(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】引き出し抵抗が低く、風味の送達が改善された、エアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20231025BHJP
【FI】
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520159
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2021077781
(87)【国際公開番号】W WO2022074156
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA11
4B045AB01
(57)【要約】
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品(10)と、遠位端および口側端(2)を有するエアロゾル発生装置(1)とを含む、エアロゾル発生システム(1000)が提供される。エアロゾル発生物品(10)は、口側端(18)から遠位端(16)まで延びる。エアロゾル発生物品(10)は、エアロゾル発生要素(12)を備える。エアロゾル発生物品(10)は、エアロゾル発生要素(12)の下流に配置される下流セクション(14)を備える。下流セクション(14)は、エアロゾル発生要素(12)の下流端から、エアロゾル発生物品(10)の口側端(18)まで延びる。下流セクション(14)は、中空の管状要素(20)を備える。下流セクション(14)の引き出し抵抗は、約10mmH
2O未満である。エアロゾル発生装置(1)は、本体(4)を備える。エアロゾル発生装置(1)の本体(4)は、装置(1)の口側端(2)でエアロゾル発生物品(10)を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定する。エアロゾル発生装置(1)は、エアロゾル発生物品(1)が装置空洞内に受容される場合、エアロゾル発生要素(12)を加熱するためのヒーターを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、口側端から遠位端に延在し、
エアロゾル発生要素と、
前記エアロゾル発生要素の下流の位置にある下流セクションであって、前記下流セクションが、前記エアロゾル発生要素の下流端から前記エアロゾル発生物品の前記口側端まで延びる下流セクションと、
前記下流セクションが中空の管状要素を含み、前記下流セクションの引き出し抵抗が約10mmH
2O未満であり、
および
遠位端および口側端を有するエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置が、
前記遠位端から前記口側端に延びる本体であって、前記本体が、前記装置の前記口側端で前記エアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定する、本体と、
前記エアロゾル発生物品が前記装置空洞内に受容された時に、前記エアロゾル発生要素を加熱するためのヒーターであって、前記ヒーターが、前記エアロゾル発生装置内に受容された時に、前記エアロゾル発生物品を外部的に加熱するように構成される、ヒーターと、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品の前記中空の管状要素が、前記エアロゾル発生要素の前記下流端から前記エアロゾル発生物品の前記口側端まで延びる、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置の前記ヒーターが、前記エアロゾル発生物品が前記装置空洞内に受容された時に、前記エアロゾル発生物品を囲むように構成されている、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記ヒーターの動作温度が摂氏約180度~約200度である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記下流セクションが、前記中空の管状要素に沿った位置に通気ゾーンを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記通気ゾーンと前記エアロゾル発生物品の前記口側端との間の距離が、約25ミリメートル未満である、請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記通気ゾーンと前記エアロゾル発生物品の前記口側端との間の距離が、少なくとも約10ミリメートルである、実施例5または6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記通気ゾーンが、前記エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容された時に曝露されるように配置される、請求項5、6および7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記エアロゾル発生物品が、少なくとも約10パーセントの通気レベルを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記エアロゾル発生要素が、約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記エアロゾル発生要素がたばこカットフィラーを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記エアロゾル発生要素中のエアロゾル形成体の含有量が、少なくとも約10重量パーセントである、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記中空の管状要素が、少なくとも約25ミリメートルの長さを有し、前記中空の管状要素の断面が実質的に一定である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記中空の管状要素の周辺壁の厚さが約1.5ミリメートル未満である、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記中空の管状要素が、前記エアロゾル発生要素の前記下流端から前記下流セクションの下流端に延びる、遮られない気流経路を画定する、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムに関する。本開示は、エアロゾル発生要素を含み、かつ加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するように適合された、エアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当技術分野で公知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。例えば、エアロゾル発生基体に挿入されるように適合された内部ヒーターブレードを含む、電気加熱式のエアロゾル発生装置が提案されている。代替として、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体内に配置されたサセプタと、を含む、誘導性発熱性エアロゾル発生物品が、WO2015/176898によって提案されている。別の代替は、国際公開第2020/115151号に記載されており、これは、エアロゾル発生物品の外面の周りに配置される一つ以上の発熱体を備える外部加熱システムと組み合わせて使用される一つ以上のエアロゾル発生物品を開示する。
【0004】
たばこ含有基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、従来の喫煙物品とは遭遇しなかったいくつかの課題を呈する。第一に、たばこ含有基体は、典型的には、従来の紙巻たばこの燃焼前部が到達する温度と比較して、著しく低い温度まで加熱される。これは、たばこ含有基体からのニコチン放出および消費者へのニコチン送達に影響を及ぼす可能性がある。同時に、ニコチン送達を促進する試みで加熱温度が上昇する場合、生成されるエアロゾルは、典型的には、消費者に到達する前に、より広範囲かつより迅速に冷却される必要がある。しかしながら、紙巻たばこの口側端部に高濾過効率セグメントを提供するなど、従来の喫煙物品において主流煙を冷却するために一般的に使用された技術的解決策は、たばこ含有基体がニコチン送達を減少させ得るため、燃焼されるよりもむしろ加熱されるエアロゾル発生物品において望ましくない効果を有し得る。
【0005】
エアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生基体の燃焼ではなく、特に加熱に関連する課題のうちの一つまたは複数に対処するために、多くのエアロゾル発生物品が提案されており、複数の要素が、例えば長軸方向に整列して、エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生要素と組み合わされる。一例として、エアロゾル発生要素は、物品に改善された構造強度を付与する支持要素、エアロゾルの温度を下げるように構成されたエアロゾル冷却要素、低濾過マウスピース要素等と組み合わされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、使いやすく、実用性が向上し、より環境に優しいエアロゾル発生物品が必要とされている。さらに、製造がより容易であり、生産チェーン全体をより持続可能で費用対効果が高いものにするエアロゾル発生物品を提供することが望ましいであろう。また、外部加熱システムと組み合わせて使用するのに特に好適なエアロゾル発生物品、特にエアロゾル発生およびエアロゾル形成体送達を改良したエアロゾル発生物品が必要である。
【0007】
したがって、上記の必要性のうちの少なくとも一つを満たすように構成された、新規で改良されたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいであろう。さらに、効率的かつ高速で製造でき、好ましくは製品間のRTD変動が十分に低いエアロゾル発生物品を提供することが望ましいであろう。
【0008】
上述のように、本開示は、エアロゾル発生システムに関する。エアロゾル発生システムは、本開示によるエアロゾル発生物品を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、加熱すると吸入可能なエアロゾルを生成するのに好適であることができる。エアロゾル発生システムは、遠位端および口側端を有するエアロゾル発生装置をさらに備えてもよい。エアロゾル発生物品は、口側端から遠位端まで延びてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生要素を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生要素の下流に配置される下流セクションを備えてもよい。下流セクションは、エアロゾル発生要素の下流端から、エアロゾル発生物品の口側端まで延びてもよい。下流セクションは、中空の管状要素を備えてもよい。下流セクションの引き出し抵抗は、約10mmH2O未満でもよい。エアロゾル発生装置は、本体を備えてもよい。エアロゾル発生装置、またはエアロゾル発生装置の本体は、装置の口側端でエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定することができる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が装置空洞内に収容される場合、エアロゾル発生要素を加熱するためのヒーターを備えてもよい。エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生基体を備えてもよい。
【0009】
本発明によると、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するエアロゾル発生物品と、遠位端および口側端を有するエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生物品は、口側端から遠位端まで延びる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生要素を備える。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生要素の下流に配置される下流セクションを備える。下流セクションは、エアロゾル発生要素の下流端から、エアロゾル発生物品の口側端まで延びる。下流セクションは、中空の管状要素を備える。下流セクションの引き出し抵抗は、約10mmH2O未満である。エアロゾル発生装置は、本体を備える。エアロゾル発生装置の本体は、装置の口側端でエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が装置空洞内に収容される場合、エアロゾル発生要素を加熱するためのヒーターを備える。
【0010】
したがって、本発明によるエアロゾル発生システムは、10mmH2O未満のRTDを有することによって特徴付けられる、エアロゾル発生要素の下流のセクションを有するエアロゾル発生物品を備える新規な配置を提供する。
【0011】
このような低RTDを有する下流セクションを設けることにより、エアロゾル発生物品の実質的にすべてのRTDが、エアロゾル発生要素自体によって、また存在する場合にはエアロゾル発生要素の上流のセクションによって提供される効果を有する。本発明者らは、エアロゾル発生物品が物品の長さに沿ってこのようなRTD分布を有する場合、特に物品が本システムのエアロゾル発生装置と組み合わせて使用される場合、有利なことに、消費者へのエアロゾルの送達を最適化することが可能であることを見出した。
【0012】
これは、エアロゾル発生物品および加熱装置の両方の構造および動作を単純化するので望ましい。さらに、これにより、消費者に送達されるエアロゾルの質および量を害することなく、基材をより低い温度に加熱することが可能になることが分かった。
【0013】
さらに、エアロゾル発生ロッドの下流にこのような低いRTDを提供することは、エアロゾル発生ロッドの下流に中空の管状要素を設けることによって達成することができるので、実質的に空の容積が物品内に設けられ、エアロゾル粒子の核生成および成長が促進され、一方、RTDは実質的に排除される。これは、既存のエアロゾル発生物品およびシステムと比較して、エアロゾルの発生および送達の強化にさらに貢献し、それにより消費者の全体的な体験を改善することができる。
【0014】
このような低いRTDを有する下流セクションを設けることにより、エアロゾル発生物品の実質的にすべてのRTDが、エアロゾル発生要素自体によって(例えば、ロッド状のエアロゾル発生要素によって)、および必要に応じてエアロゾル発生要素の上流に配置される要素によって提供されるという効果が得られる。本発明者らは、エアロゾル発生物品が物品の長さに沿ってこのようなRTD分布を有する場合、特に物品が外部加熱システムまたはヒーターと組み合わせて使用される場合、有利なことに、消費者へのエアロゾルの送達を最適化することが可能であることを見出した。エアロゾルの送達は、ある程度、エアロゾル発生要素自体のRTDによって影響を受ける可能性がある。これは、エアロゾル発生要素の上流部分で発生したエアロゾルが、まずエアロゾル発生要素の残りの下流部分を通って流れる必要があるためである。したがって、エアロゾル発生要素の形状を制御することは、エアロゾル送達のより効果的な制御も可能にし、一般的に、エアロゾル送達は、特に外部加熱システムまたはヒーターと組み合わせて使用される場合、エアロゾル発生物品からエアロゾル発生物品までより一貫して行われる。
【0015】
本開示によると、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品が提供されている。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体を備える要素を備える。
【0016】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル発生基体を加熱して吸入可能なエアロゾルを生成して消費者に送達する物品を示す。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を有する基体を意味する。
【0017】
従来の紙巻たばこは、ユーザーが紙巻たばこの一方の端に炎を当て、もう一方の端を通して空気を引き出す時に点火される。炎と、紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻たばこの端を点火させ、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって発生される。公知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱伝達によってエアロゾルが発生するエアロゾル発生物品とが挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中に挿入されるように適合されている内部ヒーターブレードを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えばEP0822670に記載されている。
【0018】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を指す。
【0019】
エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生基体を備えるか、またはそれで作られるロッドの形態であってもよい。本開示に関連して本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円柱状の要素を示すために使用される。
【0020】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主要長軸方向軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を説明する。
【0021】
使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長軸方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長軸方向軸に対して直角をなす方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。
【0022】
「長さ」という用語は、長軸方向におけるエアロゾル発生物品の構成要素の寸法を意味する。例えば、長軸方向におけるロッドまたは細長い管状要素の寸法を意味するために使用されてもよい。
【0023】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置に下流セクションをさらに備える。本発明のエアロゾル発生物品の異なる実施形態の以下の説明から明らかになるように、下流セクションは、一つ以上の下流要素を含んでもよい。
【0024】
一部の実施形態では、下流セクションは、エアロゾル発生物品の口側端とエアロゾル発生要素との間の中空セクションを備えることができる。中空セクションは、中空の管状要素を備えてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「中空の管状要素」という用語は、その長軸方向軸に沿った空洞または気流通路を画成する一般的に細長い要素を示す。特に、「管状」という用語は以下において、実質的に円筒状の断面を有する、かつ管状要素の上流端と管状要素の下流端との間の途切れることのない流体連通を確立する少なくとも一つの気流導管を画定する、管状要素に関して使用される。しかし、当然のことながら、管状要素の代替の形状(例えば、代替の断面形状)が可能である場合がある。
【0026】
本開示の文脈において、中空の管状要素またはセグメントは、制限のない流路を提供する。これは、中空の管状セグメントが、無視できるレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供することを意味する。「無視できるレベルのRTD」という用語は、中空の管状要素の長さ10ミリメートル当たり1mmH2O未満のRTD、好ましくは中空の管状要素の長さ10ミリメートル当たり0.4mmH2O未満、より好ましくは中空の管状要素の長さ10ミリメートル当たり0.1mmH2O未満のRTDを表すために使用される。
【0027】
したがって、流れチャネルは、長軸方向の空気の流れを妨害するであろういかなる構成要素も含むべきではない。好ましくは、流れチャネルは、実質的に空である。
【0028】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、下流セクションに沿った位置に通気ゾーンを備えてもよい。より詳細には、エアロゾル発生物品は、中空の管状要素に沿った位置に通気ゾーンを備えてもよい。このように、中空の管状要素によって内部に画成された流路と外部環境との間に流体連通が確立される。
【0029】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの上流の位置に上流セクションをさらに備える。上流セクションは、一つ以上の上流要素を備えてもよい。一部の実施形態では、上流セクションは、エアロゾル発生要素のすぐ上流に配置される上流要素を備えてもよい。
【0030】
上で簡単に説明した通り、本開示によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生要素を備える。
【0031】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生基体を備えるロッドの形態で設けられることができる。一例として、エアロゾル発生要素は、ラッパーによって取り囲まれたエアロゾル発生基体のロッドを備えてもよい。
【0032】
エアロゾル発生基体を備えるロッドは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することが好ましい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、少なくとも約10ミリメートルの長さを有することがより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、少なくとも約12ミリメートルの長さを有する。
