(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】単一液滴をカプセルのキャップ又は本体に吐出するための装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/07 20060101AFI20231025BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20231025BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A61J3/07 J
B01J4/00 103
B65D83/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023520054
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2021076995
(87)【国際公開番号】W WO2022069660
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512054458
【氏名又は名称】キャプシュゲル・ベルジウム・エヌ・ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】トム・ホイスマンス
(72)【発明者】
【氏名】ナイジェル・ハリスン
(72)【発明者】
【氏名】ロコ・フラストフ
【テーマコード(参考)】
3E014
4C047
4G068
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PB08
3E014PC03
3E014PD30
3E014PE01
3E014PE08
3E014PE16
3E014PE30
4C047LL12
4G068AA01
4G068AB11
4G068AC20
4G068AD50
4G068AF01
4G068AF12
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、流体の単一液滴、例えば接着剤の単一液滴をキャップの内面上又はカプセルの本体の内面上に吐出するための装置DEVに関し、これは、キャップと本体が伸縮自在に係合した閉鎖カプセルの耐タンパー性を向上させたり、又はカプレットもしくはタブレット又はその一部を封入するキャップもしくは本体又は両方を、カプレットもしくはタブレットに固定させたりするために有用である。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体FLUの液滴(7)をキャップ(6)の内面上又はカプセル本体の内面上に吐出するための装置、DEVであって、
前記装置、DEVは、カニューレ(4)、流体吐出空洞(8)、及びバルブ(5)を備え、
前記カニューレは、両方開口する2つの端部を有するチューブであり;
前記カニューレ(4)の前記2つの端部の一方が、前記流体FLUの前記液滴(7)を吐出し、
前記バルブ(5)は、開口端部で終わる出口チャネル(5-1)を備え、
前記カニューレ(4)の2つの端部の他端部と前記バルブ(5)の前記出口チャネル(5-1)の前記開口端部は、前記流体吐出空洞(8)中に開口し、
前記バルブ(5)は、それによって、その出口チャネル(5-1)を介して、次に前記流体吐出空洞(8)を介して、次に前記カニューレ(4)を介して、前記カニューレ(4)の前記開口端部と流体接続し、前記流体、FLUは、前記バルブ(5)から前記流体接続を介して前記カニューレ(4)の前記開口端部に流入する、装置、DEV。
【請求項2】
前記装置、DEVは、ピン(3)を備え、
前記ピン(3)は2つの端部を有し、
前記ピンヘッド(3-1)は、前記ピンの前記2つの端部のうちの1つであり、
前記ピン(3)は、前記カニューレ(4)の容器となるピンチューブ(3-2)を備え、その内部に前記カニューレ(4)を備え、
前記流体、FLUの前記液滴(7)を吐出する前記カニューレ(4)の前記2つの端部の一方は、前記ピンヘッド(3-1)に位置する、請求項1に記載の装置、DEV。
【請求項3】
前記流体吐出空洞(8)の容積V-CAVが、5マイクロリットル以下である、請求項1又は2に記載の装置、DEV。
【請求項4】
前記ピンチューブ(3-2)の前記外径、ODが、15mm以下である、請求項1~3の1項以上に記載の装置、DEV。
【請求項5】
前記カニューレ(4)の前記内径、IDが、2mm以下である、請求項1~4の1項以上に記載の装置、DEV。
【請求項6】
前記ピンヘッド(3-1)における前記カニューレ(4)の部分が屈曲している、請求項1~5の1項以上に記載の装置、DEV。
【請求項7】
前記ピンヘッド(3-1)における前記カニューレ(4)の屈曲部(4-3)の屈曲角度が40~140°である、請求項7に記載の装置、DEV。
【請求項8】
前記装置、DEVは、1つのみのカニューレ(4)を備える、請求項1~7の1項以上に記載の装置、DEV。
【請求項9】
前記DEVが1つのカニューレ(4)のみを備える場合には、次に前記流体吐出空洞(8)は、前記カニューレ(4)の長手軸に垂直な断面積を有し、前記流体吐出空洞(8)の前記断面積は1つのカニューレ(4)の断面積と異なる、請求項8に記載の装置、DEV。
【請求項10】
前記装置、DEVは、1つのみのカニューレ(4)を備える、請求項1~7の1項以上に記載の装置、DEV。
【請求項11】
前記ピンヘッド(3-1)に位置するすべてのカニューレ(4)の前記端部が屈曲している、請求項10に記載の装置、DEV。
【請求項12】
前記カニューレ(4)が、前記ピンヘッド(3-1)に位置するそれらの開口部(4-1)及びそれらの開口部(4-1)の方向が、互いに同じ角度で前記ピンヘッド(3-1)の円周上にわたって分布するように配置される、請求項11に記載の装置、DEV。
【請求項13】
2つのカニューレ(4)を有する装置、DEVの場合、前記2つのカニューレ(4)の、前記ピンヘッド(3-1)に位置する前記開口部(4-1)の前記方向は、互いに180°の角度を有する、請求項12に記載の装置、DEV。
【請求項14】
4つのカニューレ(4)を有する装置、DEVの場合、前記4つのカニューレ(4)の、前記ピンヘッド(3-1)に位置する前記開口部(4-1)の前記方向は、互いに90°の角度を有する、請求項12に記載の装置、DEV。
【請求項15】
前記装置、DEVは、前記流体、FLUを加熱又は冷却するための手段を備える、請求項1~14の1項以上に記載の装置、DEV。
【請求項16】
前記装置、DEVは、前記ピン(3)、前記ピンヘッド(3-1)、前記カニューレ(4)、前記流体吐出空洞(8)、前記バルブ(5)、又はそれらの組み合わせを加熱又は冷却する手段を備える、請求項1~15の1項以上に記載の装置、DEV。
【請求項17】
閉鎖カプセルを形成するためのキャップ(6)及び本体の閉鎖工程で使用されるか、又はタブレットもしくはカプレットのキャップ(6)内又は本体への挿入で使用される機器、APPであって、前記機器、APPは、キャップ(6)の内面又はカプセルの本体の内面に、前記流体、FLUの液滴(7)を吐出するための装置、DEVを備え、請求項1~15の1項以上で記載の前記装置、DEVを有する、機器、APP。
【請求項18】
前記機器、APPは、前記流体、FLUを前記バルブ空洞(5-5)内に供給するための装置を備える、請求項17に記載の機器、APP。
【請求項19】
前記機器、APPは、前記バルブ空洞(5-5)内の流体、FLUを所定の圧力下に維持するための装置を備える、請求項17又は18に記載の機器、APP。
【請求項20】
前記機器、APPは、前記流体、FLUを加熱又は冷却する手段を備える、請求項17~19の1項以上に記載の機器、APP。
【請求項21】
前記機器、APPは、前記ピン(3)、前記ピンヘッド(3-1)、前記カニューレ(4)、前記流体吐出空洞(8)、前記バルブ(5)、又はそれらの組み合わせを加熱又は冷却する手段を備える、請求項17~20の1項以上に記載の機器、APP。
【請求項22】
流体、FLUの液滴(7)をキャップ(6)の内面上又はカプセルの前記本体の内面上に吐出する方法であって、前記液滴(7)が、請求項1~16の1項以上に定義される装置、DEVによって吐出され、
前記方法は、前記バルブ(5)、前記バルブ(5)の前記出口チャネル(5-1)、前記流体吐出空洞(8)、及び前記装置、DEVの前記カニューレ(4)を、前記バルブ(5)が閉じた状態で前記流体、FLUで満たされ、所定の圧力下で前記バルブ(5)内に流体、FLUを有する工程と、を含み、及び
前記方法は、工程1~工程3:
工程1:前記ピンヘッド(3-1)を前記キャップ(6)又は前記本体の前記空洞に挿入する工程と、
工程2:前記バルブ(5)を所定時間開閉し、前記キャップ(6)の内面上又は前記本体に液滴(7)を吐出する工程と、
工程3:前記ピンヘッド(3-1)を前記キャップ(6)又は前記本体の前記空洞から抽出する工程と、を含む、方法。
【請求項23】
前記流体、FLUが、溶媒、SOLVを含み、溶媒、前記SOLVが、水、C
1-4アルコール、C
1-4エーテル、C
1-8ケトン、メチレングリコール、C
1-4カルボン酸C
1-4エステルからなる群から選ばれる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溶媒、SOLVが、水、EtOH、イソプロパノール、又はそれらの混合物である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記流体、FLUが、接着剤、ADHESAGを含み、前記接着剤、ADHESAGが、ポリアルキレン、ポリサッカライド、セルロース及びセルロースの誘導体、ワックスキトサン、モノ-、ジ-、及びポリポリサッカライドを含む炭水化物、アスパルテーム、グリコシド、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、単官能有機酸、多官能有機酸、アクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマー並びにそれらの塩及びエステル、タンパク質、シェラック、ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリウロン酸、ポリヒドロキシ-アルコール、ジアルキルフタレート、低級アルキルが1~6個の炭素原子を有する低級アルキルクエン酸塩、ポリグリコール、ポリヒドロキシ-アルコールのエステル、レオシネオレイン酸及びそのエステル、長鎖脂肪酸及びその長鎖エステル、ここで、長鎖脂肪酸は、6~24のC原子を意味し、長鎖エステルは、C
6-24アルコールエステル又はリン酸を意味する、長鎖脂肪酸及びその長鎖エステルからなる群から選択されてもよい、請求項22~24の1項以上に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、工程3の後に行われる工程4を含み、工程4において、前記キャップと前記本体は、カプセルを提供する互いに伸縮自在に係合される、請求項22~25の1項以上に記載の方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法によって得ることができるカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の単一液滴、例えば接着剤の単一液滴を、キャップの内側表面又はカプセルの本体の内側表面に吐出するための装置、DEV、に関する。これは、伸縮自在に係合されたキャップ及び本体を有する閉鎖カプセルをより耐タンパー性にし、又は、カプレット又はタブレット又はその一部をカプレット又はタブレットに封入するキャップ又は本体又はその両方を固定するために有用である。
【背景技術】
【0002】
固形の医薬品又は他の物質のための標準的な容器は、2つの部分、キャップ部分、キャップとも呼ばれる、及び本体部分、本体とも呼ばれる、を有するカプセルシェルであり得る。
【0003】
そのようなカプセルは、とりわけ、粉末、カプレット又はタブレットなどの固形の物質を含有するために使用される。
【0004】
キャップ及び本体は、カプセルを閉じるために互いに伸縮自在に係合してもよい。カプセルが閉じているときのキャップと本体の伸縮自在の係合は、本体の一部の上にキャップの一部を重ねる形式で実現される。
【0005】
充填されたカプセルの意図しない開放、すなわち、カプセルの内容物の流出をもたらす充填されたカプセルのキャップと本体の意図しない分離を回避するために、キャップを本体に接着する接着剤を重複領域に適用することによって、カプセルに耐タンパー性機構を付けることが望ましい。
【0006】
カプセルがカプレット又はタブレットを含む場合、キャップはカプレット又はタブレットの一方の側部を囲み、本体はカプレット又はタブレットの他方の側部を囲む。キャップも本体も両方とも、キャップレット又はタブレットから脱落しないようにするべきである。
【0007】
米国特許第4,403,461号は、カプセルのキャップの内側に接着剤を吐出するための機器を開示している。接着剤は、まず、ピストン14の孔15を通してスライド9の内部溝32に供給される。次いで、接着剤は、内部溝32から接着剤巻き取り装置及び移動部材26の膜29上に移動し、次いで、接着剤は、膜からキャップの内側に移動する。キャップの内側に接着剤を塗布するこの方法は、孔15の吐出開口部とキャップの内側との間に、孔15の吐出開口部の表面とキャップの内側とに接触する必要がある、この移動部材26の形態の中間保管場所を必要とする。
【0008】
