよい。巻線511~513に繋がる三相アームの上アームと巻線521~523に繋がる三相アームの下アームがスイッチのオン又は遮断を同時に保ち、巻線511~513に繋がる三相アームの下アームと巻線521~523に繋がる三相アームの上アームがスイッチのオン又は遮断を同時に保つことを保証すれば、
図15に示す放電回路と
図16に示す充電回路を実現することができる。
【0156】
選択的に、第一のモータは、六相モータであってもよく、第二のモータは、三相モータである。これらの複数の第一の巻線は、六相モータにおけるすべての巻線であり、この少なくとも一つのインダクタは、三相モータにおけるすべての巻線である。
【0157】
選択的に、第一のモータは、三相モータであってもよく、第二のモータは、六相モータであり、これらの複数の第一の巻線は、三相モータにおけるすべての巻線であり、この少なくとも一つのインダクタは、六相モータにおけるすべての巻線である。
【0158】
選択的に、第一のモータは、六相モータであり、第二のモータは、六相モータであり、これらの複数の第一の巻線は、六相モータにおけるすべての巻線であり、この少なくとも一つのインダクタは、六相モータにおけるすべての巻線である。
【0159】
選択的に、制御モジュールは、予め設定される周波数において、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を交互に送信するために用いられる。つまり、制御モジュールは、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号を送信する際に計時を開始し、所定時間後にスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第二の加熱信号を送信する。次に、制御モジュールは、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第二の加熱信号を送信する際に計時を開始し、所定時間後にスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号を再び送信し、このようにスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を繰り返して順次に送信する。
【0160】
選択的に、本出願の実施例では、この給電モジュールは、動力電池であり、この制御モジュールはさらに、この動力電池の充電状態SOCを決定し、このSOCが第一の閾値よりも大きい場合、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信し、言い換えれば、この回路を流れる電流を交流電流に変調し、このSOCがこの第一の閾値以下である場合、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第三の加熱信号を送信するために用いられ、この第三の加熱信号は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールにおけるスイッチのオン又は遮断を制御することによって、回路における電流方向を一定にし、即ちこの回路を流れる電流を直流電流に変調することによって、この第一のモータによる熱を車両冷却システムによって動力電池に伝送し、動力電池を加熱するために用いられる。
【0161】
充電状態(State Of Charge、SOC)とは、電池が、一定の放電倍率で、残存電力量と同じ条件における定格容量との比である。SOCは、電池管理システムの重要なパラメータの一つであり、自動車全体の充放電制御ポリシーと電池のバランス作動の根拠でもある。しかしながら、リチウム電池そのもの構造の複雑性のため、その充電状態は、直接な測定によって得られず、電池のいくつかの外部特性、例えば電池の内部抵抗、温度、電流などの関連パラメータに基づいて、関連する特性曲線又は計算式を利用してSOCに対する推定作動を完了することしかできない。
【0162】
本出願の実施例は、温度が比較的に低い動力電池を加熱するシナリオに適用できる。例えば、動力電池を加熱することによって、動力電池の温度が上昇し、組電池が正常に使用できる温度に達する具体的なシナリオに適用できる。具体的には、本出願の実施例において、動力電池のSOCが第一の閾値よりも大きい場合、回路を流れる電流を交流電流に変調し、交流電流を利用して動力電池内部抵抗によって発熱させることによって、動力電池を加熱することができ、加熱効率を向上させることができ、電池SOCが第一の閾値以下である場合、即ち、電池電力量が不足している場合、直流電流を利用して巻線に熱を発生させて動力電池を加熱することで、電力量消費を低減させ、充放電システムの柔軟性を向上させることができる。
【0163】
選択的に、制御モジュールは、最初に第一のスイッチ群と第二のスイッチ群を制御することで、モータ回路を流れる電流を直流電流にし、動力電池のSOCを周期的に決定してもよく、一旦動力電池のSOCが第一の閾値よりも大きいと決定すると、第一のスイッチ群と第二のスイッチ群を制御することで、モータ回路を流れる電流を交流電流にし、交流電流を利用して動力電池内部抵抗によって発熱することで、動力電池を加熱することによって、加熱効率を向上させることができる。
【0164】
いくつかの実施例では、空間ベクトル制御法(Space Vector Pulse Width Modulation、SVPWM)アルゴリズムを利用してモータ巻線における電流を直流電流又は交流電流に変調することができる。
【0165】
説明すべきこととして、モータ巻線に直流電流を流すと、モータの径方向の電磁力が下がり、モータロータの渦電流損失が低減され、それによってロータ発熱量は、低下する。そのため、モータ巻線に直流電流を流すと、モータロータ発熱量と電磁振動雑音は、低下する。
【0166】
選択的に、本出願の実施例では、この制御モジュールは、具体的に、第一のモータの作動状態を取得し、この第一のモータが非駆動状態にある場合、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信するために用いられる。
【0167】
モータの作動状態を判断することによって、モータが駆動状態にある時に動力電池を加熱し、さらに車両などの動力装置の性能に影響を与えることを防止する。
【0168】
さらに、この制御モジュールは、具体的に、第一のモータが非駆動状態にあり、且つ充放電システムに故障がない時、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信するために用いられる。
【0169】
説明すべきこととして、本出願の実施例では、電池加熱システムに故障があることは、第一のモータ、モータコントローラ、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール及び熱伝導回路などのうちのいずれか一つが故障したことである。しかし、熱伝導回路の故障は、連通弁の破損、熱伝導回路における媒体の不足などの問題を含むが、それらに限らない。
【0170】
選択的に、シフト位置情報とモータ回転速度情報を取得し、これに基づいて第一のモータが駆動状態か非駆動状態かを判断してもよい。具体的には、現在のシフト位置がPレンジであり、且つ車速が0であると判定する場合、第一のモータが非駆動状態にあることが表明され、現在のシフト位置がPレンジでなく、又は車速が0でないと判定する場合、第一のモータが駆動状態にあることが表明される。
【0171】
シフト位置情報とモータ回転速度情報によって判断し、いずれか一つの条件を満たさない場合、第一のモータに加熱信号を送信せず、車両が通常の走行状態で動力電池を加熱し、さらに車両性能に影響を与えることを防止する。
【0172】
選択的に、本出願の実施例では、この制御モジュールはさらに、電池管理システムBMSにより送信される加熱要求を受信するために用いられ、この加熱要求は、この動力電池が加熱条件を満たすことを指示するために用いられる。
【0173】
BMSにより送信される加熱要求を受信することで、制御モジュールは、動力電池をタイムリーに加熱し、車両などの動力装置の使用に影響を与えないようにすることができる。
【0174】
選択的に、本出願の実施例では、この制御モジュールはさらに、この動力電池の温度が予め設定される温度に達しており、又はこの動力電池の温度上昇が異常である場合、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに加熱停止信号を送信するために用いられ、この加熱停止信号は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御することで、給電モジュール、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール、第一のモータにおけるすべての巻線と少なくとも一つのインダクタの間に回路を構成せず、それによって動力電池の加熱を停止することができる。
【0175】
選択的に、本出願の実施例では、制御モジュールは、車両コントローラ(Vehicle control unit、VCU)及び/又はモータコントローラを含んでもよい。
【0176】
