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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置の為の安全特徴
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/49 20200101AFI20231025BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231025BHJP
【FI】
A24F40/49
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522993
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 US2021054893
(87)【国際公開番号】W WO2022081787
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】17/072,814
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ルカン,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ルート,ティージェイ
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】マクネイル,レー
(72)【発明者】
【氏名】ガッティ,ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB13
4B162AC02
4B162AC04
4B162AC17
4B162AC34
(57)【要約】
エアロゾル発生装置の為の安全装置は、エアロゾル発生装置の一部分と解除可能に係合するように構成されている係合アセンブリと、係合アセンブリに動作結合されるロックアセンブリとを含み得る。ロックアセンブリは、係合アセンブリがエアロゾル発生装置の一部分に接合されるロック状態と、係合アセンブリがエアロゾル発生装置の一部分への接合から解除されるロック解除状態とを有するように構成され得る。係合アセンブリは更に、エアロゾル発生装置からの安全装置の取外しを受けて利益供与拒否機能を実施するように構成され得る。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置の為の安全装置であって、
前記エアロゾル発生装置の一部分に解除可能に係合するように構成されている係合アセンブリと、
前記係合アセンブリに動作結合されるロックアセンブリであって、前記係合アセンブリが前記エアロゾル発生装置の前記部分に接合されているロック状態と、前記係合アセンブリが前記エアロゾル発生装置の前記部分への接合から解除されるロック解除状態とを有するように構成されているロックアセンブリと、
を具備して、
前記係合アセンブリが更に、前記エアロゾル発生装置からの安全装置の取外しを受けて利益供与拒否機能を実施するように構成されている、
安全装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置が、消耗品カートリッジが装着可能である制御ユニットを具備し、
前記エアロゾル発生装置の前記部分が、前記カートリッジが前記制御ユニットに装着される前記制御ユニットの結合インタフェースを具備し、
前記係合アセンブリが前記結合インタフェースに接合された時に、前記係合アセンブリが前記制御ユニットへの前記カートリッジの動作結合を抑止する、
請求項1に記載の安全装置。
【請求項3】
前記結合インタフェースが、前記制御ユニットの電源と前記カートリッジのヒータ要素との間の電気インタフェースを包含し、
前記利益供与拒否機能が、前記電気インタフェースを作動不能にすることを包含する、
請求項2に記載の安全装置。
【請求項4】
前記係合アセンブリが、前記電気インタフェースのポストの両側と係合するように構成されているリフト部材を具備し、
前記リフト部材に形状記憶部材が動作結合され、前記ロックアセンブリが前記ロック解除状態に在る時に前記ポストからの取外しの為に前記リフト部材を整合させるように前記形状記憶部材が構成されて、前記ロックアセンブリが前記ロック状態に在る時に前記安全装置の取外しを受けて前記リフト部材により前記制御ユニットの電子機器から前記ポストを電気的に切断するように前記形状記憶部材が構成されている、
請求項3に記載の安全装置。
【請求項5】
前記結合インタフェースが、前記カートリッジを前記制御ユニットに動作結合するべく前記カートリッジが挿入可能である収容室を具備し、
前記利益供与拒否機能が、前記収容室に損傷を与えることを包含する、
請求項2に記載の安全装置。
【請求項6】
前記係合アセンブリがラッチアセンブリとバネアセンブリとを具備し、
前記ロックアセンブリが前記ロック状態に在ると、前記収容室内に接合された前記ラッチアセンブリを保持するべく張力付与されるように前記バネアセンブリが構成されており、
前記ロックアセンブリが前記ロック解除状態に在ると、前記ラッチアセンブリを前記収容室から解除するべく張力除去されるように前記バネアセンブリが構成されている、
請求項5に記載の安全装置。
【請求項7】
前記結合インタフェースが、前記カートリッジを前記制御ユニットに動作結合するべく前記カートリッジが挿入可能である収容室を具備し、
前記利益供与拒否機能が、前記係合アセンブリからの前記ロックアセンブリの分離を可能にすることにより前記係合アセンブリを前記収容室内に接合されたままにして前記制御ユニットへの前記カートリッジの動作結合を抑止することを包含する、
請求項2に記載の安全装置。
【請求項8】
前記係合アセンブリが、係合シャフトの両側に配設される第1係合ボデー及び第2係合ボデーを具備し、
前記ロックアセンブリが前記ロック解除状態に在る時に前記安全装置の縦軸に対して実質的に平行な方向に平行移動可能なロックシャフトを前記ロックアセンブリが具備し、
前記ロックアセンブリが前記ロック解除状態に在る時に前記ロックアセンブリが前記収容室と前記第1及び第2係合ボデーから平行移動可能であり、
前記収容室と前記第1及び第2係合ボデーから前記ロックアセンブリが平行移動すると、前記係合アセンブリ及び前記収容室に対して回転することにより前記ロックシャフトを整合位置から回転位置へ回転させるように前記ロックアセンブリが構成されている、
請求項7に記載の安全装置。
【請求項9】
前記ロックシャフトの回転中に前記係合シャフトを支承するように前記ロックシャフトが構成されており、
前記第1及び第2係合ボデーがバイアスアセンブリにより互いへ付勢され、
前記係合シャフトが、前記ロックシャフト及び係合シャフトが前記整合位置に在る時に第1距離だけ、及び前記ロックシャフト及び係合シャフトが前記回転位置に在る時に前記第1距離より小さい第2距離だけ、前記第1及び第2係合ボデーを分離する、
請求項8に記載の安全装置。
【請求項10】
前記ロックシャフトと前記係合シャフトとが破断可能な機械的ヒューズ部材を介して互いに動作結合され、
前記機械的ヒューズ部材の破断を受けて前記利益供与拒否機能が実行される、
請求項9に記載の安全装置。
【請求項11】
前記係合アセンブリが更にキャップ部材を具備し、
前記機械的ヒューズ部材が破断された時に、前記機械的ヒューズ部材及び前記係合シャフトへのアクセスが前記キャップ部材により制限される、
請求項10に記載の安全装置。
【請求項12】
前記ロックアセンブリが複合ロックを具備する、請求項2に記載の安全装置。
【請求項13】
キー又はコードの受理を受けて前記ロック状態と前記ロック解除状態との間で移行するように前記ロックアセンブリが構成されている、請求項2に記載の安全装置。
【請求項14】
前記キー又はコードが電子的、光学的、又は音声的に受理される、請求項13に記載の安全装置。
【請求項15】
形状記憶部材が可動スペーサを前記ロック解除状態に再配置するべく収縮するように構成されており、前記可動スペーサが前記係合アセンブリの第1係合ボデーと第2係合ボデーとの間の距離を規定する、請求項13に記載の安全装置。
【請求項16】
前記ロックアセンブリが前記ロック状態に在る間に前記エアロゾル発生装置から前記安全装置を取り外す力の印加に応じて前記ロックアセンブリを前記係合アセンブリから分離するように前記形状記憶部材が破断可能である、請求項15に記載の安全装置。
【請求項17】
前記第1係合ボデーと前記第2係合ボデーとが可動スペーサの両側に配設され、
前記第1係合ボデー又は前記第2係合ボデーの一方が収容空洞を含み、前記第1係合ボデー又は前記第2係合ボデーの他方が、前記収容空洞に対応する形状を有して前記空洞と実質的に整合される突出部を含み、
前記可動スペーサが貫通孔を具備する、
請求項15に記載の安全装置。
【請求項18】
前記可動スペーサが保持状態で在る時に、前記貫通孔が前記収容空洞と整合されずに前記突出部が前記貫通孔を通って前記収容空洞へ貫通するのを抑止することにより前記第1及び第2係合ボデーを第1距離だけ分離し、
前記可動スペーサが解除状態で在る時に、前記貫通孔が前記収容空洞と整合されて前記突出部が前記貫通孔を通って前記収容空洞へ貫通するのを可能にすることにより前記第1及び第2係合ボデーを第2距離だけ分離し、
前記第1距離が前記第2距離より大きい、
請求項17に記載の安全装置。
【請求項19】
前記形状記憶部材に電流が印加されない時に前記形状記憶部材が前記保持状態に在り、
前記形状記憶部材に電流が印加される時に前記形状記憶部材が前記解除状態に在る、
請求項18に記載の安全装置。
【請求項20】
エアロゾル発生装置の無許可使用を抑止する方法であって、
係合アセンブリとロックアセンブリとを有する安全装置を、然もなければ消耗品カートリッジが装着可能である前記エアロゾル発生装置の一部分に適用することと、
前記係合アセンブリが前記エアロゾル発生装置の前記部分に接合されたロック状態に前記ロックアセンブリを移行させることと、
キー又はコードの受理を受けて、前記エアロゾル発生装置の前記部分への接合から前記係合アセンブリが解除されるロック解除状態に前記ロックアセンブリを移行させることと、
前記ロックアセンブリが前記ロック状態に在る時に前記エアロゾル発生装置からの前記安全装置の取外しを受けて利益供与拒否機能を実施することと、
を包含する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態例は、不燃性エアロゾル提供システムに、特に、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用する為の安全特徴に関する。
【背景技術】
【0002】
不燃性エアロゾル提供システム(例えば、Eシガレット/タバコ加熱製品、又は他のこのような装置)は概して、製剤を含有する供給源液体のリザーバなど、エアロゾル化材料を格納する。製剤は一般的に、ニコチン、或いは例えば加熱蒸発を通してユーザによる吸入の為にエアロゾルが発生されるタバコベース製品などの固体材料を含む。しかしながら、テトラヒドロカンナビノール(THC)及び/又はカンナビジオール(CBD)などのカンナビノイド、植物性物質、医薬品、カフェイン、及び/又は、他の活性成分など他の材料を伴う製剤を含む装置も可能である。故に、不燃性エアロゾル提供システムは一般的に、エアロゾル化材料の一部分を蒸発させてエアロゾル発生室でエアロゾルを発生させるように配置構成された蒸発器、例えばヒータを格納するエアロゾル発生室を含む。ユーザが装置の吸口部品を吸入してヒータに電力が供給されると、空気が装置へ、そしてエアロゾル発生室へ吸い込まれて、ここで空気が蒸発エアロゾル化材料と混合されて凝縮エアロゾルが形成される。エアロゾル発生室と吸口部品の開口部との間に流路が設けられるので、エアロゾル発生室から吸い込まれた空気は、凝縮エアロゾルの一部を搬送しながら吸口部品の開口部まで流路を進んで、ユーザによる吸入の為に吸口部品の開口部から出る。
