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特表2023-545842除草剤組成物としてのピリミジンの混合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】除草剤組成物としてのピリミジンの混合物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/54 20060101AFI20231024BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20231024BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20231024BHJP
   A01N 43/36 20060101ALI20231024BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20231024BHJP
   A01N 41/10 20060101ALI20231024BHJP
   A01N 43/40 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
A01N43/54 C
A01P13/00
A01N43/80 101
A01N43/36 C
A01N47/02
A01N43/54 F
A01N41/10 A
A01N43/40 101J
A01N43/40 101M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523560
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2021078985
(87)【国際公開番号】W WO2022084334
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】2016569.2
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ウェールズ ジェフリー スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ホロウェイ トーマス エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス メラニー ジェーン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA03
4H011BA05
4H011BB07
4H011BB09
4H011BB10
4H011BB11
4H011BC03
4H011BC07
4H011BC16
4H011BC19
4H011BC20
4H011DA02
4H011DA03
4H011DA04
4H011DA05
4H011DA15
4H011DA16
4H011DE15
4H011DH10
(57)【要約】
本発明は、成分(A)として、少なくとも1種の式(I)


(式中、R1は、(II)又は(III)


である)の化合物、又はその農薬上許容される塩、及び成分(B)として、B-I、B-II、B-III、B-IV、B-V、B-VI、B-VII、B-VIII、B-IX

からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、又はその農薬上許容される塩を含む、組成物、及び植物の防除又は植物成長の阻害におけるその使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)として、少なくとも1種の式(I):
【化1】
(式中、R1は、
【化2】
である)
の化合物、又はその農薬上許容される塩、
及び成分(B)として、以下:
【化3】
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、又はその農薬上許容される塩を含む、組成物。
【請求項2】
成分(A)対成分(B)の重量比が0.01:1~100:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(A)対成分(B)の前記重量比が0.025:1~20:1である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
成分(A)対成分(B)の前記重量比が1:30~16:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
除草有効量の請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を含む農薬組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の追加の有効成分をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種の追加の有効成分が、少なくとも1種の追加の農薬を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記追加の農薬が除草剤又は除草剤毒性緩和剤である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
農業的に許容される製剤アジュバント及び/又は農薬的に許容される希釈剤又は担体をさらに含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
除草有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物を不要な植物、その一部又はその部位に施用することを含む、不要な植物の成長を抑制する方法。
【請求項11】
除草剤としての請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項12】
0.01~90重量%の活性剤、0~25%の農学的に許容される界面活性剤、及び10~99.9%の固体又は液体の製剤不活性物質及びアジュバントを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を含む製剤。
