(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】エアロゾル送達装置の為の独立型年齢/ID検証モジュール
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20231025BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20231025BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20231025BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20231025BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/65
A24F40/60
A24F40/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522992
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 US2021054890
(87)【国際公開番号】W WO2022081785
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ドアティ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ルカン,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】アイルランド,ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB13
4B162AC33
4B162AC34
4B162AD41
(57)【要約】
エアロゾル送達装置は、電力を提供してエアロゾルを発生させるように構成されている充電式電源と、電源からの電力の印加を受けてエアロゾルを発生させるように構成されている装置電子機器と、認証モジュールとを含み得る。認証モジュールは、装置電子機器に対する独立チップ又は回路基板を含み得る。エアロゾルの発生の為に装置電子機器への電力の提供を制御するべく電源と装置電子機器との間で、或いは電源の充電を制御するべく電源とエアロゾル送達装置の充電ポートとの間で、認証モジュールがエアロゾル送達装置へ挿入され得る。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
電力を提供してエアロゾルを発生させるように構成されている充電式電源と、
前記電源からの電力の印加を受けて前記エアロゾルを発生させるように構成されている装置電子機器と、
前記装置電子機器に対する独立チップ又は回路基板を具備する認証モジュールであって、前記エアロゾルの発生の為の前記装置電子機器への電力の提供を制御するべく前記電源と前記装置電子機器との間で、或いは前記電源の充電を制御するべく前記電源とエアロゾル送達装置の充電ポートとの間で、前記エアロゾル送達装置へ挿入される認証モジュールと、
を具備するエアロゾル送達装置。
【請求項2】
前記認証モジュールが、前記装置電子機器への電力の提供が抑止されるロック状態と前記電源から前記装置電子機器へ電力が提供されるロック解除状態との間での前記エアロゾル送達装置の移行を制御するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
前記認証モジュールが、ネットワークを介したホスト装置と外部認証部門との間での通信を受けて前記ホスト装置と相互作用を行って認証プロセスを実施するように構成されている認証マネージャを具備する、請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
前記認証マネージャが、前記認証プロセスの完了を受けて前記ホスト装置から光学又は音声信号を受信して前記エアロゾル送達装置を前記ロック状態から前記ロック解除状態へ移行させるように構成されている、請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
前記認証モジュールが更に起動マネージャを具備し、
前記起動マネージャの動作に先立って前記エアロゾル送達装置が最初にスリープ又は低電力モードにあり、
前記エアロゾル送達装置が、前記認証マネージャの有効化に先立って前記スリープ又は低電力モードから起動して前記エアロゾル送達装置を前記ロック状態から前記ロック解除状態へ移行させるように構成されている、
請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
前記認証モジュールが、前記電源とエアロゾル送達装置の前記充電ポートとの間に配設される充電制御回路構成を具備し、
前記充電制御回路構成が、前記ロック解除状態及び前記ロック状態でそれぞれ前記電源の充電を交互に有効化及び無効化するように構成されている、
請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
前記充電制御回路構成が、前記認証マネージャの動作を受けて閉じて前記電源の再充電を有効化すると共に、前記認証マネージャの動作を受けて開いて前記電源の再充電を抑止するように作動可能な充電スイッチ回路構成を具備する、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
前記認証モジュールが、前記電源と前記装置電子機器との間に配設される電力制御回路構成を具備し、
前記電力制御回路構成が、前記ロック解除状態と前記ロック状態でそれぞれ前記電源から前記装置電子機器への電力提供の為の経路を交互に提供及び遮断するように構成されている、
請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
前記電力制御回路構成が、前記認証マネージャの動作を受けて閉じて前記電源から前記装置電子機器への電力の印加を有効化すると共に前記認証マネージャの動作を受けて開いて前記電源から前記装置電子機器への電力の印加を抑止するように作動可能な制御スイッチ回路構成を具備する、請求項8に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
前記認証モジュールが、前記電源と前記エアロゾル送達装置の充電ポートとの間に配設される充電制御回路構成を具備し、
前記充電制御回路構成が、前記ロック解除状態と前記ロック状態でそれぞれ前記電源の充電を交互に有効化及び無効化するように構成され、
前記認証モジュールが、前記電源と前記装置電子機器との間に配設される電力制御回路構成を具備し、
前記電力制御回路構成が、前記ロック解除状態と前記ロック状態でそれぞれ前記電源から前記装置電子機器への電力提供の為の経路を交互に提供及び遮断するように構成されている、
請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
前記充電制御回路構成が、前記認証マネージャの動作を受けて閉じて前記電源の再充電を有効化すると共に前記認証マネージャの動作を受けて開いて前記電源の再充電を阻止するように作動可能な充電スイッチ回路構成を具備し、
前記電力制御回路構成が、前記認証マネージャの動作を受けて閉じて前記電源から前記装置電子機器への電力の印加を有効化すると共に前記認証マネージャの動作を受けて開いて前記電源から前記装置電子機器への電力の印加を抑止するように作動可能な制御スイッチ回路構成を具備する、
請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
前記装置電子機器が、前記エアロゾル送達装置のプリント回路基板に配設され、
前記装置電子機器が配設されている前記プリント回路基板を変形すること無く前記認証モジュールが前記エアロゾル送達装置へ挿入される、
請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
前記認証モジュールが、前記エアロゾルの発生の為に前記装置電子機器への電力の提供を制御するべく前記電源と前記装置電子機器との間で、そして前記電源の充電を制御するべく前記電源と前記エアロゾル送達装置の前記充電ポートとの間で前記エアロゾル送達装置へ挿入される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
エアロゾル送達装置の動作を制御する方法であって、
前記エアロゾル送達装置の装置電子機器及び電源にアクセスすることであって、前記電源からの電力の印加を受けてエアロゾルを発生させるように前記装置電子機器が構成されていることと、
前記電源と、前記エアロゾル送達装置の充電ポート及び前記装置電子機器のいずれか一方又は両方との間に、認証プロセスを規定するように構成されている認証モジュールを挿入することであって、前記認証モジュールが、前記装置電子機器に対する独立チップ又は回路基板を具備することと、
前記認証プロセスの完了に基づいてエアロゾルの発生又は前記電源の充電の制御の為に前記装置電子機器への電力の提供を制御することと、
を包含する方法。
【請求項15】
前記認証プロセスが、前記認証モジュールの認証マネージャからホスト装置と通信して、ネットワークを介する前記ホスト装置と外部認証部門との間の通信を受けて前記認証プロセスを実施することを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記認証プロセスが、前記ホスト装置と通信して前記ホスト装置から光学又は音声信号を受信することを包含し、前記光学又は音声信号が、ロック状態からロック解除状態へ前記エアロゾル送達装置を移行させるロック解除コードを提供する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
更に起動マネージャを介した前記認証プロセスの実行に先立って前記エアロゾル送達装置をスリープ又は低電力モードから起動させることを更に包含する方法であり、
前記起動マネージャが前記認証モジュールに配設される、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記電源と前記エアロゾル送達装置の前記充電ポート及び前記装置電子機器のいずれか一方又は両方との間への前記認証モジュールの挿入が、前記電源と前記エアロゾル送達装置の前記充電ポートとの間に充電制御回路構成を挿入することと、前記電源と前記装置電子機器との間に電力制御回路構成を挿入することとを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記充電制御回路構成が、ロック解除状態とロック状態のそれぞれで前記電源の充電を交互に有効化及び無効化するように構成され、
前記電力回路構成が、前記ロック解除状態と前記ロック状態のそれぞれで前記電源から前記装置電子機器への電力提供の為の経路を交互に提供及び遮断するように構成されている、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記装置電子機器が前記エアロゾル送達装置のプリント回路基板に配設され、
前記装置電子機器が配設される前記プリント回路基板を変形すること無く前記認証モジュールが前記エアロゾル送達装置へ挿入される、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置などエアロゾル送達装置の装置駆動及び制御に関する。専用モジュールを使用して、駆動に基づいた装置への通信によりエアロゾル送達装置が制御される。
【背景技術】
【0002】
使用の為にタバコの燃焼を必要とする喫煙製品に対する改良品又はその代替品として、多くの装置が何年にもわたって提案されている。幾つかの代替品の例は、固体又は液体燃料が燃焼してタバコに熱を伝えるか、このような熱源を提供するのに化学反応が使用される装置を含んでいる。代替品の追加例は、参照により本明細書に援用される特許文献1に記載されているように、タバコ及び/又は他のエアロゾル発生基板材料を加熱するのに電気エネルギーを使用する。概して、タバコ又は他の物質を加熱するのに電気エネルギーを使用する装置はエアロゾル送達装置と呼ばれ、電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置はこのような装置の一例である。
【0003】
これらの装置の多くは、タバコの燃焼から生じるかなりの量の不完全燃焼及び熱分解生成物の送達を伴うことなく、シガレット、葉巻、又はパイプ喫煙と関連する感覚を提供するように設計されると言われている。その為に、電気エネルギーを利用して揮発性材料を蒸発させるか加熱する、或いはタバコを大量に燃焼させずにシガレット、葉巻、又はパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多数の代替的な喫煙製品、フレーバー発生器、及び医療用吸入器が提案されている。例えば、全てが参照により本明細書に援用される特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8に記載の背景技術に提示されている様々な代替的喫煙具、エアロゾル発生装置、及び熱発生源を参照していただきたい。また、例えば、参照により援用される特許文献9及び特許文献10の背景部分に記載されている製品及び加熱構成の様々な実装形態を参照していただきたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書 ワームその他(Worm et al.)
【特許文献2】米国特許第8,881,737号明細書 コレットその他(Collet et al.)
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書 グリフィス・ジュニアその他(Griffith Jr. et al.)
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書 セバスチャンその他(Sebastian et al.)
【特許文献5】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書 シアーズその他(Sears et al.)
【特許文献6】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書 アンポリーニその他(Ampolini et al.)
【特許文献7】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書 デイビスその他(Davis et al.)
【特許文献8】米国特許出願第15/222,615号明細書 ワトソンその他(Watson et al.) 2016年7月28日出願
【特許文献9】米国特許第5,388,594号明細書 カウンツその他(Counts et al.)
【特許文献10】米国特許第8,079,371号明細書 ロビンソンその他(Robinson et al.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上に記載の喫煙具は、年齢制限を含むある種の制限を受ける。場所によっては、ENDS装置のカートリッジを含む物品の使用は、ユーザ年齢に基づいて制限される。年齢検証されたユーザによる装置の認証の必要性に対応する為、幾つかの認証方法のいずれかが採用され得る。しかしながら、これらの認証方法の多くは既存のENDS装置の構造及び動作への大きな変更を必要とし、それ故、コスト追加を引き起こすと共に恐らくは規制による制約を生じる。その為、既存の装置に追加され得る専用モジュールにより行われる制御に基づいて認証プロセスを開始させる手法を導入することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置を含むエアロゾル送達装置の制御に関する。ENDS又はエアロゾル送達装置は、認証を受けてのロック解除時に(幾つかの事例では、起動事象の検出により低電力又はスリープ状態から起動した後に)作動し得る。認証は第一に、認証により装置の動作が可能となる前の年齢検証を含む。このような認証の為に構成されたモジュールを収容する独立チップ又は回路基板を介して、認証が実施され得る。このようなモジュール(例えば認証モジュール)は、作動可能な装置のプリント回路基板又は装置設計に対する変更も必要とすること無く、他の点では作動可能な装置又は装置設計に加えられ得る。
【0007】
一実施形態では、エアロゾル送達装置が提供される。エアロゾル送達装置は、電力を提供してエアロゾルを発生させるように構成されている充電式電源と、電源からの電力の印加を受けてエアロゾルを発生させるように構成されている装置電子機器と、認証モジュールとを含み得る。認証モジュールは、装置電子機器に対する独立チップ又は回路基板を含み得る。エアロゾルの発生の為に装置電子機器への電力の提供を制御するべく電源と装置電子機器との間で、或いは電源の充電を制御するべく電源とエアロゾル送達装置の充電ポートとの間で、認証モジュールがエアロゾル送達装置へ挿入され得る。
【0008】
別の実施形態では、エアロゾル送達装置の動作を制御する方法が提供され得る。この方法は、エアロゾル送達装置の装置電子機器及び電源にアクセスすることを含み得る。装置電子機器は、電源からの電力の印加を受けてエアロゾルを発生させるように構成され得る。この方法は更に、認証プロセスを規定するように構成されている認証モジュールを、電源とエアロゾル送達装置の充電ポート及び装置電子機器とのいずれか一方又は両方との間に挿入することを含み得る。認証モジュールは、装置電子機器に対する独立チップ又は回路基板として規定され得る。方法は更に、エアロゾルの発生の為に装置電子機器への電力の提供を制御すること、或いは認証プロセスの完了に基づいて電源の充電を制御することを含み得る。
【0009】
本開示の幾つかの態様の基本的な理解を提供するように、幾つかの実装形態例を要約するという目的でこの概要が設けられていることが認識されるだろう。従って、上に記載された実装形態例は単なる例であって開示の範囲又は趣旨をいかなる点でも狭めるものと解釈されるべきでは無いことが認識されるだろう。他の実装形態例、態様、そして利点は、記載された幾つかの実装形態例の原理を例として示す添付図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
こうして上記の概説では本開示の態様について記載したが、ここで、必ずしも一定縮尺ではない添付図に言及する。
【
図1】互いに結合されているカートリッジと制御ボデーとを含む本開示の実装形態例によるエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図2】カートリッジと制御ボデーとが互いに分離されている実装形態例による
図1のエアロゾル送達装置の部分的破断図である。
【
図4】それぞれ互いに結合されて互いに分離される制御ボデーとエアロゾル発生源部材とを具備する本開示の別の実装形態例によるエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図6】実装形態例による
図3及び4のエアロゾル送達装置の正面図及び断面図をそれぞれ示す。
【
図8】制御ボデーに結合されたカートリッジを含む実装形態例によるエアロゾル送達装置の側面図及び部分的破断図をそれぞれ示す。
【
図9】本開示の様々な実装形態例によるエアロゾル送達装置の回路図を示す。
【
図10】本開示の実装形態例による信号調整回路構成の回路図を示す。
【
図11】装置の機能的制御の為のシステム図の例を示す。
【
図16】音声信号による装置の機能的制御の為のシステム図の例を示す。
【
図17】光学信号による装置の機能的制御の為のシステム図の例を示す。
【
図18】実施形態例による制御信号プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図19】実施形態例による音声信号プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図20】実施形態例によるホスト装置での認証の一例を示すフローチャートである。
【
図22】実施形態例の認証モジュールを収容する装置のブロック図を示す。
【
図23】実施形態例による認証モジュールの様々なコンポーネントを示すブロック図を示す。
【
図24】実施形態例によるエアロゾル送達装置を起動及びロック解除する為の高レベルフロー図を示す。
【
図25】実施形態例による、エアロゾル送達装置の様々なコンポーネントと、このようなコンポーネントと認証モジュールの様々なコンポーネントとの間での相互作用についてのブロック図を示す。
【
図26】実施形態例によるエアロゾル送達装置を作動させる方法のブロック図を示す。
【
図27】実施形態例による、認証モジュールを使用したエアロゾル送達装置の起動、認証、及びロック/ロック解除と関連する動作を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これから本明細書では、実装形態例を参照して本開示が詳しく記載される。これらの実装形態例は、本開示が綿密かつ完全であって開示の範囲を当業者に充分伝えるように記載される。実際に、本開示は多くの異なる形態で具現化され、本明細書に提示された実装形態に限定されると解釈されるべきでは無い。寧ろ、適用可能な法的要件を本開示が満たすようにこれらの実装形態が提供される。明細書及び添付の請求項で使用される際に、単数形の“a”、“an”、“the”、その他は、そうでは無いことが文章に明記されていない限り複数形への言及を含む。又、定量的測定値、値、幾何学的関係、その他について本明細書で言及され得るが、そうでは無いことが記されていない限り、これらの全てでは無くても一以上は、工学的公差その他によるものなど、発生し得る許容範囲の変化に対応し得るように絶対的又は近似的であり得る。
【0012】
以下に記載されるように、本開示は、エアロゾル送達装置又は電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置など年齢制限装置の認証を要求することに関する。年齢検証されていないユーザについては年齢制限装置が作動可能でないように、認証は事前の年齢検証を含むか要求し得る。認証は、装置を認証する為の制御信号を受信する年齢制限装置を含み得る。制御信号は、装置を認証する為の音声信号及び/又は視覚/光学信号を含み得る。幾つかの事例では、認証前に電力を節約する為に、装置起動手順の後で認証が開始され得る。しかしながら、いずれにしても装置への専用モジュールの挿入により認証(及び/又は起動)が開始され得る。それ故、既存のENDS装置設計の変更を最小にするようにモジュールが追加され得る。
【0013】
エアロゾル送達装置又はENDSは、年齢制限などの制限と関連し得る装置の例である。他の例は、テトラヒドロカンナビノール(THC)及び/又はカンナビジオール(CBD)などのカンナビノイド、植物、薬物、及び/又は、他の有効成分の送達の為の送達装置を含む。故に、エアロゾル送達又はENDS装置が様々な実施形態全ての適用例として使用されるが、他の薬効及び/又は有効成分をユーザに送達するのに使用され得るか無煙タバコ又は他のタバコ製品を含み得るエアロゾル送達装置を含めて、エアロゾル送達又はENDS装置以外の装置で本明細書に開示の進歩的概念が使用され得るように、この例は非限定的であることが意図されていると認識されるだろう。
【0014】
制御信号による装置認証は、ユーザによる年齢検証の実施への追加であり得るか、その前提条件として必要とされ得る。年齢検証を受けていないユーザは装置を認証できない。年齢制限製品の使用の為に、認証が周期的に実施される必要があり得る。ユーザの年齢を確認する、及び/又は、然るべきユーザ及び/又は装置を認証する為の年齢検証システムが設けられ得る。
【0015】
機能的制御及び認証は、ニコチン、シガレット、アルコール、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、CBDオイル、大麻/マリファナ、植物、薬効、及び/又は、他の年齢制限製品を含む年齢制限装置又は物質に適用可能である。認証は、エアロゾル送達装置以外の年齢制限装置に適用可能であり得る。同様に、年齢は装置の制限の一例であるが、装置の認証を通して検証される装置への他のタイプの制限が設けられてもよい。
【0016】
エアロゾル送達装置は制限を受け得る装置の一例であって、装置への制御信号により認証が達成され得る。
