IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コッラーダ エス.ピー.エー.の特許一覧

特表2023-546070電気用途向け積層パッケージ組立装置
<>
  • 特表-電気用途向け積層パッケージ組立装置 図1
  • 特表-電気用途向け積層パッケージ組立装置 図2
  • 特表-電気用途向け積層パッケージ組立装置 図3
  • 特表-電気用途向け積層パッケージ組立装置 図4
  • 特表-電気用途向け積層パッケージ組立装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】電気用途向け積層パッケージ組立装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/02 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
H02K15/02 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522457
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2021077242
(87)【国際公開番号】W WO2022078794
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】102020000024190
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518294812
【氏名又は名称】コッラーダ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】ヴェッリ ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】クラートリ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ベルトッキ ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】ペルッキ ピエトロ マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】デ ロッシ イヴァン
【テーマコード(参考)】
5H615
【Fターム(参考)】
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB02
5H615PP01
5H615PP02
5H615PP06
5H615SS03
5H615SS05
5H615SS18
5H615SS34
5H615SS35
(57)【要約】
モータ、発電機、変圧器、メータ、点火コイル及びこれらに類似する電気機器等の電気機械での電気用途向け積層パッケージを、単一成分接着剤又は二成分接着剤を用いる接着によって組み立てる組立装置(10)であって、切断金型(30)内又は切断金型(30)外に設けられる組立装置であり、シート(32)の下面(32′)に、前記シート(32)の進行ピッチに対応するピッチに応じて、所定量の接着剤(33)を塗布する手段を有する装置を備え、前記所定量の接着剤を塗布する手段は、収容手段から前記接着剤を引き出す手段と、伝動手段(11)により、前記シート(32)の進行と同時にかつ同期して動作して、前記接着剤を付着し、層材を切断する、前記接着剤を付着する手段とを備える組立装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ、発電機、変圧器、メータ、点火コイル及びこれらに類似する電気機器等の電気機械での電気用途向け積層パッケージを、単一成分接着剤又は二成分接着剤を用いる接着によって組み立てる組立装置(10)であって、切断金型(30)内又は切断金型(30)外に設けられる組立装置であり、
シート(32)の下面(32′)に、前記シート(32)の進行ピッチに対応するピッチに従って、所定量の接着剤(33)を塗布する手段を有する装置を備え、
前記所定量の接着剤を塗布する手段は、接着剤を収容手段から引き出す手段であって、第1本体(12)に回転自在に支持される第1ローラ(すなわち、ドラフトローラ)(16)を有する、接着剤を収容手段から引き出す手段と、接着剤を付着する手段であって、第2本体(18)に回転自在に支持される第2ローラ(すなわち、モールドローラ)(22)を有する、接着剤を付着する手段とを備え、
