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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】RFメッセージを見逃す原因の決定
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/309 20150101AFI20231024BHJP
【FI】
H04B17/309
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526306
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2021079130
(87)【国際公開番号】W WO2022090037
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/107,632
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20205827.7
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ ヒューゴ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
(57)【要約】
本発明は、RFメッセージ(34)を送信及び/又は受信するための複数のノード(26、28、30)を含むRFシステム(100)を動作させることに関する。送信ノード(26)によって送信されるRFメッセージは、受信ノード(28、30)で受信される。RFメッセージが完全に受信されたかどうかが判断される。受信ノードでRFメッセージの少なくとも一部を見逃すと、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと受信ノードとの間の伝送路(40)における有体物(32)のアクティビティイベントに起因するかどうかが、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断される。RFメッセージ(34)は、RFベースのセンシングメッセージ(36)及びRFデータメッセージ(38)を含んでもよい。RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致が決定され、RFシステム基準に含められてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシングイベントを検出するためにRFベースのセンシングを行うための無線周波数システムであって、当該システムは、無線周波数メッセージを送信及び/又は受信するように構成される複数のノードを含み、前記無線周波数メッセージは、無線周波数ベースのセンシングメッセージ及び無線周波数データメッセージを含み、当該無線周波数システムは、
当該無線周波数システムの送信ノードによって送信される無線周波数センシングメッセージの少なくとも一部及び/又は無線周波数データメッセージの少なくとも一部が、当該無線周波数システムの1つ以上の受信ノードによって受信されなかったことを決定する、
前記無線周波数メッセージの少なくとも一部の見逃しが、前記送信ノードと前記1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における物体、動物又は人の動きに起因するかどうかを、1つ以上の無線周波数システム基準に基づいて判断し、前記1つ以上の無線周波数システム基準は、
無線周波数ベースのセンシングメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、無線周波数データメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、又は無線周波数ベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及び無線周波数データメッセージの少なくとも一部の両方を見逃しているか、及び
無線周波数ベースのセンシングメッセージの見逃された部分と無線周波数データメッセージの見逃された部分との間の不一致であって、前記不一致は、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分の量とRFデータメッセージの見逃された部分の量の差、又はRFベースのセンシングメッセージの見逃された部分の量とRFデータメッセージの見逃された部分の量の比を含む、
のうちの少なくとも1つを含む、無線周波数システム。
【請求項2】
前記送信ノードは、前記無線周波数メッセージをブロードキャストするように構成され、
前記1つ以上の受信ノードは、前記無線周波数データメッセージを再送信する及び前記無線周波数ベースのセンシングメッセージを再送信しないように構成される、請求項1に記載の無線周波数システム。
【請求項3】
当該無線周波数システムの少なくとも2つのノードは、異なる送信能力、異なる受信能力、異なる処理能力、又はこれらの組み合わせを有し、
前記無線周波数システム基準はさらに、これらノードの異なる送信能力、これらノードの異なる受信能力、これらノードの異なる処理能力、又はこれらの組合せを含む、請求項1又は2に記載の無線周波数システム。
【請求項4】
当該無線周波数システムは、前記1つ以上の受信ノードで見逃されなかった前記無線周波数メッセージの部分に基づいて、及び、前記無線周波数メッセージの少なくとも一部の見逃しが、前記送信ノードと前記1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における物体、動物又は人の動きに起因するかどうかに基づいて、無線周波数ベースのセンシングを行うように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線周波数システム。
【請求項5】
当該無線周波数システムは、
ノードにおいて、ある期間にわたってそれぞれの周囲からワイヤレスノイズを受信する、及び
前記受信したワイヤレスノイズに基づいて当該ノードに対するそれぞれのノイズベースラインを決定する、
ように構成され、
前記無線周波数システム基準は、前記送信ノードのノイズベースライン、前記1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースライン、又は前記送信ノードのノイズベースライン及び前記1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースラインを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線周波数システム。
【請求項6】
ノードの少なくとも1つは、2つの異なる通信技術を含み、前記ノードの前記少なくとも1つは、一方の前記通信技術に基づいて無線周波数メッセージを送信及び/又は受信する、並びに、前記無線周波数メッセージを送信又は受信する際に他方の前記通信技術に基づいてその周囲からワイヤレスノイズを受信するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線周波数システム。
【請求項7】
前記無線周波数システム基準は、前記無線周波数メッセージを送信する際の前記送信ノードの受信ワイヤレスノイズ、前記無線周波数メッセージを受信する際の前記1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズ、又は前記無線周波数メッセージを送信若しくは受信する際の前記送信ノードの受信ワイヤレスノイズ及び前記1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズを含む、請求項6に記載の無線周波数システム。
【請求項8】
当該無線周波数システムは、前記無線周波数メッセージに対するある信号対ノイズ比が維持されるように、前記送信ノードの通信技術パラメータの設定を、その周囲からの受信ワイヤレスノイズに基づいて、前記1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて、又はその周囲からの受信ワイヤレスノイズ及び前記1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて適応させるように構成される、請求項6又は7に記載の無線周波数システム。
【請求項9】
前記無線周波数システム基準は、どのノードが前記無線周波数メッセージの少なくとも一部を見逃したか、を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の無線周波数システム。
【請求項10】
センシングイベントを検出するためにRFベースのセンシングを行うための無線周波数システムを動作させるための方法であって、前記システムは、無線周波数メッセージを送信及び/又は受信するように構成される複数のノードを含み、前記無線周波数メッセージは、無線周波数ベースのセンシングメッセージ及び無線周波数データメッセージを含み、当該方法は、
送信ノードによって送信される無線周波数メッセージを1つ以上の受信ノードで受信するステップと、
無線周波数センシングメッセージの少なくとも一部及び/又は無線周波数データメッセージの少なくとも一部が、前記1つ以上の受信ノードによって受信されなかったことを決定するステップと、
前記無線周波数メッセージの少なくとも一部の見逃しが、前記送信ノードと前記1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における物体、動物又は人の動きに起因するかどうかを、1つ以上の無線周波数システム基準に基づいて判断するステップであって、前記1つ以上の無線周波数システム基準は、
無線周波数ベースのセンシングメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、無線周波数データメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、又は無線周波数ベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及び無線周波数データメッセージの少なくとも一部の両方を見逃しているか、及び
無線周波数ベースのセンシングメッセージの見逃された部分と無線周波数データメッセージの見逃された部分との間の不一致であって、前記不一致は、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分の量とRFデータメッセージの見逃された部分の量の差、又はRFベースのセンシングメッセージの見逃された部分の量とRFデータメッセージの見逃された部分の量の比を含む、
のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
無線周波数メッセージを送信及び/又は受信するように構成される複数のノードを含む無線周波数システムを動作させるためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムがプロセッサで実行された場合、前記プロセッサに、請求項10に記載の方法を実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数(RF:radio frequency)システム、RFシステムを動作させるための方法、及びRFシステムを動作させるためのコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
WO 2020/43592 A1は、存在及び/又は位置検出のためのRF信号を送信、受信及び/又は処理するためのワイヤレスネットワーク内のデバイスを示している。一実施形態において、高帯域幅のRFベースのセンシングが、マイナーモーションの検出に必要とされ、これにより、センシングアルゴリズムは、以前の閾値/ベースラインに対するワイヤレス通信パラメータの変動が、ワイヤレスチャネルノイズに起因するのか、又は、人がほとんど動かずにラップトップをタイピングしていることに起因するのかを信頼性(confidence)を持って判断することができる、ことが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、RFメッセージを見逃す(miss)原因の決定を可能にするRFシステム、RFシステムを動作させるための方法、RFシステムを動作させるためのコンピュータプログラムプロダクト、及びコンピュータ可読媒体を提供することであるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様において、RFメッセージを送信及び/又は受信するように構成される複数のノードを含むRFシステムが提供される。RFシステムは、RFシステムの送信ノードによって送信されるRFメッセージが、RFシステムの1つ以上の受信ノードによって完全に受信されたかどうかを判断するように構成される。RFシステムはさらに、1つ以上の受信ノードでRFメッセージの少なくとも一部を見逃すと、RFメッセージの少なくとも一部の見逃し(missing)が、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物(tangible entity)のアクティビティイベント(activity event)に起因するかどうかを、1つ以上のRFシステム基準(RF system criteria)に基づいて判断するように構成される。
【0005】