【請求項13】
2~80重量%、好ましくは約5~70重量%の活性剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を含む、使用者による希釈のための濃縮組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な除草剤の組合せ及び植物の防除又は植物成長の阻害におけるその使用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の第1の態様において、成分(A)として、少なくとも1種の式(I):
【化1】
(式中、R1は、
【化2】
である)
の化合物、又はその農薬上許容される塩、
及び成分(B)として、以下:
【化3】
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、又はその農薬上許容される塩を含む、組成物が提供される。
【0003】
第2の態様において、本発明は、除草剤としての本発明の組成物の使用を提供する。
【0004】
第3の態様において、本発明は、(i)植物成長を阻害する方法、及び(ii)植物を防除する方法であって、除草有効量の本発明の組成物を植物、その一部又はその部位に施用することを含む方法を提供する。
【0005】
第4の態様において、本発明は、有用植物、その一部若しくはその部位又は栽培区域に除草有効量の本発明の組成物を施用することを含む、有用植物の作物中の草及び/又は雑草を選択的に防除する方法を提供する。
【0006】
第5の態様において、本発明は、0.01~90重量%の活性剤、0~25%の農学的に許容される界面活性剤、及び10~99.9%の固体又は液体製剤不活性物質及びアジュバントを含む本発明の組成物を含む製剤を提供する。
【0007】
第6の態様において、本発明は、2~80重量%、好ましくは約5~70重量%の活性剤を含む本発明の組成物を含む、使用者による希釈のための濃縮組成物を提供する。
【0008】
有効成分を組み合わせる場合、任意の所与の有効成分の組合せについて予測される活性(E)は、いわゆるColby式に従い、以下のように算出することができる(Colby,S.R.,Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination,Weeds,15巻,第20-22頁;1967):
ppm=有効成分(a.i.)のmg/L
X=p ppmの有効成分を使用した第1の有効成分による作用%
Y=q ppmの有効成分を使用した第2の有効成分による作用%。
【0009】
Colbyによれば、p+q ppmの有効成分を使用した有効成分A+Bの予測される作用は、以下の式によって表される:
【数1】
【0010】
実際に観察された作用(O)が予測される作用(E)よりも大きい場合、組合せの作用は超相加的であり、すなわち相乗効果がある。数学的には、相乗作用は、(O-E)の差の正の値に対応する。純粋に相補的な活性の付加(予測される活性)の場合、前記差(O-E)は0である。前記差(O-E)の負の値は、予測される活性と比較した活性の損失を示す。
【0011】
式(I)の化合物は、構造A-I又はA-II:
【化4】
を有する。
【0012】
式A-I及びA-IIの化合物;及び式B-I~B-IXの化合物は全て有効な除草性化合物である。
【0013】
式A-Iの化合物は、国際公開第2015/108779号に記載されている。式A-IIの化合物は、国際公開第2016/196606号に記載されている。
【0014】
化合物B-Iは、米国特許出願公開第2012/019055号明細書に記載されている。化合物B-IIは、国際公開第2013/176282号に記載されている。化合物B-IIIは国際公開第2016/196593号に記載されている。化合物B-IVは国際公開第2010/126989号に記載されている。化合物B-Vは、欧州特許第1 122 244号明細書に記載されている。化合物B-VI及びB-VIIは、米国特許出願公開第2014/274695号明細書に記載されている。化合物B-VIII及びB-IXは、国際公開第2018/208582号に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
したがって、本発明の組合せは、任意の相加的な除草活性を利用し、特定の実施形態は、相乗効果を示すことさえある。これは、有効成分の組合せの作用が個々の成分の作用の合計よりも大きいときはいつでも起こる。
【0016】
本発明の組合せはまた、有効な除草活性を媒介するために、各個々の成分によって得られる活性と比較して拡張された活性スペクトルを提供し得、及び/又は単独で使用される場合よりも組み合わせて使用される場合に、より低い割合の個々の成分の使用を可能にし得る。
【0017】
さらに、本発明の組成物は、成分(A)又は成分(B)単独の効果と比較した場合、増加した作物耐性を示し得ることも可能である。これは、有効成分の組合せの作用が有効成分の1つの単独の作用よりも有用な作物に害を与えない場合に起こる。
【0018】
成分(A)及び(B)の化合物中の1つ以上の可能な不斉炭素原子の存在は、化合物がキラル異性体形態、すなわちエナンチオマー又はジアステレオマー形態で生じ得ることを意味する。また、単結合の周りの回転が制限された結果としてアトロプ異性体が生じ得る。式(I)及びB-I~B-IXは、それらの全ての可能な異性体形態及びその混合物を含むことが意図される。本発明は、全ての可能な異性体形態及びその混合物を含む。同様に、上記式は、存在する場合、全ての可能な互変異性体(ラクタム-ラクチム互変異性及びケト-エノール互変異性を含む)を含むことが意図されている。本発明は、化合物の全ての可能な互変異性形態を含む。本発明は、これらの全ての可能な異性体形態及びその混合物を含む。
【0019】
本発明の組成物の化合物は、典型的には、農学的に許容される塩、双性イオン又は農学的に許容される双性イオンの塩の形態で提供される。本発明は、全てのこのような農学的に許容される塩、双性イオン及びその混合物を全ての割合で包含する。
【0020】
