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▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】患者動作訓練装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20231025BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20231025BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
A61B5/055 390
G09B5/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521283
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2021076918
(87)【国際公開番号】W WO2022078765
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】20201500.4
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ノーツ サン
(72)【発明者】
【氏名】ウーフェリンク マルク アンネリーケ
(72)【発明者】
【氏名】セニ プリフェンデル カール
(72)【発明者】
【氏名】タザール オズグル
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ ウォウ ドールチェ
【テーマコード(参考)】
2C028
4C096
【Fターム(参考)】
2C028AA12
2C028BB04
2C028CA10
2C028CA11
4C096AD19
4C096CA65
4C096FC10
(57)【要約】
一定期間静止状態を保持することが要求される医療処置を受ける予定の患者を訓練するための訓練装置は、動きセンサ及びディスプレイを有するハンドヘルドデバイスを含む。プロセッサは患者が受けるのであろう医療処置に基づいて視覚情報を含む訓練のインタラクティブな部分の間の動きを検出し、患者がまだ十分に保持しているかどうかについてのフィードバックを患者に提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に長期間静止させることを必要とする、非鎮静、軽度鎮静、又は局所的鎮静医療プロシージャを受けるようにスケジューリングされる前記患者を訓練するための訓練装置であって、前記訓練装置は、
ハンドヘルドデバイスであって、前記ハンドヘルドデバイスは、
視覚情報を前記患者に表示するためのディスプレイと、
前記装置を保持するとき、前記患者から、動き量を含む動き情報を検出するように構成される動きセンサと、
プロセッサであって、
所定の期間の間、前記ディスプレイ上で前記患者に前記視覚情報を提供し、前記視覚情報は、前記患者が受けるようにスケジューリングされる前記医療プロシージャに基づくように構成され、
前記所定の期間中に、前記動きセンサから前記動き情報を受信するように構成され、
前記動き情報を所定の動き閾値と比較するように構成され、
前記視覚情報を、前記患者のためのフィードバック情報を含むように適合させるように構成され、
前記受信される動き情報における動き量が前記所定の動き閾値を超える場合、前記フィードバック情報はペナルティ情報を含み、
前記動き情報における動き量が前記所定の動き閾値を超えない場合、前記フィードバック情報は報酬情報を含む
ように構成される、プロセッサと
を有する、訓練装置。
【請求項2】
前記ハンドヘルドデバイスは、携帯電話、タブレットコンピュータ、又はゲームデバイスである、請求項1に記載の訓練装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、計算能力又は追加の関連情報を提供するように構成される外部プロセッサと通信するように構成される、請求項1又は2に記載の訓練装置。
【請求項4】
前記動きセンサは加速度計である、請求項1乃至3の何れか一項に記載の訓練装置。
【請求項5】
前記視覚情報は、ムービー、ゲーム、又は画像である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の訓練装置。
【請求項6】
前記視覚情報は、前記患者が受けるようにスケジューリングされる医療プロシージャの視覚的及び/又は聴覚的表現を有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の訓練装置。
【請求項7】
少なくとも1つのさらなる所定の動き閾値があり、前記プロセッサは例えば、ペナルティ情報及び/又は報酬情報の重度のいくつかのステップにおいて、各所定の動き閾値結果を通過した後に、異なる態様で前記視覚情報を適応させる、請求項1乃至6の何れか一項に記載の訓練装置。
【請求項8】
前記医療プロシージャは、磁気共鳴イメージングプロシージャ、x線コンピュータ断層撮影プロシージャ、超音波イメージングプロシージャ、診断用x線イメージングプロシージャ、陽電子放出断層撮影、単一光子放出コンピュータ断層撮影、(画像誘導)放射線治療プロシージャ、(画像誘導)介入医療プロシージャ、又は動きが画質に影響を及ぼす他の何れかの医療プロシージャ、又は成功したプロシージャである、請求項1乃至7の何れか一項に記載の訓練装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
連続する複数の訓練セッションの結果を記録し、
前記複数の訓練セッションの結果を表示及び/又は送信し、
前記複数の訓練セッションの結果に基づいて前記視覚情報を随意に適応させる
ようにさらに構成される、請求項1乃至8の何れか一項に記載の訓練装置。
【請求項10】
前記視覚情報は、前記医療プロシージャを受けるようにスケジューリングされる患者に基づくグラフィック表現(アバター)を有する、請求項1乃至9の何れか一項に記載の訓練装置。
【請求項11】
医療プロシージャを受ける患者を誘導するための動き誘導装置であって、
前記医療プロシージャ中の使用に適合され、及び/又は互換される、請求項1乃至10の何れか一項に記載の訓練装置