RFシステムは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかを、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断するように構成されるので、RFシステムは、RFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因を決定するために種々のRFシステム基準を考慮し得る。これは、RFメッセージの個々のRFメッセージの少なくとも一部及び/又はRFメッセージ全体を、例えば、アクティビティイベントに起因して見逃しているのか、又は、例えば、ノードが配置されているエリアにおける高いワイヤレストラフィック若しくはノイズによって引き起こされる、ワイヤレス干渉に起因して見逃しているのかを判断することを可能にする。これは、さらなる処理の向上を可能にし得る。例えば、RFベースのセンシング性能が、人間、動物、又は物体等、有体物のアクティビティイベントの検出が向上され得るように向上され得る。
【0006】
RFメッセージの少なくとも一部を見逃すことは、個々のRFメッセージの少なくとも一部を見逃すこと、1つ以上のRFメッセージ全体を見逃すこと、又はこれらの任意の組合せを含む。個々のRFメッセージは、ヘッダ、ペイロード、又はテール部分等、見逃される可能性のある異なる部分を含み得る。1つ又は複数のRFメッセージが見逃される可能性があり、例えば、いくつかの後続するRFメッセージが見逃される可能性がある。また、異なるRFメッセージの異なる部分が見逃される可能性もある。
【0007】
ノードがRFメッセージを送信及び/又は受信するように構成されることは、複数のノードのいずれのノードも、RFメッセージを送信する、RFメッセージを受信する、又はRFメッセージを送信及び受信するように構成されてもよいことを意味する。
【0008】
RFシステムは、センシングイベントを検出するためにRFベースのセンシングを行うように構成されてもよい。
【0009】
RFシステムは、RFメッセージがRFシステムの送信ノードによって完全に送信されたかどうか、又はRFメッセージの少なくとも一部が送信されなかったどうかを判断するように構成されてもよい。RFシステムはまた、RFメッセージのいかなる部分も送信されなかったかを判断するように構成されてもよい。RFシステムは、例えば、個々のRFメッセージごとに、当該RFメッセージが完全に送信されたかどうかを判断するように構成されてもよい。例えば、RFメッセージのバーストの場合、RFメッセージのバーストが完全に送信されるためには、RFメッセージのバーストの各個々のRFメッセージが完全に送信される必要がある。RFメッセージが連続的に送信される場合、RFシステムは、例えば、ある期間内の個々のRFメッセージ又はある情報をトランスポートする個々のRFメッセージが完全に送信されたかどうかを判断するように構成されてもよい。
【0010】
例えば、送信ノードは、当該送信ノードがRFメッセージを完全に送信したか、RFメッセージの少なくとも一部を送信したかを判断するように構成されてもよい。RFメッセージの少なくとも一部を送信することは、少なくとも1つの個々のRFメッセージが完全に送信されないRFメッセージの任意の組み合わせを含み、例えば、3つのRFメッセージのバーストの場合、2つは完全に送信され、1つはまったく送信されない又は部分的にのみ送信される可能性がある。送信ノードは、当該送信ノードが1つ以上の受信ノードにRFメッセージを完全に送信したか、RFメッセージの少なくとも一部を送信したかに関する情報を提供するように構成されてもよい。これは、送信ノードがRFメッセージを完全に送信しなかったため、RFメッセージの少なくとも一部を見逃しているかどうかを判断することを可能にする。個々のRFメッセージは、例えば、1つ以上の受信ノードが個々のRFメッセージの送信を期待したある時点に、送信ノードが占有されている又は送信を許可されていない場合、送信されない可能性がある。送信ノードによって個々のRFメッセージを送信しないことは、例えば、クリアチャネルアセスメント(CCA:clear channel assessment)バックオフ時間に起因して起こり得る。代替的に、受信ノードが、受信RFメッセージから、当該RFメッセージが完全に送信されたかどうかを判断するように構成されてもよく、例えば、RFメッセージが完全に受信される場合、RFメッセージは、完全に送信されているに違いない。
【0011】
RFシステムは、RFメッセージから、センシングメトリクス、例えば、受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)又はチャネル状態情報(CSI:channel state information)等の信号品質メトリクス、又は任意の他のセンシングメトリクス等のデータを得るように構成されてもよい。RSSI及びCSIは、パターンを識別し、アクティビティイベントを示す特徴を抽出するために経時的に分析されてもよい。また、信号品質メトリクスは、センシングベースラインを作成するために経時的に分析されてもよい。
【0012】
RFメッセージの少なくとも一部を見逃すことは、RFメッセージによってトランスポートされることが意図される情報を含む個々のRFメッセージの少なくとも一部が復号可能でない、すなわち、RFメッセージによってトランスポートされるべき情報の少なくとも一部が見逃されることを意味する。また、RFメッセージによってトランスポートされることが意図される情報を含むRFメッセージ全体が見逃される場合、RFメッセージの少なくとも一部も見逃される。RFメッセージの少なくとも一部の見逃しは、RFメッセージの大きな減衰に起因する可能性がある。代替的に、RFメッセージは、RFメッセージ内のデータの変化を引き起こし得る歪み(distortion)に起因して不正確になる可能性もある。データの変化は、例えば、チェックサム、例えば、サイクリックリダンダンシーチェック(CRC:cyclic redundancy check)に基づいて検出されてもよい。
【0013】
RFシステムがRFベースのセンシングを行うように構成される場合、RFメッセージの少なくとも一部を見逃すことは、何が起こったかをRFシステムが判断できないブラインド期間(blind time period)を招く可能性がある。さらに、データが誤って解釈される可能性があり、フォールスポジティブ(false positive)が得られる可能性がある。例えば、RFベースのセンシングは、人がリビングルームのソファから立ち上がったことを見逃し、したがって、人がまだソファの上にいると誤検出される可能性がある。また、フォールスネガティブ(false negative)が得られる可能性もあり、例えば、転倒検出が、人が床で-5gで減速しているまさにその時点にRFメッセージの少なくとも一部を見逃す可能性がある。
【0014】
RFメッセージの個々のRFメッセージは、例えば、1つ以上の受信ノードによって復調されることができない場合、完全に見逃していると見なされる。RFメッセージは、RFメッセージが1つ以上の受信ノードによって復調されることができないように、送信中に環境要因、例えば、干渉によって影響を受ける可能性がある。この場合、1つ以上のノードは、入力として1つ以上のノードによって受信されるRF信号がRFメッセージであるかノイズであるかを判断することができない。例えば、1つ以上のノードがZigbee(登録商標)通信技術で動作する場合、1つ以上のノードは、入力として1つ以上のノードによって受信されるRF信号が、1つ以上のノードが理想的な条件下で復調することができる破損したZigbee RFメッセージであるか、又はRF信号が、1つ以上のノードが決して復調することができない、WiFi(登録商標) RFメッセージであるかを判断することができない。これは、RFメッセージを見逃す最も深刻な形態であり、RF信号からセンシングメトリクスが抽出されない可能性がある。この場合、1つ以上のノードは、1つ以上のノードがRFメッセージを受信したことを検出さえしないことになる。
【0015】
RFメッセージによってトランスポートされるべきデータの少なくとも一部が複合可能ではないような、それほど深刻ではない形態でRFメッセージが影響を受ける場合、RFメッセージの一部を見逃していると見なされる。例えば、RFメッセージの一部は、ノードが、ノードが動作している通信技術、例えば、Zigbee又はWiFiのRFメッセージを受信したことを検出し得るように、依然として復号可能である可能性がある。しかしながら、あるノードから別のノードへ、又はある期間にわたってトランスポートされるべきデータが、RFメッセージから得られることができない。
【0016】
RFメッセージによってトランスポートされるべきデータが復号可能である場合、RFメッセージの別の部分が復号可能ではなくても、RFメッセージを見逃しているとは見なされない。例えば、RFメッセージによってトランスポートされるべきデータが、RFメッセージの最初の部分、すなわち、RFメッセージのヘッダから取得可能である、センシングメトリクス、例えば、RSSI又はCSIであり、RFメッセージの中央部分でトランスポートされるべき情報を含まないデータコンテナのペイロードのみが復号可能ではない場合、RFメッセージを見逃しているとは見なされない。一方、例えば、RFメッセージによってトランスポートされるべき情報がペイロードにも含まれ、ペイロードが見逃される場合、RFメッセージを見逃していると見なされる。
【0017】
アクティビティイベントは、例えば、有体物の動き(movement)、有体物の呼吸、有体物の転倒、又は物体、動物、人等、有体物のアクティビティを伴う任意の他のイベントであってもよい。
【0018】
送信ノードは、RFメッセージを繰り返し送信するように構成されてもよい。RFメッセージは、RFシステムの受信ノードによって繰り返し受信されてもよい。送信ノードは、例えば、所定のタイミングに従って、例えば、スケジュールに従って、RFメッセージを送信するように構成されてもよい。ある期間についてのスケジュールは、RFメッセージの1つ以上において送信されてもよい。
【0019】
送信ノードは、RFシステムの複数のノードのうちの1つであってもよい。また、受信ノードは、RFシステムの複数のノードのうちの2つ以上からRFメッセージを受信してもよい。
【0020】
RFベースのセンシングは、空間又は特定のボリューム(volume)で起こっている様々なアクティビティイベントの検出を可能にする。センシングアルゴリズム又はセンシング分析アルゴリズムは、空間、すなわち、センシング空間又はセンシングエリア内の有体物がRF信号にどのように影響を与えるかを検出及び分析してもよい。RF信号は、RFメッセージを送信するために使用される。RFベースのセンシングは、家庭、オフィス等におけるユーザアクティビティを検出及び分類するための手段として使用されてもよい。例えば、スマートライトの形態のノードによって送信及び受信されるZigbee RFベースのセンシングメッセージに基づいて、RFベースのセンシングは、室内のモーション(motion)を判断し、ライトを自動的にオン又はオフにしてもよく、WiFiルータの形態のノードは、人の呼吸数を推定してもよい。
【0021】
RFベースのセンシングの基本原理は、空間におけるRF信号の歪みが、RF信号の周波数だけでなく、当該空間における有体物、例えば、移動物体の関数でもあるということである。RFベースのセンシングが、例えば、2.4GHz WiFiから5GHz WiFi、そして次期WiFi 6規格によって使用される60GHzまで等、一連の非常に異なる周波数バンドをホップする場合、これは、明確に異なるパッシブセンシング結果をもたらし得る。しかしながら、同じ周波数バンドにおける周波数チャネル、例えば、2412MHzの2.4GHz WiFi Channel 1及び2472MHzのWiFi Channel 13も、RFベースのセンシング結果に影響を与えるであろう。
【0022】
RFベースのセンシングは、あるノードから別のノードにRF信号を送信し、受信RF信号を分析することによって、RFシステムで行われることができる。RF信号がノード間の伝送路上で1つ以上の有体物と相互作用する場合、RF信号は、散乱、吸収、反射、又はこれらの任意の組み合わせ等の外乱を受ける。これらの外乱(disturbance)は分析され、RFベースのセンシングを行うために使用されることができる。
【0023】
外乱を受けた及び/又は反射されたRF信号は、誘電率(electrical permittivity)及び磁化率(magnetic susceptibility)の実部及び虚部等、信号パラメータに基づくRFベースのセンシングフィンガープリント(RF-based sensing fingerprint)を含むことができる。異なる通信技術は、異なる吸収及び反射特性を有し、その結果、異なるRFベースのセンシングフィンガープリントをもたらす。異なる通信技術を使用することは、RFベースのセンシングの性能を最適化することを可能にすることができる。
【0024】
RFメッセージは、複数の伝送路、例えば、送信ノードと受信ノードとの間の直接経路だけでなく、RFメッセージを含む異なるビームが送信ノード及び受信ノードが配置される空間を通って発射され、異なる物質を貫通する及び反射される伝送路を介して送信ノードと受信ノードとの間で伝送される可能性がある。受信ノードは、受信RFメッセージが異なる伝送路の複合的な外乱効果を含むように、複数の伝送路からRFメッセージを受信する。送信ノードと受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物は、RFメッセージに外乱を与え、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しを引き起こす可能性がある。
【0025】
有体物は、RFシステム及びそのノードが配置される空間のマルチパス挙動を変化させる可能性がある。マルチパス挙動は、送信RFメッセージの信号強度に影響を与える可能性がある。例えば、送信RFメッセージの信号強度がバックグラウンドノイズよりも低くなる場合、当該RFメッセージは見逃される。マルチパス動作の変化は、受信RFメッセージに対する異なる伝送路の寄与の変化を含み得る。例えば、第1の伝送路はバックグラウンドノイズを超える信号を提供する可能性があり、第2の伝送路はバックグラウンドノイズよりも低い信号を提供する可能性があり、これらの伝送路の組み合わせの結果、第1及び第2の伝送路の寄与に依存してRFメッセージの少なくとも一部を見逃す可能性がある。
【0026】