さらに、接着剤が内部溝32に供給されると、溝32内の接着剤が過剰になり、オーバーフローバルブ32によって除去する必要がある。
【0009】
米国特許第5,188,688号は、シーラントの滴26によって行われる、カプレット20を含むカプセルの密封について開示している。密封のために、カプセルの本体12はカプレット20を含み、シーラントの滴26がカプレット20上に配置される。代替として、シーラント滴26が十分な粘度である場合、シーラント液滴26は、本体12の縁部とカプレット20との間の接合部24に配置されてもよく、キャップ14が本体12と嵌合するまで実質的に所定の位置に留まるべきである。キャップ14がカプレット20上をスライドすると、シーラント滴は、キャップ14の内側側壁19とカプレット20との間、及びキャップ14の内側側壁19と本体12の外側側壁17との間の重複部の間で広がり、シーラント広がり28を提供する。粘着性滴26は、市販のシリンジのような加圧式定量点滴器によって添加されてもよい。本方法は、カプレットで満たされた本体にのみ適用可能であり、本開示は、機器によって自動化された方法でシーラント滴を塗布する可能性については言及していない。
【0010】
米国特許第4,539,060号は、
図4において、ゼラチンカプセルを密封するための実施形態を開示しており、ここで、密封流体6、又はその蒸気は、カプセル4が、密封流体6又はその蒸気をカプセル4の開放端部15及び/又はキャップ部分17の側壁16の内側に噴射するスプレーノズル13によって入れ子式に結合される前に噴射される。ノズル13は、キャップ部分17の外側に位置する。ノズルはジェットノズル又は高周波圧力パルスジェットノズルであってもよく、
図4に示す実施形態では、個々の液滴がノズルによって吐出されるのではなく、密封流体がスプレーの形で適用される。そのため、吐出される流体の量も、液滴が塗布される位置も、適切に制御することができない。この実施例では、キャップと本体とを接合した後にカプセルを密封することのみが開示されている。
【0011】
カプセルのキャップの壁の内面上に、又はカプセルの本体の壁の内面上に、例えば、カプセルを閉じるために本体を満たした後にキャップが本体の上をスライドしたときにキャップが本体と重なるキャップの壁の内面の領域におけるカプセルのキャップの壁の内面上に、液滴を制御して吐出することを可能にする機器が必要とされていた。
【0012】
これらの機器は、以下を考慮すべきである。
・単一の接着剤の液滴を吐出すること、
・キャップの壁の内面上又は本体の壁の内面上に、例えば、一旦閉じられた本体とキャップとの重複領域におけるキャップの壁の内面上に、液滴を吐出すること、
・吐出の方向に関して、液滴のサイズに関して、及び液滴が塗布される壁の内面の位置に関して制御された方法で液滴を吐出すること、
・周囲温度よりも高い又は低い温度など、周囲温度とは異なる温度で液滴を吐出すること、
・吐出部分とキャップ又は本体の壁との物理的接触を必要とすることなく、液滴を吐出すること、
・類似のカプセルと比較して本体からのキャップの分離力が増加しているが、接着剤の液滴を吐出することなく製造された、伸縮自在に係合したキャップ及び本体を有するカプセルを製造すること、
・カプレット又はタブレットを含むカプセルを製造することであって、カプレット又はタブレットがキャップ又は本体又はその両方によって少なくとも部分的に封入され、キャップ又は本体又は両方が、キャップの壁の内面又は本体の壁の内面にそれぞれ吐出された接着剤の液滴によって封入されたカプレット又はタブレットに接着され、それによって、接着剤の液滴のそのような吐出なしに製造された類似のカプセルと比較して、封入されたカプレット又はタブレットからのキャップ又は本体のそれぞれの分離力を増加させる効果を有する、カプセルを製造すること。
【0013】
本発明は、所望の方法で液滴を吐出することを可能にする特定の装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の課題は、流体、FLU、の液滴をキャップの内側表面又はカプセルの本体の内面に吐出するための装置、DEV、であり;
前記装置DEVは、カニューレ、流体吐出空洞及びバルブを備え;
前記カニューレは、両方開口する2つの端部を有するチューブであり;
前記カニューレの前記2つの端部のうちの1つは、前記流体、FLU、の液滴を吐出し;
前記バルブは、開放端部で終わる出口チャネルを備え;
前記カニューレの2つの端部の他方の端部及び前記バルブの前記出口チャネルの前記開放端部は、流体吐出空洞に向かって開口し、
それによって、前記バルブは、その出口チャネルを介して、次いで前記流体吐出空洞を介して、次いで前記カニューレの前記開放端部を有するカニューレを介して、流体接続であり、前記流体、FLUは、そのような流体接続を介して前記バルブから前記カニューレの前記開放端部に流れる。
【0015】
略語
本明細書では、以下の略語を使用する。
【0016】
APP:キャップの内側表面又はカプセルの本体の内面上にFLUの液滴を吐出するための機器であって、閉鎖カプセルを形成するためのキャップ及び本体の閉鎖プロセスにおいて使用されるか、又はキャップ又は本体へのタブレット又はカプレットの挿入において使用される、機器
DEV:カプセルのキャップの内面上又はカプセルの本体の内面上にFLUの液滴を吐出するための装置
FLU:液滴の形態でDEVによって吐出される流体
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース又はセルロースとも呼ばれる、2-ヒドロキシプロピルメチルエーテル又はセルロースヒドロキシプロピルメチルエーテル、CAS 9004-65-3
HPMCAS:ヒドロキシプロピルメチルセルロース酢酸エステルコハク酸エステル,ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル
ID:内径
ms、msec:ミリ秒
OD:外径
SMLD:サブマイクロ液体ディスペンサ
V-OUTLETCHAN:流体吐出空洞内で終了するバルブの出口チャネルの体積
V-CAV:流体吐出空洞の体積
wt%:(w/w)、重量パーセント
【0017】
「カプセル」及び「カプセルシェル」という用語は、しばしば相互に交換可能に使用され、本発明においても、時には、例えば先行技術の刊行物において、区別がなされ、次いで通常、「カプセルシェル」という用語は、空のカプセルを意味し、「カプセル」という用語は、医薬品又は他の物質で充填されたカプセルを意味する。
【0018】
「キャップ又は本体の内面」という用語は、「キャップ又は本体の壁の内面」を意味し、明示的に別段の記載がない限り、交換可能に使用される。
【0019】
カプセルの典型的なキャップは、しばしばドーム形である閉鎖端部と、閉鎖端部に隣接してキャップの開放端部で終わる通常円筒形の部分との2つの部分を備え、この開放端部はキャップの開口部を囲む周縁であり、キャップの開放端部の縁と呼ぶこともできる。
【0020】
同様に、カプセルの典型的な本体は、同様の2つの部分、すなわち、しばしばドーム形である閉鎖端部と、閉鎖端部に隣接し、本体の開放端部で終わる、通常円筒形の部分とを備え、この開放端部は、本体の開口部を囲む周縁であり、本体の開放端部の縁と呼ぶこともできる。
【0021】
本発明の意味における伸縮自在の係合とは、キャップの内壁が本体の外壁と少なくとも部分的に接触することを意味する。それはまた、閉鎖カプセル内でキャップと本体が重なり合うことを意味し、それらが閉じた位置で重なり合う場合、それらはそれらの形態の少なくとも部分的な適合を示す。キャップと本体との伸縮自在の係合は、キャップを本体上でスライドさせることによって、言い換えれば、本体をキャップの空洞に挿入することによって実現されてもよい。本体は、最初に開放端部とともにキャップの空洞内にスライドされる。これにより、キャップ及び本体は、少なくとも部分的に適切に接続又は係合される。したがって、伸縮自在の係合とは、キャップと本体との少なくとも部分的な嵌合係合である形状を意味する。
【0022】
本体の円筒部の外径は、キャップの円筒部の内径と同等又は若干小さい。カプセルがキャップの本体との伸縮自在の係合によって閉じられると、少なくともキャップの一部、好ましくはキャップの円筒形の一部が、少なくとも本体の一部、好ましくは本体の円筒形の一部の上をスライドし、それによって重なり合う領域が画定され、少なくともキャップの一部、好ましくはキャップの円筒形の一部の壁の一部が少なくともキャップの一部、好ましくは円筒形の一部の壁の一部と重なり合う。閉鎖カプセルシェルは、本質的に中空円筒形の形状を有してもよい。
【0023】
カプレット又はタブレットの場合、カプレット又はタブレットの一部又は全部を外側のシェルが包む方法は様々であり、カプレット又はタブレットの一方の端のみをシェルが包むことができ、この場合、シェルはカプセルシェルのキャップ又は本体のいずれかとして見ることができる。あるいは、カプレット又はタブレットの両端がそれぞれシェルによって包まれてもよく、この場合、カプレット又はタブレットの一方の端を包むシェルはカプセルシェルのキャップとみなすことができ、カプレット又はタブレットの他方の端を包む他のシェルはカプセルシェルの本体とみなすことができる。カプレット又はタブレットの両端がそれぞれシェルによって包まれている場合、
2つのシェルの開放端、すなわち開放端の縁は、それらがカプレット又はタブレットのそれぞれの端を包むときに互いに離れていてもよく;又は
2つのシェルの開放端、すなわち開放端の縁は、それらがカプレット又はタブレットのそれぞれの端を包むときに互いに接していてもよく;又は
2つのシェルの開放端は、本明細書に記載されるように互いに伸縮自在に係合してもよい。
【0024】
前記装置、DEV、はピンを含むことができ;
前記ピンは2つの端部を有し;
前記ピンヘッドは前記ピンの前記2つの端部のうちの1つであり;
前記ピンは、前記カニューレのための前記容器として機能するピンチューブを備え、その内側に前記カニューレを備え、
前記流体、FLU、の前記液滴を吐出する前記カニューレの前記2つの端部のうちの1つは、前記ピンヘッドに位置する。
【0025】
前記流体吐出空洞の前記体積、V-CAV、は、0.01マイクロリットル以上、好ましくは0.05マイクロリットル以上、より好ましくは0.075以上であり得る。
【0026】
前記流体吐出空洞の前記体積V-CAVは、5マイクロリットル以下、好ましくは4マイクロリットル以下、より好ましくは3マイクロリットル以下であり得る。
【0027】
任意の前記流体吐出空洞の前記可能な体積の前記下限、V-CAV、は、任意の前記流体吐出空洞の前記体積の前記上限、V-CAV、と組み合わせてもよい。例えば、流体吐出空洞の前記体積V-CAVは、0.01から5マイクロリットル、好ましくは0.05から5マイクロリットル、より好ましくは0.075から5マイクロリットル、さらにより好ましくは0.075から4マイクロリットル、とりわけ0.075から3マイクロリットル、よりとりわけ0.075から2.5マイクロリットル、さらにとりわけ0.1から2.5マイクロリットル、特に0.075から2マイクロリットル、さらに特に0.075から1.5マイクロリットルであってもよい。
【0028】
流体吐出空洞の前記体積V-CAVは、流体吐出空洞内で終わるバルブの出口チャネルの体積V-OUTLETCHANを含まず、むしろ、その体積V-OUTLETCHANを有する出口チャネルは、そのバルブの一部である。
【0029】
バルブの出口チャネルの体積V-OUTLETCHANは、例えば、出口チャネルの内径0.3mm及び出口チャネルの長さが1mmの場合、0.07マイクロリットルであってもよい。
【0030】
DEVは、少なくとも1つの個々の液滴を吐出するための装置である。前記液滴は、カニューレから吐出される。2つ以上の個々の液滴が、DEVからすなわち前記カニューレから連続的に吐出されてもよい。2つ以上の液滴がDEVから吐出される場合、各液滴は、DEVの個々の作用によって吐出され、個々の作用は、液滴の他の任意の吐出からは独立して1つの個々の液滴を吐出する。これは、壁の内面にFLUを噴射するノズルと比較してDEVの利点である、なぜなら、噴射とは、個々に液滴が吐出されず、制御された方法で個々に吐出することもできない多数の液滴を吐出することを意味するからである。
【0031】
流体吐出空洞の最小体積V-CAVを選択することで、バルブが開き、バルブの開口部とカニューレとの間のデッドボリュームが大きすぎるときに起こり得る圧力変動の最小化を可能にする。それによって、単一の、すなわち個々の液滴は、適切に排出されていない、カニューレの開口部の外側にぶら下がっている望ましくない液滴を形成することなく、スパッタが生じることなく制御された様式で吐出され得る。
【0032】
さらに、DEVは、液滴の排出形態での吐出を可能にし、それによって、液滴は、カニューレと壁の内面との間の空間を通って飛行し、それによって、カニューレと壁の内面とが接触することなく、また、カニューレ及び壁の内面と同時に接続されている液滴によって媒介される接触が生じることなく、吐出が行われる。流体吐出空洞の最小体積V-CAVによって、DEVのこの所望の特徴に寄与し、すなわち壁の内側表面への液滴の非接触適用を可能にする。
【0033】
流体吐出空洞は、バルブの出口チャネルをカニューレに接続する役割を果たす。DEVが2つ以上のカニューレを含む場合には、流体吐出空洞は、バルブの出口チャネルから個々のカニューレへのFLUの吐出に役立つ。それによって、1つのバルブは、必要とすることなく、例えば各カニューレに対して1つの別個のバルブを、1つ以上のカニューレに供給することができる。
