(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】流体流導管内の堆積物の存在を検出するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 25/72 20060101AFI20231024BHJP
H05B 3/40 20060101ALI20231024BHJP
G01B 21/08 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G01N25/72 D
H05B3/40 A
G01B21/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517864
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021051089
(87)【国際公開番号】W WO2022061228
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピツェラ、ミランダ、ピー
(72)【発明者】
【氏名】ブリュアー、グラント
(72)【発明者】
【氏名】チャン、サンホン
【テーマコード(参考)】
2F069
2G040
3K092
【Fターム(参考)】
2F069AA46
2F069AA96
2F069BB40
2F069CC02
2F069GG04
2F069GG16
2F069GG20
2F069GG52
2F069GG56
2F069GG65
2F069HH30
2F069QQ03
2G040AA08
2G040AB08
2G040BA15
2G040BA28
2G040DA02
2G040DA11
2G040EA02
2G040EA11
2G040FA06
2G040HA03
2G040HA05
3K092PP11
3K092QA02
(57)【要約】
流体流導管内の材料堆積物の蓄積を検出する方法は、コントローラによって、流体流導管の加熱素子に励起信号を提供することを含む。この方法は、コントローラによって、励起信号の提供に応答して流体流導管の熱力学データを取得することを含み、熱力学データは、熱流束データ、拡散率データ、時間データ、温度差データ、またはこれらの組み合わせを含む。この方法は、コントローラによって、熱力学データに基づいて材料堆積物の量を決定することを含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流導管内の材料堆積物の蓄積を検出する方法であって、
コントローラによって、前記流体流導管の加熱素子に励起信号を提供することと、
前記コントローラによって、前記励起信号の提供に応答して前記流体流導管の熱力学データを取得することであって、前記熱力学データは、熱流束データ、拡散率データ、時間データ、温度差データ、またはこれらの組み合わせを含むことと、
前記コントローラによって、前記熱力学データに基づいて材料堆積物の量を決定することと
を備える方法。
【請求項2】
前記熱力学データは、前記熱流束データを含み、前記方法は、
前記熱流束データに基づいて前記流体流導管の開口部サイズを決定することを更に備え、前記材料堆積物の量は、前記開口部サイズに更に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記励起信号は、所定のパルス長を有し、
前記熱力学データは、前記拡散率データを含み、
前記拡散率データは、前記所定のパルス長の関数として測定された熱拡散率を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記流体流導管の温度を第1の設定温度に到達させるように前記加熱素子に前記励起信号を提供することを更に備え、
前記熱力学データは、前記時間データを含み、
前記時間データは、前記流体流導管の前記温度を第2の設定温度に到達させるための時間を示し、前記第2の設定温度は、前記第1の設定温度よりも低い、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記励起信号の提供に応答して前記流体流導管の温度を取得することを更に備え、
前記励起信号は、所定の電力および前記所定の電力に関連する前記流体流導管の設定温度を有し、
前記熱力学データは、前記温度差データを含み、
前記温度差データは、前記温度と前記設定温度との間の温度差を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記温度および前記設定温度は、前記流体流導管の所定の位置に関連する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記流体流導管の第2の加熱素子に前記励起信号を提供することであって、
前記励起信号は、所定の電力を有し、
前記加熱素子は、前記流体流導管の第1の位置に近接して設けられ、
前記第2の加熱素子は、前記流体流導管の第2の位置に近接して設けられることと、
前記励起信号の提供に応答して、前記流体流導管の第1の温度および第2の温度を取得することであって、前記第1の温度は前記第1の位置に関連し、前記第2の温度は前記第2の位置に関連し、
前記熱力学データは、前記温度差データを含み、
前記温度差データは、前記第1の温度と前記第2の温度との間の温度差を示すことと
