(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】湾曲したチャンバーを備えたエアロゾル発生器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20231024BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20231024BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20231024BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20231024BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
A24F40/46
A24F40/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521577
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2021078538
(87)【国際公開番号】W WO2022079212
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ビアレク ヤクブ
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン レアンデル
(72)【発明者】
【氏名】アスガリ マハディ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC06
4B162AC17
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成され、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成された非熱式エアロゾル発生要素と、少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口と、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーと、を備える、エアロゾル発生器。エアロゾル発生要素は、チャンバー内に配設され、エアロゾル化されたエアロゾル形成基体をチャンバーの中に放出するように構成される。エアロゾル発生器は、非熱式エアロゾル発生要素を介して、空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間でチャンバーを通って延びる気流経路と、エアロゾル発生要素を囲む側壁とをさらに備える。側壁は、チャンバーの湾曲した曲面を画定する湾曲した表面を有し、少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延び、チャンバーの湾曲した表面に対して接線方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器であって、前記エアロゾル発生器が、
エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成された非熱式エアロゾル発生要素と、
少なくとも一つの空気吸込み口と、
少なくとも一つの空気出口と、
前記少なくとも一つの空気吸込み口と前記少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーであって、前記エアロゾル発生要素が、前記チャンバー内に配設され、エアロゾル化されたエアロゾル形成基体を前記チャンバーの中に放出するように構成される、チャンバーと、
前記非熱式エアロゾル発生要素を介して、前記空気吸込み口と前記少なくとも一つの空気出口との間の前記チャンバーを通って延びる気流経路と、
前記エアロゾル発生要素を囲む側壁であって、前記側壁が、前記チャンバーの湾曲した表面を画定する湾曲した表面を有し、前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記側壁を通って延び、前記チャンバーの前記湾曲した表面に対する接線方向に、前記チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、側壁と、を備える、エアロゾル発生器。
【請求項2】
前記チャンバーが、口側端、および前記口側端とは反対側のエアロゾル発生端を含み、前記少なくとも一つの空気出口が、前記口側端に配設され、前記口側端における前記チャンバーの幅が、前記エアロゾル発生端における前記チャンバーの幅未満である、請求項1に記載のエアロゾル発生器。
【請求項3】
前記エアロゾル発生要素が、前記チャンバーの前記エアロゾル発生端に配設される、請求項2に記載のエアロゾル発生器。
【請求項4】
前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記チャンバーの外周の周りに空気を方向付けるように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生器。
【請求項5】
前記チャンバーが、中央長軸方向軸に沿って延び、前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記チャンバーの前記中央長軸方向軸と交差しない方向に、前記チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生器。
【請求項6】
前記非熱式エアロゾル発生要素が、複数のノズルを有するメッシュ要素を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生器。
【請求項7】
前記メッシュエアロゾル発生要素が、振動するように構成された振動可能なメッシュ要素である、請求項6に記載のエアロゾル発生器。
【請求項8】
前記メッシュに連結され、前記メッシュエアロゾル発生要素を振動するように構成されたアクチュエータをさらに備える、請求項7に記載のエアロゾル発生器。
【請求項9】
前記エアロゾル発生器が、
エアロゾル化する液体を含有するための空洞と、
空洞に霧状にされる液体の供給を提供するための液体入口と、
弾性変形可能要素と、
前記メッシュエアロゾル発生要素と、
前記弾性変形可能要素を振動させるように配設されたアクチュエータと、を有する振動チャンバーを備え、
前記アクチュエータによる前記弾性変形可能要素の振動が、前記空洞内部の圧力を変化させる、請求項6に記載のエアロゾル発生器。
【請求項10】
前記アクチュエータがトランスデューサである、請求項8または9に記載のエアロゾル発生器。
【請求項11】
前記エアロゾル発生器が、
活性表面を含む基板と、
前記基板の前記活性表面上に表面音響を発生するために、前記基板の前記活性表面上に位置付けられた少なくとも一つのトランスデューサと、を含む表面音響波アトマイザー(SAWアトマイザー)を備え、
前記エアロゾル発生要素が、前記基板を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生器。
【請求項12】
前記非熱式エアロゾル発生要素が、実質的に平面に延びる平面状のエアロゾル発生要素である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生器。
【請求項13】
前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記平面状のエアロゾル発生要素から離れる方向に、前記チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、請求項12に記載のエアロゾル発生器。
【請求項14】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、前記カートリッジが、
液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部と、
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生器と、
前記貯蔵部から前記エアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素と、を備える、カートリッジ。
【請求項15】
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生システムが、
液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部と、
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生器と、
前記貯蔵部から前記エアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素と、
前記エアロゾル発生器に電力を供給するために前記エアロゾル発生器に連結された電源と、
前記電源から前記エアロゾル発生器への電力の供給を制御するように構成された制御回路と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生器、エアロゾル発生器を備えるエアロゾル発生システム、およびエアロゾル発生器を備えるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器を備えるエアロゾル発生システムは、概して当該技術分野で公知である。こうしたエアロゾル発生システムは、ユーザーが吸入するための吸入可能なエアロゾルを発生することが多い。一部の公知のエアロゾル発生器は、熱を利用してエアロゾル形成基体を気化し、気化したエアロゾル形成基体は、冷却されてエアロゾルを形成する。他のエアロゾル発生器は、非熱手段を使用して、液体エアロゾル形成基体をエアロゾル化する。例えば、一部の公知の非熱式エアロゾル発生器は、振動メッシュを使用して液体エアロゾル形成基体をエアロゾル化し、一部の公知の非熱式エアロゾル発生器は、表面音響波を使用して、液体エアロゾル形成基体をエアロゾル化する。
【0003】
エアロゾルがエアロゾル発生器によって発生されると、エアロゾル液滴がエアロゾル発生器の表面と接触して表面に堆積し、堆積されたエアロゾル液滴をユーザーに送達することが阻止される場合があることが見出されている。特に、エアロゾル発生器の表面にエアロゾル液滴が堆積することは、エアロゾル化された液体エアロゾル形成基体が、加熱されたエアロゾル形成基体によって発生される蒸気よりも大きな液滴を含む傾向があり得る、非熱式エアロゾル発生器において特に問題であることが見出されている。大きなエアロゾル液滴は、消費者に送達されるまでにエアロゾル発生器の表面に堆積する傾向が強い。同様に、非熱式エアロゾル発生器は、非熱式エアロゾル発生器を通って、またはこれに沿って空気が流れることなく、エアロゾル液滴を発生するように構成され得る。エアロゾル液滴が発生する際に気流が欠如することにより、エアロゾル液滴がエアロゾル発生器の表面に堆積し得る。
【0004】
エアロゾルが消費者に送達されるまでに発生器の表面にエアロゾル液滴が堆積する可能性を低減する、エアロゾル発生器を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示によると、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器が提供されている。エアロゾル発生器は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成されたエアロゾル発生要素をさらに備え得る。エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口とを備え得る。エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間にチャンバーを備え得る。エアロゾル発生要素は、チャンバー内に配設され、エアロゾル化されたエアロゾル形成基体をチャンバーの中に放出するように構成され得る。エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素を介して、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーを通って延びる気流経路をさらに備え得る。
【0006】
本開示の好ましい一実施形態によると、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器が提供されている。エアロゾル発生器は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成されたエアロゾル発生要素をさらに備え得る。エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口とをさらに備え得る。エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間にチャンバーをさらに備え得る。エアロゾル発生要素は、チャンバー内に配設され、エアロゾル化されたエアロゾル形成基体をチャンバーの中に放出するように構成され得る。エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素を介して、空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーを通って延びる気流経路をさらに備え得る。エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素を囲む側壁をさらに備え得る。側壁は、チャンバーの湾曲した表面を画定する湾曲した表面を有し得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延びてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの湾曲した表面に対して接線方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。
【0007】
湾曲した表面を備えたエアロゾル発生器を提供し、湾曲した表面に対して接線方向にチャンバーの中に空気を方向付けることにより、有利なことに、エアロゾル発生器の表面にエアロゾル液滴が堆積することが低減され得る。エアロゾル発生器の表面にエアロゾル液滴が堆積することが低減されることにより、ユーザーに対するエアロゾル送達の一貫性が改善され得る。また、エアロゾル発生器の表面に望ましくない液体が蓄積することも低減され得る。エアロゾル発生器の表面に望ましくない液体が蓄積することが低減されることにより、エアロゾル発生器からの漏れが低減され得る。
【0008】
湾曲した表面を備えたエアロゾル発生器を提供し、湾曲した表面に対して接線方向にチャンバーの中に空気を方向付けることにより、少なくとも一つの空気吸込み口を通ってチャンバーに入る空気が、チャンバーの湾曲した表面に追従し、チャンバーの外周に沿って旋回する空気のポケットを形成する。発明者らは、チャンバーの外周に沿って旋回するこうした空気のポケットを使用して、エアロゾル発生要素によって発生したエアロゾルを取り囲み、発生したエアロゾルをチャンバーの表面から離れるように方向付け得ることを認識した。発生したエアロゾルをチャンバーの表面から離れるように方向付けることによって、チャンバーの表面に堆積するエアロゾルの量を大きく低減することができる。
【0009】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、非熱式エアロゾル発生要素である。湾曲した表面を備えたエアロゾル発生器を提供し、湾曲した表面に対して接線方向にチャンバーの中に空気を方向付けることは、非熱式エアロゾル発生要素を備えるエアロゾル発生器において、発生したエアロゾルがエアロゾル発生器の表面に堆積することを低減するのに特に有効であり得ることが見出された。これは、非熱式エアロゾル発生要素によって発生したエアロゾル液滴は、熱式エアロゾル発生要素によって発生する液滴よりも大きい傾向があり得、大きなエアロゾル液滴は、エアロゾル発生器の表面に堆積する傾向が強いためである。同様に、非熱式エアロゾル発生器は、非熱式エアロゾル発生器を通って、またはこれに沿って空気が流れることなく、エアロゾル液滴を発生するように構成され得る。また、エアロゾル液滴が発生する際に気流が欠如することにより、エアロゾル液滴がエアロゾル発生器の表面に堆積し得る。
【0010】