【0033】
エアロゾル発生基体を備えるロッドは、最大で約80ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約65ミリメートル以下の長さを有することが好ましい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約60ミリメートル以下の長さを有することがより好ましい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約55ミリメートル以下の長さを有することがさらにより好ましい。
【0034】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約50ミリメートル以下の長さを有し、約35ミリメートル以下がより好ましく、約25ミリメートル以下がさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約20ミリメートル以下、または約15ミリメートル以下の長さを有する。
【0035】
一部の実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約60ミリメートルの長さを有し、約6ミリメートル~約60ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約60ミリメートルがより好ましく、約10ミリメートル~約60ミリメートルがさらにより好ましく、約12ミリメートル~約60ミリメートルが最も好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約55ミリメートルの長さを有し、約6ミリメートル~約55ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約55ミリメートルがより好ましく、約10ミリメートル~約55ミリメートルがさらにより好ましく、約12ミリメートル~約55ミリメートルが最も好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有し、約6ミリメートル~約50ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約50ミリメートルがより好ましく、約10ミリメートル~約50ミリメートルがさらにより好ましく、約12ミリメートル~約50ミリメートルが最も好ましい。
【0036】
一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約30ミリメートルの長さを有し、約6ミリメートル~約30ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約30ミリメートルがより好ましく、約10ミリメートル~約30ミリメートルがさらにより好ましい。他の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有し、約6ミリメートル~約20ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約20ミリメートルがより好ましく、約10ミリメートル~約20ミリメートルがさらにより好ましい。さらなる特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有し、約7ミリメートル~約20ミリメートルが好ましく、約9ミリメートル~約16ミリメートルがより好ましく、約10ミリメートル~約15ミリメートルがさらにより好ましい。
【0037】
エアロゾル発生基体を備えるロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0038】
エアロゾル発生基体を備えるロッドは、少なくとも約5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、少なくとも約6ミリメートルの外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、少なくとも約7ミリメートルの外径を有することがさらにより好ましい。
【0039】
エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約10ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約8ミリメートル以下の外径を有することがさらにより好ましい。
【0040】
一般的に、エアロゾル発生基体を備えるロッドの直径が小さいほど、エアロゾル発生要素のコア温度を上昇させるのに必要な温度が低くなり、十分な量の気化種がエアロゾル発生基体から放出されて、所望の量のエアロゾルを形成する。同時に、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、エアロゾル発生基体を備えるロッドの直径が小さいほど、エアロゾル発生物品に供給される熱がエアロゾル形成基体の全体積内により速く浸透することが可能になると理解される。それにもかかわらず、エアロゾル発生基体を備えるロッドの直径が小さすぎる場合、利用可能なエアロゾル形成基体の量が減少するので、エアロゾル発生基体の体積の表面に対する比はあまり好ましくなくなる。
【0041】
本明細書に記載の範囲内にあるエアロゾル発生基体を備えるロッドの直径は、エネルギー消費とエアロゾル送達との間のバランスに関して特に有利である。この利点は、特に、本明細書に記載の直径を有するエアロゾル発生基体を備えるロッドを備えるエアロゾル発生物品が、エアロゾル発生物品の外面の周りに配置される外部ヒーターと組み合わせて使用される場合に感じられる。このような動作条件下では、エアロゾル発生基体を備えるロッドのコアで、および一般的に物品のコアで十分に高い温度を達成するのに必要な熱エネルギーが少ないことが観察されている。これにより、より低い温度で動作する場合、エアロゾル発生基体のコアにおける所望の目標温度は、望ましく短縮された時間枠内で、かつより低いエネルギー消費によって達成されてもよい。
【0042】
一部の実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有し、約6ミリメートル~約12ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約12ミリメートルがより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有し、約6ミリメートル~約10ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約10ミリメートルがより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約5ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有し、約6ミリメートル~約8ミリメートルが好ましく、約7ミリメートル~約8ミリメートルがより好ましい。
【0043】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体を備えるロッドは約7.5ミリメートル未満の外径を有する。一例として、エアロゾル発生基体を備えるロッドは、約7.2ミリメートルの外径であってもよい。
【0044】
エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、少なくとも約0.5とすることができる。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、少なくとも約0.75であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、少なくとも約1.0であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、少なくとも約1.25であることがさらにより好ましい。
【0045】
エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約3.0以下とすることができる。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約2.75以下であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約2.5以下であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約2.25以下であることがさらにより好ましい。
【0046】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.5~約3.0とすることができる。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.75~約3.0であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.0~約3.0であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.25~約3.0であることがさらにより好ましい。
【0047】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.5~約2.75とすることができる。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.75~約2.75であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.0~約2.75であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.25~約2.75であることがさらにより好ましい。
【0048】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.5~約2.5とすることができる。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.75~約2.5であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.0~約2.5であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.25~約2.5であることがさらにより好ましい。
【0049】
さらに別の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.5~約2.25とすることができる。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約0.75~約2.25であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.0~約2.25であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.25~約2.25であることがさらにより好ましい。
【0050】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、少なくとも約1.3とすることができ、約1.4がより好ましく、約1.5がさらにより好ましい。
【0051】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約2.0以下とすることができ、約1.9以下がより好ましく、約1.8以下がさらにより好ましい。
【0052】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.3~約2.0であることが好ましく、約1.4~約2.0がより好ましく、約1.5~約2.0がさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.3~約1.9であることが好ましく、約1.4~約1.9がより好ましく、約1.5~約1.9がさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素の長さの直径に対する比は、約1.3~約1.8であることが好ましく、約1.4~約1.8がより好ましく、約1.5~約1.8がさらにより好ましい。
【0053】
エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.10とすることができる。エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.15であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.20であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.25であることがさらにより好ましい。
【0054】
通常、エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.60以下とすることができる。エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.50以下であることが好ましい。エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.45以下であることがより好ましい。エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.40以下であることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.35以下であり、約0.30以下が最も好ましい。
【0055】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.10~約0.45であり、約0.15~約0.45が好ましく、約0.20~約0.45がより好ましく、約0.25~約0.45がさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.10~約0.40であり、約0.15~約0.40が好ましく、約0.20~約0.40がより好ましく、約0.25~約0.40がさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.10~約0.35であり、約0.15~約0.35が好ましく、約0.20~約0.35がより好ましく、約0.25~約0.35がさらにより好ましい。なおさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素の長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.10~約0.30であり、約0.15~約0.30が好ましく、約0.20~約0.30がより好ましく、約0.25~約0.30がさらにより好ましい。
【0056】
エアロゾル発生要素は、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有するエアロゾル発生基体のロッドを備えることが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形の断面を有することが特に好ましい。
【0057】
以下でより詳細に説明するように、本開示によるエアロゾル発生物品は、中空の管状要素を備えうる下流セクションを備える。本開示によるエアロゾル発生物品では、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.66以下とすることができる。好ましくは、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.60以下であってもよい。より好ましくは、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.50以下であってもよい。さらにより好ましくは、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.40以下であってもよい。
【0058】
本開示によるエアロゾル発生物品では、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.10とすることができる。好ましくは、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.15であってもよい。より好ましくは、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.20であってもよい。さらにより好ましくは、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.25であってもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、少なくとも約0.30であってもよい。
【0059】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.15~約0.60であり、約0.20~約0.60が好ましく、約0.25~約0.60がより好ましく、約0.30~約0.60がさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.15~約0.50であり、約0.20~約0.50が好ましく、約0.25~約0.50がより好ましく、約0.30~約0.50がさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.15~約0.40であり、約0.20~約0.40が好ましく、約0.25~約0.40がより好ましく、約0.30~約0.40がさらにより好ましい。一例として、エアロゾル発生要素の長さと中空の管状要素の長さとの比は、約0.35とすることができる。
【0060】
エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約100マイクログラム/立方センチメートルとすることができる。エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約115マイクログラム/立方センチメートルであることが好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約130マイクログラム/立方センチメートルであることがより好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約140マイクログラム/立方センチメートルであることがさらにより好ましい。
【0061】
エアロゾル発生基体の密度は、約200マイクログラム/立方センチメートル以下とすることができる。エアロゾル発生基体の密度は、約185マイクログラム/立方センチメートル以下であることが好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、約170マイクログラム/立方センチメートル以下であることがより好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、約160マイクログラム/立方センチメートル以下であることがさらにより好ましい。
【0062】
一部の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、100マイクログラム/立方センチメートル~200マイクログラム/立方センチメートルであり、100マイクログラム/立方センチメートル~185マイクログラム/立方センチメートルが好ましく、100マイクログラム/立方センチメートル~170マイクログラム/立方センチメートルがより好ましく、100マイクログラム/立方センチメートル~160マイクログラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、115マイクログラム/立方センチメートル~200マイクログラム/立方センチメートルであり、115マイクログラム/立方センチメートル~185マイクログラム/立方センチメートルが好ましく、115マイクログラム/立方センチメートル~170マイクログラム/立方センチメートルがより好ましく、115マイクログラム/立方センチメートル~160マイクログラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、130マイクログラム/立方センチメートル~200マイクログラム/立方センチメートルであり、130マイクログラム/立方センチメートル~185マイクログラム/立方センチメートルが好ましく、130マイクログラム/立方センチメートル~170マイクログラム/立方センチメートルがより好ましく、130マイクログラム/立方センチメートル~160マイクログラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。なお他の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、140マイクログラム/立方センチメートル~200マイクログラム/立方センチメートルであり、140マイクログラム/立方センチメートル~185マイクログラム/立方センチメートルが好ましく、140マイクログラム/立方センチメートル~170マイクログラム/立方センチメートルがより好ましく、140マイクログラム/立方センチメートル~160マイクログラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、約150マイクログラム/立方センチメートルである。
【0063】
エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約100ミリグラム/立方センチメートルとすることができる。エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約115ミリグラム/立方センチメートルであることが好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約130ミリグラム/立方センチメートルであることがより好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約140ミリグラム/立方センチメートルであることがさらにより好ましい。
