(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】シートをロッドへと成形する間の、内側からの添加物の適用
(51)【国際特許分類】
A24C 5/18 20060101AFI20231024BHJP
A24B 3/14 20060101ALI20231024BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20231024BHJP
【FI】
A24C5/18
A24B3/14
A24B15/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023521581
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2021077886
(87)【国際公開番号】W WO2022074208
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バルボニ マッテオ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B144
【Fターム(参考)】
4B043BB11
4B043BB13
4B043BB17
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC18
4B043BC20
4B144CB33
4B144CL01
4B144CM01
(57)【要約】
草本材料を含有するロッドを製造する方法は、草本材料を含有するシート材料を提供する工程と、漏斗状の合流装置を通して搬送方向に沿ってシート材料を搬送することによって、シート材料をロッド形状へと成形する工程と、合流装置内でシート材料上に添加物を分注する工程とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草本材料を含有するロッドを製造する方法であって、
草本材料を含有するシート材料を提供する工程と、
漏斗状の合流装置を通して搬送方向に沿って前記シート材料を搬送することによってシート材料をロッド形状へと成形する工程と、
前記合流装置内の前記シート材料上に添加物を分注する工程と、を含む方法。
【請求項2】
シート材料が、草本材料を含有するスラリーの鋳造物、または草本材料を含有するペーストの鋳造物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シート材料が、切断または粉砕された草本材料を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記シート材料がセルロース繊維およびグリセリンのうちの少なくとも一つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記シート材料が、1ミリメートル未満、または0.5ミリメートル未満、または0.2ミリメートル未満、または0.1ミリメートル未満、または0.05ミリメートル未満の厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
シート材料からロッドを製造するための装置であって、
漏斗状の合流装置と、
前記漏斗状の合流装置を通して搬送方向に沿ってシート材料を搬送するように構成されたコンベア装置と、
前記合流装置内の端セクションから添加物を分注するために構成された前記端セクションを有するパイプと、を備え、
前記パイプの前記端セクションの壁厚さが、前記パイプの前記端セクションの周囲の周りで様々である、装置。
【請求項7】
前記パイプの前記端セクションの外表面が、非円形断面を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記パイプの前記端セクションの外周面が、少なくとも一つの平坦な部分を有する、請求項6または請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記パイプの前記端セクションの第一の平坦な部分と前記パイプの前記端セクションの第二の平坦な部分との間の角度が、50度~70度、または55度~65度、または80度~100度、または85度~95度である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記パイプが、前記端セクションの上流の前記合流装置内に提供された基部セクションと、前記基部セクションを前記端セクションと接続する湾曲セクションとを備える、請求項6~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記パイプの前記端セクションの外周形状が、前記パイプの前記基部セクションの外周形状と異なる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記パイプの前記湾曲セクションの外周面が、少なくとも一つの平坦な部分を備える、請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記パイプの外径が、前記搬送方向に沿って減少する、請求項6~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記パイプの前記端セクションが、具体的には摩擦低減コーティングでコーティングされている、請求項6~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
シート材料とパイプの端セクションとの間の摩擦を低減するためのコーティングの使用であって、前記シート材料が前記パイプの前記端セクションに沿って、かつそれと接触して搬送される間に、前記パイプが前記シート材料上に添加物を分注するために適合されている、使用。
【請求項16】
前記添加物が液体として分注される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロッドへと形成されるシート材料に添加物(具体的には液体)を適用することに関する。