選択的に、VCUがBMSにより送信される加熱要求を受信した時、VCUは、モータコントローラに制御信号を送信してもよく、この制御信号は、動力電池を加熱することを指示するために用いられ、即ちこの制御信号は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに加熱信号を送信するようモータコントローラに指示するために用いられる。例えば、モータコントローラは、VCUにより送信される制御信号を受信した後に、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号を送信してもよく、この第一の加熱信号は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御することで、給電モジュール、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール及び第一のモータにおけるすべての巻線と少なくとも一つのインダクタの間に第一の回路を形成するために用いられ、所定時間後、モータコントローラは、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第二の加熱信号を送信し、この第二の加熱信号は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御することで、給電モジュール、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュール及び第一のモータにおけるすべての巻線と少なくとも一つのインダクタの間に第二の回路を形成するために用いられ、この第一の回路と第二の回路における電流方向は、逆であり、電流は、第一のモータにおけるすべての巻線から順に流入してから、少なくとも一つのインダクタから流出する。
【0177】
選択的に、
図12から
図16に示す充放電システムは、給電モジュールに並列に接続されるキャパシタCをさらに含み、それは、主に電圧の安定化とノイズ除去などの役割を果たす。
【0178】
以上は、本出願の実施例の充放電システムを詳細に記述しており、以下は、
図17と
図18を結びつけながら本出願の実施例の充放電制御方法を詳細に記述する。装置の実施例に記述された技術的特徴は、下記方法の実施例に適用される。
【0179】
図17は、本出願の実施例の充放電制御方法700の概略ブロック図を示しており、この充放電システムは、以上に記述されたいずれか一つの充放電システムである。この制御方法700は、充放電システムにおける制御モジュール、例えばVCU及び/又はモータコントローラによって実行されてもよく、この制御方法700は、以下のステップを含む。
【0180】
S710、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号を送信し、この第一の加熱信号は、第一のアーム群のすべての上アームのオン、第一のアーム群のすべての下アームの遮断、第二のアーム群のすべての下アームのオン、及び第二のアーム群のすべての上アームの遮断を制御し、第一のアーム群のすべての上アームと第一のモータにおけるすべての巻線と少なくとも一つのインダクタと第二のアーム群のすべての下アームと給電モジュールとの間の第一の回路を形成するために用いられ、
S720、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第二の加熱信号を送信し、この第二の加熱信号は、第一のアーム群のすべての下アームのオン、第一のアーム群のすべての上アームの遮断、第二のアーム群のすべての上アームのオン、及び第二のアーム群のすべての下アームの遮断を制御し、第一のアーム群のすべての下アームと第一のモータにおけるすべての巻線と少なくとも一つのインダクタと第二のアーム群のすべての上アームと給電モジュールとの間の第二の回路を形成するために用いられ、
ここで、この第一の回路とこの第二の回路は、電流に動力電池内に熱を発生させ、この動力電池を加熱するために用いられ、この第一のモータにおけるすべての巻線を流れる電流の大きさは、等しく、且つ位相は、同じである。
【0181】
選択的に、本出願の実施例では、この第一のモータは、三相モータである。
【0182】
選択的に、本出願の実施例では、この少なくとも一つのインダクタは、この第一のモータの中性点に繋がる外付けインダクタである。
【0183】
選択的に、本出願の実施例では、この少なくとも一つのインダクタは、第二のモータにおける少なくとも一つの巻線である。
【0184】
選択的に、本出願の実施例では、この充放電システムは、第二のモータをさらに含み、この少なくとも一つのインダクタは、この第二のモータにおけるすべての巻線であり、この第二のモータにおけるすべての巻線を流れる電流の大きさは、等しく、且つ位相は、同じである。
【0185】
選択的に、本出願の実施例では、VCUは、動力電池が加熱条件を満たすと判断する場合、モータコントローラに制御信号を送信してもよく、この制御信号は、動力電池を加熱することを指示するために用いられ、さらにモータコントローラは、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号を送信し、この第一の加熱信号は、第一のアーム群のすべての上アームと第一のモータにおけるすべての巻線と少なくとも一つのインダクタと第二のアーム群のすべての下アームと給電モジュールとの間に第一の回路を形成するように制御し、モータコントローラは、第一の加熱信号を送信した後の所定時間にスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第二の加熱信号を送信し、この第二の加熱信号は、第一のアーム群のすべての下アームと第一のモータにおけるすべての巻線と少なくとも一つのインダクタと第二のアーム群のすべての上アームと給電モジュールとの間に第二の回路を形成するように制御する。
【0186】
選択的に、本出願の実施例では、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信することは、予め設定される周波数において、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールにこの第一の加熱信号とこの第二の加熱信号を交互に送信することを含む。即ちこの第一の回路とこの第二の回路は、交互に形成される。
【0187】
選択的に、本出願の実施例では、この給電モジュールは、動力電池であり、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信することは、この動力電池の充電状態SOCを決定することと、このSOCが第一の閾値よりも大きい場合、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールにこの第一の加熱信号とこの第二の加熱信号を送信することとを含む。
【0188】
選択的に、本出願の実施例では、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信することは、第一のモータの作動状態を取得することと、この第一のモータが非駆動状態にある場合、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールにこの第一の加熱信号とこの第二の加熱信号を送信することとを含む。
【0189】
選択的に、本出願の実施例では、この制御方法は、動力電池の温度が予め設定される温度に達しており、又はこの動力電池の温度上昇が異常である場合、このスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに加熱停止信号を送信することをさらに含む。
【0190】
以下は、それぞれ
図12と
図14に示す充放電システム300及び
図15と
図16に示す充放電システム500を例にして本出願の実施例の充放電制御方法を詳細に記述し、
図18は、制御方法800の概略フローチャートを示しており、
図18に示すように、この制御方法800は、以下のステップを含む。
【0191】
S801、BMSは、電池パックの温度、SOC、電圧信号及び電流信号などの電池パラメータを収集する。
【0192】
S802、BMSは、電池の各パラメータに基づいて加熱条件を満たすか否かを判断し、満たす場合、SOC状態に基づいて該当する加熱要求をVCUに送信し、例えばVCUに予め設定される温度まで加熱する時必要な電気パワーを送信する。
【0193】
S803、BMS又はVCUは、電池SOCが第一の閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0194】
S804、SOCが第一の閾値よりも大きい場合、モータ回路を流れる交流電流による熱を利用して動力電池を加熱する。
【0195】
S805、SOCが第一の閾値以下である場合、モータ回路を流れる直流電流による熱を利用して動力電池を加熱する。
【0196】
S804の後、VCUは、第一のモータの現在の作動状態を読み取る。
【0197】
