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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】衛星信号伝播遅延変動補償
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/00 20090101AFI20231024BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20231024BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20231024BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20231024BHJP
【FI】
H04W36/00 110
H04W56/00 130
H04W84/06
H04W24/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521967
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 JP2021017339
(87)【国際公開番号】W WO2022153574
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/137,916
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/140,578
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/229,804
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】319010088
【氏名又は名称】楽天モバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド アウン
(72)【発明者】
【氏名】千葉 恒彦
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE07
5K067LL11
(57)【要約】
【解決手段】サービングセルおよび近傍セルの少なくともいずれかに対して端末との通信を提供する衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で端末に到達する旨の示唆を端末から受け取ることと、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で端末に到達するように、セル測定ウィンドウ仕様を定めるサービングセル、および、セル測定信号を送る近傍セルの間の伝播遅延における違いに基づいて、セル測定ウィンドウ仕様を変更することと、変更されたセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、によって衛星信号伝播遅延変動が補償されうる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービングセルおよび近傍セルの少なくともいずれかに対して端末との通信を提供する衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、
セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で端末に到達する旨の示唆を端末から受け取ることと、
セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で端末に到達するように、セル測定ウィンドウ仕様を定めるサービングセル、および、セル測定信号を送る近傍セルの間の伝播遅延における違いに基づいて、セル測定ウィンドウ仕様を変更することと、
変更されたセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、
を備えるオペレーションをコンピュータに実行させる、コンピュータによって実行可能な命令を含むコンピュータ読取可能媒体。
【請求項2】
セル測定ウィンドウ仕様を変更することは、周期性、持続期間、またはオフセットの少なくとも一つを変更することを含む、請求項1に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項3】
セル測定ウィンドウ仕様を変更することは、追加的な測定ウィンドウ仕様を指定することを含む、請求項1または2に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項4】
セル測定ウィンドウ仕様を変更することは、変更されたセル測定ウィンドウ仕様のスペクトル効率がスペクトル効率閾値を上回ったと判定することを含む、請求項1から3のいずれかに記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項5】
軌道データは、衛星の位置、衛星の速度、および衛星内の相対セル位置を含む、請求項1から4のいずれかに記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項6】
示唆は、伝播遅延における違いを表す遅延差分値を含む、請求項1から5のいずれかに記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項7】
オペレーションは、軌道データおよび端末の地理的な位置に基づいて伝播遅延における違いを判定することを含む、請求項6に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項8】
衛星は、端末および地上の位置を有するサービングセルまたは近傍セルの一方の間の通信を中継し、
伝播遅延における違いを判定することは、更に地上の位置に基づく、
請求項7に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項9】
オペレーションは、
端末から個々の測定ウィンドウ仕様を受け取ることと、
個々の測定ウィンドウ仕様に基づいて端末のための測定ギャップを提供することと、
を更に備える、
請求項1から8のいずれかに記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項10】
セルラーネットワークのサービングセルから衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を受け取ることと、
サービングセルおよび近傍セルの間の伝播遅延における違いに基づいて、近傍セルから送られるセル測定信号が、セル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で受け取られるか否かを判定することと、
セル測定ウィンドウ仕様によって定められるウィンドウの外でセル測定信号が受け取られる旨の示唆をサービングセルに対して送ることと、
を備えるオペレーションをコンピュータに実行させる、コンピュータによって実行可能な命令を含むコンピュータ読取可能媒体。
【請求項11】
オペレーションは、
変更されたセル測定ウィンドウ仕様を受け取ることと、
衛星から送られるセル測定信号が、変更されたセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で受け取られないと判定することと、
セル測定信号の到達時間に基づいて個々のセル測定ウィンドウ仕様を構成することと、
個々のセル測定ウィンドウ仕様をサービングセルに対して送ることと、
を更に備える、
請求項10に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項12】
軌道データは、衛星の位置、衛星の速度、および衛星内の相対セル位置を含む、請求項10または11に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項13】
オペレーションは、軌道データおよびセル測定信号を受け取る端末の地理的な位置に基づいて、伝播遅延における違いを判定することを更に備える、請求項12に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項14】
衛星は、端末および地上の位置を有するサービングセルまたは近傍セルの一方の間の通信を中継し、
伝播遅延における違いを判定することは、更に地上の位置に基づく、
請求項13に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項15】
オペレーションは、
遅延差分閾値を受け取ることと、
伝播遅延における違いが遅延差分閾値より大きいか否かを判定することと、
を更に備え、
示唆をサービングセルに対して送ることは、伝播遅延が遅延差分閾値より大きいと判定したことに応じる、
請求項13または14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項16】
サービングセルおよび近傍セルの少なくともいずれかに対して端末との通信を提供する衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、
セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で端末に到達する旨の示唆を端末から受け取ることと、
衛星から送られるセル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で端末に到達するように、セル測定ウィンドウ仕様を定めるサービングセル、および、セル測定信号を送る近傍セルの間の伝播遅延における違いに基づいて、セル測定ウィンドウ仕様を変更することと、
変更されたセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、
を実行するように構成される回路を含むコントローラを備える装置。
【請求項17】
回路は、更に、周期性、持続期間、またはオフセットの少なくとも一つを変更するために、セル測定ウィンドウ仕様を変更するように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
回路は、更に、追加的な測定ウィンドウ仕様を指定するように構成される、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
回路は、更に、変更されたセル測定ウィンドウ仕様のスペクトル効率がスペクトル効率閾値を上回ったと判定するように構成される、請求項16から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
軌道データは、衛星の位置、衛星の速度、および衛星内の相対セル位置を含む、請求項16から19のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
端末がネットワークのサービングセルに接続されている間、端末が近傍セル測定信号についての測定を実行できる時間のウィンドウが端末に提供される。いくつかの近傍セルは、通信のために衛星を利用してもよい。
【0002】
衛星の移動のために、端末に対して送られる測定信号を含む信号の伝播遅延が常に変化する。このような遅延は、与えられた端末についても、衛星の移動に伴って経時的に変化しうる。この移動のために、測定信号タイミングもドリフトする。
【0003】
端末が近傍セルについての測定を実行できない場合、端末は近傍セル測定結果をレポートできず、または、ハンドオーバー条件評価を実行できず、ハンドオーバーパフォーマンスに影響を及ぼす恐れがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1Aおよび図1Bは、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動補償のためのシステムの模式図である。
【0005】
図2Aおよび図2Bは、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。
【0006】
図3は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を検出するためのオペレーションフローである。
【0007】
図4は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動をレポートするためのオペレーションフローである。
【0008】
図5は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を補償するためのオペレーションフローである。
【0009】
図6は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る持続期間を変更した測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。
【0010】
図7は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係るオフセットを変更した測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。
【0011】
図8は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る周期性を変更した測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。
【0012】
図9は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る初期に構成された測定ウィンドウ、追加的な測定ウィンドウ、および測定信号の間の相対タイミングを示す図である。
【0013】
図10は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を更に補償するためのオペレーションフローである。
【0014】
図11は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を補償するための更なるオペレーションフローである。
【0015】
