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特表2023-546092核燃料棒またはクラスタ棒を引抜くための装置およびこのような引抜き装置を使用した引抜き方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】核燃料棒またはクラスタ棒を引抜くための装置およびこのような引抜き装置を使用した引抜き方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 21/02 20060101AFI20231025BHJP
   G21C 19/26 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
G21C21/02 400
G21C19/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522951
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2021078651
(87)【国際公開番号】W WO2022079262
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】2010631
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593128105
【氏名又は名称】フラマトム
【氏名又は名称原語表記】FRAMATOME
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ロワイユ,セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴーティエ,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】リゲッティ,アレクシ
(57)【要約】
引抜き装置(10)は、端部プラグの無い端部を通して棒(2)のスリーブ(4)内に挿入されるように構成された取付け部分(12)および把持部分(14)を含み、取付け部分(12)が、長手方向軸(A)に沿った細長い本体(16)とこの本体(16)から突出する少なくとも1つの歯(18)とを含み、歯または各々の歯(18)は、取付け部分(12)が軸方向でスリーブ(4)内に強制的に挿入されることを可能にしかつスリーブ(4)の内側表面(4A)と係合してスリーブ(4)から取付け部分(12)が引抜かれるのを防止するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料棒(2)またはクラスタ棒を引抜くための装置(10)において、端部プラグを備えていない端部を通して棒(2)のスリーブ(4)内に挿入されるように構成された取付け部分(12)および把持部分(14)を含む引抜き装置(10)であって、取付け部分(12)が、長手方向軸(A)に沿った細長い本体(16)とこの本体(16)から突出する少なくとも1つの歯(18)とを含み、歯または各々の歯(18)は、取付け部分(12)が軸方向でスリーブ(4)内に強制的に挿入されることを可能にしかつスリーブ(4)の内側表面(4A)と係合してスリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜きを防止するように構成されている、引抜き装置(10)。
【請求項2】
歯または各々の歯(18)が、スリーブ(4)の内側表面(4A)に歯(18)を強く圧迫することによってスリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜きに対抗するように構成されている、請求項1に記載の引抜き装置(10)。
【請求項3】
取付け部分(12)が、本体(16)の周りに角度的に分布した複数の歯(18)を含む、請求項1または2に記載の引抜き装置(10)。
【請求項4】
取付け部分(12)が、角度的に規則正しく分布した歯、詳細には角度的に均一に分布した歯を含む、請求項1から3のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項5】
取付け部分(12)が、本体(16)に沿って軸方向に分布した複数の歯(18)を含む、請求項1から4のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項6】
取付け部分(12)が、それぞれの歯(18)を各々形成する複数のアームを有する少なくとも1つのブレード(22)を含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項7】
規則的または不規則な分布にしたがって、本体(16)に沿って軸方向に離隔された複数のブレード(22)を含む、請求項6に記載の引抜き装置(10)。
【請求項8】
ブレード(22)が、互いから角度的にオフセットされている、請求項7に記載の引抜き装置(10)。
【請求項9】