【0064】
エアロゾル発生基体の密度は、約200ミリグラム/立方センチメートル以下とすることができる。エアロゾル発生基体の密度は、約185ミリグラム/立方センチメートル以下であることが好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、約170ミリグラム/立方センチメートル以下であることがより好ましい。エアロゾル発生基体の密度は、約160ミリグラム/立方センチメートル以下であることがさらにより好ましい。
【0065】
一部の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、100ミリグラム/立方センチメートル~200ミリグラム/立方センチメートルであり、100ミリグラム/立方センチメートル~185ミリグラム/立方センチメートルが好ましく、100ミリグラム/立方センチメートル~170ミリグラム/立方センチメートルがより好ましく、100ミリグラム/立方センチメートル~160ミリグラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、115ミリグラム/立方センチメートル~200ミリグラム/立方センチメートルであり、115ミリグラム/立方センチメートル~185ミリグラム/立方センチメートルが好ましく、115ミリグラム/立方センチメートル~170ミリグラム/立方センチメートルがより好ましく、115ミリグラム/立方センチメートル~160ミリグラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、130ミリグラム/立方センチメートル~200ミリグラム/立方センチメートルであり、130ミリグラム/立方センチメートル~185ミリグラム/立方センチメートルが好ましく、130ミリグラム/立方センチメートル~170ミリグラム/立方センチメートルがより好ましく、130ミリグラム/立方センチメートル~160ミリグラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。なお他の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、140ミリグラム/立方センチメートル~200ミリグラム/立方センチメートルであり、140ミリグラム/立方センチメートル~185ミリグラム/立方センチメートルが好ましく、140ミリグラム/立方センチメートル~170ミリグラム/立方センチメートルがより好ましく、140ミリグラム/立方センチメートル~160ミリグラム/立方センチメートルがさらにより好ましい。一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、約150ミリグラム/立方センチメートルである。
【0066】
一例として、エアロゾル発生要素は、約100ミリグラム~約250ミリグラムのエアロゾル発生基体を備えてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約210ミリグラム~約230ミリグラムのエアロゾル発生基体を備え、215ミリグラム~約220ミリグラムのエアロゾル発生基体が好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約150ミリグラム~約180ミリグラムのエアロゾル発生基体を備え、160ミリグラム~約165ミリグラムのエアロゾル発生基体が好ましい。
【0067】
エアロゾル発生基体は固体エアロゾル発生基体であり得る。
【0068】
ある特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料、好ましくは、均質化したたばこ材料を含む。
【0069】
本明細書で使用される「均質化した植物材料」という用語は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本開示のエアロゾル発生基体のための均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、植物材料および任意選択的に、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一つ以上をすり潰す、粉砕する、または細分することによって取得されたたばこ材料の粒子を凝集することによって形成されてもよい。均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当技術分野で公知の他の任意の好適なプロセスによって生成されてもよい。
【0070】
均質化した植物材料は、任意の好適な形態で提供されることができる。
【0071】
一部の実施形態では、均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態であってもよい。本発明に関して本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を説明する。
【0072】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、複数のペレットまたは顆粒の形態であり得る。
【0073】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、複数のストランド、細片、または断片の形態であり得る。本明細書で使用される「ストランド」という用語は、その幅および厚さより実質的に大きい長さを有する材料の細長い要素を説明する。「ストランド」という用語は、細片、断片、および類似の形態を有する任意のその他の均質化した植物材料を包含するものと見なされる。均質化した植物材料のストランドは、例えば、切断もしくは細断によって、または他の方法、例えば、押出成形方法によって、均質化した植物材料のシートから形成されてもよい。
【0074】
一部の実施形態では、ストランドは、エアロゾル発生基体の形成中の均質化した植物材料のシートの分割またはひびの結果として、例えば、捲縮の結果として、エアロゾル発生基体内でin situで形成されてもよい。エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料のストランドは、相互から分離されてもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料のストランドそれぞれは、ストランドの長さに沿った隣接したストランドに少なくとも部分的に接続されてもよい。例えば、隣接したストランドは、一つ以上の繊維によって接続されてもよい。これは、例えば、上述したエアロゾル発生基体の製造中の均質化した植物材料のシートの分割に起因してストランドが形成される場合に生じ得る。
【0075】
エアロゾル発生基体が均質化した植物材料を含む場合、均質化した植物材料は通常、一つ以上のシートの形態で提供されてもよい。特に、均質化した植物材料のシートは、キャスティングプロセスによって製造されてもよい。好ましくは、均質化した植物材料のシートは、製紙プロセスによって製造されてもよい。
【0076】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体はカットフィラーを含む。本明細書の文脈内で、「カットフィラー」という用語は、細断された植物材料、例えば、特に、葉ラミナ、加工された茎および葉脈、均質化した植物材料のうちの一つ以上を含むたばこ植物材料、のブレンドを説明するために使用される。
【0077】
カットフィラーはまた、他の切断されたもの、フィラーたばこまたはケーシングを含んでもよい。
【0078】
好ましくは、カットフィラーは、少なくとも25パーセントの植物葉ラミナ、より好ましくは少なくとも50パーセントの植物葉ラミナ、さらにより好ましくは少なくとも75パーセントの植物葉ラミナ、最も好ましくは少なくとも90パーセントの植物葉ラミナを含む。好ましくは、植物材料は、たばこ、ミント、茶、およびクローブのうちの一つである。しかし、本発明は、以下により詳細に記載するように、加熱すると、その後エアロゾルを形成することができる物質を放出する能力を有する他の植物材料に等しく適用可能である。
【0079】
カットフィラーは、ブライトたばこ、ダークたばこ、アロマティックたばこ、およびフィラーたばこのうちの一つ以上のラミナを含むたばこ植物材料を含むことが好ましい。本開示に関して、「たばこ」という用語は、Nicotiana属の任意の植物部材を指す。
【0080】
ブライトたばこは、概して大きく明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ブライトたばこ」という用語はフルーキュアリングされたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、中国産のフルキュアたばこ、フルキュアブラジルたばこ、米国産のフルキュアたばこ(バージニアたばこなど)、インド産のフルキュアたばこ、タンザニア産のフルキュアたばこ、または他のアフリカ産のフルキュアたばこが挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこはキュアリング後に、スパイスが効いていて活気のある感覚を伴うたばこタイプである。本開示の状況において、ブライトたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥重量基準で約2.5パーセント~約20パーセントであり、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥重量基準で約0.12パーセント未満であるたばこである。還元糖は、例えばグルコースまたはフルクトースを含む。総アンモニアは、例えばアンモニアおよびアンモニア塩を含む。
【0081】
ダークたばこは、概して大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ダークたばこ」という用語はエアキュアリングしたたばこに対して使用される。追加的に、ダークたばこは発酵していてもよい。主として噛みたばこ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、およびパイプブレンド用に使用されるたばこもこの範疇に含まれる。典型的には、これらのダークたばこは、空気乾燥処理され、発酵される可能性がある。感覚的な見方からは、ダークたばこは、乾燥処理後、スモーキーでダークシガータイプの感覚を伴うたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこの例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、ダークキュアブラジルガルパオ、サンキュアまたはエアキュアインドネシアカストリ(Kasturi)である。本発明によると、ダークたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥重量基準で約5パーセント未満、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥重量基準で約0.5パーセント以下であるたばこである。
【0082】
アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば精油の含有量が高いその他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、乾燥処理後、スパイスが効いていて芳しい感覚を伴うたばこタイプである。アロマティックたばこの例には、グリークオリエント、オリエントターキー、セミオリエント葉たばこであるが火力乾燥処理されたたばこ、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレーまたはメリーランドがある。フィラーたばこは具体的なたばこタイプではないが、ブレンドで使用され、かつ最終生成物に特定の特徴的な芳香の方向性をもたらさないその他のたばこタイプを補完するために主に使用されるたばこタイプを含む。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中央脈、または葉柄である。具体的な例は、ブラジル産の熱風送管乾燥された葉柄下部の熱風送管乾燥処理された茎であり得る。
【0083】
本開示で使用するのに好適なカットフィラーは、一般的に、従来の喫煙物品に使用されるカットフィラーに類似する場合がある。カットフィラーのカット幅は、0.3ミリメートル~2.0ミリメートルであることが好ましく、カットフィラーのカット幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルであることがより好ましく、カットフィラーのカット幅は、0.6ミリメートル~0.9ミリメートルであることが最も好ましい。カット幅は、エアロゾル発生要素内の熱の分布に影響を与える可能性がある。また、カット幅は、物品の引き出し抵抗に役割を果たしうる。さらに、全体として、カット幅は、エアロゾル発生基体全体の密度に影響を与える可能性がある。
【0084】
ストランドの長さはストランドが切断される物体の全体的なサイズに依存するため、カットフィラーのストランド長さはある程度ランダムな値である。それにもかかわらず、切断前に材料をコンディショニングすることによって、例えば、材料の水分含量および全体的な繊細さを制御することによって、より長いストランドを切断することができる。好ましくは、ストランドは、約10ミリメートル~約40ミリメートルの長さを有し、その後ストランドが束ねられてエアロゾル発生要素を形成する。明らかに、ストランドが、セクションの長軸方向の延在部分が40ミリメートル未満であるエアロゾル発生要素に長軸方向に配置されている場合、最終的なエアロゾル発生要素は最初のストランド長さよりも平均的に短いストランドを備えてもよい。カットフィラーのストランド長さは、約20パーセント~60パーセントのストランドがエアロゾル発生要素の全長に沿って延びることが好ましい。これにより、ストランドがエアロゾル発生要素から容易に脱落するのを防ぐ。
【0085】
好ましい実施形態では、カットフィラーの重量は、80ミリグラム~400ミリグラム、好ましくは150ミリグラム~250ミリグラム、より好ましくは170ミリグラム~220ミリグラムである。この量のカットフィラーは、通常、エアロゾルの形成のための十分な材料を可能にする。さらに、直径およびサイズに関する前述の制約の観点から、これにより、エアロゾル発生基体が植物材料を含むエアロゾル発生要素内のエネルギー吸収、引き出し抵抗、および流体通路の間でエアロゾル発生要素のバランスの取れた密度が可能になる。
【0086】
好ましくは、カットフィラーはエアロゾル形成体に浸漬されている。カットフィラーの浸漬は、噴霧またはその他の好適な適用方法によって行うことができる。エアロゾル形成体は、カットフィラーの調製中にブレンドに加えることができる。例えば、エアロゾル形成体は、直接コンディショニングケーシング円筒(DCCC)中のブレンドに適用されてもよい。エアロゾル形成体をカットフィラーに加えるために、従来の機械を使用することができる。エアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を促進する、任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物とすることができる。エアロゾル形成体は、エアロゾル発生物品の使用中に典型的に適用される温度において、エアロゾルが熱分解に対して実質的に耐性であることを促進しうる。適切なエアロゾル形成体は例えば、多価アルコール(例えば、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(例えば、グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、モノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(例えば、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)、およびそれらの組み合わせである。
【0087】
エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールのうちの一つ以上を含むことが好ましい。エアロゾル形成体は、グリセリンもしくはプロピレングリコール、またはグリセリンおよびプロピレングリコールの組み合わせから成りうる。
【0088】
エアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥質量基準で6重量パーセント~20重量パーセントであることが好ましく、エアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥質量基準で8重量パーセント~18重量パーセントであることがより好ましく、エアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥質量基準で10重量パーセント~15重量パーセントであることが最も好ましい。エアロゾル形成体が上記の量でカットフィラーに添加される場合、カットフィラーが比較的粘着性となる場合がある。これは、カットフィラーの粒子が周囲のカットフィラー粒子および周囲の表面(例えば、カットフィラーを取り囲むラッパーの内面)に付着する傾向を示すので、物品内の所定の位置にカットフィラーを保持するのに有利に役立つ。
【0089】
一部の実施形態では、エアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥質量基準で約13重量パーセントの目標値を有する。エアロゾル形成体の最も効率的な量は、カットフィラーにも依存し、カットフィラーが植物ラミナを含むかまたは均質化した植物材料を含むかどうかにも依存する。例えば、要因の中でも特に、カットフィラーのタイプは、エアロゾル形成体がカットフィラーからの物質の放出をどの程度促進できるかを決定することになる。
【0090】
これらの理由により、上記のカットフィラーを含むエアロゾル発生要素は、比較的低温で十分な量のエアロゾルを効率的に発生させることができる。加熱チャンバー内の150℃~200℃の温度は、このようなカットフィラーが十分な量のエアロゾルを生成するのに十分であるが、たばこキャストリーフシートを使用するエアロゾル発生装置では、通常、摂氏約250度の温度が使用される。
【0091】
より低温での操作に関連するさらなる利点は、エアロゾルを冷却する必要性が減少することである。概して低温が使用されるため、より単純な冷却機能で十分でありうる。これは、次に、エアロゾル発生物品のより単純で複雑性の低い構造の使用を可能にする。
【0092】
上で簡単に説明したように、エアロゾル発生基体が均質化した植物材料を含む場合、均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態で提供されてもよい。
【0093】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、100マイクロメートル~600マイクロメートル、好ましくは150マイクロメートル~300マイクロメートル、最も好ましくは200マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さを有してもよい。個々の厚さは個々のシートの厚さを指し、組み合わされた厚さはエアロゾル発生基体を構成するすべてのシートの合計厚さを指す。例えば、エアロゾル発生基体が二つの個々のシートから形成される場合、組み合わされた厚さは、二つの個々のシートの厚さ、または二つのシートの測定された厚さの合計であり、二つのシートはエアロゾル発生基体内に積み重ねられる。
【0094】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、平方メートル当たり約100グラム~平方メートル当たり約600グラムの坪量を有してもよい。
【0095】
本明細書に記載されるような一つ以上のシートは各々個別に、約0.3グラム/立方センチメートル~約1.3グラム/立方センチメートル、好ましくは約0.7グラム/立方センチメートル~約1.0グラム/立方センチメートルの密度を有してもよい。
【0096】
エアロゾル発生基体が均質化した植物材料の一つ以上のシートを含む本開示の実施形態では、シートは、一つ以上のシートの集合体の形態であることが好ましい。本明細書で使用される「集合」という用語は、均質化した植物材料のシートが、プラグまたはロッドの円筒軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされる、折り畳まれる、または別の方法で圧縮または収縮されていることを意味する。
【0097】
均質化した植物材料の一つ以上のシートは、その長軸方向軸に対して横断方向に集合され、ラッパーで取り囲まれて連続ロッドまたはプラグを形成してもよい。
【0098】
均質化した植物材料の一つ以上のシートは、有利なことに捲縮され得る、または同様に処理されてもよい。本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。捲縮されることとは別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、エンボス加工、デボス加工、穿孔、または別の方法で変形されて、シートの一方または両側にテクスチャを提供し得る。
【0099】
均質化した植物材料の各シートは、実質的にプラグの円筒軸に平行な複数の隆起または波形を有するように捲縮され得ることが好ましい。この処理は、有利なことに、均質化した植物材料の捲縮したシートを集合してプラグを形成することを容易にする。均質化した植物材料の一つ以上のシートが集合され得ることが好ましい。当然のことながら、均質化した植物材料の捲縮したシートは、別の方法としてまたは追加的に、プラグの円筒軸に対して鋭角または鈍角をなす複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。シートは、シートの完全性が複数の平行な隆起部または波形において中断され、材料の分離を引き起こし、均質化した植物材料の断片、ストランドまたは細片の形成をもたらす程度に捲縮されてもよい。
【0100】
