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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231024BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231024BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521322
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2021078204
(87)【国際公開番号】W WO2022079041
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】2016478.6
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ビュロー, デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】シェリダン, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ロクトマン, ダニエル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC02
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
本開示は、エアロゾル供給デバイスに関する。デバイスは、デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、デバイスチャンバの端部からチャンバ内に突出する加熱要素と、エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルとを有する。レセプタクルは、デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、デバイスチャンバからのレセプタクルの取り外し中に加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える。本開示はさらに、システム、エアロゾル供給デバイスを用いる方法、及びエアロゾル供給システムに関する。
【選択図】 図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、
前記デバイスチャンバの端部から前記デバイスチャンバ内に突出する加熱要素と、
エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルと、
を備え、
前記レセプタクルは、前記デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、前記デバイスチャンバからの前記レセプタクルの取り外し中に前記加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記レセプタクルが基部を備え、前記加熱要素が、前記基部を通じて前記加熱チャンバ内に突出するように配置される、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記基部が前記接触特徴部を形成する、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記基部が、前記加熱要素が通って延びる開口部を含み、前記接触特徴部が、前記開口部の側部の少なくとも一部によって画定される、請求項2又は3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記基部が弾性部材を含む、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記基部が、前記デバイスチャンバの前記端部に位置する、請求項2~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記レセプタクルが、前記加熱チャンバ内に突出する前記加熱要素を取り囲む前記加熱チャンバを画定するように前記基部から突出する壁をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記レセプタクルが、前記デバイスチャンバから突出するように構成されたリップを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記レセプタクルが、前記デバイスチャンバ内において取り外し可能に固定される、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記加熱要素が、前記デバイスチャンバから後退可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記加熱要素が、変動磁場の侵入によって加熱可能であるサセプタを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記サセプタの周りに延びるインダクタコイルをさらに備え、前記インダクタコイルが、前記変動磁場を生成するように構成される、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記加熱要素が、実質的にブレード形状である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記開口部の前記側部が、前記実質的にブレード形状の加熱要素と摺動接触するようなサイズ及び形状にされる、請求項13に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記加熱要素が、実質的にピン形状である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記開口部の前記側部が、前記実質的にピン形状の加熱要素と摺動接触するようなサイズ及び形状にされる、請求項15に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記エアロゾル供給デバイスが不燃性エアロゾル供給デバイスである、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記エアロゾル供給デバイスが、非液体エアロゾル化可能材料を加熱するように構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
消耗品と、
エアロゾル供給デバイスと、
を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、
デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、
前記デバイスチャンバの端部から前記チャンバ内に突出する加熱要素と、
エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルと、
を備え、
前記レセプタクルは、前記デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、前記デバイスチャンバからの前記レセプタクルの取り外し中に前記加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える、システム。
【請求項20】
前記レセプタクルが基部を備え、前記加熱要素が、前記基部を通じて前記加熱チャンバ内に突出するように配置される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記基部が前記接触特徴部を形成する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記基部が、前記加熱要素が通って延びる開口部を含み、前記接触特徴部が、前記開口部の側部の少なくとも一部によって画定される、請求項19又は20に記載のシステム。
【請求項23】
前記基部が、前記デバイスチャンバの前記端部に位置する、請求項19~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記レセプタクルが、前記加熱チャンバ内に突出する前記加熱要素を取り囲む前記加熱チャンバを画定するように前記基部から突出する壁をさらに備える、請求項19~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記レセプタクルが、前記デバイスチャンバから突出するように構成されたリップを含む、請求項19~24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記レセプタクルが、前記デバイスチャンバ内において取り外し可能に固定される、請求項19~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを用いる方法であって、前記方法は、
前記レセプタクルを前記デバイスハウジングの前記消耗品チャンバから取り外し、前記レセプタクルの取り外し中に、前記開口部を用いて、前記加熱要素に沿ってスクレープを行い、前記加熱要素を清掃するステップを含む、方法。
【請求項28】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給エアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を備える物品であって、前記物品はヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受けられるような寸法にされている、物品と、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項29】
デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、
前記デバイスチャンバの端部から前記デバイスチャンバ内に突出する加熱要素と、
前記デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設されたインサートであって、前記インサートは、前記デバイスチャンバからの前記インサートの取り外し中に前記加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える、インサートと、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項30】
デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、
前記デバイスチャンバの端部から前記デバイスチャンバ内に突出する加熱要素と、
エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルであって、前記レセプタクルは、前記デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設される、レセプタクルと、
を備え、
前記レセプタクルは、前記デバイスチャンバからの前記レセプタクルの取り外し中に前記加熱要素をスクレープするように配置されたスクレーパを備えてもよい、エアロゾル供給デバイス。
【請求項31】
エアロゾル供給デバイスのためのレセプタクルであって、前記レセプタクルは、
エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバであって、前記レセプタクルは、前記エアロゾル供給デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、
前記レセプタクルは、前記ハウジング内において加熱要素を取り外し可能に受けるように配置される、加熱チャンバと、
前記ハウジングへの及び前記ハウジングからの前記レセプタクルの挿入及び取り外しのうちの少なくとも一方の間に前記エアロゾル供給デバイスの加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部と、
を備える、レセプタクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイスに関する。本発明はさらに、エアロゾル供給デバイスを用いる方法、及びエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含む物品とを備えるエアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコ等の喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。これらの物品の代替品を、燃焼させずに化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。このような製品の例には、材料を燃焼させるのではなく加熱することによって化合物を放出する、いわゆる「非燃焼加熱式」製品又はタバコ加熱デバイス若しくは製品がある。この材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品とすることができ、これらはニコチンを含む場合も含まない場合もある。
【概要】
【0003】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、デバイスチャンバの端部からデバイスチャンバ内に突出する加熱要素と、エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルとを備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。レセプタクルは、デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、デバイスチャンバからのレセプタクルの取り外し中に加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える。