図1乃至10に関してエアロゾル送達装置が更に記載される。他の例で、装置は、カートリッジ以外の消耗品としてエアロゾル発生源部材を使用する加熱式装置であり得る。エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物(時には吸入性物質媒体と呼ばれる)からエアロゾル(吸入性物質)を発生させるように構成され得る。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ材料、半固体タバコ材料、又は液体エアロゾル前駆体組成物のうち一以上を包含し得る。幾つかの実装形態において、エアロゾル送達装置は、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱してこれからエアロゾルを発生させるように構成され得る。付加的又は代替的に、エアロゾル前駆体組成物は、植物性物質、薬物、アルコール、グリセリンを限定的にではなく含む上述の一以上の物質を包含し、ニコチン、及び/又は、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ジンジャー、大麻、朝鮮人参、マカ、チザン茶)、覚醒剤(例えば、カフェイン及びガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)、及び/又は、薬剤、栄養補助剤、薬効成分(例えば、B6、B12、Cなどのビタミンと、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)などのカンナビノイド)を限定的にではなく含む他の活性成分も含み得る。このようなエアロゾル送達装置は、所謂電子シガレットを含み得る。他の実装形態において、エアロゾル送達装置は加熱式装置を包含し得る。更に他の実装形態において、エアロゾル送達装置は非加熱式装置を包含し得る。
【0017】
蒸気前駆体組成物或いは「E‐リキッド」とも呼ばれる液体エアロゾル前駆体組成物は、電子シガレット及び非加熱式装置には特に有益である。液体エアロゾル前駆体組成物は、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、又はこれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、及び/又は、着香料を例として含む多様な成分を包含し得る。幾つかの例で、エアロゾル前駆体組成物はグリセリンとニコチンとを包含する。他の例で、組成物は付加的又は代替的に、アルコール、植物成分(例えばラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ジンジャー、大麻、朝鮮人参、マカ、チザン茶)、覚醒剤(例えば、カフェイン及びガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)、薬剤、栄養補助剤、薬効成分(例えば、B6、B12、Cなどのビタミンと、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)などのカンナビノイド)、又は他の活性成分、或いはこれらの組み合わせを含む。
【0018】
様々な実装形態と併せて使用され得る幾つかの液体エアロゾル前駆体組成物は、レブリン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸、安息香酸、フマル酸、これらの組み合わせ、その他など一以上の酸を含み得る。ニコチンを含む液体エアロゾル前駆体組成物に酸を含めると、塩形態のニコチンを含むプロトン化液体エアロゾル前駆体組成物が得られる。液体エアロゾル前駆体組成物及び製剤の代表的なタイプは、ロビンソンその他の米国特許第7,726,320号、Chongその他の米国特許第9,254,002号、ツェンその他の米国特許出願公開第2013/0008457号、リポウィッツその他の米国特許出願公開第2015/0020823号、コラーの米国特許出願公開第2015/0020830号と共に、ボウェンその他の国際公開第2014/182736号、コレットその他の米国特許第8,881,737号に提示及び特徴記載されており、これらの開示は参照により本明細書に援用される。採用され得る他のエアロゾル前駆体は、上に特定された幾つかの代表的な生成物のいずれかに組み込まれているエアロゾル前駆体を含む。やはり望ましいのは、ジョンソン・クリーク社(Johnson Creek Enterprises LLC)から市販されている電子シガレット用の所謂「スモークジュース(smoke juices)」である。また更なるエアロゾル前駆体組成物の例は、ブラック・ノート(BLACK NOTE)、コズミック・フォグ(COSMIC FOG)、ミルクマンE‐リキッド(THE MILKMAN E-LIQUID)、ファイブ・ポーンズ(FIVE PAWNS)、ベイパー・シェフ(THE VAPOR CHEF)、ベイプ・ワイルド(VAPE WILD)、ブースティッド(BOOSTED)、スチーム・ファクトリ(THE STEAM FACTORY)、メカ・ソース(MECH SAUCE)、ケイシー・ジョーンズ・メインライン・リザーブ(CASEY JONES MAINLINE RESERVE)、ミトン・ベイパーズ(MITTEN VAPORS)、ドクター・クリミーV‐リキッド(DR.CRIMMY’S V-LIQUID)、スマイリーEリキッド(SMILEY E LIQUID)、ビーンタウン・ベイパー(BEANTOWN VAPOR)、カットウッド(CUTTWOOD)、サイクロプス・ベイパー(CYCLOPS VAPOR)、シックボーイ(SICBOY)、グッドライフ・ベイパー(GOOD LIFE VAPOR)、テレオス(TELEOS)、ピンナップ・ベイパー(PINUP VAPORS)、スペース・ジャム(SPACE JAM)、マウント・ベイカー・ベイパー(MT. BAKER VAPOR)、ジミー・ザ・ジュースマン(JIMMY THE JUICE MAN)の商標名で販売されている。発泡材料の実装形態がエアロゾル前駆体と共に使用され、例を挙げると、ハントその他(Hunt et al.)の米国特許出願公開第2012/0055494号に記載されており、これは参照により本明細書に援用される。更に、発泡材料の使用は、例えば、ニアジその他(Niazi et al.)の米国特許第4,639,368号、ベーリングその他(Wehling et al.)の米国特許第5,178,878号、ベーリングその他の米国特許第5,223,264号、パーサーその他(Pather et al.)の米国特許第6,974,590号、ベルグクエストその他(Bergquist et al.)の米国特許第7,381,667号、クロフォードその他(Crawford et al.)の米国特許第8,424,541号、ストリックランドその他(Strickland et al.)の米国特許第8,627,828号、サンその他(Sun et al.)の米国特許第9,307,787号と共に、ブリンクリーその他(Brinkley et al.)の米国特許出願公開第2010/0018539号、ジョンソンその他(Johnson et al.)のPCT国際公開第97/06786号に記載されており、これら全てが参照により本明細書に援用される。
【0019】
エアロゾル前駆体を支持する為の基板、リザーバ、又は他のコンポーネントの代表的タイプは、ニュートンの米国特許第8,528,569号、チャップマンその他(Chapman et al.)の米国特許出願公開第2014/0261487号、デイビスその他(Davis et al.)の米国特許出願公開第2015/0059780号、ブレスその他(Bless et al.)の米国特許出願公開第2015/0216232号に記載されており、その全てが参照により本明細書に援用される、付加的に、様々な毛管作用材料と、或るタイプの電子シガレット内でのこれらの毛管作用材料の構成及び動作は、参照により本明細書に援用されるシアーズその他(Sears et al.)の米国特許第8,910,640号に提示されている。
【0020】
他の実装形態において、エアロゾル送達装置は、固体エアロゾル前駆体組成物(例えば抽出タバコロッド)又は半固体エアロゾル前駆体組成物(例えばグリセリン充填タバコペースト)を加熱するように構成されている加熱式装置を包含し得る。エアロゾル前駆体組成物は、タバコ含有ビーズ、タバコ破片、タバコ細片、再構成タバコ材料、又はこれらの組み合わせ、及び/或いは、細砕タバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、又は(炭酸カルシウムなど)任意の無機材料、任意の香料、及びエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体又は成形性(例えば押出成形性)の基板を形成する他のタバコ形態の混合物を包含し得る。固体及び半固体のエアロゾル前駆体組成物及び製剤の代表的タイプは、トーマスその他(Thomas et al.)の米国特許第8,424,538号、セバスチャンその他(Sebastian et al.)の米国特許第8,464,726号、コナーその他(Conner et al.)の米国特許出願公開第2015/0083150号、アデムその他(Ademe et al.)の米国特許出願公開第2015/0157052号、ノルドスコグその他(Nordskog et al.)の米国特許出願公開第2017/0000188号に開示されており、これら全てが参照により本明細書に援用される。固体及び半固体のエアロゾル前駆体組成物及び配置構成の更なる代表的タイプは、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco)によるグロー(GLO)TM製品用のネオスティック(NEOSTIKS)TMエアロゾル発生源部材消耗品と、フィリップ・モリス・インターナショナル社(Philip Morris International Inc.)によるアイコス(IQOS)TM製品用のヒーツ(HEETS)TMエアロゾル発生源部材消耗品とに見られるものを含む。
【0021】
様々な実装形態において、吸入性物質は具体的にはタバコ成分又はタバコ由来材料(つまりタバコに元来存在してタバコから直接的に単離され得るか合成により準備される材料)であり得る。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、不活性物質と組み合わされたタバコ抽出物又はその画分を包含し得る。エアロゾル前駆体組成物は更に、燃焼温度を下回る温度まで加熱された時に吸入性物質を放出する未燃タバコ或いは未燃タバコを含有する組成物を包含し得る。幾つかの実装形態で、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ凝縮物又はその画分(つまりタバコの燃焼により発生して香料と恐らくはニコチンを残す煙の凝縮成分)を包含し得る。
【0022】
他の実装形態において、無煙タバコ及び他のタバコ製品は、エアロゾル送達又はENDS装置ではなく年齢制限製品の例であり得る。市販されている代表的な無煙タバコ製品は、R.J.レイノルズ・タバコ・カンパニー(R.J. Reynolds Tobacco Company)によるキャメル・スヌース(CAMEL Snus)、キャメル・オーブス(CAMEL Orbs)、キャメル・ストリップ(CAMEL Strips)、及びキャメル・スティック(CAMEL Sticks)、アメリカン・スナッフ・カンパニーLLC(American Snuff Company, LLC)によるグリズリー・モイストタバコ(GRIZZLY moist tobacco)、コディアック・モイストタバコ(KODIAK moist tobacco)、レヴィ・ガレット・ルースタバコ(LEVI GARRETT loose tobacco)、テイラーズ・プライド・ルースタバコ(TAYLOR'S PRIDE loose tobacco)、スウィッシャー・インターナショナル社(Swisher International, Inc)によるカヤック・モイストスナッフ(KAYAK moist snuff)及びチャタヌーガ・チュー(CHATTANOOGA CHEW)噛みタバコ、ピンカートン・タバコ社(Pinkerton Tobacco Co. LP)によるレッドマン(REDMAN)噛みタバコ、米国スモークレスタバコ社(U.S. Smokeless Tobacco Company)によるコペンハーゲン・モイストタバコ(COPENHAGEN moist tobacco)、コペンハーゲン・ポーチ(COPENHAGEN Pouches)、スコールバンディット(SKOAL Bandits)、スコール・ポーチ(SKOAL Pouches)、レッドシール・ロングカット(RED SEAL long cut)、レベルミントタバコパック(REVEL Mint Tobacco Packs)、フィリップモリスUSA(Philip Morris USA)によるマルボロー・スヌース(MARLBORO Snus)及びタボカ(Taboka)と呼ばれるものを含み得る。一般に「スヌース(snus)」と呼ばれる嗅ぎタバコ製品の代表的なタイプは、スウェディッシュ・マッチAB(Swedish Match AB)、フィードラー・ラングレンAB(Fiedler & Lundgren AB)、グスタバスAB(Gustavus AB)、スカンジナビンアン・タバコ・グループA/S(Skandinavisk Tobakskompagni A/S)、ロッカープロダクションAB(Rocker Production AB)などの企業により、或いはこれらの企業を通して、欧州、特にスウェーデンで製造され得る。従来又は現在、米国で入手可能なスヌース製品は、R.J.レイノルズ・タバコ社(R.J. Reynolds Tobacco Company)により、キャメル・スヌース・フロスト(CAMEL Snus Frost)、キャメル・スヌース・オリジナル(CAMEL Snus Original)、キャメル・スヌース・スパイス(CAMEL Snus Spice)、キャメル・スヌース・ミント(CAMEL Snus Mint)、キャメル・スヌース・メロー(CAMEL Snus Mellow)、キャメル・スヌース・ウィンターチル(CAMEL Snus Winterchill)、キャメル・スヌース・ロバスト(CAMEL Snus Robust)などの商標名で市販されてきた。無煙タバコ製品は、缶、「パック」、又は「ポット」にパッケージされている。他の製品例は、レヴェル(REVEL)ニコチン錠剤(R.J.レイノルズ・ベイパー社(R.J. Reynolds Vapor Company)製品)などのニコチン錠剤と、スウェディッシュ・マッチ(Swedish Match)及びLYFTによるジン(Zyn)などのタバコフリーニコチン・ポーチ製品とを含む。
【0023】
本開示において有益であるタバコ材料は多様であり、例えば、黄色種タバコ、バーリータバコ、オリエンタル(Oriental)タバコ又はメリーランド(Maryland)タバコ、ダークタバコ、ダークファイアタバコ、そしてルスチカ(Rustica)タバコと共に、他の希少又は特殊なタバコ或いはそのブレンドを含み得る。タバコ材料は、加工タバコ茎(例えばカットロール又はカットパフ茎)、体積膨張タバコ(例えば、好ましくはカットフィラー形態のドライアイス膨張タバコ(DIET)などのパフタバコ)、再構成タバコ(例えば、製紙タイプ又はキャストシートタイプの加工を使用して製造される再構成タバコ)など、所謂「ブレンド」形態及び加工形態も含み得る。様々な代表的タイプのタバコ、加工タイプのタバコ、ブレンドタイプのタバコは、ローソンその他(Lawson et al.)の米国特許第4,836,224号、ペルフェッティその他(Perfetti et al.)の米国特許第4,924,888号、ブラウンその他(Brown et al.)の米国特許第5,056,537号、ブリンクリーその他(Brinkley et al.)の米国特許第5,159,942号、ジェントリー(Gentry)の米国特許第5,220,930号、ブランクリーその他(Blankley et al.)の米国特許第5,360,023号、シェイファーその他(Shafer et al.)の米国特許第6,701,936号、リーその他(Li et al.)の米国特許第7,011,096号、リーその他(Li et al.)の米国特許第7,017,585号、ローソンその他(Lawson et al.)の米国特許第7,025,066号、ペルフェッティその他の米国特許出願公開第2004/0255965号、ベアマン(Bareman)のPCT国際公開第02/37990号、そしてボムビックその他(Bombick et al.)の応用毒性学基金(Fund. Appl. Toxicol.)39の11~17ページ(1997年)に提示されており、これらは参照により本明細書に援用される。本開示によるものを含めて喫煙装置に有益であり得る更なるタバコ組成物の例は、参照により本明細書に援用されるロビンソンその他(Robinson et al.)の米国特許第7,726,320号に開示されている。
【0024】
また更に、エアロゾル前駆体組成物は、吸入性物質又はその前駆体が一体化又は付着された不活性基板を包含し得る。例えば、熱の印加時に、正又は負の圧力の印加を通して進歩性的な物品から導出可能な形態で吸入性物質が放出されるように、吸入性物質を包含する液体が不活性基板にコーティング或いは吸収又は吸着され得る。幾つかの態様で、エアロゾル前駆体組成物は、カットフィラー形態の風味及び芳香タバコのブレンドを包含し得る。別の態様で、エアロゾル前駆体組成物は、プライアその他(Pryor et al.)の米国特許第4,807,809号、プライアその他の米国特許第4,889,143号、レイカー(Raker)の米国特許第5,025,814号に記載されているような再構成タバコ材料を包含し、これらの開示は参照により本明細書に援用される。適当なエアロゾル前駆体組成物に関する更なる情報については、2018年3月9日に出願されたスールその他(Sur et al.)の米国特許出願公開第15/916,834号を一読していただきたく、これは参照により本明細書に援用される。
【0025】
エアロゾル前駆体組成物のタイプに関係なく、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させるように構成されているエアロゾル発生コンポーネントを含み得る。電子シガレット又は加熱式装置の事例では、例えば、エアロゾル発生コンポーネントは加熱要素であるかこれを含み得る。非加熱式装置の事例では、幾つかの例で、エアロゾル発生コンポーネントは振動式の圧電又は圧磁メッシュであり得るかこれらを含み得る。言い換えると、エアロゾル発生の為の加熱要素が用意されなくてもよい。幾つかの実施形態のエアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させるように協働する振動式エアロゾル発生コンポーネント(例えば振動式圧電セラミック及び/又は他の圧電若しくは圧磁材料)など、加熱要素と追加要素の両方を含み得るエアロゾル発生コンポーネントとなる要素の組み合わせを含み得る。
【0026】
適当な加熱要素の一例は、誘導ヒータである。このようなヒータは大抵、誘導送電器と誘導受電器とを具備する。誘導送電器は、交流が通される時に発振磁場(例えば時間と共に周期的に変化する磁場)を形成するように構成されているコイルを含み得る。誘導受電器は、誘導送電器内に少なくとも部分的に設置又は収容され、導電性材料(例えば強磁性材料又はアルミニウムコーティング材料)を含み得る。誘導送電器に交流を通すことにより、誘導を介して誘導受電器に渦電流が発生し得る。誘導受電器を画定する材料の抵抗を流れる渦電流は、ジュール加熱により(つまりジュール効果を通して)これを加熱し得る。噴霧器を画定し得る誘導受電器はワイヤレスで加熱されて、誘導受電器に近接して配置されたエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成し得る。誘導ヒータを備えるエアロゾル送達装置の様々な実装形態は、デイビスその他(Davis et al.)の米国特許出願公開第2017/0127722号、スールその他(Sur et al.)の米国特許出願公開第2017/0202266号、2016年11月15日に出願されたスールその他の米国特許出願第15/352,153号、2017年10月31日に出願されたセバスチャンその他(Sebastian et al.)の米国特許出願第15/799,365号、スール(Sur)の米国特許出願第15/836,086号に記載されており、これら全てが参照により本明細書に援用される。
【0027】
本明細書で更に詳しく記載されるものを含む他の実装形態において、加熱要素は、電気抵抗ヒータの事例のように導電性ヒータである。これらのヒータは電流が通された時に熱を発生するように構成され得る。様々な実装形態において、箔、発泡体、円板、螺旋体、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、細片、リボン、又は円筒体の形態など、多様な形態で導電性ヒータが設けられ得る。このようなヒータは金属材料を大抵含み、電流の通過と関連する電気抵抗の結果として熱を発生するように構成されている。このような抵抗ヒータはエアロゾル前駆体組成物に近接して配置されてこれを加熱し、エアロゾルを発生させる。本開示で使用可能であり得る多様な導電性基板は、上に引用されたグリフィスその他(Griffith et al.)の米国特許出願公開第2013/0255702号に記載されている。
【0028】
幾つかの実装形態において、エアロゾル送達装置は、所謂電子シガレット又は非加熱式装置の事例では制御ボデー及びカートリッジを、或いは加熱式装置の事例では制御ボデー及びエアロゾル発生源部材を含み得る。カートリッジは装置の消耗品の一例であり、カートリッジへの言及は他の消耗品を含み得る。エアロゾル発生源部材の他の例は、加熱式装置で使用され得るタバコ、タバコ抽出物、エアロゾルフォーマ、ニコチン、及び/又は、他の活性成分などの「スティック(stick)」を含み得る。例えば、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco)によるグロー(GLO)TM製品用の消耗品であるネオスティック(NEOSTIKS)TMエアロゾル発生源部材と、フィリップ・モリス・インターナショナル社(Philip Morris International, Inc.)によるアイコス(IQOS)TM製品用の消耗品であるヒーツ(HEETS)TMエアロゾル発生源部材。電子シガレットと加熱式装置のいずれかの事例において、制御ボデーは再使用可能であるのに対して、カートリッジ/エアロゾル発生源部材は使用回数が限定されるように構成される、及び/又は、使い捨てであるように構成され得る。様々な機構はカートリッジ/エアロゾル発生源部材を制御ボデーに接続して、結果的にネジ係合、圧入係合、締り嵌め、滑り嵌め、磁気係合、その他が行われ得る。
【0029】
制御ボデーとカートリッジ/エアロゾル発生源部材とは、幾つかの異なる材料のいずれかで形成され得る独立したそれぞれのハウジング又は外側ボデーを含み得る。ハウジングは、構造的に安全である適当な材料で形成され得る。幾つかの例で、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウム、その他など、金属又は合金で形成され得る。他の適当な材料は、様々なプラスチック(例えばポリカーボネート)、プラスチックへの金属めっき、セラミック、その他を含む。
【0030】
カートリッジ(つまりエアロゾル発生源部材)は、エアロゾル前駆体組成物を含み得る。エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させる為に、エアロゾル発生コンポーネント(例えば、加熱要素、圧電/圧磁メッシュ)が、制御ボデー及びカートリッジにわたって、或いはエアロゾル発生源部材が配置され得る制御ボデーなどにおいて、エアロゾル前駆体組成物と接触するか近接して配置され得る。制御ボデーは充電式又は交換式であり得る電源を含み、これにより多数のカートリッジ/エアロゾル発生源部材と共に制御ボデーが再使用され得る。
【0031】
制御ボデーは、装置の手動制御の為の押しボタン、タッチ感応表面、その他など、エアロゾル送達装置を駆動する手段も含み得る。付加的又は代替的に、制御ボデーは、カートリッジ/エアロゾル発生源部材をユーザが吸い込むことによりエアロゾル送達装置を駆動する時を検出する流量センサを含み得る。幾つかの実施形態において、制御ボデーは、他の実施形態における消耗品又はカートリッジではなく、加熱要素を含み得る。
【0032】
