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特表2023-545673物理ツールと仮想ツールの統合によるスタイルプロトタイプの作成と管理のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】物理ツールと仮想ツールの統合によるスタイルプロトタイプの作成と管理のための装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20231024BHJP
   G09B 9/05 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/01 560
G09B9/05 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519879
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 IB2021058845
(87)【国際公開番号】W WO2022070033
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102020000023053
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523010214
【氏名又は名称】グランスタジオ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】Granstudio S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】フェルメールシュ,ローウィ
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA63
5E555AA64
5E555AA79
5E555BA01
5E555BA05
5E555BA23
5E555BA38
5E555BB01
5E555BB05
5E555BB23
5E555BB38
5E555BC01
5E555BC08
5E555BE17
5E555CC01
5E555DA08
5E555DA24
5E555DB53
5E555DC84
5E555DD06
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
複数の物理的支持体(1,2,5,6,8)と、CPU及び表示及び制御装置(44,45,46)を含むデジタル媒体(25)とを含むスタイルプロトタイプの作成及び管理のための装置に関する。物理的支持体(1,2,5,6,8)は、複数のそれぞれのアクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)によって移動可能かつ調整可能である。CPUは、物理的支持体(1,2,5,6,8)の配置位置を所定位置に調整するようにアクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)を作動させるように、又は物理的支持体の位置を表示するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理環境及び仮想環境を統合するための装置であって、
好ましくはフロア(8)、少なくとも1つのシート(1,2)、及びステアリングホイール(6)を含むフロントヘッド(5)を含む、複数のそれぞれのアクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)によって移動可能及び/又は調整可能な複数の物理的支持体と、
CPU、及びユーザによって装着され得る少なくとも1つの3D仮想又は拡張現実バイザ(44)を含む表示及び制御装置(44,45,46)を備えるデジタル媒体(25)と、
を備え、
前記CPUは、以下の動作
前記物理的支持体(1,2,5,6,8)の配置位置を所定位置に調整するように前記アクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)の1つ又は複数を作動させることであって、前記所定位置は、前記表示及び制御装置(44,45,46)を用いて設定される、作動させること、
前記表示及び制御装置(44,45,46)を通じて、前記物理的支持体の位置を表示することであって、前記位置は、前記アクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)が作動されることで設定される、表示すること、
の少なくとも1つを実行するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記表示及び制御装置は、前記CPUに直接又は間接的に接続されるタブレット(45)、コンピュータ、又はフラットスクリーン(46)等を備え、物理オブジェクトの移動を管理できることに加えて、人間工学に基づいたシークエンス全体を再現する移動のレイアウトを表すことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の移動可能な物理的支持体は、前記表示装置(44,45,46)上に再現される仮想現実と直接インタフェースできる前記支持体の1つ又は複数を含み、
