(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】診断分析のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/00 20180101AFI20231025BHJP
G16H 10/40 20180101ALI20231025BHJP
【FI】
G16H50/00
G16H10/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521670
(86)(22)【出願日】2020-10-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 CN2020120239
(87)【国際公開番号】W WO2022073244
(87)【国際公開日】2022-04-14
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン、ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チェンシー
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、チー
(72)【発明者】
【氏名】スン、レンジョン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA04
(57)【要約】
本開示の実施形態は、診断分析のための方法およびシステムに関する。本開示のいくつかの実施形態は、診断分析システム(1)を提供する。診断分析システム(1)は、1つまたは複数の分析機器(10)と、監視システム(20)、例えば品質管理監視システムとを備える。1つまたは複数の分析機器(10)は、検証アルゴリズムを使用して監視システム(20)によって検証されることになる分析試験結果を提供するように設計されている。さらに、監視システム(20)は、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが閾値よりも大きい場合に、検証アルゴリズムを再訓練することができる。この解決策により、検証アルゴリズムの精度を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断分析システム(1)であって、
分析試験結果を提供するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
分析試験データを処理するように設計された監視システム(20)と、を備え、
前記分析試験データが、前記1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含み、
前記監視システム(20)が、検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証するように設計されており、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含み、
前記監視システム(20)が、
分析試験データのライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
前記差分レベルが、前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の前記差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して前記検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、診断分析システム。
【請求項2】
前記ライブデータセットと前記第2の訓練データセットとの間の差分レベルが、第2の閾値よりも低い、請求項1に記載の診断分析システム。
【請求項3】
前記第2の訓練データセットが前記ライブデータセットを含む、請求項1または2に記載の診断分析システム。
【請求項4】
前記監視システム(20)が、
前記分析試験結果および前記検証アルゴリズムの結果の分析を実行するように設計されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項5】
前記監視システム(20)が、前記分析に基づく分析試験プロセスに関連付けられた起こり得るエラーを前記監視システム(20)のユーザに通知するように設計されている、請求項4に記載の診断分析システム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、生物学的試料を処理し、前記生物学的試料に関連付けられた分析試験結果を提供するように設計された生物学的試料分析器である、請求項1から5のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項7】
データセットの分布特性が、前記データセットに含まれる前記分析試験結果の値を使用して決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項8】
データセットの分布特性が、前記データセットに含まれる前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを使用して決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項9】
前記メタデータが、少なくとも
前記分析試験結果に関連付けられた患者の年齢、
前記患者の性別、
前記患者の由来のタイプ、
前記患者の病棟、および
前記患者の健康診断、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項10】
前記監視システム(20)が、
前記ライブデータセットに関連付けられたメタデータに基づいて第1の特性値を決定することと、
前記第1の訓練データセットに関連付けられたメタデータに基づいて第2の特性値を決定することと、
前記第1の特性値および前記第2の特性値を使用して前記差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項11】
前記監視システム(20)が、
前記ライブデータセットの第1の特徴と前記ライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットとの間の第1の関連付けを決定することであって、前記グラウンドトゥルースラベルの第1のセットが、前記ライブデータセットに含まれる前記複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第1の関連付けを決定することと、
前記第1の訓練データセットの第2の特徴と前記第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットとの間の第2の関連付けを決定することであって、前記グラウンドトゥルースラベルの第2のセットが、前記第1の訓練データセットに含まれる前記複数の訓練分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第2の関連付けを決定することと、
前記第1の関連付けおよび前記第2の関連付けを使用して前記差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項12】
前記監視システム(20)が、
無効とラベル付けされた前記ライブデータセットの分析試験結果の第1のパーセンテージを決定することと、
無効とラベル付けされた前記第1の訓練データセットの分析試験結果の第2のパーセンテージを決定することと、
前記第1のパーセンテージおよび前記第2のパーセンテージを使用して前記差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項13】
前記監視システム(20)が、
元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することと、
前記再訓練された検証アルゴリズムを用いて試験データセットを処理することによって、前記再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することであって、前記試験データセットが複数の分析試験データを含む、第2の性能を決定することと、
前記第2の性能が前記第1の性能よりも良好である場合、分析試験結果の検証のために前記再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項14】
前記訓練データセットが、前記再訓練された検証アルゴリズムによってオーダーにしたがって処理され、前記監視システム(20)が、
第1の数を決定することであって、前記第1の数が、前記オーダーにしたがって前記再訓練された検証アルゴリズムによって誤った無効化が行われる前に前記再訓練された検証アルゴリズムによって処理された分析試験結果の数である、第1の数を決定することと、
第2の数を決定することであって、前記第2の数が、無効とラベル付けされた分析試験結果が前記オーダーにしたがって処理される前の分析試験結果の数である、第2の数を決定することと、
分析試験データの前記第1の数および分析試験データの前記第2の数を使用して前記第2の性能を決定することと、を行うように設計されている、請求項13に記載の診断分析システム。
【請求項15】
前記監視システム(20)が、
前記試験データセットに基づいて、前記再訓練された検証アルゴリズムによって誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を決定することと、
前記再訓練された検証アルゴリズムによる前記誤った検証予測および/または前記誤った無効化予測の数を使用して前記第2の性能を決定することと、を行うように設計されている、請求項13または14に記載の診断分析システム。
【請求項16】
診断分析試験の品質管理監視のためのコンピュータ実装方法であって、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを受信すること(202)であって、各分析試験データが分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、ライブデータセットを受信することと、
検証アルゴリズムを使用して前記ライブデータセットの分析試験結果を検証すること(204)であって、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価すること(206)であって、
前記差分レベルが、前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の前記差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練セットを使用して前記検証アルゴリズムを再訓練すること(210)と、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
診断分析試験を監視するための方法であって、
複数の分析試験結果を決定することと、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを提供することであって、各分析試験データが、前記複数の分析試験結果のうちの分析試験結果と、前記分析試験結果に関連付けられたメタデータとを含む、ライブデータセットを提供することと、
請求項16に記載のコンピュータ実装方法のステップを実行することと、を含む、方法。
【請求項18】
診断分析システム(1)であって、
分析試験結果を決定するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
請求項16に記載のコンピュータ実装方法を実行するように構成された監視システム(20)と、を備える、診断分析システム。
【請求項19】
診断分析試験のための監視システム(20)であって、前記監視システム(20)が、
分析試験データを処理することであって、
前記分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
分析試験データのライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
前記差分レベルが、前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の前記差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して前記検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、監視システム。
【請求項20】
診断関連分析試験を監視するためのコンピュータ実装方法であって、
分析試験データを処理することであって、
前記分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
処理されている複数の分析試験データと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
前記差分レベルが、処理されている前記複数の分析試験データと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項21】
診断分析試験のための監視システム(20)であって、
処理ユニット(701)と、
前記処理ユニットに結合され、命令が記憶されているメモリ(702、703)と、を備え、前記命令は、前記処理ユニットによって実行されると、電子デバイスに請求項16に記載の方法を実行させる、監視システム。
【請求項22】
命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、請求項16に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば健康関連診断の分野における分析試験および監視、例えばその品質管理監視に関する。
【背景技術】
【0002】
診断分析試験は、医師に重要な情報を提供することができ、したがって、健康関連の決定、集団健康管理などにとって非常に重要であり得る。
【0003】
分析試験は、分析試験結果を損なう可能性があるエラーを受ける可能性がある。エラーは、例えば、分析器の取り扱い不良、誤構成、および/または破損に起因し得る。このようなエラーを検出する必要がある。検出は、例えば、エラーの原因を除去するための第一歩とすることができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、現在の最新技術を拡張するシステム、方法、および媒体を提供することである。
【0005】
この目的のために、独立請求項にかかるシステム、方法、および媒体が提案され、本発明の特定の実施形態が従属請求項に記載されている。
【0006】
診断分析システムであって、
分析試験結果を提供するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
分析試験データを処理するように設計された監視システム(20)と、を備え、
分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含み、
監視システム(20)が、検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証するように設計されており、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含み、
監視システム(20)が、
分析試験データのライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
差分レベルが、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、診断分析システムが提案される。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、ライブデータセットと第2の訓練データセットとの間の差分レベルは、第2の閾値よりも低い。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、第2の訓練データセットは、ライブデータセットを含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、分析試験結果および検証アルゴリズムの結果の分析を実行するように設計されている。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、分析に基づく分析試験プロセスに関連付けられた可能性のあるエラーを監視システム(20)のユーザに通知するように設計されている。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つは、生物学的試料を処理し、生物学的試料に関連付けられた分析試験結果を提供するように設計された生物学的試料分析器である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、データセットの分布特性は、データセットに含まれる分析試験結果の値を使用して決定される。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、データセットの分布特性は、データセットに含まれる分析試験結果に関連付けられたメタデータを使用して決定される。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、メタデータは、分析試験結果に関連付けられた患者の年齢、患者の性別、患者の由来のタイプ、患者の病棟、および患者の健康診断のうちの少なくとも1つを少なくとも含む。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられたメタデータに基づいて第1の特性値を決定することと、第1の訓練データセットに関連付けられたメタデータに基づいて第2の特性値を決定することと、第1の特性値および第2の特性値を使用して差分レベルを評価することと、を行うように設計されている。