(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】電動スケートボードのための懸架システム
(51)【国際特許分類】
A63C 17/12 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
A63C17/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521351
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 US2021050463
(87)【国際公開番号】W WO2022076141
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521354053
【氏名又は名称】フューチャー モーション,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ドエルクセン,カイル ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】スルイター,マクシミリアン フレドリック バレンジャー
(57)【要約】
自己推進一輪車は、車両が走行表面上の障害物および隆起に遭遇した時に、中央車輪アセンブリの車軸に対するボードの上下動を減衰させるように構成された懸架システムを含み得る。例示的懸架システムは、ショックアブソーバ、ロッカー、プッシュロッド、ベルクランク、および/または車軸をボードに結合するスイングアームを含む。懸架システムは、完全に車両のフットデッキの下に配置され得る。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己平衡型電動車両であって、
回転軸を有する車輪と、
前記車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、前記ボードは前記車輪を中心として傾動可能であり、前記ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、前記ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
前記車輪を駆動するように構成された電気ハブモータと、
前記ボードの姿勢を示す姿勢情報を受信し、前記姿勢情報に基づいて前記ハブモータに前記ボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、
懸架システムであって、
前記ボードが車軸に対して上下に動けるように構成されるよう、前記車輪の車軸を前記ボードのフレームに結合するスイングアームと、
前記ボードの進行方向に対して横方向に配向され、各端部でそれぞれのベルクランクによって前記スイングアームに結合されたショックアブソーバであって、その結果、前記ショックアブソーバは、前記車軸に対する前記ボードの上下運動を減衰させるように構成される、ショックアブソーバと、
を含む、懸架システムと、
を備える、車両であり、
前記ショックアブソーバの全体が、前記第1のデッキ部分の下に配置される、車両。
【請求項2】
前記ベルクランクは、それぞれのプッシュロッドによって前記スイングアームに各々結合される、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記スイングアームのクロスメンバは、前記フレームに枢動可能に接続される、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記スイングアームの脚は、遠位端で前記車軸のそれぞれの端部に固定される、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記スイングアームの各脚は、前記車軸で加えられる力、および前記スイングアームを前記ショックアブソーバに結合するプッシュロッドに配置された荷重を有する第1種てこを形成する、請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記スイングアームのクロスメンバは、前記フレームに枢動可能に結合され、前記第1種てこの支点を形成する、請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記ベルクランクは、完全に前記第1のデッキ部分の下に配置される、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記フレームは、前記懸架システムのみによって前記車軸に結合される、請求項1に記載の車両。
【請求項9】
前記ベルクランクの各々は、それぞれの固定枢動継手で前記ボードに結合される、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記ベルクランクの各々は、前記ショックアブソーバのそれぞれの端部に回転可能に結合された第1の移動枢動継手、およびそれぞれのプッシュロッドに回転可能に結合された第2の移動枢動継手を有し、各プッシュロッドは、前記それぞれのベルクランクを前記スイングアームに接続する、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
自己平衡型電動車両であって、
フレーム、前記フレームの第1の端部に配置された第1のデッキ部分、および前記フレームの第2の端部に配置された第2のデッキ部分を含むボードであって、前記第1および第2のデッキ部分は、前記ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
車軸を中心に回転可能なただ1つの車輪を含む車輪アセンブリであって、前記車輪は、前記第1および第2のデッキ部分間に配置され、それらの上下に延在する、車輪アセンブリと、
前記車軸を中心として前記車輪を回転させて前記車両を推進させるように構成されたモータアセンブリと、
少なくとも1つのセンサによって測定されたボード姿勢情報を受信し、前記ボード姿勢情報に基づいて前記モータアセンブリに前記車両を推進させるように構成されたモータコントローラと、
前記ボードが前記車軸に対して上下に動けるように構成されるよう、前記車輪アセンブリを前記ボードに結合する懸架システムであって、前記懸架システムは、
前記ボードに結合された支点を中心として枢動可能なスイングアームであって、前記スイングアームは、前記車軸に結合された少なくとも1つの脚を含む、スイングアームと、
第2のベルクランクから前記ボードの幅を横切って配置された第1のベルクランクであって、前記ベルクランクの各々は、(a)それぞれの固定枢動継手で前記ボードに結合され、(b)第1の移動枢動継手でショックアブソーバに結合され、(c)第2の移動枢動継手でそれぞれのプッシュロッドに結合され、その結果、前記ベルクランクの各々は、前記それぞれのプッシュロッドによって前記スイングアームに接続され、前記ショックアブソーバは、進行方向に対して横方向に配向される、第1のベルクランクと、
を含み、
前記スイングアームは、前記プッシュロッドに対して前記支点の反対側で前記車軸に結合され、第1種てこを形成する、
懸架システムと、
を備える、車両。
【請求項12】
前記ショックアブソーバは、完全に前記第1のデッキ部分の下に配置される、請求項11に記載の車両。
【請求項13】
前記支点は、前記フレームに枢動可能に接続された前記スイングアームのクロスメンバを含む、請求項11に記載の車両。
【請求項14】
前記スイングアームの少なくとも1つの脚は、第1の脚および第2の脚を含み、前記第1および第2の脚は、遠位端で前記車軸のそれぞれの端部に固定される、請求項11に記載の車両。
【請求項15】
前記ベルクランクは、完全に前記第1のデッキ部分の下に配置される、請求項11に記載の車両。
【請求項16】
前記フレームは、前記懸架システムのみによって前記車軸に結合される、請求項11に記載の車両。
【請求項17】
自己平衡型電動車両であって、
ハブモータによって回転軸を中心として駆動される車輪と、
前記車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、前記ボードは前記車輪を中心として傾動可能であり、前記ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、前記ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
ボード姿勢情報に基づいて前記ハブモータに前記ボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、
懸架システムであって、
前記ボードが車軸に対して上下に動けるように、前記車輪の車軸を前記ボードのフレームに結合するスイングアームと、
前記ボードの進行方向に対して横方向に配向され、各端部でそれぞれのベルクランクによって前記スイングアームに結合されたショックアブソーバであって、その結果、前記ショックアブソーバは、前記車軸に対する前記ボードの上下運動を減衰させるように構成される、ショックアブソーバと、
を含む、懸架システムと、
を備える、車両であり、
前記ショックアブソーバの全体が、前記第1のデッキ部分の下に配置される、車両。
【請求項18】
前記ベルクランクは、それぞれのプッシュロッドによって前記スイングアームに各々結合され、前記スイングアームのクロスメンバは、前記フレームに枢動可能に接続され、前記スイングアームの脚は、前記車軸の端部に固定される、請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記スイングアームは、前記クロスメンバに支点を有する第1種てこを形成し、前記プッシュロッドは、前記車軸から前記支点の反対側に配置される、請求項18に記載の車両。
【請求項20】
前記フレームは、前記懸架システムのみによって前記車軸に結合される、請求項17に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
以下の出願および資料は、あらゆる目的のために、その内容全体が本明細書に組み込まれる:米国特許第9,101,817号、米国特許第9,452,345号、米国特許第9,598,141号、および2020年10月6日に出願された米国仮特許出願第63/088,192号。
【0002】
本開示は、不均一な地形の何らかの影響から車両フレームを分離するためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、一輪車のための懸架システムに関する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、自己推進一輪車のための懸架システムに関連するシステム、装置、および方法を提供する。
【0004】
いくつかの実施形態では、自己平衡型電動車両は、回転軸を有する車輪と、車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、ボードは車輪を中心として傾動可能であり、ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、車輪を駆動するように構成された電気ハブモータと、ボードの姿勢を示す姿勢情報を受信し、姿勢情報に基づいてハブモータにボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、懸架システムであって、ボードが車軸に対して上下に動けるように構成されるよう、車輪の車軸をボードのフレームに結合するスイングアーム、およびボードの進行方向に対して横方向に配向され、各端部でそれぞれのベルクランクによってスイングアームに結合されたショックアブソーバであって、その結果、ショックアブソーバは、車軸に対するボードの上下運動を減衰させるように構成される、ショックアブソーバを含む、懸架システムと、を含み、ショックアブソーバの全体が、第1のデッキ部分の下に配置される。