本発明で使用される成分(A)及び(B)に適した農学的に許容される塩としては、これらに限定されないが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、2-ナフタレンスルホン酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、硫酸ブチル、ブチルスルホン酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンシル酸塩、カプリン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、二リン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エナント酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸塩、エチル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルコロン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタデカン酸塩、ヘキサデカン酸塩、硫酸水素塩、水酸化物、ヒドロキシナフトエート、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンジスルホン酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ミリスチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、ノナデカン酸塩、オクタデカン酸塩、シュウ酸塩、ペラルゴネート、ペンタデカン酸塩、ペンタフルオロプロピオン酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、プロピル硫酸塩、プロピルスルホン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリデシル酸塩、トリフレート、トリフルオロ酢酸塩、ウンデシリン酸塩及び吉草酸塩から選択されるアニオンが挙げられ;成分(A)及び(B)は、それぞれ同じであっても、又は異なっていてもよい。
【0021】
適切なカチオンとしては、金属、アミンの共役酸及び有機カチオンが挙げられるが、これらに限定されず、成分(A)及び(B)は、それぞれ同じであっても、又は異なっていてもよい。適切な金属の例としては、アルミニウム、カルシウム、セシウム、銅、リチウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、鉄及び亜鉛が挙げられる。好適なアミンの例としては、アリルアミン、アンモニア、アミルアミン、アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、ブテニル-2-アミン、ブチルアミン、ブチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、デシルアミン、ジアミルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジヘプチルアミン、ジヘキシルアミン、ジイソアミルアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジオクチルアミン、ジプロパノールアミン、ジプロパルギルアミン、ジプロピルアミン、ドデシルアミン、エタノールアミン、エチルアミン、エチルブチルアミン、エチレンジアミン、エチルヘプチルアミン、エチルオクチルアミン、エチルプロパノールアミン、ヘプタデシルアミン、ヘプチルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘキセニル-2-アミン、ヘキシルアミン、ヘキシルヘプチルアミン、ヘキシルオクチルアミン、ヒスチジン、インドリン、イソアミルアミン、イソブタノールアミン、イソブチルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、リジン、メグルミン、メトキシエチルアミン、メチルアミン、メチルブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルノニルアミン、メチルオクタデシルアミン、メチルペンタデシルアミン、モルホリン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルピペラジン、ノニルアミン、オクタデシルアミン、オクチルアミン、オレイルアミン、ペンタデシルアミン、ペンテニル-2-アミン、フェノキシエチルアミン、ピコリン、ピペラジン、ピペリジン、プロパノールアミン、プロピルアミン、プロピレンジアミン、ピリジン、ピロリジン、sec-ブチルアミン、ステアリルアミン、タロウアミン、テトラデシルアミン、トリブチルアミン、トリデシルアミン、トリメチルアミン、トリヘキシルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリペンチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、及びウンデシルアミンが挙げられる。適切な有機カチオンの例としては、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウム、コリン、テトラブチルアンモニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラプロピルホスホニウム、トリブチルスルホニウム、トリブチルスルホキソニウム、トリエチルスルホニウム、トリエチルスルホキソニウム、トリメチルスルホニウム、トリメチルスルホキソニウム、トリプロピルスルホニウム及びトリプロピルスルホキソニウムが挙げられる。
【0022】
成分(A)及び(B)の除草剤は当技術分野で周知であり、商業的に入手することができるか、又は当技術分野で入手可能な方法を使用して製造することができる。表1は、本発明による成分(A)及び(B)の具体的な組合せを記載する。
【0023】
【表1】
【0024】