【背景技術】
【0002】
シート材料を成形装置に供給して、シート材料をロッドへと成形することが、実用され知られている。こうしたロッドは、喫煙物品または他のエアロゾル発生物品の製造において使用されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一つ以上の物質をロッドに添加することが望ましい場合がある。例えば、エアロゾル発生物質または風味物質をロッドに添加することが望ましい場合がある。一つ以上の物質を添加することによって、シート材料のロッドの特性を修正する効率的なやり方に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によると、草本材料を含有するロッドを製造するための方法が提供されている。方法は、草本材料を含有するシート材料を提供する工程を含む。シート材料は、漏斗状の合流装置を通して搬送方向に沿ってシート材料を搬送することによってロッド形状へと成形される。合流装置内で、添加物はシート材料上に分注される。
【0005】
草本材料を含有するロッドの中に添加物を提供することは、草本材料とともに添加物を加熱することを容易にしてもよく、それによって風味構成成分などの物質を添加物から放出することを容易にする。
【0006】
草本材料を含有するシート材料は、比較的にもろい場合がある。具体的に、草本材料を含有するシート材料は、典型的な紙巻たばこフィルターが作製されるアセテート繊維シートよりももろい場合がある。草本材料を含有する比較的にもろいシート材料に起因して、シート材料に有害な効果を与えることなく、添加物を合流装置内のシート材料上に分注できることは期待されていなかった。
【0007】
合流装置内に添加物を分注することは、分注された添加物の高い割合、または分注された(ほぼ)すべての添加物のさえもがシート材料に実際に適用されて、それによって添加物の無駄および添加物による機器の汚染を低減することを確実にしてもよい。
【0008】
添加物は合流装置内のシート材料上に分注されるため、シート材料がロッド形状へと成形される間に、添加物はシート材料上に分注されてもよい。シート材料が成形される間に、シート材料の構成は変化してもよく、これはシート材料にわたる添加物の分配の改善につながる場合がある。具体的に、添加物はシート材料の両側(上側および下側)に到達する場合がある。添加物は、合流装置内でシート材料を成形する際に作り出されるシート材料の中の折り目に入る場合がある。
【0009】
最終的なロッド形状内の添加物の望ましい分配は、例えば合流装置内の添加物分注の正確な場所を適切に選択することによって達成される場合がある。合流装置内に添加物を分注することは、半径方向に対して最終的なロッド形状の内部領域において比較的に高い添加物濃度を達成することを可能にしてもよい。これに反して、例えばロッド形状が合流装置から離れた後に添加物が最終的なロッド形状上に適用されることになる場合、添加物の濃度は常に、ロッド形状の半径方向外側領域において高く、ロッド形状の半径方向内側領域において低い傾向がある場合がある。また、これに反して、例えば合流装置に入るシート材料の上流のスプレーノズルを通してシート材料上に添加物がスプレーされる場合、シート材料の一方の側面(上側または下側)のみが覆われることになり、また添加物の一部がシート材料に当たらないことに起因して、添加物が無駄になる場合がある。
【0010】
漏斗状の合流装置は、合流装置を通してシート材料を搬送する際に、シート材料によって係合されている一つ以上の壁を備えてもよい。一つ以上の壁とシート材料の間の接触は、例えばシート材料の曲げ、折り畳み、圧縮のうちの一つ以上によって、シート材料を再成形してもよい。
【0011】
合流装置は、シート材料が通って搬送される形成空間を画定してもよい。形成空間は、合流装置の一つ以上の壁によって少なくとも部分的に画定されてもまたは区切られてもよい。
【0012】
添加物は、例えばグリセリン、グリセロール、プロピレングリコールのうちの一つ以上などのエアロゾル発生物質を含んでもよい。添加物は、メントール、スペアミント、ペパーミント、ユーカリ、バニラ、ココア、チョコレート、コーヒー、紅茶、スパイス(シナモン、クローブ、ジンジャーなど)、フルーツ風味剤、およびそれらの組み合わせなどの一つ以上の風味剤を含んでもよい。添加物はニコチンを含んでもよい。
【0013】
添加物は液体として分注されてもよい。添加物を液体として分注することは、添加物の分注を容易にしてもよい。添加物が液体として分注される場合、シート材料にわたる添加物の分配は容易にされてもよい。液体はシート材料上で流れてもよい。
【0014】
添加物はメントールを含むことが好ましい。添加物は、少なくとも40パーセント、または少なくとも50パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも80パーセント、または少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセントの質量割合のメントールを含んでもよい。添加物は純粋なメントールであってもよい。メントールを添加することは、強い魅力的な風味構成成分をロッドの中に導入する場合がある。メントールは、ロッドの加熱に伴いエアロゾル発生物質として働いてもよい。メントールは、強い物理的一貫性を有し、再現性のある一様態でシート材料に適用されてもよい。
【0015】
シート材料は、草本材料を含有するスラリーの鋳造物、または草本材料を含有するペーストの鋳造物であってもよい。シート材料は、キャストリーフ材料、具体的にはたばこキャストリーフ材料であってもよい。スラリーまたはペーストは、一つ以上の種類の草本材料を含んでもよい。草本材料をシートとしてキャスティングすることは、例えば草本材料が供給ロールから製造工程に連続的に供給されることを可能にする。
【0016】