本開示の別の好ましい実施形態によると、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器が提供されている。エアロゾル発生器は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成された平面状のエアロゾル発生要素を備え得る。平面状のエアロゾル発生要素は、実質的に平面に延びてもよい。エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口とをさらに備え得る。エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間にチャンバーをさらに備え得る。平面状のエアロゾル発生要素は、チャンバー内に配設され、エアロゾル化されたエアロゾル形成基体をチャンバーの中に放出するように構成され得る。エアロゾル発生器は、平面状のエアロゾル発生要素を介して、空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーを通って延びる気流経路をさらに備え得る。エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素を囲む側壁をさらに備え得る。側壁は、チャンバーの表面を画定する表面を有し得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延びてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の表面から離れる方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成され得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面と少なくとも一つの空気出口との間の方向に、空気を方向付けるように構成されてもよい。
【0011】
平面状のエアロゾル発生要素から離れるように、かつ開口部に向かって、チャンバーの中に気流を方向付けることにより、エアロゾル発生要素からのエアロゾル発生が改善し得ることが見出された。有利なことに、平面状のエアロゾル発生要素から離れる方向のチャンバー内の気流は、エアロゾル発生要素から発生したエアロゾルがエアロゾル発生要素から離れるように移動することを促進し、エアロゾル発生要素に向かうエアロゾルの逆流を低減し得る。エアロゾル発生要素に向かうエアロゾル発生要素から発生したエアロゾルの逆流は、エアロゾル発生を中断させ、エアロゾル発生のレートの低減、および異なる、望ましくない特性を有するエアロゾルの発生、のうちの一つ以上がもたらされる場合があることが見出されている。
【0012】
本開示の別の好ましい実施形態によると、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器が提供されている。エアロゾル発生器は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成された平面状のエアロゾル発生要素を備え得る。エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素に連結された平面状の補助的要素をさらに備え得る。エアロゾル発生器は、平面状の補助的要素を通って延びる少なくとも一つの空気吸込み口をさらに備え得る。平面状のエアロゾル発生要素および平面状の補助的要素は、実質的に同じ平面に延びてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面から離れる方向に、空気を方向付けるように構成されてもよい。
【0013】
上述のように、平面状のエアロゾル発生要素から離れるように、チャンバーの中に気流を方向付けることは、エアロゾル発生要素からのエアロゾル発生を改善し得ることが見出されている。有利なことに、平面状のエアロゾル発生要素から離れる方向の気流は、エアロゾル発生要素から発生したエアロゾルがエアロゾル発生要素から離れるように移動することを促進し、エアロゾル発生要素に向かうエアロゾルの逆流を低減し得る。
【0014】
少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間にチャンバーを備える好ましい実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口およびチャンバーは、チャンバーの外周に沿って回転または旋回するように空気を方向付けるように構成され得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの外周に沿って空気を方向付けるように構成されることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、接線方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設されてもよい。
【0015】
一部の実施形態では、チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延びる。これらの実施形態では、チャンバーは、中央長軸方向軸を中心に実質的に対称であってもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸と交差しない方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸の周りの方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。
【0016】
有利なことに、回転軸を中心としたチャンバーの外周に沿った空気の回転を生じさせる方向に、チャンバーの中に空気を方向付けることにより、チャンバーの表面にエアロゾル液滴が堆積することが低減され得る。
【0017】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素を囲み、かつチャンバーの表面を画定する表面を有する側壁を備える。少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延びてもよい。一部の実施形態では、側壁の表面は、湾曲した表面であり、チャンバーの湾曲した表面を画定する。
【0018】
少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの湾曲した表面に対して接線方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、湾曲した表面に対する接線から、0度~90度、または0度~80度、または0度~70度、または0度~60度、または0度~50度、または0度~40度、または0度~30度、または0度~20度、または0度~100度に角度付けられた方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。一部の実施形態では、チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、少なくとも一つの空気吸込み口およびチャンバーの表面は、チャンバーの中央長軸方向軸の周りに空気を方向付けるように構成される。一部の実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、湾曲した表面の接線とチャンバーの中央長軸方向軸との間の方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。
【0019】
チャンバーは、口側端を含み得る。少なくとも一つの空気出口は、口側端に、または口側端に向かって配設されてもよい。チャンバーは、エアロゾル発生端を含み得る。エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生端に、またはエアロゾル発生端に向かって配設されてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル発生端に向かって配設されてもよい。エアロゾル発生端は、口側端の反対側にあり得る。
【0020】
エアロゾル発生要素は、チャンバーの表面を形成し得る。エアロゾル発生要素は、チャンバーのエアロゾル発生端に表面を画定し得る。
【0021】
チャンバーの表面を画定する側壁を備える実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーのエアロゾル発生端に向かった位置において側壁を通って延び得る。側壁は、エアロゾル発生要素を囲んでもよい。側壁は、口側端とエアロゾル発生端との間に延びてもよい。側壁は、エアロゾル発生端におけるエアロゾル発生要素と口側端における少なくとも一つの空気出口との間に延び得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延びてもよい。
【0022】
チャンバーは、任意の適切な形状およびサイズを有し得る。
【0023】
一部の実施形態では、側壁の表面は、先細りしたチャンバーを画定する。例えば、口側端におけるチャンバーの幅は、エアロゾル発生端におけるチャンバーの幅未満であり得る。これにより、エアロゾル発生要素の幅が口側端開口部の幅よりも大きいエアロゾル発生器が可能になり得る。エアロゾル液滴が発生するときにエアロゾル発生要素に気流が提供される一部の実施形態では、先細りしたチャンバーの提供は、エアロゾル発生を強化するのに有利に使用され得る。
【0024】
側壁の表面が先細りしたチャンバーを画定する一部の実施形態では、チャンバーのテーパーは、エアロゾル発生端から口側端まで一定であってもよい。言い換えれば、チャンバーの中央長軸方向軸に対する側壁の表面のテーパー角は、エアロゾル発生端から口側端まで一定であってもよい。言い換えれば、側壁の表面は、エアロゾル発生端と口側端との間に一方向に真っ直ぐに延びる。先細りした側壁は、円錐状のチャンバー表面を画定し得る。側壁は、円形円錐状のチャンバー表面を画定し得る。側壁は、楕円形円錐状のチャンバー表面を画定してもよい。
【0025】
側壁の表面が先細りしたチャンバーを画定する一部の実施形態では、チャンバーのテーパーは、エアロゾル発生端から口側端まで変化してもよい。言い換えれば、チャンバーの中央長軸方向軸に対する側壁の表面のテーパー角は、エアロゾル発生端から口側端まで変化してもよい。有利なことに、エアロゾル発生端から口側端までチャンバーのテーパーを変化させることにより、チャンバーの表面にエアロゾル液滴が堆積することがさらに低減され得る。
【0026】
一部の実施形態では、チャンバーのテーパーまたは側壁の表面のテーパー角は、エアロゾル発生端から口側端まで増大し得る。言い換えれば、側壁は、凹状のチャンバー表面を画定し得る。これらの実施形態では、側壁は、ドーム状のチャンバー表面を画定し得る。
【0027】
一部の実施形態では、チャンバーのテーパー、または側壁の表面のテーパー角は、エアロゾル発生端から口側端まで減少し得る。これらの実施形態では、側壁は、凸状のチャンバー表面を画定し得る。これらの実施形態では、側壁は、ホーン形状のチャンバー表面を画定し得る。
【0028】
一部の実施形態では、側壁の表面は、円筒状のチャンバーを画定する。口側端におけるチャンバーの幅は、エアロゾル発生端におけるチャンバーの幅と同じであってもよい。側壁の表面は、円形円筒状のチャンバー表面を画定し得る。側壁の表面は、楕円円筒状のチャンバー表面を画定してもよい。
【0029】
一部の実施形態では、少なくとも一つの空気ガイドが、チャンバーの表面に提供されてもよい。少なくとも一つの空気ガイドは、チャンバーの外周に沿って、チャンバー内に気流を方向付け得る。少なくとも一つの空気ガイドは、チャンバーの周囲に沿って、チャンバー内に気流を方向付け得る。少なくとも一つの空気ガイドは、少なくとも一つの空気出口に向かって、チャンバー内に気流を方向付けてもよい。少なくとも一つの空気ガイドは、エアロゾル発生要素から離れるように、チャンバー内に気流を方向付け得る。チャンバーの表面に一つ以上の空気ガイドを提供することにより、回転軸を中心とした、チャンバーの外周に沿った空気の回転が改善され、チャンバーの表面にエアロゾル液滴が堆積することがさらに低減され得る。
【0030】
エアロゾル発生要素は、必要とされるエアロゾル発生要素のタイプに応じて、任意の適切な形態を取り得る。エアロゾル発生要素は、例えば、メッシュ、フラットスパイラルコイル、繊維、または布を含み得る。一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、シートまたは細片を含み得る。
【0031】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、熱式エアロゾル発生要素である。本明細書で使用される「熱式エアロゾル発生要素」という用語は、加熱によってエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生要素を指す。エアロゾル発生要素は、抵抗ヒーターでもよい。熱式エアロゾル発生要素は、交番磁界による貫通によって加熱可能なサセプタであり得る。熱式エアロゾル発生要素は、基体に適用された電磁場からエネルギーを吸収することによって加熱されるように構成されたエアロゾル形成基体であり得る。
【0032】
熱式エアロゾル発生要素は、内部ヒーターであってもよい。内部ヒーターは、エアロゾル形成基体の内部からエアロゾル形成基体を加熱するように構成される。熱式エアロゾル発生要素は、エアロゾル形成基体を貫通するように構成されてもよい。例えば、熱式エアロゾル発生要素は、エアロゾル形成基体を貫通するように構成されたブレードまたはピンの形態を取ってもよい。
【0033】
熱式エアロゾル発生要素は、外部ヒーターであってもよい。外部ヒーターは、エアロゾル形成基体の外表面からエアロゾル形成基体を加熱するように構成される。
【0034】
熱式エアロゾル発生要素は、コイル、またはメッシュの形態を取り得る。
【0035】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、非熱式エアロゾル発生要素である。本明細書で使用される「非熱式エアロゾル発生要素」という用語は、加熱以外の手段によってエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生要素を指す。
【0036】
エアロゾル発生要素は、非熱式エアロゾル発生要素の任意の適切なタイプであり得る。
【0037】
一部の実施形態では、非熱式エアロゾル発生要素はメッシュである。メッシュエアロゾル発生要素は、複数の隙間、通路、またはノズルを有し得る。複数の隙間、通路、またはノズルは、それらの長さに沿って先細りした形状を有してもよい。複数の隙間、通路、またはノズルは、それらの長さに沿って円錐形状を有してもよい。
【0038】
一部の好ましい実施形態では、メッシュエアロゾル発生要素は、振動するように構成された振動可能なメッシュ要素であってもよい。メッシュエアロゾル発生要素は、振動可能なメッシュ要素が振動するときに、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成され得る。液体エアロゾル形成基体は、振動可能なメッシュ要素が振動するときに、振動可能なメッシュ要素のノズルを通過し得る。液体エアロゾル形成基体は、振動可能なメッシュ要素が振動するときに、振動可能なメッシュ要素のノズルを通過する際にエアロゾル化され得る。
【0039】
これらの実施形態では、エアロゾル発生器は、メッシュエアロゾル発生要素に連結されたアクチュエータをさらに備え得る。アクチュエータは、メッシュエアロゾル発生要素を振動させるように構成されてもよい。
【0040】
アクチュエータは、メッシュエアロゾル発生要素における振動を励起するための任意のタイプのアクチュエータであり得る。アクチュエータは、圧電トランスデューサを含んでもよい。圧電トランスデューサは、十分に小さく、軽量であり、手持ち式のエアロゾル発生システムにおける使用のために制御することが容易なアクチュエータを提供し得る。
【0041】
圧電トランスデューサは単結晶材料を含んでもよい。圧電トランスデューサは石英を含んでもよい。圧電トランスデューサはセラミックを含んでもよい。セラミックはチタン酸バリウム(BaTiOs)を含んでもよい。セラミックはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含んでもよい。セラミックは、Ni、Bi、La、Nd、またはNbイオンなどのドーピング材料を含んでもよい。圧電トランスデューサは極性化されていてもよい。圧電トランスデューサは極性化されていなくてもよい。圧電トランスデューサは、極性化された圧電材料と極性化されていない圧電材料の両方を含んでもよい。
【0042】
