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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】自動検査計画に基づく検出
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/954 20060101AFI20231025BHJP
   G01N 21/84 20060101ALN20231025BHJP
【FI】
G01N21/954
G01N21/84 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520336
(86)(22)【出願日】2021-10-11
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2021071812
(87)【国際公開番号】W WO2022082162
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】17/070,447
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520327227
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ オイルフィールド オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baker Hughes Oilfield Operations, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】クームス、ケヴィン アンドリュー
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA82
2G051AB02
2G051AC04
2G051AC17
2G051BA20
2G051CA04
2G051CC01
(57)【要約】
検査計画ベースの検査方法は、検査装置による検査部位内の1つ以上のノードの検査に関連付けられた検査計画を特徴付けるデータを受信することを含む。検査計画の第1の工程は、1つ以上のノードのうちの第1のノードの検査に関連付けられた検査装置の動作パラメータの第1のセットと、検査装置による第1のノードにおける1つ以上の検査基準に関連付けられた制約の第1のセットと、を含む。方法はまた、1つ以上のノードのうちの第1のノードを検査するように検査装置に命令するように構成された第1の制御信号を生成することを含む。第1の制御信号は、動作パラメータの第1のセットのうちの1つ以上及びユーザ入力に基づく。方法は、検査装置による第1のノードの検査測定を特徴付けるデータを受信することを更に含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査装置による検査部位における1つ以上のノードの検査に関連付けられた検査計画を特徴付けるデータを受信することであって、前記検査計画の第1の工程は、前記1つ以上のノードのうちの第1のノードの検査に関連付けられた前記検査装置の動作パラメータの第1のセットと、前記検査装置による前記第1のノードにおける1つ以上の検査基準に関連付けられた制約の第1のセットと、を含む、ことと、
前記1つ以上のノードのうちの前記第1のノードを検査するように前記検査装置に命令するように構成された第1の制御信号を生成することであって、前記第1の制御信号は、前記動作パラメータの第1のセットのうちの1つ以上及びユーザ入力に基づいている、ことと、
前記検査装置による前記第1のノードの検査測定を特徴付けるデータを受信することと、
第1の解析モデルによって、前記第1のノードの前記検査測定を特徴付ける前記受信されたデータの1つ以上の特性を判定することであって、前記検査装置の次の動作は、前記受信されたデータの前記判定された1つ以上の特性と前記制約の第1のセットとの間の相関に基づいている、ことと、を含む、方法。
【請求項2】
1つ以上の特性を判定することは、前記第1のノード内の部位の形体、前記第1のノードに関連付けられた周辺領域、前記第1のノードが位置する前記検査部位の機械部分、及び前記第1のノードの前記検査測定に関連付けられた画像取得パラメータのうちの1つ以上を識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別された部位の形体に関連付けられた欠陥タイプを判定することと、
前記判定された欠陥タイプを、前記制約の第1のセット内の制約の欠陥タイプと比較することと、
前記比較に基づいて、前記検査装置の前記次の動作を判定することと、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
判定された前記次の動作を含む通知を生成することであって、前記通知は、前記第1のノードの前記検査が成功裏に完了していること又は前記第1のノードの検査を繰り返すことを示す指標、及び検査サマリのうちの1つ以上を含み、前記検査サマリは、前記判定された1つ以上の特性、前記動作パラメータの第1のセット、及び前記制約の第1のセット、のうちの1つ以上を含むこと、
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のノードの前記検査に関連付けられた前記検査装置のための動作パラメータの更新されたセットを判定することであって、前記判定することは、前記判定された欠陥タイプと前記制約の欠陥タイプとの間の前記比較に基づいていること、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記動作パラメータの更新されたセットに基づいて第2の制御信号を生成することであって、前記検査装置の前記次の動作は、前記第2の制御信号に基づいている、ことを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記通知をユーザに提示することと、
提示された前記通知に応答して前記ユーザから入力を受信することと、前記受信された入力に基づいて第2の制御信号を生成することであって、前記検査装置の前記次の動作は、前記第2の制御信号に基づいていることと、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記検査装置の前記次の動作は、前記1つ以上のノードのうちの第2のノードの検査に関連付けられた前記検査装置の動作パラメータの第2のセットと、前記検査装置による前記第2のノードにおける検査測定に関連付けられた制約の第2のセットと、を含む、前記検査計画の第2の工程の実行を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記検査装置による前記第2のノードの前記検査測定を特徴付けるデータを受信することと、