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットの第1の特徴とライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットとの間の第1の関連付けを決定することであって、グラウンドトゥルースラベルの第1のセットが、ライブデータセットに含まれる複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第1の関連付けを決定することと、第1の訓練データセットの第2の特徴と第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットとの間の第2の関連付けを決定することであって、グラウンドトゥルースラベルの第2のセットが、第1の訓練データセットに含まれる複数の訓練分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第2の関連付けを決定することと、第1の関連付けおよび第2の関連付けを使用して差分レベルを評価することと、を行うように設計されている。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、無効とラベル付けされたライブデータセットの分析試験結果の第1のパーセンテージを決定することと、無効とラベル付けされた第1の訓練データセットの分析試験結果の第2のパーセンテージを決定することと、第1のパーセンテージおよび第2のパーセンテージを使用して差分レベルを評価することと、を行うように設計されている。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することと、再訓練された検証アルゴリズムを用いて試験データセットを処理することによって、再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することであって、試験データセットが複数の分析試験データを含む、第2の性能を決定することと、第2の性能が第1の性能よりも良好である場合、分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、訓練データセットは、オーダーにしたがって再訓練された検証アルゴリズムによって処理され、監視システム(20)は、第1の数を決定することであって、第1の数が、オーダーにしたがって再訓練された検証アルゴリズムによって誤った無効化が行われる前に再訓練された検証アルゴリズムによって処理された分析試験結果の数である、第1の数を決定することと、第2の数を決定することであって、第2の数が、無効とラベル付けされた分析試験結果がオーダーにしたがって処理される前の分析試験結果の数である、第2の数を決定することと、分析試験データの第1の数および分析試験データの第2の数を使用して第2の性能を決定することと、を行うように設計されている。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、試験データセットに基づいて再訓練された検証アルゴリズムによって誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を決定することと、再訓練された検証アルゴリズムによる誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を使用して第2の性能を決定することと、を行うように設計されている。
【0021】
診断分析試験の品質管理監視のためのコンピュータ実装方法であって、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを受信すること(202)であって、各分析試験データが分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、ライブデータセットを受信することと、
検証アルゴリズムを使用してライブデータセットの分析試験結果を検証すること(204)であって、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価すること(206)であって、
差分レベルが、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練セットを使用して検証アルゴリズムを再訓練すること(210)と、を含む、コンピュータ実装方法が提案される。
【0022】
診断分析試験を監視するための方法であって、
複数の分析試験結果を決定することと、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを提供することであって、各分析試験データが、複数の分析試験結果のうちの分析試験結果と、分析試験結果に関連付けられたメタデータとを含む、ライブデータセットを提供することと、
診断分析試験の品質管理監視のためのコンピュータ実装方法のステップを実行することと、を含む、方法が提案される。
【0023】
診断分析システム(1)であって、
分析試験結果を決定するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
診断分析試験の品質管理監視のためのコンピュータ実装方法を実行するように構成された監視システム(20)と、を備える、診断分析システム(1)が提案される。
【0024】
診断分析試験のための監視システム(20)であって、
分析試験データを処理することであって、
分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
分析試験データのライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
差分レベルが、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、監視システム(20)が提案される。
【0025】
診断関連分析試験を監視するためのコンピュータ実装方法であって、
分析試験データを処理することであって、
分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
処理されている複数の分析試験データと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
差分レベルが、処理されている複数の分析試験データと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、を含む、コンピュータ実装方法が提案される。
【0026】
診断分析試験のための監視システム(20)であって、処理ユニット(701)と、処理ユニットに結合され、命令が記憶されているメモリ(702、703)と、を備え、前記命令は、前記処理ユニットによって実行されると、電子デバイスに診断分析試験の品質管理監視のためのコンピュータ実装方法を実行させる、監視システムが提案される。
【0027】
命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、診断分析試験の品質管理監視のためのコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体が提案される。
【0028】
要約セクションは、本開示の実施形態の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、本開示の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
添付の図面を参照した以下の詳細な説明により、本開示の例示的な実施形態の上記および他の目的、特徴、および利点がより明らかになるであろう。本開示の例示的な実施形態では、同じ参照符号は、通常、同じ構成要素を指す。
【0030】
【
図1】本明細書に記載の主題の実装にかかる例示的な診断分析システムの概略図を示している。
【
図2】本明細書に記載の主題の実装にかかる診断分析試験を監視するためのプロセスのフローチャートを示している。
【
図3A】本明細書に記載の主題の異なる実装にかかる差分レベルを決定する例示的なプロセスのフローチャートを示している。
【
図3B】本明細書に記載の主題の異なる実装にかかる差分レベルを決定する例示的なプロセスのフローチャートを示している。
【
図3C】本明細書に記載の主題の異なる実装にかかる差分レベルを決定する例示的なプロセスのフローチャートを示している。
【
図4】本明細書に記載の主題の実装にかかる再訓練された検証アルゴリズムを使用するプロセスのフローチャートを示している。
【
図5A】本明細書に記載の主題の異なる実装にかかる再訓練された検証アルゴリズムの性能を決定する例示的なプロセスのフローチャートを示している。
【
図5B】本明細書に記載の主題の異なる実装にかかる再訓練された検証アルゴリズムの性能を決定する例示的なプロセスのフローチャートを示している。
【
図6】本明細書に記載の主題の実装にかかる検証アルゴリズムによって警告を生成するプロセスのフローチャートを示している。
【
図7】本開示の実施形態を実装するための例示的なデバイスの概略ブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆することなく、当業者が本開示を理解して実施するのに役立つことを理解されたい。本明細書に記載された開示は、以下に説明する以外にも、様々な態様で実施されることが可能である。
【0032】
以下の説明および特許請求の範囲では、別段の定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。
【0033】
本開示における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができることを示すが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。さらに、そのような句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらには、特定の特徴、構造、または特性が例示的な実施形態に関連して説明される場合、明確に記載されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0034】
本明細書では、「第1」および「第2」などの用語が使用されて様々な要素を説明することができるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と呼ばれることができ、同様に、第2の要素が第1の要素と呼ばれることができる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、列挙された用語のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0035】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。ここで使用するように、単数形の「a」、「an」、および「the」は、その文脈がさもなければ明確に示さない限りは、複数形を同様に含むことが意図されている。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」および/または「含む(including)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、要素、および/または構成要素などの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、要素、構成要素、および/またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0036】
上述したように、検証手順は、様々な診断試験において生成される分析試験結果の有効性を保証するために重要である。
図1は、本明細書に記載の主題の実装にかかる例示的な診断分析システム(1)の概略図を示している。
【0037】
図1に示すように、診断分析システム(1)は、分析試験結果を決定するための1つまたは複数の分析機器(10)と、監視システム(20)とを備えることができる。分析機器(10)、または略して「分析器」は、分析機能を実行し、分析試験結果を得るように設計された装置および/またはソフトウェアである。診断分析試験結果は、健康関連状態を示すことができる。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つは、生物学的試料、例えば、生物源に由来するインビトロ診断法(「IVD」)用の試料の分析を実行するように設計されている。いくつかの具体的な実施形態によれば、少なくとも1つの分析機器(10)は、様々な化学的、生物学的、物理的、光学的、および/または他の技術的手順を介して、生物学的試料またはその成分のパラメータ値を決定し、そのパラメータ値を分析試験結果を得るために使用するように設計されている。生物学的試料分析装置の例は、例えば、cobas(登録商標)8800 Systemなどの検査室システムおよびAccu-Chek(登録商標)Inform IIなどのポイントオブケアシステムを含む。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の分析器(10)のうちの少なくとも1つは、デジタルデータを収集し、診断分析試験結果を得るためにデジタルデータを使用するように設計されている。一例では、少なくとも1つの分析器(10)は、例えば刺激に反応した患者の指および/または目の動きを示すデータを収集し、分析試験結果を計算するための定量的および/または定性的結果を提供するように設計されている。デジタル分析器の例は、App Floodlightである。
【0040】
分析器(10)によって提供される分析試験結果の有効性を保証するために、監視システム(20)は、分析試験データを取得し、そこに含まれる分析試験結果を検証することができる。例えば、それらが特定の分析器によって、または共通のリソース(例えば、試薬ロットまたは前処理機器)を共有する分析器の特定のグループによって提供されるという共通点を有する分析試験結果の無効化の累積は、分析試験プロセスにおける系統的エラーの指標となることができる。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、品質管理監視システムとして設計されている。品質管理監視システムは、例えば、分析試験結果および検証アルゴリズムの結果の分析を実行するように設計されることができる。いくつかの具体的な実施形態によれば、分析は、検証アルゴリズムによって無効であるとみなされる試験結果に対して実行される。分析は、例えば、特定の複数の分析試験結果が高すぎる(または低すぎる)とみなされることを示すことができ、これは分析試験プロセスにおける系統的エラーを示すことができる。分析の結果は、例えば、無効であるとみなされる分析試験結果が、分析試験プロセスにおけるエラーの原因となることができる共通の何かを有することとすることができる。分析は、統計分析を含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、分析試験結果および各分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む分析試験データに基づいて、検索された分析試験結果を検証するための検証アルゴリズムとともに展開されることができる。検証アルゴリズムは、例えば、機械学習技術によって実施されることができる。機械学習技術は、人工知能(AI)技術と呼ばれることもある。検証アルゴリズムの例は、様々なタイプの深層ニューラルネットワーク(DNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、サポートベクターマシン(SVM)、決定木、ランダムフォレストモデルなどを含むが、これらに限定されない。検証アルゴリズムは、例えば、分析試験結果を「無効とみなす」または「有効とみなす」として分類することができる。いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズムは、分析試験結果が無効とみなされ、有効とみなされる程度の定量化を提供することができる。このような程度は、検証アルゴリズムの結果の分析に使用されることができる。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズムは、品質管理アルゴリズムであり、および/または品質管理アルゴリズムに含まれる。品質管理アルゴリズムは、例えば、検証アルゴリズムによって行われた分析試験結果の検証推定に基づいて、エラー、例えばシステムエラーを検出するように設計されることができる。いくつかの特定の実施形態によれば、品質管理アルゴリズムは、検証アルゴリズムと、分析試験結果および検証アルゴリズムによって行われるそれぞれの有効性推定の分析のために設計された分析アルゴリズムとを含む。分析アルゴリズムは、統計的方法を実施する統計的分析アルゴリズムを含むことができる。品質管理アルゴリズムは、分析アルゴリズムの場合、結果に基づいて分析試験プロセスにおいて起こり得るエラー、例えば系統的エラーを示すようにさらに設計されることができる。いくつかの特定の実施形態によれば、品質管理アルゴリズムは、分析試験プロセスにおける起こり得るエラーの原因を示すためにさらに設計されることができる。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、cobas(登録商標)infinity検査室ソリューションまたはcobas(登録商標)infinity POCソリューションなどのミドルウェアに含まれる、および/またはそれに接続される。いくつかの特定の実施形態によれば、分析試験データまたはその少なくとも一部、例えば分析試験結果は、ミドルウェアによって監視システム(20)に提供される。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、検査室情報システム(「LIS」)または病院情報システム(「HIS」)に含まれる、および/またはそれに接続される。いくつかの特定の実施形態によれば、分析試験データまたはその少なくとも一部、例えばメタデータの少なくとも一部は、LISまたはHISによって監視システム(20)に提供される。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ソフトウェア構成要素を備える。ソフトウェア構成要素のうちの少なくともいくつかは、例えば1つまたは複数のサーバ上でクラウドアプリケーションとして実行するように設計されることができる。いくつかの特定の実施形態によれば、監視システム(20)は、ソフトウェア構成要素およびハードウェア構成要素を備える。
【0047】
図1に示すように、監視システム(20)は、ディスプレイ(30)にさらに結合され、ディスプレイ(30)を介して、監視システム(20)によって決定された分析試験結果の有効性に関する情報を提供することができる。例えば、ディスプレイ(30)は、監視システム(20)によって決定された分析試験結果の有効性状態の統計を示すことができ、分析試験結果が監視システム(20)によって無効であるとみなされたことを示すために異なる色を使用することができる。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、