を有する、動き誘導装置。
【請求項12】
前記訓練装置は、前記医療プロシージャにおいて使用される機器、例えば、放射線治療又は画像誘導介入プロシージャのための医用イメージングシステム又はワークステーションに機械的及び/又は電子的に接続される、請求項1乃至11の何れか一項に記載の動き誘導装置。
【請求項13】
医用イメージングプロシージャを受けるようにスケジューリングされる患者を訓練するための訓練方法であって、
所定の期間の間、前記ディスプレイ上で前記患者に、前記医用イメージングプロシージャに関する視覚情報を提供するステップと、
使用時に、前記所定の期間中に前記患者によって保持されるハンドヘルドデバイスの動きセンサから、動き量を含む前記動き情報を受信するステップと、
前記動き量を所定の動き閾値と比較するステップと、
前記受信される動き情報に基づいて前記視覚情報を適合させるステップと、
前記動き情報における動き量が前記所定の動き閾値を超える場合、前記視覚情報はペナルティ情報を含むように適合されるステップと、
前記動き情報における動き量が前記所定の動き閾値を超えない場合、前記視覚情報は報酬情報を含むように適合されるステップと
を有する、方法。
【請求項14】
連続する複数の訓練セッションの結果を記録するステップと、
前記複数の訓練セッションの結果を表示及び/又は送信するステップと、
前記複数の訓練セッションの結果に基づいて前記視覚情報を随意に適合させるステップと
を更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
使用中に、請求項13又は14に記載のステップを実行するように構成されるコンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、非鎮静、軽度鎮静又は局所鎮静医療プロシージャを受けるようにスケジューリングされる患者を訓練するための訓練装置、方法、及びコンピュータプログラム製品、ならびにそのような処置中に使用するための動き誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療処置において、患者は意識がある、すなわち、処置中に光又は局所的鎮静又は麻酔薬を使用しないことがしばしば好ましく、例えば、命令を提供することができ、又は麻酔の潜在的に有害な副作用を防止することができる。医療処置を受けることは患者にとってはすでに厄介な経験であり得るが、特に、患者が意識を持っている間に処置が行われる場合にはそのようになる。疾患又は処置自体又はその転帰についての不安は、特に小児患者の場合、ストレスレベルを増加させる可能性がある。多くの医療プロシージャにおいて、患者は処置の合併症又は不良な結果を回避するために、静止している(すなわち、横たわっている、座っている、又は静止している)ことが必要とされる。不安はもちろん、患者にとって不快であるが、最終結果に影響を与えたり、医療プロシージャの最適なワークフローを変更したりする可能性もある。例えば、場合によっては、患者がストレスを感じると、処置中に動きの機会が増加するか、又は患者が落ち着くまで処置を中断する必要がある。
【0003】
一例として、医用画像プロシージャ中、患者の任意の動き、又は撮像されている患者の少なくとも一部は、スキャンの画質が損なわれ、通常、動きアーチファクトが生じることがある。動きアーチファクトの重度及び手元の診断上の問題に応じて、動作が発生すると、いくつかの結果が生じることがある。画像の画質は最適ではなく、これは放射線科医がスキャンを正確に解釈し、正確な診断を提供することをより困難にし得る(放射線科医は誤った診断を行うことさえあり得る)。それらの場合、医療処置又はその一部を繰り返す必要があり、処置の合計時間を延長し、又は患者を再スケジューリングする必要があり、新しい処置において、患者は麻酔薬で鎮静させる必要があり得る
【0004】
多くの医用撮像処置では、患者が処置のために狭いトンネル状領域に運ばれ、閉所恐怖症の感覚及び/又は医療従事者との(視覚的)接触の損失に起因して、より多くのストレスを誘発し得る。
【0005】
これは、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャンの場合に特に当てはまる。MRI検査を成功裏に完了するために、患者は、撮像コイル内に閉じ込められている間に大型機械内の狭いボアに入らなければならず、典型的には10乃至60分間続くスキャン中に静止して横たわっている。検査中、MRI装置は急に開始及び停止し、非常に大きな(雷鳴の大きさに匹敵する118dBまで)ジャーリングノイズを発生させる。この全てが、多くの患者、特に小児患者において不安を引き起こし、これはしばしば、最適以下の又は中止されるスキャンをもたらす。
【0006】
患者が彼又は彼女が受ける予定の処置についてより意識があり、知識がある場合、不安感を低減することができることが知られており、そのため、患者は、処置の前に適切な説明及び/又は訓練を受けることが望ましい。しかしながら、これは専門家又は専用のトレーナーからの時間を必要とし、これはコストがかかり、時間がかかる。それに加えて、そのような訓練は、多くの患者、特に小児患者にとって、非常に技術的で、直観的ではなく、理解するのが困難である傾向がある。
【0007】
あるいは、訓練が手技の前に自宅又は病院で見られる映画として提供されてもよい。このことは、医療又はサポート要員が必要とされないという利点を有する。また、提供される情報は意図される視聴者に向けて調整されてもよく、例えば、成人に対するより医学的で深刻な説明であるが、子供にとっては楽しい漫画である。しかしながら、これらの場合、患者は情報を受動的に吸収するだけであり、フィードバックのない一方向の情報の流れであるので、情報が理解されるかどうかのチェックはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、患者が直観的で、対話的で、明確な方法で、どのように動きが医療処置経験に影響を及ぼすか、及び、患者が動きを最小限に保つのにどのように役立つかを体験することができる訓練装置が利用可能であれば、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による実施形態は患者が長期間静止したままであることを必要とする、鎮静されていない、軽度の鎮静される、又は局所的に鎮静される医療プロシージャを受けるようにスケジューリングされる患者を訓練するための訓練装置を対象とする。