本明細書を通して、「組成物」という表現は、連続的に、すなわち数時間又は数日等の適度に短い期間で次々に施用される場合、例えば単一の「レディミックス」形態、「タンクミックス」等の単一の有効成分の別々の製剤から構成される組合せスプレー混合物、及び単一の有効成分の組合せ使用の、成分(A)及び(B)の様々な混合物又は組合せを意味すると解釈されるべきである。成分(A)及び(B)を施用する順序は、本発明を実施するために必須ではない。
【0025】
本明細書で使用される「除草剤」という用語は、植物の成長を抑制又は改変する化合物を意味する。「除草有効量」という用語は、植物の成長に対して抑制効果又は改変効果を生じさせることができるそのような化合物又はそのような化合物の組合せの量を意味する。効果を抑制又は改変することとしては、自然発生からの全ての逸脱、例えば、死滅、遅延、葉焼け、白化、萎縮等が含まれる。
【0026】
本明細書で使用される「部位」という用語は、植物が成長している、又は栽培植物の種子が播種されている、又は種子が土壌に配置されるであろう圃場を意味する。これには、土壌、種子及び実生、並びに定着した植生が含まれる。
【0027】
「植物」という用語は、種子、実生、若木、根、塊茎、茎、柄、葉及び果実を含む植物の全ての物理的部分を指す。
【0028】
「植物繁殖材料」という用語は、植物の全ての生殖部分、例えば種子又は植物の栄養部分、例えば挿し穂及び塊茎を示す。これには、厳密な意味での種子、並びに根、果実、塊茎、球根、根茎及び植物の一部が含まれる。
【0029】
本明細書で使用される「毒性緩和剤」という用語は、除草剤と組み合わせて使用される場合、非標的生物に対する除草剤の望ましくない効果を減少させる化学物質を意味し、例えば、毒性緩和剤は、除草剤による傷害から作物を保護するが、除草剤が雑草を死滅させるのを防止しない。
【0030】
本発明による組成物を使用することができる有用植物の作物としては、多年生及び一年生作物、例えばベリー植物、例えばブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー及びイチゴ;穀類、例えば大麦、トウモロコシ(コーン)、キビ、オート麦、米、ライ麦、ソルガム・ライコムギ及び小麦;繊維植物、例えば綿、亜麻、麻、ジュート及びサイザル麻;農作物、例えば砂糖及び飼料ビート、コーヒー、ホップ、マスタード、ナタネ(キャノーラ)、ケシ、サトウキビ、ヒマワリ、茶及びタバコ;果樹、例えば、リンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、サクランボ、柑橘類、ネクタリン、モモ、ナシ及びプラム;草、例えばバミューダグラス、ブルーグラス、ベントグラス、ムカデグラス、フェスク、ライグラス、St.オーギュスチングラス及びシバ;ハーブ、例えばバジル、ボラージ、ニラ、コリアンダー、ラベンダー、ラバージ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、タイム;マメ科植物、例えば豆、レンズマメ、エンドウマメ及びダイズ;ナッツ、例えばアーモンド、カシューナッツ、粉砕ナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン、ピスタチオ及びクルミ;パーム、例えば油ヤシ;観賞植物、例えば花、低木及び樹木;他の樹木、例えばカカオ、ココナッツ、オリーブ及びゴム;野菜、例えば、アスパラガス、ナス、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、キュウリ、ニンニク、レタス、マロー、メロン、オクラ、タマネギ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ダイオウ、ホウレンソウ及びトマト;ブドウ、例えばブドウが挙げられる。
【0031】
作物は、天然に存在するもの、従来の育種方法によって得られるもの、又は遺伝子工学によって得られるものであると理解されるべきである。それらには、いわゆるアウトプット形質(例えば、改善された貯蔵安定性、より高い栄養価及び改善された風味)を含む作物が含まれる。
【0032】
作物は、従来の育種方法又は遺伝子工学によって除草剤又は除草剤のクラス(例えば、ALS阻害剤、GS阻害剤、EPSPS阻害剤、PPO阻害剤、ACCase阻害剤及びHPPD阻害剤)に対して耐性となった作物も含むと理解されるべきである。従来の育種方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックスに対して耐性となった作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子工学的方法によって除草剤に対して耐性となった作物の例としては、例えば、商品名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ品種が挙げられる。
【0033】
作物はまた、遺伝子工学的方法によって有害昆虫に対して耐性となったもの、例えばBtトウモロコシ(ヨーロッパコーンボーラーに対して耐性)、Btワタ(ワタゾウムシに対して耐性)及びBtジャガイモ(コロラドビートルに対して耐性)であると理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt 176トウモロコシハイブリッドである。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素、又はそのような毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例は、欧州特許出願公開第451 878号明細書、欧州特許出願公開第374 753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号及び欧州特許出願公開第427 529号明細書に記載されている。殺虫耐性をコードし、1つ以上の毒素を発現する1つ以上の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(ワタ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料は、除草剤に耐性であると同時に、昆虫摂食に耐性であり得る(「積層」トランスジェニックイベント)。例えば、種子は、殺虫性Cry3タンパク質を発現する能力を有すると同時に、グリホサートに対して耐性であり得る。