様々な実装形態において、本開示によるエアロゾル送達装置は、実質的なロッド状、実質的な管形状、或いは実質的な円筒形状であると定義され得る全体形状を限定的にではなく含む多様な全体形状を有し得る。添付図に示されてこれを参照して記載される実装形態において、エアロゾル送達装置は実質的に円形の断面を有する。しかしながら、他の断面形状(例えば楕円形、方形、矩形、三角形等)も本開示に内含される。物品の物理的形状を記述するこのような言語は、制御ボデーとカートリッジ/エアロゾル発生源部材とを含む個々のコンポーネントにも適用され得る。他の実装形態で、制御ボデーは小箱形状など別の手持ち形状を取り得る。
【0033】
より具体的な実装形態において、制御ボデーとカートリッジ/エアロゾル発生源部材との一方又は両方は、使い捨て又は再使用可能なものと言及され得る。例えば、制御ボデーは、交換式バッテリ又は充電式バッテリなどの電源、SSB、薄膜SSB、コンデンサ、光電池、充電式超コンデンサ、リチウムイオン又はハイブリッドリチウムイオン超コンデンサ、その他を有し得る。電源の一例は、ドイツのタディラン・バッテリー社(Tadiran Batteries GmbH)により生産されているTKI‐1550充電式リチウムイオンバッテリである。別の実装形態において、有益な電源は、日本の三洋電機株式会社(Sanyo Electric Company, Ltd.)により生産されているN50‐AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実装形態では、例えば各々が1.2ボルトを提供する複数のこのようなバッテリが直列接続され得る。幾つかの実装形態で、電源は出力電圧を提供するように構成されている。エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させるように電力供給可能であるエアロゾル発生コンポーネントに電源が電力供給を行い得る。以下で更に考察されるように、電源は充電アクセサリなど何らかのタイプの充電技術と接続され得る。
【0034】
電源の例は、ペカラーその他(Peckerar et al.)の米国特許第9,484,155号と、2015年10月21日に出願されたスールその他(Sur et al.)の米国特許出願公開第2017/0112191号に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に援用される。他の適当な電源の例は、ホーズその他(Hawes et al.)の米国特許出願公開第2014/0283855号、フェルナンドその他(Fernando et al.)の米国特許出願公開第2014/0014125号、ニコルズその他(Nichols et al.)の米国特許出願公開第2013/0243410号、フェルナンドその他の米国特許出願公開第2010/0313901号、フェルナンドその他の米国特許第9,439,454号に提示され、これら全てが参照により本明細書に援用される。流量センサに関して、エアロゾル送達装置の為の様々なマイクロコントローラ、センサ、及びスイッチを含む代表的な電流調整コンポーネント及び他の電流制御コンポーネントは、ガースその他(Gerth et al.)の米国特許第4,735,217号、全てブルックスその他(Brooks et al.)の米国特許第4,922,901号、第4,947,874号、第4,947,875号、マッカファーティその他(McCafferty et al.)の米国特許第5,372,148号、フライシュハウアーその他(Fleischhauer et al.)の米国特許第6,040,560号、グエンその他(Nguyen et al.)の米国特許第7,040,314号、パン(Pan)の米国特許第8,205,622号、コレットその他(Collet et al.)の米国特許出願公開第8,881,737号、アンポリーニその他(Ampolini et al.)の米国特許第9,423,152号、フェルナンドその他の米国特許第9,439,454号、ヘンリーその他(Henry et al.)の米国特許出願公開第2015/0257445号に記載されており、その全てが参照により本明細書に援用される。
【0035】
電子エアロゾル送達品に関係しており、この物品に使用され得る材料又は構成要素を開示しているコンポーネントの更なる例は、ガースその他(Gerth et al.)の米国特許第4,735,217号、モーガンその他(Morgan et al.)の米国特許第5,249,586号、ヒギンズその他(Higgins et al.)の米国特許第5,666,977号、アダムスその他(Adams et al.)の米国特許第6,053,176号、ホワイト(White)の米国特許第6,164,287号、ボーグ(Voges)の米国特許第6,196,218号、フェルターその他(Felter et al.)の米国特許第6,810,883号、ニコルズ(Nichols)の米国特許第6,854,461号、ホン(Hon)の米国特許第7,832,410号、コバヤシ(Kobayashi)の米国特許第7,513,253号、ハマノ(Hamano)の米国特許第7,896,006号、シェイアン(Shayan)の米国特許第6,772,756号、ホン(Hon)の米国特許第8,156,944号及び第8,375,957号、トーレンスその他(Thorens et al.)の米国特許第8,794,231号、オグレスビーその他(Oglesby et al.)の米国特許第8,851,083号、モンシーズその他(Monsees et al,)の米国特許第8,915,254号及び第8,925,555号、デピアノその他(DePiano et al.)の米国特許第9,220,302号、ホンの米国特許出願公開第2006/0196518号及び第2009/0188490号、オグレスビーその他(Oglesby et al.)の米国特許出願公報第2010/0024834号、ワン(Wang)の米国特許出願公開第2010/0307518号、ホンの国際公開第2010/091593号、フー(Foo)の国際公開第2013/089551号を含み、これらの各々が参照により本明細書に援用される。更に、ワームその他(Worm et al.)の米国特許出願公開第2017/0099877号は、エアロゾル送達装置に含まれ得るカプセルと、エアロゾル送達装置のフォブ形状構成とを開示しており、参照により本明細書に援用される。上記の文献により開示される多様な材料は、様々な実装形態で本装置に取り入れられ、上記開示の全てが参照により本明細書に援用される。
【0036】
本開示のエアロゾル送達装置に取り入れられ得るその他の特徴、制御器、又はコンポーネントは、ハリスその他(Harris et al.)の米国特許第5,967,148号、ワトキンスその他(Watkins et al.)の米国特許第5,934,289号、カウンツその他(Counts et al.)の米国特許第5,954,979号、フライシュハウアーその他(Fleischhauer et al.)の米国特許第6,040,560号、ホン(Hon)の米国特許第8,365,742号、フェルナンドその他の米国特許第8,402,976号、カタセ(Katase)の米国特許出願公開第2005/0016550号、フェルナンドその他の米国特許第8,689,804号、タッカーその他(Tucker et al.)の米国特許出願公開第2013/0192623号、レーベンその他(Leven et al.)の米国特許第9,427,022号、キムその他(Kim et al.)の米国特許出願公開第2013/0180553号、セバスチャンその他(Sebastian et al.)の米国特許出願公開第2014/0000638号、ノヴァクその他(Novak et al.)の米国特許出願公開第2014/0261495号、デピアノその他(DePiano et al.)の米国特許第9,220,302号に記載されており、これら全てが参照により本明細書に援用される。
【0037】
別の態様において、本開示は、本明細書に記載の多様なコンポーネントを提供するキットについてのものであり得る。例えば、キットは、一以上のカートリッジ又はエアロゾル発生源部材を備える制御ボデーを具備し得る。キットは更に、一以上のバッテリと共に以下に記載される充電アクセサリと、一以上のカートリッジを備える制御ボデーとを含み得る。キットは更に、複数のカートリッジと一以上のバッテリ及び/又は充電アクセサリとを具備し得る。上記実施形態において、カートリッジ又は制御ボデーは加熱部材を包括的に備え得る。進歩的なキットは更に、一以上の別のキットコンポーネントを収納する筐体(又は他のパッケージ、携行若しくは保管コンポーネント)を含み得る。代替的に、充電アクセサリはキットの一つの筐体であり得る。筐体は再使用可能な硬質又は軟質の容器であり得る。更に、筐体が単純に箱又は他のパッケージ構造であってもよい。
【0038】
図1及び2は、電子シガレットの事例で制御ボデーとカートリッジとを含むエアロゾル送達装置の実装形態を示している。これに関して、
図1及び2は、本開示の実装形態例によるエアロゾル送達装置100を示している。指摘したように、エアロゾル送達装置は制御ボデー102(つまりバッテリ部分)とカートリッジ104とを含み得る。下で記載されるように、装置の動作は、カートリッジ104が装填された時などに、年齢検証と共に認証を必要とし得る。制御ボデーとカートリッジとは機能関係で永続的又は着脱可能に整合され得る。これに関して、
図1は結合構成でのエアロゾル送達装置の斜視図を示すのに対して、
図2は分離構成でのエアロゾル送達装置の部分的破断側面図を示す。エアロゾル送達装置は、例えば、制御ボデー及びカートリッジが組立構成にある時に、幾つかの実装形態では実質的にロッド状、実質的に管形状、或いは実質的に円筒形状であり得る。
【0039】
制御ボデー102及びカートリッジ104は、圧入(又は締り嵌め)接続、ネジ接続、磁気接続、その他など、多様な接続により互いに係合するように構成され得る。その為、制御ボデーは、カートリッジの第2係合要素(例えばコネクタ)と係合するのに適応した第1係合要素(例えばカプラ)を含み得る。第1係合要素と第2係合要素とは可逆的であり得る。一例として、第1係合要素と第2係合要素のいずれかは雄ネジであり、他方は雌ネジであり得る。更なる例として、第1係合要素と第2係合要素のいずれかは磁石であり、他方は金属又は対応の磁石であり得る。特定の実装形態では、制御ボデー及びカートリッジの既存コンポーネントにより係合要素が直接的に画定され得る。例えば、制御ボデーのハウジングは、カートリッジの少なくとも一部分(例えば、カートリッジの保管タンク又は他のシェル形成要素)を収容するように構成されている空洞をその端部に画定し得る。特に、カートリッジの保管タンクは制御ボデーの空洞内に少なくとも部分的に収容され得るのに対して、カートリッジの吸口部品は制御ボデーの空洞の外側に露出したままである。(例えば、カートリッジの外側表面と制御ボデー空洞を形成する壁部の内側表面との間に締り嵌め係合を形成する戻り止め及び/又は他の特徴の使用を通した)締り嵌めにより、(例えば、制御ボデーの空洞内に配置されると共にカートリッジに配置される磁石及び/又は磁性金属の使用を通した)磁気係合により、或いは他の適当な技術などにより、カートリッジが制御ボデーハウジングにより形成される空洞内に保持され得る。
【0040】
図2に示されている破断図に見られるように、制御ボデー102とカートリッジ104の各々はそれぞれ幾つかのコンポーネントを含む。
図2に示されているコンポーネントは、制御ボデー及びカートリッジに存在し得るコンポーネントを代表するものであり、本開示により内含されるコンポーネントの範囲を限定することは意図されていない。一実施形態において、制御ボデー102はバッテリ部分と呼ばれ得る。図のように、例えば、制御コンポーネント208(例えば処理回路構成等)と、流量センサ210と、電源212(例えばバッテリ、超コンデンサ)と、インジケータ214(例えばLED、量子ドットベースLED)とを含み得るハウジング206(時には制御ボデーシェルと呼ばれる)から制御ボデー102が形成され、このようなコンポーネントは可変的に整合され得る。電源は充電式であり、制御コンポーネントは、スイッチと、流量センサ及びスイッチに結合される処理回路構成とを含み得る。処理回路構成は、認証又は年齢検証状況に応じて装置のアクセスを抑止する(装置をロックする)ように構成され得る。一例において、装置は、使用が抑止されるロック状態で始動するが、装置での適正な制御信号の受信時に装置が認証されると使用可能になるだろう。言い換えると、装置のデフォルト状態はロックであり、(年齢検証と共に)認証により装置をロック解除する。
【0041】
エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されているリザーバ218を包囲して加熱要素220(エアロゾル発生コンポーネント)を含むハウジング216(時にはカートリッジシェルと呼ばれる)から、カートリッジ104が形成され得る。様々な構成において、この構造はタンクと呼ばれ得る。従って、「カートリッジ(cartridge)」、「タンク(tank)」、その他の語は、エアロゾル前駆体組成物の為のリザーバを包囲して加熱要素を含むシェル又は他のハウジングを指すように互換的に使用され得る。
【0042】
示されているように、幾つかの例で、リザーバ218は、リザーバハウジングに保管されたエアロゾル前駆体組成物を加熱要素220へ毛管作用で運ぶか或いは輸送するのに適応した液体輸送要素222との流体連通状態にあり得る。幾つかの例では、バルブがリザーバと加熱要素との間に配置され、リザーバから加熱要素に送られるか送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成され得る。
【0043】
電流が印加された時に熱を発生させるように構成されている様々な材料の例が、加熱要素220を形成するのに採用され得る。これらの例における加熱要素は、ワイヤコイル、マイクロヒータ、その他などの抵抗加熱要素であり得る。加熱要素を形成し得る材料の例は、カンタル(Kanthal)(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス鋼、酸化インジウムスズ、タングステン、二珪化モリブデン(MoSi2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムドープ二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、チタン、白金、銀、パラジウム、銀とパラジウムの合金、グラファイト及びグラファイト系材料(例えば炭素系の発泡体及び糸)、導電性インク、ホウ素ドープシリカ、及びセラミック(例えば正又は負の温度係数のセラミック)を含む。加熱要素は、抵抗加熱要素、或いは誘導により熱を発生するように構成されている加熱要素であり得る。窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素、又はこれらの合成物などの熱伝導性セラミックにより、加熱要素がコーティングされ得る。本開示によるエアロゾル送達装置において有益な加熱要素の実装形態例が以下で更に記載され、本明細書に記載されているような装置に取り入れられ得る。
【0044】
形成されたエアロゾルの、カートリッジ104からの放出を許容するように、ハウジング216(例えば吸口端部に)には開口部224が存在し得る。カートリッジ104は、集積回路、メモリコンポーネント(例えばEEPROM、フラッシュメモリ)、センサ、その他を含み得る一以上の電子コンポーネント226も含み得る。電子コンポーネントは、制御コンポーネント208と、及び/又は、外部装置と、有線又はワイヤレス手段により通信するのに適応し得る。電子コンポーネントは、カートリッジ又はそのベース228の中のどこかに配置され得る。
【0045】
制御コンポーネント208と流量センサ210とが別々に図示されているが、制御コンポーネントと流量センサとを含む様々な電子コンポーネントが、電子コンポーネントを支持してこれらを電気的に接続する回路基板(例えばPCB)上で組み合わされ得ることは理解されている。更に、回路基板が制御ボデーの中心軸線に対して長さ方向に平行であり得るという点において、回路基板は
図1の図例について水平に配置され得る。幾つかの例で、空気流量センサは、それが装着され得る独自の回路基板又は他のベース要素を具備し得る。幾つかの例では、可撓性回路基板が利用され得る。可撓性回路基板は、実質的な管形状を含む多様な形状に構成され得る。幾つかの例で、可撓性回路基板は、ヒータ基板と組み合わされるか、これに積み重ねられるか、その一部又は全体を形成し得る。
【0046】
制御ボデー102とカートリッジ104とは、その間の流体係合を促進するのに適応したコンポーネントを含み得る。
図2に図示されているように、制御ボデーは、中に空洞232を有するカプラ230を含み得る。カートリッジのベース228はカプラとの係合に適応しており、空洞内への嵌着に適応した突出部234を含み得る。このような係合は制御ボデーとカートリッジとの間の安定的な接続を容易にすると共に、制御ボデーの電源212及び制御コンポーネント208とカートリッジの加熱要素220との間に電気接続を確立することができる。更に、ハウジング206は吸気口236を含み、これはハウジングがカプラに接続されるところにあるハウジングの切欠きであって、カプラの周りとハウジングへの大気の通過を許容し、大気はカプラの空洞232を経て突出部234からカートリッジへ進む。
【0047】
本開示による有益なカプラ及びベースは、参照により本明細書に援用されるノヴァクその他(Novak et al.)の米国特許出願公開第2014/0261495号に記載されている。例えば、
図2に見られるカプラ230は、ベース228の内周部240と当接するように構成されている外周部238を画定し得る。一例において、ベースの内周部は、カプラの外周部の半径と実質的に等しいかこれより若干大きい半径を画定し得る。更に、カプラは、ベースの内周部に画定される一以上の凹部244と係合するように構成されている一以上の凸部242を外周部に画定し得る。しかしながら、ベースをカプラに結合するのに他の様々な構造、形状、及びコンポーネントの例が採用されてもよい。幾つかの例ではカートリッジ104のベースと制御ボデー102のカプラとの間の接続は実質的に永続的であるが、他の例では例えば使い捨て及び/又は詰替え式である一以上の追加カートリッジと共に制御ボデーが再使用され得るように、その間の接続は解除可能であり得る。
【0048】
図2に図示されているリザーバ218は容器であり得るか、これから記載されるように繊維質のリザーバであり得る。例えば、この例ではハウジング216の内部を囲繞する管体の形状に実質的に形成された不織繊維の一以上の層をリザーバが包含し得る。リザーバにはエアロゾル前駆体組成物が保持され得る。例えば液体成分がリザーバにより吸着保持され得る。リザーバは液体輸送要素222との流体接続状態にあり得る。液体輸送要素は、リザーバに保管されたエアロゾル前駆体組成物を、毛管作用を介して―或いはマイクロポンプを介して―、この例では金属ワイヤコイルの形態である加熱要素220へ輸送できる。その為、加熱要素は液体輸送要素との加熱配置構成にある。
【0049】
幾つかの例では、マイクロ流体チップがリザーバ218に埋設され、リザーバから送達されるエアロゾル前駆体組成物の量及び/又は質量は、マイクロ電気機械システム(MEMS)技術に基づくものなどのマイクロポンプにより制御され得る。本開示によるエアロゾル送達装置で有益なリザーバ及び輸送要素の他の実装形態例が本明細書で更に記載され、このようなリザーバ及び/又は輸送要素は、本明細書に記載されるような装置に組み込まれ得る。特に、本明細書に更に記載される加熱部材と輸送要素との特定の組み合わせが、本明細書に記載されるような装置に組み込まれ得る。
【0050】
使用時には、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸い込む時に、流量センサ210により気流が検出され、加熱要素220が駆動されてエアロゾル前駆体組成物の成分を蒸発させる。エアロゾル送達装置の吸口端部を吸うと、大気が吸気口236から入って、カプラ230の空洞232とベース228の突出部234の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸い込まれた空気が、形成された蒸気と組み合わされてエアロゾルを形成する。エアロゾルは攪拌又は吸引されるか、或いは、エアロゾル送達装置の加熱要素から吸口端部の開口部224へ吸い出される。
【0051】
電子シガレットの事例で制御ボデーとカートリッジとを含むエアロゾル送達装置の実装形態に関する更なる詳細については、上に引用されたスール(Sur)の米国特許出願第15/836,086号、スールその他(Sur et al.)の米国特許出願第15/916,834号と共に、2018年3月9日に出願されたスールの米国特許出願第15/916,696号を参考にしていただきたく、これらも参照により本明細書に援用される。
【0052】
図3乃至6は、加熱式装置の事例において制御ボデーとエアロゾル発生源部材とを含むエアロゾル送達装置の実装形態を示している。より具体的に記すと、
図3は、本開示の実装形態例によるエアロゾル送達装置300を示している。エアロゾル送達装置は、制御ボデー302とエアロゾル発生源部材304とを含み得る。様々な実装形態において、エアロゾル発生源部材と制御ボデーとは機能関係で永続的又は着脱可能に整合され得る。これに関して、
図3は結合構成でのエアロゾル送達装置を示すのに対して、
図4は分離構成でのエアロゾル送達装置を示している。
【0053】
図4に示されているように、本開示の様々な実装形態において、エアロゾル発生源部材304は、制御ボデー302へ挿入されるように構成されている加熱端部406と、ユーザが吸うとエアロゾルが発生される吸口端部408とを具備し得る。様々な実装形態において、加熱端部の少なくとも一部分はエアロゾル前駆体組成物410を含み得る。
【0054】
様々な実装形態において、エアロゾル発生源部材304又はその一部分は、エアロゾル発生源部材の為の付加的な構造及び/又は支持体を設けるのに有益な何らかの材料から形成され得る外部被覆材料412で覆われ得る。様々な実装形態において、外部被覆材料は、紙或いはセルロース材料などの他の繊維材料を含み得る、熱の伝達に抵抗する材料を包含し得る。外部被覆材料は、繊維材料に埋設又は分散される少なくとも一種のフィラー材料も含み得る。様々な実装形態で、フィラー材料は非水溶性粒子の形態を有し得る。付加的に、フィラー材料には無機成分が取り入れられ得る。様々な実装形態において、外部被膜は、シガレットの一般的な包み紙のように、下層、バルク層、上層など多数の層で形成され得る。このような材料は、例えば、亜麻、麻、サイザル、稲わら、及び/又は、エスパルトなど、軽量の「ボロ繊維」を含み得る。外部被膜は、酢酸セルロースなど、従来のシガレットのフィルタ要素で一般的に使用される材料も含み得る。
【0055】
更に、エアロゾル発生源部材の吸口端部408での被膜の余剰長さは、単にエアロゾル前駆体組成物410を消費者の口から隔離するか、以下に記載されるようにフィルタ材料の配置の為のスペースを設けるか、物品の吸込みに影響するか、吸込み中に装置から出る蒸気又はエアロゾルの流動特性に影響するように機能し得る。本開示で使用され得る被覆材料の為の構成に関する更なる考察は、上に引用されたワームその他(Worm et al.)の米国特許第9,078,473号に見られる。
【0056】
様々な実装形態では、エアロゾル発生源部材304のエアロゾル前駆体組成物410と吸口端部408との間に他のコンポーネントが存在し、例えば酢酸セルロース又はポリプロピレン材料で製作され得るフィルタ414を吸口端部が含み得る。フィルタは付加的又は代替的に、レイカーその他(Raker et al.)の米国特許第5,025,814号に記載されているようなタバコ含有材料の撚糸を含有し、その全体が参照により本明細書に援用される。様々な実装形態において、フィルタはエアロゾル発生源部材の吸口端部の構造的一体性を高める、及び/又は、所望であればフィルタリング性能を提供する、及び/又は、吸込みに対する抵抗を与え得る。幾つかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物と吸口端部との間に以下の組み合わせのうち一つ又はいずれかが配置され得る。空隙、空気を冷却する為の相変化材料、香料放出媒体、選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維、フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子、他の適当な材料。
【0057】