前記第1の解析モデル及び第2の解析モデルのうちの1つによって、前記第2のノードの前記検査測定を特徴付ける前記受信されたデータの1つ以上の特性を判定することであって、前記検査装置の前記次の動作は、前記受信されたデータの前記判定された1つ以上の特性と前記制約の第2のセットとの間の相関に基づいていることと、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の解析モデル及び前記第2の解析モデルは、前記検査計画に含まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の解析モデルは、前記受信されたデータの前記判定された1つ以上の特性と前記制約の第2のセットとの間の前記相関の前記判定の前にトレーニングされ、前記トレーニングは、
前記第1の解析モデルに関連付けられたトレーニングデータを受信することであって、前記トレーニングデータは、前記第1の解析モデルの過去の入力及び出力を含む、ことと、
トレーニングモデルによって、前記受信されたトレーニングデータ、前記検査測定を特徴付ける受信されたデータ、及び前記検査計画のうちの1つ以上に基づいて、前記第1の解析モデルをトレーニングすることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のノード内の前記部位の形体に関連付けられた情報、前記第1の解析モデル、前記第1のノードの前記検査を特徴付けるデータ、及び前記動作パラメータの第1のセット、のうちの1つ以上を含むデータファイルを生成すること、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記検査計画の前記第1の工程をユーザに提示することと、
ユーザからのユーザ入力を受信することであって、前記第1の制御信号は、前記ユーザ入力に基づいて生成されていることと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の制御信号は、前記検査計画の前記第1の工程において、前記動作パラメータの第1のセットに基づいて生成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記判定された1つ以上の特性は、前記第1のノードに関連付けられた周辺領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の解析モデルは、前記制約の第1のセットに基づくことができる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つのデータプロセッサと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサに連結されたメモリであって、前記メモリは、前記少なくとも1つのデータプロセッサに、
検査装置による検査部位における1つ以上のノードの検査に関連付けられた検査計画を特徴付けるデータを受信することであって、前記検査計画の第1の工程は、前記1つ以上のノードのうちの第1のノードの検査に関連付けられた前記検査装置の動作パラメータの第1のセットと、前記検査装置による前記第1のノードにおける1つ以上の検査基準に関連付けられた制約の第1のセットと、を含む、ことと、
前記1つ以上のノードのうちの前記第1のノードを検査するように前記検査装置に命令するように構成された第1の制御信号を生成することであって、前記第1の制御信号は、前記動作パラメータの第1のセットのうちの1つ以上及びユーザ入力に基づいている、ことと、
前記検査装置による前記第1のノードの検査測定を特徴付けるデータを受信することと、
第1の解析モデルによって、前記第1のノードの前記検査測定を特徴付ける前記受信されたデータの1つ以上の特性を判定することであって、前記検査装置の次の動作は、前記受信されたデータの前記判定された1つ以上の特性と前記制約の第1のセットとの間の相関に基づいている、ことと、を含む動作を実行させる命令を記憶する、メモリと、
を備える、システム。
【請求項18】
1つ以上の特性を判定することは、前記第1のノード内の部位の形体、前記第1のノードに関連付けられた周辺領域、前記第1のノードが位置する前記検査部位の機械部分、及び前記第1のノードの前記検査測定に関連付けられた画像取得パラメータのうちの1つ以上を識別することを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作は、
前記識別された部位の形体に関連付けられた欠陥タイプを判定することと、
前記判定された欠陥タイプを、前記制約の第1のセット内の制約の欠陥タイプと比較することと、
前記比較に基づいて、前記検査装置の前記次の動作を判定することと、を更に含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
命令を記憶する非一時的機械可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、少なくとも1つの物理コアと、複数の論理コアと、を備える少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサに、
検査装置による検査部位における1つ以上のノードの検査に関連付けられた検査計画を特徴付けるデータを受信することであって、前記検査計画の第1の工程は、前記1つ以上のノードのうちの第1のノードの検査に関連付けられた前記検査装置の動作パラメータの第1のセットと、前記検査装置による前記第1のノードにおける1つ以上の検査基準に関連付けられた制約の第1のセットと、を含む、ことと、
前記1つ以上のノードのうちの前記第1のノードを検査するように前記検査装置に命令するように構成された第1の制御信号を生成することであって、前記第1の制御信号は、前記動作パラメータの第1のセットのうちの1つ以上及びユーザ入力に基づいている、ことと、
前記検査装置による前記第1のノードの検査測定を特徴付けるデータを受信することと、
第1の解析モデルによって、前記第1のノードの前記検査測定を特徴付ける前記受信されたデータの1つ以上の特性を判定することであって、前記検査装置の次の動作は、前記受信されたデータの前記判定された1つ以上の特性と前記制約の第1のセットとの間の相関に基づいている、ことと、を含む、動作を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ビデオ内視鏡又はボアスコープなどの映像式検査装置を使用して、物体の深さ測定(例えば、ピット又はへこみなどの異常の最も低い地点、溶接部の高さ、表面どうしの間のずれ又は隙間の測定など)を行うことができる。加えて、映像式検査装置を使用して、物体(例えば、産業機械)の表面上の欠陥(例えば、裂け目、亀裂、引っ掻き傷など)を観察することができる。多くの場合、物体の表面はアクセス不可能であり、映像式検査装置を使用しなければ見ることができない。例えば、映像式検査装置を使用して、航空機のタービンエンジンのブレード又は発電ユニットのブレードの表面を検査して、何らかの異常を識別し、何らかの修理又は更なる保守が必要であるかどうかを判定することができる。
【発明の概要】
【0002】
開示される主題の様々な態様は、以下の機能のうちの1つ以上を提供することができる。
【0003】