送信ノードは、所定の送信時刻にRFメッセージを送信するように構成されてもよく、1つ以上の受信ノードは、所定の受信時刻にRFメッセージの受信を期待するように構成されてもよい。所定の送信時刻及び/又は所定の受信時刻は、例えば、スケジュールに含まれてもよい。これは、送信ノードによって送信されるRFメッセージが受信されているかどうかを判断することを可能にし得る。1つ以上の受信ノードは、受信RFメッセージにおける何らかのノイズ、例えば、既知のノイズ源によって引き起こされるワイヤレスノイズ等のノイズを期待するように構成されてもよい。
【0027】
RFメッセージは、RFベースのセンシングメッセージ及びRFデータメッセージを含んでもよい。RFシステムは、RFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、RFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及びRFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているかを判断するように構成されてもよい。RFシステム基準は、RFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、RFデータメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及びRFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、を含んでもよい。これは、RFベースのセンシングメッセージとRFデータメッセージとの間のメッセージ配信信頼性(message-delivery reliability)の違いを判断することを可能にし得る。RFベースのセンシングメッセージは、RFベースのセンシングを行うために使用されてもよい。RFデータメッセージは、ノード間でデータを交換するため、例えば、データ通信のために、又はネットワークインフラストラクチャ、例えば、メッシュネットワークを確立若しくは維持するために使用されてもよい。
【0028】
RFシステムはまた、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致(discrepancy)を判断するように構成されてもよい。RFシステム基準は、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致を含んでもよい。これは、ワイヤレス干渉源は典型的には無指向的に(omnidirectionally)送信するため、RFメッセージの少なくとも一部を見逃すことが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかの判断の向上を可能にし得る。RFベースのセンシングメッセージの一部及びRFデータメッセージの一部が同様の割合で見逃される場合、ワイヤレス干渉源がRFメッセージの少なくとも一部の見逃しを引き起こしたと結論づけられてもよい。ワイヤレス干渉源には、例えば、電子レンジ、又はそれらが配置される空間全体に均一な影響を与える傾向がある他のワイヤレス送信デバイスが含まれ得る。
【0029】
送信ノードによる送信のためにスケジュールされる及び/又は送信ノードによって送信されるRFベースのセンシングメッセージの数及びRFデータメッセージの数は、異なってもよい。例えば、RFデータメッセージよりも多くのRFベースのセンシングメッセージが、所定の時間期間において送信のためにスケジュールされ及び/又は送信されてもよい。RFシステムは、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致を判断する際にRFデータメッセージに対するRFベースのセンシングメッセージのスケジュールされた送信及び/又は送信されたRFベースのセンシングメッセージの比率を考慮に入れるように構成されてもよい。RFベースのセンシングメッセージの数は、送信ノードによる送信のためにスケジュールされる及び/又は送信ノードによって送信されるRFデータメッセージの数に等しくてもよい。RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致は、例えば、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分の量とRFデータメッセージの見逃された部分の量の差、又はRFベースのセンシングメッセージの見逃された部分の量とRFデータメッセージの見逃された部分の量の比を含んでもよい。
【0030】
送信ノードは、RFメッセージをブロードキャストするように構成されてもよい。1つ以上の受信ノードは、RFデータメッセージを再送信する及びRFベースのセンシングメッセージを再送信しないように構成されてもよい。これは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかの判断を向上させることを可能にし得る。RFメッセージは、すべてのノードに等しく送信されてもよい。RFシステムは、RFベースのセンシングメッセージをシングルホップブロードキャストするように構成されてもよく、すなわち、RFベースのセンシングメッセージを受信すると、ノードは、RFベースのセンシングメッセージを再送信しない。1つ以上の受信ノードは、特定の他のノードにマルチホップブロードキャスティングに基づいて又はユニキャストによって、すなわち、RFデータメッセージを送信することによってRFデータメッセージを再送信するように構成されてもよい。例えば、メッシュネットワークにおいて、ノードは、2つの他のノード間の中間ノードとして機能してもよい。この場合、RFデータメッセージは、例えば、RFデータメッセージを第1のノードから第2のノードに送信するために、第1のノードと中間ノードとの間、及び中間ノードと第2のノードとの間で、ユニキャストされてもよい。RFデータメッセージを再送信することは、RFデータメッセージがすべてのノードによって受信される可能性を大幅に増加させ得る。これは、RFシステムにおける配信信頼性を向上させることを可能にし得る。RFシステムは、例えば、シングルホップブロードキャスティングを使用するZigbee通信技術に基づいて、RFベースのセンシングを行うように構成されてもよい。
【0031】
RFシステムの少なくとも2つのノードは、異なる送信能力(transmitting capability)、異なる受信能力(receiving capability)、異なる処理能力(processing capability)、又はこれらの組み合わせを有してもよい。RFシステム基準は、これらノードの異なる送信能力、これらノードの異なる受信能力、これらノードの異なる処理能力、又はこれらの組合せを含んでもよい。これらの組み合わせは、異なる送信能力、異なる受信能力、及び異なる処理能力の任意の組み合わせを含んでもよい。2つのノードは、例えば、異なる送受信能力(transceiving capability)及び異なる受信能力を有してもよい。これは、RFメッセージを送信、受信、及び処理するノードの異なるアビリティ(ability)をもたらすノードの異なる能力を考慮に入れることを可能にする。異なる送信及び受信能力は、異なるノードに含まれる異なるトランシーバユニット及び/又はアンテナアレイに基づく可能性があり、これらノードは、例えば、異なる受信感度を有する可能性がある。例えば、古いノード又は単純なノードは、RFメッセージの低強度及び/又は信号対ノイズ比(SNR)に起因してRFメッセージの一部を受信できない可能性があるが、新しいノード又は技術的に進んだノードは、RFメッセージのこれらの部分を受信できる可能性がある。異なる処理能力は、ノードに含まれる異なるプロセッサに基づく可能性がある。また、一部のノードは、遅いプロセッサ、例えば、中央処理ユニット(CPU)に起因してRFメッセージを十分に速く処理できない可能性があり、これにより、トラフィック密度が高い場合、ノードが、新しいメッセージを受信するために廃棄される前にすべてのRFメッセージを処理することができない可能性がある。
【0032】
異なるタイプのノードは、異なる能力を有する可能性がある。RFシステム基準は、RFシステムのノードのタイプを含んでもよい。代替的に、又は追加的に、RFシステム基準は、送信ノードのタイプ及び/又は1つ以上の受信ノードのタイプを含んでもよい。
【0033】
RFシステム基準は、ノード、例えば、送信ノード及び/又は1つ以上の受信ノードの状態(status)を含んでもよい。ノードの状態は、例えば、ある動作モードから別の動作モードへ移行している、又はある動作モードで動作している、例えば、スタンバイモード、送信モード、受信モード等で動作していること等を含んでもよい。例えば、送信モードで動作しているある受信ノードは、他の受信ノードと比較して送信に占有される頻度が高いため、RFメッセージの一部を見逃す可能性がある、すなわち、送信モードで動作している受信ノードは、送信中にRFメッセージを受信することができない可能性がある。この場合、RFメッセージの一部の見逃しは、受信ノードの状態に関連し、伝送路における有体物のアクティビティイベントに関連しない可能性がある。これは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかの検出を向上させることを可能にし得る。また、ノードの状態は、当該ノード、例えば、当該ノードのコンポーネントが壊れている又は古くなっている(outdated)、例えば、ソフトウェア若しくはファームウェアが古くなっていて更新を必要とする、状態を含んでもよい。
【0034】
RFシステムは、1つ以上の受信ノードで見逃されなかったRFメッセージの部分に基づいて、及び、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかに基づいて、RFベースのセンシングを行うように構成されてもよい。これは、不正確な部分を有するRFメッセージが典型的には廃棄され、さらに処理されない従来技術と比較して、RFメッセージから可能な限り多くの情報が得られるので、RFベースのセンシングの向上を可能にする。見逃した部分を有するRFメッセージから可能な限り多くの情報を得ることは、例えば、RFメッセージが正しいタイプであったか、所望の送信ノードから発信されているか等を判断することによって、アクティビティイベントを検出するための追加の情報を得ることを可能にし得、これにより、RFシステムは、RFメッセージのかなりの部分が破損している場合でもRFベースのセンシングを行い得る。RFシステムは、RFベースのセンシングを行うためにRFメッセージの見逃されなかった部分のデータをできるだけ多く使用するように構成されてもよい。これは、粒度(granularity)の向上を可能にし得る。
【0035】
RFシステムは、ノードにおいて、ある期間にわたってそれぞれの周囲からワイヤレスノイズを受信するように構成されてもよい。さらに、RFシステムは、受信したワイヤレスノイズに基づいて当該ノードに対するそれぞれのノイズベースライン(noise baseline)を決定するように構成されてもよい。RFシステム基準は、送信ノードのノイズベースライン、1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースライン、又は送信ノードのノイズベースライン及び1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースラインを含んでもよい。ノードにおいて、ある期間にわたってそれぞれの周囲からワイヤレスノイズ、すなわち、バックグラウンドノイズを受信することは、一般にアクティビティイベントはバックグラウンドノイズレベルに著しく加わらず、斯くして、ノイズベースラインに著しく加わらないので、アクティビティイベントに対して極めて透明(transparent)であり得るワイヤレスノイズを記録することによってノイズベースラインを確立することを可能にする。ノイズベースラインは、RFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因となったものの検出を向上させるために使用されてもよい。例えば、それぞれの受信ノードのそれぞれのノイズベースラインが変化せず、RFメッセージの少なくとも一部が見逃される場合、RFメッセージの一部はワイヤレスノイズに起因して見逃されなかったと結論付けられてもよい。これは、RFメッセージを見逃すための他のソースも除外されることができる場合、RFメッセージの少なくとも一部は、ノイズベースラインに著しく加わらない、伝送路における有体物、例えば、物体のアクティビティイベントに起因して見逃されている可能性があると結論付けることを可能にし得る。例えば、それぞれのノイズベースラインが著しく変化されている場合、RFメッセージの少なくとも一部は、ワイヤレスノイズ、例えば、WiFiトラフィックに起因して見逃されていると結論付けられてもよい。
【0036】
ノイズベースラインは、例えば、過去の期間又はある数の以前のRFメッセージについての履歴記録としてノードに記憶されてもよい。ノイズベースラインは、異なるノード間で交換されてもよい。例えば、送信ノードと受信ノードのペアは、それらの間でRFメッセージを交換する際に相対的なノイズベースラインを判断するためにそれらのノイズベースラインを交換してもよい。さらに、例えば、新しいノードがRFシステムの他のノードに近いロケーションでRFシステムに参加する場合、これら他のノードは、新しいノードに、例えば、履歴記録の形態で、それらのノイズベースラインを提供してもよい。新しいノードは、これらのノイズベースラインに基づいて動作を開始してもよく、経時的に自身のノイズベースラインを生成してもよい。
【0037】
