(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】高電圧ブッシングと高圧送電システム
(51)【国際特許分類】
H01B 17/36 20060101AFI20231025BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231025BHJP
H02G 5/10 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
H01B17/36
H05K7/20 H
H02G5/10 321
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519332
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2022089814
(87)【国際公開番号】W WO2022233261
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202110497336.3
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521364890
【氏名又は名称】ステイト グリッド コーポレーション オブ チャイナ
【氏名又は名称原語表記】STATE GRID CORPORATION OF CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】523109183
【氏名又は名称】ステイト グリッド スマート グリッド リサーチ インスティテュート シーオー. エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】STATE GRID SMART GRID RESEARCH INSTITUTE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.18 Binhe Avenue, future technology city, Changping District, Beijing 102209, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャン リウ
(72)【発明者】
【氏名】ゼホン リウ
(72)【発明者】
【氏名】シャオウ ワン
(72)【発明者】
【氏名】シャンシャン グオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ザン
(72)【発明者】
【氏名】ションリー ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジンゾン リー
(72)【発明者】
【氏名】リチェン ルー
(72)【発明者】
【氏名】ヤンペン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジェンホイ ゾウ
(72)【発明者】
【氏名】ハン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ゼ ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンイ ホウ
【テーマコード(参考)】
5E322
5G331
5G365
【Fターム(参考)】
5E322AB10
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA04
5E322BA05
5E322BB03
5E322BB04
5G331AA08
5G331BA01
5G331BB01
5G331BB24
5G331BB25
5G331BC03
5G331CB02
5G331DA02
5G331EB18
5G331FA03
5G365DA07
(57)【要約】
高電圧ブッシングは、導電ロッドと空冷装置とを備える。前記導電ロッドは、内部に風路を有し、前記風路は給気口及び排気口を含む。前記空冷装置は、空気流を出力し、前記空気流を前記給気口を介して前記風路内に吹き込むように構成される少なくとも1つのファンを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に風路を有する導電ロッドであって、前記風路は給気口及び排気口を含む、導電ロッドと、
空気流を出力することにより、前記空気流を前記給気口を介して前記風路内に吹き込むように構成される少なくとも1つのファンを含む、空冷装置と、
を備える、
高電圧ブッシング。
【請求項2】
前記空冷装置は、さらに、
前記ファンによって出力された空気流の圧力、前記ファンの軸受温度、前記導電ロッドの温度、及び前記空気流の温度のうちの少なくとも1つを検出するように構成される少なくとも1つのセンサと、
前記ファンによって出力された空気流の圧力、前記ファンの軸受温度、前記導電ロッドの温度、及び前記空気流の温度のうちの少なくとも1つに応じて、前記ファンの動作状態を制御するように構成されるコントローラとを含む、
請求項1に記載の高電圧ブッシング。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記給気口に位置し、前記風路に吹き込む前の空気流の温度を検出するように構成される第1温度センサ、
前記排気口に位置し、前記風路内から流出した空気流の温度を検出するように構成される第2温度センサ、
前記導電ロッドの外壁に位置する少なくとも1つの第3温度センサであって、各々が前記導電ロッドの温度を検出するように構成される、少なくとも1つの第3温度センサ、及び
前記ファンの軸受位置に位置し、前記ファンの軸受温度を検出するように構成される第4温度センサ、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の高電圧ブッシング。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第3温度センサは、1つの第3温度センサを含み、且つ前記1つの第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁の軸方向に沿う中央部に設けられ、又は、
前記少なくとも1つの第3温度センサは、複数の第3温度センサを含み、且つ前記複数の第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁に設けられ、且つ前記導電ロッドの軸方向に沿って間隔をあけて配置され、又は、
前記空冷装置は、給気管路を有する通気管路をさらに含み、前記給気管路の入口が前記ファンの吹出口に連通し、前記給気管路の出口が前記風路の前記給気口に連通し、前記少なくとも1つのセンサは、前記給気管路内の空気流圧力を検出するように配置される風圧センサをさらに含む、
請求項3に記載の高電圧ブッシング。
【請求項5】
前記空冷装置は、給気管路を有する通気管路をさらに含み、前記給気管路の入口が前記ファンの吹出口に連通し、前記給気管路の出口が前記風路の前記給気口に連通する、
請求項1に記載の高電圧ブッシング。
【請求項6】
前記空冷装置は、前記給気管路の入口に設けられる逆止弁をさらに含み、前記逆止弁は、前記ファンによって生成される空気流が前記給気管路内に吹き込むことを許容し、且つ、前記給気管路内の空気流が前記ファンに逆流することを阻止するように構成され、及び/又は、
前記通気管路は、前記排気口に連通する排気管路をさらに有する、
請求項5に記載の高電圧ブッシング。
【請求項7】
前記少なくとも1つのファンは、複数のファンを含み、及び/又は
前記空冷装置は、少なくとも1つの集風カバーをさらに含み、各々のファンは、対応する1つの集風カバー内に設けられ、前記集風カバーは、開口を有し、且つ前記開口の方向は、前記集風カバーの重力方向に向っており、及び/又は
前記空冷装置は、前記給気口に設けられ、前記風路内に流入する空気流を濾過するように構成されるフィルタをさらに含む、
請求項1-6のいずれか一項に記載の高電圧ブッシング。
【請求項8】
前記風路は、給気風路及び排気風路を含み、前記給気風路の第1端及び前記排気風路の第1端が前記導電ロッドの第1端に位置し;前記給気口は、前記給気風路の第1端に位置し、前記排気口は、前記排気風路の第1端に位置し、前記給気風路の第2端と前記排気風路の第2端とは、前記導電ロッドのうちの前記導電ロッドの第2端に隣接する位置で連通する、
請求項1-7のいずれか一項に記載の高電圧ブッシング。
【請求項9】
前記導電ロッドは、前記給気風路と前記排気風路とを連通させるように構成される複数の分岐通路をさらに有する、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項10】
前記導電ロッドは、中空の導電ロッド本体と、前記導電ロッド本体内に設けられ且つ前記導電ロッド本体の軸方向に沿って延びる空冷管とを含み;前記空冷管の内部空間は前記給気風路を形成し、前記空冷管の外壁と前記導電ロッド本体の内壁との間の空間は前記排気風路を形成する、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項11】
前記導電ロッドは、前記排気風路内に設けられる少なくとも1つの支持部をさらに含み、前記少なくとも1つの支持部は、前記空冷管の外壁と前記導電ロッド本体の内壁との間に係止される、
請求項10に記載の高電圧ブッシング。
【請求項12】
前記支持部は流通口を有し、前記流通口は、前記導電ロッド本体の軸方向に略沿って前記支持部を貫通する、
請求項11に記載の高電圧ブッシング。
【請求項13】
前記導電ロッドは、前記空冷管の外壁に設けられるガイドフィンをさらに含み、前記ガイドフィンは、前記排気風路に吹き込まれた空気流を前記排気口の方向に向かってガイドするように構成され、又は、
前記空冷管の軸方向に沿って、前記空冷管の外径の寸法は完全に同一でない、
請求項10に記載の高電圧ブッシング。
【請求項14】
前記導電ロッドは、中空の導電ロッド本体と、前記導電ロッド本体内に設けられ且つ前記導電ロッド本体の軸方向に沿って延びる仕切板とを含み;前記仕切板は、前記導電ロッド本体内の空間を、前記仕切板の厚さ方向に沿って前記給気風路と前記排気風路とに仕切る、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項15】
前記導電ロッド内に複数の貫通孔が設けられており、前記複数の貫通孔は、いずれも前記導電ロッドの軸方向に沿って延びており、且つ前記導電ロッドの第2端の内側で互いに連通しており;前記複数の貫通孔のうちの一部分は前記給気風路を形成し、且つ他部分は前記排気風路を形成する、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項16】
前記複数の貫通孔のうち、前記導電ロッドの中央位置に位置する貫通孔は前記給気風路を形成し、前記導電ロッドの辺縁位置に位置する貫通孔は前記排気風路を形成する、
請求項15に記載の高電圧ブッシング。
【請求項17】
高圧母線と、
請求項1-16のいずれか一項に記載の高電圧ブッシングであって、前記高電圧ブッシング内の導電ロッドが前記高圧母線に接続される、高電圧ブッシングと、
を備える、
高圧送電システム。
【請求項18】
金具と、
第1均圧ボール及び第2均圧ボールとをさらに備え、
