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▶ レガシー ベンチャーズ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】血餅回収システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
A61B17/22 528
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524098
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 US2021055853
(87)【国際公開番号】W WO2022087136
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】17/075,304
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516346159
【氏名又は名称】レガシー ベンチャーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ウルム ザ サード アーサー ジョン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160KL03
4C160MM36
4C160NN01
(57)【要約】
動物の血管または他の内腔の内側の閉塞物および他の物体を除去するための装置のプラットフォームが提供される。このシステムは、カテーテルから内腔内に展開され得、かつ、血餅または他の物体をケージ内部内に引き込むために、一つまたは複数の吸引開口を含む吸引カテーテルを含むケージを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケージ基端と、ケージ先端と、該ケージ基端から該ケージ先端まで延びるケージ長さと、該ケージ長さに対して垂直なケージ高さと、該ケージ長さおよび該ケージ高さに対して垂直なケージ幅と、ケージ内部と、複数の形状記憶金属条片で構成されたケージ外周部とを含むケージを含む先端側ボディであって、該ケージは、該ケージが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該ケージが第二の高さおよび第二の幅を有し、該ケージの該第二の高さが該ケージの該第一の高さ未満であり、該ケージの該第二の幅が該ケージの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する、該先端側ボディ;ならびに
概ね中空の内部と、該ケージ基端に対して基端側に位置する基端と、先端とを含み、該ケージに取り付けられかつ該ケージ内部内に進む、吸引カテーテルであって、該ケージ基端と該ケージ先端との間に位置し該概ね中空の内部に通じる少なくとも一つの吸引開口を、該ケージ内部の中で含む、該吸引カテーテル
を含む、ヒト血管から血餅を除去するためのシステム。
【請求項2】
基端側吸引力が吸引カテーテルに加えられると、操作者がケージ内部の外側から該ケージ内部内へ血餅を引き込むことを可能にするように、前記吸引開口が構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
吸引カテーテルが、シリンジまたはポンプに接続されており、該シリンジまたはポンプが、血餅をケージ内部内に引き込むために吸引開口に基端側吸引力を加えるように構成されている、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
吸引カテーテルの基端が、該吸引カテーテルの基端を吸引源に接続するように構成されたテーパ状ハブを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
ケージが、複数の形状記憶金属条片によって形成された複数の区画を含むフレームワークで構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記弛緩状態において、吸引開口が区画と整列されている、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記弛緩状態において、吸引開口が区画の長手方向の中心と整列されている、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記弛緩状態において、前記フレームワークが、別の区画に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた少なくとも一対の先端側頂部を含み、該少なくとも一対の先端側頂部における該先端側頂部が、ケージ基端からほぼ同じ距離に位置し、かつ互いに対して150°~180°で位置し、該少なくとも一対の先端側頂部における各先端側頂部が、異なる拡大区画の一部を形成し、各拡大区画が中心を有し、
該少なくとも一対の先端側頂部についての該拡大区画の該中心が、互いに対して150°~180°であり、さらに、該拡大区画が、血餅がそこを通過してケージ内部内に入ることを可能にするように構成されており、さらに、吸引開口が、拡大区画と整列されている、
請求項5記載のシステム。
【請求項9】
吸引開口の高さ方向の中心が、拡大区画の高さ方向の中心と整列されている、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
ケージ内部の中で、吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に対して基端側にある少なくとも一対の吸引開口を含み、該少なくとも一対の吸引開口の各々が中心を有し、該少なくとも一対の吸引開口の該中心が、互いに対して150°~180°で位置する、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
吸引カテーテル先端が開口している、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に隣接して位置しかつ形状記憶金属フレームワークで構成された拡張可能な先端側チップと、該形状記憶金属フレームワークに取り付けられたフィルムとを含み、該拡張可能な先端側チップは、該拡張可能な先端側チップが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該拡張可能な先端側チップが第二の高さおよび第二の幅を有し、該拡張可能な先端側チップの該第二の高さが該拡張可能な先端側チップの該第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第二の幅が該拡張可能な先端側チップの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有し、さらに、該拡張可能な先端側チップの第一の高さが、ケージの第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第一の幅が、該ケージの第一の幅未満である、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記弛緩状態において、吸引カテーテルの拡張可能な先端側チップが、テーパ状の形状であり、さらに、該吸引カテーテルの先端が、前記弛緩状態において、該拡張可能な先端側チップの最大の高さおよび幅を形成する、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
ケージが、前記弛緩状態において約15ミリメートル~約35ミリメートルの最大幅および最大高さを含み、吸引カテーテルが、拡張可能な先端側チップのすぐ基端側に拡張不可能な基端側区分を含み、該拡張不可能な基端側区分が、該拡張可能な先端側チップが前記しぼんだ状態と前記弛緩状態との間で動く際に、実質的に同じ高さおよび同じ幅を維持するように構成されており、さらに、該拡張可能な先端側チップが、該基端側区分の幅よりも約2倍~約6倍大きい、前記弛緩状態における最大幅を含み、さらに、該拡張可能なチップが、該基端側区分の高さよりも約2倍~約6倍大きい、前記弛緩状態における最大高さを含む、請求項12記載のシステム。
【請求項15】
形状記憶金属フレームワークが、複数の編組みメッシュ開口を形成する織られた線状形状記憶金属ストランドで構成され、さらに、フィルムが該メッシュ開口を覆う、請求項12記載のシステム。
【請求項16】
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に対して基端側にあるフィルムに位置する少なくとも一対の吸引開口を含み、該少なくとも一対の吸引開口の各々が中心を有し、該少なくとも一対の吸引開口の該中心が、互いに対して150°~180°で位置する、請求項12記載のシステム。
【請求項17】
吸引カテーテルが、ケージ基端に取り付けられている、請求項1記載のシステム。
【請求項18】
吸引カテーテルのケージへの取り付けが、操作者が該吸引カテーテルを基端側に引くことによって該ケージを基端側に引くこと、および該吸引カテーテルを先端側に押すことによって該ケージを先端側に押すことを可能にするように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項19】
ケージ内部の中で、吸引カテーテルが、概ね中空の内部に通じる複数の吸引開口を含み、該複数の吸引開口の少なくともいくつかが、吸引カテーテル先端に対して基端側に位置する、請求項1記載のシステム。
【請求項20】
内部と、該内部に通じる基端と、該内部に通じる先端とを有する送達カテーテルをさらに含み、該送達カテーテルが、生体適合性材料で構成され、かつケージおよび吸引カテーテルを包む、請求項1記載のシステム。
【請求項21】
吸引カテーテルの先端が、ケージ先端を越えて先端側に延び、かつ、該ケージ先端には取り付けられていない、請求項1記載のシステム。
【請求項22】
吸引カテーテルの概ね中空の内部内に位置し、かつ該吸引カテーテルの概ね中空の内部内で基端側および先端側に移動可能である、内側遮断カテーテルをさらに含み、該内側遮断カテーテルが、開口した基端と、開口した先端と、概ね中空の内部とを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項23】
内側遮断カテーテルおよび吸引カテーテルが各々、外径および内径を含み、さらに、該内側遮断カテーテルの該外径が、該吸引カテーテルの該内径の大きさの約85%~約99.9%である、請求項22記載のシステム。
【請求項24】
吸引カテーテルの高さ方向および幅方向の中心が、前記弛緩状態において、ほぼ、ケージの高さ方向および幅方向の中心に位置する、請求項1記載のシステム。
【請求項25】
吸引カテーテルを除けば、ケージ内部が中空であり、さらに、前記システムが、ケージ先端から先端側に延びるリードワイヤを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項26】
ケージ基端と、ケージ先端と、該ケージ基端から該ケージ先端まで延びるケージ長さと、該ケージ長さに対して垂直なケージ高さと、該ケージ長さおよび該ケージ高さに対して垂直なケージ幅と、ケージ内部と、複数の形状記憶金属条片で構成されたケージ外周部とを含むケージを含む先端側ボディであって、該ケージは、該ケージが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該ケージが第二の高さおよび第二の幅を有し、該ケージの該第二の高さが該ケージの該第一の高さ未満であり、該ケージの該第二の幅が該ケージの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する、該先端側ボディ;ならびに
概ね中空の内部と、該ケージ基端に対して基端側に位置する基端と、先端とを含む吸引カテーテルであって、該ケージ形状記憶金属条片の少なくともいくつかに取り付けられ、該概ね中空の内部に通じる少なくとも一つの吸引開口を含む、該吸引カテーテル
を含む、ヒト血管から血餅を除去するためのシステム。
【請求項27】
吸引カテーテルが、複数の形状記憶金属条片の少なくともいくつか固定して取り付けられている、請求項26記載のシステム。
【請求項28】
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に隣接して位置する拡張可能な先端側チップを含み、該拡張可能な先端側チップは、該拡張可能な先端側チップが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該拡張可能な先端側チップが第二の高さおよび第二の幅を有し、該拡張可能な先端側チップの該第二の高さが該拡張可能な先端側チップの該第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第二の幅が該拡張可能な先端側チップの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する、請求項26~27のいずれか一項記載のシステム。
【請求項29】
拡張可能な先端側チップが、形状記憶金属条片の少なくともいくつかに化学的に結合されたフィルムで構成されている、請求項28記載のシステム。
【請求項30】
拡張可能な先端側チップの第一の高さが、ケージの第一の高さと等しく、拡張可能な先端側チップの第一の幅が、ケージの第一の幅と等しい、請求項28~29のいずれか一項記載のシステム。
【請求項31】
拡張可能な先端側チップがフィルムから構成されており、吸引カテーテルが、該拡張可能な先端側チップのすぐ基端側にある拡張不可能な基端側区分を含み、該拡張不可能な基端側区分が、該拡張可能な先端側チップが前記しぼんだ状態と前記弛緩状態との間で動く際に、実質的に同じ高さおよび同じ幅を維持するように構成され、かつ外側壁を含み、形状記憶金属条片の少なくともいくつかが、該拡張不可能な基端側区分の該外側壁に取り付けられた基端、先端を含む基端側形状記憶金属条片であり、さらに、該フィルムが、該基端側形状記憶金属条片に取り付けられている、請求項28~30のいずれか一項記載のシステム。
【請求項32】
フィルムが、ケージ長さと平行なフィルム長さを有し、該フィルム長さが、約5ミリメートル~約25ミリメートルである、請求項31記載のシステム。
【請求項33】
前記弛緩状態において、吸引カテーテルの拡張可能な先端側チップが、テーパ状の形状であり、さらに、該吸引カテーテルの先端が、前記弛緩状態において、該拡張可能な先端側チップの最大の高さおよび幅を形成する、請求項28~32のいずれか一項記載のシステム。
【請求項34】
ケージが、ケージ先端に隣接する複数の区画を含む、請求項28~33のいずれか一項記載のシステム。
【請求項35】
ケージが、ケージ先端に隣接する複数の小区画、および該複数の小区画と吸引カテーテル先端との間に位置する複数の大区画を含み、該大区画が、前記弛緩状態において該小区画よりも大きい表面積を有する、請求項28~33のいずれか一項記載のシステム。
【請求項36】
前記大区画が、前記弛緩状態において、小区画の表面積の150%~500%である表面積を有する、請求項35記載のシステム。
【請求項37】
基端側吸引力が吸引カテーテルに加えられると、操作者がケージ内部の外側から該ケージ内部内へ血餅を引き込むことを可能にするように、前記吸引開口が構成されている、請求項28~36のいずれか一項記載のシステム。
【請求項38】
吸引カテーテルが、シリンジまたはポンプに接続されており、該シリンジまたはポンプが、血餅をケージ内部内に引き込むために吸引開口に基端側吸引力を加えるように構成されている、請求項28~37のいずれか一項記載のシステム。
【請求項39】
少なくとも一つの吸引開口が、ケージ基端とケージ先端との間に位置する、請求項26~38のいずれか一項記載のシステム。
【請求項40】
少なくとも一つの吸引開口が、吸引カテーテル先端に位置する、請求項26~39のいずれか一項記載のシステム。
【請求項41】
ケージ先端に位置するケージ形状記憶金属条片が、ケージ先端側ジャンクションで収束する、請求項26~40のいずれか一項記載のシステム。
【請求項42】
ケージ先端に位置するケージ形状記憶金属条片が、ケージ先端側ジャンクションにはんだ付けまたは溶接されている、請求項41記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の内腔から血餅または他の物体を除去するための展開可能なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
血餅(血栓)が脳に血液を供給する動脈を塞ぐと、急性虚血性脳卒中が発症する。いうまでもなく、血餅がそのような閉塞を生じさせたとき、その血餅を除去するための時間が重要である。
【0003】
頭蓋内閉塞物の除去は、いくつかの要因、たとえば、大腿アクセス部位から頭蓋内閉塞物までの距離、頸部および近位頭蓋内血管構造の屈曲性(動脈が頭蓋基部に入るときの動脈のねじれおよび旋回)、血管の小さなサイズおよび頭蓋内血管のきわめて薄い壁(有意な筋層を有しない)によって制限される。これらの制限は、装置が、ガイドカテーテルおよびマイクロカテーテル内で曲がりくねった血管に通してナビゲートされ、閉塞部位に送達されたのち拡張し、マイクロカテーテル中に回収可能であるのに十分なほど小さく、可撓性であり、それでいて、付着した血栓を血管壁から強く押し退けるのに十分なほど強いことを要求する。加えて、装置は、血栓を先端側に捕らえて、または閉じ込めて他の血管への塞栓形成を防ぎ、閉塞を完全に除去するべきである。装置は、さらなる虚血および血管損傷の危険を伴う血管の近位側閉塞を必要とせずに回収可能であるべきである。装置は、使いやすく、同じ患者処置内で複数回の使用が可能であるべきである。装置は、研磨性であるべきではなく、血管壁の内皮層に露出される鋭利な角を有するべきではない。
【0004】
現在利用可能な血管内血栓および異物除去装置はこれらの特徴のいくつかを欠く。現在利用可能な装置は、Concentric Medical, Inc.(Mountainview, CA)によって市販されているMERCI(商標)RETRIEVER血餅回収装置、Penumbra Inc.(Alameda, CA)によって市販されている、血餅を回収するためのPENUMBRA(商標)システムならびにより新規なステント回収装置TREVO(商標)(Stryker, Kalamazoo, MI)およびSOLITAIRE(商標)(eV3 Endovascular Inc., Plymouth, MA(Covidienの子会社))を含む。これらの装置はすべて、心臓およびアテローム硬化性近位部血管から脳への塞栓を形成する組織化した硬い血栓を除去するのには効果がない。これらの「硬い」血栓は、医療処置に対して抵抗性であり、したがって、血管内手法による機械的手段による除去に回される脳卒中の大部分を構成する。MERCI回収システムは、コイルばね様金属および対応する縫合材料で構成されている。使用方法は、血栓に対して先端側での展開であり、装置を血栓に通して引き抜くことにより、血栓はコイルおよびメッシュ中にからみとられ、次いで回収される。MERCIシステムは、バルーンカテーテルによる近位側血管の閉塞と同時に、血栓が除去されている間の血液の吸引を必要とする。たいてい、装置は、血管の壁から血栓を取り除くことができず、しばしば、血栓をうまく取り除いたときでさえ、装置の開放性のせいで、別の血管または同じ血管中に血栓が形成する。
【0005】
血栓除去システムの次の試みはPENUMBRAであった。PENUMBRAとは、血栓を細かく砕く(血栓はその後、吸引によって除去される)セパレータを有する吸引カテーテルである。この装置は、閉塞形成した硬い組織化血栓を心臓から除去すること、近位の栄養供給動脈からコレステロールプラークを除去すること、および他の異物を除去することには効果がない。
【0006】
SOLITAIREおよびTREVOシステムは、自己拡張性の非脱着可能なステントである。装置が血栓を過ぎるまで送達されたのち、血栓がステントのメッシュ中にからみとられ、次いでMERCIシステムと同様なやり方で除去される。ここでもまた、これらの装置は、硬い血栓を処理するのには効果がない。事実、血栓は、多くの場合、血餅を外方に押して血管壁に押し当てることによって血管を一時的に拡げるステントにより、血管壁に押し当てられる。装置を回収するとき、血餅は残るか、いくつかの破片に分解されてそれらが血管に沿ってさらに塞栓を形成する。
【0007】
したがって、ヒトおよび他の動物の内腔から血餅のような閉塞物を適時的に除去するための、新規な、使いやすく製造しやすい安全な外科用装置の必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
概要
本開示は、動物の血管または他の内腔内の閉塞物および他の物体を除去するためのいくつかのシステムを提供する。システムは、内腔中、カテーテルの先端から展開し得、いくつかの態様において、基端および先端を有するプルワイヤ;プルワイヤに取り付けられた先端側ボディを含み、先端側ボディは、内部と、外部と、基端と、先端と、基端に位置する複数の基端側形状記憶金属条片と、先端側ボディ内部に位置する基端側ハブ/ジャンクションと、基端側ハブ/ジャンクションに対して先端側に位置する先端側ハブ/ジャンクションとを含む。先端側ボディは、先端側ボディが第一の高さおよび幅を有する弛緩状態と、先端側ボディが第二の高さおよび幅を有し、第二の高さが第一の高さ未満であり、第二の幅が第一の幅未満であるしぼんだ状態とを有する。システムは、内部と、内部に通じる基端と、内部に通じる先端とを有するカテーテルをさらに含み、該カテーテルは、生体適合性材料で構成されかつ先端側ボディがしぼんだ状態にあるとき該先端側ボディを包むように構成されている。基端側形状記憶金属条片それぞれは基端および先端を有し、好ましくは、弛緩状態において、基端側形状記憶金属条片の基端それぞれは基端側ハブ/ジャンクションに対して基端側に位置する。好ましくは、弛緩状態において、基端側形状記憶金属条片の基端は、オペレータが基端側ハブ/ジャンクションを先端側に動かして固定先端側ハブ/ジャンクションに近づけるとき(すなわち、オペレータがハブ/ジャンクション間の距離を減らすとき)、互いおよびプルワイヤに向かって動くように構成されている。好ましくは、弛緩状態において、基端側形状記憶金属条片の基端は、基端側ハブ/ジャンクションを基端側に動かして固定先端側ハブ/ジャンクションから離すことにより(すなわち、オペレータがハブ/ジャンクション間の距離を増すとき)、互いおよびプルワイヤから離れるように構成されている。
【0009】
任意で、システムは複数の形状記憶金属コネクタ条片をさらに含み、複数の形状記憶金属コネクタ条片は、それぞれ、基端側形状記憶金属条片に取り付けられた基端と、基端側ハブ/ジャンクションに取り付けられた先端とを有する。任意で、コネクタ条片は基端側ハブ/ジャンクションと一体化している(すなわち、任意で、コネクタ条片および基端側/ジャンクションは同じ形状記憶金属片から形成されている)。任意で、基端側ハブ/ジャンクションは、開口を有する管であり、プルワイヤがその開口を通り抜ける。任意で、弛緩状態において、基端側ハブ/ジャンクションはプルワイヤ(すなわち、プルワイヤの少なくとも一区分)に沿ってスライド可能である。任意で、弛緩状態において、基端側形状記憶金属条片は先端側ボディの外周部に実質的に均等に分布している。任意で、先端側ハブ/ジャンクションは、開口を有する管である。任意で、先端側ハブ/ジャンクションは、プルワイヤに沿ってスライドできないよう、プルワイヤに取り付けられている。任意で、先端側ボディはさらに、先端側ハブ/ジャンクションから先端側に延びるリードワイヤを含む。任意で、先端側ボディは、基端側形状記憶金属条片に対して先端側にある複数の形状記憶金属条片で構成されたバスケットを含む。任意で、先端側ハブ/ジャンクション、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側バスケットは、同じ材料組成を有するニチノールで構成されている。任意で、先端側ボディはさらにX線マーカを含む。任意で、基端側形状記憶金属条片はつめを形成し、つめは、基端側形状記憶金属条片の基端によって形成される閉鎖可能な基端を有する。任意で、2~4個の基端側形状記憶金属条片が前記つめを形成する。任意で、先端側ボディは、弛緩状態において、先端側ボディ高さおよび幅が基端から先端へ向かって減少するテーパ形状を有する。任意で、先端側ボディは弛緩状態で弾丸形状を有する。任意で、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションは概ね円筒形であり、かつそれぞれがある外径および内径を有し、内径が基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの開口を形成し、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの外径は実質的に同じサイズであり、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの内径は実質的に同じサイズである。任意で、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの外径は約0.011インチ~約0.054インチであり、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの内径は約0.008インチ~約0.051インチである。任意で、プルワイヤは概ね円柱形であり、プルワイヤの直径は約0.008インチ~約0.051インチである。任意で、基端側形状記憶金属条片は約10~約60ミリメートルの長さを有する。任意で、先端側ボディの第一の高さおよび第一の幅は約2ミリメートル(mm)~約6ミリメートルである。任意で、基端側形状記憶金属条片は、血管壁から血餅を切り離すように構成されている。
【0010】
本発明はまた、動物の、内腔を形成する内壁を有する内腔から物体を除去する方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、
a)
i)基端および先端を有するプルワイヤ;
ii)基端と、先端と、複数の形状記憶金属条片で構成されたつめとを含む、プルワイヤに取り付けられた先端側ボディであって、先端側ボディが第一の高さおよび幅を有する弛緩状態と、先端側ボディが第二の高さおよび第二の幅を有し、第二の高さが前記第一の高さ未満であり、第二の幅が前記第一の幅未満であるしぼんだ状態とを有する、前記先端側ボディ;ならびに
iii)内部と、内部に通じる基端と、内部に通じる先端とを有するカテーテルであって、生体適合性材料で構成されかつ前記先端側ボディが前記しぼんだ状態にあるとき該先端側ボディを包むように構成されたカテーテル
を含むシステムを提供する工程;
b)システムを内腔中に配置する工程;
c)カテーテルの先端から先端側ボディを展開させる工程;
d)前記先端側ボディの高さおよび幅を増大させる工程;ならびに
e)形状記憶金属条片を互いおよびプルワイヤに向けて動かして、閉塞物を捕獲する工程
を含む。任意で、つめおよび形状記憶金属条片は前記先端側ボディの基端側に位置し、先端側ボディは前記物体に対して先端側で展開する。任意で、基端側形状記憶金属条片は、つめの基端を形成する基端と、先端とを有し、方法は、形状記憶金属条片の基端側を互いおよびプルワイヤに向けて動かして、閉塞物を捕獲する工程を含む。任意で、先端側ボディはさらに、先端側ボディ内部に位置する基端側ハブ/ジャンクションと、基端側ハブ/ジャンクションに対して先端側に位置する先端側ハブ/ジャンクションとを含み、基端側形状記憶金属条片それぞれは基端および先端を有し、形状記憶金属条片の基端それぞれは基端側ハブ/ジャンクションに対して基端側に位置し、形状記憶金属条片の基端は、基端側ハブ/ジャンクションを先端側に動かして先端側ハブ/ジャンクションに近づけることにより、互いおよびプルワイヤに向かって動くように構成されており、形状記憶金属条片の基端は、基端側ハブ/ジャンクションを基端側に動かして先端側ハブ/ジャンクションから離すことにより、互いおよびプルワイヤから離れるように構成されており、方法はさらに、基端側ハブ/ジャンクションを先端側に動かして先端側ハブ/ジャンクションに近づけて、閉塞物をつめの中に捕獲する工程を含む。任意で、内腔は頭蓋内動脈であり、閉塞物は血餅である。任意で、方法はさらに、基端側ハブ/ジャンクションを先端側ハブ/ジャンクションに向けて動かし、基端側形状記憶金属条片に張力を加えるために血餅を使用する工程を含む。任意で、方法はさらに、基端側ハブ/ジャンクションを先端側ハブ/ジャンクションに向けて動かし、基端側形状記憶金属条片に張力を加えるために管を使用する工程を含む。
【0011】
本発明はまた、動物の内腔内の物体を除去するためのシステムを製造する方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、
a)外部と、中空の内部と、外部を中空の内部と分ける壁と、中空の内部に通じる開口を含む基端側部分と、中空の内部に通じる開口を含む先端側部分と、基端側部分と先端側部分との間の中間部分とを有する、形状記憶金属で構成された一つの管を提供する工程;
b)中間部分の壁をレーザによってカットする工程;
c)レーザによってカットされた中間部分の破片を除去して、基端側の管と、基端側の管に取り付けられた複数の形状記憶金属条片を含む中間部分と、先端側の管とを形成する工程;
d)中間部分の形状を変化させる工程;
e)中間部分を先端側の管および基端側の管に対して拡張させる工程;
f)形状記憶金属条片をカットして、基端側の管および形状記憶金属条片の基端側区分を含む第一の区分と、先端側の管および形状記憶金属条片の先端側区分を含む第二の区分とを形成する工程;ならびに
g)基端側区分を先端側区分に接合して、先端側区分が先端側ボディの基端を形成し、基端側の管が前記先端側ボディの内部の内側に位置し、基端側の管が基端側に対して先端側に位置するようにする工程
を含む。
【0012】
任意で、方法はさらに、プルワイヤを基端側の管に通して配置して、基端側の管がプルワイヤの少なくとも一区分に沿ってスライド可能であるようにする工程を含む。任意で、方法はさらに、プルワイヤを先端側の管に取り付ける工程を含む。任意で、基端側区分を先端側区分に接合する工程は、基端側区分を先端側区分に溶接またははんだ付けする工程を含む。任意で、基端側区分を先端側区分に接合する工程ののち、基端は、2~4個の形状記憶金属条片で構成されたつめを形成し、つめ形状記憶金属条片は、前記基端側の管を先端側に動かして先端側の管に近づけることにより、互いに向かって動くように構成されており、つめ形状記憶金属条片は、基端側の管を基端側に動かして前記先端側の管から離すことにより、互いから離れるように構成されている。任意で、方法はさらに、中間部分の形状を変化させるとき基端側および先端側部分の形状を変化させない工程を含む。任意で、方法はさらに、工程(D)ののち、基端側部分、中間部分および先端側部分を冷却する工程を含み、冷却ののち、基端側および先端側部分は、工程(A)の前に基端側および先端側部分が有したサイズと実質的に同じサイズを有する。任意で、前記中間部分を拡張させる方法は、中間部分を加熱する工程を含む。任意で、中間部分の形状を変化させる方法は、マンドレルを使用する工程を含む。任意で、マンドレルはテーパ状である。任意で、基端側部分および先端側部分はレーザによってカットされない。任意で、形状記憶金属管をカットする前、形状記憶金属管は、約0.011インチ~約0.054インチである外径および約0.008インチ~約0.051インチである内径を有する。