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記流体流導管の流体流量に基づいて、前記材料堆積物の量を決定することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記材料堆積物の量が閾値を超過することに応答してアラートを生成することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記加熱素子は、前記流体流導管と一体化される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記加熱素子は、前記流体流導管の外側表面に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
流体流導管内の材料堆積物の蓄積を検出する方法であって、
コントローラによって、前記流体流導管の加熱素子に励起信号を提供することと、
前記コントローラによって、前記励起信号の提供に応答して前記加熱素子の電気データを取得することであって、前記電気データは、電圧、電流、またはこれらの組み合わせを示すことと、
前記コントローラによって、前記電気データに基づいて材料堆積物の量を決定することと
を備える方法。
【請求項13】
前記電気データは、前記励起信号が所定の電力を有する場合の前記加熱素子の電力消費量を示す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記流体流導管の流体流量に基づいて前記材料堆積物の量を決定することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記材料堆積物の量が閾値を超過することに応答してアラートを生成することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記加熱素子は、前記流体流導管と一体化される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記加熱素子は、前記流体流導管の外側表面に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
流体流導管内の材料堆積物の蓄積を検出するためのシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能な命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体と
を備え、前記命令は、
前記流体流導管の加熱素子に、所定の電力を有する励起信号を提供することと、
前記励起信号の提供に応答して、熱流束データ、拡散率データ、時間データ、温度差データ、またはこれらの組み合わせを含む熱力学データを取得することと、
前記熱力学データ、前記所定の電力、および前記流体流導管の流体流量に基づいて材料堆積物の量を決定することと
を備える、システム。
【請求項19】
前記命令は、前記流体流導管を第1の設定温度に到達させるように前記加熱素子に前記励起信号を提供することを更に備え、
前記熱力学データは前記時間データを含み、
前記時間データは、前記流体流導管を第2の設定温度に到達させるための時間を示し、前記第2の設定温度は、前記第1の設定温度よりも低い、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記命令は、
前記流体流導管の第2の加熱素子に前記励起信号を提供することであって、
前記励起信号は、所定の電力を有し、
前記加熱素子は、前記流体流導管の第1の位置に近接して設けられ、
前記第2の加熱素子は、前記流体流導管の第2の位置に近接して設けられることと、
前記励起信号の提供に応答して、前記流体流導管の第1の温度および第2の温度を取得することであって、前記第1の温度は前記第1の位置に関連し、前記第2の温度は前記第2の位置に関連し、
前記熱力学データは、前記温度差データを含み、
前記温度差データは、前記第1の温度と前記第2の温度との間の温度差を示すことと
を更に備える、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月18日に出願された米国仮特許出願第63/080,238号、および2020年11月4日に出願された米国仮特許出願第63/109,736号の優先権および利益を主張するものである。上記出願の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、流体流導管に関し、より具体的には、流体流導管内の堆積物の蓄積を検出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本項における記述は、単に本開示に関連する背景情報を提供するものであり、先行技術を構成するのではない場合がある。
【0004】
半導体処理システムは、処理チャンバと、複数の流体流導管とを含んでよく、複数の流体流導管を通って処理ガスが処理チャンバ内に供給され、処理チャンバから除去される。時間の経過に伴い、複数の流体流導管内に材料が蓄積し得る。過剰な材料の蓄積により、流体の流れが妨げられ、詰まりおよび/またはシステム上の問題が生じ得る。
【0005】
流体流導管内の材料蓄積を監視するために、1または複数のスコープまたはカメラが流体流導管内に挿入され得る。しかしながら、流体流導管の形状および/または材料蓄積物の形状により、1または複数のスコープ/カメラが材料蓄積物の深刻度および位置を正確に検出することが妨げられ得る。また、流体流導管内にスコープやカメラを設置することは、汚染問題の可能性によって禁止される場合がある。
【0006】
流体流導管内の材料蓄積の監視に関連するこれらの問題は、本開示によって対処される。
【発明の概要】
【0007】
