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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(54)【発明の名称】吸収性防音材
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/168 20060101AFI20231023BHJP
   D01F 2/06 20060101ALI20231023BHJP
   D04H 1/4258 20120101ALI20231023BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20231023BHJP
   B32B 23/02 20060101ALI20231023BHJP
   B60R 13/08 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
G10K11/168
D01F2/06 Z
D04H1/4258
B32B5/26
B32B23/02
B60R13/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524101
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2021074871
(87)【国際公開番号】W WO2022083939
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】102020127588.9
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513044337
【氏名又は名称】アドラー ペルツァー ホルディング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Adler Pelzer Holding GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルツェ、フォルクマー
(72)【発明者】
【氏名】タレッロ、マウリツィオ
【テーマコード(参考)】
3D023
4F100
4L035
4L047
5D061
【Fターム(参考)】
3D023BA03
3D023BB02
3D023BB07
3D023BB12
3D023BB17
3D023BB21
3D023BD01
3D023BD02
3D023BD04
3D023BD12
3D023BD14
3D023BD18
3D023BD22
3D023BD24
3D023BD25
3D023BE04
3D023BE06
4F100AJ05B
4F100AK42A
4F100AK46A
4F100BA02
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100DC23A
4F100DD03A
4F100DG01A
4F100DG11A
4F100DG15B
4F100GB32
4F100JC00A
4F100JH01
4F100JH01B
4F100JK09A
4F100YY00B
4L035AA04
4L035BB03
4L035BB15
4L035FF01
4L035FF05
4L047AA02
4L047AA12
4L047AA21
4L047AB07
4L047AB08
4L047BA03
4L047CA01
4L047CA05
4L047CB03
4L047CC09
5D061AA06
5D061AA23
(57)【要約】
本発明の目的は、部分的または全体的にセルロースウールを含む吸収/補強不織布または3D吸収材を有する自動車の車内およびラゲージコンパートメントのための吸収性防音材を提供することである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車内およびラゲージコンパートメントのための吸収性防音材であって、
(a)摩耗層と、
(b)少なくとも3つの脚を有する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンを含む、該摩耗層の下に積層された吸収/補強不織布と、
を含む、吸収性防音材。
【請求項2】
前記吸収/補強不織布が、5~95重量%、好ましくは15~70重量%の前記レーヨンを含有することを特徴とする、請求項1に記載の吸収性防音材。
【請求項3】
前記吸収/補強不織布がレーヨンからなることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性防音材。
【請求項4】