例えば、第一のモータが駆動状態(即ち作動状態)にある場合、VCUは、駆動信号をモータコントローラに送信する。このとき、モータコントローラがスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに周期駆動信号を送信し、スイッチオンの切り替えを行うようにアーム331~333とアーム341の上アームと下アームを制御し、動力電池電流のインバータ制御を実現する。第一のモータが非駆動状態にある場合、VCUは、制御信号をモータコントローラに送信する。このとき、モータコントローラは、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信し、アーム331~533の上アームとアーム341の下アームを交互に制御し、アーム331~533の下アームとアーム341の上アームは、スイッチのオンと遮断を同時に保つ。
【0198】
具体的には、アーム331~333の上アーム3311、3321及び3331とアーム341の下アーム3412がオンになり、アーム331~333の下アーム3312、3322及び3332とアーム341の上アーム3411が遮断される場合、このとき、電池350は、放電され、放電回路は、350(+)→(3311/3321/3331)→(311/312/313)→(321)→(3412)→350(-)であり、電流状態は、
図3に示す通りである。アーム331~333の下アーム3312、3322及び3332とアーム341の上アーム3411がオンになり、アーム331~333の上アーム3311、3321及び3331とアーム341の下アーム3412が遮断される場合、このとき、電池350は、充電され、充電回路は、350(-)→(3312/3322/3332)→(311/312/313)→(321)→(3411)→350(+)であり、電流状態は、
図14に示す通りである。
【0199】
また例えば、第一のモータが駆動状態(即ち作動状態)にある場合、VCUは、駆動信号をモータコントローラに送信する。このとき、モータコントローラは、アーム541~543の上アームと下アームが遮断状態に保つように制御し、アーム531~533の上アームと下アームは、モータコントローラにより送信される周期駆動信号に基づいてスイッチオンの切り替えを行い、電池電流のインバータ制御を実現する。第一のモータが非駆動状態にある場合、VCUは、制御信号をモータコントローラに送信する。このとき、モータコントローラは、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに第一の加熱信号と第二の加熱信号を送信し、アーム531~533の上アームとアーム541~543の下アームを交互に制御し、アーム531~533の下アームとアーム541~543の上アームは、スイッチのオンと遮断を同時に保つ。
【0200】
具体的には、アーム531~533の上アーム5311、5321及び5331とアーム541~543の下アーム5412、5422及び5432がオンになり、アーム531~533の下アーム5312、5322及び5332とアーム541~543の上アーム5411、5421及び5431が遮断される場合、このとき、電池550は、放電され、放電回路は、550(+)→(5311/5321/5331)→(511/512/513)→(521/522/523)→(5412/5422/5432)→550(-)であり、電流状態は、
図6に示す通りである。アーム531~533の下アーム5312、5322及び5332とアーム541~543の上アーム5411、5421及び5431がオンになり、アーム531~533の上アーム5311、5321及び5331とアーム541~543の下アーム5412、5422及び5432が遮断される場合、このとき、電池550は、充電され、充電回路は、550(-)→(5312/5322/5332)→(511/512/513)→(521/522/523)→(5411/5421/5431)→550(+)であり、電流状態は、
図16に示す通りである。
【0201】
S806、BMSは、組電池の温度が異常であるか否かを判断し、異常である場合、温度上昇異常情報をVCUに送信し、VCUは、温度上昇異常情報をモータコントローラに転送し、加熱を停止する。
【0202】
S807、S806が温度上昇に異常がないと判断する場合、BMSは、組電池の温度要求に達したか否かが判断、要求に達した場合、VCUは、加熱停止情報をモータコントローラに転送し、加熱を停止し、そうでなければ、S804/S805及びS806を繰り返す。
【0203】
充放電電流の大きさ又は周波数が異なると、発生した交流電波形は、異なり、本出願の実施例の充放電回路による波形は、これらの交流電波形のうちのいずれか一つであってもよい。
【0204】
本実施例による充放電制御方法は、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを制御することによって給電モジュール、スイッチモジュール、充放電切り替えモジュール、モータ巻線及びモータ巻線とは独立した少なくとも一つのインダクタの間に回路を形成するとともに、モータ巻線に流入する電流の大きさが等しく、且つ位相が同じになるように制御することによって、モータ回路を利用して動力電池を加熱する過程で、モータ振動雑音が大きすぎるという問題を効果的に低減することができる。
【0205】
図19は、本出願の実施例の充放電システムの制御回路900の概略ブロック図を示した。
図19に示すように、制御回路900は、プロセッサ920を含み、選択的に、この制御回路900は、メモリ910をさらに含み、ここで、メモリ910は、命令を記憶するために用いられ、プロセッサ920は、この命令を読み取り、この命令に基づいて前記本出願の様々な実施例の方法を実行するために用いられる。
【0206】
選択的に、このプロセッサ920は、上記いずれか一つの充放電システムにおける制御モジュールに対応する。
【0207】
選択的に、本出願の実施例は、動力装置をさらに提供し、この動力装置は、動力電池と、上記いずれか一つのこの充放電システムとを含み、この充放電システムは、この動力電池を加熱するために用いられ、この動力電池は、この動力装置のために電源を提供する。
【0208】
選択的に、本出願の別の実施例は、動力装置を提供し、上記いずれか一つの実施の形態の充放電システムを含み、充放電システムの給電モジュールは、動力装置のために電源を提供するために用いられる。選択的に、この動力装置は、動力自動車である。
【0209】
本出願の別の実施例は、上記いずれか一つの実施の形態の充放電システムに用いられる充放電制御方法を提供し、この制御方法の実行本体は、制御モジュールであり、この制御方法は、
制御モジュールが充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、充電回路と放電回路に交流電流を発生させることを含み、交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含む。
【0210】
いくつかの実施の形態では、方法は、
制御モジュールが予め設定される周波数でスイッチモジュールと充放電切り替えモジュールに充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信し、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールが動作するように制御し、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することをさらに含む。
【0211】
予め設定される周波数で充電回路と放電回路を交互に形成することによって、給電モジュールに熱を発生させるレートを速めることができる。
【0212】
いくつかの実施の形態では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
が充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、スイッチモジュールのすべての下アームを遮断し、第一の切り替え回路を遮断し、且つ第二の切り替え回路をオンにし、スイッチモジュールの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路と給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームを遮断し、スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、第一の切り替え回路をオンにし、且つ第二の切り替え回路を遮断し、スイッチモジュールの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の切り替え回路と給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む。
【0213】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ及び第一の切り替え回路と第二の切り替え回路のオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、充放電回路に交流電流を発生させ、交流電流が給電モジュールに熱を発生させることによって、給電モジュールを加熱する。
【0214】
いくつかの実施の形態では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