【0034】
ピンヘッドがピンの両端部の一方であるのに対して、本明細書ではピンの他の端部をピンフットと呼ぶ。
【0035】
ピンチューブは、ピンフットに開口部を有する閉鎖チューブであってもよい。ピンは、ピンヘッドに開口部を有してもよい。
【0036】
好ましくは、ピンチューブの内径及び外径は、ピンチューブの長さにわたって一定であることである。
【0037】
好ましくは、ピンヘッドの外径は、ピンチューブの外径と等しいことである。
【0038】
好ましくは、ピンの外径は、ピンの長さにわたって一定であることである。
【0039】
ピンチューブのODは、15mm以下、好ましくは12.5mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは9.6mm以下であってもよい。
【0040】
ピンチューブのODは、2mm以上、好ましくは2.5mm以上、より好ましくは2.75mm以上であってもよい。
【0041】
任意のピンチューブの可能なODの下限を、任意のピンチューブの可能なODの上限と組み合わせてもよい。
【0042】
例えば、ピンチューブのODは、2から15mm、好ましくは2.5から12.5mm、より好ましくは2.5から10mm、さらにより好ましくは2.5から9.6mmであってもよい。
【0043】
ピンチューブの壁の厚さは、0.1から1mm、好ましくは0.1から0.8mm、より好ましくは0.1から0.6mmであってもよい。
【0044】
ピンチューブ及びピンヘッドのそれぞれの寸法は、液滴を吐出するためにピンが挿入されるキャップ又は本体のIDに関連して選択されてもよい。
【0045】
キャップのサイズは変化してもよく、キャップのIDの例示的な寸法、及びピンチューブのOD及びIDの可能なサイズは、0.2mmのピンチューブの壁の可能な厚さに対して表1に示されるようであってもよい。
【表1】
【0046】
本体のサイズは変化してもよく、本体のIDの例示的な寸法、及びピンチューブのOD及びIDの可能なサイズは、0.2mmのピンチューブの壁の可能な厚さに対して表2に示されるようであってもよい。
【表2】
【0047】
DEVのピンチューブは、異なるサイズ及びODのピンチューブを取り付けるために交換可能であってもよい。小さいODを有するピンチューブはまた、ピンチューブのODよりもキャップ又は本体のIDが大きい2つ以上のカプセルサイズに使用されてもよい。例えば、3から4.3mmのODを有するピンチューブは、サイズ5から000の間のすべてのサイズのキャップ及び本体に使用してもよい。
【0048】
一実施形態では、ピンチューブのODは4mmである。
【0049】
一実施形態では、ピンチューブの壁の厚さは0.4又は0.5mmである。
【0050】
一実施形態では、ピンチューブのIDは3.0mmである。
【0051】
一実施形態では、ピンチューブのODは4mmであり、ピンチューブのIDは3.0mmである。
【0052】
カニューレは、少なくともピンの長さにわたって延在しても良い。
【0053】
カニューレは、丸いチューブであってもよい。
【0054】
好ましくは、カニューレの内径及び外径は、カニューレの長さにわたって一定であることである。
【0055】
カニューレのODは、0.1mm以上、好ましくは0.12mm以上、より好ましくは0.14mm以上であってもよい。
【0056】
カニューレのODは、3mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下、さらにより好ましくは0.9mm以下、とりわけ0.8mm以下であってもよい。
【0057】
任意のカニューレの可能なODの下限を、任意のカニューレの可能なODの上限と組み合わせてもよい。
【0058】
例えば、カニューレのODは、0.1から3mm、好ましくは0.1から2mm、より好ましくは0.1から1mm、さらにより好ましくは0.1から0.9mm、とりわけ0.1から0.8mm、よりとりわけ0.12から0.8mm、さらにとりわけ0.14から0.8mmであってもよい。
【0059】
カニューレのIDは、0.02mm以上、好ましくは0.03mm以上、より好ましくは 0.04mm以上であってもよい。
【0060】
カニューレのIDは、2mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.8mm以下、さらにより好ましくは0.6mm以下、とりわけ0.5mm以下であってもよい。
【0061】
任意のカニューレの可能なIDの下限を、任意のカニューレの可能なIDの上限と組み合わせてもよい。
【0062】
例えば、カニューレのIDは、0.02から2mm、好ましくは0.02から1mm、より好ましくは0.02から0.8mm、さらにより好ましくは0.02から0.6mm、とりわけ0.03から0.6mm、よりとりわけ0.04から0.6mm、さらにとりわけ0.04から0.5mmであってもよい。
【0063】
カニューレのIDが小さくなりすぎると、加える必要がある圧力が高くなりすぎたり、バルブの開放時間が液滴の吐出に対して長くなりすぎたりする可能性がある。
【0064】
カニューレのIDが大きくなりすぎると、加える必要がある圧力が低くなりすぎたり、バルブの開放時間が液滴の吐出に対して短くなりすぎたりする可能性がある。
【0065】
また、カニューレのIDが大きくなりすぎると、液滴の吐出中のFLUの速度が低くなりすぎる可能性があり、その結果、液滴は、カニューレからの液滴の完全かつ清潔な分離を伴う清潔な方法で、カニューレの開口部からもはや突出しなくなる。また、液滴は、カニューレから分離されると、もはや直線軌道に従わない可能性があるが、例えば、低すぎる速度のために、むしろ落下する可能性がある。
【0066】
一実施形態では、カニューレのODは0.413mmである。
【0067】
一実施形態では、カニューレの壁の厚さは約0.11mmである。
【0068】
一実施形態では、カニューレのIDは0.21mmである。
【0069】
一実施形態では、カニューレのODは0.413mmであり、カニューレのIDは0.21mmである。
【0070】
ピンフットは、ピンソケットに取り付けられてもよい。ピンソケットは、流体吐出空洞を備えてもよい。流体吐出空洞に向かって開口するカニューレの端部は、本明細書ではカニューレマウントと呼ばれるマウントに取り付けられてもよい。カニューレマウントは、流体吐出空洞を備えてもよい。ピンソケットは、カニューレマウントを備えてもよいし、又はカニューレマウントが例えばねじ式接続によってピンソケットに取り付けられる、カニューレマウント及びピンソケットは、2つの別個の部品であってもよい。
【0071】
一実施形態では、ピンソケット及びカニューレマウントは別個の部品であり、カニューレマウントは、好ましくはねじ式接続によってピンソケットに取り付けられ;カニューレマウントは、流体吐出空洞を備え、流体吐出空洞に向かって開口するカニューレの端部を流体吐出空洞に取り付ける。
【0072】
カニューレは、ピンソケットから、好ましくはカニューレマウントから、ピンチューブ内に、そしてピンチューブ内でピンヘッドまで延びてもよい。
【0073】
バルブは、制御された方法で少量の流体を吐出することができる任意のタイプのバルブであってもよい。典型的なバルブは、当業者にはマイクロバルブとして知られており、サブマイクロ液体ディスペンサSMLDとも呼ばれる。このようなバルブは、マイクロリットル及びナノリットルの範囲、さらには10ナノリットル以下までの少量を吐出することができる。それらは電磁的に作動させてもよい。典型的には、そのようなバルブは、制御された方法で吐出される流体を含むバルブ空洞と、バルブノズルとも呼ばれるバルブシートとを備え、バルブシートは、出口チャネルを含んでいてもよく、出口チャネルの1つの端部を閉じるバルブボールのためのシートとして機能する。出口チャネルのもう一方の端部は、流体がバルブを離れるバルブの開放端部である。バルブ空洞内の流体は、通常、圧力下に維持される。バルブボールは、可動アンカー上の閉鎖バネの作用により、可動アンカーによってバルブシートに押し付けられる。バルブコイルを通して供給される電流によって、バルブボールを有する可動アンカーは、固定アンカーの磁場によって磁気的に引っ張られ、それによってバルブが開き、すなわち出口チャネルの一端が開き、流体は、加えられた圧力によって、出口チャネルに押し込まれて入り、開放端である出口チャネルの他方の端部から出てくる。このようなバルブは、例えば、スイスのFritz Gyger AG,3645 Thun-Gwattから市販されている。
【0074】
バルブの開放時間は、0.1msec以上、好ましくは0.2msec以上、より好ましくは0.3msec以上、さらに好ましくは0.4msec以上であってもよい。
【0075】
バルブの開放時間は、30msec以下、好ましくは26msec以下、より好ましくは22msec以下、さらに好ましくは20msec以下、とりわけ15msec以下、よりとりわけ10msec以下であってもよい。
【0076】
任意のバルブの可能な開放時間の下限は、任意のバルブの可能な開放時間の上限と組み合わされてもよい。
【0077】
例えば、バルブの開放時間は、0.1から30msec、好ましくは0.2から26msec、より好ましくは0.3から22msec、さらにより好ましくは0.4から20msecであってもよい。
【0078】
一実施形態では、バルブの開放時間は0.5から3msecであってもよい。
【0079】
バルブ内のFLUは加圧されてもよく、圧力は0.2から6バール、好ましくは0.3から5バール、より好ましくは0.4から4バール、さらにより好ましくは0.5から3バール、とりわけ1から2バールであってもよい。
【0080】
バルブは、流体吐出空洞内で終端するバルブの出口チャネルが流体吐出空洞に隣接するように、カニューレマウントに取り付けられてもよい。一実施形態では、カニューレマウントは流体吐出空洞を備え、カニューレマウントはピンソケットとは別個の部品としてピンソケットに取り付けられ、バルブは、流体吐出空洞内で終端するバルブの出口チャネルがカニューレマウント内の流体吐出空洞に隣接するように、バルブマウントによってピンソケットに取り付けられる。
【0081】
ピンは、ピンの延在方向に長手軸を有する。この方向は、本明細書では長手方向とも呼ばれる。ピンの内側のカニューレの延長部は、ピンのこの長手軸に沿っている。ピンヘッド内のカニューレの部分は、直線であっても、すなわち、屈曲していなくてもよく、又は屈曲していてもよい。これは、液滴がキャップ又は本体の表面に配置されることが望ましい位置に従って選択することができる。屈曲部はピンヘッドに位置してもよい。屈曲部は、ピンヘッドの長手軸に対して特定の角度であってもよく、この角度は、本明細書では屈曲角度と呼ばれ、それによって、カニューレの開口部の方向は、ピンの長手軸に対して角度を有する。ピンヘッドにおけるカニューレの屈曲部の屈曲角度は、好ましくは、40°から140°であり、より好ましくは50°から130°であり、さらにより好ましくは70°から110°であり、とりわけ85°から95°であり、よりとりわけ屈曲角度は90°であり、90°の屈曲角度では、カニューレの開口部の方向は、ピンの長手軸に対して垂直、すなわちピンの表面に対して垂直である。
【0082】
カニューレの開口部から吐出された液滴は、カニューレの開口部の方向にカニューレを離れる。
【0083】
DEVは、キャップ又は本体の内面の任意の所望の位置に、それぞれFLUの液滴をキャップの内面又はカプセルの本体の内面に吐出するための装置であり、液滴がキャップ又は本体の内面上に堆積する可能性のある所望の位置によって必要とされる場合、屈曲角度をそれぞれ選択してもよい。
【0084】
本発明の一実施形態において、DEVは、キャップがカプセルを閉じるために本体上をスライドするときにキャップがカプセルの本体と重なり合うキャップのそのような内面の領域において、カプセルのキャップの内面上にFLUの液滴を吐出するための装置である。
【0085】
ピンヘッド内のカニューレ、ピンヘッド内のカニューレの任意の屈曲部、及びカニューレの開口部を有するカニューレの端部は、ピンヘッド内に固定されてもよい。ピンヘッドは、カニューレを固定するためのマウント、すなわち、カニューレの位置、ピンヘッドにおけるカニューレの屈曲部の位置、及びピンヘッドにおけるカニューレの開口部の位置を固定するためのマウントを備えてもよい。
【0086】
ピンヘッド内にカニューレの開口部を有するカニューレの端部は、ピンの壁、すなわちピンヘッドの開口部で終端する。この開口部は、ピンヘッド開口部と呼ばれる。ピンヘッド開口部は、矩形又は丸穴などの円形などの任意の形状を有してもよく、カニューレと同じ形状を有してもよい。カニューレが丸いチューブである場合、ピンヘッド開口部は丸い穴であることが好ましい。ピンヘッド開口部の内径は、カニューレの外径と同じか又はそれより大きくてもよく、特にピンヘッド開口部が丸い穴であり、カニューレが丸いチューブである場合には、それより大きいことが好ましい。カニューレの開口部を有するカニューレの端部は、開放空間によってピンヘッドの壁から円周方向に分離されることが好ましい。これは、ピンヘッド開口部が、カニューレの開口部を有するカニューレの端部と、ピンヘッドの壁から円周方向にカニューレの端部を分離するこの開放空間とを備えることを意味する。
【0087】
ピンヘッド開口部を通して、ガスがピンヘッドの内側からのピンヘッドから流出することができる。そのような開放空間がカニューレの端部をピンヘッドの壁から円周方向に分離するとき、カニューレの端部は、流出するガスによって円周方向に巻き込まれ、ガスはカニューレの端部の周りを流れるであろう。