アクチュエータは、メッシュエアロゾル発生要素に対して任意の適切な位置に配設されてもよい。アクチュエータは、メッシュエアロゾル発生要素の入口側または出口側においてメッシュエアロゾル発生要素に振動を伝達するように配設され得る。アクチュエータは、入口側においてメッシュエアロゾル発生要素に振動を伝達するように配設されてもよい。アクチュエータは、出口側においてメッシュエアロゾル発生要素に振動を伝達するように配設されてもよい。アクチュエータは、メッシュエアロゾル発生要素と直接接触してもよい。アクチュエータは、メッシュエアロゾル発生要素に固定されてもよい。アクチュエータは、圧力によってメッシュエアロゾル発生要素に固定されてもよい。アクチュエータは、メッシュエアロゾル発生要素に接合されてもよい。伝達部材は、アクチュエータとメッシュエアロゾル発生要素との間に提供されて、振動をアクチュエータから振動可能な要素に伝達し得る。
【0043】
アクチュエータは、少なくとも一つの作動要素を含んでもよい。少なくとも一つの作動要素は、任意の適切な形状であってもよい。少なくとも一つの作動要素は、実質的に円形または楕円形であってもよい。少なくとも一つの作動要素は実質的に、三角形、正方形、または任意の規則的な形状もしくは不規則な形状であってもよい。少なくとも一つの作動要素は、環状であってもよい。少なくとも一つの作動要素は、メッシュエアロゾル発生要素を実質的に囲んでもよい。
【0044】
少なくとも一つの作動要素は、平面状であってもよい。少なくとも一つの平面状の作動要素は、実質的に平面に延びてもよい。好ましくは、メッシュエアロゾル発生要素が平面状である実施形態では、少なくとも一つの作動要素は平面状である。メッシュエアロゾル発生要素が平面状であり、かつ少なくとも一つの作動要素が平面状である実施形態では、少なくとも一つの作動要素は、メッシュエアロゾル発生要素と実質的に同じ平面に延び得る。
【0045】
一部の特に好ましい実施形態では、メッシュエアロゾル発生要素は、平面状かつ平面に延びて円形の断面を有し、少なくとも一つの作動要素は、平面状かつメッシュエアロゾル発生要素と実質的に同じ平面に延び、メッシュエアロゾル発生要素を囲む。
【0046】
アクチュエータは、所定の周波数で振動可能な要素を振動させるように構成されてもよい。所定の周波数は、約20kHz~約1500kHz、または約50kHz~約1000kHz、または約100kHz~約500kHzであり得る。このことは、良好なユーザーの体験のための所望のエアロゾル出力レートおよび所望の液滴サイズを提供してもよい。
【0047】
非熱式エアロゾル発生要素がメッシュエアロゾル発生要素である一部の好ましい実施形態では、メッシュエアロゾル発生要素は、振動するように構成されない場合がある。これらの実施形態では、メッシュエアロゾル発生要素は、振動チャンバー内に配設され得る。振動チャンバーは、エアロゾル化する液体エアロゾル形成基体を含有するように構成された空洞を含み得る。振動チャンバーは、エアロゾル化する液体の供給を空洞に提供するための液体入口をさらに含み得る。振動チャンバーは、弾性変形可能要素と、弾性変形可能要素を振動させるように配設されたアクチュエータとをさらに含み得る。アクチュエータによる弾性変形可能要素の振動は、空洞内部の圧力を変化させ得る。弾性変形可能要素の振動は、空洞内に含有される液体の圧力を変化させ、空洞内の液体を、メッシュエアロゾル発生要素を通過させてエアロゾル化し得る。
【0048】
アクチュエータは、上述のように、圧電トランスデューサであってもよい。
【0049】
アクチュエータは、任意の適切な周波数で弾性変形可能要素を振動させるように構成され得る。例えば、アクチュエータは、弾性変形可能要素を、約0.05MHz~約10.0MHz、約0.1MHz~約5.0MHz、約0.2MHz~約4.5MHz、約0.3MHz~約3MHz、約0.4MHz~約2.5MHz、または約0.5MHz~約2MHzの周波数で振動させるように構成され得る。アクチュエータは、振動システムの共振を達成するために、弾性変形可能要素を周波数で振動させるように構成され得る。
【0050】
一部の実施形態では、非熱式エアロゾル発生要素は、表面音響波アトマイザー(SAWアトマイザー)の一部であり得る。SAWアトマイザーは、表面音響波を使用して、液体エアロゾル形成基体を霧化する。「表面音響波」という用語は、本明細書では、レイリー波、ラム波、およびラブ波を含むように使用される。
【0051】
SAWアトマイザーは、活性表面を含む基板を備える。エアロゾル発生要素は、活性表面を含む基板を形成し得る。
【0052】
SAWアトマイザーは、基板の活性表面上に表面音響波を発生するために、基板の活性表面上に位置付けられた少なくとも一つのトランスデューサをさらに備え得る。
【0053】
使用時、電力がSAWアトマイザーに提供されて少なくとも一つのトランスデューサが起動し、活性表面に沿って伝播する表面音響波(レイリー波)が発生し得る。表面音響波のエネルギーは、活性表面の霧化領域に供給される液体エアロゾル形成基体へと伝達され得る。液体エアロゾル形成基体に供給されたエネルギーにより、液体エアロゾル基体のエアロゾル液滴が形成され、霧化領域において液体エアロゾル形成基体が霧化される。液体中に伝達された表面音響波は、液体の開放面上の液滴を不安定化し、液滴の表面が分裂して霧状のエアロゾルを形成する。
【0054】
SAWアトマイザーとして、一般的に知られているSAWセンサーチップを使用してもよい。SAWセンサーチップは典型的に、圧電基板上に配設された(例えば、基板上に印刷された)電極を備える少なくともインターデジタル(またはインターデジタル化した)トランスデューサを備える。トランスデューサ電極の個々の「フィンガー」に印加されたAC電圧は、フィンガーの間で圧電基板内の引張歪みと圧縮歪みとの交互の領域に起因して、圧電基板に機械的な変形を発生させる。トランスデューサの同じ側にあるフィンガーは、同じ圧縮または引張レベルにあるため、これらの間の空間(トランスデューサのピッチとして知られる)は機械的波動の波長に対応する。発生した波動は典型的に、ナノメートルサイズの振幅を有し、かつメガヘルツ範囲内の周波数で圧電基板の表面に沿って伝播する。
【0055】
SAWアトマイザーの少なくとも一つのトランスデューサは、圧電基板上に配設された電極を備えるインターデジタルトランスデューサであり得る。トランスデューサは、発生した表面音響波の方向性を改善するために反射器を備えてもよい。トランスデューサは、例えば平行に配設された真っ直ぐな電極のアレイによって、平行波を発生するように構成されてもよい。トランスデューサは、発生した波動に焦点合わせ効果を有するように構成されてもよい。例えば、トランスデューサには、発生した波動を小さいゾーンへと集中させるなどのために、平行であるが湾曲した形状を有する電極が提供されてもよい。トランスデューサは反射器を備え、かつ焦点合わせ効果を有することが好ましい。
【0056】
SAWアトマイザーは、所定の周波数で表面音響波を発生するように構成されてもよい。所定の周波数は約20MHz以上であってもよく、例えば20MHz~約100MHzであってもよく、または約20MHz~約80MHzであってもよい。これは、良好なユーザーの体験のための所望のエアロゾルの出力レートおよび所望の液滴サイズを提供し得る。
【0057】
一部の実施形態では、非熱式エアロゾル発生要素は、以下の要素、衝突ジェット、回転ディスク、スプレーノズル、流れ集束/ぼかし装置、および衝突アトマイザーのうちの一つ以上を含む。
【0058】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、平面状のエアロゾル発生要素である。平面状のエアロゾル発生要素は、実質的に平面に延びる。平面状の要素は、平面に延びてもよい。
【0059】
平面状のエアロゾル発生要素は、エアロゾル発生器のチャンバー内に任意の適切な様態で配設され得る。
【0060】
一部の実施形態では、チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、平面状のエアロゾル発生要素の平面は、チャンバーの中央長軸方向軸に沿って平行である。
【0061】
一部の好ましい実施形態では、チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、平面状のエアロゾル発生要素の平面は、チャンバーの中央長軸方向軸と直交する。チャンバーが口側端を含み、少なくとも一つの空気出口が口側端に配設される一部の実施形態では、平面状のエアロゾル発生要素は、それを通してエアロゾルが発生するエアロゾル発生要素の主表面が口側端に面するように配設される。
【0062】
一部の実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面に平行な方向に、空気を方向付けるように配設される。
【0063】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面から離れる方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設され得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面から、0度~90度、または5度~85度、または10度~80度、または15度~75度、または20度~70度、または25度~65度、または30度~60度、または65度~85度、または70度~80度の角度に角度付けられた方向に、空気を方向付けるように配設される。
【0064】
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面と少なくとも一つの空気出口との間の方向に、空気を方向付けるように配設されてもよい。
【0065】
エアロゾル発生要素は、薄くてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素の幅寸法および長さ寸法よりも実質的に小さい厚さ寸法を有し得る。
【0066】
エアロゾル発生要素の少なくとも一部分は、流体透過性であってもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、流体透過性である。本明細書で使用される「流体透過性」要素は、液体または気体がこれを通して浸透することを可能にする要素を意味する。エアロゾル発生要素は、流体がそれを通して浸透することを可能するために、内部に形成された複数の開口部を有し得る。特に、エアロゾル発生要素は、気相でも気相および液相のいずれでもエアロゾル形成基体が開口部を通して浸透するのを許容し得る。
【0067】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、メッシュを含み得る。エアロゾル発生要素は、メッシュを形成するフィラメントのアレイを含み得る。本明細書で使用される「メッシュ」という用語は、それらの間に空間を有するフィラメントのグリッドおよびアレイを包含する。メッシュという用語には、織布や不織布も含まれる。
【0068】
フィラメントはフィラメント間の隙間を画定する場合があり、また隙間は10マイクロメートル~100マイクロメートルの幅を有してもよい。好ましくは、フィラメントは、使用時にソース液体が間隙の中に引き出されて、エアロゾル発生要素と液体との間の接触面積を増大するように、隙間の中で毛細管作用を生じさせる。
【0069】
フィラメントは160~600メッシュUS(+/-10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160~600個(+/-10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は、35マイクロメートル~140マイクロメートル、または25マイクロメートル~75マイクロメートルであってもよい。例えば、隙間の幅は、40マイクロメートル、または63マイクロメートルであってもよい。隙間の面積とメッシュの総面積の比であるメッシュの開口面積の割合は、25~56%であることが好ましい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。別の方法として、フィラメントは互いに平行に配設されたフィラメントの有アレイで構成される。
【0070】
フィラメントは、箔などのシート材料のエッチングによって形成されてもよい。これは、ヒーター組立品が平行のフィラメントのアレイを備える時に、特に有利である場合がある。発熱体がフィラメントのメッシュまたは布を含む場合、フィラメントは個別に形成されてもよく、まとめて編まれてもよい。
【0071】
好ましくは、メッシュは、焼結される。メッシュのフィラメントは、一緒に焼結され得る。有利なことに、メッシュを焼結すると、異なる方向に延びるフィラメント間に電気的結合が生じる。特に、メッシュが、一つ以上の織布および不織布を含む場合、重なり合うフィラメント間に電気的結合が生じるようにメッシュを焼結することが有利である。
【0072】
メッシュはまた、当該技術分野において周知の通り、液体を保持するその能力によって特性付けられ得る。
【0073】
メッシュのフィラメントは、8マイクロメートル~100マイクロメートル、30マイクロメートル~100マイクロメートル、8マイクロメートル~50マイクロメートル、または8マイクロメートル~39マイクロメートルの直径を有してもよい。メッシュのフィラメントは、50マイクロメートルの直径を有してもよい。
【0074】
メッシュのフィラメントは、任意の好適な断面を有してもよい。例えば、フィラメントは丸い断面でもよく、または平坦な断面でもよい。
【0075】
エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル発生器のチャンバーの中に空気を方向付けるように構成され得る。エアロゾル発生器がチャンバーの表面を画定する側壁を備える場合、少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延び得る。
【0076】
少なくとも一つの空気吸込み口は、任意の適切な断面形状を有してもよい。例えば、少なくとも一つの空気吸込み口は、円形の断面、楕円形の断面、正方形の断面、長方形の断面、および三角形の断面のうちの一つを有してもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、多角形の断面を有してもよい。
【0077】
少なくとも一つの空気吸込み口は、0.5平方ミリメートル~30平方ミリメートル、または2平方ミリメートル~25平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~15平方ミリメートルの総断面積を有してもよい。こうした総断面積は、少なくとも一つの空気吸込み口が、望ましい気流量をチャンバーの中に方向付けることを可能にし得る。
【0078】
少なくとも一つの空気吸込み口は、複数の空気吸込み口を含んでもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、任意の適切な数の空気吸込み口を含み得る。例えば、少なくとも一つの空気吸込み口は、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、または九つの空気吸込み口を含み得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、所望の気流量をチャンバーの中に提供するための任意の適切な数の空気吸込み口を含み得る。複数の空気吸込み口は、2平方ミリメートル~30平方ミリメートル、または2平方ミリメートル~25平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~15平方ミリメートルの総断面積を有してもよい。
【0079】
複数の空気吸込み口は、エアロゾル発生要素の周囲の周りに離隔されてもよい。
【0080】
チャンバーが中央長軸方向軸に沿って延びる一部の実施形態では、複数の空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸に沿って異なる位置に位置する。チャンバーが中央長軸方向軸に沿って延びる一部の実施形態では、複数の空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸に沿って同じ位置に位置する。
【0081】
一部の好ましい実施形態では、すべての空気吸込み口は、同じ断面形状を有する。一部の好ましい実施形態では、すべての空気吸込み口は、同じ断面積を有する。空気吸込み口は、異なる断面形状を有してもよい。空気吸込み口は、異なる断面積を有してもよい。