が充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームを遮断し、スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、第一の切り替え回路をオンにし、且つ第二の切り替え回路を遮断し、スイッチモジュールの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第一の切り替え回路と給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、スイッチモジュールのすべての下アームを遮断し、第一の切り替え回路を遮断し、且つ第二の切り替え回路をオンにし、スイッチモジュールの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第二の切り替え回路と給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む。
【0215】
いくつかの実施の形態では、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、第三のダイオードの負極は、給電モジュールの正極と接続され、第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
が充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームと第三のスイッチをオンにし、スイッチモジュールのすべての下アームを遮断し、スイッチモジュールの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第三のスイッチと給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、スイッチモジュールのすべての上アームと第三のスイッチをオフにし、スイッチモジュールの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第三のダイオードと給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0216】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ及び第三のスイッチのオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、この過程で第三のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0217】
具体的には、
図4に示す充放電回路を参照すると、
図4に示す充放電回路に基づいて行われる充放電制御方法に含まれるステップは、以下の通りである。
【0218】
ステップa1:モータコントローラは、自己加熱条件を自己診断し、動力電池の自己加熱条件を満たす場合、自己加熱コマンドを送信し、K1の閉じを制御する。
【0219】
ステップa2:まず、V1、V2、V3、V7を閉じ、三相インダクタLA、LB、LCを充電し、このとき、電流の路径は、動力電池B1正極→V1、V2、V3→三相インダクタLA、LB、LC→K1→インダクタL→V7→動力電池B1負極である。
【0220】
ステップa3:インダクタが一定の時間充電され、又は充電が完了した後に、V1、V2、V3、V7を遮断し、V4、V5、V6を閉じ、インダクタは、動力電池B1を充電し、このとき、電流の路径は、三相インダクタLA、LB、LC→K1→インダクタL→ダイオードD7→B1正極→B1負極→V4、V5、V6である。
【0221】
ステップa4:ステップa2とステップa3を繰り返すと、動力電池B1の充放電サイクルを完了し、動力電池の自己加熱機能を実現する。
【0222】
ステップa5:モータコントローラは、自己加熱終了条件に達したか否かを自己診断し、達していない場合、ステップa2、ステップa3とステップa4を繰り返し、達した場合、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を遮断した後にK1を遮断し、加熱モードを終了し、待機モードに入る。
【0223】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、直列に接続される第三のダイオードと給電モジュールの正極との間の第四のスイッチをさらに含み、
が充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームと第三のスイッチをオンにし、スイッチモジュールのすべての下アーム及び第四のスイッチをオフにし、スイッチモジュールの上アームとエネルギー貯蔵モジュールと第三のスイッチと給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての下アーム及び第四のスイッチをオンにし、スイッチモジュールのすべての上アームと第三のスイッチをオフにし、スイッチモジュールの下アームとエネルギー貯蔵モジュールと第三のダイオードと第四のスイッチと給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0224】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ、第三のスイッチのオンオフ及び第四のスイッチのオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、この過程で第三のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0225】
図6に示す回路を参照すると、
図6に示す充放電回路に基づいて行われる充放電制御方法に含まれるステップは、以下の通りである。
【0226】
ステップb1:モータコントローラは、自己加熱条件を自己診断し、電池の自己加熱条件を満たす場合、自己加熱コマンドを送信し、スイッチK1を閉じる。
【0227】
ステップb2:まず、V1、V2、V3、V7を閉じて三相インダクタLA、LB、LCを充電し、このとき、電流の路径は、動力電池B1正極→V1、V2、V3→三相インダクタLA、LB、LC→インダクタL→V7→動力電池B1負極である。
【0228】
ステップb3:インダクタが一定の時間充電され、又は充電が完了した後に、V1、V2、V3、V7を遮断し、V4、V5、V6を閉じ、インダクタは、動力電池B1を充電し、このとき、電流の路径は、三相インダクタLA、LB、LC→インダクタL→ダイオードD7→K1→B1正極→B1負極→V4、V5、V6である。
【0229】
ステップb4:ステップb2とb3を繰り返すと、電池の充放電サイクルを完了し、電池の自己加熱機能を実現する。
【0230】
ステップb5:モータコントローラは、自己加熱終了条件に達したか否かを自己診断し、終了しない場合、ステップb2、b3、b4を繰り返し、終了する場合、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を遮断した後に、K1を遮断し、加熱モードを終了し、待機モードに入る。
【0231】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、第四のダイオードの正極は、給電モジュールの負極と接続され、
充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての下アームと第五のスイッチをオンにし、スイッチモジュールのすべての上アームを遮断し、第五のスイッチとエネルギー貯蔵モジュールとスイッチモジュールの下アームと給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、スイッチモジュールのすべての下アームと第五のスイッチをオフにし、第四のダイオードとエネルギー貯蔵モジュールとスイッチモジュールの上アームと給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0232】
スイッチモジュールのすべての上アームのオンオフ、すべての下アームのオンオフ、第五のスイッチのオンオフを制御することによって、充電回路と放電回路の切り替えを実現しており、この過程で第四のダイオードを能動的に制御する必要がなく、それによって制御方式を簡略化した。
【0233】
図7に示す充放電回路を利用して充放電して、動力電池B1を加熱し、この充放電制御方法のステップは、以下のステップを含む。
【0234】
ステップc1:モータコントローラは、自己加熱条件を自己診断し、電池の自己加熱条件を満たす場合、自己加熱コマンドを送信し、スイッチK1を閉じる。
【0235】
ステップc2:まず、スイッチV7、V4、V5、V6を閉じ、三相インダクタLA、LB、LCを充電し、このとき、電流の路径は、電池正極→V7→インダクタL→スイッチK1→三相インダクタLA、LB、LC→V4、V5、V6→電池負極である。
【0236】
ステップc3:インダクタが一定の時間充電され、又は充電が完了した後に、スイッチV4、V5、V6、V7を遮断し、スイッチV1、V2、V3を閉じ、インダクタは、電池を充電し、このとき、電流の路径は、三相インダクタLA、LB、LC→V1、V2、V3→電池正極→電池負極→ダイオードD7→インダクタL→K1である。