【0005】
いくつかの実施形態では、自己平衡型電動車両は、フレーム、フレームの第1の端部に配置された第1のデッキ部分、およびフレームの第2の端部に配置された第2のデッキ部分を含むボードであって、第1および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、車軸を中心に回転可能なただ1つの車輪を含む車輪アセンブリであって、車輪は、第1および第2のデッキ部分間に配置され、それらの上下に延在する、車輪アセンブリと、車軸を中心として車輪を回転させて車両を推進させるように構成されたモータアセンブリと、少なくとも1つのセンサによって測定されたボード姿勢情報を受信し、ボード姿勢情報に基づいてモータアセンブリに車両を推進させるように構成されたモータコントローラと、ボードが車軸に対して上下に動けるように構成されるよう、車輪アセンブリをボードに結合する懸架システムであって、懸架システムは、ボードに結合された支点を中心として枢動可能なスイングアームであって、スイングアームは、車軸に結合された少なくとも1つの脚を含む、スイングアーム、および第2のベルクランクからボードの幅を横切って配置された第1のベルクランクであって、ベルクランクの各々は、(a)それぞれの固定枢動継手でボードに結合され、(b)第1の移動枢動継手でショックアブソーバに結合され、(c)第2の移動枢動継手でそれぞれのプッシュロッドに結合され、その結果、ベルクランクの各々は、それぞれのプッシュロッドによってスイングアームに接続され、ショックアブソーバは、進行方向に対して横方向に配向される、第1のベルクランクとを含み、スイングアームは、プッシュロッドに対して支点の反対側で車軸に結合され、第1種てこを形成する、懸架システムと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、自己平衡型電動車両は、ハブモータによって回転軸を中心として駆動される車輪と、車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、ボードは車輪を中心として傾動可能であり、ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、ボード姿勢情報に基づいてハブモータにボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、懸架システムであって、ボードが車軸に対して上下に動けるように、車輪の車軸をボードのフレームに結合するスイングアーム、およびボードの進行方向に対して横方向に配向され、各端部でそれぞれのベルクランクによってスイングアームに結合されたショックアブソーバであって、その結果、ショックアブソーバは、車軸に対するボードの上下運動を減衰させるように構成される、ショックアブソーバを含む、懸架システムと、を含み、ショックアブソーバの全体が、第1のデッキ部分の下に配置される。
【0007】
特徴、機能、および利点は、本開示の様々な実施形態において個別に達成されてもよく、またはさらに他の実施形態において組み合わされてもよく、そのさらなる詳細は、以下の説明および図面を参照することで理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1の例示的懸架システムを有する
図1の一輪車の等角図である。
【
図9】第2の例示的懸架システムを有する
図8の一輪車の等角図である。
【
図14】本開示の態様に係る車両と共に使用するのに適した例示的電気制御システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一輪車のためのスイングアーム懸架システムの様々な態様および例、ならびに関連する方法を以下に説明し、関連する図面に示す。別段の定めのない限り、スイングアーム懸架システムを有する一輪車および/またはその様々な構成要素は、本明細書に記載され、図示され、および/または組み込まれた構造、構成要素、機能、および/または変形形態のうちの少なくとも1つを含み得るが、必須ではない。さらに、特に除外しない限り、本明細書に記載され、例示され、および/または本明細書に組み込まれるプロセスステップ、構造、構成要素、機能、および/または変形形態は、開示される実施形態間で入れ替え可能なものを含む、他の同様のデバイスおよび方法に含まれ得る。種々の例に関する以下の説明は、本質的に例示的な説明に過ぎず、本開示、その応用、または使用を制限することを意図するものではない。さらに、以下に記載されている例および実施形態によって提供される利点は、本質的に例示的な利点であり、全ての例および実施形態が同じ利点または同程度の利点を提供するわけではない。
【0010】
この詳細な説明は、すぐ下に続く以下のセクションを含む。(1)定義、(2)概要、(3)例、構成要素、および代替形態、(4)利点、特徴、および利益、ならびに(5)結論。例、構成要素、および代替形態のセクションは、サブセクションにさらに分割され、それに応じて、各々が分類されている。
【0011】
定義
以下の定義は、別段の指示がない限り、本明細書において適用される。
【0012】
「備える」、「含む」、および「有する」(およびその活用形)は、必ずしも限定されるわけではないが、含むという意味を示すために同じ意味で使用され、追加の列挙されていない要素または方法のステップを除外することを意図していない制限のない用語である。
【0013】
「第1の」、「第2の」、および「第3の」のような用語は、グループのさまざまな部材などを区別または識別するために使用され、連続または数値の限定を示すことを意図するものではない。
【0014】
「AKA」は、「としても知られている」を意味し、所与の単数または複数の要素の代替の用語または対応する用語を示すために使用され得る。
【0015】
「細長い」または「長尺」は、それ自体の幅より大きい長さを有する物体または開口を指すが、幅は均一である必要はない。例えば、細長いスロットは、楕円形またはスタジアム形であり得、細長い燭台は、その先細の直径より大きい高さを有し得る。否定的な例としては、円形開口は、細長い開口とは見なされないであろう。
【0016】
「内側寄り」、「外側寄り」、「前方」、および「後方」などの用語は、本明細書に記載されるシステムが搭載されるか、または他の方法で取り付けられ得るスケートボードなどのホスト車両の文脈において理解されることが意図される。例えば、「外側寄り」は、車両の中心線から横方向により遠く離れた相対位置、または車両の中心線から離れる方向を示し得る。逆に、「内側寄り」は、中心線に向かう方向、または中心線により近い相対位置を示し得る。同様に、「前方」は車両の前部に向かう方向を意味し、「後方」は車両の後部に向かう方向を意味する。ホスト車両が存在しない場合、車両が存在している場合と同じ方向を示す用語が使用され得る。例えば、単独で見た場合であっても、構成要素は、「前方」縁部を有し得るが、それは、当該縁部がホスト車両の前部の方向を向いた状態で構成要素が設置されるためである。
【0017】
「結合される」とは、永久的にまたは解放可能に、直接的に、または介在する要素を介して間接的に接続されることを意味する。
【0018】
「弾力性」は、弾性変形し、無負荷時に元の形状または位置に戻ることによって、通常の運転負荷(例えば、圧縮時)に応答するように構成された材料または構造を表す。
【0019】
「硬い」は、通常の動作条件下で剛性である、変形不可能である、または実質的に可撓性に欠けるように構成された材料または構造を表す。
【0020】
「弾性」は、伸張または拡張された後に元の形状を自発的に回復するように構成された材料または構造を表す。
【0021】
「上方」、「下方」、「垂直方向」、「水平方向」などの方向を示す用語は、対象となる特定の物体の文脈において理解されるべきである。例えば、物体は、定義されたX軸、Y軸、およびZ軸の周りに配向され得る。これらの例では、X-Y平面は水平方向を定義し、上方は正のZ方向として定義され、下方は負のZ方向として定義される。
【0022】
「コントローラ」または「電子コントローラ」は、制御要素に対する制御機能を実行する命令でプログラムされた処理論理を含む。例えば、電子コントローラは、入力信号を受信し、入力信号を選択された制御値または設定値と比較し、比較に基づく補正動作を提供する制御要素(例えば、モータまたはアクチュエータ)への出力信号を決定するように構成され得る。別の例では、電子コントローラは、ホストデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、メインフレームなど)と周辺デバイス(例えば、メモリデバイス、入力/出力デバイスなど)との間をインターフェースして、周辺デバイスとの入力および出力信号を制御および/または監視するように構成され得る。
【0023】
方法の文脈における「提供する」は、受け取る、得る、購入する、製造する、生成する、処理する、前処理するなどを含み得、その結果、提供された物体または材料は、実行される他のステップのための状態および構成にある。
【0024】
本開示において、1つ以上の刊行物、特許、および/または特許出願が、参照により組み込まれ得る。しかしながら、そのような資料は、組み込まれる資料と本明細書に示される記載および図面との間に矛盾が存在しない範囲でのみ組み込まれる。用語の不一致を含むそのような矛盾が生じる場合、本開示が支配する。
【0025】
概要
概して、本教示に係る懸架システムは、電動一輪車で利用されるように構成される。本開示の電動一輪車は、非懸架態様において米国特許第9,101,817号(’817特許)に記載されている電動車両に実質的に類似した自己安定型スケートボードである。したがって、本開示の一輪車は、乗車平面を画定するボードと、第1のデッキ部分および第2のデッキ部分(集合的にフットデッキと呼ばれる)を支持するフレームとを含む。各デッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように構成される。
【0026】
本開示の一輪車は、第1および第2のデッキ部分間に配置され、それらの上方に延在する回転可能な接地要素(例えば、タイヤ、車輪、または無限軌道)を有する車輪アセンブリを含む。車輪アセンブリは、接地要素を回転させて車両を推進させるように構成されたハブモータをさらに含む。
【0027】
’817号特許に記載されているように、一輪車は、ボードの姿勢情報を測定するように構成された少なくとも1つのセンサと、センサによって測定された姿勢情報を受信し、姿勢情報に基づいてハブモータに車両を推進させるように構成されたモータコントローラとを含む。
【0028】