【0004】
レセプタクルは基部を備えてもよく、加熱要素は、基部を通じて加熱チャンバ内に突出するように配置される。基部は、接触特徴部を形成してもよい。基部は、加熱要素が通って延びる開口部をさらに含んでもよく、接触特徴部は、開口部の側部の少なくとも一部によって画定される。基部は、弾性材料を含んでもよい。基部は、デバイスチャンバの端部に位置してもよい。
【0005】
レセプタクルは、デバイスチャンバ内に突出する加熱要素を取り囲む加熱チャンバを画定するように基部から突出する壁をさらに含んでもよい。
【0006】
レセプタクルは、デバイスチャンバから突出するように構成されたリップをさらに含んでもよい。
【0007】
レセプタクルは、デバイスチャンバ内において取り外し可能に固定されてもよい。
【0008】
加熱要素はデバイスチャンバから後退可能であってもよい。
【0009】
加熱要素は、変動磁場の侵入によって加熱可能であるサセプタを備えてもよい。インダクタコイルは、サセプタの周りに延びてもよく、インダクタコイルは、変動磁場を生成するように構成される。
【0010】
加熱要素は実質的にブレード形状であってもよい。開口部の側部は、実質的にブレード形状の加熱要素と摺動接触するようなサイズ及び形状にされてもよい。
【0011】
加熱要素は実質的にピン形状であってもよい。開口部の側部は、実質的にピン形状の加熱要素と摺動接触するようなサイズ及び形状にされてもよい。
【0012】
エアロゾル供給デバイスは不燃性エアロゾル供給デバイスであってもよい。
【0013】
エアロゾル供給デバイスは、非液体エアロゾル化可能材料を加熱するように構成されてもよい。
【0014】
本明細書に記載のいくつかの実施形態において、消耗品及びエアロゾル供給デバイスを備えるシステムが提供される。エアロゾル供給デバイスは、デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、デバイスチャンバの端部からチャンバ内に突出する加熱要素と、エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルとを備える。レセプタクルは、デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、デバイスチャンバからのレセプタクルの取り外し中に加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える。
【0015】
レセプタクルは基部を備えてもよく、加熱要素は、基部を通じて加熱チャンバ内に突出するように配置される。基部は、接触特徴部を形成してもよい。基部は、加熱要素が通って延びる開口部をさらに含んでもよく、接触特徴部は、開口部の側部の少なくとも一部によって画定される。基部は、デバイスチャンバの端部に位置してもよい。レセプタクルは、デバイスチャンバ内に突出する加熱要素を取り囲む加熱チャンバを画定するように基部から突出する壁をさらに含んでもよい。レセプタクルは、デバイスチャンバから突出するように構成されたリップをさらに含んでもよい。レセプタクルは、デバイスチャンバ内において取り外し可能に固定されてもよい。
【0016】
本明細書に記載のいくつかの実施形態において、上記に記載のエアロゾル供給デバイスを用いる方法が提供される。方法は、レセプタクルをデバイスハウジングの消耗品チャンバから取り外し、レセプタクルの取り外し中に、開口部を用いて、加熱要素に沿ってスクレープを行い、加熱要素を清掃するステップを含む。
【0017】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、上記に記載のエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含む物品であって、物品はヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受けられるような寸法にされている、物品と、を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0018】
本明細書に記載のいくつかの実施形態において、デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、デバイスチャンバの端部からデバイスチャンバ内に突出する加熱要素と、デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設されたインサートであって、インサートは、デバイスチャンバからのインサートの取り外し中に加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える、インサートと、を備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0019】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、デバイスチャンバの端部からデバイスチャンバ内に突出する加熱要素と、エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルとを備える、エアロゾル供給デバイスが提供される。レセプタクルは、デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設される。レセプタクルは、デバイスチャンバからのレセプタクルの取り外し中に加熱要素をスクレープするように配置されたスクレーパを備えてもよい。
【0020】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスのためのレセプタクルであって、このレセプタクルは、エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバであって、レセプタクルは、エアロゾル供給デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、レセプタクルは、ハウジング内において加熱要素を取り外し可能に受けるように配置される、加熱チャンバと、ハウジングへの及びハウジングからのレセプタクルの挿入及び取り外しのうちの少なくとも一方の間にエアロゾル供給デバイスの加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部と、を備える、レセプタクルが提供される。
【0021】
ここで、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例示的な不燃性エアロゾル供給デバイスの概略断面図である。
図2A】例示的なエアロゾル供給デバイスのデバイスハウジング及び取り外し可能なレセプタクルの例の概略断面図である。