図1に示すように、監視システム(20)は、分析試験結果の監視に関連付けられた様々な情報を示すことができるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)(40)をディスプレイ(30)に提示することができる。例えば、GUI(40)は、医師または看護師に、毎日分析機器(10)によって生成された分析試験結果の数、およびそれらのうちのいくつが監視システム(20)によって無効であるとみなされるかを示すことができる。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、GUI(40)はまた、医師または看護師が分析試験結果の有効性予測に関するフィードバックを入力することを可能にすることができる。例えば、医師は、分析試験結果が検証アルゴリズムによって誤って無効であるとみなされるというフィードバック、または分析試験結果が検証アルゴリズムによって誤って有効であるとみなされるというフィードバックを提供することができる。
【0050】
現在の検証手順では、検証アルゴリズムは、通常、特定の訓練データセットを使用して訓練される。典型的には、機械学習検証アルゴリズムが使用される場合、検証アルゴリズムは、入力分析試験結果の全体的な特性が訓練データセットを含む訓練分析試験結果に近いときに良好な性能を達成することができる。
【0051】
しかしながら、入力された分析試験結果の全体的な特性が訓練された分析試験結果と著しく異なる場合、より誤った検証予測または誤った無効化予測が検証アルゴリズムによって生成されることができる。例えば、検証アルゴリズムが夏に生成された分析試験結果を使用して訓練される場合、検証アルゴリズムは、異なる季節、例えば冬に生成された分析試験結果を処理するときにエラーを起こしやすい可能性がある。したがって、無効化手順の精度を向上させるための解決策を得ることが望まれる。
【0052】
本開示の例示的な実施形態によれば、医療データの自動検証のための解決策が提案される。この解決策では、複数の分析試験データを含むライブデータセットが提供され、各分析試験データは、分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む。ライブデータセットの分析試験結果は、検証アルゴリズムを使用して検証され、検証アルゴリズムは、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練されており、各訓練分析試験データは、訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む。ライブデータの処理の前、最中、および/または後に、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが評価され、差分レベルは、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される。ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが閾値よりも大きい場合、検証アルゴリズムは、第2の訓練セットを使用して再訓練される。次いで、再訓練された検証アルゴリズムは、分析試験結果の将来の検証に使用される。このようにして、検証アルゴリズムは、例えば自動的に再訓練されてもよく、したがって、分析試験データの検証の精度および品質を大幅に改善することができる。
【0053】
以下、本開示の例示的な実施形態を図面を参照して説明する。本明細書に記載の主題の実装にかかる診断分析試験の品質管理監視のためのプロセス(200)のフローチャートを示す
図2を最初に参照する。本明細書の監視は、分析試験プロセスにおけるエラーを検出するための品質管理監視を含むことができる。
【0054】
図2に示すように、ブロック202において、監視システム(20)は、複数の分析試験データを含むライブデータセットを受信し(202)、各分析試験データは、分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む。ライブデータセットの例は、検証アルゴリズムによって現在処理されている分析試験データを含むことができる。例えば、ライブデータセットは、当日に処理された複数の試験データを含むことができる。
【0055】
上述したように、監視システムは、分析機器(10)によって提供された複数の分析試験結果を取得することができる。いくつかの実施形態によれば、各分析試験データは、単一の患者に関連付けられた1つまたは複数の試験結果を含むことができる。例えば、血液試料試験の例では、血液分析に関連付けられた2つ以上の分析試験結果、例えば白血球(WBC)の量および赤血球(RBC)の量が分析機器(10)によって提供されることができる。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)はまた、分析試験結果に関連付けられたメタデータを受信することができる。メタデータは、例えば、分析試験結果に関連付けられた患者の特性を示すことができる。いくつかの実施形態によれば、メタデータは、それぞれが患者の対応する特性を示す複数の態様を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果に関連付けられたメタデータは、分析試験結果に関連付けられた患者の年齢を含むことができる。場合によっては、年齢は、例えば、患者が30歳であることを示す30などの数値を使用して表されることができる。あるいは、患者の年齢は、例えば乳児患者、十代の患者、中年の患者、高齢患者などの年齢の範囲を示すために、対応するラベル、例えば文字列を使用して表されることもできる。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果に関連付けられたメタデータはまた、分析試験結果に関連付けられた患者の性別を含んでもよい。例えば、メタデータに含まれる性別情報は、患者が女性であるか男性であるかを示してもよい。同様に、性別情報は、いずれも数値によって表されることができる。例えば、数値「1」は、患者が男性であることを示し、数値「0」は、患者が女性であることを示すことができる。あるいは、性別情報は、「男性」または「女性」などの文字列を使用して表されることもできる。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果に関連付けられたメタデータはまた、分析試験結果に関連付けられた患者のソースのタイプを含むことができる。いくつかの実施形態では、患者の由来のタイプは、患者が患者内であるか患者外であるかを示すことができる。あるいは、患者の由来のタイプは、患者のサンプルがどの実体で採取されるか、例えば病院または検査室を示すことができる。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果に関連付けられたメタデータはまた、分析試験結果に関連付けられた患者の病棟を含むことができる。例えば、メタデータに含まれる病棟情報は、患者がどの病棟にいるか、例えば、心臓病病棟、外科病棟などを示すことができる。あるいは、病棟情報はまた、患者の病棟が高リスク病棟であるかどうかを示すこともできる。本明細書における高リスク病棟は、この病棟の患者の分析試験結果が異常である(すなわち、値が正常範囲を超えている)確率が、別の病棟の患者よりも大きいことを示すことができる。例えば、肝臓病病棟は、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の分析試験に関して高リスクの病棟である。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果に関連付けられたメタデータはまた、分析試験結果に関連付けられた患者の健康診断を含むことができる。例えば、健康診断は、分析試験結果、例えば、糖尿病、高血圧などを検討する前に医師によって提供されてもよい。別の例では、健康診断は、診断分析試験前の患者の過去の健康診断であってもよい。
【0062】
場合によっては、メタデータに含まれる健康診断はまた、患者に関連付けられた健康診断が異常な分析試験結果の可能性を高める可能性がある特定の疾患セットに属するかどうかを示すためのバイナリ値を使用して表されてもよい。例えば、ALTの診断分析試験では、肝炎は、異常な分析試験結果をもたらす可能性が高い疾患とみなされる。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果に関連付けられたメタデータはまた、上述したような様々なタイプのメタデータのうちの2つ以上を含むことができる。例えば、メタデータは、患者の年齢、患者の性別、患者の由来のタイプ、患者に関連付けられた病棟、および患者に関連付けられた健康診断の全ての情報を含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、HISまたはLISは、そのようなメタデータを収集し、次いで、ライブデータセットの一部としてメタデータを監視システム(20)に提供することができる。後述するように、分析試験結果とともにメタデータは、分析試験結果を検証するための検証アルゴリズムに適用されることができる。
【0065】
ブロック204において、監視システム(20)は、検証アルゴリズムを使用してライブデータセットの分析試験結果を検証し(204)、検証アルゴリズムは、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データは、訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む。
【0066】
上述したように、検証アルゴリズムは、機械学習技術によって実施されることができる。いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズムの訓練中に、複数の訓練分析試験結果および訓練メタデータに基づいて、検証アルゴリズムに適用される特徴ベクトルが決定されることができる。訓練メタデータは、上述したようにライブデータセットに含まれるメタデータと同じ特性を示すことができることを理解されたい。
【0067】
例えば、6次元の特徴ベクトルは、第1の訓練データセットに基づいて決定され、次いで訓練のための検証アルゴリズムに適用されてもよい。例えば、特徴ベクトルに含まれる特徴の6次元は、分析試験結果、年齢、性別、ソースのタイプ、病棟および健康診断を含むことができる。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、対応する情報を示すために特徴ベクトルにおいて数値が使用されることができる。例えば、例示的な特徴ベクトルは、{500,30,1,1,1,0}とすることができ、「分析試験結果」特徴の値「500」は、分析試験結果が「500」であることを示すことができ、「年齢」特徴の値「30」は、患者が30歳であることを示すことができ、「性別」特徴の値「1」は、患者が男性であることを示すことができ、「病棟」特徴の値「1」は、上述したように患者の病棟が高リスク病棟に属することを示すことができ、「健康診断」特徴の値「0」は、患者に関連付けられた健康診断がないこと、または患者に関連付けられた健康診断が特定の疾患セットに属さないことを示すことができる。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、訓練データは、対応する分析試験結果のグラウンドトゥルースラベルを含む。例えば、値「真」は、分析試験結果が、例えば医療専門家によって有効とラベル付けされていることを示すことができる。値「偽」は、例えば医療専門家によって、分析試験結果が無効としてラベル付けされていることを示すことができる。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズムの訓練中に、検証アルゴリズムの複数のパラメータ、例えばニューラルネットワークの複数の重み付けパラメータは、検証アルゴリズムの訓練対象に基づいて反復的に調整されることができる。例えば、検証アルゴリズムの訓練オブジェクトは、検証アルゴリズムによる予測結果と対応するグラウンドトゥルースラベルとの間の差に基づいて決定されることができる。
【0071】
検証アルゴリズムは、複数の反復における訓練オブジェクトの分散が例えば閾値未満である場合に収束しているとみなされてもよい。この場合、検証アルゴリズムは、訓練されたものとみなされ、最後の反復におけるパラメータは、訓練された検証アルゴリズムの最終パラメータとみなされる。次いで、訓練された検証アルゴリズムは、分析試験結果に関連付けられた入力特徴ベクトルに基づいて分析試験結果を検証することができる。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、第1の訓練データセットは、実世界データ、すなわち、実世界の分析試験結果および関連付けられたメタデータを含むことができる。例えば、第1の訓練データセットは、昨年生成された複数の分析試験結果を含むことができ、グラウンドトゥルースラベルは、医師からのフィードバックに基づいて決定されることができる。
【0073】
いくつかの他の実施形態によれば、第1の訓練データセットは、訓練データセットを強化するための人工訓練データを含むことができる。例えば、人工データは、実世界データの値を調整することによって生成されてもよい。人工データを使用することにより、検証アルゴリズムのオーバーフィッティング問題が回避されることができる。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズムの訓練は、監視システム(20)自体によって実施されることができ、監視システム(20)は、ライブデータセット内の分析試験結果を検証するために訓練された検証アルゴリズムを使用することができる。
【0075】
いくつかの他の実施形態によれば、検証アルゴリズムの訓練は、監視システム(20)とは異なる訓練システムによって実施されてもよい。監視システム(20)は、例えば、訓練システムから訓練された検証アルゴリズムのパラメータを受信することによって、訓練システムから訓練された検証アルゴリズムを受信することができる。次いで、監視システム(20)は、パラメータにしたがって訓練された検証アルゴリズムを自動的に展開することができる。あるいは、監視システム(20)は、訓練された検証アルゴリズムによって人工的に展開されてもよい。
【0076】
検証アルゴリズムが第1の訓練データセットを使用して訓練された後、監視システム(20)は、訓練された検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することができる。説明を容易にするために、本明細書の訓練された検証アルゴリズムは、「元の検証アルゴリズム」または「第1の検証アルゴリズム」と呼ばれることもある。いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに含まれる分析試験データに基づいて特徴ベクトルを最初に決定することができる。次いで、監視システム(20)は、分析試験データに含まれる分析試験結果を無効にするために、訓練された検証アルゴリズムに特徴ベクトルを適用することができる。
【0077】
ブロック206において、監視システム(20)は、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価し、差分レベルは、ライブデータセットおよび第1の訓練データセットの分布特性に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、異なるレベルは、ライブデータセットと第1の訓練データセットとが類似しているかどうかを示すことができる。例えば、差分レベルの値が大きいほど、2つのデータセット間の差分が大きいことを示すことができる。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、第1の訓練データセットの分布特性を示す第1の値と、ライブデータセットの分布特性を示す第2の値とを比較することができる。いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、リアルタイム計算によって第1および第2の値を決定することができる。
【0079】
いくつかの他の実施形態によれば、第1の訓練データセットの分布特性を示す第1の値は、予め決定され、監視システム(20)に結合された記憶デバイス(例えば、ディスクまたはメモリ)に記憶されてもよい。比較中、監視システム(20)は、追加の計算なしに記憶デバイスから値を取得することができる。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、検証アルゴリズムの再訓練が必要かどうかを決定するために差分レベルを定期的に評価することができる。例えば、監視システム(20)は、三か月ごとに差分レベルを評価することができる。あるいは、監視システム(20)は、所定数のサンプルが処理された後に差分レベルを評価することができる。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、データセットの分布特性は、分析器の結果に関連付けられた1つまたは複数の態様の分布を表す。分布特性は、2つのデータセットが選択された態様に関して同様の分布を有する分析器試験データを表す場合に比較するために使用されることができる。一例では、態様は、分析装置試験データが関連付けられた患者の性別であり、分布特性は、前記患者の女性比率(%)であり、第1のデータセットと第2のデータセットとの間の差分レベルは、例えば、2つのデータセット間の女性比率の差の絶対値として定義されることができる。この差が大きすぎる場合、2つのデータセットは、大きすぎると知覚される。一例では、ライブデータセットと第1の訓練データとの女性比率があまりにも異なるとみなされ、ライブデータセットを検証するための検証アルゴリズムは、女性比率がライブデータセットのものにより近い第2の訓練データセットを使用して再訓練される。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、データセットの分布特性は、データセットに含まれる分析試験結果の値を使用して決定されることができる。例えば、分布特性は、データセットに含まれる分析試験結果の最高値を含むことができる。
【0083】
いくつかの他の実施形態では、データセットの分布特性は、データセットに含まれる分析試験結果のそれぞれの値を使用して決定されることができる。例えば、分布特性は、全ての分析試験結果の平均値を含むことができる。いくつかの他の例では、分布特性は、全ての分析試験結果の分散を含むことができる。