前記第1ローラ(16)と前記第2ローラ(22)とは、互いに回転軸線が平行で、伝動手段(11)により、前記シート(32)の進行と同時にかつ同期して動作し、前記第1ローラと前記第2ローラの各周面で接触し、層材を切断し、
前記伝動手段は、前記第1ローラ(16)とは反対側に設けられて、前記第1ローラと軸線を同じくして回転軸線を共有する第1ホイール(14)と、前記第2ローラ(22)とは反対側に設けられて、前記第2ローラと軸線を同じくして回転軸線を共有する第2ホイール(20)とを備え、
前記第1ホイール(14)と前記第2ホイール(20)の一方は、駆動側であり、
前記第1ホイール(14)と前記第2ホイール(20)の他方は、モータ(26)を有する駆動手段により伝達回転駆動されることを特徴とする組立装置。
【請求項2】
前記第1ローラ(16)は、接着剤収容手段に部分的に浸漬され、前記接着剤収容手段は、前記第1ローラ(16)の下に設けられて、前記第1ローラ(16)の全周面に沿って、一層の接着剤を付着するトレイ(24)を備えることを特徴とする請求項1に記載の組立装置。
【請求項3】
前記第2ローラ(すなわち、モールドローラ)(22)は、前記第2ローラ(22)の全周部に沿って形成されて広がる接着剤付着手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の組立装置。
【請求項4】
前記接着剤付着手段は、前記第2ローラ(22)の全周面に対して外向きに突出する複数個の突起(28)を備え、前記外向きに突出する複数個の突起(28)のピッチは、前記モールド内での前記シートの進行度合いに合わせて決定され、前記外向きに突出する複数個の突起(28)は、前記第1ローラ(16)から移し替えられて、前記シート(32)の進行ピッチに合わせて、前記シート(32)の下面(32′)に形成されることになる接着剤の所定量(33)用の受取部を構成することを特徴とする、請求項3に記載の組立装置。
【請求項5】
前記接着剤付着手段は、前記第2ローラの周側面を起点とし、前記第2ローラの厚さ方向に延びる複数個の切り込み又は窪みを備え、前記切り込み又は窪みは、互いに等間隔に間を空け、前記第2ローラの全周輪郭に沿って設けられ、前記切り込み又は窪みのピッチは、前記モールド内での前記シートの進行に合わせて決定され、前記切り込み又は窪みは、前記第1ローラ(16)から移し替えられて、前記シート(32)の進行ピッチに合わせて、前記シート(32)の下面(32′)に形成されることになる接着剤の所定量(33)用の受け部を構成することを特徴とする、請求項3に記載の組立装置。
【請求項6】
前記切断金型内又は切断金型外に設けられ、シート(32)の上面(32”)に載せる二成分接着剤の第二成分用の供給手段を備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1に記載の組立装置。
【請求項7】
前記第2接着剤成分用の供給手段は、前記シート(32)の上面(32”)に、層状の第2接着剤成分を塗布するのに適したスプレイで構成されることを特徴とする、請求項6に記載の組立装置。
【請求項8】
前記第2接着剤成分用の供給手段は、所定量の第2接着剤成分を収容するトレイ(46)を備え、請求項1乃至7に記載する塗布手段と同様な手段(44)で構成されることを特徴とする、請求項6に記載の組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気用途向け積層パッケージ組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
より具体的には、本発明は、例えば、モータ、発電機、変圧器、メータ、点火コイル及びこれらに類似する電気機器等の電気機械での用途向け積層パッケージを構成するように、磁気ラミネーションが、パックされ、すなわち、互いに重なり合った状態で、切断により形成される金属シートから製造される積層パッケージを組み立てる組立装置に関する。
【0003】
もっと具体的に説明すると、本発明は、各層材を互いに重ね合わせる接着工程を経て、上述したように、例えば、電気モータ(回転子、固定子)、変圧器等の磁気回路となる、積層パッケージを製造するのに適した装置に関する。
【0004】