本体(16)が、ブレード(22)と交互に軸方向に積み重ねられた複数の軸方向区分(24、26、28)を含む、請求項6から8のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項10】
軸方向区分が、2つのブレード(22)の間に置かれた単数または複数の中間区分(28)を含む、請求項9に記載の引抜き装置(10)。
【請求項11】
軸方向区分(24、26、28)およびブレード(22)が、中心シャフト(32)に沿って積み重ねられている、請求項9または10に記載の引抜き装置(10)。
【請求項12】
本体(16)が、角度的にオフセットされた噛合式配向要素を各々有する軸方向区分(28)を含み、こうして2つの軸方向に積み重ねられた区分が、それらの配向要素の噛合に起因して角度的にオフセットされるようになっている、請求項9から11のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項13】
取付け部分(12)が、シールを提供する目的で、スリーブ(4)の内部での取付け部分(12)の挿入に起因してスリーブ(4)の端部の縁部を圧迫するように構成された当接部分(35)を有する、請求項1から12のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項14】
取付け部分(12)が、各々の歯(18)と結び付けられた支承表面(20)を有し、各々の支承表面(20)は、スリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜き方向(F2)で引抜き装置(10)に対して力が加えられた場合に、歯(18)が、支承表面(20)を圧迫することになるような形で配設されている、請求項1から13のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項15】
各々の支承表面(20)が、スリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜き方向(F2)で軸方向にかつ半径方向内向きに配向されている一方で、長手方向軸(A)との関係において傾斜している、請求項14に記載の引抜き装置(10)。
【請求項16】
核燃料棒またはクラスタ棒と、棒(2)のスリーブ(4)の内部でのその取付け部分(12)の挿入および係止のために適応された、請求項1から15のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)とを含むアセンブリ。
【請求項17】
核燃料棒またはクラスタ棒を核燃料集合体から引抜くための方法において、棒(2)のスリーブ(4)が、一つの端部に端部プラグを備えておらず、請求項1から15のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)の取付け部分(12)が、スリーブ(4)の開放端部内に強制的に挿入され、その後引抜き装置(10)の把持部分(14)が引っ張られて棒(2)をその核燃料集合体から引抜く、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核燃料集合体、制御クラスタおよび/または固定クラスタのメンテナンスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
核燃料集合体は、骨組によって保持された核燃料棒の束を含む。各々の棒は、管状スリーブを含み、このスリーブが核燃料ペレットの積み重ねで形成された核分裂性カラムを収容し、スリーブに溶接された端部プラグによって両端部で閉鎖されている。
【0003】
2つの端部プラグのうち少なくとも1つは、核燃料棒を封止するという機能に加えて、核燃料棒を掴持し、例えばその核燃料集合体の骨組から引抜くかまたはこの骨組内に挿入することを可能にするという機能を有する。このような引抜きまたは挿入は、例えば、核燃料棒が損傷を受けた場合にこの核燃料棒を修復または交換するために行なわれる。
【0004】
核燃料棒が、ハンドリング機能を有する端部プラグを喪失し得るかまたは、例えば端部プラグが損傷を受けた場合に端部プラグを取外す必要が出てくる可能性がある。そのとき、そのハンドリング手段を喪失した核燃料棒を核燃料集合体から外に引抜くことが困難になる。
【0005】
束は、燃料集合体のガイド管内に挿入されるように意図された棒束(以下「クラスタ棒」と呼ぶ)を担持する支持構造を含む。各々のクラスタ棒は、吸収性カラムまたは別のタイプのカラムを収容し、スリーブに溶接された端部プラグにより両端部で閉鎖されている管状スリーブを含む。1つの吸収性カラムが、例えば、1つ以上の中性子吸収材料を格納する。別のタイプのカラムは、アルミナカラム、二次源カラムまたは一次源カラムであり得る。
【0006】
クラスタ棒がその上位端部プラグから係合解除された状態となり、束を収容していた核燃料集合体の対応するガイド管内に落下することが可能である。
【0007】
仏国特許出願公開第1225784号明細書は、核燃料棒の外側面と接触するつめの面上に陥凹を各々有する3つのつめを有するツール、および各々の陥凹中に収容されツールを持ち上げた時点で核燃料棒のスリーブの外部に対するつめの係止を提供するボールまたはローラを含む、核燃料棒取出し装置を開示している。