シート材料は、切断または粉砕された草本材料を含んでもよい。切断または粉砕された草本材料は、例えば40マイクロメートル~500マイクロメートルの粒子サイズを有する粒子状の草本材料を含んでもよい。
【0017】
草本材料は、均質化された植物性材料を含んでもよい。
【0018】
草本材料は、例えばたばこ材料、またはクローブ材料、またはクローブ材料とたばこ材料の混合物を含んでもよい。たばこ材料、またはクローブ材料、またはクローブ材料とたばこ材料の混合物は、草本材料の100パーセントを占めてもよいが、占める必要はない。草本材料は、たばこ粒子を含まなくてもよく、草本材料の乾燥重量に基づいて100パーセントのクローブ粒子を含んでもよい。草本材料は、草本材料の乾燥重量に基づいて、10重量パーセント~60重量パーセントのクローブ粒子、および40重量パーセント~90重量パーセントのたばこ粒子を含んでもよく、より好ましくは30重量パーセント~40重量パーセントのクローブ粒子、および70重量パーセント~60重量パーセントのたばこ粒子を含んでもよい。例えば、シート材料は、シート材料の乾燥重量に基づいて、40重量パーセント~90重量パーセントの総含有量のたばこ粒子、および10重量パーセント~60重量パーセントの総含有量のクローブ粒子を含んでもよい。
【0019】
シート材料は、例えばオイゲノール、オイゲノールアセテート、β-カリオフィレンのうちの一つ以上を含んでもよい。具体的に、シート材料は、乾燥重量基準でシート材料1グラム当たり少なくとも125マイクログラムのオイゲノールと、乾燥重量基準でシート材料1グラム当たり少なくとも125マイクログラムのオイゲノールアセテートと、乾燥重量基準でシート材料1グラム当たり少なくとも1マイクログラムのβ-カリオフィレンとを含んでもよい。
【0020】
シート材料は、セルロース繊維およびグリセリンのうちの少なくとも一つを含んでもよい。セルロース繊維は、シート材料を強化してもよく、破壊または裂けに対するシート材料の耐性を高めてもよい。グリセリンは、シート材料を加熱する際にエアロゾルの生成を容易にしてもよい。
【0021】
シート材料は、1ミリメートル未満、または0.5ミリメートル未満、または0.2ミリメートル未満、または0.1ミリメートル未満、または0.05ミリメートル未満の厚さを有してもよい。シート材料は、少なくとも0.001ミリメートル、または少なくとも0.01ミリメートル、または少なくとも0.1ミリメートルの厚さを有してもよい。比較的に薄い厚さを有するシート材料は、ロッド形状へと成形するのがより簡単である場合がある。比較的に厚い厚さを有するシート材料は、シート材料上に添加物を分注する際に裂ける、または損傷する可能性が低い場合がある。
【0022】
シート材料は、キャストリーフ材料、具体的にはたばこキャストリーフ材料であってもよい。キャストリーフ材料は、草本材料、具体的にはたばこ材料を粉末に粉砕することによって製造されてもよい。スラリーを得るために、粉末を接着剤と混合、または溶媒と混合、または接着剤および溶媒と混合してもよい。スラリーは、キャストリーフ材料を得るために、形成かつ乾燥されてもよい。方法は、記載の通りにキャストリーフ材料を製造することを含んでもよい。別の方法として、事前に製造されたキャストリーフ材料を使用することが可能である。キャストリーフ材料をシート材料として使用することは、キャストリーフ材料が好都合なことに連続的な様態で、例えば供給ロールから製造工程に供給されてもよいため、ロッドを形成することを容易にしてもよい。キャストリーフ材料は、製造、輸送、保存が簡単である。キャストリーフをシート材料として使用することは、キャストリーフ材料の比較的に高い引張強さに起因して、ロッドを形成する工程を単純化する場合がある。たばこキャストリーフを使用することは、消費の際に効率的なニコチン送達を確実にしてもよい。キャストリーフ材料は、破損した、または物理的に損傷した草本材料から少なくとも部分的に製造されてもよい。
【0023】
方法は、合流装置の上流でシート材料を捲縮することを含んでもよい。シート材料を捲縮することは、シート材料をロッド形状へと成形することを容易にしてもよい。シート材料が捲縮されている場合、シート材料は成形の際に折り目を形成する可能性が高い場合がある。シート材料の折り目は、シート材料上に分注された添加物を受容する役割を果たしてもよい。
【0024】
合流装置内のシート材料の特定のセクションのロッド形状への成形は、添加物がシート材料の特定のセクション上に分注される前に開始してもよい。合流装置内のシート材料の特定のセクションのロッド形状への成形は、添加物がシート材料の特定のセクション上に分注された後に完了してもよい。添加物は、シート材料の特定のセクション上に分注されてもよく、その一方でシート材料の特定のセクションは、合流装置内で成形する工程を経る。合流装置内で現在、成形されているシート材料のセクション上に添加物が分注される場合、添加物は、ロッド形状を成形する際にロッド形状の中に組み込まれてもよい。添加物は、シート材料の成形中のシート材料の移動によって、シート材料にわたって分配されるように促されてもよい。
【0025】
添加物は、合流装置内の位置でシート材料上に分注されてもよく、この位置にて、製造中のロッドの最大直径は、合流装置を出る際の最終的なロッド形状の最大直径の最大400パーセント、または最大350パーセント、または最大300パーセント、または最大250パーセント、または最大200パーセント、または最大150でパーセントである。シート材料が既に一定の程度まで成形または圧縮されている合流装置内の位置でシート材料上に添加物が分注される場合、シート材料にわたる添加物の効率的な分配が容易にされてもよい。
【0026】
添加物は、シート材料をロッド形状へと成形する際に、ロッド形状内からシート材料上に分注されてもよい。添加物がロッド形状内から分注される場合、添加物は、半径方向に対してロッド形状の内部領域からシート材料にわたって分配されてもよい。添加物の濃度は、ロッド形状の内部領域において最高であってもよく、また半径方向に対して外向きに減少してもよい。ロッド形状内から添加物を分注することは、分注された添加物のほとんどまたは(ほぼ)すべてが実際に、シート材料上へのその経路を見つけ、それ故に添加物の無駄を低減することを確実にしてもよい。