別の方法として、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、上記で言及されるように、ストランドに切断されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料の複数のストランドを含む。ストランドは、プラグを形成するために使用されてもよい。典型的には、こうしたストランドの幅は、約5ミリメートル、または約4ミリメートル、または約3ミリメートル、または約2ミリメートル、またはそれ以下である。ストランドの長さは、約5ミリメートルより長くてもよく、約5ミリメートル~約15ミリメートルであってもよく、約8ミリメートル~約12ミリメートルであってもよく、または約12ミリメートルであってもよい。ストランドは、実質的に相互に同じ長さを有することが好ましい。
【0101】
均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、最大で約95重量パーセントの植物粒子を含んでもよい。均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、最大で約90重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましく、最大で約80重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約70重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約60重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約50重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。
【0102】
例えば、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、約2.5重量パーセント~約95重量パーセントとの植物粒子、または約5重量パーセント~約90重量パーセントの植物粒子、または約10重量パーセント~約80重量パーセントの植物粒子、または約15重量パーセント~約70重量パーセントの植物粒子、または約20重量パーセント~約60重量パーセントの植物粒子、または約30重量パーセント~約50重量パーセントの植物粒子を含んでもよい。
【0103】
本発明の特定の実施形態では、均質化した植物材料は、たばこ粒子を含む均質化したたばこ材料である。本発明のそのような実施形態で使用する均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量を有してもよく、乾燥重量基準で少なくとも約50重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有することが最も好ましい。
【0104】
本開示に関して「たばこ粒子」という用語は、Nicotiana属の任意の植物部材の粒子を説明する。「たばこ粒子」という用語は、たばこの処理、取り扱い、および発送中に形成された粉砕または粉末たばこ葉ラミナ、粉砕または粉末たばこ葉茎、たばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物を包含する。好ましい実施形態では、たばこ粒子は実質的にすべてがたばこ葉ラミナに由来する。対照的に、分離されたニコチンおよびニコチン塩は、たばこに由来する化合物であるが、本発明の目的上、たばこ粒子とは見なされず、粒子状植物材料の割合には含まれない。
【0105】
あるいは、または追加的に、エアロゾル発生基体は一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。揮発に伴い、エアロゾル形成体は、エアロゾル中のニコチンおよび風味剤などの、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される他の気化した化合物を搬送することができる。均質化した植物材料に含めるのに好適なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテート)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0106】
エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセント、例えば乾燥重量基準で約10重量パーセント~約25重量パーセント、または乾燥重量基準で、約15重量パーセント~約20重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。
【0107】
例えば、基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を含み得ることが好ましい。基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、エアロゾル形成体はグリセロールであることが好ましい。
【0108】
他の実施形態では、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、約1重量パーセント~約5重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。例えば、基体が、エアロゾル形成体が基体から分離された貯蔵部内に保持されるエアロゾル発生物品での使用を意図される場合、基体は、1パーセントよりも大きく、約5パーセントよりも小さいエアロゾル形成体含有量を有してもよい。こうした実施形態では、エアロゾル形成体は加熱に伴い揮発し、エアロゾル形成体の流れは、エアロゾル中のエアロゾル発生基体からの風味を混入するようにエアロゾル発生基体と接触する。
【0109】
他の実施形態では、均質化した植物材料は、約30重量パーセント~約45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有し得る。この比較的高レベルのエアロゾル形成体は、摂氏275度未満の温度で加熱されることを意図したエアロゾル発生基体に特に好適である。こうした実施形態では、均質化した植物材料は、好ましくは、乾燥重量基準で、約2重量パーセント~約10重量パーセントのセルロースエーテルと、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約50重量パーセントの追加のセルロースと、をさらに含む。セルロースエーテルおよび追加のセルロースの組み合わせの使用は、30重量パーセント~45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有するエアロゾル発生基体において使用される場合、特に効果的なエアロゾルの送達をもたらすことが見出された。
【0110】
好適なセルロースエーテルには、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、エチルヒドロキシルエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい実施形態では、セルロースエーテルは、カルボキシメチルセルロースである。
【0111】
本明細書で使用される「追加のセルロース」という用語は、均質化した植物材料に組み込まれた任意のセルロース系材料を包含し、これは、均質化した植物材料に提供された非たばこ植物粒子またはたばこ粒子から由来されない。したがって、追加のセルロースは、非たばこ植物材料またはたばこ材料に加えて、非たばこ植物粒子またはたばこ粒子内に本質的に提供される任意のセルロースに対する個々の、かつ別個のセルロース源として、均質化した植物材料に組み込まれる。追加のセルロースは、典型的には、非たばこ植物粒子またはたばこ粒子とは異なる植物に由来する。好ましくは、追加のセルロースは、不活性なセルロース系材料の形態であり、これは、感覚的に不活性であり、したがって、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルの官能特性に実質的に影響を与えない。例えば、追加のセルロースは、好ましくは、無味かつ無臭の材料である。
【0112】
追加のセルロースは、セルロース粉末、セルロース繊維、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0113】
エアロゾル形成体は、エアロゾル発生基体において湿潤剤として作用し得る。
【0114】
均質化した植物材料のロッドを囲むラッパーは、紙ラッパーまたは非紙ラッパーであってもよい。本発明の特定の実施形態で使用するための適切な紙ラッパーは当技術分野で公知であり、紙巻たばこペーパーおよびフィルタープラグラップを含むが、これに限定されない。本発明の特定の実施形態で使用するための好適な紙以外のラッパーは当技術分野で公知であり、均質化したたばこ材料のシートを含むがこれに限定されない。ある特定の好ましい実施形態では、ラッパーは、複数の層を含む積層材料から形成されてもよい。ラッパーは、アルミニウム共積層シートから形成されることが好ましい。アルミニウムを含む共積層シートの使用は、エアロゾル発生基体が意図される方法で加熱されるのではなく、点火されるべき場合に、エアロゾル発生基体の燃焼を有利に防止する。
【0115】
本開示の特定の代替的な実施形態では、エアロゾル発生基体は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む、ゲル組成物を含む。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、ニコチンを含むゲル組成物を含む。
【0116】
好ましくは、ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方、エアロゾル形成体、ならびに少なくとも一つのゲル化剤を含む。好ましくは、少なくとも一つのゲル化剤は、固体媒体を形成し、グリセロールは、固体媒体中に分散し、アルカロイドまたはカンナビノイドはグリセロール中に分散する。ゲル組成物は、安定ゲル相であることが好ましい。
【0117】
有利なことに、ニコチンを含む安定なゲル組成物は、保管の際に、または製造から消費者への移行の際に、予測可能な組成物形態を提供する。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、その形状を実質的に維持する。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、保管の際に、または製造から消費者への移行の際に、液相を実質的に放出しない。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、単純な消耗品設計を提供する場合がある。この消耗品は、液体を収容するように設計される必要がない場合があり、それ故に、より広い範囲の材料および容器構造が企図されてもよい。
【0118】
本明細書に記載のゲル組成物は、ニコチンエアロゾルを、従来の喫煙方法の吸入速度または気流速度内の吸入速度または気流速度にて肺に提供するために、エアロゾル発生装置と組み合わせられてもよい。エアロゾル発生装置は、ゲル組成物を連続的に加熱し得る。消費者は、各々の「吸煙」がニコチンエアロゾルの量を送達する複数の吸入または「吸煙」を摂ることができる。ゲル組成物は、加熱時、好ましくは連続的な方法で、高ニコチン/低粒子状物質総量(TPM)エアロゾルを消費者に送達することができる。
【0119】
「安定ゲル相」または「安定ゲル」という語句は、様々な環境条件に曝露された時にその形状および質量を実質的に維持するゲルを指す。安定ゲルは、相対湿度を約10パーセント~約60パーセントに変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、実質的に水(汗)を放出または吸収し得ない。例えば、安定ゲルは、相対湿度を約10パーセント~約60パーセントに変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、その形状および質量を実質的に維持し得る。
【0120】
ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む。ゲル組成物は、一つ以上のアルカロイドを含んでもよい。ゲル組成物は、一つ以上のカンナビノイドを含んでもよい。ゲル組成物は、一つ以上のアルカロイドと一つ以上のカンナビノイドの組み合わせを含んでもよい。
【0121】
「アルカロイド化合物」という用語は、一つ以上の塩基性窒素原子を含む自然発生的有機化合物の任意の一つのクラスを意味する。一般的に、アルカロイドは、アミンタイプ構造にある少なくとも一つの窒素原子を含有する。アルカロイド化合物の分子内のこの窒素原子または別の窒素原子は、酸塩基反応における塩基として活性であることができる。大半のアルカロイド化合物は、例えば複素環などの環状系の一部として、その窒素原子のうちの一つ以上を有する。自然界において、アルカロイド化合物は主に植物に見られ、ある特定の科の顕花植物において特に一般的である。しかしながら、一部のアルカロイド化合物は動物種および真菌に見られる。
【0122】
本開示において、「アルカロイド化合物」という用語は、天然由来のアルカロイド化合物と、合成的に製造されたアルカロイド化合物との両方を指す。
【0123】
ゲル組成物は、好ましくは、ニコチン、アナタビン、およびその組み合わせからなる群から選択されるアルカロイド化合物を含む。
【0124】
好ましくは、ゲル組成物はニコチンを含む。
【0125】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を指す。
【0126】
「カンナビノイド化合物」という用語は、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)のカンナビス植物の一部に見られる天然の化合物の任意の一つの種類を意味する。カンナビノイド化合物は雌の頭状花で特に濃縮される。カンナビス植物において自然発生するカンナビノイド化合物は、カンナビジオール(CBD)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。本開示では、「カンナビノイド化合物」という用語は、天然由来のカンナビノイド化合物および合成的に製造されたカンナビノイド化合物の両方を記載するために使用される。
【0127】
上記のように、エアロゾル発生要素がゲル組成物を含むエアロゾル発生基体を備える本発明の実施形態は、エアロゾル発生要素の上流に上流要素を有利に備えてもよい。この場合、上流要素は、ゲル組成物との物理的接触を有利に防止する。上流要素はまた、例えば、使用中のエアロゾル発生要素の加熱によるゲル組成物の蒸発による、RTDのあらゆる潜在的な低下を有利に補償することができる。そのような上流要素の一つの提供に関するさらなる詳細を、以下に説明する。
【0128】
エアロゾル発生物品の下流セクションは、任意の長さを有してもよい。下流セクションは、少なくとも約10ミリメートルの長さを有してもよい。例えば、下流セクションは、少なくとも約15ミリメートル、少なくとも約20ミリメートル、少なくとも約25ミリメートル、または少なくとも約30ミリメートルの長さを有してもよい。
【0129】
上記の値よりも長い長さを有する下流セクションを設けることにより、エアロゾルが消費者に到達する前に冷却および凝縮するためのスペースを有利に得ることができる。これはまた、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置と連動して使用される場合、ユーザーが確実に発熱体から離れていることができる。
【0130】
下流セクションは、約60ミリメートル以下の長さを有してもよい。例えば、下流セクションは、約50ミリメートル以下、約55ミリメートル以下、約40ミリメートル以下、または約35ミリメートル以下の長さを有してもよい。
【0131】
下流セクションは、約10ミリメートル~約60ミリメートル、約15ミリメートル~約50ミリメートル、約20ミリメートル~約55ミリメートル、約25ミリメートル~約40ミリメートル、または約30ミリメートル~約35ミリメートルの長さを有してもよい。例えば、下流セクションは約33ミリメートルの長さを有してもよい。
【0132】
下流セクションの長さとエアロゾル発生基体の長さとの比は、約1.0~約4.5とすることができる。
【0133】
下流セクションの長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの比は、少なくとも約1.5であることが好ましく、少なくとも約2.0がより好ましく、少なくとも約2.5がさらにより好ましい。好ましい実施形態では、下流セクションの長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの比は、約4.0未満であり、約3.5未満がより好ましく、約3.0未満がさらにより好ましい。
【0134】
一部の実施形態では、下流セクションの長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの比は、約1.5~約4.0であり、約2.0~約3.5が好ましく、約2.5~約3.0がより好ましい。
【0135】
特に好ましい実施形態では、下流セクションの長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの比は、約2.75である。
【0136】
下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.1~約1.5とすることができる。
【0137】
下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.25であることが好ましく、少なくとも約0.50がより好ましい。下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約1.25未満であることが好ましく、約1.0未満がより好ましい。
【0138】
一部の実施形態では、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.25~約1.25が好ましく、約0.5~約1.0がより好ましい。
【0139】
特に好ましい実施形態では、下流セクションの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.73である。
【0140】
下流セクションの長さは、下流セクションを形成する個々の構成要素の長さの総計で構成されてもよい。
【0141】
下流セクションのRTDは、約100mmH2O以下であることができる。例えば、下流セクションのRTDは、約50mmH2O以下、約25mmH2O以下、約15mmH2O以下、約10mmH2O以下、約8mmH2O以下、約5mmH2O以下、または約1mmH2O以下であってもよい。
【0142】
下流セクションは、エアロゾル発生基体の下流端から下流セクションの下流端までの遮られない気流経路を備えてもよい。
【0143】
エアロゾル発生基体の下流端から下流セクションの下流端までの遮られない気流経路は、約0.5ミリメートルの最小直径を有する。例えば、遮られない気流経路は、1ミリメートル、2ミリメートル、3ミリメートル、または5ミリメートルの最小直径を有してもよい。
【0144】
下流セクションは、中空管セグメントを備えてもよい。中空管セグメントは、中空管、中空の管状要素、または中空の管状セグメントと呼ばれる場合がある。
【0145】
中空管セグメントを設けることにより、許容できないほど引き出し抵抗を増加させることなく、エアロゾル発生物品の所望の全長を有利に設けることができる。
【0146】
中空管は、下流セクションの下流端から下流セクションの上流端まで延びることができる。換言すると、下流セクションの全長を、中空管セグメントが占めることができる。この場合、下流セクションに関する上記の長さおよび長さの比は、中空管セグメントの長さに等しく適用可能であることが理解されるであろう。
【0147】
中空管セグメントはエアロゾル発生物品の下流端に当接してもよい。
【0148】
中空管セグメントは、エアロゾル発生物品の下流端から離間していてもよい。この場合、エアロゾル発生基体の下流端と中空管セグメントの上流端との間に、空の空間があってもよい。
【0149】
中空管セグメントは、内径を有してもよい。中空管セグメントは、中空管セグメントの長さに沿って一定の内径を有してもよい。中空管セグメントの内径は、中空管セグメントの長さに沿って変化することできる。
【0150】
中空管セグメントは、少なくとも約2ミリメートルの内径を有してもよい。例えば、中空管セグメントは、少なくとも約4ミリメートル、少なくとも約5ミリメートル、または少なくとも約7ミリメートルの内径を有してもよい。
【0151】
上記の内径を有する中空管セグメントを設けることは、中空管セグメントに十分な剛性および強度を有利に提供することができる。
【0152】
中空管セグメントは、約10ミリメートル以下の内径を有してもよい。例えば、中空管セグメントは、約9ミリメートル以下、約8ミリメートル以下、または約7.5ミリメートル以下の内径を有してもよい。
【0153】
上記の内径を有する中空管セグメントを設けることにより、中空の管状セグメントの引き出し抵抗を有利に減少させることができる。
【0154】
中空管セグメントは、約2ミリメートル~約10ミリメートル、約4ミリメートル~約9ミリメートル、約5ミリメートル~約8ミリメートル、または約7ミリメートル~約7.5ミリメートルの内径を有してもよい。
【0155】
中空管セグメントは、約7.1ミリメートルの内径を有してもよい。
【0156】
中空管セグメントの内径と中空管セグメントの外径との比は、少なくとも約0.8とすることができる。例えば、中空管セグメントの内径と中空管セグメントの外径との比は、少なくとも約0.85、少なくとも約0.9、または少なくとも約0.95とすることができる。
【0157】
中空管セグメントの内径と中空管セグメントの外径との間の比は、約0.99以下とすることができる。例えば、中空管セグメントの内径と中空管セグメントの外径との比は、約0.98以下とすることができる。
【0158】
中空管セグメントの内径と中空管セグメントの外径との比は、約0.97とすることができる。
【0159】
比較的大きな内径を設けることにより、中空の管状セグメントの引き出し抵抗を有利に減少させることができる。
【0160】
中空の管状セグメントの空洞は、任意の断面形状を有してもよい。中空の管状セグメントの空洞は、円形断面形状を有してもよい。
【0161】
中空の管状セグメントは、任意の材料から形成されてもよい。例えば、中空管はセルロースアセテートトウを含むことができる。中空の管状セグメントがセルロースアセテートトウを含む場合、中空の管状セグメントは、約0.1ミリメートル~約1ミリメートルの厚さを有してもよい。中空の管状セグメントは、約0.5ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0162】