【0237】
ステップc4:ステップc2とc3を繰り返すと、電池の充放電サイクルを完了し、電池の自己加熱機能を実現する。
【0238】
ステップc5:モータコントローラは、自己加熱終了条件に達したか否かを自己診断し、終了しない場合、ステップc2、c3、c4を繰り返し、終了する場合、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を遮断した後にK1を遮断し、加熱モードを終了し、待機モードに入る。
【0239】
いくつかの実施の形態では、第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、第二の切り替え回路は、第四のダイオードと、第六のスイッチとを含み、第四のダイオードの正極は、第六のスイッチによって給電モジュールの負極と接続され、
充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての下アームと第五のスイッチをオンにし、スイッチモジュールのすべての上アームをオフにし、第五のスイッチとエネルギー貯蔵モジュールとスイッチモジュールの下アームと給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームと第六のスイッチをオンにし、スイッチモジュールのすべての下アームと第五のスイッチをオフにし、第六のスイッチと第四のダイオードとエネルギー貯蔵モジュールとスイッチモジュールの上アームと給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0240】
図8(a)に示す充放電回路を利用して充放電して、動力電池B1を加熱し、充放電制御方法のステップは、以下のステップを含む。
【0241】
ステップd1:モータコントローラは、自己加熱条件を自己診断し、電池の自己加熱条件を満たす場合、自己加熱コマンドを送信し、スイッチK1を閉じる。
【0242】
ステップd2:まず、スイッチV7、V4、V5、V6を閉じ、三相インダクタLA、LB、LCを充電し、このとき、電流の路径は、電池正極→V7→インダクタL→三相インダクタLA、LB、LC→V4、V5、V6→電池負極である。
【0243】
ステップd3:インダクタが一定の時間充電され、又は充電が完了した後に、スイッチV4、V5、V6、V7を遮断し、スイッチV1、V2、V3を閉じ、インダクタは、電池を充電し、このとき、電流の路径は、三相インダクタLA、LB、LC→V1、V2、V3→電池正極→電池負極→K1→ダイオードD7→インダクタLである。
【0244】
ステップd4:ステップd2とd3を繰り返すと、電池の充放電サイクルを完了し、電池の自己加熱機能を実現する。
【0245】
ステップd5:モータコントローラは、自己加熱終了条件に達したか否かを自己診断し、終了しない場合にステップd2、d3、d4を繰り返し、終了する場合、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を遮断した後にK1を遮断し、加熱モードを終了し、待機モードに入る。
【0246】
図8(b)に示す充放電回路を利用して充放電して動力電池B1を加熱する場合、ステップd2をステップd’2に置き換え、まず、スイッチV4、V5、V6、K1を閉じ、V7を遮断し、三相インダクタLA、LB、LCを充電し、このとき、電流の路径は、電池正極→V1、V2、V3→三相インダクタLA、LB、LC→インダクタL→D7→K1→電池負極である。
【0247】
ステップd3をステップd’3に置き換え、インダクタが一定の時間充電され、又は充電が完了した後に、スイッチV4、V5、V6、K1を遮断し、スイッチV1、V2、V3とV7を閉じ、インダクタは、電池を充電し、このとき、電流の路径は、三相インダクタLA、LB、LC→インダクタL→V7→電池正極→電池負極→V4、V5、V6である。
【0248】
いくつかの実施の形態では、エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータを含み、スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、充放電回路は、直列に接続されるエネルギー貯蔵モジュールの第二端と充放電切り替えモジュールとの間の第二のM相モータをさらに含み、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、第二の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の下アームを含み、
充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アーム及び充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールの上アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、充放電切り替えモジュールのすべての上アーム及びスイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、給電モジュールとスイッチモジュールの下アームと第一のM相モータと第二のM相モータと充放電切り替えモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0249】
第二のM相モータは、エネルギー貯蔵部材として、エネルギー貯蔵モジュールの放電時のエネルギーを吸収して蓄積し、充電回路を形成した後に蓄積されたエネルギーをエネルギー貯蔵モジュールにチャージすることによって、エネルギー貯蔵モジュールに対する充電と放電のエネルギーを大きくすることができる。
【0250】
いくつかの実施の形態では、エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータを含み、スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、充放電回路は、直列に接続されるエネルギー貯蔵モジュールの第二端と充放電切り替えモジュールとの間の第二のM相モータをさらに含み、充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、第二の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の下アームを含み、
充放電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールと充放電切り替えモジュールを動作させ、充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、充放電切り替えモジュールのすべての上アームとスイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、給電モジュール、充放電切り替えモジュールの上アーム、第二のM相モータ、第一のM相モータとスイッチモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、スイッチモジュールのすべての上アームと充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、給電モジュール、充放電切り替えモジュールの下アーム、第二のM相モータ、第一のM相モータとスイッチモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む。
【0251】
本出願の別の実施例は、電子機器を提供し、この電子機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、プロセッサは、プログラムを実行して、上記いずれか一つの実施の形態の方法を実現する。
【0252】
図20に示すように、電子機器60は、プロセッサ600と、メモリ601と、バス602と、通信インターフェース603とを含んでもよく、プロセッサ600、通信インターフェース603とメモリ601は、バス602によって接続され、メモリ601には、プロセッサ600で運行できるコンピュータプログラムが記憶されており、プロセッサ600は、コンピュータプログラムを運行する時に本出願の前記いずれか一つの実施の形態による方法を実行する。
【0253】
ここで、メモリ601は、高速ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)を含んでもよく、さらに、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、少なくとも一つの磁気ディスクメモリを含んでもよい。少なくとも一つの通信インターフェース603(有線又は無線であってもよい)によってこのシステムネットワークエレメントと少なくとも一つの他のネットワークエレメントとの間の通信接続を実現し、インターネット、広域ネットワーク、ローカルネットワーク、メトロポリタンネットワークなどを使用してもよい。
【0254】
