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特表2023-545962トレンチSiCパワー半導体デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】トレンチSiCパワー半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20231025BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20231025BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
H01L29/78 652C
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 658A
H01L29/78 652B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519814
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2021077905
(87)【国際公開番号】W WO2022078908
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】20201762.0
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベリーニ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ノール,ラーズ
(57)【要約】
本発明は、パワー半導体デバイスであって、第1の導電型のドリフト層(3)と、ドリフト層(3)上の第1の導電型のソース層(4)と、ソース層(4)を貫通してドリフト層(3)内へと延在する絶縁トレンチゲート電極(5)と、最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域(6a)を有する、第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント層(6)であって、均質ドーピング領域が、ソース層(4)とドリフト層(3)との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さを有する、インプラント層(6)とを備える、パワー半導体デバイスに関する。
さらに、本発明は、絶縁トレンチゲート電極(5)を有するパワー半導体デバイスを製造するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁トレンチゲート電極(5)を有する炭化ケイ素(SiC)パワー半導体デバイス(1)を製造するための方法であって、
第1の導電型のドリフト層(3)を提供するステップ(100)と、
前記ドリフト層(3)上に前記第1の導電型のソース層(4)を形成するステップ(200)と、
前記ソース層(4)を貫通して前記ドリフト層(3)内へと延在する前記絶縁トレンチゲート電極(5)を形成するステップ(300)と、
最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域(6a)を有する、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント層(6)を生成するために、前記第2の導電型のイオンを前記ドリフト層(3)に注入するステップ(400)とを含み、
前記均質ドーピング領域(6a)は、前記ソース層(4)と前記ドリフト層(3)との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さ(6b)を有する、方法。
【請求項2】
前記均質ドーピング領域が、2x10171/cm~9x10171/cmの範囲内のドーピング濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記均質ドーピング領域厚さが、少なくとも200nmである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記均質ドーピング領域厚さが、最大400nmである、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記インプラント層が、300nm~700nmの厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
イオンを注入する前記ステップが、異なる深さにわたってイオンを注入することを含み、前記異なる深さの供与量が、数値最適化に基づいて得られる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記絶縁トレンチゲート電極(5)を形成する前記ステップ(300)が、イオンを注入する前記ステップ(400)の前又はイオンを注入する前記ステップ(400)の後に実行される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、イオンを注入する前記ステップ(400)の前又は後に、前記ドリフト層(3)の一区画が露出するように前記ソース層(4)を部分的に除去するステップ(350、450)を含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ソース層(4)を形成する前記ステップ(200)が、エピタキシャル成長によって行われる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
