(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】保湿抗菌組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20231025BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20231025BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20231025BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/31
A61K8/37
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518848
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 EP2021074689
(87)【国際公開番号】W WO2022063576
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】チャンダール,プレム
(72)【発明者】
【氏名】ダスグプタ,ビバシュ・ランジャン
(72)【発明者】
【氏名】フレイ,ガブリエラ・サッチ・オリビア
(72)【発明者】
【氏名】モアデル、ティーヌーシュ
(72)【発明者】
【氏名】シローチ,アナト
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC442
4C083AC542
4C083AD041
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083BB11
4C083BB51
4C083CC01
4C083CC02
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE12
4C083FF05
(57)【要約】
抗菌組成物は、水と、アルコールと、増粘剤と、抗菌組成物中に存在する保湿油の液滴の少なくとも50%が5マイクロメートル~10ミリメートルの粒径を有する保湿油とを含む。抗菌組成物を製造する方法は、水中に増粘剤を分散させて第1の相を形成するステップと、保湿油と湿潤剤とを合わせて第2の相を形成するステップと、第1の相をアルコールと合わせて第3の相を形成するステップと、第3の相に第2の相を添加して第4の相を形成するステップと、第4の相に中和剤を添加して抗菌組成物を形成するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と、
アルコールと、
増粘剤と、
抗菌組成物中に存在する保湿油の液滴の少なくとも50%が5マイクロメートル~10ミリメートルの粒径を有する保湿油と
を含む抗菌組成物。
【請求項2】
前記保湿油が不溶性保湿油を含む、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項3】
前記保湿油が、32℃で10kPa・sの最小粘度を有する、請求項1または請求項2に記載の抗菌組成物。
【請求項4】
前記保湿油が、ワセリン、天然非ワセリン、天然脂肪および油、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項5】
前記水が、前記抗菌組成物全体の5~30重量%、好ましくは6~25重量%、より好ましくは7~20重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項6】
前記アルコールが、前記抗菌組成物全体の60~80重量%、好ましくは62~75重量%、より好ましくは65~75重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項7】
前記保湿油が、前記抗菌組成物全体の1~15重量%、好ましくは1~10重量%、より好ましくは2~7重量%、さらにより好ましくは3~5重量%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項8】
湿潤剤をさらに含み、前記湿潤剤が、1~10重量%、好ましくは2~8重量%、より好ましくは3~7重量%の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項9】
前記湿潤剤が、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセロール、イソプレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の抗菌組成物。
【請求項10】
前記増粘剤が、アニオン性増粘剤、非イオン性増粘剤、カチオン性増粘剤、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項11】
前記増粘剤が、疎水性に改質されたアクリレートクロスポリマーを含む、請求項10に記載の抗菌組成物。
【請求項12】
水中に増粘剤を分散させて第1の相を形成するステップと、
保湿油と湿潤剤とを合わせて第2の相を形成するステップと、
前記第1の相をアルコールと合わせて第3の相を形成するステップと、
前記第3の相に前記第2の相を添加して第4の相を形成するステップと、
前記第4の相に中和剤を添加して抗菌組成物を形成するステップと
を含む、抗菌組成物の製造方法。
【請求項13】
前記増粘剤が、アニオン性増粘剤、非イオン性増粘剤、カチオン性増粘剤、またはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記保湿油が、ワセリン、天然非ワセリン、天然脂肪および油、またはそれらの組み合わせを含む、請求項12~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌組成物、具体的には保湿抗菌組成物を開示する。保湿抗菌組成物は、水と、アルコールと、増粘剤と、保湿油とを含む。
【背景技術】
【0002】
微生物およびウイルス汚染に対する消費者の関心が高まっている。したがって、衛生は、消費者の間で望まれる最も重要な属性の1つであり続けている。消費者は、必要な衛生特性を提供する製品を望む。世界中の消費者は、様々な種類の抗菌組成物を使用して、調理台、床、および家具などの硬質表面、衣類、カーペット、室内装飾品などの柔らかく多孔性の表面、ならびに皮膚および毛髪などの個人的な表面を含む様々な表面を消毒する。このような表面には、細菌やウイルスなどの多くの微生物が見られる。病気になるリスクを最小限に抑えるために、これらの表面に細菌を含まないことが望ましい。
【0003】
多くの抗菌製品が市販されている。一部は、少なくとも60重量%以上のエタノールを含有するゲルとして供給される。このような製品は、塗布後に良好な抗菌効果をもたらすことが知られているが、一部の消費者は、高エタノール系製品が皮膚を乾燥させ、表皮バリアを弱め、老化過程を促進する可能性があるためにそのような製品を避けている。現在の環境では、消費者は1日を通して自分の身体に抗菌製品を使用している可能性があり、したがって乾燥肌を発症する可能性が高まる。
【0004】
したがって、優れた抗菌性および抗ウイルス性の利益を提供すると同時に、1日を通して無制限の回数で使用するのに十分に安全かつ穏やかである抗菌組成物を開発することが絶えず必要とされている。消費者の需要を考慮すると、局所的に適用したときに鎮静効果および保湿効果ももたらす抗菌組成物を開発することに対する関心が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
様々な態様において、保湿抗菌組成物が開示される。
【0006】
抗菌組成物は、水と、アルコールと、増粘剤と、抗菌組成物中に存在する保湿油の液滴の少なくとも50%が5マイクロメートル~10ミリメートルの粒径を有する保湿油とを含む。
【0007】
抗菌組成物を製造する方法は、水中に増粘剤を分散させて第1の相を形成することと、保湿油と湿潤剤とを合わせて第2の相を形成することと、第1の相をアルコールと合わせて第3の相を形成することと、第3の相に第2の相を添加することと、第3の相に中和剤を添加して抗菌組成物を形成することとを含む。