【0088】
カニューレの開口部を有するカニューレの端部の位置は、ピンヘッド開口部の中央にあることが好ましい。
【0089】
ピンヘッド開口部にカニューレの開口部を有するカニューレの端部はそれぞれ、ピンの外面を越えて、又はピンヘッドの外面を越えて延びないことが好ましい。したがって、カニューレの開口部を有するカニューレの端部は、ピンヘッド開口部から又はピンから突出しないことが好ましい。
【0090】
ピンの端部、すなわちピンヘッドの端部は閉じていてもよい。ピンヘッドは、ピンを閉じるキャップを備えてもよく、これはピンヘッド閉鎖キャップと呼ばれる。それによって、ピンヘッドの開口部は、ピンヘッドの壁の開口部の内径がカニューレの外径よりも大きい場合に、ピンヘッドの壁からカニューレの端部を分離する開放空間であり得、ピンヘッドのこの開口部は、ピンヘッドの唯一の開口部であり得る。
【0091】
ピンヘッド閉鎖キャップは、カニューレを固定するための、すなわち、カニューレの位置、ピンヘッド内のカニューレの屈曲部の位置、及びピンヘッド内のカニューレの開口部の位置を固定するための、マウントの形態などの手段を含んでもよい。
【0092】
したがって、ピンヘッドは、カニューレの端部の屈曲を伴うカニューレの端部、ピンヘッド閉鎖キャップ、及びカニューレの位置及びカニューレの開口部の位置を固定するためのマウントを備えてもよい。
【0093】
一実施形態では、装置DEVは、1つのカニューレのみを備える。
【0094】
DEVが1つのカニューレのみを備える場合、流体吐出空洞は、カニューレの長手軸に対して垂直な断面部を有し、
流体吐出空洞のこの断面部は、1つのカニューレの断面部と異なってもよく、
流体吐出空洞のこの断面部は、1つのカニューレの断面部よりも大きいことが好ましい。
【0095】
別の実施形態では、装置DEVは、2つ以上のカニューレを含んでもよい。
【0096】
好ましくは、装置DEVは、1、2、3、4、5、6、7又は8つのカニューレ、より好ましくは1、2、3又は4つのカニューレ、さらにより好ましくは2、3又は4つのカニューレ、とりわけ2又は4つのカニューレを含む。
【0097】
DEVが2つ以上のカニューレを含む場合、
・ピンはカニューレの容器として機能し、その内側にすべてのカニューレを含む。
・各カニューレは、両方が開いている2つの端部を有するチューブであり、カニューレは同一であることが好ましい。
・ピンヘッドは、各カニューレの2つの端部の各々を備える。
・ピンヘッドは、各カニューレに対してピンヘッド開口部を含み、好ましくは、ピンヘッドは、各カニューレに対して1つの別個のピンヘッド開口部を備える。
・カニューレの各他方の端部は流体吐出空洞に向かって開口しており、
それによってバルブは、その出口チャネルを介して及び流体吐出空洞を介して流体接続され、次に各カニューレを介してピンヘッド内のカニューレの開放端部のそれぞれと流体接続される。
【0098】
DEVが2つ以上のカニューレを備える場合、各カニューレは、少なくともピンの長さにわたって延びてもよい。
【0099】
しかしまた、DEVが2つ以上のカニューレを備える場合には、流体吐出空洞は、カニューレの長手軸に対して垂直な断面部を有し、流体吐出空洞のこの断面部は、1つのカニューレの断面部と異なっていてもよく、
流体吐出空洞のこの断面部は、1つのカニューレの断面部よりも大きいことが好ましい。
【0100】
DEVが2つ以上のカニューレを含む場合、ピンヘッド内に位置するすべてのカニューレの末端部は屈曲してもよい。すべてのカニューレがピンヘッド内で屈曲したとき、すべての屈曲部は、同じ度合いの屈曲を有することが好ましい。屈曲部の程度は、1つのカニューレを有する実施形態に関して本明細書に記載されたように、また、屈曲の程度のすべての実施形態に関しても同様であり得る。すべてのカニューレは、ピンの長手軸に対して90°のピンヘッドの屈曲を有することが好ましい。これは、各カニューレの開口部の方向が、ピンの長手軸に対して、好ましくは90°の角度を有することを意味する。
【0101】
カニューレは、それらの開口部がピンヘッドに位置するように配置され、及び開口部の方向はピンヘッドの円周上に分布していることが好ましく、それらは、互いに等しい距離でピンヘッドの円周上において円周方向に分布する、すなわち、それらの開口部の方向が互いに同じ角度を有することが好ましい。したがって、カニューレは、それらの開口部がピンヘッド内に位置するように配置され、これらの開口部の方向は、互いに同じ角度でピンヘッドの円周上に分布していることが好ましい。
【0102】
2つのカニューレを有するDEVの場合、2つのカニューレのピンヘッドに位置する開口部の方向は、互いに180°の角度を有し、すなわち、ピンヘッドに位置する開口部は、ピンヘッドの反対側にあることが好ましい。
【0103】
3つのカニューレを有するDEVの場合、ピンヘッドに位置する3つのカニューレの開口部の方向は、互いに120°の角度を有することが好ましい。
【0104】
4つのカニューレを有するDEVの場合、ピンヘッドに位置する4つのカニューレの開口部の方向は、互いに90°の角度を有することが好ましい。
【0105】
DEVが2つ以上のカニューレを含む場合、ピンヘッドのマウントは、ピンヘッド内のすべてのカニューレ及びそれらの開口部の位置を固定することが好ましい。
【0106】
FLUは、流体接着剤であり得る。
【0107】
FLUは溶媒SOLVを含んでもよく、SOLVは、水、C1-4アルコール、C1-4エーテル、C1-8ケトン、メチレングリコール、C1-4カルボン酸C1-4エステルからなる群から選択されてもよく、SOLVは、水、EtOH、イソプロパノール、又はそれらの混合物であることが好ましい。
【0108】
SOLVの実施形態は、水、EtOH、イソプロパノール、70から80重量%の水性EtOH、20から30重量%の水性EtOH、及び30から50重量%の水性イソプロパノールである。
【0109】
SOLVの具体的な実施形態は、水、EtOH、イソプロパノール、75重量%の水性EtOH、25重量%の水性EtOH、及び40重量%の水性イソプロパノールである。
【0110】
FLUは接着剤ADHESAGを含んでもよく、ADHESAGは、ポリアルキレン、多糖、セルロース及びセルロースの誘導体、ワックスキトサン、単糖類、二糖類及び多糖類を含む炭水化物、アスパルテーム、グリコシド、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、単官能性有機酸、多官能性有機酸、アクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマー並びにそれらの塩及びエステル、プロテイン、シェラック、ゴム、ポリビニルアセテート、ポリウロン酸、ポリヒドロキシアルコール、ジアルキルフタレート、低級アルキルが1から6個の炭素原子を有する低級アルキルシトレート、ポリグリコール、ポリヒドロキシアルコールのエステル、リシノール酸及びそのエステル、長鎖脂肪酸及びその長鎖エステル(長鎖脂肪酸は6から24個のC原子を意味し、長鎖エステルはC6-24アルコールエステルを意味する)、又はリン酸からなる群から選択してもよい。
【0111】
ポリアルキレンは、例えばポリエチレン又はポリプロピレンであってもよい。
【0112】
セルロースの誘導体は、例えば、酢酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロースエステル;低級アルキル基が1から3個の炭素原子を含有する低級アルキルセルロース、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ナトリウム-カルボキシメチルセルロースなどの他の誘導体、又は低級アルキルが1から4個の炭素原子を有する低級ヒドロキシアルキルセルロース、であってもよい。
【0113】
ワックスは、例えば、カルナバワックスであってもよい。
【0114】
一糖、二糖及び多糖を含む炭水化物は、例えば、スクロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、セロビオース、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、ソルビトール、デンプン、寒天又はポリデキストロースであってもよい。
【0115】
デンプンは、例えば、ジャガイモデンプン又はトウモロコシデンプンであってもよい。
【0116】
グリコシドは例えばステビオールであってもよい。
【0117】
ゼラチンは、例えばウシゼラチン又はブタゼラチンであってもよい。
【0118】
単官能性有機酸は、例えば、脂肪酸、C2-4モノカルボン酸、又は安息香酸であってもよい。
【0119】
C2-4炭酸は、例えば、酢酸又はプロパン酸であってもよい。
【0120】
多官能有機酸は、例えば、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、又はフマル酸であってもよい。
【0121】
タンパク質は、例えば、ゼラチン及び加水分解ゼラチン、それらの誘導体、大豆タンパク質、又はヒマワリタンパク質であってもよい。
【0122】
ポリウロン酸は、例えば、アルギン酸塩及びその誘導体であってもよい。
【0123】
ポリヒドロキシアルコールは、例えば、グリセロール、ソルビトール、又はマンニトールであってもよい。
【0124】
ジアルキルフタレートは、例えばジブチルフタレートであってもよい。
【0125】
ポリグリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、メトキシ-プロピレングリコール、又は1,2-プロピレングリコールであってもよい。
【0126】
ポリヒドロキシアルコールのエステルは、例えば、グリセロールのモノアセテート、ジアセテート及びトリアセテートであってもよい。
【0127】
ADHESAGの好ましい態様は、スクロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、セロビオース、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、ソルビトールであってもよい。
【0128】
一実施形態では、FLUはSOLVのみを含み、ADHESAGは含まない。
【0129】
別の実施形態では、FLUは水及びADHESAGを含むが、アルコールを含まない。
【0130】
別の実施形態では、FLUは水、ADHESAG及びアルコールを含んでおり、ADHESAGはラクトースであり、SOLVはイソプロパノールであることが好ましい。
【0131】
吐出された液滴の体積は、カニューレのID及び長さ、FLUの温度、バルブの開放時間及びFLUの圧力又はそれらの組み合わせなどの様々なパラメータで調整することができる。
【0132】
吐出された液滴の体積は、0.005から2マイクロリットル、好ましくは0.005から1.9マイクロリットル、より好ましくは0.005から1.8マイクロリットルであってもよい。
【0133】
液滴の体積は、カプセルサイズに従って選択してもよく、可能な範囲を表3に示す。
【表3】
【0134】
例えば、カプセルサイズ0の場合の液滴の典型的な範囲は、0.1から0.8マイクロリットルであってもよい。
【0135】
ゼラチンのようなカプセルのシェルを製造するために使用されるいくつかのポリマーは、接着又は密封のために高温を必要とする。
【0136】
したがって、FLUは加熱しても又は冷却してもよい。
【0137】
カニューレの一部又はカニューレ全体を加熱しても又は冷却してもよい。ピンヘッド内のカニューレの開放端部は、加熱しても又は冷却してもよい。カニューレ又はカニューレの一部を加熱又は冷却することによって、カニューレ内のFLUはそれぞれ加熱又は冷却される。
【0138】
したがって、DEVは、FLUを加熱又は冷却するための手段を含んでもよい。
【0139】
したがって、DEVは、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はそれらの組み合わせの加熱又は冷却のための手段を含んでもよい。
【0140】
加熱は、電気加熱又は加熱ガスなどの従来の加熱手段、例えば、
FLU、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はそれらの組み合わせの電気加熱によって、又は
ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はそれらの加熱ガスとの組み合わせの加熱によって行ってもよい。
【0141】
冷却は、冷却ガスによる冷却などの従来の冷却手段、例えば、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部、流体吐出空洞、バルブ、又は冷却ガスとのそれらの組み合わせの冷却によって行ってもよい。
【0142】
好ましい実施形態では、加熱及び冷却は、所望の温度を有するガスによって行われる。
【0143】
好ましい実施形態では、カニューレ又はカニューレの部品は、好ましくは所望の温度を有するガスによって加熱又は冷却される。
【0144】
DEVは、FLUの加熱又は冷却に使用される構成要素を含んでもよい。
【0145】
DEVは、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はそれらの組み合わせの加熱又は冷却のために使用される構成要素を含んでもよい。
【0146】
本発明における「加熱及び冷却」及び「テンパリング」という表現は、所望の温度に加熱すること、所望の温度に冷却すること、及び所望の温度に保つことの意味を含む。