【0013】
代替態様において、本開示は、
基端および先端を有するプルワイヤ;
内部と、基端と、先端と、該基端から該先端まで延びる先端側ボディ長さと、先端側ボディの基端を形成する基端側ハブ/ジャンクション(好ましくは管の形態にある)と、複数のバスケット条片によって形成された複数の区画で構成されたバスケットと、複数の基端側条片と、任意で、バスケットの先端を形成する先端側ハブ/ジャンクション(好ましくは管の形態にある)とを含む、プルワイヤに取り付けられた先端側ボディであって、バスケットがバスケット内部を含み、各基端側条片が、基端側ハブ/ジャンクションに取り付けられた基端と、区画に取り付けられた先端とを有し、先端側ボディが、先端側ボディが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、先端側ボディが第二の高さおよび第二の幅を有し、第二の高さが第一の高さ未満であり、第二の幅が第一の幅未満であるしぼんだ状態とを有する、前記先端側ボディ;ならびに
内部と、内部に通じる基端と、内部に通じる先端とを有するカテーテルであって、生体適合性材料で構成されかつ先端側ボディがしぼんだ状態にあるとき該先端側ボディを包むように構成された、カテーテル
を含み、
弛緩状態において、バスケットが、バスケットの別の区画に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた第一の対の先端側頂部を含み、第一の対の先端側頂部が、基端側ハブ/ジャンクションからほぼ同じ距離にかつ互いに対してほぼ180°(たとえば、互いに対して約150°~約180°)で位置し、バスケットがさらに、バスケットの別の区画に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた第二の対の先端側頂部を含み、第二の対の先端側頂部が、第一の対の先端側頂部に対して先端側に、第一の対の先端側頂部に対してほぼ90°で位置し(たとえば、第二の対の先端側頂部の各先端側頂部は第一の対の先端側頂部の該先端側頂部に対してほぼ60°~90°で位置し)、第二の対の先端側頂部における該先端側頂部が基端側ハブ/ジャンクションからほぼ同じ距離に位置し、さらに、第一および第二の対の先端側頂部における該先端側頂部のそれぞれがX線マーカを含み、X線マーカが、先端側ボディがヒトの体内の頭部血管中に位置しかつX線画像がヒトの体外から撮られるとき、X線下でバスケット条片に比べて視認しやすい、動物の内腔から物体を除去するためのシステムを提供する。任意で、バスケットは、先端側ハブ/ジャンクションの代わりに、開口した先端を含む。
【0014】
任意で、X線マーカは、バスケット条片を形成する材料とは異なる材料で構成されている。任意で、弛緩状態においてバスケット内部は実質的に中空である。任意で、弛緩状態において、先端側ボディは、基端側ハブ/ジャンクションから第一の対のX線マーカとほぼ同じ距離に位置する別のX線マーカを有さず、先端側ボディは、基端側ハブ/ジャンクションから第二の対のX線マーカとほぼ同じ距離に位置する別のX線マーカを有しない。換言するならば、第一および第二の対のX線マーカは、基端側ハブ/ジャンクションからそれぞれの距離における唯一のマーカである。任意で、第一および第二の対の先端側頂部における各先端側頂部は拡大区画の一部を形成し、さらに、弛緩状態における各拡大区画の表面積はバスケットのもう一方の個々の区画それぞれの表面積よりも大きく、さらに、拡大区画は、血栓がその中を通過し、バスケット内部に入ることを可能にするように構成されている。任意で、弛緩状態において、先端側ボディは、基端側ハブ/ジャンクションから第一の対の先端側頂部とほぼ同じ距離に位置する別の自由な先端側を向いた頂部を有さず、先端側ボディは、基端側ハブ/ジャンクションから第二の対の先端側頂部とほぼ同じ距離に位置する別の自由な先端側を向いた頂部を有しない。任意で、バスケット条片は形状記憶金属で構成されている。任意で、第一の対および第二の対の先端側頂部における該先端側頂部のそれぞれは弛緩状態でバスケット内部に向かって半径方向内側にカーブし、第一の対の先端側頂部の該先端側頂部は、先端側ボディが弛緩状態にあるときに外部(exterior)外面(external)圧縮力(たとえば血栓)が第一の対の先端側頂部の該先端側頂部に加えられた場合に互いと接触するように構成されており、さらに、第二の対の先端側頂部の該先端側頂部は、先端側ボディが弛緩状態にあるときに外部外面圧縮力(たとえば血栓)が第二の対の先端側頂部の該先端側頂部に加えられた場合に互いと接触するように構成されている。任意で、基端側ハブ/ジャンクションは弛緩状態で第一の高さおよび第一の幅のほぼ中心に位置する。たとえば、好ましくは、基端側ハブ/ジャンクションは、第一の幅および第一の高さの中心から0.5mm以内に位置する。任意で、カテーテルはポリマー材料(すなわち、シリコーン、PVC、ラテックスゴムまたは編組みナイロンのような一つまたは複数のポリマー材料)で構成されている。任意で、プルワイヤは生体適合性金属材料(たとえば生体適合性金属または生体適合性合金)で構成されている。任意で、第一の基端側条片の基端は、第一の基端側条片の先端に対して少なくとも約65°(たとえば約65~約180°)で位置し、第二の基端側条片の基端は、第二の基端側条片の先端に対して少なくとも約65°(たとえば約65~約180°)で位置し、さらに、第一および第二の基端側条片は、基端側ハブ/ジャンクションの近傍かつ基端側ハブ/ジャンクションに対して先端側で(たとえば、基端側ハブ/ジャンクションから約0および約4mm以内で)交差する。任意で、各先端側頂部は区画の一部を形成し、該区画はさらに、概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片(たとえば、形状記憶金属で構成された基端側条片または形状記憶金属で構成されたバスケット条片)に接続された基端側頂部を含む。換言するならば、基端側頂部は自由ではない。任意で、バスケット、基端側ハブ/ジャンクションおよび基端側条片は形状記憶金属で構成されており、基端側ハブ/ジャンクションは基端および先端を含み、さらに、基端側条片は基端側ハブ/ジャンクションの先端と一体化している。任意で、基端側ハブ/ジャンクションから先端側ハブ/ジャンクションまでの先端側ボディの長さ(任意のリードワイヤは含まず)は約20mm~約65mmである。任意で、システムは、動物の血管から血餅を除去する方法であって、
a)システムを提供する工程;
b)システムを内腔中に配置する工程;
c)カテーテルの先端から先端側ボディを展開させる工程;
d)先端側ボディの高さおよび幅を増大させる工程;
e)先端側ボディにX線を照射する工程;
f)血餅を先端側バスケット内部に入れる工程;ならびに
g)先端側ボディを基端側に動かして血管の外に出す工程
を含む、前記方法に使用される。
【0015】
任意で、方法はさらに、先端側ボディに少なくとも二つの異なる角度でX線を照射する工程を含む。任意で、先端側ボディがカテーテルの先端から展開するとき、先端側頂部に取り付けられた少なくとも一つのX線マーカが血餅に対して先端側にある。任意で、方法はさらに、血餅に対して基端側および先端側で造影剤を適用する工程を含む。任意で、方法はさらに、基端および先端を有する吸引カテーテルを提供する工程、および吸引カテーテルに吸引を加えることによって吸引カテーテルの先端を血餅に付ける工程を含む。任意で、方法はさらに、シリンジを使用して所定の量の流体を吸引カテーテルから手で吸引したのち、シリンジを所定の量でロックする工程を含む。任意で、方法はさらに、吸引カテーテルをプルワイヤ上で進めることによって吸引カテーテルを血餅に隣接するところに送達する工程を含む。
【0016】
さらに別の態様において、システムは、
基端および先端を有するプルワイヤ;
内部と、基端と、先端と、前記基端から先端まで延びる先端側ボディ長さと、先端側ボディの基端を形成する基端側ハブ/ジャンクション(好ましくは管の形態にある)と、複数のバスケット条片によって形成された複数の区画で構成されたバスケットと、複数の基端側条片と、任意で、バスケットの先端を形成する先端側ハブ/ジャンクション(好ましくは管の形態にある)とを含む、プルワイヤに取り付けられた先端側ボディであって、バスケットがバスケット内部を含み、各基端側条片が、基端側ハブ/ジャンクションに取り付けられた基端と、区画に取り付けられた先端とを有し、先端側ボディが、先端側ボディが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、先端側ボディが第二の高さおよび第二の幅を有し、第二の高さが第一の高さ未満であり、第二の幅が第一の幅未満であるしぼんだ状態とを有する、前記先端側ボディ;ならびに
内部と、内部に通じる基端と、前記内部に通じる先端とを有するカテーテルであって、生体適合性材料で構成されかつ先端側ボディがしぼんだ状態にあるとき該先端側ボディを包むように構成された、カテーテル
を含み、
弛緩状態において、バスケットは、バスケットの別の区画に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた第一の対の先端側頂部を含み、第一の対の先端側頂部は、基端側ハブ/ジャンクションからほぼ同じ距離にかつ互いに対してほぼ180°(たとえば、互いに対して約150°~約180°)で位置し、さらにバスケットは、バスケットの別の区画に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた第二の対の先端側頂部をさらに含み、第二の対の先端側頂部は、第一の対の先端側頂部に対して先端側に、第一の対の先端側頂部に対してほぼ90°で位置し(たとえば、第二の対の先端側頂部の各先端側頂部は第一の対の先端側頂部の該先端側頂部に対してほぼ60°~90°で位置し)、第二の対の先端側頂部における該先端側頂部は基端側ハブ/ジャンクションからほぼ同じ距離に位置し、第一および第二の対の先端側頂部の各先端側頂部は区画を形成し、各区画はさらに、概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片に接続された基端側頂部を含み、第一の対および第二の対の先端側頂部における該先端側頂部のそれぞれは弛緩状態でバスケット内部に向かって半径方向内側にカーブし、第一の対の先端側頂部の該先端側頂部は、先端側ボディが弛緩状態にあるときに外部外面圧縮力(たとえば血栓)が第一の対の先端側頂部の該先端側頂部に加えられた場合に互いと接触するように構成されており、さらに、第二の対の先端側頂部の該先端側頂部は、先端側ボディが弛緩状態にあるときに外部外面圧縮力(たとえば血栓)が第二の対の先端側頂部の該先端側頂部に加えられた場合に互いと接触するように構成されている。「概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片に接続された基端側頂部」とは、基端側頂部が、形状記憶金属(たとえばニチノール)で構成されバスケット条片または基端側条片に接続されていることをいう。任意で、バスケットは、先端側ハブ/ジャンクションの代わりに、開口した先端を含む。
【0017】
任意で、基端側ハブ/ジャンクションは弛緩状態で第一の高さおよび第一の幅のほぼ中心に位置する。たとえば、好ましくは、基端側ハブ/ジャンクションは、第一の幅および第一の高さの中心から0.5mm以内に位置する。任意で、カテーテルはポリマー材料(すなわち、シリコーン、PVC、ラテックスゴムまたは編組みナイロンのような一つまたは複数のポリマー材料)で構成されている。任意で、プルワイヤは生体適合性金属材料(たとえば生体適合性金属または生体適合性合金)で構成されている。任意で、弛緩状態においてバスケット内部は実質的に中空である。任意で、第一の基端側条片の基端は第一の基端側条片の先端に対して少なくとも約65°(たとえば約65~約180°)で位置し、第二の基端側条片の基端は第二の基端側条片の先端に対して少なくとも約65°(たとえば約65~約180°)で位置し、さらに、第一および第二の基端側条片は、基端側ハブ/ジャンクションの近傍かつ基端側ハブ/ジャンクションに対して先端側で(たとえば基端側ハブ/ジャンクションから約0mmおよび約4mm以内で)交差する。任意で、第一および第二の対の先端側頂部における各先端側頂部は拡大区画の一部を形成し、さらに、弛緩状態における各拡大区画の表面積は、バスケットの他の個々の区画それぞれの表面積の少なくとも2倍の大きさであり、さらに、拡大区画は、血栓がその中を通過し、バスケット内部に入ることを可能にするように構成されている。任意で、プルワイヤは基端側ハブ/ジャンクションに取り付けられている。任意で、バスケット、基端側ハブ/ジャンクションおよび基端側条片は形状記憶金属で構成されており、基端側ハブ/ジャンクションは基端および先端を含み、さらに、基端側条片は基端側ハブ/ジャンクションの先端と一体化している。任意で、先端側ボディはさらに、先端側ハブ/ジャンクションから先端側に延びるリードワイヤを含み、リードワイヤは約3mm~約10mmの長さを有する。任意で、先端側ハブ/ジャンクション、基端側ハブ/ジャンクションおよびバスケットは、同じ材料組成を有するニチノールで構成されており、さらに、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションは管状かつ概ね円筒形であり、かつそれぞれがある外径および内径を有し、内径が基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの開口を形成し、さらに、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの外径は実質的に同じサイズであり、さらに、基端側ハブ/ジャンクションおよび先端側ハブ/ジャンクションの内径は実質的に同じサイズである。任意で、基端側ハブ/ジャンクションから先端側ハブ/ジャンクションまでの先端側ボディの長さ(任意のリードワイヤは含まず)は約20mm~約65mmである。
【0018】
任意で、システムは、動物の血管から血餅を除去する方法であって、
a)システムを提供する工程;
b)システムを内腔中に配置する工程;
c)カテーテルの先端から先端側ボディを展開させる工程;
d)先端側ボディの高さおよび幅を増大させる工程;
e)先端側ボディにX線を照射する工程;
f)血餅を先端側バスケット内部に入れる工程;ならびに
g)先端側ボディを基端側に動かして血管の外に出す工程
を含む、前記方法に使用される。
【0019】
任意で、方法はさらに、先端側ボディに少なくとも二つの異なる角度でX線を照射する工程を含む。
【0020】
依然としてさらなる態様において、本開示は、動物の内腔から物体を除去するためのシステムのさらにもう一つの態様を提供する。システムは、基端および先端を有するプルワイヤを含み得る。システムはまた、プルワイヤ(プルワイヤの先端)に取り付けられた先端側ボディを含み得る。先端側ボディは、内部と、外周部と、基端と、先端と、基端から先端まで延びる先端側ボディ長さと、先端側ボディの基端を形成する基端側ジャンクションと、複数の基端側条片と、複数のバスケット条片によって形成された複数の区画で構成されたバスケットと、バスケットの先端を形成する先端側ジャンクションとを含み得る。バスケットは、バスケット内部を含み得る。各基端側条片は、区画に取り付けられた先端と、基端とを有し得、基端側条片の基端は、基端側ジャンクションで収束し得る。先端側ボディは、先端側ボディが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、先端側ボディが第二の高さおよび第二の幅を有し、第二の高さが第一の高さ未満であり、第二の幅が第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有し得る。任意で、弛緩状態において、バスケットは、概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片に取り付けられた基端側頂部と、概ね先端方向を向いた自由な先端側頂部とを有する、先端側ボディ外周部上に位置する一連の少なくとも三対の区画を含む。任意で、その一連のものの中で、最も基端側の自由な先端側頂部は、12時と6時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(すなわち同じ距離 +/-5ミリメートル(mm))に位置し、次に最も基端側の自由な先端側頂部は、3時と9時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(すなわち同じ距離 +/-5mm)に位置し、続いて最も基端側の自由な先端側頂部は、12時と6時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(すなわち同じ距離 +/-5mm)に位置する。各自由な先端側頂部は、血栓がバスケット内部に入ることを可能にするように構成されている異なる拡大区画の一部を形成し得る。任意で、弛緩状態において、バスケットは、前記一連のものの最も先端側の自由な先端側頂部に対して先端側にある複数の先端側区画を含む。複数の先端側区画は、バスケットの別の区画に取り付けられかつ概ね基端方向を向いた基端側頂部と、概ね先端方向を向きかつ先端側ジャンクションに取り付けられた先端側頂部とを有し得る。任意で、各拡大区画は、基端と、概ね先端方向を向いた先端側頂部を含む先端と、それぞれの拡大区画の基端から先端まで延びる長さとを有する。任意で、弛緩状態において、各先端側区画は、それぞれの先端側区画の基端側頂部から先端側頂部まで延びる長さを有する。任意で、弛緩状態において、拡大区画の各々は、先端側区画の各々よりも長い。任意で、拡大区画のいくつか、大部分、または各々について、拡大区画の基端から拡大区画の自由な先端側頂部までの距離は、拡大区画の自由な先端側頂部から拡大区画の先端までの距離未満である。任意で、弛緩状態において、バスケットは、概ね基端方向を向くいかなる自由頂部も有しない。任意で、先端側ボディは、弛緩状態において、バスケットが先端側ジャンクションに接近するにつれて先端側ボディ高さおよび幅が減少する、先端側テーパ状領域を含む。任意で、拡大区画の各々は、前記一連のものにおける対の区画の各々よりも長い。任意で、弛緩状態において、拡大区画の各々は、6時の位置から12時の位置まで、または3時の位置から9時の位置まで延びる。任意で、弛緩状態において、バスケットはさらに、前記一連のものの最も基端側の自由な先端側頂部に対して基端側にある複数の基端側区画を含む。任意で、複数の基端側区画は、基端側ジャンクションに取り付けられかつ概ね基端方向を向いた基端側頂部と、概ね先端方向を向きかつバスケットの別の区画に取り付けられた先端側頂部とを有する。任意で、最も基端側の自由な先端側頂部を含む区画の基端側頂部は、基端側条片の先端に取り付けられる。任意で、弛緩状態において、拡大区画の各々について、2つのバスケット条片が交わって、拡大区画の先端に位置する先端側頂部を形成する。任意で、各バスケット条片は、バスケット条片基端と、バスケット条片先端と、基端から先端まで延びるバスケット条片長さとを有する。任意で、拡大区画の少なくともいくつか、大部分または各々について、先端側ボディ長さに沿った同じ位置での2つのバスケット条片の間の最大角度は、少なくとも90度である。任意で、弛緩状態において、拡大区画の前記少なくともいくつか、大部分または各々について、2つのバスケット条片が交わって、拡大区画の自由な先端側頂部を形成し、各バスケット条片は、バスケット条片基端と、バスケット条片先端と、基端から先端まで延びるバスケット条片長さとを有し、さらに、先端側ボディ長さに沿った同じ位置での2つのバスケット条片の間の最大角度は、40°以下である。任意で、拡大区画の少なくともいくつか、大部分または各々について、2つのバスケット条片の間の平均角度は、少なくとも90°である。任意で、拡大区画の少なくともいくつか、大部分または各々について、バスケット条片長さの各々は、先端側ボディ高さおよび幅のほぼ1/2に等しい。任意で、次に最も基端側の自由な先端側頂部を含む区画の少なくとも基端側頂部から後続の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画の基端まで、バスケットは、拡大区画および自由な先端側頂部を含む区画以外の区画を有しない。任意で、少なくとも最も基端側の自由な先端側頂部から後続の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画の基端まで、バスケットは、拡大区画および自由な先端側頂部を含む区画以外の区画を有しない。任意で、拡大区画の先端側頂部は、バスケットの別の区画に取り付けられる。任意で、弛緩状態において、バスケットはさらに、基端側ジャンクションから、最も基端側の対の自由な先端側頂部を含みかつ9時と3時の位置に位置する区画とほぼ同じ距離(すなわち同じ距離 +/-5mm)に位置する、区画の追加の対を含む。任意で、区画の追加の対の各区画は、形状記憶金属条片に取り付けられた基端側頂部と、バスケットの別の区画に取り付けられた先端側頂部とを有する。任意で、区画の追加の対は、最も基端側の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画と隣り合う。任意で、区画の追加の対の少なくとも先端側頂部から、後続の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画の基端まで、バスケットは、拡大区画、自由な先端側頂部を含む区画、および区画の追加の対以外の区画を有しない。任意で、弛緩状態において、バスケットは、区画の先端側頂部に取り付けられた基端と、先端側に位置する区画の基端側頂部に取り付けられた先端とを有する、一連のブリッジ形状記憶金属条片を含む。任意で、基端側の対のブリッジ形状記憶金属条片は、3時と9時の位置に位置する。任意で、より先端側に位置する一対のブリッジ形状記憶金属条片は、12時と6時の位置に位置する。任意で、一対のブリッジ形状記憶金属条片の各々は、少なくとも一つの拡大区画の一部を形成する。任意で、ブリッジ形状記憶金属条片は、それぞれの基端側頂部に取り付けられた単独の先端側に延びるバスケット条片、およびそれぞれの先端側頂部に取り付けられた単独の基端側に延びるバスケット条片である。任意で、弛緩状態において、一対のブリッジ形状記憶金属条片の各々は、2つの拡大区画の一部を形成する。任意で、ブリッジ形状記憶金属条片は、先端側ボディ長さに対して実質的に平行である。任意で、複数の先端側区画は、基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(すなわち同じ距離 +/-5mm)に位置する4つの区画で構成されている。任意で、各区画は中心を有し、区画の中心は、先端側ボディ外周部周りにほぼ90°の間隔をあけて置かれている。任意で、前記4つの区画の各々は、前記4つの区画のその他の2つと隣り合う。任意で、前記4つの区画の各々は、先端側ボディ長さに対して垂直の方向に概ね向いた2つの側方頂部を含み、さらに前記4つの区画のうちの一つの各側方頂部は、前記4つの区画のうちの隣接する一つの側方頂部と隣り合う。任意で、先端側ボディは、先端側ボディ長さに沿った任意の場所に4つ以下の区画を有する。任意で、拡大区画の各々は、ほぼ同じ大きさである。任意で、弛緩状態において、バスケット内部は、実質的に中空である。任意で、バスケットは、概ね基端方向に向きかつ形状記憶金属条片に取り付けられた基端側頂部と、および概ね先端方向を向いた自由な先端側頂部とを有する、先端側ボディ外周部上に位置する一連の少なくとも5対の区画を含み、この一連のものの中で、次に最も基端側の自由な先端側頂部は、後続の自由な先端側頂部の後に、3時と9時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(同じ距離 +/-5mm)に位置し、最も先端側の自由な先端側頂部は、12時と6時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(同じ距離 +/-5mm)に位置する。任意で、最も基端側の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画は隣り合っており、次に最も基端側の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画は隣り合っており、後続の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画は隣り合っている。任意で、次に最も基端側の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画の各々は、最も基端側の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画、および後続の自由な先端側頂部によって形成される拡大区画と隣り合う。任意で、先端側ボディはさらに、先端側ジャンクションから先端側に延びるリードワイヤを含む。任意で、システムはさらに、内部と、内部に通じる基端と、内部に通じる先端とを有し、生体適合性材料で構成され、先端側ボディがしぼんだ状態にあるとき先端側ボディを包むように構成されている、カテーテルを含む。任意で、各拡大区画について、自由な先端側頂部は、拡大区画の先端に位置する先端側頂部と整列される。任意で、先端側ボディは、弛緩状態において、基端側条片が基端側ジャンクションに接近するにつれて先端側ボディ高さおよび幅が減少する、基端側テーパ状領域を含む。任意で、システムは、動物の血管から血餅を除去する方法であって、a)システムを提供する工程;b)システムを血管内に配置する工程;c)先端側ボディの高さおよび幅を増大させる工程;d)血餅をバスケット内部内に動かす工程;ならびにe)先端側ボディを基端側に動かして血管の外に出す工程を含む方法において、使用される。
【0021】
任意で、前記一連のものにおける3対の区画の代わりに、一連のものは、概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片に取り付けられた基端側頂部と、概ね先端方向を向いた自由な先端側頂部とを有する、先端側ボディ外周部上に位置する2対のみの区画を含み得、この一連のものの中で、最も基端側の自由な先端側頂部は、12時と6時の位置に位置し得、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(同じ距離 +/-5mm)に位置し得、次に最も基端側の自由な先端側頂部は、3時と9時の位置に位置し得、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(同じ距離 +/-5mm)に位置し得る。そのような態様において、先端側ボディおよびシステムは、自由な先端側頂部を有する少なくとも3対の区画を有する先端側ボディに関連して、上述された任意の特徴を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1Aは、レーザによってカットされる前の形状記憶金属管の側面(立面)図を示す。図1Bは、レーザによってカットされている、図1Aの形状記憶金属管の側面(立面)図を示す。
図2図2Aは、レーザによってカットされた後の図1Bの形状記憶金属管の側面(立面)図を示す。図2A中、管は、カットパターンを示すためだけに、平坦であるかのように示されている。図2Bは、レーザによってカットされた後の図1Bの形状記憶金属管の側面透視図を示す。図2Cは、レーザによってカットされた後の図1Bの形状記憶金属管のもう一つの側面透視図を示す。図2C中、管は、図2Bに比べて回転している。
図3図3A~3Hは、図1および2のレーザカットされた形状記憶金属管を使用して本発明の一つの態様の先端側ボディを製造する方法を示す。簡潔に示すために、図3A~3H中、先端側ボディのバスケット部分は示されていない。
図4図4A~4Dは、図3に示す製造方法の溶接工程を示す。簡潔に示すために、図4A~4D中、先端側ボディのバスケット部分は示されていない。
図5】コネクタ条片が基端側形状記憶金属条片に溶接され得る異なる位置を示す。
図6】コネクタ条片が基端側形状記憶金属条片に溶接され得る異なる位置を示す。
図7】カテーテルおよび図6の先端側ボディの側面(立面)図を示す。
図8】血餅を捕獲するために使用されている、本発明の一つの態様の展開可能なシステムの側面(立面)図を示す。簡潔に示すために、図8中、先端側ボディのバスケット部分は示されていない。
図9】つめアクチュエータ管によって閉じられている、本発明の一つの態様のつめの側面(立面)図を示す。簡潔に示すために、図9中、先端側ボディのバスケット部分は示されていない。
図10】血餅を捕獲するために使用されている、本発明の一つの態様の展開可能なシステムの側面(立面)図を示す。簡潔に示すために、図10中、先端側ボディのバスケット部分は示されていない。
図11】本発明の代替態様の先端側ボディの第一の透視図を示す。先端側ボディは、本明細書中で「配向1」と呼ばれる状態にある。
図12図12Aは、図11の先端側ボディの第二の透視図を示す。先端側ボディは、本明細書中で「配向2」と呼ばれる状態にある。図12Bは、図11の先端側ボディの基端側条片の基端側立面図を示す。
図13図11の先端側ボディの、先端を向いた二つの非固定頂部の拡大透視図を示す。
図14図14Aは、図11の先端側ボディを製造するために使用される元の形状記憶金属管を示す。元の管は平坦に圧延されており、管中の線は、管がレーザによってカットされたところを示す。図14Bは、図14Aの元の管から製造された先端側ボディの第一の透視図を示す。先端側ボディは配向1にある。図14Cは、図14Aの元の管から製造された先端側ボディの第二の透視図を示す。先端側ボディは配向2にある。
図15A】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図15B】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図15C】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図15D】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図15E】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図15F】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図15G】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16A】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16B】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16C】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16D】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16E】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16F】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16G】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図16H】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向1にある。