中空の管状セグメントがセルロースアセテートトウを含む場合、セルロースアセテートトウは、フィラメント当たり約2~約4デニール、および約25~約40の総デニールを有してもよい。
【0163】
中空の管状セグメントは、紙を含んでもよい。中空の管状セグメントは、少なくとも一層の紙を含んでもよい。紙は、非常に硬い紙であってもよい。紙は、捲縮した紙、例えば捲縮した耐熱紙または捲縮したパーチメント紙であってもよい。紙はボール紙であってもよい。中空の管状セグメントは、紙管であってもよい。中空の管状セグメントは、らせん状に巻かれた紙から形成される管であってもよい。中空の管状セグメントは、紙の複数の層から形成されてもよい。紙は、一平方メートル当たり少なくとも約50グラム、一平方メートル当たり少なくとも約60グラム、一平方メートル当たり少なくとも約70グラム、または一平方メートル当たり少なくとも約90グラムの坪量を有してもよい。
【0164】
管状セグメントが紙を含む場合、紙は少なくとも約50マイクロメートルの厚さを有してもよい。例えば、紙は、少なくとも約70マイクロメートル、少なくとも約90マイクロメートル、または少なくとも約100マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0165】
中空の管状セグメントはポリマーを含んでもよい。例えば、中空の管状セグメントは、高分子フィルムを含んでもよい。高分子フィルムは、セルロースフィルムを含んでもよい。中空の管状セグメントは、低密度ポリエチレン(LDPE)またはポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維を含んでもよい。
【0166】
下流セクションは、改変された管状要素を備え得る。改変された管状要素は、中空の管状要素の代わりに提供されてもよい。改変された管状要素は、エアロゾル発生基体のすぐ下流に提供されてもよい。改変された管状要素は、エアロゾル発生基体に隣接してもよい。
【0167】
改変された管状要素は、管状本体の第一の上流端から管状本体の第二の下流端まで延びる空洞を画定する管状本体を備えてもよい。改変された管状要素はまた、管状本体の第一の上流端で第一の端壁を形成する折り畳まれた端部を備えてもよい。第一の端壁は、空洞と改変された管状要素の外部との間の気流を可能にする開口部を定めることができる。好ましくは、開口部は、気流がエアロゾル発生基体から開口部を通って空洞に流れることが可能であるように構成される。
【0168】
管状本体の空洞は、空洞に沿った実質的に無制限の気流を可能にするために、実質的に空であってもよい。改変された管状要素のRTDは、改変された管状要素の特定の長軸方向位置に局在化されてもよい。特に、改変された管状要素のRTDは、第一の端壁に局在化されてもよい。このようにして、改変された管状要素のRTDは、第一の端壁およびその対応する開口部の選択された構成を通して実質的に制御されてもよい。改変された管状要素のRTD(本質的に第一の端壁のRTDと同等である)は、本開示に記載の中空の管状セグメントのRTDの大きさと同じ桁数のものである。
【0169】
改変された管状要素は、任意の長さを有してもよい。改変された管状要素は、約10ミリメートル~約60ミリメートル、約15ミリメートル~約50ミリメートル、約20ミリメートル~約55ミリメートル、約25ミリメートル~約40ミリメートル、または約30ミリメートル~約35ミリメートルの長さを有してもよい。例えば、改変された管状要素は、約33ミリメートルの長さを有してもよい。
【0170】
改変された管状要素は、任意の外径(DE)を有してもよい。改変された管状要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、約6ミリメートル~約12ミリメートル、または約7ミリメートル~約12ミリメートルの外径(DE)を有してもよい。改変された管状要素は、約7.3ミリメートルの外径(DE)を有してもよい。
【0171】
改変された管状要素は、任意の内径(DI)を有してもよい。改変された管状要素は、約2ミリメートル~約10ミリメートル、約4ミリメートル~約9ミリメートル、約5ミリメートル~約8ミリメートル、または7ミリメートル~約7.5ミリメートルの内径(DI)を有してもよい。改変された管状要素は、約7.1ミリメートルの内径(DI)を有してもよい。
【0172】
改変された管状要素は、任意の厚さを有する周辺壁を有してもよい。改変された管状要素の周囲壁は、約0.05ミリメートル~約0.5ミリメートルの厚さを有してもよい。改変された管状要素の周囲壁は、約0.1ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0173】
下流セクションは、通気を備えてもよい。通気は、エアロゾル発生物品の外側からのより冷たい空気が下流セクションの内部に入ることができるように設けられる。
【0174】
エアロゾル発生物品は通常、少なくとも約10パーセント、好ましくは少なくとも約20パーセントの通気レベルを有しうる。
【0175】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、少なくとも約20パーセントまたは25パーセントまたは30パーセントの通気レベルを有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも約35パーセントの通気レベルを有することがより好ましい。
【0176】
エアロゾル発生物品は、約80パーセント未満の通気レベルを有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約60パーセント未満または約50パーセント未満の通気レベルを有することがより好ましい。
【0177】
エアロゾル発生物品は、一般的に約10パーセント~約80パーセントの通気レベルを有する。
【0178】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約20パーセント~約80パーセントの通気レベルを有し、約20パーセント~約60パーセントが好ましく、約20パーセント~約50パーセントがより好ましい。別の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約25パーセント~約80パーセントの通気レベルを有し、約25パーセント~約60パーセントが好ましく、約25パーセント~約50パーセントがより好ましい。別の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約30パーセント~約80パーセントの通気レベルを有し、約30パーセント~約60パーセントが好ましく、約30パーセント~約50パーセントがより好ましい。
【0179】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、約40パーセント~約50パーセントの通気レベルを有する。一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、約45パーセントの通気レベルを有する。
【0180】
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、より冷たい外気を、中空の管状セグメントの中に入れることによって生じる温度低下が、エアロゾル粒子の核形成および成長に有利な効果を及ぼす場合があることを見出した。
【0181】
様々な化学種を含有する気体状混合物からのエアロゾルの形成は、蒸気濃度、温度および速度場の変化を説明する、核形成と、蒸発と、凝縮と、さらには融合との間の繊細な相互作用に依存する。いわゆる古典的な核形成理論は、気相中の分子の一部が、十分な確率で(例えば、二分の一の確率など)長時間にわたりコヒーレントなままであるように十分に大きいという想定に基づいている。これらの分子は、一時的な分子凝集体の中のある種類の臨界の、閾値分子クラスターを表し、これは、より小さい分子クラスターが概して、やや迅速にガス相へと分解しやすく、一方でより大きいクラスターが概して、成長しやすいことを意味している。こうした臨界クラスターは、蒸気からの分子の凝縮に起因して液滴が成長することが期待される、主要な核形成コアとして特定される。核形成されたばかりの未処理の液滴は、ある特定の本来の直径を有して出現し、その後、数桁で成長する場合があると想定される。これは、凝縮を誘起する、周囲の蒸気の急速な冷却によって促進され、かつ強化される場合がある。この点について、蒸発および凝縮は、一つの同一のメカニズム、すなわち気液の物質移動の二つの側面であることを念頭に置くことが役立つ。蒸発は液滴から気相への正味の物質移動に関連し、凝縮は気相から液滴相への正味物質移動である。蒸発(または凝縮)によって、液滴が縮小(または成長)するが、液滴の数は変化しない。
【0182】
このシナリオにおいて(シナリオは融合現象によってさらに複雑である場合)、冷却の温度および速度は、システムがどのように応答するかを決定する上で重要な役割を果たす場合がある。一般に、核形成プロセスが典型的に非線形であるため、異なる冷却速度は、液相(液滴)の形成に関して、著しく異なる温度挙動につながる場合がある。理論に束縛されることを望むものではないが、冷却は液滴の凝縮数の急速な増加を生じさせることができ、その後、この成長の短期間の強力な増加が続く(核形成バースト)と仮定される。この核形成バーストは、より低い温度にて、より著しいと思われる。さらに、より速い冷却速度は、早期の核形成の開始に有利に働く場合があると思われる。対照的に、冷却速度の減少は、エアロゾル液滴が最終的に到達する最終的なサイズに有利な効果を及ぼすと思われる。
【0183】
したがって、中空の管状セグメントの中に外気を入れることによって誘起された急速な冷却は、エアロゾル液滴の有利な核形成および成長に有利なように使用することができる。しかしながら、同時に、中空の管状セグメントの中に外気を入れることは、消費者に送達されるエアロゾルの流れの希釈という直接の欠点を有する。
【0184】
本発明者らは驚くべきことに、エアロゾルに対する希釈効果(特に、エアロゾル発生基体に含まれるエアロゾル形成体(グリセロールなど)の送達に対する効果を測定することによって評価され得る)が、上述の範囲内の通気レベルの時に有利に最小化されることを見出した。特に、25パーセント~50パーセント、さらにより好ましくは28~42パーセントの通気レベルが、特に満足のいくグリセリン送達の値につながることが見出された。同時に、核生成の程度、および結果として、ニコチンおよびエアロゾル形成体(例えば、グリセロール)の送達が強化される。
【0185】
下流セクション内への通気は、実質的に下流セクションの全長に沿って行われることができる。この場合、下流セクションは、空気が下流セクションに入ることを可能にする多孔性材料を含んでもよい。例えば、下流セクションが中空の管状セグメントを備える場合、中空セグメントは、中空の管状セグメントの内部に空気が入ることを可能にする多孔性材料から形成されてもよい。下流セクションがラッパーを備える場合、ラッパーは、空気が中空の管状セグメントの内部に入ることを可能にする多孔性材料から形成されてもよい。
【0186】
下流セクションは、下流セクションに通気を提供するための第一の通気ゾーンを備えてもよい。第一の通気ゾーンは下流セクションの一部を備え、この下流セクションの一部を通って下流セクションの残りの部分と比較してより多量の空気が通過できる。例えば、第一の通気ゾーンは、下流セクションの残りの部分よりも高い空隙率を有する下流セクションの一部であってもよい。
【0187】
第一の通気ゾーンは、少なくとも5パーセントの通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。例えば、第一の通気ゾーンは、少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも25パーセント、少なくとも30パーセント、または少なくとも35パーセントの通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。
【0188】
第一の通気ゾーンは、80パーセント以下の通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。例えば、第一の通気ゾーンは、60パーセント以下、または50パーセント未満の通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。
【0189】
第一の通気ゾーンは、10パーセント~80パーセント、20パーセント~80パーセント、20パーセント~60パーセント、または20パーセント~50パーセントの通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。他の実施形態では、第一の通気ゾーンは、25パーセント~80パーセント、25パーセント~60パーセント、または25パーセント~50パーセントの通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。さらなる実施形態では、第一の通気ゾーンは、30パーセント~80パーセント、30パーセント~60パーセント、または30パーセント~50パーセントの通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。
【0190】
第一の通気ゾーンは、40パーセントから50パーセントの通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。一部の特に好ましい実施形態では、第一の通気ゾーンは、45パーセントの通気を有する下流セクションの多孔質部分を備えてもよい。
【0191】
第一の通気ゾーンは、下流セクションの周囲を囲む第一の穿孔ラインを備えてもよい。
【0192】
一部の実施形態では、通気ゾーンは、二つの円周方向の穿孔列を備えてもよい。例えば、穿孔は、エアロゾル発生物品の製造中にオンラインで形成されてもよい。各円周方向の穿孔列は、約5~約40の穿孔を備えてもよく、例えば、各円周方向の穿孔列は、約8~約30の穿孔を備えてもよい。
【0193】
エアロゾル発生物品が組み合わせプラグラップを備える場合、通気ゾーンは好ましくは、組み合わせプラグラップの一部を貫通して設けられた少なくとも一つの対応する円周方向の穿孔列を備える。これらは、喫煙物品の製造中にオンラインで形成されてもよい。好ましくは、組み合わせプラグラップの一部を貫通して設けられた一つ以上の円周方向の穿孔列は、下流セクションを貫通する一つまたは複数の穿孔列と実質的に整列している。
【0194】
エアロゾル発生物品がチッピングペーパーの帯を備え、チッピングペーパーの帯が下流セクションの一つまたは複数の円周方向の穿孔列にわたって延びる場合、通気ゾーンは、好ましくは、チッピングペーパーの帯を貫通して設けられる少なくとも一つの対応する円周方向の穿孔列を備える。これらは、喫煙物品の製造中にオンラインで形成されてもよい。好ましくは、チッピングペーパーの帯を貫通して設けられる一つまたは複数の円周方向の穿孔列は、下流セクションを貫通する一つまたは複数の穿孔列と実質的に整列している。
【0195】
第一の穿孔ラインは、少なくとも約50マイクロメートルの幅を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。例えば、第一の穿孔ラインは、少なくとも約65マイクロメートル、少なくとも約80マイクロメートル、少なくとも約90マイクロメートル、または少なくとも約100マイクロメートルの幅を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0196】
第一の穿孔ラインは、約200マイクロメートル以下の幅を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。例えば、第一の穿孔ラインは、約175マイクロメートル以下、約150マイクロメートル以下、約125マイクロメートル以下、または約120マイクロメートル以下の幅を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0197】
第一の穿孔ラインは、約50マイクロメートル~約200マイクロメートル、約65マイクロメートル~約175マイクロメートル、約90マイクロメートル~約150マイクロメートル、または約100マイクロメートル~約120マイクロメートルの幅を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0198】
レーザー穿孔技術を使用して穿孔が形成される場合、穿孔の幅は、レーザーの焦点直径によって決定されてもよい。
【0199】
第一の穿孔ラインは、少なくとも約400マイクロメートルの長さを有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。例えば、第一の穿孔ラインは、少なくとも約425マイクロメートル、少なくとも約450マイクロメートル、少なくとも約475マイクロメートル、または少なくとも約500マイクロメートルの長さを有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0200】
第一の穿孔ラインは、約1ミリメートル以下の長さを有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。例えば、第一の穿孔ラインは、約950マイクロメートル以下、約900マイクロメートル以下、約850マイクロメートル以下、または約800マイクロメートル以下の長さを有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0201】
第一の穿孔ラインは、約400マイクロメートル~約1ミリメートル、約425マイクロメートル~約950マイクロメートル、約450マイクロメートル~約900マイクロメートル、約475マイクロメートル~約850マイクロメートル、または約500マイクロメートル~約800マイクロメートルの長さを有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0202】
第一の穿孔ラインは、少なくとも約0.01平方ミリメートルの開口面積を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。例えば、第一の穿孔ラインは、少なくとも約0.02平方ミリメートル、少なくとも約0.03平方ミリメートル、または少なくとも約0.05平方ミリメートルの開口面積を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0203】
第一の穿孔ラインは、約0.5平方ミリメートル以下の開口面積を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。例えば、第一の穿孔ラインは、約0.3平方ミリメートル以下、約0.25平方ミリメートル以下、または約0.1平方ミリメートル以下の開口面積を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0204】
第一の穿孔ラインは、約0.01平方ミリメートル~約0.5平方ミリメートル、約0.02平方ミリメートル~約0.3平方ミリメートル、約0.03平方ミリメートル~約0.25平方ミリメートル、または約0.05平方ミリメートル~約0.1平方ミリメートルの開口面積を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。第一の穿孔ラインは、約0.05平方ミリメートル~約0.096平方ミリメートルの開口面積を有する少なくとも一つの穿孔を備えてもよい。
【0205】
上記のように、エアロゾル発生物品は、下流セクションの少なくとも一部分の周囲を囲むラッパーを備えてもよく、第一の通気ゾーンは、ラッパーの多孔質部を備えてもよい。
【0206】
ラッパーは紙ラッパーであってもよく、第一の通気ゾーンは多孔質紙の一部分を含んでもよい。
上記のように、下流セクションは、エアロゾル発生基体の下流端から離間する中空管を備えてもよい。この場合、中空管は、紙ラッパーによってエアロゾル発生基体に連結してもよい。ラッパーは多孔質紙ラッパーであってもよい。この場合、第一の通気ゾーンは、エアロゾル発生基体の下流端と中空管の上流端との間の空間を覆う多孔質紙ラッパーの部分を備えてもよい。この場合、第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端に当接し、第一の通気ゾーンの下流端は、中空管の上流端に当接する。
【0207】
第一の通気ゾーンを形成するラッパーの多孔質部は、第一の通気ゾーンの一部を形成しないラッパーの一部の坪量よりも低い坪量を有してもよい。
【0208】
第一の通気ゾーンを形成するラッパーの多孔質部は、第一の通気ゾーンの一部を形成しないラッパーの一部の厚さよりも低い厚さを有してもよい。
【0209】
第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から10ミリメートル未満であってもよい。
【0210】
例えば、第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から8ミリメートル未満、5ミリメートル未満、3ミリメートル未満、または1ミリメートル未満であってもよい。
【0211】
第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端と長軸方向に整列することができる。
【0212】
第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から下流要素の長さに沿った経路の25パーセント未満に配置されてもよい。例えば、第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から下流要素の長さに沿った経路の20パーセント未満、18パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、または1パーセント未満に配置されてもよい。
【0213】