【0147】
テンパリングに使用しても良いガスは、DEVに対して不活性であり、好ましくはFLUに対しても不活性である任意のタイプのガス、例えば空気又は窒素であることができる。
【0148】
ピンは、その内部に利用可能な領域を有し、ピンが丸いチューブの場合は、ピンの内径がピンの内側の利用可能な領域を定義する。カニューレは、ピン内で占有する領域を有し、カニューレが丸いチューブである場合、カニューレの外径は、カニューレがピン内で占有するカニューレの領域を定義する。カニューレの領域は、DEVが2つ以上のカニューレを含む場合、ピン内のすべてのカニューレの追加された領域は、ピンの内側の利用可能な領域より小さいことが好ましい。それによって、本明細書では空のピン空間と呼ばれる空の領域及び空の空間が、カニューレに隣接するピン内に存在する。この空のピン空間は、カニューレとピンチューブとの間にある。ガスはこの空のピン空間を通過することができ、それによって、カニューレに隣接するピンを通過することができる。
【0149】
カニューレの位置を固定するためのピンヘッドのマウントは、ピン内のカニューレに隣接する空のピン空間をピンヘッド開口部に接続する、本明細書ではピンヘッドガス開口部と呼ばれる少なくとも1つの開口部を有することが好ましい。ピンヘッドガス開口部は、長手方向に延びることが好ましい。ピンヘッドガス開口部は、ピンヘッドのマウント内の孔又は穴であってもよく、長手方向に延びることが好ましい。それによって、ガスはピンを通過することができ、例えば、ガスは、ピンフットの開口部を通ってピンに入り、ピン内のカニューレに隣接する空のピン空間を通過し、ピンヘッドガス開口部を通過し、次いでピンヘッド開口部を介してピンから出てもよい。
【0150】
ピン内に2つ以上のカニューレがある場合、カニューレのためのすべてのピンヘッド開口部は互いに流体接続され、少なくとも1つのピンヘッドガス開口部は、ピンヘッドのマウントに含まれ、すべてのピンヘッド開口部をピン内のカニューレに隣接する空の空間と流体接続させることが好ましい。1つ、2つ、3つ又は4つのカニューレがピンに含まれる場合、各カニューレに対して1つのピンヘッドガス開口部がピンヘッドのマウント内に含まれることが好ましい。
【0151】
それによって、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、及びピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部は、ピンを通過するそれぞれの温度を有するガスによって加熱されても又は冷却されてもよい。それによって、カニューレ内のFLUを加熱又は冷却することができ、それによって、所望の温度を有する液滴の形態でDEVによって吐出することができる。
【0152】
FLUの温度は、10℃からFLUの沸点までであってもよく、15℃からFLUの沸点までであることが好ましい。
【0153】
温度は、キャップ又は本体の壁を形成するポリマーに関して選択されてもよい。
【0154】
例えば、HPMC又はプルランから製造されたキャップ又は本体の場合、FLUの温度は10から35℃であってもよく、15から30℃であることが好ましい。
【0155】
ゼラチンで作られたキャップ又は本体の場合、FLUの温度は、50℃からFLUの沸点であってもよい。
【0156】
FLUは水を含んでもよいがアルコールを含んではならず、この場合、FLUの上限温度は100℃、好ましくは90℃、より好ましくは80℃、さらにより好ましくは75℃であってもよい。
【0157】
FLUは水及びアルコール、例えばEtOHを含んでもよく、この場合、FLUの上限温度は75℃、好ましくは70℃であってもよい。
【0158】
例えば、水を含むがアルコールを含まないゼラチン及びFLUから作られたキャップ又は本体の場合、FLUの温度は50から95℃、好ましくは50から90℃であってもよい。
【0159】
加熱手段の温度は、FLUを所望の温度に加熱又は冷却し、FLUを所望の温度に維持する効果のあるそれぞれの値に選択及び設定される。
【0160】
本発明のさらなる主題は、閉鎖カプセルを形成するためのキャップ及び本体の閉鎖プロセスで使用されるか、又はタブレット又はカプレットをキャップ内又は本体内に挿入する際に使用される機器APPであって、
前記APPは、キャップの内面上又はカプセル本体の内面上にFLUの液滴を吐出するためのDEVを備え、
DEV及びFLUは、本明細書で定義され、またそのすべての実施形態で定義される。
【0161】
さらにAPPは、バルブ空洞の中にFLUを供給するための装置を備える。APPは、バルブ空洞内のFLUを所定の圧力下に保つための装置を備える。
【0162】
APPは、FLUを加熱又は冷却する手段を備えてもよい。
【0163】
APPは、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部におけるカニューレの端部の開口部、流体吐出キャビティ、バルブ、又はそれらの組み合わせの加熱又は冷却のための手段を備えてもよい。
【0164】
加熱は、電気加熱、加熱ガス、赤外線加熱、誘導加熱、マイクロ波加熱など、従来の加熱手段によって行うことができ、
例えば、
加熱は、電気加熱又は加熱ガスなどの従来の加熱手段、例えば、FLU、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はそれらの組み合わせの電気加熱によって、又は
ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部内のカニューレの端部におけるカニューレの開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はそれらの加熱ガスとの組み合わせの加熱によって行ってもよい。
【0165】
冷却は、例えば、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部におけるカニューレの端部の開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はこれらの組み合わせを冷却ガスで冷却することによって、冷却した液体の冷却ガスを使って冷却するなどの従来の加熱手段によって実施され得る。
【0166】
好ましい実施形態では、加熱及び冷却は、所望の温度を有するガスによって行われる。
【0167】
好ましい実施形態では、カニューレ又はカニューレの部品は、好ましくは所望の温度を有するガスによって、加熱又は冷却される。
【0168】
APPは、FLUの加熱又は冷却に使用される構成要素を備えてもよい。
【0169】
APPは、ピン、ピンヘッド、ピン内のマウント、カニューレ、カニューレの部品、ピンヘッド開口部におけるカニューレの端部の開口部、流体吐出空洞、バルブ、又はそれらの組み合わせの加熱又は冷却に用いられる構成要素を備えてもよい。
【0170】
そのため、APPは、ガステンパリング装置と呼ばれるガスを加熱又は冷却する装置を備えてもよい。APPは、ガスを供給するための装置を備えてもよい。ガスの供給及びガスのテンパリングは、APPの同じ装置であるテンパリングガス供給用装置によって行うこともできる。
【0171】
一実施形態では、APPは、ガス入口チャネル及びガス入口スプリッタを備える。
ガス入口チャネルには、所望の温度を有するガスが供給される。好ましくは、APPに備えるテンパリングガス供給用装置が、所望の温度を有するガスをガス入口チャネルに供給する。
【0172】
ガス入口スプリッタには、ガス入口チャネルからガスが供給され得る。
【0173】
ガス入口スプリッタはスプリッタテンパー(SPLITTERTEMPER)とスプリッタバイパス(SPLITTERBYPASS)の2つの位置があり、スプリッタテンパーの位置ではガス入口スプリッタがピンにガスを供給し、スプリッタバイパスの位置ではピンはガスにバイパスされる。
【0174】
APPは、付加的にガスバイパス出口チャネルを有し得る。スプリッタバイパスでは、ガスはガス入口スプリッタからガスバイパス出口チャネルに供給され得る。
【0175】
APPは、ピンから出たガスが供給されるガステンパリング出口チャネルを備え得る。
【0176】
ガステンパリングチャネルからのガス流とガスバイパスチャネルからのガス流は、ガス結合出口チャネルの中に供給されてもよい。
【0177】
ガステンパリングチャネル、ガスバイパスチャネル、又はガス結合出口チャネルからのガスは、テンパリングされたガスを供給するための装置に再び供給し得る。
【0178】
APPは、ガス入口チャネルに圧力をかけてガスを供給する手段を有し得る。
【0179】
APPは、任意のガスバイパス出口チャネル、任意のガステンパー出口チャネル、任意のガス結合出口チャネル、又はそれらの任意の組み合わせに真空を適用する手段を有し得る。これにより、例えばガスがピンヘッドから出る際に、ガスとFLUの蒸気が吸引され得る。
【0180】
圧力をかけてガスを供給するか、ガスを吸い取るために真空を適用するか、又はその両方がガスの循環を促進することができ、それはまた、カプセルを閉じる処理キャンペーンの前又は後など、閉じる操作の前又は後にAPPの浄化又は洗浄を促進することができる。ガス入口スプリッタは、ガス入口スプリッタを2つの位置のうちの1つに維持する、ガス入口スプリッタのバネと呼ばれるバネを備えてもよく、好ましくは、ガス入口スプリッタは、スプリッタバイパスのガス入口スプリッタのバネにより保持される。ガス入口スプリッタは、機械的又は電磁場によって他の位置に到達するように作動させることができる。
【0181】
ガス入口スプリッタの機械的な作動は、例えば、ピンソケットの足部によって実施され得る。ピンソケットの足部には、ピンソケットの足部の開口部と呼ばれる開口部を有することができ、この開口部は、例えばピンソケットのそれぞれの孔によってピンソケットを介して流体接続され、ピンフットとピンフットの開口部はピンソケットに取り付けられる。
【0182】
APPでは、吐出された液滴をその内面上に受けるキャップや本体をホルダーに保持してもよく、好ましくは2つ以上のホルダーをAPPのホルダーのリングに配列及び取り付ける。
【0183】
したがって、APPは、キャップ又は本体を保持するためのホルダーを備え得る。
【0184】
APPは、ホルダーのリングに配置され、取り付けられた複数のホルダーを備えてもよい。
【0185】
キャップの開口部を下向きにしてAPPのホルダーでキャップを保持し、本体は本体の開口部を上向きにしてそれぞれのホルダーで保持するのが一般的な方法である。このため、操作中に本体やキャップを逆さまにする必要がなく、操作中に本体を充填することもできる利点を有する。
【0186】
しかし、明らかに、キャップ又は本体のいずれかが、それらの壁の内面上に液滴を吐出する目的で、それぞれの開口部を任意のそれぞれの方向に向けた状態で、任意の方向に保持され得る。以下の説明では、DEV及びピンの任意の移動方向に対するDEV及びピンの作用態様について、APPでキャップをホルダーに保持するこの一般的な方法、すなわちキャップの開口部を下向きにした状態に関するもので、キャップの壁の内面上に液滴を吐出することに関するものだが、
・明らかにキャップの代わりに本体もホルダーに保持されてもよく、吐出はホルダーに保持したボディのそれぞれの内面上に対して行われ、
・及び、APPの一般的な構造において、それによってピンの移動方向は、キャップや本体がAPPのホルダーに保持される方向と一致し、キャップや本体の開口部が向く方向と一致するように、任意の移動方向に対応させることができる。
【0187】
基本的にピンの移動は、キャップ又は本体の長手方向とそれぞれ一致しており、及びピンの移動により、ピンはキャップ又は本体の開口部を通ってそれらのそれぞれ空洞に入る。
【0188】
また、明らかに、APPは、ピンが静止し、キャップ又は本体が動くように構成されてもよく、ピンとキャップ又は本体の両方が動いてもよい。
【0189】
ピンソケットの足部によるガス入口スプリッタの機械的な作動は、ピンが2つの位置(ピンディスペンス(PINDISPENSE)位置とピンテンパー(PINTEMPER)位置)の間で交互に動くことによって実現し得る。ピンは、2つの位置の間で垂直に交互に移動してもよく、この垂直方向の移動は、好ましくは、本明細書で定義する長手方向と整列する。
【0190】
そこで、言及された一般的な方法は、APPのキャップをその開口部を下向きにすることである。ピンディスペンスは、互いに対して垂直方向上部の位置にあり、ピンテンパーは垂直方向下部の位置にある場合がある。ピンはピンソケットに取り付けられ、2つ以上のピン及びそこのピンソケットがピンの配列に取り付けられ得るため、ピン、ピンソケット、及び任意のピンの配列は、これら2つの位置の間で交互であり得る。
【0191】
好ましくは、キャップは、液滴を吐出するためのAPPの動作中に、その垂直方向の位置が変化しない。好ましくは、ホルダーは、ピンヘッド上部に鉛直方向に位置する。ピンディスペンスでは、ピンヘッドはキャップの空洞内にあり、キャップの内面上に液滴を吐出するが、ピンテンパーでは、ピンヘッドはキャップの空洞の外側と下側にある。ピンディスペンスではガス入口スプリッタがスプリッタバイパスになり得、ピンテンパーではガス入口スプリッタがスプリッタテンパーになり得る。
【0192】
ピンディスペンスでは、ガス入口スプリッタのバネがスプリッタバイパスでガス入口スプリッタを保持し得る。ピンディスペンスでは、ピンソケットの足部は、好ましくは垂直方向に、ガス入口スプリッタから切り離されているため、ピンディスペンスのピンソケットの足部は、好ましくはガス入口スプリッタに接しない。