【0082】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、二つの空気吸込み口、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口を含む。第一の空気吸込み口は、第一の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成されてもよく、第二の空気吸込み口は、第一の方向とは異なる第二の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成されてもよい。第一の空気吸込み口は、第一の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成されてもよく、第二の空気吸込み口は、第一の方向とは反対の第二の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成されてもよい。第一の空気吸込み口は、チャンバーの第一の側面に配設されてもよく、第二の空気吸込み口は、第一の側面とは反対の第二の側面に配設されてもよい。
【0083】
チャンバーが中央長軸方向軸に沿って延びる一部の実施形態では、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は、長軸方向軸に沿って同じ位置に位置する。チャンバーが中央長軸方向軸に沿って延びる一部の実施形態では、第一の空気吸込み口は、長軸方向軸に沿った第一の位置に配設され、第二の空気吸込み口は、長軸方向軸に沿った、第一の位置とは異なる第二の位置に配設される。
【0084】
少なくとも一つの空気吸込み口は、空気通路によって形成され得る。空気通路は、長さおよび断面積を有し得る。少なくとも一つの空気吸込み口を形成する空気通路は、エアロゾル発生器の外表面とチャンバーを画定する表面との間に延び得る。
【0085】
少なくとも一つの空気吸込み口を形成する空気通路は、チャンバーを画定する表面に断面を有してもよい。少なくとも一つの空気吸込み口を形成する空気通路は、長さを有してもよい。空気通路の長さは、チャンバーの表面における空気吸込み口の断面の寸法よりも大きくてもよい。例えば、空気通路がチャンバーの表面において円形の断面を有する場合、空気通路の長さは、チャンバーの表面における通路の断面の直径よりも大きくてもよい。有利なことに、通路の長さが通路の断面よりも大きくなるように、空気吸込み口を形成する空気通路を構成することにより、空気通路を通ってチャンバーの中に流れる空気の方向性が改善され得る。
【0086】
少なくとも一つの空気吸込み口が複数の空気吸込み口を含む場合、各空気吸込み口は、異なる空気通路によって形成されてもよい。エアロゾル発生器は、複数の空気通路を備え得る。
【0087】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル発生要素から離れる方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される。
【0088】
好ましくは、少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル発生要素と交差しない方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される。少なくとも一つの空気吸込み口は、少なくとも部分的に少なくとも一つの空気出口に向かう方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。チャンバーが口側端を含み、少なくとも一つの空気出口が口側端に配設される一部の実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、少なくとも部分的に口側端に向かう方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成されてもよい。
【0089】
チャンバーが中央長軸方向軸に沿って延びる実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、中央長軸方向軸に直交しない方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設されてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央長軸方向軸から、1度~89度、または5度~85度、または10度~80度、または15度~75度、または20度~70度、または25度~65度、または30度~60度の角度に角度付けられた方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設されてもよい。
【0090】
エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気出口を備えることが好ましい。少なくとも一つの空気出口は、エアロゾル発生器のチャンバーから外に、空気を方向付けるように構成されてもよい。エアロゾル発生器が口側端を有するチャンバーを備える場合、少なくとも一つの空気出口は、チャンバーの口側端に配設されてもよい。
【0091】
少なくとも一つの空気出口は、任意の適切な断面形状を有してもよい。例えば、少なくとも一つの空気出口は、円形の断面、楕円形の断面、正方形の断面、長方形の断面、および三角形の断面のうちの一つを有してもよい。少なくとも一つの空気出口は、多角形の断面を有してもよい。
【0092】
少なくとも一つの空気出口は、2平方ミリメートル~30平方ミリメートル、または2平方ミリメートル~25平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~15平方ミリメートルの総断面積を有してもよい。こうした総断面積は、少なくとも一つの空気出口が、チャンバーから外に、望ましい気流量を方向付けることを可能にし得る。
【0093】
少なくとも一つの空気出口は、複数の空気出口を含んでもよい。少なくとも一つの空気出口は、任意の適切な数の空気出口を含み得る。例えば、少なくとも一つの空気出口は、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、または九つの空気出口を含み得る。少なくとも一つの空気出口は、チャンバーから外に、所望の気流量を提供するための任意の適切な数の空気出口を含み得る。複数の空気出口は、0.5平方ミリメートル~30平方ミリメートル、または2平方ミリメートル~25平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または5平方ミリメートル~15平方ミリメートルの総断面積を有してもよい。
【0094】
エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間にチャンバーを備え得る。エアロゾル発生器は、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーを通って延びる気流経路をさらに備えてもよい。気流経路は、エアロゾル発生要素を介して、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーを通って延び得る。
【0095】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素に連結された補助的要素を備える。
【0096】
エアロゾル発生器は、補助的要素を通って延びる少なくとも一つの空気吸込み口をさらに備えてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、任意の適切な断面形状を有してもよい。例えば、少なくとも一つの空気吸込み口は、円形、楕円形、正方形、長方形、または三角形の断面形状のうちの一つを有してもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、多角形の断面形状を有してもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、補助的要素を通したスロットを形成し得る。
【0097】
少なくとも一つの空気吸込み口は、複数の空気吸込み口を含んでもよい。複数の空気吸込み口は、任意の適切な数の空気吸込み口を含み得る。例えば、複数の空気吸込み口は、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、または九つの空気吸込み口を含み得る。複数の空気吸込み口は、補助的要素の周囲の周りに離隔されてもよい。好ましくは、補助的要素は、エアロゾル発生要素を囲み、複数の空気吸込み口は、補助的要素の周囲の周りに離隔される。一部の実施形態では、複数の空気吸込み口は、異なる断面形状を有する。一部の実施形態では、複数の空気吸込み口は、同一の断面形状を有する。一部の実施形態では、複数の空気吸込み口は、異なる断面積を有する。一部の実施形態では、複数の空気吸込み口は、同一の断面積を有する。
【0098】
一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生器は、平面状のエアロゾル発生要素と、平面状のエアロゾル発生要素に連結された平面状の補助的要素とを備える。これらの特に好ましい実施形態では、平面状のエアロゾル発生要素および平面状の補助的要素は、実質的に同じ平面に延び得る。
【0099】
これらの特に好ましい実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、平面から離れる方向に、空気を方向付けるように構成されてもよい。好ましくは、少なくとも一つの空気吸込み口は、平面に直交する方向に、空気を方向付けるように構成される。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面に直交する方向に、平面状の補助的要素を通って延びてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面と、平面に直交する方向との間の方向に、空気を方向付けるように構成されてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面と、平面に直交する方向との間の方向に、平面状の補助的要素を通って延びてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、平面に対して、1度~89度、または5度~85度、または10度~80度、または15度~75度、または20度~70度、または25度~65度、または30度~60度、または65度~85度、または70度~80度の角度に方向付けられた方向に、空気を方向付けるように構成されてもよい。
【0100】
補助的要素は、エアロゾル発生要素を囲み得る。平面状の補助的要素は、平面状のエアロゾル発生要素を囲み得る。
【0101】
補助的要素は、支持要素を含み得る。エアロゾル発生器が側壁を備える場合、支持要素は、エアロゾル発生要素を側壁に連結してもよい。エアロゾル発生器がエアロゾル発生装置またはカートリッジの一部を形成する場合、支持要素は、エアロゾル発生要素をエアロゾル発生装置またはカートリッジのハウジングに連結し得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、支持要素を通って延び得る。
【0102】
支持要素は、断熱性材料を含むことが好ましい。有利なことに、断熱性材料から支持要素を形成することにより、エアロゾル発生要素から支持要素への熱伝達が最小化され得る。エアロゾル発生要素は、電気絶縁材料を含むことが好ましい。支持要素は、耐久性のある材料から形成されてもよい。支持要素は、液体不浸透性の材料から形成されてもよい。支持要素は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。
【0103】
支持要素は、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。支持要素は、平面状の支持要素であってもよい。エアロゾル発生要素が平面状である場合、平面状の支持要素は、平面状のエアロゾル発生要素と同じ平面に延びてもよい。支持要素は、エアロゾル発生要素を囲み得る。
【0104】
エアロゾル発生要素がメッシュ要素を備える場合、補助的要素は、作動要素を含み得る。作動要素は、メッシュエアロゾル発生要素に連結されてもよい。作動要素は、メッシュエアロゾル発生要素を振動させるように構成されてもよい。作動要素は、圧電トランスデューサであることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、作動要素を通って延び得る。
【0105】
メッシュエアロゾル発生要素が平面状であり、作動要素が平面状であり、作動要素がメッシュエアロゾル発生要素と同じ平面に延びることが好ましい。作動要素は、メッシュエアロゾル発生要素を囲んでもよい。
【0106】
補助的要素は、支持要素および作動要素を含み得る。作動要素は、エアロゾル発生要素に連結されてもよい。支持要素は、作動要素に連結されてもよい。作動要素は、エアロゾル発生要素を囲んでもよい。支持要素は、作動要素を囲んでもよい。支持要素は、作動要素およびエアロゾル発生要素を囲んでもよい。
【0107】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は、支持要素を通って延びる。一部の実施形態では、少なくとも一つの空気吸込み口は複数の空気吸込み口を含み、複数の空気吸込み口のうちの少なくとも一つは、支持要素を通って延び、複数の空気吸込み口のうちの少なくとも一つは、作動要素を通って延びる。
【0108】
一部の好ましい実施形態では、補助的要素は、平面状の作動要素および平面状の支持要素を含む平面状の要素である。これらの好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は平面状であってもよく、平面状の補助的要素は、平面状のエアロゾル発生要素と同じ平面に延びてもよい。エアロゾル発生要素は、実質的に円形の断面を有してもよく、作動要素は、エアロゾル発生要素を囲むリングを形成してもよく、支持要素は、作動要素を囲むリングを形成してもよい。
【0109】
本開示によると、エアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生システムは、上述のエアロゾル発生器を備える。エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部をさらに備えてもよい。エアロゾル発生システムは、貯蔵部からエアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素をさらに備えてもよい。
【0110】
エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースを吸って口側端開口部を通してエアロゾルを引き出すことを可能にするように構成された手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生システムは約30mm~約150mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは約5mm~約30mmの外径を有してもよい。
【0111】
貯蔵部は、エアロゾル形成基体を保持するように構成される。特に、貯蔵部は、液体エアロゾル形成基体を保持するように構成される。貯蔵部は、エアロゾル発生システムの要件に応じて、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。
【0112】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を備えてもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体を含有することが好ましい。
【0113】
エアロゾル形成基体は、室温かつ大気圧において液体であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体構成成分と固体構成成分の両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0114】
液体エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。
【0115】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。
【0116】