フレームは、デッキ部分を強固に支持し、車輪アセンブリの車軸に結合されるように構成された任意の好適な構造を含み得、そのことにより、乗り手の体重は、傾動可能なボード上で支持され得、車輪アセンブリ車軸に支点を有する。フレームは、1つ以上のフレーム部材を含み得、そのフレーム部材上にデッキ部分が取り付けられる。フレームは、例えば、充電ポート、端部バンパ、照明アセンブリ、電池および電気システム、電子機器、コントローラなどの、車両の1つ以上の追加の要素および特徴部を支持し得る。
【0029】
デッキ部分は、滑り止め表面などの乗り手の足を支持するように構成された任意の好適な構造、および乗り手検出システムなどの車両制御特徴部を含み得る。好適な乗り手検出システムを含む例示的デッキ部分は、‘817号特許および米国特許第9,352,245号に記載されている。
【0030】
ハブモータのシャフトは、懸架システムによってフレームに結合される。懸架システムは、ダンパーまたはショックアブソーバ(例えば、ガススプリング)によって減衰されるスイングアームを有する、スイングアーム型懸架装置である。
【0031】
上述したように、ハブモータは、ボードに関する姿勢情報を受信するように構成されたモータコントローラによって制御される。本明細書に記載されている電気制御システムの態様(例えば、モータコントローラ)は、コンピュータ方法、コンピュータシステム、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本制御システムの態様は、処理論理を含み得、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態を取り得、これら全ては、本明細書内では全般的に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれることがある。さらに、本制御システムの態様は、コンピュータ可読プログラムコード/命令が具現化されたコンピュータ可読媒体(単数または複数)に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。
【0032】
コンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体および/またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、および/もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含み得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク・リードオンリメモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、および/またはこれらの任意の好適な組み合わせなどが挙げられ得る。本開示の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはそれらと共に使用するためのプログラムを含むかまたは記憶することができる、任意の好適な非一時的な有形媒体を含み得る。
【0033】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝播データ信号を含み得る。そのような伝播信号は、電磁信号、光信号、および/またはそれらの任意の好適な組み合わせを含む様々な形態のいずれかを取り得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはそれらと共に使用するためのプログラムを通信、伝播、もしくは輸送することが可能な任意のコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0034】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、および/またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されない、任意の好適な媒体を使用して送信され得る。
【0035】
本制御システムの態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、およびCのような従来の手続き型プログラミング言語を含む、プログラミング言語の1つまたは任意の組み合わせで書かれ得る。モバイルアプリは、上記の言語、およびObjective-C、Swift、C#、HTML5などを含む、任意の好適な言語を使用して開発され得る。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で実行するか、一部がユーザのコンピュータ上で実行するか、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして実行するか、一部がユーザのコンピュータ上で実行し一部がリモートコンピュータ上で実行するか、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得、かつ/または(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続され得る。
【0036】
本制御システムの態様について、方法、装置、システム、および/またはコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照しながら以下に説明する。フローチャートおよび/またはブロック図における各ブロックおよび/またはブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得る。コンピュータプログラム命令は、機械を作り出すために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えられ得、そのことにより、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)内で指定された機能/動作を実装するための手段を作成する。いくつかの例では、機械可読命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能論理デバイス上にプログラムされ得る。
【0037】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、および/または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に記憶され得、そのことにより、コンピュータ可読媒体に記憶されている命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)内で指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を作り出す。
【0038】
コンピュータプログラム命令はまた、デバイス上で実行すべき一連の動作ステップにコンピュータ実装プロセスを生成させるために、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、および/または他のデバイスにロードされ得、そのことにより、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)内で指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供する。
【0039】
図面内の任意のフローチャートおよび/またはブロック図は、本制御システムの態様に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および/または動作を示すことを意図するものである。この点に関して、各ブロックは、指定された論理機能(単数または複数)を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、またはコードの一部を示し得る。いくつかの実装では、ブロックに示されている機能は、図面に示されている順序以外の順序で発生する場合がある。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行される場合があり、またはブロックは、含まれる機能に応じて、逆の順序で実行される場合もある。各ブロックおよび/またはブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する専用ハードウェアベースのシステム(または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせ)によって実装され得、以下でより詳細に説明される。
【0040】
例、構成要素、および代替形態
以下のセクションでは、一輪車のための例示的懸架システム、ならびに関連するシステムおよび/または方法の選択された態様について説明する。これらのセクションの例は、例示することを意図したものであり、本開示の範囲全体を限定するものとして解釈すべきではない。各セクションは、1つ以上の別個の発明、および/または文脈情報もしくは関連情報、機能、および/または構造を含み得る。
【0041】
A.第1の例示的懸架システムを有する一輪車
図1~7を参照しながら、このセクションでは、上記懸架システムの一例である懸架システム150を有する一輪車100について説明する。
【0042】
車両100は、間に開口部120を画定する第1のデッキ部分106および第2のデッキ部分108を支持するフレーム104を有するボード102(別名、車両の傾動可能部分、プラットフォーム、フットデッキ)を含む、一輪自己安定型スケートボードである。ボード102は、一般に平面を画定し得る。各デッキ部分106、108(例えば、フットパッドを含む)は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れて支持するように構成される。
【0043】
車両100は、車輪アセンブリ122も含む。車輪アセンブリ122は、第1および第2のデッキ部分106、108間に配置され、それらの上方に延在する回転可能な接地要素124(例えば、タイヤ、車輪、または無限軌道)と、接地要素124を回転させて車両を推進させるように構成されたモータアセンブリ126とを含む。
図1および他の場所に示されているように、車両100は、第1および第2のデッキ部分の間に配置されたただ1つの接地要素を含み得る。いくつかの例では、車両100は、複数の(例えば、同軸の)接地要素を含み得る。
【0044】
車輪アセンブリ122は、第1のデッキ部分106と第2のデッキ部分108との間に配置される。接地要素124は、モータアセンブリ126に結合される。モータアセンブリ126の車軸128(別名、シャフト)は、懸架システム150を介してボード102に結合される。モータアセンブリ126は、車両100を推進させるために、車軸128の周囲で(または車軸128を中心として)接地要素124を回転させるように構成される。例えば、モータアセンブリ126は、地面に沿って車両100を推進させるために車軸128を中心として接地要素124を回転させるように構成された電気モータ、例えばハブモータを含み得る。便宜上、接地要素124は、以下ではタイヤまたは車輪と呼ばれるが、他の好適な実施形態が提供されてもよい。
【0045】
第1および第2のデッキ部分106、108は、車輪アセンブリ122の両側に配置され、ボード102は、スケートボードに近い寸法にされる。他の実施形態では、ボードは、ロングボードスケートボード、スノーボード、サーフボードに近い寸法であり得るか、または他の所望の寸法であり得る。いくつかの例では、ボード102のデッキ部分106、108は、乗り手の制御を助けるために、滑り止め材料(例えば、グリップテープまたは他のテクスチャ加工材料)で少なくとも部分的に覆われる。