【0027】
添加物は、パイプの端セクションを通して合流装置内に分注されてもよい。パイプは、添加物が分注される合流装置内の場所を選ぶことを可能にしてもよく、それによって分注する工程に対する制御を増大させる。パイプの端セクションは、添加物が通って分注される分注開口部を備えてもよい。パイプの端セクションは、合流装置の中に、具体的には合流装置の形成空間の中に突出してもよい。
【0028】
パイプの端セクションは少なくとも本質的に、搬送方向に沿って延びてもよい。具体的に、パイプの端セクションと搬送方向の間の角度は、例えば30度未満、または20度未満、または15度未満、または10度未満、または5度未満、または3度未満であってもよい。パイプの端セクションが少なくとも本質的に、搬送方向に沿って延びる場合、シート材料は本質的に、パイプと平行に搬送される。シート材料は、合流装置内のパイプの端セクションに沿って搬送されてもよい。パイプの端セクションおよび搬送方向が各々に本質的に平行である場合、パイプの端セクションとの接触によってシート材料が損傷するリスクは低減される。シート材料は、パイプの端セクションに沿って摺動してもよい。シート材料は、パイプの端セクションから分注された添加物を携行してもよく、それによってシート材料上への添加物の適用を容易にする。
【0029】
シート材料は、合流装置の漏斗形状によってパイプの端セクションに対して圧縮されてもよい。シート材料がパイプの端セクションに対して圧縮される場合、パイプの端セクションからシート材料上に分注された添加物の移動は、特に滑らかである場合がある。具体的に、シート材料は、パイプの端セクションの周囲全体の周りからの合流装置の漏斗形状によって、パイプの端セクションに対して圧縮されてもよい。シート材料が、パイプの端セクションの周囲全体の周りからパイプの端セクションに対して圧縮される場合、パイプの端セクションによって分注される添加物のすべてまたはほぼすべてが、シート材料によって受容されてもよい。
【0030】
ロッド形状は、ロッドとパイプの端セクションとの間に、少なくとも本質的に同軸の配設で、パイプの端セクションの周囲に形成されてもよい。これは、パイプの端セクションとの接触に起因してシート材料を損傷する可能性を低減してもよく、またパイプの端セクションから分注された添加物のすべてまたは大半がシート材料に到達することを確実にしてもよい。
【0031】
合流装置内の、およびパイプの端セクションの上流のパイプの外周形状は、パイプの端セクションの外周形状と異なってもよい。パイプの外周形状は、パイプの延長部に沿って変化して、パイプに沿って異なる加工条件をもたらしてもよい。パイプの外周形状は、合流装置内の搬送方向に沿った特定の位置にて、シート材料によって占められる場合がある空間の量に影響を与える。パイプの外周形状は変化して、搬送方向に沿って増大するシート材料の圧縮をもたらしてもよい。
【0032】
パイプの端セクションの壁厚さは、パイプの端セクションの周囲の周りで様々であってもよい。パイプの端セクションの周囲の周りで変化する壁厚さを有することは、パイプの端セクションを安定化するより厚い領域を有することと、また同時に、シート材料からより小さいスペースを取る、より薄い領域を有することとを可能にしてもよく、従ってシート材料を損傷するリスクを低減してもよく、またシート材料の効率的な圧縮を依然として可能にしてもよい。また、パイプの端セクションの周囲の周りのパイプの端セクションの様々な壁厚さは、注入場所にて通り過ぎるシート材料に、より密接してパイプの内部チャネルを配設することを可能にしてもよい。それ故に、シート材料上への添加物の適用は容易にされてもよい。
【0033】
パイプの端セクションの外周面は、一つ以上の平坦な部分を有してもよい。パイプの端セクションの外周面における一つ以上の平坦な部分は、低減された壁厚さを有するパイプの端セクションの周囲の周りに一つ以上の部分を提供することを容易にしてもよい。シート材料は、端セクションの一つ以上の平坦な部分に対して圧縮されてもよい。
【0034】
パイプの端セクションの上流で、パイプの外周面は円形断面を有してもよい。円形断面はパイプを安定化してもよく、またシート材料が沿って搬送される経路のパイプによる障害を低減してもよい。
【0035】
パイプの端セクションの内周面は、円形断面を有してもよい。円形断面はパイプを安定化してもよく、またパイプを通る添加物の滑らかで良好に分配された流れを確実にしてもよい。
【0036】
パイプの外径は、搬送方向に沿って減少してもよい。パイプの外径が搬送方向に沿って減少する場合、パイプは、シート材料が搬送方向に沿って進む時に、シート材料に追加的な空間を与える場合がある。これは、搬送方向に沿ってパイプの周りでシート材料が漸進的に圧縮されることを可能にしてもよい。
【0037】
パイプの端セクションはコーティングされてもよい。パイプの端セクションは、摩擦低減コーティングでコーティングされてもよい。コーティングは、パイプの端セクションの半径方向で最も外側の層を形成してもよい。パイプの端セクションのコーティングは、シート材料とパイプの端セクションとの間の摩擦を低減してもよく、それによって、パイプの端セクションに沿ってシート材料を搬送する時にシート材料を損傷する可能性を低減する。
【0038】
摩擦低減コーティングは、例えばダイヤモンド様炭素コーティング(DLCコーティング)であってもよい。
【0039】
本発明の別の態様によると、シート材料からロッドを製造するための装置が提供されている。装置は、漏斗状の合流装置、コンベア装置、パイプを備える。コンベア装置は、漏斗状の合流装置を通して搬送方向に沿ってシート材料を搬送するように構成されている。パイプは、合流装置内の端セクションから添加物を分注するために構成された端セクションを有する。パイプの端セクションの壁厚さは、パイプの端セクションの周囲の周りで様々である。