バス602は、ISAバス、PCIバス又はEISAバスなどであってもよい。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分けてもよい。ここで、メモリ601は、プログラムを記憶するために用いられ、プロセッサ600は、実行命令を受信した後に、プログラムを実行し、前記本出願の実施例のいずれか一つの実施の形態に掲示された方法は、プロセッサ600に応用してもよく、又はプロセッサ600により実現してもよい。
【0255】
プロセッサ600は、信号の処理能力を持つ集積回路チップであってもよい。実現プロセスにおいて、上記方法の各ステップは、プロセッサ600におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令によって完了してもよい。上記のプロセッサ600は、汎用プロセッサであってもよく、中央プロセッサ(Central Processing Unit、CPUと略称される)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、NPと略称される)などを含んでもよく、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、専用集積回路(ASIC)、既存のプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスターロジックデバイス、ディスクリートハードウェアアセンブリであってもよい。本出願の実施例に開示された各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又はこのプロセッサは、任意の一般的なプロセッサなどであってもよい。本出願の実施例を結び付けて開示された方法のステップは、ハードウェア復号化プロセッサにより実行されて完了し、又は復号化プロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュール組み合わせにより実行されて完了するように直接に具現化してもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ又は電気的に消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタなどの当分野で周知している記憶媒体に位置してもよい。この記憶媒体は、メモリ601に位置し、プロセッサ600は、メモリ601における情報を読み取り、そのハードウェアと結び付けて上記方法のステップを完了する。
【0256】
本出願の実施例による電子機器は、本出願の実施例による方法と同じ発明思想から由来し、その採用、運行又は実現する方法と同じである有益な効果を有する。
【0257】
本出願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するための可読記憶媒体をさらに提供し、このコンピュータプログラムは、前記本出願の様々な実施例の方法を実行するために用いられる。
【0258】
図21を参照すると、示されるコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラム(即ちプログラム製品)が記憶されている光ディスク80であり、コンピュータプログラムは、プロセッサによって運行される時、前記いずれかの実施の形態による方法を実行する。
【0259】
説明すべきこととして、コンピュータ可読記憶媒体の例はさらに、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他の光学、磁気的な記憶媒体を含んでもよいが、それらに限定しなく、ここで一々記述しない。
【0260】
本出願の上記実施例によるコンピュータ可読記憶媒体は、本出願の実施例による方法と同じ発明思想から由来し、記憶されるアプリケーションプログラムによって採用され、運行され、又は実現される方法と同じである有益な効果を有する。
【0261】
当業者であれば意識できるように、本明細書に開示された実施例を結び付けて記述された各例のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせで実現されることができる。これらの機能がハードウェア方式で実行されるかソフトウェア方式で実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計拘束条件によるものである。当業者は、各特定の応用に対して異なる方法を使用して、記述された機能を実現することができるが、このような実現は、本出願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0262】
当業者であればはっきりと分かるように、記述の利便性および簡潔性のために、以上に記述されたシステム、装置とユニットの具体的な作動プロセスは、前述方法の実施例における対応するプロセスを参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0263】
本出願によるいくつかの実施例では、理解すべきこととして、掲示されたシステム、装置と方法は、他の方式によって実現してもよい。例えば、以上に記述された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、例えばユニットの区分は、単なる論理的機能区分であり、実際に実現する時、別の区分方式があってもよく、例えば複数のユニット又はアセンブリは、別のシステムに結合してもよく、又は統合してもよく、又はいくつかの特徴が無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、表示又は討論された同士間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形式であってもよい。
【0264】
分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離してもよく、又は分離されなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理的ユニットであってもよく、又はそうではなくてもよく、一つの箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又はすべてのユニットを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0265】
また、本出願の各実施例における各機能ユニットが一つの処理ユニットに統合してもよく、各ユニットが物理的に単独で存在してもよく、二つ以上のユニットが一つのユニットに統合してもよい。
【0266】
機能がソフトウェア機能ユニットの形式で実現されかつ独立した製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶してもよい。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分又はこの技術案の部分がソフトウェア製品の形式によって具現化してもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体に記憶され、一台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例の方法の全部又は一部のステップを実行する若干の命令を含む。前述した記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶可能な媒体を含む。
【0267】
最後に説明すべきこととして、以上の各実施例が本出願の技術案を説明するためにのみ使用されるが、それに限定されるものではない。前記各実施例を参照しながら本出願を詳細に説明したが、当業者は、依然として前記各実施例に記載された技術案を修正し、又はその一部又は全ての技術特徴に同等の置き換えを行うことができるが、これらの修正又は置き換えは、該当する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではなく、それらがいずれも本出願の特許請求の範囲と明細書の範囲に含まれるべきであると理解すべきである。特に、構造衝突がない限り、各実施例に言及された各技術特徴は、いずれも任意の方式で組み合わせられてもよい。本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、請求項の範囲内に含まれる全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0268】
具体的な実施の形態における図面の符号は、以下の通りである。
充放電システム100、給電モジュール110、スイッチモジュール120、モータ巻線130、上アームスイッチ121、下アームスイッチ122、上アームスイッチ123、下アームスイッチ124、上アームスイッチ125、下アームスイッチ126、U相アームに繋がる巻線131、V相アームに繋がる巻線132、W相アームに繋がる巻線133、
充放電システム200、第一の巻線210、インダクタ220、第一のスイッチ群230、第二のスイッチ群240、給電モジュール250、制御モジュール260、