繊維フロック加工法によって製造される3D防音形状を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性防音材。
【請求項5】
前記摩耗層が、
(a1)特に糸の素材PA6.6、PA6、PP、rPAおよびPET、rPETならびに対応するバイオベースのポリアミド(PA5.10;PA6.10)を有する房状カーペット、
(a2)特に繊維の素材PET、PET/PP、PP、PA/PETおよびrPETを有するベロアおよびフラットニードルパンチ不織布カーペット、
(a3)微細孔フィルム、または、
(a4)PETもしくは混紡繊維不織布、
を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性防音材。
【請求項6】
車内バルクヘッド、断熱材を含むフロアパネリング、ルーフライニング、パーセルシェルフ、ラゲージコンパートメントサイドパネリング、車内ホイールアーチカバー、スペアホイール格納部、ラゲージコンパートメントリッドおよびロードフロアを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性防音材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、部分的または全体的にレーヨンを含む吸収/補強不織布または3D吸収材を有する自動車の車内およびラゲージコンパートメントのための吸収性防音材である。
【背景技術】
【0002】
ビスコースまたはレーヨンとしても知られるビスコース繊維は、ビスコース法を用いて素材セルロースから工業的に生産される化学繊維(再生繊維)を含む。例えば、おがくずを化学物質と一緒に沸騰させ、セルロースを溶出する。次いで、セルロースを水、水酸化ナトリウム溶液および二硫化炭素で処理してビスコーススラリーを形成し、次いでそれを、紡糸ノズルに通してビスコース糸に固化する。
【0003】
ビスコース繊維の化学組成(主要成分セルロース)は、典型的な繊維の細かさ(約10~15μmの直径)および繊維の長さ(最長で約40mm)により、コットンと同様である。
【0004】
ビスコースの用途は、コットンの用途と同様である(織物、ポリエステルを有する混紡など)。ビスコースから製造された織物は、衣料品に加工される。用途の例としては、タンポン、ウェットワイプ、綿棒、クリーニングワイプおよびスポンジワイプが挙げられる。そのようなビスコース製の製品は、高い吸水能を有する。ビスコース繊維は合成繊維生産の約11%を占める。
【0005】
ビスコース繊維の原料は、セルロースであり、これは、ひいては、トウヒ、ユーカリ、マツ、タケまたは同様の木材に由来する。使用するセルロースの品質は、セルロース分子の鎖長がより短く、純度がより高いという点で、ペーパーセルロースとは異なる。ビスコース生産のためのセルロースは、より少ない残留リグニンおよびより少ないヘミセルロースまたはペントサンを含有する。これは、水酸化ナトリウム溶液および二硫化炭素に対してより良好な反応性、ならびにキサントゲン化反応後、水酸化ナトリウム溶液中で、より良好な溶解性を有する。
【0006】
ビスコース繊維を紡ぐための紡績団塊の製造のために、まず、伝統的なビスコース法において、セルロースを水酸化ナトリウム溶液と混合する。セルロースは、水酸化ナトリウム水溶液で膨張する(マーセル化)。この二硫化炭素上で作用が可能になる。これは、キサントゲン酸ナトリウム(xanthat)を生成する。橙色-黄色のキサントゲン酸塩は、希釈水酸化ナトリウム水溶液中に粘性溶液を形成する。この団塊は、ビスコース紡績団塊を表す。二または三層のろ過、追熟および脱気の後、この紡績団塊は、ビスコース糸としてのセルロースの再沈殿に好適な粘性を有する。このアルカリ性溶液をノズルに通して硫酸塩溶液を圧出する。
【0007】
伝統的な製造法におけるビスコース繊維では、硫酸紡糸浴が使用されるが、これには、セルロース沈降反応を遅延させるために、ほぼ飽和制限までの硫酸ナトリウムおよび少量の硫酸亜鉛も含まれる。
【0008】
最先端技術において、摩耗層(見えている面)の下に防音および/または補強不織布を有し、その不織組成が異なる、さまざまな防音設計が知られている。例えば、カーペットは、摩耗層、特に房状、ベロアおよびフラットニードル不織布カーペットとして広範に使用される。
【0009】
摩耗層の下に、接着層、防音/補強不織布、シーリングおよび重質ホイルならびに接触/ホイル不織布も存在する。コーティングは、主に下層の接着層として、また補強のために、特に熱可塑性物質、主にPEまたはPPを含む。
【0010】