本項は、本開示の一般的な概要を提供するものであり、本開示の全範囲または全ての特徴を包括的に開示するものではない。
【0008】
本開示は、流体流導管内の材料堆積物の蓄積を検出する方法を提供し、この方法は、コントローラによって、流体流導管の加熱素子に励起信号を提供することを含む。この方法は、コントローラによって、励起信号の提供に応答して流体流導管の熱力学データを取得することを含み、熱力学データは、熱流束データ、拡散率データ、時間データ、温度差データ、またはこれらの組み合わせを含む。この方法は、コントローラによって、熱力学データに基づいて材料堆積物の量を決定することを含む。
【0009】
一形態において、熱力学データは熱流束データを含み、この方法は、熱流束データに基づいて流体流導管の開口部サイズを決定することを更に備え、材料堆積物の量は、開口部サイズに更に基づく。一形態において、励起信号は所定のパルス長を有し、熱力学データは拡散率データを含み、拡散率データは、所定のパルス長の関数として測定された熱拡散率を示す。一形態において、この方法は、流体流導管の温度を第1の設定温度に到達させるように加熱素子に励起信号を提供することを更に含み、熱力学データは時間データを含み、時間データは、流体流導管の温度を第2の設定温度に到達させるための時間を示し、第2の設定温度は、第1の設定温度よりも低い。一形態において、この方法は、励起信号の提供に応答して流体流導管の温度を取得することを更に含み、励起信号は、所定の電力および所定の電力に関連する流体流導管の設定温度を有し、熱力学データは温度差データを含み、温度差データは、温度と設定温度との間の温度差を示す。一形態において、温度および設定温度は、流体流導管の所定の位置に関連する。
【0010】
一形態において、この方法は、流体流導管の第2の加熱素子に励起信号を提供することを更に含み、励起信号は所定の電力を有し、加熱素子は、流体流導管の第1の位置に近接して設けられ、第2の加熱素子は、流体流導管の第2の位置に近接して設けられる。一形態において、この方法は、励起信号の提供に応答して、流体流導管の第1の温度および第2の温度を取得することを更に含み、第1の温度は第1の位置に関連し、第2の温度は第2の位置に関連し、熱力学データは温度差データを含み、温度差データは、第1の温度と第2の温度との間の温度差を示す。一形態において、この方法は、流体流導管の流体流量に基づいて、材料堆積物の量を決定することを更に含む。一形態において、この方法は、材料堆積物の量が閾値を超過することに応答してアラートを生成することを更に含む。一形態において、加熱素子は、流体流導管と一体化される。一形態において、加熱素子は、流体流導管の外側表面に配置される。
【0011】
本開示は、流体流導管内の材料堆積物の蓄積を検出する方法を提供し、この方法は、コントローラによって、流体流導管の加熱素子に励起信号を提供することを含む。この方法は、コントローラによって、励起信号の提供に応答して加熱素子の電気データを取得することを含み、電気データは、電圧、電流、またはこれらの組み合わせを示す。この方法は、コントローラによって、電気データに基づいて材料堆積物の量を決定することを含む。一形態において、電気データは、励起信号が所定の電力を有する場合の加熱素子の電力消費量を示す。一形態において、この方法は、流体流導管の流体流量に基づいて材料堆積物の量を決定することを更に含む。一形態において、この方法は、材料堆積物の量が閾値を超過することに応答してアラートを生成することを更に含む。一形態において、加熱素子は、流体流導管と一体化される。一形態において、加熱素子は、流体流導管の外側表面に配置される。
【0012】
本開示は、流体流導管内の材料堆積物の蓄積を検出するためのシステムを提供し、このシステムは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体とを含む。命令は、流体流導管の加熱素子に励起信号を提供することを含む。命令は、励起信号の提供に応答して、熱流束データ、拡散率データ、時間データ、温度差データ、またはこれらの組み合わせを含む熱力学データを取得することを含む。命令は、熱力学データに基づいて材料堆積物の量を決定することを含む。
【0013】
一形態において、熱力学データは熱流束データを含み、命令は、熱流束データに基づいて流体流導管の開口部サイズを決定することを更に含み、材料堆積物の量は、開口部サイズに更に基づく。一形態において、励起信号は所定のパルス長を有し、熱力学データは拡散率データを含み、拡散率データは、所定のパルス長の関数として測定された熱拡散率を示す。一形態において、命令は、流体流導管の温度を第1の設定温度に到達させるように加熱素子に励起信号を提供することを更に含み、熱力学データは時間データを含み、時間データは、流体流導管の温度を第2の設定温度に到達させるための時間を示し、第2の設定温度は、第1の設定温度よりも低い。一形態において、命令は、励起信号の提供に応答して流体流導管の温度を取得することを更に含み、励起信号は、所定の電力および所定の電力に関連する流体流導管の設定温度を有し、熱力学データは温度差データを含み、温度差データは、温度と設定温度との間の温度差を示す。一形態において、温度および設定温度は、流体流導管の所定の位置に関連する。
【0014】
一形態において、命令は、流体流導管の第2の加熱素子に励起信号を提供することを更に含み、励起信号は所定の電力を有し、加熱素子は、流体流導管の第1の位置に近接して設けられ、第2の加熱素子は、流体流導管の第2の位置に近接して設けられる。一形態において、命令は、励起信号の提供に応答して、流体流導管の第1の温度および第2の温度を取得することを更に含み、第1の温度は第1の位置に関連し、第2の温度は第2の位置に関連し、熱力学データは温度差データを含み、温度差データは、第1の温度と第2の温度との間の温度差を示す。