ノードの少なくとも1つは、2つの異なる通信技術を含んでもよい。ノードの少なくとも1つは、一方の通信技術に基づいてRFメッセージを送信及び/又は受信するように構成されてもよい。さらに、ノードの少なくとも1つは、RFメッセージを送信又は受信する際に他方の通信技術に基づいてその周囲からワイヤレスノイズを受信するように構成されてもよい。これは、RFメッセージの送信及び/又は受信中に送信ノード及び/又は受信ノードのうちの1つ以上のローカルノイズ環境を決定することを可能にし得る。ノードの少なくとも1つは、2つの異なる通信技術を含む、2つ、3つ、又は任意の他の数のノードを含んでもよい。これらのノードは、一方の通信技術に基づいてRFメッセージを送信及び/又は受信する、並びに、RFメッセージを送信又は受信する際に他方の通信技術に基づいてその周囲からワイヤレスノイズを受信するように構成されてもよい。
【0038】
ノードの少なくとも1つは、例えば、各々が1つ以上の異なる通信技術を含む、2つ以上の異なるラジオ(radio)を含んでもよい。ノードの少なくとも1つによってその周囲から受信されるワイヤレスノイズには、ノードの少なくとも1つと1つ以上の他のノードとの間でRFメッセージを交換するために使用される(複数の)周波数におけるそれらの交換時のワイヤレスパワーの量が含まれ得る。例えば、送信ノードによって使用される第1の通信技術は、RFベースのセンシングを行うためのRFベースのセンシングメッセージを送信するために使用されてもよい。送信ノードによって使用される第2の通信技術は、RFベースのセンシングメッセージを送信するために使用される送信周波数におけるそれらの送信時のワイヤレスパワーの量を受信するために使用されてもよい。送信周波数は、RFメッセージを送信するために送信ノードによって使用される1つ以上の周波数チャネルを含む。受信されたワイヤレスパワーの量は、第1の通信技術によって送信されるワイヤレスパワーと、バックグラウンドノイズ、すなわち、ワイヤレスノイズによって引き起こされるワイヤレスパワーとの組み合わせである。RFベースのセンシングメッセージを送信するために使用される送信周波数における送信時のワイヤレスパワーの量は、送信ノードのローカルノイズ環境に関する情報として記憶されてもよい。送信ノードは、自身のローカルノイズ環境に関する情報を受信ノードに送信するように構成されてもよい。受信ノードは、RFベースのセンシングを行う際に補正係数を適用する又は異なって値を補間することによって送信ノードのローカルノイズ環境に関する情報を使用するように構成されてもよい。受信ノードは、例えば、送信ノードのローカル環境におけるバックグラウンドノイズによって引き起こされるワイヤレスパワーに起因するRF信号の低下をキャンセルするように構成されてもよい。これは、RFベースのセンシングを向上させる及びRFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因となったものを決定することを可能にし得る。
【0039】
通信技術は、通信プロトコル、1つ以上の周波数チャネル、それぞれの周波数チャネルの周波数チャネル帯域幅、ストリームの数、ストリームデータレート、及び変調を含む通信技術パラメータの設定によって定義される。通信技術パラメータの1つを変更することによって設定を変更することは、典型的には、通信技術を変更する。通信技術には、単一チャネル通信技術及びマルチチャネル通信技術が含まれ得る。周波数チャネルの各々は、中心周波数及び周波数チャネル帯域幅を有する。周波数チャネルは、部分的に重複する周波数を有してもよい。周波数チャネルのセットの異なる周波数チャネルをホッピングすることは、例えば、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、例えば、Bluetooth low energy(BLE)等、RFベースのセンシングを行うためにマルチチャネル通信技術が使用される場合、RF信号の干渉を最小限に抑えるために実行されることができる。通信技術の周波数チャネルのセットの別の周波数チャネルに周波数チャネルを変更することは、通信技術が周波数チャネルのセットによって定義される場合、通信技術を変更しない。通信技術の周波数チャネルを別の周波数チャネルに変更することは、通信技術が1つの周波数チャネルのみによって定義される場合、通信技術を変更する。
【0040】
通信技術パラメータは、さらに、復調及び指向性のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、ある変調は、例えば復調速度及び復調エラーレートのバランスをとるために等、2つ以上の異なる復調によって異なるやり方で復調されることができる。指向性には、例えば、無指向性送信及び指向性送信が含まれることができる。無指向性送信は、例えば、センシングボリューム(sensing volume)のボリューメトリックビュー(volumetric view)を可能にすることができ、一方、指向性送信は、例えば、レーザースキャナ等走査するための、又は固定指向性を有するための、狭いビームを可能にすることができる。
【0041】
ある通信技術の通信技術パラメータに含まれる通信プロトコルには、セルラー無線通信プロトコル、Zigbee、Bluetooth、BLE、Thread、WiFi通信プロトコル、又は任意の他の無線通信プロトコルが含まれることができる。言い換えれば、通信技術には、セルラー無線通信プロトコル、Zigbee、WiFi、BLE、Thread、又は任意の他の無線通信プロトコル等の通信プロトコルが含まれ得る。セルラー無線通信プロトコルには、例えば、5G、4G、3G、又は任意の他のセルラー無線通信プロトコルが含まれ得る。WiFi通信プロトコルには、IEEE 802.11ax及びIEEE 802.11ay等のIEEE 802.11ファミリーのプロトコルが含まれ得る。
【0042】
通信技術パラメータに含まれる周波数チャネルには、例えば、2.4GHz帯、5GHz帯、60GHz帯等のGHz帯における、周波数値が含まれることができ、例えば、同じ帯域における異なる周波数チャネル、例えば、2.4GHz帯における2412MHz及び2472MHzも含まれることができる。また、周波数チャネルには、例えば、サブ6GHz 5Gに対する450MHzから6GHzまでの周波数帯、又はミリ波5Gに対する24.250GHzから52.600GHzまでの周波数帯における周波数値も含まれ得る。
【0043】
通信技術パラメータに含まれるストリームの数には、例えば、2ストリーム、3ストリーム、又は4ストリーム等、1つ以上のストリームが含まれることができる。ストリームの最大数は、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルの数に依存し得る。
【0044】
通信技術パラメータに含まれる変調には、例えば、直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexing)、直接スペクトラム拡散(DSSS:direct-sequence spread spectrum)、周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS:frequency-hopping spread spectrum)、オンオフキーイング(OOK:on-off keying)、2値位相シフトキーイング(BPSK:quadrature phase shift keying)、直交位相シフトキーイング(QPSK:quadrature phase shift keying)、直交振幅変調(QAM:quadrature amplitude modulation)、又は任意の他の変調が含まれることができる。
【0045】
また、通信技術パラメータの値は、IEEE 802.15.4、IEEE 802.11ax、IEEE 802.11ay等、IEEEによって発行された通信プロトコル、又は任意の他の通信プロトコルに対する規格等、規格から含まれる及び選択されることもできる。
【0046】
単一チャネル通信技術は、単一周波数チャネルを使用してRFメッセージを送信する通信技術であり、すなわち、単一チャネル通信技術は、RFメッセージを送信するためにある中心周波数及び周波数チャネル帯域幅を有する単一周波数チャネルを使用する。単一周波数チャネルは、中心周波数及び周波数チャネル帯域幅によって定義される周波数範囲を含むことができ、すなわち、単一周波数チャネルは、その中心周波数に限定されず、例えば、周波数チャネル帯域幅に依存して近傍の周波数も含むことができる。さらに、サイドバンドエミッション、すなわち、帯域外エミッションが、中心周波数及び周波数チャネル帯域幅によって定義される標準化された周波数帯域外で生じてもよい。単一チャネル通信技術は、一般に、複数の周波数チャネルを使用することによってRFベースのセンシングを行うことを可能にし得る通信プロトコルを使用してもよいが、当該通信プロトコルは、しかしながら、この場合、RFメッセージを送信するために1つの単一周波数チャネルのみを使用することに制限される。単一チャネル通信技術には、例えば、Zigbee又はWiFi通信プロトコルが含まれ得る。また、単一チャネル通信技術には、単一チャネル通信プロトコル、すなわち、RFメッセージを送信するために単一周波数チャネルを使用することによってのみRFベースのセンシングを行うことができる通信プロトコルが含まれ得る。RFベースのセンシングを行うために単一チャネル通信技術を使用することは、RFベースのセンシングの計算労力及び複雑さを低減することを可能にし得る。
【0047】
マルチチャネル通信技術は、RFメッセージの送信中に複数の周波数チャネルをホップする通信技術である。代替的に、又は追加的に、マルチチャネル通信技術は、複数の周波数チャネルを並行して使用してもよい。マルチチャネル通信技術には、BLE等のマルチチャネル通信プロトコルが含まれ得る。各RFメッセージは、パーツに切り刻まれ(chopped into)、マルチチャネル通信技術の異なる周波数チャネルを使用して送信されてもよい。例えば、BLEは、RFメッセージのヘッダをBLEチャネル5で送信し、その後、ペイロードの前半をチャネル9で送信し、後半をチャネル20で送信することができる。RFベースのセンシングを行うためにマルチチャネル通信技術を使用することは、有体物及び環境がRF信号に及ぼす影響が、使用される周波数に依存してわずかに異なるので、より高い精度でのRFベースのセンシングを可能にし得る。
【0048】
同じ通信プロトコルが、単一チャネル通信技術及びマルチチャネル通信技術に含まれてもよい。この場合、通信プロトコルは、単一チャネル通信技術では、RFメッセージを送信するために1つの単一周波数チャネルのみを使用することに限定され、一方、マルチチャネル通信技術では、複数の周波数チャネルが、RFメッセージを送信するために使用される。
【0049】
送信ノードは、一方の通信技術に基づいてRFメッセージを送信する、及び他方の通信技術に基づいてRFメッセージの送信のための構成情報(configuration information)を送信するように構成されてもよい。構成情報は、例えば、RFメッセージを送信するために用いられる周波数スペクトルにおいてRFメッセージを送信する時刻に又はRFメッセージを送信している間に観測されるワイヤレスパワーの量を含んでもよい。
【0050】
RFシステム基準は、RFメッセージを送信する際の送信ノードの受信ワイヤレスノイズ、RFメッセージを受信する際の1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズ、又はRFメッセージを送信若しくは受信する際の送信ノードの受信ワイヤレスノイズ及び1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズを含んでもよい。これは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しを何が引き起こしたのか判断することを向上させることを可能にし得る。受信ワイヤレスノイズが高く、低SNRを引き起こす場合、伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因する外乱は、RFメッセージを乱し、RFメッセージの少なくとも一部を見逃す結果になる可能性が高い。例えば、人体は、3dBの平均吸収率を有する。
【0051】
RFシステムは、RFメッセージに対するあるSNRが維持されるように、送信ノードの通信技術パラメータの設定を、その周囲からの受信ワイヤレスノイズに基づいて、1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて、又はその周囲からの受信ワイヤレスノイズ及び1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて適応させるように構成されてもよい。RFメッセージに対する少なくともあるSNRを維持することは、何がRFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因であったのかの判断の向上を可能にし得る。通信技術パラメータの設定は、例えば、RFメッセージに対するあるSNRが維持されるように、送信ノードの送信パワー、送信ノードの送信周波数、又は送信ノードの送信パワー及び送信周波数を、その周囲からの受信ワイヤレスノイズに基づいて、及び/又は1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて適応させることによって、適応されてもよい。送信周波数を適応させることは、例えば、RFメッセージを送信するために送信ノードによって使用される周波数帯にブリードする(bleed into)外部ワイヤレスネットワークシステムによるサイドバンドエミッションからの、ワイヤレス干渉を最小限に抑えるために等、例えば、RFメッセージを送信するために使用される中心周波数をわずかにシフトさせることを含んでもよい。
【0052】