パワー半導体デバイス(1)であって、
第1の導電型のドリフト層(3)と、
前記ドリフト層(3)上の前記第1の導電型のソース層(4)と、
前記ソース層(4)を貫通して前記ドリフト層(3)内へと延在する絶縁トレンチゲート電極(5)と、
最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域(6a)を有する、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント(6)層であって、前記均質ドーピング領域(6a)が、前記ソース層(4)と前記ドリフト層(3)との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さ(6b)を有する、インプラント(6)層とを備える、パワー半導体デバイス(1)。
【請求項11】
前記均質ドーピング領域が、2x10171/cm~7x10171/cmの範囲内のドーピング濃度を有する、請求項10に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項12】
前記均質ドーピング領域厚さが、少なくとも200nmである、請求項10又は11に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項13】
前記均質ドーピング領域厚さが、最大400nmである、請求項10~12のいずれかに記載のパワー半導体デバイス。
【請求項14】
前記均質ドーピング領域における前記ドーピング濃度の前記変動が、最大4%である、請求項10~13のいずれかに記載のパワー半導体デバイス。
【請求項15】
前記ソース層(4)が、50nm~150nmの間の厚さを有すること、
前記ソース層(4)が、100nm~150nmの間の厚さを有すること、及び
前記ソース層(4)が、1x10181/cm~1x10201/cmの間のドーピング濃度を有すること、
のうちの少なくとも1つが適用される、請求項10~14のいずれかに記載のパワー半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、絶縁トレンチゲート電極を有する炭化ケイ素(SiC)パワー半導体デバイス及び絶縁トレンチゲート電極を有する炭化ケイ素パワー半導体デバイスを製造するための方法に関する。例えば、パワー半導体デバイスは、SiCトレンチMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)又はSiCトレンチIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。
【背景技術】
【0002】
背景技術
SiCではドーパントが拡散しないこと、及び、ソースインプラントが長いテールを有することを考えると、トレンチデバイスのソースインプラント及びチャネルインプラントを最適な性能に達するように設計することは非常に困難である。これは、ソース層とチャネル層とが互いに重なり合っているトレンチMOSFETに特に当てはまる。
【0003】
平面デバイスの場合、チャネルプロファイルは、深さ方向、すなわちゲート酸化物に直交する方向における最初の100nm以内の表面濃度が所望の閾値電圧を達成するために使用されるように設計される。プロファイルピークは、低ドープチャネルを電界のピークから遮蔽するために使用され、高電圧におけるチャネルドーピングの空乏化からの分離を伴って表面チャネルドーピングを通じて閾値電圧をより自由に調整することを可能にする。平面デバイスのチャネル長はゲートスペーサによって決定されるが、トレンチデバイスの場合は注入によって設計される。
【0004】
しかしながら、トレンチパワー半導体デバイスでは、ソース注入に典型的な長いテールが、チャネルドーピングに匹敵する、又はさらにはチャネルドーピングよりも大きいドーピング濃度で下のチャネル層内へと延在するため、注入によって適切なソース層及びチャネル層を得ることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、改善されたトレンチパワー半導体デバイス、及び、そのトレンチパワー半導体デバイスを製造するための改善された方法を提供することである。例示的には、本発明の目的は、トレンチMOSFET設計の前述の困難のいずれかを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。改変された実施形態は、従属請求項に詳述されている。
【0007】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶縁トレンチゲート電極を有する炭化ケイ素パワー半導体デバイスを製造するための方法は、
第1の導電型のドリフト層を提供するステップと、
ドリフト層上に第1の導電型のソース層を形成するステップと、
ソース層を貫通してドリフト層内へと延在する絶縁トレンチゲート電極を形成するステップと、
最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域を有する、第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント層を生成するために、第2の導電型のイオンをドリフト層に注入するステップとを含み、
均質ドーピング領域は、ソース層とドリフト層との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さを有する。
【0008】