図2B】例示的なエアロゾル供給デバイスのデバイスハウジング及び取り外し可能なレセプタクルの別の例の概略断面図である。
図3A】取り外し可能なレセプタクルの例の概略端面図である。
図3B】取り外し可能なレセプタクルの別の例の概略端面図である。
【詳細な説明】
【0023】
本明細書において用いられるとき、「エアロゾル生成材料」という用語は、典型的にはエアロゾルの形態で、加熱時に揮発成分を提供する材料を含む。エアロゾル生成材料は、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含んでもよい。エアロゾル生成材料はさらに、他の、非タバコの製品を含んでもよく、製品によっては、ニコチンを含んでもよいし、含んでいなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、ゲル、蝋等の形態であってもよい。エアロゾル生成材料はまた、例えば、材料を組み合わせたもの、又はブレンドしたものであってもよい。エアロゾル生成材料は、「喫煙材」として知られる場合もある。
【0024】
エアロゾル生成材料を燃やさずに又は燃焼させずに、エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させて、典型的には、吸入することができるエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は時として、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、又は「タバコ加熱デバイス」、又はこれらに類似するものとして説明される。同様に、いわゆるeシガレットデバイスもあり、eシガレットデバイスは、典型的には、ニコチンを含んでもよいし、含んでいなくてもよい、液体の形態のエアロゾル生成材料を気化する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジ、又はカセット等の形態であってもよく、又はこれらの一部として提供されてもよい。
【0025】
エアロゾル供給デバイスは、加熱のためのエアロゾル生成材料を含む物品を受け入れることができる。この文脈における「物品」とは、エアロゾル生成材料を揮発させるために加熱されるエアロゾル生成材料を使用時に含むか又は含有し、任意選択で他の構成要素を使用時に含むか又は含有する構成要素である。ユーザは、物品をエアロゾル供給デバイスに挿入することができ、その後、エアロゾル供給デバイスが加熱されてエアロゾルを生成し、続いてこれをユーザが吸入する。物品は、例えば、物品を受け入れるようなサイズにされたデバイスの加熱チャンバ内に配置されるように構成された、予め定められた又は特定のサイズとしてもよい。
【0026】
本明細書において用いられるとき、「消耗品」という用語は、使用時にエアロゾル供給デバイスに挿入することができるエアロゾル生成材料を備えるか、含むか又は含有する物品を含む。
【0027】
エアロゾル供給デバイスにおいて用いられる消耗品は、時折、消耗品が加熱されるコンパートメント又はチャンバ内に残留物を残す場合がある。消耗品によって残された残留物は、使用後にコンパートメント又はチャンバから取り除くことが困難である場合があるため、これは厄介であり得る。
【0028】
図1を参照すると、エアロゾル供給デバイス1の一般的な例が示されている。エアロゾル供給デバイス1は、デバイスハウジング16と、レセプタクル14とを備える。デバイスハウジング16は、レセプタクル14及び消耗品10を受けるためのデバイスチャンバ(図示せず)を画定する。レセプタクル14はインサートとしての役割を果たす。すなわち、インサートは、デバイスチャンバ内に挿入可能な特徴部を備える。図1に示すように、デバイスハウジング16の端部16aに加熱要素12を設けてもよい。レセプタクル14は、消耗品10を受ける空間(本明細書において「加熱チャンバ」と呼ばれる)を画定する。加熱要素12は、デバイスハウジング16の端部16aからレセプタクル14によって画定される加熱チャンバまで突出する。使用時に、消耗品10は、加熱チャンバに挿入され、加熱要素12に係合する。
【0029】
図1には示されていないが、レセプタクル14をデバイスハウジング16から取り外し可能とすることができることが考案されている。いくつかの実施形態では、加熱要素12は取り外し可能としてもよい。いくつかの実施形態では、レセプタクル14はデバイスハウジング16に固定され、加熱要素12のみが取り外し可能である。
【0030】
図2Aを参照すると、エアロゾル供給デバイス100の例の概略断面図が示されている。図1と同様に、消耗品101、デバイスハウジング162、レセプタクル142及び加熱要素122が示されている。レセプタクル142はデバイスハウジング162に挿入されてもよい。図2Aに示すように、レセプタクル142は、消耗品101を挿入してもよい加熱チャンバを画定する。加熱要素122は、デバイスハウジング162の端部162aから延び、デバイスハウジング162の端部162aから、レセプタクル142によって画定される加熱チャンバ内に突出する。次に、消耗品101は、加熱チャンバに挿入され、加熱要素122に係合する。レセプタクル142は基部172を備える。基部172には(例えば図3Aに示すように)開口部150が設けられる。基部172は開口部の周縁部を画定する。縁部は第1の側部142a及び第2の側部142bを画定する。開口部150は加熱要素122と同じ形状である。開口部150は、加熱要素122が加熱チャンバ内に突出することを可能にするが、加熱要素122に対する第1の側部142a及び第2の側部142bの摺動接触も可能にする。基部172は、加熱要素122と摺動接触するように配置された接触特徴部としての役割を果たす。実施形態において、接触特徴部は、基部172の上又は下に突出する別の特徴部、例えばフランジ又はスクレーパ(図示せず)である。レセプタクルは、加熱チャンバ内に突出する加熱要素122を取り囲む加熱チャンバを画定するように基部172から突出する壁152をさらに含む。実施形態において、レセプタクルは、ユーザがレセプタクルを容易に取り外し、挿入することを可能にする、デバイスチャンバから突出するリップ(図示せず)を含む。
【0031】
図2Aにおいて、加熱要素122は、実質的にブレード形状の加熱要素として示されている。
【0032】