液体供給要素は、液体エアロゾル形成基体をエアロゾル発生要素に供給するように配設される。液体供給要素は、液体エアロゾル形成基体を貯蔵部からエアロゾル発生要素に供給するように配設されることが好ましい。
【0117】
液体供給要素は、エアロゾル発生要素と流体連通してもよい。液体供給要素は、貯蔵部と流体連通してもよい。液体供給要素は、エアロゾル形成基体を貯蔵部からサセプタ素子に輸送するように構成されてもよい。
【0118】
液体供給要素は、毛細管材料を含み得る。毛細管材料は、毛細管作用によって材料の一方の端から別の端に液体を移動する能力を有する材料である。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は、液体エアロゾル形成基体をエアロゾル発生要素に向かって運ぶために概して整列していてもよい。一部の実施形態において、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴または管を形成してもよく、これを通して液体エアロゾル形成基体を毛細管作用によって移動することができる。エアロゾル発生要素が隙間または開口を備える場合、毛細管材料はサセプタ素子内の隙間または開口の中に延びてもよい。エアロゾル発生要素は、毛細管作用によって液体エアロゾル形成基体を隙間または開口の中へと引き出してもよい。エアロゾル発生要素がSAWアトマイザーの一部を形成し、エアロゾル発生要素が活性表面を有する基板を含む場合、液体供給要素は、活性表面の霧化領域に液体を供給するように配設されてもよい。液体供給要素は、ポンプを含み得る。
【0119】
一部の実施形態において、貯蔵部は、液体エアロゾル形成基体を保持するための保持材料を含有する。保持材料は、発泡体材料、海綿体材料、または繊維の収集物であり得る。保持材料はポリマーまたはコポリマーで形成されてもよい。一部の実施形態において、保持材料は紡糸ポリマーである。保持材料は、液体供給要素に好適なものとして上述する材料のいずれかから形成され得る。
【0120】
エアロゾル発生システムが液体供給要素および保持材料を備える場合、液体供給要素および保持材料は、同じ材料または異なる材料から形成され得る。保持材料は、エアロゾル発生要素と流体連通してもよい。保持材料は、エアロゾル発生要素と接触してもよい。保持材料は、液体供給要素と流体接触してもよい。保持材料は、液体供給要素と接触してもよい。
【0121】
エアロゾル発生システムは、電源をさらに備えてもよい。電源は、エアロゾル発生器に電力を供給するためにエアロゾル発生器に連結され得る。電源は、エアロゾル発生器に電力を供給するために、エアロゾル発生要素に連結されてもよい。
【0122】
電源はDC電源であってもよい。電源は電池であってもよい。電池は、リチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であってもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池であってもよい。電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電可能でもよく、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、エアロゾル発生システムの一回以上のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有し得、例えば電源は従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約六分間、または六分間の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有し得る。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、またはアトマイザー組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0123】
電源は、電気エネルギーとは異なる形態のエネルギーを貯蔵するように構成されてもよい。電源は、機械的エネルギーを貯蔵および供給するように構成されてもよい。機械的エネルギーは、ユーザーによって提供または発生され得る。
【0124】
エアロゾル発生システムは、制御回路をさらに備えてもよい。
【0125】
制御回路は、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有する他の電子回路であってもよい。
【0126】
制御回路は、電源に連結されてもよい。制御回路は、エアロゾル発生器に連結されてもよい。制御回路は、電源からエアロゾル発生器への電力の供給を制御するように構成され得る。一部の実施形態では、制御回路は、エアロゾル発生器の電源からエアロゾル発生要素への電力の供給を制御するように構成される。エアロゾル発生器がアクチュエータを備える一部の実施形態では、制御回路は、アクチュエータに電力を供給するように構成され得る。エアロゾル発生器がトランスデューサを備える一部の実施形態では、制御回路は、トランスデューサに電力を供給するように構成され得る。エアロゾル発生器が液体供給要素を備える一部の実施形態では、制御回路は、液体供給要素に電力を供給するように構成され得る。制御回路は、液体供給要素内に含まれるポンプに電力を供給するように構成され得る。制御回路は、エアロゾル発生システムの二つ以上の構成要素を同期するように構成され得る。一部の実施形態では、制御回路は、エアロゾル発生要素および液体供給要素を同期するように構成される。
【0127】
制御回路は、装置の起動後に連続的にエアロゾル発生器に電力を供給するように構成されてもよく、または、吸煙毎など、断続的に電力を供給するように構成されてもよい。電力は、例えばパルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態でエアロゾル発生器に供給されてもよい。
【0128】
エアロゾル発生器がアクチュエータによって振動されるメッシュを備える場合、制御回路は、所定の周波数で振動可能な要素を振動させるようにアクチュエータを動作させるように構成され得る。所定の周波数は、約20kHz~約1500kHz、または約50kHz~約1000kHz、または約100kHz~約500kHzであり得る。このことは、良好なユーザーの体験のための所望のエアロゾル出力レートおよび所望の液滴サイズを提供してもよい。
【0129】
エアロゾル発生器は、振動チャンバーを備え、制御回路は、アクチュエータを動作させて所定の周波数で振動可能な要素における振動を励起するように構成されてもよい。所定の周波数は、約20kHz~約1500kHz、または約50kHz~約1000kHz、または約100kHz~約500kHzであり得る。このことは、良好なユーザーの体験のための所望のエアロゾル出力レートおよび所望の液滴サイズを提供してもよい。
【0130】
エアロゾル発生器が表面音響波アトマイザー(SAWアトマイザー)を備える場合、制御回路は、所定の周波数で表面音響波を発生するように、SAWアトマイザーを動作させるように構成され得る。所定の周波数は約20MHz以上であってもよく、例えば20MHz~約100MHzであってもよく、または約20MHz~約80MHzであってもよい。これは、良好なユーザーの体験のための所望のエアロゾルの出力レートおよび所望の液滴サイズを提供し得る。
【0131】
エアロゾル発生要素がサセプタ素子である場合、エアロゾル発生装置は、誘導加熱組立品を備え得る。誘導加熱組立品は、少なくとも一つのインダクタコイルを含み得る。これらの実施形態では、電源は、少なくとも一つのインダクタコイルに電力を供給するために、少なくとも一つのインダクタコイルに連結され得る。少なくとも一つのインダクタコイルは、制御回路に連結されてもよい。制御回路は、少なくとも一つのインダクタコイルに交流電流を供給して交番磁界を発生するように構成され得る。サセプタ素子は、サセプタ素子が交番磁界によって加熱されるように、少なくとも一つのインダクタコイルから交番磁界によって貫通されるように配設され得る。制御回路は、装置の起動後に連続的にインダクタコイルに電力を供給するように構成されてもよく、または、吸煙毎など、断続的に電力を供給するように構成されてもよい。電力は、例えば、パルス幅変調(PWM)により、電流パルスの形態でインダクタコイルに供給されてもよい。
【0132】
制御回路は、クラスDまたはクラスEの電力増幅器を含み得るDC/ACインバータを備えてもよい。制御回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態において、制御回路は、センサー、スイッチ、ディスプレイ要素のいずれかを備えてもよい。
【0133】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置に連結されるように構成されたカートリッジとを備え得る。カートリッジは、エアロゾル発生器を備え得る。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部をさらに備え得る。カートリッジは、液体供給要素をさらに備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電源および制御回路を備え得る。
【0134】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えてもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0135】
エアロゾル発生装置ハウジングは、カートリッジを受容するための空洞を画定し得る。エアロゾル発生装置は、一つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。一つ以上の空気吸込み口は、周囲空気を空洞内に引き出すことを可能にし得る。
【0136】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置をカートリッジに連結するように構成された接続端を有し得る。接続端は、カートリッジを受容するための空洞を含み得る。
【0137】
エアロゾル発生装置は、接続端の反対側の遠位端を有してもよい。遠位端は、エアロゾル発生装置の電源を充電するために、エアロゾル発生装置を外部電源の電気コネクタに接続するように構成された電気コネクタを含み得る。
【0138】
本開示によると、エアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、本明細書に記載のエアロゾル発生器を備えてもよい。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部をさらに備え得る。カートリッジは使い捨て式であってもよい。カートリッジは、貯蔵部からエアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素をさらに備え得る。
【0139】
一部の実施形態では、エアロゾル発生器は、カートリッジと一体的に形成される。他の実施形態では、エアロゾル発生器は、カートリッジとは別個であり、カートリッジ内に配設される。
【0140】
カートリッジはハウジングを備えてもよい。ハウジングは、耐久性のある材料から形成され得る。ハウジングは、液体不浸透性の材料から形成され得る。ハウジングは、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。
【0141】
エアロゾル発生器は、ハウジング内に配設されてもよい。エアロゾル発生器は、ハウジングに連結されてもよい。一部の実施形態では、カートリッジのハウジングは、エアロゾル発生器の一つ以上の壁を形成し得る。エアロゾル発生器の少なくとも一つの空気吸込み口は、カートリッジのハウジングを通って延び得る。少なくとも一つの空気出口は、カートリッジのハウジングを通って延び得る。
【0142】
ハウジングは、貯蔵部の一部分を画定し得る。ハウジングは、貯蔵部を画定し得る。ハウジングおよび貯蔵部は、一体的に形成されてもよい。別の方法として、貯蔵部は、外側ウジングとは別個に形成され、外側ハウジング内に配設されてもよい。
【0143】
カートリッジは口側端を有してもよく、この口側端を通して、発生したエアロゾルはユーザーによって引き出されることができる。カートリッジは、カートリッジをエアロゾル発生装置に接続するように構成された接続端を有してもよい。
【0144】
エアロゾル発生器が実質的に平面状のエアロゾル発生要素を備える場合、エアロゾル発生要素の第一の側面はカートリッジの口側端に面してもよく、エアロゾル発生要素の第二の側面は接続端に面してもよい。一部の実施形態では、平面状のエアロゾル発生要素は、口側端と接続端との間に延びる、カートリッジの長軸方向軸に実質的に平行な平面に延びる。平面状のエアロゾル発生要素がカートリッジの長軸方向軸に実質的に平行な平面に延びる場合、エアロゾル発生要素の第一および第二の側面は、カートリッジの口側端および接続端ではなく、カートリッジの対向する側面に面する。
【0145】
カートリッジは、エアロゾル発生器の少なくとも一つの空気吸込み口を画定し得る。少なくとも一つの空気吸込み口は、カートリッジの接続端に、またはその周りに配設され得る。カートリッジは、口側端開口部を画定し得る。エアロゾル発生器の少なくとも一つの空気出口は、カートリッジの口側端開口部であり得る。ユーザーは、発生したエアロゾルを、口側端開口部を通してカートリッジから引き出すことが可能であり得る。カートリッジは、エアロゾル発生器の空気吸込み口から口側端開口部まで囲まれた気流通路を画定し得る。囲まれた気流通路は、空気吸込み口から、エアロゾル発生要素を通過して、口側端開口部まで延び得る。
【0146】
囲まれた気流通路は、貯蔵部を通過し得る。例えば、貯蔵部は、内部通路を画定する環状の断面を有してもよく、気流通路は、貯蔵部の内部通路を通って延びてもよい。
【0147】
当然のことながら、エアロゾル発生器、エアロゾル発生システム、エアロゾル発生装置、またはカートリッジの一実施形態に関連して本明細書に記載される任意の特徴は、本開示によるエアロゾル発生器、エアロゾル発生システム、エアロゾル発生装置、またはカートリッジの他の実施形態にも適用され得る。一実施形態に関連して記載される特徴は、本開示による別の実施形態にも等しく適用され得る。また、当然のことながら、本開示によるエアロゾル発生器は、カートリッジを有さないエアロゾル発生装置に提供されてもよい。したがって、カートリッジに関連して本明細書に記載される特徴のいずれかは、エアロゾル発生装置に等しく適用され得る。
【実施例】
【0148】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0149】
実施例1
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器であって、
エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成されたエアロゾル発生要素と、
少なくとも一つの空気吸込み口と、
少なくとも一つの空気出口と、
空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーであって、エアロゾル発生要素は、チャンバー内に配設され、エアロゾル化されたエアロゾル形成基体をチャンバーの中に放出するように構成される、チャンバーと、
エアロゾル発生要素を介して、空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間のチャンバーを通って延びる気流経路と、を備える、エアロゾル発生器。
実施例2
少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの外周の周りに空気を方向付けるように構成される、実施例1によるエアロゾル発生器。
実施例3
少なくとも一つの空気吸込み口は、接線方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設される、実施例1または2によるエアロゾル発生器。
実施例4
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延びる、実施例1、2、または3のうちの一つによるエアロゾル発生器。
実施例5
チャンバーは、中央長軸方向軸を中心に実質的に対称である、実施例4によるエアロゾル発生器。
実施例6
少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸と交差しない方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、実施例4または5によるエアロゾル発生器。
実施例7