前記支持体は、
前記ステアリングホイール(6)の下に配置された少なくとも1つの自動車用ペダル(15)、
仮想現実との間の人間工学に基づいたフィードバックを提供するのに適した圧力センサ(41)を組み込むことができる、前記シート(1)の1つの横方向に配置された少なくとも1つのアームレスト(40)、
前記ヘッド(5)に配置された少なくとも1つのスイッチ(47)及び/又は少なくとも1つのスクリーン(46)、
を含む、
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
リアヘッド(7)を備え、
前記フロア(8)、前記フロントヘッド(5)及び前記リアヘッド(7)は、前記装置に設置される付加的な機能的、視覚的、及びモックアップ要素の結合のための
溝が設けられた四角形区域、
ねじ穴、
ネオジム磁石、
の少なくとも1つを担持する部分(16,17,18,49)を備える、
ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記アクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)の少なくとも1つを作動させるための少なくとも1つの手動スイッチ(47)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、1つ又は複数のさらなる調整装置(50)によって、前記シートの基準設計構成とは異なる、前記シート(1)の複数の構成をシミュレーションできることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
デジタル媒体(25)であって、前記デジタル媒体(25)は、前記3D仮想又は拡張現実バイザ(44)とインタフェースされ得、感覚及びフィードバックを、複数の物理的支持体の移動及び/又は調整とつなぐように設計され、複数の物理的支持体は、好ましくはフロア(8)、少なくとも1つのシート(1,2)、及びステアリングホイール(6)を含むフロントヘッド(5)を含み、前記デジタル媒体(25)は、CPU、及び表示及び制御装置(44,45,46)を備え、前記CPUは、以下の動作
前記物理的支持体(1,2,5,6,8)の配置位置を所定位置に調整するように1つ又は複数のアクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)を作動させることであって、前記所定位置は、前記表示及び制御装置(44,45,46)によって設定される、作動させること、
前記表示及び制御装置(44,45,46)を通じて、前記物理的支持体の位置を表示することであって、前記位置は、前記アクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)を作動させることで設定される、表示すること、
の少なくとも1つを実行するように構成される、
デジタル媒体。
【請求項8】
前記表示及び制御装置(44,45,46)は、1又は複数のユーザによって装着され得る少なくとも1つの3D仮想又は拡張現実バイザ(44)を含むことを特徴とする、請求項7に記載のデジタル媒体。
【請求項9】
ユーザによって装着され得る3D仮想又は拡張現実バイザ(44)の使用であって、前記スクリーン(46)は、CPUに接続され、前記CPUは、以下の動作
物理的支持体(1,2,5,6,8)の配置位置を所定位置に調整するように1つ又は複数のアクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)を作動させることであって、前記所定位置は、前記表示及び制御装置(44,45,46)によって設定される、作動させること、
前記表示及び制御装置(44,45,46)を通じて、前記物理的支持体の位置を表示することであって、前記位置は、前記アクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)を作動させることで設定される、表示すること、
の少なくとも一つを実行するように構成され、
前記所定位置は、例えば、前記物理的支持体(1,2,5,8)の居住性、利用可能性及び到達可能性を再現する、全ての前記構成要素及びアクチュエータ(9,10,11,12,13,38,39)の移動ルーチンによる、新規又は既存の車両の再現である、
3D仮想又は拡張現実バイザの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両(外装及び内装)の設計及び/又はプロトタイプの解決策の設計、検討及び提示のための装置に関し、より詳細には、物理的支持体(少なくとも1つのフロア、一対のシート、ステアリングホイールを含むフロントヘッド)とデジタル媒体の間のシームレスな接続を可能にする、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車の外装(エクステリア)及び内装(インテリア)のデザイン(設計)は販売成功の基本的な側面になっているため、ボディ形状と内装の人間工学(エルゴノミクス)の画定、作成、改良、提示は、ツールに関する新しい技術的及びスタイル上の問題に直面するデザイナーにとって、特に、経済的及び環境的な観点から適切ではないモデルの改善と提示に関して、大きな課題となっている。