前記高圧母線の第1端は、前記第1均圧ボール内に位置する前記金具を介して前記高電圧ブッシング内の前記導電ロッドの第1端に接続され、前記高圧母線の第2端は、前記第2均圧ボール内に位置する、
請求項17に記載の高圧送電システム。
【請求項19】
前記ファンは、前記第1均圧ボール又は前記第2均圧ボール内に位置し、又は、
前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置する均圧カバーをさらに含み、前記ファンは、前記均圧カバー内に位置し、又は、
前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端の一側に位置する複数の均圧リングをさらに含み、前記ファンは、隣接する2つの均圧リングの間に位置し、又は、
前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置するフランジをさらに含み、前記ファンは、前記フランジの前記導電ロッドから離れた側に設けられる、
請求項17に記載の高圧送電システム。
【請求項20】
高電位用エネルギー取得装置をさらに備え、前記高電位用エネルギー取得装置の出力端は、前記空冷装置に接続され、前記高電位用エネルギー取得装置は、前記高圧母線から電気エネルギーを取得し、前記空冷装置に電力を供給するように構成される、
請求項17-19のいずれか一項に記載の高圧送電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年5月7日に出願された出願番号が202110497336.3である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、送電の技術分野に関し、特に、高電圧ブッシング及び高圧送電システムに関する。
【背景技術】
【0003】
高圧送電とは、発電機から出力された電圧を発電所用変圧器で昇圧して送電する方式である。高圧送電の過程で、高圧送電用の高圧機器は、高電圧と、大電流と、強い機械的負荷との重畳作用に長時間耐える必要があり、内部には高い電気的応力、熱的応力及び機械的応力が存在する。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、導電ロッドと空冷装置を備える高電圧ブッシングが提供される。前記導電ロッドは、内部に風路を有し、前記風路は給気口及び排気口を含む。前記空冷装置は、空気流を出力することにより、前記空気流を前記給気口を介して前記風路内に吹き込むように構成される少なくとも1つのファンを含む。
【0005】
幾つかの実施例において、前記空冷装置は、少なくとも1つのセンサとコントローラをさらに含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ファンによって出力された空気流の圧力、前記ファンの軸受温度、前記導電ロッドの温度、及び前記空気流の温度のうちの少なくとも1つを検出するように構成される。前記コントローラは、前記ファンによって出力された空気流の圧力、前記ファンの軸受温度、前記導電ロッドの温度、及び前記空気流の温度のうちの少なくとも1つに応じて、前記ファンの動作状態を制御するように構成される。
【0006】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つのセンサは、第1温度センサ、第2温度センサ、少なくとも1つの第3温度センサ、及び第4温度センサのうちの少なくとも1つを含む。前記第1温度センサは、前記給気口に位置し、前記第1温度センサは、前記風路に吹き込む前の空気流の温度を検出するように構成される。前記第2温度センサは、前記排気口に位置し、前記第2温度センサは、前記風路内から流出した空気流の温度を検出するように構成される。前記少なくとも1つの第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁に位置し、各々の前記第3温度センサは、前記導電ロッドの温度を検出するように構成される。前記第4温度センサは、前記ファンの軸受位置に位置し、前記第4温度センサは、前記ファンの軸受温度を検出するように構成される。
【0007】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つの第3温度センサは、1つの第3温度センサを含み、且つ前記1つの第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁の軸方向に沿う中央部に設けられる。又は、前記少なくとも1つの第3温度センサは、複数の第3温度センサを含み、且つ前記複数の第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁に設けられ、且つ前記導電ロッドの軸方向に沿って間隔をあけて配置される。又は、前記空冷装置は、給気管路を有する通気管路をさらに含み、前記給気管路の入口が前記ファンの吹出口に連通し、前記給気管路の出口が前記風路の前記給気口に連通する給気管路;前記少なくとも1つのセンサは、前記給気管路内の空気流圧力を検出するように構成される風圧センサをさらに含む。
【0008】
幾つかの実施例において、前記空冷装置は、給気管路を有する通気管路をさらに含み、前記給気管路の入口が前記ファンの吹出口に連通し、前記給気管路の出口が前記風路の前記給気口に連通する給気管路。
【0009】
幾つかの実施例において、前記空冷装置は、前記給気管路の入口に設けられる逆止弁をさらに含み、前記逆止弁は、前記ファンによって生成される空気流が前記給気管路内に吹き込むことを許容し、且つ、前記給気管路内の空気流が前記ファンに逆流することを阻止するように構成される。及び/又は、前記通気管路は、前記排気口に連通する排気管路をさらに有する。
【0010】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つのファンは、複数のファンを含む。及び/又は、前記空冷装置は、少なくとも1つの集風カバーをさらに含み、各々のファンは、対応する1つの集風カバー内に設けられ、前記集風カバーは、開口を有し、且つ前記開口の方向は、前記集風カバーの重力方向に向っている。及び/又は、前記空冷装置は、前記給気口に設けられ、前記風路内に流入する空気流を濾過するように構成されるフィルタをさらに含む。
【0011】
幾つかの実施例において、前記風路は給気風路及び排気風路を含み、前記給気風路の第1端及び前記排気風路の第1端が前記導電ロッドの第1端に位置し;前記給気口は、前記給気風路の第1端に位置し、前記排気口は、前記排気風路の第1端に位置し、前記給気風路の第2端及び前記排気風路の第2端は、前記導電ロッドのうちの前記導電ロッドの第2端に隣接する位置で連通する。
【0012】
幾つかの実施例において、前記導電ロッドは、前記給気風路と前記排気風路とを連通させるように構成される複数の分岐通路をさらに有する。
【0013】
幾つかの実施例において、前記導電ロッドは、中空の導電ロッド本体と、前記導電ロッド本体内に設けられ且つ前記導電ロッド本体の軸方向に沿って延びる空冷管とを含み;前記空冷管の内部空間は前記給気風路を形成し、前記空冷管の外壁と前記導電ロッド本体の内壁との間の空間は前記排気風路を形成する。
【0014】
幾つかの実施例において、前記導電ロッドは、前記排気風路内に設けられる少なくとも1つの支持部をさらに含み、前記少なくとも1つの支持部は、前記空冷管の外壁と前記導電ロッド本体の内壁との間に係止される。
【0015】
幾つかの実施例において、前記支持部は、前記導電ロッド本体の軸方向に略沿って前記支持部を貫通する流通口を有する。
【0016】
幾つかの実施例において、前記導電ロッドは、前記空冷管の外壁に設けられるガイドフィンをさらに含み、前記ガイドフィンは、前記排気風路に吹き込まれた空気流を前記排気口の方向に向かってガイドするように構成される。又は、前記空冷管の軸方向に沿って、前記空冷管の外径の寸法は完全に同一でない。
【0017】
幾つかの実施例において、前記導電ロッドは、中空の導電ロッド本体と、前記導電ロッド本体内に設けられ且つ前記導電ロッド本体の軸方向に沿って延びる仕切板とを含み;前記仕切板は、前記導電ロッド本体内の空間を、前記仕切板の厚さ方向に沿って前記給気風路と前記排気風路とに仕切る。
【0018】
幾つかの実施例において、前記導電ロッド内に複数の貫通孔が設けられており、前記複数の貫通孔は、いずれも前記導電ロッドの軸方向に沿って延びており、且つ前記導電ロッドの第2端の内側で互いに連通しており;前記複数の貫通孔のうちの一部分は前記給気風路を形成し、且つ他部分は前記排気風路を形成する。
【0019】
幾つかの実施例において、前記複数の貫通孔のうち、前記導電ロッドの中央位置に位置する貫通孔は前記給気風路を形成し、前記導電ロッドの辺縁位置に位置する貫通孔は前記排気風路を形成する。
【0020】
別の態様では、高圧母線と高電圧ブッシングとを備える高圧送電システムが提供される。高電圧ブッシングは上記の前記高電圧ブッシングであり、前記高電圧ブッシング内の導電ロッドは前記高圧母線に接続される。
【0021】
幾つかの実施例において、高圧送電システムは、金具、第1均圧ボール、及び第2均圧ボールをさらに備える。前記高圧母線の第1端は、前記第1均圧ボール内に位置する金具を介して前記高電圧ブッシング内の前記導電ロッドの第1端に接続され、前記高圧母線の第2端は、前記第2均圧ボール内に位置する。
【0022】
幾つかの実施例において、前記ファンは、前記第1均圧ボール又は前記第2均圧ボール内に位置する。又は、前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置する均圧カバーをさらに含み、前記ファンは、前記均圧カバー内に位置する。又は、前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端の一側に位置する複数の均圧リングをさらに含み、前記ファンは、隣接する2つの均圧リングの間に位置する。又は、前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置するフランジをさらに含み、前記ファンは、前記フランジの前記導電ロッドから離れた側に設けられる。
【0023】
幾つかの実施例において、高圧送電システムは、高電位用エネルギー取得装置をさらに備え、前記高電位用エネルギー取得装置の出力端は、前記空冷装置に接続され、前記高電位用エネルギー取得装置は、前記高圧母線から電気エネルギーを取得し、前記空冷装置に電力を供給するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示における技術的解決手段をより明確的に説明するため、以下は本開示の幾つかの実施例に用いる必要がある図面について簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示の幾つかの実施例の図面に過ぎないことは明らかである。当業者であれば、これらの図面によって他の図面が取得することができる。さらに、以下の説明における図面は、概略図と見なすことができ、本開示の実施例に係る製品の実際の寸法、方法の実際のプロセス、信号の実際のタイミングなどを限定するものではない。
【0025】
【
図1】幾つかの実施例の高電圧ブッシングの接続概略図である。
【0026】
【