少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸の周りの方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、実施例4、5または6のうちのいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例8
エアロゾル発生器は、エアロゾル発生要素を囲み、かつチャンバーの表面を画定する表面を有する側壁を備える、実施例1によるエアロゾル発生器。
実施例9
少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延びる、実施例8によるエアロゾル発生器。
実施例10
側壁の表面は、湾曲した表面であり、チャンバーの湾曲した表面を画定する、実施例8または9によるエアロゾル発生器。
実施例11
少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの湾曲した表面に対して接線方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、実施例10によるエアロゾル発生器。
実施例12
少なくとも一つの空気吸込み口は、湾曲した表面に対する接線から、
0度~80度、または
0度~70度、または
0度~60度、または
0度~50度、または
0度~40度、または
0度~30度、または
0度~20度、または
0度~10度の角度に角度付けられた方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、実施例10によるエアロゾル発生器。
実施例13
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、少なくとも一つの空気吸込み口およびチャンバーの表面は、チャンバーの中央長軸方向軸の周りに空気を方向付けるように構成される、実施例8~12のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例14
側壁の表面は、先細りしたチャンバーを画定する、実施例8~13のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例15
チャンバーは、口側端と、口側端とは反対側のエアロゾル発生端とを含み、少なくとも一つの空気出口は、口側端に配設され、口側端におけるチャンバーの幅は、エアロゾル発生端におけるチャンバーの幅未満である、実施例8~14によるエアロゾル発生器。
実施例16
エアロゾル発生要素は、チャンバーのエアロゾル発生端に配設される、実施例15によるエアロゾル発生器。
実施例17
側壁は、円形円錐状のチャンバー表面を画定する、実施例8~16のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例18
側壁は、楕円円錐状のチャンバー表面を画定する、実施例8~16のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例19
側壁の表面は、円形円筒状のチャンバー表面を画定する、実施例8~13のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例20
側壁の表面は、楕円円筒状のチャンバー表面を画定する、実施例8~13のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例21
エアロゾル発生要素は、非熱式エアロゾル発生要素である、実施例1~20のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例22
非熱式エアロゾル発生要素は、複数のノズルを有するメッシュ要素を含む、実施例21によるエアロゾル発生器。
実施例23
メッシュエアロゾル発生要素は、振動可能なメッシュ要素が振動するときに、エアロゾル形成基体がノズルを通過する際にエアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成される、実施例22によるエアロゾル発生器。
実施例24
メッシュに連結され、メッシュエアロゾル発生要素を振動するように構成されたアクチュエータをさらに備える、実施例23によるエアロゾル発生器。
実施例25
エアロゾル発生器は、
エアロゾル化する液体を含有する空洞と、
空洞に霧状にされる液体の供給を提供するための液体入口と、
弾性変形可能要素と、
メッシュエアロゾル発生要素と、
弾性変形可能要素を振動させるように配設されたアクチュエータと、を有する振動チャンバーを備え、
アクチュエータによる弾性変形可能要素の振動は、空洞内部の圧力を変化させ、メッシュエアロゾル発生要素のノズルを通して、空洞から空洞内に含有された液体を排出する、実施例22によるエアロゾル発生器。
実施例26
アクチュエータは、圧電トランスデューサである、実施例24または25によるエアロゾル発生器。
実施例27
エアロゾル発生要素は、表面音響波アトマイザー(SAWアトマイザー)の一部である、実施例21によるエアロゾル発生器。
実施例28
SAWアトマイザーは、
活性表面を含む基板と、
基板の活性表面上に表面音響波を発生するために、基板の活性表面上に位置付けられた少なくとも一つのトランスデューサ、を備え、
エアロゾル発生要素は、基板を形成する、実施例27によるエアロゾル発生器。
実施例29
少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル発生要素から離れる方向に、空気をチャンバーの中に方向付けるように構成される、実施例1~28のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例30
少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル発生要素と交差しない方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、実施例1~29のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例31
少なくとも一つの空気吸込み口は、少なくとも一つの空気出口に少なくとも部分的に向かう方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、実施例1~30のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例32
チャンバーは、口側端、および口側端とは反対側のエアロゾル発生端を含み、少なくとも一つの空気出口は、口側端に配設され、エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生端に配設される、実施例1~31のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例33
少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーのエアロゾル発生端に向かって配設される、実施例32によるエアロゾル発生器。
実施例34
エアロゾル発生要素を囲み、エアロゾル発生端におけるエアロゾル発生要素と、口側端における少なくとも一つの空気出口との間に延びる、側壁をさらに備える、実施例32または33によるエアロゾル発生器。
実施例35
少なくとも一つの空気吸込み口は、側壁を通って延びる、実施例34によるエアロゾル発生器。
実施例36
少なくとも一つの空気吸込み口は、チャンバーの口側端に向かう方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように構成される、実施例32~35のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例37
エアロゾル発生要素は、チャンバーの表面の少なくとも一部分を画定する、実施例1~36のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例38
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、少なくとも一つの空気吸込み口は、中央長軸方向軸に直交しない方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設されている、実施例1~37のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例39
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、少なくとも一つの空気吸込み口は、中央長軸方向軸から、
1度~89度、または
5度~85度、または
10度~80度、または
15度~75度、または
20度~70度、または
25度~65度、または
30度~60度の角度に角度付けられた方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設される、実施例1~37のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例40
エアロゾル発生要素は、平面状のエアロゾル発生要素である、実施例1~39のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例41
平面状のエアロゾル発生要素は、実質的に平面に延びる、実施例40によるエアロゾル発生器。
実施例42
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、平面状のエアロゾル発生要素の平面は、チャンバーの中央長軸方向軸に直交する、実施例41によるエアロゾル発生器。
実施例43
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面から離れる方向に、チャンバーの中に空気を方向付けるように配設される、実施例41または42によるエアロゾル発生器。
実施例44
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素と少なくとも一つの空気出口との間の方向に、空気を方向付けるように配設される、実施例41~43のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例45
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面から、
1度~89度、または
5度~85度、または
10度~80度、または
15度~75度、または
20度~70度、または
25度~65度、または
30度~60度、または
65度~85度、または
70度~80度の角度に角度付けられた方向に、空気を方向付けるように配設される、実施例41~44のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例46
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のエアロゾル発生要素の平面に平行な方向に、空気を方向付けるように配設される、実施例41または42によるエアロゾル発生器。
実施例47
少なくとも一つの空気吸込み口は、
円形の断面、
楕円形の断面、
正方形の断面、
長方形の断面、または
三角形の断面、のうちの一つを有する、実施例1~46のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例48
少なくとも一つの空気吸込み口は、多角形の断面を有する、実施例1~47のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例49
少なくとも一つの空気吸込み口は、
2平方ミリメートル~30平方ミリメートル、または
2平方ミリメートル~25平方ミリメートル、または
5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または
5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または
5平方ミリメートル~15平方ミリメートルの総断面積を有する、実施例1~48のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例50
少なくとも一つの空気吸込み口は、二つの空気吸込み口、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口を含む、実施例1~49のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例51
第一の空気吸込み口は、第一の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成され、第二の空気吸込み口は、第一の方向とは異なる第二の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成される、実施例50によるエアロゾル発生器。
実施例52
第一の空気吸込み口は、第一の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成され、第二の空気吸込み口は、第一の方向とは反対の第二の方向に、チャンバー内に空気を方向付けるように構成される、実施例50または51によるエアロゾル発生器。
実施例53
第一の空気吸込み口は、チャンバーの第一の側面に配設され、第二の空気吸込み口は、第一の空気吸込み口とは反対側の第二の側面に配設される、実施例50~52のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例54
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は、長軸方向軸に沿った同じ位置に位置する、実施例50~53のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例55
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、第一の空気吸込み口は、長軸方向軸に沿った第一の位置に配設され、第二の空気吸込み口は、長軸方向軸に沿った、第一の位置とは異なる第二の位置に配設される、実施例50~53のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例56
少なくとも一つの空気吸込み口は、複数の空気吸込み口を含む、実施例1~49のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例57
複数の空気吸込み口は、エアロゾル発生要素の周囲の周りに離隔されている、実施例56によるエアロゾル発生器。
実施例58
チャンバーは、中央長軸方向軸に沿って延び、複数の空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸に沿って異なる位置に位置する、実施例56または57によるエアロゾル発生器。
実施例59
チャンバーは中央長軸方向軸に沿って延び、複数の空気吸込み口は、チャンバーの中央長軸方向軸に沿って同じ位置に位置する、実施例56または57によるエアロゾル発生器。
実施例60
すべての空気吸込み口は、同じ断面形状を有する、実施例50~59のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例61
空気吸込み口は、同じ断面積を有する、実施例50~60のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例62
空気吸込み口は、異なる断面形状を有する、実施例50~59のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例63
空気吸込み口は、異なる断面積を有する、実施例50~59のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例64
空気吸込み口の合計断面積は、
2平方ミリメートル~30平方ミリメートル、または
2平方ミリメートル~25平方ミリメートル、または
5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または
5平方ミリメートル~20平方ミリメートル、または
5平方ミリメートル~15平方ミリメートルである、実施例1~63のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例65