一実装形態では、検査計画ベースの検査方法は、検査装置による検査部位における1つ以上のノードの検査に関連付けられた検査計画を特徴付けるデータを受信することを含む。検査計画の第1の工程は、1つ以上のノードのうちの第1のノードの検査に関連付けられた検査装置の動作パラメータの第1のセットと、検査装置による第1のノードにおける1つ以上の検査基準に関連付けられた制約の第1のセットと、を含む。方法はまた、1つ以上のノードのうちの第1のノードを検査するように検査装置に命令するように構成された第1の制御信号を生成することを含む。第1の制御信号は、動作パラメータの第1のセットのうちの1つ以上及びユーザ入力に基づく。方法は、検査装置による第1のノードの検査測定を特徴付けるデータを受信することと、第1の解析モデルによって、第1のノードの検査測定を特徴付ける受信されたデータの1つ以上の特性を判定することと、を更に含む。検査装置の次の動作は、受信されたデータの、判定された1つ以上の特性と、制約の第1のセットとの間の相関に基づく。
【0004】
以下の特徴のうちの1つ以上が、任意の実行可能な組み合わせに含まれ得る。
【0005】
一実装形態では、1つ以上の特性を判定することは、第1のノード内の部位の形体、第1のノードに関連付けられた周辺領域、第1のノードが位置する検査部位の機械部分、及び第1のノードの検査測定に関連付けられた画像取得パラメータのうちの1つ以上を識別することを含む。別の一実装形態では、方法は、識別された部位の形体に関連付けられた欠陥タイプを判定することと、判定された欠陥タイプを、制約の第1のセット内の制約の欠陥タイプと比較することと、比較に基づいて検査装置の次の動作を判定することと、を更に含む。更に別の一実装形態では、方法は、判定された次の動作を含む通知を生成することを更に含む。通知は、第1のノードの検査が成功裏に完了していること又は第1のノードの検査を繰り返すことを示す指標と、検査サマリとのうちの1つ以上を含む。検査サマリは、判定された1つ以上の特性、動作パラメータの第1のセット、及び制約の第1のセット、のうちの1つ以上を含む。
【0006】
一実装形態では、方法は、第1のノードの検査に関連付けられた検査装置のための動作パラメータの更新されたセットを判定することを更に含む。上記の判定は、判定された欠陥タイプと制約の欠陥タイプとの間の比較に基づく。別の一実装形態では、方法は、動作パラメータの更新されたセットに基づいて、第2の制御信号を生成することを更に含む。検査装置の次の動作は、第2の制御信号に基づく。更に別の一実装形態では、方法は、通知をユーザに提示することと、提示された通知に応答してユーザから入力を受信することと、受信された入力に基づいて、第2の制御信号を生成することと、を含む。検査装置の次の動作は、第2の制御信号に基づく。
【0007】
一実装形態では、検査装置の次の動作は、1つ以上のノードのうちの第2のノードの検査に関連付けられた検査装置の動作パラメータの第2のセットと、検査装置による第2のノードにおける検査測定に関連付けられた制約の第2のセットと、を含む、検査計画の第2の工程の実行を含む。別の一実装形態では、方法は、検査装置による第2のノードの検査測定を特徴付けるデータを受信することと、第1の解析モデル及び第2の解析モデルのうちの1つによって、第2のノードの検査測定を特徴付ける受信されたデータの1つ以上の特性を判定することと、を含む。検査装置の次の動作は、受信されたデータの、判定された1つ以上の特性と、制約の第2のセットとの間の相関に基づく。更に別の一実装形態では、第1の解析モデル及び第2の解析モデルは検査計画に含まれる。
【0008】
一実装形態では、第1の解析モデルは、受信されたデータの判定された1つ以上の特性と制約の第2のセットとの間の相関の判定の前にトレーニングされる。トレーニングは、第1の解析モデルに関連付けられたトレーニングデータを受信することを含む。トレーニングデータは、第1の解析モデルの過去の入力及び出力を含む。方法は、トレーニングモデルによって、受信されたトレーニングデータ、検査測定を特徴付ける受信されたデータ、及び検査計画のうちの1つ以上に基づいて、第1の解析モデルをトレーニングすることを更に含む。
【0009】
一実装形態では、方法は、第1のノード内の部位の形体に関連付けられた情報、第1の解析モデル、第1のノードの検査を特徴付けるデータ、及び動作パラメータの第1のセット、のうちの1つ以上を含むデータファイルを生成することを含む。別の一実装形態では、方法は、検査計画の第1の工程をユーザに提示することと、ユーザからユーザ入力を受信することと、を含む。第1の制御信号は、ユーザ入力に基づいて生成される。
【0010】
一実装形態では、第1の制御信号は、検査計画の第1の工程において、動作パラメータの第1のセットに基づいて生成される。別の一実装形態では、判定された1つ以上の特性は、第1のノードに関連付けられた周辺領域を含む。更に別の一実装形態では、第1の解析モデルは、制約の第1のセットに基づくことができる。
【0011】
命令を記憶する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載されており、命令は、1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに、本明細書に記載の動作を行わせる。同様に、1つ以上のデータプロセッサ及び1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリを含み得るコンピュータシステムも記載されている。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を行わせる命令を一時的又は永続的に記憶し得る。加えて、方法は、1つ以上のデータプロセッサによって、単一のコンピューティングシステム内か、又は2つ以上のコンピューティングシステム間に分散されるか、のいずれかで実装され得る。このようなコンピューティングシステムは、接続され得るが、しかもネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続を含む1つ以上の接続、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接接続などを経由して、データ及び/若しくはコマンド又は他の命令などを交換し得る。
【0012】
開示される主題のこれらの能力及び他の能力は、以下の図面、発明を実施するための形態、及び特許請求の範囲の閲覧後により完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
【0014】
図1】検査部位(例えば、産業機械)の自動検査のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図2】検査部位を検査するように構成された例示的な検査装置を示す図である。
図3】非破壊試験(nondestructive testing、NDT)デバイスの例示的な一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