第1の導電型はn型であってもよく、第2の導電型はp型であってもよい。この場合、ドリフト層はnドープ層である。あるいは、第1の導電型はp型であり、第2の導電型はn型である。
【0009】
層という用語は、例えばコーティング又は堆積プロセスによって下にある材料上に形成された元素に限定されず、例えば材料組成及びドーピング濃度のうちの少なくとも一方に関して、ある元素の、同じ元素の1つ以上の隣接するサブ領域とは異なるサブ領域も含む。例えば、半導体ウェハ又は半導体ウェハから形成された半導体ボディの異なるようにドープされたサブ領域も層と呼ばれる。
【0010】
本方法は、以下に記載される改変された実施形態のいずれかによるステップを含むことができる。方法ステップは、互いに任意の順序で実行することができる。例示的には、方法ステップは、以下に記載されるような順序で実行される。
【0011】
第1に、方法は、第1の導電型のドリフト層を提供するステップを含む。例えば、ドリフト層はSiCウェハの一部である。SiCウェハは、さらなる層を含んでもよい。例えば、ドリフト層は、SiCウェハの表面を形成する。
【0012】
ドリフト層を提供するステップの後、方法は、ドリフト層上に第1の導電型のソース層を形成するステップを含む。例えば、ソース層は、SiCウェハの表面上に直接形成される。
【0013】
ドリフト層上にソース層を形成するステップの後に、方法は、ソース層を貫通してドリフト層内へと延在する絶縁トレンチゲート電極を形成するステップを含む。
【0014】
本方法は、最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域を有するインプラント層を製造するために、第1の導電型とは異なる第2の導電型のイオンをドリフト層に注入するステップをさらに含み、均質ドーピング領域は、ソース層とドリフト層との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さを有する。最大8%以下の変動を有するドーピング濃度プロファイルは、例えば数学的最適化によって定義されるインプラント層内の平坦領域を画定することによって得られる。例えば、ドーピング濃度は、最初の0nm~400nmの深さにおいて最大に平坦である。この方法ステップは、例えば、ソース層の形成後に形成される。イオンの注入は、絶縁トレンチゲート電極の形成前に行ってもよく、又は、形成後に行ってもよい。
【0015】
例えば、イオンを注入するステップは、イオンエネルギーの異なる複数の注入サブステップを含む。したがって、インプラント層内の結果として生じるドーピングプロファイルは、単一のインプラントの重ね合わせによって形成される。例えば、埋め込まれたイオンのエネルギー及び供与量は、サブステップごとに変化する。例えば、各サブステップの供与量及びエネルギーの数学的最適化は、均質ドーピング領域が得られるように垂直方向のドーピングプロファイルを形成することを可能にする。例えば、サブステップの数は、少なくとも2又は少なくとも3及び/又は最大20又は最大10である。例えば、エネルギーは、各サブステップについて10~400keVのエネルギー範囲内にある。例えば、エネルギーがより高くなる結果として、イオンがより深く注入される。
【0016】
少なくとも一実施形態によれば、イオンを注入するステップは、異なる深さにわたってイオンを注入することを含み、異なる深さの供与量は、数値最適化に基づいて得られる。
【0017】
さらに、パワー半導体デバイスが記述される。
少なくとも1つの実施形態に応じて、パワー半導体デバイスは、第1の導電型のドリフト層と、ドリフト層上の第1の導電型のソース層と、ソース層を貫通してドリフト層内へと延在する絶縁トレンチゲート電極と、第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント層とを備える。インプラント層は、最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域を含み、この均質ドーピング領域は、ソース層とドリフト層との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さを有する。
【0018】
例えば、パワー半導体デバイスは、大きい電流、例えば少なくとも100アンペア及び/又は少なくとも1000Vの電圧で動作するように構成される。
【0019】
絶縁トレンチゲート電極は、導電性ゲート層及びゲート絶縁層を含むことができる。ゲート絶縁層は、導電性ゲート層が半導体デバイス内の任意のnドープ層及びpドープ層から分離されるように、導電性ゲート層を取り囲むことができる。ゲート層は、例示的に、ゲート絶縁層に完全に埋め込まれている。
【0020】
絶縁トレンチゲート電極は、半導体材料の凹部内のインプラント層と同じ平面内に配置され、これは、ドリフト層内へと延在し、ソース層に隣接し、これらはゲート絶縁層によって互いに分離され、ゲート絶縁層は、ゲート層もドリフト層から分離する。例示的には、ゲート絶縁層もゲート層の上に配置され、したがってゲート層をソース電極から絶縁する。
【0021】
パワー半導体デバイスは、例えば、トレンチMOSFETである。
トレンチMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)は、ソース側に、第1の導電型のソース層と、第1の導電型とは異なる第2の導電型のチャネル層(又はチャネルインプラント若しくはインプラント層)とを備える。ソース電極の形態のコンタクトは、ソース層及びチャネル層に接触する。トレンチゲート電極が、ソース側で、ソース層及びチャネル層の側方に配置される。