【0003】
エアロゾル提供システムは、例えば、「電子シガレット」、「Eシガレット」、又は電子ニコチン送達システム(ENDS)として通常知られるニコチンを送達するものなどの蒸気製品と共に、タバコ加熱製品(THP)を含む加熱式製品を含む。これらの製品の多くは、装置と消耗品とを含むシステムの形態を取り、これは、送達される物質を生成する為の材料を含む消耗品である。一般的に、装置は再使用可能であり、消耗品は使い捨てである(所謂「オープン」システムの事例のように一部の消耗品は詰替え可能であるが)。それ故、多くの事例で、消耗品は装置とは別に大抵はマルチパックで販売される。又、サブシステムと装置又は消耗品の幾つかの個別コンポーネントとは、専門の製造者から調達され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上に記載されたもののようなエアロゾル提供装置は概して、手持ちサイズである。これらの装置は、手持ちサイズで人気があるが故に、盗難や他の無許可使用の対象となることがある。盗難又は他の理由によるエアロゾル提供装置の無許可使用の抑止或いは少なくとも抑制は、このような装置の製造者にとって重大な関心事である。故に、このような装置に様々な安全特徴を追加することによりエアロゾル提供装置の無許可使用を制限する便利で効果的な手法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態例では、エアロゾル発生装置の為の安全装置が提供され得る。安全装置は、エアロゾル発生装置の一部分と解除可能に係合するように構成されている係合アセンブリと、係合アセンブリに動作結合されるロックアセンブリとを含み得る。ロックアセンブリは、係合アセンブリがエアロゾル発生装置の一部分に接合されているロック状態と、係合アセンブリがエアロゾル発生装置の一部分への接合から解除されたロック解除状態とを有するように構成され得る。係合アセンブリは更に、エアロゾル発生装置からの安全装置の取外しを受けて利益供与拒否機能を実施するように構成され得る。
【0006】
別の実施形態例では、エアロゾル発生装置の無許可使用を抑止する方法が提供され得る。この方法は、係合アセンブリとロックアセンブリとを有する安全装置を、然もなければ消耗品カートリッジが装着可能であるエアロゾル発生装置の一部分に適用することと、エアロゾル発生装置の一部分に係合アセンブリが接合されているロック状態にロックアセンブリを移行させることとを含み得る。この方法は更に、キー又はコードの受理を受けて、エアロゾル発生装置の一部分への接合から係合アセンブリが解除されたロック解除状態へロックアセンブリを移行させることと、ロックアセンブリがロック状態に在る時にエアロゾル発生装置からの安全装置の取外しを受けて利益供与拒否機能を実施することとを含み得る。
【0007】
本開示の幾つかの態様の基本的な理解を提供するように、幾つかの実装形態例を要約するという目的でこの概要が設けられていることが認識されるだろう。従って、上に記載された実装形態例は単なる例であって本開示の範囲又は趣旨をいかなる点でも狭めるものと解釈されるべきでは無いことが認識されるだろう。他の実装形態例、態様、そして利点は、記載された幾つかの実装形態例の原理を例として図示する添付図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
こうして幾つかの実施形態例を概略的に記載したが、ここで、必ずしも一定縮尺では無い添付図に言及する。
図1A】実施形態例に関連して使用され得る不燃性エアロゾル提供システムの概略ブロック図を示す。
図1B】乃至
図1C】幾つかの実装形態例による蒸気製品の形態のエアロゾル提供システムを示す。
図1D】幾つかの実装形態例による、エアロゾル提供システムのエアロゾル発生器を実装するのに使用され得る吸入器を示す。
図2A】乃至
図2C】幾つかの実装形態例による加熱式製品の形態のエアロゾル提供システムを示す。
図3】実施形態例による安全装置の実装形態例のブロック図である。
図4A】乃至
図4E】実施形態例による安全装置を示す。
図5A】乃至
図5I】実施形態例による別の安全装置を示す。
図6A】乃至
図6F】実施形態例による別の安全装置を示す。
図7A】乃至
図7E】実施形態例による更に別の安全装置を示す。
図8】実施形態例によるエアロゾル提供/発生装置の無許可使用を抑止する方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
全てでは無いが幾つかの実施形態例が示されている添付図面を参照して、これから幾つかの実施形態例が以下で充分に記載される。実際に、本明細書に記載及び描写される例は、本開示の範囲、適用性、又は構成について限定的であると解釈されるべきでは無い。寧ろ、適用可能な法的要件を本開示が満たすようにこれらの実施形態例が提示される。同様の参照番号は全体を通して同様の要素を指す。更に、本明細書で使用される際に、「又は(or)」の語は、一以上の演算子が真である時には常に真の結果となる論理演算子として解釈されるものとする。本明細書で使用される際に、動作結合は、互いに動作結合されるコンポーネントの機能的相互接続をいかなる事例でも可能にする直接的又は間接的な接続に関するものであると理解されるべきである。
【0010】
上で指摘したように、ENDS装置のような不燃性エアロゾル提供システムは無許可使用のターゲットとなり得る。このような無許可使用を抑制又は抑止する為に、安全特徴が採用され得る。幾つかの安全特徴は、既存の装置の為のハードウェアとソフトウェアのいずれか(又は両方)に対する変形を必要とし得る。効果的であることは確かに可能であるが、しかしながら、既存の装置又はコンポーネントの設計変更を回避することが望ましい。従って、幾つかの実施形態例では、装置自体を必ずしも変形すること無くエアロゾル提供装置での使用の為に用意され得る安全装置が提供され得る。このような安全装置は、例えば、エアロゾル提供装置が使用されるのを抑止する利益供与拒否装置であり、幾つかの事例では、安全装置が適切に取り外されなければ、エアロゾル提供装置を破壊することによりこれを行い得る。安全装置がエアロゾル提供装置と係合した後で安全装置をロック解除するように構成されているコード、ロック解除装置、及び/又はその他を所有する被許可者により、適切な取外しが行われ得る。従って、幾つかの実施形態では上記の問題に対する解決策が提供され、このような解決策はそれのみで、或いは互いに組み合わされて実践され得る。
【0011】
ENDS装置などの不燃性エアロゾル提供システムへの安全性の提供と関連してこの実施形態例が採用されることを前提として、本明細書に記載の事例の幾つかの態様はこのような装置との境界接続を行うように考案され得るので、装置例についての概略的な説明が提供される。
【0012】
そうでは無いことが明記されるか文脈から明白でない限り、第1、第2、又はその他についての言及が特定の順序を暗示するものと解釈されるべきでは無い。別の特徴の上にあると記載される特徴は、(そうでは無いことが明記されるか文脈から明白でない限り)代わりに下にあってもよく、その逆も有り得るのであって、同様に、別の特徴の左にあると記載される特徴が代わりに右にあってもよく、その逆も有り得る。また、本明細書では、定量的測定値、値、幾何学的関係、その他について言及され得るが、そうでは無いことが記されていない限り、これらの全てでは無くても一以上は、工学的公差その他に因るものなど発生し得る許容範囲の変化に対応し得るように絶対的又は近似的であり得る。
【0013】
本明細書で使用される際に、そうでは無いことが明記されるか文脈から明白でない限り、演算子集合の“or”は「包括的な又は」であり、それ故、演算子全てが真である時に偽である「排他的な又は(exclusive or)」とは対照的に、一以上の演算子が真である場合に、そしてその場合にのみ、真である。故に、例えば、[A]が真である場合、又は[B]が真である場合、又は[A]と[B]の両方が真である場合に、「[A]又は[B]」は真である。更に、冠詞“a”及び“an”は、そうでは無いことが明記されるか単数形についてのものであることが文脈から明白でない限り、「一以上の(one or more)」を意味する。更に、そうでは無いことが明記されない限り、「データ(data)」、「コンテンツ(content)」、「デジタルコンテンツ(digital content)」、「情報(information)」という語、そして類似の語が時には互換的に使用され得ることが理解されるべきである。
【0014】
本開示の実装形態例は概して、特定の「消費者モーメント」などを満たす為に少なくとも一つの物質をユーザに送達するように設計された送達システムに関する。物質は、ユーザに生理的作用を、ユーザに感覚的作用を、又はその両方を付与する構成要素を含み得る。
【0015】
送達システムは多くの形態を取り得る。適当な送達システムの例は、エアロゾル発生材料を燃焼させずにエアロゾル発生材料から一以上の物質又は化合物を放出するように設計された電動式エアロゾル提供システムなどのエアロゾル提供システムを含む。これらのエアロゾル提供システムは、不燃性エアロゾル提供システム、エアロゾル送達装置、その他と時には呼ばれ、エアロゾル発生材料は、例えば、固体、半固体、液体、又はゲルの形態であって、ニコチンを含有してもしなくてもよい。
【0016】
適当なエアロゾル提供システムの例は、蒸気製品、加熱式製品、ハイブリッド製品、その他を含む。蒸気製品は通常、「電子シガレット」、「Eシガレット」、又は電子ニコチン送達システム(ENDS)として知られるが、エアロゾル発生材料がニコチンを含む必要はない。多くの蒸気製品は、液体材料を加熱してエアロゾルを発生させるように設計されている。他の蒸気製品は、加熱を伴わずに、或いは二次加熱のみで、エアロゾル発生材料を細かくしてエアロゾルにするように設計されている。加熱式製品はタバコ加熱製品(THP)とカーボンチップタバコ加熱製品(CTHP)とを含み、多くは固体材料を加熱して材料の燃焼を伴わずにエアロゾルを発生させるように設計されている。
【0017】
ハイブリッド製品はエアロゾル発生材料の組み合わせを使用し、その内一つ又は複数が加熱され得る。エアロゾル発生材料の各々は、例えば、固体、半固体、液体、ゲルの形態であり得る。液体又はゲル状エアロゾル発生材料から発生したエアロゾルが、ユーザに到達する前に(タバコなどの)第2材料を通過して付加的な構成要素を取り込むことを除いて、幾つかのハイブリッド製品は蒸気製品と類似している。幾つかの実装形態例で、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル状エアロゾル発生材料と固体状エアロゾル発生材料とを含む。固体状エアロゾル発生材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含み得る。