図12は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動補償のためのサービングセルの例示的なハードウェア構成のブロック図である。
【0016】
図13は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動補償のための端末の例示的なハードウェア構成のブロック図である。
【0017】
図14図30は、本出願が優先権を主張する米国仮特許出願番号63/140,578からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施形態または例を提供する。コンポーネント、値、オペレーション、材料、配置等の具体例は、本開示を単純化するために後述される。これらはもちろん単なる例であり、限定する趣旨ではない。他のコンポーネント、値、オペレーション、材料、配置等も考えられる。加えて、本開示は、各種の例において、参照番号および/または文字を繰り返してもよい。この繰返しは、平易性および明確性の目的のためであり、それ自体が議論される各種の実施形態および/または構成の間の関係を規定するものではない。
【0019】
サービングセルから近傍セルへの端末のハンドオーバー中、近傍セルに適切に同期および接続するために端末は測定を実行できる。サービングセルおよび近傍セルが異なるキャリア周波数で動作する場合等のいくつかの実施形態では、端末はサービングセルとの通信と近傍セルとの同期および接続を同時に行えない。そこで、5G NR等のいくつかの無線技術では、近傍セルに同期および接続するために、端末が近傍セルと適切な測定を実行することを可能にする測定ギャップがネットワークによって提供される。5G NR等のいくつかの実施形態では、測定ギャップ中に端末が近傍セルの同期信号ブロック(SSB: Synchronization Signal Block)についての測定を実行する。いくつかの実施形態では、SSBに基づく無線リソースマネジメント(RRM: Radio Resource Management)測定時間構成(SMTC: SSB-based RRS Measurement Time Configuration)プロトコルを使用して、ネットワークが近傍セルSSBのタイミングを提供する。
【0020】
端末がサービングセルに接続されている間、端末が近傍セルSSBについての測定を実行できる時間のウィンドウを定めるSMTC仕様が、ネットワークによって端末に提供される。SMTC仕様は、ウィンドウの周期性、オフセット、および持続期間を含み、サービングセル(プライマリセル(PCell)とも表される)のタイミングに基づく。SMTCウィンドウ周期性(測定ギャップ繰返し周期(MGRP: Measurement Gap Repetition Period)とも表される)は、例えば、5、10、20、40、80、または160msであり、SMTCウィンドウ持続期間は、例えば、1、2、3、4、または5msである。サービングセルは、測定ギャップ中に端末との通信をスケジューリングしない。端末が近傍セルSSBの強度および質を測定できるように、ネットワークは近傍セルからのSSBが測定ギャップ中に送られることを担保する。いくつかの実施形態では、標準化された間隔で端末が近傍セル測定結果を生成する。
【0021】
地球低軌道(LEO: Low Earth Orbit)非地上ネットワーク(NTN: Non-Terrestrial Network)のシナリオでは、衛星セルの移動のために、近傍衛星セルSSBが端末に到達する伝播遅延が常に変化する。遅延は、地上の端末の相対位置に基づいて異なる。近傍衛星セル遅延は、衛星セルの移動に伴って、端末についても経時的に変化する。この移動のために、端末によって測定される近傍衛星セルSSBタイミングもドリフトする。端末も移動するが、地上の端末移動の影響は衛星のスピードと比べて無視できる。
【0022】
NTNシナリオでは、端末がサービング衛星セルおよび近傍衛星セルの間の異なる伝播遅延に接する。いくつかの状況では、SMTCウィンドウ構成およびSSB受信時間が、異なる位置での衛星のセルの間等の異なる衛星セルについて異なる。測定ギャップのサイズを小さくすることは、近傍セルの測定ではなく、サービングセルとの通信により多くの時間が割かれることを可能にする。しかし、小さい測定ギャップサイズのために、異なる周波数または同じ周波数の近傍セルについて、無線リソースマネジメント(RRM)測定のための近傍衛星セルのSSBを端末で取得できないリスクが高くなる。SMTCウィンドウ持続期間は大きくても5msであり、近傍衛星セルのSSBのSMTCウィンドウにおける初期位置によっては、静的に構成されたSMTCウィンドウは伝播遅延におけるより大きい変動に対応できない。端末は構成されたSMTCウィンドウ外でSSBを監視することを要求されないため、近傍衛星セルの測定は、現在のSMTC構成オプションではチャレンジングである。
【0023】
伝播遅延における変動は、同じ高度で飛行するLEO衛星の間のハンドオーバーについて存在し、異なる高度で飛行するLEO衛星の間のハンドオーバーについて顕著であり、LEO衛星および地球静止軌道(GEO: Geostationary Earth Orbit)衛星の間のハンドオーバーについて更に顕著である。更に、位置における違いのために、同じ衛星の間で同じ時間周期に亘って、各端末は伝播遅延における異なる変動に接する。以下のR2-2010795において記述されているように、SMTCウィンドウはサービングおよび近傍セル/衛星の間の遅延変動についていく必要があるため、SMTCウィンドウはNTNシステムについて改良されるべきである。
「TNシステムの通常の場合、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号は、サービングセルを介して構成された対応するSMTCウィンドウ内で常に検出可能である。構成された対応するSMTCウィンドウ外で、UEがSSBバースト信号を測定する必要はない。しかし、NTNシステムについては、分析の結果、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号が、サービング衛星を介して構成された対応するSMTCウィンドウ外になる可能性がある。UEがサービングおよび近傍衛星の間の伝播遅延の違いを取得する能力を有する場合、SSBバースト信号が構成された対応するSMTCウィンドウ外になったとしても、UEは依然として近傍セルによって生成される実際のSSBバースト信号をいつ検出すべきかを認識できる。RAN2がNTNについてのSMTC構成の改良を欲しない場合、構成された対応するSMTCウィンドウ外であっても、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号を探索することがUEに許容されるべきである。」
サービングセルによって確立されるSSB測定のためのSMTCウィンドウは、全ての接続された端末についての全ての可能性があるSSB遅延を考慮しようとすべきである。
【0024】
図1Aおよび図1Bは、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動補償のためのシステムの模式図である。図1Aは、先の時間でのシステムを示し、図1Bは、後の時間でのシステムを示す。
【0025】
図1Aおよび図1Bでは、LEOで飛行する衛星120Aが、現在、端末100のサービングセルであるNTNゲートウェイ110Aのための通信を提供しており、衛星120Aより高い高度のLEOで飛行する衛星120Bが、潜在的なターゲット近傍セルであるNTNゲートウェイ110Bのための通信を提供している。このシナリオでは、衛星120Aが軌道122Aに沿って端末100から離れるように移動しており、異なる軌道122B上の衛星120Bが端末100に向かって移動している。衛星120Aおよび端末100の間の伝播遅延は、dSAT1-UE(t)(すなわち、時間tの関数)と表され、衛星120Bおよび端末100の間の遅延は、dSAT2-UE(t)と表される。いくつかの実施形態では、衛星120Aおよび衛星120BがNRプロトコルをサポートせず、代わりに地上のゲートウェイであるNTNゲートウェイ110AおよびNTNゲートウェイ110Bからのそれぞれの信号を単純に中継する。このような衛星は、いくつかの例において「トランスペアレント」(透明)と表される。トランスペアレントな衛星を有するいくつかの実施形態では、いくつかの実施形態ではNTNゲートウェイ110AおよびNTNゲートウェイ110Bであるゲートウェイセルの相対位置にも伝播遅延が依存する。いくつかの実施形態では、衛星120Aがセルラーネットワークのサービングセルを含み、衛星120Bがセルラーネットワークの近傍セルを含む。これらは、両方とも完全にNRプロトコルをサポートし、衛星セルとして機能する。衛星120Aは、接続されたNTNゲートウェイ110Aに向かって移動しており、衛星120Bは、接続されたNTNゲートウェイ110Bに向かって移動している。図1Aは、第1時間t1での衛星の相対位置を示し、図1Bは、第2時間t2での衛星の相対位置を示す。図1Bは、時間t2において、衛星120Aが距離124Aだけ位置を変え、衛星Bが距離124Bだけ位置を変えたことを示す。衛星およびゲートウェイの間のそれぞれの伝播遅延は、dSAT1-GW1(t)およびdSAT1-GW2(t)である。
【0026】
衛星の移動のために、伝播遅延は時間と共に変動する。表1は、衛星120Aが600kmの高度で飛行しており、衛星120Bが1500kmの高度で飛行しており、衛星120Aおよび衛星120Bの両方がトランスペアレントである一実施形態における、衛星セルおよび地上のオブジェクトの間の推定された仰角に基づく数値例を提供する。
【表1】
表1:トランスペアレントな衛星を通じた端末-ゲートウェイ通信の伝播遅延変動
【0027】
端末100のタイミングは、サービングセル(図1Aおよび図1Bにおける衛星120Aを通じて通信するNTNゲートウェイ110)に基づく。このため、端末100は、衛星120BからのSSBのドリフトに接する。
【0028】
図1および表1に示される幾何学的配置に基づいて、NTNゲートウェイ110Aおよび端末100の間の総伝播遅延は約5.1msから約6.1msまで変化し、NTNゲートウェイ110Bおよび端末100の間の総伝播遅延は約13.4msから約10.6msまで減少する。このように、端末100によって観測される、衛星120Aを通じた接続および衛星120Bを通じた接続の間の総伝播遅延における違いは、t1での8.3msからt2での5.5msまで変化する。このように、NTNゲートウェイ110Aによって確立された構成に従ったSMTCウィンドウ内でt1に到達するように調整されたNTNゲートウェイ110BからのSSBは、実際にはt2でSMTCウィンドウ外になってしまう。
【0029】
図2Aおよび図2Bは、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。図2Aは、図1Aにおけるt1等の先の時間での相対タイミングを示し、図2Bは、図1Bにおけるt2等の後の時間での相対タイミングを示す。
【0030】
図2Aは、測定ウィンドウおよび測定信号が調整された時に意図されたタイムライン236を示す。調整の結果、測定ウィンドウ230Aは時間232Aに開き、時間238Aに送られた測定信号237Aは、測定ウィンドウ230Aが閉じる前に受け取られる。同様に、測定ウィンドウ230Bは時間232Bに開き、時間238Bに送られた測定信号237Bは、測定ウィンドウ230Bが閉じる前に受け取られる。
【0031】
図2Bは、図1Aおよび図1Bに示される衛星軌道によってもたらされる伝播遅延における変化のための結果としてのタイムライン236を示す。NTNゲートウェイ110A(サービングセル)および端末100の間の総伝播遅延が約5.1msから約6.1msまで変化するため、測定ウィンドウ230Aは1msの遅延233A後の時間232Aに始まる。NTNゲートウェイ110B(近傍セル)および端末100の間の総伝播遅延が約13.4msから約10.6msまで変化するため、測定信号237Aは2.8msの前倒し239Aによって時間238Aに始まる。これは、測定ウィンドウ230Aの外で端末100に到達する測定信号237Aをもたらす。補償されない限り、端末100は測定信号237Aを受け取れない。測定ウィンドウ230Bおよび測定信号237Bにも、実質的に同様の影響が及ぼされる。
【0032】
図3は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を検出するためのオペレーションフローである。いくつかの実施形態では、オペレーションフローが、端末と通信中のサービングセルによって衛星信号伝播遅延変動を検出する方法を提供する。いくつかの実施形態では、端末と通信中のサービングセルの検出セクションまたはそのサブセクションによって、オペレーションが実行される。
【0033】
S340では、検出セクションまたはそのサブセクションが、衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送る。複数の端末がサービングセルに接続されている場合、検出セクションは、軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を全ての接続されている端末に対して送る。サービングセルおよび近傍セルのうちの複数が端末と通信するために衛星を使用している図1Aおよび図1Bのような状況では、各衛星の軌道データが端末に対して送られる。
【0034】
いくつかの実施形態では、セル測定ウィンドウ仕様が、周期性、持続期間、およびオフセットを含む。セル測定がSMTCプロトコルに従って実行されるいくつかの実施形態では、サービングセルが、近傍セルがセル測定信号を送るセル測定ウィンドウ仕様を定める。これらの実施形態では、セル測定ウィンドウ仕様が、周期性mgrp、ギャップ持続期間mgl、ギャップタイミングアドバンスmgta、およびオフセットgapOffsetを含む。これらの実施形態では、測定ウィンドウがいずれかの側に非伝送時間が設けられるギャップ内の時間フレームであるため、ギャップ持続期間mglは測定ウィンドウの持続期間を効果的に設定する。また、SMTCプロトコルの実施形態では、オフセットgapOffsetが、周期性mgrpより小さい「0」倍から「1」倍までの範囲内にある。例えば、mgrpが「80」である場合、gapOffsetの範囲は「0」から「79」までである。SMTCプロトコルおよび他の実施形態では、MeasConfigの一部としての無線リソースコントロール(RRC)シグナリングを通じて、セル測定ウィンドウ仕様が送られる。