防音および/または補強不織布などの下層は通常、主にPETおよび混紡繊維不織布からなり、BiCo繊維分(BiCo=複合繊維)を有することが多い。熱可塑性フィルム、特にPE/PAおよびPE/PA/PEフィルムならびにPE/PA/PE+PET不織布も、シーリングまたは遮断フィルムとして使用される。PE/PAは、第1の層のポリエチレン(PE)と第2の層のポリアミド(PA)との両方を含有するフィルム材料を意味する。防音の必要条件に応じて、いわゆる重質フィルムも、部分的または全体的表面の遮断フィルムとして使用される。
【0011】
上層(摩耗層に下層を加えたもの)と車体フロアとの間に、通常、PURフォームまたはさらには不織構造(不織または繊維フロック(HMP)複合材料)で作られうる断熱層も存在する。フォームが使用される場合、それは通常、上部材料に堅く結合(発泡)されている。不織/繊維フロック構造はまた、上部布にしっかり結合することができ、通常、そこで糊付けられる。しかしながら、堅固な接続なしで純粋な重なりも用いられる。
【0012】
特にバン、SUV、小型トラックおよび軽商業車には、最新技術の摩耗層としてゴム、PUR-RIM、PVCおよびTPOもますます使用されてきている。
【0013】
自動車において、熱成形防音および/または補強不織布が、特にパッセンジャーコンパートメントおよびラゲージコンパートメント中に使用される。通常、緩く圧搾された熱硬化性または熱可塑性ボンデッド繊維製不織布ならびに同一または異なる流れ抵抗を有するフォームおよび/または不織層の組合せが存在する。加えて、いわゆるフロー不織布も、標的の防音の調節に使用される。
【0014】
糸の剛性と相関する吸音能に影響を与えるために、多孔質の通気性の層、すなわち音を通す層を、実際の上部材料(摩耗層)とプロセス関連のシーリングおよび重質の層または断熱材との間に挿入する。ポリエステルおよび混紡繊維フリースならびに微細孔ホイルを、多孔質の通気性の層、すなわち音を通す層として使用する。衝撃抵抗も、不織布中の複合繊維(BiCo)の比率によって影響を受ける。
【0015】
繊維フロック法で製造した既知の床敷断熱材中、繊維混合物は、主にBiCoおよびPET繊維、ならびにトーンコットンおよびPUフォームフロックからなる。
【0016】
端壁材料構造中の不織布の適用は、多くの場合、単層不織布、多層不織布およびバックフォーム不織布を要する。不織布および/または不織布の組合せも、ラゲージコンパートメント中で、主にサイドトリムパネリング、テールゲートトリムパネリング、ホイールアーチカバー、ラゲージコンパートメントリッドおよびスペアホイールリセスにも使用される。
【0017】
欧州特許第0301874B1は、多層(多脚)断面を有する再生セルロースフィラメント、特にビスコースフィラメント、そのようなフィラメントを含む繊維、および該繊維から形成される生成物に関する。多層ビスコースフィラメントの、従来の円形の断面を有するビスコースフィラメントを上回る一利点は、その大きな質量であり、それは、多層フィラメントの周辺の面積が、その実断面積より大きいためである。
【0018】
多層ビスコースフィラメントのさらなる利点は、従来のフィラメントに比べて高い吸収力である。しかしながら、これは、自動車部門においては、対応する部品が、水に暴露した後に再び乾燥する場合はむしろ欠点である。
【0019】
欧州特許第0301874B1は、5.0dtex未満の繊維の細かさおよび多層断面を有する再生セルロース系材料の中実フィラメントであって、各部材が少なくとも2:1の長さと幅のアスペクト比を有するフィラメントを提供する。フィラメント部材の長さと幅のアスペクト比は、一般的に2:1~10:1、好ましくは2:1~7:1、より好ましくは3:1~5:1である。一般的に、アスペクト比が高いほど、フィラメントの自由体積の程度が高くなる。これは、フィラメントがステープルファイバー形態にあるときに高い吸収度をもたらすが、ただし、リムは、それ自体で曲げ戻しするようにあまり長くなく薄くないことを条件とする。本明細書に記載のフィラメントは、所望に応じて5つ以上のリムを有しうるが、好ましくは3つまたは4つのリムを有し、また、好ましくは、概して(すなわち、実質的に)少なくとも1つの軸に関して対称である断面形状(Y、X、HまたはT形のフィラメント断面)も有するが、ほかの形状も本発明の範囲内で存在しうる。好ましくは、フィラメントはY形の断面を有する。リム間の角度は、断面形状に応じて様々であり、例えば、5~180°であってもよいが、フィラメント断面は、可能な限り規則的であることが好ましい。
【0020】
本明細書に記載のフィラメントは、5.0dtex未満の低い繊維の細かさ(単一の繊度)を有し、低い繊維の細かさは、高い吸収力を持つ製品にとって有利である。一般的に、繊維の細かさは0.5~5.0dtexであるが、より好ましくは1.5~4.0dtexである。フィラメントは、有利には、ステープルファイバーの形態で製造される。多層断面形状と低い繊維の細かさとの組合せは、ステープルファイバーの形態で高い吸収力を持つフィラメントを生じる。加えて、繊維は、かさ高のコットン様の触感を有し、従来の、所与のビスコース組成および繊維の細かさで、円形断面のビスコースフィラメントとほぼ同等の靭性を有する。