【0018】
図1Aは、幾つかの実装形態によるエアロゾル提供システム100のブロック図である。様々な例で、エアロゾル提供システムは蒸気製品、加熱式製品、又はハイブリッド製品であり得る。エアロゾル提供システムは、エアロゾル提供装置102と、エアロゾル提供装置と共に使用する為の消耗品104(時には物品と呼ばれる)とを含めて、幾つかのコンポーネントの各々の内一以上を含む。エアロゾル提供システムは、エアロゾル発生器106も含む。様々な実装形態では、エアロゾル発生器がエアロゾル提供装置又は消耗品の一部であってもよい。他の実装形態で、エアロゾル発生器はエアロゾル提供装置及び消耗品から独立しており、エアロゾル提供装置及び/又は消耗品と取外し可能に係合する。
【0019】
様々な例で、エアロゾル提供システム100と、エアロゾル提供装置102及び消耗品104を含むそのコンポーネントとは、再使用可能であるか使い捨てであり得る。幾つかの例で、エアロゾル提供装置と消耗品の両方を含むエアロゾル提供システムは、使い捨てであり得る。幾つかの例では、エアロゾル提供装置が再使用可能であって、消耗品が再使用可能(例えば詰替え式)又は使い捨て(例えば交換式)であり得る。更なる例で、消耗品は詰替え式と交換式の両方であり得る。エアロゾル発生器106がエアロゾル提供装置又は消耗品の一部である例で、エアロゾル発生器は、エアロゾル提供装置又は消耗品と同じように再使用可能又は使い捨てであり得る。
【0020】
幾つかの実装形態例で、エアロゾル提供装置102は、電源110と回路構成112とを備えるハウジング108を含み得る。電源は、エアロゾル提供装置に、故にエアロゾル提供システム100への電力供給源となるように構成されている。電源は、例えば、非充電式バッテリ又は充電式バッテリ、ソリッドステートバッテリ(SSB)、リチウムイオンバッテリ、超コンデンサ、その他であるか、これらを含み得る。
【0021】
回路構成112は、エアロゾル提供装置102、故にエアロゾル提供システム100の一以上の機能(時にはサービスと呼ばれる)を可能にするように構成され得る。回路構成は電子コンポーネントを含み、幾つかの例で、一以上の電子コンポーネントはプリント回路基板(PCB)などの回路基板として形成され得る。
【0022】
幾つかの例で、回路構成112は、エアロゾル提供装置102、故にエアロゾル提供システム100を駆動するべくユーザにより直接的又は間接的に操作され得る少なくとも一つのスイッチ114を含む。スイッチは、ユーザの手により作動する押しボタン、タッチ感応表面、その他であるか、これらを含み得る。付加的又は代替的に、スイッチは、エアロゾル提供装置又はエアロゾル提供システムの使用を示す一以上のプロセス変数を検知するように構成されているセンサであるか、これを含み得る。一つの例は、ユーザが消耗品104を吸い込む時に気流又は気流により生じる圧力変化を検出するように構成されている流量センサ、圧力センサ、圧力スイッチ、その他である。
【0023】
スイッチ114はユーザインタフェース機能を提供し得る。幾つかの例で、回路構成112は、スイッチから独立している、或いはスイッチであるか又はスイッチを含むユーザインタフェース(UI)116を含み得る。UIは、ユーザとエアロゾル提供装置102との間の相互作用を可能にする一以上の入力装置及び/又は出力装置を含み得る。スイッチに関して上で記載したように、適当な入力装置の例は、押しボタン、タッチ感応表面、その他を含む。一以上の出力装置は概して、視覚的、音声的、又は触覚的/力覚的であり得る人間による認知が可能な形態で情報を提供するように構成されている装置を含む。適当な出力装置の例は、発光ダイオード(LED)、量子ドットベースLED、その他などの光源を含む。適当な出力装置の他の例は、ディスプレイ装置(例えば電子視覚ディスプレイ)、タッチ画面(統合型のタッチ感応表面及びディスプレイ装置)、拡声器、振動モータ、その他を含む。
【0024】
幾つかの例で、回路構成112は、一以上の実装形態例によりデータ処理、アプリケーション実行、或いは他の処理、制御、又は管理サービスを実施するように構成されている処理回路構成118を含む。少なくとも一つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、或いは、例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、その何らかの組み合わせ、その他など一つ以上の集積回路を含む他の様々なコンピューティング又は処理装置など、多様な形態で具現化されたプロセッサを含み得る。幾つかの例で、処理回路構成は、プロセッサに結合されるかこれと統合されて、データ、プロセッサにより実行可能なコンピュータプログラム命令、或いはこれらの組み合わせその他を記憶し得るメモリを含み得る。
【0025】
やはり示されているように、幾つかの例で、ハウジング108、故にエアロゾル提供装置102は、消耗品104と係合してこれを保持することによりエアロゾル提供装置を消耗品と結合する構造を持つカプラ120及び/又はレセプタクル122も含み得る。カプラは、圧入(又は締り嵌め)接続、ネジ接続、磁気接続、その他などにより、消耗品の対応カプラと接続されるように構成されているコネクタ、締結具、その他であるか、これらを含み得る。レセプタクルは、消耗品又は消耗品の少なくとも一部分を収容及び格納する構造を持つリザーバ、タンク、容器、空洞、収容室、その他であるか、これらを含み得る。
【0026】
消耗品104は、ユーザによる使用中に一部又は全てが消費されると想定されるエアロゾル発生材料124(エアロゾル前駆体組成物とも呼ばれる)を含む物品である。エアロゾル提供システム100は一以上の消耗品を含み、各消耗品は一以上のエアロゾル発生材料を含み得る。エアロゾル提供システムがハイブリッド製品である幾つかの例で、エアロゾル提供システムは、エアロゾルを発生する液体又はゲル状のエアロゾル発生材料を含み、その後、エアロゾルは第2の固体状エアロゾル発生材料を通過して、ユーザに到達する前に追加の構成要素を取り込む。これらのエアロゾル発生材料は、単一の消耗品に、或いは別々に取外し可能であるそれぞれの消耗品に含まれ得る。
【0027】
エアロゾル発生材料124は、例えば、加熱、放射、或いは他のいずれかの手法で活性化された時に、エアロゾルを発生することが可能である。エアロゾル発生材料は、例えば、固体、半固体、液体、又はゲルの形態であり得る。エアロゾル発生材料は、「モノリシック固体」(つまり非繊維性)であると代替的に呼ばれ得る「非晶質固体」を含み得る。幾つかの例で、非晶質固体は乾燥ゲルであり得る。非晶質固体は、液体など何らかの流体を中に保持し得る固体材料である。幾つかの例で、エアロゾル発生材料は、約50重量%、60重量%、又は70重量%の非晶質固体から約90重量%、95重量%、100重量%の非晶質固体を含み得る。
【0028】
エアロゾル発生材料124は、活性物質126、着香料128、エアロゾル形成材料130、又は他の機能材料132など、幾つかの構成要素の各々の内一以上を含み得る。
【0029】
活性物質126は、注意力の向上、集中力の向上、エネルギー増加、スタミナ増加、精神的安定の向上、又は睡眠の向上など、生理学的反応を達成又は強化することが想定される材料である生理学的活性材料であり得る。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択され得る。活性物質は自然発生的又は合成的に得られる。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、GABA(γ-アミノ酪酸)、L-テアニン、タウリン、テイン、B6若しくはB12(コバラミン)又はCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、テルペン、或いはこれらの構成要素、誘導体、又は組み合わせを含み得る。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物性物質の一以上の構成要素、誘導体、或いは抽出物を含み得る。
【0030】
活性物質126が誘導体又は抽出物を含む幾つかの例で、活性物質は一以上のカンナビノイド又はテルペンであるかこれを含み得る。
【0031】
本明細書に記されるように、活性物質126は一以上の植物性物質、或いはその構成要素、誘導体又は抽出物を含むかこれらに由来し得る。本明細書で使用される際に、「植物性物質」の語は、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、実、花粉、外皮、鞘、その他を限定的にでは無く含む植物由来の材料を含む。代替的に、材料は、植物性物質に本来的に存在するか合成的に得られる活性化合物を含み得る。材料は、液体、気体、固体、粉末、細粉、粉砕粒子、顆粒、ペレット、破片、細片、シート、その他の形態であり得る。植物性物質の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ジンジャー、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジ表皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶又は紅茶などの茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、コリアンダー、ベルガモット、オレンジブロッサム、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メイス、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウィキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はこれらの組み合わせである。ミントは、以下のミント変種から選択され得る。ヨウシュハッカ、ハッカc.v.、エジプシャンミント、ペパーミント、オレンジミントc.v.、ペパーミントc.v.、カーリースペアミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、スペアミントc.v.、アップルミント。
【0032】
更に他の例において、活性物質126は、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)/オキシトリプタン/グリフォニア・シンプリシフォリア、アセチルコリン、アラキドン酸(AA,オメガ-6)、アシュワガンダ(ウィザニア・ソムニフェラ)、バコパ・モニエラ、ベータアラニン、ベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチルブチレート(HMB)、ツボクサ、サイコ、シナモン、シチコリン、コチニン、クレアチン、クルクミン、ドコサヘキサエン酸(DHA,オメガ-3)、ドーパミン、ドルステニア・アリフォリア、ドルステニア・オドラタ、精油、ギャバ、キントラノオ、グルタミン酸、ホップ、黒ショウガ(タイ朝鮮人参)、カヴァ、L-カルニチン、L-アルギニン、ラベンダーオイル、L-コリン、リコリス、L-リシン、L-テアニン、L-トリプトファン、ルテイン、マグネシウム、マグネシウムL-トレオン酸、ミオ-イノシトール、ナルドスタキス・チネンシス、硝酸塩、ニオイスミレのオイルベース抽出物、酸素、フェニルアラニン、ホスファチジルセリン、クエルセチン、レスベラトロール、天麻、ロディオラ、ロディオラ・ロゼア、バラ精油、S-アデノシルメチオニン(SAMe)、スケレチウム・トルトゥオスム、チョウセンゴミシ、セレニウム、セロトニン、タツナミソウ、スペアミント抽出物、スパイクナード、テオブロミン、ターメリック、トゥルネラ・アフロディシアカ、チロシン、ビタミンA、ビタミンB3、又はイェルバ・マテの内一以上であるか、これらを含み得る。