【0034】
本発明の組成物は、典型的には、多種多様な単子葉及び双子葉の雑草種を防除するために使用することができる。典型的に防除され得る単子葉種の例としては、アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、ブラキリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)、ウマノチャヒキ(Bromus)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ホソムギ(Lolium perenne)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、キビ(Panicum miliaceum)、スズメノカタビラ(Poa annua)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)及びモロコシ(Sorghum bicolor)が挙げられる。防除され得る双子葉種の例としては、例えば、アブチロン・テオフラスティス(Abutilon theophrasti)、アマランサス・レトロフレクサス(Amaranthus retroflexus)、ビデンス・ピロサ(Bidens pilosa)、ケノポジウム・アルブム(Chenopodium album)、トウダイグサ(Euphorbia heterophylla)、ガリウム・アパリン(Galium aparine)、イポモエア・ヘデラセア(Ipomoea hederacea)、コキア・スコパリア(Kochia scoparia)、ポリゴナム・コンボルブルス(Polygonum convolvulus)、シダ・スピノーサ(Sida spinosa)、シナピス・アルベンシス(Sinapis arvensis)、ソラナム・ニグラム(Solanum nigrum)、コハコベ(Stellaria media)、ヴェロニカ・ペルシカ(Veronica persica)、及びキサンチウム・ストルマリウム(Xanthium strumarium)が挙げられる。
【0035】
本発明の全ての態様において、任意の特定の実施形態では、例えば、防除される、及び/又は成長阻害される雑草は、1種以上の他の除草剤、例えば、メソトリオン等のHPPD阻害剤除草剤、アトラジン等のPSII阻害剤除草剤又はグリホサート等のEPSPS阻害剤に対して耐性又は抵抗性である単子葉又は双子葉雑草であり得る。そのような雑草には、抵抗性のアマランサス(Amaranthus)生物型が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
本発明の組成物はまた、式(I)の除草剤及び成分(B)の除草剤とは異なる除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、成長調節剤、化学滅菌剤、情報化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激剤又は他の生物学的に活性な化合物を含む1つ以上のさらなる農薬と混合して、さらに広範囲の農業保護を与える多成分農薬を形成することができる。
【0037】
同様に、本発明の組成物(前の段落に記載の1種以上の追加の農薬を含むものを含む)は、1種以上の毒性緩和剤をさらに含むことができる。具体的には、以下の毒性緩和剤が特に好ましい:AD 67(MON 4660)、ベノキサコール、クロキントセット-メキシル、シオメトリニル、シプロスルファミド、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリン、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、フリラゾーム、イソキサジフェン-エチル、メフェンピル-ジエチル、メフェネート、オキサベトリニル、ナフタル酸無水物(CAS RN 81-84-5)、TI-35、N-イソプロピル-4-(2-メトキシ-ベンゾイルスルファモイル)-ベンズアミド(CAS RN 221668-34-4)及びN-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド。そのような毒性緩和剤はまた、例えばThe Pesticide Manual,15 th Ed.(BCPC)、2009に記載されているように、エステル又は塩の形態で使用されてもよい。したがって、クロキントセット-メキシルへの言及は、国際公開第02/34048号に開示されているように、クロキントセット並びにそのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第四級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも当てはまり、フェンクロラゾール-エチルへの言及はフェンクロラゾール等にも当てはまる。
【0038】
本発明の組成物は、作物の植え付け前又は植え付け後、雑草が現れる前(出芽前施用)又は雑草が現れた後(出芽後施用)に施用することができる。毒性緩和剤が本発明の混合物と組み合わされる場合、式(I)の化合物と毒性緩和剤との混合比は、100:1から1:10、特に20:1から1:1であることが好ましい。
【0039】
毒性緩和剤及び本発明の組成物を同時に施用することが可能である。例えば、毒性緩和剤及び本発明の組成物は、出芽前の部位に施用されても、又は出芽後の作物に施用されてもよい。また、毒性緩和剤及び本発明の組成物を連続的に施用することが可能である。例えば、毒性緩和剤は種子処理として種子を播種する前に施用されてもよく、本発明の組成物は出芽前の部位に施用されても、又は出芽後の作物に施用されてもよい。
【0040】
しかしながら、当業者は、本発明の組成物が非選択的バーンダウン用途において特に有用であり、したがって自生植物の防除又は作物植物の回避を行うためにも使用され得ることを理解するであろう。そのような状況では、本発明の組成物に毒性緩和剤を含める必要がないことは明らかである。