【0022】
「横」方向は、ソース側に平行な方向を意味するものとする。半導体層のソース側の上部にトレンチゲート電極を有する平面MOSFETと比較して、トレンチMOSFETによってより高いセル密度を得ることができる。
【0023】
MOSFETは、第1の導電型のドリフト層と、ドリフト層よりも高濃度にドープされた第1の導電型のドレイン層とをさらに備えることができる。ドレイン層は、ドレイン電極の形態のコンタクトに接触することができる。
【0024】
他の電界効果トランジスタと同様に、MOSFETは電圧制御抵抗器として作用し、これは、ゲート-ソース電圧を使用してドレインとソースとの間の抵抗を変化させることができ、したがって抵抗によって電流を数桁変化させることができることを意味する。MOS構造におけるこの抵抗変化を理解するための鍵は、ゲートによって制御される導電性チャネルの生成である。
【0025】
パワーMOSFETは、例えば少なくとも100アンペア、例えば最大数百アンペアの大電流を伝導及び遮断するように最適化された金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの特殊化バージョンである。代替的に又は加えて、電圧は1000ボルト以上になってもよい。
【0026】
パワー半導体デバイスは、例えば、トレンチIGBTである。
トレンチIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)は、ソース側(エミッタ側とも呼ばれる)に、第1の導電型のソース層(エミッタ層とも呼ばれる)と、第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント層(チャネルインプラント又はベース層とも呼ばれる)とを備える。ソース電極(エミッタ電極とも呼ばれる)の形態のコンタクトは、ソース層及びチャネル層に接触する。トレンチゲート電極が、ソース側で、ソース層及びチャネルインプラントの側方に配置される。
【0027】
IGBTは、第1の導電型のドリフト層と、ドリフト層よりも高濃度にドープされた第2の導電型のコレクタ層とをさらに備えることができる。コレクタ層は、コレクタ電極の形態のコンタクトと接触する。
【0028】
炭化ケイ素(SiC)は、シリコンよりも約1桁大きい最大絶縁破壊電界を有する、バンドギャップの大きい材料である。SiCは、MOSFET又はIGBTなどのパワー半導体デバイスの製造に使用するための有利な材料と考えられる。例えば、炭化ケイ素MOSFETについて最大6.5kVの電圧を得ることができる。
【0029】
例えば、MOSFETのチャネルとして作用するインプラント層の最適なドーピング濃度プロファイルは、例えば、最初の200nmで最大に平坦になるように数学的最適化によって得ることができる。「最大に平坦な変動」とは、チャネルインプラントの均質ドーピング領域におけるチャネルドーピング濃度プロファイルの変動が、チャネルの他のエリアにおけるチャネルドーピング濃度プロファイルの変動よりも低いことを意味する。チャネルインプラントの均質ドーピング領域におけるチャネルドーピング濃度の変動は、最大8%である。これにより、チャネルに沿った閾値電圧の優れた制御が可能になる。トレンチデバイスの垂直方向のチャネル長は、適切な注入エネルギーを選択することによって選ばれる。例えば、(数値的又は数学的)最適化は、各インプラントの供与量を得るために、所望の表面濃度及びその許容可能な変動を制約として使用して実行される。
【0030】
記載された方法を使用して、均質ドーピング領域を含む第2の導電型のインプラント層を得ることができる。インプラント層内で、第2の導電型のドーパント濃度は、インプラント層へと延在するソースドーピングのテールによって引き起こされ得る第1の導電型のドーパント濃度よりも著しく大きい。その結果、有効ドーピングプロファイルの変動性が低減される。さらに、ドレイン誘起障壁低下(DIBL)に対する脆弱性を低減することができる。
【0031】
改変された実施形態によれば、均質ドーピング領域のチャネルドーピング濃度プロファイルは、2x10171/cm~9x10171/cmの範囲内の濃度を有する。これにより、低い閾値電圧を達成することができる。
【0032】
改変された実施形態によれば、均質ドーピング領域厚さは少なくとも200nmである。これにより、低い閾値電圧を得ることができる。
【0033】
改変された実施形態によれば、均質ドーピング領域厚さは最大400nmである。これはまた、良好に制御された均一な閾値電圧を促進する。
【0034】
本発明の改変された実施形態によれば、均質ドーピング領域内のドーピングの変動は、最大4%である。これは、例えば、チャネルとして作用することができるインプラント層に沿った閾値電圧の制御をさらに改善する。
【0035】
本発明の改変された実施形態によれば、以下の基準のうちの少なくとも1つが適用される。
【0036】
-ソース層が、50nm~150nmの間の厚さを有する、
-ソース層が、100nm~150nmの間の厚さを有する、
-ソース層が、1x10181/cm~1x10201/cmの間のドーピング濃度を有する。
【0037】
本発明の改変された実施形態によれば、ソース層を貫通してドリフト層内へと絶縁トレンチゲート電極を形成するステップは、インプラント層を生成するイオンをドリフト層に注入するステップの前、又は、インプラント層を生成するためにイオンをドリフト層に注入するステップの後に行われる。したがって、手順ステップは非常に柔軟に実行することができる。これにより、製造プロセスを、実行される他の製造ステップと調和させることが可能になる。これは、より多くの実装可能性を可能にするという利点を有する。