RFシステム基準は、どのノードがRFメッセージの少なくとも一部を見逃したか、を含んでもよい。これは、バックグラウンドノイズがRFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因であったかどうかの判断を向上させることを可能にし得る。RFシステムは、どのノードがRFメッセージの少なくとも一部を見逃したかに基づいて受信ギャップパターン(reception gap pattern)を決定するように構成されてもよい。受信ギャップパターンが、互いに近接して配置される近隣ノードについて、例えば、一ある期間内に、同期性(synchronicity)を示す場合、すなわち、近隣ノードがRFメッセージの少なくとも一部を見逃した場合、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しがバックグラウンドノイズに起因したと結論付けることが可能であり得る。バックグラウンドノイズ源に起因するワイヤレス干渉の影響は、近隣ノードが配置されるローカル空間にわたりボリューム的に(volumetrically)均一になる傾向があるので、この場合、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しはバックグラウンドノイズに起因したと結論付けられてもよい。対照的に、伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因する影響は、はるかに局所的である(localized)ので、限られた数の近隣ノードのみがRFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因となる。
【0053】
RFシステムは、あるメッセージ見逃し閾値を超える数の近隣ノードがRFメッセージの少なくとも一部を見逃した場合、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しはワイヤレスノイズに起因すると判断するように構成されてもよい。代替的に、又は追加的に、RFシステムは、あるメッセージ見逃し閾値を下回る数の近隣ノードがRFメッセージの少なくとも一部を見逃した場合、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しは送信ノードと近隣ノードとの間の伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因すると判断するように構成されてもよい。これは、RFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因となったものの判断を向上させることを可能にし得る。
【0054】
RFシステムは、ある期間にアクティブにされるローカルバックグラウンドノイズ源に起因する再発性ワイヤレス干渉(reocurring wireless interference)を検出するように構成されてもよい。RFシステム基準は、再発性ワイヤレス干渉を含んでもよい。例えば、ある空間において、再起性ワイヤレス干渉は、ある期間におけるローカルバックグラウンドノイズ源、例えば、ある期間にアクティブにされる電子レンジ又はWiFiストリーミングに起因する可能性がある。RFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因となったものを判断する際にこの情報を考慮に入れることは、RFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因となったものを判断することを向上させ得る。電子レンジ、及び、例えば、タブレットコンピュータ上の、WiFiストリーミングは、例えば、2.4GHz周波数帯におけるワイヤレス干渉を引き起こす可能性がある。再発性ワイヤレス干渉は、例えば、WiFiの場合は30Hz~1000Hz、Zigbeeの場合は5Hz等、RFメッセージ送信のいくつかの間隔にわたって延びる期間にアクティブにされる可能性がある。RFベースのセンシングメッセージは、RFベースのセンシングを行うために、例えば、0.5~10秒の期間、送信される可能性がある。ローカルバックグラウンドノイズ源は、この場合準静的(quasi static)であって、ワイヤレス干渉によりローカルバックグラウンドノイズに近接するローカル空間内のノードに対してRFメッセージの少なくとも一部の見逃しを引き起こすと見なされてもよい。ローカル空間内の有体物のアクティビティイベントは、ノードに対してより局所的な外乱効果(more localized disturbing effect)を与える。これは、例えば、異なるノードによって異なる量のRFメッセージが見逃される場合、有体物のアクティビティイベントがRFメッセージの少なくとも一部の見逃しを引き起こしたかどうかを判断することを可能にし得る。
【0055】
RFシステムは、RFメッセージ、例えば、RFベースのセンシングメッセージの時間依存性受信ギャップパターン(time dependent reception gap pattern)を決定するように構成されてもよい。時間依存性受信ギャップパターンは、例えば、RFシステムのノードが配置される空間における外部ワイヤレスネットワークシステムの何らかのスケジュールされた動作に起因する、再発性ワイヤレス干渉を示し得る。RFメッセージの時間依存性受信ギャップパターンは、ある期間にアクティブにされるローカルバックグラウンドノイズ源に起因する再発性ワイヤレス干渉を検出することを可能にし得る。
【0056】
RFシステムは、RFメッセージの受信間のギャップ(gap between receiving RF messages)の持続時間を決定するように構成されてもよい。RFシステム基準は、RFメッセージの受信間のギャップの持続時間を含んでもよい。RFシステムは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかを、RFメッセージの受信間のギャップの持続時間に基づいて判断するように構成されてもよい。
【0057】
RFメッセージは、複数の後続して送信されるRFメッセージがすべて互いに衝突する可能性が低いように、短い持続時間を有する。RFシステムは、RFメッセージの受信間のギャップの持続時間がある閾値持続時間を下回る場合、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しはアクティビティイベントに起因しないと判断するように構成されてもよい。この場合、RFメッセージの見逃しは、ワイヤレス干渉に起因すると判断されてもよい。RFシステムは、ギャップの持続時間がある閾値持続時間を超える場合、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しは、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因すると判断するように構成されてもよい。アクティビティイベントは、RFメッセージよりも長い持続時間を有し、例えば、数秒を有する。この時間では、例えば、数十個のRFメッセージが送信及び/又は受信され得る。ある閾値持続時間は、例えば、履歴学習、RFシステムをベースライニングする(baselining)際に検出される連続受信間の時間として測定される平均メッセージ遅延等に基づいて決定されてもよい。
【0058】
RFシステムは、RFメッセージを送信するためのコンテキスト情報(context information)、例えば、RFメッセージの少なくとも一部が見逃される前に起こったことを決定するように構成されてもよい。例えば、センシング空間に近づく有体物は、有体物が少なくとも1つの伝送路内になく、その近傍にしかない場合でも、RFメッセージの伝送に徐々に悪化する影響(gradual deteriorating impact)を与える可能性がある。例えば、RFベースのセンシングの場合、RFベースのセンシングメッセージは、少なくとも1つの伝送路への有体物の近接がRFベースのセンシングのための徐々に悪化する影響からのコンテキスト情報として決定され得るように、例えば、30Hz~1000Hzの繰り返し周波数で送信されてもよい。RFメッセージが送信ノードと受信ノードとの間の複数の伝送路を介して伝送される場合、伝送路の一部は既に外乱を受けているが、他の伝送路は外乱を受けておらず、RFメッセージの一部の見逃しを引き起こさない可能性がある。有体物が位置を変える場合、他の伝送路が外乱を受け、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しを引き起こす可能性がある。また、有体物は、動かずに空間に配置されることにより、有体物のない空間の状況と比較して、RFセンシングの変動(variability)を引き起こす可能性がある。コンテキスト情報を使用することは、例えば、アクティビティイベントを検出する際のセンシングアルゴリズムの信頼性を向上させることによって、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しの原因となったものの判断を向上させることを可能にし得る。例えば、コンテキスト情報が、例えば、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路の近傍に有体物がないため、予想されるアクティビティイベントがないことを示す場合、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しは、有体物のアクティビティイベントに起因しないと判断されてもよい。他の理由が除外され得る場合、この場合、RFシステムは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しはワイヤレス干渉に起因すると判断するように構成されてもよい。
【0059】
RFシステムは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが徐々に(gradually)変化するか、すぐに(immediately)変化するかを判断するように構成されてもよい。RFシステム基準は、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが徐々に変化するか、すぐに変化するか、を含んでもよい。徐々の変化(gradual change)は、有体物のアクティビティイベントを示し、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しのすぐの変化(immediate change)は、ワイヤレス干渉を示す。これは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しを何が引き起こしたのかの判断を向上させることを可能にし得る。RFシステム基準は、コンテキスト情報を含んでもよい。コンテキスト情報を考慮に入れることは、RFメッセージの少なくとも一部を見逃す原因となったものの判断を向上させることを可能にし得る。RFシステムは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかを、コンテキスト情報に基づいて判断するように構成されてもよい。例えば、コンテキスト情報は、RFシステムが配置されるロケーション、例えば、アパート、オフィスビル等を含んでもよい。また、コンテキスト情報は、例えば、曜日及び/又は例えばある曜日における、ある時刻等、日付を含んでもよい。例えば、RFベースのセンシングは、ほとんどの家族が眠っている夜中の午前2時から午前5時の間よりも、ほとんどの家族が家で、例えば、テレビを見ている、ビデオゲームをしている等、電化製品を使用している午後6時から午後11時の間の方が、アパートにおいてWiFi干渉によって影響を受ける可能性がより高い。ワイヤレス干渉を引き起こす可能性のある電化製品の使用パターンは、異なる日付、ましては異なる曜日、例えば、週末と比較して平日で、異なる可能性がある。また、コンテキスト情報は、例えば、ジオフェンシング(geofencing)、スマートフォンのピンギング(pinging)等に基づいて、建物、フラット、又は部屋に典型的に存在する人の数に関する情報を含んでもよい。一人の人がフラットに住んでいて、リビングルームにいることが検出される場合、別の部屋でRFメッセージの少なくとも一部を見逃すことは、当該人、すなわち、当該人のアクティビティに起因せず、むしろ、例えば、ワイヤレス干渉に起因する可能性が非常に高い。さらに、コンテキスト情報は、例えば、外部デバイスのタイプ及び/又は状態に関する情報を含んでもよい。例えば、WiFiセキュリティカメラがリビングルームに配置され、RFメッセージの少なくとも一部が見逃される時点にストリーミングしている場合、ワイヤレス干渉がRFメッセージの少なくとも一部の見逃しを引き起こした可能性は、ほとんど送信しないパッシブ赤外線(PIR:passive infrared)センサがWiFiセキュリティカメラの代わりに動作する場合よりも高くなる。
【0060】
本発明のさらなる態様において、RFメッセージを送信及び/又は受信するように構成される複数のノードを含むRFシステムを動作させるための方法が提供される。方法は、
送信ノードによって送信されるRFメッセージを1つ以上の受信ノードで受信するステップと、
RFメッセージが1つ以上の受信ノードによって完全に受信されたかどうかを判断するステップと、
1つ以上の受信ノードでRFメッセージの少なくとも一部を見逃すと、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかを、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断するステップと、
を含む。
【0061】
方法は、
RFメッセージが送信ノードによって完全に送信されたか、又はRFメッセージの少なくとも一部が送信ノードによって送信されたかを判断するステップ、
を含んでもよい。
【0062】
方法は、
RFメッセージが送信ノードによって完全に送信されたと判断される場合、RFメッセージが送信ノードによって完全に送信されたという情報を1つ以上の受信ノードに送信するステップ、又は
RFメッセージの少なくとも一部が送信ノードによって送信されたと判断される場合、RFメッセージの少なくとも一部が送信ノードによって送信されたという情報を1つ以上の受信ノードに送信するステップ、
の一方又は両方を含んでもよい。
【0063】
追加的に、又は代替的に、方法は、