図17A】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図17B】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図17C】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図17D】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図17E】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図17F】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図17G】軟らかい血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図18A】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図18B】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図18C】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図18D】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図18E】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図18F】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図18G】硬い血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19A】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19B】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19C】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19D】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19E】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19F】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19G】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19H】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19I】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19J】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19K】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19L】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19M】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図19N】変形可能な粘着性の血餅を回収する際の図11の先端側ボディの段階的使用を示す。先端側ボディは配向2にある。
図20図20Aは、本発明のさらに別の態様の先端側ボディを製造するために使用される元の形状記憶金属管の図を示す。元の管は平坦に圧延されており、管中の線は、管がレーザによってカットされたところを示し、図20A~20Cの先端側ボディは、図11~19の先端側ボディよりもわずかに短く、曲がりくねった血管の中で使用するためのものである。図20Bは、図20Aの元の管から製造された先端側ボディの第一の透視図を示す。先端側ボディは配向1にある。図20Cは、図20Aの元の管から製造された先端側ボディの第二の透視図を示す。先端側ボディは配向2にある。
図21】送達カテーテルを使用して血管中に送達されている、図20B~Cの先端側ボディを含む血餅回収システムの透視図を示す。
図22】血管中、先端側ボディが展開し、送達カテーテルが引き込まれた後の、図21の先端側ボディの透視図を示す。
図23図21の先端側ボディの透視図を示す。図22に比べて、先端側ボディは基端側に移動し、プルワイヤに張力が加えられている。
図24図21のシステムのプルワイヤの上で送達されている吸引カテーテルの透視図を示す。
図25】血餅に押し込まれている図24の吸引カテーテルの先端の透視図を示す。ユーザがシリンジのレバーを引き戻したため、シリンジが血餅を吸引カテーテルに吸引している。
図26】血餅に押し込まれている図24の吸引カテーテルの先端の透視図を示す。図26中、ユーザがシリンジレバーを所望の量でロックしている。
図27図24のシステムの透視図を示す。図27中、吸引カテーテルは先端側ボディおよび血餅を部分的に吸引カテーテルの中に吸引している。
図28図24のシステムの透視図を示す。図28中、吸引カテーテルは先端側ボディおよび血餅を完全に吸引カテーテルの中に吸引している。
図29図24のシステムの透視図を示す。システムおよび捕獲された血餅が血管から基端側に取り出されつつある。
図30】バスケット内部に向かって半径方向にカーブする、取り付けられていない先端側を向いた頂部を調製するために使用されるマンドレルの右側斜視図を示す。
図31図30のマンドレルの右側立面図を示す。
図32】先端側ボディの代替態様を示しており;図32の先端側ボディにおいて、基端側条片は収束し、基端側ハブ/ジャンクションではんだ付けまたは溶接され、バスケットの先端に位置するバスケット条片は収束し、先端側ハブ/ジャンクションではんだ付けまたは溶接される。
図33図33Aは、本発明の別の態様の先端側ボディを製造するために使用される未加工形状記憶金属管を示し;この未加工管は、平らに伸ばされており、管内の線は、管がレーザによってカットされた場所を示している。図33Bは、図33Aの未加工管から製造された先端側ボディの第一の斜視図を示し;図33Bにおいて、先端側ボディは向き1にある。図33Cは、図33Aの未加工管から製造された先端側ボディの第二の斜視図を示し;図33Cにおいて、先端側ボディは向き2にある。
図34図34Aは、本発明のもう一つの態様の先端側ボディの第一の斜視図を示し;図34Aにおいて、先端側ボディは向き1にある。図34Bは、図34Aの先端側ボディの第二の斜視図を示し;図34Bにおいて、先端側ボディは向き2にある。
図35図35Aは、本発明のもう一つの態様の先端側ボディの基端側部分の第一の斜視図を示し;図35Aにおいて、先端側ボディは向き1にある。図35Bは、図35Aの先端側ボディの基端側部分の第二の斜視図を示し;図35Bにおいて、先端側ボディは向き2にある。
図36A図36Aは、本発明のもう一つの態様の先端側ボディの正面斜視図を示し;図36Aにおいて、先端側ボディは弛緩状態にある。
図36B図36Bは、基端側および先端側ハブ/ジャンクションならびにプルワイヤがない図36Aの先端側ボディのもう一つの正面斜視図を示す。
図36C図36Cは、図36Aの先端側ボディの拡大正面斜視図を示す。
図36D図36Dは、図36Cにおいて36Dと標識された範囲の拡大正面斜視図を示す。
図36E図36Eは、図36Cにおいて36Eと標識された範囲の拡大正面斜視図を示す。
図36F図36Fは、図36Cにおいて36Fと標識された範囲の拡大正面斜視図を示す。
図36G図36Gは、図36Eにおいて36Gと標識された範囲の拡大正面斜視図を示す。
図36H図36Hは、図36Fにおいて36Hと標識された範囲の拡大正面斜視図を示す。
図36I図36Iは、図36Aの先端側ボディの上面平面図を示す。
図36J図36Jは、図36Aの先端側ボディの正面立面図を示す。
図36K図36Kは、図36Aの先端側ボディの底面平面図を示す。
図36L図36Lは、図36Aの先端側ボディの背面立面図を示す。
図36M図36Mは、図36Aの先端側ボディの基端側立面図を示し;図36Mにおいて、小型の時計文字盤が、12時、3時、6時、および9時の位置を示している。
図36N図36Nは、図36Aの先端側ボディの先端側立面図を示し;図36Nにおいて、小型の時計文字盤が、12時、3時、6時、および9時の位置を示している。
図37A図37Aは、本発明のもう一つの態様の先端側ボディの正面斜視図を示し;図37Aにおいて、先端側ボディは弛緩状態にある。
図37B図37Bは、基端側および先端側ハブ/ジャンクションならびにプルワイヤがない図37Aの先端側ボディのもう一つの正面斜視図を示す。
図37C図37Cは、図37Aの先端側ボディの上面平面図を示す。
図37D図37Dは、図37Aの先端側ボディの正面立面図を示す。
図37E図37Eは、図37Aの先端側ボディの底面平面図を示す。
図37F図37Fは、図37Aの先端側ボディの背面立面図を示す。
図37G図37Gは、図37Aにおいて37Gと標識された範囲の拡大正面立面図を示す。
図37H図37Hは、図37Aの先端側ボディの基端側立面図を示し;図37Hにおいて、小型の時計文字盤が、12時、3時、6時、および9時の位置を示している。
図37I図37Iは、図37Aの先端側ボディの先端側立面図を示し;図37Iにおいて、小型の時計文字盤が、12時、3時、6時、および9時の位置を示している。
図37J図37Jは、図37Aにおいて37Jと標識された範囲の拡大正面斜視図を示す。
図37K図37Kは、図37Fにおいて37Kと標識された範囲の拡大背面立面図を示す。
図38図38は、本発明のもう一つの態様の先端側ボディおよび拡張可能な吸引カテーテルの側面立面図を示す。
図39図39は、内側遮断カテーテルを示すために吸引カテーテルを透明にした、本発明のもう一つの態様の拡張不可能な吸引カテーテルの側面立面図を示す。
図39A図39Aは、本発明のもう一つの態様の吸引カテーテルの先端の側面立面図を示す。
図39B図39Bは、本発明のもう一つの態様の吸引カテーテルの先端の側面立面図を示す。
図40図40は、本発明のもう一つの態様の先端側ボディおよび拡張可能な吸引カテーテルの側面斜視図を示す。
図41図41は、本発明のもう一つの態様の先端側ボディおよび拡張可能な吸引カテーテルの側面斜視図を示す。
図42図42は、本発明のもう一つの態様の先端側ボディ、拡張可能な吸引カテーテルの一部分、およびガイドカテーテルの側面斜視図を示す。
図43図43は、図42の先端側ボディおよび吸引カテーテルの側面斜視図を示す。
図44図44Aは、肺血管中の血餅を捕獲するために使用されている図42の先端側ボディおよび吸引カテーテルの側面斜視図を示し;上方を向く矢印によって示されるように、先端側ボディが血餅中へ拡張しており;吸引カテーテルの方を向く矢印によって示されるように、吸引力が吸引カテーテルに向かって血餅を引き寄せている。図44Bは、血餅を捕獲するために使用されている図44Aの先端側ボディおよび吸引カテーテルの側面斜視図を示し;図44Aと比較して、図44Bでは、先端側ボディは、完全に拡張されている(すなわち完全にその弛緩状態にある)。
図45A図45A~45Gは、肺血管中の血餅を捕獲するために使用されている、図42の先端側ボディおよび吸引カテーテルの段階的順序の側面斜視図を示し、ガイドカテーテルも図45B~45Gに示されており、図45Gは、血餅がどのように基端側に動かされて血管の外に出るかを示している。
図45B図45Aの説明を参照のこと。
図45C図45Aの説明を参照のこと。
図45D図45Aの説明を参照のこと。
図45E図45Aの説明を参照のこと。
図45F図45Aの説明を参照のこと。
図45G図45Aの説明を参照のこと。
図46A図46Aは、本発明のもう一つの態様の先端側ボディおよび拡張可能な吸引カテーテルの側面斜視図を示す。
図46B図46Bは、図46Aの先端側ボディおよび拡張可能な吸引カテーテルのクローズアップ側面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
図1~10を参照すると、本開示は、動物の血管14または他の内腔から血餅12のような閉塞物または他の物体を除去するための、概して参照番号10によって指定される、展開可能なシステムを提供する。閉塞物は、血餅12の他に、たとえば、動脈瘤処置中に押し出されたコイル、血管内塞栓物、たとえばオニックス(onyx)または小さな遠位部血管からの機械的血管内除去を要する他の閉塞物であり得る。明確に示すために、図中、すべての参照番号が各図面に含まれるわけではない。
【0024】
さらに図1~10を参照すると、展開可能なシステム10は、基端(図示せず)および先端20を有するプルワイヤ16を含む。任意で、プルワイヤの直径は約0.008インチ~約0.051インチである。好ましくは、プルワイヤ16は生体適合性金属材料で構成されている。
【0025】
システム10はさらに、プルワイヤ16に取り付けられている先端側ボディ22を含む。先端側ボディ22は、基端24、先端26、内部28および外部30を有する。先端側ボディ22は、先端側ボディ22が第一の高さおよび幅を有し、カテーテル50(図10Aを参照)の中に嵌まるように構成されているしぼんだ状態と、先端側ボディ22が異なる高さ32および幅を有し、先端側ボディ22がカテーテル50から展開するとき(図10B~Gを参照)およそヒト血管14の高さおよび幅まで拡張するように構成されている弛緩状態とを有する。先端側ボディ22はさらに、基端側ハブ/ジャンクション74と、基端側ハブ/ジャンクション74に対して先端側に位置する先端側ハブ/ジャンクション76とを含む。いくつかの態様において、先端側ボディ22は、先端側ボディ22の基端24を形成する形状記憶金属(たとえば、ニチノールのような形状記憶合金)で構成された複数の条片40を含む。任意で、基端側形状記憶金属条片40は、それぞれ、先端44と、開閉可能なつめ46を形成する基端42とを有する。任意で、基端側形状記憶金属条片40は、コネクタ形状記憶金属条片48を介して基端側ハブ/ジャンクション74に取り付けられている。そのような態様において、基端側ハブ/ジャンクション74は、任意でプルワイヤ16に固定され、プルワイヤ16に沿ってスライドできない先端側ハブ/ジャンクション76とは対照的に、プルワイヤ16の少なくとも一区分に沿ってスライド可能であり得る。基端側ハブ/ジャンクション74を先端側に動かして先端側ハブ/ジャンクション76に近づけると(すなわち、先端側ハブ/ジャンクション76を固定状態に維持しながら基端側ハブ/ジャンクション74を先端側に動かすことによって基端側ハブ/ジャンクション74と先端側ハブ/ジャンクション76との間の距離88を短縮すると)、コネクタ形状記憶金属条片48、ひいては基端側形状記憶金属条片40に張力が加わる。この張力が、他方で、基端側形状記憶金属条片40の基端42を互いおよびプルワイヤ16に向けて半径方向に動かす。基端側形状記憶金属条片40の基端42が互いおよびプルワイヤ16に向かって半径方向に動くとき、つめ46(基端側形状記憶金属条片40によって形成される)が、開口位置から少なくとも部分的に閉じた位置に動かされ、それが他方で、閉塞物12をヒト内腔14の壁から切り離し、閉塞物12を捕獲する。図3H図8図9Fならびに図10Fおよび10Gを参照すること。逆に、好ましくは、先端側ハブ/ジャンクション76から基端側に離れる基端側ハブ/ジャンクション74の動き(すなわち、ハブ/ジャンクション74とハブ/ジャンクション76との間の距離88を増す)は、基端側形状記憶金属条片40中の張力を解放し、それが他方で、基端側形状記憶金属条片40の基端42を互いおよびプルワイヤ16から離れさせて、つめ46を開かせる。つめ46および基端側ハブ/ジャンクション74はいくつかの機能を形成する。第一に、前記のように、つめ46の閉鎖は閉塞物12を捕獲する。第二に、つめ46の閉鎖はつめ46を内腔14の壁から引っ込ませて、閉塞物12を捕獲している間、つめ46が内腔壁を引っ掻く(そして損傷する)ことがないようにする。第三に、つめ46の閉鎖は、先端側ボディ22の高さおよび幅を減らし、それが、先端側ボディ22を再びカテーテル50の中に納めることを可能にする。これは、たとえば、術者が先端側ボディ22を体内の別の位置で再び展開させることを求める場合(はじめ術者が先端側ボディ22を内腔14中の誤った位置で展開させた場合、該当し得る)、望ましい場合がある。本発明に関して、「つめを閉じる」とは、つめ46を部分的に閉じること(基端側形状記憶金属条片40の基端42がプルワイヤ16と接触しない)およびつめ46を完全に閉じること(基端42がプルワイヤ16と接触する)の両方を包含する。
【0026】
つめ46は、任意の数の基端側形状記憶金属条片40で構成され得る。しかし、好ましくは、2~4個の基端側形状記憶金属条片40がつめ46を構成する(コネクタ条片48が存在するならば、それは単につめ46を基端側ハブ/ジャンクション74に繋ぎ留めるように働くことが理解されよう)。好ましくは、基端側形状記憶金属条片40は約10~約60ミリメートルの長さを有する。基端側形状記憶金属条片40は、つめ46のアーム部と考えることができる。
【0027】
いくつかの態様において、コネクタ条片48は基端側ハブ/ジャンクション74と一体化している(すなわち、同じ形状記憶金属片から形成されている)。他の態様において、基端側ハブ/ジャンクション74はコネクタ条片48に溶接またははんだ付けされてもよい。任意で、弛緩状態において、基端側形状記憶金属条片42は先端側ボディ22の外周部に実質的に均等に分布している。
【0028】
任意で、先端側ボディ22は、先端側ボディ22から先端側に延びるリードワイヤ52を含む。任意で、リードワイヤ52は先端側ハブ/ジャンクション76から先端側に延びる。存在するならば、リードワイヤ52は、内腔14中でのシステム10の動きを容易にするために使用され得る。
【0029】
任意で、先端側ボディ22は、基端側形状記憶金属条片40に対して先端側にあるバスケット54を含み、バスケット54は、基端側形状記憶金属条片40に対して先端側にある複数の形状記憶金属条片56で構成されている。先端側形状記憶金属条片56は、たとえば、複数のメッシュ開口58を有するバスケット54を形成し得る。任意で、先端側ボディ22がその弛緩状態にあるときのバスケット54中のメッシュ開口58のサイズは、血餅12が先端側ボディ22によって捕獲されたのち先端側バスケット54から抜け出さないよう、平均サイズの虚血性血餅12の直径よりも小さい(好ましくは有意に小さい)。任意で、バスケット54は、開口した基端60と、先端側の管76によって形成される実質的に閉じた先端62とを有する。任意で、先端側ハブ/ジャンクション74および基端側ハブ/ジャンクション76ならびに先端側バスケット54は、同じ材料組成を有するニチノールで構成されている。任意で、メッシュ開口58のサイズはバスケット54の基端60から先端62に向かって減少する。先端側バスケット54は、図2に良く見てとれ、異なる数の区画パターンで構成されることができる。先端側バスケット54は、システム10中の他の構成要素を説明しやすくするため、図3~10には示されていない。
【0030】
任意で、基端側ハブ/ジャンクション74および先端側ハブ/ジャンクション76は、ハブ/ジャンクション74および76の長さにわたる実質的に円形の開口を含む円筒形管であり、ハブ/ジャンクション74および76はほぼ同じ内径72および同じ外径70を有する。好ましくは、内径72は、プルワイヤ16が基端側ハブ/ジャンクション74の中をスライドすることができるよう、プルワイヤ16の直径よりも少なくともわずかに大きい。いくつかの態様において、基端側ハブ/ジャンクション74および先端側ハブ/ジャンクション76の外径70は約0.011インチ~約0.054インチであり得、基端側ハブ/ジャンクション74および先端側ハブ/ジャンクション76の内径72は約0.008インチ~約0.051インチであり得る。
【0031】
任意で、先端側ボディ22はさらに、先端側ボディ22がヒトの体内の頭部血管中に位置し、ヒトの体外からX線画像が撮られるとき、X線下で基端側形状記憶金属条片40に比べて視認しやすいX線マーカ64を含む。コネクタ条片48が基端側形状記憶金属条片40に溶接またははんだ付けされるならば、X線マーカ64は、たとえば、溶接またははんだ付け部位に位置してもよい。いくつかの場合、溶接またははんだ付け部位の増大した厚さそのものがX線マーカ64を構成し得る。好ましくは、X線マーカ64は放射線不透過性材料で構成されている。放射線不透過性材料のいくつかの例は、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤を配合されたポリマー材料などを含むことができるが、これらに限定されない。好ましくは、基端側形状記憶金属条片40はニチノールで構成され、X線マーカ64は、ニチノールよりも高い密度を有する材料で構成されている。
【0032】
開口した基端(図示せず)および開口した先端66を有するカテーテル50がはじめシステム10を包む。本明細書の中で使用される用語「カテーテル」とは、概して、それを通してシステム10を展開させることができる任意の適当な管をいう。好ましくは、カテーテル50は無菌状態であり、生体適合性材料(すなわち、システム10を使用して頭蓋内血管14から血餅12を除去する工程を含む45分間の手術過程の間、人体を刺激しない材料)で構成されている。カテーテル50は、概ね円筒形であることを含むがこれに限定されない任意の適当な形状であることができる。好ましくは、カテーテル50はマイクロカテーテルである。本発明に関して、カテーテル50がシステム10を包むというとき、それは、カテーテル50がシステム10の少なくとも一つの構成要素(好ましくは、先端側ボディ22、リードワイヤ52およびプルワイヤ16)を包むということと理解される。いくつかの態様において、カテーテル50は直径約2.5フレンチである。任意で、カテーテル50は、以下のようにして、閉塞物12を有する内腔14の領域に送達される。ガイドワイヤを閉塞物の領域に送達し、閉塞物12よりも先まで通過させ;カテーテル50をガイドワイヤ上で送達し;ガイドワイヤを抜き取り;システム10を、そのプルワイヤ16およびリードワイヤ52とともに、カテーテル50に通して送達する。任意で、プルワイヤ16を使用して、システム10をカテーテル50に押し通し、以下に記すようにして閉塞物14を捕獲したのち、先端側ボディ22を回収する。システム10は、複数のカテーテル50、たとえば脳まで移動する幅広めのカテーテルおよび第一のカテーテルから送達され、脳の小さな動脈を通って移動する、非常に可撓性で小さめの直径のマイクロカテーテルを利用し得る。好ましくは、カテーテル50は、生体適合性のポリマー材料(すなわち、一つまたは複数のポリマー材料、たとえばシリコーン、PVC、ラテックスゴムまたは編組みナイロン)で構成されている。
【0033】
任意で、つめが開いた弛緩状態では、先端側ボディ22が、または先端側バスケット54のみが、先端側ボディ22または先端側バスケット54の基端から先端に向かってテーパ状であるように、先端側ボディ22が、または任意で先端側バスケット54のみが、テーパ形状(たとえば実質的に円錐形または弾丸形)を有する。
【0034】
システム10の基端が図1および3~10の左端に示され、システム10の先端が図1および3~10の右端に示されている。理由は、システム10の主な用途は、ヒト頭蓋内動脈14から血餅12を除去することであり、その場合、システム10は概して、その基端において、外科医がカテーテル50を鼠径部の近くから患者の体に入れ、脳に向けて押すことにより、動脈14に入るからである。ヒト動脈14の直径は概してその近位端からその遠位端に向かって減少する。しかし、他のタイプの内腔で使用される場合、用語「基端側」および「先端側」がその内腔で使用されるとき、先端側ボディ22は、カテーテル50に対して基端側に位置してもよい。
【0035】
外科医は、たとえば、カテーテル50を基端側に動かして先端側ボディ22をシースから出すことにより、または先端側ボディ22をカテーテル50の外に押し出すことにより、先端側ボディ22を展開させ得る。
【0036】
以下、システム10の使用は、ヒト虚血性脳卒中患者の頭蓋内動脈14から血餅12を除去する場合に関して説明するが、システム10は、他の内腔から他の物体を除去するためにも使用され得ることが理解されよう。
【0037】
しぼんだ状態の先端側ボディ22を含むカテーテル50が、内腔14中、血餅12に対して先端側に配置される。図10Aを参照すること。
【0038】
先端側ボディ22がカテーテル50から展開すると、先端側ボディ22の高さおよび幅はおよそ血管14の高さおよび幅まで拡大する。図10Bを参照すること。
【0039】
カテーテル50が基端側に引き戻され、つめアクチュエータ管90が血管14中に配置される。図10Cを参照すること。
【0040】
血餅12が先端側ボディ22の内部28に位置するよう、先端側ボディ22が基端側に動かされる。図10Dおよび10Eを参照すること。
【0041】
つめアクチュエータ管90が先端側に動かされると、それが基端側ハブ/ジャンクション74を先端側に押して、基端側ハブ/ジャンクション74と先端側ハブ/ジャンクション76(これはプルワイヤ16に固着され、固定状態に維持される)との間の距離88が減少する。基端側ハブ/ジャンクション74の先端方向移動がコネクタおよび基端側形状記憶金属条片40および48に張力を加え、それらが他方でつめ46を閉じさせる。図10Fを参照すること(つめアクチュエータ管90は、プルワイヤ16上に浮く、すなわち、プルワイヤ16の直径よりも大きい直径を有する管の長さに広がる開口を有するべきであり、つめアクチュエータ管90の開口は、つめアクチュエータ管90が基端側ハブ/ジャンクション74を押すよう、基端側ハブ/ジャンクション74の直径よりも小さくあるべきである)。
【0042】
システム10は基端側に引き抜かれ、体から取り出される。図10Gを参照すること。
【0043】
システム10の効能を試験するために、先端側バスケット54と、基端側ハブ/ジャンクション74および先端側ハブ/ジャンクション76と、三つの基端側形状記憶金属条片42で構成されたつめ46とを有する先端側ボディ22を、管およびその管中に位置する湿った脱脂綿を含むフローモデル中で試験した。脱脂綿は、血餅を模倣するために使用されたものである。システム10を脱脂綿に対して先端側で展開させた。基端側ハブ/ジャンクション74を先端側に動かすことによってつめ46を閉じて、脱脂綿を捕獲した。システム10および脱脂綿を管中で基端側に引き抜いた。
【0044】
いくつかの態様において、先端側ボディ22は、図1~4に示すような、以下の工程の一つまたは複数を含む方法によって調製される。
a)ニチノールのような形状記憶金属で構成された一つの管68を提供する工程であって、一つの管68が、外部と、実質的に中空の内部と、外部を実質的に中空の内部と分ける壁と、開口した基端74と、開口した先端76と、開口した基端74と開口した先端76との間の中間部分78を有する、工程(図1Aを参照);
b)中間部分78の壁をレーザ80によってカットする工程(図1Bを参照);
c)レーザ80によってカットされた中間部分78の破片を除去して、基端側の管74と、先端側の管76と、基端側の管74に取り付けられた複数の形状記憶金属条片82を含む中間部分78とを形成する工程;
d)マンドレルを使用して中間部分78の形状を変化させ、中間部分78が先端側の管76および基端側の管74に対して拡張することを可能にして先端側バスケット54を形成する工程;
e)中間部分78を室温で冷ます工程;
f)マンドレルを中間部分78から取り出す工程(図2および3Aを参照);
g)中間部分78を機械的または化学的に電解研磨して酸化物を除去する工程;
h)形状記憶金属条片82をカットして、基端側の管74および形状記憶金属条片82の基端側区分を含む第一の区分84と、先端側の管76および形状記憶金属条片82の先端側区分を含む第二の区分86とを形成する工程(図3Bを参照);および
i)基端側区分を先端側区分に接合して、先端側区分が先端側ボディ22の基端24を形成し、基端側の管74が先端側ボディ22の内部28の内側に位置し、基端側の管74が先端側ボディ基端24に対して先端側に位置するようにする工程(図3C~3Eを参照)。
【0045】
いくつかの態様において、方法はさらに、プルワイヤ16を基端側の管74の中に通して、基端側の管74がプルワイヤ16の少なくとも一区分に沿ってスライド可能であるようにする工程を含む。
【0046】
いくつかの態様において、方法はさらに、プルワイヤ16を、先端側の管76がプルワイヤ16に沿ってスライドできず、代わりに、先端側の管76がプルワイヤ16とともに動くよう、先端側の管76に取り付ける工程を含む。
【0047】
いくつかの態様において、工程iののち、先端側ボディ22の基端24は、2~4個の基端側形状記憶金属条片40で構成されたつめ46を形成し、つめとなる基端側形状記憶金属条片40は、基端側の管74を先端側の管76に向けて先端側に動かすこと(すなわち、管74と管76との間の距離88を減らすこと)により、互いおよびプルワイヤ16に向かって動くように構成され、つめとなる形状記憶金属条片40は、基端側の管76を先端側の管76から基端側に離すこと(すなわち、管74と管76との間の距離88を増す)により(前記のように)、互いおよびプルワイヤから離れるように構成されている。
【0048】
いくつかの態様において、中間部分78は、たとえばマンドレルおよび中間部分78を約500℃の流動化砂浴中に約3~約7分間配置することによってマンドレルおよび中間部分78を加熱することによって拡張させる。中間部分78が加熱されるとき、加熱が形状記憶金属管68の結晶構造を再配列させる。好ましくは、中間部分78から形成される先端側バスケット54が基端60から先端62に向かってテーパ状になるよう、マンドレルはテーパ状(たとえば実質的に円錐形または弾丸形)である。好ましくは、管74および76の基端および先端は、マンドレルによって形状設定されず、レーザ80によってカットされず、基端74および先端76は、形状を変化させず、加熱下、サイズがわずかに拡大するだけであり、熱が除かれたのち、元の管68のサイズに戻る。好ましくは、レーザカットはコンピュータによってプログラムされる。レーザが一度に管壁の一つの面のみをカットする(そして、所望のカット面とは正反対側の面をカットしない)ことを保証するため、レーザ80を、好ましくは、所望のカット面の内径と外径との間に集束させ、冷却材を形状記憶金属管68に通して、所望のカット面とは正反対側の面に達する前にレーザ80が冷めるようにする。
【0049】