【0038】
本発明の改変された実施形態によれば、イオンをドリフト層に注入するステップの前又は後に、本方法は、ドリフト層の一区画が露出するようにソース層を部分的に除去するステップを含む。これはまた、手順工程を非常に柔軟に実行することができることを改善する。これにより、製造プロセスを、実施される他の製造ステップと調和させることが可能になる。これは、より高い実装柔軟性をもたらすという利益を有する。
【0039】
本発明の改変された実施形態によれば、ソース層を形成するステップは、エピタキシャル成長によって為される。エピタキシャル成長を使用して、例えば所望の公称ドーピング値から全ウェハにわたって最大10%の偏差で、ドーピング濃度を極めて良好に制御することができる。微視的スケールでの均一性がさらに高くなり得る。さらに、ドーピング濃度の急激な変化を伴うプロファイルを得ることができる。したがって、注入を使用したドーピングとは対照的に、隣接する半導体材料内へと延在するドーピング濃度の意図しないテールを低減又は回避することができる。例えば、ソース層などのエピタキシャル成長ドープ層のドーピング濃度は、隣接する半導体材料内で、ドープ層の厚さの20%以内のドープ層のドーピング濃度の50%の値まで減少することができる。
【0040】
例えば、後のステップで、下にある半導体材料が一区画において露出されるように、ソース層が部分的に除去される。例えば、ソース電極の少なくとも一部は、横方向において、完成したデバイス内のインプラント層を表す露出した半導体材料上のソース層の側方に形成される。例えば、ソース電極は、インプラント層に直接隣接する。ソース層の部分的な除去は、インプラント層の形成の前又は後に形成されてもよい。例えば、完成したデバイスのインプラント層の上に存在する半導体材料全体が、インプラントを含まない。
【0041】
その結果、顕著なソーステールを低減又は回避することができる。チャネルドーピングがソース及び増強テールの両方を補償する必要があるため、そのような顕著なソーステールは、チャネル及び増強プロファイル設計を複雑にする。
【0042】
上述した方法は、例えば、上述したパワー半導体デバイスの製造に適している。したがって、方法に関連して説明した特徴は、パワー半導体デバイスにも適用され、逆もまた同様である。
【0043】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される例示的な実施形態を参照して諒解され、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1a】従来技術によるインプラント層、正味チャネルドーピング、ソース及び正味ソースの濃度の概略深さプロファイルを示す図である。
図1b】従来技術によるインプラント層、正味チャネルドーピング、ソース及び正味ソースの濃度の別の概略深さプロファイルを示す図である。
図2】本発明の例示的な実施形態によるパワー半導体デバイスを示す図である。
図3A】本発明の第1の例示的な実施形態による方法の流れ図である。
図3B】本発明の第2の例示的な実施形態による方法の流れ図である。
図4A】本発明の第1の例示的な実施形態による第1の方法ステップを概略的に示す図である。
図4B】本発明の第1の例示的な実施形態による第2の方法ステップを概略的に示す図である。
図4C】本発明の第1の例示的な実施形態による第3の方法ステップを概略的に示す図である。
図4D】本発明の第1の例示的な実施形態による第4の方法ステップを概略的に示す図である。
図5】本発明の例示的な実施形態によるチャネルドーピング濃度の概略深さプロファイルを示す図である。
図6】本発明の例示的な実施形態によるインプラント層、正味チャネルドーピング、ソース及び正味ソースの濃度の概略深さプロファイルを示す図である。
図7】本発明の例示的な実施形態によるチャネルドーピング濃度変動の概略深さプロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
例示的な実施形態の説明
図1a及び図1bは、従来技術によるチャネルインプラント(ci)、正味チャネルドーピング(ncd)、ソース(s)及び正味ソース(n)の濃度の別の概略深さプロファイルを示す図である。正味チャネルドーピングは、nドーパントがpドーパントを局所的に補償するため、pドーパントを意味する実際の注入チャネルドーパントからのnドーパントを意味する注入ソースの減算から生じる。したがって、得られる「正味チャネル」は、濃度がより低く、長さがより短い。ソースについても同様である。
【0046】
図1a及び図1bに基づいて、満足のいくチャネルインプラントプロファイルを達成するいくつかの困難が示されている。すなわち、図1aに示すように、pチャネルインプラントは、有効プロファイルの変動性が低減されるようにnソースのテールよりも大幅に高くなければならない。低い閾値電圧を達成するには、前の態様とは対照的に、約3×1017~5×1017の表面濃度が必要である。チャネル長及びドーピングは独立していない。さらに、図1aのプロファイルは、より低いドーピング及びより低いチャネル長を有する。したがって、それは、ドレイン誘起障壁低下(DIBL)に対して非常に脆弱である。さらに、短チャネル長及び低ドーピングは、非常に容易に空乏化するため、遮断を保証しない。
【0047】