【0046】
フレーム104は、デッキ部分を強固に支持し、懸架システムによって車輪アセンブリの車軸に結合されるように構成された任意の好適な構造を含み得、そのことにより、乗り手の体重は、傾動可能なボード102上で支持可能である。フレーム104は、一般に車輪アセンブリ車軸に支点を有する。フレーム104は、1つ以上のフレーム部材130を含み、そのフレーム部材130上にデッキ部分106および108が取り付けられ、フレーム部材130はさらに、充電ポート132および電源スイッチ134などの、車両の追加の要素および特徴部を支持し得る。さらに、端部バンパ、照明アセンブリ、および他の物理または電気システムが、フレーム部材(単数または複数)130によって支持され得る。
【0047】
車両100は、電気制御システム136を含む。電気制御システム136は、
図14に関して以下で説明される電気制御システム300の一例である。電気制御システム136の態様は、第1および/または第2のデッキ部分106、108に組み込まれ得る。電気制御システムについては、以下のセクションCでさらに説明する。
【0048】
車輪124は、ヒール・トウ方向に十分に幅広であるように構成され、そのことにより、乗り手は、車両からの自動化支援なしに、手動で、すなわち自身の体重を移動させることによって、ヒール・トウ方向に平衡を保つことができる。接地部材124は、チューブレスであり得るか、またはインナーチューブと共に使用され得る。いくつかの例では、接地部材124は、非空気式タイヤである。例えば、接地部材124は、「エアレス」の中実であり得、かつ/または発泡体を含み得る。接地部材124は、車両100のコーナリングを容易にするために、乗り手が踵および/またはつま先の圧力によって接地部材のエッジの上で車両100を傾けることができるようなプロファイルを有し得る。
【0049】
モータアセンブリ126は、接地部分124内に取り付けられたハブモータなどの、接地部材124の任意の好適なドライバを含み得る。ハブモータは、ギア内蔵型であり得るか、または直接駆動式であり得る。ハブモータの使用は、チェーンおよびベルトの排除を容易にし、操縦性、重量配分、および美観を大幅に改善する形状因子を可能にする。モータアセンブリ126への接地部分124の取り付けは、モータアセンブリ126にボルト締めされ得る(例えば、ハブアダプタを使用する)分割リム設計によって、ハブモータのハウジング上に直接タイヤビード用の取付フランジを設けるようにハブモータのハウジングを鋳造するかもしくは他の方法で提供することによって、または任意の他の好適な方法によって、達成され得る。
【0050】
図2および
図3に示されているように、モータアセンブリ126、したがって接地部材124は、懸架システム150によってフレーム104に結合される。
【0051】
懸架システム150は、上述したように、スイングアーム152およびショックアブソーバ154を含む。スイングアーム152は、一対の硬い離隔したアーム156、158を有する、曲がらない、実質的にU字形の構造である。アーム156および158は、横方向枢動クロスメンバ159(接続部材とも呼ばれる)から(ボードに対して)長手方向に延在して、モータアセンブリ126および接地部材124にまたがる。
【0052】
より具体的には、アーム156および158のそれぞれの遠位端は、車軸128の対向する端部に結合される。アーム156および158は、車軸128に固定され、その結果、スイングアームおよび車軸は共に回転する(すなわち、スイングアームは、車軸に対して回転しない)。
図2および他の場所に示されているように、アーム156、158の端部は、一対の離隔した車軸取付部材160、162を使用して車軸128のそれぞれの端部に各々取り付けられる。
図2に示されている例では、車軸取付部材160、162は、取り外し可能な締結具である。車軸の各端部における2つの取付部材の使用は、例えば乗車中に、車軸から取付部材が抜けるかまたは他の方法で緩む危険を冒すことなく、ボードが傾動/回転することを可能にする。さらに、2つの取付部材は、スイングアームが車軸に対して枢動または他の方法で回転することができないように、車軸にスイングアームを強固に接続する。
【0053】
アーム156、158の近位端で、スイングアーム152は、支持部材164によって、クロスメンバ159において車両100に枢動可能に取り付けられる。支持部材164は、ボード102のフレーム部材130に固定(例えば、ボルト締め)され、クロスメンバ159の端部を枢動可能に保持するように構成される。いくつかの例では、支持部材は、フレーム部材130と一体である(例えば、フレーム部材および支持部材は、一体部品として形成される)。
【0054】
したがって、スイングアーム152は、ボード102およびフレーム104に対して、支持部材164を中心として枢動可能である。この枢動可能配置は、ボードに対するモータアセンブリ126(したがって、車輪アセンブリ122)の、揺動する略垂直運動を容易にする。言い換えれば、車輪は、延長アーム156および158によって画定される半径に対応する円弧を通って、ボードに対して上下に動くことができる(すなわち、円弧状に垂直とも呼ばれる円弧運動)。円弧運動は、
図6に点線の曲線167で示される。
【0055】
しかしながら、車輪のこの動きは、一般に、路上の隆起または不均一な地形の上で車両に乗る時などのニーズに応える場合にのみ望ましい。さらに、この動きは、乗り手の制御および快適性を可能にするように制御または減衰されるべきである。したがって、懸架システム150は、乗り手が乗車している場合を含む、所望の乗車構成(例えば、車軸に対するボードの高さおよび姿勢)に向かってスイングアームおよびボードを付勢するように構成されたショックアブソーバ154(例えば、ガススプリング)を含む。ショックアブソーバ154は、第1の端部163でスイングアーム152に枢動可能に結合され、第2の端部165でロッカー166に枢動可能に結合される。ショックアブソーバ154は、任意の好適な減衰デバイスを含み得る。この例では、ショックアブソーバ154は、エアショックアブソーバを含む。ショックの減衰特性は、調整可能または選択可能であり得る。いくつかの例では、ショックは、ロックアウト機能を含み得る。
【0056】
図6および
図7に示されているように、第1の端部163におけるショックアブソーバ154の枢動可能接続、および支持部材164におけるスイングアーム152の枢動可能接続は、クロスメンバ159を通して共通の回転軸を共有する。
【0057】
スイングアーム152は、クロスメンバ159の下で、延長アーム156の近位端から略下方に延在する垂直延長部168を含む(
図5および
図6参照)。プッシュロッド170は、第1の端部でスイングアーム152の垂直延長部168に枢動可能に取り付けられ、第2の端部でロッカー166に枢動可能に取り付けられる。ロッカー166は、支持部材172で少なくともフレーム部材130に枢動可能に取り付けられる。
【0058】
動作中、
図6に示されているような、支持部材164を中心とした車輪アセンブリ122の上方への円弧運動により、垂直延長部168の対応する回転が引き起こされる。この回転は、プッシュロッド170を概して車輪アセンブリ122に向かって引っ張り、それにより、支持部材172を中心としたロッカー166の回転を引き起こす。したがって、ロッカー166の回転は、
図7に点線171で示されるようなショックアブソーバ154の圧縮を引き起こす。
【0059】
図1および
図2に戻ると、車輪アセンブリ126の円弧運動は、フレーム部材130に対するアーム156、158の回転に対応する。したがって、バンパ174、176が、フレーム部材130の上部リップに配置され、各バンパは、アーム156、158の一方に対応する。乗り手が乗車中に十分に大きい隆起を経験する場合、車輪アセンブリ122は、上記のようにボード102に対して略上方に動き、それにより、アーム156、158をバンパ174、176に接触または当接させ、それにより停止させる。この構成は、アーム156、158がフレーム部材130に直接ぶつかるのを防止する。バンパ174、176は、ゴムまたは他のエラストマーなどの任意の好適な衝撃吸収材を含み得る。
【0060】
B.第2の例示的懸架システムを有する一輪車
図8~13を参照しながら、このセクションでは、上記懸架システムの一例である懸架システム250を有する一輪車200について説明する。
【0061】
車両200は、間に開口部220を画定する第1のデッキ部分206および第2のデッキ部分208を支持するフレーム204を有するボード202(別名、車両の傾動可能部分、プラットフォーム、フットデッキ)を含む、一輪自己安定型スケートボードである。ボード202は、一般に平面を画定し得る。各デッキ部分206、208(例えば、フットパッドを含む)は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れて支持するように構成される。
【0062】
車両200は、車輪アセンブリ222も含む。車輪アセンブリ222は、第1および第2のデッキ部分206、208間に配置され、それらの上方に延在する回転可能な接地要素224(例えば、タイヤ、車輪、または無限軌道)と、接地要素224を回転させて車両を推進させるように構成されたモータアセンブリ226とを含む。
図8および他の場所に示されているように、車両200は、第1および第2のデッキ部分の間に配置されたただ1つの接地要素を含み得る。いくつかの例では、車両200は、複数の(例えば、同軸の)接地要素を含み得る。
【0063】
車輪アセンブリ222は、第1のデッキ部分206と第2のデッキ部分208との間に配置される。接地要素224は、モータアセンブリ226に結合される。モータアセンブリ226の車軸228(別名、シャフト)は、懸架システム250を介してボード202に結合される。モータアセンブリ226は、車両200を推進させるために、車軸228の周囲で(または車軸228を中心として)接地要素224を回転させるように構成される。例えば、モータアセンブリ226は、地面に沿って車両200を推進させるために車軸228を中心として接地要素224を回転させるように構成された電気モータ、例えばハブモータを含み得る。便宜上、接地要素224は、以下ではタイヤまたは車輪と呼ばれるが、他の好適な実施形態が提供されてもよい。
【0064】
第1および第2のデッキ部分206、208は、車輪アセンブリ222の両側に配置され、ボード202は、スケートボードに近い寸法にされる。他の実施形態では、ボードは、ロングボードスケートボード、スノーボード、サーフボードに近い寸法であり得るか、または他の所望の寸法であり得る。いくつかの例では、ボード202のデッキ部分206、208は、乗り手の制御を助けるために、滑り止め材料(例えば、グリップテープまたは他のテクスチャ加工材料)で少なくとも部分的に覆われる。
【0065】
フレーム204は、デッキ部分を強固に支持し、懸架システムによって車輪アセンブリの車軸に結合されるように構成された任意の好適な構造を含み得、そのことにより、乗り手の体重は、傾動可能なボード202上で支持可能である。フレーム104は、一般に車輪アセンブリ車軸に支点を有する。フレーム204は、1つ以上のフレーム部材230を含み、そのフレーム部材230上にデッキ部分206および208が取り付けられ、フレーム部材230はさらに、充電ポート232および電源スイッチ234などの、車両の追加の要素および特徴部を支持し得る。さらに、端部バンパ、照明アセンブリ、および他の物理または電気システムが、フレーム部材(単数または複数)230によって支持され得る。