【0003】
現在、例えば新車の設計プロセスでは、表面の形状を改良するために、及び技術者及び顧客にモデルを提示するために、実物大の物理モデルを作成するのが通例である。
【0004】
現在までに、コンピュータの使用により、設計プロセスのほとんどがデジタル化され、設計者は求める形状の画定と作成をより迅速かつ直接的に制御できるようになった。しかし、従来のモックアップモデル(3Dプリント、木製及び粘土モデル等)の作成において典型的な時間、コスト、及び無駄を削減するために、物理ツールと仮想ツールを統合することにより、設計者がそのプロジェクトを改良及び提示できるようにする装置は現在ない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、前述の欠点を克服することである。当該目的を達成するために、本発明は、請求項1のプリアンブルで定められるタイプのスタイルプロトタイプの準備、評価、及び提示のために、物理及び仮想環境を統合するための装置に関する。本発明は、物理的支持体、CPU、及び表示及び制御装置を備え、表示及び制御装置は、ユーザによって装着され得る少なくとも1つの3D仮想又は拡張現実バイザ(44)を含む。物理的支持体の位置は、複数のそれぞれのアクチュエータによって、移動可能かつ調整可能なデジタル媒体の位置と相互に関連付けられる。CPUは、以下の動作、物理的支持体の配置位置を所定位置に調整するように1つ又は複数のアクチュエータを作動させることであって、当該所定位置は、表示及び制御装置によって設定される、作動させること、及び/又は表示及び制御装置によって物理的支持体の位置を表示することであって、当該位置は、アクチュエータを作動させることによって設定される、表示すること、の少なくとも1つを実行するように構成される。
【0006】
この解決策のアイデアのおかげで、本発明による単一の装置は、さまざまなプロジェクトの改良及び提示に使用され得、通常必要とされる物理的なモックアップ支持体の製作を削減し、コスト、時間、モデルの保管スペース及び輸送の点で利点を有する。本発明のさらなる利点は、設計プロセスの時間とコストを削減することを可能にする装置を提供することにある。物理的支持体と仮想モデルのこのような組み合わせにより、設計者は物理モデルをほぼ完全にデジタル化された設計、検討、及び提示モデルに置き換えることができる。
【0007】
さらに、3D仮想又は拡張現実バイザのおかげで、構成部品の色、形状、人間工学などをリアルタイムで表示、検証、提示、及び場合によっては変更でき、視覚と触覚の完全な統合をユーザに保証する。
【0008】
一実施形態では、表示及び制御装置は、CPUに直接又は間接的に接続されたタブレット、コンピュータ、フラットスクリーンなどを含んでもよく、物理オブジェクトの移動を管理できることに加えて、人間工学に基づいたシーケンス全体を再現する移動のレイアウトを表すことができる。これにより、例えば、新車モデルの提示を複数のユーザとリモートでも共有できる。
【0009】
本発明の一実施形態では、複数の移動可能な物理的支持体は、表示装置上に再現される仮想現実と直接インタフェースできる以下の支持体、ステアリングホイールの下に配置された少なくとも1つの自動車用ペダル、仮想現実との間の人間工学に基づいたフィードバックを提供するのに適した圧力センサを組み込むことができる、シートの1つの横方向に配置された少なくとも1つのアームレスト、フロントヘッドに配置された少なくとも1つのスイッチ及び/又は少なくとも1つのスクリーン、の1つ又は複数を含んでもよい。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、フロントヘッド及びリアヘッド並びにフロアは、装置上に設置される付加的な機能的、視覚的、及びモックアップ要素を結合するための、溝を設けられた四角形区域、ねじ穴及び/又はネオジム磁石、のうちの少なくとも1つを担持する部分を備える。実際、本発明による装置は、「オープン」プラットフォームとして、すなわち、可能な限り設計形状及び人間工学をシミュレーションするために、CNCでフライス加工されたフォーム構成部品、付加的な支持体及びスクリーン等の、さまざまなタイプの物理的支持体がその上に追加され得るベースとして設計される。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、スタイルプロトタイプの作成及び管理のための装置は、アクチュエータの少なくとも1つを作動させるための少なくとも1つの手動スイッチを備える。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、装置は、1つ又は複数のさらなる調整装置及び/又は少なくとも1つの手動スイッチによって、シートの基準設計構成とは異なる、シートの複数の構成をシミュレーションできる。
【0013】
さらに、本発明による装置は、好都合には移動可能なユニットからなる。
【0014】