【0008】
これらおよび他の特徴および特性を以下でより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、抗菌組成物が開示される。抗菌組成物は、非粘着性の官能特性を有する可視微粒子を含有する保湿性の不透明から透明/半透明の組成物である。抗菌組成物は、液体、ゲル、クリームまたはローションを含むがこれらに限定されない任意の形態であり得る。抗菌組成物は、それが塗布される表面に保湿を提供する。例えば、組成物がヒトの皮膚に塗布される場合、抗菌組成物は、乾燥した皮膚を使用者に残さず、むしろ保湿および消毒の両方が行われた皮膚を使用者に残す。抗菌組成物は、水と、アルコールと、増粘剤と、保湿油とを含む。予想外にも、本明細書中に開示される抗菌組成物中に存在する特定の保湿油は、非粘着剤の使用を必要とせずに、組成物の塗布後に使用者に非粘着性の保湿皮膚を残すことが見出された。
【0010】
抗菌組成物は、非粘着剤を実質的に含まなくてもよい。非粘着剤を実質的に含まないとは、組成物が2重量%未満の非粘着剤、好ましくは1重量%未満の非粘着剤、より好ましくは0.5重量%未満の非粘着剤、さらにより好ましくは0.1重量%未満の非粘着剤、さらにより好ましくは0重量%の非粘着剤を含有することを意味する。本明細書全体を通して言及される重量パーセント(重量%)は、組成物全体における重量%を指す。
【0011】
抗菌組成物は、有利には、それが塗布される表面に保湿および消毒の両方の利益を提供する。本明細書で使用される消毒組成物または抗菌性組成物は、少なくとも60重量%のアルコールを有する組成物にしばしば関連するように、細菌を死滅させるかまたは細菌の増殖を阻害することができる組成物を指す。抗菌組成物は、実質的に乳化剤を含まず、不透明から透明/半透明であり、目に見える微粒子を含むことができる。実質的に乳化剤を含まないとは、組成物が3重量%未満の乳化剤、好ましくは2重量%未満の乳化剤、より好ましくは0.5重量%未満の乳化剤を含有することを意味する。いくつかの実施形態では、抗菌組成物は乳化剤を含有しないか、または別の言い方をすれば、0重量%の乳化剤を含有する。乳化剤のレベルを低下させるか、または乳化剤の使用を排除することは、追加の成分を使用せずに、より環境に優しい組成物を作成するのを助けることができる。
【0012】
抗菌組成物は、5~30重量%、好ましくは6~25重量%、より好ましくは7~20重量%の量の水を含む。
【0013】
組成物中の抗菌剤としてアルコールを使用することができる。アルコールが抗菌剤として使用される場合、抗菌組成物はアルコールを60~80重量%、好ましくは62~75重量%、より好ましくは65~75重量%の量で含む(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。アルコールは、エタノール、プロパノール(例えばn-プロパノール)、イソプロピルアルコール、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々なアルコールを含むことができる。アルコールは、クロロキシレノールを含んでいてもよい。好ましいアルコールは、変性SD-40エタノールであり得る。
【0014】
抗菌組成物は、1つ以上の追加の抗菌剤を含んでいてもよい。任意の追加の抗菌剤は、25℃で2000パーツパーミリオン(ppm)未満の水への溶解度を有するテルペン、精油、またはカチオン性油から選択することができる。本明細書に開示される抗菌組成物に使用することができる芳香族精油の例としては、サリチル酸アミル、カルバクロール、シメン、例えばp-シメン、ジヒドロオイゲノール、オイゲノール、ヘキシルオイゲノール、サリチル酸ヘキシル、イソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、サリチル酸メチル、tertブチルクレゾール、チモール、およびバニリンが挙げられる。テルペノイド化合物の非芳香族精油の例としては、セドラン、シネオール、シトラール(ゲラニアールおよびネラールを含む)、シトロネラール、ニトロネロール、ユーカリプトール(すなわち、1,8シネオール)パラジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール(DHミルセノール)、ファルネソール、ゲラニオール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ヒドロキシニトロナロール、ヒドロキシニトロネラール、イソシトラール、リモネン、好ましくはd-リモネン、リナロール、ロンギホレン、メントール、ネロール、ネロリジオール、ピネン、例えばα-ピネン、フェレントレン、テルピニン、例えばα-テルピネンおよびγ-テルピネン、テルピネオール、例えばγ-テルピネオールおよびテルピン-4-オール、ならびにテトラヒドロミルセノール(THM)が挙げられる。
【0015】
好ましいカチオン性油としては、第四級アンモニウムカチオン性植物油、および式(CH3)3-Si[Si(CH3)2-O]-[Si(CH3)-((CH2)3-NH-(CH2)2-N2)-O]2-Si-(CH3)3を有する荷電アミノポリジメチルシランが挙げられる。これらの追加の抗菌剤の溶解度は、25℃で2000ppm未満であることが好ましい。例えば、追加の抗菌剤は、テルピネオール、チモール、オイゲノール、ボルネオール、リモネン、またはそれらの組み合わせであり得る。好ましい追加の抗菌剤は、テルピネオール、チモール、またはオイゲノール、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0016】
他の種類の任意の追加の抗菌剤としては、銀化合物が挙げられる。銀化合物は銀イオンを含むことができ、例えば、銀イオンは、硝酸銀、酢酸銀、酸化銀、硫酸銀、またはそれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、銀化合物は硝酸銀である。
【0017】
より具体的に述べると、組成物に使用されてもよい銀化合物は、少なくとも1.0×10-4mol/L(25℃の水中)の銀イオン溶解度を有する1つ以上の水溶性銀(I)化合物である。銀イオン溶解度は、本明細書で言及される場合、25℃の水中での溶解度積(Ksp)に由来する値であり、多くの情報源で報告されている周知のパラメータである。より詳細には、モル/Lで与えられる値である銀イオン溶解度[Ag+]は、以下の式を使用して計算することができる。
[Ag+]=(Ksp・x)(1/(x+1))
【0018】
式中、Kspは、25℃の水中での目的の化合物の溶解度積であり、xは、化合物1モル当たりの銀イオンのモル数を表す。少なくとも1×10-4mol/Lの銀イオン溶解度を有する銀(I)化合物が、本明細書での使用に望ましいことが分かった。
【0019】
本明細書での使用に望ましい銀化合物は、酸化銀、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、安息香酸銀、サリチル酸銀、炭酸銀、クエン酸銀およびリン酸銀、またはそれらの組み合わせであり、好ましくは、銀化合物は、硝酸銀、酢酸銀、酸化銀、硫酸銀、またはそれらの組み合わせである。
【0020】
存在する場合、追加の抗菌剤は、抗菌組成物全体の0.05~2重量%、例えば0.1~2重量%の量で含まれ得る(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。
【0021】
保湿油は、それが塗布される表面に水分を付与するために抗菌組成物に使用することができる。例えば、ヒトの皮膚に塗布された場合、保湿油は、抗菌組成物の塗布後に皮膚の保湿感を残すことができ、組成物に使用される抗菌剤に起因して典型的に抗菌組成物に関連する皮膚の過剰な乾燥を防止するのを助けることができる。
【0022】