図2】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中の導電ロッドと通気管路との接続を示す図である。
【0027】
【
図3】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中の導電ロッドと別の通気管路との接続を示す図である。
【0028】
【
図4】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中の導電ロッドとさらに別の通気管路との接続を示す図である。
【0029】
【
図5】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中の導電ロッドの内部構造図である。
【0030】
【
図6】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中の導電ロッドに空冷管が内設される構造図である。
【0031】
【
図7】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中の導電ロッドに別の空冷管が内設される構造図である。
【0032】
【
図8】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中の別の導電ロッドの内部構造図である。
【0033】
【0034】
【
図10】幾つかの実施例の高電圧ブッシング中のさらに別の導電ロッドの内部構造図である。
【0035】
【
図11】幾つかの実施例の高圧送電システムにおいてファンが第2均圧ボールに設られる時の構造図である。
【0036】
【0037】
【
図13】幾つかの実施例の高圧送電システムにおいて高電圧ブッシングの端部にファンが設けられる構造図である。
【0038】
【
図14】幾つかの実施例の高圧送電システムにおいて高電圧ブッシングの端部の隣接する均圧リングの間にファンが設けられる構造図である。
【0039】
【
図15】幾つかの実施例の高電圧ブッシングシステムにおいて高電圧ブッシングの端部の均圧カバー内にファンが設けられる構造図である。
【0040】
【
図16】幾つかの実施例の高圧送電システムにおける誘導式エネルギー取得装置の構造図である。
【0041】
【
図17】幾つかの実施例の高圧送電システムにおける誘導式エネルギー取得装置の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下は、図面を参照し、本開示の幾つかの実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。しかし、ここに記載された実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではないと理解されるべきである。本開示における実施例に基づき、当業者が取得できる他のすべての実施例は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0043】
文脈上別段の解釈がない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体において、用語「含む(comprise)」及びその他の形式、例えば、第三人称の単数形である「含む(comprises)」及び現在分詞の形式である「含む(comprising)」は、開放、包括的な意味、即ち「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。明細書の記載において、用語「1つの実施例(one embodiment)」、「幾つかの実施例(some embodiments)」、「例示的な実施例(exemplary embodiments)」、「例(example)」、「特定例(specific example)」、又は「幾つかの例(some examples)」などは、この実施例又は例に関連する特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを示すことを意図している。上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すわけではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で、任意の1つ又は複数の実施例又は例に含まれ得る。
【0044】
以下、用語「第1」、「第2」は単に説明の目的に用いられるものであり、相対的な重要性を明示又は暗示するものとして、又は技術的特徴の数を明示又は暗示するものとして理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本開示の実施例の説明では、特に説明がない限り、「複数」は2つ又は2つ以上を意味する。
【0045】
幾つかの実施例を説明する時、「結合」と「接続」及びそれらに由来する表現を使用する場合がある。例えば、幾つかの実施例を説明する時、2つ又は2つ以上の構成要素がお互いに直接的な物理的又は電気的接触を有することを示すように、「接続」という用語を使用する場合がある。又は、幾つかの実施例を説明する時、2つ又は2つ以上の構成要素が直接的な物理的又は電気的接触を有することを示すように、「結合」という用語を使用する場合がある。しかしながら、「結合」又は「通信可能に結合された(communicatively coupled)」という用語は、2つ又は2つ以上の構成要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働又は相互作用することも意味し得る。ここに開示された実施例は、必ずしも本明細書の内容に限定されるものではない。
【0046】
「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」は、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」と同じ意味であり、いずれも以下のA、B及びCの組合せ:Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組合せ、A及びCの組合せ、B及びCの組合せ、並びにA、B及びCの組合せを含む。
【0047】
「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、及びAとBの組合せの3つの組合せを含む。
本明細書において、「…に適用する」又は「…ように構成される」は、追加のタスク又はステップを実行するように適用又は構成される装置を排除しない開放的且つ包括的な言語を意味する。
【0048】
また、「…に基づいて」の使用は、1つ又は複数の前記条件又は値に「…基づいて」行われるプロセス、ステップ、計算、又は他の動作が、実際には、追加の条件又は前記値を超えることに基づき得るため、開放的且つ包括的であることを意味する。
【0049】
本明細書で使用される場合、「約」、「おおよそ」、又は「近似」は、記載された値、及び特定値の許容可能な偏差範囲内の平均値を含み、ここで、前記許容可能な偏差範囲は、当業者によって検討されている測定及び特定量の測定に関連する誤差(即ち、測定システムの制限)を考慮して決定される。
【0050】
本明細書で使用される場合、「平行」、「垂直」、「等しい」は、記載されている状況、及び記載されている状況に類似した状況を含み、その類似した状況の範囲は、許容可能な偏差範囲内にあり、前記許容可能な偏差範囲は、当業者によって検討されている測定及び特定量の測定に関連する誤差(即ち、測定システムの制限性)を考慮して決定される。例えば、「平行」は、絶対平行と近似平行を含み、近似平行の許容可能な偏差範囲は、例えば、5°以内の偏差であってもよく;「垂直」は、絶対垂直と近似垂直を含み、近似垂直の許容可能な偏差範囲は、例えば、5°以内の偏差であってもよい。「等しい」は、絶対的に等しいこと及びほぼ等しいことを含み、ほぼ等しい許容可能な偏差範囲内は、例えば、等しい両者の間の差が、それらのいずれかの5%以下であってもよい。
【0051】
交直変換所は、高圧送電中に交流から直流への変換、あるいは直流から交流への変換を完成するために構築されたステーションである。交直変換所の要は、バルブホールであり、バルブホール内には交直変換バルブが設置され、交直変換バルブは、送電工事の要となる設備である。交直変換変圧器は送電工事における電力変圧器であり、交直変換変圧器は高電圧ブッシングと高圧母線を介して交直変換バルブとの接続を実現し、共同で送電工事を完成する。
【0052】
本開示の幾つかの実施例は高圧送電システム100を提供する。高圧送電システム100は、
図11に示すように、高圧母線02と高電圧ブッシング01を備える。高電圧ブッシング01は、導電ロッドと、導電ロッドの外部を覆う絶縁スリーブ011とを含む。高電圧ブッシング01中の導電ロッドは高圧母線02に接続される。
【0053】
幾つかの実施例において、
図11に示すように、高圧送電システム100は、金具05、第1均圧ボール031、及び第2均圧ボール032をさらに含む。高圧母線02の第1端021は、第1均圧ボール031内に位置する金具05を介して高電圧ブッシング01の導電ロッドの第1端に接続され、高圧母線02の第2端022は第2均圧ボール032内に位置する。金具(armour clamp)は、送電線に広く用いられている鉄製又はアルミニウム製の金属アクセサリーである。
図11に示すように、高電圧ブッシング01は金具05に接続され、金具05を介して、高電圧ブッシング01と高圧母線02の第1端021とは接続される。
【0054】
高圧機器は、長期運転中に高電圧と、大電流と、強い機械的負荷との重畳作用に耐え、内部には高い電気的応力、熱的応力及び機械的応力が存在する。
図11に示すように、高電圧ブッシング01の内部の導電ロッドは電流を通過させる役割を果たすため、ある程度の熱が発生しやすく、その熱が適時に放熱できないと、高電圧ブッシング01の内部の熱が蓄積され続け、高電圧ブッシング01の温度が絶えず上昇し、高電圧ブッシング01の絶縁破壊を招くおそれがある。
【0055】
高電圧ブッシング01の内部温度が高すぎるという問題を解決するために、従来の解決方法は2つある。
【0056】
一つの解決方法は、従来の自然冷却に基づいて高電圧ブッシング01の体積及び寸法を変更することである。導電ロッドの寸法(例えば直径)を大きくすることによって、その比熱容量及び放熱面積を大きくし、発熱量を低減する。しかしながら、この方法では高電圧ブッシング01の寸法と重量が増加し、製造コストが上昇する。
【0057】
もう一つの解決方法は、例えば、交直変換バルブの冷却システムを用い、交直変換バルブの冷却システムにおける冷却媒体(例えば冷却液体)を高電圧ブッシング01の導電ロッド内に導入し、導電ロッドを十分に冷却し、そして冷却液体は、導電ロッド内から交直変換バルブの冷却システム中に流す液体冷却方式を採用することである。しかしながら、冷却液体は交直変換バルブの冷却システムと導電ロッドとの間を流れる必要があるため、流れる間に冷却液体が高電圧ブッシング01の内部及び交直変換バルブのバルブホールに漏れるリスクがあり、安全上の懸念が大きい。
【0058】
本開示の幾つかの実施例は、