【0015】
更なる適用領域は、本明細書に提供される説明から明らかになる。この説明および具体例は、例示のみを目的とすることが意図されており、本開示の範囲を限定することは意図されていないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示が適切に理解され得るように、以下、添付図面を参照して、例として付与される本開示の様々な形態が説明される。
【0017】
【
図1A】本開示に係る流体流システムを有する半導体処理システムの処理チャンバのブロック図である。
【
図1B】本開示に係る流体流システムを有する半導体処理システムを示す。
【
図2A】本開示に係る流体流システムの導管の断面図である。
【
図2B】本開示に係る流体流システムの導管の別の断面図である。
【
図3】本開示に係る流体流システム内の材料蓄積を決定するためのフローチャートである。
【
図4】本開示に係る、熱流束データと材料蓄積との関係を示すグラフである。
【
図5】本開示に係る、時間データと材料蓄積との関係を示すグラフである。
【
図6】本開示に係る、拡散率データと材料蓄積との関係を示すグラフである。
【
図7】本開示に係る、温度差データと材料蓄積との関係を示すグラフである。
【
図8】本開示に係る、定常状態温度差データと材料蓄積との関係を示すグラフである。
【
図9】本開示に係る、電力データと材料蓄積との関係を示すグラフである。
【0018】
本明細書で説明される図面は、例示のみを目的としており、本開示の範囲をいかなるようにも限定することは意図されていない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、本質的に単なる典型例であり、本開示、応用、または用途を限定することは意図されていない。図面を通して、対応する参照番号は、同様または対応する部品および特徴を示すことを理解すべきである。
【0020】
本開示は、流体流システム内の材料蓄積を監視するように構成された監視システムに関する。監視システムは、たとえば熱力学データまたは電気データなどの流体流システムの様々な動作データを取得し、動作データに基づいて、流体流システムの1または複数の流体流導管内の材料蓄積の量および/または位置を決定する。動作データに基づいて1または複数の流体流導管内の材料蓄積の量および/または位置を決定することによって、監視システムは、蓄積および詰まりの可能性に関して流体流システムを正確に監視することができる。
【0021】
適用例において、本開示の監視システムは、半導体処理システムの除害システムの流体流システムにおける蓄積を監視するために、半導体処理システムにおいて用いられる。より具体的には、
図1A~1Bを参照すると、半導体処理システム100は、半導体ウェハを加熱するためのヒータ102、処理チャンバ104、流体流供給ライン(FFSL)106、流体流排出ライン(FFEL)108、およびポンプ(複数も可)109を含む。動作中、処理流体(たとえばアンモニア、シラン、アルゴン、アルシン、および/またはホスフィンなどのガス)は、半導体製造プロセスの様々な段階においてFFSL106を介して処理チャンバ104内に供給される。処理流体は、FFEL108およびポンプ109を介して処理チャンバ104から除去され、処理流体は、排気流体と称され得る。ポンプ(複数も可)109は、たとえば残留ガス分析器(RGA)システムなど、任意の構成の真空ポンプシステムであってよい。FFEL108は、バイパス弁を操作してFFEL108をバイパス弁の開放チャネルおよび遮断チャネルの1つと流体結合させることによって、開放状態または閉塞状態に設定することができる。FFEL108は、排気流体が浄化および中和される除害デバイス110に排気流体を搬送するための一連の導管を有する流体流システムを画定する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「流体」という用語は、固体、液体、気体、またはプラズマを意味するものと解釈すべきである。また、半導体処理システム100が例示および説明されるが、本開示の教示は、本開示の範囲内に留まりながら、たとえば射出成形、排気後処理システム、および石油/ガスエネルギープロセスなどの他の用途で使用可能であることを理解すべきである。
【0023】
FFEL108を通って流れる流体は、一般的に、排気流体中の汚染物質がFFEL108の壁に沿って堆積し、FFEL108を詰まらせることを防ぐために加熱される。一形態において、複数の可撓性ヒータがFFEL108を取り巻き、内部の流体を加熱する。別の例では、カートリッジヒータが、FFEL108を通って流れる流体を直接加熱するように配置され、または容器内に設けられる。
【0024】
図2Aを参照すると、導管120内の堆積物の蓄積を監視するために、FFEL108の導管120内に監視システム200-1が設けられる。一形態において、導管120は、外層122、監視システム200-1の1または複数の構成要素を有する監視層126、内層128、および空洞130を含む。外層122は、監視層126に隣接している。監視層126は内層128に隣接し、内層128は空洞130に隣接している。導管120の層は、たとえばはんだ付けプロセス、ろう付けプロセス、接着剤、または他の任意の適切なプロセス/材料などの様々なプロセスおよび/または材料を用いて互いに接着および/または固定される。
【0025】