【0033】
幾つかの実装形態例において、エアロゾル発生材料124は着香料128を含む。本明細書で使用される際に、「着香料」及び「香料」の語は、地方条例により許可される場合に、所望の風味、アロマ、又は他の体性感覚を成人消費者用の商品に付与するのに使用され得る材料を指す。着香料は、自然発生的な香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られた材料、又はこれらの組み合わせ(例えばタバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、オオガシワ、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メントール、ジャパニーズミント、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、ピーチ、アップル、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、グレープ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、シトラスフルーツ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワル、キンマ、シーシャ、パイン、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、オレンジブロッサム、チェリーブロッサム、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イラン・イラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ジンジャー、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ種によるミントオイル、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジ表皮、ローズ、緑茶又は紅茶などの茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、ウコン、コリアンダー、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メイス、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウィキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、調味料、苦味受容部位遮断薬、感覚受容部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、そして、炭、クロロフィル、鉱物、植物性物質、又は息清涼化剤など他の添加剤を含み得る。着香料は、模造、合成、天然の成分であるかそのブレンドであり得る。着香料は適当な形態、例えば、オイルなどの液体、粉末などの固体、或いは気体であり得る。
【0034】
幾つかの実装形態例において、着香料128は、臭覚又は味覚神経に加えて、或いはその代わりに、通常は化学的に誘発されて第5脳神経(三叉神経)の刺激により認知される体性感覚を獲得することが想定されるセンセートを含み、これらは、、熱い、冷たい、ヒリヒリ、しびれの作用を与える化学物質を含み得る。適当な熱作用剤はバニリルエチルエーテルであり得るがこれに限定されず、適当な冷却剤はユーカリプトール,WS-3であり得るがこれらに限定されない。
【0035】
エアロゾル形成材料130は、エアロゾルの形成が可能な一以上の構成要素を含み得る。幾つかの実装形態例において、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリトリトール、メソエリトリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、炭酸プロピレンの内一以上を含み得る。
【0036】
一以上の他の機能材料132は、pH調節剤、着色剤、防腐剤、結合剤、増量剤、安定剤、及び/又は、酸化防止剤の内一以上を含み得る。適当な結合剤は、例えば、ペクチン、グアーガム、フルーツペクチン、シトラスペクチン、タバコペクチン、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシエチルロカストビーンガム、ヒドロキシプロピルロカストビーンガム、アルギン酸塩、デンプン、加工デンプン、誘導体化デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、又はキサンタンガムを含む。
【0037】
幾つかの実装形態例で、エアロゾル発生材料124は、基材134上か、これを形成する支持体上にあり得る。支持体は、例えば、紙、カード、厚紙、段ボール、再構成材料(例えば再構成タバコ、再構成麻等のような再構成植物材料から形成される材料)、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、又は金属合金であるかこれらを含み得る。幾つかの例で、支持体は、エアロゾル発生材料の中、或いはエアロゾル発生材料の片側又はいずれかの側に埋設され得るサセプタを含む。
【0038】
単独では示されていないが、幾つかの実装形態において、消耗品104は更に、エアロゾル発生材料124と係合してこれを保持する構造を持つレセプタクル、或いはエアロゾル発生材料を備える基材134を含み得る。レセプタクルは、エアロゾル発生材料又は基材を収容及び格納する構造を持つリザーバ、タンク、容器、空洞、収容室、その他であるかこれらを含み得る。消耗品は、エアロゾル発生材料をエアロゾル発生器106へ輸送するように構成されているエアロゾル発生材料移送コンポーネント(液体輸送要素とも呼ばれる)を含み得る。エアロゾル発生材料移送コンポーネントは、エアロゾル発生材料を毛管作用で運ぶか、或いは毛管作用を介して輸送するのに適応し得る。幾つかの例で、エアロゾル発生材料移送コンポーネントは、マイクロ流体チップ、マイクロポンプ、又はエアロゾル発生材料を輸送するのに適した他のコンポーネントを含み得る。
【0039】
エアロゾル発生器106(噴霧器、エアロゾル化装置、又はエアロゾル生成コンポーネントとも呼ばれる)は、エアロゾル発生材料124を活性化してエアロゾルを発生させるか、或いはエアロゾル発生材料からエアロゾルを発生させるように構成されている。より詳しく記すと、幾つかの例で、エアロゾル発生器は、回路構成112の制御下で電源110により電力供給され、エアロゾル発生材料を活性化してエアロゾルを発生させ得る。
【0040】
幾つかの実装形態例において、エアロゾル発生器106は、電源からの電気エネルギーが熱エネルギーに変換される電気加熱を実施するように構成されている電気ヒータであり、エアロゾル発生材料から一以上の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するようにエアロゾル発生材料が熱エネルギーを受け取る。適当な電気加熱形態の例は、抵抗(ジュール)加熱、誘導加熱、誘電及びマイクロ波加熱、放射加熱、アーク加熱、その他を含む。適当な電気ヒータのより詳しい例は、ワイヤコイル、平板、突起、マイクロヒータ、その他などの抵抗加熱要素を含む。
【0041】
幾つかの実装形態例で、エアロゾル発生器106は、加熱を伴わずに、或いは二次加熱のみを伴って、エアロゾル発生材料からエアロゾルを発生させるように構成されている。例えば、エアロゾル発生器は、圧力、振動、又は静電エネルギーの増加の内一以上をエアロゾル発生材料が受けるように構成されている。これらのエアロゾル発生器のより詳しい例は、ジェット吸入器、超音波吸入器、振動メッシュ技術(VMT)吸入器、表面音響波(SAW)吸入器、その他を含む。
【0042】
ジェット吸入器は、エアロゾル発生材料124を細かくしてエアロゾルにするのに圧縮ガス(例えば空気、酸素)を使用するように構成されており、超音波吸入器はエアロゾル発生材料を細かくしてエアロゾルにするのに超音波を使用するように構成されている。VMT吸入器は、メッシュと、駆動されて振動し、メッシュによりエアロゾル発生材料をエアロゾルにし得るピエゾ材料(例えば圧電材料、圧磁材料)とを含む。SAW吸入器は、エアロゾル発生材料を細かくしてエアロゾルにするのに表面音響波又はレーリー波を使用するように構成されている。
【0043】
幾つかの例では、エアロゾル発生器106がサセプタを含み得るか、サセプタが基材134の一部であり得る。サセプタは、エアロゾル発生器から独立しているかその一部であり得る磁場発生器により発生された可変磁場の貫通により加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であり得るので、可変磁場の貫通は加熱材料の誘導加熱を起こす。加熱材料は磁気材料であり得るので、可変磁場の貫通は加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を起こす。サセプタは、幾つかの例で導電性と磁性とを持ち得るので、これらの例のサセプタは両方の加熱メカニズムにより加熱可能である。
【0044】
単独では示されていないが、エアロゾル提供装置102と消耗品104のいずれか又は両方はエアロゾル変性剤を含み得る。エアロゾル変性剤は、エアロゾルの味、風味、、酸性、又は別の特性を変化させることなどにより、エアロゾル発生材料124から発生したエアロゾルを変性させるように構成されている物質である。様々な例で、エアロゾル変性剤は添加剤又は吸着剤であり得る。エアロゾル変性剤は、例えば、着香料、着色料、水、又は炭素吸着体の内一以上を含み得る。エアロゾル変性剤は、固体、半固体、液体、又はゲルであり得る。エアロゾル変性剤は粉末、糸、又は顆粒の形態であり得る。エアロゾル変性剤は濾過材を含まない。幾つかの例では、エアロゾル変性剤を選択的に放出するように作動可能であるエアロゾル変性剤放出コンポーネントにエアロゾル変性剤が設けられ得る。
【0045】
エアロゾル提供システム100と、エアロゾル提供装置102、消耗品104、エアロゾル発生器106を含むそのコンポーネントとは、幾つかの異なるフォームファクタのいずれかで、そして上に記載されたものに対する付加的又は代替的なコンポーネントにより、製造され得る。
【0046】
図1B及び1Cは、幾つかの実装形態ではエアロゾル提供システム100に対応し得る蒸気製品の形態でのエアロゾル提供システム140を示している。示されているように、エアロゾル提供システム140は(制御ボデー又は電力ユニットとも呼ばれる)エアロゾル提供装置141と、(カートリッジ又はタンクとも呼ばれる)消耗品142とを含み、それぞれがエアロゾル提供装置102と消耗品104とに対応し得る。エアロゾル提供システム、特に消耗品は、抵抗(ジュール)加熱を通して電気エネルギーを熱エネルギーに変換するように構成されている金属プレート又は金属ワイヤコイルに似た加熱要素など電気ヒータ144の形態であって、エアロゾル発生器106に対応するエアロゾル発生器も含み得る。エアロゾル提供装置と消耗品とは、永続的又は着脱可能に機能関係で整合され得る。図1B及び1Cは、結合構成でのエアロゾル提供システムの斜視図と部分的破断側面図とをそれぞれ示す。