使用時に、レセプタクル142はデバイスハウジング162に挿入され、それによって、側部142a及び142bが加熱要素122に接触し、加熱要素122が開口部を通ることが可能になる。次に、消耗品101は、レセプタクル142によって画定された加熱チャンバに挿入され、加熱要素122に係合する。消耗品101が加熱チャンバ内で加熱され、ユーザによって用いられると、消耗品101はエアロゾル供給デバイス100から取り外される。消耗品101が取り外されることにより、加熱要素122の周りに残留物が残される場合がある。したがって、使用後、ユーザはレセプタクル142を取り外してもよい。第1及び第2の側部142a及び142bは、加熱要素122に接触し、加熱要素122をスクレープし、レセプタクル142が取り外される際に残留物を加熱要素122から離すことによって、残留物が取り除かれることを可能にする。これにより、レセプタクル142がデバイスハウジング162から取り外された後、残留物がレセプタクル142に含有されていることが可能になる。次に、レセプタクル142に残っている残留物を、レセプタクル142がエアロゾル供給デバイス100から取り外された後に破棄してもよい。
【0033】
図2Bを参照すると、エアロゾル供給デバイス200の例の概略断面図が示されている。図2Aと同様に、消耗品201、デバイスハウジング262、レセプタクル242及び加熱要素222が示されている。レセプタクル242はデバイスハウジング262に挿入されてもよい。図2Bに示すように、レセプタクル242は、消耗品201を挿入してもよい加熱チャンバを画定する。加熱要素222は、デバイスハウジング262の端部262aから延び、デバイスハウジング262の端部262aから、レセプタクル242によって画定される加熱チャンバ内に突出する。次に、消耗品201は、加熱チャンバに挿入され、加熱要素222に係合する。レセプタクル242は基部272を備える。基部272には(例えば図3Bに示すように)開口部250が設けられる。基部272は開口部の周縁部を画定する。縁部は第1の側部242a及び第2の側部242bを画定する。開口部250は加熱要素222と同じ形状である。開口部250は、加熱要素222が加熱チャンバ内に突出することを可能にするが、加熱要素222に対する第1の側部242a及び第2の側部242bの摺動接触も可能にする。基部272は、加熱要素222と摺動接触するように配置された接触特徴部としての役割を果たす。実施形態において、接触特徴部は、基部272の上又は下に突出する別の特徴部、例えばフランジ又はスクレーパ(図示せず)である。レセプタクルは、加熱チャンバ内に突出する加熱要素122を取り囲む加熱チャンバを画定するように基部272から突出する壁252をさらに含む。実施形態において、レセプタクルは、ユーザがレセプタクルを容易に取り外し、挿入することを可能にする、デバイスチャンバから突出するリップ(図示せず)を含む。
【0034】
図2Bにおいて、加熱要素222は、実質的にピン形状の加熱要素として示されている。
【0035】
使用時に、レセプタクル242はデバイスハウジング262に挿入され、それによって、側部242a及び242bが加熱要素222に接触し、加熱要素222が開口部を通ることが可能になる。次に、消耗品201は、レセプタクル242によって画定された加熱チャンバに挿入され、加熱要素222に係合する。消耗品201が加熱チャンバ内で加熱され、ユーザによって用いられると、消耗品201はエアロゾル供給デバイス200から取り外される。消耗品201が取り外されることにより、加熱要素222の周りに残留物が残される場合がある。したがって、使用後、ユーザはレセプタクル242を取り外してもよい。第1及び第2の側部242a及び242bは、加熱要素222に接触し、加熱要素222をスクレープし、レセプタクル242が取り外される際に残留物を加熱要素222から離すことによって、残留物が取り除かれることを可能にする。これにより、レセプタクル242がデバイスハウジング262から取り外された後、残留物がレセプタクル242に含有されていることが可能になる。次に、レセプタクル242に残っている残留物を、レセプタクル242がエアロゾル供給デバイス200から取り外された後に破棄してもよい。
【0036】
図2A及び図2Bにおいて、レセプタクル142、242がデバイスハウジング162、262から取り外し可能であり得ることが示されている。代替的に又は加えて、加熱要素122、222がエアロゾル供給デバイス100、200から取り外されてもよいことが考案されている。
【0037】
図3Aを参照すると、レセプタクル142の基部の概略図が示されている。図2Aに関して説明したように、加熱要素122(図3Aには示されていない)に接触し、加熱要素122を取り囲むことができる開口部150が設けられている。開口部150は、加熱要素122(ここでも、図3Aには示されていない)に摺動可能に接触するようなサイズ及び形状にされており、示すように、実質的にブレード形状の加熱要素に接触し、これを取り囲むような形状及びサイズにされている。
【0038】
図3Bを参照すると、レセプタクル242の基部の概略図が示されている。図2Bに関して説明したように、加熱要素222(図3Bには示されていない)に接触し、加熱要素222を取り囲むことができる開口部250が設けられている。開口部250は、加熱要素222(ここでも、図3Bには示されていない)に摺動可能に接触するようなサイズ及び形状にされており、示すように、実質的にピン形状の加熱要素に接触し、これを取り囲むようなサイズ及び形状にされている。
【0039】
実施形態において、レセプタクル242は弾性部材(図示せず)を含む。弾性部材は、開口部150、250の縁部を画定する。基部172、272は弾性部材を含んでもよい。弾性部材は基部172、272上にあってもよい。実施形態において、弾性部材は基部172、272を画定する。弾性部材は開口部150、250を画定する。変形状態において、開口部150、250の寸法、例えば、長さ及び/又は幅は、加熱要素122、222の対応する寸法よりも小さくてもよい。これにより、加熱要素122、222に対し縁部を付勢することが容易になる。実施形態において、弾性部材は、シリコーン材料、又は他の可撓性材料、例えばゴム又はプラスチック等である。弾性部材は、加熱要素122及び222との接触を容易にし、加熱要素122及び222の清掃を容易にする。
【0040】
実施形態において、加熱要素122、222は、加熱要素122、222が開口部を通過するようにデバイスハウジング162、262内に後退可能であり、それによって、残留物を加熱要素122及び222から清掃除去してもよいことも考案されている。デバイスハウジング162及び262は、加熱要素122及び222をそれぞれのデバイスハウジング162及び262内に後退させるためのスライド、プッシュボタン又はプルレバー(全て図示せず)を含んでもよい。
【0041】