【0040】
添加物が合流装置内のパイプの端セクションから分注されるため、添加物はシート材料上に分注されてもよく、その一方でシート材料は合流装置内で成形され、それ故に制御された効率的な様態でのシート材料にわたる添加物の分配を容易にする。
【0041】
パイプの端セクションの壁厚さがパイプの端セクションの周囲の周りで様々であるため、パイプは、より大きい壁厚さを有する部分と、その周囲の周りに、より小さい壁厚さを有する部分とを備える。壁厚さがより小さい部分は、合流装置内のシート材料のために、増大した量のスペースを残す場合がある。さらに、壁厚さがより小さい部分は、パイプの端セクションから分注される添加物の特に近くにシート材料を持ってくることを可能にしてもよい。より大きい壁厚さを有する部分は、パイプの端セクションの安定性および構造的完全性を確実にしてもよい。
【0042】
添加物は液体として分注されてもよい。
【0043】
パイプの端セクションは、添加物を分注するための分注開口部を備えてもよい。分注開口部は、端セクションの端面に位置してもよい。
【0044】
合流装置は、シート材料をロッド形状へと成形するように構成されてもよい。
【0045】
パイプの端セクションの外表面は、非円形断面を有してもよい。例えば、パイプの端セクションの外表面の断面は、三角形、長方形、または多角形形状であってもよい。パイプの端セクションの非円形状の外側断面は、パイプの端セクションの周囲の周りで様々である、パイプの端セクションの壁厚さを提供してもよい。
【0046】
パイプの端セクションの外周面は、少なくとも一つの平坦な部分を有してもよい。パイプの端セクションの外周面は、円周方向に対して隣接する平坦な部分の間に湾曲した部分を有してもよい。
【0047】
パイプの端セクションの第一の平坦な部分とパイプの端セクションの第二の平坦な部分との間の角度は、例えば50度~70度、または55度~65度、または80度~100度、または85度~95度の間であってもよい。角度は、パイプの延長方向に垂直な断面平面を有する断面図内で測定されてもよい。第一の平坦な部分と第二の平坦な部分の間には、湾曲した部分があってもよい。湾曲した部分は、パイプの端セクションの構造的完全性を支持してもよい。
【0048】
パイプの端セクションの内周面は、円形断面を有してもよい。
【0049】
パイプの端セクションは少なくとも本質的に、搬送方向に沿って延びてもよい。具体的に、パイプの端セクションは少なくとも本質的に、搬送方向と平行に延びてもよい。パイプの端セクションは、少なくとも本質的に真っ直ぐであってもよい。
【0050】
パイプは、端セクションの上流の合流装置内に提供された基部セクションを備えてもよい。パイプは、基部セクションを端セクションと接続する湾曲セクションを備えてもよい。湾曲セクションは、パイプの端セクションの延長部の方向と異なる場合がある望ましい方向に沿ってパイプが合流装置に入ることを可能にしてもよい。基部セクションの延長部の方向と端セクションの延長部の方向との間の角度は、例えば90度~180度、または120度~160度、または130度~150度、または140度~150度であってもよい。基部セクション、または端セクション、または基部セクションと端セクションは、パイプの真っ直ぐなセクションであってもよい。
【0051】
パイプの端セクションの外周形状は、パイプの基部セクションの外周形状と異なってもよい。異なる外周形状は、パイプの基部セクションおよび端セクションによって果たされる異なる機能に対応する場合がある。具体的に、基部セクションは、特に頑丈であるように成形されてもよく、また端セクションは、十分に頑丈であるように、かつシート材料を損傷することなく、合流装置内でシート材料を圧縮することを可能にするように成形されてもよい。
【0052】
パイプの湾曲セクションの外周面は、少なくとも一つの平坦な部分を備えてもよい。少なくとも一つの平坦な部分は、シート材料を損傷するリスクを低減した、シート材料とパイプの間の接触を容易にしてもよい。
【0053】
パイプの外径は、搬送方向に沿って減少してもよい。
【0054】
パイプの端セクションはコーティングされてもよい。具体的に、パイプの端セクションは、摩擦低減コーティングでコーティングされてもよい。
【0055】
摩擦低減コーティングは、ダイヤモンド様炭素コーティング(DLCコーティング)であってもよい。
【0056】
装置は、合流装置外部のパイプに配設されたヒーターをさらに備えてもよい。ヒーターは、添加物を加熱するように構成されてもよい。添加物を加熱することは、添加物の流れ特性を改善してもよく、またパイプの端セクションを通して添加物を分注することを容易にしてもよい。ヒーターをパイプに配設することは、パイプを通して添加物を供給しながら、パイプ内の添加物を加熱することを可能にする。
【0057】
ヒーターは、合流装置に取り付けられてもよい。
【0058】
本発明の別の態様によると、シート材料とパイプの端セクションとの間の摩擦を低減するためのコーティングの使用が提供されている。パイプは、シート材料上に添加物を分注するために適合されていて、その一方でシート材料は、パイプの端セクションに沿って、かつそれと接触して搬送される。
【0059】
摩擦を低減するためにコーティングを使用することは、パイプの端セクションと接触してシート材料を搬送する時にシート材料を損傷するリスクを低減してもよい。
【0060】
シート材料は、パイプの端セクションに対して円周方向に押されてもよい。
【0061】
コーティングは、摩擦低減コーティングであってもよい。コーティングは、ダイヤモンド様炭素コーティング(DLCコーティング)であってもよい。
【0062】
示されている通り、異なる態様によると、本発明は、草本材料を含有するロッドを製造するための方法、シート材料からロッドを製造するための装置、およびコーティングの使用を提供する。装置は、方法を実行するために、または使用を実施するために適切であってもよく、適合されてもよく、または構成されてもよい。態様のうちの一つに関して記述された特徴は、その他の態様のいずれか一つに転移されてもよく、またはそれと組み合わせられてもよい。