外層122は保護層であり、たとえばガラス繊維材料など、導管120を通って流れる排気流体から外部環境への熱損失を低減または抑制する耐久性および断熱性材料で構成される。内層128は、たとえば金属などの任意の熱伝導性材料を含み、
図2Aに矢印(F)で示すように、排気流体が流れる空洞130の内壁を画定する。
【0026】
一形態において、監視システム200-1は、複数のセンサ202-1、202-2(集合的に「センサ202」と称される)、断熱材204、加熱素子206、およびコントローラ210を含む。断熱材204は、導管120の監視層126内に配置される。また、この形態における加熱素子206は、導管120の監視層126内に配置される(すなわち、加熱素子206は導管120と一体化される)。一形態において、センサ202は、導管120の外層122に配置される。他の形態では、センサ202のいずれか1つが導管120内(たとえば断熱材204内)に配置され得ることを理解すべきである。2つのセンサ202が示されるが、他の形態において、監視システム200-1は任意の数のセンサ202を含んでよいことを理解すべきである。
【0027】
一形態において、センサ202は、たとえば導管120の形状および/または半導体処理システムの熱特性(たとえば半導体処理システム100のヒートシンク/コールドトラップ)に起因する材料蓄積物の蓄積の影響を受け易い導管120および/または半導体処理システム100に沿った位置に配置される。一例として、センサ202は、材料蓄積物が蓄積する様々な位置の中でも特に、フランジ、クランプ、ストラット弁の付近に、および/または隣接して配置される。一形態において、材量蓄積物の蓄積の影響を受け易い領域から所定の距離に一対のセンサ202(たとえば第1のセンサ202-1および第2のセンサ202-2)が配置される。一例として、一形態において、第1のセンサ202-1は、予測される材料蓄積位置から1インチに配置され、第2のセンサ202-2は、予測される材料蓄積位置から20インチに配置される。一対のセンサ202は、予測される材料蓄積位置から任意の距離に配置されてよく、本明細書で説明される例に限定されないことを理解すべきである。
【0028】
一形態において、センサ202の各々は、熱流束センサを集合的に形成する複数の熱電対、または導管120内の熱流束を示すデータ(すなわち熱流束データ)を生成するように構成された他の同様の電子デバイスによって実装される。他の形態では、センサ202の各々は、導管120の対応する位置における温度を示すデータを生成するように構成された任意の温度センサデバイスによって実装される。断熱材204は、加熱素子206が熱を発する時に温度が変化する速度をセンサ202が測定することを可能にする十分な誘電特性を有する1または複数の材料(たとえばラバーシリコン材料)によって実装される。加熱素子206は、たとえば電気抵抗材料(たとえば銅、ニッケル、銀、アルミニウム、リチウム、白金、錫、それらの組み合わせなど)など、励起信号の受信に応答して熱を発するように構成された任意の材料によって実装される。
【0029】
監視システム200-1を導管120と一体化させるのではなく、監視システム200-1、特にセンサ(複数も可)202および/または加熱素子206は、導管120の外側に(すなわち、たとえば外層122など、導管120の外側表面上に)配置される。たとえば、
図2Bを参照すると、導管120は、導管120内の材料蓄積を監視するために流体流量センサアセンブリ250およびコントローラ210(
図2Bには不図示)を有する監視システム200-2を備える。一形態において、流体流量センサアセンブリ250は、導管120の外層122に配置され、はんだ付けプロセス、ろう付けプロセス、接着剤、または他の適切なプロセス/材料を用いて外層122に接着される。流体流量センサアセンブリ250は、導管120の温度/熱流束を表すデータを取得するために、たとえば熱電対などの1または複数のセンサ202を含む。本開示の監視システムと共に使用される流体流量センサアセンブリの追加の例は、本出願と共同所有され、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる、DEVICES FOR DETECTING MATERIAL DEPOSITS IN FLUID FLOW CONDUITSと題された同時係属出願において説明される。
【0030】
図2Aに戻ると、センサ202および加熱素子206は、コントローラ210に通信可能および/または電気的に結合される。一例として、センサ202は、たとえばBluetooth型リンク(たとえばBluetooth低エネルギーリンク)、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)リンク、近距離無線通信(NFC)リンクなどのハードワイヤ通信リンクまたは無線通信リンクを介してコントローラ210に通信可能に結合される。他の例として、加熱素子206は、電気ケーブル(不図示)を介してコントローラ210に電気的に結合される。
【0031】
コントローラ210は、信号生成器モジュール212、動作データモジュール214、詰まり検出モジュール216、およびアラートモジュール218を含む。本明細書で説明される機能を実行するために、コントローラ210は、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)回路および/または読取専用メモリ(ROM)回路などの1または複数の非一時的コンピュータ可読媒体に格納された機械可読命令を実行するように構成された1または複数のプロセッサ回路を含むマイクロコントローラによって実装される。信号生成器モジュール212、動作データモジュール214、詰まり検出モジュール216、およびアラートモジュール218はコントローラ210の一部として示されるが、これらのモジュールのいずれか1つが、コントローラ210に通信可能に結合された別のコントローラ(複数も可)に位置してよいことを理解すべきである。