【0193】
ピンがピンディスペンスからピンテンパーに替えるとき、ピンソケットの足部が下に移動する。下降運動のある時点で、ピンソケットの足部がガス入口スプリッタに接し、下降運動が続くと、ピンソケットの足部がガス入口スプリッタのバネの作用に抗してガス入口スプリッタを押し下げる。ピンテンパーでは、ピンソケットの足部がガス入口スプリッタに接し、ガス入口スプリッタをスプリッタテンパーの中に押し込み、ガス入口スプリッタは、ガスをピンソケットの足部の開口部中に供給し、そこからガスはピンソケットを通ってピンフットの開口部に流入し、次にピンを通ってピンのピンヘッドから出る。
【0194】
このように、ピンテンパーではカニューレをテンパリングし、ピンディスペンスではカニューレをバイパスしてガスをバイパスする。そのため、ピンディスペンスの位置はまた、ガス流から見てピンバイパスと呼ばれ得る。
【0195】
ホルダーは、コレクトポジション(CORRECTPOS)の位置とアップサイドダウンポジション(UPSIDEDOWNPOS)の位置の2つの位置で、キャップを受け取ることができる。コレクトポジションではキャップの開口部が下向き、キャップの閉鎖端部が鉛直方向に上向きになり、アップサイドダウンポジションではその逆となる。キャップの空洞にあるピンヘッドによって液滴を吐出するためには、当然、キャップがコレクトポジションである必要がある。ピンヘッドがピンテンパーからピンディスペンスに移動すると、アップサイドダウンポジションにあるいずれかのキャップが射出する。通常、キャップがホルダーに装着される前に、キャップは本体とともにカプセルの形状で、つまり閉じられた、あるいは予め閉じられた、つまり未開口のカプセルの形状で提供され、本体はキャップから取り外す必要がある。キャップと本体がうまく分離せず、キャップのみの代わりに、キャップと本体が係合されたカプセルがホルダーの中に挿入されてしまうことがある。この場合、本体の閉じた端部はピンヘッドに向かって下向きになり、ピンヘッドが上方に移動すると、ピンはそのような未開口のカプセルも射出する。これは本発明の他の利点であり、これによって、キャップが正しい位置にある状態でのホルダーの充填の制御、及び実際にカプセルではなくキャップのみ、すなわち閉じられた状態又は予め閉じられた状態、すなわち未開口の状態の本体を有するキャップがホルダーに充填されるという制御が、液滴の吐出に使用される同じピンヘッドによって、液滴を吐出する工程と同じプロセス工程で同時に実施される。APPは、本体を充填するための手段を備えてもよい。APPは、カプセルを閉じるための手段をさらに含んでもよい。キャップを伸縮自在に本体に係合することによって本体を充填した後、カプセルを閉じる手段も、キャップがコレクトポジションにある必要があり、充填された本体は、その開口端部を上向きの位置にある必要があり、そうしないと充填物がこぼれてしまうため、明らかにカプセルを閉じるためには当然キャップがコレクトポジションにある必要がある。そのため、例えばカプセルの耐テンンパー性を高めるために、キャップ表面に液滴を吐出することが望ましい場合、アップサイドダウンポジションでのキャップの射出や、閉じた状態又は予め閉じた状態、つまり未開口のカプセル、つまりキャップと本体が適切に分離されていない状態で、液滴も吐出するピンヘッドによってキャップが液滴を吐出するだけではなく、その後のカプセルを閉じるためにも正しい位置にあることになる。
【0196】
ピンテンパーとスプリッタテンパーのガス流は、以下であり得る:
ガス入口チャネル、ガス入口スプリッタ、ピンソケットの足部の開口部、ピンフットの開口部、空のピン空間、ピンヘッドガス開口部、ピンヘッド開口部、ガステンパリング出口チャネルは流体連通しており、所望の温度のガスを通過させることができ、FLUは所望の温度にテンパリングされる。
【0197】
ピンディスペンスとスプリッタバイパスのガス流は、以下であり得る:
ガス入口チャネル、ガス入口スプリッタ、ガスバイパス出口チャネルは流体連通しており、所望の温度のガスを通過させることができる。そのため、ガスがピンを通過することがなく、流れるガスによって液滴の吐出が妨げられることがない。さらに、ガスによる液滴の乾燥も防ぐことができる。これは、例えば、キャップを本体上にスライドさせることによる、又は本体をキャップ内にスライドさせることによるカプセルの閉鎖までできる限り吐出された液滴がそのままで残ることが望まれることから重要であり、それによって、液滴が、重複する領域、カプセルが閉じてキャップが本体と伸縮自在に係合するときに重複するキャップと本体の壁の内面領域、又は例えばカプレット又はタブレットがキャップ又は本体の空洞中に挿入されて液滴と接触することになるまで、広がる。
【0198】
本発明の別の課題は、流体FLUの液滴をキャップの内面上又はカプセルの本体の内面上に吐出する方法であって、
前記液滴は、DEVによって吐出され、
前記方法は、バルブと、バルブの出口チャネルと、流体吐出空洞と、及びFLUで充填されたDEVのカニューレとを、バルブが閉じている状態で設ける工程と、圧力下でバルブ内にFLUを有する工程を含み、及び
前記方法は、工程1~3:
工程1:ピンヘッドをキャップ又は本体の空洞中に挿入する工程と、
工程2:キャップ又は本体の内面上に液滴を吐出するために、バルブを所定時間開閉する工程と、
工程3:ピンヘッドをキャップ又は本体の空洞から抽出する工程と、を含み、
FLU及びDEVは、本明細書で定義され、またそのすべての実施形態で定義される。
【0199】
本方法は、工程3の後に行われる工程4を含んでもよく、工程4では、キャップと本体が互いに伸縮可能に係合される。前記工程4を含む場合の方法は、カプセルを設け、設けられたカプセルは、閉鎖カプセルである。
【0200】
本発明のさらなる対象は、本明細書に記載の方法によって、また、本明細書に記載の方法及びカプセルのすべての実施形態を使って得られるカプセルであり、方法は工程4を含み、製造されたカプセルは、閉鎖カプセルである。
【0201】
好ましくは、本方法は、APPで実施され、
APPは、本明細書で定義され、またそのすべての実施形態で定義される。
【0202】
APPがホルダーのリングに配置され取り付けられた2つ以上のホルダーを備える場合、工程1~3は、ホルダーのリングが、液滴が吐出されたキャップ又は本体を保持するホルダーをピンヘッド上の垂直位置から離し、ホルダーのリングの次のホルダーがそれによってピンヘッド上のこの垂直位置に移動し、次に工程1~3が連続して実施され得、これはホルダーのリング内のホルダーのすべてのキャップ又は本体がそれぞれの液滴を受け取るまで繰り返され得る。
【0203】
DEV、APP、及び本明細書で定義される方法は:
・接着剤の単一の液滴を吐出する工程であって、それぞれのバルブ、バルブのそれぞれの開口時間、及びバルブ空洞内のFLUのそれぞれの圧力を選択することにより実施される、工程と、
・キャップの壁の内面上又は本体の壁の内面上、例えば、一旦閉じられたキャップと本体との重複領域におけるキャップの壁の内面上に液滴を吐出する工程であって、これはピンヘッドをキャップ又は本体の空洞中に挿入して液滴を吐出するために実施される、工程と、
・吐出の方向及び液滴のサイズに関して制御された方法で液滴を吐出する工程であって、これは、カニューレの開口部から吐出される液滴が所望の方向にカニューレを離れるように、カニューレの所望の屈曲角度を選択することによって実施される、工程と、
・周囲温度とは異なる温度、例えば周囲温度よりも高い又は低い温度で液滴を吐出する工程であって、これは、本明細書に記載のようにFLU、及びDEVとAPPのそれぞれの部分をテンパリングすることによって実施される、工程と、
・接着剤の液滴を吐出さずに製造された類似のカプセルと比較して、本体からのキャップの引き剥がし力が増加した、伸縮自在に係合したキャップと本体を有するカプセルの製造であって、これは、吐出された液滴が重複する領域、すなわち、カプセルが閉じられキャップが本体と伸縮自在に係合すると重複するキャップと本体の壁の内面の接触の領域に広がるときに効果を奏する、製造と、
・カプレット又はタブレットを含むカプセルの製造であって、カプレット又はタブレットがキャップ又は本体又はその両方によって少なくとも部分的に封入されており、キャップの壁の内面上又は本体の壁の内面上にそれぞれ吐出された接着剤の液滴によって、キャップ又は本体又はその両方が封入されたカプレット又はタブレットに接着され、これにより、接着剤の液滴を吐出せずに製造された類似のカプセルと比較して、封入されたカプレット又はタブレットからキャップ又は本体のそれぞれの引き剥がし力が増加し、これは、壁の内面上に吐出された液滴を含むキャップ又は本体の空洞にカプレット又はタブレットを挿入して、キャップ又は本体の壁の内面とカプレット又はタブレット表面の間にそれによって広がる吐出された液滴にカプレット及びタブレットを接触させるときに効果を奏する、製造と、であることを可能にする。
【0204】
本発明は、同封の図面を参照して再度説明され:
【図面の簡単な説明】
【0205】
【
図2】
図2は、APP内のピンの配列が位置する部分の拡大斜視図を示す。
【
図3】
図3は、9本のピンを含むピンの配列の斜視図を示し、斜視図は左上前方からである。
【
図4】
図4は、9本のピンを含むピンの配列の斜視図を示し、斜視図は左下前方からである。
【
図5】
図5は、ピンソケットとともにピンの概略側面
図5a及びピンソケットの拡大斜視
図5bを示す。
【
図6】
図6は、
図6aと
図6bの2つの図を示し、
図6aは、2つのカニューレを有するピンヘッドの一部と、カニューレの位置を固定するためのピンヘッド内のマウントの斜視図を示し、
図6bは、それぞれが90°曲がった、カニューレの開口が互いに対して反対方向に向いた2つのカニューレを有する長手軸に対して垂直なピンヘッドの断面、カニューレのチューブのような性質を示すカニューレ4の端部を切断した断面を示し、カニューレの位置を固定するためのピンヘッドのマウントと、カニューレの開口部をピンヘッドの壁から円周方向に分離する開口空間を備えるピンヘッドの開口部も示す。
【
図7】
図7は、ピンヘッドの4つの分解斜視
図7a、7b、7c、及び7dを示す。
【
図8】
図8は、ピンソケットの2つの斜視
図8a及び8bを示し、
図8bは、バルブ及びねじ式マウントがピンソケットから取り外され、それによって流体吐出空洞が現れる分解図である。
【
図9】
図9は、ピンソケットの拡大断面の2つの
図9a及び9bを示し、
図9aは、流体吐出空洞から2つのカニューレが出ている状態の流体吐出空洞の斜視図、
図9bは、カニューレ、流体吐出空洞、バルブ、及びバルブの出口チャネルなどのピンソケットの詳細を示す断面側面図である。
【
図10】
図10は、2つの
図10a、10bを示し、
図10aはバルブとバルブをピンソケットに取り付けるためのバルブマウントの斜視図、
図10bはバルブマウント5-4を備えたバルブの真正面概略図、両図ともバルブの出口チャネルとバルブボールを示し、
図10bはバルブの出口チャネルを通して見えるバルブボールの部分を示す。
【
図11】
図11は、バルブと、ピンの配列にピンを取り付けるためのピンの配列の取付板を有するピンの配列と、を有するAPPの一部の断面の拡大斜視図を示す。ピンは、ピンヘッドがカプセルシェルのキャップの空洞中に挿入され、FLUの液滴を吐出する位置にある。キャップはホルダーに保持され、キャップが入った複数のホルダーと空のホルダーは、ホルダーのリング状に配置及び取り付けられる。
【
図12】
図12は、ピンヘッドがカプセルシェルのキャップ内に位置された状態の、
図11の斜視図の拡大断面を示す。キャップはホルダーに保持され、キャップが入った複数のホルダーがリング状に配置及び取り付けられる。
【
図13】
図13は、流体吐出空洞から2本のカニューレが出ている状態の流体吐出空洞の真正面からの図を示す。
【
図14】
図14は、バルブ、バルブをピンソケットに取り付けるためのバルブマウント、流体吐出空洞で終わるバルブの出口チャネル、及び出口チャネルを通して見えるバルブボールの部分の真正面からの図を示す。
【
図16】
図16は、
図16aにおいて、4つのカニューレを備え、カプセルのキャップの内側に4つの液滴が位置されたピンヘッドの分解斜視図であるが、キャップ自体を示していない、
図16bにおいて、4つのカニューレを備え、カプセルのキャップの内側に3つの液滴が配置されたピンヘッドの概略斜視図であるがキャップ自体を示していない。
【
図17】
図17は、
図17aにおいて、4つのカニューレを有するピンヘッドの概略的な斜視断面を示し、断面は、ピンの表面に垂直な面を通り、ピンヘッドの中央を切断するピンの長手方向軸に沿ってなされ、
図17bは、4つのカニューレを備えたピンヘッドの側面の概略断面を示し、断面は、ピンの表面に垂直な面を通り、ピンヘッドの中央を切断するピンの長手軸に沿ってなされ、
図17aは、カプセルのキャップの内側に位置する1つの液滴、17bは、その2つの液滴を示すが、キャップ自体を示していない。
【
図18】
図18は、APPのテンパリングシステムを有するAPPの一部を示す切断面図であり、テンパリングガス供給用装置、ガス入口チャネル、ガス入口スプリッタ、ガスバイパス出口チャネル、ガステンパリング出口チャネル、及びピンソケットの足部を示す。また、ピンヘッドを有するピン、ピンの配列、バルブ、及びバルブ空洞が示される。複数の空のホルダーが配置され、ホルダーのリングの中に取り付けられる。
【
図19】