【0063】
合流装置に関して、「漏斗形状」という用語は、搬送方向に垂直な断面平面における、合流装置の形成空間の断面の面積が、搬送方向に沿って減少することを意味する。減少は、連続的であってもよく、または段階的であってもよく、または連続的かつ段階的であってもよい。
【0064】
合流装置の形成空間は、合流装置の壁によって搬送方向の周りに円周状に完全に囲まれてもよいが、そうである必要はない。
【0065】
「草本材料」という用語は、草本植物由来の材料を意味するために使用される。「草本植物」は芳香植物であり、植物の葉または他の部分は医薬、料理、または芳香の目的で使用され、またエアロゾル発生物品によって生成されるエアロゾルの中に風味を放出する能力を有する。
【0066】
搬送方向に沿った特定の位置でのロッド形状の直径または形成中のロッドの直径は、搬送方向に垂直な任意の方向における特定の位置でのロッド形状または形成中のロッドの最大の延長部を指す。
【0067】
パイプの長さに沿った特定の位置でのパイプの外径は、その特定の位置でのパイプの延長部の方向に垂直な任意の方向における特定の位置でのパイプの最大の延長部を指す。
【0068】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0069】
実施例1:草本材料を含有するロッドを製造する方法であって、
草本材料を含有するシート材料を提供する工程と、
漏斗状の合流装置を通して搬送方向に沿ってシート材料を搬送することによってシート材料をロッド形状へと成形する工程と、
合流装置内のシート材料上に添加物を分注する工程と、を含む方法。
実施例2:シート材料が、草本材料を含有するスラリーの鋳造物、または草本材料を含有するペーストの鋳造物である、実施例1に記載の方法。
実施例3:シート材料が、切断または粉砕された草本材料を含む、実施例1または実施例2に記載の方法。
実施例4:シート材料がセルロース繊維およびグリセリンのうちの少なくとも一つを含む、実施例1~3のいずれか一つに記載の方法。
実施例5:シート材料が、1ミリメートル未満、または0.5ミリメートル未満、または0.2ミリメートル未満、または0.1ミリメートル未満、または0.05ミリメートル未満の厚さを有する、実施例1~4のいずれか一つに記載の方法。
実施例6:合流装置内でシート材料の特定の断面のロッド形状へと成形することが、特定の断面上に添加物が分注される前に開始し、かつ特定のセクション上に添加物が分注された後に終了する、実施例1~5のいずれか一つに記載の方法。
実施例7:添加物が合流装置内の位置でシート材料上に分注され、この位置にて形成中のロッドの最大直径が、合流装置を出る際の最終的なロッド形状の最大直径の最大400パーセント、または最大350パーセント、または最大300パーセント、または最大250パーセント、または最大200パーセント、または最大150パーセントである、実施例1~6のいずれか一つに記載の方法。
実施例8:シート材料をロッド形状へと成形する際に、添加物がロッド形状内からシート材料上に分注される、実施例1~7のいずれか一つに記載の方法。
実施例9:添加物がパイプの端セクションを通して合流装置内に分注される、実施例1~8のいずれか一つに記載の方法。
実施例10:パイプの端セクションが少なくとも本質的に、搬送方向に沿って延びる、実施例9に記載の方法。
実施例11:シート材料が、合流装置の漏斗形状によって、具体的には端セクションの周囲全体の周りからパイプの端セクションに対して圧縮される、実施例9または実施例10に記載の方法。
実施例12:ロッド形状が、ロッドとパイプの端セクションとの間で少なくとも本質的に同軸の配設で、パイプの端セクションの周りに形成される、実施例9~11のいずれか一つに記載の方法。
実施例13:合流装置内の、およびパイプの端セクションの上流のパイプの外周形状が、パイプの端セクションの外周形状と異なる、実施例9~12のいずれか一つに記載の方法。
実施例14:パイプの端セクションの壁厚さが、パイプの端セクションの周囲の周りで様々である、実施例9~13のいずれか一つに記載の方法。
実施例15:パイプの端セクションの外周面が、一つ以上の平坦な部分を有する、実施例9~14のいずれか一つに記載の方法。
実施例16:パイプの端セクションの内周面が、円形断面を有する、実施例9~14のいずれか一つに記載の方法。
実施例17:パイプの外径が、搬送方向に沿って減少する、実施例9~15のいずれか一つに記載の方法。
実施例18:パイプの端セクションが、具体的には摩擦低減コーティングでコーティングされている、実施例9~17のいずれか一つに記載の方法。
実施例19:摩擦低減コーティングが、ダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングである、実施例18に記載の方法。
実施例20:シート材料からロッドを製造するための装置であって、
漏斗状の合流装置と、
漏斗状の合流装置を通して搬送方向に沿ってシート材料を搬送するように構成されたコンベア装置と、
合流装置内の端セクションから添加物を分注するために構成された端セクションを有するパイプと、を備え、
パイプの端セクションの壁厚さが、パイプの端セクションの周囲の周りで様々である、装置。
実施例21:パイプの端セクションの外表面が、非円形断面を有する、実施例20に記載の装置。
実施例22:パイプの端セクションの外周面が、少なくとも一つの平坦な部分を有する、実施例20または実施例21に記載の装置。
実施例23:パイプの端セクションの第一の平坦な部分とパイプの端セクションの第二の平坦な部分との間の角度が、50度~70度、または55度~65度、または80度~100度、または85度~95度である、実施例22に記載の装置。