訓練装置は、患者に視覚情報を表示するためのディスプレイと、デバイスを保持するときに患者からの動き量を含む動き情報を検出するように構成される動きセンサと、プロセッサとを備えるハンドヘルドデバイスを備える。プロセッサはディスプレイ上の患者に所定の期間の視覚情報を提供するように構成され、視覚情報は患者が受ける予定である医療プロシージャに基づく。プロセッサは所定の期間中に動きセンサから動き情報を受信し、動き量を所定の閾値と比較し、患者のためのフィードバック情報を含むように視覚情報を適応させるようにさらに構成され、フィードバック情報は受信される動き情報内の動き量が所定の動き閾値を超えたときのペナルティ情報を含み、及び/又は、フィードバック情報が動き情報内の動き量が所定の動き閾値を超えなかったときの報酬情報を含む。そのような訓練装置は患者が医療プロシージャ中の動きの結果について直観的かつ対話的な方法で訓練されることを可能にし、その必要性は可能な限り依然として残ることを可能にする。患者のパフォーマンスは、ポジティブフィードバック、ネガティブフィードバック、又はその両方を提供することによって向上させることができる。視覚情報は患者が受ける医療プロシージャに基づいているので、訓練は患者を処置のために最適に準備し、患者を事前に機器、環境、及び/又は処置によりよく知っておくことになり、それは、スキャン中の不安レベル及び動きを低減し、それによって、(部分的)反復処置の必要性又は潜在的に有害な(完全、局所的、又は部分的)麻酔薬又は他のタイプの鎮静剤の必要性なしに、成功する処置のより高い機会を低減することにさらに役立つ。
【0010】
一実施形態では、ハンドヘルドデバイスが携帯電話、タブレットコンピュータ、又はゲームデバイスである。これらは、ほとんどの患者がすでに所有しているか、又は供給され得る広く利用可能な装置である。このようなハンドヘルドデバイスは、トレーニングソフトウェアをデバイスにロードすることによって、クレームの訓練装置になるように容易にアップグレードされる。
【0011】
一実施形態では、プロセッサが計算能力又は追加の関連情報を提供するように構成される外部プロセッサと通信するように構成される。これは、処理の高速化、又は患者固有データなどの訓練に関連する追加データの供給を可能にする。場合によっては、トレーニングソフトウェアが遠隔に記憶され、有線又は無線通信を介してアクセスされ、実行され得る。
【0012】
一実施形態では、動きセンサは加速度計である。これらは、ほとんどの市販のハンドヘルドデバイスで利用可能な一般的な動きセンサである。
【0013】
一実施形態では、視覚情報が映画、ゲーム、又は画像である。これらは、患者に関与するための強力で対話型のビジュアルコンテンツを提供することができる。
【0014】
一実施形態では、視覚情報が患者が受ける予定である医療プロシージャの視覚的及び/又は聴覚的表現を含む。したがって、訓練は、実際の医療処置にできるだけ近く、かつ関連性があるように行われ得る。患者が経験する視覚的及び/又は音を導入することは、患者をより親しみやすくし、患者の不安を軽減することになる。
【0015】
一実施形態では、少なくとも1つのさらなる所定の動き閾値があり、プロセッサは例えば、ペナルティ情報及び/又は報酬情報の重度の数ステップにおいて、各所定の動き閾値結果を通過した後に視覚情報を異なるように適応させる。これは、異なる動き量に対応し、実際の処置における実際の動き状況と相関する様々なレベルのフィードバックを可能にする。
【0016】
一実施形態では、医療プロシージャが磁気共鳴撮像プロシージャ、x線コンピュータ断層撮影撮像プロシージャ、超音波撮像プロシージャ、診断用x線撮像プロシージャ、陽電子放出断層撮影、単一光子放出コンピュータ断層撮影、(画像誘導)放射線治療プロシージャ、(画像誘導)介入医療プロシージャ、又は動きが画質に影響を及ぼすか、又は成功するプロシージャであり得る任意の他の医療プロシージャである。これらのプロシージャはすべて、しばしば、無鎮静剤、軽い鎮静剤、又は局所的鎮静剤下で行われ、患者はより短い、又は(非常に)長期間、静止することを必要とする。
【0017】
一実施形態では、プロセッサが連続する複数の訓練セッションの結果を記録し、複数の訓練セッションの結果を表示及び/又は送信し、任意選択で、複数の訓練セッションの結果に基づいて視覚情報を適応させるようにさらに構成される。そのような患者の進行が分析され得、例えば、患者が実際の処置について適切に又は十分に訓練されているかどうかを決定するために、進行が評価され得る。
【0018】
一実施形態では、視覚情報が医療プロシージャを受けるようにスケジューリングされる患者に基づく、患者によって選択される、又は患者によって設計されるグラフィック表現(アバター)を含む。これは、訓練経験をさらに個人化し、患者を訓練にさらに関与させることができる。
【0019】
請求項に係る発明はさらに、前述の訓練装置を備える、医療プロシージャを受ける予定の患者を誘導するための動き誘導装置を対象とする。訓練装置は医療プロシージャ中の使用に適合し、適合しなければならない。したがって、同じ訓練装置が実際の処置中に動き誘導装置として使用され、患者に、不安及び/又は動きを低減する、処置中の馴染みのあるインターフェース及び潜在的な注意散漫を提供する。
【0020】
動き誘導装置の一実施形態では、訓練装置が医療プロシージャで使用される機器、例えば、放射線療法又は画像誘導介入処置のための医用イメージングシステム又はワークステーションに機械的及び/又は電子的に接続される。そのようなものとして、動作誘導装置内のプロセッサによって提供される視覚情報は、実際の画像又は誘導と更新又はマッチングされ得る。また、実際の状況に基づいてゲームが適応されるフィードバックループがあってもよい。
【0021】