検査装置(例えば、ボアスコープ)は、一般に、産業機器(例えば、発電機器、石油及びガス機器、航空機機器、製造機器など)を検査するために使用される。ボアスコープによる検査は、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)表示空間を介してユーザに提示することができる検査計画に基づいて実行することができる(メニュー方式検査)。検査計画により、ユーザは、検査部位(例えば、産業機器)上の検査場所(又はノード)のリストを入手し、ユーザが、検査場所をざっと調べ、検査データ(例えば、画像、ビデオなど)を取得することを可能にすることができる。メニュー方式検査は、検査データを分析せず、検査の実行に関するフィードバック、及び/又は検査中に取得されたデータの品質に関するフィードバックをユーザに提供しない。取得された検査データが望ましい品質であることを保証するために人間に依存することは、特に複数(例えば、数十、数百など)のノードが検査される必要があるときに、非効率的であるとともに誤りを生じやすい可能性がある。本出願は、検査計画の実施を監視し、検査測定が望ましいことを(例えば、所定の基準に基づいて)保証することができる改善された方法及びシステムを提供する。いくつかの実装形態では、検査データに関連付けられた特性をユーザに知らせることができ、ユーザが検査計画に(例えば、GUIを介して)変更を加えることを可能にする通知を生成することができる。いくつかの実装形態では、検査計画に対する変更の推奨をユーザに提供することができる。
【0016】
検査装置は、産業機器内で検査領域に誘導され、検査データ(例えば、可視光画像、IR画像、ビデオ、温度など)を取得することができる1つ以上のカメラを含むことができる。取得された画像データは、データを記憶/処理し、データを人間のオペレータなどに提示することができるコンピューティングデバイス(例えば、コントローラ)に伝達され得る。検査領域画像は、一般に、人間のオペレータによって見られ、分析されるが、その際、オペレータは、自身が、部位の形体(例えば、欠陥)を識別し、かつ/又は部位の形体の特性(例えば、欠陥の深刻度)を判定した経験に依存する。このプロセスは遅く、高い費用が発生し、エラーを起こしやすい。更に、部位の形体の識別/分析は、通常、検査データが取得された後に行われる。例えば、検査領域画像が望ましくない場合(例えば、部位の形体又はその特徴が識別/分析できない場合)、新しい検査データが容易に得られない可能性がある。したがって、検査中に検査データを分析すること、及び必要に応じて新しい検査データを取得するように検査装置を構成することが所望され得る。
【0017】
図1は、検査部位(例えば、産業機械)を検査するための例示的な方法のフローチャートを示す。工程102において、検査部位の1つ以上のノードの検査に関連付けられた検査計画を特徴付けるデータが、(例えば、検査装置のコントローラによって)受信される。検査計画は、検査部位内の様々なノードの検査を記述することができる複数の工程を含むことができる。一実施態様では、複数の工程の各工程は、検査部位内の特定のノード(例えば、機械部品又はその一部)の検査に関連付けることができる。例えば、検査計画の第1の工程は、検査部位における第1のノードを検査するための、検査装置の動作パラメータの第1のセットを含むことができる。動作パラメータは、例えば、検査されるべきノードの場所、様々なノードに対する検査装置内のカメラの位置及び関節角度、カメラによる画像の撮影中の照明デバイスの配置、撮影されるべきデータのタイプ(例えば、2D画像、3D画像、非圧縮又は圧縮動画、形体部分の寸法決定のための幾何学的に正確な画像)などを含むことができる。検査装置は、第1のノードの検査の間、動作パラメータの第1のセットに基づいて動作することができる。
【0018】
検査計画の第1の工程は、第1のノードにおける1つ以上の検査測定に関連付けられた制約の第1のセットを含むことができる。例えば、制約の第1のセットは、検査データの予想される特性を含むことができる。例えば、制約は、第1のノードが位置する機械部品においてチェックされるべき欠陥のタイプ(例えば、亀裂、裂け目など)を含むことができる。追加的に又は代替的に、制約は、第1のノードに関連付けられた環境/周囲(例えば、第1のノードが位置する機械部品、第1のノードに隣接する機械部品など)を含むことができる。追加的に又は代替的に、制約は、検査測定の品質(例えば、第1のノードの画像の品質、第1のノードの画像に対する第1のノード内の部位の形体の画像サイズ、第1のノードの照明など)に関連付けられ得る。
【0019】
図2は、検査装置202(例えば、ボアスコープ)によって検査することができる例示的な検査部位200を示す。検査装置202は、検査装置202の動作を制御することができるコントローラ204に、通信可能に連結することができる。コントローラは、検査計画(例えば、上記の工程102で説明したようなもの)を受信することができる。一実装形態では、コントローラ204は、コンピューティングデバイス206から検査計画を受信し、検査装置202の動作を駆動する制御信号を生成することができる。制御信号に基づいて、検査装置は、検査部位200を検査することができる。例えば、検査装置は、検査部位200に対して相対的に移動し、ノード212、214、及び216を、(例えば、検査計画に基づいて所定の経路に沿って)検査することができる。コントローラ204は、検査装置202から、検査データを受信することもできる。検査データは、コントローラ204上のディスプレイ画面上に提示することができ、又はコンピューティングデバイス206に送信することができる(そこで、検査データを遅延及び/又は分析することができる)。
【0020】
図1に戻ると、工程104において、1つ以上のノードのうちの第1のノード(例えば、ノード212、214、216など)を検査するように検査装置(例えば、検査装置202)に命令するように構成された第1の制御信号を、(例えば、コントローラ204によって)生成することができる。一実装形態では、第1の制御信号は、(例えば、コンピューティングデバイス206を介して、コントローラ204内のGUIを介して、また別様に提供される)ユーザ入力に基づいて生成され得る。例えば、検査計画の第1の工程をユーザに提示することができ、ユーザは、第1の工程をレビューして入力することができる。ユーザからの入力は、(例えば、動作パラメータの第1のセット及び/又は制約の第1のセットに基づく)第1の工程の実行に対する承認を含むことができる。代替的に、ユーザは、(例えば、コントローラ204、コンピューティングデバイス206などのGUIを介して)第1の工程における動作パラメータの第1のセット/制約の第1のセットのうちの1つ以上を変更することができる。ユーザ入力は、(例えば、コントローラ204によって)受信されることができ、第1の制御信号は、ユーザ入力に基づいて(例えば、動作パラメータの第1のセットに基づいて、ユーザによって提供される修正された動作パラメータに基づいてなど)生成することができる。
【0021】
検査装置は、第1の制御信号を受信し、第1の制御信号に基づいて第1のノードの検査を行うことができる。第1の制御信号は、第1のノードの位置を含むことができる。検査装置内の1つ以上のモータは、第1のノードの検査を可能にするように、検査装置(又はその一部)の位置/配向を変化させることができる。例えば、検査装置のヘッドセクションは、(例えば、ヘッドセクションの並進/回転によって)第1のノードに隣接して位置付けられ得る。ヘッドセクションは、1つ以上のセンサ(例えば、IRカメラ、可視光カメラ、振動検出器、温度センサなど)と、第1のノードの検査を可能にすることができる光源と、を含むことができる。例示的な検査装置(ボアスコープ)の詳細は、図3の説明とともに以下に提供される。