本明細書に記載されている様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を支援するためにのみ提示されている。当該実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ与えられており、網羅的なもの及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載されている利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定と考えられるべきではないこと、並びに、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、変更が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に特定的に記載されているもの以外の、開示されている要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の適切な組み合わせを適切に含んでもよいし、当該組み合わせから成ってもよいし、又は本質的に当該組み合わせから成ってもよい。加えて、本開示は、本明細書において特許請求されないが、将来的に特許請求される可能性がある他の発明を含んでもよい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2023-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、
前記デバイスチャンバの端部から前記デバイスチャンバ内に突出する加熱要素と、
エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルと、
を備え、
前記レセプタクルは、前記デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、前記デバイスチャンバからの前記レセプタクルの取り外し中に前記加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記レセプタクルが基部を備え、前記加熱要素が、前記基部を通じて前記加熱チャンバ内に突出するように配置される、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記基部が前記接触特徴部を形成する、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記基部が、前記加熱要素が通って延びる開口部を含み、前記接触特徴部が、前記開口部の側部の少なくとも一部によって画定される、請求項2又は3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記基部が弾性部材を含む、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記基部が、前記デバイスチャンバの前記端部に位置する、請求項2~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記レセプタクルが、前記加熱チャンバ内に突出する前記加熱要素を取り囲む前記加熱チャンバを画定するように前記基部から突出する壁をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記レセプタクルが、前記デバイスチャンバから突出するように構成されたリップを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記レセプタクルが、前記デバイスチャンバ内において取り外し可能に固定される、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記加熱要素が、前記デバイスチャンバから後退可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記加熱要素が、変動磁場の侵入によって加熱可能であるサセプタを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記サセプタの周りに延びるインダクタコイルを備え、前記インダクタコイルが、前記変動磁場を生成するように構成される、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記加熱要素が、実質的にブレード形状である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記開口部の前記側部が、前記実質的にブレード形状の加熱要素と摺動接触するようなサイズ及び形状にされる、請求項13に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記加熱要素が、実質的にピン形状である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記エアロゾル供給デバイスが不燃性エアロゾル供給デバイスである、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記エアロゾル供給デバイスが、非液体エアロゾル化可能材料を加熱するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
消耗品と、
エアロゾル供給デバイスと、
を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、
デバイスチャンバを画定するデバイスハウジングと、
前記デバイスチャンバの端部から前記チャンバ内に突出する加熱要素と、
エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバを画定するレセプタクルと、
を備え、
前記レセプタクルは、前記デバイスチャンバ内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、前記デバイスチャンバからの前記レセプタクルの取り外し中に前記加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部を備える、システム。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給エアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を備える物品であって、前記物品はヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受けられるような寸法にされている、物品と、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項20】
エアロゾル供給デバイスのためのレセプタクルであって、前記レセプタクルは、
エアロゾル化可能材料を含む消耗品の少なくとも一部分を受けるように配置された加熱チャンバであって、前記レセプタクルは、前記エアロゾル供給デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に取り外し可能に配設され、
前記レセプタクルは、前記ハウジング内において加熱要素を取り外し可能に受けるように配置される、加熱チャンバと、
前記ハウジングへの及び前記ハウジングからの前記レセプタクルの挿入及び取り外しのうちの少なくとも一方の間に前記エアロゾル供給デバイスの加熱要素と摺動接触するように配置された接触特徴部と、
を備える、レセプタクル。
【国際調査報告】