本開示の様々な実装形態は、エアロゾル発生源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱する一以上の導電性加熱要素を採用する。様々な実装形態では、箔、発泡体、メッシュ、中空球体、半球体、円板、螺旋体、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、薄片、リボン、又は円筒体の形態など、多様な形態で加熱要素が設けられ得る。このような加熱要素は大抵、金属材料を包含し、電流の通過と関連する電気抵抗の結果として熱を発生させるように構成されている。エアロゾル発生源部材、特にエアロゾル発生源部材のエアロゾル前駆体組成物との直接接触状態で、或いはこれに近接して、このような抵抗加熱要素が配置され得る。加熱要素は、制御ボデー及び/又はエアロゾル発生源部材に設置され得る。様々な実装形態で、エアロゾル前駆体組成物は、加熱アセンブリとして作用するかその機能を促進し得る基板部分に埋設されるか或いはその一部であるコンポーネント(つまり熱伝導構成要素)を含み得る。様々な加熱部材及び要素の幾つかの例は、ワームその他(Worm et al.)の米国特許第9,078,473号に記載されている。
【0058】
様々な加熱要素構成の幾つかの非限定的な例は、エアロゾル発生源部材304に近接して加熱要素が載置される構成を含む。実例を挙げると、幾つかの例で、加熱要素の少なくとも一部分はエアロゾル発生源部材の少なくとも一部分を囲繞し得る。他の例では、制御ボデー302へ挿入された時に、一以上の加熱要素がエアロゾル発生源部材の外面に隣接して配置され得る。他の例では、エアロゾル発生源部材が制御ボデーへ挿入された時に、加熱要素の少なくとも一部分がエアロゾル発生源部材の少なくとも一部分を貫通し得る(例えば、エアロゾル発生源部材を貫通する一以上の突起及び/又はスパイクなど)。幾つかの実例において、エアロゾル前駆体組成物は、加熱要素として作用するかその機能を促進し得るエアロゾル前駆体組成物との接触状態にある構造か、これに埋設されるか或いはその一部である複数のビーズ又は粒子を含み得る。
【0059】
図5は本開示の実装形態例によるエアロゾル送達装置300の正面図を示し、
図6は
図5のエアロゾル送達装置の断面図を示す。特に、描かれている実装形態の制御ボデー302は、その係合端部に画定される開口部518を含むハウジング516と、流量センサ520(例えば呼気センサ又は圧力スイッチ)と、制御コンポーネント522(例えば処理回路構成等)と、電源524(例えばバッテリ、超コンデンサ)と、インジケータ526(例えばLED)を含むエンドキャップとを具備し得る。電源は充電式であり、制御コンポーネントは、スイッチと、流量センサ及びスイッチに結合される処理回路構成とを含み得る。処理回路構成は、以下で更に考察されるように年齢検証に失敗した場合にスイッチでの動作を抑止するように構成され得る。装置のデフォルト状態はスイッチが接続されていない状態であって、(検証に基づき得る)認証の際にスイッチが接続される。
【0060】
一実装形態において、インジケータ526は、一以上のLED、量子ドットベースLED、その他を包含し得る。インジケータは制御コンポーネント522との通信状態にあって、例えば、制御ボデー302への結合時には、流量センサ520により検出されるようにユーザがエアロゾル発生源部材304を吸い込んだ時に点灯し得る。
【0061】
描かれている実装形態の制御ボデー302は、エアロゾル発生源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するように構成されている一以上の加熱アセンブリ528(個別的又は集合的に加熱アセンブリと呼ばれる)を含む。本開示の様々な実装形態の加熱アセンブリは多様な形態を取り得るが、
図5及び6に描かれている特定の実装形態において、加熱アセンブリは外側円筒体530と加熱要素532(エアロゾル発生コンポーネント)とを具備し、この実装形態で加熱要素は、収容ベース534から延出する複数のヒータ突起を具備する(様々な構成において、加熱アセンブリ、より具体的にはヒータ突起はヒータと呼ばれ得る)。描かれている実装形態において、外側円筒体は、ステンレス鋼で構築された二重壁真空管を具備して、ヒータ突起により発生された熱を外側円筒体内で維持し、より詳しくはヒータ突起により発生された熱をエアロゾル前駆体組成物内で維持する。様々な実装形態において、ヒータ突起は、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、黄銅、青銅、グラファイト、又はこれらの組み合わせを限定的にではなく含む一以上の導電性材料で構築され得る。
【0062】
図示されているように、加熱アセンブリ528はハウジング516の係合端部の近位に延在して、エアロゾル前駆体組成物410を含むエアロゾル発生源部材304の加熱端部406の一部分を実質的に囲繞するように構成され得る。このようにして、加熱アセンブリは概ね管形の構成を画定し得る。
図5及び6に図示されているように、加熱要素532(例えば複数のヒータ突起)は外側円筒体530に囲繞されて収容室536を形成する。このように、様々な実装形態において、外側円筒体は、絶縁ポリマー(例えばプラスチック又はセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁真空構造、又はこれらの組み合わせを限定的にではなく含む非導電性絶縁材料及び/又は構築物を包含し得る。
【0063】
幾つかの実装形態において、加熱アセンブリ528の一以上の部分又はコンポーネントは、エアロゾル前駆体組成物410と組み合わされ得る、これとパッケージにされ得る、及び/又は、これと一体的であり得る(例えば埋設され得る)。例えば、幾つかの実装形態で、エアロゾル前駆体組成物は上に記載されたような材料で形成され、混合された一以上の導電性材料を含み得る。これらの実装形態の幾つかでは、制御ボデーの収容室へエアロゾル発生源部材が挿入された時に接点が電気エネルギー供給源と電気接続されるように、エアロゾル前駆体組成物に接点が直接的に接続され得る。代替的に、エアロゾル発生源部材が制御ボデーの収容室へ挿入された時に接点がエアロゾル前駆体組成物との電気接続を行うように、接点は電気エネルギー供給源と一体的であって収容室へ延出し得る。エアロゾル前駆体組成物に導電性材料が存在するので、電気エネルギー供給源からエアロゾル前駆体組成物への電力の印加により電流が流れることで導電性材料から熱が発生され得る。故に、幾つかの実装形態において、加熱要素はエアロゾル前駆体組成物と一体的であると記され得る。非限定的な例として、グラファイト又は他の適当な導電性材料が、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料と混合される、これに埋設される、或いはそのすぐ上又は中に存在して、加熱要素を媒体と一体的にし得る。
【0064】
上記のように、図示されている実装形態で、外側円筒体530は、エアロゾル発生源部材がハウジング516へ挿入された時にエアロゾル発生源部材304の然るべき配置を容易にするようにも作用し得る。様々な実装形態において、加熱アセンブリ528の外側円筒体はハウジングの内部表面と係合して、ハウジングに対する加熱アセンブリの整合を行い得る。これにより、加熱アセンブリの間での固定結合の結果として、加熱アセンブリの長手軸線はハウジングの長手軸線と実質的に平行に延在し得る。特に、支持円筒体はハウジングの開口部518から収容ベース534まで延在して収容室536を形成し得る。
【0065】
エアロゾル発生源部材304の加熱端部406は、制御ボデー302への挿入の為のサイズ及び形状を持つ。様々な実装形態において、制御ボデーの収容室536は、内側表面及び外側表面を備える壁部により画定されることを特徴とし、内側表面は収容室の内部空間を画定する。例えば、描かれている実装形態において、外側円筒体530は、収容室の内部空間を画定する内側表面を画定する。図示されている実装形態では、エアロゾル発生源部材を制御ボデーに対する然るべき位置(例えば左右位置)へ案内する構成を外側円筒体が持つように、外側円筒体の内径は対応のエアロゾル発生源部材の外径より若干大きいかこれにほぼ等しい(例えば滑り嵌めを形成する)ものであり得る。故に、エアロゾル発生源部材の最大外径(或いはこの実装形態の特定断面形状に応じた他の寸法)は、制御ボデーの収容室の開口端部の壁部の内側表面での内径(又は他の寸法)より小さいサイズであり得る。幾つかの実装形態では、エアロゾル発生源部材が収容室にぴったりと嵌着して力の印加を伴うこと無く摩擦力がエアロゾル発生源部材の移動を抑止するように、それぞれの直径の差は充分に小さい。他方で、この差は、過度の力を必要とすること無くエアロゾル発生源部材が収容室へ、又は収容室から摺動するのに充分であり得る。
【0066】
図示されている実装形態では、エアロゾル発生源部材304が制御ボデーへ挿入された時に加熱要素532(例えばヒータ突起)がエアロゾル発生源部材の加熱端部406のエアロゾル前駆体組成物410の少なくとも一部分のほぼ径方向中心に設置されるように制御ボデー302が構成されている。このようにして、固体又は半固体のエアロゾル前駆体組成物と併せて使用される時に、ヒータ突起はエアロゾル前駆体組成物との直接接触状態であり得る。他の実装形態では、管構造を画定する押出成形によるエアロゾル前駆体組成物と併せて使用される時などに、ヒータ突起は、押出成形による管構造の内側表面により画定される空洞の内側に設置され、押出成形による管構造の内側表面と接触することは無い。
【0067】
使用中に、消費者は、加熱アセンブリ528、特にエアロゾル前駆体組成物410(又はその特定層)に隣接している加熱要素532の加熱を開始する。吸入性物質が得られるように、エアロゾル前駆体組成物を加熱するとエアロゾル発生源部材304内の吸入性物質が放出される。消費者がエアロゾル発生源部材の吸口端部408を吸入すると、制御ボデー302の開口部又は孔などの吸気口538を通してエアロゾル発生源部材へ空気が吸い込まれる。吸い込まれた材料がエアロゾル発生源部材の吸口端部を出る際に、吸い込まれた空気と放出された吸入性物質との組み合わせが消費者により吸入される。幾つかの実装形態では、加熱を開始する為に、加熱アセンブリの加熱要素にバッテリ又は他のエネルギー供給源から電気エネルギーを受容させる押しボタン又は類似のコンポーネントを消費者が手動で操作し得る。電気エネルギーは、所定長さの時間にわたって供給され得るか、手動制御され得る。
【0068】
幾つかの実装形態において、装置300では(周囲温度より高い基準温度―例えば能動的加熱温度までの急速加熱を促進する温度―を維持するようにエネルギー流が進み得るが)呼気の間に電気エネルギーの流れは実質的には進まない。しかしながら、描かれている実装形態では、流量センサ520など一以上のセンサの使用を通して消費者の呼気動作により加熱が開始される。呼気が中断すると、加熱が停止するか抑制される。充分な量の吸入性物質(例えば一般的な喫煙体験と同等になるのに充分な量)を放出するように消費者が充分な回数の呼気を行った時に、エアロゾル発生源部材304が制御ボデー302から取り外されて廃棄され得る。幾つかの実装形態では、参照により本明細書に援用されるフィリップスその他(Phillips et al.)の米国特許出願第15/707,461号で考察されているように、容量性検知要素及び他のセンサなど更なる検知要素が使用され得る。
【0069】
様々な実装形態では、管形状などの適切な立体構造を形成及び維持すると共にエアロゾル前駆体組成物410を内に保持するのに適した何らかの材料で、エアロゾル発生源部材304が形成され得る。幾つかの実装形態で、エアロゾル発生源部材は単一の壁部、或いは他の実装形態では多数の壁部で形成され、本明細書でさらに考察されるように、電気加熱要素により提供される加熱温度である温度では少なくとも、構造的一体性を保持する―例えば劣化しない―ように耐熱性である(天然又は合成)材料で形成され得る。幾つかの実装形態では、耐熱性ポリマーが使用され得るが、他の実装形態では、実質的にストロー形状の紙などの紙からエアロゾル発生源部材が形成され得る。本明細書で更に考察されるように、エアロゾル発生源部材は、その中での蒸気の移動を実質的に抑止するように機能する一以上の関連の層を有しうる。一実装形態例では、アルミ箔層がエアロゾル発生源部材の一表面に積み重ねられ得る。セラミック材料も使用され得る。更なる実装形態では、エアロゾル前駆体組成物から熱を不必要に移動させないように絶縁材料が使用され得る。上に記載された機能を提供するのに使用されるか上記の材料及びコンポーネントの代替例として使用され得るコンポーネント及び材料のタイプの更なる例は、クルックスその他(Crooks et al.)の米国特許出願公開第2010/00186757号、クルックスその他(Crooks et al.)の第2010/00186757号、セバスチャンその他(Sebastian et al.)の第2011/0041861号に提示されているタイプのものであり、その全てが参照により本明細書に援用される。
【0070】
描かれている実装形態において、制御ボデー302は、電気加熱要素532への電力の提供を含めてエアロゾル送達装置300の様々な機能を制御する制御コンポーネント522を含む。例えば、制御コンポーネントは、導電性ワイヤ(不図示)により電源524に接続される(本明細書で更に記載されるように、更なるコンポーネントに接続され得る)処理回路構成を含み得る。様々な実装形態では、加熱アセンブリ528、特にヒータ突起が、いつ、そしてどのように電気エネルギーを受容して、消費者による吸入の為の吸入性物質を放出する為にエアロゾル前駆体組成物410を加熱するかを、処理回路構成が制御し得る。幾つかの実装形態で、このような制御は、上でより詳しく記載されたように流量センサ520により駆動され得る。
【0071】
図5及び6に見られるように、描かれている実装形態の加熱アセンブリ528は、外側円筒体530と、収容ベース534から延出する加熱要素532(例えば複数のヒータ突起)とを具備する。エアロゾル前駆体組成物410が管構造を包含するような幾つかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物の内側表面により画定される空洞に延出するようにヒータ突起が構成され得る。エアロゾル前駆体組成物が固体又は半固体を包含するというように描かれている実装形態のような他の実装形態では、エアロゾル発生源部材304が制御ボデー302へ挿入された時にエアロゾル発生源部材の加熱端部406に格納されるエアロゾル前駆体組成物へ貫入するように複数のヒータ突起が構成されている。このような実装形態で、ヒータ突起及び/又は収容ベースを含む加熱アセンブリのコンポーネントの内の一以上は、非粘着性又は耐粘着性材料、例えば、或る種のアルミニウム、銅、ステンレス鋼、炭素鋼、及びセラミック材料で構築され得る。他の実装形態で、ヒータ突起及び/又は収容ベースを含む加熱アセンブリのコンポーネントの内の一以上は、例えばテフロン(Teflon)(登録商標)などのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングを含む非粘着性コーティング、或いは耐粘着性エナメルコーティング、又はグレブロン(Greblon)(登録商標)やサーモロン(Thermolon)
TMなどのセラミックコーティング、又はグレブロン(登録商標)やサーモロン
TMなどのセラミックコーティングのような他のコーティングを含み得る。
【0072】
加えて、描かれている実装形態では、収容ベース534の周りに実質的に均等に分散される多数のヒータ突起532が設けられるが、他の実装形態では、他の適当な空間的構成を持つ1本など少数を含めていかなる数のヒータ突起でも使用され得ることが注目されるべきである。更に、様々な実装形態で、ヒータ突起の長さは変化し得る。例えば、幾つかの実装形態で、ヒータ突起は小型の突出部を包含し得るが、他の実装形態でヒータ突起は、収容室536の全長の約25%まで、約50%まで、約75%まで、そしてほぼ全てを含めて、収容室536の長さの一部分に延在し得る。又、他の実装形態で、加熱アセンブリ528は他の構成を取り得る。上に挙げられた考察について本発明での使用に適応し得る他のヒータ構成の例は、カウンツその他(Counts et al.)の米国特許第5,060,671号、ディーヴィーその他(Deevi et al.)の第5,093,894号、ディーヴィーその他の第5,224,498号、スプリンケル・ジュニアその他(Sprinkel Jr. et al.)の第5,228,460号、ディーヴィーその他の第5,322,075号、ディーヴィーその他の第5,353,813号、ディーヴィーその他の第5,468,936号、ダス(Das)の第5,498,850号、ダスの第5,659,656号、ディーヴィーその他の第5,498,855号、ハジャリゴル(Hajaligol)の第5,530,225号、ハジャリゴルの第5,665,262号、ダスその他の第5,573,692号、フライシュハウアーその他(Fleischhauer et al.)の第5,591,368号に見られ、これらは参照により本明細書に援用される。
【0073】
様々な実装形態において、制御ボデー302は、収容室536の内部への大気の流入を許容する為の吸気口538(例えば一以上の開口部又は孔)を含み得る。このようにして、幾つかの実装形態で収容ベース534は吸気口も含み得る。故に、幾つかの実装形態でエアロゾル発生源部材304の吸口端部を消費者が吸い込む時には、空気が制御ボデーの吸気口及び収容ベースから収容室へ吸い込まれて、エアロゾル発生源部材を通過し、消費者による吸入の為にエアロゾル発生源部材のエアロゾル前駆体組成物410を通って吸い込まれる。幾つかの実装形態で、吸い込まれた空気は任意のフィルタ414を通ってエアロゾル発生源部材の吸口端部408の開口部から外へ吸入性物質を運び出す。エアロゾル前駆体組成物の内側に配置された加熱要素532により、ヒータ突起が駆動されてエアロゾル前駆体組成物を加熱し、エアロゾル発生源部材から吸入性物質を放出させ得る。
【0074】
特に
図5及び6を参照して上に記載されているように、本開示の様々な実装形態は、エアロゾル前駆体組成物410を加熱するのに導電性ヒータを採用する。やはり上で指摘したように、他の様々な実装形態はエアロゾル前駆体組成物を加熱するのに誘導ヒータを採用する。これらの実装形態の幾つかで、加熱アセンブリ528は、誘導送電器と誘導受電器とを備える変圧器を具備する誘導ヒータとして構成され得る。加熱アセンブリが誘導ヒータとして構成されている実装形態において、外側円筒体530は誘導送電器として構成され、収容ベース534から延出する加熱要素532(例えば複数のヒータ突起)は誘導受電器として構成され得る。様々な実装形態において、誘導送電器及び誘導受電器の一方又は両方は、制御ボデー302及び/又はエアロゾル発生源部材304に設置され得る。
【0075】
様々な実装形態で、誘導送電器及び誘導受電器としての外側円筒体530及び加熱要素532は一以上の導電性材料で構築され、更なる実装形態において誘導受電器は、コバルト、鉄、ニッケル、及びこれらの組み合わせを限定的にではなく含む強磁性材料で構築され得る。一実装形態例において、箔材料は導電性材料で構築され、ヒータ突起は強磁性材料で構築されている。様々な実装形態において、収容ベースは非導電性及び/又は絶縁材料で構築され得る。
【0076】
誘導送電器としての外側円筒体530は、支持円筒体を囲繞する箔材料による積層体を含み得る。幾つかの実装形態において、例えば幾つかの実装形態では誘導受電器としての加熱要素532の周りに箔材料が配置された時に螺旋状コイルパターンを形成し得る一以上の電気トレースなど、プリントされた電気トレースを箔材料が含み得る。箔材料及び支持円筒体の各々は管形構成を画定し得る。箔材料がヒータ突起との接触状態になることで短絡を起こさないように、支持円筒体は箔材料を支持する構成を持ち得る。このようにして、支持円筒体は、箔材料により発生される発振磁場に対して実質的に透過性であり得る非導電性材料を包含し得る。様々な実装形態において、箔材料は支持円筒体に埋設されるか、或いはこれに結合され得る。図示されている実装形態で、箔材料は支持円筒体の外側表面と係合する。しかしながら他の実装形態において、箔材料は支持円筒体の内側表面に配置されるか、支持円筒体に完全に埋設され得る。
【0077】
外側円筒体530の箔材料は、交流が通される時に発振磁場(例えば、時間と共に周期的に変化する磁場)を形成するように構成され得る。加熱要素532のヒータ突起は、外側円筒体に少なくとも部分的に設置又は収容されて、導電性材料を含み得る。箔材料に交流を通すことにより、誘導を介してヒータ突起に渦電流が発生し得る。ヒータ突起を画定する材料の抵抗を通過する渦電流は、ジュール加熱により(つまりジュール効果を通して)これを加熱し得る。ヒータ突起はワイヤレスで加熱され、ヒータ突起に近接して配置されるエアロゾル前駆体組成物410からエアロゾルを形成し得る。
【0078】
エアロゾル送達装置と制御ボデーとエアロゾル発生源部材との他の実装形態は、上に引用されたスールその他(Sue et al.)の米国特許出願第15/916,834号、スール(Sur)の米国特許出願第15/916,696号、スールの米国特許出願第15/836,086号に記載されている。
【0079】
図7及び8は、非加熱式装置の事例で制御ボデーとカートリッジとを含むエアロゾル送達装置の実装形態を示している。これに関して、
図7は、本開示の様々な実装形態例による、制御ボデー702とカートリッジ704とを含むエアロゾル送達装置700の側面図を示す。特に、
図7は、互いに結合されている制御ボデー及びカートリッジを図示する。制御ボデーとカートリッジとは機能関係で着脱可能に整合され得る。
【0080】
図8は、幾つかの実装形態例によるエアロゾル送達装置700をより詳しく示している。ここに図示された破断図に見られるように、やはりエアロゾル送達装置は、それぞれの幾つかのコンポーネントを各々が含む制御ボデー702とカートリッジ704とを具備し得る。
図8に示されているコンポーネントは、制御ボデー及びカートリッジに存在し得るコンポーネントを代表するものであり、本開示に内含されるコンポーネントの範囲を限定することは意図されていない。示されているように、例えば、制御コンポーネント808(例えば処理回路構成等)と入力装置810と電源812とインジケータ814(例えばLED、量子ドットベースLED)とを含み得る制御ボデーハウジング又はシェル806から制御ボデーが形成され、このようなコンポーネントは可変的に整合され得る。ここで、適当な制御コンポーネントの特定例は、参照により援用されるマイクロチップ・テクノロジー社(Microchip Technology, Inc)のAN2265,振動メッシュネブライザ参照設計図(Vibrating Mesh Nebulizer Reference Design)(2016年)に記載されているマイクロチップ・テクノロジー社のPIC16(L)F1713/6マイクロコントローラを含む。
【0081】
カートリッジ704は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されているリザーバ818を包囲して圧電/圧磁メッシュ(エアロゾル発生コンポーネント)を有するノズル820を含むハウジング―時にはカートリッジシェル816と呼ばれる―から形成され得る。上記と同様に、様々な構成において、この構造はタンクと呼ばれ得る。
【0082】
図8に図示されているリザーバ818は容器であり得るか、今回記載されるように繊維質リザーバであり得る。リザーバは、リザーバハウジングに保管されたエアロゾル前駆体組成物のノズルへの輸送の為にノズル820との流体連通状態にあり得る。形成されたエアロゾルのカートリッジ704からの放出を許容するように、カートリッジシェル816には開口部822が(例えば吸口端部に)存在し得る。
【0083】
幾つかの例で、輸送要素はリザーバ818とノズル820との間に配置され、リザーバからノズルへ送られるか送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成され得る。幾つかの例では、マイクロ流体チップがカートリッジ704に埋設され、リザーバから送達されたエアロゾル前駆体組成物の量及び/又は質量が一以上のマイクロ流体コンポーネントにより制御され得る。マイクロ流体コンポーネントの一例は、マイクロ電気機械システム(MEMS)技術に基づくものなどのマイクロポンプ824である。適当なマイクロポンプの例は、ザインXXSマイクロテクノロジーAG(thinXXS Microtechnology AG)によるMDP2205モデルのマイクロポンプ及び他のマイクロポンプ、バルテルス・マイクロテクニックGmbH(Bartels Microtechnik GmbH)によるmp5及びmp6モデルのマイクロポンプ及び他のマイクロポンプ、そして高砂流体システム(Takasago Fluidic Systems)による圧電マイクロポンプを含む。