【0066】
車両200は、電気制御システム236を含む。電気制御システム236は、
図14に関して以下で説明される電気制御システム300の一例である。電気制御システム236の態様は、第1および/または第2のデッキ部分206、208に組み込まれ得る。電気制御システムについては、以下のセクションCでさらに説明する。
【0067】
接地部材224は、ヒール・トウ方向に十分に幅広であるように構成され、そのことにより、乗り手は、車両からの自動化支援なしに、手動で、すなわち自身の体重を移動させることによって、ヒール・トウ方向に平衡を保つことができる。接地部材224は、チューブレスであり得るか、またはインナーチューブと共に使用され得る。いくつかの例では、接地部材224は、非空気式タイヤである。例えば、接地部材224は、「エアレス」の中実であり得、かつ/または発泡体を含み得る。接地部材224は、車両200のコーナリングを容易にするために、乗り手が踵および/またはつま先の圧力によって接地部材のエッジの上で車両200を傾けることができるようなプロファイルを有し得る。
【0068】
モータアセンブリ226は、接地部分224内に取り付けられたハブモータなどの、接地部材224の任意の好適なドライバを含み得る。ハブモータは、ギア内蔵型であり得るか、または直接駆動式であり得る。ハブモータの使用は、チェーンおよびベルトの排除を容易にし、操縦性、重量配分、および美観を大幅に改善する形状因子を可能にする。モータアセンブリ226への接地部分224の取り付けは、モータアセンブリ226にボルト締めされ得る(例えば、ハブアダプタを使用する)分割リム設計によって、ハブモータのハウジング上に直接タイヤビード用の取付フランジを設けるようにハブモータのハウジングを鋳造するかもしくは他の方法で提供することによって、または任意の他の好適な方法によって、達成され得る。
【0069】
図9に示されているように、モータアセンブリ226、したがって接地部材224は、懸架システム250によってフレーム204に結合される。懸架システム250は、スイングアーム252、およびスイングアームの動きを減衰させるように構成された、横方向に取り付けられたショックアブソーバ254を含む。スイングアーム252は、一対の硬い離隔したアーム256、258を有する、実質的にU字形の構造である。アーム256および258は、横方向枢動クロスメンバ259(接続部材とも呼ばれる)から(ボードに対して)長手方向に延在して、モータアセンブリ226および接地部材224にまたがる。
【0070】
より具体的には、アーム256および258のそれぞれの遠位端は、車軸228の対向する端部に結合される。アーム256および258は、車軸228に固定され、その結果、スイングアームおよび車軸は共に回転する(すなわち、スイングアームは、車軸に対して回転しない)。
図9に示されているように、アーム256、258の端部は、一対の車軸取付部材260、262を使用して車軸228のそれぞれの端部に各々取り付けられる。この例では、車軸取付部材260、262は、取り外し可能な締結具である。2つの取付部材の使用は、例えば乗車中に、車軸から取付部材が抜けるかまたは他の方法で緩む危険を冒すことなく、ボードが傾動/回転することを可能にする。さらに、2つの取付部材は、スイングアームが車軸に対して枢動または他の方法で回転することができないように、車軸にスイングアームを強固に接続する。
【0071】
アーム258の近位端で、スイングアーム252は、支点273において車両200に枢動可能に結合される(
図10、
図11参照)。支点273は、ボード202のフレーム部材230に結合された好適な回転締結具(例えば、軸受付きボルトなど)によって形成され、スイングアーム252を枢動可能に保持するように構成される。
【0072】
したがって、スイングアーム252は、一方の端部において、ボード202およびフレーム204に対して、支点273を中心として枢動可能である。この枢動可能配置は、ボードに対するモータアセンブリ226(したがって、車輪アセンブリ222)の、揺動する略垂直運動を容易にする。言い換えれば、車輪は、延長アーム256および258によって画定される半径に対応する円弧を通って、ボードに対して上下に動くことができる(すなわち、円弧状に垂直とも呼ばれる円弧運動)。円弧運動は、
図12に点線の曲線267で示される。
【0073】
しかしながら、車輪のこの動きは、一般に、路上の隆起または不均一な地形の上で車両に乗る時などのニーズに応える場合にのみ望ましい。さらに、この動きは、乗り手の制御および快適性を可能にするように制御または減衰されるべきである。したがって、懸架システム250は、乗り手が乗車している場合を含む、所望の乗車構成(例えば、車軸に対するボードの高さおよび姿勢)に向かってスイングアームおよびボードを付勢するように構成されたショックアブソーバ254(例えば、ガススプリング)を含む。ショックアブソーバ254は、任意の好適な減衰デバイスを含み得る。この例では、ショックアブソーバ254は、エアショックアブソーバを含む。ショックの減衰特性は、調整可能または選択可能であり得る。いくつかの例では、ショックは、ロックアウト機能を含み得る。
【0074】
ショックアブソーバ254の第1の端部は、第1の枢動継手268(別名、移動枢動継手)で第1のベルクランク266に枢動可能に取り付けられる。ショックアブソーバ254は、第2の端部において、第2の枢動継手272で第2のベルクランク270に枢動可能に取り付けられる。ベルクランク266、270は、固定枢動継手を画定する枢動可能支持部材274、276を各々含む。支持部材は、ボード202の下の支持構造に取り付けられるように構成される。支持部材274、276は、回転可能に固定された位置でベルクランクを枢動可能に保持し、ボード202の幅を横切って互いに対向する。
【0075】
図8および
図9に示されているように、ショックアブソーバ254およびベルクランク266、270は、ボード202の平面の下の位置に配置される。言い換えれば、ショックアブソーバ254およびベルクランク266、270の全体が、デッキ部分206の下に配置され、フットデッキの上に延在しない。
【0076】
第1のプッシュロッド278は、第1のベルクランク266の第3の枢動継手280(移動枢動継手)を、枢動荷重部材275でクロスメンバ259に結合する。同様に、第2のプッシュロッド282は、第2のベルクランク270の第4の枢動継手284(移動枢動継手)を、枢動荷重部材277でクロスメンバ259に結合する。第1および第2のプッシュロッド278、282は、
図13に最も良く示されているように、それぞれのスロットにおいて枢動荷重部材275、277でクロスメンバ259に結合される。言い換えれば、プッシュロッドは、クロスメンバ259に少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0077】
図12および
図13に示されているように、第1および第2のプッシュロッド278、282は、荷重部材275、277でクロスメンバ259に対して第1の回転方向に枢動可能であり、枢動継手280、284でベルクランクに対して第2の直交する回転方向に枢動可能である。言い換えれば、プッシュロッド278、282は、2つの自由度を有し、スイングアーム252の略垂直運動を、支持部材274、276を中心としたベルクランク266、270の略水平回転に変換するように構成される。
【0078】
図11および
図12に示されているように、スイングアーム252は、支点273を中心として回転するてこを形成し、車軸228との接続部において力が加えられ、荷重は荷重部材275、277にある。支点の相対水平位置が概して、加えられる力と荷重との間にあるため、スイングアーム252は、第1種てこを形成する。この構成は、有利に明確な機械的利点を提供する。さらに、この構成は、懸架システムの衝撃吸収特性のさらなる制御を可能にするが、これは、荷重(すなわち、荷重部材275、277)が、第1種てこ構成において(第2種てこ構成と比較して)より大きい移動距離を有するためである。言い換えれば、第1種てこ構成は、懸架システムが他の構成より大きい圧縮距離を有することを可能にする。
【0079】
動作中、モータアセンブリ226(したがって、車輪アセンブリ222)の上方への動きは、スイングアーム252の遠位端に力を加え、支点273を中心とした回転を引き起こす。この回転は、荷重部材275、277にエネルギーを伝達し、それにより、プッシュロッド278、282が、長さ方向に、モータアセンブリ226から概して離れる方向に押される。結果として、プッシュロッドは、ベルクランク266、270を支持部材274、276を中心として略内側へ回転させ、
図13に点線271で示されるように、ショックアブソーバ254を圧縮する。
【0080】
C.電気制御システム
図14は、車両100、200の様々な例示的電気部品を含む、上で簡単に説明された電気制御システム136および236の一例である、電気制御システム300のブロック図を示す。電気部品は、電源管理システム302、直流/直流(DC/DC)コンバータ304、ブラシレス直流(BLDC)駆動論理306、電力段308、1つ以上の2軸加速度計310、1つ以上のホールセンサ312、および/またはモータ温度センサ314を含み得る。DC/DCコンバータ304、BLDC駆動論理306、および電力段308は、モータコントローラ316に含まれ、かつ/または接続され得る。加速度計(単数または複数)310は、上述された1つ以上の姿勢または傾斜センサ318に含まれ得る。
【0081】
電動車両の能動的平衡(または自己安定化)は、フィードバック制御ループまたは機構の使用によって達成され得る。フィードバック制御機構は、センサ320を含み得、センサ320は、モータコントローラ316に電気的に結合され、かつ/またはモータコントローラ316に含まれ得る。好ましくは、フィードバック制御機構は、1つ以上のジャイロ322および1つ以上の加速度計(例えば、加速度計(単数または複数)310)を使用する比例積分微分(PID)制御スキームを含む。ジャイロ322は、そのピッチ軸(支点軸とも呼ばれる)を中心としたボードの枢動を測定するように構成され得る。ジャイロ322および加速度計310は、全体として、ピッチ軸、ロール軸、および/またはヨー軸を中心とするフットデッキの姿勢などのボードのリーン角度を推定(または測定、または感知)するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ジャイロ322および加速度計310は、全体として、ピッチ軸、ロール軸および/またはヨー軸を中心とした枢動を含むフレームのリーン角度を推定するのに十分な姿勢情報を感知するように構成され得る。
【0082】