抗菌組成物は、1~15重量%、好ましくは1~10重量%、より好ましくは2~7重量%の量の保湿油を含む(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。保湿油は、不溶性の保湿油を含むことができる。保湿油は、32℃で10キロポアズ(kP)(10パスカル*秒(Pa*s))の最小粘度を有することができる。好ましくは、保湿油は、32℃で10~100kP(10~100Pa*s)の粘度を有することができ、より好ましくは、粘度の上限は、32℃で25kP~200kP(25~200Pa*s)である。保湿油は、35~90℃(ASTMD127-08に従って決定)の融点を有することができる。
【0023】
抗菌組成物において、抗菌組成物中に存在する保湿油の液滴の粒径は、5マイクロメートル(μm)~10μmであり得、抗菌組成物中に存在する保湿油の液滴の大部分(すなわち、50%超)は5~10μmの粒径を有する。一実施形態では、抗菌組成物中に存在する保湿油中の液滴の大部分(すなわち、少なくとも50%)が肉眼で見える。例えば、粒径は、その中に包含されるありとあらゆる範囲を含めて、10μm~5mm、例えば50μm~2.5mm、例えば100μm~1mmであり得る。例えば、油滴の少なくとも50%は、5μm~10mmの粒径を有することができ、例えば、油滴の少なくとも60%は、5μm~10mmの粒径を有することができ、例えば、油滴の少なくとも70%は、5μm~10mmの粒径を有することができ、例えば、油滴の少なくとも80%は、5μm~10mmの粒径を有することができ、例えば、油滴の少なくとも90%は、5μm~10mmの粒径を有することができ、例えば、油滴の全ては、5μm~10mmの粒径を有することができる。保湿油がミリメートルサイズ範囲であり、肉眼で見える場合、保湿油は、抗菌組成物内の保湿油をユーザが明確に見ることを可能にする染料または顔料を含有していてもよい。
【0024】
本明細書で言及される粒径は、交差偏光子を備えた光学顕微鏡を使用した目視または顕微鏡観察のいずれかを使用して測定することができる。粒径の評価は、2枚のガラスプレートの間にサンプルを配置し、顕微鏡でサンプルを観察して粒径を評価することによって達成することができる。あるいは、Malvern Panalytical製のMastersizer 3000を使用することができる。Mastersizerは、レーザー回折を使用して水に分散したサンプルの粒径を測定し、次にこの情報を使用して粒径分布グラフを生成する。粒径は、一般に、体積平均直径であるD[4,3]として報告される。
【0025】
分析を開始するために、サンプルをピペットでMastersizerウェルに滴下し、ウェルの底部のプロペラを2800回転/分(RPM)に設定し、サンプルを完全に分散させる(プレビュー画面が一貫したピークを示すまで)。完全に分散させた後、粒子分布を10回読み取り、平均結果をMastersizerによって自動的に計算する。一般に、この工程は、サンプルが完全に分散されたことを確実にするために少なくとも2回行われる。
【0026】
保湿油は、ワセリン、天然非ワセリン、天然脂肪および油、またはそれらの組み合わせを含むことができる。天然非ワセリンは、例えば、植物または生物由来であり得る。
【0027】
約2、1.0、または0.5重量%未満の総レベルで抗菌組成物中に存在する他の可能な任意の保湿油は、それだけに限らないが以下を含む。
(a)直鎖および環状ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン油およびその修飾物;アミノ、アルキル、アルキルアリールおよびアリールシリコーン油;
(b)ジメチコンクロスポリマーおよび疎水性に改質されたジメチコンクロスポリマーなどのシリコーンエラストマー
(c)ホホバ、大豆、ヒマワリ、米ぬか、アボカド、アーモンド、オリーブ、ゴマ、パーシック、ヒマシ、ヤシ、ミンク油などの天然油脂を含む油脂類;カカオ脂;牛脂、ラード;上記油を水素添加して得られる硬化油;ミリスチン酸グリセリドおよび2-エチルヘキサン酸グリセリドなどの合成モノ、ジおよびトリグリセリド;
(d)カルナウバ、鯨蝋、蜜蝋、ラノリン、キャンデリア、微結晶およびそれらの誘導体などのワックス;
(e)疎水性および親水性植物抽出物;
(f)ポリブテン、流動パラフィン、セレシン、スクアレン、スクアラン、プリスタンおよび鉱油などの炭化水素;
(g)ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸およびポリ不飽和脂肪酸(PUFA)などの高級脂肪酸;
(h)ラウリル、セチル、セテアリル、ステアリル、オレイル、ベヘニル、コレステロールおよび2-ヘキシデカノールアルコールなどの高級アルコール;
(i)オクタン酸セチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、乳酸アルキル、クエン酸アルキルおよび酒石酸アルキルなどのエステル;
(j)ハッカ、ジャスミン、樟脳、ヒノキ、トウヒ、リュー(ryu)、テレビン油、シナモン、ベルガモット、ウンシュウミカン、ショウブ、マツ、ラベンダー、ベイ、クローブ、ヒバ、ユーカリ、レモン、スターフラワー、タイム、ペパーミント、バラ、セージ、ゴマ、ショウガ、バジル、ジュニパー、レモングラス、ローズマリー、セイヨウスギ、アボカド、ブドウ、ブドウ種子、ミルラ、キュウリ、ウォータークレス、カレンデュラ、エルダーフラワー、ゼラニウム、リンデン、アマランス、海藻、イチョウ、人参、ニンジン、ガラナ、ティーツリー、ホホバ、コンフリー、オートミール、ココア、ネロリ、バニラ、緑茶、ペニーロイヤルミント、アロエベラ、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネル、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、月見草、樟脳、チモール、スピラントール、ペネン、リモネンおよびテルペノイド油などの精油およびその抽出物;
(k)前述の成分のいずれかの組み合わせなど。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物はシリコーンを実質的に含まない。シリコーンを実質的に含まないとは、組成物が2重量%未満のシリコーン、好ましくは1重量%未満のシリコーン、より好ましくは0.5重量%未満のシリコーン、さらにより好ましくは0.1重量%未満のシリコーン、さらにより好ましくは0重量%のシリコーンを含有することを意味する。
【0029】
抗菌組成物は、本明細書で前述したものに加えて、限定されないが皮膚有益剤、芳香剤、保存剤、界面活性剤、固定剤、乳白剤、キレート剤、増粘剤、湿潤剤、増粘剤、またはそれらの組み合わせを含む他の成分をさらに含有することができる。
【0030】
例えば、組成物にさらなる保湿特性を提供するために、湿潤剤が抗菌組成物中に使用されてもよい。抗菌組成物での使用に望ましいこのような湿潤剤は、水溶性ポリオール、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、PPG-9)、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-オクタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールおよびそれらの組み合わせを含むことができる。最も好ましいのは、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセロール、イソプレングリコール、またはそれらの組み合わせである。湿潤剤は、抗菌組成物の1~10重量%、好ましくは2~8重量%、より好ましくは3~7重量%の量で存在することができる。
【0031】
抗菌組成物の粘度を調整するために、増粘剤を含んでもよいことは本組成物の範囲内である。増粘剤は、組成物の形成(例えば、それに構造を与えること)を助けるために抗菌組成物に使用することができる。増粘剤は、0.01重量%~2.5重量%、例えば0.1重量%~2.0重量%、例えば0.15重量%~1.5重量%、例えば0.2重量%~1.0重量%の量で使用することができる(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。増粘剤の使用量は、所望の最終使用粘度に基づいて調整することができる。例えば、2009年9月3日付けのLubrizolによる、Carbopol(登録商標)ポリマーを用いてヒドロアルコールゲルを配合するための技術データシートに開示されているように、典型的な最終使用ポリマー濃度は、0.1~0.5重量%の範囲であり得、使用される特定のCarbopol(登録商標)ポリマーの選択に応じて、1~25,000 mPa*sの範囲の粘度が得られる。