【0021】
ステープルファイバーは、好ましくは、すべてが実質的に同一の断面形状を有する多層フィラメントを含む。これは、吸収力およびかさなどの繊維特性の制御を容易にする。しかしながら、所望に応じて、ステープルファイバーは、2つ以上の異なる断面形状を有するフィラメントの混合物を含んでもよいが、ただし、少なくともいくつかのフィラメントは、本明細書に記載のフィラメントの多層断面特性を有するものとする。好ましくは、フィラメントはビスコースであり、適宜、従来の丸穴がスピナレットの多層形状押出穴に置き換えられた以外は、標準のビスコース紡績条件を用いて標準のビスコース組成物から紡績される。製造されたフィラメントは、中空構造ではなく中実構造を有するため、中空フィラメントの製造に関連する欠点は回避される。
【0022】
紡績後、フィラメントを伸長し、次いで、好ましくは繊維の長さに切り、洗浄し、従来の技術を用いて乾燥してステープルファイバーが得られる。
【0023】
繊維から形成される生成物は、上述の繊維のみを含有することができ、すなわち、それらからなるか、またはほかの繊維と混合され得、すなわちそれらを含有する。これらの他の繊維は、例えば、セルロース系繊維(標準ビスコースもしくはコットンなど)または非セルロース系繊維(ポリエステルなど)であってもよい。加えて、上述の繊維は、1つのみの断面形状、例えばY形のみで製品に取り入れてもよい、あるいは2つ以上の異なる断面形状を使用してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、本発明の目的は、前述の従来技術に照らして、少なくとも3つの脚がある多脚断面形状であり、断面プロフィールの各脚が2:1超の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンを部分的または全体的に含む、吸収/補強不織布のための不織繊維ブレンドおよび3D吸収材繊維ブレンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
第1の実施形態において、本発明の主題は、自動車の車内およびラゲージコンパートメントのための防音材であって、
(a)摩耗層と、
(b)少なくとも3つの脚を有する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンを含む、該摩耗層の下に積層された吸収/補強不織布と
を含む、防音材である。
【0026】
上述の繊維についての従来技術は本質的に吸収力に関与していたが、本発明は、初めて、自動車の特定の防音分野における、この場合自動車の車内およびラゲージコンパートメントにおける、上述の繊維を使用した防音材に専念した。本発明の趣旨において特に好ましいのは、車内バルクヘッド、断熱材を含むフロアパネリング、ルーフライニング、パーセルシェルフ、ラゲージコンパートメントサイドトリム、車内ホイールアーチカバー、スペアホイール格納部、ラゲージコンパートメントリッドおよびロードフロアである。
【0027】
従来技術には、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が2:1より大きな長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相で構成されたレーヨンを部分的または全体的に含む防音材は知られていない。
【0028】
本発明の趣旨において特に好ましくは、吸収材/補強不織布は、少なくとも3つの脚を有する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンから全て成る。本発明によれば、前述のレーヨンの最大95重量%が他の繊維に置き換えられてもよい。
【0029】
さらなる実施形態において、例えば25wt%の市販のBiCo繊維[co-PET]および75wt%の、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚は少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度は0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンからなる不織布を含む、微細孔PA/PEフィルム(例えば、65μm、50μmのPA/15μmのPE、穴径0.12mm)を使用した。
【0030】
さらに好ましい実施形態は、35wt%のBiCoと65wt%の、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別繊維のレーヨンとの繊維混合物の使用であり、その使用によって、それ自体が知られている繊維フロック法において、3D床敷断熱材が製造された。