【0032】
信号生成器モジュール212は、加熱素子206に熱を発生させるために加熱素子206に励起信号を提供するように構成される。特に、一形態において、励起信号は、所定の振幅を有するパルス幅変調(PWM)信号として提供され、振幅は、PWM信号の電圧の大きさ、電流の大きさ、および/または電力の大きさの少なくとも1つを示す。他の形態では、励起信号は、エンドポイントを含むたとえば210ミリ秒~1秒などの所定のパルス幅を有するPWM信号として提供される。一形態において、信号生成器モジュール212は、導管120の温度が目標温度(たとえばエンドポイントを含む導管120の設定温度より25℃~40℃上)まで加熱されるように所定の振幅を有し所定の期間(たとえば12分)にわたるパルスとして励起信号を提供する。したがって、以下で更に詳しく説明するように、センサ202は、動作データモジュール214による正確な処理のために所与の分解能で動作データを提供することができる。
【0033】
動作データモジュール214は、たとえば熱力学データおよび/または電気データなど、半導体プロセスに関する動作データを取得するように構成される。熱力学データの例は、熱流束データ、拡散率データ、時間データ、温度差データを含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「熱流束データ」とは、導管120の熱流束を表す、センサ202によって提供されるデータである。本明細書で使用される場合、「拡散率データ」とは、FFEL108の様々な構成要素および/または構成要素間の熱伝達率を指す。本明細書で使用される場合、「時間データ」とは、設定温度より上まで加熱されたFFEL108の外層を冷却するために必要な時間を表すデータを指す。本明細書で使用される場合、「温度差データ」とは、それぞれのFFEL108の少なくとも2つの位置の温度差を表すデータ、または異なる時間に取得されたそれぞれのFFEL108の同じ位置における温度差を表すデータを指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「電気データ」とは、信号生成器モジュール212によって提供される励起信号の電気特性を指す。したがって、電気特性は、励起信号の電圧、電流、および/または電力、および/または励起信号が所定の電力を有する場合の加熱素子206の電力消費量を含んでよい。
【0035】
いくつかの形態において、動作データモジュール214は、たとえばシステムレベルデータなど、半導体プロセスに関する他の種類の動作データを取得するように構成される。本明細書で使用される場合、「システムレベルデータ」とは、半導体処理システム100の周囲温度データ、半導体処理システム100の構成要素の材料特性、半導体処理システム100の流体組成、半導体処理システム100の質量流量、および/または半導体処理システム100の他のパラメータの少なくとも1つを表すデータを指す。
【0036】
一形態において、動作データモジュール214は、信号生成器モジュール212が励起信号を提供することに応答して動作データを取得するように構成される(すなわち、監視システム200-1は、能動的な材料蓄積検出構成を有する)。他の形態では、動作データモジュール214は、励起信号なしで導管120の1または複数の動作特性を取得してよい(すなわち、監視システム200-1は、受動的な材料蓄積検出構成を有する)。したがって、監視システム200-1が受動的な材料蓄積検出構成を有する場合、信号生成器モジュール212は、コントローラ210から除かれてよい。
【0037】
詰まり検出モジュール216は、動作データに基づいて材料蓄積を監視し、FFEL108が詰まっているかを決定するように構成される。たとえば、詰まり検出モジュール216は、動作データを材料蓄積に相関付ける定められた数学的相関に基づいて、導管120における材料蓄積の量を決定する。材料蓄積に基づいて、アラートモジュール218は、材量蓄積が1または複数の閾値を超過し、FFEL108の制限された流れおよび/または詰まった状態を示すことに応答して、アラートを生成するように構成される。定められたアラートの追加または代替として、アラートモジュール218は、材量蓄積に関連する情報を提供するためのシステムユーザインタフェースを提供することにより、たとえば技師や技術者などのユーザが、監視システム200を有する導管120における材料蓄積を継続的に監視することを可能にしてよい。
【0038】
図3を参照すると、導管120内の材料蓄積を決定または監視するためのルーチン例300を示すフローチャートが示される。304において、コントローラ210は、導管120の加熱素子206に励起信号を提供する。308において、コントローラ210は、励起信号の提供に応答して、導管120の熱力学データおよび/または加熱素子206の電気データを取得する。任意選択的に、310において、コントローラは、308における半導体処理システム100のシステムレベルデータを取得する。ルーチン300は、コントローラ210が励起信号の提供に応答して導管120の1または複数の動作特性を取得することを示すが、他の形態では、コントローラ210は、励起信号なしで導管120の1または複数の動作特性を取得し得る(すなわち、集合的にまたは個別に監視システム200-1、200-2の1つを指す監視システム200が、受動的な材料蓄積検出構成を有する)ことを理解すべきである。