さらに、訓練装置を使用して訓練する際に患者から得られた知識を使用して、実際の医療プロシージャを最適化することができる。例えば、医用画像スキャン中にインボア誘導及び/又はエンターテインメントコンテンツを選択することによって、それらの好みに最も一致する(例えば、訓練で使用されるものと同じアバターを特徴とする)。別の例は例えば、患者の「忍耐」レベル(例えば、患者が行った訓練の量、静止画を保持する検出される能力を含む)が医療プロシージャのパラメータに影響を及ぼすように、訓練中に観察される又は記録されるパフォーマンスを使用することであり得る(例えば、医療プロシージャがMRI検査である場合、多かれ少なかれ動きに敏感であるMRIシーケンスを選択する)。請求項に係る発明はさらに、医用撮像処理を受ける予定の患者を訓練するための方法に向けられ、請求項に記載される発明はディスプレイ上の患者に、医用撮像処理に関連する所定の期間、視覚情報を提供するステップと、使用中に、前記所定の時間の間、前記患者によって保持される、ハンドヘルドデバイスの動き量を含む動き情報を受信するステップと、前記受信される動き情報に基づいて前記視覚情報を適合させるステップと、前記動き情報中の動き量が所定の動き閾値を超える場合、前記視覚情報はペナルティ情報を含むように構成され、及び/又は前記動き情報中の動き量が前記所定の動き閾値を超えない場合、前記視覚情報は報酬情報を含むように構成される、ステップとを含む。
【0022】
一実施形態では、請求される方法が連続する複数の訓練セッションの結果を記録するステップと、複数の訓練セッションの結果を表示及び/又は送信するステップと、任意選択で、複数の訓練セッションの結果に基づいて視覚情報を適応させるステップとをさらに含む。
【0023】
本発明はさらに、使用時に、上述の方法のステップを実行するように構成されるコンピュータプログラム製品を対象とする。
【0024】
本発明のなおさらなる態様及び実施形態は以下の詳細な説明を読み取り、理解することにより、当業者によって理解されるのであろう。以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読めば、多くの追加の利点及び利益が当業者に明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】携帯電話の形成で請求される訓練装置の概略図を示す。
図2】特許請求の範囲に記載の訓練装置上に示される、医用撮像プロシージャに関連する視覚情報の例示的な描写を示す。
図3】請求されるような訓練装置上で医用撮像プロシージャのための訓練セッションを実行する例示的なシーケンスを示す。
図4】請求されるような訓練装置上に示される、介入医療プロシージャに関連する視覚情報の例示的な描写を示す。
図5】特許請求の範囲に記載の訓練装置を使用するワークフローの概略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、様々なコンポーネント及び構成要素の配置、並びに様々な処理動作及び処理動作の配置の形成をとることができる。図面は好ましい実施形態を例示することのみを目的としており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。より良好に視覚化するために、特定の特徴は省略されてもより良く、又は寸法は縮尺に従っていなくてもよい。
【0027】
以下では、4乃至8歳の子供がMRI検査を受けることが予定されている場合の例を用いて、本発明を説明する。もちろん、本発明は、他の医療処置、他の年齢群の子供、又は成人にも適用することができる。いくつかの場合において、代替物が言及されるが、これがそわない場合、例は他の任意の年齢群又は医療処置を除外するために、特許請求の範囲の範囲を限定しない。
【0028】
本発明の基礎を形成する洞察は医療プロシージャを受けることが予定されている患者が何が起こるか、及び情報がより対話的で、かつ、関心を寄せる様式で供給される場合、患者から何がより良好に、及び/又はより効率的に必要とされるかを理解することであり、それは、患者に、結果を直ちに経験させる行為を実行することを要求する。
【0029】
本発明の根底にあるさらなる洞察は、患者が受信する情報がスケジューリングされるプロシージャに直接関連する場合(いわゆる学習の伝達を改善する)、患者がよりよく準備され、スケジューリングされる医療プロシージャをよりよく熟知することである。
【0030】
したがって、本発明は、患者が受けることになる処置に関連する視覚情報を患者に提示するハンドヘルドデバイスを使用して、医療プロシージャにおける動きの効果について患者に教示することに関する。ハンドヘルドデバイスを保持している患者からの動きを検出することによって、視覚情報の変化及び/又は聴覚情報による即座のフィードバックが患者に提供される。患者は動きが非常に低い場合には報酬情報を提供し、動きが満足な結果を得るには大きくなりすぎる場合にはペナルティ情報を提供することによって、動きを低減又は排除することの重要性を教示される。
【0031】
ハンドヘルド装置という用語は、患者が実際に装置を保持しているか否かにかかわらず、使用時にユーザによって保持されることを意味する適切な装置をカバーするすべての装置をカバーする標準的な用語である。
【0032】
ハンドヘルドデバイスは携帯電話であることが好ましく、これはほとんどの人々が所有するか、又は直接アクセスを有するデバイスである。他の実施形態では、ハンドヘルドデバイスがタブレットコンピュータ又はゲーム装置(例えば、ゲームコンピュータ又はモバイルゲームコンピュータ用のコントローラ)であってもよい。
【0033】
ハンドヘルドデバイスの要件は動きを検出することができ、ユーザに視覚情報、好ましくは聴覚情報を提供することができることである。ディスプレイスクリーン及び動きセンサを標準的に備えた携帯電話、特にスマートフォンは多くのタイプのタブレットコンピュータ及びゲーム装置と同様に、容易に入手可能である(しかし、これらの場合、ディスプレイは外部接続ディスプレイであってもよい)。
【0034】
大部分の人々は適切なハンドヘルドデバイスを所有し、又はそれにアクセスするので、彼らは、彼らのハンドヘルドデバイス上で訓練を実行するためのソフトウェアを供給されることができる。そわない場合、それらは、訓練を使用するためにモバイルデバイスを一時的に与えられ得る。利点は、患者が例えば自宅で、訓練装置を用いて、患者にとって都合のよい場所及び時間で訓練を行うことができることである。
【0035】