【0041】
一般的に、式(I)の化合物対、成分Bの化合物の混合比(重量基準)は、0.01:1~100:1、より好ましくは0.025:1~20:1、さらにより好ましくは1:30~20:1である。したがって、本発明の好ましい組成物の好ましい比の範囲を以下の表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
当業者であれば、上記の表2に記載の組成物番号1.001~1.018のいずれか1つのA:Bの最も好ましい比の範囲は1:30~20:1であり、表2に記載の組成物番号1.001~1.018のそれぞれは、以下の個別化された比:1:30、1:15、2:15、3:20、1:6、1:5、1:4、4:15、3:10、1:3、5:14、3:8、2:5、8:15、3:5、5:7、3:4、4:5、1:2、1:1、16:15、6:5、4:3、10:7、3:2、8:5、5:3、2:1、12:5、8:3、20:7、16:5、10:3、4:1、8:1、12:1、及び16:1のいずれか1つで使用できることを理解するであろう。
【0044】
本発明の組成物に施用される場合、成分(A)は、典型的には50~2000g/ha、より具体的には50、75、100、125、150、200、250、300、400、500、750、800、1000、1250、1500、1800、又は2000g/haの割合で施用される。このような成分(A)の比率は、典型的には成分Bの5~2000 g/haに関連して、より具体的には成分(B)の5、10、15、20、25、50、75、100、125、140、150、200、250、300、400、500、750、1000、1250、1500、1800又は2000g/haに関連して施用される。本明細書中に記載される実施例は、本発明において使用され得る成分(A)及び(B)の比率の範囲を例示するが、これに限定されない。
【0045】
施用される本発明による組成物の量は、使用される化合物;処理の対象、例えば植物、土壌又は種子;処理の種類、例えば噴霧、散布又は種子ドレッシング;又は施用時間等の様々な要因に依存する。農業実務において、本発明による組成物の施用量は、所望の効果の種類に依存し、典型的には、1ヘクタールあたり55~4000gの総組成物の範囲、より一般的には55~2000g/haである。施用は、一般的に、組成物を噴霧することによって行われ、典型的には、トラクタに取り付けられた噴霧器によって広い領域に対して行われるが、他の方法、例えば、散布(粉末用)、ドリップ又はドレンチも使用することができる。
【0046】
本発明の組成物は、下記の製剤(この場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と成分Bの化合物のそれぞれの混合物に関するか、又は毒性緩和剤も使用される場合、式(I)の化合物と成分Bの化合物及び毒性緩和剤のそれぞれの混合物に関する)に好都合に使用することができる。
【0047】
本発明の組成物の個々の成分は、製造時に技術的有効成分として利用することができる。しかしながら、より典型的には、本発明による組成物は、担体、溶媒及び界面活性物質等の製剤補助剤を使用して様々な方法で製剤化され得る。製剤は、様々な物理的形態、例えば、散剤、ゲル剤、水和剤、水分散性顆粒、水分散性錠剤、発泡性ペレット、乳化性濃縮物、微乳化性濃縮物、水中油型エマルジョン、油流動性、水分散物、油分散物、サスポエマルジョン、カプセル懸濁剤、乳化性顆粒、可溶性液体、水溶性濃縮物(水又は水混和性有機溶媒を担体として)、含浸ポリマーフィルム形態、又は例えば、Manual on Development and Use of FAO and WHO Specifications for Pesticides,United Nations,First Edition,Second Revision(2010)から公知の他の形態であり得る。このような製剤は、直接使用しても、又は使用前に希釈してもよい。希釈は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物学的生物、油又は溶媒を用いて行うことができる。
【0048】
製剤は、例えば、微細分割された固体、顆粒、液剤、分散剤又はエマルジョンの形態の組成物を得るために、有効成分を製剤アジュバントと混合することによって調製することができる。有効成分はまた、他のアジュバント、例えば、微細分割された固体、鉱物油、植物又は動物由来の油、植物又は動物由来の改質油、有機溶媒、水、界面活性物質又はその組合せと共に製剤化され得る。
【0049】
有効成分はまた、非常に微細なマイクロカプセルに含まれ得る。マイクロカプセルは、多孔質担体中に有効成分を含有する。これにより、有効成分を、抑制された量(例えば、徐放性)で環境中に放出することが可能になる。マイクロカプセルは、通常、0.1~500ミクロンの直径を有する。それらは、カプセル重量の約25~95重量%の量の有効成分を含む。有効成分は、モノリシック固体の形態、固体若しくは液体分散体中の微粒子の形態、又は適切な溶液の形態であり得る。カプセル化膜は、例えば、天然又は合成ゴム、セルロース、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン又は化学修飾ポリマー及びデンプンキサンテート又は当業者に公知の他のポリマーを含むことができる。或いは、非常に微細なマイクロカプセルを形成することができ、ここで、有効成分は、基本物質の固体マトリクス中に微細分割された粒子の形態で含まれるが、マイクロカプセル自体はカプセル化されない。
【0050】