公知のように、「積層パッケージ」は、個々の層材を重ね合わせ、重なり合う層材間には、中間空気スペースを存在させることなく、互いに直接接触させることにより形成される。中間空気スペースは、電気特性を悪化させるだけでなく、積層パッケージを備える電気機械の寸法的及び機械的特徴の双方に影響を与える、いわゆるばね効果を生じさせかねない。
【0005】
従来、積層パッケージは、例えば、切断金型から得る個々の層材を重ね合わせて接合することにより形成される。切断金型は、パンチを用いて、例えば、ストリップ状層材から、又は、レーザカット又はその他の公知の方法で、個々の層材を形成する。個々の層材の形成後、個々の層材は、一体化された積層体を形成する装置で互いに重ね合わされて接合され、又は、組立装置で層材を互いに重ね合わされて接合する装置で、互いに重ね合わされて接合される。
【0006】
従来、上述した層材は、「ステープル」と呼ばれる接合又は留め部材を用いて、互いに接合される。接合又は留め部材は、特定の箇所で層材自体を変形させ、層部品は、接合工程では、下に位置する層材の対応する凹部に挿入又は押し込まれることにより、連続した重ね合わせで積層パッケージを形成する。
【0007】
「ステープル」を用いて拘束する、上記した方法の代替案として、層材同士を、層材の表面に形成したエンボスを用いて、互いに重ね合わせて拘束してもよい。
【0008】
従来の製造技術では、層材は、接着剤又は他の公知の硬質拘束手段を用いて、互いに拘束された状態で、パックされる。
【0009】
接着剤を用いて積層パッケージを組立てる従来の技術では、切断金型の入口側で切断されることになるシートに塗布される接着剤圧送システムに接続した圧力ノズル(典型的には、二成分タイプ接着剤の場合)を利用する。より具体的には、接着剤は、第1接着剤成分が、シートの上面上の複数箇所に塗布され、第2接着剤成分が、当該シートの下面上の複数箇所に均一に塗布されるように、スプレイ又はノズルを用いて塗布される。接着剤付けは、第1接着剤層を有する層材の上面を、第2接着剤成分で覆われた次層の層材の下面に付着させることによって、シート取出しステーションで行われる。
【0010】
接着剤(二成分タイプのもの)を用いて、積層パッケージを組立てる、別の従来技術では、第1接着剤成分が、接着剤圧送システムに接続し、切断金型の入口側に設けた圧力スプレイにより塗布され、第2接着剤成分が、切断金型の下部に設けた特殊な専用ステーションで塗布される。この場合においても、積層パッケージは、第1接着剤成分層を持つ層材を、第2接着剤成分を持つ次層の層材に付着することによって形成される。
【0011】
例えば、第1成分(すなわち、成分A)が、シートの上面に塗布され、第2成分(すなわち、成分B)が、常に切断金型の入口側でシートの下面に塗布されるように二成分接着剤を塗布する装置を用いて、又は、積層パッケージの接着剤塗布と形成とが、層材の上面(第1接着剤成分に覆われている)を、次層の層材の下面(第2接着剤成分に覆われている)に付着することにより、シート取出しステーションで行われるように、切断金型の下部に設けた専用スプレイステーションに配置したノズルを用いて、切断金型の入口側で、シートに付着する、接着剤を塗布する技術が知られている。
【0012】
これら公知の解決策は、接着剤の供給用ノズル及びポンプを使用するので、メインテナンス、調整などのため、機械の停止が必要となることに関連する、著しい問題点がある。このため、製造時間が延び、これに伴い関係費用が増大することは明らかである。
【0013】
この他の問題点として、ノズル又はスプレイが、切断金型内に配置されることにより生ずるメインテナンス面での問題(上述したように、第2接着剤成分、すなわち成分Bの塗布に関連する問題)がある。
【0014】
従来装置のもう一つの問題は、ノズル又はスプレイが、シートに接着剤を「噴霧する」ことであり、接着工程のクリーニングと接着剤の消費に関連する問題を引き起こしている。
【0015】
米国特許公開2015/0097463号には、接着剤と、重ね合わせたローラにより金属シートに接着剤を付着する塗布器とを備えた接着装置について、公知の解決策が記載されている。重ね合わせたローラの一方は、ゴム加工され、接着剤が滲み込んでおり、ローラの外面に凹部が形成される。凹部は、上部ローラと下部ローラの間を通過する一枚のシートから切断される層材を適所に位置付けるのに適した接続用ネットの部分又は領域を浸み込みませない作用を果たす。しかしながら、この解決策も、上記した問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、上述した問題点を解消することにある。