RFメッセージがRFベースのセンシングメッセージ及びRFデータメッセージを含む場合、RFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、RFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及びRFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているかを判断するステップ、
RFメッセージがRFベースのセンシングメッセージ及びRFデータメッセージを含む場合、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致を判断するステップ、
送信ノードによってRFメッセージをブロードキャストするステップ、
1つ以上の受信ノードによってRFデータメッセージを再送信する及びRFベースのセンシングメッセージを再送信しないステップ、
1つ以上の受信ノードで見逃されなかったRFメッセージの部分に基づいて、及び、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかに基づいて、RFベースのセンシングを行うステップ、
ノードにおいて、ある期間にわたってそれぞれの周囲からワイヤレスノイズを受信するステップ、
受信したワイヤレスノイズに基づいて当該ノードに対するそれぞれのノイズベースラインを決定するステップ、
ノードの少なくとも1つが2つの異なる通信技術を含む場合、ノードの少なくとも1つによって一方の通信技術に基づいてRFメッセージを送信する、及び、RFメッセージを送信する際に他方の通信技術に基づいてノードの少なくとも1つによってその周囲からワイヤレスノイズを受信するステップ、
ノードの少なくとも1つが2つの異なる通信技術を含む場合、ノードの少なくとも1つによって一方の通信技術に基づいてRFメッセージを受信する、及び、RFメッセージを受信する際に他方の通信技術に基づいてノードの少なくとも1つによってその周囲からワイヤレスノイズを受信するステップ、
ノードの少なくとも2つが2つの異なる通信技術を含む場合、少なくとも2つのノードの1つによって一方の通信技術に基づいてRFメッセージを送信する、少なくとも2つのノードの他の1つによって同じ通信技術に基づいてRFメッセージを受信する、及び、RFメッセージを送信又は受信する際に他方の通信技術に基づいて少なくとも2つのノードによってそれぞれの周囲からワイヤレスノイズを受信するステップ、
RFメッセージに対するある信号対ノイズ比が維持されるように、送信ノードの通信技術パラメータの設定を、その周囲からの受信ワイヤレスノイズに基づいて、1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて、又はその周囲からの受信ワイヤレスノイズ及び1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて適応させるステップ、及び
RFシステム基準が、以下のうちの1つ以上を含むことを提供するステップ、
RFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、RFデータメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及びRFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、
RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致、
ノードの異なる送信能力、ノードの異なる受信能力、ノードの異なる処理能力、又はこれらの組合せ、
送信ノードのノイズベースライン、1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースライン、又は送信ノードのノイズベースライン及び1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースライン、
RFメッセージを送信する際の送信ノードの受信ワイヤレスノイズ、RFメッセージを受信する際の1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズ、又はRFメッセージを送信若しくは受信する際の送信ノードの受信ワイヤレスノイズ及び1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズ、及び
どのノードがRFメッセージの少なくとも一部を見逃したか、
のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0064】
本発明のさらなる態様において、RFメッセージを送信及び/又は受信するように構成される複数のノードを含むRFシステムを動作させるためのコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがプロセッサで実行された場合、プロセッサに、請求項10に記載の方法又は方法の任意の実施形態を実行させるためのプログラムコード手段を含む。
【0065】
さらなる態様では、請求項11に記載のコンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読媒体が提供される。代替的に又は追加的に、コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムの任意の実施形態によるコンピュータプログラムを記憶していることができる。
【0066】
請求項1に記載のRFシステム、請求項10に記載の方法、請求項11に記載のコンピュータプログラム、及び請求項12に記載のコンピュータ可読媒体は、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0067】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0068】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】RFシステムのノードを概略的且つ例示的に示す。
図2】センシング空間の外側にユーザがいる、3つのノードを含むRFシステムの実施形態を概略的且つ例示的に示す。
図3】ユーザがセンシング空間内にいることにより、ノード間で交換されるRFメッセージの外乱を引き起こす、RFシステムの実施形態を概略的且つ例示的に示す。
図4】RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因したかどうかを判断することによってRFシステムを動作させるための方法の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、ノード10の一実施形態を概略的且つ例示的に示している。ノード10は、例えば、図2及び図3のコネクテッド照明(CL:connected lighting)システム100等、RFシステムに含まれることができる。以下では、CLシステム100の機能に関する詳細を提供する前に、CLシステム100で使用され得る例示的なノード10に関する詳細を述べる。
【0071】
ノード10は、制御ユニット12と、トランシーバユニット14と、アンテナアレイ16とを含む。アンテナアレイの代わりに、単一のアンテナがノードに含まれてもよい。制御ユニット12は、プロセッサ18と、メモリ20の形態のコンピュータ可読媒体とを含む。
【0072】
この実施形態では、トランシーバユニット14は、例えば、Zigbee通信プロトコルに基づく通信技術と、WiFi通信プロトコルに基づく通信技術との2つの異なる通信技術を含む。他の実施形態では、トランシーバユニットは、例えば、Thread、セルラー無線、Bluetooth、若しくはBLE通信プロトコルに基づく通信技術、又は任意の他の通信プロトコルに基づく通信技術を含んでもよい。トランシーバユニット14は、Zigbeeトランシーバ22及びWiFiトランシーバ24を含む。Zigbeeトランシーバ22は、この実施形態では、特定のZigbee通信技術を使用する。Zigbee通信技術は、例えば、IEEE 802.15.4通信プロトコル及び/又はZigbee規格によって定義される選択肢(alternative)のうちの1つの通信技術パラメータの値を使用してもよい。WiFiトランシーバ24は、WiFi通信技術を使用する。
【0073】
トランシーバユニット14は、ノード間でワイヤレスでRFメッセージ34を含むデータを交換する及びRFベースのセンシングを行うために(図2及び3参照)CLシステム100のノードにRF信号を送信する及びノードからRF信号を受信するためのアンテナアレイ16を使用する。これは、ノード10が、RFデータメッセージ38を使用してデータを交換する及びRFベースのセンシングメッセージ36を使用してRFベースのセンシングを行うことを可能にする。あるノードから別のノードに送信されるRF信号は、例えば、図3に示されるノード26と28の間の伝送路40内のユーザ32等の有体物によって、外乱を受ける可能性がある。伝送路40におけるユーザ32によって外乱を受けるRF信号は、RFベースのセンシングを行うための制御ユニット12において解析されることができる。
【0074】
制御ユニット12のメモリ20は、CLシステム100を動作させるためのコンピュータプログラムプロダクトを記憶する。コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータプログラムプロダクトがプロセッサ18で実行された場合、、CLシステム100を動作させるための方法、例えば、図4で提示される方法をプロセッサ18に実行させるためのプログラムコード手段を含む。さらに、メモリ20は、ノード10及び任意選択的にCLシステム100全体も動作させるための、例えば、照明を提供する及びRFベースのセンシングを行うために、ノードの機能を制御する及びCLシステムのノードの機能を制御するためのコンピュータプログラムプロダクトを含む。
【0075】
さらに、メモリ20は、RFシステム基準、及びRFベースのセンシングを行うために使用される(複数の)通信技術の通信技術パラメータの設定を記憶する。
【0076】
図2及び図3に示されるCLシステム100は、3つのノード26、28、及び30を含み、ノード26を介して外部サーバ200と接続される。他の実施形態では、RFシステムは、異なる数のノード、例えば、2、4又はより多くのノードを含んでもよい。この実施形態では、ノード26、28、及び30は、図1に示されるノード10のタイプである。ノードのタイプは、他の実施形態では異なってもよく、例えば、単一の通信技術のみを含んでもよい。
【0077】
ノードは、例えば、ルータ、ブリッジ、ライト、照明器具、スイッチ、プラグ、又はセンサであってもよい。ノード26は、この実施形態ではブリッジであり、他のノード28及び30は、光を提供するための照明器具である。ノード26は、ノード28及び30よりも大きな送信能力、大きな受信能力、及び大きな処理能力を含む、より大きな能力を有する。他の実施形態では、ノードは、同じ能力を有してもよく、又は、RFシステムの異なるノードは、異なる送信能力、異なる受信能力、異なる処理能力、若しくはこれらの組み合わせを有してもよい。
【0078】
サーバ200は、ビル管理システム(BMS:building management system)のサーバであり、CLシステム100の照明機能を制御するために機能する。照明機能を実行する以外に、ノード26、28、及び30は、追加的に、RFベースのセンシングを行うように構成される。これは、RFベースのセンシングを行うためにCLシステム100のワイヤレスインフラストラクチャを使用することを可能にし、CLシステム100の機能性を高めることができる。RFベースのセンシングは、例えば、モーション検出、存在検出、人数カウント、呼吸数測定、心拍数測定、形状検出、ジェスチャ検出、転倒検出のために、又は他のセンシングアプリケーションを行うために使用されることができる。
【0079】
ノード26、28、及び30は、RFメッセージ34を含むRF信号を送信及び受信する。RFメッセージ34は、RFベースのセンシングメッセージ36及びRFデータメッセージ38を含む。RFベースのセンシングメッセージ36は、RFベースのセンシングを行うために使用される。RFデータメッセージ38は、制御コマンド又は他のデータ等、データ交換のために使用される。RFデータメッセージ38は、データを交換する以外に、追加的に、RFベースのセンシングを行うために使用されてもよい。したがって、RFベースのセンシングメッセージ36及びRFデータメッセージ38の外乱(disturbance)に関する情報がRFベースのセンシングを行うために処理され得るので、RFベースのセンシングメッセージ36及びRFデータメッセージ38の両方が、RFベースのセンシングを行うために使用されてもよい。この実施形態では、RFベースのセンシングメッセージ36及びRFデータメッセージ38は、RSSI又はCSIが各成功裏に受信されたRFメッセージから得られるという点でRFベースのセンシングを行うために使用される。
【0080】
CLシステム100は、送信ノードによって送信されるRFメッセージ34が完全に送信されているかどうか、及びこれらが1つ以上の受信ノードによって完全に受信されているかどうかを判断するために使用される。図2及び図3に示される構成(configuration)では、ノード26は、RFメッセージ34を送信する送信ノードとして機能し、ノード28及び30は、受信ノードとして機能する。受信ノード28及び30のうちの1つでRFメッセージ34の少なくとも一部を見逃すと、CLシステム100は、RFメッセージ34の少なくとも一部の見逃しが、送信ノード26と受信ノード28との間の伝送路40におけるユーザ32の形態の有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかを、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断する。
【0081】