【0008】
欧州特許出願公開第0200988号明細書は、燃料棒に蓋をかぶせるエラストマー材料製の管を収容する円筒形ハウジング、および、エラストマー材料製の管を側方に変形させて核燃料棒のスリーブを外部から挟持するためにハウジング内で移動可能に組付けられた円筒形のスラスト棒を含む、核燃料棒を引抜くための装置を開示している。
【0009】
米国特許第4986955号明細書は、核燃料集合体から周辺核燃料棒を引抜くための装置において、核燃料棒を外部から挟持するためのクランプを含む引抜き装置を開示している。
【0010】
韓国特許第101163118号明細書は、棒を外部から挟持するための円形クランプと、クランプによる挟持されたスリーブの圧砕を防止するために棒内に挿入可能なピンとを含む、核燃料棒引抜き装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】仏国特許出願公開第1225784号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0200988号明細書
【特許文献3】米国特許第4986955号明細書
【特許文献4】韓国特許第101163118号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的の1つは、信頼性が高く容易な引抜きを可能にする核燃料棒を引抜くための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このために本発明は、核燃料棒またはクラスタ棒を引抜くための装置において、プラグ無しの端部を通して棒のスリーブ内に挿入されるように構成された取付け部分および把持部分を含む引抜き装置であって、取付け部分が、長手方向軸に沿って延びた本体とこの本体から突出する少なくとも1つの歯とを含み、歯または各々の歯は、取付け部分が軸方向で被覆内への取付け部分の強制的挿入を可能にしかつスリーブの内側表面と係合してスリーブからの取付け部分の引抜きを防止するように構成されている、引抜き装置を提案する。
【0014】
特定の実施形態において、引抜き装置は、個別に取上げられるかまたは技術的に実現可能なあらゆる組合せの形で取上げられる、以下の任意の特徴のうちの単数または複数のものを含む:
- 歯または各々の歯は、スリーブの内側表面に圧迫した状態で歯を保持することによってスリーブからの取付け部分の引抜きに抵抗するように構成されている;
- 取付け部分は、本体の周りに角度的に分布した複数の歯を含む;
- 取付け部分は、角度的に規則正しく分布した歯、詳細には角度的に均一に分布した歯を含む;
- 取付け部分は、本体に沿って軸方向に分布した複数の歯を含む;
- 取付け部分は、それぞれの歯を各々形成する複数のアームを有する少なくとも1つのブレードを含む;
- 取付け部分は、規則的または規則的でない分布にしたがって、本体に沿って軸方向に離隔された複数のブレード22を含む;
- ブレードは、互いから角度的にオフセットされている;
- 本体は、ブレードと交互に軸方向に積み重ねられた複数の軸方向区分を含む;
- 軸方向区分は、2つのブレードの間に置かれた単数または複数の中間区分を含む;
- 軸方向区分およびブレードは、中心シャフトに沿って積み重ねられている;
- 本体は、角度的にオフセットされた噛合式配向要素を各々有する軸方向区分を含み、こうして2つの軸方向に積み重ねられた区分は、それらの配向要素の噛合に起因して角度的にオフセットされるようになっている;
- 取付け部分は、スリーブ内への取付け部分の挿入に起因してスリーブの端部の縁部を圧迫するように構成された支承部分を有する;
- 取付け部分は、各々の歯と結び付けられた支承表面を有し、各々の支承表面は、スリーブから取付け部分を引抜く方向で引抜き装置に対して力が加えられた時点で歯が支承表面を圧迫するような形で配設されている;
- 各々の支承表面は、スリーブからの取付け部分の引抜き方向で軸方向にかつ半径方向内向きに配向されていて、長手方向軸との関係において傾斜している;
【0015】
本発明は、核燃料棒またはクラスタ棒と、棒のスリーブの内部でのその取付け部分の挿入および係止のために適応された以上で定義された引抜き装置とを含むアセンブリにも関する。
【0016】
本発明は、核燃料棒またはクラスタ棒を核燃料集合体から引抜くための方法において、棒のスリーブが一つの端部に閉鎖端部プラグを有しておらず、以上で定義された引抜き装置の取付け部分がスリーブの開放端部内に強制的に挿入され、その後引抜き装置の把持部分が引っ張られて棒をその核燃料集合体から引抜く方法にも関する。
【0017】
本発明およびその利点は、単なる一例として提供され添付図面を参照しながら記された以下の説明から、より良く理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】棒をハンドリングするように構成された上位端部プラグと、そのように構成されていない下位端部プラグとを有する、損傷を受けていない核燃料棒の立面図である。