【0039】
312において、コントローラ210は、熱力学データおよび/または電気データに基づいて材料蓄積の量を決定する。
【0040】
一形態において、熱力学データに基づいて材料蓄積の量を決定することは、物理方程式、数学モデル、および/または熱伝達の原理に更に基づく。ステップ312の例として、コントローラ210は、熱流束データを導管の開口部/穴のサイズと相関付けてよい。具体的には、
図4は、熱流束測定値(y軸410)対導管120の開口部/穴サイズ(x軸420)のグラフ400を示す。グラフにおいて、プロット430は、第1のセンサ202-2からのデータに基づく熱流束測定値であり、プロット440は、第2のセンサ202-2からのデータに基づく熱流束測定値である。示されるように、熱流束測定値が高いほど開口部サイズが小さく、その結果、導管120内の材料蓄積が多くなる。したがって、コントローラ210は、熱流束データおよび対応する開口部サイズに基づいて、導管120内の材料蓄積の量を決定してよい。
【0041】
他の例では、ステップ312において、コントローラ210は、導管120を冷却するために要する時間(すなわち時間データ)を材料蓄積に相関付ける。具体的には、
図5は、導管120の外層122を設定温度より上まで加熱された時の最大温度の半分まで冷却するために必要な時間(すなわちy軸510に示す時間データ)と、材量蓄積(すなわちx軸520に示す蓄積の厚さ)との関係を示すグラフ500を示す。一形態において、設定温度は、エンドポイントを含む180℃~200℃に設定される。プロット530は、1秒のパルス幅を有する励起信号を表し、プロット540は、500ミリ秒のパルス幅を有する励起信号を表し、プロット550は、250ミリ秒のパルス幅を有する励起信号を表す。プロット530、540、550によって示すように、材量蓄積が大きいまたは厚いほど、導管120の外層122を設定温度より上まで加熱された時の最大温度の半分まで冷却するために要する時間は長くなる。したがって、コントローラ210は、時間データに基づいて、導管120内の材料蓄積の量を決定してよい。
【0042】
また他の例では、ステップ312に関して、コントローラ210は、熱拡散率データおよび所定のパルス長を材料蓄積と相関付ける。具体的には、
図6は、様々な材料蓄積値に関する熱拡散率データ(y軸610)対パルス長(x軸620)を提供するグラフ600を示す。たとえば、プロット630は、第1の材料蓄積量(MB
1)を有する導管120を表し、プロット640は、第2の材料蓄積量(MB
2)を有する導管120を表し、プロット650は、第3の材料蓄積量(MB
3)を有する導管120を表し、プロット660は、第4の材料蓄積量(MB
4)を有する導管120を表しており、MB
1<MB
2<MB
3<MB
4である。プロット630、640、650、660によって示すように、より高い熱拡散率は、より少ない材料蓄積量に相関する。したがって、コントローラ210は、熱拡散率データに基づいて、かつ所定のパルス長の関数として、導管120内の材料蓄積の量を決定してよい。
【0043】
他の例では、ステップ312に関して、コントローラ210は、材量蓄積を決定するために、温度差データを導管120に沿った長手方向位置と相関付ける。具体的には、
図7は、温度差データ(y軸710)と導管120に沿った長手方向位置(x軸720)との関係を示すグラフ700を示す。所与の流体流量および所与のヒータ電力(たとえば、励起信号は、導管120内に材料蓄積がない場合に導管120を所与の設定温度に到達させる所定の電力を有する)に関して、コントローラ210は、プロット730、740、750によって示すように、導管120内の材料蓄積の量を決定する。プロット730は、材量蓄積がない場合のセンサ202の1つに関連する位置の設定温度を表し、プロット740は、少なくともいくらかの材料蓄積がある場合のセンサ202の1つに関連する位置の実際の温度を表し、プロット750は、設定温度と実際の温度との間の温度差を表す。したがって、コントローラ210は、温度差データに基づいて、導管120内の材料蓄積の量を決定してよい。
【0044】
いくつかの変形例において、コントローラ210は、パイプに沿った複数の位置における熱流束データ(たとえば、第1および第2のセンサ202-1、202-2からのデータに基づく熱流束データ)によって示されるように温度差データを相関付けてよい。一例として、第1のセンサ202-1は、導管120内の第1の位置に配置され、第2のセンサ202-2は、導管120内の第2の位置に配置される。コントローラ210は、第1の位置および第2の位置に基づいて、第1の位置および第2の位置に隣接した、または第1の位置と第2の位置との間の材料蓄積の量を決定してよい。一例として、より大きな温度差は、導管120内のより多量の材料蓄積に対応し得る。したがって、コントローラ210は、温度差データおよび対応する材料蓄積の量に基づいて、導管120内の材料蓄積の量を決定してよい。
【0045】
また他の例では、ステップ312において、コントローラ210は、材量蓄積を決定するために、温度差データを温度と相関付ける。具体的には、
図8は、温度差データ(y軸810)を時間(x軸820)と相関付けるグラフ800を示す。コントローラ210は、所与の流体流量および所与のヒータ電力(たとえば、励起信号は所定の電力を有する)に関して、プロット830、840、850によって示すように、変化する材料蓄積のレベルに関する導管120の定常状態温度差データを決定してよい。プロット830は、材量蓄積がない場合の2つ以上のセンサ202間の温度差を表し、プロット840は、導管120が第1の材料蓄積量(MB