【0035】
いくつかの実施形態では、軌道データが、衛星位置、衛星速度、および参照位置を表す。衛星がトランスペアレントであるいくつかの実施形態では、軌道データが更にゲートウェイ位置を表す。いくつかの実施形態では、軌道データもRRCシグナリングを通じて送られる。これらのおよびいくつかの他の実施形態では、軌道データにおける各値の範囲および解像度が、スペクトル効率および精度に影響を及ぼしうる。いくつかの実施形態では、衛星位置が±50,000kmの範囲および0.4mの解像度を有する84ビットを利用する三つの座標値であり、衛星速度が±8km/sの範囲および0.015km/sの解像度を有する60ビットを利用する三つのスカラ値であり、参照位置が±6500kmの範囲および0.4mの解像度を有する75ビットを利用する三つの座標値である。SMTCプロトコルおよび他の実施形態では、MeasObjectNRの一部としての無線リソースコントロール(RRC)シグナリングを通じて、軌道データが送られる。
【0036】
いくつかの実施形態では、検出セクションが、更に、一または複数のレポート条件を送る。いくつかの実施形態では、レポート条件が、遅延レポート周期性、遅延差閾値、およびギャップシーケンス値を含む。いくつかの実施形態では、遅延レポート周期性が測定ウィンドウ周期性より有意に大きい(例えば、1000ms超)。いくつかの実施形態では、端末がレポートを送るか否か、または、レポートに示唆を含めるか否かを判定するために、遅延差閾値を使用できる。いくつかの実施形態では、遅延差が1msから1000msの間のより高い閾値を上回るとアラートが出され、遅延差が1msから1000msの間のより低い閾値を下回るまでアラートがアクティブとなるように、二つの遅延差閾値が使用される。より高い活性化閾値およびより低い非活性化閾値を有することは、フォルスポジティブおよびフォルスネガティブを減らすことに繋がる。いくつかの実施形態では、ギャップシーケンスが、どの近傍セルが同じギャップ周期または測定ウィンドウ内のどのギャップ中で送るかを判定する。端末がより多くの分析を実行するいくつかの実施形態では、測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で端末に到達する旨の端末による判定がレポート条件である。いくつかの実施形態では、検出セクションが、いかなる場合でもレポートを送るように端末に指示する。SMTCプロトコルおよび他の実施形態では、MeasObjectNRの一部としての無線リソースコントロール(RRC)シグナリングを通じて、レポート条件が送られる。
【0037】
S342では、検出セクションまたはそのサブセクションが、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で端末に到達する旨の示唆を端末から受け取る。いくつかの実施形態では、示唆がRRCシグナリングを通じて受け取られる。いくつかの実施形態では、示唆が、示唆を送った端末によって検知された測定ウィンドウおよび測定信号の間のオフセットを表す情報、示唆を送った端末によって検知された測定ウィンドウおよび測定信号の間のオフセットをサービングセルが判定することを可能にする情報、または適切な補償を判定するためにサービングセルによって使用されうる任意の他の情報を含む。いくつかの実施形態では、示唆が、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で端末に到達する旨の確認を含む。いくつかの実施形態では、示唆が、セルラーネットワークのサービングセルおよび近傍セルの間の伝播遅延における違いを表す遅延差分値を含む。近傍セルのうちの複数が端末と通信するために衛星を使用している状況では、端末から複数の示唆が受け取られてもよい。複数の端末がサービングセルに接続されている場合、検出セクションは、接続されている各端末から一または複数の示唆を受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、示唆が、端末の地理的な位置を含み、これらの実施形態のいくつかでは他の情報がない。
【0038】
S344では、検出セクションまたはそのサブセクションが、測定ウィンドウ仕様および軌道データの伝送に応じて、全ての示唆が受け取られたか否かを判定する。いくつかの実施形態では、検出セクションが、端末が示唆を送らなければならない時間制限または考慮される全ての示唆が受け取られた旨を判定するための他の基準を参照する。いくつかの実施形態では、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で端末に到達するか否かに関わらず端末が示唆を送り、示唆が接続されている各端末から受け取られるまで検出セクションが待つ。検出セクションが基準に従って全ての示唆が受け取られたと判定した場合、オペレーションフローはS346に進んで検出プロセスを続ける。基準が満たされなかったと検出セクションが判定した場合、オペレーションフローはS342に戻って更なる示唆を受け取る。
【0039】
S346では、検出セクションまたはそのサブセクションが、接続されている端末によって検知される測定ウィンドウおよび任意の近傍セルの測定信号の間の相対タイミングを判定する。いくつかの実施形態では、接続されている端末が、S342で受け取られる示唆において直接的に相対タイミングを提供する。いくつかの実施形態では、検出セクションが、S342で受け取られる示唆において端末によって提供される他の情報に基づいて、重複が存在するか否かを判定する。S342で受け取られる示唆が端末の地理的な位置を含むいくつかの実施形態では、検出セクションが、各近傍セルに対する各端末についての判定を行うために必要な全ての演算を実行する。検出セクションが、全ての受け取られた示唆の端末によって検知された全ての測定信号が測定ウィンドウ内で受け取られると判定した場合、補償のための更なるオペレーションなしでオペレーションフローは終わる。検出セクションが、測定信号が接続されている端末の測定ウィンドウ外で受け取られると判定した場合、オペレーションフローはS360に進んで補償を実行する。いくつかの実施形態では、S346での決定が、単一測定信号が測定ウィンドウの外で単一端末に到達するか否かに基づかず、代わりに、端末、近傍ステーション、いくつかの重み付けされた要素基準等の閾値量に基づく。
【0040】
S360では、サービングセルの補償セクションが、S340で送られた測定ウィンドウ仕様によって定められる測定ウィンドウの外で端末に到達する測定信号を補償する。いくつかの実施形態では、補償セクションまたはそのサブセクションが、衛星から送られるセル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で端末に到達するように、セル測定ウィンドウ仕様を変更する。S360での補償オペレーションのいくつかの実施形態が、図5に関してより詳細に記述される。
【0041】
図4は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動をレポートするためのオペレーションフローである。いくつかの実施形態では、オペレーションフローが、サービングセルに接続されている端末によって衛星信号伝播遅延変動をレポートする方法を提供する。いくつかの実施形態では、端末のレポートセクションまたはそのサブセクションによって、オペレーションが実行される。
【0042】
S450では、レポートセクションまたはそのサブセクションが、セルラーネットワークのサービングセルから、衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を受け取る。衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様は、図3のS340に関して記述されたものと実質的に同様である。いくつかの実施形態では、レポートセクションが、更に、図3のS340に関して記述されたレポート条件等のレポート条件、または、いかなる場合でもレポートを送らせる命令を受け取る。
【0043】
S452では、レポートセクションまたはそのサブセクションが、各近傍セルの伝播遅延を判定する。いくつかの実施形態では、レポートセクションが、軌道データおよび端末の地理的な位置に基づいて、セルラーネットワークのサービングセルおよび近傍セルの間の伝播遅延における違いを判定する。いくつかの実施形態では、判定セクションが、端末内のグローバルポジショニングシステム(GPS)チップ、直接ユーザ入力、またはセルラーネットワークを使用しない他の手法から地理的な位置を取得する。このように、レポートセクションは、端末の地理的な位置をセルラーネットワークに対して提供することなく、または、セルラーネットワークに端末の地理的な位置を取得することを可能にすることなく、判定を行う。いくつかの実施形態では、レポートセクションは、伝播遅延における違いに基づくレポート条件に応じたもの等の伝播遅延における違い以外の判定を行わない。いくつかの実施形態では、測定信号が端末に到達する時間で伝播遅延が異なる可能性を有するため、レポートセクションは伝播遅延変動もレポートする。いくつかの実施形態では、サービングセルが、端末と衛星を通じて通信する非地上ゲートウェイである。これらの実施形態のいくつかでは、レポートセクションが、更に非地上ゲートウェイの地理的な位置に基づいて、伝播遅延における違いを判定する。
【0044】
いくつかの実施形態では、レポートセクションが、例えば、このような判定に基づくレポート条件に応じて、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で到達するか否かを更に判定するために、伝播遅延を使用する。いくつかの状況では、レポートセクションが、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で到達することを判定する。
【0045】
S454では、レポートセクションまたはそのサブセクションが、レポート条件が満たされたか否かを判定する。いくつかの実施形態では、レポートセクションが、セル測定ウィンドウ仕様および軌道データと共にサービングセルから受け取られるレポート条件またはレポート命令を参照する。いくつかの実施形態では、レポートセクションが、内部レポート条件を参照する。レポート条件が遅延差閾値であるいくつかの実施形態では、レポートセクションが、各近傍セルについて、近傍セルおよびサービングセルの間の伝播遅延の違いが遅延差閾値を超えるか否かを判定する。レポートセクションが、レポート条件が満たされたと判定した場合、オペレーションフローはS456に進んでレポートを送る。レポートセクションが、レポート条件が満たされなかったと判定した場合、オペレーションフローはレポートを送らずに終わる。
【0046】
S456では、レポートセクションまたはそのサブセクションが、レポートをサービングセルに対して送る。いくつかの実施形態では、レポートがRRCシグナリングを通じて送られる。いくつかの実施形態では、レポートセクションが、レポートにおいて、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められるウィンドウの外で受け取られる旨の示唆をサービングセルに対して送る。いくつかの実施形態では、レポートが、近傍セルおよびサービングセルの間の伝播遅延の違いが遅延差閾値を超える旨の示唆を含む。いくつかの実施形態では、レポートが、サービングセルがいかなる場合でもレポートを送るように端末に指示する場合等にレポート条件が満たされなかったことを示唆する。
【0047】
図5は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を補償するためのオペレーションフローである。いくつかの実施形態では、オペレーションフローが、サービングセルによって衛星信号伝播遅延変動を補償する方法を提供する。いくつかの実施形態では、サービングセルの補償セクションまたはそのサブセクションによって、オペレーションが実行される。
【0048】
S562では、補償セクションまたはそのサブセクションが、セル測定ウィンドウ仕様を変更する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、周期性、持続期間、およびオフセットの少なくとも一つを変更する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、周期性、持続期間、およびオフセットを有する追加的な測定ウィンドウ等の追加的な測定ウィンドウ仕様を指定する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、全ての近傍セルからの少なくとも一つの測定信号を、測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で全ての接続されている端末に到達させる変更を決定する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、近傍セルの大部分からの少なくとも一つの測定信号を、測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で接続されている端末の大部分に到達させる変更を決定する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、各近傍セル、各通信チャネル、または各周波数帯について別の変更を決定する。
【0049】
S564では、補償セクションまたはそのサブセクションが、S562で変更されたセル測定ウィンドウ仕様のスペクトル効率を判定する。いくつかの実施形態では、スペクトル効率が、ネットワーク通信の確立および維持に関する目的のために端末が消費する帯域幅の量の測定結果である。近傍セルがサービングセルと異なる周波数上で通信するいくつかの実施形態では、これが測定信号の受信待ち時間等のネットワーク通信の確立および維持に要した時間の量に直接的に関する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、各近傍セル、各通信チャネル、または各周波数帯について別のスペクトル効率を判定する。
【0050】