図2】棒内への引抜き装置の挿入の前の、ハンドリング用に構成されたその上位端部プラグの無い損傷を受けた核燃料棒および引抜き装置の概略図である。
図3】棒内への引抜き装置の挿入の後の、ハンドリング用に構成されたその上位端部プラグの無い損傷を受けた核燃料棒および引抜き装置の概略図である。
図4図2および3の引抜き装置のブレードの上面図である。
図5図2および3の引抜き装置の中間軸方向区分の斜視図である。
図6】1つの特定の実施形態に係る引抜き装置の立面図である。
図7】別の特定の実施形態に係る引抜き装置の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1中、損傷を受けていない核燃料棒2は、スリーブ4内部で軸方向に積み重ねられた円筒形の核燃料ペレット(図示せず)で形成された核分裂性カラムを収容するように意図された、長手方向軸Aに沿って延在する管状スリーブ4を含む。棒2は、下位ノズルおよび上位ノズルを含む核燃料集合体骨組によって合わせて保持される平行な棒の束を含む核燃料集合体内に統合されるように意図されている。
【0020】
運転中、原子炉の炉心内またはハンドリングもしくは貯蔵プール内で、核燃料集合体は、その下位ノズルに支持され垂直に置かれ、各々の棒は垂直方向に延在している。
【0021】
本明細書の残りの部分においては、「上位」および「下位」なる用語は、その下位ノズルに置かれている核燃料集合体内の棒の通常の垂直方向の配向を意味するものと理解される。
【0022】
損傷を受けていない棒2は、スリーブ4の端部を閉鎖する端部プラグを有する。詳細には、棒2は、スリーブ4の下位端部を閉鎖する下位端部プラグ6と、スリーブ4の上位端部を閉鎖する上位端部プラグ8とを有する。
【0023】
図1に示されているように、下位端部プラグ6は、ハンドリング機能を有しておらず、換言すると、棒2をハンドリングするように構成されていない。対照的に、上位端部プラグ8はハンドリング機能を有し、換言すると、付随するハンドリングツール(図示せず)によって棒2をハンドリングするように構成されている。
【0024】
より具体的には、上位端部プラグ8は、上位端部プラグ8を把持するために好適である引抜きツールを用いて核燃料集合体から外に棒2を上向きに引っ張ることによって、その核燃料集合体から棒2を引抜くことができるように構成されている。
【0025】
棒2が損傷を受けた場合、ハンドリング機能を有する上位端部プラグ8は棒2から紛失している可能性があり、その上位端部で開放しているスリーブ4はもはやハンドリング機能を有さなくなり、そのため上位端部プラグ8を用いて棒2を引抜くことが不可能となる可能性がある。
【0026】
図2および3において、棒2はその上位端部プラグ8が無い状態にあり、スリーブ4はその上位端部で開放している。
【0027】
引抜き装置10が、端部プラグを備えていない端部、詳細には上位端部を通して棒2を引き出すことができるように構成されている。
【0028】
この引抜き装置10は、その開放上位端部を通してスリーブ4の内部へと軸方向に挿入されかつスリーブ4の内部で係止されるように構成された取付け部分12と、ハンドリングツールによって、好ましくは損傷を受けていない棒2を引抜くために具備された同じハンドリングツールによって、換言すると、ここでは上位端部プラグ8である紛失した端部プラグを把持するために具備されたものと同じハンドリングツールによって把持されるように構成された把持部分14とを含む。
【0029】
取付け部分12は、単数または複数の保定用歯、詳細には保定用歯のいくつかの列を伴う銛状部分を形成する。
【0030】
取付け部分12は、長手方向軸Aに沿って延在する。
【0031】
取付け部分12は、スリーブ4の内部において挿入方向F1(図2)で軸方向に挿入され、専らスリーブ4の内側表面4Aとの取付け部分12の協働によって、挿入方向F1とは反対の引抜き方向F2(図3)でのスリーブ4との関係における取付け部分12の移動に対抗しながら、スリーブ4の内部で機械的に係止するように構成されている。
【0032】
取付け部分12は、スリーブ4の内部に強制的に挿入可能である。
【0033】
取付け部分12は例えば、挿入方向F1でスリーブ4の内部へと軸方向に取付け部分1
2を強制するために必要とされる挿入力が、引抜き方向F2でスリーブ4から外へ取付け部分12を引抜くために克服しなければならない軸方向阻止力よりも完全に小さいものとなるように構成される。
【0034】
したがって、スリーブ4の内部に取付け部分12を挿入する方が、スリーブ4から取付け部分12を引抜くよりも容易である。
【0035】
挿入力は例えば、50daN(デカニュートン)未満、好ましくは40daN未満、より好ましくは30daN未満である。
【0036】
取付け部分12は、係止力が、棒2をその集合体から引抜くために棒2に及ぼすべき引抜き力に安全マージンを加えたものよりも完全に大きくなるように構成されている。
【0037】
係止力は、予め決定された引抜き力の一関数として調整可能である。したがって、例えば、燃料集合体からの引抜き力が30daNである場合、係止力は50daNより大きい。