DIBL効果は、MOSFETにおける短チャネル効果であり、その元の形態では、より高いドレインバイアス電圧における通常遮断トランジスタの閾値電圧の低下を指す。約1μmを超えるチャネル長を有するチャネルなどの長いチャネルを有する古典的な平面電界効果トランジスタでは、チャネルの狭小化は、基板とゲートとの組み合わせがそれをドレインに対して静電的に遮蔽し、閾値電圧がドレインバイアス電圧とは無関係であるように、ドレインコンタクトから十分遠く離れて生じる。これは、より短いチャネルではもはや当てはまらない。ドレインはチャネルに影響を及ぼすのに十分近く、その結果、高いドレインバイアス電圧がトランジスタを早期にオンにすることができる。さらに、図1bに示すように、テールインプラントの一部がチャネルの後に存在してもよく、低ドープ強化層を実現する。
【0048】
図2は、本発明の実施形態によるパワー半導体デバイス1の一例としてのMOSFETを示す。
【0049】
半導体パワーデバイス1は、第1の導電型のドリフト層3と、第1の導電型のソース層4とを備える。ドリフト層3とソース層4との間には、チャネルインプラントとして作用するインプラント層6が配置されている。半導体パワーデバイス1のソース側では、ソース電極7がソース層4及びインプラント層6と電気的に接触する。ソース電極7は、横方向においてソース層4の側方に配置されている。ソース電極7は、インプラント層6に直接隣接する。
【0050】
半導体パワーデバイスのソース側とは反対の側で、半導体パワーデバイス1は底層2を備える。MOSFETでは、底層は第1の導電型であり、ドレイン層として作用する。底層に電気的に接触する電極は、単純化のために明示的に示されていない。
【0051】
底層2、ドリフト層3、及びインプラント層6は、SiC基板(又はウェハ)の別様にドープされた部分領域によって形成されてもよい。ソース層4は、基板上に、例えばエピタキシャルに堆積されるSiC層である。
【0052】
半導体パワーデバイス1は、絶縁ゲート電極5の導電性ゲート層をソース層4、インプラント層6、及びドリフト層3から電気的に絶縁するゲート絶縁層8を有する絶縁トレンチゲート電極5をさらに備える。絶縁トレンチゲート電極5は、ソース層4及びインプラント層6を貫通してドリフト層3内へと延在する。
【0053】
この例示的な実施形態及び以下の例示的な実施形態において、第1の導電型はn型であり、第2の導電型はp型である。したがって、ドリフト層3はnドープ層であり、ソース層4はn型である。注入されたイオン及びインプラント層6はp型である。しかしながら、すべての例示的な実施形態において、デバイス構造はまた、第1の導電型がp型であり、第2の導電型がn型であるように、導電性に関して反転されてもよい。
【0054】
インプラント層は、ソース層4とドリフト層3との間に配置された均質ドーピング領域6aを備える。矢印を使用して図2に示すように、半導体パワーデバイス1のソース側に垂直な方向において、均質ドーピング領域6aは、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さ6bを有する。均質ドーピング領域6a内では、ドーピング変動は最大8%又は最大4%になる。例えば、均質ドーピング領域6aは、ソース層4と、ドリフト層3とインプラント層6との間の遷移部3aとの間に延在し、均質ドーピング領域6aはインプラント層6よりも薄くてもよい。例えば、均質ドーピング領域6aは、遷移部3aから離間している。
【0055】
パワー半導体デバイス1はまた、異なるタイプのトレンチパワー半導体デバイス、例えばトレンチIGBTであってもよい。IGBTでは、底層2は第2の導電型であり、コレクタ層として作用する。
【0056】
図3Aは、本発明の第1の実施形態による方法の流れ図を示す。本方法は、MOSFET又はIGBT(図2参照)等のトレンチ炭化ケイ素(SiC)パワー半導体デバイス1の製造に好適である。この方法によって製造されるパワー半導体デバイス1は、ドリフト層3と、ソース層4と、絶縁トレンチゲート電極5と、チャネル層6と、ソース電極7とを備える。
【0057】
本方法は、
参照符号「100」によって示されるステップによれば、方法は、例えば基板9の部分領域として、第1の導電型のドリフト層3を提供するステップを含む(図4A参照)。
【0058】
参照符号「200」によって示されるステップによれば、本方法は、エピタキシャル成長によってドリフト層3上に第1の導電型のソース層4を形成するステップを含む(図4A参照)。
【0059】
参照符号「300」によって示されるステップによれば、本方法は、ソース層4を貫通してドリフト層3内へと延在する絶縁トレンチゲート電極5を形成するステップを含む(図4B参照)。
【0060】
参照符号「350」によって示されるステップによれば、本方法は、ドリフト層3の一区画が露出するようにソース層4を部分的に除去するステップを含む(図4C参照)。あるいは、本方法は、参照符号「450」で示されるステップを含み、これは方法ステップ「400」の後に実行される(第2の実施形態による方法の流れ図が示されている図4Bを参照されたい)。参照符号「450」によって示されるこのステップによれば、本方法は、ドリフト層3の一区画が露出するようにソース層4を部分的に除去するステップを含む。
【0061】
参照符号「400」によって示されるステップによれば、本方法は、インプラント層6を生成するために第1の導電型とは異なる第2の導電型のイオンをドリフト層3に注入するステップを含む。
【0062】
インプラント層6のドーピング濃度プロファイルは、最初の0nm~400nmの深さにおいて最大に平坦であるように数学的最適化によって定義される均質ドーピング領域を含み、深さは、ソース層4が形成されるドリフト層の表面から測られる。当該領域は、ドリフト層3の外面3aに隣接して位置している。
【0063】