【0017】
より具体的に記載すると、本発明の目的は、接着剤の浪費及び拡散を生じることなく、従来よりも正確かつクリーンな態様の接着によって、積層パッケージを形成できる、電気用途向け積層パッケージ組立装置を提供することにある。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、メインテナンス及び調整作業のために、頻繁に、かつ長期に亘って、機械を停止させなくて済む、積層パッケージ組立装置を提供することにある。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、上述した従来の装置を特徴付ける流体力学パラメータに拘泥されなくて済む、積層パッケージ組立装置を提供することにある。
【0020】
本発明のもう一つの目的は、収量及び効率の点で、高いパーフォーマンスを持つ最終製品を得ることができる、積層パッケージ組立装置を提供することにある。
【0021】
本発明のもう一つの目的は、使用に対する耐性及び耐久性に優れる電気用途向け積層パッケージ組立装置を使用者に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
これらの目的及びこの他の目的は、請求項1に記載した構成上の特徴を持つ本発明によって達成される。
【0023】
本発明によれば、モータ、発電機、変圧器、メータ、点火コイル及びこれらに類似する電気機器等の電気機械での電気用途向け積層パッケージを、単一成分接着剤又は二成分接着剤を用いる接着によって組み立てる組立装置であって、シートの下面に、前記シートの進行ピッチに対応するピッチに応じて、所定量の接着剤を塗布する手段を有し、前記所定量の接着剤を塗布する手段は、前記接着剤を収容手段から引き出す手段と、伝動手段により、前記シートの進行と同時にかつ同期して動作して前記接着剤を付着し、積層体を切断する手段を備える組立装置が提供される。
【0024】
本発明の好ましい態様は、従属項に示されている。
【0025】
本発明による電気用途向け積層パッケージ組み立てる組立装置の構造上及び作用上の特徴は、好ましい、非限定的な実施形態を示す添付図面を参照しながら行う、下記の詳細な説明から、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明による電気用途向け積層パッケージを組み立てる装置の正面図である。
図2図2は、図1に示す組立装置の平面図である。
図3図3は、本発明による組立方法を実施する第1実施形態における、本発明による組立装置の動作を示す概略図である。
図4図4は、本発明による電気用途向け積層パッケージを組み立てる第2実施形態における、本発明による組立装置の動作を示す概略図である。
図5図5は、本発明による電気用途向け積層パッケージを組み立てる第3実施形態における、本発明による組立装置の動作を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
上記図面を参照すると、本発明による電気用途向け積層パッケージを組み立てる組立装置は、全体を符号10で示してあり、切断金型の内側又は外側に設けられる。本発明による組立装置は、第1ホイール14と、第1ホイール14とは反対側に設けられ、第1ホイール14と軸線を同じくする第1ローラ16(すなわち、後述するドラフトローラ)とを回転自在に支持する第1本体12(第1ホイール14と第1ローラ16とは、水平回転軸線に関して、回転自在である)と;第2ホイール20と第2ローラ22(すなわち、後述するモールドローラ)とを回転自在に支持する第2本体18(第2ホイール20と第2ローラ22とは、水平回転軸線に関して、回転自在である)と;後述する機能を果たすように、第1ローラ16と協働するトレイ24とを備える。好ましくは、第1ホイール14と第2ホイール20とは、互いに噛み合う歯車で構成されて、第1ローラ16と第2ローラ22の回転運動をもたらす機能を持つ伝動手段11を構成する。
【0028】
代替的な実施形態の幾つかでは、伝動手段11は、その他の伝動手段又はベルト若しくはチェーン伝動手段で構成される。
【0029】