充放電システム300、巻線311、巻線312、巻線313、インダクタ321、アーム331、アーム332、アーム333、外付けアーム341、上アーム3411、下アーム3412、上アーム3311、下アーム3312、上アーム3321、下アーム3322、上アーム3331、下アーム3332、上アーム3411、下アーム3412、給電モジュール350、
充放電システム500、巻線511、巻線512、巻線513、巻線521、巻線522、巻線523、アーム531、アーム532、アーム533、アーム541、アーム542、アーム543、上アーム5311、下アーム5312、上アーム5321、下アーム5322、上アーム5331、下アーム5332、上アーム5411、下アーム5412、上アーム5421、下アーム5422、上アーム5431、下アーム5432、
電子機器60、プロセッサ600、メモリ601、バス602、通信インターフェース603、光ディスク80。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電回路であって、
給電モジュールと、スイッチモジュールと、エネルギー貯蔵モジュールと、充放電切り替えモジュールとを含み、
前記スイッチモジュールと、前記充放電切り替えモジュールと、前記給電モジュールとは、並列に接続され、
前記エネルギー貯蔵モジュールの第一端は、前記スイッチモジュールに接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端は、前記充放電切り替えモジュールに接続され、
前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールは、充放電イネーブル信号に応答して動作し、前記充放電回路に交流電流を発生させるために用いられ、前記交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする充放電回路。
【請求項2】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路との接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続され、
前記第一の切り替え回路と前記第二の切り替え回路は、前記充放電イネーブル信号に基づいてオン又はオフにされるために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の充放電回路。
【請求項3】
前記第一の切り替え回路は、上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、下アームを含み、
前記上アームと前記下アームとの接続点は、前記エネルギー貯蔵モジュールの第二端と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項4】
前記上アームは、第一のスイッチを含み、前記下アームは、第二のスイッチを含み、又は、
前記上アームは、並列に接続される第一のスイッチと、第一のダイオードとを含み、前記下アームは、並列に接続される第二のスイッチと、第二のダイオードとを含み、
前記第一のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記第一のダイオードの正極は、前記第二のダイオードの負極と接続され、前記第二のダイオードの正極は、前記第一の組電池の負極と接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の充放電回路。
【請求項5】
前記第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、前記第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、前記第三のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項6】
前記第一の切り替え回路は、前記第三のダイオードと前記給電モジュールの正極との間に直列に接続される第四のスイッチをさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載の充放電回路。
【請求項7】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記給電モジュールの負極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項8】
前記第二の切り替え回路は、前記第四のダイオードと前記給電モジュールの負極との間に直列に接続される第六のスイッチをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充放電回路。
【請求項9】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードと、第六のスイッチとを含み、前記第四のダイオードの負極は、前記第六のスイッチによって前記給電モジュールの負極と接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の充放電回路。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータを含み、
前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記M相アーム回路のM個の上下アーム接続点は、前記第一のM相モータのM相巻線と一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールは、前記第一のM相モータの中性点と接続される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、前記第一のM相モータの中性点と前記充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続される少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の充放電回路。
【請求項12】
前記少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、第二のM相モータを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、
前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、前記M個の上アームは、前記M個の下アームと一対一に対応して接続され、
前記充放電切り替えモジュールのM個の上下アーム接続点は、前記第二のM相モータのM個の巻線と一対一に対応して接続される、ことを特徴とする請求項11に記載の充放電回路。
【請求項13】
前記少なくとも一つのエネルギー貯蔵部材は、前記第一のM相モータの中性点と前記充放電切り替えモジュールとの間に直列に接続されるインダクタ及び/又はキャパシタを含む、ことを特徴とする請求項
11に記載の充放電回路。
【請求項14】
前記給電モジュールは、少なくとも一つの組電池を含む、ことを特徴とする請求項1から
9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項15】
前記給電モジュールに含まれる組電池の両端には、キャパシタが並列に接続されている、ことを特徴とする請求項14に記載の充放電回路。
【請求項16】
充放電切り替えモジュールの両端には、キャパシタが並列に接続されている、ことを特徴とする請求項1から
9のいずれか1項に記載の充放電回路。
【請求項17】
充放電システムであって、
制御モジュールと、請求項
1に記載の充放電回路とを含み、
前記制御モジュールは、前記充放電回路に充放電イネーブル信号を送信して前記給電モジュールの充放電を制御するために用いられる、ことを特徴とする充放電システム。
【請求項18】
前記充放電システムは、前記充放電回路と接続される充電装置をさらに含み、
前記充電装置は、前記充放電回路によって前記給電モジュールに含まれる組電池を充電するために用いられる、ことを特徴とする請求項17に記載の充放電システム。
【請求項19】
充放電制御方法であって、
請求項
17に記載の充放電システムに用いられ、前記方法は、
充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成し、前記充電回路と前記放電回路に交流電流を発生させることを含み、前記交流電流の波形は、三角波と、疑似三角波と、正弦波と、疑似正弦波とのうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする充放電制御方法。
【請求項20】
予め設定される周波数で前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールに充電イネーブル信号と放電イネーブル信号を交互に送信し、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールが動作するように制御し、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することをさらに含む、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記交互に切り替わる充電回路と放電回路は、