S566では、補償セクションまたはそのサブセクションが、スペクトル効率が許容可能か否かを判定する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、スペクトル効率をスペクトル効率閾値と比較することによって、S564で変更されたセル測定ウィンドウ仕様のスペクトル効率が許容可能か否かを判定する。補償セクションがS564で変更されたセル測定ウィンドウ仕様のスペクトル効率が許容可能と判定した場合、オペレーションフローは、S568での変更された測定ウィンドウ仕様の伝送に進む。補償セクションがS564で変更されたセル測定ウィンドウ仕様のスペクトル効率が許容可能でないと判定した場合、オペレーションフローは、S562での測定ウィンドウ仕様の更なる変更に進む。
【0051】
S562、S564、およびS566の反復が進むにつれて、許容可能なスペクトル効率が実現されるまで異なる変更が試される。スペクトル効率がスペクトル効率閾値と比較されるいくつかの実施形態では、セル測定ウィンドウ仕様を変更することが、変更されたセル測定ウィンドウ仕様のスペクトル効率がスペクトル効率閾値を上回ると判定することを含む。いくつかの実施形態では、最大のスペクトル効率を有する変更を決定するために、アルゴリズムまたは数式が使用される。いくつかの実施形態では、スペクトル効率を測定信号の受信とバランスさせるセル測定ウィンドウ仕様の変更を決定するために、アルゴリズムまたは数式が使用される。例えば、全ての近傍セルからの少なくとも一つの測定信号を、全ての接続されている端末に到達させる変更は、特に、多くの接続されている端末が存在する状況において、スペクトル効率を著しく低減する。
【0052】
S568では、補償セクションまたはそのサブセクションが、S562で変更されたセル測定ウィンドウ仕様を、接続されている端末に対して送る。いくつかの実施形態では、変更されたセル測定ウィンドウ仕様がRRCシグナリングを通じて送られる。いくつかの実施形態では、変更されたセル測定ウィンドウ仕様が、図3のS340で送られるものと実質的に同様であるが、軌道データおよびレポート条件を伴わない。いくつかの実施形態では、変更されたセル測定ウィンドウ仕様が、各近傍セル、各通信チャネル、または各周波数帯についての別の変更を含む。
【0053】
図6は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る持続期間を変更した測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。タイムライン636は、図1Bにおけるt2等の後の時間での相対タイミングを含む。図2Bに関する記述と同様に、NTNゲートウェイ110A(サービングセル)および端末100の間の総伝播遅延が約5.1msから約6.1msまで変化するため、測定ウィンドウ630Aは1msの遅延633A後の時間632Aに始まる。NTNゲートウェイ110B(近傍セル)および端末100の間の総伝播遅延が約13.4msから約10.6msまで変化するため、測定信号637Aは2.8msの前倒し639Aによって時間638Aに始まる。しかし、測定ウィンドウ630Aの外で端末100に到達する測定信号637Aの代わりに、より長い持続期間を有するようにセル測定ウィンドウ仕様がサービングセルによって変更されている。この変更のために、測定ウィンドウ630Aは依然として時間632Aに始まるが、測定信号637Bが端末100に到達する時間638Bを含むのに十分に長く開いている。
【0054】
いくつかの実施形態では、端末から見て、測定信号が前倒しされ、測定ウィンドウが遅延される。測定ウィンドウの持続期間における増加によって、後続の測定信号が測定ウィンドウ内に来る。このような場合、測定信号の前倒しおよび測定ウィンドウの遅延の合計が周期性の半分より大きくない限り、後続の測定信号を捉えるために使用される持続期間における増加は、スペクトル効率を50%以下に低減する。換言すれば、端末は、ネットワーク接続を維持するためだけに、接続時間または帯域幅の半分以上を消費する。50%以下のスペクトル効率は、多くの実施形態において許容可能でない可能性があり、持続期間を増加させるためにセル測定ウィンドウ仕様を変更することは、他の状況における許容可能なスペクトル効率をもたらす、より高い可能性を有する。例えば、端末から見て測定信号が遅延されて測定ウィンドウが前倒しされるいくつかの実施形態では、持続期間を増加させるためのセル測定ウィンドウ仕様の変更が、許容可能なスペクトル効率をもたらす、より高い可能性を有する。
【0055】
図7は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係るオフセットを変更した測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。タイムライン736は、図1Bにおけるt2等の後の時間での相対タイミングを含む。図2Bに関する記述と同様に、NTNゲートウェイ110B(近傍セル)および端末100の間の総伝播遅延が約13.4msから約10.6msまで変化するため、測定信号737Aは2.8msの前倒し739Aによって時間738Aに始まる。NTNゲートウェイ110A(サービングセル)および端末100の間の総伝播遅延は、約5.1msから約6.1msまで変化する。しかし、修正によって、オフセット731Aがセル測定ウィンドウ仕様中に導入されている。結果として、測定ウィンドウ730Aは時間732Aからオフセット731A後に始まるため、測定信号737Bが端末100に到達する時間738Bを測定ウィンドウ730Aが含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、端末から見て、測定信号が前倒しされ、測定ウィンドウが遅延される。零から正の値へのオフセットの実質的な増加でもある測定ウィンドウのオフセットの導入によって、後続の測定信号が測定ウィンドウ内に来る。測定ウィンドウの持続期間および周期性が一定であり、他のウィンドウが導入されないため、スペクトル効率も一定である。換言すれば、端末は、オフセットが導入される前より多くの接続時間または帯域幅を、ネットワーク接続を維持するためだけに消費しない。セル測定ウィンドウ仕様の変更後の不変のスペクトル効率は、低下したスペクトル効率より許容可能である、より高い可能性を有する。しかし、多くの近傍セルが衛星を介して通信するサービングセルに多くの端末が接続されているいくつかの実施形態では、異なる接続されている端末から見た測定信号および測定ウィンドウの間の相対タイミングが、異なる方向に異なる量で前倒しおよび遅延される。従って、オフセットを導入または増加させるためのセル測定ウィンドウ仕様における変更は、多くの端末、多くの衛星、または両方を伴う実施形態において、接続されている端末に到達する少なくとも一つの測定信号を送る近傍セルの量を著しく増加させる、より低い可能性を有する。
【0057】
図8は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る周期性を変更した測定ウィンドウおよび測定信号の間の相対タイミングを示す図である。タイムライン836は、図1Bにおけるt2等の後の時間での相対タイミングを含む。図2Bに関する記述と同様、NTNゲートウェイ110A(サービングセル)および端末100の間の総伝播遅延が約5.1msから約6.1msまで変化するため、測定ウィンドウ830Aは1msの遅延833A後の時間832Aに始まる。NTNゲートウェイ110B(近傍セル)および端末100の間の総伝播遅延が約13.4msから約10.6msまで変化するため、測定信号837Aは2.8msの前倒し839Aによって時間838Aに始まる。しかし、ある測定ウィンドウ外で端末100に到達する測定信号837Aの代わりに、より短い周期性を有するようにセル測定ウィンドウ仕様がサービングセルによって変更されている。この変更のために、測定ウィンドウ830Aは依然として時間832Aに始まり、測定信号837Bが端末100に到達する前に終わるが、周期性における減少によって、測定信号837Bが端末100に到達する時に他の測定ウィンドウ834Bが開いている。
【0058】
いくつかの実施形態では、端末から見て、測定信号が前倒しされ、測定ウィンドウが遅延される。時間に関する測定ウィンドウの割合における実質的な増加である測定ウィンドウの周期性における減少によって、接続されている端末が測定信号を待つためにより多くの時間を消費するためスペクトル効率が低下する。しかし、多くの近傍セルが衛星を介して通信するサービングセルに多くの端末が接続されているいくつかの実施形態では、測定ウィンドウの割合を二倍にするためのセル測定ウィンドウ仕様の変更が、接続されている端末の測定信号待ちに消費される時間の量を増加させない変更より、接続されている端末に到達する少なくとも一つの測定信号を送る近傍セルの量を著しく増加させる、より高い可能性を有する。
【0059】
図9は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る初期に構成された測定ウィンドウ、追加的な測定ウィンドウ、および測定信号の間の相対タイミングを示す図である。タイムライン936は、図1Bにおけるt2等の後の時間での相対タイミングを含む。図2Bに関する記述と同様、NTNゲートウェイ110A(サービングセル)および端末100の間の総伝播遅延が約5.1msから約6.1msまで変化するため、測定ウィンドウ930Aは1msの遅延933A後の時間932Aに始まる。NTNゲートウェイ110B(近傍セル)および端末100の間の総伝播遅延が約13.4msから約10.6msまで変化するため、測定信号937Aは2.8msの前倒し939Aによって時間938Aに始まる。しかし、ある測定ウィンドウの外で端末100に到達する測定信号937Aの代わりに、追加的な測定ウィンドウ仕様を有するようにセル測定ウィンドウ仕様がサービングセルによって変更されている。いくつかの実施形態では、追加的なウィンドウ測定仕様が、初期のウィンドウ測定仕様の周期性、持続期間、およびオフセットに加えて、異なる値を有する周期性、持続期間、およびオフセットを含む。この変更のために、測定ウィンドウ930Aは依然として時間932Aに始まり、測定信号937Bが端末100に到達する前に終わるが、追加的なウィンドウ測定仕様によって、測定信号937Bが端末100に到達する時に他の測定ウィンドウ935が開いている。
【0060】
いくつかの実施形態では、端末から見て、測定信号が前倒しされ、測定ウィンドウが遅延される。効果的に測定ウィンドウを追加する追加的なウィンドウ測定仕様によって、接続されている端末が測定信号を待つためにより多くの時間を消費するためスペクトル効率が低下する。しかし、多くの近傍セルが衛星を介して通信するサービングセルに多くの端末が接続されるいくつかの実施形態では、測定ウィンドウを追加するためのセル測定ウィンドウ仕様の変更が、接続されている端末の測定信号待ちに消費される時間の量を増加させない変更より、接続されている端末に到達する少なくとも一つの測定信号を送る近傍セルの量を著しく増加させる、より高い可能性を有する。
【0061】
図10は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を更に補償するためのオペレーションフローである。いくつかの実施形態では、オペレーションフローが、サービングセルに接続されている端末によって衛星信号伝播遅延変動を補償する方法を提供する。いくつかの実施形態では、端末の補償セクションまたはそのサブセクションによってオペレーションが実行される。
【0062】
S1070では、補償セクションまたはそのサブセクションが、サービングセルから変更されたウィンドウ測定仕様を受け取る。いくつかの実施形態では、変更されたウィンドウ測定仕様がRRCシグナリングを通じて受け取られる。いくつかの実施形態では、図5のS562において記述されたように、変更されたセル測定ウィンドウ仕様が変更される。
【0063】
S1072では、補償セクションまたはそのサブセクションが、いずれかの近傍セルの測定信号が、変更されたセル測定ウィンドウ仕様によって定められる測定ウィンドウの外で到達するか否かを判定する。全ての近傍セルからの少なくとも一つの測定信号が全ての接続されている端末に到達することを担保するためのセル測定ウィンドウ仕様の変更が、いくつかの状況では許容不能なスペクトル効率をもたらすため、いくつかの接続されている端末は、変更されたセル測定ウィンドウ仕様が依然として測定ウィンドウの外で到達する一または複数の近傍セルの測定信号をもたらすと判定する。一または複数の近傍セルの測定信号が測定ウィンドウの外で到達すると補償セクションが判定した場合、オペレーションフローはS1074での個々の測定ウィンドウ構成に進む。全ての近傍セルの少なくとも一つの測定信号が測定ウィンドウ内で到達すると補償セクションが判定した場合、オペレーションフローは個々の測定構成を行うことなく終わる。
【0064】
S1074では、補償セクションまたはそのサブセクションが、個々の測定ウィンドウを構成する。いくつかの実施形態では、補償セクションが、個々の端末のみが測定信号の到達を待つ一または複数の時間フレームを定める個々の測定ウィンドウ仕様を構成する。個々の測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム中、サービングは端末と通信せず他の端末との通信を続ける。このように、個々の測定ウィンドウ仕様は、セルおよび他の端末について、個々の測定ウィンドウ仕様を構成した端末より格段に少ないスペクトル効率の低減をもたらす。端末から見て測定信号が前倒しされて測定ウィンドウが遅延されるいくつかの実施形態では、補償セクションが図9の測定ウィンドウ935と同様の個々の測定ウィンドウを構成する。いくつかの実施形態では、個々の測定ウィンドウ仕様が、異なる近傍セルからの複数の測定信号を受け取るように構成されてもよい周期性、持続期間、およびオフセットを含む。いくつかの実施形態では、個々の測定ウィンドウ仕様だけが開始時間および持続期間を含み、個々の測定ウィンドウ仕様が、複数の個々の測定ウィンドウをもたらすが、より少ない測定信号の受信を可能にしてもよい実施形態におけるより高いスペクトル効率をもたらす、より高い可能性を有する、単一の個々の測定ウィンドウをもたらす。
【0065】
S1076では、補償セクションまたはそのサブセクションが、個々の測定ウィンドウ仕様のレポートをサービングセルに対して送る。いくつかの実施形態では、個々の測定ウィンドウ仕様がRCCシグナリングを通じて送られる。