本発明による組成物の調製に適した製剤アジュバントは、それ自体公知である。液体担体としては、水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、α-ピネン、d-リモネン、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ-ブチロラクトン、グリセロール、グリセロールアセテート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、酸化メシチル、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、酢酸オクチルアミン、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱物油、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドン等の高分子量アルコールを使用し得る。
【0051】
適切な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、パイロフィライト粘土、シリカ、アタパルジャイト粘土、珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、粉砕クルミ殻、リグニン及び同様の物質である。
【0052】
多数の界面活性物質は、固体製剤及び液体製剤の両方、特に使用前に担体で希釈することができる製剤に好都合に使用することができる。界面活性物質は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又はポリマー性であり得、乳化剤、湿潤剤又は懸濁剤として、又は他の目的のために使用することができる。典型的な界面活性物質としては、例えば、アルキルサルフェートの塩、例えば、ジエタノールアンモニウムラウリルサルフェート;アルキルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノールエトキシレート;アルコール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコールエトキシレート;石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸塩、例えばジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えばジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えばソルビトールオレエート;第4級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー;並びにモノ及びジ-アルキルホスフェートエステルの塩;また、例えば、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual,MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jersey(1981)に記載されるさらなる物質が挙げられる。
【0053】
農薬製剤に使用することができるさらなるアジュバントとしては、結晶化防止剤、粘度調整剤、懸濁化剤、染料、酸化防止剤、発泡剤、光吸収剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和又はpH調整物質及び緩衝剤、腐食防止剤、香料、湿潤剤、取込み促進剤、微量栄養素、可塑剤、滑剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、凍結防止剤、殺菌剤並びに液体及び固体肥料が挙げられる。
【0054】
本発明による製剤は、植物又は動物由来の油、鉱物油、そのような油のアルキルエステル又はそのような油と油誘導体との混合物を含む添加剤を含み得る。本発明による組成物中の油添加剤の量は、施用される混合物に基づいて、一般的に0.01~10%である。例えば、油添加剤は、噴霧混合物が調製された後に所望の濃度で噴霧タンクに添加することができる。好ましい油添加剤は、鉱物油又は植物起源の油、例えばナタネ油、オリーブ油若しくはヒマワリ油、乳化植物油、植物起源の油のアルキルエステル、例えばメチル誘導体、又は動物起源の油、例えば魚油若しくは牛脂を含む。好ましい油添加剤は、C822脂肪酸のアルキルエステル、特にC12~C18脂肪酸のメチル誘導体、例えばラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステル(それぞれラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル及びオレイン酸メチル)を含む。多くの油誘導体が、Compendium of Herbicide Adjuvants,10th Edition,Southern Illinois University,2010から知られている。
【0055】
製剤は、一般的に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の化合物(A)及び(B)と、好ましくは0~25重量%の界面活性物質を含む1~99.9重量%の製剤アジュバントとを含む。市販品は好ましくは濃縮物として製剤化され得るが、エンドユーザーは通常希釈製剤を使用する。
【0056】
施用量は、広い範囲内で変動し、土壌の性質、施用方法、作物植物、防除されるべき有害生物、優勢な気候条件、並びに施用方法、施用時期及び標的作物によって支配される他の要因に依存する。一般的な指針として、化合物は、1~2000l/ha、特に10~1000l/haの割合で施用することができる。
【0057】
好ましい製剤は、以下の組成物(重量%)を有していてもよく、「有効成分」という用語は、組成物中の全ての有効成分の組合せの総重量%を指す。
【0058】
乳化性濃縮物:
有効成分: 1~95%、好ましくは60~90%
界面活性剤: 1~30%、好ましくは5~20%
液体担体: 1~80%、好ましくは1~35%
【0059】
ダスト:
有効成分: 0.1~10%、好ましくは0.1~5%
固体担体: 99.9~90%、好ましくは99.9~99%
【0060】
懸濁液濃縮物:
有効成分: 5~75%、好ましくは10~50%
水: 94~24%、好ましくは88~30%
界面活性剤: 1~40%、好ましくは2~30%
【0061】
湿潤性粉末:
有効成分: 0.5~90%、好ましくは1~80%
界面活性剤: 0.5~20%、好ましくは1~15%