上述したように、ボードの姿勢情報は、ジャイロ322および加速度計310によって測定(または感知)され得る。ジャイロ322および加速度計310からのそれぞれの測定値(または感知信号)は、相補フィルタまたはカルマンフィルタを使用して組み合わされることにより、隆起、道路テクスチャ、およびステアリング入力による外乱の影響を除去しながら、ボードのリーン角度(例えば、ピッチ角に対応するピッチ軸を中心とした枢動、ロール角またはヒール・トウ角に対応するロール軸を中心とした枢動、および左右ヨー角に対応するヨー軸を中心とした枢動を有する、ピッチ軸、ロール軸、および/またはヨー軸を中心としたボードの枢動)を推定し得る。例えば、ジャイロ322および加速度計310は、マイクロコントローラ324に接続され得、マイクロコントローラ324は、ピッチ軸、ロール軸、および/またはヨー軸を中心とし、それらの軸に沿ったボードの運動を対応して測定するように構成され得る。
【0083】
あるいは、電動車両は、ピッチ軸を中心としたボードの枢動を測定するように構成された1軸ジャイロ、重力ベクトルを測定するように構成された1軸加速度計、および/または閉ループ伝達関数などの任意の他の好適なフィードバック制御ループなどの、車両を自己安定化させるように構成された任意の好適なセンサおよびフィードバック制御ループを含み得る。追加の加速度計およびジャイロの軸は、ボードがひっくり返ったかどうか、または乗り手がターンしているかどうかの検出などの、改善された性能および機能を可能にし得る。
【0084】
フィードバック制御ループは、地面に対するボードの角度を減少させるようにモータを駆動するように構成され得る。例えば、乗り手がボードを下方に傾けることにより、第1のデッキ部分が第2のデッキ部分より「下方」にある場合(例えば、乗り手がボードを第1の回転方向に枢動させた場合)、フィードバックループはモータを駆動して、ピッチ軸を中心としてタイヤを第1の回転方向に回転させ、それによりボードに第2の逆回転方向の力を引き起こし得る。
【0085】
したがって、電動車両の動きは、乗り手が選択した(例えば、「前」)足の方へ自身の体重をかけることによって達成され得る。同様に、減速は、乗り手が他方の足(例えば、「後」足)の方へ傾くことによって達成され得る。回生制動を使用して車両を減速させることができる。乗り手がいずれかの選択した足の方へ傾くことを維持することによって、持続的動作がいずれかの方向で達成され得る。
【0086】
図15に示されているように、マイクロコントローラ324は、ブラシレスDC(BLDC)駆動論理306に信号を送信するように構成され得、ブラシレスDC(BLDC)駆動論理306は、ボードの姿勢および動きに関する情報を通信し得る。次いで、BLDC駆動論理306は、信号を解釈し、それに応じて電力段308と通信してモータを駆動し得る。ホールセンサ312は、BLDC駆動論理に信号を送信して、モータのロータの実質的に瞬時の回転速度に関するフィードバックを提供し得る。モータ温度センサ314は、モータの温度を測定し、この測定された温度を論理306に送信するように構成され得る。論理306は、モータの測定温度に基づいてモータに供給される電力量を制限して、モータが過熱するのを防止し得る。
【0087】
電動車両の性能および安全性を向上させるために、PIDループまたは他の好適なフィードバック制御ループに対する特定の修正が組み込まれ得る。例えば、積分ワインドアップは最大積分値を制限することによって防止され得、指数関数がピッチ誤差角(例えば、ボードの測定または推定ピッチ角)に適用され得る。
【0088】
代替的または追加的に、いくつかの実施形態は、ニューラルネットワーク制御、ファジー制御、遺伝的アルゴリズム制御、線形二次レギュレータ制御、状態依存リカッチ方程式制御、および/または他の制御アルゴリズムを含み得る。いくつかの実施形態では、モータ位置に関するフィードバックを提供するために、絶対エンコーダまたは相対エンコーダが組み込まれ得る。
【0089】
回転中に、ピッチ角は、ヒール・トウ角(例えば、ロール軸を中心としたボードの枢動)によって調節され得、このことにより、性能を向上させ、ボードの前方内側縁部が地面に接触するのを防止し得る。いくつかの実施形態では、フィードバックループは、ボードがロール軸および/またはヨー軸を中心として枢動される場合に、タイヤの回転速度を上昇させる、低下させる、または別の形で調節するように構成され得る。タイヤの回転速度のこの調節は、ボードの一部と乗り手との間にかかる法線力を増大させることができ、雪の中でのスノーボードのカービング感覚、または水中でのサーフボードのカービング感覚と同様に、ターンする時に乗り手に「カービング」感覚を提供することができる。
【0090】
乗り手が自身をボード上に適切に位置決めすると、制御ループは、乗り手がボードを所定の姿勢にするまで作動させないように構成され得る。例えば、フィードバック制御ループにアルゴリズムが組み込まれ得、そのことにより、乗り手が体重を使ってボードをほぼ水平な姿勢(例えば、0度のピッチ角)にするまで制御ループはアクティブにならない(例えば、モータを駆動しない)。この所定の姿勢が検出されると、フィードバック制御ループは、電動車両の平衡を保ち、電動車両の静止モード(または構成、または状態、または姿勢)から移動モード(または構成、または状態、または姿勢)への移行を容易にするために有効になり(または作動され)得る。
【0091】
引き続き
図14を参照すると、様々な電気部品は、電源326を管理するように構成され得る。例えば、電源管理システム302は、電源326の電池が過充電される、過放電される、および/または短絡することから保護するように構成された電池管理システムであり得る。システム302は、電池の健全性を監視し得、電源326の充電状態を監視し得、かつ/または車両の安全性を高め得る。電源管理システム302は、車両の充電プラグと電源326との間に接続され得る。乗り手(または他のユーザ)は、充電器をプラグに結合し、システム302を介して電源326を再充電することができる。
【0092】
動作中、電源スイッチ328は、(例えば、乗り手によって)作動され得る。スイッチ328の作動は、コンバータ304に電源オン信号を送信し得る。電源オン信号に応答して、コンバータ304は、電源326によって供給される第1の電圧レベルから1つ以上の他の電圧レベルに直流電流を変換し得る。他の電圧レベルは、第1の電圧レベルと異なり得る。コンバータ304は、1つ以上の電気接続を介して他の電気部品に接続されて、これらの電気部品に好適な電圧を供給し得る。
【0093】
コンバータ304(または他の好適な回路)は、電源オン信号をマイクロコントローラ324に送信し得る。電源オン信号に応答して、マイクロコントローラは、センサ320および乗り手検出デバイス330を初期化し得る。
【0094】
電動車両は、フィードバック制御ループを連動させる前に乗り手がボードに乗っていることを確実にするために、電源スイッチ328および/または乗り手検出デバイス330などの1つ以上の安全機構を含み得る。いくつかの実施形態では、乗り手検出デバイス330は、乗り手の足がフットデッキ上に配置されているかどうかを判定し、乗り手の足がフットデッキ上に配置されていると判定された時にモータをアクティブ状態にする信号を送信するように構成され得る。
【0095】
乗り手検出デバイス330は、乗り手が電動車両に乗っているかどうかを判定するための任意の好適な機構、構造、または装置を含み得る。例えば、デバイス330は、1つ以上の機械式ボタン、1つ以上の容量センサ、1つ以上の誘導センサ、1つ以上の光スイッチ、1つ以上の力抵抗センサ、および/または1つ以上の歪みゲージを含み得る。乗り手検出デバイス330は、第1および第2のデッキ部分の一方または両方の上または下に配置され得る。いくつかの例では、1つ以上の機械式ボタンまたは他のデバイスは、乗り手がボードに乗っているかどうかを感知するために、直接的に(例えば、デッキ部分上にある場合)、または間接的に(例えば、デッキ部分の下にある場合)押圧され得る。
【0096】
いくつかの例では、1つ以上の容量センサおよび/または1つ以上の誘導センサは、デッキ部分の一方または両方の表面上または表面付近に配置され得、それに応じて、静電容量の変化またはインダクタンスの変化から乗り手がボードに乗っているかどうかを検出し得る。いくつかの例では、1つ以上の光スイッチは、デッキ部分の一方または両方の表面上または表面付近に配置され得る。1つ以上の光スイッチは、光信号に基づいて乗り手がボードに乗っているかどうかを検出し得る。いくつかの例では、1つ以上の歪みゲージは、乗り手がボードに乗っているかどうかを検出するために、乗り手の足によって付与されるボードまたは車軸の屈曲を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、乗り手検出デバイス330は、手持ち式「デッドマン」スイッチを含み得る。
【0097】
デバイス330は、乗り手が電動車両上に好適に位置決めされていることを検出した場合、乗り手存在信号をマイクロコントローラ324に送信し得る。乗り手存在信号は、モータをアクティブ状態にする信号であり得る。乗り手存在信号(および/または、例えば、ボードが水平姿勢に移されていること)に応答して、マイクロコントローラ324は、モータを駆動するためのフィードバック制御ループを作動させ得る。例えば、乗り手存在信号に応答して、マイクロコントローラ324は、電力段308を介してモータに電力を供給するために、センサ320から論理306にボード姿勢情報(または測定データ)を送信し得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、デバイス338は、乗り手がもう電動車両上に好適に位置決めされていないかまたは存在していないことを検出した場合、乗り手不在信号をマイクロコントローラ324に送信し得る。乗り手不在信号に応答して、車両の回路(例えば、マイクロコントローラ324、論理306、および/または電力段308)は、車両を停止させるためにステータに対するロータの回転速度を低下させるように構成され得る。例えば、ロータの電気コイルに選択的に電力を供給して、ロータの回転速度を低下させることができる。いくつかの実施形態では、乗り手不在信号に応答して、回路は、比較的強いかつ/もしくは実質的に連続的な定電圧で電気コイルに通電し、ロータをステータに対して係止し、ロータがステータに対して回転するのを防止し、かつ/またはロータを急停止させるように構成され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、車両は、乗り手が(例えば、一時的に)車両上に存在しない場合であってもモータを能動的に駆動するように構成され得、そのことにより乗り手は様々な技を行うことができる。例えば、乗り手検出デバイス330は、所定時間の間、乗り手不在信号をマイクロコントローラに送信することを遅延させるように構成され得、かつ/またはマイクロコントローラは、所定時間の間、モータへの電力を遮断するために信号を論理306に送信することを遅延させるように構成され得る。
【0100】
D.例示的組み合わせおよび追加の例
このセクションでは、本明細書に記載されている懸架システムのさらなる態様および特徴ついて説明するが、これらは、非限定的に一連の項目として提示され、その一部または全ては、明確性および効率性のために英数字で指定され得る。これらの項目の各々は、任意の好適な方法で、1つ以上の他の項目、および/または相互参照に記載された資料を含む本願における他の場所からの開示内容と組み合わされ得る。以下の項目のいくつかは、他の項目に明示的に言及し、さらに他の項目を制限するものであり得、好適な組み合わせのいくつかの例を非限定的に提供する。
【0101】
A0.