図19は、ガス入口チャネル、ガス入口スプリッタ、ガス入口スプリッタのバネ、ガスバイパス出口チャネル、ピンソケットの足部、及びピンソケットの足部の開口部を含むガス入口スプリッタを有する、スプリッタテンパーのガス入口スプリッタを有する
図18の切断面図の部分拡大図を示す。また、ピンの一部、ピンチューブ、カニューレ、カニューレマウント、空のピン空間、ピンの足部、ピンフットの開口部、バルブ、バルブ空洞、流体吐出空洞で終わるバルブの出口チャネル、バルブボール、及びバルブシートが示される。
【
図20】
図20は、ガス入口チャネル、ガス入口スプリッタ、ガス入口スプリッタのバネ、ガスバイパス出口チャネル、ピンソケットの足部、及びピンソケットの足部の開口部を含むガス入口スプリッタを有する、スプリッタバイパスのガス入口スプリッタを有する
図18の切断面図の部分拡大図を示す。また、カニューレ、カニューレマウント、流体吐出空洞、バルブ、バルブ空洞、流体吐出空洞で終わるバルブの出口チャネル、バルブボール、及びバルブシートが示される。
【
図21】
図21は、ピンの一部、ピンヘッド閉鎖キャップを有するピンヘッドのテンパリング位置にあるピンヘッドを有し、ピンヘッド内のマウントを有し、ピンヘッドガス開口部を有し、及びピンヘッド開口部、さらに空のピン空間を有するピンチューブ、及びガステンパリング出口チャネルを有する
図18の断面の別の部分拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0206】
次に、本発明を、同封の図を参照しながら、より詳細に説明する。図中、同じ構成要素や配置は同じ参照数字で示し、重複を避けるためにそれぞれの説明を省略することがある。
図中、カプセルのキャップとして描かれているものは、明らかにカプセルの本体でもあり得る。
【0207】
図1は、カプセルの充填のプロセスで使用される機器APP1の一実施形態を示す。APP1は、ピン3の配列2を備え、配列2の8本のピン3を示し、それらはピン3の配列2の取付板2-1によってピン6の配列2に取り付けられる。ピン3は、キャップ6又はカプセルの本体を保持するためのホルダー1-1のリング1-2の下方に位置し、キャップ6はこの図には示されていない。ホルダー1-1は、基本的にリング1-2に設けられた縦長の穴であり、ピン3は、リング1-2のホルダー1-1に垂直に整列される。
【0208】
図2は、
図1のAPPの拡大断面を示す。ピン3の配列2を示し、配列2内の8本のピン3を示す。ピン3は、カプセルのキャップ6を保持するためのホルダー1-1のリング1-2の下方に配置されている。ホルダー1-1は、基本的にリング1-2に設けられた縦長の穴であり、ピン3は、リング1-2のホルダー1-1に垂直に整列される。
【0209】
図3は、9本のピン3を有するピン3の配列2を上から示す。ピンは、ピン3の配列2の取付板2-1によってピン3の配列2に取り付けられる。各ピン3は、特に、ピンヘッド3-1とピンチューブ3-2とを備える。ピンヘッドと反対側の端部、すなわち図示しないピンフットは、ピンソケット3-3に取り付けられる。また、バルブ5と、バルブ5をピンソケット3-3に取り付けるためのバルブマウント5-4を示す。
【0210】
図4は、9本のピン3を有するピン3の配列2を下から示す。ピンは、ピン3の配列2の取付板2-1によってピン3の配列2に取り付けられる。各ピン3は、特に、ピンヘッド3-1とピンチューブ3-2とを備える。ピンヘッドと反対側の端部、すなわち図示しないピンフットは、ピンソケット3-3に取り付けられる。また、バルブ5と、バルブ5をピンソケット3-3に取り付けるためのバルブマウント5-4を示す。
【0211】
図5は、
図5aと
図5bとの2つの図を含む。
図5aは、ピン3を、そのピンヘッド3-1、そのピンチューブ3-2、及びピンフット3-7が取り付けられるピンソケット3-3で示す。また、図示しないバルブ5が図示しないバルブマウント5-4によってピンソケット3-3にねじ式で取り付けられるピンソケット3-3の内ねじ部3-3-1を示す。また、カニューレをピンソケット3-3に取り付けるカニューレマウント4-4からピンチューブ3-2内に屈曲した状態で延びるカニューレ4を示す。
【0212】
図5bは、
図5aを少し異なる視点から拡大断面を示し、ピンチューブ3-2と、ピンフット3-7が取り付けられるピンソケット3-3とを示す。また、図示しないバルブ5が図示しないバルブマウント5-4によってピンソケット3-3にねじ式で取り付けられるピンソケット3-3の内ねじ部3-3-1を示す。また、2つのカニューレ4と流体吐出空洞8が示されており、カニューレ4は流体吐出空洞8からピンチューブ3-2の中に屈曲した状態で延びる。カニューレ4は、カニューレマウント4-4によってピンソケット3-3に取り付けられ、カニューレマウントは、流体吐出空洞8を備える。
【0213】
図6は、
図6aと
図6bの2つの図を示し、
図6aは、2つのカニューレ4とカニューレの位置を固定するためのピンヘッド内のマウント3-1-2を有するピンヘッド3-1の部分斜視図を示し、また、その開口部4-1を有するカニューレ4の端部をピンヘッド3-1の壁から円周方向に分離する開口空間を備えるピンヘッド開口部3-4を示す。
【0214】
図6bは、ピンチューブ3-2で示されるピン3の長手軸に垂直なピンヘッド3-1の断面を示し、それぞれ90°の屈曲部4-3を有する2つのカニューレ4と、互いに対して反対方向に向けたカニューレの開口部4-1、カニューレのチューブのような性質を示すカニューレの端部を切断した断面を示し、また、カニューレ4及びピンヘッド3-1の壁から円周方向にその開口部4-1を有するカニューレの端部を分離する開口空間を備えるピンヘッド開口部3-4の位置を固定するためのピンヘッド3-1内のマウント3-1-2を示す。また、ピン3内のカニューレ4の他に、図示しない空のピン空間3-6をピンヘッド開口部3-4で接続する2つのピンヘッドガス開口部3-5を示す。
【0215】
図7は、ピンヘッド3-1の4つ斜視図と分解斜視
図7a、7b、7c、及び7dである。ピンヘッド閉鎖キャップ3-1-1、2つのカニューレ4、カニューレ4の開口部4-1、ピンヘッド3-1におけるカニューレ4の屈曲部4-3、カニューレの端部をピンヘッド3-1の壁から円周方向に開口部4-1を有するカニューレの端部を分離する開口空間を備えるピンヘッドの開口部3-4、カニューレ4の位置を固定するためのピンヘッド3-1のマウント3-1-2、ピン3内のカニューレ4以外の空のピン空間3-6とピンヘッド開口部3-4を接続するピンヘッドガス開口部3-5を示す。
【0216】
図8は、ピンソケット3-3の2つの斜視
図8a及び8bを示し、
図8aは、ピンソケット3-3に取り付けられたピンチューブ3-2、ピンソケット3-3にバルブマウント5-4によって取り付けられたバルブ5を示す。
図8bは、バルブ5及びねじ式バルブマウント5-4をピンソケット3-3から取り外すことにより、流体吐出空洞8を備えるカニューレマウント4-4を現し、それらの開口部4-2を有する2つのカニューレを流体吐出空洞8に取り付けた状態の分解図である。
【0217】
図9は、ピンソケットの拡大断面の2つの
図9a及び9bを示し、
図9aは、ピンソケット3-3に取り付けられたカニューレマウント4-4の斜視図を示し、カニューレマウント4-4は、流体吐出空洞8を備え、それらの開口部4-2で流体吐出空洞8に2つのカニューレ4を取り付け、さらに、図示しないバルブ5が、ねじ式接続によってピンソケット3-3に取り付けられる図示しないバルブマウント5-4のピンソケット3-3の内ねじ部3-3-1である。
図9bは、ピンソケット3-1に取り付けられたピンフット3-7などのピンソケット3-3、カニューレ4、流体吐出空洞8を備えるカニューレマウント4-4、バルブの出口チャネル5-1とバルブシート5-3とバルブボール5-2とを有するバルブ5の詳細を有する断面側面図を示す。バルブ5は、バルブマウント5-4によってピンソケット3-3に取り付けられており、図示しないが、バルブボール5-2を作動させる手段であり、例えば、移動アンカー上に設けられた閉鎖バネの作用によってバルブボール5-2をバルブシート5-3に押し付ける移動アンカー、又は移動アンカーを磁気で引っ張るバルブコイルで、電流がバルブコイルを通して供給されると、固定アンカーの磁場によって、バルブシート5-3から離れ、バルブ5の開口部に影響を与え、FLUがバルブ5の出口チャネル5-1に入り、出口チャネル5-1を通過した後、出口チャネル5-1から流体吐出空洞8内に出ることが可能である。
【0218】
図10は、2つの
図10a及び10bを示し、
図10aは、バルブ5と、図示しないピンソケット3-1にバルブを取り付けるためのバルブマウント5-4の斜視図である。図示しない流体吐出空洞8で終わるバルブ5の出口チャネル5-1と、バルブボール5-2とを示す。
図10bは、バルブマウント5-4を有するバルブ5の真正面からの概略図であり、バルブ5の出口チャネル5-1と、出口チャネル5-1を通してバルブ5の外側から見えるバルブボール5-2の部分とを示す。
【0219】
図11は、バルブ5と、バルブ空洞5-5と、ピンの配列にピン3を取り付けるためのピンの配列2の取付板2-1とを有するピンの配列2と、を有するAPP1の一部の断面の拡大斜視図を示す。ピン3は、ピンヘッド3-1がカプセルシェルのキャップ6の空洞に挿入される位置にあり、FLUの液滴を吐出する位置にある。キャップ6はホルダー1-1に保持され、キャップ6が入った複数のホルダー1-1と空のホルダー1-1がホルダー1-1のリング1-2に配置及び取り付けられる。
【0220】
図12は、ピンヘッド3-1がカプセルシェルのキャップ6の空洞に位置されたピン3を有する、
図11のAPPの一部の断面の拡大斜視図を示す。キャップ6はホルダー1-1に保持され、キャップ6が入った複数のホルダー1-1がホルダー1-1のリング1-2に配置及び取り付けられる。また、ピンヘッド閉鎖キャップ3-1-1、カニューレの位置を固定するためのピンヘッド内のマウント3-1-2、マウント3-1-2内の2つのピンヘッドガス開口部3-5、及びピンチューブ3-2内の空のピン空間3-6の断面を示す。ピンヘッドガス開口部3-5は、下側で空のピン空間3-6に開く。
【0221】
図13は、2本のカニューレの開口部4-2が流体吐出空洞8中に開口している状態の流体吐出空洞8の真正面からの図である。
【0222】
図14は、バルブ5の真正面からの図であり、また、図示しない流体吐出空洞8で終わるバルブ5の出口チャネル5-1と、出口チャネル5-1を通して見えるバルブボール5-2の断面も示す。
【0223】
図15は、2つの
図15a、15bを示し、
図15aは斜視図、
図15bは4つのカニューレ4を有するピンヘッド3-1の上面図である。
図15aに示されているのは、そのピンチューブ3-2を有するピン3のピンヘッド3-1であり、ピンヘッド3-1は、ピンヘッド閉鎖キャップ3-1-1と、カニューレ4の位置を固定するためのピンヘッド3-1のマウント3-1-2と一緒に示されており、カニューレ4の端部は、その開口部4-1を有するカニューレの端部をピンヘッドの壁から円周方向に分離する開口空間を備えるピンヘッド開口部3-4に位置し、さらに、図示しないキャップ6の内面上に位置する4つの液滴7を示す。
図15bは、ピンヘッド3-1のマウント3-1-2によって固定された4つのカニューレ4を示し、再びカニューレ4の端部は、ピンヘッド3-1の壁から円周方向にその開口部4-1を有するカニューレの端部を分離する開口空間を備えるピンヘッドの開口部3-4に位置し、また2つのカニューレについても、カニューレの屈曲部4-3を示す。また、キャップ6の内面に位置する4つの液滴7を示す。ピンヘッド開口部3-4は、4つのピンヘッドガス開口部3-5と流体連通している。
【0224】
図16は、
図16aに、4本のカニューレ4を備え、4つの液滴7をキャップ6の内側に配置したピンヘッド3-1の分解斜視図を示すが、キャップ6自体を示してはいない。分解
図16aは、部品のピンチューブ3-2、ピンヘッドのマウント3-1-2、それらの屈曲部4-3を有する4本のカニューレ4、及びピンヘッド閉鎖キャップ3-1-1がどのように組み合わされているかを示す。ピンヘッドにおけるマウント3-1-2は、その下端部をピンチューブ3-2にスライドさせ、ピンヘッド閉鎖キャップは、その下端部をスライドさせ、4本のカニューレ4の端部、ひいては液滴を射出するためのカニューレの端部でカニューレ4の開口部4-1をピンヘッド3-1において、正しい位置で固定する保持手段を含む。ピンヘッドのマウント3-1-2には、マウント3-1-2のそれぞれの孔を通る4本のカニューレ4の通路が示されており、これによって4本のカニューレ4がピンヘッド内の正しい位置に固定され、またピンヘッドのマウント3-1-2の孔の形状で4つのピンヘッドガス開口部3-5が示されており、これによって空のピン空間3-6はピンヘッドの開口部3-4の4つの開口空間と流体連通し、その開口部4-1でピンヘッド3-1の壁から円周方向に離れて、4本のカニューレ4のそれぞれの端部を分離する。また、開口部4-1を有するカニューレの端部をピンヘッドの壁から円周方向に分離する開口空間を備えるピンヘッドの開口部3-4を示す。
【0225】
図16bは、4本のカニューレ4を有するピンヘッド3-1のマウント3-1-2の概略斜視図を示す。また、キャップ6の内側に配置された3つの液滴7を示すが、キャップ自体は示さない。4本のカニューレ4は、ピンヘッドマウント3-1-2の孔の形状の4つのピンヘッドガス開口部3-5もまた備えるピンヘッドマウント3-1-2を通過する。ピンヘッド3-1は、ピンヘッド閉鎖キャップ3-1-1によって閉じられる。ここでも、各カニューレ4の開口部4-1を有する端部は、各カニューレ4の開口部4-1を有する端部をピンヘッド3-1の壁部から円周方向に分離する開口空間を備えるピンヘッド開口部3-4に位置する。