【0047】
図1Bと、図1Cに示されている破断図とに見られるように、エアロゾル提供装置141と消耗品142の各々はそれぞれ幾つかのコンポーネントを含む。図1Cに示されているコンポーネントは、エアロゾル提供装置及び消耗品に存在し得るコンポーネントの代表であって、本開示に内含されるコンポーネントの範囲を限定することは意図されていない。
【0048】
エアロゾル提供装置141は、電源150を含み得るハウジング145(時にはエアロゾル提供装置シェルと呼ばれる)を含み得る。ハウジングは、センサ154の形態のスイッチを備える回路構成152、エアロゾル提供システム140の使用により点灯し得る光源156を含むユーザインタフェース、そして(制御コンポーネントとも呼ばれる)処理回路構成158も含み得る。ハウジングは、消耗品142と係合してこれを保持する構造を持つ消耗品収容室162の形態のレセプタクルも含み得る。そして消耗品は、エアロゾル発生材料124に対応し得ると共に、活性物質、着香料、エアロゾル形成材料、又は他の機能材料など幾つかの構成要素の各々の内一以上を含み得るエアロゾル発生材料164を含み得る。
【0049】
図1Cにも見られるように、エアロゾル提要装置141は、回路構成、故にエアロゾル提供装置を消耗品142と電気的に結合するように構成されていて消耗品収容室162に配置される電気コネクタ166、そして特に消耗品の電気接点168も含み得る。これに関して、電気コネクタと電気接点とはエアロゾル提供装置と消耗品との接続境界を形成し得る。やはり示されているように、エアロゾル提供装置は、エアロゾル提供装置を一以上の外部装置と接続する外部電気コネクタ170を含み得る。適当な外部電気コネクタの例は、USBコネクタ、アップル(Apple)のライトニングコネクタなど特許品コネクタ、その他を含む。
【0050】
様々な例で、消耗品142は、タンク部分と吸口部分とを含む。タンク部分と吸口部分とは一体化されるか永続的に固着される、或いはタンク部分自体が吸口部分を画定しても(或いはその逆であっても)よい。他の例では、タンク部分と吸口部分とが独立していて互いに取外し可能に係合してもよい。
【0051】
消耗品142、タンク部分、及び/又は、吸口部分は、縦軸(L)と、縦軸に垂直である第1横軸(T1)と、縦軸に垂直であると共に第1横軸に垂直である第2横軸(T2)とに関連して別々に画定され得る。エアロゾル発生材料164を保持するように構成されている(タンク部分の)リザーバ174を包囲するハウジング172(時には消耗品シェルと呼ばれる)から消耗品が形成され得る。幾つかの例で、消耗品は、図示されている例で電気ヒータ144などのエアロゾル発生器を含み得る。幾つかの例で、エアロゾル提供装置141の電気コネクタ166と消耗品の電気接点168とは、電気ヒータをエアロゾル提供装置の電源150及び/又は回路構成152と電気的に接続し得る。
【0052】
示されているように、幾つかの例で、リザーバ174は、リザーバハウジングに保管されたエアロゾル発生材料164を電気ヒータ144に毛管作用で送るか或いは輸送するのに適応したエアロゾル発生材料移送コンポーネント176との流体連通状態にあり得る。エアロゾル発生材料移送コンポーネントの少なくとも一部分は、電気ヒータの近位に(例えば、すぐ隣接して、隣接して、超近接状態で、比較的近接状態で)配置され得る。エアロゾル発生材料移送コンポーネントは、電気ヒータと、リザーバに保管されたエアロゾル発生材料との間に延在し、電気ヒータの少なくとも一部分はリザーバの近位端部の上方に設置され得る。本開示を目的として、この特定文脈における「上方に(above)」の語は、実質的に縦軸(L)の方向でリザーバ及び/又は消耗品142の近位端部に向かうことを意味するものと解釈されるべきであることが理解されるはずである。開示の範囲内でエアロゾル発生材料移送コンポーネントの他の配置構成も考えられる。例えば、幾つかの実装形態例において、エアロゾル発生材料移送コンポーネントはリザーバの遠位端部に近接して配置され得る、及び/又は、縦軸(L)に対して横向きに配置構成され得る。
【0053】
電気ヒータ144とエアロゾル発生材料移送コンポーネント176とは、電気ヒータ及びエアロゾル発生材料移送コンポーネントと流体接続される別々の要素として構成され得るか、組み合わされた要素として構成され得る。例えば、幾つかの実装形態では、エアロゾル発生材料移送コンポーネントに電気ヒータが一体化され得る。又、電気ヒータとエアロゾル発生材料移送コンポーネントとは、他の形で本明細書に記載されているような構造物から形成されてもよい。幾つかの例では、バルブがリザーバ174と電気ヒータとの間に配置され、リザーバから電気ヒータまで送られるか送達されるエアロゾル発生材料164の量を制御するように構成され得る。
【0054】
開口部178が(例えば吸口部品の吸口端部で)ハウジング172に存在して、消耗品142からの形成エアロゾルの流出を許容してもよい。
【0055】
上で指摘したように、エアロゾル提供装置141の回路構成152は幾つかの電子コンポーネントを含み、幾つかの例では、電子コンポーネントを支持してこれらを電気的に接続するPCBなどの回路基板から形成され得る。センサ154(スイッチ)は、回路基板に配置されるこれらの電子コンポーネントの一つであり得る。幾つかの例で、センサは、独自の回路基板、或いはこれが装着され得る他のベース要素を具備し得る。幾つかの例では、可撓性回路基板が利用され得る。可撓性回路基板は多様な形状に構成され得る。幾つかの例で、可撓性回路基板はヒータ基材と組み合わされるか、これに重ねられるか、その一部又は全てを形成し得る。
【0056】
幾つかの例で、リザーバ174はエアロゾル発生材料164を保管する為の容器であり得る。幾つかの例で、リザーバは、支持体の上又は中に存在するエアロゾル発生材料を含む基材を備える繊維リザーバであるかこれを含み得る。例えば、リザーバは、この例ではハウジング172の内部を包囲する管体の形状に実質的に形成された不織繊維による一以上の層を包含し得る。エアロゾル発生材料はリザーバに保持され得る。例えば液体成分がリザーバにより吸収保持され得る。リザーバは、エアロゾル発生材料移送コンポーネント176との流体接続状態にあり得る。エアロゾル発生材料移送コンポーネントは、リザーバに保管されたエアロゾル発生材料を、毛管作用を介して―或いはマイクロポンプを介して―電気ヒータ144へ輸送し得る。その為、電気ヒータは、エアロゾル発生材料移送コンポーネントとの加熱配置構成にある。
【0057】
使用時に、ユーザがエアロゾル提供システム140を吸うと、気流がセンサ154により検出され、電気ヒータ144が駆動されてエアロゾル発生材料164を活性化してエアロゾルを発生させる。エアロゾル提供システムの吸口端部を吸うと、周囲空気がエアロゾル提供システムへ流入してこれを通過する。消耗品142では、吸い込まれた空気がエアロゾルと組み合わされ、攪拌されて電気ヒータから吸引されるか吸い込まれ、エアロゾル提供システムの吸口端部の開口部178から出る。
【0058】
再び図1B及び1Cに示されているように、エアロゾル提供システム140のエアロゾル発生器は、エアロゾル発生材料164を加熱してエアロゾルを発生させるように設計されている電気ヒータ144である。他の実装形態で、エアロゾル発生器は、加熱を伴わずに、或いは二次加熱のみでエアロゾル発生材料を細かくするように設計されている。図1Dは、このような他の幾つかの実施形態例によるエアロゾル提供システムのエアロゾル発生器を実装するのに使用され得る吸入器180を示している。
【0059】
図1Dに示されているように、吸入器180は、互いに接合されたメッシュプレート182とピエゾ材料184とを含む。ピエゾ材料は駆動されて振動し、メッシュプレートによりエアロゾル発生材料を細かくしてエアロゾルにする。幾つかの例で、吸入器は、ピエゾ材料と反対側でメッシュプレートに設置されてメッシュプレートの寿命を延長する支持コンポーネント、及び/又は、メッシュプレートとピエゾ材料との間の境界接触を促進するメッシュプレートとピエゾ材料との間の補助コンポーネントを含み得る。
【0060】
様々な実装形態において、メッシュプレート182は多様な異なる構成を有し得る。メッシュプレートは、平坦な輪郭やドーム形状(エアロゾル発生材料に対して凹状又は凸状)、或いは平坦部分及びドーム部分を有し得る。メッシュプレートは、メッシュプレートの穿孔部分にわたってサイズが実質的に均一であるか変化し得る複数の穿孔186を画定する。穿孔は、円形開口部或いは非円形開口部(例えば楕円形、矩形、三角形、正多角形、非正多角形)であり得る。三次元において、穿孔は、一定の円形断面を持つ円筒形穿孔の事例のように一定断面を、或いは可変円形断面を持つ円錐台穿孔の事例のように可変断面を有し得る。他の実装形態で、穿孔は正方晶又は角錐であり得る。
【0061】
ピエゾ材料184は、圧電材料又は圧磁材料であるかこれらを含み得る。圧電材料は、発振電気信号を発生させ圧電材料を駆動して振動させるように構成されている回路構成に結合され得る。圧磁材料については、回路構成が逆位相の一対の発振電気信号を発生させて一対の磁石を駆動し、圧磁材料を駆動して振動させる逆位相発振磁場を発生させ得る。
【0062】
ピエゾ材料184はメッシュプレート182に接合され、そしてピエゾ材料の振動がメッシュプレートを振動させ得る。メッシュプレートは、エアロゾル発生材料から充分な近接状態でエアロゾル発生材料と接触状態に在るかこれに浸漬される、或いはエアロゾル発生材料移送コンポーネントを介してエアロゾル発生材料を受容し得る。そしてメッシュプレートの振動によりエアロゾル発生材料は穿孔186を通過し、エアロゾル発生材料を細かくしてエアロゾルにし得る。より詳しく記すと、幾つかの例で、エアロゾル発生材料は振動メッシュプレート182の穿孔186を通され、その結果、エアロゾル粒子が得られる。メッシュプレートがエアロゾル発生材料との接触状態に在るかこれに浸漬される他の例で、振動メッシュプレートはエアロゾル発生材料に超音波を生じてエアロゾル発生材料の表面にエアロゾルを形成させる。
【0063】
上で記載したように、ハイブリッド製品はエアロゾル発生材料の組み合わせを使用し、幾つかのハイブリッド製品は、一つのエアロゾル発生材料から発生したエアロゾルが第2エアロゾル発生材料を通過して追加の構成要素を取り込むことを除いて蒸気製品に類似している。それ故、ハイブリッド製品の形態である別の類似したエアロゾル提供システムは、図1B及び1Cの蒸気製品と類似した(電気ヒータ144又は吸入器180を備える)構造を持ち得る。ハイブリッド製品は第2エアロゾル発生材料を含んでもよく、エアロゾル提供システムの吸口端部の開口部178を通過する前にエアロゾル発生材料164からのエアロゾルがこれを通過して追加の構成要素を取り込む。
【0064】