請求される発明の文脈において、用語「保持する」は、患者が片手又は両手を用いてそれを保持することによってのみハンドヘルドデバイスを保持していると解釈されるべきではなく、患者がハンドヘルドデバイスのバランスを制御することができる任意の他の方法も包含する。例えば、患者によっては片手又は両手でデバイスを定常的に保持することができない場合があり、又は患者はハンドヘルドデバイスを全く保持することができない場合があるが、手技中に依然として存在する必要がある頭部、胴体、又は他の身体部分と共に依然として横たわることができる場合がある。これらの場合、患者は例えば、ハンドヘルドデバイスのモビリティに影響を及ぼし、そのフィードバックを受け取ることができる限り、他の身体部分、好ましくは、胴体(すなわち、寝ているときの腹部又は背中)、膝、脚、腕、足、頭部などの近づくプロシージャに最も関連するもの上で、ハンドヘルドデバイスをバランスさせることによって、ハンドヘルドデバイスを「保持」することができる。
【0036】
図1は、携帯電話10と、表示画面11と、統合プロセッサ12と、動きセンサ13と、スピーカ14とを備える、本発明による訓練装置の例示的な描写を示す。
【0037】
携帯電話10は特許請求の範囲に記載の訓練装置として使用されるという要件に対処するのに適している限り、任意のサイズ、形状、モデル等であってよい。
表示スクリーン11はまた、任意のサイズ又はタイプ(例えば、LCD、LEDなど)であってもよい。大きな表面積を有し、強い色又は小さい精密な細部を表示する能力を有するスクリーンが優先される。
【0038】
好ましくはディスプレイ11がモバイル装置10に一体化されるが、ビジュアルコンテンツは複製されてもよく、又は例えば、遠隔表示スクリーン、ゴーグル、もしくは眼鏡などの、ハンドヘルドデバイスの残りの部分に有線もしくは無線で接続される外部表示スクリーンに送信されてもよい。一体型スクリーン11は最も実用的でコンパクトな解決策であるが、外部スクリーンであって、本発明の文脈において定義すると、その外部スクリーンがハンドヘルド又はポータブルであることを意味しない場合であっても、依然としてハンドヘルドデバイスの一部である外部スクリーンである。そのような外部スクリーンは例えば、患者の位置又は患者がハンドヘルドデバイスを保持し、統合スクリーンを同時に見ることを妨げる他の理由のために、患者が統合スクリーンを見ることができない場合に、使用するのがより容易であり得る。
【0039】
プロセッサ12は到来する情報を受信し、処理し、分析し、リアルタイムで視覚的、及び任意選択的に聴覚的に出力することができなければならない。プロセッサはまた、例えばインターネットを介して、又はBluetoothもしくはWiFiなどの有線もしくは無線を介して、局所的外部プロセッサ、例えば、プロセッサを処理能力でサポートすることができる、及び/又は患者データなどの追加情報を提供することができるワークステーションとの接続を介して、遠隔プロセッサと接触することができ、及び/又は将来のセッションで使用するために医師によって自動的に処理及び/もしくはレビューされる訓練セッションのデータを記憶することができ、又は患者が医療プロシージャを受けるために十分に訓練されているかどうかを評価することができる。
【0040】
動きセンサ13は、ハンドヘルドデバイス10を保持するユーザによって引き起こされる比較的小さい動き及び大きな動き検出するのに十分な感度を有していなければならない。ほとんどのハンドヘルドデバイスは、動きセンサを備えている。これらは通常、比較的単純な加速度計であるが、より進歩した加速度計又は適切な他の統合される動きセンサも可能である。
【0041】
好ましくは、ハンドヘルドデバイスはまた、音響効果、音楽、コーチング、又は他の有益な発話情報などの聴覚情報を提供して、体験をより没入的かつ効果的にすることができる。したがって、本例の携帯電話11は、一体型スピーカ14を備える。代替的に又は同時に、患者によって装着されるヘッドホンが接続されることを可能にするために、ヘッドホン接続が利用可能であり得る。
【0042】
視覚情報は、任意選択的に聴覚情報で拡張され、(対話型)映画、ゲーム、又は操作可能な画像の形態であることが好ましい。視覚情報は比較的単純であってもよいが、複雑であり、コンテンツが豊富であってもよい。
【0043】
患者が訓練を受ける予定の医療プロシージャに関連付けることを確実にするために、視覚情報は医療プロシージャの要素を含まなければならない。例えば、関連する医用機器、周囲、プロシージャの目標又は結果、医用スタッフなどを示す。この情報は、一般的な方法で提示されてもよく、又は予定される医療プロシージャの実際の医療場所、機器、及び/又は従事者の画像を使用することによって現実的な方法で提示されてもよい。
【0044】
視覚情報はまた、患者の関心又は知的能力に合わせて調整されるように適合されてもよい。例えば、小児患者では漫画のような視覚情報がより効果的である可能性が高く、成人では様々なレベルの(医用)細部を有するより現実的な視覚情報がより効果的である可能性が高い。
【0045】
視覚情報は、対話型である部分とそわない部分とを含むことができる。例えば、視覚情報は処置中に静止させる必要性についての紹介映画から始まり、医療場所、機器及び/又はスタッフ、対話型部品のための命令、及び/又は有用であり得る任意の他の情報を示すことができる。この場合、対話型部品は、例えばゲームの形成であってもよい。
【0046】
視覚情報は、患者に基づくか、又は個人化することができる文字のデータベースから患者によって選択される文字を含むことができる。そのようないわゆるアバターは、現実的又は漫画のような形態で患者の表現であってもよく、又は動物、ファンタジー生物などの全く異なる形態であってもよい。また、いくつかの実施形態では、視覚情報内の他の文字が例えば、家族、医療スタッフに基づいてもよく、又は予めプログラムされる文字のデータベースから選択されてもよい。
【0047】
図2及び3は、彼の脳のMRIスキャンを受ける必要がある6歳の少年を訓練するために使用され得る視覚情報の例示的な実施形態の概略図を示す。少年はアバターとして漫画象を選択し、選択されるキャラクターを特徴とする紹介映画の後、スクリーン11上に対話型動き訓練ゲーム20が示される。
【0048】
図2aはゲームにおける瞬間のスクリーンショットであり、例示的な動きゲームの主要な要素を示す。ゲームのこの段階では患者が訓練装置を保持している間にMRIスキャンが進行中であり、この例では対話型動作訓練モジュールを含むソフトウェアを実行する携帯電話である。