【0032】
増粘剤は、アニオン性増粘剤、非イオン性増粘剤、カチオン性増粘剤、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、増粘剤は、疎水性に改質されたクロスポリマーを含むことができる。合成ポリマーは有効な増粘剤である。可能な増粘剤としては、架橋ポリアクリレート、例えばASHLAND(商標)980カルボマー(アクリル酸の架橋ポリマー)のようなカルボマー、アクリレートコポリマー、アクリレート/アクリレート(C10-C30)アルキルアクリレートクロスポリマー、例えばUltrez 20のようなCarbopol(商標登録)ライン、およびINCI名アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーを有するLubrizolから市販されているETD2020が挙げられ、さらにCarbopo(登録商標)シリーズのポリマーとしてはUltrez10,Ultrez21およびAqua SF-1も挙げることができる。使用に望ましい他の増粘剤には、Sepigel(登録商標)305などのポリアクリルアミド、ならびにSimulgel(登録商標)EGおよびAristoflex(登録商標)AVCなどのタウレートコポリマーが含まれ、コポリマーは、それぞれのINCI命名法によって、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムおよびアクリロイルジメチルタウリン酸/ビニルピロリドンコポリマーとして同定されている。さらに他の増粘ポリマーは、合成ポリマー、例えばSeppicによって市販され、Simulgel INS100の名称で販売されているアクリレート系ポリマーを含むことができる。炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、およびマグネシウム-アルミニウム-ケイ酸塩も使用することができる。
【0033】
多糖類として分類されるさらに別の増粘剤を使用することができる。例としては、繊維、デンプン、天然/合成ゴムおよびセルロースが挙げられる。デンプンの代表例は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムおよびアルミニウムデンプンオクテニルスクシネートなどの化学修飾デンプンである。タピオカデンプンが、マルトデキストリンと同様に、しばしば好ましい。ガムとしては、キサンタン、タラ、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー(アカシアセネガルグアーを含む)、カラギーナン、アルギネートおよびそれらの組み合わせが挙げられる。セルロース系としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばAshland製のBENECEL(商標)E10M)、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セルロースガム/カルボキシメチルセルロース)およびセルロース(例えば、セルロースミクロフィブリル、セルロースナノ結晶または微結晶セルロース)が挙げられる。セルロースミクロフィブリルの供給源には、二次細胞壁材料(例えば、木材パルプ、綿)、細菌セルロース、および一次細胞壁材料が含まれる。好ましくは、一次細胞壁材料の供給源は、果実、根、球根、塊茎、種子、葉およびそれらの組み合わせからの実質組織から選択され、より好ましくは、柑橘類果実、トマト果実、モモ果実、カボチャ果実、キウィフルーツ、リンゴ果実、マンゴー果実、サトウダイコン、ビートルート、カブ、パースニップ、トウモロコシ、エンバク、コムギ、エンドウおよびそれらの組み合わせから選択され、さらにより好ましくは、柑橘類果実、トマト果実およびそれらの組み合わせから選択される。一次細胞壁材料の最も好ましい供給源は、柑橘類果実由来の実質組織である。Herbacel(登録商標)によってAQ Plusとして入手可能なものなどの柑橘類繊維も、セルロースミクロフィブリルの供給源として使用することができる。セルロース源は、Colloidal Polymer Science,Kalia et al「Nanofibrillated cellulose:surface modification and potential applications」(2014)、Vol 292,Pages 5-31に記載されているものを含む公知の方法のいずれかによって表面修飾することができる。
【0034】
望ましいことが多い他の増粘剤には、マルトデキストリン、キサンタンガム、およびカルボキシメチルセルロース、ジリノレイル/ジメチルカーボネートコポリマー、ステアリルアルコニウムヘクトライト、タラガム、ポリクオタニウム32および/または37、ペンタエリスリチルテトラステアレート、またはそれらの組み合わせも含むことができる。
【0035】
抗菌組成物は、界面活性剤、例えばカチオン性界面活性剤を含有してもよい。使用される場合、カチオン性界面活性剤は、ヒトの皮膚への局所適用に使用できるべきであるという点でのみ限定される。カチオン性界面活性剤は、分岐または直鎖アルキルトリモニウム化合物、アルカノールトリモニウム化合物またはそれらの組み合わせを含むことができる。アルカノールトリモニウム化合物には、ラウロイルエチルトリモニウムメトサルフェート、パルミトイルエチルトリモニウムメトサルフェート、ステアロイルエチルトリモニウムメトサルフェート、カルニチン、パルミトイルカルニチン、これらの組み合わせなどが含まれる。使用されるトリモニウム化合物は、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムブロミド、ミトリモニウムクロリド、ミトリモニウムブロミド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ココトリモニウムメトサルフェート、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムブロミド、ステアルトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムブロミド、ラウルトリモニウムクロリド、ラウルトリモニウムブロミド、これらの組み合わせなどを含む、アルキルトリモニウム化合物であり得る。誤解を避けるために、本明細書に開示される抗菌組成物に使用されるカチオン性界面活性剤は、上述の界面活性剤の任意の組み合わせから本質的になるか、またはそれからなることができる。
【0036】
ジモニウム化合物を含むカチオン性界面活性剤としては、ジステアリルジモニウムクロリド、ジデシルジモニウムクロリド、ジココジモニウムクロリド、これらの組み合わせなどのジアルキルジモニウム化合物が挙げられる。使用に適した他のジモニウム化合物としては、塩化ベンゼトニウムおよび/または塩化ベンザルコニウムが挙げられる。本明細書で使用されるジモニウムおよびトリモニウム化合物は、それらの塩、特にそれらの塩化物および臭化物を含むことを意味する。
【0037】
ポリクオタニウム材料も使用することができ、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-45、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-67、アクリルアミドプロピル-トリモニウムクロリド/アクリレート(またはアクリルアミド)コポリマー、それらの組み合わせなどの材料を含むことができる。
【0038】