レーザ80によってカットされない壁の部分によって、前記のように先端側バスケット53、基端側の管74および先端側の管76ならびに形状記憶金属条片40、48および56が作られる。
【0050】
好ましくは、元の管68のために選択される形状記憶金属は、先端側ボディ22がヒト血管14中でカテーテル50から展開したのち十分な弾性および可撓性を有するよう、ヒト平均体温(37℃)未満の転移熱を有する。
【0051】
いくつかの態様において、元の管68(ひいては先端側の管74および基端側の管76)は、約4フレンチ未満の外径、たとえば約1~約4フレンチの直径を有する。いくつかの態様において、プルワイヤ16の直径は、上記のように約0.008インチ~約0.051であり、そのような態様において、プルワイヤ16の直径は、元のニチノール管68の内径72にほぼ等しくてもよい。
【0052】
任意の特定の理論によって拘束されることなく、一つの形状記憶金属管68から先端側ボディ22を製造することは、製造しやすさおよび機械的破損からの安全性を提供し、硬い血栓12および他の閉塞物を除去するためにシステム10にとって必要な引張り強さを提供すると考えられる。
【0053】
図11~29の態様
図11~29は、以下に記すようなさらなる特徴の一つまたは複数を含む代替態様200を示す:ねじれている基端側条片/テザー252、任意で内側にカーブし、X線マーカ244を有する固定されていない/自由な先端側を向いた頂部258および、閉塞物または他の物体270が先端側バスケット内部222に入ることを可能にする、バスケット246にある、先端側を向いた非固定頂部258に対してすぐ先端側にある拡張した開口/ドロップゾーン262。
【0054】
より具体的に、図11~29に示すように、システム200は、上記のような、基端204および先端206を有するプルワイヤ202;プルワイヤ202に取り付けられた先端側ボディ216であって、内部222と、基端218と、先端220と、基端218から先端220まで延びる先端側ボディ長さ226と、先端側ボディ高さ224と、先端側ボディ216の基端218を形成する基端側ハブ/ジャンクション228(好ましくは、管の形態にあり、基端230および先端232を有する)と、好ましくは形状記憶金属で構成される複数のバスケット条片291によって形成される複数の区画/開口248で構成されたバスケット246と、任意で、バスケット246の先端220を形成する先端側ハブ/ジャンクション236(好ましくは、基端238および先端240を有する管の形態にある)と、各基端側条片252が、基端側ハブ/ジャンクション/管228に取り付けられた基端254および区画248(より具体的には、バスケット246の基端に位置する区画248の基端を向いた頂部)に取り付けられた先端256を有する、複数の基端側条片252(好ましくは基端側条片252は形状記憶金属で構成されている)とを含む先端側ボディ216(バスケットは、バスケット内部292を含み、先端側ボディ216は、先端側ボディ216が第一の高さおよび幅を有する弛緩状態と、先端側ボディ216が第二の高さおよび幅を有し、第二の高さが第一の高さ未満であり、第二の幅が第一の幅未満であるしぼんだ状態とを有する);および内部210と、内部210に通じる基端212と、内部210に通じる先端214とを有する、生体適合性(好ましくはポリマー)材料で構成されかつ先端側ボディ216がしぼんだ状態にあるとき先端側216ボディを包むように構成されている、上記のように先端側ボディ216を送達するための送達カテーテル208を含み得る。任意で、バスケット内部292は実質的に中空である。すなわち、米国特許公開公報第2013/0345739号とは異なり、バスケット内部292は細長い内側ボディを含まない。任意で、バスケット246は、先端側ハブ/ジャンクション236の代わりに、開口した先端を含む。任意で、バスケット246の少なくとも二つの区画250は、概ね基端方向を向いた基端側頂部260と、概ね先端方向を向いた先端側頂部258とを含み、少なくとも二つの区画250の先端側頂部258はバスケット246の別の区画248に取り付けられていない。換言するならば、少なくとも二つの区画250の先端側頂部258は自由な浮いた状態にあり、少なくとも二つの区画250の一部を形成する条片を除き、どの条片にも取り付けられていない。以下、そのような先端側頂部258を先端側を向いた非固定頂部258と呼ぶ。好ましくは、先端側を向いた非固定頂部258の先端側チップはX線マーカ244で終端している(参照番号250、250A、250B、250Cおよび250Dでラベリングされた区画は、概ね基端方向を向いた基端側頂部260および先端側を向いた非固定頂部258を含む少なくとも二つの区画を指し、参照番号262、262A、262B、262Cおよび262Dでラベリングされた区画は、先端側を向いた非固定頂部258に隣接する(好ましくは、それに対してすぐ先端側にある)拡大区画/ドロップゾーンを指し、参照番号248で指定された区画は概してバスケット246の区画を指す)(拡大区画/ドロップゾーン262が好ましくは先端側を向いた非固定頂部258に対してすぐ先端側にあるというとき、それは、図11~12に示すように、拡大区画/ドロップゾーン262の形状のせいで、拡大区画/ドロップゾーン262の少なくとも一部分が、先端側を向いた非固定頂部258に対してすぐ先端側にあり、拡大区画/ドロップゾーン262の一部分が、先端側を向いた非固定頂部258に対して基端側にあり得るということと理解される)。部品番号250は概して少なくとも二つの区画の一つまたは複数を指し、一方で、部品番号250A、250B、250Cおよび250Dは少なくとも二つの区画の特定の一つを指すということが理解されよう。同様に、部品番号262は概して拡大区画/ドロップゾーンの一つまたは複数を指し、一方で、部品番号262A、262B、262Cおよび262Dは拡大区画/ドロップゾーンの特定の一つを指すということが理解されよう。同様に、部品番号258は概して先端側を向いた非固定頂部の一つまたは複数を指し、一方で、部品番号258A、258B、258Cおよび258Dは先端側を向いた非固定頂部の特定の一つを指すということが理解されよう。
【0055】
任意で、図12Aに最もよく示されるように、先端側を向いた非固定頂部258の少なくとも二つは、互いに対してほぼ180°(たとえば約150~約180°)かつ基端側ハブ/ジャンクション/管228からほぼ同じ距離に位置する。任意で、バスケット246は、第一の対の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bを含み、第一の対の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bそれぞれは、基端側ハブ/ジャンクション/管228からほぼ同じ距離かつ互いに対してほぼ180°で位置し、バスケット246はさらに、第一の対の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bに対して先端側かつそれらに対してほぼ90°(たとえば約60~約90°)で位置する第二の対の先端側を向いた非固定頂部258Cおよび258Dを含む。任意で、第二の対の先端側を向いた非固定頂部258Cおよび258Dは、第一の対の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bによって形成される区画250Aおよび250Bに隣接するが、それらからオフセットしている区画250Cおよび250Dを形成する(換言するならば、任意で、区画250Aの中心は区画250Cおよび250Dの中心に対して約90°であり、任意で、区画250Bの中心もまた、区画250Cおよび250Dの中心に対して約90°である)。任意で、先端側を向いた非固定頂部258A、258B、258Cまたは258Dの少なくとも一つ(好ましくはすべて)はX線マーカ244を含み、X線マーカ244は、先端側ボディ216がヒトの体内の頭部血管266中に位置し、ヒトの体外からX線画像が撮られるとき、X線下でバスケット条片291に比べて視認しやすい。好ましくは、X線マーカ244は放射線不透過性材料である。放射線不透過性材料のいくつかの例は、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤を配合されたポリマー材料などを含むことができるが、これらに限定されない。好ましくは、バスケット条片291はニチノールで構成され、X線マーカ244は、ニチノールよりも高い密度を有する材料で構成されている。いくつかの態様において、X線マーカ244は、先端側を向いた非固定頂部258に溶接またははんだ付けされた重金属を含む。任意で、先端側を向いた非固定頂部258は先端側バスケット246の内部222に向かって微妙にカーブしており、それが、先端側を向いた非固定頂部258が血管壁268に当たってこすれ、それを損傷する危険性を減らす。任意で、バスケット246は、先端側を向いた非固定頂部258を含む少なくとも二つの区画250に対して基端側にある少なくとも二つの区画を含む。任意で、先端側を向いた非固定頂部258は基端側ハブ/ジャンクション/管228から少なくとも約5mm(たとえば約5~約30mm)に位置している。任意で、先端側を向いた非固定頂部258は先端側ハブ/ジャンクション/管236から少なくとも約5mmに位置している。任意で、少なくとも二つの区画250の先端側を向いた非固定頂部258はまた、それぞれ、拡大区画262(これはバスケット内部222の中への硬い血栓270Bの入口点である)の一部(すなわち、基端側境界の一部分)を形成し、さらに、弛緩状態における拡大区画262の表面積は弛緩状態におけるバスケット246の他の区画の表面積よりも大きい。任意で、先端側を向いた非固定頂部258はいくつかの機能を果たす。1)バスケット246の屈曲点を形成し、それが、システム200を脳の血管266のカーブに通してナビゲートすることをより容易にし;2)先端側を向いた非固定頂部258におけるX線マーカ244の使用により、術者が、硬い血栓270Bがバスケット246に入る点を形成するバスケット246の拡大区画262の位置を見いだすことを可能にし;3)術者が、先端側を向いた非固定頂部258を物体270に対して基端側および先端側に動かすことにより、物体270をバスケット246の中にラチェットする、または押し込むことを可能にする(以下に説明するように、参照番号270は概して血餅/血栓および他の物体を指し、270Aは軟らかい血餅を指し、270Bは硬い血餅を指し、270Cは変形可能な粘着性の血餅を指す)。任意で、図12Bに最もよく示されるように、基端側条片252の基端254は、その同じ基端側条片252の先端256に対して約65~180°(好ましくはほぼ180°)で位置する。換言するならば、好ましくは、第一の基端側条片252の基端254は基端側の管228上の12時の位置に取り付けられ、第一の基端側条片252の先端256(バスケット246の基端側区画248で終端する)は6時の位置(すなわち、出発位置から180°)に位置し、第二の基端側条片252の基端254は基端側の管228上の6時の位置に取り付けられ、第二の基端側条片252の先端254(バスケット246の区画248で終端する)は12時の位置(すなわち、出発位置から180°)に位置する。このねじれ特徴は二つの機能を果たす。1)基端側条片252が物体270を包囲することを可能にし;2)形状設定手順中、製造者がマンドレルをバスケット246に挿入することを可能にする。任意で、プルワイヤ202は基端側の管228に取り付けられている(たとえば接着、溶接、はんだ付けなどにより)。好ましくは、プルワイヤ202は先端側バスケット内部222を通って延びない。任意で、基端側条片252は基端側の管228の先端232と一体化しており、先端側ボディ216全体が一つの形状記憶金属管264から作られている。任意で、先端側を向いた非固定頂部258を含む少なくとも二つの区画250の基端側頂部260はそれぞれバスケット246の別の区画248に取り付けられている。換言するならば、好ましくは、バスケット246は基端を向いたいかなる自由な浮いた状態の頂部も有しない。理由は、基端を向いた自由な浮いた状態の頂部は、先端側ボディ216が基端側に引かれるとき、血管266を損傷するおそれがあるからである。任意で、システム200はさらに、先端側の管236から先端側に延びるリードワイヤ286を含み、リードワイヤ286は約3mm~約10mmの長さを有する。任意で、先端側ハブ/ジャンクション/管236、基端側ハブ/ジャンクション/管228およびバスケット246は、同じ材料組成を有するニチノールで構成されている。換言するならば、図1~10の前記態様と同じく、任意で、先端側ボディ216全体が一つのニチノール管264から製造される。任意で、基端側および先端側ハブ/ジャンクション/管228および236は、先端側ボディ216がヒトの体内の頭部血管266中に位置し、ヒトの体外からX線画像が撮られるとき、X線下でバスケット条片291に比べて視認しやすいX線マーカ244を含む。好ましくは、X線マーカ244は放射線不透過性材料である。放射線不透過性材料のいくつかの例は、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤を配合されたポリマー材料などを含むことができるが、これらに限定されない。好ましくは、バスケット条片291はニチノールで構成され、X線マーカ244は、ニチノールよりも高い密度を有する材料で構成されている。いくつかの態様において、基端側および先端側ハブ/ジャンクション/管内部234および242は、基端側および先端側ハブ/ジャンクション/管228および236の内部234および242に溶接またが他のやり方で取り付けられたタンタルを含み得る。任意で、基端側の管および先端側の管228および236は概ね円筒形であり、かつそれぞれがある外径および内径を有し、内径が基端側および先端側の管228および236の開口を形成し、さらに、基端側および先端側の管228および236の外径は実質的に同じサイズであり、さらに、基端側および先端側の管228および236の内径は実質的に同じサイズである。任意で、基端側および先端側の管228および236の外径は約0.011インチ~約0.054インチであり、さらに、基端側および先端側の管228および236の内径は約0.008インチ~約0.051インチである。任意で、プルワイヤ202は概ね円柱形であり、さらに、プルワイヤ202の直径は約0.008インチ~約0.051インチである。任意で、先端側ボディ216は約10~約60ミリメートルの長さを有する。任意で、先端側ボディ216の第一の高さ224および第一の幅226は約2ミリメートル~約6ミリメートルである。
【0056】
本開示はまた、動物の内腔266から血餅または他の物体270を除去する方法であって、
a)バスケット246の少なくとも二つの区画250が、概ね基端方向を向いた基端側頂部260と、概ね先端方向を向いた先端側頂部258とを含み、少なくとも二つの区画250の先端側頂部258がバスケット246の別の区画248に取り付けられておらず(すなわち自由な浮いた状態であり)、さらに、先端側を向いた非固定頂部258の少なくとも一つがX線マーカ244を含む、図11~29のシステム200を提供する工程;
b)システム200を内腔266中に配置する工程;
c)送達カテーテル208の先端214から先端側ボディ216を展開させる工程;
d)先端側ボディ216の高さ224および幅226を増大させる工程;
e)X線マーカ244にX線を照射する工程;ならびに
f)物体270を先端側バスケット内部222に入れる工程
を含む、前記方法を提供する。
【0057】
任意で、物体270は、先端側を向いた非固定頂部258の少なくとも一つに隣接する(好ましくは隣接し、そのすぐ先端側にある)先端側バスケット内部222、すなわち拡大区画/ドロップゾーン262に入る。いくつかの態様において、先端側ボディ216は、先端側を向いた非固定頂部258の少なくとも一つ(たとえば好ましくは二つの基端側258Aおよび258B)が物体270に対して先端側にあるように展開させる。以下に説明するように、先端側を向いた非固定頂部258のX線マーカ244を使用して、血餅または他の物体270に対する先端側ボディ216の位置を見いだす。血餅270は概して、たとえば、閉塞物があると考えられる区域に対して基端側および先端側の血管266に造影剤を注入し、血管266中で流体が動きを止めるところをX線画像上で見ることにより、血管266中でその位置が見いだされることができることが理解されよう。また、物体270が血餅ではなく、放射線不透過性物体であるならば、その物体270はX線画像上で見られ得ることが理解されよう。
【0058】
図11および14Bは、ねじれている基端側条片252と、微妙に内方にカーブし、かつX線マーカ244を有する先端側を向いた非固定頂部258と、閉塞物または他の物体270が入ることを可能にするバスケット246にある拡大開口/ドロップゾーン262とを有する先端側ボディ216の一つの態様の第一の透視図を示す。図11および14Bにおいて、先端側ボディ216は配向1にある(バスケット内部292に向かって内方にカーブする先端側を向いた非固定頂部258を有するバスケット246を調製するためには、図63および64に示すようなマンドレル900を使用し得る。マンドレル900は、鉛筆の先のように傾斜するテーパ状の基端902および先端903を有する概ね円柱形のボディ901を含む。円柱形のボディ901は、円柱形のボディ901の周りに延びる二つの溝904を含む。溝904は、先端903に向かって傾斜するテーパ状部分905を含み、それらテーパ状部分は、先端側を向いた非固定頂部258を成形するように設計されている。溝904は、図30~31に示すように、概ね円錐台の形状である)。二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bは、基端ハブ/ジャンクション/管228からほぼ同じ距離に位置し、互いに対してほぼ180°に向けられている。二つの先端側の、先端側を向いた非固定頂部258Cおよび258Dは、基端ハブ/ジャンクション/管228からほぼ同じ距離に(かつ、二つの基端側の、先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bに対して先端側に)に位置し、互いに対してほぼ180°に向けられ、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bに対してほぼ90°に向けられている。例えば、図11~29の目的のために、「基端側ハブ/ジャンクション/管228からほぼ同じ距離」は、第一の対の先端側頂部258A/258Bの一方の自由な先端側頂部258Aが基端側ハブ/ジャンクション/管228から距離Xに位置する場合、第一の対の先端側頂部258A/258Bの他方の先端側頂部258Bは基端側ハブ/ジャンクション/管228から距離Xプラスまたはマイナス(+/-)3ミリメートル(mm)に位置することを意味する。同様に、第二の対の先端側頂部258C/258Dの一方の自由な先端側頂部258Cが基端側ハブ/ジャンクション/管228から距離Yに位置する場合、第二の対の先端側頂部258C/258Dの他方の先端側頂部258Dは基端側ハブ/ジャンクション/管228から距離Yプラスまたはマイナス(+/-)3mmに位置する。好ましい態様において、第一の自由な先端側頂部258Aおよび258Bは、基端側ハブ/ジャンクション/管228から同じ距離 +/-0.5mmに位置する。同様に、好ましい態様において、第二の自由な先端側頂部258Cおよび258Dは、基端側ハブ/ジャンクション/管228から同じ距離 +/-0.5mmに位置する。
【0059】
基端側の、先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bに対して先端側にある二つの基端側拡大開口/ドロップゾーン262Aおよび262Bは、基端側ハブ/ジャンクション/管228からほぼ同じ距離に位置し、二つの基端側拡大開口/ドロップゾーン262Aおよび262Bの中心は互いに対してほぼ180°に向けられている(上記のように、好ましくは、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bは基端側の拡大開口/ドロップゾーン262Aおよび262Bの一部を形成し、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258Cおよび258Cは先端側の拡大開口/ドロップゾーン262Cおよび262Dの基端側境界を形成する)。先端側の、先端側を向いた非固定頂部258Cおよび258Dに対して先端側にある二つの先端側拡大開口/ドロップゾーン262Cおよび262Dは基端側ハブ/ジャンクション/管228からほぼ同じ距離に位置し、先端側の拡大開口/ドロップゾーン262Cおよび262Dの中心は、互いに対してほぼ180°に向けられ、基端側の拡大開口/ドロップゾーン262Aおよび262Bに対してほぼ90°に向けられている。図12Aおよび14Cは、図11の先端側ボディ216の第二の図(配向2)を示す。図13は、先端を向いた二つの非固定頂部262の拡大図である。図14中の線は、ニチノール管264をレーザでカットして、図14Bおよび図14Cに示す先端側ボディ216を作る方法を示す。図14Bは、先端側ボディ216および図11に示す配向の略図であり、図14Cは、先端側ボディ216および図12Aに示す配向の略図であることが理解されよう。
【0060】
以下に記すように、図15~19は、先端側ボディ216を使用して、ヒト頭蓋内動脈266中の軟らかい血餅270A、硬い血餅270Bおよび変形可能な粘着性の血餅270Cを回収する方法を示す(図15~19中、動脈266の中心が破線によって表示されている)。以下に説明するように、先端側ボディ216は、四列のX線マーカ、すなわち、1)参照番号228、244によって表示される、基端側の管の内部に位置する一つのX線マーカの第一の列;2)参照番号258A、244および258B、244によって表示される、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカの第二の列(二つのマーカは互いに対して180°に向けられている);3)参照番号258C、244および258D、244によって表示される、二つの先端側の先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカの第三の列(これらの二つのマーカは、互いに対して180°に向けられ、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部に対して90°に向けられている);および4)参照番号236、244によって表示される、先端側の管の内側に位置する一つのX線マーカの第四の列を有する(数字列中の第一の番号がX線マーカの位置を表し、第二の番号244が、その項目がX線マーカであることを表すということが理解されよう)。以下に説明するように、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部258A、244および258B、244が血餅270に対してすぐ先端側にあるよう先端側ボディ216が展開すると、インターベンショナリスト外科医(surgeon interventionalist)(すなわち、先端側ボディ216の操作者)は、第一の視点および第一の視点からオフセットされた(たとえば90°)第二の視点からX線を使用して、四列のX線マーカを検出する。次に、外科医は、先端側ボディ216を血餅270に対して基端側に動かし、第一および第二の視点からさらなるX線画像を撮る。以下さらに詳細に説明するように、外科医は、基端側および先端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ、すなわち258A、244;258B、244;258C、244および258D、244(より具体的には、X線画像上に示されるような、基端側および先端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244;258B、244;258C、244および258D、244の収束またはその欠如)を使用して、血餅270が先端側ボディ内部222の内側に位置するのか、または血餅270が先端側ボディ216をしぼませているのかを判定する。
【0061】
より具体的には、図15A~Gは、ヒト頭蓋内動脈266中の軟らかい血餅270Aを回収する際の先端側ボディ216の段階的使用を示す(図15A~15G中の先端側ボディ216は配向1にある)。まず、例のごとく、外科医は、たとえば血餅270Aに対して基端側および先端側に注入される造影剤を使用して、血管266中の血餅270Aの位置を決定する。次に、先端側ボディ216を包む送達カテーテル208を、血管266中に、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bが血餅270Aに対してすぐ先端側にあるように配置する。図15Bを参照すること。次に、カテーテル208を基端側に動かすことによって送達カテーテル208から先端側ボディ216を展開させる。すると、先端側ボディ216をしぼませることができない軟らかい血餅270Aは先端側ボディ内部222に入る。図15Cを参照すること。しかし、この時点で、外科医は、血餅270Aが先端側ボディ内部222に入ったことを知らない。したがって、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、四列のX線マーカに第一の視点から(すなわち、図15A~Gに示す配向の先端側ボディ216の手前側から;すなわち紙面の中へと)照射を加える。図15Dに示すように、第一の視点は四列のX線マーカを示す。第一の列は、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点であり;基端側の管X線マーカ228、244は常に一つの点として見える。第二の列は、前基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258B、244を表す一つの点であり;この第二の列のマーカが一つの点である理由は、第二の列の後X線マーカ258A、244が、第二の列の手前のX線マーカ258B、244の真後ろにあり、隠れて見えないからである。第三の列は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカ258C、244および258D、244を表す二つの点であり;この第三の列のマーカが二つの点を有する理由は、第三の列中のマーカ258C、244および258D、244のいずれも、X線画像上、この角度では隠れないからである。それどころか、一方のマーカ258C、244がもう一方のマーカ258D、244の上方に位置し、図15Cに示すように、先端側ボディ216は先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244でしぼんでいない。第四の列は、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点であり;先端側の管X線マーカ236、244は常に一つの点として見える。外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、四列のX線マーカに、第一の視点から90°オフセットされた第二の視点から(すなわち、図15Aに示す配向の先端側ボディ216の下方から)照射を加える。図示するように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカ258A、244および258B、244を表す二つの点を有し;この第二の列のマーカが二つの点として見える理由は、第二の列中のマーカ258A、244および258B、244のいずれも、X線画像上、このオフセット角では隠れないからである。それどころか、一方のマーカ258B、244がもう一方のマーカ258A、244の上方に位置し、先端側ボディ216は、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244および258B、244でしぼんでいない。第三の列は、下にある、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258D、244を表す一つの点であり;この第三の列のマーカが一つの点である理由は、第三の列中の上X線マーカ258C、244が第三の列の下X線マーカ258D、244の真後ろにあり、したがって隠れて見えないからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。したがって、外科医は、第二の列のX線マーカ258A、244および258B、244または第三の列のX線マーカ258C、244および258D、244(すなわち、基端側および先端側両方の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ)のいずれも一点に集まっていないと推断する。次に、外科医は、図15Eに示すように、先端側ボディ216を軟らかい血餅270Aに対して基端側に動かして、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244が血餅270Aに対してすぐ先端側にあるようにし、次に、四列のX線マーカに第一の視点および第二の視点から再び照射を加える。図15Fに示すように、結果は図15Dと同じである。図15Dおよび15Fの結果から、外科医は、第二の列のX線マーカ258A、244および258B、244または第三の列のX線マーカ258C、244および258D、244(すなわち、基端側および先端側両方の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ)のいずれも、先端側ボディ216の最初の位置(図15Cおよび15D)または先端側ボディ216を基端側に動かした後の位置(図15Eおよび15F)で収束しておらず、したがって、先端側ボディ216が、血管266中、両方の位置で展開したと推断する。したがって、外科医は、血餅が、先端側ボディ内部222に入った軟らかい血餅270Aであると推断し、図15Gに示すように、先端側ボディ216を基端側に動かして血管266の外に出すことにより、先端側ボディ216および先端側ボディ216によって捕獲された軟らかい血餅270Aを取り出す。
【0062】