図1に示すように、導電ロッド1と空冷装置010を含む高電圧ブッシング01を提供し、導電ロッド1内には、風路1001が設けられ、風路1001は、給気口111及び排気口121を含む。空冷装置010は、空気流を出力することにより、前記空気流を給気口111を介して風路1001内に吹き込むように構成される少なくとも1つのファン42を含む。
【0059】
ファン42の吹出口から吹き出された空気流は、給気口111を介して風路1001内に吹き込むことができ、空気流が導電ロッド1内で対流現象を起こし、導電ロッド1内部の熱を外に持ち出すことができ、これにより、高電圧ブッシング01の温度を下げることができ、高電圧ブッシング01の過高温による絶縁破壊の状況を防止することができる。
【0060】
本開示の幾つかの実施例の高電圧ブッシング01によれば、ファン42を介して外部の空気流を導電ロッド1内部の風路1001に吹き込むことができ、空気対流原理を利用して高電圧ブッシング01の温度を下げ、高電圧ブッシング01の本来の寸法を維持し、及び冷媒の漏れを回避することを前提に、高電圧ブッシング01の効率的な放熱を実現する。
【0061】
空冷装置010の正常な動作を保証するために、幾つかの実施例では、空冷装置010は複数のファン42を含む。ファン42は、誘引式でもよいし、送風式でもよい。
【0062】
空冷装置010は、例えば、
図1に示すように、2つのファン42を含む。
【0063】
例えば、2つのファン42を同時に動作させてもよい。これにより、給気量を増大させて導電ロッド1の冷却効率を向上させることができる。また例えば、2つのファン42のうち、一方が動作し、他方が予備ファンとして機能してもよい。動作状態中のファン42が故障した場合、他方のファン42が動作し始める。2つのファン42の動作方法は、実際の必要に応じて適宜選択することができる。
【0064】
無論、空冷装置010は、1つのファン42を含んでもよい。
【0065】
高圧送電システム100は、各ファン42に電力を供給するために、給電装置をさらに含んでもよい。上記給電装置は複数の種類があってもよい。例えば、家庭用の110V~220Vの交流電力の給電装置を用いて各ファン42に電力を供給してもよく、あるいは、各ファン42内に設けられた蓄電池を用いてファン42に電力を供給してもよい。各ファン42への長期的な給電をより便利で効率的に行うために、上記給電装置は高電位用エネルギー取得装置を含む。高電位用エネルギー取得装置は、高圧母線02から電気エネルギーを取得し、電気エネルギーを信頼性の高い低電圧電気に変換し、ファン42に電力を供給するように構成されている。
【0066】
例えば、高電位用エネルギー取得装置は、電磁コイルによるエネルギー取得、又は、キャパシタによる電力取得で、ファン42に電力を供給してもよい。
【0067】
なお、上記高電位用エネルギー取得装置で得られる電気エネルギーは、ファン42の異なる電力消費需要を満たすように、交流電力でもよいし、直流電力でもよい。
【0068】
図16には、電磁誘導原理を利用してエネルギーを取得する高電位用エネルギー取得装置(即ち、誘導式エネルギー取得装置)10を示す。誘導式エネルギー取得装置10は、変流器8と給電回路9を含む。変流器8は、高圧母線02の外周に設けられ、電磁誘導により低圧の交流電力を発生させる。給電回路9は、変流器8によって生成された電気エネルギーを一定の低圧直流電力に変換するように構成されている。こうして、高圧母線02において電磁誘導原理を利用してその場でエネルギーを取得し、ファン42に電力を供給することができる。
【0069】
変流器8は、電磁誘導原理により、高圧母線02の外周に電圧を誘起する。変流器8によって誘起された電圧は、ファン42等の負荷に直接供給することができないため、誘導式エネルギー取得装置10は給電回路9をさらに備える。変流器8によって取得された電気エネルギーは給電回路9を介して処理され、最終的にファン42に適した、安定した直流電力を得て、ファン42に電力を供給する。
【0070】
幾つかの実施例において、
図16に示すように、変流器8は、磁気コア81と、1つ以上の金属コイル82を含む。磁気コア81は、略筒状構造で高圧母線02の外壁を取り囲んでおり、金属コイル82が磁気コア81の表面に巻回されている。これにより、高圧母線02の位置に電磁誘導原理で電圧を誘起することができる。
【0071】
例示的には、磁気コア81は1つ以上のエアギャップ811を有する。エアギャップ811は、磁気コア81の軸に略平行な方向に延びてよく、長さは磁気コア81の軸方向の長さに略等しい。磁気コア81の材料は、軟磁性材料であってよい。
【0072】
幾つかの実施例において、
図16に示すように、誘導式エネルギー取得装置10はシールドケース08をさらに含み、電流変成器8及び給電回路9はシールドケース08の内部に配置される。シールドケース08により電磁放射をシールドすることができ、これにより、外部環境が変流器8や給電回路9の動作に影響を与えることを防止することができる。
【0073】
幾つかの実施例において、
図17に示すように、給電回路9は、1次交流母線91、2次直流母線92、電気エネルギー変換回路90を含む。電気エネルギー変換回路90は、1次交流母線91及び2次直流母線92に並列に接続されている。
【0074】
変流器8の金属コイル82は、給電回路9の1次交流母線91に並列に接続されている。変流器8により高圧母線02の電気エネルギーを取得し、そして電気エネルギーは1次交流母線91に集められ、後続の電気エネルギー変換回路90は1次交流母線91から電力を取得する。変流器8で得られた電気エネルギーを、電気エネルギー変換回路90により変換した後、電圧が安定した低圧直流電力を取得し、その低圧直流電力を2次直流母線92に集めて、ファン42に電力を供給する。
【0075】
図17に示すように、電気エネルギー変換回路90は、整流平滑回路95と直流電圧安定化回路96を含み、整流平滑回路95により低電圧直流電力を取得し、直流電圧安定化回路96により低電圧直流電力を安定で調整可能な低電圧直流電力に変換することができる。
【0076】
整流平滑回路95は、トランス、主流主回路、フィルタ等を含む回路を用いてもよい。直流電圧安定化回路96は、非制御整流回路を用いて、交流電力を直流電力に変換し、そして、直流降圧回路を介して直流電圧安定を行い、直流電力を安定で調節可能な直流電力にしてよい。その調節範囲は、20V~58V(例えば、20V、30V、40V、50V、58V)である。その後、直流電力は2次直流母線92に集められてファン42に電力を供給する。
【0077】
幾つかの実施例において、
図17に示すように、電気エネルギー変換回路90は、後続の電源回路及びチップを保護するように構成されたフロントエンドサージ保護用分岐回路93をさらに含む。例えば、フロントエンドサージ保護用分岐回路93は、バイポーラ過渡電圧抑制ダイオードを採用し得る。
【0078】
幾つかの実施例において、
図17に示すように、フロントエンドサージ保護用分岐回路93と整流平滑回路95との間には、共振回路94が並列に接続されており、共振回路94により、金属コイル82の自己インダクタンスの影響を低減し、二次側の出力電圧を向上させることができる。例えば、共振回路94は、共振キャパシタを含んでもよい。
【0079】
誘導式エネルギー取得装置10の正常な動作を保証するために、
図17に示すように、給電回路9は、2つの電気エネルギー変換回路90を含む。1次交流母線91及び2次直流母線92には、いずれもスイッチ97が設けられている。
【0080】
この場合、給電回路9は、2つの動作モードを含む。
【0081】
第1の動作モードでは、1次交流母線91と2次直流母線92上のスイッチ97がすべてオンされ、一方の電気エネルギー変換回路90が故障した場合、対応する金属コイル82で得られたエネルギーが他方の電気エネルギー変換回路90に分配される。
【0082】
第2の動作モードでは、1次交流母線91と2次直流母線92上のスイッチ97がすべてオフされ、各々の金属コイル82は1つの電気エネルギー変換回路90に接続し、1つのファン42に対応し、2つの独立した動作回路を形成する。2つの独立した動作回路のうち、一方が正常に動作している時は、他方が予備回路として機能し、動作している回路に故障が発生した場合、他方の回路を起動して動作を継続させ、回路の正常な動作を保証する。
【0083】
以上の給電装置に基づいて、ファン42の制御方法は、以下の例示のように行うことができる。
【0084】
第1の制御方法では、給電装置は、予め設定された電力で電気エネルギーを出力する。ファン42は給電装置の制御下で動作し、高電圧ブッシング01がセンサ5及びコントローラ6を含まない場合、給電装置は、3つの異なる電力で電気エネルギーを出力する。例えば、給電装置は、0電力、A電力、B電力で電気エネルギーをそれぞれ出力してもよく、A及びBは、ある電力の数値を示し、実際の状況に応じて設定することができる。異なる供給電力は、異なるファンの転数に対応する。
【0085】
第2の制御方法では、需要に応じて給電装置の出力電力を調整する。例えば、高電圧ブッシング01がセンサ5(例えば、導電ロッド1の給気口111、排気口121、及び典型的な位置(例えば、中央位置)に設けられた複数の第3温度センサ53、並びに、通気管路3に設けられた風圧センサ55)及びコントローラ6を含む場合、コントローラ6は、センサ5からフィードバックされた情報を受信した後、ファン42が適切な速度で動作できるように、給電装置を制御して適切な電力で電気エネルギーを出力する。
【0086】
第3の制御方法では、給電装置から一定の電圧を出力し、コントローラ6によってファン42の速度を直接制御する。この制御方法では、給電装置から一定の電圧を出力し、コントローラ6は、センサ5からフィードバックされた情報に基づいてファン42の速度を直接制御し、リアルタイムで調節を行う。この制御方法では、センサ5の設置方式は、上述した第2の制御方法の設置方式と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0087】
幾つかの実施例において、高電圧ブッシング01が高圧送電システム100に適用される場合、
図11に示すように、高電圧ブッシング01は、導電ロッド1の外側に配置された絶縁スリーブ011をさらに含み、絶縁スリーブ011は、絶縁効果を奏することができる。
【0088】
高圧送電システム100の動作中に、導電ロッド1の内部では熱が発生し続け、また、導電ロッド1の外側に位置する絶縁スリーブ011は、放熱が効果的に行われないことを招く。高電圧ブッシング01が効果的に放熱できないと、高電圧ブッシング01の温度が上昇し、高電圧ブッシング01の絶縁破壊を引き起こす場合がある。本開示の実施例において、空冷装置010のファン42は、ファン42の吹出口から吹き出された空気流を導電ロッド1内部の風路1001内に吹き込むことができるので、空気の対流により高電圧ブッシング01を冷却することができる。こうして、高電圧ブッシング01の本来の寸法を維持し、冷媒媒体の漏れを回避することを前提に、高電圧ブッシング01の効率的な放熱を実現し得る。
【0089】
また、導電ロッド1は、導電性に優れた金属材料、例えば銅やアルミニウムを用いてもよい。アルミニウムを用いて導電ロッド1を製作することは、高電圧ブッシング01の全体重量を大幅に軽減することができる。
【0090】
また、絶縁スリーブ011と導電ロッド1との間には隙間があるため、放電現象が発生するおそれがある。良好な絶縁性能を維持するために、導電ロッド1と絶縁スリーブ011との間に絶縁体を設けてもよい。