組成物に使用される場合、カチオン性界面活性剤(すなわち、カチオン性トリモニウム、ジモニウム)および/またはポリクオタニウム材料の量は、組成物の総重量に基づいて、典型的には0.007~5重量%、好ましくは0.01~3重量%、最も好ましくは0.05~1重量%であり、その中に包含される全ての値および範囲を含む。
【0039】
トリモニウムおよびジモニウム界面活性剤の両方が使用される場合、それらは、1:99から99:1、好ましくは30:70から70:30、最も好ましくは40:60から60:40の重量比で使用されることが多い。
【0040】
抗菌組成物はまた、日焼け止め剤および光安定剤を含んでもよい。使用のための日焼け止め剤および光安定剤は、オクチルメトキシシンナメート(OMC)、エチルヘキシルサリシレート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(エンスリゾール)、Parsol MCX(登録商標)として入手可能なエチルヘキシルp-メトキシシンナメート、Parsol 1789(登録商標)として入手可能なアボベンゼン(ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、およびオキシベンゾンとしても知られるベンゾフェノン-3などの材料を含む。さらに他のものは、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、2-エチルヘキシル-2-シアノ3,3-ジフェニル-2-プロパン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、3,3,5トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエートまたはそれらの組み合わせを含むことができる。微細二酸化チタン(好ましくは150ナノメートル(nm)未満、最も好ましくは100nm未満の粒径を有する)などの無機日焼け止め活性物質が使用されてもよく、酸化亜鉛が使用されてもよく、ポリエチレンおよび様々な他のポリマーも好適な日焼け止め剤である。使用のための他の日焼け止め剤としては、p-アミノ安息香酸(PABA)、オクチルジメチル-PABA、p-メトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、ベンゾフェノン-1、ベンゾフェノン-2、ベンゾフェノン-6、ベンゾフェノン-8、ベンゾフェノン-9、ベンゾフェノン-12、サリチル酸ホモメチル、アントラニル酸メンチル、ベンゾフェノン-4、サリチル酸トリエタノールアミン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ビスオクトリアゾール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ビスジスリゾール二ナトリウム、ジオメトリアゾールトリシロキサン、オクチルトリアゾン、イスコトリジノール、ポリシリコーン-15、イソペンテニル-4-メトキシシンナメート、またはこれらの組み合わせが挙げられる。オクトクリレンも使用することができる。存在する場合の日焼け止め剤または光安定剤の量は、抗菌組成物の0.001~20%、好ましくは0.005~15%、最適には0.01~10%、またはさらには0.1~0.2%(重量基準)であり得、その中に包含される全ての値および範囲を含む。
【0041】
本明細書に開示される抗菌組成物に使用するのに適したさらなる任意要素の水溶性皮膚有益剤には、アルギニン、バリンまたはヒスチジンのようなアミノ酸などの酸が含まれる。ビタミンB2、ピコリンアミド、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、パンテノール(ビタミンB5)、ビタミンB6、ビタミンC、それらの組み合わせなどのビタミンを使用することができる。誘導体、特に、このようなビタミンの水溶性誘導体も使用することができる。例えば、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアスコルビルグリコシドなどのビタミンC誘導体を単独でまたは互いに組み合わせて使用することができる。使用することができる他の皮膚有益剤としては、ヒアルロン酸およびその塩(それらのNa+およびK+塩など)、4-エチルレゾルシノール、抽出物、例えばセージ、アロエベラ、緑茶、サトウキビ、柑橘類、ブドウ種子、タイム、カモミール、ヤロウ、キュウリ、リコリス、ローズマリー抽出物、またはそれらの組み合わせが挙げられる。NaClおよび/またはKClなどの電解質と同様に、エンスリゾールのような水溶性日焼け止め剤も使用することができる。本明細書に開示される組成物中に存在する場合、任意の水溶性有益剤(混合物を含む)の総量は、抗菌組成物の総重量に基づいて、0.0001~10%、好ましくは0.001~6.5%、最も好ましくは0.01~3.5%(重量基準)であり得、その中に包含される全ての値および範囲を含む。
【0042】
油溶性有益剤を含んでもよいことも本抗菌組成物の範囲内である。本明細書中に開示される抗菌組成物に使用されてもよい油溶性有益剤のタイプの実例としては、ステアリン酸のような成分、ビタミンA、D、EおよびKのようなビタミン(およびそれらの油溶性誘導体)が挙げられる。
【0043】
例えば、好ましい実施形態では、組成物はビタミンAを抗菌組成物の0.001~0.75重量%、好ましくは0.01~0.5重量%の量で含むことができる(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。
【0044】
使用のための他の任意選択の油溶性有益剤としては、4-ヘキシルレゾルシノール、4-ブチルレゾルシノール、4-フェニルエチルレゾルシノール、4-シクロペンチルレゾルシノール、4-シクロヘキシルレゾルシノール4-イソプロピルレゾルシノールまたはそれらの組み合わせのようなレゾルシノールが挙げられる。また、5-置換レゾルシノール、例えば4-シクロヘキシル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、4-イソプロピル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、これらの組み合わせなどを使用してもよい。5-置換レゾルシノールおよびそれらの合成は、同一出願人による米国特許出願公開第2016/0000669号に記載されている。
【0045】
使用することができるさらに他の油溶性有益剤としては、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、クリンバゾール、マグノロール、ホノキオール、ファルネソール、ウルソール酸、ミリスチン酸、ゲラニルゲラニオール、オレイルベタイン、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ヘキサノイルスフィンゴシン、12-ヒドロキシステアリン酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、テルピネオール、チモール必須成分、およびリモネン、ピネン、カンフェン、シメン、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ロジノール、ボルネオール、イソボルネオール、メントン、カンフル、サフロール、イソサフロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ティーツリー油、ユーカリ油、ペパーミント油、ニーム油、レモングラス油、オレンジ油、ベルガモット油から選択される溶解反応助剤、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
使用され得る別の任意選択の油溶性有益剤は、レチノイン酸前駆体である。レチノイン酸前駆体は、レチノール、レチナール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニルまたはそれらの組み合わせであり得る。プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニルおよびそれらの組み合わせが典型的に好ましい。使用のためのさらに別のレチノイン酸前駆体は、Molecular Design Internationalによって供給されるRetextra(登録商標)という名称で市販されているヒドロキシアナサチルレチノエートである。これは、本明細書に記載の油溶性有益剤のいずれとも組み合わせて使用することができる。