【0084】
やはり示されているように、幾つかの例では、マイクロフィルタ826がマイクロポンプ824とノズル820との間に配置されて、ノズルへ送達されるエアロゾル前駆体組成物をフィルタリングし得る。マイクロポンプと同様に、マイクロフィルタはマイクロ流体コンポーネントである。適当なマイクロフィルタの例は、ラボオンチップ(LOC)技術を使用して製造されるフロースルー・マイクロフィルタを含む。
【0085】
使用時に、エアロゾル送達装置を駆動するユーザ入力を入力装置810が検出すると、圧電/圧磁メッシュが振動するように駆動されることによりメッシュを通してエアロゾル前駆体組成物が吸い出される。こうして空気と組み合わされてエアロゾルを形成するエアロゾル前駆体組成物の液滴が形成される。エアロゾルが攪拌され、メッシュからエアロゾル送達装置の吸口端部の開口部822へ吸引されるか、これから吸い出される。
【0086】
エアロゾル発生が望ましい時(例えば使用中の吸込み時)におけるノズル820の圧電/圧磁メッシュへの電力供給の制御の為のスイッチ、センサ、又は検出器などの入力装置810が、エアロゾル送達装置700に組み込まれ得る。その為、例えば、使用中にエアロゾル送達装置の吸込みが行われない時にメッシュへの電力をオフにすると共に、吸込み中のエアロゾルの発生とノズルからの排出について駆動及び始動を行うように電力をオンにする手法又は方法が提供される。付加的かつ代表的なタイプの検知又は検出機構、その構造及び構成、そのコンポーネント、そしてその一般的な作動方法は、上記と、スプリンケル・ジュニア(Sprinkel, Jr.)の米国特許第5,261,424号、マッカファーティその他(McCafferty et al.)の米国特許第5,372,148号、フリック(Flick)のPCT国際公開第2010/003480号に記載されており、これら全てが参照により本明細書に援用される。
【0087】
非加熱式装置の事例でのエアロゾル送達装置の上記及び他の実装形態に関する追加情報については、2017年7月17日に出願されたスール(Sur)の米国特許出願第15/651,548号を参考にしていただきたく、これは参照により本明細書に援用される。
【0088】
上に記載されているように、実装形態例のエアロゾル送達装置は、電子シガレット、加熱式装置、又は非加熱式装置という状況で、或いは、電子シガレット、加熱式装置、又は非加熱式装置のうち一以上の機能を含む装置の事例でも、様々な電子コンポーネントを含み得る。
図9は、本開示の様々な実装形態例によるエアロゾル送達装置100,300,700のうち一以上であり得るかその機能が取り入れられ得るエアロゾル送達装置900の回路図を示す。
【0089】
図9に示されているように、エアロゾル送達装置900は、制御ボデー102,302,702と電源212,524,812と制御コンポーネント208,522,808のそれぞれに対応し得るかその機能を含み得る、電源904及び制御コンポーネント906を備える制御ボデー902を含む。エアロゾル送達装置は、加熱要素220,532又はノズル820の圧電/圧磁メッシュに対応し得るかその機能を含み得るエアロゾル発生コンポーネント916も含む。制御ボデー902は、エアロゾル発生コンポーネント916或いはエアロゾル発生コンポーネントを制御ボデーに接続するように構成されている端子918を含み得る。
【0090】
幾つかの実装形態で、制御ボデー902は気流の測定を行うように構成されているセンサ908を含む。センサ908は、流量センサ210,520又は入力装置810に対応するかその機能を含み得る。これらの実装形態で、制御コンポーネント906は、電源904とエアロゾル発生コンポーネント916との間でこれらに結合されるスイッチ910を含む。制御コンポーネントは、センサ及びスイッチに結合される処理回路構成912も含む。スイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)スイッチであり得る。センサは、処理回路構成の集積回路間(I2C)、Vcc、及び/又は、アース端子に接続され得る。
【0091】
センサ908は更に、
図11~15に関して示され記載される音声検出器1402又は光学検出器1502を含み得る。センサ908は、認証に使用される制御信号を検出し得る。認証時には、装置の動作を許容するようにスイッチ910が始動し得る。幾つかの実装形態において、処理回路構成912は、制御信号を処理して、メモリチップに保存された適正な信号と一致するかどうかを判断するように構成されている。他の実施形態において、処理回路構成912は、ユーザの年齢を認証及び/又は検証して、スイッチ910により電源904からの出力電圧をエアロゾル発生コンポーネント916に切り替え可能に接続及び切断する信号(矢印922で指示)を出力し、エアロゾル発生時間にわたって、或いは用途(例えば、カートリッジ挿入、装置充電等)に基づいて、エアロゾル発生コンポーネントに電力供給するように構成され得る。幾つかの実装形態において、処理回路構成912はパルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成されている。PWM信号のデューティサイクルは、スイッチにより出力電圧をエアロゾル発生コンポーネントに切り替え可能に接続及び切断するように調節可能である。処理回路構成912は、
図12に関して記載される信号検出回路構成1202を含み得る。
【0092】
幾つかの実装形態において、制御コンポーネント906は更に、センサ908と処理回路構成912とに結合される信号調整回路構成914を含む。このような実装形態の信号調整回路構成は、スイッチ910の動作を扱うように構成され得る。
図10を参照して信号調整回路構成が以下で詳しく記載される。
【0093】
示されていないが、処理回路構成912及び/又は信号調整回路構成914は、認証又は検証に使用される制御信号と結合されるかこれを受信し得る。制御信号はセンサ908により受信され得る。制御信号が受信されてこれが適正である場合には、処理回路構成912がスイッチ910をオンにしてエアロゾル送達装置の動作を許容する。代替的又は付加的に、検証信号が受信されないか適正でない場合には、エアロゾル送達装置900の動作を抑止するように処理回路構成912がスイッチ910を遮断する。センサ908による制御信号検出に基づくものを含めて、処理回路構成912によりスイッチ910が制御され得る。センサ908での制御信号は、処理回路構成912により解析され得る。年齢検証及び認証プロセスは、接続が行われた時を判断するのに使用され得る。ユーザが検証又は認証されない場合には、スイッチが切断されてエアロゾル発生コンポーネントへの電圧の提供を抑止する。代替的に、スイッチが切断状態にある場合、そしてユーザが検証又は認証されていない場合には、スイッチは切断状態のままである。同様に、ユーザが検証又は認証されると、装置の使用の為に電流が流れるようにスイッチが接続を確立させることができる。言い換えると、ユーザが検証又は認証されると、エアロゾル発生コンポーネントへの出力電圧の提供が許可される。
【0094】
図10は、本開示の実装形態例による、信号調整回路構成914に対応し得る信号調整回路構成1000の回路図を示す。示されているように、幾つかの実装形態で、信号調整回路構成1000は、信号調整チップ1001と双方向電圧レベル変換器1002とを含む。適当な信号調整チップの一例は、ザップテック社(Zap-Tech corporation)のZAP3456モデルである。そして適当な双方向電圧レベル変換器の一例は、NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)のNVT2003モデル双方向電圧レベル変換器である。
【0095】
一例では、
図10に示されているように、信号調整チップ1001は双方向電圧レベル変換器1002に接続され、双方向電圧レベル変換器は処理回路構成912の5V入力及びアース端子に接続され得る。
図10に示されている値(例えば電圧、抵抗、静電容量)が例を示すことのみを目的とし、そうではないとの記載が無ければ、値は本開示を限定するものと見なされるべきではないことに注意していただきたい。
【0096】
図11は、装置の機能的制御の為のシステム例の図を示す。
図11は、ユーザの年齢を検証する為に装置1106がネットワーク1103及びホスト装置1104を通して年齢検証システム1102とどのように通信するかを示しており、これは装置1106を周期的に認証するのにも使用され得る。年齢検証システム1102は、ネットワーク1103を経由してホスト装置1104と結合される。示されていないが、ネットワーク1103を経由して年齢検証システム1102が装置1106と結合されてもよい。
【0097】
装置1106は、上に記載された様々な実施形態による電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置を例えば含む何らかのエアロゾル送達装置であり得る。一実施形態において、装置1106は、2019年4月2日出願の米国仮特許出願第62/282,222号の優先権を主張する「エアロゾル送達装置の認証及び年齢検証(AUTHENTICATION AND AGE VERIFICATION FOR AN AEROSOL DELIVERY DEVICE)」という名称の米国特許出願第16/415,460号に記載されているアクセサリなどの充電アクセサリであり得るか、これを含み得るものであって、その各々の開示全体が参照により本明細書に援用される。様々な実施形態との組み合わせで使用され得る他の充電器又は充電アクセサリの例は更に、ラジェッシュ・スール(Rajesh Sur)の米国特許出願公開第2019/0089180号、ヘンリーその他(Henry et al.)の米国特許出願公開第2015/0224268号、スールその他(Sur et al.)の米国特許第10,206,431号に記載されており、その各々が参照により本明細書に援用される。
【0098】
記載のように、年齢検証システム1102は(例えば、年齢制限製品について)年齢を検証するばかりでなく、(例えば、実際の購入の為或いは盗難防止の為の)認証又はユーザ識別も提供し得る。年齢検証システム1102による認証及び年齢検証は更に、2019年4月2日出願の米国仮特許出願第62/282,222号の優先権を主張する「エアロゾル送達装置の認証及び年齢検証(AUTHENTICATION AND AGE VERIFICATION FOR AN AEROSOL DELIVERY DEVICE)」という名称の米国特許出願第16/415,460号に記載されており、その各々が参照により本明細書に援用される。以下に記載される認証は、最初に実施される年齢検証に応じたものであり、そして装置1106へ送られる制御信号1105を使用する後続の認証の為に参照され得る。しかしながら、年齢のみ以外に他の検証機構が設けられてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、年齢検証の代わりにユーザ識別が実施され得る。開示全体が参照により援用される2019年5月17日出願の「エアロゾル送達装置用の登録カートリッジによる年齢検証(AGE VERIFICATION WITH REGISTERED CARTRIDGES FOR AN AEROSOL DELIVERY DEICE)」という名称の米国特許出願第16/415,444号に記載されているように、年齢検証又は認証プロセスの一部としてカートリッジ又は消耗品が登録され得る。フェルナンドその他(Fernando et al.)の米国特許第8,689,804号は喫煙装置の為の識別システムを開示しており、その開示は参照により本明細書に援用される。
【0099】
年齢検証システム1102は、年齢と共にユーザを追跡するばかりでなく、承認と共に装置及びコンポーネント(例えばカートリッジ)の記録を保管するデータベースを含み得る。これは、暗号化される、及び/又は、各ユーザについての匿名識別子(例えば、数字、文字、又は英数字の識別子)を使用し得る。
【0100】
初回年齢検証が行われ、年齢検証システム1102に保管される、及び/又は、ネットワーク1103を経由して他の形でアクセス可能であるようなデータベースに記憶され得る。幾つかの実施形態において、年齢検証記録はブロックチェーン技術を使用して保管され得る。このユーザによる今後の年齢検証リクエストは、データベースを呼び出すことにより確認され得る。具体的に記すと、ユーザが最初に年齢検証システムデータベースで確認されるように年齢検証されると、今後の検証(つまり「認証」)では装置1106をロック解除するのにこのデータベースを呼び出すだけでよい。言い換えると、ユーザが最初に年齢検証を実施すると、後の使用で必要とされるのは初回のような完全な年齢検証要件を含まない認証である。装置1106がロック解除又は認証されなければならない頻度は変化し得る。同様に、ユーザがその年齢を再検証する必要があるタイミングも変化し得る。例えば、カートリッジが交換される度に、ユーザが再検証又は再認証を必要としてもよい。幾つかの実施形態において、再認証は、装置1106からの或る回数の呼気の後に必要とされ得るか、時間の経過に基づき得る(例えば、1時間、1日、1週間、1か月に1回等)。オンラインデータベースは、認証についてのリクエストを追跡してユーザ毎にリミットを設定し得る。これは、一人のユーザが他の未成年ユーザの装置をロック解除するという潜在的な不正行為も抑止できる。これは、ロック解除(つまり検証及び認証)済みの装置及び/又はアクセサリの再流通も抑止するだろう。装置、充電器、消耗品、及び/又は、認証の数についての適度なリミットにより、この潜在的不正行為を抑止できる。
【0101】
図20に関して記載されるように年齢検証を含むユーザプロファイルが(例えば装置1106に、或いはホスト装置1104のアプリケーション又はアプリから)記憶され得る。ホスト装置1104のアプリは、ネットワーク1103などのネットワークを経由してユーザプロファイルにアクセスし得る。年齢検証システムデータベースで確認されるようにユーザが最初に年齢検証されると、このユーザのユーザプロファイルが生成及び保存され得るので、今後の検証(つまり「認証」)ではこのデータベースを呼び出すだけでよい。一実施形態において、年齢検証は、ホスト装置1104が制御信号1105を生成して装置1106に提示できるようにする為の前提条件であり得る。
【0102】
ホスト装置1104は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、アナログ電話、又はコンピュータなど、何らかのコンピューティング又は通信装置であり得る。ホスト装置1104は、認証の為に装置1106と通信してこれに制御信号1105を提供し得る。
図13~15に関して考察されるように、ホスト装置1104から装置1106への制御信号1105は、音声信号又は光/光学信号であり得る。幾つかの実施形態において、ホスト装置1104は、電力の提供又は通信などの為に装置1106と直接的に結合され得る。ホスト装置1104はネットワーク1103などのネットワークを経由して通信を行うように既に構成されており、ホスト装置1104がこの性能を提供するので装置1106は同レベルの通信機能を必要としなくてもよい。一実施形態において、ホスト装置1104は、年齢検証システム1102との通信時に、制御信号1105を提供して装置1106を認証及びロック解除し得る。
【0103】
認証は、ユーザがその年齢を既に検証した後にユーザの身元を検証する為のプロセスであり得る。ユーザが年齢を検証していない場合には、認証プロセスは失敗となるだろう。記載のように、認証プロセスは、装置1106をロック解除する為に装置1106が制御信号1105を受信及び認証することを含み得る。年齢検証プロセスは、呼気頻度、呼気長さ、使用時間に基づくものなど用途に基づいて、及び/又は、カートリッジが交換される度に行われ得る認証プロセスほど頻繁には行われない(例えば装置購入時)。代替例では、より頻繁な認証プロセスが必要とされ得る。認証プロセスの失敗により、装置1106が作動しないという結果が生じ得る。例えば、装置1106との使用について制御信号1105が承認されない場合には、熱に必要な電気を装置1106が受容することが抑止され得る。
【0104】
年齢検証システム1102は、共に装置1106の例であるエアロゾル送達装置或いはエアロゾル送達装置を含む電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置など特定の製品の使用についてユーザが適切な年齢であるかどうかについて指摘を行う。年齢検証システム1102の少なくとも幾つかのコンポーネント又は特徴は、装置1106又はホスト装置1104の一部であり得る。例えば、年齢検証システム1102による処理及び判断は、遠隔データベースへのアクセスの後で局所的に実施され得る。代替実施形態において、年齢検証システム1102は遠隔に設置されて、ネットワーク1103などのネットワークを経由してアクセス可能であり得る。
【0105】
本開示では、命令を含むか、伝播された信号を受けて命令を受信及び実行するコンピュータ可読媒体が考えられるので、ネットワークに接続された装置はネットワークを経由して声、映像、音声、画像、又は他の何らかのデータを通信できる。装置1106、ホスト装置1104、又は年齢検証システム1102は、一以上の通信ポートを介してネットワーク経由で命令を提供し得る。通信ポートはソフトウェアに形成されるか、ハードウェアでの物理的接続であり得る。ネットワークとの接続は、有線イーサネット接続のような物理的接続であり得るか、以下で考察されるようにワイヤレスで確立され得る。同様に、他のコンポーネントとの接続は、物理的接続であるかワイヤレスで確立されてもよい。装置1106又はホスト装置1104は、ネットワーク1103を限定でなく含むネットワークを通して通信し得る。例えば、(
図12に関して考察される)信号検出回路構成1202は、ホスト装置1104又は年齢検証システム1102との結合の為にネットワーク機能を含み得る。これらのコンポーネントは、ネットワーク1103などのネットワークと接続するように構成される通信ポートを含み得る。
【0106】
例えばワイヤレスネットワークを介して結合される他のワイヤレス装置の間を含めて、装置1106、ホスト装置1104,及び/又は、年齢検証システム1102の間などで通信がやり取りされ得るように、ネットワーク(例えばネットワーク1103)が装置を結合し得る。記載のように、解析されるデータを記憶するマシンのクラスタが、ネットワーク1103のような一以上のネットワークを経由して接続され得る。ネットワークは、ネットワークアタッチドストレージ(NAS)などのマスストレージ、ストレージエリアネットワーク(SAN)、或いは例えば他の形態のコンピュータ又はマシン可読媒体も含み得る。ネットワークは、インターネット、一以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、一以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤラインタイプ接続、ワイヤレスタイプ接続、又はこれらの何らかの組み合わせを含み得る。同様に、異なるアーキテクチャを採用し得るか、異なるプロトコルに対応するかこれとの適合性を持ち得るようなサブネットワークが、大規模ネットワーク内で相互運用してもよい。様々なタイプの装置は、例えば、異なるアーキテクチャ又はプロトコルの為の相互運用性能を提供するのに利用可能であり得る。例示的な一例として、ルータは、さもなければ分離されている独立LANの間にリンクを設け得る。通信リンク又はチャネルは、例えば、ツイストペア線や同軸ケーブルなどのアナログ電話回線、T1,T2,T3,T4タイプ回線を含む完全又は部分デジタル回線、サービス統合デジタルネットワーク(ISDN)、デジタル加入者回線(DSL)、衛星リンクを含むワイヤレスリンク、或いは当業者には周知のような他の通信リンク又はチャネルを含み得る。更に、コンピューティング装置又は他の関連の電子装置は、例えば電話回線又はリンクなどを介してネットワークに遠隔結合され得る。
【0107】
ワイヤレスネットワークは、装置1106とホスト装置1104と年齢検証システム1102などの装置を結合し得る。ネットワーク1103はワイヤレスネットワークを含み、スタンドアローン・アドホックネットワーク、メッシュネットワーク、ワイヤレスLAN(WLAN)ネットワーク、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、セルラーネットワーク、その他を採用し得る。ワイヤレスネットワークは更に、ネットワークトポロジーが時には急速に変化し得るように、ワイヤレス無線リンクその他により結合されて自由又はランダムな移動又は任意の機能を行い得る端子、ゲートウェイ、ルータ、その他によるシステムを含み得る。ワイヤレスネットワークは更に、ロングタームエボリューション(LTE)、WLAN、ワイヤレスルータ(WR)メッシュ、或いは第2、第3、第4世代(2G,3G,4G,5G又は将来形)のセルラー技術、その他を含めて複数のネットワークアクセス技術を採用し得る。ネットワークは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、ユニバーサルモバイル遠隔通信システム(UMTS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGSM環境(EDGE)、3GPP(登録商標)ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、広帯域符号分割多重接続(WCDMA(登録商標))、ブルートゥース(登録商標)、802.11b/g/n、ジグビー(Zigbee)、ゼットウェーブ(Z Wave)、IEEE802.16(例えばワイマックス(WiMax))、及び/又は、他のWWAN/WMAN技術、その他のような一以上のネットワークアクセス技術、そして上述の技術のいずれかの将来形を含めたものなど、一以上のネットワークアクセス技術を介したRF又はワイヤレスタイプの通信を可能にする。ワイヤレスネットワークは、装置間で信号が通信され得る為の実質上いかなるタイプのワイヤレス通信機構も含み得る。幾つかの実施形態において、上に挙げられた通信プロトコルは装置1106とホスト装置1104との間の通信に使用され、そして同じか異なる通信プロトコルを通してホスト装置1104が年齢検証システム1102と通信する。
【0108】
ネットワーク1103又は関与しているデジタル通信ネットワークのネットワークなどのネットワークを介して通信される信号パケットは、一以上のプロトコルと適合性を持つかこれに対応し得る。採用される信号送信フォーマット又はプロトコルは、例えば、TCP/IP、UDP、DECnet、NetBEUI、IPX、アップルトーク(Appletalk)、その他を含み得る。インターネットプロトコル(IP)のバージョンはIPv4又はIPv6を含み得る。インターネットは、ネットワークの分散型グローバルネットワークを指す。インターネットは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスネットワーク、又は、例えばLANの間での信号パケットの通信を許容するロングホールパブリックネットワークを含む。例えばローカルネットワークアドレスを採用する一以上のサイトなどへ、ネットワークのノード間で信号パケットが通信され得る。信号パケットは、例えば、インターネットに結合されたアクセスノードを介してユーザサイトからインターネット経由で通信され得る。同様に、例えばネットワークアクセスノードを介してネットワークに結合されるターゲットサイトへ、ネットワークノードを介して信号パケットが転送され得る。インターネットを介して通信される信号パケットは、例えば、ターゲットアドレスとターゲットアドレスへのネットワーク経路の有効性とに従って信号パケットを移送し得るゲートウェイ、サーバ等の経路を介して、移送され得る。この信号パケット通信は、装置1106、ホスト装置1104、及び/又は、年齢検証システム1102の間でのデータ通信に適用可能である。
【0109】
装置1106は、信号を検出する信号検出器1107を含む。示されているように、制御信号1105はホスト装置1104から信号検出器1107へ通信されるが、制御信号1105は、ネットワーク1103を経由した装置1106への直接送信を含めてホスト装置1104以外のソースからのものでもよい。信号検出器1107は、