【0091】
例えば、前記絶縁体はキャパシタ芯体であってもよく、前記キャパシタ芯体は、主に金属ライナーと、該金属ライナーの外周に被覆されたエポキシ樹脂含浸紙絶縁構造とを含む。
【0092】
空冷装置010におけるファン42は、第2均圧ボール032内に設けられてもよいし、導電ロッド1の第1端側に設けられてもよい(例えば、ファン42は第1均圧ボール031内に設けられ、又は第1均圧ボール031の導電ロッド1の第1端に近接する側に設けられる)。
【0093】
ファン42が第2均圧ボール032内に設けられる場合、第2均圧ボール032の寸法は比較的大きい。例えば、第2均圧ボール032の寸法は、第1均圧ボール031の寸法よりも大きくてもよい。
【0094】
幾つかの実施例において、
図1及び
図2、又は
図11及び
図12に示すように、空冷装置010は、給気管路31を含み得る通気管路3をさらに備える。ファン42の吹出口は給気管路31の入口に連通し、給気管路31の出口は給気口111に連通する。給気管路31は、ファン42から吹き出された空気流を導電ロッド1の風路1001内に導くように構成される。
【0095】
ファン42が第2均圧ボール032内に設けられる場合、例示的には、
図11及び
図12に示すように、給気管路31は、主通路311と、主通路311に連通する少なくとも1つの分岐312とを含む。主通路311は、高圧母線02内に位置し、高圧母線02の軸方向に沿って延びる。高圧母線02が第2均圧ボール032内に位置する部分は貫通孔023を有し、通気管路3の各分岐312は、いずれも対応する一つの貫通孔023を貫通して高圧母線02の外側まで延び、第2均圧ボール032内に位置する一つのファン42に接続される。こうして、ファンによる外部への電磁界の影響を防止することができる。
【0096】
なお、空冷装置010が複数のファン42を含む場合、高圧母線02上の貫通孔023がずれるように複数の貫通孔023を高圧母線02の異なる位置に設けてもよく、こうして貫通孔023の高圧母線02の電流通過に対する影響を低減することができる。
【0097】
例示的には、
図1及び
図2に示すように、通気管路3は、給気管路31と排気管路32を含む。ファン42の吹出口は給気管路31の入口に連通し、給気管路31の出口は給気口111に連通し、排気管路32は、排気口121に連通する。
【0098】
空冷装置010が複数のファン42を含む場合、複数のファン42の吹出口は、同一の通気管路3に対応してもよい。
【0099】
なお、給気管路31と給気口111との間、排気管路32と排気口121との間は、溶接又は螺合により連結されてもよい。通気管路3は、軽金属部品又はプラスチック部品であってもよい。
【0100】
通気管路3は、導電ロッド1内に流入する空気流(例えば、冷気流)及び導電ロッド1内から吹き出された空気流(例えば、熱気流)を導くことができる。給気管路31は給気口111に接続され、ファン42の吹出口から吹き出された空気流は、給気管路31を通って給気口111に吹き込むことができ、風路1001内で導電ロッド1の内部を冷却して温度を下げた後、排気口121を経て排気管路32から吹き出される。
【0101】
幾つかの実施例において、
図2に示すように、給気管路31の第1端は給気口111に接続され、排気管路32の第1端は排気口121に接続される。給気管路31の第2端は、導電ロッド1の第1端から所定の距離(例えば、
図2の距離L1)に位置し、排気管路32の第2端は、導電ロッド1の第1端に位置する。例示的には、給気管路31の第2端は導電ロッド1の第1端から一定の距離L1を有し、排気管路32の第2端は排気口121の付近に位置する。
【0102】
幾つかの実施例において、
図3に示すように、給気管路31の第1端は給気口111に接続され、給気管路31の第2端は、導電ロッド1の第1端に位置する。例えば、給気管路31の第2端は導電ロッド1の第1端と略面一である。排気管路32の第1端は排気口121に接続される。排気管路32の第2端は、導電ロッド1の第1端から所定の距離(例えば、
図3の距離L2)に位置する。
図3の給気管路31の長さは、
図2の給気管路31の長さよりも短く、
図3の排気管路32の長さは
図2の排気管路32の長さよりも長い。
【0103】
幾つかの実施例において、
図4に示すように、給気管路31の第1端は給気口111に接続され、排気管路32の第1端は排気口121に接続される。給気管路31の第2端と排気管路32の第2端は、いずれも導電ロッド1の第1端から所定の距離離れた位置に位置し、且つ給気管路31の第2端は、排気管路32の第2端から所定の距離離れた位置に位置する。
図4の給気管路31の長さは、
図2の給気管路31の長さと略同じ、かつ
図3の給気管路31の長さよりも長く、
図4の排気管路32の長さは、
図3の排気管路32の長さと略同じ、かつ
図2の排気管路32の長さよりも長い。
【0104】
なお、上記の所定の距離及び予め設定された距離は、通常1m以上である。例えば、給気管路31の第2端と排気管路32の第2端との間の予め設定された距離は、1m以上(例えば、1m、1.5m、2m、2.5m、3mなど)である。こうして、熱気流の逆流を回避することができる。
【0105】
ファン42の吹出口から吹き出された空気流は、給気管路31の第2端及び第1端を順に通過して給気口111に吹き込まれ、そして排気管路32の第1端と第2端とから順に吹き出される。こうして、実際の必要に応じてファン42の取付位置(例えば、ファン42を給気管路31内に取り付ける等)を選択するのに便利であり、これにより、高電圧ブッシング01の放熱を行う。また、給気管路31の第2端と排気管路32の第2端とが異なる位置に設けられているので、排気管路32から吹き出された空気流が再度給気管路31から導電ロッド1内に吹き込まれることがなく、熱気流の逆流を有効的に防止することができる。
【0106】
幾つかの実施例において、空冷装置010は、通気管路3を備えなくてもよい。この場合、ファン42を給気口111に設けてもよく、ファン42の吹出口から吹き出される空気流が給気口111を通って風路1001内に直接吹き込まれる。
【0107】
ファン42を適切な位置に取り付けるのを容易にするために、通気管路3の給気管路31を利用して給気口111に接続することを選択することができる。
【0108】
空気流を濾過するために、幾つかの実施例において、
図1に示すように、空冷装置010は、給気口111に設けられ、風路1001内に流入する空気流を濾過するフィルタ0101をさらに含む。例えば、フィルタ0101は、給気管路31に設けられる。フィルタ0101は、空気流中の不純物を濾過するように構成され、空気流中の不純物が導電ロッド1の内部に堆積することによって、空気流の対流効果が影響を受けることを防止する。
【0109】
幾つかの実施例において、
図12に示すように、空冷装置010は、集風カバー41をさらに備え、各々のファン42は、対応する1つの集風カバー41内に設けられ、集風カバー41は、開口411を有し、開口411の方向は、集風カバー41の重力方向に向っている。例えば、集風カバー41は、頂部が閉じ、底部が開いた形状に構成され、開口411は、集風カバー41の底部に位置する。
【0110】
集風カバー41の開口411は、外部空気流が開口411から集風カバー41に入るように外部空気流を集めることができる。集風カバー41内のファン42は、外部の空気流を給気管路31内に吹き込んで、空気流で導電ロッド1を冷却し、これにより高電圧ブッシング01の過高温による絶縁破壊を防止する。
【0111】
ファン42が第2均圧ボール032内に設けられている場合、高圧母線02の第2端022は第2均圧ボール032内で交直変換バルブ等の設備に接続されているため、接続点で接触抵抗の存在により若干の熱が生じ、第2均圧ボール032の上部の空気流温度が環境温度よりも高くなる。集風カバー41を設け、かつ集風カバー41の開口411の方向を下向きにすることにより、第2均圧ボール032の上部の空気流が開口411を介して集風カバー41内に入りにくくなり、集風カバー41内の温度が外界環境の温度に近くなり、高電圧ブッシング01の冷却効果を向上させるのに有利である。
【0112】
勿論、幾つかの実施例において、空冷装置010は集風カバー41を備えなく、空冷装置010のファン42が外部空気流を給気管路31に直接吹き込んでもよい。
【0113】
幾つかの実施例において、
図12に示すように、空冷装置010は、給気管路31の入口に設けられる逆止弁43をさらに含み、逆止弁43は、ファン42から吹き出された空気流が給気管路31内に吹き込むことを許容し、且つ、給気管路31内の空気流がファン42に逆流することを阻止するように構成される。こうして、給気管路31の入口では、空気流が給気管路31内に吹き込むことのみを許容し、給気管路31内の空気流がファン42に逆流することができず、これにより、空気流の逆流を効果的に防止することができる。幾つかの実施例において、
図12に示すように、ファン42は、ファンケース421と、ファンケース421の内部に位置するファンブレード422とを含む。空冷装置010が集風カバー41を含む場合、ファンケース421は、集風カバー41に固定接続される。例えば、ファンケース421と集風カバー41とは、固定部423を介して固定される。固定部423は、係止構造であってもよい。又は、固定部423は、集風カバー41と、ファンケース421とにそれぞれ溶接によって接続される。ここで、固定部423は、ファンケース421と集風カバー41とを固定できるものであれば、特に限定されない。
【0114】
幾つかの実施例において、
図13に示すように、高圧送電システム100はフランジ012をさらに備え、フランジ012は高電圧ブッシング01の導電ロッド1の第1端に配置され、空冷装置010のファン42は、フランジ012の導電ロッド1から離れた側に配置される。ファン42が接続された給気管路31は、導電ロッド1の風路1001の給気口111に直接接続されている。これにより、給気管路31の接続や設置は比較的簡単になり、比較的便利に取り付けることができる。
【0115】
幾つかの実施例において、
図14に示すように、高圧送電システム100は、高電圧ブッシング01の導電ロッド1の第1端側に配置された複数の均圧リング07をさらに含む。この場合、空冷装置010中のファン42は、隣接する2つの均圧リング07の間に配置されてもよい。複数の均圧リング07を設けることにより、高電圧ブッシング01の端部を均圧することができ、高電圧ブッシング01の端部の各位置間を等電圧にすることができる。
【0116】
幾つかの実施例において、
図15に示すように、高圧送電システム100は、高電圧ブッシング01の導電ロッド1の第1端側に配置された均圧カバー09をさらに含む。均圧カバー09は電界を均一化する役割を果たすことができる。空冷装置010のファン42は、均圧カバー09内に位置し、この場合、均圧カバー09は高電圧ブッシング01と金具05(又は第1均圧ボール031)との間に位置する。
【0117】
幾つかの実施例において、
図1に示すように、空冷装置010は、少なくとも1つのセンサ5とコントローラ6をさらに含む。少なくとも1つのセンサ5は、ファン42によって出力された空気流の圧力、ファン42の軸受温度、導電ロッド1の温度、及び前記空気流の温度のうちの少なくとも1つを検出するように構成される。コントローラ6は、検出されたファン42が出力する空気流の圧力、ファン42の軸受温度、導電ロッド1の温度、及び前記空気流の温度の少なくとも1つに応じて、ファン42の動作状態を制御するように構成される。