【0047】
任意の(すなわち、0.0~1.5重量%)油溶性有益剤が抗菌組成物中で使用される場合、それは典型的には、最終使用組成物の総重量の0.001~1.3%、例えば0.05~1.2%、例えば0.1~0.5%の量で存在する(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。
【0048】
抗菌組成物には、被膜形成剤を使用してもよい。任意であるが、そのような薬剤は、組成物が塗布される表面に接着するのを助けることができる。被膜形成剤としては、親水性を有するものが挙げられ、ポリビニルピロリドン(PVP)、アクリレート、アクリルアミドおよびそれらの共重合体を含む材料が挙げられる。オルガノシロキサンおよびポリクオタニウム-7(Lubrizol製のMerquat(商標)S Polymer)のような堆積剤も使用することができる。使用される場合、そのような薬剤は、抗菌組成物の0.001~1重量%を構成する(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。
【0049】
組成物に使用することができる他の任意選択の成分は、ユーカリ油、ラベンダー油、N,N-ジエチル-メタ-トルアミド(DEET)、それらの組み合わせなどの抗蚊剤である。使用され得るさらに他の成分としては、オクトピロックス(ピロクトン)、亜鉛ピリチオン、クロロキシレノール、トリクロサン、セチルピリジニウムクロリド、ならびに酸化銀、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、それらの組み合わせなどを含む銀化合物が挙げられる。使用される場合、これらの他の成分は、典型的には、抗菌組成物の0.001~1.6%、好ましくは0.01~1.2%(重量基準)を構成する(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。
【0050】
防腐剤を本明細書に開示される抗菌組成物に使用してもよい。使用される場合、例示的な防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、ヒドロキシアセトフェノン、エチルヘキシルグリセリン、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、ジメチル-ジメチル(DMDM)ヒダントインおよびベンジルアルコールまたはそれらの組み合わせが挙げられる。使用に適した他の防腐剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロフェネシンおよびデシレングリコールが挙げられる。防腐剤は、好ましくは、抗菌組成物の総重量の0.01%~2.0%の量で使用される(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。ヒドロキシアセトフェノン単独または他の防腐剤との混合物を含む防腐剤系も好ましい。
【0051】
香料、固定剤、乳白剤(二酸化チタンなど)、キレート剤(EDTAなど)が、抗菌組成物に含まれていてもよい。これらの物質の各々は、抗菌組成物の総重量の約0.03~約3%、好ましくは約0.1~約2.6%の量で存在し得る(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。
【0052】
使用に適した別の任意選択の添加剤としては、2.5~25重量%のカンナビゲロールおよび/または0.5~10重量%のカンナビジオールを含むヘンプオイルが挙げられる。使用される場合、そのような油は、抗菌組成物の0.0001~1.5重量%、好ましくは、使用される場合、抗菌組成物の0.01~1重量%を構成し、その中に包含される全ての値および範囲を含む。
【0053】
抗菌組成物は、乳化剤を含んでいてもよい。乳化剤は、疎水性物質1モル当たり約2~約100モルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと縮合したC10-C20脂肪アルコールまたは酸疎水性物質を有するもの;2~20モルのアルキレンオキシドと縮合したC2-C10アルキルフェノール;エチレングリコールのモノ-およびジ-脂肪酸エステル;ソルビタン、モノ-およびジ-C8-C20脂肪酸;ポリオキシエチレンソルビタン、またはそれらの組み合わせで構成される群から選択され得る。アルキルポリグリコシドおよびサッカライド脂肪アミド(例えば、メチルグルコンアミド)も適切な非イオン性乳化剤である。
【0054】
使用される場合、好ましい乳化剤は、典型的には、7.5~28、好ましくは8~25、最も好ましくは9~20のHLB(親水性-親油性バランス)を有し(その中に包含される全ての値および範囲を含む)、例えば、非イオン性乳化剤は、ポリソルベート20(Tween 20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween 80)を含むことができる。使用することができる他の乳化剤としては、乳化ワックス、セテアリルグルコシド、およびMontanov 68としても知られるセテアリルアルコールとの組み合わせ、またはそれらの組み合わせが挙げられる。存在する場合、乳化剤は、0~1重量%、例えば1重量%の量で存在することができる(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。本明細書で前述したように、抗菌組成物は、実質的に乳化剤を含まず、不透明から透明/半透明であり得る。実質的に乳化剤を含まないとは、組成物が、その中に包含される全ての値および範囲を含めて、3重量%未満の乳化剤、好ましくは2重量%未満の乳化剤、より好ましくは0.5重量%未満の乳化剤、最も好ましくは0重量%の乳化剤を含有することを意味する。乳化剤は、水素化ホスファチジルコリン(すなわち、レシチン)などのリン脂質を前述の乳化剤量で含んでいてもよい。一実施形態において、抗菌組成物は、水素化ホスファチジルコリンを実質的に含まなくてもよく、実質的に含まないとは、組成物中に存在するレシチンの0.05重量%未満の量を指す。別の実施形態では、抗菌組成物はレシチンを含有しない(すなわち、0重量%のレシチン)。
【0055】
抗菌組成物はさらに、中和剤を含有することができ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニウム、アルギニン、トロメタミン、AMP 95として販売されているアミノメチルプロパノール、AngusのAMP-Ultra PC1000、AMP-Ultra PC2000、AMP-Ultra PC3000、BASFのNeutrol TEとしても知られているテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、またはそれらの組み合わせなどが挙げられる。中和剤は、0~1重量%、例えば0.1~0.75重量%、例えば0.2~0.5重量%の量で存在することができる(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。2009年9月16日付けのLubrizolの技術データシートに開示されているように、pHの変動として示される特定のCarbopo(登録商標)シリーズのポリマーの中和レベルは、最終使用組成物の最終粘度に影響を及ぼし得る。アニオン性増粘剤が使用される場合、中和剤のレベルは、3.5~8.2、より好ましくは5~7.5の皮膚に優しいpHで消費者に許容される最終使用粘度を与えるために、使用されるアニオン性増粘剤の量に応じて添加および調整(増加/減少)されるべきである。
【0056】
微粒子、乳白剤および研磨剤も、本明細書に開示される組成物に含まれ得る。これらの物質の各々は、組成物の重量の約0.05~約5%、好ましくは約0.1~約3%の量で存在することができる(その中に包含される全ての値および範囲を含む)。