図16A~Hは、ヒト頭蓋内動脈266中の硬い血餅270Bを回収する際の先端側ボディ216の段階的使用を示す(図16A~H中、先端側ボディ216は配向1にある)。まず、例のごとく、外科医は、たとえば血餅270Bに対して基端側および先端側に注入される造影剤を使用して、血管266中の血餅270Bの位置を決定する。次に、先端側ボディ216を包む送達カテーテル208を、血管266中に、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bが血餅270Bに対してすぐ先端側にあるように配置する。図16Bを参照すること。次に、カテーテル208を基端側に動かすことによって送達カテーテル208から先端側ボディ216を展開させる。図16Cに示すように、先端側ボディ216の上に位置する硬い血餅270Bが先端側ボディ216をしぼませる。しかし、この時点で、外科医は、血餅270Bが先端側ボディ216をしぼませたことを知らない。したがって、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、X線マーカに第一の視点で(すなわち、先端側ボディ216の手前側から;すなわち紙面の中へと)照射を加える。図16Dに示すように、第一の視点は四列のX線マーカを示す。第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ、すなわち228、244を表す一つの点である。第二の列は、前基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258B、244を表す一つの点であり;この第二の列のマーカが一つの点である理由は、第二の列の後X線マーカ258A、244が、第二の列の手前のX線マーカ258B、244の真後ろにあり、隠れて見えないからである。第三の列は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカ258C、244および258D、244を表す二つの点を有し;この第三の列のマーカが二つの点を有する理由は、第三の列中のマーカのいずれも、X線画像上、この角度では隠れないからである。それどころか、一方のマーカ258C、244がもう一方のマーカ258D、244の上方に位置し、図16Cに示すように、先端側ボディ216は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244でしぼんでいない。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。次に、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、マーカに、第一の視点から90°オフセットされた第二の視点から(すなわち、先端側ボディ216の下方から)照射を加える。図示するように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカ258A、244および258B、244を表す二つの点を有し;この第二の列のマーカが二つの点として見える理由は、第二の列中のいずれのマーカも、X線画像上、このオフセット角では隠れないからである。それどころか、一方のマーカ258B、244がもう一方のマーカ258A、244の上方に位置する。先端側ボディ216は、図16Cに示すように、基端側の、先端側を向いた非固定頂部でしぼんでいるが、血餅270Bが第二の列のX線マーカの上にあるため、第二の列のX線マーカは一点に集まっていない。第三の列は、下にある、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258D、244を表す一つの点であり;この第三の列のマーカが一つの点である理由は、第三の列中の上X線マーカ258C、244が第三の列の下X線マーカ258D、244の真後ろにあり、したがって隠れて見えないからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。したがって、外科医は、第二の列のX線マーカ258A、244および258B、244または第三の列のX線マーカ258C、244および258D、244(すなわち、基端側および先端側両方の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ)のいずれも一点に集まっていないと推断する。次に、外科医は、図16Eに示すように、先端側ボディ216を基端側に動かして、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244が血餅270Bに対してすぐ先端側にあるようにし、次に、X線マーカに第一の視点から再び照射を加える。図16Fに示すように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、前基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258B、244を表す一つの点であり;この第二の列のマーカが一つの点である理由は、第二の列の後X線マーカ258A、244が、第二の列の手前のX線マーカ258B、244の真後ろにあり、隠れて見えないからである。第三の列は一つの点しか有しない。理由は、第三の列のX線マーカ258C、244および258D、244(すなわち、先端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるマーカ)の上にある血餅270Bが第三の列のX線マーカ258C、244および258D、244を押し合わせたからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。次に、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、マーカに、第一の視点から90°オフセットされた第二の視点から(すなわち、先端側ボディの下方から)照射を加える。図示するように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカ258A、244および258B、244を表す二つの点を有し;この第二の列のマーカが二つの点として見える理由は、第二の列中のいずれのマーカも、X線画像上、このオフセット角では隠れず、先端側ボディ216が、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244および258B、244でしぼんでいないからである。第三の列は、下にある、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258D、244を表す一つの点であり;この第三の列のマーカが一つの点である理由は、第三の列中の下X線マーカ258D、244が第三の列の上X線マーカ258C、244の真後ろにあり、したがって第三の列の上X線マーカ258C、244が隠れて見えないからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。外科医は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244が図16Fに示すように収束したことを知ったうえで、先端側ボディ216を基端側に動かすと、硬い血餅270Bは、上にある、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258Cに対してすぐ先端側にある拡大区画/ドロップゾーン262Cで先端側ボディ内部222に落ち込む。図16Gを参照すること。硬い血餅270Bが先端側ボディ内部222に入ったことを確認するために、外科医は、第一および第二の視点からX線画像を撮る。結果が図16Hに示されている。16Fに比べて、図16Hの正面X線投影図は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244が一点に集まっていないことを示し、したがって、外科医は、硬い血餅270Bが先端側ボディ内部222に入ったと推断する。次に、外科医は、先端側ボディ216を基端側に動かして血管266の外に出すことにより、先端側ボディ216および先端側ボディ216によって捕獲された硬い血餅270Bを取り出す。
【0063】
図17A~Gは、ヒト頭蓋内動脈266中の軟らかい血餅270Aを回収する際の先端側ボディ216の段階的使用を示す(図17A~G中、先端側ボディ216は配向2にある)。まず、例のごとく、外科医は、たとえば血餅270Aに対して基端側および先端側に注入される造影剤を使用して、血管266中の血餅270Aの位置を決定する。次に、先端側ボディ216を包む送達カテーテル208を、血管266中に、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bが血餅270Aに対してすぐ先端側にあるように配置する。図17Bを参照すること。そして、カテーテル208を基端側に動かすことによってカテーテル208から先端側ボディ216を展開させる。すると、先端側ボディ216をしぼませることができない軟らかい血餅270Aは先端側ボディ内部222に入る。図17Cを参照すること。しかし、この時点で、外科医は、血餅270Aが先端側ボディ内部222に入ったことを知らない。したがって、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、X線マーカに第一の視点で(すなわち、先端側ボディの手前側から;紙面の中へと)照射を加える。図17Dに示すように、第一の視点は四列のX線マーカを示す。第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカ258A、244および258B、244を表す二つの点を有し;この第二の列のマーカが二つの点を有する理由は、第二の列中のマーカのいずれも、X線画像上、この角度では隠れないからである。それどころか、一方のマーカ258A、244がもう一方のマーカ258B、244の上方に位置し、図17Cに示すように、先端側ボディ216は、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244および258B、244でしぼんでいない。第三の列は、手前の(配向2)、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258C、244を表す一つの点を有し;この第三の列のマーカが一つの点である理由は、第三の列の背後の(配向2)X線マーカ258D、244が、第三の列の手前のX線マーカ258C、244の真後ろにあり、隠れて見えないからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。次に、外科医は、先端側ボディを動かすことなく、マーカに、第一の視点から90°オフセットされた第二の視点から(すなわち、この図に示すように、先端側ボディの下方から)照射を加える。図示するように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、下にある(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する下X線マーカ258B、244を表す一つの点であり;この第二の列のマーカが一つの点である理由は、第二の列中の上にある(配向2)X線マーカ258A、244が第二の列の下X線マーカ258B、244の真後ろにあり、したがって隠れて見えないからである。第三の列は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置する二つのX線マーカ258C、244および258D、244を表す二つの点を有し;この第三の列のマーカが二つの点として見える理由は、第三の列中のマーカのいずれも、X線画像上、このオフセット角では隠れず、先端側ボディ216が、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244でしぼんでいないからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。したがって、外科医は、第二の列のX線マーカ258A、244および258B、244または第三の列のX線マーカ258C、244および258D、244(すなわち、基端側および先端側両方の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ)のいずれも一点に集まっていないと推断する。次に、外科医は、図17Eに示すように、先端側ボディ216を血餅270Aに対して基端側に動かして、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244が血餅270Aに対してすぐ先端側にあるようにし、次に、X線マーカに第一の視点および第二の視点から再び照射を加える。図17Fに示すように、結果は図17Dと同じである。図17Dおよび17Fの結果から、外科医は、第二の列のX線マーカ258A、244および258B、244または第三の列のX線マーカ258C、244および258D、244(すなわち、基端側および先端側両方の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ)のいずれも、先端側ボディ216の最初の位置(図17Cおよび17D)または先端側ボディ216を基端側に動かした後の位置(図17Eおよび17F)で収束しておらず、したがって、先端側ボディ216が、血管266中、両方の位置で展開したと推断する。したがって、外科医は、血餅270Aが、先端側ボディ内部222に入った軟らかい血餅270Aであると推断し、外科医は、図17Gに示すように、先端側ボディ216を基端側に動かして血管266の外に出すことにより、先端側ボディ216および先端側ボディ216によって捕獲された軟らかい血餅270Aを取り出す。
【0064】
図18A~Gは、ヒト頭蓋内動脈266中の硬い血餅270Bを回収する際の先端側ボディ216の段階的使用を示す(図18A~G中、先端側ボディ216は配向2にある)(以下に記すように、図18A~Gと図16A~Gとの間の主な違いは、血餅270Bが、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258Cの一つのすぐ先端側にある拡大区画/ドロップゾーン262Cで先端側ボディ内部222に入る図16A~Gに比べて、図18A~G中では、血餅270Bが、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258Aの一つのすぐ先端側にある拡大区画/ドロップゾーン262Aで先端側ボディ内部222に入ることである)。まず、例のごとく、外科医は、たとえば血餅270Bに対して基端側および先端側に注入される造影剤を使用して、血管266中の血餅270Bの位置を決定する。次に、先端側ボディ216を包む送達カテーテル208を、血管266中に、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bが血餅270Bに対してすぐ先端側にあるように配置する。図18Bを参照すること。そして、カテーテル208を基端側に動かすことによってカテーテル208から先端側ボディ216を展開させる。図18Cに示すように、先端側ボディ216の上に位置する硬い血餅270Bが先端側ボディ216をしぼませる。しかし、この時点で、外科医は、血餅270Bが先端側ボディ216に入ったことを知らない。したがって、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、X線マーカに第一の視点で(すなわち、配向2における先端側ボディの手前側から;紙面の中へと)照射を加える。図18Dに示すように、第一の視点は四列のX線マーカを示す。第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は一つの点しか有しない。理由は、第二の列のX線マーカ258A、244および258B、244(すなわち、基端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ)の上にある血餅270Bがそれらを押し合わせたからである。第三の列は、手前の(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258C、244を表す一つの点しか有さず;この第三の列のマーカが一つの点である理由は、第三の列の後(この図では)X線マーカ258D、244が第三の列の手前のX線マーカ258C、244の真後ろにあり、隠れて見えないからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。次に、外科医は、先端側ボディを動かすことなく、マーカに、第一の視点から90°オフセットされた第二の視点から(すなわち、先端側ボディ216の下方から)照射を加える。図示するように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は一つの点しか有しない。理由は、第二の列の上にある(配向2)X線マーカ258A、244が下にある(配向2)X線マーカ258B、244の背後に位置し、したがって、第二の列の上X線マーカ258A、244が隠れて見えないからである。第三の列は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258C、244および258D、244を表す二つの点を有し;このX線投影図中、第三の列中のX線マーカのいずれも隠れない。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。したがって、外科医は、第二の列のX線マーカ258A、244および258B、244(すなわち、基端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ)が収束したと推断する。次に、図18Eに示すように、外科医は、先端側ボディ216を基端側に動かして、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および258D、244が血餅270Bに対してすぐ先端側にあるようにする。血餅270Bは、外科医に知られることなく、上にある(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258Aに対してすぐ先端側で先端側ボディ内部222に入り、先端側ボディ216はもはやしぼまされない。次に、外科医は、X線マーカに第一の視点から再び照射を加える。図18Fに示すように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は二つのX線マーカを有する。理由は、先端側ボディ216がしぼんでおらず、第二の列の上にある(配向2)X線マーカ258A、244または下にある(配向2)X線マーカ258B、244(すなわち、基端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるマーカ)のいずれも隠れないからである。第三の列は一つの点しか有しない。理由は、背後の(配向2)、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258D、244が手前の(配向2)、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244の背後に隠れるからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。次に、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、マーカに、第一の視点から90°オフセットされた第二の視点から(すなわち、先端側ボディ216の下方から)照射を加える。図示するように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は一つの点を有する。理由は、上にある(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ258A、244が下にある(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258B、244の背後に隠れるからである。第三の列は二つの点を有する。理由は、先端側の、先端側を向いた非固定頂部の手前のX線マーカまたは後X線マーカ258C、244および258D、244のいずれも隠れないからである。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。外科医は、図18Dおよび18Fからの情報に基づき、血餅270Bが先端側ボディ内部222に入ったと推断する。次に、外科医は、図18Gに示すように、先端側ボディ216を基端側に動かして血管266の外に出すことにより、先端側ボディ216および先端側ボディ216によって捕獲された硬い血餅270Bを取り出す。図16A~Gと図18A~Gとを比較すると、硬い血餅270Bの配向に対する拡大区画/ドロップゾーン262A~Dの配向が、どの拡大区画/ドロップゾーン262A、262B、262Cまたは262Dを通って硬い血餅270が先端側ボディ内部222に入るのかを決定することが理解されよう。たとえば、図16C中、硬い血餅270Bは先端側ボディ216の上に位置し、したがって、硬い血餅270Bは、先端側ボディの上に位置する拡大区画/ドロップゾーンを通って入らなければならず、その拡大区画/ドロップゾーンは、図16A~Gに示す先端側ボディの配向では、上にある、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258Cに対してすぐ先端側にある拡大区画/ドロップゾーン262Cである。図18C中、硬い血餅270Bは、ここでもまた、先端側ボディの上に位置し、したがって、硬い血餅270Bは、先端側ボディの上に位置する拡大区画/ドロップゾーンを通って入らなければならない。しかし、図18C中、先端側ボディ216の上に位置する拡大区画/ドロップゾーンは、図18A~Gに示す先端側ボディ216の配向では、上にある、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258Aに対してすぐ先端側にある拡大区画/ドロップゾーン262Aである。
【0065】
図19A~Nは、ヒト頭蓋内動脈266中の変形可能な粘着性の血餅270C(すなわち、分解しにくく、血管壁268に固着した血餅)を回収する際の先端側ボディ216の段階的使用を示す(図19A~N中、先端側ボディ216は配向2にある)。まず、例のごとく、外科医は、たとえば血餅270Cに対して基端側および先端側に注入される造影剤を使用して、血管266中の血餅270Cの位置を決定する。次に、先端側ボディ216を包む送達カテーテル208を、血管266中に、二つの基端側の先端側を向いた非固定頂部258Aおよび258Bが血餅270Cに対してすぐ先端側にあるように配置する。図19Bを参照すること。次に、カテーテル208を基端側に動かすことによってカテーテル208から先端側ボディ216を展開させる。図19Cに示すように、先端側ボディ216の上に位置する変形可能な粘着性の血餅270Cが先端側ボディ216をしぼませる。しかし、この時点で、外科医は、血餅270Cが先端側ボディ216をしぼませたことを知らない。したがって、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、X線マーカに第一の視点で(すなわち、先端側ボディの手前側から;紙面の中へと)照射を加える。図19Dに示すように、第一の視点は四列のX線マーカを示す。第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、血餅270Cが先端側ボディ216をしぼませているために収束した、上にある(配向2)および下にある(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244および258B、244に対応する一つの点を有する。第三の列は、手前の(配向2)、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258C、244を表す一つの点を有し;背後の、先端側の、先端側を向いた非固定頂部に位置するX線マーカ258D、244は隠れて見えない。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。次に、外科医は、先端側ボディ216を動かすことなく、マーカに、第一の視点から90°オフセットされた第二の視点から(すなわち、先端側ボディの下方から)照射を加える。図示するように、第一の列は、例のごとく、基端側の管中に位置するX線マーカ228、244を表す一つの点である。第二の列は、下にある(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258B、244に対応する一つの点を有し;上にある(配向2)、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244は、下にある、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258B、244の背後に位置し、隠れて見えない。第三の列は、手前の(配向2)、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258C、244および背後の(配向2)、先端側の、先端側を向いた非固定頂部258D、244に対応する二つの点を有し、これらはいずれもこの図では隠蔽されていない。第四の列は、例のごとく、先端側の管中に位置するX線マーカ236、244を表す一つの点である。次に、図19Eに示すように、外科医は、先端側ボディ216を基端側に動かす(すなわち、先端側ボディ216をわずかに引く)。次に、外科医は、X線マーカに第一および第二の視点から再び照射を加える。図19Fに示すように、結果は、図19Dに示す結果と全く同じである。外科医は、基端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244および258B、244が最初の位置(基端側の、先端側を向いた非固定頂部258A、244および258B、244が血餅270Cに対してすぐ先端側にある図19Cおよび19D)および第二の位置(図19Eおよび19F)の両方で収束したという観測に基づき、血餅270Cが変化可能な粘着性の血餅270Cであると推断する。次に、外科医が、先端側ボディ216を血管266中で基端側および先端側に小さな距離(たとえば約1mm~約2mm)だけ揺動させると、血餅270Cは、図19Gに示すように、先端側ボディ216に入り始める。次に、外科医は、X線マーカに第一および第二の視点から再び照射を加える。図19Hに示すように、結果は、第二の列のマーカ258A、244および258B、244(基端側の、先端側を向いた非固定頂部にある)が離れ始めていることを除き、図19Dおよび図19Fの結果と全く同じである。次に、外科医は、図19Iに示すように、先端側ボディ216を再び基端側に動かす。次に、外科医は、X線マーカに第一および第二の視点から再び照射を加える。図19Jに示すように、血餅270Cが第二の列のマーカ258A、244および258B、244を再び収束させたため、結果は図19Dおよび19Fの結果と全く同じである。次に、外科医が、先端側ボディ216を血管266中で基端側および先端側に小さな距離(たとえば約1mm~約2mm)だけ揺動させると、血餅270Cは、図19Kに示すように、先端側ボディ内部222にさらに入り始める。次に、外科医は、X線マーカに第一および第二の視点から再び照射を加える。図19Lに示すように、結果は図19Hの結果と全く同じである。次に、外科医が先端側ボディ216を再び基端側に動かすと、血餅270Cは、第二の列のマーカ258A、244および258B、244をしぼませるのではなく、図19Mに示すように、先端側ボディ内部222に完全に入る。次に、外科医は、X線マーカに第一および第二の視点から再び照射を加える。図19Nに示すように、結果は、第二の列のマーカ258A、244および258B、244(基端側の、先端側を向いた非固定頂部にある)が離れたことを示す。第二の列中のX線マーカ258A、244および258B、244(基端側の、先端側を向いた非固定頂部にある)が十分に離れ、第三の列中のX線マーカ(先端側の、先端側を向いた非固定頂部にある)258C、244および258D、244が大きく離れたまままであることを納得したうえで、外科医は、変形可能な粘着性の血餅270Cが先端側ボディ216によって十分に捕獲されたと推断し、次に、先端側ボディ216を基端側に動かして血管266の外に出すことにより、先端側ボディ216および先端側ボディ216によって捕獲された血餅270Cを取り出す。
【0066】
上述したように、図15~19からいくつかの観測を行うことができる。たとえば、基端側および先端側の、先端側を向いた非固定頂部258A~D、244におけるX線マーカは、血管266中の先端側ボディ216と血餅270との間の相互作用に関するフィードバックを外科医に提供する。加えて、軟らかい血餅270Aの指針は、軟らかい血餅270Aは先端側ボディ216をしぼませず、したがって、基端側および先端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ258A~D、244は、マーカがもう一方のマーカの背後に隠れるときを除き、常に二つの点として見えるということである(見方による)。硬い血餅270Bに関しては、硬い血餅270Bは概して、先端側ボディ216を基端側および先端側に揺動させる必要なく、先端側ボディ内部222に入ることができる(変形可能な粘着性の血餅270Cとは違う)。しかし、硬い血餅270Bを捕獲するためには、硬い血餅270Bは、拡大区画/ドロップゾーン262A、262B、262Cまたは262Dに対して正しく配向されなければならない(これが、先端側ボディ216が四つの拡大区画/ドロップゾーン:0°の一つの拡大区画/ドロップゾーン262B、90°の一つの拡大区画/ドロップゾーン262C、180°の一つの拡大区画/ドロップゾーン262Aおよび270°の一つの拡大区画/ドロップゾーン262Dを有する理由である)。指針として、拡大区画/ドロップゾーン262A、262B、262Cまたは262Dは、基端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ258A、244および258B、244または先端側の、先端側を向いた非固定頂部にあるX線マーカ258C、244および258D、244が第一のX線画像および第一のX線画像に対して90°の第二のX線画像の両方でいっしょに見られるとき、血餅270Bに対して正しく配向され、硬い血餅270Bは、先端側ボディ216を基端側に動かすことにより、拡大区画/ドロップゾーン262A、262B、262Cまたは262Dに入ることができる。図16Fおよび18Dを参照すること。最後に、変形可能な粘着性の血餅270Cの回収の指針は、先端側ボディ216の揺動が、変形可能な粘着性の血餅270Cを時間とともに徐々に先端側バスケット内部222に入らせることである。
【0067】