【0049】
本実施形態のゲーム画面は、3つの主要部を備える。画面の中央領域には、MRI装置21が示されている。アバター22は、MRI装置21のボア内に頭部を有する患者支持体23上に横たわって示されている。このセクションは、実際のスキャンが行われるスキャン室に類似しているように見え、それによって、患者が横たわる必要がある装置及び場所に関する知識をすでに作り出している。部屋は馴染みを高めるために、ゲームの前又はゲーム中に複数のエンジェルから見せることができる。右側には、模擬MRI画像25がゲーム中に形成されるモニタスクリーン24が示されている。モニタスクリーンは、6つのサブセクション24a乃至24fに細分され、各々が全画像25の割合を順次明らかにする。左側にはプログレスバー25が示されている。この列はゲーム中にゆっくりと満たされ、水平方向のマーカが通過するたびに、新しいサブセクション24a乃至24fが現れる。このスクリーンショットでは、6つのサブセクションのうちの2つがすでに明らかにされている。バー25が満たされると、ゲームは終了する。
【0050】
ゲーム中、患者は携帯電話を片手又は両手で保持し、バー25が一杯になり、画像25が現れる間、それを静止して保持しようとする必要がある。患者が動きセンサによって検出されるように、携帯電話をあまりにも動かすと、警告信号が示され、及び/又は鳴らされる。図2bでは、そのような警告サイン26が効果音及び/又は発話コメントを伴って、動きが大きすぎることを患者に通知する揺れキャラクタの形成で示されている。
【0051】
図3は、動き訓練ゲーム中のスクリーンショット101乃至112の例示的なシーケンス100を示す。セクションの番号付けは図2a及び2bと同じである。乱雑な画像を避けるために、スクリーンショット101乃至112自体への基準以外の全ての番号付けは、ここでは省略される。
【0052】
スクリーンショット101は、アバター22がMRIボア21に入った直後のゲームの開始を示す。プログレスバー25は空であり、モニタスクリーン24上のMRI画像25は依然として完全に不明瞭である。この瞬間から、プログレスバーは満杯になり始め、ゲームは進行中のMRIスキャンの音響効果、すなわち、実際のスキャン中に患者が聞こうもの、好ましくは、処置において実際に使用されるシーケンスの音響をシミュレートするために実行されているMRIシーケンスの大きなパルス状のノイズを生成する。
【0053】
患者がスキャン中に携帯電話を十分に静止しているかどうかを決定するために、動きセンサ13は、動き量に関する情報を含む動き情報を検出するために使用される。動き量は、動きの強度又は重度、動きの時間の長さ、動きの距離、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。動き情報はまた、方向(例えば、線形、1つ又は多方向、ヨー、ピッチ、ロールなど)、動きの間の方向、長さ又は強度の変化、及び/又は動きの周期性(例えば、動きの間の間隔の規則性)、及び/又は適切であり得る任意の他の関連する動き情報など、他の動きパラメータに関する情報を含み得る。その中の動き又は変化の量は本発明の文脈において最も有用であるが、他の情報は患者の動きをより良く分析するため、及び/又はより詳細なフィードバックを提供するために使用され得る。
【0054】
この動き情報は、動きの量が所定の閾値レベルと比較されるプロセッサ13に送信される。動き量が所定の閾値レベルを下回ると、進行バー25が第1の水平方向のマーカまで満たされるまで、スキャンは何ら通知されることなく継続する。
【0055】
スクリーンショット102は、プログレスバーの最初の水平方向のマーカが通過した瞬間を示す。患者は閾値レベルを上回る動き量で携帯電話を動かさず、報酬情報を受け取る。MRI画像25の第1のサブセクション24aはモニタスクリーン24上に現れる。好ましくは、これは効果音、お祝い、スコアの増加、又はメダルもしくは星などの視覚的ボーナス報酬などの視覚的又は聴覚的報酬情報で増補される。患者はまた、第2の水平方向のマーカに満たされるプログレスバー25及びMRI画像25の第2のサブセクション24eが明らかにされている間、電話11を十分に静止させることができた。
【0056】
患者が所定の閾値レベルを超える動き量で携帯電話11を動かすと、ペナルティ情報が患者に通知される。これは警告サイン又はメッセージ、及び好ましくは音響効果又は発話コメントなどの聴覚警告も含むことができる。また、ペナルティ情報は、画面上に表示されるスコアの低下又は星の除去であってもよい。
【0057】
スクリーンショット104において、患者は進行バー25が第2の水平マーカーから第3の水平マーカーまで満たされている間のある瞬間に、電話機11を閾値レベルより上に移動させた。その結果、動きが大きすぎるという警告が点滅し、図形が揺れるように見える。この場合も、これは、適切な聴覚情報を伴い得る。その結果、MRI画像24の次のサブセクションは、移動量が再び閾値レベルを下回るまで明らかにされない。あるいは、画像サブセクションが例えば、動きアーチファクト又は部分的にぼかされる、より低い品質で明らかにされてもよい。また、スコア又は他の視覚的報酬を減少させることができる。
【0058】
この実施形態では、第1の上述の閾値レベルを上回るさらなる閾値レベルが存在する。この実施形態では低閾値が動きが高すぎて良質な画質を得ることができなかったが、スキャンを続けることができることを手段する。動き量がより高い閾値を超える場合、この手段、スキャンは中止される必要がある。代替的に、動きが、より低い閾値レベルとより高い閾値レベルとの間の、延長される所定の時間量の間、残る場合、これはまた、より重度の警告の形成でペナルティメッセージを患者に受信させるか、又はまた、スキャンを中止させることをもたらし得る。
【0059】
スクリーンショット1055では、患者が電話機11の動きを減少させることができ、動き量が下限閾値レベルを下回ったことが分かる。この場合、プログレスバー25は、再度第2の水平方向のマーカにリセットされ、パーツをやり直す必要がある場合、処置がより長く続き得ることを示した。
【0060】