本発明は、また、3D仮想又は拡張現実バイザにインタフェースできるデジタル媒体にも関し、感覚及びフィードバックを、好ましくはフロア、少なくとも1つのシート、及びステアリングホイールを含むフロントヘッドを含む、複数の物理的支持体の移動及び/又は調整とつなぐように設計されている。デジタル媒体は、CPU及び表示及び制御装置(44,45,46)を備える。CPUは、物理的支持体の配置位置を所定位置に調整するように、1つ又は複数のアクチュエータを作動させるように、表示及び制御装置によって物理的支持体の位置を表示するように、構成される。当該所定位置は、表示及び制御装置によって設定される。当該位置は、アクチュエータを作動させることによって設定される。所定位置は、全ての物理的支持体の居住性、利用可能性(アクセシビリティ)及び到達可能性を再現する、新規又は既存の車両のすべての構成要素及びアクチュエータの再現である。
【0015】
したがって、本発明は、ユーザが以下のことを可能にするスタイルプロトタイプの作成及び管理のための装置を提供する:
現地とリモートの両方で、設計プロセス中に車の内装と外装の設計を検討し、提示すること、
アームレストの高さ、計器やコックピットスクリーン等の配置等の、設計に関連する人間工学を開発及び検証すること、
単一の装置を使用してリモートであっても顧客への提示のためのさまざまな自動車モデルを提示し、参加者と同じ体験を共有し、設計管理者に求められる移動距離を削減し、物理モデルを世界中に輸送する時間とコストを削減すること。
【0016】
さらに、本発明は、ユーザが装着できる3D仮想又は拡張現実バイザの使用を提供する。スクリーンは、CPUに接続される。CPUは、以下の動作、物理的支持体の配置位置を所定位置に調整するように1つ又は複数のアクチュエータを作動させること、表示及び制御装置によって物理的支持体の位置を表示すること、の少なくとも1つを実行するように構成されている。当該所定位置は、表示及び制御装置によって設定される。当該位置は、アクチュエータを作動させることによって設定される。所定位置は、例えば、物理的支持体の居住性、利用可能性及び到達可能性を再現する、全ての構成要素及びアクチュエータのルーチン移動による、新規又は既存の車両の再現である。
【0017】
本発明の目的は、「従来のワークフロー」による提示と比較して、その独創性とコミュニケーション能力を高めるために、現実世界とデジタル世界との間の相関関係を作成することである。
【0018】
さらに、本発明の目的は、プロセスの初期段階で設計を検証し、設計をより迅速かつ費用対効果が高くなるようにすることであり、設計の開発をより効率的かつ効果的にする設計ツールである。
【0019】
設計プロセスは最初から最後まで多くのステップを経て、各ステップの最後に「仕様」のリストが作成される。本発明により、これらの仕様を実装可能かつ表示可能にでき、継続的な検証を通じた誤り又は誤解のおそれを減らすことができ、これにより、「フィジタルなプロトタイピングプロセス」として定められる新しいワークフローを定めることができる。
【0020】
したがって、本発明は、設計の早期検証を可能にする物理及びデジタル間の動的リアルタイム相関を作成し、時間と費用を節約して、従来の車両設計プロセスをより単純かつ柔軟にする。
【0021】
さらに、本発明は、(通常の場合のように)プロジェクトの最後ではなく、プロジェクトの開始時にユーザテストステップを行うことができる。例えば、ユーザは、さまざまなプロジェクトごとに最適なレイアウトを事前に定めることができるように、本発明による物理環境と仮想環境を統合する装置を使用して人間工学を試し、検証できる。
【0022】
本解決策のアイデアにより、デジタル技術を周囲の物理環境と組み合わせることができ、例えば、仮想設計を可能にし、特定の設計のアニメーションを準備でき、本発明による装置はそれを物理的に再現することを可能にする。この新しいプロセスにより、物理環境にマッピングすることによって車両の仮想設計をシミュレーションできる。
【0023】
さらに、本発明による装置は、設計の検証に関連すると考えられる構成要素/制限のみを追加することを可能にし、全体をより費用対効果が高く、より容易にする。
【0024】
さらに、本発明による装置は、ユーザが仮想現実で見ているものを物理的に見て試し、内容を標準スクリーン又はタブレットに送信し、それらを双方向に同期させることを可能にする。したがって、見ている者は、仮想現実で何が起こっているかについてフィードバックを得ることができ、通常は限られた数のユーザのみがVR技術を使用する提示(プレゼンテーション)に価値を追加できる。
【0025】
さらに、視覚効果に加えて、本発明による解決案は、触覚フィードバックを提供することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
単に、非限定的な例として提供される添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0027】
図1図1は、本発明によるスタイルプロトタイプの作成及び管理のための装置の第1の実施形態の概略的な正面斜視図である。
図2図2は、本発明による装置の第2の実施形態の概略的な背面斜視図である。
図3図3は、図1の部分分解図である。
図4図4は、図1の細部を示す概略的な斜視図である。
図5図5は、図4の分解図である。
図6図6は、図4の一部を拡大した縦断面図である。
図7図7は、図1の別の細部を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