【0226】
図17は、
図17aにおいて、4本のカニューレ4を有するピンヘッド3-1の概略斜視断面を示し、断面は、ピン3の表面に垂直な平面を通して、ピンヘッド3-1の中央を切断するピン3の長手軸に沿ってなされる。これにより、2本のカニューレ4のみが、図示されていないピンチューブ内に延在していることを示す。マウント3-1-2に接しているピンヘッド閉鎖キャップ3-1-2は、ピンヘッド3-1を閉鎖し、ピンヘッドマウント3-1-2の孔の形状の4つのピンヘッドガス開口部3-5のうちの2つは、切断表示で示し、3つ目は上から示す。4つのピンヘッド開口部3-4のうちの1つは、開口部4-1を有するカニューレ4の端部をピンヘッド3-1の壁から円周方向に分離する開口空間を備える断面で示し、このカニューレ4の端部から選出されてキャップ6の内面に着座するそれぞれの液滴7を示されるが、キャップ6自体は示さない。
【0227】
図17bは、4本のカニューレ4を有する組み立てられたピンヘッド3-1の側面図の概略断面を示し、断面は、ピン3の表面に対して垂直な平面を通って、ピンヘッド3-1の中央にわたって切断するピン3の長手軸に沿って、再度
図17aのように示す。
図17bは、キャップ6の内側に位置する2つの液滴7を示すが、キャップ6自体を示さない。ピンヘッド3-1は、ピンヘッドのマウント3-1-2に固定され、接するピンヘッド閉鎖キャップ3-1-1を備え、マウント3-1-2は、ピンチューブ3-2に固定及び接する。マウント3-1-2は、4本のカニューレ4の位置を固定するもので、そのうち1本は、その端部に開口部4-1を有する状態で、切断表示で示され、さらに2本のカニューレ4をその屈曲部4-3が断面で示される1本のカニューレの裏側のピンヘッドマウントを通過し、第4のカニューレ4のうちピンヘッド3-1の裏側に延びる先端部の切断部のみ示される。ピンヘッドガス開口部3-5のうちの1つは、それぞれの孔を通る切断として示され、それによって空のピン空間3-6とピンヘッド開口部3-4とが接続される。その屈曲部4-3で示される2本のカニューレは、その開口部4-1を有するカニューレ4の端部をピンヘッド3-1の壁から円周方向に分離する開口空間を備える切断面表示で示されるそれぞれのピンヘッド開口部3-4に端部を有する。
【0228】
図18は、APPのテンパリングシステム:テンパリングガス供給用装置9-1、ガス入口チャネル9-2、ガス入口スプリッタ9-3、ガスバイパス出口チャネル9-4、ガステンパリング出口チャネル9-5、及びピンソケットの足部3-3-2を有するAPPの一部の断面を示す。また、ピンヘッド3-1を有するピン3、ピンの配列2、バルブ5、及びバルブ空洞5-5も示される。ホルダー1-1のリング1-2には、複数の空のホルダー1-1が配置され、取り付けられる。
【0229】
図19は、ガス入口スプリッタ9-3:ガス入口チャネル9-2、ガス入口スプリッタ9-3、ガス入口スプリッタ9-3-1のバネ、ガスバイパス出口チャネル9-4、ピンソケットの足部3-3-2、及びピンソケットの足部3-3-2における開口部3-3-2-1を有し、スプリッタテンパーにおけるガス入口スプリッタ9-3、及びピンテンパーにおけるピンソケットの足部3-3-2を有する
図18の切断面の部分拡大図を示す。ピンソケットの足部3-3-2は、ガス入口スプリッタ9-3に接する。また、ピン3の部分、ピンチューブ3-2、カニューレ4、カニューレマウント4-4、空のピン空間3-6、ピンフット3-7、ピンフット3-7の開口部3-7-1、バルブ5、バルブ空洞5-5、流体吐出空洞8で終わるバルブ5の出口チャネル5-1、バルブボール5-2、及びバルブシート5-3を示す。
【0230】
ガス入口チャネル9-2、ガス入口スプリッタ9-3、ピンソケット3-3の足部3-3-2の開口部3-3-2-1、ピンフット3-7の開口部3-7-1、空のピン空間3-6は流体連通しており、所望の温度のガスが通過することができる。
【0231】
図20は、ガス入口スプリッタ9-3:ガス入口チャネル9-2、ガス入口スプリッタ9-3、ガス入口スプリッタ9-3のバネ9-3-1、ガスバイパス出口チャネル9-4、ピンソケットの足部3-3-2、及びピンソケットの足部の開口部3-3-2-1を有し、スプリッタバイパスにおけるガス入口スプリッタ9-3、及びピンディスペンスにおけるピンソケットの足部3-3-2を有する
図18の切断面の部分拡大図を示す。また、カニューレ4、カニューレマウント4-4、流体吐出空洞8、バルブ5、バルブ空洞5-5、流体吐出空洞8で終わるバルブ5の出口チャネル5-1、バルブボール5-2、及びバルブシート5-3を示す。
【0232】
ガス入口スプリッタ9-3のバネ9-3-1-は、ガス入口スプリッタをスプリッタバイパスに保持する。ガス入口チャネル9-2、ガス入口スプリッタ9-3、及びガスバイパス出口チャネル9-4は、ガス入口スプリッタがスプリッタバイパスにあるとき、ガス入口チャネルとガスバイパス出口チャネルを接続する開口部9-3-2を介して流体連通し、所望の温度を有するガスが通過できる。ピンソケット3-3-2は、ガス入口スプリッタ9-3に接しておらず、ガス入口スプリッタ9-3から離れて上方に一定距離移動する。
【0233】
図21は、ピンテンパーにおけるピンヘッド3-1:ピン3の部分、ピンヘッド閉鎖キャップ3-1-1を有するピンヘッド3-1、ピンヘッドにおけるマウント3-1-2を有し、ピンヘッドガス開口部3-5を有し、及びピンヘッド開口部3-4を有し、さらに空のピン空間3-6を有するピンチューブ3-2とガステンパリング出口チャネル9-5を有する
図18の切断面の別の部分拡大図を示す。
【0234】
空の空間3-6、ピンヘッドガス開口部3-5、ピンヘッド開口部3-4、ガステンパリング出口チャネルは流体連通しており、所望の温度を有するガスが通過できる。
【実施例】
【0235】
材料及び寸法
カプセル:使用されるカプセルは、閉鎖される端部がドーム状を有する実質的に中空円筒形を有し、キャップと本体の2つの部品からなり、カプセルを閉じるために互いに伸縮自在に係合する。カプセルが閉じているときのキャップと本体の伸縮自在の係合は、本体の一部の上にキャップの一部を重ねる形式で実現される。この重複領域には、キャップにスナップフィットリングがある場合があり、このスナップフィットリングはキャップの円筒部分にあり、キャップの開放端の縁部から一定の距離に配置される。
【0236】
充填機の部品の寸法は(実施例として明示的に記載されていない場合):
カニューレ:外径:0.413mm、ID:0.21mm
ピンチューブ:外径4.0mm、内径3.0mm、ピンチューブの壁の厚さは0.5mmである
圧力:バルブ空洞のFLUは、1.5barの圧力下にあった
V-OUTLETCHAN:0.07マイクロリットル
V-CAV:0.18マイクロリットル
【0237】
Plantcaps(登録商標):タピオカプルランを原料とするカプセル;Capsugel(現Lonza Ltd、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、モリスタウン)
【0238】
Vcaps(登録商標):HPMC製カプセル;Capsugel(現Lonza Ltd、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、モリスタウン)
【0239】
Vcaps(登録商標)Enteric:医薬品グレードのセルロース誘導体(HPMCAS、HPMC)で製造された2個入りハードカプセル;Capsugel(現Lonza Ltd、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、モリスタウン)
HPMCの製医薬品用
【0240】
Vcaps(登録商標):Plus即時放出カプセル;Capsugel(現Lonza Ltd、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、モリスタウン)
【実施例1】
【0241】
Vcaps(登録商標)Plusサイズ0のカプセルを使用する。充填機で、75wt%エタノール/25wt%脱イオン水混合液23℃の2つの液滴を、ピンチューブ1本につき2本のカニューレを使って、各カプセルのキャップ内面上に吐出させる。0.15マイクロリットル(バルブ開口時間:2ミリ秒)の液滴を、スナップフィットリングとキャップ縁部の間に互いに180°ずらして吐出する。次の工程では、充填機が本体をキャップに挿入し、完全に閉じた位置まで挿入する。その結果、混合物が広がり、キャップと本体との間に局所的な密封ゾーンが形成される。密封ゾーンは、外見上の欠陥がなく、ベースラインと比較して5倍の引き剥がし力を増加させる。
【実施例2】
【0242】
Vcaps(登録商標)Entericサイズ0のカプセルを使用する。充填機で、23℃の99wt%エタノールを2つの液滴を、ピンチューブ1本につき2本のカニューレを使って、各カプセルのキャップ内面上に吐出させる。0.1マイクロリットル(バルブ開口時間1ミリ秒)の液滴を、スナップフィットリングとキャップ縁部の間に互いに180°ずらして吐出する。次の工程では、充填機が本体をキャップに挿入し、完全にロックされた位置まで挿入する。その結果、混合物が広がり、キャップと本体との間に局所的な密封ゾーンが形成される。密封ゾーンは、外見上の欠陥がなく、ベースラインと比較して10倍の引き剥がし力を増加させる。
【実施例3】
【0243】
Plantcaps(登録商標)サイズ0のカプセルを使用する。充填機で、23℃の25wt%エタノール/75wt%脱イオン水混合の4つの液滴を、ピンチューブ1本につき2本のカニューレを使って、各カプセルのキャップ内面上に吐出する。0.05マイクロリットル(バルブ開口時間1ミリ秒)の液滴を、スナップフィットリングとキャップ縁部の間に互いに180°ずらして吐出する。次の工程では、充填機が本体をキャップに、完全にロックされた位置まで挿入する。その製剤の結果、キャップと本体との間に点状の密封が形成される。点状の密封は、外見上の欠陥がなく、ベースラインと比較して8倍の引き剥がし力を増加させる。
【実施例4】
【0244】
硬質ゼラチンサイズ0のカプセルを使用する。充填機で、70℃の脱イオン水の4つの液滴を、ピンチューブ1本につき4本のカニューレを使って、各カプセルのキャップ内面上に吐出する。0.25マイクロリットル(バルブ開口時間2ミリ秒)の液滴を、スナップフィットリングとキャップ縁部の間に、互いに90°ずらして吐出する。次の工程では、充填機が本体をキャップに、完全にロックされた位置まで挿入する。その結果、混合物が広がり、キャップと本体との間に局所的な密封ゾーンが形成される。点状の密封は、外見上の欠陥がなく、ベースラインと比較して4倍の引き剥がし力を増加させる。
【実施例5】
【0245】
Vcaps(登録商標)サイズ0のカプセルを使用する。
【0246】
充填機で、ca.65℃の脱イオン水の4つの液滴を、ピンチューブ1本につき4本のカニューレを使って、各カプセルのキャップ内面上に吐出する。0.2マイクロリットル(バルブ開口時間:2ミリ秒)の液滴を、スナップフィットリングとキャップ縁部の間に互いに90°ずらして吐出する。次の工程では、充填機が本体をキャップに挿入し、完全にロックされた位置まで挿入する。その製剤の結果、キャップと本体との間に点状の密封が形成される。点状の密封は、外見上の欠陥がなく、ベースラインと比較して5倍の引き剥がし力を増加させる。
【符号の説明】
【0247】
1 APP
1-1 キャップ又はカプセル本体を保持するためのホルダー
1-2 ホルダーのリング
2 ピンの配列
2-1 ピンの配列のピンを取り付けるためのピンの配列の取付板
3 ピン
3-1 ピンヘッド
3-1-1 ピンヘッド閉鎖キャップ
3-1-1-1 4本のカニューレ4の端部をピンヘッド内の正しい位置に固定するためのピンヘッド閉鎖キャップの保持手段
3-1-2 カニューレの位置を固定するためのピンヘッドのマウント
3-2 ピンを形成するピンチューブ
3-3 ピンが取り付けられるピンソケット
3-3-1 バルブがねじ式接続によってバルブマウントによりピンソケットに取り付けられるピンソケット内の内ねじ部
3-3-2 ピンソケットの足部
3-3-2-1 ピンソケットの足部にある開口部
3-4 開口部を有するカニューレの端部をピンヘッドの壁面から円周方向に分離する開口空間を備えるピンヘッド開口部
3-5 ピンヘッドガス開口部
3-6 空のピン空間
3-7 ピンフット
3-7-1 ピンフットの開口部
4 カニューレ
4-1 液滴を排出するためのカニューレの端部のカニューレの開口部
4-2 流体吐出空洞の中に開口しているカニューレの開口部
4-3 カニューレの屈曲部
4-4 カニューレマウント
5 バルブ
5-1 流体吐出空洞で終わるバルブの出口チャネル
5-2 バルブボール
5-3 バルブシート
5-4 バルブをピンソケットに取り付けるためのバルブマウント
5-5 圧力下のFLUを含むバルブ空洞
6 カプセルシェルのキャップ
7 FLUの液滴
8 流体吐出空洞
9 テンパリングシステム
9-1 テンパリングガス供給用装置
9-2 ガス入口チャネル
9-3 ガス入口スプリッタ
9-3-1 ガス入口スプリッタのバネ
9-3-2 ガス入口スプリッタがスプリッタバイパスにあるときにガス入口チャネルとガスバイパス出口チャネルを接続する開口部
9-4 ガスバイパス出口チャネル
9-5 ガステンパリング出口チャネル
【国際調査報告】