図2の構成では、ユーザ32はセンシング空間50の外側におり、RFメッセージ34の見逃しを引き起こさない。図3の構成では、ユーザ32は、センシング空間32内におり、送信ノード26と受信ノード28との間の伝送路40において、RFメッセージ34の少なくとも一部、すなわち、RFベースのセンシングメッセージ36の見逃しを引き起こす。他の実施形態では、ワイヤレス干渉が、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しを引き起こす可能性がある。RFメッセージを受信することは、瞬間的なイベント(instantaneous event)ではない。RFメッセージの各バイトは、干渉がRFメッセージの一部だけに影響を与え破損させる可能性があるように、送信ノードによって順次送信される。CRCコードが、RFメッセージ毎のペイロードの終わりに加えられてもよい。これは、RFメッセージが完全に送信されたかどうかを判断することを可能にし得る。アクティビティイベントは、RFメッセージ全体又はいくつかの後続するRFメッセージを見逃すことにつながる可能性があり、また、ワイヤレス干渉は、RFメッセージのヘッダ、中央部分、又はトレーリング部分(trailing part)等、RFメッセージの一部のみを見逃す結果となる可能性がある。例えば、RFメッセージのトレーリング部分が破損している場合、従来技術では、RFメッセージは拒否される(rejected)ことになる。しかしながら、RFメッセージのリーディング部分(leading part)は正しく、RFベースのセンシングを行うための有用な情報を含む可能性がある。
【0082】
以下では、CLシステム100の機能性が説明される。
【0083】
送信ノード26は、RFメッセージ34をブロードキャストする、すなわち、RFメッセージ34は、ノードのいずれかを特にターゲットとすることなく、すべてのノードに等しく送信される。他の実施形態では、RFベースのセンシングメッセージはブロードキャストされてもよく、RFデータメッセージはユニキャストされてもよい。さらに他の実施形態では、RFベースのセンシングメッセージ及びRFデータメッセージは、ユニキャスト又はブロードキャストされてもよい。さらに、この実施形態では、送信ノード26は、RFメッセージ34が完全に送信されたかどうかを判断し、さらに、自身がRFメッセージ34を完全に送信したかどうかの情報をブロードキャストする。この情報は、例えば、別個のRFデータメッセージのペイロードに、及び/又はRFメッセージ34の終わりに含まれてもよい。送信ノード26は、任意選択的に、例えば、ブロードキャストすることによって、受信ノードにスケジュールを送信してもよい。スケジュールは、RFメッセージ34に、例えば、ペイロードとして含まれてもよい。さらに、この実施形態では、送信ノード26は、Zigbeeを用いてRFメッセージ34をブロードキャストし、ブロードキャストすることによってRFメッセージ34を送信する際にWiFiを用いてその周囲からワイヤレスノイズ42を受信する。
【0084】
この実施形態では、CLシステム100は、RFメッセージ34のためのあるSNRが維持されるように、その周囲からの受信ワイヤレスノイズに基づいてその送信パワーを適応させる。他の実施形態では、RFシステムは、RFメッセージに対するあるSNRが維持されるように、送信ノードの任意の他の通信技術パラメータ、例えば、その送信周波数、又は任意の他の通信技術パラメータの設定を、その周囲からの受信ワイヤレスノイズに基づいて、1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて、又はその周囲からの受信ワイヤレスノイズ及び1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて適応させるように構成されてもよい。
【0085】
RFメッセージ34及びRFメッセージ34が完全に送信されたかどうかの情報は、受信ノード28及び30によって受信される。受信ノード28及び30は、RFデータメッセージ38を再送信する、すなわち、互いの間でRFデータメッセージ38を送信する。これは、高い配信信頼性を確保することを可能にするRFデータメッセージ38のマルチホップブロードキャスティングアプローチに対応する。対照的に、RFベースのセンシングメッセージ36は、再送信されない。これは、シングルホップブロードキャスティングアプローチに対応する。送信ノード26によるブロードキャストからRFベースのセンシングメッセージ36を受信しなかったノードは、RFベースのセンシングメッセージ36をまったく受信しないことになる。これは、RFベースのセンシングメッセージ36の見逃された部分及びRFデータメッセージ38の見逃された部分のあり得る不一致(possible discrepancy)から情報を導出することを可能にする。他の実施形態では、RFメッセージは、ユニキャスト又はブロードキャストされ、再送信されなくてもよく、又はRFメッセージをユニキャスト又はブロードキャストすることによって再送信されてもよい。好ましくは、RFデータメッセージのみが再送信され、RFベースのセンシングメッセージは再送信されない。
【0086】
この実施形態では、受信ノード28及び30は、Zigbeeを用いてRFメッセージ34を受信し、さらに、RFメッセージ34を受信する際にWiFiを用いてそれぞれの周囲からワイヤレスノイズ42を受信する。受信ワイヤレスノイズ42は記憶され、受信RFメッセージ34の処理を向上させるために使用されてもよい。
【0087】
CLシステム100のノード28及び30は、RFベースのセンシングメッセージ36の少なくとも一部を見逃しているか、RFデータメッセージ38の少なくとも一部を見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージ36の少なくとも一部及びRFデータメッセージ38の少なくとも一部を見逃しているか、及びどのノードがこれらを見逃したかを判断する。ノード28及び30は、この情報をノード26に送信し、ノード26は、さらなる処理のためにこの情報を自身のメモリに記憶する。他の実施形態では、情報は、任意の他のノード又は外部サーバに記憶されてもよい。
【0088】
ノード26は、ノード28及び30から受ける情報から、RFベースのセンシングメッセージ36の見逃された部分とRFデータメッセージ38の見逃された部分との間の不一致を判断する。この実施形態では、RFベースのセンシングメッセージ36の見逃された部分とRFデータメッセージ38の見逃された部分の比(ratio)が判断される。その後、ノード26は、RFメッセージ34の少なくとも一部の見逃しが、伝送路40におけるユーザ32のアクティビティイベントに起因するかどうかを、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断する。
【0089】
この実施形態では、RFシステム基準は、ノード28又は30のいずれがRFメッセージ34の少なくとも一部を見逃したか、とりわけ、RFメッセージ34のどのタイプ、すなわち、RFベースのセンシングメッセージ36又はRFデータメッセージ38が見逃されたか、を含む。斯くして、RFシステム基準は、RFベースのセンシングメッセージ36の少なくとも一部のみを見逃しているか、RFデータメッセージ38の少なくとも一部のみを見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージ36の少なくとも一部及びRFデータメッセージ38の少なくとも一部を見逃しているか、を含む。RFベースのセンシングメッセージ36の一部のみを見逃すことは、ユーザ32が伝送路40をブロックし(図3参照)、RFベースのセンシングメッセージ36の当該部分の見逃しがユーザ32のアクティビティイベントに起因することを示す可能性がある。さらに、RFシステム基準は、RFベースのセンシングメッセージ36の見逃された部分とRFデータメッセージ38の見逃された部分との比を含む。他の実施形態では、RFシステム基準はまた、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃され部分との間の任意の他の不一致を含んでもよい。
【0090】
さらに、RFシステム基準は、RFメッセージ34を送信する際の送信ノード26の受信ワイヤレスノイズ42、並びに、RFメッセージ34を受信する際の受信ノード28及び30の受信ワイヤレスノイズ42を含む。他の実施形態では、RFシステム基準はまた、これらのうちの1つだけ、すなわち、RFメッセージを送信する際の送信ノードの受信ワイヤレスノイズ又はRFメッセージを受信する際の1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズを含んでもよい。
【0091】
RFシステム基準はまた、ノードの異なる送信能力、ノードの異なる受信能力、ノードの異なる処理能力、又はこれらの組合せを含んでもよい。
【0092】
RFベースのセンシングは、CLシステム100によって、1つ以上の受信ノード28及び38で見逃されなかったRFメッセージ34の部分に基づいて、及び、RFメッセージ34の少なくとも一部の見逃しが、送信ノード26と受信ノード28及び30との間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかに基づいて行われる。それゆえ、この実施形態では、ノード26上で動作する、RFベースのセンシング解析アルゴリズムは、情報を入力として使用し、検出結果を出力として出力する。これは、RFベースのセンシングを向上させることを可能にし得る。他の実施形態では、RFベースのセンシング解析アルゴリズムは、任意の他のノード、サーバ、又は外部サーバで実行されてもよい。
【0093】
他の実施形態では、RFシステムは、ノードにおいて、ある期間にわたってそれぞれの周囲からワイヤレスノイズを受信する、及び、受信したワイヤレスノイズに基づいて当該ノードに対するそれぞれのノイズベースラインを決定するように構成されてもよい。RFシステム基準は、この場合、送信ノードのノイズベースライン、1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースライン、又は送信ノードのノイズベースライン及び1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースラインを含んでもよい。
【0094】
他の実施形態では、受信ノードは、送信ノードから、すべてのRFベースのセンシングメッセージは、例えば+10dBmで送信ノードによって送信されるという情報を受信する。受信ノードは、RFメッセージを、例えば-40dBmで受信する。この実施形態では、この受信信号強度をRFベースのセンシング解析アルゴリズムの入力として使用するのではなく、送信ノードが、第2の通信技術を使用して、送信の直前、送信中、及び/又は送信後のバックグラウンドノイズをローカルに測定する。送信ノードは、バックグラウンドノイズレベルが、例えば、-80dBmであると決定する。バックグラウンドノイズを測定するために使用されるラジオ(radio)のレシーバ感度(receiver sensitivity)は、例えば、-100dBmである可能性があり、これにより、送信ノードは、バックグラウンドノイズの寄与を20dB(100dBm-80dBm)と決定する。この情報は、RFメッセージの処理を向上させるために受信ノードに提供されてもよい。受信ノードで動作するRFベースのセンシング解析アルゴリズムは、バックグラウンドノイズレベルの情報に基づいて、補正係数を適用してもよく又は異なって値を補間してもよい。例えば、同時ノイズ値(concurrent noise value)が15dBmを超えるときは、各RSSIに対して-3dBのペナライゼーション(penalization)を適用してもよい。バックグラウンドノイズはこの例では20dBmであるので、RFベースのセンシング解析アルゴリズムによって使用される実際のRSSIは、受信RFノードによって測定される-40dBmではなく、-43dBmである。バックグラウンドノイズが例えば-8dBmである場合、ペナライゼーションはこの場合適用されず、-40dBmの生のRSSI測定値が使用されてもよい。
【0095】
さらに他の実施形態では、RFシステムは、1分あたりの見逃されたRFベースのセンシングメッセージの数が何らかの繰り返し可能パターン(some repeatable pattern)を示すかどうかを判断するように構成されてもよい。例えば、以下の表は、特定の送信ノードと特定の受信ノード、例えば、ノード26とノード28の間の全体的に送信されたRFメッセージに対する、見逃されたRFセンシングベースのメッセージの割合を示している。
表1
【0096】
見逃されたRFセンシングベースのメッセージの割合(rate of missed RF-sensing based messages)は、例えば、どのRFメッセージが完全に送信されたかを決定し、特定の受信ノードによって見逃されるRFメッセージの量を決定し、後者を前者で割ることによって決定されてもよい。代替的に、RFベースのセンシングメッセージとRFデータメッセージの比又は差が決定されてもよい。表1は、外乱の規則的な再発(regular reocurring recurrence)を示す繰り返し時間パターン(repeating time-patter)を示している。このような外乱は、電子レンジ又はWiFiストリーミングがある期間にアクティブにされる等、何らかのスケジュールされたワイヤレス干渉、すなわち、再発性ワイヤレス干渉に起因する可能性が最も高い。人間のアクティビティは経時的に反復性(repetitive)が低くなる傾向があるため、人が同じロケーションでセンシング空間を反復的に(repetitively)横切る(cross)可能性は低い。それゆえ、RFシステムは、RFベースのセンシングメッセージとRFデータメッセージとの間の不一致を考慮することに追加的又は代替的に、ワイヤレス干渉に関連するパターン、例えば、密な都市部のアパートの夕方の混雑したスペクトル(congested spectrum)等、再発性ワイヤレス干渉を考慮してもよい。再発性ワイヤレス干渉は、例えば、RFシステム基準に含められてもよい。