【0084】
この場合、監視システム(20)は、最初にライブデータセットの分布特性の第1の値を決定し、第1の訓練データセットの分布特性の第2の値を決定することができる。例えば、監視システム(20)は、ライブデータセット内の分析試験結果の平均値が「500」であると決定し、第1の訓練データセット内の分析試験結果の平均値が「300」であると決定することができる。この場合、差分レベルは、2つの平均値の差分を示す値「200」として決定されてもよい。
【0085】
いくつかの他の実施形態によれば、データセットの分布特性はまた、データセットに含まれる分析試験結果に関連付けられたメタデータの少なくとも1つの態様を使用して決定されてもよい。例えば、分布特性は、データセット内の分析試験結果に関連付けられた患者の年齢の平均値または分散を含むことができる。
【0086】
いくつかの他の実施形態によれば、差分レベルは、2つのデータセットに含まれるメタデータのうちの少なくとも1つの値に基づいて決定されてもよい。次に、いくつかの実装にかかる差分レベルを決定する例示的なプロセス300Aのフローチャートを示す
図3Aを参照する。
【0087】
図3Aに示すように、ブロック302において、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられたメタデータに基づいて第1の特性値を決定することができる。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられた患者の年齢の値に基づいて第1の特性値を決定することができる。第1の特性値の例は、患者の年齢の平均値、年齢の分散、ライブデータセットにおける高齢患者のパーセンテージ、年齢の最高値、年齢の最低値、高齢患者の10代の患者に対する比率などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられた患者の性別に基づいて第1の特性値を決定することができる。第1の特性値の例は、ライブデータセット内の男性患者の数、ライブデータセット内の女性患者の数、ライブデータセット内の男性患者のパーセンテージ、ライブデータセット内の女性患者のパーセンテージなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられた患者のソースのタイプに基づいて第1の特性値を決定することができる。第1の特性値の例は、ライブデータセットに入院している患者の数、ライブデータセットに入院している患者の数、ライブデータセットに入院している患者のパーセンテージ、ライブデータセットに入院している患者のパーセンテージなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられた患者の病棟に基づいて第1の特性値を決定することができる。第1の特性値の例は、ライブデータセットの高リスク病棟にいる患者の数、ライブデータセットの高リスク病棟にいない患者の数、ライブデータセットの高リスク病棟にいる患者のパーセンテージ、ライブデータセットの高リスク病棟にいない患者のパーセンテージなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられた患者の健康診断に基づいて第1の特性値を決定することができる。第1の特性値の例は、診断がライブデータセット内の特定の疾患を示す患者の数、診断がライブデータセット内の特定の疾患を示さない患者の数、診断がライブデータセット内の特定の疾患を示す患者のパーセンテージ、診断がライブデータセット内の特定の疾患を示さない患者のパーセンテージなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0093】
ブロック304において、監視システム(20)は、第1の訓練データセットに関連付けられたメタデータのうちの少なくとも1つの値に基づいて第2の特性値を決定することができる。第2の特性値は、第1の特性値に関して説明したのと同じ方法で決定されてもよいことに留意されたい。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、第1の特性値および第2の特性値は、それぞれ、同じ特性化アルゴリズムを使用して決定される。例えば、第1の特性値および第2の特性値は、それぞれ、平均値を計算する同じ特性化アルゴリズムを使用して決定される。
【0095】
さらに、特性化アルゴリズムは、各分析試験データの各メタデータの1つまたは複数の態様を使用する。例えば、同じ1つまたは複数の態様は、以下の上述した異なる態様のうちの少なくとも1つを含むことができる:分析試験結果に関連付けられた患者の年齢;患者の性別;患者の由来のタイプ;患者の病棟;および患者の健康診断。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、第2の特性値は、予め決定され、次いで、監視システム(20)に結合された記憶デバイスに維持されてもよい。この場合、監視システム(20)は、記憶デバイスから第2の特性値を取得することができ、追加の計算は必要とされない。
【0097】
ブロック306において、監視システム(20)は、第1の特性値および第2の特性値を使用して差分レベルを評価することができる。いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、第1の特性値と第2の特性値との間の差分値を使用して差分レベルを決定することができる。
【0098】
場合によっては、差分レベルは、差分値自体を含んでもよい。場合によっては、差分レベルはまた、差分値を特定の値の範囲と比較することによって決定されてもよい。例えば、差分値が値の範囲「100~199」に入る場合、差分レベルは「1」として設定されることができ、差分値が値の範囲「200~299」に入る場合、差分レベルは、「2」として設定されることができる。
【0099】
あるいは、監視システム(20)は、第1の特性値と第2の特性値との比を使用して差分レベルを決定してもよい。例えば、第1の特性値が「400」であり、第2の特性値が「200」である場合、差分レベルは、「2」として決定されることができる。
【0100】
メタデータに基づいてライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを決定することによって、監視システムは、ライブデータセットが第1の訓練データセットに類似しているかどうかを決定することができ、それによって検証アルゴリズムの再訓練の自律的トリガを容易にする。
【0101】
いくつかの他の実施形態によれば、差分レベルはまた、特徴ベクトルに含まれる特徴のグラウンドトゥルースラベルへの寄与に基づいて決定されてもよい。次に、いくつかの他の実装にかかる差分レベルを決定する例示的なプロセス300Bのフローチャートを示す
図3Bを参照する。
【0102】
図3Bに示すように、ブロック312において、監視システム(20)は、ライブデータセットの第1の特徴とライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットとの間の第1の関連付けを決定することができ、グラウンドトゥルースラベルの第1のセットは、ライブデータセットに含まれる複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す。
【0103】
いくつかの実施形態によれば、有効性値は、割り当てられた値とすることができる。例えば、有効性値は、それぞれの分析試験結果を評価した後に医療専門家によって割り当てられてもよい。有効性値「1」は、例えば、分析試験結果が客観的に有効であることを示すことができ、有効性値「0」は、分析試験結果が客観的に有効でないことを示すことができる。ここでの有効性値は、検証アルゴリズムによって設定されないことを理解されたい。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ランダムフォレストモデルを適用して、第1の特徴とグラウンドトゥルースラベルとの間の第1の関連付け、例えば相関を決定することができる。第1の特徴は、分析試験結果の値および各分析試験データのメタデータの1つまたは複数の態様のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0105】
いくつかの実施形態によれば、ライブデータセットの第1の特徴とライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットとの間の第1の関連付けは、関連付けアルゴリズムを使用して決定され、第1の訓練データセットおよび第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットの第2の関連付け第2の特徴も、同じ関連付けアルゴリズムを使用して決定される。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、関連付けは、特定の特徴、例えば、特定の医療診断を有する患者と、グラウンドトゥルースラベルの有効性値との間の相関関係の指標であり、これは、例えば、分析試験結果が有効であると考えられ、無効であるとみなされるべきであったことを表すことができる。関連付けは、例えば、0と1との間の相関係数によって表されることができる。一例では、a)特定の特徴とライブデータセットの真偽値との間の相関と、b)この特定の特徴と第1の訓練セットの真偽値との間の相関との間の差は、a)この特定の特徴とライブデータセットの真偽値との間の相関と、c)この特定の特徴と第2の訓練セットの真偽値との間の相関との間の差よりも大きく、検証アルゴリズムは、第2の訓練セットを使用して再訓練される。
【0107】
特に、監視システム(20)は、ランダムフォレストモデルを訓練するために、ライブデータセットおよびグラウンドトゥルースラベルの第1のセットに関連付けられた特徴ベクトルを使用することができる。ランダムフォレストモデルが訓練された後、ランダムフォレストモデルは、最終結果に対する第1の寄与を提供することができる(例えば、グラウンドトゥルースラベルに基づいて有効または無効である)。より高い寄与は、この特徴が入力特徴ベクトルとグラウンドトゥルースラベルとの関連付けにおいてより重要な役割を果たすことを意味することを理解されたい。
【0108】
ブロック314において、監視システム(20)は、第1の訓練データセットの第2の特徴と、第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットとの間の第2の関連付け、例えば相関関係を決定することができ、グラウンドトゥルースラベルの第2のセットは、第1の訓練データセットに含まれる複数の訓練分析試験データのそれぞれの有効性値を示す。いくつかの実施形態によれば、第2の特徴は、分析試験結果の値および各分析試験データの各メタデータの同じ態様のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0109】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ブロック312と同様の方法で第2の関連付けを決定することができる。いくつかの他の実施形態によれば、第2の関連付けは、別のエンティティによって予め決定され、監視システム(20)に結合された記憶デバイス内に維持されてもよい。この場合、監視システム(20)は、追加の計算を必要とせずに、記憶デバイスから第2の関連付けを直接取得してもよい。
【0110】
ブロック316において、監視システム(20)は、第1の関連付けおよび第2の関連付けを使用して差分レベルを評価することができる。いくつかの実施形態では、監視システム(20)は、特定の特徴の第1の関連付けの第1のランキングと、特定の特徴の第2の関連付けの第2のランキングとを比較することができる。
【0111】
例えば、監視システム(20)は、特徴「病棟」がライブデータセットに基づいて最大の寄与を有し、第1の訓練データセットにしたがって第5位にランク付けされた第2の寄与を有すると決定することができる。この場合、差分レベルは、2つのランク間の差分として決定されてもよい。
【0112】
別の例では、監視システム(20)は、ライブデータセットに基づいて少なくとも2つの特徴の寄与の第1の相対ランキングを決定し、第1の訓練データセットに基づいて第2の相対ランキングを決定してもよい。
【0113】
例えば、監視システム(20)は、ライブデータセットに基づいて、特徴「病棟」が最大の寄与を有し、特徴「性別」が5番目に大きい寄与を有すると決定することができる。次いで、監視システム(20)は、ライブデータセットに基づいて、特徴「病棟」および特徴「性別」の第1の相対ランキングが「+4」であると決定することができる。同様に、監視システム(20)は、第1の訓練データセットに基づいて、特徴「病棟」が6番目に大きく寄与し、特徴「性別」が2番目に大きい寄与を有すると決定することができる。次いで、監視システム(20)は、第1の訓練データセットに基づいて、特徴「病棟」および特徴「性別」の第1の相対ランキングが「-4」であると決定することができる。
【0114】
この場合、監視システム(20)は、第1の相対ランキングおよび第2の相対ランキングに基づいて差分レベルをさらに決定してもよい。例えば、第1の相対ランキングが「+4」であり、第2の相対ランキングが「-4」であれば、差分レベルは、「8」と決定されてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、特徴ベクトル内の特徴(例えば、分析試験結果、年齢、性別、供給源のタイプ、病棟および健康診断)のそれぞれの寄与を考慮することができる。例えば、監視システム(20)は、ライブデータセットおよび訓練データセットに基づいて特徴のそれぞれのランク差を決定し、次いで、例えばランク差の合計を使用して差分レベルを決定することができる。
【0116】
いくつかのさらなる実施形態によれば、差分レベルはまた、例えば医療および/または検査室専門家によって分析試験結果に割り当てられたグラウンドトゥルースラベルにしたがって、無効とラベル付けされた分析試験結果のパーセンテージに基づいて決定されてもよい。次に、いくつかの他の実装にかかる差分レベルを決定する例示的なプロセス300Cのフローチャートを示す
図3Cを参照する。
【0117】
図3Cに示すように、ブロック322において、監視システム(20)は、無効とラベル付けされたライブデータセットの分析試験結果の第1のパーセンテージを決定することができる。いくつかの実施形態によれば、無効としてラベル付けされた分析試験結果は、ライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットにしたがって決定されることができる。上述したように、第1のグラウンドトゥルースラベルのセットは、ライブデータセットに含まれる複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す。例えば、有効性値「0」は、対応する分析試験結果が無効としてラベル付けされていることを示すことができる。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、ライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットに基づいて、いくつの分析試験結果がライブデータセットにおいて無効としてラベル付けされているかを決定することができる。例えば、監視システム(20)は、分析試験結果の20%がライブデータセットにおいて無効とラベル付けされていると決定することができる。
【0119】
ブロック324において、監視システム(20)は、無効とラベル付けされた第1の訓練データセットの分析試験結果の第2のパーセンテージを決定することができる。同様に、無効とラベル付けされた分析試験結果は、第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットにしたがって決定されることができる。上述したように、第2のグラウンドトゥルースラベルのセットは、第1の訓練データセットに含まれる複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す。
【0120】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットに基づいて、ライブデータセットにおいて無効としてラベル付けされた分析試験結果の数を決定することができる。例えば、監視システム(20)は、分析試験結果の5%が第1の訓練データセットにおいて無効とラベル付けされていると決定することができる。
【0121】
いくつかの実施形態によれば、第2のパーセンテージはまた、予め決定され、監視システム(20)に結合された記憶デバイスに記憶されてもよい。したがって、監視システム(20)は、記憶デバイスから第2のパーセンテージを示す値を直接取得することができ、それによって不必要な再計算を回避することができる。
【0122】
ブロック326において、監視システム(20)は、第1のパーセンテージおよび第2のパーセンテージを使用して差分レベルを評価することができる。いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、第1のパーセンテージと第2のパーセンテージとの差を使用して差分レベルを決定してもよい。例えば、監視システム(20)は、第1のパーセンテージが「20%」であり、第2のパーセンテージが「5%」である場合、差分レベルを「15%」と決定してもよい。
【0123】
いくつかのさらなる実施形態によれば、2つのデータセット間、例えばライブデータセットと訓練セットとの間の差分レベルを評価することは、クラスタ分析を含むことができる。いくつかの特定の実施形態によれば、2つのデータセットは、データセットのセットの一部とみなされ、クラスタ分析は、データセットのこのセットに対して実行される。一例では、クラスタ分析は、データセットのセット内の2つのデータセットの距離を提供し、距離は、2つのデータセット間の差分レベルを計算するために使用されることができる。
【0124】
ここで再び
図2を参照すると、ブロック208において、監視システム(20)は、差分レベルを第1の閾値と比較する。差分レベルが閾値よりも大きくないと決定された場合、プロセス200は、ブロック214に進む。ブロック214において、監視システム(20)は、分析試験結果の将来の検証のために検証アルゴリズムを使用し続け、再訓練は必要とされない。
【0125】