好ましくは、第1ホイール14は、被駆動ホイールとなり、モータ(又は、ギアモーター)26により回転駆動される第2ホイール20(駆動ホイール)からの回転運動を受ける。
【0030】
代替的な実施形態の一つでは、モータ26は、第1ホイール14に直接結合されて、第1ホイール14を駆動する駆動形態となる。
【0031】
代替的な別の実施形態では、第1ホイール14と第2ホイール20は、各々、個別のモータにより回転駆動される。
【0032】
本発明による組立装置は、不具合等が生じた際に、組立装置を作動停止にする機能を持つ安全アクチュエータ27で構成される安全手段(こうした安全手段は、公知で任意のタイプのものでよいので、構成的な特徴については説明しない)を備える。
【0033】
トレイ24は、第1ローラ16の下に設けられ、切断金型を通過するシートに、後述するように、塗布すべき接着剤を収容する機能を果たす。切断金型は、通過するシートを個々の層材にし、個々の層材を組み合わせて積層パッケージにする。
【0034】
トレイ24は、上述のように、積層パッケージを組み立てる接着剤を収容するが、本発明による組立装置を用いた組立は、二成分の接着剤を用い、トレイ14に第1成分(すなわち、成分A)を収容し、別の組立装置により、後述するように、第二成分(すなわち、成分B)を塗布してもよい。
【0035】
第1ローラ16は、トレイ24に収容された接着剤と接触するように設けられるドラフトローラを構成し、より具体的には、第1ローラ16の一部が、トレイに収容された接着剤中に浸されて、第1ローラの水平方向回転軸線を中心として回転し、トレイ24から所定量の接着剤を引き出して、第1ローラ16の外面を覆うようにする。
【0036】
第1ローラ16の回転は、第1ホイール14により制御され、第1ホイールは、第1ローラ16と回転軸線を同じくし、駆動ホイールである第2ホイール20からの回転運動を受ける。
【0037】
第2ローラ22は、モールドローラを構成し、好ましくは、複数個の(第2ローラ22の外周面に対して)外向きに突出する、第2ローラ22の周側面から構成される突起28を備える。外向きに突出する突起28は、互いに等間隔で離れ、第2ローラの全周面に沿って突出する。外向きに突出する突起28のピッチは、モールドローラにおけるシートの進行度合いに応じて定める。外向きに突出する突起28の形状と数とは、積層パッケージにする層材のタイプに応じて変更する。
【0038】
代替的な別の実施形態では、第2ローラ22は、第2ローラの周側面から構成され、第2ローラの厚み方向に延びる複数個の切り込み又は窪みを備える。複数個の切り込み又は窪みは、互いに等間隔で離れ、第2ローラの全周面に沿って設けられる。
【0039】
第2ローラ22は、モータ26により駆動される第2ホイール20(第2ローラは、第2ホイールと回転軸線を同じくする)からの回転運動を受ける。
【0040】
第1ホイール14と第2ホイール20とによる伝動により、第1ローラと第2ローラとは、切断金型におけるシートの進行スピードと後述する切断ピッチに応じて、同時にかつ同期した回転運動を行うことが可能となる。
【0041】
図3、4及び5は、単一成分接着剤を用いる場合(図3)と、二成分接着剤を用いる場合(図4及び5)とにおける、本発明の組立装置の動作を示す。
【0042】
図3を参照すると、シート32が、切断金型30(複数個の切断パンチ34を備える)内を(矢印Xで示すように)進行する。切断金型のタイプに応じたピッチで、シートの進行中、本発明による組立装置は、伝達手段11を備えたモータ26により駆動され、伝達手段は、第2ホイール20を通じて、第1ホイール14の回転、従って、第1ローラ16(すなわち、ドラフトローラ)の回転を引き起こす。第2ホイール20の方は、第2ローラ22(すなわち、モールドローラ)の回転を引き起こし、第2ローラ22の外向きに突出する突起28が、切断金型内でシート32の進行量と等しい進行量で進む(したがって、本発明による組立装置とシートの進行とが、同期する)。
【0043】