図2A,2B,2Cは、幾つかの実装形態例ではエアロゾル提供システム100に対応し得る加熱式製品の形態のエアロゾル提供システム200を示す。示されているように、エアロゾル提供システムは、エアロゾル提供装置102及び消耗品104にそれぞれ対応し得る(制御ボデー又は電力ユニットとも呼ばれる)エアロゾル提供装置202と、(エアロゾル発生源部材又はカートリッジとも呼ばれる)消耗品204とを含み得る。エアロゾル提供システム、特にエアロゾル提供装置は、電気ヒータ206の形態であってエアロゾル発生器106に対応するエアロゾル発生器も含み得る。エアロゾル提供装置と消耗品とは、永続的又は着脱可能に機能関係で整合され得る。図2Aは結合構成でのエアロゾル提供システムを示すのに対して、図2Bは分離構成でのエアロゾル提供システムを示す。図2Cは、結合構成でのエアロゾル提供システムの部分的破断側面図を示す。
【0065】
図2A,2B,2Cに見られるように、エアロゾル提供装置202と消耗品204の各々はそれぞれ幾つかのコンポーネントを含む。図に示されているコンポーネントは、エアロゾル提供装置及び消耗品に存在し得るコンポーネントを代表しており、本開示に内含されるコンポーネントの範囲を限定することは意図されていない。
【0066】
エアロゾル提供装置202は、電源210を含み得る(時にはエアロゾル提供装置シェルと呼ばれる)ハウジング208を含み得る。ハウジングは又、センサ214の形態のスイッチを備える回路構成212と、エアロゾル提供システム200の使用で点灯し得る光源216を含むユーザインタフェースと、(制御コンポーネントとも呼ばれる)処理回路構成218とを含み得る。幾つかの例で、回路構成の電子コンポーネントの少なくとも幾つかは、電子コンポーネントを支持してこれらを電気的に接続する回路基板又は可撓性回路基板で形成され得る。
【0067】
ハウジング208は、消耗品204と係合してこれを保持する構造を持つ消耗品の収容室220の形態であるレセプタクルも含み得る。消耗品204は、エアロゾル発生材料124に対応すると共に、活性物質、着香料、エアロゾル形成材料、又は他の機能材料など幾つかの構成要素の各々の内一以上を含み得るエアロゾル発生材料224を含み得る。そしてエアロゾル発生材料が支持体の上又は中に存在して基材226を形成し得る。
【0068】
エアロゾル提供システム200の結合構成において、消耗品204が収容室220に保持され得る程度は様々である。幾つかの例では、消耗品の半分未満又はほぼ半分が収容室220に保持され得る。他の例では、消耗品204の半分より多くが収容室220に保持され得る。更に他の例では、実質的に消耗品204の全体が収容室220に保持され得る。
【0069】
図2B及び2Cに示されているように、本開示の様々な実装形態で、消耗品204は、エアロゾル提供装置202への挿入の為のサイズ及び形状を持つ加熱端部228と、ユーザが吸うとエアロゾルが発生する吸口端部230とを含み得る。様々な実装形態において、加熱端部の少なくとも一部分はエアロゾル発生材料224を含み得る。
【0070】
幾つかの実装形態例において、消耗品204の吸口端部230は、酢酸セルロース又はポリプロピレンなどの材料で製作されたフィルタ232を含み得る。フィルタは付加的又は代替的に、タバコ含有材料の撚糸を含有し得る。幾つかの例で、消耗品の少なくとも一部分は、付加的な構造、支持、及び/又は耐熱性を付与するのに有益ないずれかの材料で形成され得る外部重複材料で巻かれ得る。幾つかの例で、消耗品の吸口端部の重複部の余剰長さは、単にエアロゾル発生材料224をユーザの口から分離する、或いはフィルタ材料の配置の為の空間を設ける、或いは消耗品の吸込みに影響する、或いは吸込み中に消耗品から出るエアロゾルの流動特性に影響するように機能し得る。
【0071】
電気ヒータ206は、抵抗(ジュール)加熱、誘導加熱、誘電及びマイクロ波加熱、放射加熱、アーク加熱、その他により、エアロゾル発生材料224の電気加熱を実施し得る。電気ヒータは様々に異なる構成を有し得る。幾つかの例で、電気ヒータの少なくとも一部分は、エアロゾル提供装置202へ挿入された時にエアロゾル発生材料を含む消耗品204の少なくとも一部分を囲繞するか、少なくとも部分的に囲繞し得る。他の例では、消耗品がエアロゾル提供装置へ挿入された時に電気ヒータの少なくとも一部分が消耗品を貫通し得る。幾つかの例で、基材226の材料は、エアロゾル発生材料に、或いはエアロゾル発生材料の片側又は両側に埋設され得るサセプタを含み得る。
【0072】
エアロゾル提供装置202の一部として示されているが、電気ヒータ206が代わりに消耗品504の一部であってもよい。幾つかの例で、電気ヒータ又は電気ヒータの一部はエアロゾル発生材料224であり得るか、これと組み合わされるか、これとパッケージ化又は一体化され(例えば埋設され)得る。
【0073】
示されているように、幾つかの例で、電気ヒータ206はハウジング208の係合端部に近接して延在し、エアロゾル発生材料224を含む消耗品204の加熱端部228の一部分を実質的に囲繞するように構成され得る。電気ヒータ206は、外側円筒体242と、外側円筒体により囲繞されて、エアロゾル提供装置の収容ベース246からエアロゾル提供装置のハウジング208の開口部248まで延在し得る収容室220を形成する突起など一以上の抵抗加熱要素244であるかこれらを含み得る。幾つかの例で、外側円筒体は、外側円筒体の中で抵抗加熱要素により発生された熱を維持する、より詳しくはエアロゾル発生材料の中で抵抗加熱要素により発生された熱を維持するようにステンレス鋼で構築される二重壁真空管であり得る。
【0074】
電気ヒータ206のように、抵抗加熱要素244は様々に異なる構成を有して、一つの抵抗加熱要素から複数の抵抗加熱要素まで数が変化し得る。示されているように、抵抗加熱要素はエアロゾル提供装置202の収容ベース246から延出し得る。幾つかの例で、エアロゾル提供装置へ挿入された時に、抵抗加熱要素は消耗品204の加熱端部228の略径方向中心又はその周りに位置し得る。幾つかの例で、抵抗加熱要素は消耗品の加熱端部へ貫通して、エアロゾル発生材料との直接接触状態に在る。他の例で、抵抗加熱要素は、消耗品の加熱端部の内側表面により画定される空洞の内側に位置し得る(空洞との直接接触状態にはないが)。
【0075】
幾つかの例では、電源により発生された電流が抵抗加熱要素を通過し得るように、電源210を含む電気回路で電気ヒータ206の抵抗加熱要素244が接続され得る。そして抵抗加熱要素を電流が通過すると、抵抗加熱要素が抵抗(ジュール)加熱を通して熱を発生させる。
【0076】
他の例で、外側円筒体242と抵抗加熱要素244とを含む電気ヒータ206は、電源210を含む電気回路に外側円筒体が接続される誘導加熱を実施するように構成され、抵抗加熱要素は別の電気回路に接続され得る。この構成では、外側円筒体が誘導送電器であって抵抗加熱要素が誘導受電器である変圧器として、外側円筒体と抵抗加熱要素とが機能し得る。これらの例のうち幾つかで、外側円筒体と抵抗加熱要素とはエアロゾル提供装置202の一部であり得る。これらの例のうち他の例では、外側円筒体がエアロゾル提供装置の一部であって抵抗加熱要素が消耗品204の一部であり得る。
【0077】
外側円筒体242には、電源210から直接的に、或いは(回路構成212の一部としての)インバータが電源からの直流を交流に変換するように構成されている場合には電源から間接的に、交流が提供され得る。交流は外側円筒体を駆動して発振磁場を生成し、これは抵抗加熱要素244に渦電流を誘発する。そして渦電流により抵抗加熱要素は抵抗(ジュール)加熱を通して熱を発生させる。これらの例で、抵抗加熱要素はワイヤレスで加熱され、抵抗加熱要素との近接状態で配置されたエアロゾル発生材料224からエアロゾルを形成し得る。
【0078】
様々な実装形態例で、エアロゾル提供装置202はハウジング208に(恐らくは収容ベース246にも)吸気口250(例えば一以上の開口部又は孔)を含んで気流を収容室220へ送り得る。ユーザが消耗品204の吸口端部228を吸うと、気流が吸気口から収容室へ吸い込まれて消耗品へ進み、エアロゾル発生材料224を通って吸い出される。気流はセンサ214により検出され、電気ヒータ206が駆動されてエアロゾル発生材料を活性化し、エアロゾルを発生させる。気流がエアロゾルと組み合わされて攪拌され、エアロゾル提供システムの吸口端部の開口部から吸引されるか吸い出され得る。フィルタ232を含む例では、エアロゾルと組み合わされた気流が吸口端部でフィルタの開口部から吸い出される。
【0079】
上記のように、エアロゾル発生装置自体の設計変更を回避しながらも、無許可使用を回避するというこのような装置の能力を向上させる為には、安全特徴の追加が望ましい。幾つかの事例では、独立した安全装置とエアロゾル提供システムの一部分との係合により安全特徴が実装され得る。図3は、エアロゾル提供システム200の一部分(例えば再使用可能部)と係合する為に設けられ得る安全装置300の一例のブロック図を示す。
【0080】
図3の安全装置300はハウジング310を含み得る。ハウジング310は係合アセンブリ320とロックアセンブリ330とを含み得る(例えばこれらを支持又は収容し得るかこれらに動作結合され得る)。係合アセンブリ320が適切に取り外されるまでエアロゾル提供装置202の使用を抑止するように、係合アセンブリ320はエアロゾル提供装置202と係合する構成を持ち得る。その一方で、ロックアセンブリ330は係合アセンブリ320に動作結合されて、(ロックアセンブリ330がロック解除状態へシフトした時に)エアロゾル提供装置202からの係合アセンブリ320の適切な取外しを許容してエアロゾル提供装置202の動作を可能にし得る。(ロックアセンブリ330がロック状態へシフトした時に)エアロゾル提供装置202からの係合アセンブリ320の取外しを抑止し、これに対応してエアロゾル提供装置202の動作を抑止するように、ロックアセンブリ330も係合アセンブリ320に動作結合され得る。又、幾つかの実施形態例において、ロックアセンブリ330がロック状態に在る間にエアロゾル提供装置202から係合アセンブリ320を取り外すという判断による労力が最終的にエアロゾル提供装置202を破壊するか或いはこれを作動不能にするように、係合アセンブリ320が構成され得る。その為、エアロゾル提供装置202に対する利益供与拒否安全装置として作用する為に、エアロゾル提供装置202との係合について係合アセンブリ320とロックアセンブリ330とが互いに協働し得る。
【0081】
上の記載から認識され得るように、係合アセンブリ320がエアロゾル提供装置202と係合してエアロゾル提供装置202の使用を抑止する幾つかの手法が用意される。これに関して、例えば、ロックアセンブリ330がロック状態に在る間は、係合アセンブリ320がエアロゾル提供装置202の回路構成152と係合してその動作を抑止し得る。代替的又は付加的に、ロックアセンブリ330がロック状態に在る間に係合アセンブリ320がエアロゾル提供装置202の電源210の充電を妨害又は抑制してもよい。更に別の代替例又は追加例として、係合アセンブリ320は、エアロゾル提供装置202と消耗品204との間での結合インタフェース301の適切な動作を(電気的又は機械的に)抑制して、エアロゾル提供装置202及び消耗品204が共に動作結合されるのを抑止してもよい。更に他のオプションも可能である。
【0082】