固体担体: 5~95%、好ましくは15~90%
【0062】
顆粒:
有効成分: 0.1~30%、好ましくは0.1~15%
固体担体: 99.5~70%、好ましくは97~85%
【0063】
ここで、本発明の様々な態様及び実施形態を例としてより詳細に説明する。本発明の範囲から逸脱することなく、詳細の変更を行うことができることが理解されよう。
【実施例
【0064】
製剤例
【0065】
【表3】
【0066】
組合せをアジュバントと完全に混合し、混合物を適切なミルで完全に粉砕して、水で希釈して所望の濃度の懸濁液を得ることができる水和剤を得る。
【0067】
【表4】
【0068】
組合せをアジュバントと完全に混合し、混合物を適切なミルで完全に粉砕して、種子処理に直接使用できる粉末を得る。
【0069】
【表5】
【0070】
植物保護に使用することができる任意の必要な希釈のエマルジョンは、この濃縮物から水で希釈することによって得ることができる。
【0071】
【表6】
【0072】
すぐに使用可能なダストは、担体との組合せを混合し、混合物を適切なミルで粉砕することによって得られる。このような粉末は、種子用の乾燥ドレッシングにも使用することができる。
【0073】
【表7】
【0074】
組合せをアジュバントと混合粉砕し、混合物を水で湿らせる。混合物を押し出し、次いで空気流中で乾燥させる。
【0075】
【表8】
【0076】
微細粉砕した組合せを、ミキサー内でポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに均一に塗布する。このようにして、非ダスト性被覆顆粒を得る。
【0077】
【表9】
【0078】
微細粉砕した組合せをアジュバントと完全に混合して懸濁液濃縮物を得、そこから水で希釈することによって任意の所望の希釈の懸濁液を得ることができる。このような希釈物を使用して、生きている植物並びに植物繁殖材料を噴霧、注入又は浸漬によって処理し、微生物による侵襲から保護することができる。
【0079】
【表10】
【0080】
微細粉砕した組合せをアジュバントと完全に混合して懸濁液濃縮物を得、そこから水で希釈することによって任意の所望の希釈の懸濁液を得ることができる。このような希釈物を使用して、生きている植物並びに植物繁殖材料を噴霧、注入又は浸漬によって処理し、微生物による侵襲から保護することができる。
【0081】
徐放カプセル懸濁剤
28部の組合せを、2部の芳香族溶媒及び7部のトルエンジイソシアネート/ポリメチレン-ポリフェニルイソシアネート混合物(8:1)と混合する。この混合物を、所望の粒径が達成されるまで、ポリビニルアルコール1.2部、消泡剤0.05部及び水51.6部の混合物中で乳化させる。このエマルジョンに、5.3部の水中の2.8部の1,6-ジアミノヘキサンの混合物を添加する。重合反応が完了するまで混合物を撹拌する。得られたカプセル懸濁剤に増粘剤0.25部、及び分散剤3部を添加して安定化させる。カプセル懸濁製剤は、28%の有効成分を含む。媒体カプセル直径は8~15ミクロンである。得られた製剤を、その目的に適した装置内の水性懸濁液として種子に施用する。
【0082】
生物学的実施例
アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)(DIGSA)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)(ALOMY)、シロザ(Chenopodium album)(CHEAL)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、コハコベ(Stellaria media)(STEME)、イチビ(Abutilon threophrasti)(ABUTH)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)の種子を、ポット内の標準的な滅菌土壌に蒔いた。温室(24/19℃、昼夜;16時間光;湿度制御なし)で制御された条件下で8日間培養した後、植物に、少量のアセトン並びにIF50と呼ばれる溶媒及び乳化剤混合物中の技術的有効成分の製剤から得られる水性噴霧溶液(11.12% Emulsogen EL360(商標)+44.44% N-メチルピロリドン+44.44% Dowanol DPMグリコールエーテル)を500l/Haで噴霧して50g/l溶液を作成し、次いでこれを希釈剤として0.2% Genapol XO80(CAS番号:9043-30-5)を用いて希釈して所望の最終用量の試験化合物を得た。
【0083】
有効成分を混合物として施用した場合、両方の有効成分を含有する水性噴霧溶液を上記のように調製した。
【0084】
次いで、試験植物を、ガラス温室(24/18℃、昼夜;15時間光;50%湿度)において制御された条件下で成長させ、1日2回水を与えた。13日後、対照未処理植物と比較した場合の植物(ここで、100=植物の総損傷;0=植物に損傷なし;NC=キャプチャされない)に対する植物毒性の割合について試験を視覚的に評価した。2~4回の反復実験を、ランダム化ブロック試験設計で各処理に適用した。
【0085】
個々の有効成分についての結果を以下の表B1に示し、本発明の組合せについての結果を以下の表B2に示す。
【0086】
【表11-1】
【表11-2】
【0087】
有効成分の混合物が試験植物の植物毒性の割合に対して相乗効果を有するかどうかを決定するために、Colbyの式を適用した:S.R.Colby(1967)「Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations」、Weeds 15、p.22.,E=X+Y-(X*Y/100)、式中、
X=一定の割合で施用した場合の除草剤Aの平均植物毒性パーセント
Y=一定の割合で施用した場合の除草剤Bを使用した平均植物毒性パーセント
E=Colbyの式から算出される除草剤A及びBの混合物の予測される効果。
【0088】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【表12-5】
【表12-6】
【表12-7】
【表12-8】
【国際調査報告】