本発明による組立装置が、シート32の進行と同期して駆動される間、第1ローラ14(すなわち、ドラフトローラ)は、トレイ24から所定量の接着剤を引き出し、第2ローラ22の外向きに突出する突起28に接着剤を付着させ(第1及び第2ローラが、周面に沿って接触することに留意)、突起は、シートの進行ピッチに対応するピッチで進行しながら、所定量の接着剤33を(第2ローラ22の切り込み又は窪みの形で)シート32の下面32′に付着する。シートは、段階的に進行し、切断金型のパンチ34の作用を受け(シートを次々に使用して、積層パッケージの特定の機能に合う所望の形状に応じた単一層材を得)、切断金型のストローク毎に、所定量の接着剤が、シート32の下面に塗布される(言い換えると、第2ローラ22は、シートの進行ピッチと第1ローラ16により塗布された接着剤とに応じた割合で回転する)。
【0044】
金型による切断工程では(すなわち、個々の層材36の外側形状の箇所でシート32から切断する場合)、個々の層材36は、既に切断された層材の上面に接着する、各層材36の下面に所定量の接着剤層を付けた状態で纏められて積層パッケージ38を構成する。
【0045】
図4を参照すると、二成分接着剤を使用する場合における本発明による組立装置の動作を図示している。
【0046】
この場合、本発明による組立装置の動作は、図3(単一成分接着剤を使用)に関する説明と同じであり、特に、トレイ24は、既に説明したようにシート32の下面32′の塗布される第1接着剤成分(すなわち、成分A)を収容する。第2接着剤成分(すなわち、成分B又は活性化成分)は、シート32の上面32”に、例えば、上面32”に第2接着剤成分層を形成するのに適するスプレイ40(又は、浸されたアイドル若しくはモータ駆動ローラ等)により塗布される(接着剤層42を形成する)。第2接着剤成分の塗布は、切断金型の内外双方で、さらに、本発明による組立装置の前又は後で行ってもよい。
【0047】
積層パッケージ38の分離/取出し動作では、本発明による組立装置は、動作を停止して、シートの下面への接着剤の塗布を中断する。
【0048】
図5を参照すると、第3の別の代替実施形態が、示されてあり、積層パッケージ38の形成が、第2接着剤成分(すなわち、成分B)を含む二成分接着剤を用いて常時行われる。二成分接着剤は、スプレイ40により塗布される代わりに、シート32の下面32′に接着剤を塗布する、上述の組立装置10と同様な別個の組立装置44により、塗布される。特に、この別個の組立装置44は、所定量の第2接着剤成分を収容するトレイ46を備える。
【0049】
以上の説明から分かるように、本発明により積層パッケージ組立装置によりもたらされる効果は、明らかである。
【0050】
本発明による電気用途向け積層パッケージを形成する装置は、ノズルを用いて塗布されるのではなく、マシンダウンタイムとメインテナンスタイムとを抑制して、関連費用の低減につながる機械的装置を用いる接着剤による接着によって積層パッケージを形成できる点で好ましい。
【0051】
本発明による組立装置のもう一つの効果は、ドラフトローラとモールドローラとを用いることにより、接着剤は、シートに噴霧されるのではなく、シートに付着、すなわち載せられるので、ノズル又はスプレイによる塗布と比べて、遥かに環境を汚さずに、接着剤を(シートの下面に)塗布できることにある。
【0052】
本発明による組立装置は、ノズル又はスプレイを使用する場合とは異なり、流体力学パラメータに拘泥されることなくて済むという点でも、効果が顕著である。
【0053】
本発明は、非制限的な実施形態として、実施形態を参照しながら説明したが、実施形態についての説明に基づいて、当業者には、種々の修正及び変更形態があることは明らかである。したがって、本発明は、特許請求の範囲に入る、全ての修正及び変更を包括するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
本発明による組立装置が、シート32の進行と同期して駆動される間、第1ローラ16(すなわち、ドラフトローラ)は、トレイ24から所定量の接着剤を引き出し、第2ローラ22の外向きに突出する突起28に接着剤を付着させ(第1及び第2ローラが、周面に沿って接触することに留意)、突起は、シートの進行ピッチに対応するピッチで進行しながら、所定量の接着剤33を(第2ローラ22の切り込み又は窪みの形で)シート32の下面32′に付着する。シートは、段階的に進行し、切断金型のパンチ34の作用を受け(シートを次々に使用して、積層パッケージの特定の機能に合う所望の形状に応じた単一層材を得)、切断金型のストローク毎に、所定量の接着剤が、シート32の下面に塗布される(言い換えると、第2ローラ22は、シートの進行ピッチと第1ローラ16により塗布された接着剤とに応じた割合で回転する)。
【国際調査報告】