少なくとも一つの空気吸込み口は、空気通路によって形成される、実施例1~64のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例66
少なくとも一つの空気吸込み口を形成する空気通路は、エアロゾル発生器の外表面とチャンバーを画定する表面との間に延びる、実施例65によるエアロゾル発生器。
実施例67
少なくとも一つの空気吸込み口を形成する空気通路は、チャンバーを画定する表面において長さおよび断面を有し、空気通路の長さは、チャンバーの表面における空気吸込み口の断面の寸法よりも大きい、実施例65または66によるエアロゾル発生器。
実施例68
エアロゾル発生システムであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部と、
実施例1~67のいずれか一つによるエアロゾル発生器と、
貯蔵部からエアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例69
エアロゾル発生器に電力を供給するためにエアロゾル発生器に連結された電源と、
電源からエアロゾル発生器への電力の供給を制御するように構成された制御回路と、をさらに備える、実施例68によるエアロゾル発生システム。
実施例70
貯蔵部、エアロゾル発生器、および液体供給要素、を含む、カートリッジと、
カートリッジを受容するように構成された装置であって、電源および制御回路を含む、装置と、をさらに備える、実施例69によるエアロゾル発生システム。
実施例71
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部と、
実施例1~67のいずれか一つによるエアロゾル発生器と、
貯蔵部からエアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素と、を備える、カートリッジ。
実施例72
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生器であって、
エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成された平面状のエアロゾル発生要素と、
エアロゾル発生要素に連結された平面状の補助的要素と、
平面状の補助的要素を通って延びる少なくとも一つの空気吸込み口と、を備え、
平面状のエアロゾル発生要素および平面状の補助的要素は、実質的に同じ平面に延び、少なくとも一つの空気吸込み口は、平面から離れる方向に、空気を方向付けるように構成される、エアロゾル発生器。
実施例73
平面状の補助的要素は、平面状のエアロゾル発生要素を囲む、実施例72によるエアロゾル発生器。
実施例74
エアロゾル発生要素は、複数のノズルを有するメッシュ要素を含む、実施例72または73によるエアロゾル発生器。
実施例75
平面状の補助的要素は、メッシュエアロゾル発生要素を振動させるように構成された平面状のアクチュエータ要素を含む、実施例74によるエアロゾル発生器。
実施例76
平面状の補助的要素は、平面状の支持要素、および平面状のアクチュエータ要素を含み、平面状のアクチュエータ要素は、メッシュエアロゾル発生要素に連結され、メッシュエアロゾル発生要素を振動させるように構成される、実施例74によるエアロゾル発生器。
実施例77
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状の支持要素を通って延びる、実施例76によるエアロゾル発生器。
実施例78
平面状のアクチュエータ要素は、メッシュエアロゾル発生要素を囲み、平面状の支持要素は、平面状のアクチュエータ要素を囲む、実施例76または77によるエアロゾル発生器。
実施例79
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状のアクチュエータ要素を通って延びる、実施例75~78のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例80
平面状のアクチュエータ要素は、圧電トランスデューサを含む、実施例75~79のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例81
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面状の補助的要素を通るスロットを形成する、実施例72~80のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例82
少なくとも一つの空気吸込み口は、円形、楕円形、正方形、長方形、または三角形の断面のうちの一つを有する、実施例72~81のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例83
少なくとも一つの空気吸込み口は、多角形の断面を有する、実施例72~81のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例84
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面に直交する方向に、空気を方向付けるように構成される、実施例72~83のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例85
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面と平面に直交する方向との間の方向に、空気を方向付けるように構成される、実施例72~83のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例86
少なくとも一つの空気吸込み口は、平面に対して、
1度~89度、または
5度~85度、または
10度~80度、または
15度~75度、または
20度~70度、または
25度~65度、または
30度~60度、または
65度~85度、または
70度~80度の角度に角度付けられた方向に、空気を方向付けるように構成される、実施例72~83のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例87
少なくとも一つの空気吸込み口は、複数の空気吸込み口を含む、実施例72~836のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例88
複数の空気吸込み口は、補助的要素の周囲の周りに離隔されている、実施例87によるエアロゾル発生器。
実施例89
複数の空気吸込み口は、異なる断面形状を有する、実施例87または88のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例90
複数の空気吸込み口は、異なる断面積を有する、実施例87~89のいずれか一つによるエアロゾル発生器。
実施例91
複数の空気吸込み口は、同一の断面を有する、実施例87または88によるエアロゾル発生器。
実施例92
エアロゾル発生システムであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部と、
実施例72~91のいずれか一つによるエアロゾル発生器と、
貯蔵部からエアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例93
エアロゾル発生器に電力を供給するためにエアロゾル発生器に連結された電源と、
電源からエアロゾル発生器への電力の供給を制御するように構成された制御回路と、をさらに備える、実施例92によるエアロゾル発生システム。
実施例94
貯蔵部、エアロゾル発生器、および液体供給要素、を含むカートリッジと、
カートリッジを受容するように構成された装置であって、電源および制御回路を含む、装置と、をさらに備える、実施例93によるエアロゾル発生システム。
実施例95
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部と、
実施例72~91のいずれか一つによるエアロゾル発生器と、
貯蔵部からエアロゾル発生要素に液体を供給するように構成された液体供給要素と、を備える、カートリッジ。
【図面の簡単な説明】
【0150】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【0151】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態によるエアロゾル発生器の概略図を示す。
【
図2】
図2aは、
図1の線A-Aに沿ったエアロゾル発生器のチャンバーを通した断面を示す。
図2bは、本開示の別の実施形態による、線A-Aに沿ったエアロゾル発生器のチャンバーを通した断面を示す。
【
図3】
図3a~3dは、本開示による別の実施形態による、線A-Aに沿ったエアロゾル発生器のチャンバーを通した断面を示す。
【
図4】
図4aは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル発生器の概略図を示す。
図4bは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル発生器の概略図を示す。
【
図5】
図5aは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル発生器の概略図を示す。
図5bは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル発生器の概略図を示す。
【
図6】
図6a~6cは、本開示の実施形態による、補助的要素に連結されたエアロゾル発生要素の平面図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図を示し、エアロゾル発生システムは、
図1のエアロゾル発生器を有するカートリッジと、カートリッジに連結されたエアロゾル発生装置とを備える。
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態による、エアロゾル発生要素を含む振動チャンバーを示す。
【
図9】
図9a~9bは、本開示の一実施形態による表面音響波アトマイザー(SAWアトマイザー)の実施形態の概略図を示す。
【
図10】
図10aは、本発明の別の実施形態によるエアロゾル発生器の概略図を示す。
図10bは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル発生器の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0152】
図1は、本開示の一実施形態によるエアロゾル発生器1の概略図を示す。
【0153】
エアロゾル発生器1は、加熱以外の手段によってエアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成された非熱式エアロゾル発生要素2を備える。この実施形態では、エアロゾル発生要素2は、メッシュ要素が振動したときに、液体エアロゾル形成基体が通過してエアロゾル化され得る通路を有する、メッシュ要素である。圧電トランスデューサの形態のアクチュエータ(図示せず)は、メッシュエアロゾル発生要素に連結され、エアロゾル発生要素を振動させて、エアロゾル発生要素に接触している液体エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成される。
【0154】
エアロゾル発生器1は、エアロゾル発生器の対向する側面に配設された一対の空気吸込み口4と、空気出口6とをさらに備える。チャンバー8は、一対の空気吸込み口4と空気出口6との間に形成される。エアロゾル発生要素2は、チャンバー8内に配設され、エアロゾル化されたエアロゾル形成基体をチャンバー8の中に放出するように構成される。気流経路は、エアロゾル発生要素2を介して、空気吸込み口4と少なくとも一つの空気出口6との間のチャンバーを通って延びる。気流経路は、
図1に示す破線矢印で示される。
【0155】
チャンバー8は、口側端、および口側端とは反対側にエアロゾル発生端を有する。空気出口6は、チャンバー8の口側端に配設される。エアロゾル発生要素2は、チャンバー8のエアロゾル発生端に配設される。エアロゾル発生要素の主表面は、チャンバー8のエアロゾル発生端を画定する。側壁10は、エアロゾル発生要素2を囲み、側壁10の内表面は、口側端とエアロゾル発生端との間にチャンバー8の側面を画定する。空気吸込み口4は、側壁10を通って延び、エアロゾル発生要素2に近接して、エアロゾル発生端に向かって位置する。
【0156】
側壁10は、チャンバー8の湾曲した表面を画定する湾曲した内表面を有する。この実施形態では、側壁10の内表面は、実質的に円形の断面形状を画定し、線A-Aに沿ったエアロゾル発生器1を通した断面図である
図2aに示すように、空洞8に、その長さに沿った実質的に円形の断面形状を提供する。側壁10はまた、側壁10の内表面が実質的に円形円錐状のチャンバー8を画定するように、エアロゾル発生端から口側端まで先細りしている。チャンバー8は、
図1aに点線B-Bで示す中央長軸方向軸に沿って延び、中央長軸方向軸を中心として実質的に回転対称である。
【0157】
エアロゾル発生要素2は、平面状の要素であり、実質的に平面に延びる。この実施形態では、エアロゾル発生要素2の平面は、チャンバー8の中央長軸方向軸に実質的に直交する。エアロゾル発生要素2は、チャンバー8の中央長軸方向軸を中心として置き、エアロゾル発生要素2の主表面は、空気出口6に面する。エアロゾル発生要素2は薄く、その直径よりも実質的に小さな厚さを有し、略円形の形状を有する。
【0158】
図2aに示すように、空気吸込み口4は、チャンバー8の対向する側面から、チャンバー8の中に空気を方向付けるように位置付けられる。空気吸込み口4の各々は、側壁10の湾曲した内表面に対して接線方向に、側壁10を通って延びる。このようにして、空気吸込み口4は、側壁10の湾曲した内表面に対する接線においてチャンバー8の中に空気を方向付けるように配向される。言い換えれば、空気吸込み口4は、側壁10の湾曲した内表面に沿ってチャンバーの中に空気を方向付ける。空気吸込み口4の配向および側壁10の湾曲した表面は、
図2aの破線矢印によって示されるように、空気吸込み口4を通してチャンバー8に入る空気をチャンバー8の外周に沿って旋回させる。チャンバーの外周に沿った旋回空気は、側壁10から離れる方向に、エアロゾル発生要素2からエアロゾル化されたエアロゾル形成基体を方向付け、これにより、側壁10にエアロゾル化したエアロゾル形成基体が堆積することが低減され、チャンバー8の口側端における空気出口6を介してチャンバーを出るエアロゾル化されたエアロゾル形成基体の割合が増大し得る。
【0159】
図2bは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル発生器を通した断面図を示す。
図2bのエアロゾル発生器は、
図1および2aに示されるエアロゾル発生器1と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
図2bに示すエアロゾル発生器は、エアロゾル発生器が、側壁10の周囲の周りに均等に離隔された四つの空気吸込み口4を有する点で、
図1および2aのエアロゾル発生器1とは異なっている。
【0160】
図3a~3dは、本開示の他の実施形態によるエアロゾル発生器を通した断面図を示す。
【0161】
図3aおよび3bは、
図2aおよび2bにそれぞれ示されるエアロゾル発生器に実質的に類似したエアロゾル発生器を示す。
図3aおよび3bに示されるエアロゾル発生器は、空気吸込み口が、チャンバー8の中に延びる点において、
図2aおよび2bに示すエアロゾル発生器とは異なっている。
図3aおよび3bに示すエアロゾル発生器の空気吸込み口は、長さを有する空気通路を含む。空気通路の長さを増大させることにより、チャンバーに入る空気の方向性が改善される。
【0162】
図3cおよび3dは、
図2aおよび2bにそれぞれ示されるエアロゾル発生器に実質的に類似したエアロゾル発生器を示す。
図3cおよび3dに示すエアロゾル発生器は、側壁10の内表面が実質的に楕円形の断面形状を画定し、空洞8にその長さに沿って実質的に楕円形の断面形状を提供するという点で、
図2aおよび2bに示すエアロゾル発生器とは異なっている。これらの実施形態では、側壁10の内表面は、実質的に楕円円錐状のチャンバー8を画定する。
【0163】
図4aおよび4bは、本開示の他の実施形態によるエアロゾル発生器1の概略図を示す。
図4aおよび4bのエアロゾル発生器は、
図1および2aのエアロゾル発生器1と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0164】