【0022】
工程106において、検査装置による第1のノードの検査測定を特徴付けるデータを(例えば、コントローラ204によって)受信することができる。これは、検査装置(例えば、検査装置202、図3に記載のボアスコープ300のヘッドセクションなど)内の様々なセンサによって生成された検査データを含むことができる。例えば、検査装置は、可視光画像、IR画像、3D画像、動画像、又は熱情報、
第1のノードの直線的若しくは回転的な移動、第1のノードの磁場情報などの環境情報を撮影することができる可視光/IRカメラを含むことができる。撮影された画像を特徴付けるデータを、検査装置202によって送信することができ、コントローラ204によって受信することができる。
【0023】
工程108において、第1のノードの検査測定を特徴付ける受信されたデータの1つ以上の特性を、(例えば、第1の解析モデルによって)判定することができる。いくつかの実装形態では、判定された特性は、検査測定を特徴付ける受信されたデータから識別することができる、第1のノード内の部位の1つ以上の形体(例えば、欠陥)を含むことができる。例えば、検査装置は、第1のノードの画像を撮影することができ、画像データを(例えば、コントローラ204に)送信することができる。コントローラは、第1のノードの画像からノード部位の形体(例えば、第1のノードにおける欠陥の異常)の存在を判定することができる解析モデル(例えば、画像認識アルゴリズム)を実行することができる。解析モデルはまた、部位の形体(例えば、「欠陥タイプ」)を識別することができる。例えば、欠陥は、亀裂、裂け目、摩擦、へこみ、コーティング喪失、材料の欠落、浸食、過剰な材料、亀裂、又はそれらの組み合わせのうちの1つとして識別することができる。
【0024】
いくつかの実装形態では、解析モデルは、制約の第1のセットに基づくことができる。例えば、解析モデルは、所定の制約(例えば、制約の第1のセット)によって定義される欠陥を含む既存のトレーニング画像を使用して、機械学習プロセスによって事前トレーニングされてもよい。いくつかの実装形態では、判定された特性は、第1のノードの周囲(又は環境)を含むことができる。例えば、第1のノードは、機械部品(例えば、タービン)上に、又はそれに隣接して配置することができる。判定された特性は、解析モデルによって判定され得る機械部品(複数可)のアイデンティティであり得る。いくつかの実装形態では、判定された特性は、第1のノードの検査測定に関連付けられた画像取得パラメータ(例えば、照明、シャープネス、輝度、汚れたレンズ、過度に斜めの角度、振動/動きなど)を含むことができる。
【0025】
判定された特性(例えば、欠陥タイプ、周囲など)は、受け取られた検査計画の第1の工程に含まれる制約の第1のセットのうちの1つ以上と比較され得る。例えば、識別された欠陥タイプは、制約の第1のセットにおける制約の欠陥タイプと比較することができる。追加的に又は代替的に、識別された周囲(又は環境)は、制約の第1のセットにおける制約の周囲と比較することができる。制約の第1のセットは、第1のノードの予想される特性を示すことができる。例えば、第1のノードがタービンのブレード上に位置する場合、制約の欠陥タイプは、ブレード上に一般的に(又は過去に)見出される欠陥(例えば、亀裂)を示すものであり得る。第1のノードが機械のある部分に配置されることが予想される場合、制約の周囲は、その機械のその部分に配置された1つ以上の機械部品を示すものであり得る。例えば、白色の遮熱コーティングは、タービンエンジンの高圧タービン部内のブレード上に存在することが予想され得る。
【0026】
検査装置の次の動作は、判定された1つ以上の特性と制約の第1のセットとの間の相関に基づくことができる。その相関は、判定された特性が制約の第1のセットにどれだけ類似しているかを示すものであり得る。例えば、制約の第1のセットは、第1のノードの検査測定に関連付けられた画像取得パラメータ(例えば、輝度、第1のノードの画像内の部位の形体/欠陥のサイズなど)を含むことができる。検査測定データから得られた対応する特性が、画像取得パラメータから所定の範囲内にある場合、受信された測定データの特性は、制約の第1のセットと相関すると考えることができる。いくつかの実装形態では、制約の第1のセットは、欠陥のタイプを示すことができる。解析モデルは、部位の形体が欠陥であることを判定することができ、その欠陥タイプを示すことができる特性識別子を割り当てることができる。特性識別子が、制約の第1のセットにおける制約の特性識別子に類似する場合、受信された測定データは、制約の第1のセットと相関すると見なされ得る。
【0027】
次の動作は、(例えば、判定された特性が制約の第1のセットに準拠していないときに)第1のノードの新しい検査を実行することを含むことができる。例えば、検出された欠陥タイプが、制約の第1のセットにおける制約の欠陥タイプ(又は複数の制約の欠陥タイプのうちの1つ)と一致しない場合、新しい測定を実行する(例えば、検査計画の第1の工程を繰り返す)ことが所望され得る。別の一例では、検出された周囲が制約の第1のセットにおける制約の周囲と一致しない場合、第1のノードの新しい検査を実行することが所望され得る。新しい検査は、動作パラメータの、ユーザによって提供され得るか又は解析モデルによって判定され得る、更新されたセットに基づくことができる。
【0028】
あるいは、検査装置の次の動作は、検査計画の第2の工程を実行することを含むことができる。これは、例えば、判定された特性(複数可)が制約の第1のセットに準拠しているときに行うことができる。これは、第1のノードの検査が所望通りに実行された(例えば、所定の精度で実行された)ことを示すことができ、検査計画に基づいて、検査部位の検査を進めることができる。あるいは、ユーザは、検査計画の第2の工程の実行を命令する入力を(例えば、コントローラ204、コンピューティングデバイス206などのGUIを介して)、(例えば、判定された特性が、制約の第1のセットに準拠していない場合であっても)提供することができる。
【0029】
いくつかの実装形態では、検査装置の判定された次の動作を含む通知を生成することができる。通知は、第1のノードの検査が成功裏に完了した(例えば、検査測定の判定された特性が制約の第1のセットに準拠しているとき)という指標(例えば、メッセージ)を含むことができる。いくつかの実装形態では、通知は、検査サマリを含むことができ、その検査サマリは、工程108で判定された特性、検査計画に含まれる動作パラメータ及び/又は動作制約(例えば、動作パラメータ/制約の第1のセット)を含むことができる。通知は、オペレータ/ユーザに提供され得る。これは、例えば、コンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、タブレット、コンピューティングデバイス206、コントローラ204など)内のGUI表示空間を介して行うことができる。通知は、第1のノードの検査データ、第1のノードの検査に関連付けられた検査装置の動作パラメータ/制約、及び追加の注記のうちの1つ以上を保存するオプションをユーザに提供することができる。ユーザから命令を受信すると、前述のデータを含むデータファイルが生成され、(例えば、コントローラ204、コンピューティングデバイス206、クラウドデータベースなどのデータベースに)保存され得る。生成されたデータファイルは、(例えば、第1のノードを示す指標を有するアイコンとして)第1のノードにリンクすることができ、検査中にユーザに提供することができる。例えば、データファイルは、GUI表示空間内にアイコンとして提示することができる。ユーザは、アイコンをクリックすることによってデータファイルにアクセスすることができる。