【0057】
包装に関して、抗菌組成物は、スプレーボトル、スクイズボトルに包装することができ、または綿棒、ワイプ、小型ペーパータオル、化粧品基材シートなど(米国特許第6,294,182号明細書に記載されているものなど)の含浸湿潤剤として提供することができる。増粘剤によって粘度が増加するにつれて、抗菌組成物はゲル化し、ゲル組成物としてスクイズボトルで消費者に提供され得る。スプレーボトルはまた、金属であってもよく、抗菌組成物は、従来のエアロゾル包装技術を介して提供されてもよく、エアインバッグ放出キャニスタ、機構およびアクチュエータを利用するものを含む。抗菌組成物が発泡体として排出され得るように、発泡剤(例えば、双性イオン性および/または両性界面活性剤)を含むことも本抗菌組成物の範囲内である。
【0058】
抗菌組成物は、細菌死滅およびウイルス活性低下のために、皮膚などの表面に組成物を塗布(例えば、スクイーズまたはスプレー)するための指示書と共に供給すべきである。抗菌組成物は、生分解性包装で包装することができ、使用される包装は、再充填可能または再利用可能、生分解性であり得、および/または少なくとも50%、好ましくは少なくとも100%が消費者使用後再生樹脂から作られ得る。
【0059】
本明細書で使用される皮膚は、腕(脇の下を含む)、顔、足、首、胸、手、脚、臀部および頭皮(毛髪を含む)の皮膚を含むことを意味する。本明細書で使用される消毒とは、表面への局所適用後、少なくとも2の細菌対数死滅および少なくとも2のウイルス対数不活性化(両方とも達成される)、好ましくは少なくとも3の細菌対数死滅および少なくとも3分未満のウイルス対数不活性化を意味する。本明細書で使用される組み合わせは、総重量、例えば塩化セトリモニウム+塩化ベンザルコニウムの総重量を意味する。皮膚有益剤とは、皮膚の特性を改善するのに適した成分を意味する。本明細書で使用される表面は、皮膚または無生物の表面、例えば卓上、コンピュータモニタ、ドアノブ、便座、ショッピングカートのハンドル、もしくは衣類などを含む。表面はまた、イヌおよびネコの毛などの動物の外被を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、表面は、好ましくはヒトの皮膚、特に顔および手の皮膚を意味する。
【0060】
抗菌組成物は、消毒を必要とする衣類および室内装飾物に噴霧するのに適した洗濯スプレー組成物のようなホームケア組成物であり得る。ホームケア組成物はまた、抗菌性のキッチンまたはバスルームスプレー組成物であり得る。好ましくは、抗菌組成物は、皮膚上の細菌およびウイルスの量を有意に減少させることによる消毒のために皮膚に塗布するための局所組成物である。組成物は、皮膚軟化剤、ビタミンおよび/またはその誘導体、レゾルシノール、レチノイン酸前駆体、着色剤、保湿剤または湿潤剤、香料、日焼け止め剤、それらの組み合わせなどの皮膚有益成分を添加してもよい。皮膚有益成分は、水溶性または油溶性であり得る。
【0061】
したがって、抗菌組成物は、pH3.5~8.2の水性アルコール系組成物であり、組成物は水/アルコール連続である。本明細書で使用される粘度は、ブルックフィールド粘度計で10rpmでスピンドル4を使用して、またはDiscovery HR-2レオメータで第1の粘度VAに対して0.4 s-1の第1の剪断速度SA、第2の粘度VBに対して10 s-1の第2の剪断速度SBで、両方とも25℃および20秒間隔で、1000ミクロンギャップを有するサンドブラストされたプレートを使用して取得される。粘度は、センチポアズ(cps)(1000センチポアズ(cps)=1パスカル秒)で報告される。さらに別の実施形態では、組成物は、3万センチポアズ(cps)未満の粘度、好ましくは25,000cps未満の粘度、好ましくは2,000~25,000cpsの粘度、より好ましくは2,000~1万cpsの粘度を有する水/アルコール連続液体である非治療的非医薬組成物である。
【0062】
典型的には、抗菌組成物の粘度は3万cps未満である。多くの場合、抗菌組成物の粘度は、0~25,000cps、好ましくは1500~25,000cps、より好ましくは2,000~2万cps、さらにより好ましくは2,000~1万cpsであり、その中に包含される全ての範囲を含む。
【0063】
抗菌組成物は、抗菌組成物を製造する任意の方法によって製造することができる。抗菌組成物を室温で作製し、均一性に達するまで成分を混合する。一実施形態では、本明細書に開示される抗菌組成物を製造する方法は、増粘剤を水に分散させて第1の相を形成することと、保湿油と湿潤剤とを合わせて第2の相を形成することとを含むことができる。次に、第1の相をアルコールと合わせて第3の相を形成し、次に第3の相に第2の相を添加する。次に、第3の相に中和剤を添加して抗菌組成物を形成する。次に、芳香剤を添加することができ、および/または乳白剤を添加してもよい。
【0064】
抗菌組成物には、EDTAを使用してもよい。EDTAは、存在する場合、第2の相に含めることができる。
【0065】
本抗菌組成物は、一般に、高剪断混合または高圧均質化の必要なしに、通常または低剪断混合工程で製造される。本明細書に開示される抗菌組成物は、容易に製造することができる。組成物は、一般に、大気圧および25℃で形成される。
【0066】
[実施例]
以下の実施例は、本明細書に開示される抗菌組成物の単なる例示であり、本明細書の範囲を限定することを意図しない。
【0067】
表1は、本明細書に開示される抗菌組成物の例を示す。サンプルは、室温、大気圧、および水に増粘剤を分散させて相Aを形成することによって標準的な剪断で作製される。アルコールは相Bを形成する。次に、任意の皮膚有益剤、湿潤剤、および不溶性保湿油を合わせて相Cを形成する。最初に、相AおよびBを合わせ、オーバーヘッド空気ミキサーで混合し、透明な混合物が形成された時点で相Cを添加する。次に、中和剤を相Dとして添加し、芳香剤を相Eで添加して、抗菌組成物を形成する。
【0068】
PJ1は、天然非ワセリンを指す。天然非ワセリンは、異なる鎖長の炭化水素を有する、以下の供給原料:大豆、ナタネ、ココナッツ、パーム、ラード、獣脂、調理油の1つまたは複数に由来し得る。天然非ワセリンは、本明細書に列挙される供給原料に限定されず、任意の天然または生物由来の供給原料を含むことができる。サンプル2のPJ2は、キャンデリラワックス/大豆油の混合物を使用して調製される。サンプル3のPJ3は、SonneNatural lineで販売されているSonneborn由来の植物由来ゼリーである。PJ4は、標準的なワセリンであり、サンプル4で使用される。サンプル5は、PJ1を用い、Tween 20を用いずに調製される。サンプル6は、PJ1を用い、Tween 20を用いずに調製される。サンプル7は、PJ1を用い、Tween 20を用いずに調製される。
【0069】
【0070】
理論に束縛されることを望むものではないが、本明細書に開示される抗菌組成物は、高レベルのワセリンに適応することができ、さらに、40℃で3ヶ月後などの期間にわたって安定性を維持することができ、組成物中の粘度の経時的な明らかな低下または目に見える相分離はないと考えられる。
【0071】
特に明記しない限り、本明細書に記載の全ての範囲は、その中に包含される全ての範囲を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、明示的に記載されている場合を除き、実質的に、10重量%未満を意味しない。抗菌利益は、3分未満での少なくとも2の対数死滅、好ましくは少なくとも3の対数死滅を意味し、抗菌評価は、時間死滅手順を使用して水混和性化合物の抗菌活性を測定するための手順を記載するASTM国際標準法E 2783-11(再承認2016)によって測定される。ウイルス性(またはウイルス)不活性化は、ASTM国際標準法1052-20に記載されているように、ウイルスに対する殺菌剤の影響を評価することによって決定される。含む(comprising)という用語は、本質的にからなる(consisting essentially of)およびからなる(consisting of)という用語を包含することを意味する。誤解を避けるために、および説明のために、水とカチオン性界面活性剤と防腐剤とを含む組成物は、本質的にそれらからなる組成物、およびそれらからなる組成物を含むことを意味する。