1)を有する場合の2つ以上のセンサ202間の温度差を表し、プロット850は、導管120が第2の材料蓄積量(MB
2)を有する場合の2つ以上のセンサ202間の温度差を表しており、MB
1<MB
2である。したがって、コントローラ210は、定常状態温度差データに基づいて、導管120内の材料蓄積の量を決定してよい。
【0046】
他の例では、ステップ312に関して、コントローラ210は、電気データを材料蓄積の量と相関付ける。具体的には、
図9は、電力データとして示すセンサ電力消費量データ(y軸910)を材料蓄積の量(x軸920)と相関付けるグラフ900を示す。コントローラ210は、所与の流体流量および所与のヒータ電力(たとえば、励起信号は所定の電力を有する)に関して、プロット930に示すように、センサ202の加熱素子206の電力消費量を決定してよく、より高いレベルの電力消費量が、材料蓄積の量の増加と相関することが示される。したがって、コントローラ210は、センサ202の電力消費量に基づいて、導管120内の材料蓄積の量を決定してよい。
【0047】
任意選択的に、ステップ314において、コントローラ210は、材料蓄積の量を決定するために、熱力学データおよび電気データの少なくとも1つと共にシステムレベルデータを用いる。一例として、コントローラ210は、システムレベルデータとして、入口温度、導管120を通って流れる流体の組成、および/または導管120に沿って、および/または近接して配置された1または複数の熱電対からの熱電対データに基づいて、材量蓄積予測を更に精密化し、電気および/または熱力学データに基づいて決定された材料蓄積予測を調整または検証してよい。
【0048】
図3に戻ると、316において、コントローラ210は、材量蓄積の量が材料蓄積閾値よりも大きいかを決定する。材料蓄積の量が材料蓄積閾値よりも大きい場合、ルーチン300は320に進み、コントローラ210は、導管120内の制限された流体流路を示すアラートを生成する。アラートは、導管120の特定の位置でメンテナンス措置が必要であること、および/または特定の位置で必要なメンテナンス措置の種類を示してよい。アラートは、メンテナンス措置をユーザに通知するために、遠隔コンピューティングシステム、特にコントローラ210に通信可能に結合されたディスプレイに通信される。そうではなく、316において材量蓄積の量が材料蓄積閾値よりも小さい場合、ルーチン300は終了する。
【0049】
本明細書で明確に示されない限り、機械/熱特性、組成割合、寸法および/または公差、または他の特性を示す全ての数値は、本開示の範囲を説明する上で、「約」または「おおよそ」という言葉で修飾されるものと理解すべきである。この修飾は、工業的慣行、材料、製造、および組立て公差、および試験性能を含む様々な理由から望まれる。
【0050】
要素間の空間的および機能的関係は、「接続」、「係合」、「結合」、「隣接」、「隣り合う」、「上に」、「上」、「下」、および「配置」を含む様々な用語を使用して説明される。明確に「直接」と説明されない限り、本開示において第1および第2の要素間の関係が説明される場合、その関係は、第1および第2の要素間に他の介在要素が存在しない直接関係であってよく、また、第1および第2の要素間に1または複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接関係であってもよい。本明細書で使用される場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、排他的論理和を用いた論理的な(A OR B OR C)を意味すると解釈すべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈すべきではない。
【0051】
本出願において、「コントローラ」という用語は、「回路」という用語と置き換えられ得る。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合集積回路、組合せ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、またはグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを格納するメモリ回路(共有、専用、またはグループ)、説明される機能を提供する他の適切なハードウェア部品、またはたとえばシステムオンチップなどの上記のいくつかまたは全ての組み合わせを指し、またはその一部であり、またはこれらを含んでよい。
【0052】
コードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含んでよく、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指してよい。メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読媒体という用語は、媒体を介して(たとえば搬送波上で)伝搬する一時的な電気信号または電磁信号を包含せず、したがってコンピュータ可読媒体という用語は、有形かつ非一時的であると考えられ得る。
【0053】
本開示の説明は、本質的に単なる典型例であり、したがって、本開示の本質から逸脱しない変形例は、本開示の範囲内であることが意図される。そのような変形例は、本開示の主旨および範囲からの逸脱と見なされるものではない。
【国際調査報告】