いくつかの実施形態によれば、第1の閾値は静的である。第1の閾値の静的値は、例えば、ユーザによって予め定義されることができる。このようにして、ユーザは、再訓練手順の感度に影響を与えることができる。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、第1の閾値は動的である。一例では、第1の閾値は、ライブデータセットと別の訓練セットとの間の差分レベルである。いくつかの特定の実施形態によれば、ライブデータセットと第1の訓練セットとの間の差分レベルがライブデータセットと別の訓練セットとの間の差分レベルよりも大きい場合に再訓練が行われ、各場合の差分レベルは同じ方法で決定される。別の訓練データセットは、後に検証アルゴリズムを再訓練するために使用されることができる第2の訓練データセットとすることができる。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、第1の閾値は、静的成分および動的成分を含み、例えば、第1の閾値は、2つの値を含む差分レベルが比較される第1の静的値および第2の動的値を含む。
【0128】
対照的に、差分レベルが閾値よりも大きいと決定された場合、プロセス200は、ブロック210に進む。ブロック210において、監視システム(20)は、第1の訓練データセットとは異なる第2の訓練データセットを使用して検証アルゴリズムを再訓練する。
【0129】
異なるレベルが閾値よりも大きい場合、これは、ライブデータセットが現在訓練データセットと大きく異なることを示すことができる。この場合、検証アルゴリズムは、今や誤りがちであり、検証アルゴリズムの再訓練が必要である。例えば、検証アルゴリズムが病院から生成された複数の履歴分析試験データを使用して訓練される場合、異なる病院から生成された分析試験データを処理するために検証アルゴリズムを使用するときに大きな差分レベルが見出される。この場合、検証アルゴリズムの再訓練が必要となる。
【0130】
ここでの「より大きい」という用語は、比較の表現であり、実際の動作も数値閾値よりも数学的に低くなり得ることを理解されたい。
【0131】
いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズムの再訓練のステップは、追加の条件が満たされた場合にのみ行われる。例えば、監視システム(20)は、再訓練についてユーザに確認を要求し、ユーザから確認を受信した後に再訓練を実行することができる。別の例では、監視システム(20)は、利用可能な再訓練のための十分なコンピューティングリソースがあるかどうかを決定することができ、利用可能な十分なコンピューティングリソースがあると決定したときに再訓練が開始される。
【0132】
いくつかの実施形態によれば、再訓練ステップは、追加の条件を満たすことなく自動的にトリガされてもよい。
【0133】
いくつかの実施形態によれば、第2の訓練データセットは、ライブデータセットと第2の訓練データセットとの間の差分レベルが第2の閾値よりも低くなるように、訓練データセットのグループから選択されてもよい。このようにして、再訓練された検証アルゴリズムは、分析試験データを処理するためのより良好な性能を有することができる。ここでの「下部」という用語は、比較の表現であり、第1の閾値の「より大きい」の概念とは反対であることを表すためにここで使用されることを理解されたい。第2の閾値は、静的および/または動的とすることができ、例えば、静的成分および動的成分を含むことができる。いくつかの特定の実施形態によれば、ライブデータセットと第1の訓練セットとの間の差分レベルおよびライブデータセットと第2の訓練セットとの間の差分レベルは、同じ差分レベルアルゴリズムを使用して決定される。
【0134】
いくつかの実施形態によれば、第2の訓練データセットは、ライブデータセットを含むことができる。例えば、監視システム(20)は、検証アルゴリズムを再訓練するために、対応するグラウンドトゥルースラベルのライブデータセットを使用することができる。いくつかの実施形態では、監視システム(20)は、ライブデータセットに基づいてそこに含まれるパラメータを調整することによって検証アルゴリズムを更新することができる。このようにして、再訓練された検証アルゴリズムは、第1の訓練データセットおよびライブデータセットの双方について良好な性能を達成することができる。説明を容易にするために、再訓練された検証アルゴリズムは、「第2の検証アルゴリズム」とも呼ばれる。
【0135】
いくつかの他の実施形態によれば、監視システム(20)はまた、ライブデータセットおよび他の訓練データセットを使用して、完全に新たな検証アルゴリズム、例えば初期ニューラルネットワークを引き起こすように再訓練することができる。
【0136】
実際の例では、クラスタ分析を使用してライブデータセットと第1の訓練セットとの間の差分レベルが評価され、クラスタ分析の結果として、ライブデータセットと第1の訓練セットとが同じクラスタに属するとみなされる場合、再訓練は実行されず、クラスタ分析の結果として、ライブデータセットと第1の訓練セットとが異なるクラスタに属するとみなされる場合、再訓練が実行される。
【0137】
ブロック212において、監視システム(20)は、分析試験結果の将来の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用する。例えば、特徴ベクトルは、新たな分析試験データを受信したときに決定され、次いで、分析試験結果を検証するための再訓練された検証アルゴリズムに適用されることができる。
【0138】
上述したプロセスを通して、本開示の実施形態は、現在処理されているライブデータセットが検証アルゴリズムを訓練するために使用される第1の訓練データセットと十分に異なると決定したときに、検証アルゴリズムの再訓練を自動的にトリガすることができる。
【0139】
いくつかの実施形態によれば、再訓練された検証アルゴリズムは、性能条件が満たされた場合にのみ分析試験結果の将来の検証に使用される。そのような性能条件は、例えば、元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能が、再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能よりも悪いこととすることができる。
図4は、本明細書に記載の主題の実装にかかる再訓練された検証アルゴリズムを使用するプロセス(400)のフローチャートを示している。
【0140】
図4に示すように、ブロック402において、監視システム(20)は、元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することができる。いくつかの実施形態では、元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能(すなわち、第1の検証アルゴリズム)は、元の検証アルゴリズムを使用して試験データセットを処理することによって決定されることができる。いくつかの実施形態では、試験データセットは、例えば、複数の分析試験データを含むベンチマーク試験データセットを含むことができる。
【0141】
ブロック404において、監視システム(20)は、再訓練された検証アルゴリズムを用いて試験データセットを処理することによって、再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することができる。
【0142】
いくつかの実施形態によれば、訓練データセットは、オーダーにしたがって再訓練された検証アルゴリズムによって処理されてもよく、第2の性能は、誤った予測の前のいくつかの分析試験結果に基づいて決定されてもよい。
図5Aは、本明細書に記載の主題の異なる実装にかかる再訓練された検証アルゴリズムの性能を決定するプロセス(500A)のフローチャートを示している。
【0143】
図5Aに示すように、ブロック502において、監視システム(20)は、第1の数を決定することができ、第1の数は、オーダーにしたがって再訓練された検証アルゴリズムによって誤った無効化が行われる前に再訓練された検証アルゴリズムによって処理された分析試験結果の数である。ここで、誤った無効化とは、グラウンドトゥルースラベルにしたがって分析試験結果が有効とラベル付けされているにもかかわらず、検証アルゴリズムが、この分析試験結果が無効であると誤って決定することを意味する。例えば、監視システム(20)は、オーダーにしたがって誤った無効化が行われる前に、35個の分析試験結果が検証システムによって処理されたと決定することができる。
【0144】
ブロック504において、監視システム(20)は、第2の数を決定することができ、第2の数は、無効とラベル付けされた分析試験結果がオーダーにしたがって処理される前の分析試験結果の数である。例えば、監視システム(20)は、対応するグラウンドトゥルースラベルのセットに基づいて、無効とラベル付けされた分析試験結果の前に20個の分析試験結果が処理されたと決定することができる。
【0145】
ブロック506において、監視システム(20)は、第1の数の分析試験データおよび第2の数の分析試験データを使用して第2の性能を決定することができる。いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、第1の数の分析試験結果と第2の数の分析試験結果との間の差分値を性能メトリック(第1の性能メトリックとも呼ばれる)として使用することができ、性能メトリックは、性能の定量化である。例えば、第1の数の値が「35」であり、第2の数の値が「20」である場合、第2の性能は、「15」と決定されることができる。この場合、第1の性能メトリックの数値が低いほど、性能が低いことを示すことを理解されたい。しかしながら、当然ながら、より高い数値がより低い性能を示す他の性能メトリック(例えば、前述の性能メトリックの逆数)を定義することも考えられる。
【0146】
いくつかの実施形態によれば、第2の性能は、誤った予測の数に基づいて決定されてもよい。
図5Bは、本明細書に記載の主題の異なる実装にかかる再訓練された検証アルゴリズムの性能を決定するプロセス(500B)のフローチャートを示している。
【0147】
図5Bに示すように、ブロック512において、監視システム(20)は、試験データセットに基づいて再訓練された検証アルゴリズムによって誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を決定することができる。ここで、誤った検証予測とは、検証アルゴリズムが、グラウンドトゥルースラベルにしたがって無効とラベル付けされた分析試験結果が有効であると誤って決定することを意味する。誤った無効化予測とは、検証アルゴリズムが、グラウンドトゥルースラベルにしたがって有効とラベル付けされた分析試験結果が無効であると誤って決定することを意味する。
【0148】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、誤った検証予測の数のみを決定することができる。いくつかの他の実施形態によれば、監視システム(20)は、誤った無効化予測の数のみを決定することができる。いくつかのさらなる実施形態によれば、監視システム(20)は、誤った検証予測の数と無効化予測の数との双方を決定することができ、例えば、誤った検証予測の数と無効化予測の数との合計をさらに計算する。
【0149】
ブロック514において、監視システム(20)は、再訓練された検証アルゴリズムによる誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を使用して第2の性能を決定することができる。例えば、監視システム(20)は、誤った検証予測の数のみを第2の性能のメトリックとして使用することができる。あるいは、監視システム(20)は、誤った無効化予測の数のみを第2の性能のメトリックとして使用してもよい。いくつかの他の例では、監視システム(20)は、双方の数の合計を第2の性能のメトリックとして使用することもできる。このようなタイプのメトリックはまた、第2の性能メトリックとも呼ばれることもある。第2の性能メトリックの値が低いほど、より良好な性能を示すことを理解されたい。
【0150】
いくつかの実施形態によれば、監視システム(20)は、上述したように異なる性能メトリックの組み合わせを使用することができる。例えば、第1および第2の性能メトリックの重み付けされた合計が、第2の性能を決定するために使用されてもよい。
【0151】
再び
図4を参照すると、ブロック406において、監視システム(20)は、第1の性能を第2の性能と比較することができる。第2の性能が第1の性能よりも良くない場合、プロセス(400)は、ブロック410に進むことができる。ブロック410において、監視システム(20)は、再訓練された検証アルゴリズムを自動的に展開するのではなく、例えば、元の検証アルゴリズムを再訓練する必要があるが、検証アルゴリズムの自律的な再訓練が十分に良好ではないことを示すための警告を生成し、および/または異なる(例えば、第3の)訓練データセットを使用して検証アルゴリズムを再訓練することができる。
【0152】
対照的に、第2の性能が第1の性能よりも良好であると決定された場合、プロセス(400)は、ブロック408に進むことができる。ブロック408において、監視システム(20)は、分析試験結果の将来の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することができる。
【0153】
いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズム(第1の検証アルゴリズムまたは第2の検証アルゴリズム)によって無効であるとみなされる分析試験結果は、データバンクにおいてフラグが立てられ、これは、ユーザが失敗した検証について知ることを可能にすることができる。
【0154】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果が検証アルゴリズムによって無効であるとみなされる場合、分析試験結果は、人間、例えば医療専門家によって評価される。いくつかの特定の実施形態によれば、例えば、分析試験結果が、例えば、人間によって許容可能であると考えられるために検証されるべきであった場合、人間はフィードバックを提供する。それぞれのシステムは、人間がフィードバックを入力するために使用することができるインターフェースを備えることができる。フィードバックは、例えば、検証アルゴリズムを(再)訓練するために使用されることができる。
【0155】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果が検証アルゴリズムによって無効とみなされる場合、分析試験が繰り返される。
【0156】
いくつかの実施形態によれば、分析試験結果および検証アルゴリズムの結果の分析が実行されることができる。いくつかの具体的な実施形態によれば、分析は、検証アルゴリズムによって無効であるとみなされる分析試験結果の分析を実行することを含む。例えば、監視システムは、所定の時間内に無効とみなされる分析試験データの数、および/または無効とみなされる連続する分析試験データの数を計算することができる。分析は、検証アルゴリズムによって無効であるとみなされる分析試験結果のパターンを見つけること、例えば、前記分析試験結果を決定する一部である共通の機器および/または共通の人を含むことができる。分析は、メタデータの1つまたは複数の態様と、検証アルゴリズムによって無効であるとみなされる分析試験結果との相関を決定することを含むことができ、これは、例えばこれらの態様に関連する特定の特徴を有する患者に特有であり得るエラーの発生源の可能性を決定することを可能にすることができる。分析は、統計分析を含むことができる。
【0157】
いくつかの実施形態によれば、分析および/または統計に関する情報は、画面上でユーザに表示されることができる。表示は、ダッシュボードおよび/またはグラフを備えることができる。表示された情報は、例えば、異なる分析器、医師、病棟および/またはロットにしたがって蓄積されることができる。
【0158】
いくつかの実施形態によれば、監視システムは、例えば分析に基づいて、分析試験プロセスの起こり得るエラーをユーザ(例えば、監視システムのユーザ、分析機器のユーザ、ミドルウェアのユーザ、HISのユーザ、および/またはLISのユーザ)に通知することができる。例えば、朝に無効とみなされる分析試験データの数が閾値を超えている場合、監視システムは、その朝に実行された分析試験プロセスの起こり得るエラーの通知を生成することができる。通知は、例えば、デバイスにメッセージを送信することによって、デバイスにメッセージを表示することによって、および/またはデバイスによってメッセージを発声することによって、それぞれの信号をユーザに示すことを含むことができる。示された信号は、例えば、どの分析装置、どのロット、および/またはどの人員がエラーに関連しているかなど、エラーに関する情報を含むことができる。
【0159】
いくつかの特定の実施形態によれば、分析試験結果は、分析機器によって提供され、監視システムは、分析に基づいて分析機器に関連付けられた起こり得るエラーを分析機器のユーザに通知するように設計されている。
【0160】
いくつかの実施形態によれば、検証アルゴリズムは、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムを含むことができる。第1および第2のアルゴリズムの双方は、分析試験結果に関連付けられた特徴ベクトルを受信し、分析試験結果が有効であるかどうかの予測を出力するように構成されることができる。
【0161】
いくつかの実施形態によれば、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムは、第1のアルゴリズムが分析試験データの検証に関して第2のアルゴリズムよりも厳密であるように訓練される。ここでの「より厳密」とは、例えば、第1のアルゴリズムによって無効であると考えられる特定のデータセットの分析試験データの共有が、第2のアルゴリズムによって無効であると考えられるこの特定のデータセットの分析試験データの共有よりも大きいことを意味することができ、例えば、現在の検証アルゴリズムが訓練される特定のデータセットは、試験データセットおよび/または標準化されたデータセットであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムは、同じ構造を有するニューラルネットワークモデルを使用して実装されてもよい。第1のアルゴリズムが第2のアルゴリズムよりも低い偽陽性率を有するように、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムのハイパーパラメータが調整されることができる。本明細書では、偽陽性予測とは、例えば医療専門家によって無効とラベル付けされているにもかかわらず、検証アルゴリズムが分析試験結果を有効であると誤ってみなすことを意味する。