【0030】
通知は、(例えば、検査測定の判定された特性が、制約の第1のセットに準拠していない場合)第1のノードの検査が成功裏に完了していないことを示し得る。通知は、制約に適合しなかった特性を識別することができる(例えば、予期せぬ欠陥タイプが検出された、予期せぬ周囲が検出されたなど)。追加的に又は代替的に、通知は、第1のノードの検査を成功裏に完了するための推奨事項(例えば、第1のノードの新たな検査のための、検査装置の動作パラメータについての推奨事項)を含むことができる。第1のノードの画像が望ましくない場合、通知は、カメラ(複数可)/照明装置の設定に関する推奨事項を含むことができる。例えば、推奨事項は、カメラを第1のノードに向かって移動させること(又はカメラをズームインすること)、及び/又は第1のノードに対して異なる場所/向きから第1のノードの画像を撮影することを挙げることができる。この通知は、第1の解析モデル内の画像認識アルゴリズムによって、画像が十分な解像度を有していないと判定されたとき、第1のノードのより大きい画像が望ましいとき、第1のノード内の欠陥の態様が明確に見えないときなどに生成することができる。通知は、カメラを第1のノードから遠ざけるように移動させること(又はカメラをズームアウトすること)を含むことができる。この通知は、例えば、画像認識アルゴリズムによって、第1のノード内の欠陥の画像全体が撮影されていないと判定されたときに生成することができる。通知は、(例えば、欠陥が十分に照明されていないときに)検査装置内の照明デバイスの位置/向きを変更させるための推奨事項を含むことができる。
【0031】
通知は、ユーザへの通知の提示とユーザ入力の受信との両方を可能にすることができるユーザデバイス(例えば、コントローラ204、コンピューティングデバイス206)内の対話型GUI表示空間を介して提示することができる。例えば、検査計画の第1の工程が成功裏に完了したこと又は不成功に終わったことを示す通知メッセージを表示することができる。追加的に又は代替的に、(例えば、第1のノードの新たな検査を実行するための)検査装置の動作パラメータに関する第1のセットの制約及び/又は推奨に適合しなかった検査測定特性を提示することができる。GUI表示空間は、ユーザが1つ以上の入力を提供することを可能にすることができる。例えば、ユーザは、(例えば、第1の工程の正常な完了を示す通知がGUIに提示された後に)検査計画の第2の工程に進んで、検査部位内の第2のノードを検査することを承認することができる。ユーザは、検査装置の動作のための(例えば、第1のノードの新たな検査を実行するための)動作パラメータ値を提供することができる。
【0032】
いくつかの実装形態では、検査装置の動作パラメータの更新されたセットを(例えば、コントローラ204が)判定することができる。動作パラメータの更新されたセットを、第1のノードの新しい検査に関連付けることができる。動作パラメータの更新されたセットは、受信されたデータの判定された特性(例えば、判定された欠陥タイプ)と制約の第1のセットとの間の比較に基づいて判定され得る。動作パラメータの更新されたセットは、カメラの更新された位置/向き/合焦パラメータ、照明デバイスの更新された位置/向きなどを含むことができる。一実装形態では、動作パラメータの更新されたセットは、上述の通知生成プロセスの一部として判定することができる(例えば、新たな検査の動作パラメータ用の推奨事項を含む通知)。
【0033】
検査装置に次の動作を実行するように命令することができる第2の制御信号を、(例えば、コントローラ204は)生成することができる。第2の制御信号は、(例えば、第1の工程が成功裏に完了したと判定されたときに)第2のノードの検査のための検査計画の第2の工程を実行するように、検査装置に命令することができる。あるいは、第2の制御信号は、(例えば、ユーザによって提供される入力、更新された動作パラメータなどに基づいて)第1のノードの新たな検査を行うように、検査装置に命令することができる。
【0034】
工程102~108は、検査部位の様々なノードについて繰り返すことができる。いくつかの実装形態では、様々なノードに関連付けられた検査データを分析するために、異なる解析モデルを使用することができる。いくつかの実装形態では、所与の解析モデルを使用して、複数のノードに関連付けられた検査データを分析することができる。例えば、第1の解析モデルを第1のノードに関連付けることができ、第2の解析モデルを第2のノードに関連付けることができる。1つ以上の解析モデル(例えば、第1/第2の解析モデル)が、検査計画に含まれ得る。解析モデルは、トレーニングモデルによって、検査計画の展開前にトレーニングすることができる。トレーニングは、様々なノードに関連付けられた履歴データを含むことができるトレーニングデータに基づくことができる。第1の解析モデルは、第1のノード(又は第1のノードに類似するノード)に関連付けられた履歴データ(例えば、履歴検査測定値、動作パラメータ、制約など)に対してトレーニング(例えば、機械トレーニング)することができる。例えば、第1のノードが所与のタービン内のモータ上に位置する場合、トレーニングデータは、同じ又は同様のタービンのモータに関連する履歴データを含むことができる。追加的に又は代替的に、解析モデルは、検査計画の実行中に(例えば、リアルタイムで)トレーニングされ得る。例えば、解析モデルは、検査計画の実施中に取得された検査データ、検査計画における動作パラメータ/制約などに基づいてトレーニングすることができる。
【0035】
図3は、ボアスコープ300の形態の検査装置(例えば、非破壊式装置)の、例示的な一実施形態を示す図である。ボアスコープ300は、制御ユニット302(又はコントローラ204)と、導管セクション304と、屈曲可能な関節運動セクション306と、ヘッドセクション308と、を含む。一実施形態では、セクション304、306、及び308は、異なる長さを有すること、互いに一体であること、又は互いに対して着脱式であることが可能である。図示するように、導管セクション304は、ターボ機械の内部、機器、パイプ、導管、水中の場所、曲線部、屈曲部、航空機システムの内外など、様々な標的に挿入されるのに好適である。
【0036】