【0097】
図4は、RFメッセージを送信及び受信するように構成される複数のノードを含むRFシステム、例えば、図2及び3に開示されるCLシステム100を動作させるための方法の一実施形態を示している。他の実施形態では、ノードは、RFメッセージを送信しかしないように、又はRFメッセージを受信しかしないように構成されてもよい。
【0098】
ステップ402において、RFメッセージが、送信ノードから送信される。RFメッセージは、RFベースのセンシングメッセージ及びRFデータメッセージを含む。RFベースのセンシングメッセージは、センシング空間における有体物のアクティビティイベントを検出するためにRFベースのセンシングを行うために使用される。RFデータメッセージは、データ交換のために、例えば、ネットワークインフラストラクチャを維持する及び制御信号を交換するために使用される。ステップ402は任意である。
【0099】
ステップ404において、送信ノードによって、RFメッセージが完全に送信されたかどうかが判断される。ステップ404は任意である。他の実施形態では、RFシステムの別の構成要素が、RFメッセージが完全に送信されたかどうかを判断するように構成されてもよい。任意選択的に、送信ノードは、追加的に、RFメッセージが完全に送信されたという情報を送信する。
【0100】
ステップ406において、送信ノードによって送信されるRFメッセージは、2つの受信ノードで受信される。他の実施形態では、RFメッセージは、より多くの受信ノード、例えば、3、10、又はセンシング空間に配置される任意の他の数の受信ノードによって受信されてもよい。
【0101】
ステップ408において、2つの受信ノードによって、RFメッセージがこれらの受信ノードによって完全に受信されたかどうかが判断される。他の実施形態では、RFシステムの別の構成要素が、RFメッセージが完全に受信されたかどうかを判断するように構成されてもよい。RFメッセージが完全に受信されたかどうかを判断するために、この実施形態では、RFメッセージのチェックサムがチェックされる。他の実施形態では、他の方法が、RFメッセージが完全に受信されたかどうかを判断するために使用されてもよい。RFメッセージの少なくとも一部を一方又は両方の受信ノードで見逃していると判断される場合、ステップ410が実行される。そうでない場合、ステップ406が繰り返される。
【0102】
ステップ406及び408は、並行して実行されてもよく、例えば、受信ノードのトランシーバが新しいRFメッセージを受信する一方、以前のRFメッセージが受信ユニットのプロセッサにおいて処理されてもよい。
【0103】
ステップ410において、一方又は両方の受信ノードでRFメッセージの少なくとも一部を見逃すと、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと2つの受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかが、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断される。RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと2つの受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因すると判断される場合、ステップ416が実行される。そうでない場合、ステップ406及びステップ408が繰り返される。
【0104】
ステップ410は、任意のサブステップ412及び414を含む。
【0105】
サブステップ412では、RFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、RFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及びRFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているかが判断される。
【0106】
サブステップ414では、RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致が判断される。この実施形態では、不一致は、比(ratio)に対応する。他の実施形態では、不一致は、差(difference)等、任意の他の種類の不一致であってもよい。
【0107】
この実施形態におけるRFシステム基準は、以下のうちの1つ以上を含む:
- RFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、RFデータメッセージの少なくとも一部のみを見逃しているか、又はRFベースのセンシングメッセージの少なくとも一部及びRFデータメッセージの少なくとも一部を見逃しているか、
- RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分の比、
- ノードの異なる送信能力、ノードの異なる受信能力、ノードの異なる処理能力、又はこれらの組合せ、及び
- どのノードがRFメッセージの少なくとも一部を見逃したか。
【0108】
ステップ416において、CLシステムは、どのアクティビティイベントがRFメッセージの見逃しを引き起こしたか、例えば、ユーザがセンシング空間を歩くことを決定し、例えば、照明を提供するためにCLシステムの照明器具をアクティブにすることによって、検出されたアクティビティイベントに関する情報を提供することによって、警報システム等、別のシステムをトリガすることによって等、相応に応答する。
【0109】
他の実施形態では、RFメッセージは、送信ノードによってブロードキャストされてもよい。RFデータメッセージは1つ以上の受信ノードによって再送信され、RFベースのセンシングメッセージは再送信されなくてもよい。
【0110】
他の実施形態では、RFベースのセンシングは、1つ以上の受信ノードで見逃されなかったRFメッセージの部分に基づいて、及び、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかに基づいて行われてもよい。
【0111】
ワイヤレスノイズが、ノードにおいて、ある期間にわたってそれぞれの周囲から受信されてもよい。ワイヤレスノイズに基づいて、当該ノードに対して、それぞれのノイズベースラインが決定されてもよい。この場合、RFシステム基準は、送信ノードのノイズベースライン、1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースライン、又は送信ノードのノイズベースライン及び1つ以上の受信ノードのそれぞれのノイズベースラインを含んでもよい。
【0112】
送信ノードが2つの異なる通信技術を含む場合、RFメッセージが送信ノードによって一方の通信技術に基づいて送信される一方、送信ノードは、他方の通信技術に基づいてその周囲からワイヤレスノイズを受信してもよい。ノイズベースラインが決定され、別のノードに送信されてもよい。
【0113】
受信ノードが2つの異なる通信技術を含む場合、RFメッセージは、受信ノードによって一方の通信技術に基づいて受信されてもよく、受信ノードがRFメッセージを受信する際、さらに、ワイヤレスノイズが、その周囲から受信されてもよい。これは、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しを何が引き起こしたのか判断することを向上させることを可能にし得る。
【0114】
ノードのうちの少なくとも2つが2つの異なる通信技術を含む場合、RFメッセージは、送信ノードによって一方の通信技術に基づいて送信されてもよく、RFメッセージは、受信ノードによって同じ通信技術に基づいて受信されてもよく、それぞれの周囲からのワイヤレスノイズは、RFメッセージを送信又はそれぞれ受信する際に他方の通信技術に基づいて送信ノード及び受信ノードによって受信されてもよい。この場合、RFシステム基準は、RFメッセージを送信する際の送信ノードの受信ワイヤレスノイズ、RFメッセージを受信する際の受信ノードの受信ワイヤレスノイズ、又はRFメッセージを送信若しくはそれぞれ受信する際の送信ノードの受信ワイヤレスノイズ及び受信ノードの受信ワイヤレスノイズを含んでもよい。
【0115】
一実施形態において、RFメッセージに対するある信号対ノイズ比が維持されるように、送信ノードの通信技術パラメータの設定が、その周囲からの受信ワイヤレスノイズに基づいて、1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて、又はその周囲からの受信ワイヤレスノイズ及び1つ以上の受信ノードの受信ワイヤレスノイズに基づいて適応されてもよい。適応される通信技術パラメータは、例えば、送信パワー、送信周波数、又は繰り返し周波数であってもよい。
【0116】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に例示及び説明されてきたが、そのような例示及び説明は、図的又は例示的であって、限定的なものではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。例えば、スマートホームシステム、BMS、又はRFメッセージが見逃される可能性がある任意の他のRFシステムにおいて本発明を動作させることが可能である。これは、RFシステムが、RFメッセージを見逃す原因となったものを判断し、相応に応答し得るため、RFシステムの性能を向上させることを可能にし得る。RFシステムは、例えば、そのアプリケーション、例えば、センシングアプリケーションに依存して、好ましい動作構成(operational configuration)を有してもよい。例えば、RFシステムは、200msごとにRFメッセージを送信する5つのノードを含むRFベースのセンシングを行うために使用されてもよい。これは、例えば、ユーザのモーションの形態のアクティビティイベントを検出するためのRFベースのセンシングアルゴリズムの高速且つ信頼性の高い応答を可能にする。RFメッセージは、正確に200msごとに受信されるわけではなく、CCAバックオフ時間、ノードの動作状態、その他の原因に起因して、±100ms広がる可能性がある。RFベースのセンシングによるモーションの形態のアクティビティイベントの検出に基づいて照明をアクティブにする場合、500msのエンドツーエンドレイテンシ(end-to-end latency)が望まれる。代替的に、ホームモニタリング(home monitoring)は、10秒のレイテンシで行われてもよく、又は、空室照明制御(vacancy-lighting-control)は、モーション制御による照明のアクティベーション(motion-controlled activation of lighting)よりも高いレイテンシを許容してもよい。
【0117】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0118】
請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0119】
単一のユニット、プロセッサ、又はデバイスが、請求項において列挙されるいくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0120】
1つ又は複数のユニット又はデバイスによって実行される、送信ノードによって送信されるRFメッセージを1つ以上の受信ノードで受信すること、RFメッセージが1つ以上の受信ノードによって完全に受信されたかどうかを判断すること、1つ以上の受信ノードでRFメッセージの少なくとも一部を見逃すと、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと1つ以上の受信ノードとの間の少なくとも1つの伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかを、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断すること等のオペレーションは、任意の他の数のユニット又はデバイスによって実行されることができる。これらのオペレーション及び/又は方法は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として及び/又は専用ハードウェアとして実装されることができる。
【0121】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等の、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット、Ethernet(登録商標)、又は他の有線若しくは無線の電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。
【0122】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0123】
本発明は、RFメッセージを送信及び受信するための複数のノードを含むRFシステムを動作させることに関する。送信ノードによって送信されるRFメッセージは、1つ以上の受信ノードで受信される。RFメッセージが完全に受信されたかどうかが判断される。受信ノードでRFメッセージの少なくとも一部を見逃すと、RFメッセージの少なくとも一部の見逃しが、送信ノードと受信ノードとの間の伝送路における有体物のアクティビティイベントに起因するかどうかが、1つ以上のRFシステム基準に基づいて判断される。RFメッセージは、RFベースのセンシングを行うためのRFベースのセンシングメッセージ及びデータ交換のためのRFデータメッセージを含んでもよい。RFベースのセンシングメッセージの見逃された部分とRFデータメッセージの見逃された部分との間の不一致が決定され、RFシステム基準に含められてもよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】