最後に、ソース層4を貫通してドリフト層3内へと絶縁トレンチゲート電極5を形成するステップ「300」は、インプラント層6を生成するためにイオンをドリフト層3に注入するステップ「400」の前に行ってもよい。あるいは、ソース層4を貫通してドリフト層3内へと絶縁トレンチゲート電極5を形成するステップ「300」は、インプラント層6を生成するためにイオンをドリフト層3に注入するステップ「400」の後に行ってもよい。後者の場合、ゲート酸化物層を通じた注入が防止され得る。インプラント層を生成するためのnソースの注入を図4Dに示す。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態によるインプラント層ドーピング濃度の概略深さプロファイルを示す。右側のグラフは、深さ0.00μm~1.50μmにおける深さプロファイルを示す。左側のグラフは、深さ0.00μm~0.20μmにおける深さプロファイルを示す。「CP」と記された曲線は、対数スケールにおける異なる深さに対するインプラント層ドーピング濃度のプロファイルを示す。インプラント層ドーピング濃度は、例えば、0.00μm~0.20μmの深さに対して1017~10181/cmの濃度範囲で最大に平坦であり、それによって均質ドーピング領域6aを提供する。右側のグラフの破線の曲線は、10~400keVのエネルギー範囲内など、keV単位の異なるエネルギーに対する対数スケールのドーピング濃度を表す。より低いエネルギーのドーピング濃度の曲線は、より低い深さに及ぶ傾向がある。すべての曲線は、数値最適化に基づくプロファイル設計技法によって決定されている。例えば、最適化は、各インプラントの供与量を得るために、所望の表面濃度及びその許容可能な変動を制約として使用して実行される。インプラント層ドーピング濃度CPのプロファイルは、異なる注入サブステップを表す破線による曲線の重ね合わせから生じる。
【0065】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、チャネルインプラントとして作用するインプラント層6、正味チャネルドーピング、ソース及び正味ソースの濃度の概略深さプロファイルを対数スケールで示す図である。ここでは、0.00μm~1.3μmの深さ範囲についての1/cmにおける濃度のプロファイルが示されている。例えば、ソース(s)及び正味ソース(n)は、0.00μm~0.10μmの深さ範囲について、1019~10201/cmの範囲内の濃度を有する。この例示的な実施形態におけるソース層の厚さに対応する0.10μmの深さにおいて、ソース(s)のドーピング濃度は急激に減少する。これは、例えば、ソース層4のエピタキシャル堆積によって得ることができ、結果、ソース層4を注入によって形成する必要はない。さらに、チャネルインプラントとして作用するインプラント層6(ci)は、0.00μm~0.10μmの深さ範囲について、正味チャネルドーピング(ncd)は、0.10μm~約0.40μmの深さ範囲について、1017~10181/cmの範囲内の濃度を有する。この深さ範囲において、均質ドーピング領域6aが形成される。さらに、正味チャネルドーピング(ncd)は、0.40μm~約1.30μmの深さ範囲について、1014~10151/cmの範囲まで減少する濃度を有する。
【0066】
図7は、本発明の例示的な実施形態によるインプラント層ドーピング濃度変動の概略深さプロファイルを百分率で示す。0.00μm~0.20μmの深さ範囲についてのドーピングの絶対変動が、101%~96%の範内囲で非常に小さいことが概略的に示されている(図7の縦座標は90%から102%の間で延在する)。すなわち、チャネルプロファイルの均質ドーピング領域6aにおけるドーピングの変動は、最大8%、理想的には最大4%である。
【0067】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は、図示的又は例示的であって限定的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変更は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求される発明の実践において当業者によって理解され、実施され得る。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という単語は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているというだけの事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0068】
本出願は、欧州特許出願第20201762.0号の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0069】
参照符号リスト
1 パワー半導体デバイス
2 底層
3 ドリフト層
3a ドリフト層とインプラント層との間の遷移部
4 ソース層
5 絶縁トレンチゲート電極
6 インプラント層
6a 均質ドーピング領域
6b 均質ドーピング領域厚さ
7 コンタクト
8 絶縁層
9 基板
s ソース
n 正味ネットソース
ci チャネルインプラント
CP インプラント層ドーピング濃度
ncd 正味チャネルドーピング
100 第1の導電型のドリフト層を提供すること
200 ドリフト層上に第1の導電型のソース層を形成すること
300 ソース層を貫通してドリフト層内へと絶縁ゲートトレンチ電極を形成すること
350 ドリフト層の一区画が露出するようにソース層を部分的に除去すること