【0162】
いくつかの実施形態によれば、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムは、異なるレベルの警告を生成するために使用されることができる。
図6は、本明細書に記載の主題の実装にかかる検証アルゴリズムによって警告を生成するプロセス(600)のフローチャートを示している。
【0163】
図6に示すように、ブロック602において、監視システム(20)は、第1のアルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することができる。例えば、分析試験結果に関連付けられた特徴ベクトルは、第1のアルゴリズムに適用されることができる。
【0164】
ブロック604において、監視システム(20)は、分析試験結果が第1のアルゴリズムによって無効とみなされるかどうかを決定する。いいえの場合、プロセス(600)は、ブロック612に進むことができる。ブロック612において、監視システム(20)は、次の分析試験結果を処理することができる。
【0165】
分析試験結果が第1のアルゴリズムによって無効であるとみなされる場合、プロセス(600)は、ブロック606に進むことができる。ブロック606において、監視システム(20)は、第2のアルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することができる。換言すれば、第2のアルゴリズムは、分析試験結果が第1のアルゴリズムによって無効であるとみなされた場合にのみ分析試験データを処理する。例えば、分析試験結果に関連付けられた特徴ベクトルは、第2のアルゴリズムに適用されることができる。
【0166】
ブロック608において、監視システム(20)は、分析試験結果が第2のアルゴリズムによって無効とみなされるかどうかを決定する。いいえの場合、プロセス(600)は、ブロック614に進むことができる。ブロック614において、監視システム(20)は、第1のレベルの警告を生成することができる。
【0167】
分析試験結果が第2のアルゴリズムによって無効であるとみなされる場合、プロセス(600)は、ブロック610に進むことができる。ブロック600において、監視システム(20)は、第1のレベルの警告を生成することができる。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、第2の警告レベルは、第1の警告レベルよりも高い深刻度を示すことができる。例えば、第2のレベルの警告は、第1のレベルの警告よりも明るい色、より大きな音、および/またはより大きな振動を使用することができる。
【0169】
このようにして、監視システム(20)は、異なるレベルの警告を提供することができ、それによって誤った警告によって引き起こされる不必要な中断を回避することができる。
【0170】
図7は、本開示の実施形態を実施するための例示的なデバイス700の概略ブロック図を示している。例えば、本開示の実施形態にかかる監視システム(20)は、デバイス700によって実装されることができる。図示のように、デバイス700は、中央処理装置(CPU)701を含み、中央処理装置は、読み出し専用メモリ(ROM)702に記憶されたコンピュータプログラム命令、または記憶ユニット708からランダムアクセスメモリ(RAM)703にロードされたコンピュータプログラム命令に基づいて、様々な適切な動作および処理を実行することができる。RAM703はまた、デバイス700の動作によって必要とされる全てのタイプのプログラムおよびデータを記憶することができる。CPU701、ROM702およびRAM703は、バス704により相互に接続される。バス704にはまた、入出力(I/O)インターフェース705も接続される。
【0171】
I/Oインターフェース705には、例えばキーボードやマウスなどの入力ユニット706;例えば各種ディスプレイやスピーカなどの出力ユニット707;磁気ディスクや光ディスクなどの記憶ユニット708;ネットワークカード、モデム、無線トランシーバなどの通信ユニット709などを含むデバイス700内の複数の構成要素が接続される。通信ユニット709は、デバイス700が、インターネットおよび/または様々な電気通信ネットワークなどのコンピュータネットワークを介して他のデバイスと情報/データを交換することを可能にする。
【0172】
上述した処理およびプロセス、例えばプロセス200は、処理ユニット701において行うこともできる。例えば、いくつかの実施形態では、プロセス200は、機械可読媒体、例えば記憶ユニット708に有形に含まれるコンピュータソフトウェアプログラムとして実装されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、ROM702および/または通信ユニット709を介して、デバイス700に部分的または完全にロードおよび/または実装されてもよい。コンピュータプログラムがRAM703にロードされ、CPU701によって実行されると、上述した方法またはプロセスのうちの1つまたは複数のステップが実施されることができる。
【0173】
本開示は、方法、デバイス、システム、および/またはコンピュータプログラム製品とすることができる。コンピュータプログラム製品は、本開示の様々な態様を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令がロードされるコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0174】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって利用される命令を維持および記憶する有形デバイスであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、限定されないが、蓄電デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または上記の任意の適切な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体(非網羅的なリスト)のより具体的な例は、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、機械的コーディングデバイス、命令が記憶されたパンチカード、またはスロット内の投影、および上記の任意の適切な組み合わせを含む。本明細書で利用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは自由に伝播される電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を介して伝播される電磁波(光ファイバケーブルを介した光パルスなど)、または電線を介して伝播される電気信号などの過渡信号自体として解釈されない。
【0175】
記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から各コンピューティング/処理デバイスに、またはインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークおよび/または無線ネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光ファイバ伝送、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ネットワークゲートコンピュータおよび/またはエッジサーバを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、各コンピューティング/処理デバイスのコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0176】
本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラム命令は、アセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)の命令、機械命令、機械関連命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードもしくはターゲットコードであってもよく、プログラミング言語は、例えば、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語からなる。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザコンピュータ上に、部分的にユーザコンピュータ上に、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザコンピュータ上および部分的にリモートコンピュータ上に、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上に実装されてもよい。リモートコンピュータが関与する場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザコンピュータに、または外部コンピュータに接続されることができる(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して接続される)。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報は、電子回路、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブル論理アレイ(PLA)をカスタマイズするために使用される。電子回路は、本開示の様々な態様を実施するためにコンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0177】
本開示の様々な態様は、本開示の実施形態にかかる方法、デバイス(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図の様々なブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施されることができることを理解されたい。
【0178】
コンピュータ可読プログラム命令は、機械を製造するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理デバイスの処理ユニットに提供されてもよく、その結果、命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理デバイスの処理ユニットによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて規定された機能/動作を実施するためのデバイスを生成する。コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブルデータ処理デバイス、および/または他のデバイスを特定の方法で動作させることができ、それにより、命令とともに記憶されたコンピュータ可読媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで規定された機能/動作の様々な態様を実施するための命令を含む製品を含む。
【0179】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理デバイス、または他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理デバイス、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行して、コンピュータ実装手順を生成することができる。したがって、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理デバイス、または他のデバイス上で実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて規定された機能/動作を実施する。
【0180】
図面のフローチャートおよびブロック図は、本開示の複数の実装にかかるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品によって実施されることができるシステムアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、モジュール、プログラムセグメントまたはコードの一部を表すことができ、モジュールおよびプログラムセグメントまたはコードの一部は、規定された論理機能を実行するための1つまたは複数の実行可能命令を含む。いくつかの代替の実装では、ブロックに示された機能はまた、図面に示されたものとは異なる順序で行われてもよいことを理解されたい。例えば、2つの連続するブロックは、実際には、関与する機能に応じて並列に、または時には逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート内の各ブロックならびにブロック図および/またはフローチャート内のブロックの組み合わせは、規定された機能または動作を実行するために排他的にハードウェアベースのシステムによって、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装されてもよいことを理解されたい。
【0181】
本開示の様々な実装について上述したが、上記の説明は、網羅的ではなく例示的なものにすぎず、本開示の実装に限定されない。説明された様々な実装の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの変更および代替が当業者にとって明らかである。本文中の用語の選択は、各実装の原理および実際の適用ならびに各実施形態によって市場で行われる技術的改善を最もよく説明すること、または当業者が本開示の実装を理解することを可能にすることを目的とする。
【0182】
以下の実施形態が提案される:
【0183】
提案1.診断分析システム(1)であって、
分析試験結果を提供するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
分析試験データを処理するように設計された監視システム(20)と、を備え、
分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含み、
監視システム(20)が、検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証するように設計されており、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
監視システム(20)が、
分析試験データのライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
差分レベルが、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、診断分析システム。
【0184】
提案2.ライブデータセットと第2の訓練データセットとの間の差分レベルが、第2の閾値よりも低い、提案1に記載の診断分析システム。
【0185】
提案3.第2の訓練データセットがライブデータセットを含む、提案1または2に記載の診断分析システム。
【0186】
提案4.監視システム(20)が、
分析試験結果および検証アルゴリズムの結果の分析を実行するように設計されている、提案1~3のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0187】
提案5.監視システム(20)が、分析に基づく分析試験プロセスに関連付けられた起こり得るエラーを監視システム(20)のユーザに通知するように設計されている、提案4に記載の診断分析システム。
【0188】
提案6.1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、生物学的試料を処理し、生物学的試料に関連付けられた分析試験結果を提供するように設計された生物学的試料分析器である、提案1~5のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0189】
提案7.1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、デジタルデータを収集し、分析試験結果を得るためにデジタルデータを使用するように設計されたデジタル分析器である、提案1~6のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0190】
提案8.データセットの分布特性が、データセットに含まれる分析試験結果の値を使用して決定される、提案1~7のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0191】
提案9.データセットの分布特性が、データセットに含まれる分析試験結果に関連付けられたメタデータを使用して決定される、提案1~8のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0192】
提案10.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の年齢を少なくとも含む、提案1~9のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0193】
提案11.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の性別を少なくとも含む、提案1~10のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0194】
提案12.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の由来のタイプを少なくとも含む、提案1~11のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0195】
提案13.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の病棟を少なくとも含む、提案1~12のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0196】