図20A、20Bおよび20Cは、図20A、20Bおよび20Cの先端側ボディ216がわずかに短く、その、先端側を向いた非固定頂部258A、258B、258Cおよび258Dがより基端側の管228に近いことを除き、図14A、14Bおよび14Cの先端側ボディ216に類似している先端側ボディ216を示す。図20A、20Bおよび20Cの短縮された先端側ボディ216は特に、曲がりくねった血管266のために適合されている。図21~29は、約10~約60立方センチメートル(cc)でロックされる、マニュアル式(すなわち手動式)容積依存型(すなわち容積固定型)吸引カテーテル272とともに使用される際の図20A、20Bおよび20Cの先端側ボディ216の段階的展開を示す。任意で、吸引カテーテル272は約0.05インチ~約0.09インチの外径を有し、その外径は送達カテーテル208の外径よりも実質的に大きい。血餅270は、たとえば血餅270に対して基端側および先端側に注入される造影剤の使用により、血管266中で位置を見いだされる。図21に示すように、図20A、20Bおよび20Cの先端側ボディ216を含む送達カテーテル208が、曲がりくねった血管266中、血餅270に対して先端側に配置される。送達カテーテル208が抜き取られると、先端側ボディ216が展開する。図22を参照すること。先端側ボディ216は血餅270に対して基端側に動かされ、プルワイヤ202に張力が加えられる。図23を参照すること。プルワイヤ202上に張力を維持しながら、基端274および先端276を有する吸引カテーテル272が、先端側ボディ216に取り付けられているプルワイヤ202上で送達される。図24を参照すること(プルワイヤ202に張力を加える理由は、プルワイヤ202が吸引カテーテル272の移動のためのガイド/トラックとして働き、張力なしでは、吸引カテーテル272およびプルワイヤ202が眼動脈288中で止まるおそれがあるからである)。吸引カテーテル272の先端276が血餅270に当てられる。プルワイヤ202がシステム中にあるとき外科医が吸引することを可能にする回転式止血弁290を使用して、シリンジ278が吸引カテーテル272に取り付けられている。外科医は、レバー280を、ベース282上の、約10~約60立方センチメートルの流体に対応するしるしまで引き戻すことにより、シリンジ278を吸引する。次に、外科医は、レバー280(および取り付けられたプランジャ)を定位置に固定して、吸引カテーテル272を吸引下に残す。外科医は、図15~19に記載された技術を使用して、血餅270を先端側ボディ216中に捕獲する。先端側ボディ216および血餅270は吸引カテーテル272によって捕獲される。図27および28を参照すること。次に、外科医は、吸引カテーテル272を基端側に動かして血管266の外に出すことにより、吸引カテーテル272および先端側ボディ216ならびに吸引カテーテル272によって捕獲された血餅270を取り出す。図29を参照すること。先端側ボディ216を使用して血餅270を回収するとき血餅270の小さな部分がちぎれる場合、吸引カテーテル272は役立つと考えられる。
【0068】
システム200の有効性を試験するために、吸引カテーテル272を使用することなく、図11~20のシステム200を使用して、体重30~50kgのブタにおいて誘発させた軟らかい血餅270Aおよび硬い血餅270Bを回収した。ブタの体重は、その血管266のサイズがヒト血管のサイズに近似するように選択した。ブタに麻酔を施した。ブタ血液とバリウムとを混合し、混合物を2時間インキュベートすることにより、いくつかの硬い血餅270Bを調製した。ブタ血液、トロンビンおよびバリウムを混合し、混合物を1時間インキュベートすることにより、いくつかの軟らかい血餅270Aを調製した。次に、それぞれが4~6mmの幅および10~40mmの長さを有する血餅270Aおよび270Bを直径2~4mmの血管266に挿入した(一度に一つの血餅270Aおよび270Bだけを血管266中に配置した)。次に、血管造影を実施して閉塞を確認した。次に、閉塞を確認してから10分後、上記のようにして、図11~20の先端側ボディ216を血餅270Aおよび270Bに対して先端側に送達し、図11~19に記載されたように使用して血餅270Aおよび270Bを回収した。いずれの場合も、先端側ボディ216は血餅270Aおよび270Bの回収に成功した。図示するように、弛緩状態にある先端側ボディ高さは、基端側条片252が基端側ハブ/ジャンクション/管228に接近するにつれてテーパ状になり/減少し、またバスケット246の先端220に位置するバスケット条片291が先端側ハブ/ジャンクション/管236で収束するにつれてテーパ状になる/減少する。
【0069】
図32の代替態様
図32は、基端側条片基端254が、基端側ハブ/ジャンクション228で収束し、はんだ付けまたは溶接され、バスケット246の先端220に位置するバスケット条片291が、先端側ハブ/ジャンクション236で収束し、はんだ付けまたは溶接された、先端側ボディ216を示す。そのような態様を作るために、先端側ボディ216は上記のように一つの管から調製され得、基端側および先端側管はクリップ留めされ得、一緒に(および任意でプルワイヤ202に)はんだ付けまたは溶接された基端側条片252の基端254、およびバスケット246の先端220に位置するバスケット条片291はまた、溶接または一緒にはんだ付けもしくは溶接され得る。任意で、基端側および先端側ハブ/ジャンクション228および236は、上記のようなX線マーカ244を含み得る。
【0070】
図33~35の代替態様
図33A~33Cおよび図34A~34B(ならびに図35Aおよび35Bに示されるクローズアップ図)は、自由な先端側頂部258Aおよび258Bを有する最も基端側の区画250Aおよび250Bに対して基端側に区画がない、代替態様を示す。(図33A~35Bは、プルワイヤまたはカテーテル(その両方とも好ましくは先端側ボディ216と共に使用され、ほかの場所、例えば図11~20に示されている)を示しておらず、図33B~33Cおよび図35A~35Bは、基端側ハブ228を示していない)。図33A~33Cは、4対の拡大開口262A~262Hを作る自由な先端側を向いた頂部258A~258Hを有する4対の区画を有する(そのような区画の数個のみが、250または250Bで標識されて視認できる)。図34A~34Bは、5対の拡大開口262A~262Jを作る自由な先端側を向いた頂部258A~258Jを有する5対の区画を有する(これもまたすべてが標識されているわけではない)。より具体的には、図11~20のように、図33A~33Cおよび図34A~34Bにおいて、先端側ボディ216は、X線マーカ244を有しかつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に150°~180°離れて位置する基端側の対の自由な先端側頂部258Aおよび258Bと、X線マーカ244を有しかつ基端側の対の自由な先端側頂部258Aおよび258Bに対して先端側に位置する第二の対の自由な先端側頂部258Cおよび258Dとを有する。図11~20のように、図33A~33Cおよび図34A~34Bにおいて、第二の対の先端側頂部258Cおよび258Dは、基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置し、150°~180°離れて位置し、基端側の対の自由な先端側頂部258Aおよび258Bに対して約60°~約90°で位置する。
【0071】
図33A~33C、図34A~34Bおよび図35A~35Bの態様は、いくつかの追加の特徴を有する。例えば、図33A~33C、図34A~34Bおよび図35A~35Bにおいて、自由な先端側頂部258Aおよび258Bを有する、基端側の対の区画250Aおよび250Bは各々、基端側条片252に取り付けられた基端側頂部297Aおよび297Bを有する。図33A~33Cおよび図34A~34Bにおいて、第二の対の自由な先端側頂部258Cおよび258Dに対して先端側で、先端側ボディ216は、X線マーカ244を有しかつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置しかつ150°~180°離れて位置しかつ第二の対の自由な先端側頂部258Cおよび258Dに対して約60°~約90°で位置する第三の対の自由な先端側頂部258Eおよび258Fを有する。図33A~33C、図34A~34Bにおいて、第三の対の自由な先端側頂部258Eおよび258Fに対して先端側で、先端側ボディ216はまた、X線マーカ244を有しかつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置しかつ150°~180°離れて位置しかつ第三の対の自由な先端側頂部258Eおよび258Fに対して約60°~約90°で位置する第四の対の自由な先端側頂部258Gおよび258Hを有する。図34A~34Bにおいて、第四の対の自由な先端側頂部258Gおよび258Hに対して先端側で、先端側ボディ216はまた、X線マーカ244を有しかつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置しかつ150°~180°離れて位置しかつ第四の対の自由な先端側頂部258Gおよび258Hに対して約60°~約90°で位置する第五の対の自由な先端側頂部258Iおよび258Jを有する。順次オフセットされた8個の取り付けられていない先端側を向いた頂部258A~258H(図33A~33Cのように)および順次オフセットされた10個の取り付けられていない先端側を向いた頂部258A~258J(図34A~34Bのように)を有する利点は、各自由な先端側頂部258A~258Jが拡大区画262A~262Jを作ることである。したがって、図33A~33Cおよび図34A~34Bにおいて、それぞれ8個および10個の順次オフセットされた拡大区画262A~262Hが形成され、複数の血餅入口点を作る。図34A~34Bにおいて、拡大区画262A~262Hを除いて、基端側の対の自由な先端側頂部258Aおよび258Bを有する区画250Aおよび250B(250Aは図34A~34Bでは隠れているが図35A~35Bでは示されている)と最も先端側の対の自由な先端側頂部258Iおよび258Jを有する区画との間に位置する区画の全ては、自由な先端側頂部を有する。実際、拡大区画262A~262Hを除いて、最も基端側の自由な先端側頂部258Aおよび258Bと最も先端側の自由な頂部258Iおよび258Jとの間に位置する区画の全ては、自由な先端側頂部258C~258Hを有する。対照的に、図33A~33Cの先端側ボディ216は、第二の対の拡大開口262Cおよび262Dと第三の対の拡大開口262Eおよび262Fとの間の不自由な先端側頂部(バスケット条片291に取り付けられた先端側頂部)を有する、区画248の中間グループ(すなわちステント様構造)を有する。図34A~34Bにおいて、バスケット条片291に取り付けられた先端側頂部を有する区画248の全ては、先端側ボディ216の先端に位置して(すなわち最も先端側の拡大開口262Gおよび262Hに対して先端側に)、バスケット246の実質的に閉ざされた先端を作って血餅を捕獲する。
【0072】
加えて、図33A~33C、図34A~34B、図35A~35Bにおいて、図33Cおよび図34Aならびに図35Aおよび35Bのクローズアップ図で最も良く見られるように、先端側ボディ216は、180°離れて位置する2つの基端側三次元開口293を有する。(基端側三次元開口293は整列されて、連続空隙を作る)。一方のそのような三次元開口293は、基端を基端側条片252の交差点294に、かつ、先端を、基端側ハブ/ジャンクション228から第一の対の自由な先端側頂部の自由な先端側頂部258Aおよび258Bとほぼ同じ距離に位置する(長手方向に)、第一の支柱295に取り付けられた先端側頂部299に有する。他方のそのような三次元開口293は、先端側ボディ216の他方の側にあり、基端を基端側条片252の交差点294に、かつ、先端を、基端側ハブ/ジャンクション228から第一の対の自由な先端側頂部の自由な先端側頂部258Aおよび258Bとほぼ同じ距離に同様に位置する(長手方向に)、第二の支柱296に取り付けられたもう一つの先端側頂部298に有する。第二の支柱296は、第一の支柱295から180°で位置する。図35Aに示されるように、基端側条片252の交差点294は、ほぼ、先端側ボディ216の幅方向および高さ方向の中心に位置し得、自由な先端側頂部258Aおよび258Bを有する最も基端側の区画250Aおよび250Bの基端側頂部297Aおよび297Bは、ほぼ150°~180°離れ(例えば、図35Aに示されるような12時と6時の位置、および図35Bにおける3時と9時の位置に)、かつ先端側ボディ216の最大高さ/幅に位置し得る。自由な先端側頂部258Aおよび258Bを有する最も基端側の区画250Aおよび250Bの基端側頂部297Aおよび297Bはまた、図35Aおよび35Bに示されるように基端側条片252に取り付けられる。同様に、ブリッジ形状記憶金属条片(先端側支柱)295および296は、ほぼ150°~180°離れ(例えば、図35Aに示されるような3時と9時の位置、および図35Bにおける12時と6時の位置に)、先端側ボディ216の最大高さ/幅に、自由な先端側頂部258Aおよび258Bに対してほぼ60°~90°で、位置し得る。
【0073】
図36~37の態様
図36A~36Nおよび37A~37K(本明細書において簡潔のために図36~37とも呼ばれる)は、図11~35の態様に類似する先端側ボディ216の代替態様を示す。先端側ボディ216は、米国特許第9,566,412号(その内容全体は参照により本明細書に組み入れられる)に記載されるものを非限定的に含む当技術分野において公知の任意の方法によって製作され得る。
【0074】
図36~37は、一定の縮尺で描かれたCAD図面である。しかしながら、他の寸法が可能であることは認識されるであろう。
【0075】
より具体的には、図36~37は、動物の内腔から物体を除去するためのシステムを提供する。システムは、先に記載されたように、基端(図36~37には示さず)および先端206を有するプルワイヤ202を含み得る。図36~37のシステムはまた、プルワイヤ202、好ましくはプルワイヤ先端206に取り付けられ得る先端側ボディ216を含む。図11~35の先の態様のように、先端側ボディ216は、内部222と、外周部300と、基端218と、先端220と、基端218から先端220まで延びる先端側ボディ長さ226と、プルワイヤ202に取り付けられ得、かつ先端側ボディ216の基端218を形成し得る基端側ジャンクション/ハブ/管228と、複数の基端側条片252と、複数のバスケット条片291によって形成された複数の区画で構成されたバスケット246と、バスケット246の先端302を形成する先端側ジャンクション/ハブ/管236とを含み得る。図11~35の先の態様のように、バスケット246は、バスケット内部346を含み得、各基端側条片252は、区画に取り付けられた先端256と、基端254とを有し得、基端側条片252の基端254は、基端側ジャンクション228で収束し得る。図11~35の先の態様のように、先端側ボディ216は、先端側ボディ216が第一の高さ224および第一の幅225を有する弛緩状態と、先端側ボディ216が第二の高さおよび第二の幅を有し、第二の高さが第一の高さ224未満であり、第二の幅が第一の幅225未満である、しぼんだ状態(図36~37には示さず)とを有し得る。先の態様のように、図36~37の態様において、基端側条片252およびバスケット条片291は好ましくは、形状記憶金属で構成される。
【0076】
図33~35の態様のように、図36~37の態様において、弛緩状態において、バスケット246は、概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片(基端側条片252またはバスケット条片291のいずれか)に取り付けられている基端側頂部260と、概ね先端方向を向いた自由な先端側頂部258A~258Fとを有する、先端側ボディ外周部300上に位置する一連の少なくとも3対の区画250A~250Fを含み得る。任意で、図36~37に示されるように、その一連のものの中で、最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bは、12時と6時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置し、次に最も基端側の自由な先端側頂部258C、258Dは、3時と9時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置し、続いて最も基端側の自由な先端側頂部258E、258Fは、12時と6時の位置(すなわち最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bと実質的に整列されている)に位置し、かつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置する。任意で、各自由な先端側頂部250A~250Fは、血栓がバスケット内部346に入ることを可能にするように構成されている異なる拡大区画262A~262Fの一部を形成する。換言するならば、先の態様のように、拡大区画262A~262Fは、血餅/血栓を捕獲するように設計されている。図36M、36N、37Hおよび37Iの基端および先端の図において、時計の針を備えた小型の時計を使用して、12時、3時、6時および9時の位置を例示する。
【0077】
図36~37の目的のために、自由な先端側頂部258A~258Jのような部品が「基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離」に位置すると言うとき、一つの部品(例えば、一対の最も基端側の自由な先端側頂部258A/258Bの一方の自由な先端側頂部258A)が基端側ジャンクション228から距離Xに位置する場合、他方の部品(例えば、一対の最も基端側の自由な先端側頂部258A/258Bの他方の自由な先端側頂部258B)は、基端側ジャンクション228から距離Xプラスまたはマイナス(+/-)5ミリメートル(mm)に位置する。好ましい態様において、他方の部品は、基端側ジャンクション228から距離Xプラスまたはマイナス(+/-)3mm、より好ましくは基端側ジャンクション228から距離Xプラスまたはマイナス(+/-)0.5mmに位置する。(同じ関係は、一連のものの中のその他の対の自由な先端側頂部258C~258Fにも当てはまるであろう - 例えば、次に最も基端側の対の自由な先端側頂部258C/258Dの一方の自由な先端側頂部258Cが、基端側ジャンクション228から距離Yに位置する場合、次に最も基端側の対の自由な先端側頂部258C/258Dの他方の自由な先端側頂部258Dは、基端側ジャンクション228から距離Yプラスまたはマイナス(+/-)5mmに位置する。ここでもまた、より好ましくは、他方の部品は、基端側ジャンクション228から距離Yプラスまたはマイナス(+/-)3mm、より好ましくは基端側ジャンクション228から距離Yプラスまたはマイナス(+/-)0.5mmに位置する。同じ関係は258Eおよび258Fにも当てはまる。
【0078】
図37において、図34の態様のように、前記一連のものは、概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片(基端側条片252またはバスケット条片291のいずれか)に取り付けられた基端側頂部260と、概ね先端方向を向いた自由な先端側頂部258A~258Jとを有する、先端側ボディ外周部300上に位置する少なくとも5対の区画250A~250Jを含み、この一連のものの中で、後続の自由な先端側頂部258E、258Fの後に、次に最も基端側の自由な先端側頂部258G、258Hは、3時と9時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置し、かつ拡大区画262G、262Hを形成し、最も先端側の自由な先端側頂部258I、258Jは、12時と6時の位置に位置し、かつ基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置し、かつ最も先端側に位置する拡大区画262I、262Jを形成する。ここでもまた、基端側ハブ228からほぼ同じ距離とは、基端側ジャンクション228から同じ距離 +/-5mmを意味する。好ましい態様において、258G/258Hは、基端側ジャンクション228から同じ距離 +/-3mm、より好ましくは基端側ジャンクションから同じ距離 +/-0.5mmに位置する。同じ関係は、258Iおよび258Jにも当てはまる。
【0079】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、バスケット246の別の区画に取り付けられかつ概ね基端方向を向いた基端側頂部と、概ね先端方向を向きかつ先端側ジャンクション236に取り付けられた先端側頂部とを有する、最も先端側の自由な先端側頂部(すなわち、図36における258E、258Fおよび図37における258I、258J)に対して先端側にある複数の先端側区画248Dを、バスケット246が含み得ることを例示する。換言するならば、先端側区画248Dは、バスケット内部346内に血餅/血栓を保持するように設計されている。
【0080】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、各拡大区画262A~262Jが、概ね基端方向を向いた2つの基端側頂部で構成され得る基端308と、概ね先端方向を向いた先端側頂部を含み得る先端310と、それぞれの拡大区画262A~262Jの基端308から先端310まで延びる長さ312とを有し得ることを例示する。
【0081】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、各先端側区画248Dが、それぞれの先端側区画248Dの基端側頂部から先端側頂部307まで延びる長さ314を有し得ることを例示する。
【0082】
先の態様のように、図36~37、特に図36Jは、弛緩状態において、拡大区画262A~262Jの各々が、先端側区画248Dの各々よりも長くてもよいことを例示する
【0083】
先の態様のように、図36~37、特に図36Jは、弛緩状態において、拡大区画262A~262Jの各々について、拡大区画262A~262Jの基端308から拡大区画262A~262Jの自由な先端側頂部258A~258Jまでの距離316は、拡大区画262A~262Jの自由な先端側頂部258A~258Jから拡大区画262A~262Jの先端310までの距離318未満であり得ることを例示する。換言するならば、自由な先端側頂部258A~258Jは、血餅が拡大区画262A~262Jを通ってバスケット内部346に入るのを防ぐのに十分なほど、拡大区画262A~262J内に突き出てはいない。
【0084】
先の態様のように、図36~37は、先端側ボディ216がさらに、先端側ジャンクション236から先端側に延びるリードワイヤ286を含み得ることを例示する。図36~37には示されていないが先の態様のように、内部と、内部に通じる基端と、内部に通じる先端とを有し、生体適合性材料で構成され、かつ先端側ボディ216がしぼんだ状態にあるとき先端側ボディ216を包むように構成されているカテーテルを、システムはさらに含み得る。システムの展開および使用は、図15~29に示されるとおりであり得る。
【0085】
先の態様のように、図36~37は、自由な基端側頂部が前述のように血管を損傷する恐れがあるので、弛緩状態において、バスケット246が好ましくは、概ね基端方向を向いたいかなる自由頂部も有しないことを例示する。
【0086】
先の態様のように、図36~37は、先端側ボディ216が、弛緩状態において、バスケット246が先端側ジャンクション236に接近するにつれて先端側ボディ高さ224および幅225が減少する、先端側テーパ状領域322を含み得ることを例示する。
【0087】
先の態様のように、図36~37は、先端側ボディ216が、弛緩状態において、基端側条片252が基端側ジャンクション228に接近するにつれて先端側ボディ高さ224および幅225が減少する、基端側テーパ状領域320を含み得ることを例示する。基端側領域320のテーパ状は、図36および37に示されるように、様々な形状をとり得ることは認識されるであろう。
【0088】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、拡大区画262A~262Jの各々は、対の区画250A~250Jの各々よりも長くてもよいことを例示する。
【0089】
先の態様のように、図36C、36Eおよび36Fおよび37Gのクローズアップ図において最もよく見えるが図36A~36B、36I~36L、37A~37Fにも示されているように、図36~37は、弛緩状態において、拡大区画262A~262Jの各々が、6時の位置から12時の位置まで、または3時の位置から9時の位置まで延び得ることを例示する。
【0090】
図11~19および21~32の先の態様のように、図36は、弛緩状態において、バスケット246が、最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bに対して基端側にある複数の基端側区画342をさらに含み得、基端側区画342が、基端側ジャンクション228に取り付けられかつ概ね基端方向を向いた基端側頂部と、概ね先端方向を向きかつバスケット246の別の区画に取り付けられた先端側頂部とを有することを例示する。しかしながら、そのような基端側区画342は任意であり、10個の拡大区画262A~262Jを含むバスケット246の長さに起因して、図37には示されていない。基端側区画342が含まれない場合、任意で、図20および33~35の先の態様のように、図37は、弛緩状態において、最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bを含む区画250A、250Bの基端側頂部が、基端側条片252の先端256に取り付けられ得ることを例示する。いかなる特定の理論に縛られることなく、基端側区画342の目的は、血餅が拡大区画262A~262Jを通って入る前に基端側区画342上に載ることを可能にすることであり得る。
【0091】
ブタ血栓摘出モデルを使用した予備的な血餅捕獲の動物研究において、図37の先端側ボディ216は、血餅を捕獲するのに特に長けていることが観察された。(予備的な血餅捕獲の動物研究は、Ulm et al., Preclinical Evaluation of the NeVaTM Stent Retriever: Safety and Efficacy in the Swine Thrombectomy Model, Interv Neurol. 2018 Apr; 7(5):205-217に記載されているもとの類似の条件を使用して実行された)。いかなる特定の理論に縛られることなく、図37の先端側ボディ216の血餅捕獲能力は、拡大区画262A~262Jでの最小干渉に起因する(すなわち、バスケット条片291は、拡大区画262A~262Jの先端310に位置する先端側頂部でフレア状に広がっている)と考えられる。
【0092】
したがって、図37に示されるように、弛緩状態において、少なくともいくつかの拡大区画262A~262Jについて(好ましくは大部分について、より好ましくは各拡大区画262A~262Jについて)、2つのバスケット条片291が交わって、拡大区画262A~262Jの先端310に位置する先端側頂部を形成し、2つのバスケット条片291は、拡大区画262A~262Jの先端310に位置するそれぞれの先端側頂部で、65°より大きい、より好ましくは70°より大きい、より好ましくは75°より大きい、より好ましくは80°より大きい、より好ましくは85°より大きい、より好ましくは90°より大きい、より好ましくは95°より大きい、より好ましくは100°より大きい、角度328を形成する。好ましくは、角度328は150°未満である。拡大区画250A~250Jの先端310における先端側頂部で交わるバスケット条片291のフレア状の特徴は、血餅がバスケット内部346に入ることを可能にするのを支援すると考えられる。比較すると、区画250A~250Jが血餅捕獲区画であることを意図されないと仮定すると、自由な先端側頂部258A~258Jを形成するように交わるバスケット条片291は、それぞれの自由な先端側頂部258A~258Jではるかに小さい角度326を有し得る。例えば、それぞれの自由な先端側頂部258A~258Jでの角度326は、50°未満、より好ましくは45°未満、より好ましくは40°未満であり得る。換言するならば、いくつか、大部分またはすべての拡大区画262A~262Jについて、先端310における先端側頂部での角度328は、自由な先端側頂部258A~258Jでの角度326の少なくとも2倍(より好ましくは少なくとも2.5倍、より好ましくは少なくとも3倍)の大きさであり得る。好ましくは、角度328は、角度326の5倍以下の大きさである。先端側ボディ216の対称性に起因して、自由な先端側頂部258Aでの角度326は、自由な先端側頂部258Bでの角度326と実質的に同じであり得、自由な先端側頂部258Cでの角度326は、自由な先端側頂部258Dでの角度326と実質的に同じであり得、自由な先端側頂部258Eでの角度326は、自由な先端側頂部258Fでの角度326と実質的に同じであり得、自由な先端側頂部258Gでの角度326は、自由な先端側頂部258Hでの角度326と実質的に同じであり得、自由な先端側頂部258Iでの角度326は、自由な先端側頂部258Jでの角度326と実質的に同じであり得る。同様に、拡大区画262Aの先端310における先端側頂部での角度328は、拡大区画262Bの先端側頂部での角度328と実質的に同じであり得、拡大区画262Cの先端310における先端側頂部での角度328は、拡大区画262Dの先端側頂部での角度328と実質的に同じであり得、拡大区画262Eの先端310における先端側頂部での角度328は、拡大区画262Fの先端側頂部での角度328と実質的に同じであり得、拡大区画262Gの先端310における先端側頂部での角度328は、拡大区画262Hの先端側頂部での角度328と実質的に同じであり得、拡大区画262Iの先端310における先端側頂部での角度328は、拡大区画262Jの先端側頂部での角度328と実質的に同じであり得る。
【0093】
バスケット条片291が非線状であり得るので、角度326および328は、バスケット条片291がそれらの基端330からそれらの先端332まで一直線であるかのように決定され得る。(図37Kにおける破線350および355を参照)。換言するならば、角度326および328は、バスケット条片長さに沿ったバスケット条片291間の平均(中間)角度であり得る。そのような測定において、角度326および328は、先端側ボディ長さ226に沿って同じ位置にある各バスケット条片291上の点の間に弧を描くことによって測定される。代替的に、角度326および328は、先端側ボディ長さ226に沿って同じ位置にある2つのバスケット条片291の各々上の点の間に弧を描く、バスケット条片長さに沿ったバスケット条片291間の最大角度であり得る。弧がどのように描かれるのか、最大角度326および328がどのように測定されるのかを示すために、図37A、37E、37F、37Gを参照のこと。
【0094】
一例として、図37E~37Gに例示されるように、拡大区画262C、262Fおよび262Gの先端310で先端側頂部を形成するバスケット条片291間の最大角度328は、ほぼ100°であるのに対して、比較すると、図37E~37Gに例示されるように、自由な先端側頂部258C、258Fおよび258Gを形成するバスケット条片291間の最大角度326は、約40°である。(図37Eに例示されるように、最も先端側の拡大区画262Jの先端310で先端側頂部を形成するバスケット条片291間の最大角度328は、ほぼ80°であり、それは角度326、328に変動性があり得るということを示していることが留意されるべきである)。
【0095】