【0038】
取付け部分12は、長手方向軸Aに沿って延在し単数または複数のブレード22を担持する本体16を含む。各々のブレード22は、単数または複数の歯18を有し、各々の歯18は、長手方向軸Aとの関係において半径方向外向きに本体16から突出している。
【0039】
各々の歯18は、挿入方向F1でのスリーブ4内への取付け部分12の挿入を可能にし、かつ引抜き方向F2でのスリーブ4からの取付け部分12の引抜きに対抗するように、スリーブ4の内側表面4Aと干渉するように構成されている。
【0040】
各々の歯18は、スリーブ4の内側表面4Aと接触するために具備された自由端部18Aを有する。
【0041】
各々の歯18は、スリーブ4から外への取付け部分12の引抜き方向F2での第2の軸方向力よりも大きい、スリーブ4内部の取付け部分12の挿入方向F1での移動に対抗する第1の軸方向力を発生させることにより、スリーブ4の内側表面4Aに対してその自由端部18Aを摩擦させるように構成されている。
【0042】
各々の歯18は、順方向にスリーブ4内に取付け部分12を挿入した時点で後方に撓むような形で可撓性を有する。
【0043】
各々の歯18は、例えば、対応するブレード22の可撓性タブによって形成されており、このタブは、本体16との関係において半径方向に突出している。各々のブレード22は、長手方向軸Aに沿って測定した場合に、所望の軸方向力にしたがって変動可能な厚みを有する。
【0044】
各々のブレード22は、例えば、優れた屈曲特性を伴う金属製である。各々のブレード22は例えば、ばね鋼などの高い弾性特性を有する鋼でできている。
【0045】
各々のブレード22は、ブレード22の各々の歯18が、挿入方向F1でスリーブ4の内部での取付け部分12の挿入に起因して後方に撓み、ひとたび取付け部分12がスリーブ4内に挿入された時点で引抜き方向F2でのスリーブ4からの取付け部分12の引抜きに対抗してスリーブ4の内側表面4Aを反転無く圧迫するような形で構成されている。
【0046】
図4に例示されているように、各々のブレード22は例えば、複数の歯18を有する。ここでは4つである歯18の数は、所望の挿入力および係止力に応じて選択される。
【0047】
取付け部分12の本体16は、各々の歯18と結び付けられた支承表面20を含む。
【0048】
各々の支承表面20は、引抜き方向F2に向かって軸方向にかつ半径方向で内向きに配向されながら、長手方向軸Aとの関係において傾斜している。各々の支承表面20は、長手方向軸Aとの関係において半径方向平面と非ゼロの角度αを成す。
【0049】
傾斜した支承表面20が存在することで、引抜き中に歯18が反転し得る力は増大させられ、これによりこの歯18によって生成される引抜き係止力が改善される。
【0050】
本体16はここでは、本体16の長手方向軸Aに沿って整列した複数の軸方向区分28および、本体16の軸方向区分の間に置かれ歯18を担持する複数のブレード22で形成されている。
【0051】
本体16は、下位区分24および上位区分26、ならびに下位区分24と上位区分26の間で軸方向に配設された中間区分28を有する。
【0052】
ブレード22は、軸方向区分の間に置かれ、各々のブレード22は、2つの軸方向区分の間に収容されている。図2および3に例示されているように、各々のブレード22は、例えば、2つの中間区分28の間に置かれる。各々の中間区分28は、2つのブレード22の間で軸方向に配設され、ブレード22のための軸方向スペーサを形成する。
【0053】
各々の中間区分28は、軸方向オリフィス30を有する。各々のブレード22は、中心オリフィス54を有する。
【0054】
取付け部分12は、中心ロッド32を含み、これに沿ってブレード22と中間区分28は交互に取り付けられている。中心ロッド32は、各々のブレード22の中心オリフィス54および各々の中間区分28の軸方向オリフィス30を通って延在する。
【0055】
中心ロッド32は、それが固定されている上位区分26と下位区分24の間で延在している。
【0056】
中心ロッド32は、例えば、下位区分24に溶接された端部および、上位区分26内でねじ孔に螺入されるねじ山付き端部を有する。
【0057】
下位区分24は、挿入方向F1に収束する円錐形状を有する。これにより、スリーブ4内部の取付け部分の挿入が容易になる。
【0058】
把持部分14は、結び付けられた引抜きツールを用いて把持部分14を掴持できるようにする把持先端部36が最上位にある円筒形部分34を含む。
【0059】
取付け部分12は、スリーブ4の内部での取付け部分12の挿入に起因してスリーブ4の開放上位端部の縁部を圧迫して、スリーブ4のこの開放上位端部の封止を確保し、こうしてスリーブ4の中味の外部に向かう汚染を制限するように構成された支承部分35を有する。
【0060】
支承部分35は、本体16と把持部分14の間に位置設定され、支承部分35は円錐台形であり、本体16から把持部分14に向かって広がり、把持部分14に隣接するその端部は、スリーブ4の内径よりも大きい外径を有し、本体16に隣接するその端部は、スリーブ4の内径よりも小さい外径を有する。