【0118】
図1に示すように、センサ5によって検出された情報は、コントローラ6に送信され、コントローラ6は、関連情報を受信した後、異なる速度で動作するようにファン42を制御し得る。これにより、コントローラ6は、センサ5によって送信された情報に従って、適切な速度でファン42を動作させることができる。こうして、ファン42の速度が高過ぎることによるエネルギーの浪費が生じにくくなり、高電圧ブッシング01の温度も高くなり過ぎることがなくなり、高電圧ブッシング01の温度を適切な範囲に保持するのに有利である。
【0119】
ファン42を用いて導電ロッド1を冷却する場合、導電ロッド1の温度の変化状況を把握する必要がある。
図2に示すように、センサ5を用いて導電ロッド1の温度を検出してもよい。導電ロッド1の温度及び冷却効果をより十分に理解するために、導電ロッド1の異なる位置の温度を検出することによって実現してもよい。例えば、導電ロッド1に流入する前の空気流の給気温度と、導電ロッド1から流出した空気流の排気温度を検出し、前記給気温度と前記排気温度との間の温度差を算出することで導電ロッド1の冷却効果を把握してもよい。
【0120】
幾つかの実施例において、
図1~4に示すように、センサ5は、第1温度センサ51、第2温度センサ52、及び少なくとも1つの第3温度センサ53を含み得る。
【0121】
第1温度センサ51は、給気口111に位置する。第1温度センサ51は、風路1001内に吹き込む空気流の温度を検出するように構成される。
図2、
図3及び
図4に示すように、給気口111に給気管路31が接続されているので、第1温度センサ51は、給気管路31中に設けられてもよい。
【0122】
第2温度センサ52は、排気口121に位置する。第2温度センサ52は、風路1001内から流出した空気流の温度を検出するように構成される。
図2、
図3及び
図4に示すように、排気口121に排気管路32が接続されているので、第2温度センサ52は、排気口121に接続された排気管路32に設けられてもよい。
【0123】
勿論、空冷装置010が給気管路31と排気管路32を備えていない場合、風路1001に流入・流出する空気流の温度を検出するために、第1温度センサ51と第2温度センサ52を他の位置に設けてもよい。
【0124】
高電圧ブッシング01中の導電ロッド1は絶縁スリーブ011の内側に位置し、導電ロッド1の軸方向の中央位置は絶縁スリーブ011の中心領域に位置し、当該中央位置付近の熱は放熱しにくいため、導電ロッド1の軸方向の中央位置付近の放熱効果は比較的低い。
【0125】
これに基づいて、少なくとも1つの第3温度センサ53が1つの第3温度センサ53を含む場合、当該1つの第3温度センサ53は、導電ロッド1の外壁の軸方向に沿う中央部に設けられてもよく、当該1つの第3温度センサ53は、導電ロッド1の温度を検出するように構成される。
【0126】
導電ロッド1の外壁の各位置の温度をより正確に検出するために、幾つかの実施例において、少なくとも1つの第3温度センサ53は、複数の第3温度センサ53を含む。
【0127】
図1に示すように、複数の第3温度センサ53は、導電ロッド1の外壁に設けられ、且つ導電ロッド1の軸方向に沿って間隔をあけて配置される。例えば、
図1では、導電ロッド1に3つの第3温度センサ53が設けられており、3つの第3温度センサ53は、導電ロッド1の軸方向において間隔をあけて設けられる。こうして、導電ロッド1内の異なる位置での温度状況を容易に把握することができ、導電ロッド1の局所的な温度が高すぎる状況を適時に発見することができる。
【0128】
なお、上記の第3温度センサ53の設置位置及び設置数に対する記載は、例示的なものであって、本発明を限定するものではなく、実際の応用において、必要に応じて導電ロッド1の異なる位置に異なる数の第3温度センサ53を設置してもよい。
【0129】
また、ファン42の軸受温度を検出するために、
図13に示すように、少なくとも1つのセンサ5は第4温度センサ54をさらに含んでもよい。第4温度センサ54は、ファン42の軸受位置に位置し、ファン42の軸受温度を検出してファン42の動作状況を把握するように構成される。
【0130】
高電圧ブッシング01が交直変換変圧器に適用される場合、高圧送電システム100は、第5温度センサをさらに含んでもよい。上記第5温度センサは、交直変換変圧器のフランジベースの内部油温を検出するように構成され、導電ロッド1の外壁に配置された上述の少なくとも1つの第3温度センサ53と組み合わせることにより、導電ロッド1と交直変換変圧器のフランジベースとの間の温度差を算出することができる。
【0131】
こうして、高電圧ブッシング01の温度を40℃~100℃の範囲内(例えば、40℃、50℃、65℃、80℃、90℃等)に、高電圧ブッシング01の導電ロッド1の温度と交直変換変圧器のフランジベースの内部油温との間の温度差を40℃以内(例えば、15℃、20℃、25℃、30℃又は35℃等)に保証することができる。
【0132】
幾つかの実施例において、
図1に示すように、少なくとも1つのセンサ5は、給気管路31内に位置する風圧センサ55をさらに含む。空冷装置010がフィルタ0101を含む場合、フィルタ0101に目詰まりが発生したか否かは風圧センサ55によって検出され得る。風圧センサ55は、給気管路31内の空気流の圧力を検出するように構成される。空冷装置010がフィルタ0101を含む場合、フィルタ0101に目詰まりが発生したか否かは、風圧センサ55からフィードバックされた情報に基づいて判断することができる。
【0133】
幾つかの実施例において、
図1-5に示すように、風路1001は、給気風路11及び排気風路12を含む。給気風路11の第1端及び排気風路12の第1端は、いずれも導電ロッド1の第1端に位置し、給気口111は給気風路11の第1端に位置し、排気口121は排気風路12の第1端に位置し、給気風路11の第2端と排気風路12の第2端とは、導電ロッド1内の導電ロッド1の第2端に隣接する位置で連通する。例えば、上記第1端は
図5の左端で図示され、上記第2端は
図5の右端で図示される。
【0134】
導電ロッド1の内部をより良好に冷却するために、風路1001は、給気風路11及び排気風路12を含み、外部の空気流が給気口111から給気風路11に流入した後、導電ロッド1の第2端に近い位置で排気風路12に流入し;熱交換後の空気流(例えば熱気流)は、排気風路12を介して排気口121から吹き出される。給気風路11と排気風路12とが別々に設けられているため、空気流と風路1001との熱交換を十分に行うことができ、熱交換効率を向上させるのに有利である。
【0135】
幾つかの実施例において、
図5に示すように、導電ロッド1は、給気風路11と排気風路とを連通させるように構成される複数の分岐通路21をさらに有する。給気風路11内の空気流は複数の分岐通路21を通って排気風路12に直接に流入することができる。こうして、複数の分岐通路21により、空気流の逆流を乱し、乱流を増加させ、熱交換の効果を向上させることができる。
【0136】
また、複数の分岐通路21により、導電ロッド1の幾つかの部分を必要に応じて直接冷却することもできる。
【0137】
幾つかの実施例において、導電ロッド1の内部の風路1001を区画するために、
図5、
図6、
図7に示すように、導電ロッド1は、中空の導電ロッド本体1002と、導電ロッド本体1002内に設けられ且つ導電ロッド本体1002の軸方向に沿って延びる空冷管2とを含む。空冷管2の内部空間は給気風路11を形成し、空冷管2の外壁と導電ロッド本体1002の内壁との間の空間は排気風路12を形成する。
【0138】
空冷管2の第1端は、導電ロッド本体1の第1端と略面一であり(
図5参照)、又は、空冷管2の第1端は、導電ロッド本体1の第1端の外側まで延びる(
図6及び
図7参照)。空冷管2の第2端は、給気風路11と排気風路12とを連通させるように、導電ロッド1の第2端の内側から所定の距離(例えば
図5の距離L3)だけ離間する。これにより、空冷装置010のファン42から吹き出された空気流は、給気管路31を通って空冷管2内に流入し、空冷管2の外壁と導電ロッド1の内壁との間に位置する排気風路12から流出し、空気流と導電ロッド1とが全方向に熱交換を行うことができ、導電ロッド1の全体の冷却効果を向上させるのに有利である。
【0139】
空冷管2が導電ロッド1の内部に取り付けられるため、空冷管2の固定を実現するために、
図5に示すように、導電ロッド1は、排気風路12内に設けられる少なくとも1つの支持部72をさらに含み、少なくとも一つの支持部72は空冷管2の外壁と導電ロッド本体1002の内壁との間に係止される。
【0140】
例えば、支持部72は絶縁材料で形成し、各々の支持部72の一側の表面は空冷管2の外壁に突き当て、支持部72の他側の対向する表面は導電ロッド本体1002の内壁に突き当てるようにしてもよい。こうして、支持部72は、空冷管2の外壁と導電ロッド本体1002の内壁との間に比較的強固に係止され、空冷管2と導電ロッド本体1002とを略同軸にし、両者の間の間隙を比較的安定に保持するのに有利である。また、支持部72はさらに電流から絶縁・遮断し、衝撃を吸収するという一定の役割を果たすことができる。
【0141】
図5に示すように、空気流をスムーズに通過させるために、各々の支持部72は流通口721を有し、流通口721は、導電ロッド本体1002の軸方向に略沿って支持部72を貫通し、空気流をスムーズに流すように構成される。
【0142】
幾つかの実施例において、
図6に示すように、導電ロッド1は、空冷管2の外壁に設けられるガイドフィン22をさらに含み、ガイドフィン22は、排気風路12に吹き込まれた空気流を排気口121の方向に向かってガイドするように構成される。このように、排気風路12内に吹き込まれた空気流をガイドフィン22によってガイドすることにより、異なる風速及び風向の空気流を得ることができ、導電ロッド1の異なる部分に対する冷却効果を向上させるのに有利である。
【0143】
なお、ガイドフィン22は、溶接によって空冷管2の外壁に取り付けることができる。
【0144】
幾つかの実施例において、
図7に示すように、空冷管2の軸方向に沿って、空冷管2の外径の寸法は完全に同一でない。空冷管2の外径の寸法の違いにより、空冷管2の軸方向に沿って、空冷管2の外壁と導電ロッド本体1002の内壁との隙間の大きさも異なり、空気流が排気口121に向かって流れる過程で空気流の方向も変化することになる。こうして、異なる風速及び風向の空気流を得ることもでき、導電ロッド1の異なる部分に対する異なる冷却を実現する。
【0145】
幾つかの実施例において、導電ロッド1の内部の風路1001を区画するために、
図10に示すように、導電ロッド1は、中空の導電ロッド本体1002と、導電ロッド本体1002内に設けられ且つ導電ロッド本体1002の軸方向に沿って延びる仕切板04とを含む。仕切板04は、導電ロッド本体1002の内部空間を、仕切板04の厚さ方向に沿って給気風路11と排気風路12とに仕切っている。
図10の導電ロッド本体の上半部の内壁と仕切板04の上面との間に給気風路11が画定され、導電ロッド本体の下半部の内壁と仕切板04の下面との間に排気風路12が画定される。