ボアスコープ300は、導管セクション304に結合されたプローブドライバ309を含み得る。プローブドライバ309は、(例えば、プローブヘッド308が、標的内に挿入されるのを容易にするために)セクション304、306、308のうちの1つ以上を並進及び/又は回転させるように構成されたモータ(図示せず)を含み得る。追加的に又は代替的に、ヘッドセクション308の一部(例えば、カメラ、光源など)の向き/位置は、検査領域画像(例えば、RGB画像、IR画像など)を取得するために変更され得る。制御ユニット302は、制御ユニットハウジング310と、コントローラ312と、方向入力部314と、スクリーン316と、を含み得る。コントローラ312は、プロセッサ318と、ボアスコープ300を作動させるためにプロセッサ318によって実行され得るコンピュータ可読命令を含む可読メモリ320と、を含み得る。コンピュータ可読命令は、検査計画を含むことができ、その検査計画に基づいて、ボアスコープ300又はその一部(例えば、導管セクション304、屈曲可能な関節運動セクション306、及びヘッドセクション308)を、(例えば、プローブドライバ309によって)並進/回転させることができる。いくつかの実装形態では、プローブドライバ309の動作は、制御信号(例えば、検査計画に基づいて、又はスクリーン316上のGUI表示空間又はコンピューティングデバイスなどを介したユーザ入力に基づいて、コントローラ204によって生成される信号)に基づくことができる。
【0037】
コントローラ312は、1つ以上の信号321を介して通信可能に制御ユニット302と結合され得る。コントローラ312は、制御ユニットハウジング310内に配置され得るか、又は制御ユニットハウジング310外に配置され得る。方向入力部314は、制御ユニット302に対するユーザ入力(例えば、方向制御)を受信し、ボアスコープ300を作動させるように構成され得る。スクリーン316は、ヘッドセクション308に配置された(光センサを含む)カメラにより受信されている視覚情報を表示することができ、それによりユーザは、方向入力部314を利用して、ボアスコープ300をより良好に誘導することができる。方向入力部314及びスクリーン316は、コントローラ312と、1つ以上の信号321を介して通信可能に結合され得るが、この信号は、有線接続信号又は無線信号(例えば、Wi-Fi又はBluetoothなど)であり得る。一実装形態では、検査データ及び/又は通知(例えば、上述のような検査データに基づく通知)を、スクリーン316上で提供することができる。
【0038】
導管セクション304は、管状ハウジング322を含み得るが、その管状ハウジング322は、近位端324と遠位端326とを含む。管状ハウジング322は、その全長にわたって可撓性を有する部材であり得るか、又は近位端324では剛性を有しながら、導管セクション304の長さ方向に遠位端326に向かってより進むにつれて高い可撓性を有し得る。特定の実施形態では、管状ハウジング322は、汚染物質が導管セクション304を介してボアスコープ300に入るのを防止するために、非多孔質材料から形成され得る。
【0039】
制御ユニット302は、管状ハウジング322の近位端324に配置され得る一方で、屈曲可能な関節運動セクション306は、管状ハウジング322の遠位端に配置され得る。屈曲可能な関節運動セクション306は、屈曲可能なネック328と、ワッシャ330と、を含み得る。屈曲可能なネック328は、管状ハウジング322の遠位端326に配置され得るが、Y-Z平面内で360°作動することができる。屈曲可能なネック328は、非多孔質材料内に包まれて、汚染物質が屈曲可能な関節運動セクション306を介してボアスコープ300に入るのを防止することができる。
【0040】
ヘッドセクション308は、ヘッドアセンブリ332を含み得る。ヘッドアセンブリ332は、1つ以上の光源334(例えば、LED又は近位端にライトを伴う光ファイバ束)と、カメラ336(又は複数のカメラであって、可視光カメラ、赤外線(IR)カメラなど)と、周囲環境に関するデータを収集するように構成され得る1つ以上のセンサ338と、を含むことができる。ボアスコープ300のカメラ336は、検査に適した画像及び動画を制御ユニット302のスクリーン316に提供し得る。光源334は、ヘッドセクション308が低光量又は無光量を有する場所に配設されているときに、照明を提供するために使用され得る。センサ338は、温度データ、距離データ、離間距離データ(例えば、回転要素と静止要素との間の距離)、流量データなどのデータを記録し得る。
【0041】
特定の実施形態では、ボアスコープ300は、複数の交換用ヘッドアセンブリ332を含む。ヘッドアセンブリ332は、焦点距離、立体視、3次元(3D)位相ビュー、シャドウビューなどの異なる光学特性を有する先端を含むことができる。加えて又は代替として、ヘッドセクション308は、ヘッドセクション308の取り外し可能かつ交換可能な部分を含むことができる。そのため、複数のヘッドセクション308、屈曲可能なネック328、及び導管セクション304は、約1ミリメートル~10ミリメートル以上の様々な直径で提供され得る。
【0042】
使用中、屈曲可能な関節運動セクション306及びプローブドライバ309は、例えば、方向入力部314からの制御入力(例えば、相対的制御ジェスチャ、物理的操作デバイス)により、かつ/又はコントローラ312によって生成された制御信号により制御され得る。方向入力部は、ジョイスティック、Dパッド、タッチパッド、トラックボール、光学センサ、又はスクリーン316上のタッチスクリーンであり得る。方向入力部314はまた、制御ユニットハウジング310の外側に位置し、有線手段又は無線手段によって接続された類似のデバイスであり得る。具体的には、一組の制御入力は、屈曲可能な関節運動セクション306及び/又はプローブドライバ309を制御するために使用され得る。屈曲可能な関節運動セクション306は、様々な次元で操縦、即ち「屈曲」され得る一方で、導管セクション304は、制御ユニット302内に配置されたアクチュエータ及びワイヤの任意の組み合わせを使用して並進及び/又は回転して、ヘッドセクション308の向き(例えば、位置付け)を調整する。いくつかの実装形態では、制御入力/方向入力部314は、検査計画に基づいて、コントローラによって生成され得る。
【0043】
アクチュエータは、電気、空気圧、若しくは超音波で動作するモータ若しくはソレノイド、形状合金、電気活性ポリマ、誘電性エラストマ、ポリマ筋肉材料、又は他の材料であり得る。例えば、屈曲可能な関節運動セクション306及びプローブドライバ309は、X-Y平面、X-Z平面、及び/又はY-Z平面におけるヘッドセクション308の移動を可能にし得る。実際に、方向入力部314を使用して、図示された角度aなどの様々な角度でヘッドセクション308を配設するのに適した制御動作を実行することができる。このようにして、ヘッドセクション308は、所望の位置を視覚的に検査するように位置付けられ得る。
【0044】
ヘッドセクション308が所望の位置に来ると、カメラ336は、例えば、静止視覚画像又は連続視覚画像を取得するように動作し得るが、この画像は、制御ユニット302のスクリーン316に表示され、ボアスコープ300によって記録され得る。実施形態では、スクリーン316は、スタイラス及び/又は1本以上の人間の指のタッチを検出するために、静電容量技術、抵抗技術、赤外線グリッド技術などを使用するマルチタッチ式のタッチスクリーンであり得る。追加的に又は代替的に、取得された視覚画像は、後で参照するために、別個の記憶デバイスに送信され得る。
【0045】