400 インプラント層を生成するために第2の導電型のイオンをドリフト層に注入すること
450 ドリフト層の一区画が露出するようにソース層を部分的に除去すること
図1a
図1b
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁トレンチゲート電極(5)を有する炭化ケイ素(SiC)パワー半導体デバイス(1)を製造するための方法であって、
第1の導電型のドリフト層(3)を提供するステップ(100)と、
前記ドリフト層(3)上に前記第1の導電型のソース層(4)を形成するステップ(200)と、
前記ソース層(4)を貫通して前記ドリフト層(3)内へと延在する前記絶縁トレンチゲート電極(5)を形成するステップ(300)と、
最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域(6a)を有する、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント層(6)を生成するために、前記第2の導電型のイオンを前記ドリフト層(3)に注入するステップ(400)とを含み、
前記均質ドーピング領域(6a)は、前記ソース層(4)と前記ドリフト層(3)との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さ(6b)を有する、方法。
【請求項2】
前記均質ドーピング領域が、2x10171/cm~9x10171/cmの範囲内のドーピング濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記均質ドーピング領域厚さが、少なくとも200nmである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記均質ドーピング領域厚さが、最大400nmである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記インプラント層が、300nm~700nmの厚さを有する、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
イオンを注入する前記ステップが、異なる深さにわたってイオンを注入することを含み、前記異なる深さの供与量が、数値最適化に基づいて得られる、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
イオンを注入する前記ステップが、イオンエネルギーの異なる複数の注入サブステップを含み、これにより、前記インプラント層内の結果として生じるドーピングプロファイルは、単一のインプラントの重ね合わせによって形成される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記絶縁トレンチゲート電極(5)を形成する前記ステップ(300)が、イオンを注入する前記ステップ(400)の前又はイオンを注入する前記ステップ(400)の後に実行される、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、イオンを注入する前記ステップ(400)の前又は後に、前記ドリフト層(3)の一区画が露出するように前記ソース層(4)を部分的に除去するステップ(350、450)を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ソース層(4)を形成する前記ステップ(200)が、エピタキシャル成長によって行われる、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
パワー半導体デバイス(1)であって、
第1の導電型のドリフト層(3)と、
前記ドリフト層(3)上の前記第1の導電型のソース層(4)と、
前記ソース層(4)を貫通して前記ドリフト層(3)内へと延在する絶縁トレンチゲート電極(5)と、
最大8%のドーピング変動を有する均質ドーピング領域(6a)を有する、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のインプラント(6)層であって、前記均質ドーピング領域(6a)が、前記ソース層(4)と前記ドリフト層(3)との間に配置され、少なくとも150nmの均質ドーピング領域厚さ(6b)を有する、インプラント層(6)とを備える、パワー半導体デバイス(1)。
【請求項12】
前記均質ドーピング領域が、2x10171/cm~7x10171/cmの範囲内のドーピング濃度を有する、請求項11に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項13】
前記均質ドーピング領域厚さが、少なくとも200nmである、請求項11又は12に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項14】
前記均質ドーピング領域厚さが、最大400nmである、請求項1113のいずれかに記載のパワー半導体デバイス。
【請求項15】
前記均質ドーピング領域におけるドーピング濃度の前記ドーピング変動が、最大4%である、請求項1114のいずれかに記載のパワー半導体デバイス。
【請求項16】
前記ソース層(4)が、50nm~150nmの間の厚さを有すること、
前記ソース層(4)が、100nm~150nmの間の厚さを有すること、及び
前記ソース層(4)が、1x10181/cm~1x10201/cmの間のドーピング濃度を有すること、
のうちの少なくとも1つが適用される、請求項1115のいずれかに記載のパワー半導体デバイス。
【国際調査報告】