【0066】
S1078では、補償セクションまたはそのサブセクションが、サービングセルからの確認を受け取る。いくつかの実施形態では、サービングセルから受け取られる確認が、サービングセルが個々の測定ウィンドウ仕様によって定められる任意の時間フレーム中に端末と通信しない旨を確認する。換言すれば、サービングセルは、個々の測定ウィンドウ仕様によって定められる任意の時間フレームと一致する端末について測定ギャップを提供する。いくつかの実施形態では、確認がRCCシグナリングを通じて受け取られる。
【0067】
いくつかの実施形態では、サービングセルが、オペレーションS1072、S1074、S1076、およびS1078を実行してもよい。これらの実施形態のいくつかでは、サービングセルに対する演算負荷が増加し、より多くの演算のリソースを利用するサービングセルに繋がる。これらの実施形態のいくつかでは、図4のオペレーションS456と同様の伝播遅延レポートの伝送中等に、端末が測定ウィンドウおよび測定信号の相対タイミングに関するより詳細な情報をサービングセルに送る。これらの実施形態のいくつかでは、図5のオペレーションS568と同様の変更されたセル測定ウィンドウ仕様の伝送中に、サービングセルが個々のセル測定ウィンドウ仕様を各端末に送る。
【0068】
図11は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動を補償するための更なるオペレーションフローである。いくつかの実施形態では、オペレーションフローが、サービングセルに接続されている端末によって衛星信号伝播遅延変動を補償する方法を提供する。この実施形態では、サービングセル1110およびサービングセル1110に接続されている端末1100を含むシステムによって、オペレーションが実行される。いくつかの実施形態では、サービングセル1110および端末1100の間の伝送がRRCシグナリングを通じて行われる。
【0069】
サービングセル1110は、測定ウィンドウ仕様および軌道データ1140を端末1100に対して送る。いくつかの実施形態では、サービングセル1110がレポーティング条件も送る。端末1100は、ウィンドウ仕様および軌道データ1140を受け取り、衛星を通じて端末1100と通信する各セルについての遅延伝播を判定する。サービングセル1110および任意の近傍セルの間の遅延伝播における有意な違いを判定することに応じて、または、サービングセルによって指定される他のレポーティング条件を満たすとの判定に応じて、端末1100は遅延伝播レポート1156をサービングセルに対して送る。いくつかの実施形態では、遅延伝播レポートが、端末1100から見た測定ウィンドウおよび測定信号の相対タイミング等の伝播遅延値より詳細な情報を含む。サービングセル1110は、遅延伝播レポート1156を受け取り、セル測定ウィンドウ仕様によって定められるいずれの時間フレーム中にも、一または複数の近傍セルの測定信号が端末1100に到達しない旨の示唆を含む遅延伝播レポート1156に応じて、セル測定ウィンドウ仕様を変更する。いくつかの実施形態では、全ての近傍セルからの少なくとも一つの測定信号が端末1100から見て測定ウィンドウ内で到達するように、サービングセル1110がセル測定ウィンドウ仕様の変更を試みるが、許容可能なスペクトル効率でこれを実現する変更がない。サービングセル1110は、全ての近傍セルからの測定信号を端末1100から見て測定ウィンドウ内で到達させない変更されたセル測定ウィンドウ仕様1168を、端末1100に対して送る。変更されたセル測定ウィンドウ仕様1168の受信に応じて、端末1100は、変更されたセル測定ウィンドウ仕様1168によって定められるいずれの時間フレーム内でも測定信号が到達しない任意の近傍セルの少なくとも一つの測定信号を受け取るための測定ウィンドウを定めるための個々のセル測定ウィンドウ仕様1176を構成する。端末1100は、個々のセル測定ウィンドウ仕様1176をサービングセル1110に対して送る。サービングセル1110は、サービングセル1110が個々のセル測定ウィンドウ仕様1176によって定められる時間フレームと同期する測定ギャップを提供する旨を確認する同期測定ギャップ1169を送ることによって対応する。
【0070】
システムのいくつかの実施形態では、サービングセル1110が、軌道データを送らない、伝播遅延レポートを収集しない、または、個々のセル測定ウィンドウ仕様を受け取らない。代わりに、これらの実施形態では、端末1100等の接続されている各端末が、端末の地理的な位置をサービングセル1110に対して送る。これらの実施形態のいくつかでは、サービングセル1110が、セル測定ウィンドウ仕様の変更が必要か否かを判定すること、セル測定ウィンドウ仕様に対する変更を判定すること、および、個々のセル測定ウィンドウ仕様を判定すること、を含む全ての判定を、この情報に基づいて行う。このような実施形態では、接続されている端末の代わりにサービングセル1110がより多くの演算リソースを利用するため、接続されている端末についてのエネルギー効率がより高くなる。しかし、接続されている端末がより多くの判定を実行するいくつかの実施形態では、サービングセル1110が全ての判定を実行するいくつかの実施形態よりエネルギー消費がバランスされる。また、個々の地理的な位置のネットワーク収集が禁止されている地理的な領域内に端末1100があるいくつかの実施形態では、端末1100が地理的な位置をサービングセル1110に対して送る能力を有しない可能性がある。更に、接続されている端末のみが地理的な位置を送るいくつかの実施形態では、遅延が有意になった時または閾値を超えた時だけでなく、全ての端末が全ての時間で地理的な位置を送ることを要求する、端末判定を要求するレポート条件が使用できない。
【0071】
図12は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動補償のためのサービングセルの例示的なハードウェア構成のブロック図である。例示的なハードウェア構成は、セルラーネットワーク1226を通じて、端末1200および近傍セル1210B、1210C、1210D、および1210Eと通信するサービングセル1210Aを含む。
【0072】
サービングセル1210Aは、コントローラ1212、ストレージユニット1214、および通信インターフェース1216を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ1212およびストレージユニット1214が、クライアントコンピュータ、複数のコンピュータを含むコンピュータシステム、または直接的にサービングセル1210Aと接続するサーバメインフレームの一部である。
【0073】
いくつかの実施形態では、コントローラ1212が、プロセッサまたはプログラマブル回路に命令に従ったオペレーションを実行させる命令を実行するプロセッサまたはプログラマブル回路である。いくつかの実施形態では、コントローラ1212が、アナログまたはデジタルプログラマブル回路、またはそれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、コントローラ1212が、通信を通じて相互作用する物理的に分かれたストレージまたは回路によって構成される。いくつかの実施形態では、ストレージユニット1214が、命令の実行中のコントローラ1212によるアクセスのための実行可能および実行不能データを格納可能な不揮発性コンピュータ読取可能媒体である。通信インターフェース1216は、ネットワーク1226との間でデータを送受信する。
【0074】
コントローラ1212は、検出セクション1280および補償セクション1282を含む。ストレージユニット1214は、軌道データ1284、セル測定ウィンドウ仕様1286、および補償パラメータ1288を含む。
【0075】
検出セクション1280は、端末1200等の接続されている端末が、セル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム中に、接続されている端末に到達する近傍セル1210B、1210C、1210D、および1210E等の近傍セルからの測定信号を有しないか否かを検出するコントローラ1212の回路または命令である。いくつかの実施形態では、検出セクション1280が、軌道データ1284およびセル測定ウィンドウ仕様1286等のストレージユニット1214における情報を利用する。検出セクション1280は、前述のフローチャートにおいて記述されたような追加的な機能を実行するためのサブセクションを含んでもよい。このようなサブセクションは、それらの機能と関連する名称によって表されてもよい。
【0076】
補償セクション1282は、衛星信号伝播遅延変動補償を実行するコントローラ1212の回路または命令である。いくつかの実施形態では、補償セクション1282が、許容可能なスペクトル効率で近傍セル測定信号の受信を増加させるためにセル測定ウィンドウ仕様を変更する。補償を実行している間、いくつかの実施形態では、補償セクション1282が、セル測定ウィンドウ仕様1286および補償パラメータ1288等のストレージユニット1214における情報を利用する。補償セクション1282は、前述のフローチャートにおいて記述されたような追加的な機能を実行するためのサブセクションを含んでもよい。このようなサブセクションは、それらの機能と関連する名称によって表されてもよい。
【0077】
他の実施形態では、サービングセルが、ここでのオペレーションを実行するための論理機能を処理可能な他のデバイスを含む、または、と直接的に通信可能である。いくつかの実施形態では、コントローラおよびストレージユニットが、完全に別のデバイスではなく、回路または一または複数のコンピュータ読取可能媒体を共有する。いくつかの実施形態では、ストレージユニットが、コンピュータ実行可能命令およびコントローラによってアクセスされるデータの両方を格納するハードドライブでもよく、コントローラが、中央処理ユニット(CPU)およびここでのオペレーションの実行中にCPUによる実行のためにコンピュータ実行可能命令の全部または一部がコピーされてもよいRAMの組合せでもよい。
【0078】
サービングセルがここでのオペレーションを実行するためにコンピュータを利用する実施形態では、コンピュータにインストールされているプログラムが、コンピュータに、ここで記述される実施形態のサービングセルと関連するオペレーションとして機能させる、または、を実行させる。いくつかの実施形態では、このようなプログラムが、ここで記述されるフローチャートおよびブロック図のブロックの一部または全部と関連する特定のオペレーションをコンピュータに実行させるために、プロセッサによって実行されてもよい。
【0079】
図13は、本発明の少なくとも一つの実施形態に係る衛星信号伝播遅延変動補償のための端末の例示的なハードウェア構成のブロック図である。例示的なハードウェア構成は、セルラーネットワーク1326を通じて、サービングセル1310Aおよび近傍セル1310B、1310C、1310D、および1310Eと通信する端末1300を含む。
【0080】
端末1300は、コントローラ1302、ストレージユニット1304、および通信インターフェース1306を含む。いくつかの実施形態では、端末1300が、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートブックコンピュータ、またはセルラーネットワーク通信インターフェースを有する任意の他のデバイスである。
【0081】
いくつかの実施形態では、コントローラ1302が、プロセッサまたはプログラマブル回路に命令に従ったオペレーションを実行させる命令を実行するプロセッサまたはプログラマブル回路である。いくつかの実施形態では、コントローラ1302が、アナログまたはデジタルプログラマブル回路、またはそれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、コントローラ1302が、通信を通じて相互作用する物理的に分かれたストレージまたは回路によって構成される。いくつかの実施形態では、ストレージユニット1304が、命令の実行中のコントローラ1302によるアクセスのための実行可能および実行不能データを格納可能な不揮発性コンピュータ読取可能媒体である。通信インターフェース1306は、ネットワーク1326との間でデータを送受信する。
【0082】
コントローラ1302は、レポートセクション1390および補償セクション1392を含む。ストレージユニット1304は、軌道データ1394、セル測定ウィンドウ仕様1396、および補償パラメータ1398を含む。
【0083】
レポートセクション1390は、近傍セル1310B、1310C、1310D、および1310E等の任意の近傍セルの測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム中に端末1300に到達しないか否かをレポートするコントローラ1302の回路または命令である。いくつかの実施形態では、レポートセクション1390が、軌道データ1394およびセル測定ウィンドウ仕様1396等のストレージユニット1304における情報を利用する。レポートセクション1390は、前述のフローチャートにおいて記述されたような追加的な機能を実行するためのサブセクションを含んでもよい。このようなサブセクションは、それらの機能と関連する名称によって表されてもよい。
【0084】
補償セクション1392は、衛星信号伝播遅延変動補償を実行するコントローラ1302の回路または命令である。いくつかの実施形態では、補償セクション1392が、セル測定ウィンドウ仕様によっては受け取られない任意の近傍セルの測定信号を受け取るための個々のセル測定ウィンドウ仕様を構成する。補償を実行している間、いくつかの実施形態では、補償セクション1392が、セル測定ウィンドウ仕様1396および補償パラメータ1398等のストレージユニット1304における情報を利用する。補償セクション1392は、前述のフローチャートにおいて記述されたような追加的な機能を実行するためのサブセクションを含んでもよい。このようなサブセクションは、それらの機能と関連する名称によって表されてもよい。
【0085】