図3は、安全装置300の適切な取外しを伴わない消耗品204へのエアロゾル提供装置202の結合を抑制するように安全装置300がエアロゾル提供装置202と嵌合する特定例を示している。これに関して、ロックアセンブリ330がロック解除状態に在る間に、安全装置300のハウジング310はエアロゾル提供装置202の結合インタフェース301と嵌合している。そして係合アセンブリ320はエアロゾル提供装置202の部分(例えばハウジング208及び/又は回路構成152)と電気的及び/又は機械的に係合して、結合インタフェース301への消耗品204の接続を抑制し、ロックアセンブリ330がロックされる。その後、ロックアセンブリ330がロック解除されるまで消耗品204はエアロゾル提供装置202に動作結合されず、係合アセンブリ320が取り外される。
【0083】
図3から認識され得るように、ロックアセンブリ330は様々に異なる手法でロック及び/又はロック解除され得る。例えば、キー332及び/又はコード334がロックアセンブリ330に提供されて、ロックアセンブリ330を状態間でシフトさせ得る。幾つかの事例で、コード334はロックアセンブリ330に手作業で、或いは電気的に入力され得る。例えば、コード334は複合ロックに手作業で入力され、その事例においてコード334は複合ロックのロック解除の為の適正な組み合わせである。しかしながら、幾つかの実施形態において、コード334は、ロックアセンブリ330をロック解除するように構成されている光学、音声、無線信号であり得る。このような実施形態において、コード334は、ロックアセンブリ330をロック解除する特定の信号、パターン、及び/又は、その他であり得る。
【0084】
キー332は異なる形態も取り得る。これに関して、幾つかの事例で、キー332は、ピンタンブラー、ウェハタンブラー、ディスクタンブラー、又は他のこのようなロックへ挿入可能な物理キーであり得る。しかしながら、他の例では、キー332は磁気的であって、例えば、ロックアセンブリ330をロック解除状態へ移行させる為にキー332により加えられる磁力が、使用される適切な形状のキー332のみによって付与されるように、独自の形状を有する構成を持ち得る。他の形態のキー332も可能である。
【0085】
上に記されているように、係合アセンブリ320は、(他の可能な係合手法の内)エアロゾル提供装置202のハウジング208及び/又は回路構成152と係合するように構成され得る。幾つかの事例で、これらの係合形態の両方は、結合インタフェース301の一部分への安全装置300のハウジング310の挿入を介して達成され得る。このような挿入は、図3で矢印340により概ね示されている。一例として、結合インタフェース301は、エアロゾル提供装置202の(例えば一以上の壁部により画定される)ハウジング208により形成される収容室350を含み得る。収容室350(少なくともその一端部)は概ね、エアロゾル提供システム200の通常動作の為に消耗品204と嵌合するサイズ及び形状を持ち得る。ハウジング208の他の部分は、エアロゾル提供装置202の側面に延在し得る。(ハウジング310の一部分を画定するかこれに装着され得る)係合アセンブリ320及び/又はハウジング310は、消耗品204が収容室350と嵌合する手法に類似のやり方で収容室350と嵌合するサイズ及び形状を持ち、消耗品204の代わりに(消耗品を除外して)これを行い得る。
【0086】
このような例では、係合アセンブリ320が収容室350へ挿入されてロックアセンブリ330がロック状態へ移行することにより、収容室350を係合アセンブリ320に強固に結合又は接合し得る。それ故、係合アセンブリ320による収容室へのアクセスを妨げることにより消耗品204は収容室350へ挿入されない。キー332又はコード334がロックアセンブリ330へ提供されてロックアセンブリ330をロック解除状態にシフトした時に、係合アセンブリ320は収容室350から取り出し可能であって消耗品204の挿入を可能にする。しかしながら、無許可のユーザが最初にロックアセンブリ330をロック解除せずに安全装置300を収容室350から取り外そうとする場合には、ロックアセンブリ330がロック状態に在る限り、このような取外しは係合アセンブリ320により抑止される。これに関して、収容室350との係合状態からの安全装置300の取外しと関連する通常の力を伴う労力にも関わらず、係合アセンブリ320は収容室350と係合したままである。安全装置300を取り外すという判断による労力が(例えばツール又は強い力を使用して)無許可のユーザにより採用される場合に、上に記載のように利益供与拒否機能を実施するように安全装置300は構成されている。例えば、係合アセンブリ320は、(例えば収容室の一以上の壁部に損傷を与えることにより)収容室350に損傷を与えて、収容室350が消耗品204と適切に係合するのを抑止するように構成され得る。以下の図4A乃至4Eは、係合アセンブリ320がこのように構成され得る一つの構造例を示している。
【0087】
収容室350の損傷の代替例として、収容室を破壊せずにエアロゾル提供装置202を無効化するように、(過度な力の使用に因り)係合アセンブリ320が破壊されるように構成されてもよい。これに関して、例えば、係合アセンブリ320は、収容室350の内側にその一部分を残して収容室350へのアクセスを妨害するばかりで無く、収容室350(又はエアロゾル提供装置202の他の部分)を使用不能にすること無く収容室350からの係合アセンブリ320の取外しを抑制する不具合モードを備えるように設計され得る。以下の図5A乃至5Iは、係合アセンブリ320がこのように構成され得る一つの構造例を示す。
【0088】
更に別の代替例として、係合アセンブリ320は結合インタフェース301の電子インタフェース352と係合するように構成されてもよい。このような例では、係合アセンブリ320が収容室350から強制的に取り外される(又は取り外そうとされる)時に、電子インタフェース352を無効化又は破壊するように係合アセンブリ320が構成され得る。これに関して、図3に示されているように、消耗品204が収容室350へ挿入された時に、電子インタフェース352は収容室350の中に配置されて消耗品204との境界接続を行い得る。一例として、電子インタフェース352は、回路構成152及び/又は電源210を消耗品204の加熱要素244へ動作結合する電気コネクタ(例えばポスト、ワイヤ、リード線、接点等)を含み得る。幾つかの例では、最初にロックアセンブリ330をロック解除状態にシフトさせること無く係合アセンブリ320が取り外された場合に電子インタフェース352が破壊されるか非作動状態になるように、係合アセンブリ320が電子インタフェース352と係合する構成を持ち得る。例えば、最初にロックアセンブリ330をロック解除すること無く係合アセンブリ320が取り外されようとした場合に、係合アセンブリ320は電子インタフェース352のポスト、ワイヤ、リード線、又は接点を破壊し得る。以下の図6A乃至6Fは、係合アセンブリ320がこのように構成され得る一つの構造例を示している。
【0089】
さて図4A乃至4Eから成る図4を参照して、安全装置300’の実装形態例が更に詳しく記載される。これに関して、安全装置300’は、ロックアセンブリ330として作動する複合ロック400と、係合アセンブリ320を形成する他の構造とを備えるように実装される。しかしながら、注目すべきは、他の形態のロックアセンブリ330が代替的に採用されてもよいことである。図4Aは、安全装置300’の単独の斜視図を示す。図4Bは、複合ロック400のロックボデー410の半分が取り外された安全装置300’の斜視図を示す。一方で、図4C,4D,4Eの各々は、収容室350へ挿入された状態での安全装置300’の異なる斜視図を示す。注目すべきは、収容室350との境界接続を行う安全装置300’の部分の可視化を可能にする為に、エアロゾル提供装置202の残り部分は示されていないことである。
【0090】
安全装置300’の係合アセンブリ320は、ラッチアセンブリ410と張力アセンブリ420とを含む。複合ロック400のロックボデー440に延出するロックシャフト430に、ラッチアセンブリ410が動作結合される。この例のロックアセンブリ320(例えば複合ロック400)の他の一部は、ロックボデー440に対して回転可能である一以上のホイール442を含む。ロックシャフト430は、ホイール442との境界接続を行って、ホイール442がコード334に対応する位置と整合されるまでロックシャフト430をロック状態に保持する、つめ432を含む。ホイール442の内の二つはこの例で、ロックボデー440の内側とつめ432の可視化とを容易にするように、ロックボデー440から取り外されている。ホイール442の回転及び再配置を介してコード334が入力されると、ロックシャフト430が解除されてロック解除状態になる。
【0091】
ラッチアセンブリ410は、第1ラッチセット412と第2ラッチセット414とを含む。この例の第1及び第2ラッチセット412,414の各々は二つのラッチ部材(例えばカム又はローブ)を含む。しかしながら、代替実施形態では一つのラッチ部材又はより多くのラッチ部材も使用され得る。第1及び第2ラッチセット412,414の各々は、ロックシャフト430の対応部分も通過する一組のピン416に取り付けられる。この例で、第1ラッチセット412は、一つのラッチ部材がロックシャフト430の両側の各々でこれに隣接して配置される。一方で、ロックシャフト430の両側で(それ故、ロックシャフト430について第1ラッチセット412から外向きに)第1ラッチセット412のラッチ部材の内の対応するものに第2ラッチセット414の各ラッチ部材が隣接するように、第2ラッチセット414が配置される。第1及び第2ラッチセット412,414のラッチ部材の各々は対応の戻り止め418を有し、第1及び第2ラッチセット412,414の戻り止め418は反対方向に延出している。一方で、収容室350の両側に配設されて、ロックシャフト430がロック状態に在る時にラッチアセンブリ410の対応の戻り止め418を収容するラッチ収容部450が、この例の収容室350に含まれる。しかしながら、幾つかの実施形態では、このようなラッチ収容部450は必要では無く、このような収容部を含まずに収容室350とラッチアセンブリ410との間に摩擦が発生してもよい。
【0092】
張力アセンブリ420は、ロックボデー440から第1及び第2ラッチセット412,414の各々のラッチ部材の一部分まで延在する張力ワイヤ422を含む。ロックシャフト430がロック状態に在る時に、ロックボデー440を引っ張ると、ロックシャフト430を通して第1及び第2ラッチセット412,414に力が印加される。ロックシャフト430を通した力の印加は、第1及び第2ラッチセット412,414を収容室350へ強く押圧して、収容室350からラッチアセンブリ410を取り外す際の困難さを劇的に増大させる。ロックシャフト430がロック解除状態に在る時には、その際にロックアセンブリ330の中でロックシャフト430が自由に移動することにより、ロックアセンブリ330が係合アセンブリ320から短距離だけ平行移動できる。この短い平行移動は張力ワイヤ422から弛みを取り除き、ロックアセンブリ330が引っ張られる際に張力ワイヤ422を張力状態にし、ロックシャフト430を通して力が印加されるのを抑止する。第1及び第2ラッチセット412,414が収縮して収容室350に弱い摩擦を印加するように、張力ワイヤ422の張力により第1及び第2ラッチセット412,414に力が印加される。摩擦が弱いと、収容室350を損傷させずに第1及び第2ラッチセット412,414が収容室350から引き抜かれ得る。