実施例24:パイプの端セクションの内周面が、円形断面を有する、実施例20~23のいずれか一つに記載の装置。
実施例25:パイプの端セクションが少なくとも本質的に、搬送方向に沿って延びる、実施例20~24のいずれか一つに記載の装置。
実施例26:パイプが、端セクションの上流の合流装置内に提供された基部セクションと、基部セクションを端セクションと接続する湾曲セクションとを備える、実施例20~25のいずれか一つに記載の装置。
実施例27:パイプの端セクションの外周形状が、パイプの基部セクションの外周形状と異なる、実施例26に記載の装置。
実施例28:パイプの湾曲セクションの外周面が、少なくとも一つの平坦な部分を備える、実施例26または実施例27に記載の装置。
実施例29:パイプの外径が、搬送方向に沿って減少する、実施例20~28のいずれか一つに記載の装置。
実施例30:パイプの端セクションが、具体的には摩擦低減コーティングでコーティングされている、実施例20~29のいずれか一つに記載の装置。
実施例31:摩擦低減コーティングが、ダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングである、実施例30に記載の装置。
実施例32:合流装置外部のパイプに配設されたヒーターをさらに備える、実施例20~31のいずれか一つに記載の装置。
実施例33:ヒーターが合流装置に取り付けられている、実施例32に記載の装置。
実施例34:シート材料とパイプの端セクションとの間の摩擦を低減するためのコーティングの使用であって、シート材料がパイプの端セクションに沿って、かつそれと接触して搬送される間に、パイプがシート材料上に添加物を分注するために適合されている、使用。
実施例35:シート材料がパイプの端セクションに対して円周方向に押される、実施例34に記載の使用。
実施例36:コーティングが摩擦低減コーティング、具体的にはダイヤモンド様炭素(DLC)コーティングである、実施例34または実施例35に記載の使用。
実施例37:添加物がメントールである、実施例1~19のいずれか一つに記載の方法。
実施例38:実施例20~33のいずれかの装置を備える、たばこキャストリーフロッドの製造のための機器。
【0070】
ここで、以下の図を参照しながら実施例および実施形態をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】
図1は、一実施形態によるシート材料からロッドを製造するための装置の斜視概略図を示す。
【
図2】
図2は、合流装置と一実施形態によるシート材料からロッドを製造するための装置の添加物分注パイプとの概略斜視図を示す。
【
図3】
図3は、二つの異なる実施形態による添加物分注パイプの概略斜視図を示す。
【
図4】
図4は、一実施形態によるシート材料からロッドを製造するための装置の合流装置の概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1は、一実施形態によるシート材料5からロッド3を製造するための装置1全体の概要を示す。シート材料5は、たばこ材料などの草本材料を含有することが好ましい。シート材料5は、例えば再構成たばこ材料を含んでもよい。シート材料は、キャストリーフ材料、具体的にはたばこキャストリーフ材料であってもよい。
【0073】
シート材料5は、搬送方向7に沿ってコンベア装置9によって搬送され、これは
図1に概略的に示されている。搬送方向7に沿って、シート材料5はまず、シート材料5を捲縮ローラー11の下流の合流装置13内でロッド3へと成形するのを容易にするために、シート材料5を捲縮する捲縮ローラー11に供給される。図示した実施形態において、コンベア装置9は、合流装置13の少なくとも部分的に下流に提供されていて、また合流装置13を通して搬送方向7に沿ってシート材料5を搬送するように構成されている。具体的に、コンベア装置9は、シート材料5を合流装置13を通して引いてもよい。
【0074】
図2は、合流装置13のより詳細な図を示す。合流装置13は漏斗形状であり、また形成空間17を画定する壁15を有する。シート材料5は、搬送方向7に沿って形成空間17を通して搬送される。搬送方向7に垂直な断面平面内の形成空間17の断面積は、搬送方向7に沿って減少する。シート材料5が搬送方向7に沿って合流装置13を通して搬送される時に、シート材料5は、合流装置13内部から合流装置13の壁15を係合し、それによってロッド3へと成形される。シート材料5をロッド3へと成形することは、シート材料5を折り畳む、曲げる、圧縮することのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0075】
図2に図示の通り、合流装置13、具体的には合流装置13の壁15が、搬送方向7の周りに円周方向に完全に閉じていることは必要でない。図示した実施形態において、合流装置13はその下側で開放している。好ましくは、支持体は、例えば搬送方向7に駆動されるガーニッシュベルトの形態で、合流装置13の下に提供されてもよく、シート材料5を支持してもよい。しかしながら、合流装置13が搬送方向7の周りに円周状に完全に閉まっていることも考えられることになる。
【0076】
図2に示す通り、パイプ19は、添加物21を合流装置13の内部に、具体的には形成空間17の中に供給するように提供されている。図示した実施形態において、パイプ19は、上方から合流装置13の壁15を通して形成空間17の中に入る。パイプ19は、合流装置13外部に提供された添加物貯蔵部23に接続されてもよい。ポンプ25は、添加物21を貯蔵部23からパイプ19の中にポンプ注入するために提供されてもよい。添加物23は、液体として供給されてもよい。添加物21は、シート材料5に添加される一つ以上の物質、例えば風味物質、具体的にはメントール、ニコチン、またはグリセリンなどを含んでもよい。
【0077】