他の実施形態では、端末が、ここでのオペレーションを実行するための論理機能を処理可能な他のデバイスを含む。いくつかの実施形態では、コントローラおよびストレージユニットが、完全に別のデバイスではなく、回路または一または複数のコンピュータ読取可能媒体を共有する。いくつかの実施形態では、ストレージユニットが、コンピュータ実行可能命令およびコントローラによってアクセスされるデータの両方を格納するハードドライブでもよく、コントローラが、中央処理ユニット(CPU)およびここでのオペレーションの実行中にCPUによる実行のためにコンピュータ実行可能命令の全部または一部がコピーされてもよいRAMの組合せでもよい。
【0086】
端末がここでのオペレーションを実行するためにコンピュータプロセッサを利用する実施形態では、端末にインストールされているプログラムが、端末に、ここで記述される実施形態のオペレーションとして機能させる、または、を実行させる。いくつかの実施形態では、このようなプログラムが、ここで記述されるフローチャートおよびブロック図のブロックの一部または全部と関連する特定のオペレーションを端末に実行させるために、コンピュータプロセッサによって実行されてもよい。
【0087】
本発明の各種の実施形態は、そのブロックが(1)オペレーションが実行される処理ステップまたは(2)オペレーションの実行を担うコントローラのセクションを表してもよい、フローチャートおよびブロック図を参照して記述される。特定のステップおよびセクションは、専用の回路、コンピュータ読取可能媒体に格納されているコンピュータ読取可能命令が供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ読取可能媒体に格納されているコンピュータ読取可能命令が供給されるプロセッサによって実装される。いくつかの実施形態では、専用の回路が、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含み、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プログラマブル回路が、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等の、論理AND、OR、XOR、NAND、NOR、および他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、メモリ要素等を備える再構成可能ハードウェア回路を含む。
【0088】
本発明の各種の実施形態は、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品が、プロセッサに本発明の側面を実行させるためのコンピュータ読取可能プログラム命令を有するコンピュータ読取可能ストレージ媒体(または、媒体)を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、コンピュータ読取可能ストレージ媒体が、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持および格納できる有形のデバイスを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータ読取可能ストレージ媒体が、例えば、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光学ストレージデバイス、電磁気ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、または以上の任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない。コンピュータ読取可能ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、次のものを含む:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードまたは命令が記録された溝における隆起構造等の機械的にエンコードされたデバイス、および以上の任意の適切な組合せ。ここで使用されるコンピュータ読取可能ストレージ媒体は、電波または他の自由に伝播する電磁波、波ガイドまたは他の伝送媒体(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)を通じて伝播する電磁波、またはワイヤを通じて送られる電気信号等の一時的な信号それ自体として解釈されない。
【0090】
いくつかの実施形態では、ここで記述されるコンピュータ読取可能プログラム命令が、コンピュータ読取可能ストレージ媒体から各演算/処理デバイスにダウンロード可能である、または、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークおよび/または無線ネットワーク等のネットワークを介して、外部コンピュータまたは外部ストレージデバイスにダウンロード可能である。いくつかの実施形態では、ネットワークが、銅伝送ケーブル、光学伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイヤウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含んでもよい。各演算/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、コンピュータ読取可能プログラム命令をネットワークから受け取り、コンピュータ読取可能プログラム命令を各演算/処理デバイス内のコンピュータ読取可能ストレージ媒体への格納のために転送する。
【0091】
いくつかの実施形態では、前述されたオペレーションを実行するためのコンピュータ読取可能プログラム命令が、アッセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または、スモールトーク、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語等の従来の手続型プログラミング言語を含む一または複数のプログラミング言語の任意の組合せにおいて記述されたソースコードまたはオブジェクトコードである。いくつかの実施形態では、コンピュータ読取可能プログラム命令が、完全にユーザのコンピュータで実行される、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的にユーザのコンピュータで実行される、部分的にユーザのコンピュータおよび部分的に遠隔のコンピュータで実行される、または完全に遠隔のコンピュータまたはサーバで実行される。いくつかの実施形態では、後者のシナリオにおいて、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続される、または、接続は外部コンピュータに対して行われてもよい(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通じて)。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ読取可能プログラム命令の状態情報を利用して本発明の側面を実行するために電子回路をカスタマイズすることによって、コンピュータ読取可能プログラム命令を実行する。
【0092】
本発明の実施形態が記述されたが、請求される主題の技術的範囲は、前述された実施形態に限定されない。前述された実施形態に対して各種の変更および改良を加えうることは当業者にとって明らかである。このような変更または改良が加えられた実施形態が発明の技術的範囲に含まれることも、請求項の範囲から明らかである。
【0093】
請求項、実施形態、または図において示される装置、システム、プログラム、および方法によって実行される各プロセスのオペレーション、手順、ステップ、およびステージは、順序が「より前」「の前」等によって表されない限り、および、前のプロセスからの出力が後のプロセスにおいて使用されない限り、任意の順序で実行されうる。請求項、実施形態、または図において「第1」または「次」等のフレーズを使用してプロセスフローが記述されたとしても、プロセスがこの順序で実行されなければならないことを必ずしも意味する訳ではない。
【0094】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、サービングセルおよび近傍セルの少なくともいずれかに対して端末との通信を提供する衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で端末に到達する旨の示唆を端末から受け取ることと、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレーム内で端末に到達するように、セル測定ウィンドウ仕様を定めるサービングセルおよびセル測定信号を送る近傍セルの間の伝播遅延における違いに基づいて、セル測定ウィンドウ仕様を変更することと、を送るing 変更されたセル測定ウィンドウ仕様を端末に対して送ることと、によって、衛星信号伝播遅延変動が補償されうる。
【0095】
いくつかの実施形態は、コンピュータプログラムにおける命令、コンピュータプログラムの命令を実行するプロセッサによって実行される方法、および方法を実行するサービングセルを含む。いくつかの実施形態では、サービングセルが、命令におけるオペレーションを実行するように構成される回路を含むコントローラを含む。
【0096】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、衛星の軌道データおよびセル測定ウィンドウ仕様をセルラーネットワークのサービングセルから受け取ることと、サービングセルおよび近傍セルの間の伝播遅延における違いに基づいて、近傍セルから送られるセル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められる時間フレームの外で受け取られるか否かを判定することと、セル測定信号がセル測定ウィンドウ仕様によって定められるウィンドウの外で受け取られる旨の示唆をサービングセルに対して送ることと、によって、衛星信号伝播遅延変動が補償されうる。
【0097】
いくつかの実施形態は、コンピュータプログラムにおける命令、コンピュータプログラムの命令を実行するプロセッサによって実行される方法、および方法を実行する端末を含む。いくつかの実施形態では、端末が、命令におけるオペレーションを実行するように構成される回路を含むコントローラを含む。
【0098】
以上、当業者が本開示の側面をより良く理解できるように、いくつかの実施形態の特徴の概要が示された。当業者は、ここで示された実施形態と同じ目的を実行し、および/または、同じ利点を実現するために、他のプロセスおよび構造を設計または変更するための基礎として本開示を利用できることを理解する。また、当業者は、このような同等な構造が本開示の精神および範囲から逸脱しないことを認識し、本開示の精神および範囲から逸脱することなく各種の変化、代替、および変更を行いうると認識する。
【0099】
本出願は、それぞれが後述され、その全体が参照によって本書に援用される、2021年1月15日に提出された米国仮特許出願番号63/137,916および2021年1月22日に提出された米国仮特許出願番号63/140,578の優先権を主張する。
【0100】
米国仮特許出願番号63/137,916
【0101】
3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113-e
【0102】
E-Meeting: 2021年1月25日~2月5日
【0103】
アジェンダアイテム: 8.10.3.3
【0104】
ソース:楽天モバイル
【0105】
タイトル:NTNのためのSMTCおよび測定ギャップ構成
【0106】
文書目的:議論および決定
【0107】
1.イントロダクション
衛星間の伝播遅延の違いによってもたらされるUE測定の課題は、依然として議論の的である。オフライン議論[106][NTN]SMTCおよびギャップ(第2ラウンド)中に以下の合意がなされた。
合意:
1.提案1:NTNにおけるSMTCおよびギャップ構成が、PCellのタイミングに基づいて構成される。
2.RAN2は、TNにおける原則と同様に、NTNにおいて構成された対応するSMTCウィンドウ外で、UEがSSBバーストを検出することが強制されない旨を理解する。
3.TNと同様に、UEはNTNにおけるネットワークと共に、UEおよびネットワークの間の同期していない振る舞いを回避するための測定ギャップの一貫性のある理解を有するべきである。
この寄書は、オープンな課題を解決し、ネットワークが正確なUE位置情報を有しない場合のための、近傍セル(変動する遅延を有する)のSSB/CSI-RS測定のためのSMTCウィンドウ/ギャップ構成のためのソリューションを提案する。
【0108】
2.議論
【0109】
2.1.既存の提案(R2-2010795)についての意見
最初に、議論が必要な既存の提案についての我々の見解を提供したい。
提案2-1:衛星間の遅延差によるSMTC構成へのインパクトが、NTNにおいて取り上げられるべきであるとRAN2が理解する。FFS: SMTC構成の改良がNTNにおいて必要か否か。
R2-2010795において後述されるように、サービングおよび近傍セル/衛星の間の遅延変動に従う必要があるため、SMTCウィンドウはNTNシステムについて改良されるべきである。
「TNシステムの通常の場合、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号は、サービングセルを介して構成された対応するSMTCウィンドウ内で常に検出可能である。構成された対応するSMTCウィンドウ外で、UEがSSBバースト信号を測定する必要はない。しかし、NTNシステムについては、分析の結果、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号が、サービング衛星を介して構成された対応するSMTCウィンドウ外になる可能性がある。UEがサービングおよび近傍衛星の間の伝播遅延の違いを取得する能力を有する場合、SSBバースト信号が構成された対応するSMTCウィンドウ外になったとしても、UEは依然として近傍セルによって生成される実際のSSBバースト信号をいつ検出すべきかを認識できる。RAN2がNTNについてのSMTC構成の改良を欲しない場合、構成された対応するSMTCウィンドウ外であっても、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号を探索することがUEに許容されるべきである。」