自己平衡型電動車両であって、
フレーム、フレームの第1の端部に配置された第1のデッキ部分、およびフレームの第2の端部に配置された第2のデッキ部分を含むボードであって、第1および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
車軸を中心として回転可能な車輪であって、車輪は、第1および第2のデッキ部分間に配置され、それらの上下に延在する、車輪と、
車軸を中心として車輪を回転させて車両を推進させるように構成されたモータアセンブリと、
ボードの姿勢情報を測定するように構成された少なくとも1つのセンサと、
少なくとも1つのセンサによって測定された姿勢情報を受信し、姿勢情報に基づいてモータアセンブリに車両を推進させるように構成されたモータコントローラと、
ボードが車軸に対して上下に動けるように、車輪の車軸をボードに結合する懸架システムであって、懸架システムは、
支点でフレームに枢動可能に結合された第1の端部および車軸に固定された第2の端部を有するスイングアームであって、スイングアームは、支点から離隔した第1の移動枢動継手を含む、スイングアームと、
固定枢動継手でボードに結合され、第3の移動枢動継手から離隔した第2の移動枢動継手を含むロッカーと、
ロッカーの第2の移動枢動継手をスイングアームの第1の移動枢動継手に接続するプッシュロッドと、
支点とロッカーの第2の移動枢動継手との間に接続されたショックアブソーバと、
を含む、懸架システムと、
を備える、車両であり、
ショックアブソーバが、第1のデッキ部分の下に配置され、車軸に対するボードの運動を減衰させるように構成される、車両。
【0102】
A1.
フレームは、懸架システムのみによって車輪アセンブリに結合される、項目A0に記載の車両。
【0103】
A2.
スイングアームは、クロスメンバ、およびクロスメンバから延在する少なくとも1つの脚を含む、項目A0に記載の車両。
【0104】
A3.
スイングアームはU字形である、項目A2に記載の車両。
【0105】
A4.
ロッカーの第2の移動枢動継手は、第3の移動枢動継手と固定枢動継手との間に配置される、項目A0に記載の車両。
【0106】
A5.
スイングアームの第1の移動枢動継手は、支点より低い高さに配置される、項目A4に記載の車両。
【0107】
A6.
ショックアブソーバは、ガスショックアブソーバである、項目A0に記載の車両。
【0108】
B0.
自己平衡型電動車両であって、
回転軸を有する車輪と、
車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、ボードは車輪を中心として傾動可能であり、ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
車輪を駆動するように構成された電気ハブモータと、
ボードの姿勢を示す姿勢情報を受信し、姿勢情報に基づいてハブモータにボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、
懸架システムであって、
ボードが車軸に対して上下に動けるように構成されるよう、車輪の車軸をボードのフレームに結合するスイングアームと、
ボードの進行方向に対して横方向に配向され、各端部でそれぞれのベルクランクによってスイングアームに結合されたショックアブソーバであって、その結果、ショックアブソーバは、車軸に対するボードの上下運動を減衰させるように構成される、ショックアブソーバと、
を含む、懸架システムと、
を備える、車両であり、
ショックアブソーバの全体が、第1のデッキ部分の下に配置される、車両。
【0109】
B1.
ベルクランクは、それぞれのプッシュロッドによってスイングアームに各々結合される、B0に記載の車両。
【0110】
B2.
スイングアームのクロスメンバは、フレームに枢動可能に接続される、B0またはB1に記載の車両。
【0111】
B3.
スイングアームの脚は、遠位端で車軸のそれぞれの端部に固定される、項目B0~B2のいずれか1つに記載の車両。
【0112】
B4.
スイングアームの各脚は、車軸で加えられる力、およびスイングアームをショックアブソーバに結合するプッシュロッドに配置された荷重を有する第1種てこを形成する、B3に記載の車両。
【0113】
B5.
スイングアームのクロスメンバは、フレームに枢動可能に結合され、第1種てこの支点を形成する、B4に記載の車両。
【0114】
B6.
ベルクランクは、完全に第1のデッキ部分の下に配置される、項目B0~B5のいずれか1つに記載の車両。
【0115】
B7.
フレームは、懸架システムのみによって車軸に結合される、項目B0~B6のいずれか1つに記載の車両。
【0116】
B8.
ベルクランクの各々は、それぞれの固定枢動継手でボードに結合される、項目B0~B7のいずれか1つに記載の車両。
【0117】
B9.
ベルクランクの各々は、ショックアブソーバのそれぞれの端部に回転可能に結合された第1の移動枢動継手、およびそれぞれのプッシュロッドに回転可能に結合された第2の移動枢動継手を有し、各プッシュロッドは、それぞれのベルクランクをスイングアームに接続する、B8に記載の車両。
【0118】
C0.
自己平衡型電動車両であって、
フレーム、フレームの第1の端部に配置された第1のデッキ部分、およびフレームの第2の端部に配置された第2のデッキ部分を含むボードであって、第1および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
車軸を中心に回転可能なただ1つの車輪を含む車輪アセンブリであって、車輪は、第1および第2のデッキ部分間に配置され、それらの上下に延在する、車輪アセンブリと、
車軸を中心として車輪を回転させて車両を推進させるように構成されたモータアセンブリと、
少なくとも1つのセンサによって測定されたボード姿勢情報を受信し、ボード姿勢情報に基づいてモータアセンブリに車両を推進させるように構成されたモータコントローラと、
ボードが車軸に対して上下に動けるように構成されるよう、車輪アセンブリをボードに結合する懸架システムであって、懸架システムは、
ボードに結合された支点を中心として枢動可能なスイングアームであって、スイングアームは、車軸に結合された少なくとも1つの脚を含む、スイングアームと、
第2のベルクランクからボードの幅を横切って配置された第1のベルクランクであって、ベルクランクの各々は、(a)それぞれの固定枢動継手でボードに結合され、(b)第1の移動枢動継手でショックアブソーバに結合され、(c)第2の移動枢動継手でそれぞれのプッシュロッドに結合され、その結果、ベルクランクの各々は、それぞれのプッシュロッドによってスイングアームに接続され、ショックアブソーバは、進行方向に対して横方向に配向される、第1のベルクランクと、
を含み、
スイングアームは、プッシュロッドに対して支点の反対側で車軸に結合され、第1種てこを形成する、
懸架システムと、
を備える、車両。
【0119】
C1.
ショックアブソーバは、完全に第1のデッキ部分の下に配置される、C0に記載の車両。
【0120】
C2.
支点は、フレームに枢動可能に接続されたスイングアームのクロスメンバを含む、C0またはC1に記載の車両。
【0121】
C3.
スイングアームの少なくとも1つの脚は、第1の脚および第2の脚を含み、第1および第2の脚は、遠位端で車軸のそれぞれの端部に固定される、項目C0~C2のいずれか1つに記載の車両。
【0122】
C4.
ベルクランクは、完全に第1のデッキ部分の下に配置される、項目C0~C3のいずれか1つに記載の車両。
【0123】
C5.
フレームは、懸架システムのみによって車軸に結合される、項目C0~C4のいずれか1つに記載の車両。
【0124】
D0.
自己平衡型電動車両であって、
ハブモータによって回転軸を中心として駆動される車輪と、
車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、ボードは車輪を中心として傾動可能であり、ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
ボード姿勢情報に基づいてハブモータにボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、
懸架システムであって、
ボードが車軸に対して上下に動けるように、車輪の車軸をボードのフレームに結合するスイングアームと、
ボードの進行方向に対して横方向に配向され、各端部でそれぞれのベルクランクによってスイングアームに結合されたショックアブソーバであって、その結果、ショックアブソーバは、車軸に対するボードの上下運動を減衰させるように構成される、ショックアブソーバと、
を含む、懸架システムと、
を備える、車両であり、
ショックアブソーバの全体が、第1のデッキ部分の下に配置される、車両。
【0125】
D1.