第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生基体の下流端から下流要素の長さに沿った経路の30パーセント未満に配置されてもよい。例えば、第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生基体の下流端から下流要素の長さに沿った経路の25パーセント未満、20パーセント未満、18パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、または5パーセント未満に配置されてもよい。
【0214】
第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生基体の下流端から10ミリメートル以下であってもよい。換言すると、第一の通気ゾーンは、エアロゾル発生基体の10ミリメートル内に完全に配置されてもよい。
【0215】
例えば、第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生基体の下流端から8ミリメートル以下、5ミリメートル以下、または3ミリメートル以下であってもよい。第一の通気ゾーンは、下流セクションの長さに沿ってどこにでも配置されてもよい。第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から約25ミリメートル以下に配置されてもよい。例えば、第一の通気ゾーンは、エアロゾル発生物品の下流端から約20ミリメートル以下に配置されてもよい。
【0216】
上で概説したように第一の通気ゾーンを配置することで、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に挿入される場合に、第一の通気ゾーンが塞がれるのを有利に防止することができる。
【0217】
第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも約8ミリメートルに配置されてもよい。例えば、第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも約10ミリメートル、少なくとも12ミリメートル、または少なくとも約15ミリメートルに配置されてもよい。
【0218】
上で概説したように第一の通気ゾーンを配置することで、エアロゾル発生物品の使用中に、第一の通気ゾーンがユーザーの口または唇によって塞がれるのを有利に防止することができる。
【0219】
第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から約8ミリメートル~約25ミリメートル、約10ミリメートル~約25ミリメートル、または約15ミリメートル~約20ミリメートルに配置されてもよい。第一の通気ゾーンの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から約18ミリメートルに配置されてもよい。
【0220】
第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも約20ミリメートルに配置されてもよい。例えば、第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも約25ミリメートルに配置されてもよい。
【0221】
上で概説したように第一の通気ゾーンを配置することで、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に挿入される場合に、第一の通気ゾーンが塞がれるのを有利に防止することができる。
第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から37ミリメートル以下に配置されてもよい。例えば、第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から約30ミリメートル以下に配置されてもよい。
【0222】
上で概説したように第一の通気ゾーンを配置することで、エアロゾル発生物品の使用中に、第一の通気ゾーンがユーザーの口または唇によって塞がれるのを有利に防止することができる。
【0223】
第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から約20ミリメートル~約37ミリメートル、または約25ミリメートル~約30ミリメートルに配置されてもよい。第一の通気ゾーンの上流端は、エアロゾル発生物品の下流端から約27ミリメートルに配置されてもよい。
【0224】
第一の通気ゾーンは、任意の長さを有してもよい。第一の通気ゾーンは、少なくとも0.5ミリメートルの長さを有してもよい。換言すると、第一の通気ゾーンの下流端と第一の通気ゾーンの上流端との間の長軸方向の距離は、少なくとも0.5ミリメートルである。例えば、第一の通気ゾーンは、少なくとも1ミリメートル、少なくとも2ミリメートル、少なくとも5ミリメートル、または少なくとも8ミリメートルの長さを有してもよい。
【0225】
第一の通気ゾーンは、10ミリメートル以下の長さを有してもよい。例えば、第一の通気ゾーンは、8ミリメートル以下、または5ミリメートル以下の長さを有してもよい。
【0226】
第一の通気ゾーンは、約0.5ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有してもよい。例えば、第一の通気ゾーンは、約1ミリメートル~約8ミリメートルの長さ、または約2ミリメートル~約5ミリメートルの長さを有してもよい。
【0227】
エアロゾル発生物品は、中空の管状要素およびエアロゾル発生要素に加えて、追加の要素または構成要素、例えばフィルターセグメントまたはマウスピースセグメントをさらに備えてもよい。好ましくは、エアロゾル発生物品の下流セクションは、中空の管状要素に加えて、要素または構成要素、例えばフィルターセグメントまたはマウスピースセグメントを備えてもよい。
【0228】
このような追加の要素は、中空の管状要素の下流に配置されてもよい。このような追加の要素は、中空の管状要素のすぐ下流に配置されてもよい。このような追加の要素は、エアロゾル発生要素と中空の管状要素との間に配置されてもよい。このような追加の要素は、中空の管状要素の下流端から、エアロゾル発生物品の口側端まで、または下流セクションの下流端まで延びることができる。このような追加の要素は、好ましくは下流要素またはセグメントである。このような追加の要素は、フィルター要素もしくはセグメント、またはマウスピースセグメントであってもよい。このような追加の要素は、本開示のエアロゾル発生物品の下流セクションの一部を形成することができる。このような追加の要素は、エアロゾル発生物品の残りの構成要素、例えばエアロゾル発生要素および中空の管状要素と軸方向に整列していてもよい。さらに、追加の要素は、中空の管状要素の外径、エアロゾル発生要素の直径、またはエアロゾル発生物品の直径と類似の直径を有してもよい。
【0229】
本開示のエアロゾル発生物品は、好ましくは、下流セクション(または下流セクションの構成要素)の周囲を囲むラッパーを備える。このようなラッパーは、下流セクションがエアロゾル発生要素に取り付けられるように、下流セクションおよびエアロゾル発生要素の一部の周囲を囲む外側チッピングラッパーであってもよい。
【0230】
本開示のエアロゾル発生物品の下流セクションは、凹状空洞を画成することができる。
【0231】
上記の「追加の要素」はまた、本開示では、「下流セクション」の「第一のセクション」または「第一のセグメント」と呼ばれる場合がある。「第一のセグメント」または「追加の要素」という用語は、本開示では、代替的に、「マウスピースセグメント」、「保持セグメント」、「下流セグメント」、「マウスピース要素」、「下流要素」、「保持要素」、「フィルター要素」、もしくは「フィルターセグメント」、または「下流プラグ要素」と呼ばれる場合がある。「マウスピース」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生要素の下流、好ましくは、物品の口側端の近傍に配置される、エアロゾル発生物品の要素を指す場合がある。
【0232】
他に断りがない限り、構成要素またはエアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)は、ISO 6565-2015に従って測定される。RTDは、構成要素の全長を通して空気を強制するのに必要な圧力を指す。構成要素または物品の「圧力降下」または「引き出し抵抗(draw resistance)」という用語もまた、「引き出し抵抗(resistance to draw)」を指し得る。こうした用語は、通常、ISO 6565-2015に従った測定が、摂氏約22度の温度、約101kPa(約760Torr)の圧力、および約60%の相対湿度で、測定される構成要素の出力または下流端において約17.5ミリリットル/秒の体積流量の試験下で実行されることを指す。
【0233】
エアロゾル発生物品の特定の構成要素(または要素)、例えば下流セクション、第一のセクション、または第一のセグメントの単位長さ当たりの引き出し抵抗は、測定された構成要素の引き出し抵抗を 構成要素の軸方向の全長で割ることより計算されてもよい。単位長さ当たりのRTDは、構成要素の単位長さを通して空気を強制して通すために必要な圧力を指す。本開示全体を通して、単位長さは1mmの長さを指す。したがって、特定の部品の単位長さあたりのRTDを導出するために、構成要素の特定の長さ、例えば15mmの試験片を測定に使用することができる。こうした標本のRTDは、ISO 6565-2015に従って測定される。例えば、測定されたRTDが約15mmH2Oである場合、構成要素の単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約1mmH2Oである。構成要素の単位長さ当たりのRTDは、他の要因の中でも特に、構成要素に使用される材料の構造的特性、ならびに構成要素の断面形状または外形に依存する。
【0234】
下流セクションの単位長さ当たりの相対RTD、またはRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約3mmH2Oであってもよい。あるいは、下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約2.5mmH2Oであってもよい。あるいは、下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約2mmH2Oであってもよい。下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約1mmH2Oであってもよい。下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約0.75mmH2Oであってもよい。
【0235】
上記のように、下流セクションの単位長さ当たりの相対RTDまたはRTDは、1mm当たり約0mmH2Oより大きく、1mm当たり約3mmH2O未満であってもよい。あるいは、下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2Oより大きく、1mm当たり約2.5mmH2O未満であってもよい。あるいは、下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2Oより大きく、1mm当たり約2mmH2O未満であってもよい。下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2Oより大きく、1mm当たり約1mmH2O未満であってもよい。下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2Oより大きく、1mm当たり約0.75mmH2O未満であってもよい。
【0236】
下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O以上であってもよい。したがって、下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約3mmH2Oであってもよい。あるいは、下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約2.5mmH2Oであってもよい。あるいは、下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約2mmH2Oであってもよい。下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約1mmH2Oであってもよい。下流セクションの単位長さ当たりのRTDは、1mm当たり約0mmH2O~1mm当たり約0.75mmH2Oであってもよい。
【0237】
下流セクションの引き出し抵抗(RTD)は、約0mmH2O以上、約10mmH2O未満であってもよい。下流セクションの引き出し抵抗は、0mmH2O以上、約5mmH2O未満であってもよい。下流セクションの引き出し抵抗は、0mmH2O以上、約2mmH2O未満であってもよい。下流セクションの引き出し抵抗は、0mmH2O以上、約1mmH2O未満であってもよい。
【0238】
換言すると、下流セクションのRTDは、10mmH2O未満であってもよい。下流セクションのRTDは、5mmH2O未満であってもよい。下流セクションのRTDは、2mmH2O未満であってもよい。下流セクションのRTDは、1mmH2O未満であってもよい。下流セクションのRTDは、0mmH2O以上であってもよい。
【0239】
エアロゾル発生物品の上流端は、ラッパーによって画成されてもよい。エアロゾル発生物品の上流端にラッパーを設けることは、有利なことに、エアロゾル発生物品にエアロゾル形成基体を保持することができる。この特徴はまた、有利なことに、ユーザーがエアロゾル発生基体に直接接触することを防止することができる。
【0240】
ラッパーは、エアロゾル発生物品の上流端で機械的に閉じられてもよい。これは、ラッパーを折り畳むか、またはねじることによって達成されてもよい。接着剤を使用して、エアロゾル発生物品の上流端を閉じてもよい。
【0241】
エアロゾル発生物品の上流端を画成するラッパーは、下流セクションの少なくとも一部の周囲を囲むラッパーと同じ材料片から形成されてもよい。
【0242】
この提供により、有利なことに、一部品のラッパー材料のみが必要となりうるため、エアロゾル発生物品の製造は単純化されてもよい。さらに、一部品のラッパー材料の使用は、二部品のラッパー材料を接続するための継ぎ目の必要性を除去し得る。これは有利なことに、製造を単純化し得る。継ぎ目のないことはまた、有利なことに、エアロゾル発生基体のいずれかがエアロゾル発生物品から漏れるのを防止または低減することができる。
【0243】
本開示のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の上流に上流要素をさらに備えてもよい。上流要素は、エアロゾル発生基体の上流端からエアロゾル発生物品の上流端に延びてもよい。上流要素は、エアロゾル発生物品の上流端に当接し得る。上流要素は、上流セクションと称され得る。
【0244】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の上流端に空気吸込み口を備えてもよい。エアロゾル発生物品が上流要素を備える場合、空気吸込み口は上流要素を通して提供されてもよい。空気吸込み口を通して入る空気は、主流エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生基体を通過し得る。
【0245】
上流セクションは、高いRTDを有してもよい。
【0246】
下流セクションが比較的低いRTD、例えば約10mmH2O未満のRTDを有する本開示の実施形態では、比較的高いRTDを有する上流要素を設けることは、有利なことに、エアロゾル発生基体の下流のフィルターなどの高いRTD要素を必要とすることなく、許容可能な全体的なRTDを提供することができる。使用中、空気は、上流セクションの上流端を通ってエアロゾル発生物品に入り、上流セクションを通過して、エアロゾル発生基体内に入る。そして、空気は下流セクション内に入って通過し、その後下流セクションの下流端から出る。
【0247】
上流セクションのRTDが、エアロゾル発生物品全体のRTDの大部分を占めてもよい。
【0248】
上流セクションのRTDの下流セクションのRTDに対する比は、1を超えてもよい。例えば、下流セクションのRTDは、約2を超える、約5を超える、約8を超える、約10を超える、約15を超える、約20を超える、または約50を超えてもよい。
【0249】
上流セクションのRTDは、少なくとも約5mmH2Oであってもよい。例えば、上流セクションのRTDは、少なくとも約10mmH2O、少なくとも約12mmH2O、少なくとも約15mmH2O、少なくとも約20mmH2Oであってもよい。
【0250】
上流セクションのRTDは、約80mmH2O以下であってもよい。例えば、上流セクションのRTDは、約70mmH2O以下、約60mmH2O以下、約50mmH2O以下、または約40mmH2O以下であってもよい。
【0251】
上流セクションのRTDは、約5mmH2O~約80mmH2Oであってもよい。例えば、上流セクションのRTDは、約10mmH2O~約70mmH2O、約12mmH2O~約60mmH2O、約15mmH2O~約50mmH2O、または約20mmH2O~約40mmH2Oであってもよい。
【0252】
上流セクションは、有利なことに、エアロゾル発生基体の上流端に直接物理的に接触することを防止することができる。具体的には、エアロゾル発生基体がサセプタ素子を備える場合、上流セクションは、サセプタ素子の上流端に直接物理的に接触することを防止することができる。これは、エアロゾル発生物品の取り扱いまたは輸送中のサセプタ素子の変位または変形を防止するのに役立つ。これは、次に、サセプタ素子の形態および位置を固定するのに役立つ。さらに、上流セクションの存在は、例えば、基体が粒子状植物材料を含有する場合に有利であることができる、基体のいかなる損失をも防止するのに役立つ。
【0253】
上流セクションはまた、エアロゾル発生物品の上流端に改善された外観を提供することができる。さらに、所望される場合、上流セクションは、エアロゾル発生物品に関する情報、例えば、物品が使用されることが意図されるエアロゾル発生装置のブランド、風味、含有量、または詳細に関する情報を提供するために使用されてもよい。
【0254】
上流セクションは、多孔質のプラグ要素を備えてもよい。多孔質プラグ要素は、エアロゾル発生物品の長軸方向に少なくとも約50パーセントの空隙率を有してもよい。より好ましくは、多孔質プラグ要素は、長軸方向に約50パーセント~約90パーセントの空隙率を有する。長軸方向の多孔質プラグ要素の空隙率は、多孔質プラグ要素の位置における、多孔質プラグ要素を形成する材料の断面積とエアロゾル発生物品の内部断面積との比によって決定される。
【0255】
多孔質プラグ要素は、多孔性材料でできていてもよく、または複数の開口部を備えてもよい。これは、例えばレーザー穿孔により達成されてもよい。複数の開口部は、多孔質プラグ要素の断面にわたり均質に分布することが好ましい。
【0256】
上流セクションの空隙率または浸透性は、エアロゾル発生物品の望ましい全体的な引き出し抵抗を提供するために、有利に変化し得る。
【0257】
別の実施形態では、上流セクションは、空気に対して不透過性である材料から形成されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、ラッパー内に提供される好適な通気手段を介して、空気がエアロゾル発生基体のロッド内に流れるように構成されてもよい。
【0258】
上流セクションは、エアロゾル発生物品での使用に好適な任意の材料で作製されてもよい。例えば、上流要素は、材料のプラグを備えてもよい。上流セクションを形成するための好適な材料には、フィルター材料、セラミック、高分子材料、セルロースアセテート、厚紙、ゼオライト、またはエアロゾル発生基体が含まれる。上流セクションは、セルロースアセテートを含むプラグを含むことが好ましい。
【0259】
上流セクションが材料のプラグを含む場合、材料のプラグの下流端は、エアロゾル発生基体の上流端の周りにあってもよい。例えば、上流セクションは、エアロゾル発生基体の上流端に当接するセルロースアセテートを含むプラグを備えてもよい。これは有利なことに、エアロゾル発生基体を適所に保持するのに役立ち得る。
【0260】
上流セクションが材料のプラグを含む場合、材料のプラグの下流端は、エアロゾル発生基体の上流端から間隙を介してもよい。上流要素は、繊維質の濾過材料を含むプラグを備えてもよい。
【0261】
上流セクションは、耐熱性材料で形成されることが好ましい。例えば、上流セクションは、最大摂氏350度の温度に耐える材料から形成されることが好ましい。これにより、上流セクションが、エアロゾル発生基体を加熱するための加熱手段によって悪影響を受けないことを確実にする。
【0262】
上流セクションは、エアロゾル発生物品の直径とほぼ等しい直径を有することが好ましい。上流セクションは、少なくとも約1ミリメートルの長さを有し得る。例えば、上流セクションは、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも約4ミリメートル、または少なくとも約6ミリメートルの長さを有してもよい。
【0263】
上流セクションは、約15ミリメートル以下の長さを有してもよい。例えば、上流セクションは、約12ミリメートル以下、約10ミリメートル以下、または約8ミリメートル以下の長さを有してもよい。
【0264】
上流セクションは、約1ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。例えば、上流セクションは、約2ミリメートル~約12ミリメートル、約4ミリメートル~約10ミリメートル、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの長さを有してもよい。
【0265】
上流セクションの長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長を提供するために有利に変化することができる。例えば、エアロゾル発生物品の他の構成要素のうちの一つの長さを減少させることが望ましい場合、上流セクションの長さは、物品の同じ全長を維持するために増加されてもよい。
【0266】
上流セクションは、実質的に均質な構造を有することが好ましい。例えば、上流セクションは、質感および外観が実質的に均質であることができる。上流セクションは、例えば、その断面全体にわたって連続的な規則的な表面を有してもよい。上流セクションは、例えば、認識可能な対称性を備えなくてもよい。