【0110】
提案1:サービングおよび近傍セル/衛星の間の遅延変動に従う必要があるため、NTNシステムについてSMTCウィンドウが改良されるべきである。
提案2-2:RAN2は最初にシナリオを特定し、NTNにおけるSMTC構成の改良に取り掛かる前にインパクトの深刻度について議論する。
【0111】
提案2:NTNにおけるSMTC構成の改良は、詳細に取り上げられるべきである。
提案4:NTNにおけるSMTCウィンドウ構成のために、ネットワークが常にUEの正確な位置情報を常に有しているとRAN2は想定できない。
セキュリティおよびプライバシーの懸念のために、衛星によって正確な位置が取得されうる場合であっても、国の規制機関がネットワークプロバイダによるUE位置の取得を禁止する可能性もある。
このように、全てのネットワークが常にUEの正確な位置を有しているとの想定は成り立たないと考えられる。
【0112】
提案3:R2-2010795における提案4に合意する:NTNにおけるSMTCウィンドウ構成のために、ネットワークが常にUEの正確な位置情報を常に有しているとRAN2は想定できない。
提案6-1:衛星間の遅延差による測定ギャップ構成へのインパクトが、NTNにおいて取り上げられるべきであるとRAN2が理解する。FFS:測定ギャップ構成の改良がNTNにおいて必要か否か。
R2-2010795によって、NTNシステムにおいて測定ギャップ構成の改良が必要であると証明された場合、以下のオプションが考慮されうる。
オプション1:長さがSSB周期性以上であることを担保するために、測定ギャップの長さを延ばす。
オプション2:測定ギャップ構成(すなわち、周波数毎に測定ギャップを構成する)のために現在のシグナリングを再利用し、構成される測定ギャップのタイミングが衛星またはNTN GWでのタイミングを参照する。
構成された測定ギャップによって、UE側で、その位置および候補衛星の軌道に基づいて、測定ギャップを取得するのはUE/NW次第である。他の衛星におけるセルについてのUE側でのSMTCウィンドウの実タイミングは衛星の移動に基づいて経時的に変化するため、NWは、UEの位置および候補衛星の軌道に基づいて、UE側での測定ギャップの実タイミングを取得する必要がある。注:この例では、測定ギャップが衛星毎に維持される。
オプション3:周波数毎に複数の測定ギャップを構成し、構成される測定ギャップのタイミングがUE側でのPCellのタイミングを参照する。
オプション4:UEが近傍衛星のSSBバーストを見失うことを避けるために、サービングおよび近傍衛星の間の最大の伝播遅延の違いに基づいて、測定ギャップの長さを延ばす。
オプション5:全ての可能性のあるSSBを検出するために、測定ギャップタイミングアドバンスを周期的に適用する。
オプション1について、測定ギャップ周期中はデータをスケジューリングできず、測定ギャップ周期の延長はスペクトル効率を下げるため、測定ギャップの延長が優先的に議論されるべきではない。
オプション2およびオプション3等の他のオプションについても効果的に使用されうる、gNBがUE位置情報を有しない場合でもUEについての測定ギャップを決定する方法が提案される。
想定:
1)提案6-1オプション2に基づいて:
「UE側で、その位置および候補衛星の軌道に基づいて、測定ギャップを取得するのはUE/NW次第である。他の衛星におけるセルについてのUE側でのSMTCウィンドウの実タイミングは衛星の移動に基づいて経時的に変化するため、NWは、UEの位置および候補衛星の軌道に基づいて、UE側での測定ギャップの実タイミングを取得する必要がある。注:この例では、測定ギャップが衛星毎に維持される。」
2)RAN1 Meeting#103における合意によって、UEが常にGNSSを介してその位置情報を有していると想定されうる。
【0113】
提案4:gNBがUE位置情報を有しない場合でもUEについての測定ギャップを決定する以下の方法について合意する。
1.gNBは、MeasObjectNR RRCの一部としてのRRCシグナリングにおいて、UEに対して近傍セルの軌道を送る必要がある。
2.UEは、その位置および近傍衛星軌道に基づいて、近傍セル/衛星の伝播遅延を演算できる。
3.UEがサービングおよび近傍衛星の間の有意なRTD(>「X」ms)を検出した場合、RRCメッセージを介してgNBに知らせる。
4.gNBは、各近傍についての測定ギャップを構成する、または、UEフィードバックに基づいて測定ギャップを延ばす。
5.UEは、gNBによって示される予め構成された周期「Y」の後に近傍についてのRTDを演算し、近傍についてのRTD変化が「Z」より大きい場合、RRCメッセージを介してサービングセルに対してRTDをレポートする必要がある。
提案6-2:RAN2は最初にシナリオを特定し、NTNにおける測定ギャップ構成の改良に取り掛かる前にインパクトの深刻度について議論する。
インパクトの深刻度はRAN2において評価されうるが、SSB/CSI-RSを検出するための測定ギャップ/SMTCの適切な構成を提供するためのソリューションが要求されると合意されるべきである。
【0114】
提案5:SSB/CSI-RSを検出するための測定ギャップ/SMTCの適切な構成を提供するためのソリューションが要求される。
提案7:NTNにおける測定ギャップ構成(20/5)のために、ネットワークが常にUEの正確な位置情報を有しているとRAN2は想定できない。
【0115】
提案6:R2-2010795における提案7について合意する:NTNにおける測定ギャップ構成のために、ネットワークが常にUEの正確な位置情報を有しているとRAN2は想定できない。
提案8:NTNにおける測定SMTC/ギャップ構成(16/6)のための要求を明確化するためにLSをRAN4に対して送る前に、より多くの議論がRAN2において必要である。
【0116】
提案7:R2-2010795における提案8について合意する:NTNにおける測定SMTC/ギャップ構成のための要求を明確化するためにLSをRAN4に対して送る前に、より多くの議論がRAN2において必要である。
【0117】
米国仮特許出願番号63/140,578
【0118】
1.イントロダクション
衛星間の伝播遅延の違いによってもたらされるユーザ機器(UE)測定の課題は、依然として議論の的である。オフライン議論[106][NTN]同期信号(SS)/物理報知チャネル(PBCH)に基づく測定タイミング構成(SMTC)およびギャップ(第2ラウンド)中に以下の合意がなされた。
合意:
1.提案1:NTNにおけるSMTCおよびギャップ構成が、プライマリセル(PCell)のタイミングに基づいて構成される。
2.無線アクセスネットワーク2(RAN2)は、地上ネットワーク(TN)における原則と同様に、NTNにおいて構成された対応するSMTCウィンドウ外で、UEがSSBバーストを検出することが強制されない旨を理解する。
3.TNと同様に、UEはNTNにおけるネットワークと共に、UEおよびネットワークの間の同期していない振る舞いを回避するための測定ギャップの一貫性のある理解を有するべきである。
4.Rel-17では、New Radio(NR)NTNが、少なくとも、その全球測位衛星システム(GNSS)実装に基づいて、その位置、参照時間、周波数の少なくとも一つを取得できるUEをサポートする。無線アクセスネットワーク1(RAN1)102e。
【0119】
背景:
サービングセルから近傍セルへのUEのハンドオーバー中、近傍セルに適切に同期および接続するためにUEは測定を実行する必要がある。サービングセルおよび近傍セルが異なるキャリア周波数で動作する場合等のいくつかの実施形態では、UEはサービングセルとの送受信と近傍セルとの同期および接続を同時に行えない。そこで、5G NR等のいくつかの無線技術では、測定ギャップが、近傍セルに同期および接続するために、UEが近傍セルと適切な測定を実行することを可能にする、ネットワークによって提供される時間周期である。5G NR等のいくつかの実施形態では、測定ギャップ中にUEが近傍セルのSSBについての測定を実行する。いくつかの実施形態では、SMTCを使用して、ネットワークが近傍セルSSBのタイミングを提供する。
接続モードでは、UEが近傍セルSSBについての測定を実行できる時間のウィンドウを定めるSMTCが、ネットワークによってUEに提供される。SMTCは、ウィンドウの周期性、オフセット、およびウィンドウの持続期間によって構成され、プライマリセル(PCell)(「サービングセル」とも表される)のタイミングに基づく。ウィンドウ周期性(測定ギャップ)は、5、10、20、40、80、または160msとして構成され、SMTCウィンドウ持続期間は、1、2、3、4、または5msとして構成されうる。以下の図1(本出願における図14)は、いくつかの実施形態に係るSMTC/測定ギャップ構成を例示する。
いくつかの実施形態では、UEの能力に基づいて、UEが、近傍セルについてのSSBを測定できず、サービングセルを同時に監視できない場合、測定ギャップが構成される。いくつかの実施形態では、サービングセルが、測定ギャップ中にUEをスケジューリングしない。UEが近傍セルSSBの強度および質を測定できるように、ネットワークは近傍セルからのSSBが測定ギャップ中に送られることを担保する。いくつかの実施形態では、TS 38.133における要求を満たすように、UEが適切な間隔で近傍セル測定結果を生成する必要がある。TS 38.133は、その全体が参照によって本書に援用される。図2(本出願における図15)は、いくつかの実施形態に係る測定ギャップ/SMTC構成の詳細を例示する。
【0120】
開示によって解決される例示的な問題:
地球低軌道(LEO)NTNのシナリオでは、衛星の移動のために、近傍セルSSBがUEに到達する伝播遅延が常に変化する。このため、SMTC/測定ギャップ構成は、この遅延変動を考慮する必要がある。遅延は、以下のユーザ機器1(UE1)およびユーザ機器2(UE2)について例示されるように、地上のUEの相対位置に基づいて異なりうる。SSB測定についてのウィンドウは、全ての可能性のある近傍セルSSB遅延、すなわち、全ての可能性のあるUE1およびUE2の間の遅延を考慮すべきである。近傍セル遅延は、衛星の移動に伴って、UEについても経時的に変化する。図3(本出願における図16)では、UE1の位置におけるUEが接する伝播遅延が、衛星ビームが地上で移動するにつれて、UE2の位置におけるUEが接する伝播遅延に変化する。この移動のために、UEによって測定される近傍セルSSBタイミングもドリフトする。なお、UEも移動するが、衛星のスピードと比べて効果が無視できるため、UE移動の効果はほとんど無視できる。
以下の図4(本出願における図17)は、いくつかの実施形態に係るLEO NTNにおける伝播遅延の変動を例示する。UEが近傍セルについてのSSB測定を実行できない場合、UEは近傍セル測定結果をレポートできない可能性がある、または、ハンドオーバー条件評価を実行できない可能性がある。これは、ハンドオーバーパフォーマンスに悪影響を及ぼし、UEの接続が予期せず切断されてしまう。ハンドオーバーは、衛星の移動のためにLEO NTNシナリオにおいて極めて重要である。
NTNでは、UEがサービングセルおよび近傍セルの間の異なる伝播遅延に接する。SMTC構成およびSSB受信ウィンドウは、異なるセル(例えば、図4に示されるように、異なる位置での衛星のセルの間)について異なりうる。UEは一つの測定ギャップのみで構成されてもよく、最大測定ギャップの長さは6msである。このように、異なる周波数または同じ周波数の近傍セルについて、構成された測定ギャップがワークせず、図5に示される(本出願における図18)に示されるように、無線リソースマネジメント(RRM)測定のための近傍セルのSSBをUEで取得できない可能性がある。
SAT1[LEO600]が現在UEのサービングセルを提供しており、SAT2[LEO1500]が潜在的なターゲット近傍セルである基本的なシナリオが例示される。考慮されるシナリオでは、SAT1がUEから離れるように移動しており、潜在的に異なる軌道上のSAT2がUEに向かって移動している。SAT1およびUEの間の伝播遅延は、dSAT1-UE(t)(すなわち、時間tの関数)と表され、SAT2およびUEの間の遅延は、dSAT2-UE(t)と表される。なお、トランスペアレントな衛星のシナリオでは、地上のNTNゲートウェイの相対位置にも伝播遅延が依存する。この例では、SAT1が、接続されたNTN-GW1に向かって移動しており、SAT2が、接続されたNTN-GW2に向かって移動している。衛星およびゲートウェイの間のそれぞれの伝播遅延は、dSAT1-GW1(t)およびdSAT1-GW2(t)である。
衛星の移動のために、伝播遅延は時間と共に変動する。図19は、UEおよびSAT1/SAT2の間の推定された仰角およびNTN-GW1およびSAT1、およびNTN-GW2およびSAT2の間の仰角に基づく数値例を提供する。この例では、LEO衛星が600kmの高度で飛行していると想定される。
イントロダクションにおいてリストアップされた最近のRAN2の合意によって、UEのタイミングは、サービングセル(本例におけるSAT1)に基づく。このため、UEは、近傍セル(SAT2)からのSSBのドリフトに接する。
図4および表1におけるシナリオの想定される幾何学的配置に基づいて、NTN-GW1およびUEの間の伝播遅延は5.1msから6.1msまで変化し、NTN-GW2およびUEの間の伝播遅延は約13.4msから約10.6msまで減少する。このように、UEによって観測される、二つの接続の間の遅延差は、T1での18.5msからT2での16.7msまで変化する。最大のSMTCウィンドウ持続期間は5サブフレームであり、SAT2のSSBのSMTCウィンドウにおける時間的な初期位置によっては、静的に構成されたウィンドウは伝播遅延における変動に対応できない恐れがある。
UEは構成されたSMTCウィンドウ外でSSBを監視することを要求されないことがRAN2で合意されたため、近傍セルについての測定は、現在のSMTC構成オプションでは、少なくとも(準)静的SMTC構成についてチャレンジングである。
遅延差のために、ギャップ構成を動的に調整することは必須である。SMTCウィンドウは、動的に定められるギャップ構成に従う。
課題は、LEOおよび地球静止軌道(GEO)の場合に更に顕著である。
38.811:図20参照。
【0121】
2.議論
【0122】