提案14.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の健康診断を少なくとも含む、提案1~13のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0197】
提案15.監視システム(20)が、
ライブデータセットに関連付けられたメタデータに基づいて第1の特性値を決定することと、
第1の訓練データセットに関連付けられたメタデータに基づいて第2の特性値を決定することと、
第1の特性値および第2の特性値を使用して差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、提案1~14のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0198】
提案16.第1の特性値および第2の特性値が、それぞれ、同じ特性化アルゴリズムを使用して決定される、提案15に記載の診断分析システム。
【0199】
提案17.特性化アルゴリズムが、各分析試験データのメタデータの同じ1つまたは複数の態様を使用する、提案16に記載の診断分析システム。
【0200】
提案18.同じ1つまたは複数の態様が、
分析試験結果に関連付けられた患者の年齢、
患者の性別、
患者の由来のタイプ、
患者の病棟、および
患者の健康診断、のうちの少なくとも1つである、提案17に記載の診断分析システム。
【0201】
提案19.監視システム(20)が、
ライブデータセットの第1の特徴とライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットとの間の第1の関連付けを決定することであって、グラウンドトゥルースラベルの第1のセットが、ライブデータセットに含まれる複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第1の関連付けを決定することと、
第1の訓練データセットの第2の特徴と第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットとの間の第2の関連付けを決定することであって、グラウンドトゥルースラベルの第2のセットが、第1の訓練データセットに含まれる複数の訓練分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第2の関連付けを決定することと、
第1の関連付けおよび第2の関連付けを使用して差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、提案1~18のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0202】
提案20.第1の特徴および第2の特徴が、分析試験結果の値および各分析試験データのメタデータの同じ1つまたは複数の態様のうちの少なくとも1つを含む、提案19に記載の診断分析システム。
【0203】
提案21.監視システム(20)が、
無効とラベル付けされたライブデータセットの分析試験結果の第1のパーセンテージを決定することと、
無効とラベル付けされた第1の訓練データセットの分析試験結果の第2のパーセンテージを決定することと、
第1のパーセンテージおよび第2のパーセンテージを使用して差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、提案1~20のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0204】
提案22.監視システム(20)が、
元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することと、
再訓練された検証アルゴリズムを用いて試験データセットを処理することによって、再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することであって、試験データセットが複数の分析試験データを含む、第2の性能を決定することと、
第2の性能が第1の性能よりも良好である場合、分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、提案1~21のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0205】
提案23.元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することが、
元の検証アルゴリズムを使用して試験データセットを処理することによって第1の性能を決定することを含む、提案22に記載の診断分析システム。
【0206】
提案24.訓練データセットが、再訓練された検証アルゴリズムによってオーダーにしたがって処理され、監視システム(20)が、
第1の数を決定することであって、第1の数が、オーダーにしたがって再訓練された検証アルゴリズムによって誤った無効化が行われる前に再訓練された検証アルゴリズムによって処理された分析試験結果の数である、第1の数を決定することと、
第2の数を決定することであって、第2の数が、無効とラベル付けされた分析試験結果がオーダーにしたがって処理される前の分析試験結果の数である、第2の数を決定することと、
分析試験データの第1の数および分析試験データの第2の数を使用して第2の性能を決定することと、を行うように設計されている、提案22または23に記載の診断分析システム。
【0207】
提案25.監視システム(20)が、
試験データセットに基づいて、再訓練された検証アルゴリズムによって誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を決定することと、
再訓練された検証アルゴリズムによる誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を使用して第2の性能を決定することと、を行うように設計されている、提案22~24のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0208】
提案26.検証アルゴリズムが、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムを含み、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムが、第1のアルゴリズムが分析試験データの検証に関して第2のアルゴリズムよりも厳格であるように訓練される、提案1~25のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0209】
提案27.第2のアルゴリズムが、分析試験結果が第1のアルゴリズムによって無効であるとみなされた場合に分析試験データを処理する、提案26に記載の診断分析システム。
【0210】
提案28.監視システム(20)が、分析試験データが第1のアルゴリズムによって無効であるとみなされた場合に、第1のレベルの警告を生成するように設計されており、
監視システム(20)が、分析試験データが無効であり、第2のアルゴリズムによって無効であるとみなされた場合に、第2のレベルの警告を生成するように設計されている、提案26または27に記載の診断分析システム。
【0211】
提案29.第2のレベルの警告が、第1のレベルの警告よりも深刻度が高いことを示す、提案28に記載の診断分析システム。
【0212】
提案30.検証アルゴリズムがニューラルネットワークを使用して実装される、提案1~29のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0213】
提案31.診断分析試験を監視するための、例えば品質管理監視のためのコンピュータ実装方法であって、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを受信すること(202)であって、各分析試験データが分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、ライブデータセットを受信することと、
検証アルゴリズムを使用してライブデータセットの分析試験結果を検証すること(204)であって、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価すること(206)であって、
差分レベルが、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練セットを使用して検証アルゴリズムを再訓練すること(210)と、を含む、コンピュータ実装方法。
【0214】
提案32.さらに、
分析試験結果の将来の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用すること(212)を含む、提案31に記載のコンピュータ実装方法。
【0215】
提案33.ライブデータセットと第2の訓練データセットとの間の差分レベルが、第2の閾値よりも低い、提案31または32に記載のコンピュータ実装方法。
【0216】
提案34.第2の訓練データセットがライブデータセットを含む、提案31~33のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0217】
提案35.さらに、
分析試験結果および検証アルゴリズムの結果の分析を実行するように設計されている、提案31~34のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【0218】
提案36.さらに、
分析に基づいて分析試験プロセスに関連付けられた可能性のあるエラーをユーザに通知することを含む、提案35に記載のコンピュータ実装方法。
【0219】
提案37.1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、生物学的試料を処理し、生物学的試料に関連付けられた分析試験結果を提供するように設計された生物学的試料分析器である、提案31~36のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0220】
提案38.1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、デジタルデータを収集し、分析試験結果を得るためにデジタルデータを使用するように設計されたデジタル分析器である、提案31~37のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【0221】
提案39.データセットの分布特性が、データセットに含まれる分析試験結果の値を使用して決定される、提案31~38のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0222】
提案40.データセットの分布特性が、データセットに含まれる分析試験結果に関連付けられたメタデータを使用して決定される、提案31~39のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0223】
提案41.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の年齢を少なくとも含む、提案31~40のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0224】
提案42.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の性別を少なくとも含む、提案31~41のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0225】
提案43.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の由来のタイプを少なくとも含む、提案31~42のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0226】
提案44.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の病棟を少なくとも含む、提案31~43のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0227】
提案45.メタデータが、分析試験結果に関連付けられた患者の健康診断を少なくとも含む、提案31~44のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0228】
提案46.ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価すること(206)が、
ライブデータセットに関連付けられたメタデータに基づいて第1の特性値を決定することと、
第1の訓練データセットに関連付けられたメタデータに基づいて第2の特性値を決定することと、
第1の特性値および第2の特性値を使用して差分レベルを評価することと、を含む、提案31~45のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0229】
提案47.第1の特性値および第2の特性値が、それぞれ、同じ特性化アルゴリズムを使用して決定される、提案46に記載のコンピュータ実装方法。
【0230】
提案48.特性化アルゴリズムが、各分析試験データのメタデータの同じ1つまたは複数の態様を使用する、提案47に記載のコンピュータ実装方法。
【0231】
提案49.同じ1つまたは複数の態様が、
分析試験結果に関連付けられた患者の年齢、
患者の性別、
患者の由来のタイプ、
患者の病棟、および
患者の健康診断、のうちの少なくとも1つである、提案48に記載のコンピュータ実装方法。
【0232】
提案50.ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価すること(206)が、
ライブデータセットの第1の特徴とライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットとの間の第1の関連付けを決定することであって、グラウンドトゥルースラベルの第1のセットが、ライブデータセットに含まれる複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第1の関連付けを決定することと、
第1の訓練データセットの第2の特徴と第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットとの間の第2の関連付けを決定することであって、グラウンドトゥルースラベルの第2のセットが、第1の訓練データセットに含まれる複数の訓練分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第2の関連付けを決定することと、
第1の関連付けおよび第2の関連付けを使用して差分レベルを評価することと、を含む、提案31~49のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0233】
提案51.第1の特徴および第2の特徴が、分析試験結果の値および各分析試験データのメタデータの同じ1つまたは複数の態様のうちの少なくとも1つを含む、提案50に記載のコンピュータ実装方法。
【0234】
提案52.ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価すること(206)が、
無効とラベル付けされたライブデータセットの分析試験結果の第1のパーセンテージを決定することと、
無効とラベル付けされた第1の訓練データセットの分析試験結果の第2のパーセンテージを決定することと、
第1のパーセンテージおよび第2のパーセンテージを使用して差分レベルを評価することと、を含む、提案50または51に記載のコンピュータ実装方法。
【0235】
提案53.検証アルゴリズムの再訓練のステップが、追加の条件が満たされた場合にのみ行われる、提案31~52のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0236】
提案54.再訓練された検証アルゴリズムが、性能条件が満たされた場合にのみ分析試験結果の将来の検証に使用される、提案53に記載のコンピュータ実装方法。
【0237】
提案55.分析試験結果の将来の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用すること(212)が、
元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することと、
再訓練された検証アルゴリズムを用いて試験データセットを処理することによって、再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することであって、試験データセットが複数の分析試験データを含む、第2の性能を決定することと、
第2の性能が第1の性能よりも良好である場合、分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を含む、提案54に記載のコンピュータ実装方法。
【0238】
提案56.元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することが、
元の検証アルゴリズムを使用して試験データセットを処理することによって第1の性能を決定することを含む、提案55に記載のコンピュータ実装方法。
【0239】
提案57.訓練データセットが、オーダーにしたがって再訓練された検証アルゴリズムによって処理され、再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することが、
第1の数を決定することであって、第1の数が、オーダーにしたがって再訓練された検証アルゴリズムによって誤った無効化が行われる前に再訓練された検証アルゴリズムによって処理された分析試験結果の数である、第1の数を決定することと、
第2の数を決定することであって、第2の数が、無効とラベル付けされた分析試験結果がオーダーにしたがって処理される前の分析試験結果の数である、第2の数を決定することと、
分析試験データの第1の数および分析試験データの第2の数を使用して第2の性能を決定することと、を含む、提案55または56に記載のコンピュータ実装方法。
【0240】
提案58.再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することが、
試験データセットに基づいて、再訓練された検証アルゴリズムによって誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を決定することと、