【0267】
上流セクションは、第二の管状要素を備えてもよい。第二の管状要素は、上流要素の代わりに設けられてもよい。第二の管状要素は、エアロゾル発生基体のすぐ上流に設けられてもよい。第二の管状要素は、エアロゾル発生基体に当接してもよい。
【0268】
第二の管状要素は、管状本体の第一の上流端から管状本体の第二の下流端まで延びる空洞を画成する管状本体を備えてもよい。第二の管状要素はまた、管状本体の第一の上流端で第一の端壁を形成する折り畳まれた端部を備えてもよい。第一の端壁は、空洞と第二の管状要素の外部との間の気流を可能にする開口部を画成することができる。好ましくは、空気は空洞から開口部を通ってエアロゾル発生基体内に流れることができる。
【0269】
第二の管状要素は、その管状本体の第二の端に第二の端壁を備えてもよい。この第二の端壁は、管状本体の第二の下流端で第二の管状要素の一端部を折り畳むことによって形成されてもよい。第二の端壁は、空洞と第二の管状要素の外部との間の気流を可能にする開口部を画成することができる。第二の端壁の場合、開口部は、空気がエアロゾル発生物品の外部から開口部を通り、空洞内に流れることができるように構成されてもよい。したがって、開口部は、空気がエアロゾル発生物品内に、そしてエアロゾル発生基体を通って引き込まれることができる導管を設けることができる。
【0270】
上流セクションは、ラッパーによって周囲を囲まれることが好ましい。上流セクションの周囲を囲むラッパーは、硬いプラグラップ、例えば、少なくとも一平方メートル当たり約80グラム(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップであることが好ましい。これにより、上流セクションに構造的剛性がもたらされる。
【0271】
上述のように、本発明は、遠位端および口側端を有するエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムに関する。エアロゾル発生装置は、本体を備える。エアロゾル発生装置の本体またはハウジングは、装置の口側端でエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定し得る。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が、装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生基体を加熱するための発熱体またはヒーターを備える。
【0272】
装置空洞は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーと称され得る。装置空洞は、遠位端と口側端または近位端との間に延びてもよい。装置空洞の遠位端は、閉鎖端であってもよく、装置空洞の口側端または近位端は、開放端であってもよい。エアロゾル発生物品は、装置空洞の開放端を介して、装置空洞または加熱チャンバーの中に挿入されてもよい。装置空洞は、エアロゾル発生物品の同じ形状に適合するように、円筒形状であってもよい。
【0273】
「内に受容」という表現は、構成要素または要素が、別の構成要素または要素内に、完全にまたは部分的に受容されるという事実を指す場合がある。例えば、「エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されている」という表現は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生物品の装置空洞内に、完全にまたは部分的に受容されていることを指す。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品は、装置空洞の遠位端に当接し得る。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品は、装置空洞の遠位端に実質的に近接し得る。装置空洞の遠位端は、端壁によって画定されてもよい。
【0274】
装置空洞の長さは、約10mm~約50mmであってもよい。装置空洞の長さは、約20mm~約40mmであってもよい。装置空洞の長さは、約25mm~約30mmであってもよい。装置空洞(または加熱チャンバー)の長さは、エアロゾル形成基体のロッドの長さと同じか、またはそれより長くてもよい。
【0275】
装置空洞の直径は、約4mm~約50mmであってもよい。装置空洞の直径は、約4mm~約30mmであってもよい。装置空洞の直径は、約5mm~約15mmであってもよい。装置空洞の直径は、約6mm~約12mmであってもよい。装置空洞の直径は、約7mm~約10mmであってもよい。装置空洞の直径は、約7mm~約8mmであってもよい。
【0276】
装置空洞の直径は、エアロゾル発生物品の直径と同じか、またはそれより大きくてもよい。装置空洞の直径は、エアロゾル発生物品との緊密な嵌合を確立するために、エアロゾル発生物品の直径と同じであってもよい。
【0277】
装置空洞は、装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品との緊密な嵌合を確立するように構成されてもよい。緊密な嵌合とは、滑り嵌めを指し得る。エアロゾル発生装置は、周辺壁を備えてもよい。こうした周辺壁は、装置空洞、または加熱チャンバーを画定し得る。装置空洞を画定する周辺壁は、装置内に受容されたときに、装置空洞を画定する周辺壁とエアロゾル発生物品との間に実質的にギャップまたは空のスペースがないように、装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品と緊密な嵌合で係合するように構成されてもよい。
【0278】
こうした気密嵌合は、装置空洞と、その中に受容されたエアロゾル発生物品との間に気密嵌合または構成を確立し得る。
【0279】
こうした気密な構成では、装置空洞を画定する周辺壁と、空気が流れるエアロゾル発生物品との間に、実質的にギャップまたは空のスペースがない。
【0280】
エアロゾル発生物品との緊密な嵌合は、装置空洞の全長に沿って、または装置空洞の長さの一部分に沿って確立されてもよい。
【0281】
エアロゾル発生装置は、チャネル入口とチャネル出口との間に延びる気流チャネルを備えてもよい。気流チャネルは、装置空洞の内部とエアロゾル発生装置の外部との間に流体連通を確立するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置の気流チャネルは、エアロゾル発生装置のハウジング内に画定されて、装置空洞の内部とエアロゾル発生装置の外部との間の流体連通を可能にし得る。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容される場合、気流チャネルは、発生されたエアロゾルを、物品の口側端から引き出すユーザーに送達するために、物品に流入する空気を提供するように構成されてもよい。
【0282】
エアロゾル発生装置の気流チャネルは、エアロゾル発生装置のハウジングの周辺壁内に、または周辺壁によって画定されてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生装置の気流チャネルは、周辺壁の厚さ内に、または周辺壁の内表面によって、または両方の組み合わせによって画定されてもよい。気流チャネルは、周辺壁の内表面によって部分的に画定されてもよく、周辺壁の厚さ内に部分的に画定されてもよい。周辺壁の内表面は、装置空洞の周縁を画定する。
【0283】
エアロゾル発生装置の気流チャネルは、エアロゾル発生装置の口側端または近位端に位置する入口から、装置の口側端から離れて位置する出口まで延びてもよい。気流チャネルは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な方向に沿って延びてもよい。
【0284】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が装置空洞内に収容される場合、エアロゾル発生物品内に挿入されるように配置された細長いヒーター(または発熱体)を備えてもよい。細長いヒーターは、装置空洞とともに配置されてもよい。細長いヒーターは、装置空洞内に延びてもよい。代替的な加熱配置について、以下でさらに考察する。
【0285】
ヒーターは、適切な任意のタイプのヒーターとし得る。ヒーターは外部ヒーターであることが好ましい。
【0286】
ヒーターは、エアロゾル発生装置内に収容される場合、エアロゾル発生物品を外部から加熱することができることが好ましい。かかる外部ヒーターは、エアロゾル発生装置内に挿入または受容されたときに、エアロゾル発生物品を囲むことができる。ヒーターは、エアロゾル発生装置内に収容される場合、エアロゾル発生物品を外部から加熱するように構成されることが好ましい。このような外部ヒーターは、エアロゾル発生装置内に挿入または収容される場合、エアロゾル発生物品の周囲を囲むように構成されてもよい。
【0287】
一部の実施形態では、ヒーターは、エアロゾル形成基体の外表面を加熱するように配置されている。一部の実施形態では、ヒーターは、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されたときに、エアロゾル形成基体に挿入されるように配置されている。ヒーターは、装置空洞または加熱チャンバー内に配置されてもよい。
【0288】
ヒーターは、少なくとも一つの発熱体を備えてもよい。少なくとも一つの発熱体は、任意の適切なタイプの発熱体であり得る。一部の実施形態では、装置は、一つの発熱体のみを備える。一部の実施形態では、装置は、複数の発熱体を備える。ヒーターは、少なくとも一つの抵抗発熱体を含んでもよい。ヒーターは、複数の抵抗発熱体を含むことが好ましい。抵抗発熱体は、平行な配置で電気的に接続されていることが好ましい。有利なことに、平行な配置で電気的に接続された複数の抵抗発熱体を提供することは、望ましい電力を提供するために必要とされる電圧を減少させるか、または最小化しながら、ヒーターへの望ましい電力の送達を容易にし得る。有利なことに、ヒーターを動作させるために必要とされる電圧を減少させるか、または最小化することは、電源の物理的なサイズを減少させるか、または最小化することを容易にし得る。
【0289】
少なくとも一つの抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0290】
一部の実施形態では、少なくとも一つの抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を含む。別の方法として、少なくとも一つの抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤー)を含んでもよい。
【0291】
一部の実施形態では、少なくとも一つの発熱体は、電気的に絶縁された基体を含み、少なくとも一つの抵抗発熱体は、電気的に絶縁された基体上に提供される。
【0292】
電気的に絶縁された基体は、任意の適切な材料を含んでもよい。例えば、電気的に絶縁された基体は、紙、ガラス、セラミック、陽極酸化金属、被覆金属、およびポリイミドのうちの一つ以上を含んでもよい。セラミックは、マイカ、アルミナ(Al2O3)またはジルコニア(ZrO2)を含んでもよい。電気的に絶縁された基体は、約40ワット/メートルケルビン以下、好ましくは約20ワット/メートルケルビン以下、理想的には約2ワット/メートルケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
【0293】
ヒーターは、その表面上に配列された一つ以上の導電性トラックまたはワイヤーを有する剛直な電気的に絶縁された基体を含む発熱体を備えてもよい。電気的に絶縁された基体のサイズおよび形状により、ヒーターをエアロゾル形成基体に直接挿入することができる場合がある。電気的に絶縁された基体が十分に剛直でない場合、発熱体は、さらなる補強手段を含んでもよい。電流は、発熱体およびエアロゾル形成基体を加熱するために、一つ以上の導電性トラックを通過し得る。
【0294】
一部の実施形態では、ヒーターは、誘導加熱配置を備える。誘導加熱配置は、インダクタコイルと、高周波振動電流をインダクタコイルに提供するように構成された電源と、を備えてもよい。本明細書で使用される場合、高周波振動電流とは、約500kHz~約30MHzの周波数を有する振動電流を意味する。ヒーターは、有利なことに、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するためのDC/ACインバータを含んでもよい。インダクタコイルは、電源から高周波振動電流を受信すると高周波振動電磁場を発生させるように配置されてもよい。インダクタコイルは、装置空洞内に高周波振動電磁場を発生させるように配置されてもよい。一部の実施形態では、インダクタコイルは、装置空洞を実質的に囲むことができる。インダクタコイルは、装置空洞の長さに沿って少なくとも部分的に延びてもよい。
【0295】
ヒーターは、誘導発熱体を含んでもよい。誘導発熱体は、サセプタ素子であってもよい。本明細書で使用される「サセプタ素子」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を含む要素を指す。サセプタ素子が交流電磁場内に位置しているときに、サセプタは加熱される。サセプタ素子の加熱は、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘発されるヒステリシス損失および渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。
【0296】
サセプタ素子は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に受容されたときに、インダクタコイルによって発生した振動電磁場がサセプタ素子内に電流を誘発し、サセプタ素子を加熱するように配置されてもよい。これらの実施形態では、エアロゾル発生装置は、1~5キロアンペア/メートル(kA/m)、好ましくは2~3kA/m、例えば約2.5kA/mの磁界強度(H場の強度)を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、周波数が1~30MHz、例えば1~10MHz、例えば5~7MHzである、変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。
【0297】
一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル発生物品内に位置する。これらの実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル形成基体に接触して位置することが好ましい。サセプタ素子は、エアロゾル形成基体内に位置し得る。
【0298】
一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル発生装置内に位置する。これらの実施形態では、サセプタ素子は、空洞内に位置してもよい。エアロゾル発生装置は、一つのサセプタ素子のみを含んでもよい。エアロゾル発生装置は、複数のサセプタ素子を備えてもよい。
【0299】
一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル形成基体の外表面を加熱するように配置されている。一部の実施形態では、サセプタ素子は、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されたときに、エアロゾル形成基体に挿入されるように配置されている。
【0300】
サセプタ素子は、任意の適切な材料を含んでもよい。サセプタ素子は、エアロゾル形成基体から揮発性化合物を放出するのに十分な温度に誘導加熱され得る任意の材料から形成されてもよい。細長いサセプタ素子に適した材料には、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合体が含まれる。いくつかのサセプタ素子は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ素子は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含む、またはその強磁性材料からなり得る。適切なサセプタ素子はアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ素子は好ましくは、約5パーセント超、好ましくは約20パーセント超、より好ましくは約50パーセント超もしくは約90パーセント超の強磁性材料または常磁性材料を含む。いくつかの細長いサセプタ素子は、摂氏約250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0301】
サセプタ素子は、非金属コア上に配列された金属層を有する非金属コアを備えてもよい。例えば、サセプタ素子は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを含んでもよい。
【0302】
一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの抵抗発熱体および少なくとも一つの誘導発熱体を備えてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は、抵抗発熱体と誘導発熱体との組み合わせを備えてもよい。
【0303】
使用中、ヒーターは、最大動作温度未満の決められた動作温度範囲内で動作するように制御されてもよい。加熱チャンバー(または装置空洞)内の動作温度範囲は、摂氏約150度~摂氏約300度が好ましい。ヒーターの動作温度範囲は、摂氏約150度~摂氏約250度であってもよい。
【0304】
好ましくは、ヒーターの動作温度範囲は、摂氏約150度~摂氏約200度の間であってもよい。より好ましくは、ヒーターの動作温度範囲は、摂氏約180度~摂氏約200度であってもよい。具体的には、本開示を通して記載されるように、最適かつ一貫したエアロゾルの送達は、比較的低いRTD(例えば、10mm H2O未満の下流セクションRTD)を有するエアロゾル発生物品で、摂氏約180度~摂氏約200度の動作温度範囲を有する外部ヒーターを有するエアロゾル発生装置を使用したときに達成され得ることが見出された。
【0305】
エアロゾル発生物品が下流セクションまたは中空の管状要素に沿った位置に通気ゾーンを備える実施形態では、通気ゾーンは、エアロゾル発生物品が装置空洞内に収容される場合、露出されるように配置されてもよい。したがって、装置空洞の長さは、エアロゾル発生物品の上流端から下流セクションに沿って位置する通気ゾーンまでの距離よりも小さくてもよい。
【0306】
エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源はDC電源であってもよい。一部の実施形態では、電源は電池である。電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池(例えば、リチウムコバルト、リン酸鉄リチウム、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。しかしながら、一部の実施形態において、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を要するものとしてもよく、例えば一回以上のエアロゾル発生の体験などの一回以上のユーザー操作のために十分なエネルギーの蓄積が許容される容量を有し得る。例えば、電源は、従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約六分間、または六分間の倍数の時間にわたるエアロゾル形成基体の連続的な加熱を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、またはヒーターの不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0307】
エアロゾル発生物品は、約35ミリメートル~約100ミリメートルの長さを有してもよい。
【0308】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約38ミリメートルであることが好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約42ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0309】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、70ミリメートル以下であることが好ましい。より好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、60ミリメートル以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、50ミリメートル以下であることが好ましい。
【0310】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約70ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約70ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約70ミリメートルであることがさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約60ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約60ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約60ミリメートルであることがさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約50ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約50ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約50ミリメートルであることがさらにより好ましい。例示的な実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルである。
【0311】