図9に示されているセンサ908の一例であり得る。信号検出器1107の例が
図14乃至15に関して記載される。
【0110】
図12は、信号検出器1107に設置されるかこれと結合され得る信号検出回路構成1202の一実施形態を示している。信号検出回路構成1202は、受信された制御信号1105が認証にとって適正であることを確認する為に装置1106により使用され得る。信号検出回路構成1202は、制御信号1105の受信及び解析に加えて、認証を実施するようにも作動し得るか、初回年齢検証にも使用され得る。信号検出回路構成1202は認証回路構成とも呼ばれ、プロセッサ1204とメモリ1206と変換器1207とスイッチ1208とを含み得る。
【0111】
信号検出回路構成1202のプロセッサ1204は、一以上のチップの上にあって、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他のタイプの処理装置を含み得る。プロセッサ1204は、一以上の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、サーバ、ネットワーク、デジタル回路、アナログ回路、これらの組み合わせ、又はデータを解析及び処理する為の、現在周知であるか今後開発される他の装置であり得る。プロセッサ1204は、手動で生成された(つまりプログラムされた)コードなど、ソフトウェアプログラムと併せて作動し得る。
【0112】
プロセッサ1204がメモリ1206と結合され得るか、メモリ1206が独立コンポーネントであってもよい。メモリ1206は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、プログラマブルリードオンリメモリ、電気的プログラマブルリードオンリメモリ、電気的消去可能リードオンリメモリ、フラッシュメモリ、磁気テープ又はディスク、光学媒体その他を含む、様々なタイプの揮発性及び不揮発性記憶媒体などのコンピュータ可読記憶媒体を限定的にではなく含み得る。メモリ1206は、プロセッサ1204の為のランダムアクセスメモリを含み得る。代替的に、メモリ1206は、プロセッサのキャッシュメモリ、システムメモリ、又は他のメモリのように、プロセッサ1204から独立していてもよい。メモリ1206は、記録されたアドレス又はユーザデータを記憶する為の外部記憶装置又はデータベースであり得る。例は、ハードドライブ、コンパクトディスク(「CD」)、デジタルビデオディスク(「DVD」)、メモリカード、メモリスティック、フロッピーディスク、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)メモリデバイス、或いは認証又は信号検出データを含むデータを記憶するように作動可能な他の何らかの装置を含む。メモリ1206は、プロセッサ1204によって実行可能な命令を記憶するように作動可能である。
【0113】
図に示されるか本明細書に記載される機能、作用、又はタスクは、メモリ1206に記憶された命令を実行するプログラム済みプロセッサにより実施され得る。具体的に記すと、制御信号1105を検出して制御信号1105が装置1106を認証できるかどうかを判断する動作は、メモリ1206からの命令に基づいてプロセッサ1204により実施され得る。他の実施形態において、システム1102などからの認証及び/又は年齢検証は、メモリ1206からの命令に基づいてプロセッサ1204により実施され得る。機能、作用、又はタスクは特定タイプの命令集合、記憶媒体、プロセッサ、又は処理戦略と無関係であって、単独又は組み合わせで作動するソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード、その他により実施され得る。同様に、処理戦略は、マルチ処理、マルチタスク、並列処理、その他を含み得る。
【0114】
プロセッサ1204は、制御信号1105の受信/解析、装置1106の認証、及び/又は、ユーザ年齢の検証の為の、或いは年齢検証システム1102についての後の認証動作の為の命令を含めてソフトウェアを実行するように構成され得る。具体的に記すと、プロセッサ1204が制御信号1105を認証できない場合には、スイッチ1208が駆動されて電力の提供を抑止し、こうして装置1106の動作を停止又は抑止できる。具体的に記すと、装置1106が認証済み制御信号1105を受信する時にのみ駆動される装置への電力供給用のバッテリを装置1106が含み得る。言い換えると、年齢検証による認証が成功した場合に電気の流れが許容される。代替的に、認証又は年齢検証が失敗した場合には電気の流れが停止され得る。具体的に記すと、スイッチ1208がオフになった時には装置1106に電気が提供されない。スイッチ1208は、
図9に関して記載されたスイッチ910であり得る。スイッチ1208は信号検出回路構成1202の一部として図示されているが、代替実施形態では装置1106上の独立コンポーネントであってもよい。
【0115】
信号検出回路構成1202は、制御信号1105を変換する為の変換器1207を含み得る。制御信号1105の変換は、制御信号1105が認証される際の認証プロセスの一部であり得る。以下で
図13乃至15に関して更に記載されるように、変換器1207は制御信号1105のタイプに応じて異なり得る。
【0116】
図13は、制御信号1105の実施形態を示している。制御信号1105は装置1106の認証の為に提供される。制御信号1105は、装置1106又は装置のコンポーネント(例えばカートリッジ)のシリアル番号と対応し得る。認証を受ける為に、制御信号1105はシリアル番号と一致しなければならない。代替実施形態では、シリアル番号ではなく、装置1106の別の識別又は認証コードが用意され得る。代替実施形態において、コードは、各装置1106について、各ユーザについて、又は各装置タイプについて、一意的であり得る。年齢検証システム1102は、認証の為に提供されるコード又は制御信号1105を記憶する為のデータベースを含み得る。データベースは、ユーザ、プロファイル、及び/又は、装置を、装置1106をロック解除できる特定のコードと関連付ける。一実施形態において、データベースは、「タバコ製品についての分散型アイデンティティストレージ(DECENTRALIZED IDENTITY STORAGE FOR TOBACCO PRODUCTS)」という名称で2019年4月24日に出願された米国仮特許出願第62/838,272号の優先権を主張する2019年5月17日出願で「タバコ製品についての分散型アイデンティティストレージ(DECENTRALIZED IDENTITY STORAGE FOR TOBACCO PRODUCTS)」という名称の米国特許出願第16/415,477号に記載されているようなブロックチェーン技術を使用する分散型ネットワークストレージであり、各々の開示全体が参照により援用される。
【0117】
制御信号1105は、未検証ユーザによるハッキングの可能性を低下させるように暗号化され得る。一実施形態において、装置1106のシリアル番号又は別の識別子は、製造中に、装置1106のメモリチップ(例えばメモリ1206)に記憶されたハッシュコードにランダムに割り当てられ得る。認証の為に更新及びアクセスされるデータベースに、値が記憶され得る。
図19の実施形態では、ヘルプデスクオペレータがこのデータベースにアクセスできる。この実施形態では、装置をロック解除するとの電話をオペレータが装置1106の購入者から受けると、オペレータがシリアル番号を参照して割り当てられたハッシュコードを伝える。代替実施形態では、ユーザが識別及び/又は年齢検証されると、ホスト装置1104が特定項目についてデータベースにアクセスできる。別の暗号化の例で、シリアル番号又は識別子は、全ての番号を同じように変換する或る種のコード演算子を利用し得る。例えば、全てのシリアル整数及びシリアル英文字に設定量が加算されるかこれから減算され得る。設定量が+5である例では、暗号化されたS189A4Rの識別子はX634F9Wになる。安全性及び複雑性を追加する為に、装置1106の製造日/時刻に基づいてコードが変化してもよい。
【0118】
年齢検証を伴う登録も含み得る認証まで装置を使用させないロック位置で、装置1106が販売され得る。一実施形態において、小売販売地点に配置されるキオスクにより、消費者が購入の時点で装置の登録及び年齢検証を行うことが容易になる。消費者が年齢検証を受けると、消費者を確認するのに装置の周期的な認証が使用される。他の実施形態では、識別書類をスキャンして、認証に使用される視覚又は聴覚入力の実施を装置購入者に促すことなどにより、登録及び年齢検証プロセスでは小売店員も活用され得る。
【0119】
年齢検証システム1102などのネットワークバージョンと同期化されるか、ヘルプデスクオペレータと関連している疑似乱数生成器が、装置1106に組み込まれ得る。この乱数生成器はローリング式であってもよく、所定時間量の後に変化する。制御信号1105が装置シリアル番号にリンクされる必要はなくなる。他の暗号化形態の例は、未検証ユーザが装置をロック解除するのを抑止するように制御信号1105を暗号化するのに使用され得る高度暗号化規格(AES)、トリプルデータ暗号化規格(3DES)、トゥーフィッシュ(Twofish)、或いはRSA技術を含み得る。これらの技術は、装置1106へ送る前に制御信号1105を暗号化できる。そして装置1106のメモリ1206に記憶された割り当てキーを使用して、装置1106が信号を暗号化し得る。
【0120】
制御信号1105は、製造されたあらゆる装置について同じであり得るか、或いはユーザ、プロファイル、又は特定装置について一意的であり得る。装置製造プロセス中に、装置ソフトウェアは、そのシリアル番号又は識別子に対応する特定のロック解除シーケンス(つまり音声信号1302及び/又は光学信号1304を含む制御信号1105)でコード化され得る。一例において、制御信号1105は、モールス符号又はタップ符号のような文字符号化方式に従って書き換えられる装置のシリアル番号であるロック解除トーンシーケンスであり得る。
【0121】
ホスト装置1104から装置1106への制御信号1105は、音声信号1302であり得る。音声信号1302はトーンシーケンスを含み得る。音声信号1302又はトーンシーケンスは、モース符号に類似している長パルス及び短パルスのような一連のパルスであり得る。代替実施形態では、振幅及び/又は周波数が増加及び/又は減少した異なるタイプのシーケンスが使用され得る。シリアル番号又は識別子は、年齢検証システム1102で、或いはオペレータ(例えばヘルプデスクオペレータ)により使用されるソフトウェアを通して、認証トーンに変換され得る。この変換はソフトウェアを通したものであり得る。このようなソフトウェアの一例は、https://morsecode.scphillips.com/translator.htmlのフリーオンラインソフトウェアなど、モールス符号への変換を含み得る。シリアル番号又は識別子の変換は、モールス符号の例については一連のドット及びダッシュへの変換である。従って、識別子S189A4Rは... .---- ---.. ----. .- ....- .-.になる。このモールス符号の信号は、信号検出器1107で符号を検出して変換器1207で符号を変換する装置1106において音声で再生され得る。制御信号1105は変換済み信号と呼ばれ、これは装置1106によってまた識別子に変換される。
【0122】
ホスト装置1104から装置1106への制御信号1105は、光学信号と呼ばれ得る光/光学/スキャン信号1304であり得る。光学信号1304は一連の光パルス又は光シーケンスであり得る。光学信号又は光源との通信は更に、英国で2019年3月5日に出願された「光学無線通信による電子的蒸気供給システム(ELECTRONIC VAPOUR PROVISION SYSTEM WITH OPTICAL WIRELESS COMMUNICATIONS)」という名称の英国特許出願第1906243.9号に記載されており、同出願は参照により本明細書に援用される。
【0123】
図14は、音声検出器1402の実施形態を示している。音声検出器1402は信号検出器1107の一実施形態である。音声検出器1402は圧力センサ1407及び/又はマイクロフォン1408を含み得る。装置が呼気駆動式エアロゾル送達装置である幾つかの実施形態において、圧力センサ1407は、ユーザが装置1107を吹かすか吸入して装置1107を駆動する(例えばヒータをオンにする)時などに圧力の変化を測定するのに使用され得る装置1107の既存の圧力センサ(例えばセンサ908)を含み得る。装置を駆動する為に吸気を測定する独立した圧力センサが設けられ得るか、吸入時に装置を駆動して音声信号1302を検出するのに使用され得る一つの圧力センサのみが設けられ得る。言い換えると、圧力センサ1407は、呼気を検知してヒータを駆動するのに使用される同じセンサであるか、二次圧力センサが認証のみに使用され得る。
【0124】
音声信号1302の検出を向上させる為に、オリフィス、ポート、又は管などにより装置1107の外部表面に圧力センサ1407が露出してもよい。ヘルプデスクスタッフにより音声信号1302が提供される実施形態(例えば
図19)において、ヘルプデスクスタッフは、音声信号1302(つまり認証トーン)を検知するのに最適な箇所に圧力センサ1407が置かれるように、装置1107の外部表面のオリフィス、ポート、又は管など適正な箇所に電話スピーカーを保持することを装置購入者に指示し得る。ホスト1104(例えばコンピューティング装置、携帯電話、タブレット等)でアプリ又はソフトウェアにより音声信号1302が提供される他の実施形態において、アプリは、装置1107に対する最適箇所にスマートフォンスピーカーをどのように保持するかをユーザに指示できる。こうして、圧力センサ1407が音声信号1302を確実に検出できる。
【0125】
音声信号1302は認証トーンと呼ばれ、低周波数の圧力波であり得る。一実施形態において、波は、大抵のスマートフォン又は携帯電話に使用される基本的な電話スピーカーについての機能の下限であり得る。一例では、低い信号ノイズ比を持つトーンを圧力センサ1407が検出する為に、周波数はおよそ10Hz~20Hzであり得る。
【0126】
音声信号1302を検出し得る圧力センサ1407には、多様な実施形態があり得る。一例は、(圧力又は音波による)大気圧の変化が標準的な基準圧力と比較され得る密閉差圧センサである。密閉差圧センサはスピーカーから発出された音波を検出し得る。代替的に、圧力センサ1407は、直径の異なる二つの孔を通過する流体ストリームから発生した圧力を比較する流量センサを含む非密閉差圧センサであってもよい。非密閉差圧センサは、音波をより良好に検出するように配置構成される必要がある。
【0127】
別の実施形態において、装置1107はマイクロフォン1408を格納し得る。マイクロフォン1408は、携帯電話スピーカーにより発出され得る広範囲のトーンを(例えば、可聴トーンに加えて非可聴も)検知可能であるが、付加的なコンポーネントであってもよい。具体的に記すと、可聴トーンは人間にとって可聴である周波数範囲であるのに対して、トーンは非可聴トーンを含む一層広い範囲を更に含み得る。マイクロフォン1408は呼気を検知してヒータを駆動するのに使用され得るか、音声信号1302又は認証トーンのみを検出する為の二次的なマイクロフォンが設けられ得る。この実施形態で、周波数は、20kHzから25kHzの範囲など、スマートフォン、携帯電話、タブレット、又は他の一般的スピーカーについての機能の上限であり得る。このような周波数はユーザ又は装置購入者にとって非可聴であるが、それでもマイクロフォン1408により検知される。マイクロフォン1408は、およそ20Hzから20kHzの間の範囲の可聴周波数を含む機能リミットに基づいてトーンを検知し得る。
【0128】
音声信号1302を検出し得るマイクロフォン1408には多様な実施形態があり得る。一例は、PTFE系の薄膜ダイヤフラムを使用するMEMSエレクトレットマイクロフォンである。この例は適切なサイズで長寿命であり得る。他の例では、他のエレクトレットマイクロフォンが使用され得る。加えて、コンデンサマイクロフォン類の他のマイクロフォンがある。他の例は、クリスタル又は圧電マイクロフォンを含む。これらの例は固体を通してノイズ又は振動を検知し、装置の外側シェルの内側に載置され、こうして装置1107へ音波を進ませる為のオリフィス、管、又はポートの必要性を解消し得る。
【0129】
図15は、光学検出器1502の実施形態を示している。光学検出器1502は信号検出器1107の一実施形態である。光学検出器1502は、視覚検出器又は光検出器とも呼ばれ得る。光学検出器1502は、光センサ1507、フォトダイオード1508、リーダ1509、及び/又は、赤外線検出器1510を含み得る。光センサ1507は光依存性の抵抗要素を含み得る。これらのセンサは、光の存在又は不在により抵抗が変化し得る。これは、光学信号1304(つまり認証光シーケンス)が送信されている時に抵抗要素に電流が流れることを必要とする。フォトダイオード1508は、光源に露出された時にわずかな電流を発生させるセンサを含み得る。これはスイッチとして作用し、迅速な応答時間を有し得る。
【0130】
光学検出器1502は、カメラ、バーコードリーダ、又は他の検出器などのリーダ1509を含み得る。一例において、ユーザは、特定の装置と関連する一意コード(例えばバーコード)の画像を(例えば、モバイル装置又はスマートフォンを含むホスト1104で)捕捉し得る。代替例において、リーダ1509は、バーコード、無線周波数(RF)識別、近距離無線通信(NFC)通信、磁気ストリップリーダ、(例えばクレジットカードリーダに類似の)チップリーダ、有線通信、或いはワイヤレス通信を読み取り得る。例示的なバーコードは、ユニバーサル製品コード(UPC)、データマトリクスコード、及び/又は、クイックレスポンス(QR)コードなど、いずれかのタイプのスキャン可能な識別子を含み得る。コードは、一次元(1D)コード、二次元(2D)コード、三次元(3D)コード、又は他のタイプのコードを含み得る。RFIDによる例示的な通信及び認証は、ヘンリーその他(Henry et al.)の米国特許第10,015,987号と、ラムその他(Lamb et al.)の米国特許出願公開第2017/0020191号とに記載されており、その各々が参照により本明細書に援用される。NFCによる例示的な通信及び認証は、参照により本明細書に援用されるスールその他(Sur et al.)の米国特許第9,864,947号に記載されている。バーコードなどのコードは、製品パッケージに、ラベルに、製品自体に、又は製品パッケージのインサートに印刷され得る。一実施形態では、各特定装置についての一意バーコードが設けられ得る。バーコードからリンクされるアプリケーション又はウェブサイトは、一意バーコードから抽出された識別情報を対応の認証光シーケンスに変換するのにソフトウェアを使用し得る。言い換えると、バーコードのスキャンは、ホスト1104による光学信号1304の発出を引き起こし得る。代替的に、アプリケーション又はウェブサイトは、データベースの一意バーコードから抽出された識別情報を参照し、この特定装置1106について適切な光学信号1304を判断し得る。別の実施形態において、装置1106(又は装置1106のパッケージ/インサート)には、アプリケーションを実行するかウェブサイトにアクセス可能なホスト1104(例えばモバイル装置又はスマートフォン)により読み取られ得るRFIDタグが付けられ得る。この特定装置1106を認証又はロック解除できる光学信号1304の発生という結果を生じ得る装置1106の為の一意識別子が、RFIDタグに含まれ得る。
【0131】
光学検出器1502のセンサの例について、光波長範囲はおよそ400nmから700nmであり得る。光学検出器1502は、狭い範囲又は波長かいずれか/全て(つまり白色光)を受け取るように調整され得る。一連のパルスと対照的に、光学信号1304は波長のパターンを含み得る。一例において、光学信号1304は3秒間で400nmから500nmまで増加して5秒間暗状態を維持し、そして1秒間で400nmから700nmまで増加する。波長及び時間のこの変化は、一意光学信号1304を発生させるのに使用され得る。他のパターン及び波長変化が使用されてもよい。
【0132】
ホスト1104がモバイル装置又はスマートフォンである時には、ディスプレイ(例えば画面上での光/色の配置構成やディスプレイからのパルス)により、或いはフラッシュライト(例えば、モバイル装置や他のコンピューティング装置の後向きフラッシュライト)により、光学信号1304が発生され得る。ディスプレイの例は、ほとんど暗状態であるが、ディスプレイ画面に示されるいずれかの色/パルス/パターンを検出する為に装置1106の光学検出器1502の近くに置かれる一部分を含むディスプレイを含み得る。フラッシュライト適用を含むホスト1104の例では、光学信号1304を提供する特定のパターン又はシーケンスに従ってフラッシュライトが光を伝達するように、アプリがプログラムされ得る。伝達中の信号損失の機会を低下させ得るフラッシュライトについては、光の強度が高くなり得る。光学信号1304の伝達に先立って、光学検出器1502がホスト1104又はモバイル装置のフラッシュライトと整合されるように、アプリは適正な箇所への装置の配置をユーザに指示し得る。光学検出器1502は、年齢検証システム1102による年齢検証に対応するアプリ又はウェブページに表示されるQR又は他のバーコードをスキャンする為のリーダ1510を含み得る。このような実施形態のリーダ1510は、装置のロック解除を可能にするこのQRコード(登録商標)をスキャンする。
【0133】
装置の光センサは、一実施形態では赤外線(IR)センサ1510であり得る。ホスト1104は、携帯電話、或いはIRを介して光学信号1304を通信する他のIR利用装置であり得る。幾つかの実施形態では、多様な光学検出器1502(例えば光センサ1507及びIR1510)に応じたものであり得る可視光スペクトルとIRとの組み合わせが用意され得るか、単一のセンサが両方を測定し得る。光学タイプの組み合わせが用意されると、光学信号1304についての大きなコード組み合わせ集合が得られる。ユーザは可視光スペクトルを視認可能であるのに対してIRは検出可能でなく、こうして光学信号の再現を抑止することにより安全性も向上させ得る。IR又は不可視信号については、装置を制御/ロック解除する為に光学信号1304が通信されているとの指摘(例えば視覚的スペクトルパルス)や確認がユーザに提供され得る。
【0134】
図16は、音声信号による装置の機能的制御の為のシステム例の図を示す。
図11と同様に、
図16は音声検出用のシステムを図示している。ホスト1104は、ネットワーク1103を経由して年齢検証システム1102にアクセスできる。検証時に、ホスト1104は装置1106の認証に使用され得る。具体的に記すと、ホスト1104は、圧力センサ1407及び/又はマイクロフォン1408などの音声検出器による検出の為に音声信号1302を装置1106に提供できる。音声信号1302は、装置1106をロック解除する為の制御信号又は認証信号である。他の実施形態では、ユーザのスマートフォン又はモバイル装置ではなくヘルプデスク通話により音声信号1302が提供され得る。このような実施形態において、ホスト1104は、音声通信(例えばVoIP又は通話)を通してアクセスされるヘルプデスクであると考えられ得る。
【0135】
図17は、光学信号による装置の機能的制御の為のシステム例の図を示す。
図11と同様に、
図17は、光学的/視覚的検出の為のシステムを図示している。ホスト1104はネットワーク1103を経由して年齢検証システム1102にアクセスできる。検証時には、装置1106の認証にホスト1104が使用され得る。具体的に記すと、光学検出器1502による検出の為にホスト1104は光学信号1304を装置1106に提供できる。光学信号1304は、装置1106をロック解除する為の制御信号又は認証信号である。光学検出器1502の例は、
図15に図示され、同図に関して記載されている。
【0136】