ここでは、本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解をもたらすために、特定の例示的な実施形態を記載する。これらの実施形態の1つ以上の例が、添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされ得る。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態内で各類似する名称の構成要素の各特徴は、必ずしも完全には詳述していない。
【0046】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含むデジタル電子回路に、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアに、又はそれらの組み合わせに実装され得る。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は多数のコンピュータ)による実行のため又はその動作を制御するため、情報キャリアで(例えば、機械可読記憶デバイスで)明白に具現化されるか、又は伝播信号で具現化される、1つ以上のコンピュータプログラムなどの、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても既知である)は、コンパイル又は解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとしてなど、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラム専用の単一ファイルに、又は多数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの部分を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で若しくは1つのサイトの多数のコンピュータ上で実行されるように、又は多数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。
【0047】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を行うために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって行われ得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって行われてもよく、本明細書に記載される主題の装置は、かかる専用論理回路として実装され得る。
【0048】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。一般的に、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信することとなる。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそこからデータを受信する、そこにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報キャリアとしては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)と、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)と、光磁気ディスクと、光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)と、を含む、不揮発性メモリの全ての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0049】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供するのに利用し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得るが、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0050】
本明細書に記載される技術は、1つ以上のモジュールを使用して実装され得る。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されていないか、又はプロセッサによって読み取り可能で記録可能な、非一時的記憶媒体上に実装されていないソフトウェアとして解釈されるべきではない(すなわち、モジュールはソフトウェアそれ自体ではない)。実際に、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの、少なくとも何らかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むものと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有し得る(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用し得る)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために組み合わせ、統合、分離、及び/又は複製が可能である。また、特定のモジュールで行われるものとして本明細書に記載される機能は、特定のモジュールで行われる機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は1つ以上の他のデバイスによって行われ得る。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの多数のデバイス及び/又は他の構成要素にまたがって実装され得る。加えて、モジュールを1つのデバイスから移動し、別のデバイスに追加することができ、かつ/又は両方のデバイスに組み込むこともできる。
【0051】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース若しくはウェブインターフェースを有するクライアントコンピュータであって、ユーザはそれらを通して、本明細書に記載される主題の実装と相互作用することができる)、又はかかるバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)と、例えばインターネットなどの、広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)と、が挙げられる。
【0052】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似の文言は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」及び「実質的に」などの用語(単数又は複数)によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例において、近似の文言は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換が行われ得るが、かかる範囲は識別され、文脈又は文言が別段の指示をしていない限り、そこに含まれる全ての部分範囲を含む。
図1
図2
図3
【国際調査報告】