関連して、任意で、弛緩状態において、拡大区画250A~250Jのいくつかまたはすべての先端310における先端側頂部で交わるバスケット条片291の各々は、図37Kにおいて最もよく見られるように、先端側ボディ長さ226に対して平行なそれぞれの先端側頂部を二分する線に対して、少なくとも32.5°、より好ましくは少なくとも35°、より好ましくは少なくとも37.5°、より好ましくは少なくとも40°、より好ましくは少なくとも42.5°、より好ましくは少なくとも45°、より好ましくは少なくとも47.5°、より好ましくは少なくとも50°の角度348で、先端310でそれぞれの先端側頂部から基端側に延びる。角度348は、バスケット条片291が基端330から先端332まで一直線であるかのように、バスケット条片291を測定することによって決定され得る。したがって、例えば、バスケット条片291の基端330から先端332まで直線を引くことで測定されるとおりの各バスケット条片長さは、先端側ボディ長さ226(ならびに本明細書で説明されるように先端側ボディ長さ226に対して実質的に平行であり得る、隣接するブリッジ形状記憶金属条片336)に対して平行なそれぞれの先端側頂部を二分する線に対して、少なくとも32.5°、より好ましくは少なくとも35°、より好ましくは少なくとも37.5°、より好ましくは少なくとも40°、より好ましくは少なくとも42.5°、より好ましくは少なくとも45°、より好ましくは少なくとも47.5°、より好ましくは少なくとも50°であり得る。図36Kを参照のこと(破線350はバスケット条片長さを表し、破線226は先端側ボディ長さ226に対して平行なそれぞれの先端側頂部を通って引かれており、線350と226との間の角度348は45°である)。関連して、いくつか、大部分またはすべての自由な先端側頂部258A~258Jについて、バスケット条片291の基端330から先端332まで直線を引くことで測定されたとおりのバスケット条片長さは、自由な先端側頂部258A~258Jを二分し、かつ先端側ボディ長さ226に対して平行な線に対して、25°未満、より好ましくは22.5°未満、より好ましくは20°未満であり得る。図36Kを参照のこと(破線355はバスケット条片長さを表し、破線226は先端側ボディ長さ226に対して平行な先端側頂部258Hを通って引かれており、線355と226との間の角度354は、自由な先端側頂部258Hで18°である)。したがって、いくつか、大部分または各々の拡大区画262A~262Jについて、自由な先端側頂部258A~258Jでの角度348は、角度354の大きさの2倍、より好ましくは2.5倍、より好ましくは3倍であり得る。
【0096】
関連して、上面平面図を示す図37Eにおいて、拡大区画262Jの先端側頂部を形成するバスケット条片291の先端332は、ほぼ、先端側ボディ幅225の中心に位置し、バスケット条片291の基端330は、ほぼ、先端側ボディ216の正面および背面に位置する。拡大区画262Hの先端310に位置する先端側頂部を形成するように交わるバスケット条片291の基端330および先端332はまた、図37Gの斜視図において示されている。任意で、拡大区画250A~250Jのいくつかまたはすべての先端310における先端側頂部で交わる各バスケット条片291の長さは、それらの基端330からそれらの先端332までを測定すると、先端側ボディ幅225および高さ224の1/2にほぼ等しくてもよい。
【0097】
関連して、任意で、図37の態様に示され、図37Gおよび37Kにおいて最もよく見られるように、弛緩状態において、少なくともいくつかの拡大区画262A~262Jについて(好ましくは各拡大区画262A~262Jについて)、弛緩状態において、拡大区画262A~262Jの先端310に位置する先端側頂部を形成するように交わる2つのバスケット条片291は、それぞれの先端側頂部で交わりかつほぼ先端側ボディ高さ224または幅225の中心に位置する先端332と、バスケット246の別の区画に取り付けられかつほぼ先端側ボディ216の上、下または正面側または背面側に位置する基端330とを有し得る。換言するならば、正面および背面立面図を示す図37Fおよび37Kにおいて、拡大区画262Gおよび262Hの先端側頂部を形成するバスケット条片291の先端332は、ほぼ、先端側ボディ高さ224の中心に位置し、バスケット条片291の基端330は、ほぼ、先端側ボディ216の上または下に位置する。
【0098】
図34A~34Bの先の態様のように、図37の先端側ボディ216において、例えば図37E~37Fにおいて見られるように、弛緩状態において、10個の拡大区画250A~250Jによって占有される空間に起因して、次に最も基端側の自由な先端側頂部258C、258Dを含む区画250C、250Dの少なくとも基端側頂部260から、最も先端側の対の自由な先端側頂部258I、258Jによって形成される拡大区画262I、262Jの基端308まで、バスケット246は、拡大区画262A~262Jおよび自由な先端側頂部258C~258Jを含む区画250C~250J以外の区画を有しない。
【0099】
図36の先端側ボディ216において、弛緩状態において、6個の拡大区画250A~250Fによって占有される空間に起因して、例えば図37E~37Fにおいて見られるように、次に最も基端側の自由な先端側頂部258B、258Cを含む区画250C、250Dの少なくとも基端側頂部260から、後続の対の自由な先端側頂部258E、258Fによって形成される拡大区画262E、262Fの基端308まで、バスケット246は、拡大区画250A~250Fおよび自由な先端側頂部258C~258Fを含む区画262C~262F以外の区画を有しない。
【0100】
先端側ボディ216は、例えば図36I~36Lおよび37C~37Fに示されるように、正面から背面まで、および下から上まで実質的に対称であり得る。
【0101】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、拡大区画250A~250Jの先端310に位置する先端側頂部が、バスケット246の別の区画に取り付けられ得る(すなわち、自由に浮動していない)ことを例示する。
【0102】
任意で、先の態様のように、図36の態様において、図36Jおよび36Lにおいて最もよく見られるように、弛緩状態において、バスケット246は、基端側ジャンクション228から、最も基端側の対の自由な先端側頂部258A、258Bを含みかつ9時と3時の位置に位置する区画250A、250Bとほぼ同じ距離に位置する、区画の追加の対344をさらに含み、区画の追加の対344の各区画は、形状記憶金属条片(バスケット条片291または基端側条片252のいずれか)に取り付けられた基端側頂部と、バスケット246の別の区画に取り付けられた先端側頂部(すなわち自由に浮動していない先端側頂部)とを有する。ここでもまた、ほぼ同じ距離とは、基端側ハブ228から同じ距離 +/-5mmを意味する。(好ましい態様において、区画の追加の対344は、基端側ハブ228から同じ距離 +/-3mm、より好ましくは同じ距離 +/-0.5mmに位置する)。図36Jおよび36Lにおいて最もよく見られるように、区画の追加の対344は、最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bによって形成される拡大区画262A、262Bと隣り合ってもよい。任意で、区画の追加の対344の少なくとも先端側頂部から、後続の自由な先端側頂部258E、258Fによって形成される拡大区画262E、262Fの基端まで、バスケット246は、拡大区画262A~262F、自由な先端側頂部258A~258Fを含む区画250A~250Fおよび区画の追加の対344以外の区画を有しない。
【0103】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、バスケット246が、区画の先端側頂部に取り付けられた基端334と、先端側に位置する区画の基端側頂部に取り付けられた先端336とを有する、一連の支柱/ブリッジ形状記憶金属条片295を含み得る。最も基端側の対のブリッジ形状記憶金属条片295は、3時と9時の位置に位置し得、次に最も基端側の対のブリッジ形状記憶金属条片295は、12時と6時の位置に位置し得、続いて最も基端側の対のブリッジ形状記憶金属条片は、3時と9時の位置に位置し得、そのため、ブリッジ形状記憶金属条片295は、自由な先端側頂部258A~258Jのように、先端側ボディ長さ226に沿って互い違いになっている。一対のブリッジ形状記憶金属条片295の各々は、少なくとも一つの拡大区画262A~262Jの一部を形成し得る。任意で、ブリッジ形状記憶金属条片295は、それぞれの基端側頂部に取り付けられた単独の先端側に延びるバスケット条片291、およびそれぞれの先端側頂部に取り付けられた単独の基端側に延びるバスケット条片291である。
【0104】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、一対のブリッジ形状記憶金属条片295の各々が、2つの拡大区画262A~262Jの一部を形成し得ることを例示する。先の態様のように、図36および37は、弛緩状態において、ブリッジ形状記憶金属条片295が先端側ボディ長さ226に対して実質的に平行であり得ることを例示する。
【0105】
先の態様のように、図36~37は、図36Cおよび36Dにおいて最もよく見られるように、弛緩状態において、複数の先端側区画248Dが、基端側ジャンクション228からほぼ同じ距離に位置する4つの先端側区画248Dで構成され得、各区画が中心340を有し、区画248Dの中心340が、先端側ボディ外周部300周りにほぼ90°の間隔をあけて置かれ得、前記4つの先端側区画248Dの各々が、前記先端側の4つの区画248Dのその他の2つと隣り合ってもよいことを例示する。ここでもまた、ほぼ同じ距離とは、基端側ハブ228から同じ距離 +/-5mmを意味する。(好ましい態様において、4つの先端側区画248Dは、基端側ハブ228から同じ距離 +/-3mm、より好ましくは同じ距離 +/-0.5mmに位置する)。任意で、弛緩状態において、図36Cおよび36Dにおいて最もよく見られるように、4つの先端側区画248Dの各々は、概ね先端側ボディ長さ226に対して垂直の方向に向いている2つの側方頂部338を含み、前記4つの区画248Dのうちの一つの各側方頂部338は、前記4つの区画248Dのうちの隣接するものの側方頂部338と隣り合う。
【0106】
先の態様のように、図36~37は、先端側ボディ216が、先端側ボディ長さ226に沿った任意の場所に4つ以下の区画を有することを例示する。
【0107】
先の態様のように、図36~37は、拡大区画260A~260Jの各々が、ほぼ同じ大きさであり得ることを例示する。
【0108】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、バスケット内部346が、実質的に中空であり得ることを例示する。
【0109】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bによって形成される拡大区画262A、262Bが隣り合っていてもよく、次に最も基端側の自由な先端側頂部258C、258Dによって形成される拡大区画262C、262Dが隣り合っていてもよく、後続の自由な先端側頂部258E、258Fによって形成される拡大区画262E、262Fが隣り合っていてもよいことを例示する。任意で、図36~37の図に示されるように、弛緩状態において、次に最も基端側の自由な先端側頂部258C、258Dによって形成される拡大区画262C、262Dの各々は、最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bによって形成される拡大区画262A、262B、および後続の自由な先端側頂部258E、258Fによって形成される拡大区画262E、262Fと隣り合う。
【0110】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、少なくともいくつかの拡大区画262A~262Jについて(好ましくは図に示されるように、各拡大区画について)、自由な先端側頂部258A~258Jが、拡大区画262A~262Jの先端310に位置する先端側頂部307と整列され得ることを例示する。
【0111】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、先端側区画248Dが、実質的に同じ大きさであり得、先端側区画248Dの先端側頂部に取り付けられた基端と先端側ジャンクション236に取り付けられた先端とを有するバスケット条片291によって、先端側ジャンクション236に取り付けられ得ることを例示する。
【0112】
先の態様のように、図36~37は、弛緩状態において、自由な先端側頂部258A~258Jを含む区画250A~250Jが実質的に同じ大きさであり得ることを例示する。
【0113】
先の態様のように、図36~37のシステムは、動物の血管から血餅を除去する方法であって、a)システムを提供する工程;b)システムを血管内に配置する工程;c)先端側ボディ216の高さ224および幅225を増大させる工程;d)血餅をバスケット内部346内に動かす工程;ならびにe)先端側ボディ216を基端側に動かして血管の外に出す工程を含む方法において使用され得る。
【0114】
先の態様のように、図36~37において、明確にするために、すべての部品がどの図面においても標識されているわけではない。
【0115】
図36~37の態様は、先の態様で記載され、または示された任意の特徴を含み得る。例えば、図36~37に例示されているように、基端側ジャンクション228および先端側ジャンクション236は、弛緩状態において、先端側ボディ幅225および先端側ボディ高さ224のほぼ中心に位置し得る。追加的に、図36~37に例示されるように、各対の拡大区画262A/262B;262C/262D;262E/262F;262G/262H;262I/262Jは、各対の拡大区画262A/262B;262C/262D;262E/262F;262G/262H;262I/262Jおよび実質的に中空の内部346が、バスケット246の片側から実質的に中空の内部346を通りバスケット246の反対側まで延びる空隙を作るように、実質的に整列され得る。加えて、図36~37は、先に述べられ示されたねじれた基端側条片252を例示する。例えば、第一の基端側条片252の基端254は、第一の基端側条片252の先端256に対して少なくとも約65°で位置し得、第二の基端側条片252の基端254は、第二の基端側条片252の先端256に対して少なくとも約65°で位置し得、第一および第二の基端側条片252は、基端側ジャンクション228に隣接し基端側ジャンクション228に対して先端側で交差し得、その交差は、弛緩状態において、第一の高さ224および第一の幅225のほぼ中心に位置し得る。加えて、図37は、先端側ボディ216が、基端側ジャンクション228と最も基端側の自由な先端側頂部258A、258Bを含む区画250A、250Bとの間に位置する空隙を有し得る。加えて、図36~37は、バスケット246が、基端側条片252からバスケット先端302まで、均一でない外向き半径方向力を有することを例示する。先の態様にように、図36~37の態様において、自由な先端側頂部258A/258B;258C/258D;258E/258F;258G/258H;258I/258Jの各対の自由な先端側頂部は、先端側ボディ216が弛緩状態にあるときに外側からの外部圧縮力が自由な先端側頂部258A~258Jに加えられると、互いに接触するように構成され得る。先の態様にように、図36~37の態様において、基端側ジャンクション228および先端側ジャンクション236は、管の形態であり得る。加えて、先端側ボディ216は、前述された三次元開口293を含み得る。先の態様にように、図36および37の態様において、自由な先端側頂部258A~258Jのいくつかまたはすべて、ならびに基端側および先端側ジャンクション228および236は、前述されたようにX線マーカを含み得る。
【0116】
図38~46の態様
図38~46は、本発明にしたがった、さらに別の血餅回収システム400を例示する。図38~46のシステム400は、頭蓋血管よりも直径がより緩やかにテーパ状になる肺血管404内の血餅402(例えば、肺血栓形成)を捕獲するために特に適合される。吸引カテーテル436が、基端側吸引力(すなわち、矢印が概ね基端方向に向いている図44Aおよび44Bに示されるような、基端方向の吸引力)を加える吸引源(例えば、吸引開口444に対して基端側にあり、かつ吸引カテーテル基端440に隣接して位置するシリンジまたはポンプなど)に接続されているとき、外科医が、吸引開口444を使用して血餅402をケージ408の内部422内へ引き込むことができるように、システム400は、任意でケージ408の内部422内に進み、かつ一つまたは複数の吸引開口444を含む、吸引カテーテル(吸出カテーテルとしても知られている)436を含む。とはいえ、図38~46のシステムは、身体の他の内腔内の他の物体を回収するためにも使用され得る。
【0117】
図38~46の態様において、システム400は、基端側ジャンクション412を含み得るケージ基端410と、ケージ先端414と、ケージ基端410からケージ先端414まで延びるケージ長さ416と、ケージ長さ416に対して垂直なケージ高さ418と、ケージ長さ416およびケージ高さ418に対して垂直なケージ幅と、ケージ内部422と、複数の形状記憶金属条片426で構成されたケージ外周部(特に標識されていないが他の態様において数字300で示されている)とを含む、ケージ408の形態であり得る先端側ボディを含み得る。任意で、ケージ408は、このケージが第一の高さ428および第一の幅を有する弛緩状態と、ケージが第二の高さ432および第二の幅を有し、ケージ408の第二の高さ432がケージ408の第一の高さ428未満であり、ケージ408の第二の幅がケージ408の第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する。いくつかの態様において、図38および40~41および46に示されるように、ケージ408は、複数の区画480を有するステント回収器の形態にあり、設計が先の態様の先端側ボディに類似する。他の態様において、図42~45に示されるように、ケージ408は、わずかに異なる設計をとり得る。
【0118】
システム400はまた、概ね中空の内部438と、ケージ基端410に対して基端側に位置する基端440と、先端442とを含む、吸引カテーテル436を含み得る。吸引カテーテル436は、ケージ基端410に取り付けられ得、ケージ内部422内に進み得る。いくつかの態様において、吸引カテーテル436は、図38に示されるように、ケージ先端414に取り付けられ得る。他の態様において、吸引カテーテル先端442は、図40~46に示されるように、ケージ先端414に対して基端側にあり得る。ケージ内部422の内側で、吸引カテーテル436は、好ましくはケージ基端410とケージ先端414との間に位置しかつ吸引カテーテルの概ね中空の内部438に通じる少なくとも一つの吸引開口444を含み得る。例えば図44A~44Bに示されるように、少なくとも一つの吸引開口444は、吸引カテーテル436が吸引力を加えて血餅402をケージ内部422の外側からケージ内部422内へ引き込むことを可能にする。
【0119】
いくつかの態様において、図39に示されるように、吸引カテーテル436は拡張可能ではない。他の態様において、吸引カテーテル436は、形状記憶金属で構成され得る拡張可能な先端側チップ446を含み得る。そのような態様において、吸引カテーテル436は、吸引カテーテル先端442に隣接して位置しかつ形状記憶金属フレームワーク448で構成された拡張可能な先端側チップ446と、任意で、形状記憶金属フレームワーク448に取り付けられたフィルム/コーティング450とを含み得る。任意で、図45E図45Dを比較して最もよく見られるように、拡張可能な先端側チップ446は、拡張可能な先端側チップ446が第一の高さ452および第一の幅を有する弛緩状態と、拡張可能な先端側チップ446が第二の高さ456および第二の幅を有し、拡張可能な先端側チップ446の第二の高さ456が拡張可能な先端側チップ446の第一の高さ452未満である、しぼんだ状態とを有する。任意で、図38および図40~45に示されるように、拡張可能な先端側チップ446の第一の高さ452は、ケージ408の第一の高さ428未満であり、拡張可能な先端側チップ446の第一の幅は、ケージ408の第一の幅未満である。
【0120】
任意で、弛緩状態において、吸引カテーテル436の拡張可能な先端側チップ446は、図40~45に示されるように、弛緩状態における形状がテーパ状(例えば、漏斗の形状)である。任意で、吸引カテーテル436の先端442は、図40~45に示されるように、弛緩状態において拡張可能な先端側チップ446の最大の高さおよび幅を形成する。任意で、吸引カテーテル436の先端442は、図39Aおよび39Bに示されるように、内向きにフレア状である。
【0121】
任意で、ケージ408は、弛緩状態において約15~約35ミリメートルの幅および高さ418を含む。任意で、吸引カテーテル436は、拡張可能な先端側チップ446とは異なる材料で構成され、かつ拡張可能な先端側チップ446のすぐ基端側に位置する、拡張不可能な基端側区分460を含み、拡張不可能な基端側区分460は、拡張可能な先端側チップ446がしぼんだ状態と弛緩状態との間で動く際に、実質的に同じ高さおよび同じ幅を維持するように構成される。任意で、拡張可能な先端側チップ446は、基端側区分の幅よりも約2倍~約6倍大きい、弛緩状態における最大幅を含む。任意で、拡張可能な先端側チップ446は、基端側区分の高さよりも約2倍~約6倍大きい、弛緩状態における最大高さを含む。
【0122】
図46Aおよび46Bは、製作された拡張可能な先端側チップ446の特定の態様の原型の図面(一定の縮尺で描かれた)を示す。図46Aおよび46Bにおいて、基端側形状記憶金属条片470の基端474は、拡張不可能な基端側区分460の外側壁/外側周囲に取り付けられる。加えて、拡張可能な先端側チップ446は、基端側形状記憶金属条片470の長さに少なくとも部分的に沿う(例えば、少なくとも2ミリメートルの距離)基端側形状記憶金属条片470に化学的に結合されたフィルム450で構成される。図46Aおよび46Bの装置は、基端側形状記憶金属条片470(ニチノール製)およびフィルム450を同じポリマーに浸漬し、次いで溶剤を基端側形状記憶金属条片470およびフィルム450上にブラッシングして基端側形状記憶金属条片470およびフィルム450を付着させる/化学的に結合させることによって、製作された。このプロセスは、ケージ408と共に、すなわちケージの高さが拡張する、およびしぼむのに伴って、その高さ452および幅456が拡張する、およびしぼむことができる拡張可能な先端側チップ部分474内の被覆範囲を有することを含む、いくつかの利点を作り出した。換言するならば、図46Aおよび46Bに示されるように、フィルム450がケージ長さ416の一部分(例えば、約5%~約50%、より好ましくは約5%~約33%、より好ましくは約5%~約25%、より好ましくは約15%~約25%)に存在する状態で、拡張可能な先端側チップ446は、ケージ408の基端側部分と同一の広がりを有し得る。例えば、フィルム450は、約2ミリメートル~約30ミリメートル、より好ましくは約5~約25ミリメートル、より好ましくは約5ミリメートル~約20ミリメートル、より好ましくは約10ミリメートル~約15ミリメートルの長さ451(ケージ長さ416と平行)を有し得る。加えて、ケージ408は、捕獲した血餅がケージ先端414の外に抜け出るのを防ぐために、拡張可能な先端側チップ446に対して先端側により大きい区画480A(血餅がケージ内部422に入るのを可能にするため)、およびケージ408の先端側部分により小さい区画480Bを有するように設計された。例示的な態様において、より大きい区画480Aは、弛緩状態において、より小さい区画480Bの表面積の約150%~約500%である表面積を有する。しかしながら、他の寸法も可能である。実際には、吸引開口444が、拡張可能な先端側チップ446の先端に位置し(かつ、大きい区画480Aに対して基端側およびケージ基端410に対して先端側に)、加えられるべきシリンジまたは他の吸引源からの吸引力が血餅を大きい区画480Aを通して引き寄せることを可能にする。加えて、弛緩状態で示されている図46Aおよび46Bを見ることから明らかなように、拡張可能な先端側チップ446の第一の高さ452は、ケージ408の第一の高さ428と等しく、拡張可能な先端側チップ446の第一の幅は、ケージ408の第一の幅と等しい。
【0123】
任意で、形状記憶金属フレームワーク448は、図38および40~46に示されるように、織られた/編組み線状形状記憶金属ストランド462で構成される。フィルム/コーティングを備えた、織られた/編組み線状形状記憶金属ストランドの例は、当技術分野において公知である。例えば、そのようなフレームワークおよびフィルム/コーティングを備えたAnaconda吸引カテーテルが、Anaconda Biomed SL(スペイン国バルセロナ)によって販売され、欧州特許出願EP3634768に記載されており、それには織られた/編組み線状ストランドをポリマーコーティング中に浸漬し得るか、またはストランド上に噴霧し得ること、およびフィルム/コーティングは耐水コンパートメントを作り得ることが記載されている。織られた/編組み線状ストランドはまた、例えば、出願人自身の米国特許第10,321,925号および同第10,226,268号に記載されている。前述の欧州特許出願および米国特許の内容は参照により本明細書に組み入れられる。任意で、各織られた線状ストランドは、ケージ長さ/縦軸に対して先端側部分外周部周りをらせん式に複数回、回転し得る。任意で、吸引カテーテルの拡張可能な先端側チップ446は、Anaconda吸引カテーテルのように、可撓性および可逆的であり得る。
【0124】
任意で、少なくとも一つの吸引開口444は、図39Bおよび40~46に示されるように、吸引カテーテル436の先端442に位置する。代替的に、吸引カテーテル436の先端442は、図38~39および39Aに示されるように、閉じていてもよい。
【0125】
任意で、図38~40に示されるように、少なくとも一つの吸引開口444は、吸引カテーテル先端442に対して基端側にあるフィルム450内に位置する。用語「少なくとも一つの吸引開口」は、例えば図38、39Bおよび40に示されるように、吸引カテーテル436がケージ内部422の内側で複数の吸引開口444を有することを可能にすることが理解されるであろう。任意で、図38および39Bにおいて最もよく見られるように、吸引カテーテル436の片側(例えば、上)が、吸引開口444を含む場合、好ましくは反対側(例えば、下)も整列された吸引開口444を含む。このことはまた、例えば図40において、吸引開口444の反対側に視認できるフィルム450がないので、推測されることができる。換言するならば、任意で、吸引開口444の中心は、縦方向に整列され、かつ150~180°離れて位置する。
【0126】
任意で、ケージ408は、図42~44において最もよく見られるように、吸引カテーテル先端442とケージ先端414との間に位置する複数のX線マーカ524を含む。任意で、図42~44において最もよく見られるように、X線マーカ524は、縦方向に整列される(すなわち、X線マーカ524の各々は、ケージ基端410からほぼ同じ距離に位置する)。いかなる特定の理論に縛られることなく、複数のX線マーカ524は、操作者/外科医に血餅402に対するケージ408の位置を知らせ、それによって操作者は、ケージ408を血管404内の正しい位置に展開することができる。
【0127】
任意で、吸引カテーテル436の基端440は、示されてはいないが当技術分野において周知である、シリンジまたはポンプに接続されている。
【0128】
任意で、ケージ408は、吸引カテーテル436上を自由に浮動しているわけではなく、その代わりに、吸引カテーテル436のケージ408への取り付けは、操作者が吸引カテーテル436を基端側に引くことによってケージ408を基端側に引くこと、および吸引カテーテル436を先端側に押すことによってケージ408を先端側に押すことを可能にするように構成される。換言するならば、外科医は、吸引カテーテル436を基端側および先端側に動かすことによって、ケージ408を基端側および先端側に動かすことができ得る。
【0129】
任意で、吸引カテーテル436の基端440は、例えば図38、40、41および43および46に示されるように、基端440を吸引源に接続するように構成されたテーパ状(例えば、漏斗の形状)のハブ/結合器468を含む。
【0130】
任意で、図38および40~46に示されるように、弛緩状態において、ケージ408は、ケージ408の基端に位置する形状記憶金属条片426がケージ基端410に接近するにつれて、ケージ高さ418およびケージ幅が減少する、テーパ状基端側領域528を含む。
【0131】
任意で、図38および40~46に示されるように、弛緩状態において、ケージ408は、ケージ408の先端に位置する形状記憶金属条片426がケージ先端414に接近するにつれて、ケージ高さ418およびケージ幅が減少する、テーパ状先端側領域530を含む。
【0132】
任意で、ケージ408はさらに、ケージ基端410に位置するケージ基端側ジャンクション412および複数の基端側条片470を含み、各基端側条片470は先端472および基端474を有し、基端側条片470の基端は、ケージ基端側ジャンクション412で収束しており、さらに吸引カテーテル436は、図38に示されるように、ケージ基端側ジャンクション412を通過する。
【0133】
任意で、図38および40~45に示されるように、ケージ408はさらに、ケージ先端414に位置するケージ先端側ジャンクション532、および複数の先端側条片534を含み、各先端側条片534は先端536および基端538を有し、先端側条片534の先端536は、ケージ先端側ジャンクション532で収束する。
【0134】
任意で、吸引カテーテル436は、図38に示されるように、ケージ先端側ジャンクション532に取り付けられる。任意で、吸引カテーテル先端442は、ケージ先端414を越えて先端側に延び得る。任意で、吸引カテーテル436は、ケージ先端414に取り付けられていない。
【0135】
任意で、吸引カテーテル436は、約60センチメートル~約150センチメートルの長さを有する。
【0136】
任意で、吸引カテーテル436は、複数の吸引開口444を含み、複数の吸引開口444の少なくともいくつかは、図38~40に示されるように、吸引カテーテル先端442に対して基端側に位置する。
【0137】