ベルクランクは、それぞれのプッシュロッドによってスイングアームに各々結合され、スイングアームのクロスメンバは、フレームに枢動可能に接続され、スイングアームの脚は、車軸の端部に固定される、D0に記載の車両。
【0126】
D2.
スイングアームは、クロスメンバに支点を有する第1種てこを形成し、プッシュロッドは、車軸から支点の反対側に配置される、D1に記載の車両。
【0127】
D3.
フレームは、懸架システムのみによって車軸に結合される、項目D0~D2のいずれか1つに記載の車両。
【0128】
E0.
自己平衡型電動車両であって、
フレーム、フレームの第1の端部に配置された第1のデッキ部分、およびフレームの第2の端部に配置された第2のデッキ部分を含むボードであって、第1および第2のデッキ部分は、ボードの進行方向に対して略垂直に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
車軸を中心として回転可能な車輪を含む車輪アセンブリであって、車輪は、第1および第2のデッキ部分間に配置され、それらの上下に延在する、車輪アセンブリと、
車軸を中心として車輪を回転させて車両を推進させるように構成されたモータアセンブリと、
少なくとも1つのセンサによって測定されたボードの姿勢情報を受信し、姿勢情報に基づいてモータアセンブリに車両を推進させるように構成されたモータコントローラと、
ボードが車軸に対して上下に動けるように、車輪の車軸をボードに結合する懸架システムであって、懸架システムは、
支点でフレームに枢動可能に結合された第1の端部および車軸に固定された第2の端部を有するスイングアームであって、スイングアームは、支点から離隔した第1の移動枢動継手を含む、スイングアームと、
固定枢動継手でボードに結合され、第3の移動枢動継手から離隔した第2の移動枢動継手を含むロッカーと、
ロッカーの第2の移動枢動継手をスイングアームの第1の移動枢動継手に接続するプッシュロッドと、
支点とロッカーの第3の移動枢動継手との間に接続されたショックアブソーバと、
を含む、懸架システムと、
を備える、車両であり、
ショックアブソーバが、第1のデッキ部分の下に配置され、車軸に対するボードの運動を減衰させるように構成される、車両。
【0129】
E1.
フレームは、懸架システムのみによって車輪アセンブリに結合される、項目E0に記載の車両。
【0130】
E2.
スイングアームは、クロスメンバ、およびクロスメンバから延在する少なくとも1つの脚を含む、E0またはE1に記載の車両。
【0131】
E3.
スイングアームはU字形である、項目E2に記載の車両。
【0132】
E4.
ロッカーの第2の移動枢動継手は、第3の移動枢動継手と固定枢動継手との間に配置される、項目E0~E3のいずれか1つに記載の車両。
【0133】
E5.
スイングアームの第1の移動枢動継手は、支点より低い高さに配置される、項目E4に記載の車両。
【0134】
E6.
ショックアブソーバは、ガスショックアブソーバである、項目E0~E5のいずれか1つに記載の車両。
【0135】
F0.
自己平衡型電動車両であって、
回転軸を有する車輪を含む車輪アセンブリと、
車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、ボードは車輪を中心として傾動可能であり、ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、車輪の回転軸に対して略平行に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
車輪を駆動するように構成された電気ハブモータと、
ボードの姿勢を示す姿勢情報を受信し、姿勢情報に基づいてハブモータにボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、
ボードが車軸に対して上下に動けるように、車輪アセンブリの車軸をボードに結合する懸架システムであって、懸架システムは、
支点でフレームに結合された第1種てこを形成するスイングアームと、
固定枢動継手でボードに結合され、第2の移動枢動継手から離隔した第1の移動枢動継手を含むロッカーと、
ロッカーの第1の移動枢動継手をスイングアームに接続するプッシュロッドと、
支点とロッカーの第2の移動枢動継手との間に接続されたショックアブソーバと、
を含み、
ショックアブソーバの全体が、第1のデッキ部分の下に配置され、車軸に対するボードの運動を減衰させるように構成される、
懸架システムと、
を備える、車両。
【0136】
F1.
フレームは、懸架システムのみによって車輪アセンブリに結合される、項目F0に記載の車両。
【0137】
F2.
スイングアームは、クロスメンバ、およびクロスメンバから延在する少なくとも1つの脚を含む、項目F0またはF1に記載の車両。
【0138】
F3.
スイングアームはU字形である、項目F2に記載の車両。
【0139】
F4.
ロッカーの第1の移動枢動継手は、第2の移動枢動継手と固定枢動継手との間に配置される、項目F0~F3のいずれか1つに記載の車両。
【0140】
F5.
プッシュロッドは、支点より低い高さに配置された第3の移動枢動継手でスイングアームに接続する、項目F4に記載の車両。
【0141】
F6.
ショックアブソーバは、ガスショックアブソーバである、項目F0~F5のいずれか1つに記載の車両。
【0142】
G0.
自己平衡型電動車両であって、
ハブモータによって車軸を中心として駆動される車輪を含む車輪アセンブリと、
車輪を収容する開口を有するフレームを含むボードであって、その結果、ボードは車輪を中心として傾動可能であり、ボードの第1のデッキ部分および第2のデッキ部分は、車軸に対して略平行に配向された乗り手の左足または右足を受け入れるように各々構成される、ボードと、
ボード姿勢情報に基づいてハブモータにボードを推進させるように構成されたモータコントローラと、
懸架システムであって、
ボードが車軸に対して上下に動けるように、支点でフレームに枢動可能に結合された第1の端部および車軸に固定された第2の端部を有するスイングアームと、
固定枢動継手でボードに結合されたロッカーと、
ロッカーをスイングアームに接続するプッシュロッドと、
スイングアームの動きを減衰させるように構成されたショックアブソーバと、
を含む、懸架システムであり、
ショックアブソーバの全体が、第1のデッキ部分の下に配置される、
懸架システムと、
を備える、車両。
【0143】
G1.
フレームは、懸架システムのみによって車輪アセンブリに結合される、項目G0に記載の車両。
【0144】
G2.
スイングアームは、クロスメンバ、およびクロスメンバから延在する少なくとも1つの脚を含む、項目G0またはG1に記載の車両。
【0145】
G3.
スイングアームはU字形である、項目G2に記載の車両。
【0146】
G4.
スイングアームは、第1の移動枢動継手を含み、
ロッカーは、ロッカーの第2の移動枢動継手が、第3の移動枢動継手と固定枢動継手との間に配置されるように、第3の移動枢動継手から離隔した第2の移動枢動継手を含み、
プッシュロッドは、ロッカーの第2の移動枢動継手とスイングアームの第1の移動枢動継手との間に接続され、
ショックアブソーバは、支点とロッカーの第3の移動枢動継手との間に接続される、
項目G0~G3のいずれか1つに記載の車両。
【0147】
G5.
スイングアームの第1の移動枢動継手は、支点より低い高さに配置される、項目G4に記載の車両。
【0148】
利点、特徴、および利益
本明細書に記載されている懸架システムの異なる実施形態および例は、一輪車のための懸架装置を提供するための既知の解決策に勝るいくつかの利点を提供する。例えば、本明細書に記載されている例示的実施形態および例は、衝撃吸収特性のより繊細な調整を可能にする。
【0149】
さらに、本明細書に記載されている例示的実施形態および例は、懸架システムと車輪アセンブリとの間のよりロバストな耐荷重接続を可能にする。
【0150】
さらに、本明細書に記載されている例示的実施形態および例は、ボードの上に延在するか、またはボードの上面に配置された懸架システムの部分による干渉のない、フットパッド/デッキのフル活用を可能にする。
【0151】
これらの機能を実行することができる既知のシステムまたはデバイスは存在しない。しかしながら、本明細書に記載されている全ての実施形態および例が、同じ利点または同程度の利点を提供するわけではない。
【0152】
結論
上述の開示内容は、独立した有用性を有する複数の別個の例を包含し得る。これらの各々は、その好ましい形態(単数または複数)で開示されているが、本明細書に開示され、例示されているようなその特定の実施形態は、多数の変形形態が可能であるので、限定的な意味で捉えられるべきではない。セクションの見出しは、本開示内で使用される範囲では、構成を目的としたものに過ぎない。本開示の主題は、本明細書に開示されている様々な要素、特徴、機能、および/または特性の全ての新規かつ非自明の組み合わせおよび組み合せの構成要素を含む。以下の特許請求の範囲は、新規かつ非自明であると見なされる特定の組み合わせおよび組み合せの構成要素を特に指摘する。特徴、機能、要素、および/または特性の他の組み合わせおよび組み合せの構成要素は、本出願または関連出願からの優先権を主張する出願において特許請求され得る。そのような特許請求の範囲はまた、元の特許請求の範囲より広いか、狭いか、等しいか、または異なるかにかかわらず、本開示の主題の範囲内に含まれるものと見なされる。
【国際調査報告】