前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路と、
前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の回路とを含む、ことを特徴とする請求項
19に記載の方法。
【請求項22】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームを遮断させ、前記第一の切り替え回路を遮断させ、且つ前記第二の切り替え回路をオンにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームを遮断させ、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記第一の切り替え回路をオンにし、且つ前記第二の切り替え回路を遮断させ、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームを遮断させ、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記第一の切り替え回路をオンにし、且つ前記第二の切り替え回路を遮断させ、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することと、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームを遮断させ、前記第一の切り替え回路を遮断させ、且つ前記第二の切り替え回路をオンにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、第三のダイオードを含み、前記第三のダイオードの負極は、前記給電モジュールの正極と接続され、前記第二の切り替え回路は、第三のスイッチを含み、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオフにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第一の切り替え回路は、前記第三のダイオードと前記給電モジュールの正極との間に直列に接続される第四のスイッチをさらに含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アーム及び前記第四のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第二の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アーム及び前記第四のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第三のスイッチをオフにし、前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記第一の切り替え回路と前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記給電モジュールの負極と接続され、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオフにし、前記第一の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオフにし、前記第二の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の切り替え回路は、第五のスイッチを含み、前記第二の切り替え回路は、第四のダイオードと、第六のスイッチとを含み、前記第四のダイオードの正極は、前記第六のスイッチによって前記給電モジュールの負極と接続され、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての上アームをオフにし、前記第一の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記給電モジュールとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記第六のスイッチをオンにし、前記スイッチモジュールのすべての下アームと前記第五のスイッチをオフにし、前記第二の切り替え回路と前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記給電モジュールとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと、第二のM相モータとを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アーム及び前記充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記充放電切り替えモジュールのすべての上アーム及び前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記スイッチモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記充放電切り替えモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、第一のM相モータと、第二のM相モータとを含み、前記第一のM相モータの中性点は、前記第二のM相モータの中性点と接続され、前記スイッチモジュールは、M相アーム回路を含み、各相アーム回路は、直列に接続される上アームと、下アームとを含み、前記充放電切り替えモジュールは、直列に接続される第一の切り替え回路と、第二の切り替え回路とを含み、前記第一の切り替え回路は、M相アーム回路のM個の上アームを含み、前記第二の切り替え回路は、前記M相アーム回路のM個の下アームを含み、
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させ、前記充放電回路に交互に切り替わる充電回路と放電回路を形成することは、
放電イネーブル信号を送信することで、前記充放電切り替えモジュールのすべての上アームと前記スイッチモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールの上アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの下アームとの間の放電回路を形成することと、
充電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールのすべての上アームと前記充放電切り替えモジュールのすべての下アームをオンにし、前記給電モジュールと前記充放電切り替えモジュールの下アームと前記エネルギー貯蔵モジュールと前記スイッチモジュールの上アームとの間の充電回路を形成することとを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させる前に、前記方法は、
前記給電モジュールの充電状態を決定することと、
前記充電状態が第一の予め設定される閾値よりも大きい場合、前記の、充放電イネーブル信号を送信することで、前記スイッチモジュールと前記充放電切り替えモジュールを動作させるステップを実行することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記給電モジュールの温度が予め設定される温度に達しており、及び/又は前記給電モジュールの温度上昇が異常である場合、充放電を停止するよう前記給電モジュールに指示するための充放電停止信号を前記スイッチモジュールに送信することをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記エネルギー貯蔵モジュールの作動状態を取得することと、
前記エネルギー貯蔵モジュールが非駆動状態にある場合、前記スイッチモジュールに前記充放電イネーブル信号を送信することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記給電モジュールが充放電条件を満たすことを指示するための充放電要求を受信することをさらに含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項34】
動力装置であって、請求項
17又は18に記載の充放電システムを含み、前記充放電システムの給電モジュールは、前記動力装置のために電源を提供するために用いられる、ことを特徴とする動力装置。
【請求項35】
電子機器であって、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記プログラムを実行して、請求項21から33のいずれか1項に記載の方法を実現する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項36】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、このプログラムは、プロセッサによって実行されて、請求項21から33のいずれか1項に記載の方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】