任意で、図38および40~41に示されるように、ケージ408は、複数の形状記憶金属条片426によって形成された複数の区画480を含むフレームワーク478で構成される。任意で、弛緩状態において、吸引カテーテル先端442に対して基端側に位置する吸引開口444の少なくとも一つは、区画480と整列されて、操作者が吸引開口444を使用して血餅を区画480を通してケージ内部422内へ動かすことを可能にする。例えば、図38および40~41に示されるように、吸引開口422の高さ方向の中心は、吸引力が区画480の中心に来るように、区画480の高さ方向の中心と整列され得る。任意で、弛緩状態において、図38および40~41に示されるように、フレームワーク478は、別の区画480に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた少なくとも一対の先端側頂部482を含み、その少なくとも一対の先端側頂部482における先端側頂部482は、ケージ基端410からほぼ同じ距離に位置し、かつ互いに対して150°~180°で位置する。任意で、その少なくとも一対の先端側頂部482における各先端側頂部は、異なる拡大区画484の一部を形成し、各拡大区画484は中心を有する。任意で、少なくとも一対の先端側頂部482についての拡大区画484の中心は、互いに対して150°~180°である。任意で、拡大区画484は、血餅402がそこを通過してケージ内部422内に入ることを可能にするように構成されている。任意で、吸引カテーテル先端442に対して基端側に位置する吸引開口444の一つまたは複数は、拡大区画484と整列されている。任意で、図38に示されるように、先の態様にように、拡大区画484は、順次オフセットされており(例えば、最も基端側の対の拡大区画484は、次に最も基端側の対の拡大区画484から60~90°オフセットされており、それは、続いて最も基端側の対の拡大区画から60~90°オフセットされている、など)、吸引開口444は同様に、順次オフセットされている。
【0138】
任意で、図38に示されるように、ケージ408はさらに、ケージ基端410に位置するケージ基端側ジャンクション412と、複数の基端側条片470とを含み、各基端側条片470は、ケージ408の区画の基端側頂部540に取り付けられた先端472と、基端474とを有し、基端側条片470の基端は、ケージ基端側ジャンクション412で収束する。
【0139】
任意で、図45Eに示されるように、システム400はさらに、内部と、内部に通じる基端(図示せず)と、内部に通じる先端494とを有する送達カテーテル488を含み、送達カテーテル488は、生体適合性材料で構成され、送達カテーテル488からの展開前のケージ408および吸引カテーテル436を包むように構成されている。システム400はまた、図42および45Eおよび45Fに示されるように、ガイドカテーテル542を含み得る。
【0140】
任意で、図39に示されるように、吸引カテーテルの概ね中空の内部438内に位置し、かつ吸引カテーテルの概ね中空の内部438内で基端側および先端側に移動可能である、内側遮断カテーテル498を、システム400は含んでもよく、内側遮断カテーテル498は、開口した基端500と、開口した先端502と、概ね中空の内部とを含む。いかなる特定の理論に縛られることなく、内側遮断カテーテル498は、基端側吸引孔444が遮断されている図39に示されるように、吸引カテーテル436内の吸引孔444を遮断するために使用され得る。任意で、内側遮断カテーテル498および吸引カテーテル436は各々、外径および内径を含み、さらに内側遮断カテーテル498の外径は、吸引カテーテル436の内径の大きさの約85%~約99.9%である。
【0141】
任意で、吸引カテーテル436の高さ方向/幅方向の中心は、図38および40~45に示されるように、弛緩状態において、ほぼ、ケージ408の高さ方向/幅方向の中心に位置する。
【0142】
任意で、示されてはいないが、ケージ408はさらに、吸引カテーテル436をケージ408の中心に維持するのを助けるために、ケージ外周部から吸引カテーテル436まで内側に延びる足場用形状記憶金属条片426を含み得る。
【0143】
任意で、弛緩状態において、ケージ408は、図40~46に示されるように、ケージ基端410で最小の高さ418および幅を有する。
【0144】
任意で、吸引カテーテル436を除けば、ケージ内部422は中空である。
【0145】
任意で、図38に示されるように、ケージ基端410は、管の形態である。
【0146】
任意で、図38~46に示されるように、吸引カテーテル436は、ケージ形状記憶金属条片426の少なくともいくつかに固定して取り付けられている。
【0147】
任意で、図38および図40~41および46に示されるように、弛緩状態において、ケージ408は複数の区画480で構成されているが、概ね基端方向を向くいかなる自由な基端側頂部540も有せず、しかし概ね先端方向を向く自由な先端側頂部482を有する。
【0148】
任意で、システムはさらに、ケージ先端414から先端側に延びるリードワイヤ512を含む。
【0149】
概して、図44Aおよび44Bならびに図45A~45Gに例証されているように、システム400は、
a)内部と、基端と、先端494とを有し、ケージ408を包む、送達カテーテル488を提供する工程(図45Cを参照);
b)ケージ408がしぼんだ状態から弛緩状態に動くように、ケージ408を送達カテーテル先端494から展開する工程(図45Dおよび45Eを参照);
c)血餅402をケージ内部422内に動かすために、吸引カテーテル436に吸引を加える工程(図45Fならびに図44Aおよび44Bを参照);ならびに
d)例えば、吸引カテーテル436を基端側に引くことによって、ケージ408および血餅402を基端側に動かして動物の外に出す工程(図45Gを参照)
を含む、動物から血餅402を除去する方法において使用され得る。
【0150】
任意で、本方法はさらに、シリンジまたはポンプ(示されていないが当技術分野において公知である)を吸引カテーテル基端440に接続すること、およびこのシリンジまたはポンプを使用して吸引カテーテル436に吸引を加えることを含む。
【0151】
任意で、図39に示されるように、本方法はさらに、行程c)の前に、吸引カテーテルの概ね中空の内部438内に位置する内側遮断カテーテル498を提供すること、および内側遮断カテーテル498を吸引カテーテルの概ね中空の内部438内で基端側または先端側に動かして吸引カテーテル436内の吸引開口444を覆うことを含む。
【0152】
任意で、工程b)およびc)は、動物の肺で起こる。
【0153】
いかなる特定の理論に縛られることなく、図44Aおよび44Bおよび45Dおよび45Eは、ケージ408がどのようにしぼんだ状態から弛緩状態に徐々に動き得るのかを示す。先端側ボディが血餅402に対して先端側に展開されている図22に最もよく見られるような先の態様とは異なり、図38~45の態様において、ケージ基端410が血餅402の基端に対して先端側にあり、ケージ先端414が血餅402の先端に対して基端側にある図44A~44Bおよび45Dおよび45Eにおいて最もよく見られるように、ケージ408は、血餅402の部位で展開され得る。送達カテーテル488に加えて、図45C~45Gにおいて最もよく見られるように、送達カテーテル488よりも大きい直径を有するガイドカテーテル542もまた使用され得る。血餅402の捕獲後、吸引カテーテル436、ケージ408および血餅402は、図45Gに示されるように、ガイドカテーテル542内へ(完全または部分的に)動かされ得る。
【0154】
部品リスト
【0155】
特許法の要件にしたがって本発明を説明したが、当業者は、自らの要件または条件を満たすために、開示された態様に変更および修飾を加える方法を理解するであろう。変更および修飾は、以下の特許請求の範囲によってのみ画定され、限定される発明の範囲および精神を逸脱することなく加えられ得る。特に、システムは、血餅を回収する際の使用に関して例示されたが、システムは、他の物体を動物内腔から回収するために使用されてもよい。加えて、本明細書に記載される任意の方法の工程は、任意の適当な順序で実施され得、工程は、必要ならば、同時に実施され得る。
【0156】
本明細書の中で使用される用語「実質的」、「約」および「ほぼ」のような程度の語は、最終的な結果が有意に変化しないような、修飾される語の妥当な量の逸脱を意味する。たとえば、これらの語は、修飾される語からの少なくとも±5%の逸脱を含むものと解釈することができる(そのような逸脱が、それが修飾する語の意味を否定しないならば)。
図1
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【手続補正書】
【提出日】2023-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケージ基端と、ケージ先端と、該ケージ基端から該ケージ先端まで延びるケージ長さと、該ケージ長さに対して垂直なケージ高さと、該ケージ長さおよび該ケージ高さに対して垂直なケージ幅と、ケージ内部と、複数の形状記憶金属条片で構成されたケージ外周部とを含むケージを含む先端側ボディであって、該ケージは、該ケージが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該ケージが第二の高さおよび第二の幅を有し、該ケージの該第二の高さが該ケージの該第一の高さ未満であり、該ケージの該第二の幅が該ケージの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する、該先端側ボディ;ならびに
概ね中空の内部と、該ケージ基端に対して基端側に位置する基端と、先端とを含み、該ケージに取り付けられかつ該ケージ内部内に進む、吸引カテーテルであって、該ケージ基端と該ケージ先端との間に位置し該概ね中空の内部に通じる少なくとも一つの吸引開口を、該ケージ内部の中で含む、該吸引カテーテル
を含む、ヒト血管から血餅を除去するためのシステム。
【請求項2】
基端側吸引力が吸引カテーテルに加えられると、操作者がケージ内部の外側から該ケージ内部内へ血餅を引き込むことを可能にするように、前記吸引開口が構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
吸引カテーテルが、シリンジまたはポンプに接続されており、該シリンジまたはポンプが、血餅をケージ内部内に引き込むために吸引開口に基端側吸引力を加えるように構成されている、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
吸引カテーテルの基端が、該吸引カテーテルの基端を吸引源に接続するように構成されたテーパ状ハブを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
ケージが、複数の形状記憶金属条片によって形成された複数の区画を含むフレームワークで構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記弛緩状態において、吸引開口が区画と整列されている、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記弛緩状態において、吸引開口が区画の長手方向の中心と整列されている、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記弛緩状態において、前記フレームワークが、別の区画に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた少なくとも一対の先端側頂部を含み、該少なくとも一対の先端側頂部における該先端側頂部が、ケージ基端からほぼ同じ距離に位置し、かつ互いに対して150°~180°で位置し、該少なくとも一対の先端側頂部における各先端側頂部が、異なる拡大区画の一部を形成し、各拡大区画が中心を有し、
該少なくとも一対の先端側頂部についての該拡大区画の該中心が、互いに対して150°~180°であり、さらに、該拡大区画が、血餅がそこを通過してケージ内部内に入ることを可能にするように構成されており、さらに、吸引開口が、拡大区画と整列されている、
請求項5記載のシステム。
【請求項9】
吸引開口の高さ方向の中心が、拡大区画の高さ方向の中心と整列されている、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
ケージ内部の中で、吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に対して基端側にある少なくとも一対の吸引開口を含み、該少なくとも一対の吸引開口の各々が中心を有し、該少なくとも一対の吸引開口の該中心が、互いに対して150°~180°で位置する、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
吸引カテーテル先端が開口している、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に隣接して位置しかつ形状記憶金属フレームワークで構成された拡張可能な先端側チップと、該形状記憶金属フレームワークに取り付けられたフィルムとを含み、該拡張可能な先端側チップは、該拡張可能な先端側チップが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該拡張可能な先端側チップが第二の高さおよび第二の幅を有し、該拡張可能な先端側チップの該第二の高さが該拡張可能な先端側チップの該第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第二の幅が該拡張可能な先端側チップの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有し、さらに、該拡張可能な先端側チップの第一の高さが、ケージの第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第一の幅が、該ケージの第一の幅未満である、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記弛緩状態において、吸引カテーテルの拡張可能な先端側チップが、テーパ状の形状であり、さらに、該吸引カテーテルの先端が、前記弛緩状態において、該拡張可能な先端側チップの最大の高さおよび幅を形成する、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
ケージが、前記弛緩状態において約15ミリメートル~約35ミリメートルの最大幅および最大高さを含み、吸引カテーテルが、拡張可能な先端側チップのすぐ基端側に拡張不可能な基端側区分を含み、該拡張不可能な基端側区分が、該拡張可能な先端側チップが前記しぼんだ状態と前記弛緩状態との間で動く際に、実質的に同じ高さおよび同じ幅を維持するように構成されており、さらに、該拡張可能な先端側チップが、該基端側区分の幅よりも約2倍~約6倍大きい、前記弛緩状態における最大幅を含み、さらに、該拡張可能なチップが、該基端側区分の高さよりも約2倍~約6倍大きい、前記弛緩状態における最大高さを含む、請求項12記載のシステム。
【請求項15】
形状記憶金属フレームワークが、複数の編組みメッシュ開口を形成する織られた線状形状記憶金属ストランドで構成され、さらに、フィルムが該メッシュ開口を覆う、請求項12記載のシステム。
【請求項16】
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に対して基端側にあるフィルムに位置する少なくとも一対の吸引開口を含み、該少なくとも一対の吸引開口の各々が中心を有し、該少なくとも一対の吸引開口の該中心が、互いに対して150°~180°で位置する、請求項12記載のシステム。
【請求項17】
吸引カテーテルが、ケージ基端に取り付けられている、請求項1記載のシステム。
【請求項18】
吸引カテーテルのケージへの取り付けが、操作者が該吸引カテーテルを基端側に引くことによって該ケージを基端側に引くこと、および該吸引カテーテルを先端側に押すことによって該ケージを先端側に押すことを可能にするように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項19】
ケージ内部の中で、吸引カテーテルが、概ね中空の内部に通じる複数の吸引開口を含み、該複数の吸引開口の少なくともいくつかが、吸引カテーテル先端に対して基端側に位置する、請求項1記載のシステム。
【請求項20】
内部と、該内部に通じる基端と、該内部に通じる先端とを有する送達カテーテルをさらに含み、該送達カテーテルが、生体適合性材料で構成され、かつケージおよび吸引カテーテルを包む、請求項1記載のシステム。
【請求項21】
吸引カテーテルの先端が、ケージ先端を越えて先端側に延び、かつ、該ケージ先端には取り付けられていない、請求項1記載のシステム。
【請求項22】
吸引カテーテルの概ね中空の内部内に位置し、かつ該吸引カテーテルの概ね中空の内部内で基端側および先端側に移動可能である、内側遮断カテーテルをさらに含み、該内側遮断カテーテルが、開口した基端と、開口した先端と、概ね中空の内部とを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項23】
内側遮断カテーテルおよび吸引カテーテルが各々、外径および内径を含み、さらに、該内側遮断カテーテルの該外径が、該吸引カテーテルの該内径の大きさの約85%~約99.9%である、請求項22記載のシステム。
【請求項24】
吸引カテーテルの高さ方向および幅方向の中心が、前記弛緩状態において、ほぼ、ケージの高さ方向および幅方向の中心に位置する、請求項1記載のシステム。
【請求項25】
吸引カテーテルを除けば、ケージ内部が中空であり、さらに、前記システムが、ケージ先端から先端側に延びるリードワイヤを含む、請求項1記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
任意で、前記一連のものにおける3対の区画の代わりに、一連のものは、概ね基端方向を向きかつ形状記憶金属条片に取り付けられた基端側頂部と、概ね先端方向を向いた自由な先端側頂部とを有する、先端側ボディ外周部上に位置する2対のみの区画を含み得、この一連のものの中で、最も基端側の自由な先端側頂部は、12時と6時の位置に位置し得、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(同じ距離 +/-5mm)に位置し得、次に最も基端側の自由な先端側頂部は、3時と9時の位置に位置し得、かつ基端側ジャンクションからほぼ同じ距離(同じ距離 +/-5mm)に位置し得る。そのような態様において、先端側ボディおよびシステムは、自由な先端側頂部を有する少なくとも3対の区画を有する先端側ボディに関連して、上述された任意の特徴を有し得る。
[本発明1001]
ケージ基端と、ケージ先端と、該ケージ基端から該ケージ先端まで延びるケージ長さと、該ケージ長さに対して垂直なケージ高さと、該ケージ長さおよび該ケージ高さに対して垂直なケージ幅と、ケージ内部と、複数の形状記憶金属条片で構成されたケージ外周部とを含むケージを含む先端側ボディであって、該ケージは、該ケージが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該ケージが第二の高さおよび第二の幅を有し、該ケージの該第二の高さが該ケージの該第一の高さ未満であり、該ケージの該第二の幅が該ケージの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する、該先端側ボディ;ならびに
概ね中空の内部と、該ケージ基端に対して基端側に位置する基端と、先端とを含み、該ケージに取り付けられかつ該ケージ内部内に進む、吸引カテーテルであって、該ケージ基端と該ケージ先端との間に位置し該概ね中空の内部に通じる少なくとも一つの吸引開口を、該ケージ内部の中で含む、該吸引カテーテル
を含む、ヒト血管から血餅を除去するためのシステム。
[本発明1002]
基端側吸引力が吸引カテーテルに加えられると、操作者がケージ内部の外側から該ケージ内部内へ血餅を引き込むことを可能にするように、前記吸引開口が構成されている、本発明1001のシステム。
[本発明1003]
吸引カテーテルが、シリンジまたはポンプに接続されており、該シリンジまたはポンプが、血餅をケージ内部内に引き込むために吸引開口に基端側吸引力を加えるように構成されている、本発明1002のシステム。
[本発明1004]
吸引カテーテルの基端が、該吸引カテーテルの基端を吸引源に接続するように構成されたテーパ状ハブを含む、本発明1001のシステム。
[本発明1005]
ケージが、複数の形状記憶金属条片によって形成された複数の区画を含むフレームワークで構成されている、本発明1001のシステム。
[本発明1006]
前記弛緩状態において、吸引開口が区画と整列されている、本発明1005のシステム。
[本発明1007]
前記弛緩状態において、吸引開口が区画の長手方向の中心と整列されている、本発明1006のシステム。
[本発明1008]
前記弛緩状態において、前記フレームワークが、別の区画に取り付けられておらずかつ概ね先端方向を向いた少なくとも一対の先端側頂部を含み、該少なくとも一対の先端側頂部における該先端側頂部が、ケージ基端からほぼ同じ距離に位置し、かつ互いに対して150°~180°で位置し、該少なくとも一対の先端側頂部における各先端側頂部が、異なる拡大区画の一部を形成し、各拡大区画が中心を有し、
該少なくとも一対の先端側頂部についての該拡大区画の該中心が、互いに対して150°~180°であり、さらに、該拡大区画が、血餅がそこを通過してケージ内部内に入ることを可能にするように構成されており、さらに、吸引開口が、拡大区画と整列されている、
本発明1005のシステム。
[本発明1009]
吸引開口の高さ方向の中心が、拡大区画の高さ方向の中心と整列されている、本発明1008のシステム。
[本発明1010]
ケージ内部の中で、吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に対して基端側にある少なくとも一対の吸引開口を含み、該少なくとも一対の吸引開口の各々が中心を有し、該少なくとも一対の吸引開口の該中心が、互いに対して150°~180°で位置する、本発明1001のシステム。
[本発明1011]
吸引カテーテル先端が開口している、本発明1010のシステム。
[本発明1012]
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に隣接して位置しかつ形状記憶金属フレームワークで構成された拡張可能な先端側チップと、該形状記憶金属フレームワークに取り付けられたフィルムとを含み、該拡張可能な先端側チップは、該拡張可能な先端側チップが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該拡張可能な先端側チップが第二の高さおよび第二の幅を有し、該拡張可能な先端側チップの該第二の高さが該拡張可能な先端側チップの該第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第二の幅が該拡張可能な先端側チップの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有し、さらに、該拡張可能な先端側チップの第一の高さが、ケージの第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第一の幅が、該ケージの第一の幅未満である、本発明1001のシステム。
[本発明1013]
前記弛緩状態において、吸引カテーテルの拡張可能な先端側チップが、テーパ状の形状であり、さらに、該吸引カテーテルの先端が、前記弛緩状態において、該拡張可能な先端側チップの最大の高さおよび幅を形成する、本発明1012のシステム。
[本発明1014]
ケージが、前記弛緩状態において約15ミリメートル~約35ミリメートルの最大幅および最大高さを含み、吸引カテーテルが、拡張可能な先端側チップのすぐ基端側に拡張不可能な基端側区分を含み、該拡張不可能な基端側区分が、該拡張可能な先端側チップが前記しぼんだ状態と前記弛緩状態との間で動く際に、実質的に同じ高さおよび同じ幅を維持するように構成されており、さらに、該拡張可能な先端側チップが、該基端側区分の幅よりも約2倍~約6倍大きい、前記弛緩状態における最大幅を含み、さらに、該拡張可能なチップが、該基端側区分の高さよりも約2倍~約6倍大きい、前記弛緩状態における最大高さを含む、本発明1012のシステム。
[本発明1015]
形状記憶金属フレームワークが、複数の編組みメッシュ開口を形成する織られた線状形状記憶金属ストランドで構成され、さらに、フィルムが該メッシュ開口を覆う、本発明1012のシステム。
[本発明1016]
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に対して基端側にあるフィルムに位置する少なくとも一対の吸引開口を含み、該少なくとも一対の吸引開口の各々が中心を有し、該少なくとも一対の吸引開口の該中心が、互いに対して150°~180°で位置する、本発明1012のシステム。
[本発明1017]
吸引カテーテルが、ケージ基端に取り付けられている、本発明1001のシステム。
[本発明1018]
吸引カテーテルのケージへの取り付けが、操作者が該吸引カテーテルを基端側に引くことによって該ケージを基端側に引くこと、および該吸引カテーテルを先端側に押すことによって該ケージを先端側に押すことを可能にするように構成されている、本発明1001のシステム。
[本発明1019]
ケージ内部の中で、吸引カテーテルが、概ね中空の内部に通じる複数の吸引開口を含み、該複数の吸引開口の少なくともいくつかが、吸引カテーテル先端に対して基端側に位置する、本発明1001のシステム。
[本発明1020]
内部と、該内部に通じる基端と、該内部に通じる先端とを有する送達カテーテルをさらに含み、該送達カテーテルが、生体適合性材料で構成され、かつケージおよび吸引カテーテルを包む、本発明1001のシステム。
[本発明1021]
吸引カテーテルの先端が、ケージ先端を越えて先端側に延び、かつ、該ケージ先端には取り付けられていない、本発明1001のシステム。
[本発明1022]
吸引カテーテルの概ね中空の内部内に位置し、かつ該吸引カテーテルの概ね中空の内部内で基端側および先端側に移動可能である、内側遮断カテーテルをさらに含み、該内側遮断カテーテルが、開口した基端と、開口した先端と、概ね中空の内部とを含む、本発明1001のシステム。
[本発明1023]
内側遮断カテーテルおよび吸引カテーテルが各々、外径および内径を含み、さらに、該内側遮断カテーテルの該外径が、該吸引カテーテルの該内径の大きさの約85%~約99.9%である、本発明1022のシステム。
[本発明1024]
吸引カテーテルの高さ方向および幅方向の中心が、前記弛緩状態において、ほぼ、ケージの高さ方向および幅方向の中心に位置する、本発明1001のシステム。
[本発明1025]
吸引カテーテルを除けば、ケージ内部が中空であり、さらに、前記システムが、ケージ先端から先端側に延びるリードワイヤを含む、本発明1001のシステム。
[本発明1026]
ケージ基端と、ケージ先端と、該ケージ基端から該ケージ先端まで延びるケージ長さと、該ケージ長さに対して垂直なケージ高さと、該ケージ長さおよび該ケージ高さに対して垂直なケージ幅と、ケージ内部と、複数の形状記憶金属条片で構成されたケージ外周部とを含むケージを含む先端側ボディであって、該ケージは、該ケージが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該ケージが第二の高さおよび第二の幅を有し、該ケージの該第二の高さが該ケージの該第一の高さ未満であり、該ケージの該第二の幅が該ケージの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する、該先端側ボディ;ならびに
概ね中空の内部と、該ケージ基端に対して基端側に位置する基端と、先端とを含む吸引カテーテルであって、該ケージ形状記憶金属条片の少なくともいくつかに取り付けられ、該概ね中空の内部に通じる少なくとも一つの吸引開口を含む、該吸引カテーテル
を含む、ヒト血管から血餅を除去するためのシステム。
[本発明1027]
吸引カテーテルが、複数の形状記憶金属条片の少なくともいくつか固定して取り付けられている、本発明1026のシステム。
[本発明1028]
吸引カテーテルが、吸引カテーテル先端に隣接して位置する拡張可能な先端側チップを含み、該拡張可能な先端側チップは、該拡張可能な先端側チップが第一の高さおよび第一の幅を有する弛緩状態と、該拡張可能な先端側チップが第二の高さおよび第二の幅を有し、該拡張可能な先端側チップの該第二の高さが該拡張可能な先端側チップの該第一の高さ未満であり、該拡張可能な先端側チップの該第二の幅が該拡張可能な先端側チップの該第一の幅未満である、しぼんだ状態とを有する、本発明1026~1027のいずれかのシステム。
[本発明1029]
拡張可能な先端側チップが、形状記憶金属条片の少なくともいくつかに化学的に結合されたフィルムで構成されている、本発明1028のシステム。
[本発明1030]
拡張可能な先端側チップの第一の高さが、ケージの第一の高さと等しく、拡張可能な先端側チップの第一の幅が、ケージの第一の幅と等しい、本発明1028~1029のいずれかのシステム。
[本発明1031]
拡張可能な先端側チップがフィルムから構成されており、吸引カテーテルが、該拡張可能な先端側チップのすぐ基端側にある拡張不可能な基端側区分を含み、該拡張不可能な基端側区分が、該拡張可能な先端側チップが前記しぼんだ状態と前記弛緩状態との間で動く際に、実質的に同じ高さおよび同じ幅を維持するように構成され、かつ外側壁を含み、形状記憶金属条片の少なくともいくつかが、該拡張不可能な基端側区分の該外側壁に取り付けられた基端、先端を含む基端側形状記憶金属条片であり、さらに、該フィルムが、該基端側形状記憶金属条片に取り付けられている、本発明1028~1030のいずれかのシステム。
[本発明1032]
フィルムが、ケージ長さと平行なフィルム長さを有し、該フィルム長さが、約5ミリメートル~約25ミリメートルである、本発明1031のシステム。
[本発明1033]
前記弛緩状態において、吸引カテーテルの拡張可能な先端側チップが、テーパ状の形状であり、さらに、該吸引カテーテルの先端が、前記弛緩状態において、該拡張可能な先端側チップの最大の高さおよび幅を形成する、本発明1028~1032のいずれかのシステム。
[本発明1034]
ケージが、ケージ先端に隣接する複数の区画を含む、本発明1028~1033のいずれかのシステム。
[本発明1035]
ケージが、ケージ先端に隣接する複数の小区画、および該複数の小区画と吸引カテーテル先端との間に位置する複数の大区画を含み、該大区画が、前記弛緩状態において該小区画よりも大きい表面積を有する、本発明1028~1033のいずれかのシステム。
[本発明1036]
前記大区画が、前記弛緩状態において、小区画の表面積の150%~500%である表面積を有する、本発明1035のシステム。
[本発明1037]
基端側吸引力が吸引カテーテルに加えられると、操作者がケージ内部の外側から該ケージ内部内へ血餅を引き込むことを可能にするように、前記吸引開口が構成されている、本発明1028~1036のいずれかのシステム。
[本発明1038]
吸引カテーテルが、シリンジまたはポンプに接続されており、該シリンジまたはポンプが、血餅をケージ内部内に引き込むために吸引開口に基端側吸引力を加えるように構成されている、本発明1028~1037のいずれかのシステム。
[本発明1039]
少なくとも一つの吸引開口が、ケージ基端とケージ先端との間に位置する、本発明1026~1038のいずれかのシステム。
[本発明1040]
少なくとも一つの吸引開口が、吸引カテーテル先端に位置する、本発明1026~1039のいずれかのシステム。
[本発明1041]
ケージ先端に位置するケージ形状記憶金属条片が、ケージ先端側ジャンクションで収束する、本発明1026~1040のいずれかのシステム。
[本発明1042]
ケージ先端に位置するケージ形状記憶金属条片が、ケージ先端側ジャンクションにはんだ付けまたは溶接されている、本発明1041のシステム。
【国際調査報告】