患者はスクリーンショット106及び107に示されるように、ネスト2つのサブセクション24f、24bが現れるように、動き量を低く保つことに成功した。
【0061】
しかし、患者は、進行バー25内の第4の水平マーカーが通過した直後に突然の動きを行った。動きの量は、それが最高閾値レベルさえも超えるような量であった。患者は新しい点滅及び揺れ図形(現在がより強い色(例えば、赤色)で、効果音で増強されるペナルティ情報を受け取り、スキャンが不成功であり、リセットされる必要があるというメッセージを受け取る。いくつかの実施形態では、スコアが星の数であってもよく、又は星の数もしくは他の報酬が著しく低減されてもよい。また、患者はシステムを再設定しなければならないこと又は患者を再配置しなければならないことをシミュレートするために、スキャンの静止を行うことができる前に、しばらく待たされてもよい。
【0062】
幸いにも、患者は再起動後に携帯電話11を十分に保持することができ、MRI画像25の残りのサブセクション24c、24dが明らかになり、進行バー25が完全に満たされる。スキャンが終了すると、フル画像25が見えるようになり、アバター22がボア21から移動される。追加の報酬として、追加のアニメーション(例えば、画像のウィンキング又はウェービング)、音楽、ストーリー又はメッセージ等があり得る。患者は例えば、より多くの開始を獲得することによって、又は、それらの報酬が利用可能であった場合により高いスコアを得ることによって、次回より良好に行うために、再度試みるように招待され得る。
【0063】
本発明の訓練装置誘導装置は、磁気共鳴CTプロシージャ、x線コンピュータ断層撮影プロシージャ、超音波撮像プロシージャ、診断x線イメージングプロシージャ、陽電子放出断層撮影又は単一光子放出コンピュータ断層撮影のような、全てのタイプの医用イメージングプロシージャを受けるようにスケジューリングされる患者を訓練するのに適している。
【0064】
さらに、本特許請求の範囲に記載の訓練装置はまた、放射線療法処置又は介入医療プロシージャ、例えば、カテーテル法又は低侵襲手術を受けるようにスケジューリングされる患者を訓練するのにも適している。
【0065】
図4は、介入医療プロシージャを受けるようにスケジューリングされる患者を訓練するために請求される訓練装置の一例を示す。この例示的なケースでは、患者が鼠径部の静脈に挿入されるカテーテル法を使用して治療される心臓の状態を有する。
【0066】
図4aにおいて、ハンドヘルドデバイスのスクリーン11は人の画像を示し、これは、一実施形態において、患者の実際の画像であっても、患者に基づいても、患者によって選択されるアバターであってもよい。カテーテルが通過する静脈は経路28を囲む2つの平行な線として視覚化され、カテーテル先端30は管28内のスポットとして視覚化される。訓練の対話型部分が開始すると、カテーテル先端30は、宛先27、この場合、スクリーン上に撮像される人22の心臓に向かってゆっくりと移動する。任意の動きがカテーテル先端30を心臓に向かうその経路から逸脱させるので、患者は、モバイルデバイスを静止状態に保持することが目的である。静脈のエッジ部を示す線はプロセッサ12によって閾値として定義され、カテーテル先端30の位置が静脈28のエッジ部に接触させられる場合、図2及び3の医用撮像の例を用いて説明されるものと同様に、ペナルティ情報が提供される。
【0067】
より多くの閾値レベル、例えば、最初にカテーテル先端30が近づくが静脈28のエッジにはまだ接触しない場合に軽度の警告を提供する、静脈のエッジの幾分内側の第1の閾値レベルも同様に定義され得る。別の閾値レベルはカテーテル先端30が静脈28を完全に破り、それによって医療緊急事態を引き起こし、その結果、プロシージャを中止し、患者が動き訓練を再開しなければならないことであり得る。
【0068】
患者が長期間の制限内に留まり、宛先27に到達した場合、報酬情報、例えば、促すメッセージ、スコアの増加又は視覚的報酬を提供することができる。
【0069】
患者の年齢及び認知能力に応じて、この訓練装置はまた、スタイル及び難易度レベルにおいて適合され得る。図4aに示す例は、年長の小児又は成人に適している。例示的な実施形態を図に示す。4b及び4cは、より若い子供に適している。
【0070】
この例では、カテーテル先端30が装置を備えたカートを宛先に向かって引っ張るカメによって表されている。亀は、静脈を表す管28を通って泳ぐ。訓練中に満杯になるプログレスバー25は、患者がハンドヘルドデバイス10をできるだけまだ保持している間の宛先27までの距離を表す。
【0071】
図4bにおいて、患者は閾値を下回る、すなわち、静脈28の壁の間の動き量でハンドヘルドを保持しており、画像、好ましくは、笑顔31、幸せな音楽、及び/又は励まし言葉などの音を強制することを含む、プロセッサ12によって提供される報酬情報で報酬を受けている。患者はまた、動き量が閾値レベルよりも低い時間にわたって増加するスコア又は他の視覚的報酬(例えば、星)を受け取ってもよい。プログレスバーは、閾値レベルを超えることなくこれが通過したときに報酬をトリガする様々な距離のマーカを含むことができる。
【0072】
図4cでは、患者がさらに、プログレスバー25によって示されるように静脈28内で、ハンドヘルドデバイスをあまりにも移動させ、動き量が閾値レベルを超える、すなわち、亀30が静脈28の壁に接触するか、又は破れることさえある。これにより、プロセッサ12は、笑顔31が悲しい顔31'及び/又は警告記号32に変わるなどのペナルティ情報、ならびに警告、効果音、コメントなどの任意選択の聴覚情報を発行する。スコア又は他の視覚的報酬を減らすことができ、ユーザは、宛先27からさらに離れた位置から再開しなければならないか、又は訓練を完全に再開しなければならない。
【0073】
訓練の対話型部分は所定の時間量にわたって実行され、これはプロシージャの実際の時間よりも(はるかに)短くてもよいが、患者にプロシージャの時間をすでに体験させ、長期間静止状態に保持するように訓練するためのプロシージャと同じくらい正確に持続すると決定されてもよい。
【0074】
請求項に記載の訓練装置は、場合によっては医療プロシージャ自体の間に患者によって使用されてもよい。明らかに、使用される訓練装置は医療プロシージャに使用される機器と互換性がなければならず、処置中に医療従事者を注意散漫にしたり、妨げたりしてはならない。訓練装置は、処置中に患者を静止させるのを助けることができるそのような状況において、動き誘導装置となる。