【0072】
他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量または反応の条件、材料の物理的特性および/または使用を示す本明細書の全ての数字は、「約」という語によって修飾されると理解されてもよい。全ての量は、特に明記しない限り、最終組成物の重量による。
【0073】
濃度または量の任意の範囲を指定する際に、任意の特定の上限濃度を、任意の特定の下限濃度または量、ならびにその中で消費される任意の部分範囲に関連付けることができることに留意されたい。その点に関して、本明細書に開示される全ての範囲は、終点を含み、終点は、互いに独立して組み合わせることができることに留意されたい(例えば、「25重量%まで、またはより具体的には5重量%~20重量%の範囲は、5重量%~25重量%の範囲の終点および全ての中間値を含む、など)。「組み合わせは、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。さらに、本明細書における「第1」、「第2」などの用語は、順序、量、または重要性を示すものではなく、ある要素を別の要素から区別するために使用される。本明細書における「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、量の限定を意味するものではなく、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書で使用される接尾辞「(s)」は、それが修飾する用語の単数および複数の両方を含み、それによって用語の1つまたは複数を含むことを意図している(例えば、film(s)は、1つまたは複数の膜を含む)。本明細書全体を通して、「一実施形態」、「一態様」、「別の実施形態」、「別の態様」、「実施形態」、「態様」などへの言及は、実施形態または態様に関連して説明される特定の要素(例えば、特徴、構造、および/または特性)が、本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態または態様に含まれ、他の実施形態または態様には存在してもしなくてもよいことを意味する。さらに、記載された要素は、様々な実施形態または態様において任意の適切な方法で組み合わせることができることを理解されたい。
【0074】
全ての引用された特許、特許出願、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願の用語が、組み込まれた参照の用語と矛盾または対立する場合、本出願の用語は、組み込まれた参照の矛盾する用語よりも優先される。特定の態様が記載されているが、現時点で予測されない、または予測されない可能性がある代替、修正、変形、改善、および実質的な等価物が、出願人または他の当業者に生じる可能性がある。したがって、出願された添付の特許請求の範囲およびそれらが補正され得る添付の特許請求の範囲は、全てのそのような代替、修正、変形、改善、および実質的な均等物を包含することが意図されている。
【0075】
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「から構成される(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙されたステップ、選択肢、または代替物は網羅的である必要はない。
【0076】
本明細書に見られる本発明の開示は、特許請求の範囲が複数の従属性または冗長性なしに見出され得るという事実にかかわらず、互いに複数従属するものとして特許請求の範囲に見られる全ての態様を網羅すると見なされるべきである。特に明記しない限り、「xからy」の形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。値または量の任意の範囲を指定する際に、任意の特定の上限値または量を任意の特定の下限値または量に関連付けることができる。本明細書に含まれる全ての百分率および比は、特に指示しない限り、重量によって計算される。上記の個々のセクションで言及された本発明の様々な特徴は、適切な場合、必要に応じて他のセクションに適用される。したがって、1つのセクションで指定された特徴は、必要に応じて他のセクションで指定された特徴と組み合わせることができる。任意のセクションの見出しは便宜上追加されているにすぎず、決して本開示を限定することを意図するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と、
アルコールと、
増粘剤と、
抗菌組成物中に存在する保湿油の液滴の少なくとも50%が
50マイクロメートル~
2.5ミリメートルの
D[4,3]粒径を有する保湿油と
を含
み、
前記アルコールが、抗菌組成物全体の60~80重量%存在する、抗菌組成物。
【請求項2】
前記保湿油が不溶性保湿油を含む、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項3】
前記保湿油が、32℃で10kPa・sの最小粘度を有する、請求項1または請求項2に記載の抗菌組成物。
【請求項4】
前記保湿油が、ワセリン、天然非ワセリン、天然脂肪および油、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項5】
前記水が、前記抗菌組成物全体の5~30重量%、好ましくは6~25重量%、より好ましくは7~20重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項6】
前記アルコールが、
好ましくは62~75重量%、より好ましくは65~75重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項7】
前記保湿油が、前記抗菌組成物全体の1~15重量%、好ましくは1~10重量%、より好ましくは2~7重量%、さらにより好ましくは3~5重量%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項8】
湿潤剤をさらに含み、
前記湿潤剤が、1~10重量%、好ましくは2~8重量%、より好ましくは3~7重量%の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項9】
前記湿潤剤が、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセロール、イソプレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の抗菌組成物。
【請求項10】
前記増粘剤が、アニオン性増粘剤、非イオン性増粘剤、カチオン性増粘剤、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗菌組成物。
【請求項11】
前記増粘剤が、疎水性に改質されたアクリレートクロスポリマーを含む、請求項10に記載の抗菌組成物。
【請求項12】
水中に増粘剤を分散させて第1の相を形成するステップと、
保湿油と湿潤剤とを合わせて第2の相を形成するステップと、
前記第1の相をアルコールと合わせて第3の相を形成するステップと、
前記第3の相に前記第2の相を添加して第4の相を形成するステップと、
前記第4の相に中和剤を添加して抗菌組成物を形成するステップと
を含
み、
前記抗菌組成物中に存在する保湿油の液滴の少なくとも50%が50マイクロメートル~2.5ミリメートルのD[4,3]粒径を有する、抗菌組成物の製造方法。
【請求項13】
前記増粘剤が、アニオン性増粘剤、非イオン性増粘剤、カチオン性増粘剤、またはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記保湿油が、ワセリン、天然非ワセリン、天然脂肪および油、またはそれらの組み合わせを含む、請求項12~13のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】