2.1.既存の提案(R2-2010795)についての意見
最初に、その全体が参照によって本書に援用される、議論が必要な既存の提案についての見解を示す。
提案2-1:衛星間の遅延差によるSMTC構成へのインパクトが、NTNにおいて取り上げられるべきであるとRAN2が理解する。FFS: SMTC構成の改良がNTNにおいて必要か否か。
R2-2010795において後述されるように、サービングおよび近傍セル/衛星の間の遅延変動に従う必要があるため、SMTCウィンドウはNTNシステムについて改良されるべきである。
「TNシステムの通常の場合、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号は、サービングセルを介して構成された対応するSMTCウィンドウ内で常に検出可能である。構成された対応するSMTCウィンドウ外で、UEがSSBバースト信号を測定する必要はない。しかし、NTNシステムについては、分析の結果、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号が、サービング衛星を介して構成された対応するSMTCウィンドウ外になる可能性がある。UEがサービングおよび近傍衛星の間の伝播遅延の違いを取得する能力を有する場合、SSBバースト信号が構成された対応するSMTCウィンドウ外になったとしても、UEは依然として近傍セルによって生成される実際のSSBバースト信号をいつ検出すべきかを認識できる。RAN2がNTNについてのSMTC構成の改良を欲しない場合、構成された対応するSMTCウィンドウ外であっても、近傍セルによって生成されるSSBバースト信号を探索することがUEに許容されるべきである。」
想定:
1)提案6-1オプション2に基づいて:
「UE側で、その位置および候補衛星の軌道に基づいて、測定ギャップを取得するのはUE/ネットワーク(NW)次第である。他の衛星におけるセルについてのUE側でのSMTCウィンドウの実タイミングは衛星の移動に基づいて経時的に変化するため、NWは、UEの位置および候補衛星の軌道に基づいて、UE側での測定ギャップの実タイミングを取得する必要がある。注:この例では、測定ギャップが衛星毎に維持される。」
2)RAN1 Meeting#103における合意によって、UEが常にGNSSを介してその位置情報を有していると想定されうる。
例示的な実施形態:5G無線ノード(gNB)がUE位置情報を有しない場合でもUEについての測定ギャップを決定する方法
1.gNBは、MeasObjectNR RRCの一部としての無線リソースコントロール(RRC)シグナリングにおいて、UEに対して近傍セルの軌道を送る。
2.UEは、UE位置および近傍衛星軌道に基づいて、近傍セル/衛星の伝播遅延を演算できる。
3.UEがサービングおよび近傍衛星の間の有意な往復遅延(RTD)(>「Delta RTD」ms)を検出した場合、RRCメッセージを介してgNBに知らせる。
4.gNBは、各近傍についての測定ギャップを構成する、または、UEフィードバックに基づいて測定ギャップを延ばす。
5.UEは、gNBによって示される予め構成された周期「Delay report periodicity」の後に近傍についてのRTDを演算し、近傍についてのRTD変化が「Delta RTD Act」より大きい場合、RRCメッセージを介してサービングセルに対してRTDをレポートする。
図21参照。
6.UEが「Delta RTD deAct」より小さい近傍遅延差閾値をレポートした時、測定ギャップは無効化される。
RTD:往復遅延
Delta RTD:サービングセルおよび近傍セルの間の往復遅延
ステップ1:
ステップ1のいくつかの実施形態では、近傍セルの軌道のUEに対する伝送がMeasObjectNR RRCにおいて行われる。
MeasConfigNR RRC
最初に、gNBが測定ギャップを一つだけ構成する。
mgrp(測定ギャップ繰返し周期)は、測定ギャップが繰り返す周期性(ms)である。
20、40、80、および160msの周期性がNRにおいて定められている。
gapOffsetは、ギャップパターンのギャップオフセットである。全部で160のオフセット値が全ての周期性について適用可能ではない。オフセット値は周期内の開始サブフレームを指定するため、その値の範囲は「0」から「mgrp-1」までである。例えば、周期性が40msである場合、オフセット範囲は「0」から「39」までである。
mgl(測定ギャップ長さ)は、msにおける測定ギャップの長さである。1.5、3、3.5、4、5.5、および6msの測定ギャップ長さがNRにおいて定められている。
mgta(測定ギャップタイミングアドバンス)。これが構成される場合、UEはギャップサブフレーム発生のmgta(ms)前に測定を開始する。すなわち、測定ギャップは、測定ギャップの直前に発生する最新のサブフレームの終わりに対してmgta(ms)前倒しされた時間に始まる。タイミングアドバンスの量は、0.25ms(FR2)または0.5ms(FR1)でもよい。
図22参照。
ステップ2:
ステップ2のいくつかの実施形態では、UEが、UEによって報知される近傍衛星軌道に基づいて、近傍伝送遅延を演算する。
I.いずれかの報知された近傍が測定構成のSMTCウィンドウ外にある場合(図24参照)
注:衛星伝送遅延演算メカニズムは依然としてRAN1において議論されている。
ステップ3:
ステップ3の一実施形態では、UEトリガーイベント「遅延A1」近傍測定遅延デルタ>「閾値X」
ステップ4:
ステップ4の一実施形態では、gNBが、RRC Reconfigurationを介して追加的なMeasGapを構成する。
図25参照。
注:mgl、mgrp、mgtaまたはSMTCウィンドウサイズ/オフセットを変更することによって近傍セルSSBが検出されない場合に限り、gNBは追加的なギャップ測定を構成する。
ステップ5:
ステップ5のいくつかの実施形態では、UEが追加的なギャップ測定を構成する。
図26参照。
ステップ6:UEが、近傍セルおよびサービングセルの間の「遅延閾値X」より小さい遅延差を測定した場合
ステップ6のいくつかの実施形態では、UEトリガーイベント「遅延A2」近傍測定遅延デルタ<「遅延閾値X」
スキームのいくつかの利点:
1)ネットワークでのUE位置が要求されない。
2)SMTC測定ウィンドウが5msを超えて延ばされる必要がない(長いSMTCウィンドウはスペクトル効率を悪化させる)
3)近傍衛星タイプLEO600-LEO1500-GEOの任意の時間でスキームがワークしうる。
4)スペクトル効率を高めるようにギャップが動的に構成される。
5)gNBが近傍衛星の遅延情報を有するため、ギャップ構成が最小化されうる。
6)近傍衛星遅延情報取得が、RACHおよびHOパフォーマンスを高める。
7)「ギャップ周期実装複雑性」対「最適リソース利用」の間で選択する柔軟性をgNBに与える。
【0123】
アペンディクス:
NRでは、SSBを使用することによってセルの質が測定される。各SSBは、セル参照信号(CRS)と比べてより長い伝送周期性を有する二つの同期信号および物理報知チャネルを備える。SSB周期性は、各セルについて5、10、20、40、80、および160msの範囲内で構成されうる。しかし、端末はSSBと同じ周期性でセルの質を測定する必要はなく、チャネル状況に応じて適切な測定周期性が構成されうる。これによって、不必要な測定が回避され、端末パワーが節約される。セル品質測定のために端末が使用しなければならないSSBの周期性およびタイミングを端末に通知するために、新しいSSBに基づく無線リソースマネジメント(RRM)測定時間構成(SMTC)ウィンドウが導入されている。SMTCウィンドウ周期性は、SSBと同じ範囲(すなわち、5、10、20、40、80、および160ms)で設定されてもよく、ウィンドウの持続期間は、測定されているセルに対して送られるSSBの数に応じて、1、2、3、4、または5msに設定されてもよい。gNBによってSMTCウィンドウが通知されたUEは、当該ウィンドウ内でSSBを検出および測定し、サービング基地局に対して測定結果をレポートする。SSブロックに基づくRRM測定タイミング構成またはSMTCは、キャリア周波数毎のUEのRRM測定についての測定ウィンドウ周期性/持続期間/オフセット情報である。イントラ周波数接続モード測定については、二つまでの測定ウィンドウ周期性が構成されうる。アイドルモード測定については、単一のSMTCがキャリア周波数毎に構成される。インター周波数接続モード測定については、単一のSMTCがキャリア周波数毎に構成される。
図27参照。
近傍セルの質または他のコンポーネントキャリアを測定するため、および、サービングセルにおけるデータを送受信するために、同じRFトランシーバーを使用することによって、実装コストの低減が可能になる。それにも関わらず、他のセルまたは異なる周波数のコンポーネントキャリアの測定中は、サービングセルにおいてデータが送受信できないことを意味する。LTEでは、サービングセルにおけるUEデータ伝送が測定ギャップ中に停止されることで、近傍セルの質の測定または異なる周波数の他のコンポーネントキャリアの測定を実行するために自身のRFトランシーバーを調整する機会がUEに提供される。NRでは測定ギャップのコンセプトが使用される。しかし、測定はSSB上で実行され、測定ギャップ構成はLTEと比べて改良されている。LTEでは、測定ギャップ長さ(MGL)が固定であり、少なくとも一つのプライマリ/セカンダリ同期信号がギャップ内で観測されうる。LTEでは、プライマリ/セカンダリ同期信号が5ms毎に送られる。従って、LTEのMGLは6msであり、測定ギャップの始めおよび終わりにおけるRF調整のために0.5msが許容される。端末は、MGL内で同期信号を検出し、セルIDおよび受信タイミングを特定する。端末は、後でCRSについての測定を実行する。NRでは、SMTCウィンドウ持続期間が、SSB伝送に合うように設定されうる。しかし、固定MGLは、サービングセルのスループットの潜在的な劣化を招きうる。一例として、SMTCウィンドウ持続期間が2msでありMGLが6msである場合、4msの間隔がサービングセルにおけるデータ伝送および受信のために利用可能でない。
測定ギャップパターンは、MGRPおよびMGLによって特徴付けられる。NRおよびE-UTRAN測定のための全てのニーズに応えるために38.133において定めれた24通りのギャップパターン構成がある。
測定ギャップパターンは以下の表(図28)において予め送られる。
NR RRCによって提供される構成
以下のケースでは、NR RRCがUEに対する測定ギャップパターン構成の提供を担う。これは、MeasConfig IE内のMeasGapConfig IEを使用して行われ、RRC Reconfigurationメッセージによって伝送される。NR RRCは以下を担う:
・NRスタンドアロンオペレーション(単一キャリア、NR CAおよびNR-DCを伴う)またはNE-DC構成におけるgapUEまたはgapFR1でUEを構成する。
・任意の構成(すなわち、NRスタンドアロンオペレーション(単一キャリア、NR CAおよびNR-DCを伴う)またはEN-DCまたはNE-DC)におけるgapFR2でUEを構成する。
MeasGapConfig IEは、測定ギャップ構成を指定し、測定ギャップのセットアップ/リリースを制御する。このIEの詳細は、以下(図29)で与えられる;
*gapOffset:これは、ギャップパターンのオフセットとして定められうる。約160のオフセット値があるが、全ての値が全ての周期性について適用可能ではない。オフセット値は周期内の開始サブフレームを指定するため、その値の範囲は「0」から「mgrp-1」までである。例えば、周期性が20msである場合、オフセット範囲は「0」から「19」までである。
*測定ギャップ長さ(mgl):これは、msにおける測定ギャップの長さである。測定ギャップ長さは、1.5、3、3.5、4、5.5、および6msでもよい。
*測定ギャップ繰返し周期(mgrp):これは、測定ギャップが繰り返す周期性(ms)を定める。これは、20、40、80、および160msとして構成されうる。
*測定ギャップタイミングアドバンス(Mgta):これが構成される場合、UEはギャップサブフレーム発生のmgta(ms)前に測定を開始する。すなわち、測定ギャップは、測定ギャップの直前に発生する最新のサブフレームの終わりに対してmgta(ms)前倒しされた時間に始まる。タイミングアドバンスの量は、0.25ms(FR2)または0.5ms(FR1)でもよい。
図30参照。
測定ギャップの処理(メディアアクセス制御(MAC)から見て)
測定ギャップ中、測定ギャップの対応する周波数範囲(FR)においてサービングセル上で、MACエンティティは以下を行う;
・HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバック、スケジューリングリクエスト(SR)、およびチャネル状態情報(CSI)の伝送を実行しない
・サウンディング参照信号(SRS)をレポートしない
・Msg3を除いて、アップリンク(UL)共有チャネル(SCH)上で送信しない
・ダウンリンク(DL)SCH上で受信しない
・UEがランダムアクセス(RA)手続中にMsg2またはMsg4を待っている場合を除いて、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視しない
参照:
その全体が参照によって本書に援用される、3GPP TS38.311
その全体が参照によって本書に援用される、3GPP TS38.821
その全体が参照によって本書に援用される、3GPP TS38.811
5G無線パフォーマンスおよびマネジメント
その全体が参照によって本書に援用される、https://www.nttdocomo.co.jp/english/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol20_3/vol20_3_009en.pdf。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図18
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図20
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図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】