【0031】
繊維フロック法によって製造される防音材に好ましい繊維ブレンドは、例えば、25重量%のBiCo、20重量%の、良好なひだを有するPET、および55重量%の、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンを含む。
【0032】
これは、ひいては、房状、ベロアまたはフラットニードルパンチ不織布カーペットの標準摩耗層で積層されうる。
【0033】
多くの場合、中間層、防音/補強不織布およびPE/PA/PEフィルム(閉鎖または微細孔)が使用される。
【0034】
本発明の必須要素は、防音特性、機械特性および加工特性が、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の線密度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンを含む繊維混合物の目的志向配合によって必要条件に基づく最適化/調整を実現する、防音構造である。
【0035】
本発明のさらに好ましい実施形態は、繊維フロック(HMP技術)によって製造される3D防音形状を含む、上述の吸収性防音材に関する。
【0036】
摩耗層の材料は、自動車において様々な目的を持ちうる。特に好ましくは、摩耗層は、
(a1)特に糸の素材PA6.6、PA6、PP、rPAおよびPET、rPETならびに対応するバイオベースのポリアミド(PA5.10;PA6.10)を有する房状カーペット、
(a2)特に繊維の素材PET、PET/PP、PP、PA/PETおよびrPETを有するベロアおよびフラットニードルパンチ不織布カーペット、
(a3)微細孔フィルムまたは
(a4)PETもしくは混紡繊維不織布
を含む。
【0037】
特に、本発明の利点は、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンを含むまたは該レーヨンからなる変形可能/安定性不織層であって、防音材の材料構造に組み込まれる変形可能/安定性不織層を提供することであり、また、繊維フロック法において製造される、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相のレーヨンを部分的にまたは全体的に含む3D吸収材の繊維混合物においても利点が存在し、したがって、新規の特性最適化された防音材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】標準的なアルファキャビン中で行った吸収測定のグラフである。
図2】インピーダンス管(プレス/非プレス)中の測定結果である。
図3】防音材の吸収効果を示すグラフである。
図4】防音材の吸収効果を示すグラフである。
図5】防音材の吸収効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0039】
実施例1
防音効果を実証するために、市販のレーヨン[GALAXY(登録商標)VY Faser of Kelheim Fibres GmbH]のニードルフリース400g/mおよび600g/mを、いずれの場合にも、公知の方法で、少なくとも3つの脚が存在する多脚断面形状を有し、断面プロフィールの各脚が少なくとも2:1の長さ/幅の比を有し、個々の繊度が0.5~5dtexである、中実個別相から製造した。
【0040】
実施例2
さらに、いずれの場合にも30wt%のPET(12dtex/長さ64mm)、30wt%のPET(11dtex/長さ60mm)および40wt%のPET(6.7dtex/長さ64mm)からなるニードル不織布400g/m(Vegro400)および600g/m(Vegro600)を製造する。
【0041】
標準的なアルファキャビン中で行った吸収測定を図1に示す。
【0042】
図2は、インピーダンス管(プレス/非プレス)中の測定結果を示す。
【0043】
図は、本発明による防音材の吸収効果を明確に示す。
【0044】
実施例3
フロアおよびラゲージコンパートメントパネリングの用途において、実施例1および2による600g/mのレーヨンニードルパンチ不織布およびPETニードルパンチ不織布を、房状カーペット(600g/mのPA)、ベロアカーペット(560g/mのPET)およびフラットニードルパンチ不織布(300g/m)のそれぞれで積層し、インピーダンス管中で測定した。PETニードル不織布と比較して、本発明によるレーヨンニードル不織布を含む複合材料の吸収効率が顕著に良好であることが、図3図5で確認できる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】