【0061】
図3を見れば分かるように、挿入方向F1に沿ったスリーブ4の内部での取付け部分12の挿入に起因して、支承部分35はスリーブ4の開放上位端部の縁部を圧迫し、気密性を確保して、スリーブ4の中味の外部に向かう汚染を制限するようにする。
【0062】
把持先端部36は、円錐形ベース38の上位端部と同じ直径の円筒形中間ロッド40により延長された、引抜き方向F2に収束する円錐形ベース38を有し、中間ロッド40は、中間ロッド40に隣接するベースを有し中間ロッド40のものよりも大きい直径を有する円錐形ヘッド42を担持し、こうして、中間ロッド40とヘッド42の間に半径方向肩部44が画定される。
【0063】
把持先端部36は、好ましくは、棒2の元来の端部の先端部と同一であり、引抜き装置10を棒2に結びつけられた引抜きツールで掴持することを可能にしている。
【0064】
図4に示されているように、各々のブレード22は、装置の長手方向軸Aと一致するブレード22の中心軸の周りに分布した複数のアームを有する。各々のアームは、それぞれの歯18を形成する。
【0065】
好ましくは、歯18は、長手方向軸Aの周りに規則的に分布しており、詳細には、歯18間に恒常な角度ピッチを伴って長手方向軸Aの周りに均一に分布している。
【0066】
各々のブレード22はここでは、ブレード22の軸を中心として90°の角度ピッチで分布した4つの歯18を画定する4つのアームを有する。
【0067】
各々の歯18の自由端部18Aは、歯18の端縁部50と歯18の2つの側縁部48の交差点によって各々形成されている2つの稜角46を有する。こうして、スリーブ4の内側表面4A上の自由端部18Aの係止力を増大させることが可能となる。
【0068】
各々の歯18の端縁部50は、その歯18の各々の側縁部48とそれぞれの稜角46を画定している。各々の側縁部48は、例えば凹状である。
【0069】
各々のブレード22には中心ロッド32のサイズに対応する、換言すると中心オリフィス54内への中心ロッド32の挿入を可能にする中心オリフィス54が具備されている。
【0070】
歯18は、スリーブ4の内側表面4Aと高い係止力を生成しかつ反転に対する優れた抵抗を示しながら挿入を可能にするのに好適である、自由端部18Aの寸法および十分な可撓性を有する。
【0071】
図5は、特定の実施形態に係る中間区分28の斜視図である。
【0072】
中間区分28は、円筒形であり、長手方向軸Aに沿って延在する。
【0073】
中間区分28は、軸方向上位端部56と軸方向下位端部72とを有する。上位端部56には、開口部64により分離されたセグメント62によって形成された不連続な周辺リム60によって境界画定された、ブレード22を収容するためのハウジング58が具備されている。ハウジング58は、ブレード22の中心部分を収容するように備えられ、各々の歯18はそれぞれの開口部64を通ってハウジング58から出ている。
【0074】
ハウジング58内に収容されたブレード22は、開口部64内への歯18の収容に起因して、中間区分28との関係において長手方向軸Aを中心として角度的に割出しされる。したがって、各々の歯18は、本体16との関係において長手方向軸Aを中心として角度的に割出しされている。
【0075】
支承表面20は、中間区分28上に形成される。詳細には、支承表面20は、開口部64の底面に形成され、長手方向軸Aに対し直交する平面との関係において傾斜していて、押圧中に歯18を支持する。
【0076】
各々の中間区分28には、この中間区分28と軸方向に積み重ねられた他の中間区分28のものとかみ合わされ得る配向要素が具備され、こうして積み重ねられた中間区分28は、好ましくは1つの中間区分28から次の中間区分まで規則的な角度ピッチを伴って、長手方向軸Aの周りで角度的にオフセットされるようになっている。
【0077】
ここで、各々の中間区分28は、上位端部56から突出する突起68およびその軸方向下位端部72内に形成されたキャビティ70を含む。キャビティ70は、別の同一の中間区分28の突起を収容するために突起68と相補的である。
【0078】
突起68とキャビティ70は、長手方向軸Aの周りで角度ピッチβだけ角度的にオフセットされて、積み重ねられた中間区分28の角度的オフセットを達成するようになっている。角度ピッチβは、例えば5°である。
【0079】
図6は、図5に係る中間区分28を伴って作成された引抜き装置10を立面図で示している。
【0080】
中間区分28は角度的にオフセットされており、各々の中間区分28は、キャビティ70内での突起68の噛合により角度ピッチβに沿って次の中間区分28からオフセットされている。
【0081】
ここで、上位区分26には、第1の中間区分28の突起68を収容するためのキャビティが具備されている。
【0082】
中間区分28の角度的オフセットに起因して、ブレード22は、角度ピッチβにしたがって、互いに対して角度的にオフセットされている。したがって歯18は、本体16の周りでかつ本体16に沿って軸方向に、角度的に分布している。これにより、スリーブの異なる母線を用いたスリーブ4内の取付け部分12の有効な係止が促進される。