【0146】
仕切板04の第1端は、導電ロッド1の第1端と略面一であり、又は、仕切板04の第1端は、導電ロッド1の第1端の外側まで延びる。仕切板04の第2端は、給気風路11と排気風路12とを連通させるように、導電ロッド1の第2端の内側から所定の距離(例えば
図10のL4)だけ離間する。
【0147】
例えば、
図10に示すように、仕切板04は、導電ロッド本体1002の中央位置に位置する。導電ロッド本体の上半部の給気風路11から流入した空気流は、導電ロッド1と熱交換した後、導電ロッド本体の下半部の排気風路12から流出する。
図10の矢印は、空気流の流れ方向を示す。
【0148】
なお、
図10における仕切板04を導電ロッド本体1002に固定するために、導電ロッド本体1002内部の対応する位置に固定構造を設けてもよい。例えば、導電ロッド本体1002に凹溝を設け、対応する凹溝に仕切板04を設けてもよい。
【0149】
幾つかの実施例において、導電ロッド1内の風路1001を区画するために、
図8及び
図9に示すように、導電ロッド1内に複数の貫通孔101が設けられており、複数の貫通孔101は、導電ロッド1の軸方向に略沿って延びており、且つ複数の貫通孔101は、導電ロッド1の第2端の内側で互いに連通しており;複数の貫通孔101のうちの一部分は給気風路11を形成し、且つ複数の貫通孔101のうちの他部分は排気風路12を形成する。
【0150】
複数の貫通孔101の径は、同一であってもよいし、異なっていてもよく、例えば、中央位置に位置する貫通孔101の径が、周辺位置に位置する貫通孔101の径よりも大きくてもよい(
図9参照)。
【0151】
図8及び
図9に示すように、一体的に形成された導電ロッド1はハニカム構造を有する。例示的には、複数の貫通孔101のうち、中央位置に位置する貫通孔101は給気風路11を形成し、導電ロッド1の辺縁位置に位置する貫通孔101は排気風路12を形成する。
【0152】
図8に示すように、給気風路11は、導電ロッド1の第1端で給気口111と連通する。排気口121は、導電ロッド1の軸方向に垂直な方向に沿って、導電ロッド1の外壁と排気風路12との間に位置し、排気口121は、導電ロッド1の第1端に隣接して設けられる。空冷装置010は、キャップ71をさらに備え、キャップ71は、導電ロッド1の第1端に位置し、キャップ71は、排気口121から空気流が流出できるように、複数の貫通孔101のうちの排気風路12として機能する貫通孔101を塞ぐように構成される。
【0153】
上記は本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、いかなる当業者であれば本開示の技術的範囲内で容易に想到できる変更又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の権利範囲を準拠するものとする。
【0154】
本開示に係る開示の範囲は、上記の技術的特徴の特定の組み合わせによるものに限定されず、開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記の技術的特徴又はその均等物の任意の組み合わせによる他の技術的特徴も包含することは、当業者に理解されべきである。例えば、上記の特徴は、幾つかの実施例に開示される(ただし、これらに限定されない)のと同様の機能を有する技術的特徴と互いに置き換えることによって形成される技術案である。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に風路を有する導電ロッドであって、前記風路は給気口及び排気口を含む、導電ロッドと、
空気流を出力することにより、前記空気流を前記給気口を介して前記風路内に吹き込むように構成される少なくとも1つのファンを含む、空冷装置と、
を備える、
高電圧ブッシング。
【請求項2】
前記空冷装置は、さらに、
前記ファンによって出力された空気流の圧力、前記ファンの軸受温度、前記導電ロッドの温度、及び前記空気流の温度のうちの少なくとも1つを検出するように構成される少なくとも1つのセンサと、
検出された前記ファンによって出力された空気流の圧力、
検出された前記ファンの軸受温度、
検出された前記導電ロッドの温度、及び
検出された前記空気流の温度のうちの少なくとも1つに応じて、前記ファンの動作状態を制御するように構成されるコントローラとを含む、
請求項1に記載の高電圧ブッシング。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記給気口に位置し、前記風路に吹き込む前の空気流の温度を検出するように構成される第1温度センサ、
前記排気口に位置し、前記風路内から流出した空気流の温度を検出するように構成される第2温度センサ、
前記導電ロッドの外壁に位置する少なくとも1つの第3温度センサであって、各々が前記導電ロッドの温度を検出するように構成される、少なくとも1つの第3温度センサ、及び
前記ファンの軸受
上に位置し、前記ファンの軸受温度を検出するように構成される第4温度センサ、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の高電圧ブッシング。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第3温度センサは、1つの第3温度センサを含み、且つ前記1つの第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁の
前記導電ロッドの軸方向に沿う中央部に設けられ、又は、
前記少なくとも1つの第3温度センサは、複数の第3温度センサを含み、且つ前記複数の第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁に設けられ、且つ前記導電ロッドの軸方向に沿って間隔をあけて配置され、又は、
前記空冷装置は、給気管路を有する通気管路をさらに含み、前記給気管路の入口が前記ファンの吹出口に連通し、前記給気管路の出口が前記風路の前記給気口に連通し、前記少なくとも1つのセンサは、前記給気管路内の空気流圧力を検出するように配置される風圧センサをさらに含む、
請求項3に記載の高電圧ブッシング。
【請求項5】
前記空冷装置は、給気管路を有する通気管路をさらに含み、前記給気管路の入口が前記ファンの吹出口に連通し、前記給気管路の出口が前記風路の前記給気口に連通する、
請求項1に記載の高電圧ブッシング。
【請求項6】
前記空冷装置は、前記給気管路の入口に設けられる逆止弁をさらに含み、前記逆止弁は、前記ファンによって生成される空気流が前記給気管路内に吹き込むことを許容し、且つ、前記給気管路内の空気流が前記ファンに逆流することを阻止するように構成され、及び/又は、
前記通気管路は、前記排気口に連通する排気管路をさらに有する、
請求項5に記載の高電圧ブッシング。
【請求項7】
前記少なくとも1つのファンは、複数のファンを含み、及び/又は
前記空冷装置は、少なくとも1つの集風カバーをさらに含み、各々のファンは、対応する1つの集風カバー内に設けられ、前記集風カバーは、開口を有し、且つ前記開
口は、前記集風カバーの重力方向に
対して垂直であり、及び/又は
前記空冷装置は、前記給気口に設けられ、前記風路内に流入する空気流を濾過するように構成されるフィルタをさらに含む、
請求項1-6のいずれか一項に記載の高電圧ブッシング。
【請求項8】
前記風路は、給気風路及び排気風路を
さらに含み、前記給気風路の第1端及び前記排気風路の第1端が前記導電ロッドの第1端に位置し;前記給気口は、前記給気風路の第1端に位置し、前記排気口は、前記排気風路の第1端に位置し、前記給気風路の第2端と前記排気風路の第2端とは、前記導電ロッドのうちの前記導電ロッドの第2端に隣接する位置で連通する、
請求項1-
6のいずれか一項に記載の高電圧ブッシング。
【請求項9】
前記導電ロッドは、前記給気風路と前記排気風路とを連通させ
る複数の分岐通路をさらに有する、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項10】
前記導電ロッドは、中空の導電ロッド本体と、前記導電ロッド本体内に設けられ且つ前記導電ロッド本体の軸方向に沿って延びる空冷管とを含み;前記空冷管の内部空間は前記給気風路を形成し、前記空冷管の外壁と前記導電ロッド本体の内壁との間の空間は前記排気風路を形成する、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項11】
前記導電ロッドは、前記排気風路内に設けられる少なくとも1つの支持部をさらに含み、前記少なくとも1つの支持部は、前記空冷管の外壁と前記導電ロッド本体の内壁との間に係止される、
請求項10に記載の高電圧ブッシング。
【請求項12】
前記支持部は流通口を有し、前記流通口は、前記導電ロッド本体の軸方向に略沿って前記支持部を貫通する、
請求項11に記載の高電圧ブッシング。
【請求項13】
前記導電ロッドは、前記空冷管の外壁に設けられるガイドフィンをさらに含み、前記ガイドフィンは、前記排気風路に吹き込まれた空気流を前記排気口の方向に向かってガイドするように構成され、又は、
前記空冷管の軸方向に沿って、前記空冷管の外
径は完全に同一でない、
請求項10に記載の高電圧ブッシング。
【請求項14】
前記導電ロッドは、中空の導電ロッド本体と、前記導電ロッド本体内に設けられ且つ前記導電ロッド本体の軸方向に沿って延びる仕切板とを含み;前記仕切板は、前記導電ロッド本体内の空間を、前記仕切板の厚さ方向に沿って前記給気風路と前記排気風路とに仕切る、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項15】
前記導電ロッド内に複数の貫通孔が設けられており、前記複数の貫通孔は、いずれも前記導電ロッドの軸方向に沿って延びており、且つ前記導電ロッドの第2端の内側で互いに連通しており;前記複数の貫通孔のうちの一部分は前記給気風路を形成し、且つ他部分は前記排気風路を形成する、
請求項8に記載の高電圧ブッシング。
【請求項16】
前記複数の貫通孔のうち、前記導電ロッドの中央位置に位置する貫通孔は前記給気風路を形成し、前記導電ロッドの辺縁位置に位置する貫通孔は前記排気風路を形成する、
請求項15に記載の高電圧ブッシング。
【請求項17】
高圧母線と、
請求項
1に記載の高電圧ブッシングであって、前記高電圧ブッシング内の導電ロッドが前記高圧母線に接続される、高電圧ブッシングと、
を備える、
高圧送電システム。
【請求項18】
金具と、
第1均圧ボール及び第2均圧ボールとをさらに備え、
前記高圧母線の第1端は、前記第1均圧ボール内に位置する前記金具を介して前記高電圧ブッシング内の前記導電ロッドの第1端に接続され、前記高圧母線の第2端は、前記第2均圧ボール内に位置する、
請求項17に記載の高圧送電システム。
【請求項19】
前記高圧送電システムは第1均圧ボール及び第2均圧ボールをさらに備え、
前記ファンは、前記第1均圧ボール又は前記第2均圧ボール内に位置し、又は、
前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置する均圧カバーをさらに含み、前記ファンは、前記均圧カバー内に位置し、又は、
前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端の一側に位置する複数の均圧リングをさらに含み、前記ファンは、隣接する2つの均圧リングの間に位置し、又は、