図18は、制御信号プロセスの一例を示すフローチャートである。ブロック1802で、ユーザ/消費者は装置1106などの装置を購入する。購入は、オンラインで、或いは小売店又はキオスクにおいて対人で行われ得る。ブロック1804では認証が必要とされるまで装置が作動できる。一実施形態では、認証が完了するまで装置はロック又は非作動状態にあり得る。別の実施形態では、認証が必要とされる前の限定使用(限定時間又は限定呼気)の為に装置1106がロック解除状態で販売されてもよい。認証では最初に、ブロック1806のように年齢検証が要求され、これは年齢検証システム1102により実施され得る。年齢検証は一度のみ行われるか周期的に更新される必要があり得るのに対して、認証はより頻繁に(例えば、カートリッジ又は他のエアロゾル発生源部材が交換される度に)要求され得る。年齢検証システム1102は、ユーザの年齢を検証する為の機能を提供する。特定のユーザにより使用される多数の装置に検証が適用されるように年齢検証はこのユーザについて行われ得るが、それでも各個別装置についての認証を要求し得る。幾つかの実施形態において、各装置は後の認証に加えて年齢検証プロセスを要求し得る。
【0137】
初回年齢検証として、年齢検証システム1102はユーザの年齢を確定するのに幾つかの識別書類を要求し得る。例えば、ユーザの年齢を確定するのに運転免許証又はパスポートがアップロードされてもよい。この書類からの画像を使用して顔認識を実施することにより、この画像が今後の年齢検証に使用され得る。顔認識技術は二つの画像を解析して、身元の一致を確認する、身元の検証を却下する、或いは付加的な識別情報を要求するように検証をフラグ設定できる。この年齢検証は、ユーザが自分のモバイル装置又はウェブカメラで撮影したライブの自画像(「セルフィー」)又は映像とこの画像を比較することを含み得る。こうして単に誰かの写真を提示するという不正行為を抑止し得る。具体的に記すと、これは、ハードコピー写真を使用して(例えば、ウェブカメラの近くに運転免許証を掲げて)顔認識ソフトウェアを騙すという可能性を低下させる。ユーザがアップロードするセルフィー画像は、ショートビデオを記録してフレームの変化を確認することによりライブ性について検査され得る。代替実施形態において、検証ステップは、ライブ性を検証する為の数字の繰り返し、シーケンス、又はコードなど、ユーザからの可聴入力を含み得る。他の年齢検証の例は、ユーザが年齢検証を受けた後にユーザを検証する為の何らかの形態の指紋リーダを含み得る。一実施形態において、ホスト1104は検証プロセスの一部として指紋を受理し得る。DNA、血液、又は他の生体インジケータなど、ユーザを検証するのに使用される他のバイオメトリクスでもよい。
【0138】
装置1106は、装置が年齢検証されずに他のユーザに確実に配布されるように、より頻繁な認証を必要とし得る。認証は、ブロック1808のように装置1106へ制御信号を提供することを含み得る。記載されているように、制御信号は音声信号1302と光学信号1304のいずれかであり得る。この信号は、ホスト装置1104から、或いは別のソース(例えばヘルプデスク通話)から発出され得る。制御信号はブロック1810で装置1106に受信され、制御信号が適正である場合には装置が認証され、ブロック1812で認証が再び必要とされるまで装置は使用され続ける。ブロック1810において装置1106で受信された制御信号が適正でない場合には、装置1106は認証されず、ブロック1808で適正な認証制御信号が送られるまでロック状態にある。
【0139】
幾つかの実施形態において、制御信号を通した装置の認証により、特定ユーザの為に装置がロック解除され、今後再び必要とされ得る認証が装置1106自体で実施され得る。例えば、バイオメトリクス、指紋リーダ、又は上に記載された他の生物学的インジケータが、認証の為に装置で使用され得る。これに関して、幾つかの実施形態では、第2ユーザによる装置1106の使用を抑止するように(例えば、初回認証時に)初回認証で使用された特定のユーザバイオメトリクスに装置1106が結び付けられ得る。再認証が今後必要とされる時に、ユーザは、再認証の為にユーザバイオメトリクスを提供することにより装置1106をロック解除する、及び/又は、その使用を継続し得る。更なる例として、装置1106のユーザインタフェースを介して(例えばタッチ画面、入力ボタン、装置を吹かしているユーザにより提供され得る特定の呼気パターン等を通して)、及び/又は、装置1106が初回認証された時に装置1106に通信結合され、それからユーザを再認証して装置1106をロック解除する及び/又はその使用を継続するようにピンコードを入力し得るコンピューティング装置を介して入力され得るピンコードなどのコードをユーザが設定してもよい。
【0140】
図19は、音声信号プロセスの一例を示すフローチャートである。
図19に示されている例は、装置1106の検証及び認証の為のヘルプデスクの使用である。具体的に記すと、ユーザは検証及び/又は認証の為にヘルプデスク回線に架電できる。ブロック1902で、ユーザは年齢検証の為にヘルプデスクに架電する。ユーザ情報を提供又は確認することにより身元を確認するのに、ヘルプデスク通話が使用され得る。装置シリアル番号、購入日、運転免許証番号、ソーシャルセキュリティ番号の下4桁、或いは購入者の身元を検証するのに使用され得る他の個人情報を含み得る装置購入者の情報をヘルプデスクスタッフが取得する。一実施形態では、ブロック1904でユーザの年齢を検証するように識別書類に提示されている情報を確認するのに、ヘルプデスクが使用され得る。そしてヘルプデスクオペレータは、ユーザが装置1106に提供する為の音声信号1302を送信できる。具体的に記すと、ホスト装置1104であり得るユーザの受話器は、ブロック1906で音声信号1302又は認証トーンが送信される為のスピーカーを有する。
【0141】
幾つかの実施形態において、ブロック1902でのヘルプデスク架電、ブロック1904でのヘルプデスク検証、そしてブロック1906での認証トーンは全て、異なる装置から、或いは同じ装置からのものであり得る。例えば、ブロック1902~1904の検証通話は、認証トーンのソースと異なる電話から行われてもよい。具体的に記すと、異なる装置から、或いはヘルプデスクとの通話と異なるソースから送信される認証トーンについて、ヘルプデスクが承認を送るか提供し得る。一例では、ヘルプデスクによるユーザの検証/認証に基づいて、(通話中にスピーカーを通して再生するのではなく)電話のアプリを通して承認トーンが再生され得る。別の例では、Eメール、テキストメッセージ、又は通知などを通して、ヘルプデスクが、認証トーンを含む音声ファイルへの1回のみ使用可能なリンクを送り得る。不正行為を抑止するように、リンクは限定時間量のみ有効であり得る。
【0142】
トーン生成は、装置購入者が自身で使用するモバイルアプリ又はウェブアプリに(例えば、
図20のようなモバイル装置のプロファイルを含むアプリを通して)組み込まれ得るソフトウェアによるものであり得る。認証トーンは、ユーザのコンピュータ、電話、又は携帯電話のスピーカーを通して生成及び発出され、ブロック1908でのように装置1106の音声検出器1402により検出される。ブロック1908で認証トーンが適正でない場合に、装置はロック又は非認証状態のままであり、ブロック1906からの適正な認証トーンを待つ。認証トーンが適正である場合には、ブロック1910で認証が再び必要とされるまで装置1106が使用され得る。再認証プロセスに加えて、あらゆる使用、あらゆる充電の前に、所定の時間長の後に、所定量の呼気秒数又は呼気の後に、所定回数のカートリッジ挿入に先立って、或いは装置購入後の1回の検証時のみに装置購入者が再検証を行うという要件が設けられてもよい。このような例では、ブロック1910で認証が再び必要とされる時に、ブロック1906での認証に加えてブロック1904でユーザの年齢が再検証される必要があり得る。
【0143】
図20は、ホスト装置による認証の一例を示すフローチャートである。
図20の実施形態では、認証の為にアクセスされ得る年齢検証済みユーザのプロファイルに部分的に基づいて装置1106が認証される。ブロック2002では、ユーザにより装置1106が購入される。ブロック2004でユーザは年齢検証システムの為に識別情報を提供する。上で考察されたように、識別情報は、ユーザの身元及び年齢を確認するのに使用される情報を含み得る。この情報は、小売店に識別情報(例えば運転免許証)を提示すること、或いはキオスクで、又はコンピュータやモバイル装置などユーザ個人の装置で識別情報をスキャンすることであり得る。ユーザは、インターネット接続された年齢検証システム(コンピュータ、携帯電話等)を利用して、自分の識別情報を自身でアップロードし得る。識別及び年齢検証時に、ユーザはブロック2006で年齢検証システム1102によりユーザプロファイルを作成できる。年齢検証システム1102は、インターネットなどのネットワーク1103を経由して接続され、ユーザがアプリケーションで、又はウェブベースのアプリケーションでプロファイルを作成することを必要とする。今後の認証リクエスト中の迅速なアクセスの為に年齢検証システム1102のデータベースにユーザプロファイルが記憶され得る。ユーザ(又はユーザプロファイル)がユーザの年齢を検証するというリクエスト及び確認に基づいて、ホスト装置1104はブロック2008でのように制御信号1105を装置1106に送ることができる。制御信号1105が記憶されて、データベースに記憶されたユーザプロファイルと関連付けられる。代替的に、装置1106についての情報(例えばシリアル番号)を含めてユーザプロファイルに記憶された情報に基づいて適正な制御信号を生成するアプリケーションが用意されてもよい。制御信号1105は、ホスト装置1104により送信される音声信号1302又は光学信号1304であり得る。ブロック2010で制御信号が適正でない場合に、装置1106は認証されず、適正な制御信号まで待機しなければならない。ブロック2010で制御信号が適正である場合には、ブロック2012で認証が再び必要とされるまで装置1106が使用され得る。認証が再び必要とされる時には、ブロック2008でホスト装置が再び制御信号を装置へ送ることができる。
【0144】
図21は、認証キー2102の例を示している。認証キー2102は装置のパッケージの一部として販売され得る。認証キー2102は、装置1106の光学検出器1502(例えば光センサ1507)と容易に整合させることにより光学信号1304と共に使用され、或る量の光を遮蔽するか、検出器又はセンサにより区別可能である光の所定区分を遮蔽し得る。検出器/センサに届く光の強度を変化させるか、検出器/センサに到達できる光の区分を変化させる回転機構が、認証キー2102に組み込まれ得る。一実施形態では、或る範囲の数字(例えば0~12)がキーの周囲に記されている。回転機構が係合すると、キーがどの数字に設定されるかを装置ユーザが識別するのに役立つ数字が、矢印に対して回転し得る。この実施形態では、ネットワーク又はインターネットにアクセスすること無く、ユーザは装置1106をロック解除できる。上に記載されているように、ユーザは最初に年齢検証を実施できる(例えば、ユーザがヘルプデスクに架電して電話で年齢検証を行う)。年齢検証の後に、認証キー2012に使用する為の数字又は数字列が提供され得る。数字又は数字列は、認証キー2012の回転の為のものである。一実施形態において、数字又は数字列は装置1106のシリアル番号に対応し得る。ユーザがキーを回転させることで発生される対応の光シーケンスは、チップ製造中などに装置1106のメモリに(例えばメモリ1206に)プログラムされ得る。こうしてプロセッサ(例えばプロセッサ1204)は、メモリに保存された予測値を、認証キー2102の1回又は多数回の回転から受理した値と比較し、この二つを比較して認証を判断する。
【0145】
上の記載から認識され得るように、装置1106の使用をロック解除する為に幾つかの多様な方法のいずれかを使用して認証プロセスが採用され得る。これらの多様な方法の幾つかの例は、2019年4月2日の米国仮特許出願第62/828,222号の優先権を主張する、「スピーカー通信を通した電子装置の機能的制御及び年齢検証(FUNCTIONAL CONTROL AND AGE VERIFICATION OF ELECTRONIC DEVICES THROUGH SPEAKER COMMUNICATION)」という名称の米国特許出願第16/441,903号、そして2019年4月2日の米国仮特許出願第62/828,222号の優先権を主張する、「視覚的通信を通した電子装置の機能的制御及び年齢検証(FUNCTIONAL CONTROL AND AGE VERIFICATION OF ELECTRONIC DEVICES THROUGH VISUAL COMMUNICATION)」という名称の米国特許出願第16/441,937号に提示されており、各々の開示全体が参照により本明細書に援用される。これら引例の多くは、装置1106と他のコンポーネント又はネットワークとの間の通信を伴う技術を採用している。このような通信に関わる、及び/又は、このような通信に応答する準備を整える為に、装置1106は、認証を目的として装置1106と通信する為の試行の検出を可能にする準備(例えば起動)状態にあることが必要である。しかしながら、起動状態又はこのような準備状態を維持すると装置1106のリソース(例えばバッテリ電力)を浪費して、電力不足に基づいて認証を抑止し得る。これはユーザ体験に負の影響を与え、それ故、回避することが望ましい。こうして以下でより詳しく考察されるように、幾つかの実施形態では、購入又は駆動に先立って装置1106が電力を節約できるようにも構成され得る。
【0146】
装置1106で電力を節約する為の一つのオプションは、装置1106のコンポーネントを低電力又はスリープモードにすることであり得る。その際に、(上に記載された方法のいずれか、或いは他の適当な認証方法であり得る)認証プロセスの実施に先立って低電力又はスリープモードから装置1106を起動させる為に、起動プロセスが規定され得る。しかしながら、認証プロセスの開始に先立って装置1106がスリープ状態であっても起動していても、装置1106についての他の既存の設計への挿入が可能な独立モジュールに認証(恐らくは起動も)の機能を含めることが望ましい。こうすることで、装置1106の既存設計に対して行われる必要のある変更は比較的小さく、これはコストを削減すると共に、変更がなければ適用可能ではなかった規制範囲が新たな設計によって生じる場合に起こり得る複雑化を回避できる。
【0147】
図22は、既存の形のエアロゾル送達装置2200に対して行われるアップグレードについてのブロック図を示す。装置2200は、上に記載されたエアロゾル送達装置100,300,700,900、或いは
図11乃至21の装置1106を参照して上に記載された装置認証を実施するように本来は構成されていない類似装置のいずれかの一例であり得る。これに関して、以下でより詳しく記載される独立した認証モジュール2210が装置2200へ挿入され得る。
図22に実線で示されている認証モジュール2210は、装置2200の(
図22において破線の矩形で表されている)箇所2250へ(破線2240で示されているように)挿入されて本明細書に記載の認証機能を提供し得る独立型モジュールとして認識されるべきである。
【0148】
幾つかの実施形態において、認証モジュール2210は、
図22に示されているように装置2200に一体化され得る独立チップ又は回路基板として具現化され得る。これに関して、例えば装置2200のバッテリ2220と装置電子機器2230との間に、認証モジュール2210が挿入され得る。幾つかの事例で、装置電子機器2230は単一の回路基板に配設されるか、互いに動作結合される異なる基板に様々なコンポーネントが配設され得る。それ故、認証モジュール2210は装置電子機器2230のピン、ワイヤ、又はリード線に接続されて、認証モジュール2210の独立チップ又は回路基板を装置電子機器2230に接続し得る。また、認証モジュール2210に接続される装置電子機器2230のピン、ワイヤ、又はリード線のうち少なくとも幾つかは、装置2200のバッテリ2230及び/又は(バッテリ2230に充電する為の)充電ポートに接続されるかもしれないか前は接続されていたピン、ワイヤ、又はリード線であり得る。
【0149】
バッテリ2220は、装置電子機器2230を含む装置2200の様々なコンポーネントに電力を提供するように構成され得る。装置電子機器2230は、エアロゾルの発生を制御するように作動する記載の電子コンポーネント(例えば、エアロゾル送達装置200の為の制御コンポーネント208、流量センサ210、加熱要素220、電子コンポーネント226、その他と、エアロゾル送達装置300,700,900の為の対応の類似コンポーネント類)を含み得る。しかしながら、熱発生又は非熱発生方法(上で詳しく記載されているように(例えば呼気事象の検出を受けての)蒸気の発生の為の溶液への熱の印加、或いは振動メッシュ等の熱を発生しない機械ベースの噴霧技術の使用)を採用するエアロゾル送達装置を装置電子機器2230が含み得ることが認識されるべきである。
【0150】
バッテリ2220と装置電子機器2230との間に認証モジュール2210を挿入することにより、バッテリ2220から装置電子機器2230への電力の印加を制御することで装置2200によるエアロゾルの発生を制御するように、認証モジュール2210が戦略的に設置され得る。認証モジュール2210は、この設置によっても、バッテリ2220を充電又は再充電する能力も制御し得るか、又は代替的に制御し得る。いずれにしても、認証モジュール2210は、最初にバッテリ2220の充電及び/又はバッテリ2220から装置電子機器2230への電力の提供を抑止するように構成されており、装置2200又はそのユーザの然るべき認証を受けて、認証モジュール2210はバッテリ2220の充電とバッテリ2220から装置電子機器2230への電力の提供の一方又は両方を可能にする。
【0151】
図23は、実施形態例により上に記載の機能の実施に寄与し得る認証モジュール2210の様々なコンポーネントを示すブロック図を示す。これに関して、認証モジュールは、エアロゾルの発生についての認証モジュール2210(そして究極的には装置2200)の動作と、(充電、起動、ロック解除、及びロック機能を含む)他の様々な機能とを制御するように構成され得るマイクロコントローラ(例えばMCU2300)又は幾つかの他のプロセッサ、コントローラ等を含み得る。その為、MCU2300は、(例えば、プログラム、アプリケーション、又はコード化機能を介して)本明細書に記載のように認証モジュール2210及びそのコンポーネントの動作を制御するように構成され得る。
【0152】
実施形態例において、MCU2300は、エアロゾル発生および他の機能の為の装置電子機器2230への電力の提供を制御する電力制御回路構成2310に動作結合されてその動作を制御し得る。これに関して、バッテリ2220から装置電子機器2230への電力の印加の為の経路を制御する為のスイッチ及び/又は他の回路構成が、電力制御回路構成2310に設けられ得る。その為、MCU2300からの制御を受けて、電力制御回路構成2310は、装置電子機器2230からバッテリ2220への電力の通過を遮断又は抑止するか、バッテリ2220から装置電子機器2230への電力の通過の為の経路を提供し得る。
【0153】
MCU2300はまた、或いは代替的に、充電制御回路構成2320に動作結合されるかその動作を制御し得る。充電制御回路構成2320には、装置2200の充電ポート2330からバッテリ2220への電力の印加の為の経路を制御する為のスイッチ及び/又は回路構成が設けられ得る。その為、MCU2300からの制御を受けて、充電制御回路構成2320は、充電ポート2330からバッテリ2220への電力の通過を遮断又は抑止し得るか、充電ポート2330からバッテリ2220へ電力を通過させる為の経路を提供し得る。幾つかの実施形態のMCU2300は、搭載の電源(例えばバッテリ)から電力を受容し得る。しかしながら、他の事例において、MCU2300は、装置2200への設置後に装置2200のバッテリ2220から電力を受容するように構成され得る。
【0154】
実施形態例において、充電制御回路構成2320及び/又は電力制御回路構成2310は、装置2300又はユーザの認証状況に基づいてMCU2300により制御され得る。従って、MCU2300は、装置2200又はユーザの認証を制御するように構成されている認証マネージャ2340と相互作用を行う、及び/又は、これを制御し得る。これに関して、例えば、
図11乃至21を参照して上に記載された方法のいずれかを使用して、認証マネージャ2340によりユーザの年齢が検証され得る。故に、(例えば上で考察されたものを含む)いずれかの適当な方法を介して認証を実施するのに必要とされるコンポーネント、装置、又は性能のいずれかを認証マネージャ2340が含み得ることが認識されるべきである。こうして、例えば、光学、可聴、又は他のワイヤレス通信方法を介した認証を実施する性能を認証マネージャ2340が含み得る。ユーザの年齢が検証された(又は以前に年齢検証されたアカウントをユーザが有するという事実が検証された)後に、アカウントマネージャ2340は、MCU2300と通信してMCU2300に認証を通知し得る。そしてMCU2300は、本明細書に記載の充電制御回路構成2320及び/又は電力制御回路構成2310と相互作用を行って装置2200の動作を可能にする。
【0155】
上記のように、幾つかの実施形態は、最初に装置2200及び/又は認証モジュール2210をスリープ又は低電力モードにすることにより(例えば装置2200及び/又は認証モジュール2210での)電力を節約し得る。このような例で、装置2200及び/又は認証モジュール2210は、装置2200をロック解除及び有効化して作動させるのに使用される認証プロセスが完了される前の起動を必要とし得る。このような起動の実施を可能にする為に、認証モジュール2210は更に起動マネージャ2350を含み得る。
【0156】
図24は、実施形態例による装置2200を起動させる為の一般的プロセスを示すブロック図を示す。これに関して、動作2400でユーザは最初にロック状態の装置(例えば装置2200)を購入する。認証プロセスが完了して装置をロック解除するまで装置2200の動作が許可されないようにロックされていることに加えて、装置2200(又は少なくともその様々なコンポーネント)は低電力又はスリープモードでもあり得る。その後、動作2410でユーザが装置を起動させ得る。しかしながら、下記のように、動作2410と関連する特定の起動箇所が代替的に、このフロー図内の他の位置であってもよい。装置2200を起動させることにより、(上述のものを非排他的に含む)適当なプロセスを含み得る認証プロセスを実施する為に、装置2200が(まだロック状態にあるが)起動され得る。装置2200が起動している間に、動作2420でユーザは認証の為の年齢検証システムにアクセスし得る。こうして、例えば、
図11乃至19を参照して上に記載された年齢検証システムの動作(例えばホスト1104を介した年齢検証システム1102へのアクセス)が、それ故、動作2420で開始され得る。
【0157】
動作2430では、ユーザの年齢(又は身元)の検証に成功したかどうかについて判断が行われ得る。幾つかの事例では、ユーザの年齢を確定又は検証するように、ユーザは情報、証明、及び/又は、その他を提供し得る。情報又は証明は、識別書類(例えばパスポートの写真ページ、運転免許証等)の提示、ブロックチェーンを採用する識別技術(例えば、参照により開示全体が本明細書に援用される2019年5月17日出願の「エアロゾル送達装置の為の登録カートリッジによる年齢検証(AGE VERIFICATION WITH REGISTERED CARTRIDGES FOR AN AEROSOL DELIVERY DEVICE)」という名称の米国特許出願第16/415,444号で考察)、顔認識又は他のバイオメトリック識別技術、及び/又は、その他を含み得る。しかしながら、他の事例では、年齢検証プロセス(例えば、有効アカウント識別子と関連するコード、シリアル番号、その他の提示)を前に受けた有効アカウント識別子をユーザが有するかこれと関連しているとの検証により、ユーザが彼/彼女の身元を検証してもよい。年齢検証の成功が達成されなかった場合には、動作2440で装置2200はロックされたままであり得る。幾つかの事例では、別の年齢又は識別情報検証の試行に先立って、装置2200が低電力又はスリープモードに戻って別の起動試行まで待機してもよい。しかしながら、他の事例で、ユーザはプロセスを完了するのに1回より多くの試行(例えば2回、3回、又は他の特定数の許可された試行)が認められてもよい。年齢検証を完了する試行が多数回許可される場合に、ユーザは、装置2200が低電力又はスリープモードに戻る前に許容数の試行の各々に関与し得るか、他の幾つかの利益供与拒否機能を実施する。
【0158】