図4aに示すエアロゾル発生器1は、エアロゾル発生要素2が補助的要素12によって囲まれているという点で、
図1および2aに示すエアロゾル発生器1とは異なっている。複数の空気吸込み口14は、補助的要素12を通って延び、補助的要素12の周囲の周りに均等に離隔されている。この実施形態では、補助的要素12は、エアロゾル発生要素2をエアロゾル発生器1の側壁10に連結する支持要素である。補助的要素12を通って延びる複数の空気吸込み口14は、エアロゾル発生要素2の平面から離れるように、チャンバー8の中に空気を方向付けるように構成される。この実施形態では、複数の空気吸込み口14は、チャンバーの口側端および空気出口6に向かって、チャンバーの中央長軸方向軸と実質的に平行な方向に、チャンバー8の中に空気を方向付けるように配向される。側壁10はまた、エアロゾル発生要素2の下方に追加の空気吸込み口16を含み、周囲空気が、側壁を通してエアロゾル発生器1の中に引き出された後に、補助的要素12の空気吸込み口14を通してチャンバー8の中に引き出されることを可能にする。
【0165】
図4bに示すエアロゾル発生器1は、
図4bに示すエアロゾル発生器1の側壁10が先細りせず、エアロゾル発生器の長さに沿って一定の直径を維持していることを除いて、
図4aに示すエアロゾル発生器1と実質的に同じである。したがって、
図4bに示されるエアロゾル発生器1の側壁10の内表面は、円形円筒状のチャンバー8を画定する。
【0166】
図5aおよび5bは、本開示の他の実施形態によるエアロゾル発生器1の概略図を示す。
図5aおよび5bのエアロゾル発生器は、
図4aのエアロゾル発生器1と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0167】
図5aに示すエアロゾル発生器1は、チャンバー8が、エアロゾル発生端から口側端まで、増大するレートまたは角度で内向きに先細りし、その結果、側壁10の内表面が、エアロゾル発生端よりも口側端で狭い、実質的にドーム状のチャンバー8を画定する点において、
図4aに示すエアロゾル発生器1とは異なっている。チャンバー8の中央長軸方向軸に対する側壁10のテーパー角が増大することにより、側壁10の内表面がドーム状のチャンバー8の凹状面を画定する。
【0168】
図5bに示すエアロゾル発生器1は、チャンバー8が、エアロゾル発生端から口側端まで、減少するレートまたは角度で内向きに先細りし、その結果、側壁10の内表面が、エアロゾル発生端よりも口側端で狭い、実質的にホーン形状のチャンバー8を画定する点において、
図4aに示すエアロゾル発生器1とは異なっている。チャンバー8の中央長軸方向軸に対する側壁10のテーパー角が減少することにより、側壁10の内表面がホーン形状のチャンバー8の凸状面を画定する。
【0169】
図6a~6cは、本開示の実施形態による、補助的要素12に連結されたエアロゾル発生要素2の平面図を示す。これらの実施形態の各々において、エアロゾル発生要素2は、振動されて液体エアロゾル形成基体をエアロゾル化するように構成される、平面状のメッシュ要素である。
【0170】
図6aは、補助的要素12によって囲まれた円形のメッシュエアロゾル発生要素2を示す。メッシュエアロゾル発生要素2および補助的要素12は、共に平面状であり、同じ平面に延びる。この実施形態では、補助的要素12は、メッシュエアロゾル発生要素12を振動させるように配設された圧電トランスデューサである。圧電トランスデューサは、圧電トランスデューサの周囲の周りに均等に離隔された複数の空気吸込み口14を含む。空気吸込み口は、円形の断面を有し、エアロゾル発生要素2の平面および補助的要素12から離れる方向に、空気を方向付けるように構成される。
【0171】
図6bは、
図6aに示すものと実質的に類似した、補助的要素12によって囲まれた円形のメッシュエアロゾル発生要素2を示す。
図6bに示す補助的要素12は、複数の空気吸込み口14が補助的要素12を通って延びる長方形スロットであるという点で、
図6aに示すものとは異なっている。
【0172】
図cは、補助的要素12によって囲まれた円形のメッシュエアロゾル発生要素2を示す。メッシュエアロゾル発生要素2および補助的要素12は、共に平面状であり、同じ平面に延びる。この実施形態では、補助的要素12は、メッシュエアロゾル発生要素12を振動させるように配設された圧電トランスデューサ12aと、支持要素12bとを含む。圧電トランスデューサ12aは、エアロゾル発生要素2に連結され、エアロゾル発生要素2を囲む。支持要素12bは、圧電トランスデューサ12aに連結され、圧電トランスデューサ12aを囲む。支持要素12bは、支持要素12bの周囲の周りに均等に離隔された複数の空気吸込み口14を含む。空気吸込み口14は、円形の断面を有し、エアロゾル発生要素2の平面および補助的要素12から離れる方向に、空気を方向付けるように構成される。
【0173】
図7は、本開示によるエアロゾル発生システム20の概略図を示す。エアロゾル発生システム20は、エアロゾル発生装置22と、エアロゾル発生装置22に連結されたカートリッジ24とを備える。
【0174】
カートリッジ24は、
図1および2aに示すエアロゾル発生器1と実質的に類似したエアロゾル発生器1を備え、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。カートリッジ24は、ハウジング26、液体エアロゾル形成基体を保持する液体貯蔵部28、および液体貯蔵部28をエアロゾル発生器1に流体的に接続する液体供給要素29をさらに備える。
【0175】
エアロゾル発生器1は、エアロゾル発生器の側壁10がカートリッジ24のハウジング26によって形成されるように、カートリッジ24のハウジング26と一体的に形成される。空気吸込み口4は、周囲空気が空気吸込み口4を通してカートリッジのハウジング26を通ってチャンバーの中に引き出され得るように、カートリッジのハウジング26を通って延びる。チャンバー8の口側端における空気出口6は、それを通してエアロゾルがユーザーに送達される、カートリッジ24の口側端開口部を形成する。気流経路は、エアロゾル発生要素2を介して、空気吸込み口4と口側端開口部6との間に形成される。
【0176】
液体移動要素29は、ウィッキング材料の本体から形成され、貯蔵部28内に受容される一方の端と、エアロゾル発生要素2のエアロゾル発生要素2と接触する他方の端とを有する。液体移動要素29は、液体エアロゾル形成基体を貯蔵部28からエアロゾル発生要素2に送達するように構成される。
【0177】
エアロゾル発生要素2は、貯蔵部28からエアロゾル発生要素2に送達される液体エアロゾル形成基体をエアロゾル化するために振動されるように構成される、平面状のメッシュ要素である。圧電トランスデューサ(図示せず)の形態のアクチュエータは、エアロゾル発生要素2に連結されて、エアロゾル発生要素を振動させる。電気接点(図示せず)は、カートリッジ24がエアロゾル発生装置22に連結されるときに、エアロゾル発生装置22からアクチュエータへの電気エネルギー供給のために、アクチュエータからカートリッジ24の接続端へ提供される。
【0178】
エアロゾル発生装置22は、エアロゾル発生装置22をカートリッジ24に連結するために接続端に空洞を形成するハウジング30を備える。エアロゾル発生装置は、ハウジング30内に収容された電源32および制御回路34をさらに備える。電源32は、再充電可能なリチウムイオン電池である。カートリッジが空洞内に受容されたときに、電源32および制御回路34をカートリッジ24に連結するために、電気接点(図示せず)が装置22の空洞内に提供される。制御回路34は、電源32からカートリッジ24への電力の供給を制御するように構成される。
【0179】
使用時、カートリッジ24が装置22の空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生システム20は、カートリッジの口側端をユーザーが吸煙すること、および装置22のセンサー(図示せず)が吸煙を検出することのいずれかによって、またはユーザーがボタンを押すことによって起動され得る。エアロゾル発生システムが起動されると、制御回路34は、電源32からカートリッジ22のエアロゾル発生器1のアクチュエータに電力を供給する。アクチュエータは、エアロゾル発生要素2を振動させ、これにより、液体移動要素29によって貯蔵部28からエアロゾル発生要素2に送達された液体エアロゾル形成基体がエアロゾル化される。
【0180】
ユーザーがカートリッジ24の口側端を吸うと、周囲空気が、気流経路に沿って、空気吸込み口4を通ってチャンバー8の中に引き出される。チャンバー8内の周囲空気は、空気吸込み口4および側壁10の湾曲した表面によって、チャンバー8の外周に沿って方向付けられる。エアロゾル化されたエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生要素2によってチャンバー8内で生成され、カートリッジの口側端開口部6に向かって引き出されるエアロゾルを形成する。チャンバーの外周に沿って旋回する周囲空気は、発生したエアロゾルをチャンバー8の表面から離れる方向に方向付け、発生したエアロゾル液滴がカートリッジの表面に堆積することを阻害する。エアロゾルは、チャンバー8から口側端開口部を通して引き出され、吸入のためにユーザーに送達される。
【0181】
図8は、振動チャンバー50の一部を形成する、平面状のメッシュエアロゾル発生要素2の斜視断面図を示す。こうした振動チャンバーは、本開示の実施形態によるエアロゾル発生器1のチャンバー8のエアロゾル発生端に配設され得る。したがって、
図8は、本開示によるエアロゾル発生器に使用され得る代替的な非熱式エアロゾル発生要素2を示す。メッシュ要素2は、メッシュ要素ハウジング52内に受容される。振動チャンバー50はまた、弾性変形可能要素54と、弾性変形可能要素54を振動させるように配設されたアクチュエータ56とを含む。アクチュエータ56は、圧電トランスデューサである。
【0182】
振動チャンバー50はまた、予圧を行う要素58と弾性変形可能要素54との間でアクチュエータ56を圧縮するように配設された予圧を行う要素58を含む。予圧を行う要素58、アクチュエータ56、および弾性変形可能要素54は、アクチュエータハウジング60内に配置される。アクチュエータハウジング60は、メッシュ要素ハウジング52に取り付けられ、メッシュ要素2と弾性変形可能要素54との間に空洞62を画定する。アクチュエータハウジング60は、エアロゾル化する液体の空洞62への供給を提供するための液体入口64を画定する。
【0183】
弾性変形可能要素54は、メッシュ要素2の半径方向外側に、メッシュ要素ハウジング52上にアクチュエータハウジング60へと延びる。メッシュ要素2と弾性変形可能要素54との間の空洞62の領域は、実質的に円形円筒状である。メッシュ要素ハウジング52は、メッシュ要素ハウジング52と弾性変形可能要素54との間のギャップがメッシュ要素2の周囲で狭窄するように、メッシュ要素2の周囲に隆起領域63を含む。メッシュ要素ハウジング52の隆起領域63と弾性変形可能要素54との間の狭いギャップは、メッシュ要素2と弾性変形可能要素54との間の空洞62の領域への、または空洞62の領域からの液体の流れを制限し、これはこの領域における液体の高圧の生成を促進する。メッシュ要素ハウジング52の隆起領域63から半径方向外側にある空洞62の外側領域は、アクチュエータハウジング60内に部分的に延び、メッシュ要素2と弾性変形可能要素54との間の領域の外側に直接少量の液体を保持することができる空洞62の領域を提供する。空洞62のこの外側領域は、動作中に液体がその領域から枯渇すると、メッシュ要素2と弾性変形可能要素54との間の領域への液体の予備供給を提供する。液体入口64は、アクチュエータハウジング60内に提供され、液体を空洞62の外側領域に供給する。液体入口64は、メッシュ要素2と弾性変形可能要素54との間の空洞62の領域からオフセットされて配設される。液体入口のこの配置により、弾性変形可能要素からの振動を受けたときに、液体が液体入口を通して空洞の外に押し出される可能性が低減し得る。これはまた、空気が液体入口64からその領域に直接引き出される可能性を低減し得る。
【0184】
使用中、エアロゾル化する液体は、液体入口64を通して空洞62に供給される。アクチュエータ56は、弾性変形可能要素54を振動させて、空洞62内の液体の少なくとも一部を、メッシュ要素2のチャネル15およびノズル18を通るように強制する。メッシュ要素2のノズル18を通るように強制された液体は、液滴を形成する。ノズル18を通るように強制されて液滴を形成する液体の運動量は、メッシュ要素2から離れるように液滴を運ぶ。したがって、使用中に、振動チャンバー50は、メッシュ要素2を通して排出される液体液滴を含むエアロゾルを発生する。
【0185】
図9aおよび9bは、表面音響波アトマイザー(SAWアトマイザー)の概略図を示す。こうしたSAWアトマイザーは、本開示の実施形態による、エアロゾル発生器1のチャンバー8のエアロゾル発生端に配設されてもよい。したがって、
図9aおよび9bは、本開示によるエアロゾル発生器に使用され得る代替的な非熱式エアロゾル発生要素2を示す。
【0186】
図9aは、活性表面を備えた圧電基板の形態のエアロゾル発生要素2を有するSAWアトマイザーを示す。この実施形態では、一つのインターデジタルトランスデューサ70が圧電基板2の側方表面部分に配設されている。トランスデューサ70は、平行に配設された一連の真っ直ぐな、インターレース電極72を含む真っ直ぐなトランスデューサである。圧電基板2の活性表面上の霧化領域74は点線によって示され、トランスデューサ70に近いが、圧電基板2の反対側の側方表面部分に位置している。
【0187】
図9bは、活性表面を備えた圧電基板の形態のエアロゾル発生要素2を有するSAWアトマイザーを示す。この実施形態では、一つのインターデジタルトランスデューサ70が圧電基板2の側方表面部分に配設されている。トランスデューサ70は、一連の湾曲かつ先細りした、平行に配設されたインターレース電極72、76を含む、焦点合わせトランスデューサである。圧電基板2の活性表面上の小さな焦点ゾーン74は、トランスデューサ70に近いが、圧電基板2の反対側の側方表面部分に位置している。
【0188】
図10aおよび10bは、本開示の他の実施形態によるエアロゾル発生器1の概略図を示す。
【0189】
図10aのエアロゾル発生器は、
図1および2aのエアロゾル発生器1と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
図4aに示すエアロゾル発生器1は、空気吸込み口4が、エアロゾル発生要素2の平面から離れるように、チャンバー8の中に空気を方向付けるように配設される点で、
図1および2aに示すエアロゾル発生器1とは異なっている。空気吸込み口4は共に、エアロゾル発生要素2の平面に対して角度αでチャンバーの中に空気を方向付けるように配向されている。空気吸込み口4はまた、角度βでチャンバーの中央長軸方向軸に対して配向される。この実施形態では、角度αは約30度であり、角度βは約60度である。エアロゾル発生要素から離れるようにチャンバーの中に空気を方向付けることにより、チャンバー内に発生したエアロゾル化されたエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生要素から離れるように流れるように促進され、エアロゾル発生のレートが改善される。この実施形態では、空気吸込み口はまた、長さを有する空気通路によって形成される。空気通路は、チャンバー8の中に延びて示されているが、しかしながら、当然のことながら、一部の実施形態では、空気通路は、チャンバー8の中に延びない場合がある。
【0190】
図10bのエアロゾル発生器は、
図4aのエアロゾル発生器1と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
図4bに示すエアロゾル発生器1は、
図10aについて上述したように、空気吸込み口4が、エアロゾル発生要素2の平面から離れるように、チャンバー8の中に空気を方向付けるように配設される点で、
図4aに示すエアロゾル発生器1とは異なっている。
【0191】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、全ての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±{5%}として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、全ての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】