【0083】
歯18は、同じ軸方向位置に配設された歯のセットで分布させられ、それぞれの歯のセットの歯18は本体16の周りで角度的に分布しており、歯のセットは本体16に沿って軸方向に分布している。
【0084】
歯のセットはさらに、互いに対して角度的にオフセットされている。各々の歯のセットの歯18は、本体16に沿って、後続する歯のセットの歯18との関係において角度的にオフセットされている。
【0085】
各々のブレード22の歯18は、ここでは、同じ軸方向位置に配設された歯のセットを形成する。
【0086】
図2および3の引抜き装置10は、モジュール構造のものであり、これにより、歯18の数を変動させることが可能になっている。詳細には、歯18の数は、ブレード22および本体16の中間区分28の数を変動させることによって適応される。
【0087】
図7に示された実施形態において、引抜き装置10は、上位区分26と下位区分24の間に置かれた単一のブレード22を含む。引抜き装置10は、中間区分28を有していない。
【0088】
図2および3に戻って、運転中、棒2には上位端部プラグ8が欠落してスリーブ4がその上位端部で開放している状態で、ユーザは、引抜き装置10の取付け部分12をスリーブ4の開放上位端部内に強制的に挿入する。この挿入は、挿入方向F1での挿入力を用いて行なわれる。ひとたび取付け部分12がスリーブ4内に挿入されると、取付け部分12は、その歯18が専らスリーブ4の内側表面4Aを把持するため、スリーブ4の内部で係止される。その後、好適なツールを用いて、オペレータは、把持部分14を掴持し、それを上向きに引っ張ってその核燃料集合体から棒2を引抜く。挟持力は、その核燃料集合体から棒2を引抜く力よりも大きく、そのため、引抜き装置10を持上げることで棒2を核燃料集合体から持上げることができる。
【0089】
引抜き装置10は、使用が簡単で信頼性の高いものである。この引抜き装置は、スリーブ4の内部に固定部分12を強制的に挿入するだけで、スリーブ4に固定される。引抜き装置10は、核燃料集合体のフレームから外へ棒2を引抜くための力よりも大きい係止力を超える力の下でのみ、スリーブ4から係合解除され得る。
【0090】
引抜き装置10の取付け部分12および把持部分14は、棒2の元来の端部プラグに置き換わる交換端部プラグを形成する。スリーブ4内に挿入された時点で、引抜き装置10はスリーブを閉鎖し、スリーブ4内に収容された核燃料ペレットの流出を防止する。
【0091】
歯18の数、幾何形状および配設によって、スリーブ4内への引抜き装置10の挿入力およびスリーブ4内に挿入された引抜き装置10の歯18によって生成される係止力を変動させることができる。当業者であれば、歯18の数、幾何形状および配設を特定の利用分野に対してどのように適応させるべきかを知っているものである。
【0092】
図4に示されているブレード22により、挿入力を制限し、反転のリスクを制限しながら十分な係止力を生成することが可能になる。
【0093】
他の歯の幾何形状が可能である。
【0094】
一変形形態においては、各々のブレード22は円形で連続的であり、本体16の周りに延在している。各々のブレード22は、例えば、単一の円形歯を形成する連続した円形周縁部を有する座金の形状を有する。
【0095】
さらに、引抜き装置10は、核燃料集合体棒に関連して説明されてきた。しかしながら、このような引抜き装置は、それが制御クラスタ棒であるかまたは固定クラスタ棒であるかに関わらず、損傷を受けたクラスタ棒をハンドリングするために適応可能または使用可能である。固定クラスタ棒は、クラスタを構成する全ての棒をまとめてハンドリングすることを保証する支持構造との連結機能を有するその上位端部プラグを失うことで損傷を受ける。このようなクラスタ棒は、プラグにより端部が閉鎖され、そのうちの上位端部が連結機能を有している管状スリーブを含む。制御クラスタ棒のスリーブには、多少の差こそあれ、棒の機能の対象である材料が充填されている。上位端部プラグの無い損傷を受けた棒には、ハンドリング機能が全く無い。この損傷を受けた棒に対して利用される引抜き装置10は、こうして、損傷を受けた燃料集合体棒をハンドリングするために使用される場合と同じ方法でこの棒をハンドリングすることを可能にすることによって、この状況を改善する。
【符号の説明】
【0096】
2 核燃料棒
4 スリーブ
6 下位端部プラグ
8 上位端部プラグ
10 引抜き装置
12 取付け部分
14 把持部分
16 本体
18 歯
20 支承表面
22 ブレード
24 下位区分
26 上位区分
28 中間区分
30 軸方向オリフィス
32 中心ロッド
34 円筒形部分
36 把持先端部
38 円錐形ベース
40 中間ロッド
42 円錐形ヘッド
44 半径方向肩部
A 長手方向軸
F1 挿入方向