パイプ19は、真っ直ぐな基部セクション27および真っ直ぐな端セクション29を備える。基部セクション27および端セクション29は、湾曲セクション31によって接続されている。端セクション29の遠端にて、添加物21を分注するための分注開口部33が提供されている。添加物21は、分注開口部33を通して液体として分注されることが好ましい。分注開口部33は、パイプ19の端面に提供されている。パイプ19の端セクション29は、搬送方向7と平行に延びる。それ故に、シート材料5は、パイプ19の端セクション29に沿って、かつ端セクション29と平行に搬送される。搬送方向7に沿った合流装置13の狭くなる直径に起因して、シート材料5は、パイプ19の端セクション29の外表面に対して圧縮される。パイプ19の端セクション29は、合流装置13の中で成形および圧縮される際のシート材料5が、パイプ19の端セクション29を円周方向に包囲するように位置付けられていることが好ましい。
【0078】
添加物21は、分注開口部33を通して連続的に分注されてもよい。シート材料5の特定のセクションが、搬送方向7に沿って分注開口部33を通る時、添加物21は、シート材料5の特定のセクション上に分注されてもよく、またシート材料5とともに携行されてもよい。
【0079】
図示した実施形態によると、パイプ19の内周面は円形断面を有する。合流装置13内のパイプ19の基部セクション27は外周面を有し、この外周面もまた、円形断面を有する。パイプ19の外側形状は、湾曲セクション31にて変化する。
【0080】
図3は、パイプ19の二つの代替バージョンを示し、これらは端セクション29および湾曲セクション31におけるそれらの外側形状に起因して互いに異なる。
図3のパートAに図示する実施形態は、
図2に示す実施形態に本質的に対応する。
図3のパートAの実施形態において、パイプ19の外周面は、パイプ19の端セクション29に沿って、かつパイプ19の湾曲セクション31の中に延びる三つの平坦な部分35を備える。平坦な部分35は、パイプ19の円周方向に沿って前後に配設されている。平坦な部分35はそれぞれ、端セクション29の一部であるパイプ19の自由端から、搬送方向7に対して、かつパイプ19の湾曲セクション31の中に延びる。
図3のパートAの実施形態において、平坦な部分35は、パイプ19の周囲に沿って相互に直接隣接している(共通の境界を共有する)。しかしながら、例えば隣接する平坦な部分35の間に追加的な湾曲した部分または平坦な部分を有することも考えられることになる。
図3のパートAの実施形態において、隣接する平坦な部分35の間の角度37は60度である。平坦な部分35は、例えば円筒状パイプの部分を除去することによって得られてもよい。
【0081】
図3のパートBに示す実施形態において、パイプ19の端セクション29の外周面は、
図3のパートAに示す三つの平坦な部分35と比較して、四つの平坦な部分35を有する。
図3のパートBに示す実施形態において、パイプ19の外周形状の湾曲部分は、パイプ19の円周方向に対して隣接する平坦な部分35の間に位置する。代替として、平坦な部分35は、パイプ19の円周方向に沿って相互に直接隣接することが可能である。
図3のパートBにおいて、二つの隣接する平坦な部分35の間の角度37は19度である。
図3のパートAの通り、
図3のパートBに示す平坦な部分35は、パイプ19の端セクション29全体を通して、かつパイプ19の湾曲セクション31の中に、搬送方向7に対して延びる。
【0082】
図3のパートAとパートBの両方において、平坦な部分35にて、パイプ19の直径は、基部セクション27でのパイプ19の直径と比較して減少されている。これは、シート材料5が合流装置19を通して搬送される時に、パイプ19の端セクション29がシート材料5に対してあまり障害にならないことにつながる。平坦な部分35に起因して、シート材料5は、パイプ19の端セクション29に沿って、より密接に圧縮されてもよい。平坦な部分35がパイプ19の湾曲セクション31の中に延びるため、シート材料5はパイプ19の周りで滑らかに分かれ、パイプ19の端セクション29に沿って移動してもよい。
【0083】
図3から分かる通り、パイプ19の端セクション29の壁厚さは、パイプ19の端セクション29の周囲の周りで様々である。端セクション29の壁は、円周方向で見た時、平坦な部分35の真ん中で比較的に薄くなり、また円周方向に対して平坦な部分35の端の近くで比較的に厚くなる。壁の比較的により厚い部分は、パイプ19の端セクション29に安定性を提供する。比較的に薄い壁セクションは、シート材料5が近い距離で分注開口部33を通ることを可能にする。
【0084】
パイプ19の端セクション29と基部セクション27との間に画定された角度39は、例えば140度~150度であってもよい。
【0085】
パイプ19の端セクション29は、ダイヤモンド様炭素コーティング(DLCコーティング)などの摩擦低減コーティングで完全にまたは部分的にコーティングされてもよい。
【0086】
図4は、パイプ19が合流装置13にどのように据え付けられてもよいかを図示する。図示した実施形態において、合流装置13は、搬送方向7に沿って前後に配設されている二つの部品41、43を備える。別の方法として、合流装置13は、一つの部品のみまたは三つ以上の部品を備えることが可能である。
図4は、合流装置13の壁15を通して合流装置13の外部に向かって延びるパイプ19の接続セクション45を示す。パイプ19の接続セクション45は、パイプ19をポンプ25および貯蔵部23と接続する流体ライン47と接続されるように構成されている。パイプ19内の添加物21を加熱するために、ヒーター49はパイプ19の接続セクション45にて提供されている。ヒーター49は、パイプ19の接続セクション45を介して合流装置13に取り付けられている。別の方法として、ヒーター49は、例えば合流装置13に直接接続されることが可能である。
【0087】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10パーセントとして理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】