前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置するフランジをさらに含み、前記ファンは、前記フランジの前記導電ロッドから離れた側に設けられる、
請求項17に記載の高圧送電システム。
【請求項20】
高電位用エネルギー取得装置をさらに備え、前記高電位用エネルギー取得装置の出力端は、前記空冷装置に接続され、前記高電位用エネルギー取得装置は、前記高圧母線から電気エネルギーを取得し、前記空冷装置に電力を供給するように構成される、
請求項17-19のいずれか一項に記載の高圧送電システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
幾つかの実施例において、前記空冷装置は、少なくとも1つのセンサとコントローラをさらに含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ファンによって出力された空気流の圧力、前記ファンの軸受温度、前記導電ロッドの温度、及び前記空気流の温度のうちの少なくとも1つを検出するように構成される。前記コントローラは、検出された前記ファンによって出力された空気流の圧力、検出された前記ファンの軸受温度、検出された前記導電ロッドの温度、及び検出された前記空気流の温度のうちの少なくとも1つに応じて、前記ファンの動作状態を制御するように構成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つのセンサは、第1温度センサ、第2温度センサ、少なくとも1つの第3温度センサ、及び第4温度センサのうちの少なくとも1つを含む。前記第1温度センサは、前記給気口に位置し、前記第1温度センサは、前記風路に吹き込む前の空気流の温度を検出するように構成される。前記第2温度センサは、前記排気口に位置し、前記第2温度センサは、前記風路内から流出した空気流の温度を検出するように構成される。前記少なくとも1つの第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁に位置し、各々の前記第3温度センサは、前記導電ロッドの温度を検出するように構成される。前記第4温度センサは、前記ファンの軸受上に位置し、前記第4温度センサは、前記ファンの軸受温度を検出するように構成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つの第3温度センサは、1つの第3温度センサを含み、且つ前記1つの第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁の前記導電ロッドの軸方向に沿う中央部に設けられる。又は、前記少なくとも1つの第3温度センサは、複数の第3温度センサを含み、且つ前記複数の第3温度センサは、前記導電ロッドの外壁に設けられ、且つ前記導電ロッドの軸方向に沿って間隔をあけて配置される。又は、前記空冷装置は、給気管路を有する通気管路をさらに含み、前記給気管路の入口が前記ファンの吹出口に連通し、前記給気管路の出口が前記風路の前記給気口に連通する給気管路;前記少なくとも1つのセンサは、前記給気管路内の空気流圧力を検出するように構成される風圧センサをさらに含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
幾つかの実施例において、前記少なくとも1つのファンは、複数のファンを含む。及び/又は、前記空冷装置は、少なくとも1つの集風カバーをさらに含み、各々のファンは、対応する1つの集風カバー内に設けられ、前記集風カバーは、開口を有し、且つ前記開口は、前記集風カバーの重力方向に対して垂直である。及び/又は、前記空冷装置は、前記給気口に設けられ、前記風路内に流入する空気流を濾過するように構成されるフィルタをさらに含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
幾つかの実施例において、前記風路は給気風路及び排気風路をさらに含み、前記給気風路の第1端及び前記排気風路の第1端が前記導電ロッドの第1端に位置し;前記給気口は、前記給気風路の第1端に位置し、前記排気口は、前記排気風路の第1端に位置し、前記給気風路の第2端及び前記排気風路の第2端は、前記導電ロッドのうちの前記導電ロッドの第2端に隣接する位置で連通する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
幾つかの実施例において、前記導電ロッドは、前記給気風路と前記排気風路とを連通させる複数の分岐通路をさらに有する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
幾つかの実施例において、前記導電ロッドは、前記空冷管の外壁に設けられるガイドフィンをさらに含み、前記ガイドフィンは、前記排気風路に吹き込まれた空気流を前記排気口の方向に向かってガイドするように構成される。又は、前記空冷管の軸方向に沿って、前記空冷管の外径は完全に同一でない。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
幾つかの実施例において、前記高圧送電システムは第1均圧ボール及び第2均圧ボールをさらに備え、前記ファンは、前記第1均圧ボール又は前記第2均圧ボール内に位置する。又は、前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置する均圧カバーをさらに含み、前記ファンは、前記均圧カバー内に位置する。又は、前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端の一側に位置する複数の均圧リングをさらに含み、前記ファンは、隣接する2つの均圧リングの間に位置する。又は、前記高圧送電システムは、前記高電圧ブッシングの第1端に位置するフランジをさらに含み、前記ファンは、前記フランジの前記導電ロッドから離れた側に設けられる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
高圧機器は、長期運転中に高電圧と、大電流と、強い機械的負荷との重畳作用に耐え、内部には高い電気的応力、熱的応力及び機械的応力が存在する。図1に示すように、高電圧ブッシング01の内部の導電ロッド1は電流を通過させる役割を果たすため、ある程度の熱が発生しやすく、その熱が適時に放熱できないと、高電圧ブッシング01の内部の熱が蓄積され続け、高電圧ブッシング01の温度が絶えず上昇し、高電圧ブッシング01の絶縁破壊を招くおそれがある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
幾つかの実施例において、
図17に示すように、給電回路9は、1次交流母線91、2次直流母線92、電気エネルギー変換回路90を含む。電気エネルギー変換回路90は、1次交流母線91及び2次直流母線92
(高電位用エネルギー取得装置の出力端)に並列に接続されている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
整流平滑回路95は、トランス、主流主回路、フィルタ等を含む回路を用いてもよい。整流平滑回路95は、非制御整流回路を用いて、交流電力を直流電力に変換し、そして、直流電圧安定化回路96は、直流降圧回路を介して直流電圧安定を行い、直流電力を安定で調節可能な直流電力にしてよい。その調節範囲は、20V~58V(例えば、20V、30V、40V、50V、58V)である。その後、直流電力は2次直流母線92に集められてファン42に電力を供給する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
第2の制御方法では、需要に応じて給電装置の出力電力を調整する。例えば、高電圧ブッシング01がセンサ5(例えば、導電ロッド1の給気口111、排気口121、及び典型的な位置(例えば、中央位置)に設けられた複数の温度センサ、並びに、通気管路3に設けられた風圧センサ55)及びコントローラ6を含む場合、コントローラ6は、センサ5からフィードバックされた情報を受信した後、ファン42が適切な速度で動作できるように、給電装置を制御して適切な電力で電気エネルギーを出力する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
第3の制御方法では、給電装置から一定の電気エネルギーを出力し、コントローラ6によってファン42の速度を直接制御する。この制御方法では、給電装置から一定の電気エネルギーを出力し、コントローラ6は、センサ5からフィードバックされた情報に基づいてファン42の速度を直接制御し、リアルタイムで調節を行う。この制御方法では、センサ5の設置方式は、上述した第2の制御方法の設置方式と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
幾つかの実施例において、
図3に示すように、給気管路31の第1端は給気口111に接続され、給気管路31の第2端は、導電ロッド1の第1端に位置する
。排気管路32の第1端は排気口121に接続される。排気管路32の第2端は、導電ロッド1の第1端から所定の距離(例えば、
図3の距離L2)に位置する。
図3の給気管路31の長さは、
図2の給気管路31の長さよりも短く、
図3の排気管路32の長さは
図2の排気管路32の長さよりも長い。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
幾つかの実施例において、
図12に示すように、空冷装置010は、集風カバー41をさらに備え、各々のファン42は、対応する1つの集風カバー41内に設けられ、集風カバー41は、開口411を有し、開口41
1は、集風カバー41の重力方向に
対して垂直である。例えば、集風カバー41は、頂部が閉じ、底部が開いた形状に構成され、開口411は、集風カバー41の底部に位置する。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
ファン42が第2均圧ボール032内に設けられている場合、高圧母線02の第2端022は第2均圧ボール032内で交直変換バルブ等の設備に接続されているため、接続点で接触抵抗の存在により若干の熱が生じ、第2均圧ボール032の上部の空気流温度が環境温度よりも高くなる。集風カバー41を設け、かつ集風カバー41の開口411を下向きにすることにより、第2均圧ボール032の上部の空気流が開口411を介して集風カバー41内に入りにくくなり、集風カバー41内の温度が外界環境の温度に近くなり、高電圧ブッシング01の冷却効果を向上させるのに有利である。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
図8に示すように、給気風路11は、導電ロッド1の第1端で給気口111と連通する。排気口121は、導電ロッド1の軸方向に垂直な方向に沿って、導電ロッド1の外壁
上に位置し、排気口121は、導電ロッド1の第1端に隣接して設けられる。空冷装置010は、キャップ71をさらに備え、キャップ71は、導電ロッド1の第1端に位置し、キャップ71は、排気口121から空気流が流出できるように、複数の貫通孔101のうちの排気風路12として機能する貫通孔101を塞ぐように構成される。
【国際調査報告】