F2 引抜き方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料棒(2)またはクラスタ棒を引抜くための装置(10)において、端部プラグを備えていない端部を通して棒(2)のスリーブ(4)内に挿入されるように構成された取付け部分(12)および把持部分(14)を含む引抜き装置(10)であって、取付け部分(12)が、長手方向軸(A)に沿った細長い本体(16)とこの本体(16)から突出する少なくとも1つの歯(18)とを含み、歯または各々の歯(18)は、取付け部分(12)が軸方向でスリーブ(4)内に強制的に挿入されることを可能にしかつスリーブ(4)の内側表面(4A)と係合してスリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜きを防止するように構成されている、引抜き装置(10)。
【請求項2】
歯または各々の歯(18)が、スリーブ(4)の内側表面(4A)に歯(18)を強く圧迫することによってスリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜きに対抗するように構成されている、請求項1に記載の引抜き装置(10)。
【請求項3】
取付け部分(12)が、本体(16)の周りに角度的に分布した複数の歯(18)を含む、請求項1または2に記載の引抜き装置(10)。
【請求項4】
取付け部分(12)が、角度的に規則正しく分布した歯、および/または角度的に均一に分布した歯を含む、請求項1から3のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項5】
取付け部分(12)が、本体(16)に沿って軸方向に分布した複数の歯(18)を含む、請求項1から4のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項6】
取付け部分(12)が、それぞれの歯(18)を各々形成する複数のアームを有する少なくとも1つのブレード(22)を含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項7】
規則的または不規則な分布にしたがって、本体(16)に沿って軸方向に離隔された複数のブレード(22)を含む、請求項6に記載の引抜き装置(10)。
【請求項8】
ブレード(22)が、互いから角度的にオフセットされている、請求項7に記載の引抜き装置(10)。
【請求項9】
本体(16)が、ブレード(22)と交互に軸方向に積み重ねられた複数の軸方向区分(24、26、28)を含む、請求項6から8のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項10】
軸方向区分が、2つのブレード(22)の間に置かれた単数または複数の中間区分(28)を含む、請求項9に記載の引抜き装置(10)。
【請求項11】
軸方向区分(24、26、28)およびブレード(22)が、中心シャフト(32)に沿って積み重ねられている、請求項9または10に記載の引抜き装置(10)。
【請求項12】
本体(16)が、角度的にオフセットされた噛合式配向要素を各々有する軸方向区分(28)を含み、こうして2つの軸方向に積み重ねられた区分が、それらの配向要素の噛合に起因して角度的にオフセットされるようになっている、請求項9から11のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項13】
取付け部分(12)が、シールを提供する目的で、スリーブ(4)の内部での取付け部分(12)の挿入に起因してスリーブ(4)の端部の縁部を圧迫するように構成された当接部分(35)を有する、請求項1から12のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項14】
取付け部分(12)が、各々の歯(18)と結び付けられた支承表面(20)を有し、各々の支承表面(20)は、スリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜き方向(F2)で引抜き装置(10)に対して力が加えられた場合に、歯(18)が、支承表面(20)を圧迫することになるような形で配設されている、請求項1から13のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)。
【請求項15】
各々の支承表面(20)が、スリーブ(4)からの取付け部分(12)の引抜き方向(F2)で軸方向にかつ半径方向内向きに配向されている一方で、長手方向軸(A)との関係において傾斜している、請求項14に記載の引抜き装置(10)。
【請求項16】
核燃料棒またはクラスタ棒と、棒(2)のスリーブ(4)の内部でのその取付け部分(12)の挿入および係止のために適応された、請求項1から15のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)とを含むアセンブリ。
【請求項17】
核燃料棒またはクラスタ棒を核燃料集合体から引抜くための方法において、棒(2)のスリーブ(4)が、一つの端部に端部プラグを備えておらず、請求項1から15のいずれか一つに記載の引抜き装置(10)の取付け部分(12)が、スリーブ(4)の開放端部内に強制的に挿入され、その後引抜き装置(10)の把持部分(14)が引っ張られて棒(2)をその核燃料集合体から引抜く、方法。
【国際調査報告】