【0075】
好ましい実施形態では、動き誘導装置が手技で使用される医療機器に機械的及び/又は電子的に(有線又は無線で)接続され、前記機器と通信することができる。動作誘導装置は医療機器から得られた実際の画像又は他のデータを使用して、セッションをより現実的にするか、又はユーザに関連させるか、又は処置がこれを必要とする場合、動作を実行するようにユーザを誘導することができる。また、実際の(及び潜在的に変化する)状況に基づいて、視覚情報又は誘導の時間が適合されるフィードバックループがあってもよい。
【0076】
ハンドヘルドデバイス10のプロセッサ12は患者の性能の結果又は概要を医師又は技術者に伝達することができ、医師又は技術者は、次いで、これを使用して、患者がどれだけうまく訓練されるか、及びプロシージャの直前又はプロシージャ中にこれをさらに説明する必要性を評価することができる。
【0077】
また、プロセッサ12は、結果又は発明の概要を別のプロセッサに送信するか、又はこのデータ自体をさらに処理して、プロシージャに関与する医師又は技術者のための推奨を提供することができる。
【0078】
患者が訓練を複数回行った場合、性能はさらに評価されて、患者が依然として保持することがより良好になり、訓練を適切に理解したかどうかを決定することができる。
【0079】
さらなる実施形態では訓練の対話型部分が後続の訓練セッション、例えば、閾値レベルでより困難になる可能性があり、その結果、より少ない動きがペナルティ情報をトリガすることになり、又は患者がハンドヘルドデバイスをまだ保持しなければならない間に、進歩の次のレベルが得られるか、又は注意をそらす視覚的及び/又は聴覚情報が提供される前に、患者がハンドヘルドデバイスをより長く保持しなければならない。
【0080】
訓練は、それぞれがそれ自体のペナルティ又は報酬情報を有する、さらに多くの閾値レベルを含み得る。
【0081】
プロセッサはまた、患者が実際にハンドヘルドデバイス10を保持していること、及びハンドヘルドデバイス10がテーブルなどの表面上に横たわっていないことを保証するために、動きのための最小閾値を有する可能性がある。動きセンサ13は、ハンドヘルドデバイスを非常に静止状態に保持している患者によって引き起こされる微小な動きを検出するのに十分な感度を有する必要がある。動き量が最小動き閾値よりも低い場合、患者は、動き量が低すぎるように見えることを示す警告又は通知を受信することができる。
図5は、特許請求の範囲に記載の訓練装置を使用する訓練セッションのワークフロー200の概略フローチャートを示す。
【0082】
ステップ201において、患者の摂取が行われ、医師はどのタイプの訓練装置及び方法が適しているかを決定し、訓練を患者に説明する。
【0083】
ステップ202において、患者は、訓練装置を受信するか、又はコンピュータプログラムもしくはアプリを自身のハンドヘルドデバイスにダウンロードして、訓練装置として使用できるようにする。任意選択的に、患者は例えば、アバターを選択又は作成すること、及び/又は初期難易度レベルを選択することによって、ゲームを彼又は彼女のニーズに合わせて個別化する。
【0084】
ステップ203において、患者はハンドヘルドデバイス上のコンピュータプログラム又はアプリを開始し、動き訓練の対話型部分を開始することによって、訓練を開始する。任意選択的に、患者は最初に、医療プロシージャ、動きの効果、及び訓練の対話型部分をどのように実行するかを説明する導入ビデオを示す。
【0085】
ステップ204において、患者は訓練を終了し、動きの効果及び静止の重要性について、可能な限り正確に知らされる。患者は、再度訓練を行うことを決定してもよい。
【0086】
一実施形態では、訓練中の患者の成績が分析される(ステップ205)。この分析はプレーヤにそれを再度プレイするように指示するために、又は訓練が成功裏に完了したことを知らせるために使用され得る。また、この情報は、実際の処置を行う医師又は技術者に利用可能にされてもよい。
【0087】
プレーヤが複数回訓練を行っている場合、結合される情報を分析して(ステップ205)、静止を保持する患者の能力の進行を監視することができる。
【0088】
訓練は、好ましくはハンドヘルドデバイス10にインストールされ、プロセッサ11によって制御可能なコンピュータプログラムの形成で含まれる。それは、ハンドヘルドデバイス10上にダウンロード可能であるか、又は事前に記憶され得る。また、外部に記憶され、アクセスされ、無線接続(Bluetooth、WiFi、インターネットなど)を介して実行されてもよい。
【0089】
本発明は図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されているが、そのような図示及び説明は例示的又は例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は開示される実施形態に限定されない。
【0090】
請求項に係る発明の文脈における「視覚情報」という用語は、画像、テキスト、色、映画などを含む、ハンドヘルドデバイス10のスクリーン11上に視覚的に提示される任意の情報である。
【0091】
開示される実施形態に対する他の変形は図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求される発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。
【0092】
単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。コンピュータプログラムは他のハードウェアとともに、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布され得るが、インターネット又は他の有線もしくはワイヤレス電気通信システムなどの他の形態で配布されてもよい。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2a
図2b
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図5
【国際調査報告】