エアロゾル発生物品は、少なくとも5ミリメートルの外径を有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも6ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも7ミリメートルの外径を有することがより好ましい。
【0312】
エアロゾル発生物品は、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約10ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約8ミリメートル以下の外径を有することがさらにより好ましい。
【0313】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有する。他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの外径を有する。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有する。
【0314】
エアロゾル発生物品の構成要素のうちの一つ以上は、ラッパーによって個別に周囲を囲まれてもよい。好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品のすべての構成要素は、それら自体のラッパーによって個別に周囲を囲まれている。好ましくは、エアロゾル発生物品の構成要素のうちの少なくとも一つは、疎水性ラッパーで包まれる。
【0315】
「疎水性」という用語は撥水特性を呈する表面を指す。これを決定するための一つの有用なやり方は、水接触角を測定することである。「水接触角」は、従来的に液体を通して測定された角度であり、液体/蒸気界面が固体表面と交わる所である。これは液体による固体表面の湿潤性を、ヤングの式を介して定量化する。疎水性または水接触角は、TAPPI T558試験方法を利用することによって決定されてもよく、また結果は界面接触角として表されて「度」で報告され、ほぼ0からほぼ180度の範囲にわたることができる。
【0316】
好ましい実施形態では、疎水性ラッパーは、約30度以上、好ましくは約35度以上、または約40度以上、または約45度以上の水接触角を有する紙層を含む。
【0317】
例として、紙層は、PVOH(ポリビニルアルコール)またはシリコンを含んでもよい。PVOHは、表面コーティングとして紙層に施されてもよく、または紙層は、PVOHまたはシリコンを含む表面処理を含んでもよい。
【0318】
特に好ましい実施形態では、本開示によるエアロゾル発生物品は、直線状の連続配置で、エアロゾル発生基体を備えるロッドを備えるエアロゾル発生要素と、エアロゾル発生要素のすぐ下流に配置される中空の管状要素とを備える。
【0319】
より詳細には、中空の管状要素は、エアロゾル発生要素に当接してもよい。
【0320】
エアロゾル発生物品は、実質的に円筒形状、および約7.3ミリメートルの外径を有する。
【0321】
中空の管状要素は、中空のセルロースアセテートチューブの形態であり、約7.1ミリメートルの内径を有する。したがって、中空の管状要素の周壁の厚さは、約0.1ミリメートルである。通気ゾーンは、中空の管状要素に沿った位置に設けられる。
【0322】
エアロゾル発生要素は、紙ラッパーによって周囲を囲まれたエアロゾル発生基体のロッドの形態であり、上記のエアロゾル発生基体のタイプ、例えば植物カットフィラー、特にたばこカットフィラー、均質化したたばこ、ゲル製剤、またはたばこ以外の植物の粒子を含む均質化した植物材料のうちの少なくとも一つを含む。
【0323】
外側チッピングラッパーは、中空の管状要素およびエアロゾル発生要素の一部分の周囲を囲み、中空の管状要素がエアロゾル発生要素に取り付けられる。
【0324】
エアロゾル発生基体のロッドは約12ミリメートルの長さを有し、中空の管状要素は約33ミリメートルの長さを有する。したがって、エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルである。
【0325】
別の好ましい実施形態では、本開示によるエアロゾル発生物品は、直線状の連続配置で、上流要素、上流要素のすぐ下流に配置されるエアロゾル発生要素、エアロゾル発生基体を備えるロッドを備えるエアロゾル発生要素、およびエアロゾル発生要素のすぐ下流に配置される中空の管状要素を備える。
【0326】
より詳細には、エアロゾル発生基体のロッドは、上流要素に当接してもよい。さらに、中空の管状要素は、エアロゾル発生要素に当接してもよい。
【0327】
エアロゾル発生物品は、実質的に円筒形状、および約7.3ミリメートルの外径を有する。
【0328】
中空の管状要素は、中空のセルロースアセテートチューブの形態であり、約7.1ミリメートルの内径を有する。したがって、中空の管状要素の周壁の厚さは、約0.1ミリメートルである。通気ゾーンは、中空の管状要素に沿った位置に設けられる。
【0329】
エアロゾル発生要素は、紙ラッパーによって周囲を囲まれたエアロゾル発生基体のロッドの形態であり、上記のエアロゾル発生基体のタイプ、例えば植物カットフィラー、特にたばこカットフィラー、均質化したたばこ、ゲル製剤、またはたばこ以外の植物の粒子を含む均質化した植物材料のうちの少なくとも一つを含む。
【0330】
外側チッピングラッパーは、中空の管状要素およびエアロゾル発生要素の一部分の周囲を囲み、中空の管状要素がエアロゾル発生要素に取り付けられる。
【0331】
上流要素の長さは5ミリメートル、エアロゾル発生基体のロッドの長さは約12ミリメートル、中空の管状要素の長さは約28ミリメートルである。したがって、エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルである。
【0332】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0333】
実施例1:エアロゾル発生システムであって、
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、口側端から遠位端に延在し、
エアロゾル発生要素と、
エアロゾル発生要素の下流の位置にある下流セクションであって、エアロゾル発生要素の下流端から前記エアロゾル発生物品の口側端まで延びる下流セクションと、
下流セクションが中空の管状要素を含み、下流セクションの引き出し抵抗が約10mmH2O未満であり、
遠位端および口側端を有するエアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生装置が、
遠位端から口側端に延びる本体であって、装置の口側端でエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画定する、本体と、
エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生要素を加熱するためのヒーターと、を備える、エアロゾル発生システム。
【0334】
実施例2:エアロゾル発生物品の中空の管状要素が、エアロゾル発生要素の下流端からエアロゾル発生物品の口側端まで延びる、実施例1によるエアロゾル発生システム。
【0335】
実施例3:エアロゾル発生装置のヒーターが、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときにエアロゾル発生物品を囲むように構成されている、実施例1または2によるエアロゾル発生システム。
【0336】
実施例4:ヒーターの動作温度が摂氏約180度~約200度である、実施例1~3のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0337】
実施例5:下流セクションが、中空の管状要素に沿った位置に通気ゾーンを備える、実施例1~4のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0338】
実施例6:通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端との間の距離が、約25ミリメートル未満である、実施例5のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0339】
実施例7:通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端との間の距離が、少なくとも約10ミリメートルである、実施例5または6のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0340】
実施例8:通気ゾーンが、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容された時に曝露されるように配置される、実施例5、6および7の一つによるエアロゾル発生システム。
【0341】
実施例9:エアロゾル発生物品が、少なくとも約10パーセントの通気レベルを有する、実施例1~8のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
【0342】
実施例10:エアロゾル発生要素が、約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有する、実施例1~9のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0343】
実施例11:エアロゾル発生要素がたばこカットフィラーを備える、実施例1~10のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0344】
実施例12:エアロゾル発生要素中のエアロゾル形成体の含有量は、少なくとも約10重量パーセントである、実施例1~11のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0345】
実施例13:中空の管状要素が、少なくとも約25ミリメートルの長さを有し、中空の管状要素の断面が実質的に一定である、実施例1~12のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0346】
実施例14:中空の管状要素の周辺壁の厚さが約1.5ミリメートル未満である、請求項1~13のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0347】
実施例15:中空の管状要素が、エアロゾル発生要素の下流セクションから下流セクションの下流端に延びる、遮られない気流経路を画定する、実施例1~14のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0348】
以下では、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0349】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施形態による別のエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1のエアロゾル発生物品の変形の概略側面断面図を示す。
【
図4】
図4は、
図2のエアロゾル発生物品の変形の概略側面断面図を示す。
【
図5】
図5は、
図1に示されるエアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に受容されている、例示的なエアロゾル発生装置およびシステムの口側端部分の概略側面断面図を示す。
【0350】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12のロッド12と、エアロゾル発生基体のロッド12の下流の位置にある下流セクション14と、を備える。したがって、エアロゾル発生物品10は、ロッド12の上流端と実質的に一致する上流または遠位端16から、下流セクション14の下流端と一致する下流または口側端18まで延びる。
【0351】
エアロゾル発生物品10は、約45ミリメートルの全長を有する。
【0352】
エアロゾル発生基体12のロッドは、約12重量パーセントのエアロゾル形成体、例えばグリセリンを含浸させたたばこカットフィラーを備える。たばこカットフィラーは、90重量%のたばこ葉ラミナを含む。たばこカットフィラーの切断幅は約0.7ミリメートルである。エアロゾル発生基体12のロッドは、約130ミリグラムのたばこカットフィラーを備える。
【0353】
下流セクション14は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ下流に配置される中空の管状要素20を備え、中空の管状要素20は、ロッド12と長軸方向に整列している。
図1の実施形態では、中空の管状要素20の上流端は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端に当接する。
【0354】
中空の管状要素20は、エアロゾル発生物品10の中空セクションを画成する。中空の管状要素は、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細には、下流セクションのRTDは約0mmH2Oである。
【0355】
中空の管状要素20は、セルロースアセテートまたは硬い紙、例えば、1平方メートル当たり少なくとも約90グラムの坪量(基本重量)を有する紙で作られる中空円筒管の形態で提供される。中空の管状要素20は、中空の管状セグメントの上流端24から中空の管状要素20の下流端26までずっと延びる内部空洞22を画成する。内部空洞22は、実質的に空であり、したがって、実質的に制限のない気流が内部空洞22に沿って可能になる。中空の管状要素20は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。
【0356】
中空の管状要素20は、約33ミリメートルの長さ、約7.3ミリメートルの外径(DE)、および約7.1ミリメートルの内径(DI)を有する。したがって、中空の管状要素20の周壁の厚さは、約0.1ミリメートルである。
【0357】
エアロゾル発生物品10は、中空の管状要素20に沿った位置に設けられる通気ゾーン30を備える。より詳細には、通気ゾーン30は、中空の管状要素20の下流端26から約18ミリメートルのところに設けられる。つまり、
図1の実施形態では、通気ゾーン30は、エアロゾル発生物品10の口側端18から18ミリメートルのところに効果的に設けられる。エアロゾル発生物品10の通気レベルは、約40パーセントである。
【0358】
図1の実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体12のロッドの上流にも、中空の管状セグメント20の下流にも追加の構成要素を全く備えない。
【0359】
図2に示されるエアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生要素の上流の位置に上流セクションが設けられていることのみが上記のエアロゾル発生物品10と異なる。したがって、エアロゾル発生物品100は、それがエアロゾル発生物品10と異なる限りにおいてのみ説明される。
【0360】
エアロゾル発生基体のロッド12およびロッド12の下流の位置にある下流セクション14のトップに、エアロゾル発生物品100は、ロッド12の上流の位置に上流セクション40を備える。したがって、エアロゾル発生物品10は、上流セクション40の上流端と実質的に一致する遠位端16から、下流セクション14の下流端と実質的に一致する口側端または下流端18まで延びる。
【0361】
上流セクション40は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ上流に配置される上流要素42を備え、上流要素42は、ロッド12と長軸方向に整列している。
図2の実施形態では、上流要素42の下流端は、エアロゾル発生基体のロッド12の上流端に当接する。上流要素42は、硬質ラッパーによって周囲を囲まれたセルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供される。上流要素42は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素42のRTDは、約30ミリメートルH
2Oである。
【0362】
図3は、上に記載のエアロゾル発生物品10の変形である、エアロゾル発生物品200を示す。エアロゾル発生物品200は、第一の実施形態の変形のエアロゾル発生物品200が、上に記載されるように円筒形の中空の管状要素22を含まないことを除いて、
図1の実施形態のエアロゾル発生物品10と概して同一である。代わりに、第一の実施形態の変形のエアロゾル発生物品200は、エアロゾル発生要素12のすぐ下流に位置する改変された管状要素220を備える。
【0363】
改変された管状要素220は、管状本体222の第一の端から管状本体222の第二の端まで延びる空洞224を画定する管状本体222を備える。改変された管状要素220はまた、管状本体222の第一の端で第一の端壁226を形成する折り畳まれた端部分を備える。第一の端壁226は、空洞224と改変された管状要素220の外部との間の気流を可能にする開口部228を定める。具体的には、
図3の実施形態は、エアロゾルが、エアロゾル発生要素12から開口部228を通って空洞224内に流れ得るように構成されている。
【0364】
図1に示される第一の実施形態の空洞22とほぼ同様に、管状本体222の空洞224は実質的に空であり、したがって実質的に無制限の気流が空洞222に沿って可能になる。結果として、改変された管状要素220のRTDは、改変された管状要素220の特定の長軸方向位置、すなわち、第一の端壁226に局在することができ、第一の端壁226およびその対応する開口部228の選択された構成を通して制御することができる。
【0365】
図3の実施形態では、改変された管状要素220は、約33ミリメートルの長さ、約7.3ミリメートルの外径(D
E)、および約7.1ミリメートルの内径(D
FTS)を有する。したがって、管状本体222の周壁の厚さは、約0.1ミリメートルである。
【0366】
図4は、上に記載のエアロゾル発生物品100の変形である、エアロゾル発生物品300を示す。エアロゾル発生物品300は、第二の実施形態のバリアントのエアロゾル発生物品300が、硬質のラッパーによって囲まれたセルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供される上流要素42を備えないことを除いて、
図2の実施形態のエアロゾル発生物品100と概して同一である。代わりに、第二の実施形態の変形のエアロゾル発生物品300は、エアロゾル発生要素12のすぐ上流に位置する第二の管状要素44を備える。したがって、第二の実施形態のこの変形では、エアロゾル発生要素12のすぐ下流に位置する中空の管状要素20は、第一の管状要素20と称され得る。
【0367】
第二の管状要素44は、管状本体46の第一の端から管状本体46の第二の端まで延びる空洞48を画定する管状本体46を備える。第二の管状要素44はまた、管状本体46の第一の端で第一の端壁50を形成する折り畳まれた端部分を備える。第一の端壁50は、空洞48と第二の管状要素44の外部との間の気流を可能にする開口部52を定める。具体的には、
図4の実施形態は、空気が空洞48から開口部52を通って、エアロゾル発生要素12内に流れ得るように構成されている。
【0368】
更に、第二の管状要素44は、その管状本体46の第二の端に第二の端壁54を備える。この第二の端壁54は、管状本体46の第二の端で第二の管状要素44の端部分を折り畳むことによって形成される。第二の端壁54は、空洞48と第二の管状要素44の外部との間の気流を可能にする開口部56を定める。第二の端壁54の場合、開口部56は、空気が開口部56を通ってエアロゾル発生物品300の外部から空洞48に流れ得るように構成される。したがって、開口部56は、空気がエアロゾル発生物品300内に、およびエアロゾル発生要素12を通して引き込まれ得る導管を提供する。
【0369】
図4の変形では、第二の管状要素44の下流端は、エアロゾル発生基体12の上流端に当接する。第二の管状要素44は、約5ミリメートルの長さを有する。第二の管状要素44のRTDは、約30ミリメートルH
2Oである。
【0370】
図5は、
図1に示されるように、エアロゾル発生装置1およびエアロゾル発生物品10を備えるエアロゾル発生システム1000を示す。
図5は、装置空洞が画定され、エアロゾル発生物品10が受容され得る、エアロゾル発生装置1の下流の口側端部分を示す。エアロゾル発生装置1は、口側端2と遠位端(図示せず)との間に延びるハウジング(または本体)4を備える。ハウジング4は、周辺壁6を備える。周辺壁6は、エアロゾル発生物品10を受容するための装置空洞を画定する。装置空洞は、閉鎖された遠位端および開放された口側端によって画定されている。装置空洞の口側端は、エアロゾル発生装置1の口側端に位置する。エアロゾル発生物品10は、装置空洞の口側端を通して受容されるように構成されており、装置空洞の閉鎖端に当接するように構成されている。
【0371】
装置の気流チャネル5は、周辺壁6内に画定される。気流チャネル5は、エアロゾル発生装置1の口側端に位置する入口7と装置空洞の閉鎖端との間に延びる。空気は、装置空洞の閉鎖端に設けられた開口を介して、エアロゾル発生基体12に進入してもよく、気流チャネル5とエアロゾル発生基体12との間の流体連通を確実にする。
【0372】
エアロゾル発生装置1は、ヒーター(図示せず)、およびヒーターに電力を供給するための電源(図示せず)を更に備える。ヒーターへのかかる電力供給源を制御するために、コントローラ(図示せず)も提供されている。ヒーターは、エアロゾル発生物品1が、装置10内に受容されたときに、使用中にエアロゾル発生物品1を加熱するように構成されている。ヒーターは、最適なエアロゾル発生のためにエアロゾル発生基体12を外部加熱するように配置される。通気ゾーン30は、エアロゾル発生物品10が、エアロゾル発生装置1内に受容されるときに、曝露されるように配置される。
【0373】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、全ての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数AはA±10%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、全ての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】