再訓練された検証アルゴリズムによる誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を使用して第2の性能を決定することと、を含む、提案55~57のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0241】
提案59.検証アルゴリズムが、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムを含み、第1のアルゴリズムおよび第2のアルゴリズムが、第1のアルゴリズムが分析試験データの検証に関して第2のアルゴリズムよりも厳格であるように訓練される、提案31~58のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0242】
提案60.第2のアルゴリズムが、分析試験結果が第1のアルゴリズムによって無効であるとみなされた場合に分析試験データを処理する、提案58に記載のコンピュータ実装方法。
【0243】
提案61.さらに、
分析試験データが第1のアルゴリズムによって無効とみなされた場合に第1のレベルの警告を生成することと、
分析試験データが第2のアルゴリズムによって無効であるとみなされた場合に第2の警告レベルを生成することと、を含む、提案59または60に記載のコンピュータ実装方法。
【0244】
提案62.第2レベルの警告が、第1のレベルの警告よりも深刻度が高いことを示す、提案61に記載のコンピュータ実装方法。
【0245】
提案63.検証アルゴリズムがニューラルネットワークを使用して実装される、提案31~62のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0246】
提案64.診断分析試験を監視するための方法であって、
複数の分析試験結果を決定することと、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを提供することであって、各分析試験データが、複数の分析試験結果のうちの分析試験結果と、分析試験結果に関連付けられたメタデータとを含む、ライブデータセットを提供することと、
提案31~63のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法のステップを実行することと、を含む、方法。
【0247】
提案65.診断分析システム(1)であって、
分析試験結果を決定するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
提案31~63のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行するように構成された監視システム(20)と、を備える、診断分析システム。
【0248】
提案66.1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、生物学的試料を処理し、生物学的試料に関連付けられた分析試験結果を提供するように設計された生物学的試料分析器(10)である、提案65に記載の診断分析システム。
【0249】
提案67.1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、デジタルデータを収集し、分析試験結果を得るためにデジタルデータを使用するように設計されたデジタル分析器である、提案65または66に記載の診断分析システム。
【0250】
提案68.診断分析試験のための監視システム(20)であって、
分析試験データを処理することであって、
分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
分析試験データのライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
差分レベルが、ライブデータセットと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
ライブデータセットと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、監視システム(20)。
【0251】
この提案68は、提案2から30の特徴にしたがって実装されることができる。
【0252】
提案69.診断関連分析試験を監視するためのコンピュータ実装方法であって、
分析試験データを処理することであって、
分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
処理されている複数の分析試験データと第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
差分レベルが、処理されている複数の分析試験データと第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、評価することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0253】
提案70.さらに、
処理されている複数の分析試験データと第1の訓練データセットとの間の差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の将来の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を含む、提案69に記載のコンピュータ実装方法。
【0254】
これらの提案69および70は、それぞれ、提案31から63の特徴にしたがって実装されることができ、「処理されている複数の分析試験データ」は、「ライブデータセット」の役割を果たす。
【0255】
提案71.診断分析試験のための監視システム(20)であって、
処理ユニット(701)と、
処理ユニットに結合され、命令が記憶されているメモリ(702、703)と、を備え、命令は処理ユニットによって実行されると、電子デバイスに提案31~63のいずれか一項に記載の方法を実行させる、メモリ(702、703)と、を備える、監視システム。
【0256】
提案72.命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、提案31~63のいずれか一項に記載の方法を実行させる、可読媒体。
【0257】
提案された方法および/またはその一部を実行するように設計されたシステムがさらに提案される。提案された方法は、少なくとも部分的に、コンピュータ実装方法として実現されることができる。
【0258】
命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、提案された方法および/またはその一部を実行させる、コンピュータ可読媒体がさらに提案される。
【0259】
提案されたシステムによって具体化される方法がさらに提案される。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断分析システム(1)であって、
分析試験結果を提供するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
分析試験データを処理するように設計された監視システム(20)と、を備え、
前記分析試験データが、前記1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含み、
前記監視システム(20)が、検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証するように設計されており、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含み、
前記監視システム(20)が、
分析試験データのライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
前記差分レベルが、前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の前記差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して前記検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、診断分析システム。
【請求項2】
前記ライブデータセットと前記第2の訓練データセットとの間の差分レベルが、第2の閾値よりも低い、請求項1に記載の診断分析システム。
【請求項3】
前記第2の訓練データセットが前記ライブデータセットを含む、請求項1または2に記載の診断分析システム。
【請求項4】
前記監視システム(20)が、
前記分析試験結果および前記検証アルゴリズムの結果の分析を実行するように設計されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項5】
前記監視システム(20)が、前記分析に基づく分析試験プロセスに関連付けられた起こり得るエラーを前記監視システム(20)のユーザに通知するように設計されている、請求項4に記載の診断分析システム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の分析機器(10)のうちの少なくとも1つが、生物学的試料を処理し、前記生物学的試料に関連付けられた分析試験結果を提供するように設計された生物学的試料分析器である、請求項1から5のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項7】
データセットの分布特性が、前記データセットに含まれる前記分析試験結果の値を使用して決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項8】
データセットの分布特性が、前記データセットに含まれる前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを使用して決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項9】
前記メタデータが、少なくとも
前記分析試験結果に関連付けられた患者の年齢、
前記患者の性別、
前記患者の由来のタイプ、
前記患者の病棟、および
前記患者の健康診断、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項10】
前記監視システム(20)が、
前記ライブデータセットに関連付けられたメタデータに基づいて第1の特性値を決定することと、
前記第1の訓練データセットに関連付けられたメタデータに基づいて第2の特性値を決定することと、
前記第1の特性値および前記第2の特性値を使用して前記差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項11】
前記監視システム(20)が、
前記ライブデータセットの第1の特徴と前記ライブデータセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第1のセットとの間の第1の関連付けを決定することであって、前記グラウンドトゥルースラベルの第1のセットが、前記ライブデータセットに含まれる前記複数の分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第1の関連付けを決定することと、
前記第1の訓練データセットの第2の特徴と前記第1の訓練データセットに関連付けられたグラウンドトゥルースラベルの第2のセットとの間の第2の関連付けを決定することであって、前記グラウンドトゥルースラベルの第2のセットが、前記第1の訓練データセットに含まれる前記複数の訓練分析試験データのそれぞれの有効性値を示す、第2の関連付けを決定することと、
前記第1の関連付けおよび前記第2の関連付けを使用して前記差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項12】
前記監視システム(20)が、
無効とラベル付けされた前記ライブデータセットの分析試験結果の第1のパーセンテージを決定することと、
無効とラベル付けされた前記第1の訓練データセットの分析試験結果の第2のパーセンテージを決定することと、
前記第1のパーセンテージおよび前記第2のパーセンテージを使用して前記差分レベルを評価することと、を行うように設計されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項13】
前記監視システム(20)が、
元の検証アルゴリズムに関連付けられた第1の性能を取得することと、
前記再訓練された検証アルゴリズムを用いて試験データセットを処理することによって、前記再訓練された検証アルゴリズムに関連付けられた第2の性能を決定することであって、前記試験データセットが複数の分析試験データを含む、第2の性能を決定することと、
前記第2の性能が前記第1の性能よりも良好である場合、分析試験結果の検証のために前記再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の診断分析システム。
【請求項14】
前記訓練データセットが、前記再訓練された検証アルゴリズムによってオーダーにしたがって処理され、前記監視システム(20)が、
第1の数を決定することであって、前記第1の数が、前記オーダーにしたがって前記再訓練された検証アルゴリズムによって誤った無効化が行われる前に前記再訓練された検証アルゴリズムによって処理された分析試験結果の数である、第1の数を決定することと、
第2の数を決定することであって、前記第2の数が、無効とラベル付けされた分析試験結果が前記オーダーにしたがって処理される前の分析試験結果の数である、第2の数を決定することと、
分析試験データの前記第1の数および分析試験データの前記第2の数を使用して前記第2の性能を決定することと、を行うように設計されている、請求項13に記載の診断分析システム。
【請求項15】
前記監視システム(20)が、
前記試験データセットに基づいて、前記再訓練された検証アルゴリズムによって誤った検証予測および/または誤った無効化予測の数を決定することと、
前記再訓練された検証アルゴリズムによる前記誤った検証予測および/または前記誤った無効化予測の数を使用して前記第2の性能を決定することと、を行うように設計されている、請求項13または14に記載の診断分析システム。
【請求項16】
診断分析試験の品質管理監視のためのコンピュータ実装方法であって、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを受信すること(202)であって、各分析試験データが分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、ライブデータセットを受信することと、
検証アルゴリズムを使用して前記ライブデータセットの分析試験結果を検証すること(204)であって、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価すること(206)であって、
前記差分レベルが、前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の前記差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練
データセットを使用して前記検証アルゴリズムを再訓練すること(210)と、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
診断分析試験を監視するための方法であって、
複数の分析試験結果を決定することと、
複数の分析試験データを含むライブデータセットを提供することであって、各分析試験データが、前記複数の分析試験結果のうちの分析試験結果と、前記分析試験結果に関連付けられたメタデータとを含む、ライブデータセットを提供することと、
請求項16に記載のコンピュータ実装方法のステップを実行することと、を含む、方法。
【請求項18】
診断分析システム(1)であって、
分析試験結果を決定するように設計された1つまたは複数の分析機器(10)と、
請求項16に記載のコンピュータ実装方法を実行するように構成された監視システム(20)と、を備える、診断分析システム。
【請求項19】
診断分析試験のための監視システム(20)であって、前記監視システム(20)が、
分析試験データを処理することであって、
前記分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
分析試験データのライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
前記差分レベルが、前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、
前記ライブデータセットと前記第1の訓練データセットとの間の前記差分レベルが第1の閾値よりも大きい場合、第2の訓練データセットを使用して前記検証アルゴリズムを再訓練することと、
分析試験結果の検証のために再訓練された検証アルゴリズムを使用することと、を行うように設計されている、監視システム。
【請求項20】
診断関連分析試験を監視するためのコンピュータ実装方法であって、
分析試験データを処理することであって、
前記分析試験データが、1つまたは複数の分析機器(10)によって提供される分析試験結果および前記分析試験結果に関連付けられたメタデータを含む、分析試験データを処理することと、
検証アルゴリズムを使用して分析試験結果を検証することであって、
前記検証アルゴリズムが、複数の訓練分析試験データを含む第1の訓練データセットを使用して訓練され、各訓練分析試験データが訓練分析試験結果および訓練メタデータを含む、分析試験結果を検証することと、
処理されている複数の分析試験データと前記第1の訓練データセットとの間の差分レベルを評価することであって、
前記差分レベルが、処理されている前記複数の分析試験データと前記第1の訓練データセットとの分布特性の比較に基づいて決定される、差分レベルを評価することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項21】
診断分析試験のための監視システム(20)であって、
処理ユニット(701)と、
前記処理ユニットに結合され、命令が記憶されているメモリ(702、703)と、を備え、前記命令は、前記処理ユニットによって実行されると、電子デバイスに請求項16に記載の方法を実行させる、監視システム。
【請求項22】
命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、請求項16に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】