まず図1を参照すると、本発明によるスタイルプロトタイプの作成及び管理のために物理環境と仮想環境を統合するための装置が、フロア8の端部の角に近接して配置された2対のアクチュエータ9,10,11,12によって垂直に移動可能なフロア8を含む実施形態で示されている。フロア8には、一対の前部シート1,2、一対の後部シート3,4をそれぞれ設置するための一対の前方矩形開口22、一対の後方矩形開口23が設けられている。各シート1には、以下に説明するそれぞれの電動及び調整装置13が設けられている。本発明による装置はさらに、同じく移動可能及び調節可能なステアリングホイール6を含むフロントヘッド5と、後述するデジタル媒体の一部を含むリアヘッド7とを備える。
【0029】
図2は、本発明の別の実施形態を示しており、上述した実施形態と同一又は類似の部品は、同じ参照符号を使用して示され、一対のシート1、2のみを含む。さらに、図2は、以下で説明する、一対の自動車用ペダル15、ステアリングホイール6を移動及び調整するための電気装置14、フロントヘッド5上に配置されたスクリーン46、3D仮想又は拡張現実バイザ44、及びタブレット45を示している。
【0030】
ここで、図3を参照すると、フロア8は、その上面に、本発明における装置に既に設置された、又は要求に応じていつでも設置される、仮想現実との間の人間工学に基づいたフィードバックを提供するのに適した、圧力センサ41を備えた1つ又は複数のアームレスト40、ドア等の付加的な機能的要素及びモックアップを結合するための、溝を担持する四角形区域が設けられた一対の側方部分16と、ねじ穴及び/又はネオジム磁石が設けられた中間部分48とを備える。さらに、フロントヘッド5及びリアヘッド7はまた、例えば図2に示されるフラットスクリーン46などの付加的な機能的及び視覚的要素を結合するためのねじ穴及び/又はネオジム磁石が設けられたそれぞれの上部パネル17,18を備える。フロント/リアヘッド5,7は、フロント/リアカバーネット27及び上部パネル17,18を支持するための固定フレーム24をさらに備える。
【0031】
さらに図3を参照すると、フロア8のアクチュエータ9,10,11,12のそれぞれは、本発明による装置の他の物理的支持体に対して上昇及び下降させることが可能なようにフロア8の端部に接続されたそれぞれの移動可能なブラケット19を備える。さらに、フロントアクチュエータ9,10のそれぞれは、その調整及び移動のために上部でフロントヘッド5の側方部分に接続されたそれぞれの軸方向に移動可能な支柱20,21を備える。リアヘッド7は、フレーム24、CPU25及びカバーパネル26を含むデジタル媒体の一部を含む。
【0032】
図4、5、6は、3つの軸X、Y、Zに沿って移動及び調整され得るシート1,2,3,4のそれぞれを移動及び調整するための電気装置13を示す。移動及び調整装置13は、スライド29がアクチュエータ31によって作動される長手方向スライドガイド30に沿って移動可能である支持フレーム28と、ガイド33に沿ってスライド29に対して横方向に移動可能である支持体32とを含む。支持体32の内部には、中空要素34が配置され、その内部には、プレート43によってそれぞれのシート1に接続された、矢印の方向に沿って垂直に作動できる円筒形アクチュエータ35が配置されている。
【0033】
図7は、結合溝を担持するフロントヘッド5の部分16、ステアリングホイール6を横方向に調節するためのアクチュエータ38によって横ガイドに沿って移動可能な支持体36、及び、一対のガイド37、固定支持体36に関節接合されてアクチュエータ39によって回転可能なブラケット14を備える、ステアリングホイール6の縦方向の調整のための装置を示す。
【0034】
本発明による装置は、少なくとも2つの異なる動作モードで使用され得る。
【0035】
第1に、例えば、新しい自動車モデルの提示(プレゼンテーション)のために、設計者は、コンピュータ又はタブレット45を使用して、車両の技術的、人間工学的、及び法律上のレイアウトに関連して、前述の可動支持体のそれぞれを配置できる。したがって、潜在的な顧客は、例えば、3D仮想又は拡張現実バイザ44又はスクリーン46を使用して、設計の視覚的特徴を見て、同時に、適切に配置された物理的支持体を使用して、現在の自動車の基本的な制御及びコマンドの人間工学及び実際の機能を試すことができる。
【0036】
第2の動作モードでは、本発明による装置により、設計者は、例えば3D仮想若しくは拡張現実バイザ44又はスクリーン46を使用して、設計中の自動車の物理的要素の所定の構成を確認し、同時に、その人間工学及びスタイルを試すことができ、必要に応じて、ユーザは、例えばコンピュータ又はタブレット45を使用して、それらをリアルタイムで変更できる。
【0037】
明らかに、構造の詳細及び実施形態は、特許請求の範囲で定められる本発明の保護の範囲から逸脱することなく、説明及び図示されたものに関して広く変化し得る。したがって、例えば、シート、ステアリングホイール6、及びペダルの一般的な構成は、図面に示されているものとは異なってもよく、世界中の自動車モデルのモデルに適合させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】