年齢(又は身元)の検証に成功した場合に、ユーザは動作2450で装置及びホストに識別情報を提供し得る。例えば、ユーザは、装置2200と関連するシリアル番号又は他の識別情報を提供して、ホスト1104と関連する電話番号、Eメールアドレス、又は他の識別情報を提供し得る。その後、動作2460で装置1106とホスト1104との間での認証プロセスの開始が行われ得る。認証プロセスは、例えば、上に記載のように、ホスト1104から装置1106への光学又は音声ロック解除信号の提供を含み得る。上記のように、幾つかの事例で、動作2410で装置が起動すると、動作2450及び2460の間で動作が進み得る。動作2470では、認証プロセスの完了に成功したかどうかについて判断が行われ得る。完了が成功しなかった場合に、フローは動作2440へ戻り、上に記載のように装置2200はロックされたままであり得る。これに関して、装置2200は低電力又はスリープモードに戻って、別の認証試行を許容する前の別の起動試行まで待機する。しかしながら、他の事例では、認証プロセスを完了する1回より多くの試行がユーザに許容され得る(例えば、2回、3回、又は他の特定回数の試行の許可)。多数回の認証試行が許可される場合に、ユーザは、装置2200が動作2440へ戻る前に許容回数の試行の各々に関与して、低電力又はスリープモードに戻るか、他の幾つかの利益供与拒否機能を実施し得る。しかしながら、認証プロセスの完了に成功した場合には、動作2480で装置2200が使用の為にロック解除され得る。装置2200は、永続的に、或いは手で、又はロック基準を満たしたことにより再度ロックされるまで、ロック解除されたままであり得る。ロック基準は使用関連のパラメータを含み得る。その為、ロック解除以降に行われた呼気の数、ロック解除以降の時間量、及び/又は、その他など、使用関連のパラメータに基づいて、装置2200のロック解除は永続的であるか、代替的には一時的であると考えられ得る。
【0159】
図25は、上に記載のように装置2200の実例に追加され得る独立モジュールの形態の認証モジュール2210を使用して、
図24を参照して考察された一般的方法を採用できる構成における装置2200の様々なコンポーネントの機能ブロック図を示す。これに関して、装置2200は、上に記載のように熱発生又は非熱発生方法を介したエアロゾルの発生を制御するように作動し得る装置電子機器2230を含む装置2200の様々なコンポーネントに電力を提供するように構成され得るバッテリ2220を含む。
図22を参照して上に記載されているように認証モジュール2210は装置2200へ挿入され、
図23に示されている接続が行われ得る。故に、例えば、(互いに、また幾つかの事例では他のコンポーネントとも接続されて
図23の電力制御回路構成2310を形成する)電圧調整回路2506及び制御スイッチ回路構成2508が、バッテリ2200と装置電子機器2230の両方に接続され得る(またこれらを分離し得る)。同様に、認証モジュール2210の充電接続2510は装置2200の充電ポート2330に接続されて外部供給源(例えば主電源、バッテリパック充電器等)から電力を受容し得る。充電接続2310は、安全なバッテリ充電の為にバッテリ2220への電力の印加を制御するように構成されている充電IC(集積回路)2512と充電モニタ回路構成2514とに電力を提供し得る。実施形態例では、充電接続2510と充電IC2512との間に充電スイッチ回路構成2516が設けられ得る。充電接続2310と充電IC2512と充電モニタ回路構成2514と充電スイッチ回路構成2316とが(他のコンポーネントを含むか含まずに)組み合わされて、
図23の充電制御回路構成2320を形成し得る。
【0160】
制御スイッチ回路構成2508は、バッテリ2220を装置電子機器2230から隔離して(例えばエアロゾル発生の為の)装置2200の動作を抑止するように作動可能である一以上のスイッチを含み得る。代替的に、制御スイッチ回路構成2508はバッテリ2220からの主電源を装置電子機器2230へ接続して、(例えば呼気事象を受けてのエアロゾル発生の為の)装置電子機器2230の動作を可能にするように作動され得る。充電スイッチ回路構成2516は、充電接続2510を充電IC2512から隔離してバッテリ2220の充電を抑止するように作動可能である一以上のスイッチを含み得る。代替的に、充電スイッチ回路構成2516は、充電接続2510から充電IC2512及び充電モニタ回路構成2514へ電力を流してバッテリ2220を充電するように作動され得る。注目すべきは、バッテリ2220から電圧調整回路2506及び制御スイッチ回路構成2508へ電力を提供する回線から独立した回線として、充電モニタ回路構成2514からバッテリ2220への電力が
図25に示されているが、幾つかの事例では、これらの回線が単一の電力バスに組み合わされてもよいことである。
【0161】
電圧調整回路2506は、本明細書に記載のロックアセンブリの様々なコンポーネントへ電力を提供するように構成され得る。ロックアセンブリへの電力の提供は、
図25に破線で示されている。このように、電圧調整回路2506から破線が延出する先の全てのコンポーネントが、装置2200のロックアセンブリの一部と考えられ得る。この例で、ロックアセンブリは、MCU2300と認証マネージャ2340と起動マネージャ2350とを含み得る。(各々がロックアセンブリのコンポーネントであるとも考えられ得る)充電スイッチ回路構成2516と制御スイッチ回路構成2508とを作動させて本明細書に記載のように装置2200の充電及び動作を制御する為に、ロックアセンブリは(
図25に破線で示された)様々な制御又はデータ信号を提供するように構成され得る。
【0162】
実施形態例において、MCU2300は、エアロゾル発生と(起動、認証、充電、ロック解除、及びロック機能を含む)他の様々な機能とについて装置2200を有効化する為に認証モジュール2210の動作を制御するように構成され得る。幾つかの事例では、充電スイッチ回路構成2516の位置を変更するようにMCU2300により発出され得る充電制御信号2530を介して、充電機能の制御が採用され得る。これに関して、例えば、充電制御信号2530により充電スイッチ回路構成2516が開く場合には、バッテリ2220を充電する電力の為の経路が開くか遮断され、バッテリ2220の充電は可能でない。しかしながら、充電制御信号2530により充電スイッチ回路構成2516が閉じる場合には、バッテリ2220を充電する電力の為の経路が設けられ、充電接続2510に接続された電源からバッテリ2220の充電が実施され得る。充電スイッチ回路構成2516がバッテリ2220の充電を制御するので、充電スイッチ回路構成2516は「充電スイッチ」とも呼ばれ得る。
【0163】
同様に、MCU2300から制御スイッチ回路構成2508へ制御信号2532を発出することにより、エアロゾル発生機能の制御が行われ得る。これに関して、例えば、制御信号2532により制御スイッチ回路構成2508が開く場合には、エアロゾルの発生の為の熱が提供されないようにバッテリ2220(又は電力バス)から装置電子機器2230への電力の経路が開くか遮断され得る。しかしながら、制御信号2532により制御スイッチ回路構成2508が閉じる場合には、バッテリ2220(又は電力バス)から装置電子機器2230への電力の経路が設けられて、(例えば呼気の検出を受けて、又は他の手段により)エアロゾルの発生が可能となり得る。バッテリ2220から装置電子機器2230への電力(又は電圧)の印加を制御スイッチ回路構成2508が制御するので、制御スイッチ回路構成2508は「電圧スイッチ」とも呼ばれ得る。
【0164】
実装形態例では、MCU2300で受信され得る様々な制御信号(又はトリガ)に基づいて電圧スイッチ及び/又は充電スイッチを制御するようにMCU2300が構成され得る。MCU2300は、一つ又は多数の異なる事象又は信号を介して始動され、その内の幾つかが
図27を参照して以下でより詳しく記載される。しかしながら、様々な実施形態例で個別に(又は組み合わせで)適用され得る幾つかの特定信号は、
図25にも示されている。これに関して、
図25に示されているように、認証マネージャ2340は認証信号2540をMCU2300に提供し得る。幾つかの事例で、認証信号2540は、認証マネージャ2340により認証の実施が成功したことを示す為にのみ提供され得る。しかしながら、他の事例では、認証試行の肯定的及び否定的の両方の結果を認証信号2540が示し得る。発出された時(又は肯定的である時)には、
図27を参照して以下でより詳しく記載されるように装置2200をロック解除して電圧及び/又は充電スイッチを閉じるのに認証信号2540が使用され得る。発出されない時(又は否定的である時)には、電圧及び/又は充電スイッチが開状態を維持してエアロゾル発生及び/又は充電をそれぞれ抑止し得る。
【0165】
MCU2300で受信されて装置2200の状態に影響し得る別の制御信号は、起動マネージャ2350により提供され得る起動信号2542であり得る。これに関して、起動マネージャ2350は、起動事象を監視し、起動時以外はスリープ状態か低電力モードであるロックアセンブリの様々なコンポーネントに起動して認証試行の準備を行うように指示する構成を持ち得る。故に、例えば、認証マネージャ2340、起動マネージャ2350、及び/又は、MCU2300は、起動マネージャ2550が起動事象を検出して起動信号2542を発出するまでスリープ状態であり得る。
【0166】
幾つかの事例で、制御信号2544により示されているように、起動マネージャ2350は充電接続2510から直接、起動事象を検出し得る。例えば、外部電源への充電接続2510の結合により、起動マネージャ2350への制御信号2544の発生が始まり得る。その後、起動マネージャ2350はロックアセンブリへ起動信号2542を発出する。代替例として、起動信号2542を受けて、充電接続2510からの外部電力を伴わずに認証プロセスの為に作動するのに充分なバッテリ電力が利用可能であることをMCU2300が検出できるように、(例えば電力バスからの電力を介して)制御信号2546がMCU2300に提供され得る。
【0167】
上の記載から認識され得るように、認証モジュール2210が、装置2200に追加され得る(例えば独自のチップ又はプリント回路基板上の)独立モジュールであるという事実により、(他の点では既に市販されている装置又は設計であるか、認証モジュール2210から完全に独立した動作が可能である)装置2200は、性能向上による改良又は改善が可能となる。これに関して、例えば、装置2200は一般的に無制限の使用が可能であって、安全特徴を搭載せずに設計又は販売(或いは設計及び販売)され得る。しかしながら、工場で認証モジュール2210を設置することにより、製造者は、安全特徴を備える改良製品を製作可能であるか、安全特徴を伴わずに既に製造された設計が改良性能を伴って製造され得るように製品の完全な再設計を行わずに既存の製品を改良できる。又、装置2200のPCB(例えば装置電子機器2230)を変更又は変形することなく装置2200に認証モジュール2210が追加されてもよい。代わりに、認証モジュール2210が単純に、装置2200のPCBとの通信状態になるように(例えば装置電子機器2230とバッテリ2220及び/又は充電ポート2330の間に)設置されて装置2200のPCBに他の変更が加えられなくてもよい。
【0168】
それ故、性能にマイナスの影響を与えることも、又は規制に関する新たな適合性試験を必要とすることも無く、他の点で規制又は性能基準を満たす装置が追加の機能性により単純に強化され得る。しかしながら、本明細書に記載の認証モジュール2210を採用することにより、他の(既存の)装置/設計特徴への影響を最小にして安全関連の機能により装置2200が改良されるばかりでなく、改良された機能の実装の可能性も非常に柔軟である。これに関して、例えば、認証マネージャ2340を対応の異なるバージョンに変更するだけで、ワイヤレス制御信号(例えばブルートゥース)、NFC信号、光学信号、音声信号、及び/又は、その他が、様々な異なる形の認証モジュール2210に使用され得る。同様に、起動マネージャ2350を含めることにより、低電力又はスリープモードから装置2200を起動させる能力が追加され得る。その為、認証モジュール2210をモジュール化し、(幾つかの事例では)更に、認証モジュール2210自体を様々な機能モジュールの追加、削減、又は代替が可能なものにすると、達成及び/又は対応が可能である設計の多様性が最大になる。
【0169】
その為、実施形態例は、エアロゾル送達装置の動作を制御する方法を含み得る。ブロック図が
図26に示されている方法は、安全性改良の為に既存の装置(又は設計)を改変するような手法で動作を制御し得る。この方法は、動作2600でエアロゾル送達装置の装置電子機器及び電源にアクセスすることを含み得る。装置電子機器は、電源からの電力の印加を受けてエアロゾルを発生させるように構成され得る。この方法は更に、動作2610で、認証プロセスを規定するように構成されている認証モジュールを、電源とエアロゾル送達装置の充電ポートと装置電子機器の一方又は両方との間に挿入することを含み得る。認証モジュールは、装置電子機器に対する独立チップ又は回路基板として規定され得る。この方法は更に、動作2620でエアロゾルの発生の為の装置電子機器への電力の提供を制御すること、或いは認証プロセスの完了に基づいて電源の充電を制御することを含み得る。
【0170】
図27は、装置(例えば装置1106又は装置2200)を起動、認証、及びロック/ロック解除するように
図25のコンポーネントが協働し得る一例を説明するフロー図を示す。
図27に示されているように、動作2700でロックアセンブリは最初に深いスリープ状態にある。この状態で、ロックアセンブリのコンポーネントは最低電力であり、電圧スイッチ及び充電スイッチの各々が開いて装置2200の充電と動作の両方を抑止するロック状況がロックアセンブリに適用され得る。動作2702で、MCU2300(及び/又はロックアセンブリ全体)は、割込みを待つ間はスリープモード又は最低電力モードのままである。割込みが受信されると、充電器事象(例えば、充電器を充電ポート2330に差し込むか制御信号2546を提供する)が発生したかどうかについて動作2704で判断が行われ得る。充電器事象が発生していない場合には、動作2706で起動事象が発生したかどうかについて判断が行われ得る。起動事象が検出されない場合には、動作2708で充電器が装着されているかどうかについて判断が行われ得る。充電器が装着されていない場合には、フローが動作2702へ戻る。しかしながら、充電器が装着されている場合には、ロック状況の判断が行われる動作2710へフローが進み得る。ロック状況に関する判断(つまり動作2710)は、動作2704で充電器事象が発生したとの判断の結果でもある。これに関して、動作2704で充電器事象が検出された場合には、ロック状況の判断の為の動作2710へ進む前に、動作2712で充電事象クリアランスが行われ得る。充電器事象の検出を介してフローが動作2710に達したか否かに関わらず、動作2710では、ロックアセンブリ(又は全体として装置2200)がロックされているかロック解除されているかを判断する。
【0171】
ロック状況が「ロック解除」である場合には、充電を許容する為に充電スイッチが閉じられ、動作2714でエネルギー送達の監視が行われ得る。これに関して、
図25を再び参照すると、動作2714により、充電制御信号2530が発出されて充電スイッチ回路構成2516を閉じる結果となる。それ故、充電IC2512と充電モニタ回路構成2514とは、充電スイッチ回路構成2516を介して充電接続2510から電力を受容する。その後、フローは動作2706へ戻って、起動事象が検出されるかどうかが判断される。
【0172】
ロック状況が「ロック」である場合には、1回充電リミットに達したかどうかについて動作2716で判断が行われ得る。1回充電リミットに達していない場合に、フローは動作2714へ進み、上述のように、充電を許容する為に充電スイッチが閉じて、エネルギー送達の監視が動作2714で行われ得る。しかしながら、1回充電リミットに達した場合には、動作2718で充電スイッチが開き得る。こうして、例えば、動作2718により、充電制御信号2530が発出されて充電スイッチ回路構成2516が開き得る結果となる。それ故、充電IC2512と充電モニタ回路構成2514とは充電スイッチ回路構成2516を介して充電接続2510から電力を受容しない。しかしながら、幾つかの事例では、1回より多くの充電を許可するように1回充電リミットが増加され得る。このような例で、充電リミットは指定された1以外の数と関連していてもよい。
【0173】
動作2706に戻ると、起動事象が検出された場合には、動作2720で認証コードについてスキャン動作が実施され得る。しかしながら、幾つかの事例でのように年齢/ID検証動作に続いて、或いはその一部として認証コードもスキャンされることが認識されるべきである。スキャン動作は自動的に行われ得る(例えば、ブルートゥースペアリング、RFID又はNFCタグ読取り、或いは他の自動スキャンオプション)。しかしながら他の例では、ユーザが動作2720を開始して、幾つかの事例では動作2720の実行を容易にする情報を提供してもよい。コードのスキャンは、音声コード、光学又は視覚コード、或いは(本明細書に記載の方法を限定的にではなく含む)他の適当な認証方法を含み得る。故に認証方法は、例えば、認証プロセスと同時に提供されるか前もって提供されたブロックチェーン技術、顔認識又は他のバイオメトリック識別技術、ピンコード、シリアル番号、その他などの信用証明の提供、或いは他の適当な方法を含み得る。
【0174】
スキャンされたコードが検証又は認証されたかどうかについて動作2722で判断が行われ得る。コードが認証又は検証されない場合には、起動タイマが超過したかどうかについて動作2724で判断が行われ得る。これに関して、動作2706で起動事象が検出された時に、起動タイマが始動し得る。ユーザは起動タイマの終了前に一以上の認証試行を実施することが可能である。故に、起動タイマが終了していない場合にフローは動作2720へ戻り、ユーザは認証コードについて別のスキャンを試行することができる。幾つかの事例では、タイマの代わりに、又はこれに加えて、幾つかの試行がカウント(及び制限)され得る。コードの検証に失敗した後に起動タイマが終了した場合(或いは許容可能な試行の回数を超えた場合)には、動作2726で起動事象フラグがクリアされ、フローは動作2708へ戻る。
【0175】
動作2722での判断を受けてコードが検証又は認証される場合には、検証されたコードがロックコード又はロック解除コードであるかどうかについて動作2730で判断が行われる前に、動作2728で起動事象フラグがクリアされ得る。検証されたコードがロックコードである場合にはフローは動作2700へ戻り、状況はロックに設定され、電圧スイッチと充電スイッチの両方が開く。検証されたコードがロック解除コードである場合に、フローは動作2732へ進む。動作2732では、ロックアセンブリが最低電力で作動し続け、ロック状況は「ロック解除」に変化し得る。充電スイッチと電圧スイッチとが閉じて、(該当する場合に)1回充電フラグもクリアされ得る。その後、フローは動作2702へ戻って次の割込みを待つ。故に、実施形態例は、提供されるコードに基づいて装置をロック又はロック解除するのに使用され得る。それ故、ロック解除コードは、ロック解除コマンドとして作用するかこれを開始し得る。それ故、ロックコードはロックコマンドとして作用するかこれを開始し得る。しかしながら、ロック状況が「ロック」である時でも装置の機能検査の為に製造検査モードが規定され得るように幾つかの実施形態が構成され得ることも認識されるべきである。例えば、一時的ロック解除(又は検査)コードが提供され得るか、装置がロックされている時にも或る種の検査が実行可能である。
【0176】
こうして、実施形態例によりエアロゾル送達装置が設けられ得る。装置は電力を提供してエアロゾルを発生させるように構成されている充電式電源と、電源からの電力の印加を受けてエアロゾルを発生させるように構成されている装置電子機器と、認証モジュールとを含み得る。認証モジュールは、装置電子機器に対する独立チップ又は回路基板を含み得る。エアロゾル発生の為に装置電子機器への電力の提供を制御するべく電源と装置電子機器(例えば装置電子機器の一部(例えば電力部のみ)又は全て)との間で、或いは電源の充電を制御するべく電源とエアロゾル送達装置の充電ポートとの間で、認証モジュールがエアロゾル送達装置へ挿入され得る。
【0177】
物品の使用についての上の記載は、細かい変形を通して本明細書に記載の様々な実装形態例に適用され、これは本明細書に提示される更なる開示を考慮すると当業者には明白であり得る。しかしながら、使用についての上の記載は物品の使用を限定する意図はなく、本開示の開示に必要な要件全てを満たすように提供されている。
図1乃至27に示されているか、或いは別様に上に記載されている物品に示されている要素のいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれ得る。
【0178】
上記の記載及び関連の図面に提示されている教示の長所を持つ本開示の関連技術分野の熟練者は、本明細書に提示される多くの変形及び他の実装形態を思い付くだろう。それ故、開示された特定の実装形態に開示が限定されないことと、変形及び他の実装形態が添付請求項の範囲内に含まれる意図があることとが理解されるはずである。また、上記の記載及び関連の図面は、要素及び/又は機能の或る組み合わせ例の状況における実装形態例を記しているが、添付請求項の範囲を逸脱せずに要素及び/又は機能の異なる組み合わせが代替実装形態により提供され得ることが認識されるべきである。これに関して、例えば、上に明確に記載されたものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせも、添付請求項の幾つかに提示され得ると想定される。本明細書では特定の語が採用されているが、限定目的ではなく包括的かつ記述的な意味でのみ使用されている。
【符号の説明】
【0179】
100 エアロゾル送達装置
102 制御ボデー
104 カートリッジ
206 ハウジング
208 制御コンポーネント
210 流量センサ
212 電源
214 インジケータ
216 ハウジング
218 リザーバ
220 加熱要素
222 液体輸送要素
224 開口部
226 電子コンポーネント
228 ベース
230 カプラ
232 空洞
234 突出部
236 吸気口
238 外周部
240 内周部
242 凸部
244 凹部
300 エアロゾル送達装置
302 制御ボデー
304 エアロゾル発生源部材
406 加熱端部
408 吸口端部
410 エアロゾル前駆体組成物
412 外部被覆材料
414 フィルタ
516 ハウジング
518 開口部
520 流量センサ
522 制御コンポーネント
524 電源
526 インジケータ
528 加熱アセンブリ
530 外側円筒体
532 加熱要素
534 収容ベース
536 収容室
538 吸気口
700 エアロゾル送達装置
702 制御ボデー
704 カートリッジ
806 シェル
808 制御コンポーネント
810 入力装置
812 電源
814 インジケータ
816 カートリッジシェル
818 リザーバ
820 ノズル
822 開口部
824 マイクロポンプ
826 マイクロフィルタ
900 エアロゾル送達装置
902 制御ボデー
904 電源
906 制御コンポーネント
908 センサ
910 スイッチ
912 処理回路構成
914 信号調整回路構成
916 エアロゾル発生コンポーネント
918 端子
922 信号
1000 信号調整回路構成
1001 信号調整チップ
1002 双方向電圧レベル変換器
1102 年齢検証システム
1103 ネットワーク
1104 ホスト装置
1105 制御信号
1106 装置
1107 信号検出器
1202 信号検出回路構成
1204 プロセッサ
1206 メモリ
1207 変換器
1208 スイッチ
1302 音声信号
1304 光/光学信号
1402 音声検出器
1407 圧力センサ
1408 マイクロフォン
1502 光学検出器
1507 光センサ
1508 フォトダイオード
1509 リーダ
1510 赤外線検出器
2102 認証キー
2200 エアロゾル送達装置
2210 認証モジュール
2220 バッテリ
2230 装置電子機器
2250 箇所
2300 MCU(マイクロコントローラユニット)
2310 電力制御回路構成
2320 充電制御回路構成
2330 充電ポート
2340 認証マネージャ
2350 起動マネージャ
2506 電圧調整回路
2508 制御スイッチ回路構成
2510 充電接続
2512 充電IC(集積回路)
2514 充電モニタ回路構成
2516 充電スイッチ回路構成
2530 充電制御信号
2532 制御信号
2540 認証信号
2542 起動信号
2544 制御信号
2546 制御信号
【国際調査報告】