【0093】
上記のように、ロックアセンブリ320と係合アセンブリ330とが他の手法で機能的及び構造的に構成されてもよい。これに関して、図5A,5B,5C,5D,5E,5F,5G,5H,5Iから成る図5は、係合アセンブリ330に使用される構造と異なるがロックアセンブリ320の為の類似構造(つまり複合ロック500)を備える安全装置300”の一例である。図5A及び5Bは収容室350に装着された安全装置300”を示している。図5C及び5Dは、安全装置300”の単独の(つまり収容室350から取り外された)斜視図を示す。図5Eは、複合ロック500のロックボデー540の半分が取り外された安全装置300”の斜視図を示す。図5Fは、取り外された係合アセンブリ330の係合ボデーの一つを示す。図5Gは、安全装置300”の縦軸上における断面図であり、図5Hも縦軸上であるが図5Gから90度回転された断面図である。図5Iは、縦軸に対して実質的に垂直である平面における係合アセンブリ330の係合ボデーの断面図である。
【0094】
図4を参照して記載された実施形態例と同様に、この例のロックアセンブリ320(例えば複合ロック500)は、ロックシャフト530と、ロックボデー540と、ロックボデー540に対して回転可能である一以上のホイール542とを含む。ロックシャフト530は、コード334に対応する位置とホイール542が整合されるまでロックシャフト530をロック状態に保持するようにホイール542との境界接続を行うつめ532を含む。ホイール542の内の二つは、この例では、ロックボデー540の内側とつめ532との可視化を容易にするようにロックボデー540から取り外されている。ホイール542の回転及び再配置を介してコード334が入力されると、ロックシャフト530がロック解除状態へと解除される。ロック解除状態で、複合ロック500は、矢印550により示されている方向に収容室350から移動して、ロックアセンブリ320(例えば複合ロック500)と係合アセンブリ330との間に空間(つまり分離)を設けることができる。この分離が発生すると、係合アセンブリ330のコンポーネントは収容室350内に固定されたままであるが、複合ロック500は収容室350と係合アセンブリ330の両方から移動する。
【0095】
設けられた分離により、複合ロック500が(矢印552で示されているように)回転し、こうしてロックシャフト530を動かすと共に矢印552で示されている方向にロックシャフト530を回す。ロックボデー540内には、複合ロック500がロック解除された時に可能となるロックシャフト530の平行移動の量を規定するシャフト平行移動間隙543が形成されている。シャフト平行移動間隙543を通ってロックシャフト530が(矢印550の方向に)移動した時には、複合ロック500(及びロックボデー540)が矢印552の方向に回転することにより、この時点で(つまりロックシャフト530とロックボデー540とが回転される前に)収容室350に固定されたままである係合アセンブリ330に対してロックシャフト530を回すのに充分な分離が設けられる。複合ロック500のロックボデー540が(ロックシャフト530と共に)回転する前に、ロックシャフト530は整合位置に在ると考えられ得る。(例えば矢印552の方向での)収容室350に対する複合ロック500のロックボデー540の回転後に、ロックシャフト530は回転位置に在ると考えられ得る。
【0096】
この実施形態例の係合アセンブリ330は、互いに鏡像となるように構成されて係合シャフト520の両側に配設される第1係合ボデー510と第2係合ボデー512とを含む。係合シャフト520は、ロックシャフト530の位置に基づいて(つまりロックシャフト530が整合位置に在るか回転位置に在るかに基づいて)第1及び第2係合ボデー510,512の間で回転可能である。上に記載のように複合ロック500をロック解除して矢印550の方向の移動に因り分離を設けることによって充分な分離が設けられた後で、ロックシャフト530が回転する時にロックシャフト530の回転が係合シャフト520を対応して動かすように、ロックシャフト530は係合シャフト520に動作結合され得る。これに関して、複合ロック500のロック状態では、ロックシャフト530と係合シャフト520の両方が整合位置に在る。複合ロック500のロック解除状態では、(矢印550の方向における)第1及び第2係合ボデー510,512からのロックボデー540の移動により、上に記載のようにシャフト平行移動間隙543での横移動に充分な空間が設けられた後に、ロックシャフト530、故に係合シャフト520も回転位置まで(矢印552の方向に)回転し得る。
【0097】
(例えばバイアスアセンブリを形成する)第1Oリング534及び第2Oリング536により、第1及び第2係合ボデー510,512がロックシャフト530に近接して保持され得る。第1及び第2Oリング534,536は、係合シャフト520が整合位置に在る時に張力下にある可撓性部材として具現化され得る。これに関して、第1及び第2Oリング534,536のバイアス力に反して第1及び第2係合ボデー510,512を分離するのに充分なほど大きい直径を係合シャフト520が(少なくともその一部分で)有し得る。また、幾つかの事例では、第2Oリング536が第1Oリング534より大きく、張力を受けた時に第2Oリング536は(例えば摩擦により)収容室350の内側に係合するように構成され得る。従って、係合シャフト520が整合位置に在る時には、第1及び第2Oリング534,536の張力に反して係合シャフト520が第1及び第2係合ボデー510,512を押圧して互いに離間させることで、第1及び第2Oリング534,536の各々は張力下にある。張力を受けた時に、第2Oリング536が(そして恐らくは第1Oリング534も、或いは代替的に第1Oリングが)拡張して、収容室350の内側に摩擦係合し、係合アセンブリ330を収容室350に保持する。
【0098】
図5Iに最も分かり易く示されているように、第1及び第2係合ボデー510,512の各々には収容空洞514が形成され得る。収容空洞514は、係合シャフト520の両側で互いに対向し得る。又、(例えば矢印552の方向でのロックシャフト530の回転により)係合シャフト520が回転位置へ回転した時に、収容空洞514に対応する係合シャフト520の部分がこれと整合されるように、収容空洞514は係合シャフト520の一部分の形状に対応するサイズ及び形状を持ち得る。収容空洞514の形状に対応する形状を持つ係合シャフト520の一部分と収容空洞514との整合により、第1及び第2係合ボデー510,512の間の距離が減少し得る。第1及び第2係合ボデー510,512の間の距離の減少は、第1及び第2Oリング534,536の張力を対応して低下させる。(第1及び第2Oリング534,536については非張力状態と考えられ得る)張力低下は、第2Oリング536が収容室350の内側に加える摩擦を対応して低下させる。それ故、係合アセンブリ330が収容室350から取り外され得る。
【0099】
注目すべきは、この例の係合シャフト520とロックシャフト530とが、例えばシヤーピン580などの機械的ヒューズ部材を介して互いに動作結合されることである。シヤーピン580は、ロックシャフト530の(係合シャフト520に対する)近位端部に、そして係合シャフト520の一部分に延在し得る。シヤーピン580は、ロックシャフト530及び係合シャフト520の整合位置と回転位置との間のシフトと関連する通常の力に対処するように構成され得る。しかしながら、(例えば平行移動と回転のいずれかの方向で)シヤーピン580に過度の力が加えられた場合に、破断することにより係合アセンブリ330の第1及び第2係合ボデー510,512からのロックボデー540の完全な分離を可能にするようにシヤーピン580は構成され得る。その為、係合アセンブリ330とロックアセンブリ340とは、係合アセンブリ330が収容室350にまだ(恐らくは永続的に)接合されている状態で互いから物理的に切断され得る。こうして、収容室350への消耗品204の装填を不可能にすることにより、利益供与拒否機能が得られる。図5G及び5Hに最も分かり易く見られるように、複合ロック500の近位に在る第1及び第2係合ボデー510,512の端部にはキャップ部材582が設けられ得る。キャップ部材582は係合シャフト520へのアクセスを制限して、シヤーピン580が破壊された場合にその操作を抑止することにより、利益供与拒否機能を永続的なものにしようとする。
【0100】
上述のように、幾つかの実装形態で、係合アセンブリ320は結合インタフェース301の電子インタフェース352と係合するように構成され、適切なロック解除を伴わずに収容室350から係合アセンブリ320が強制的に取り外される(或いは取り外されようとする)時に電子インタフェース352を無効化又は破壊するように係合アセンブリ320が構成され得る。図6A,6B,6C,6D,6E,6Fから成る図6は、実施形態例による安全装置300”’の別の代替例を示す。図6Aは、(消耗品204の実例が装着されるのと類似のやり方で)エアロゾル提供装置200の収容室350内に装着された安全装置300”’の斜視図を示す。図6Bは、エアロゾル提供装置202の電子インタフェース352と係合する安全装置300”’の部分を露出させるようにハウジングが取り外されていることを除いて、図6Aと類似した斜視図を示す。図6Cは、安全装置300”’の幾つかの部位の部分的分解図である。図6Dは、安全装置300”’のリフト部材の斜視図である。図6Eは電子インタフェース352の単独の斜視図であり、図6Fは、リフト部材と電子インタフェース352の一部分とにおける断面図である。
【0101】
さて図6を参照すると、電子インタフェース352は接点ポスト600(又は電力ピン)を含み得る。消耗品204が収容室350へ挿入された時に、接点ポスト600は消耗品204の加熱要素244に電気的に接続され得る。その為、接点ポスト600はエアロゾル提供装置202の電源210及び/又は回路構成152から加熱要素244へ電力を伝達し得る。それ故、接点ポスト600は、通常条件において回路構成152及び/又は電源210へ電気的に接続され得る。
【0102】
安全装置300”’が収容室350へ充分に挿入された時に接点ポスト600の一つと係合するように構成されているリフト部材610を安全装置300”’が含み得る。リフト部材610は、リビングヒンジ614を介して安全装置300”’のハウジング612に(直接的又は間接的に)装着され得る。リビングヒンジ614により、リフト部材610は矢印620で示されている方向に旋回できる。しかしながら、リビングヒンジ614は、図6B,6C,6D,6Fに示されている弛緩状態を有し得る(つまり旋回していない)。(例えば矢印622で示されている方向での)上向き力の印加に因って矢印620に示されているようにリビングヒンジ614が旋回するように、リフト部材610は、リフト部材610の一部分に装着されたリフトアーム616も含み得る。
【0103】
一実施形態例において、ハウジング612内に配置されて、形状記憶部材630が駆動された時にリフトアーム616に上向き力を印加する用意ができている形状記憶部材630を安全装置300”’が含み得る。形状記憶部材630は、「マッスルワイヤ」と呼ばれ得る形状記憶合金(例えばニチノールその他)で製作され得る。形状記憶部材630の通常又は弛緩形状は、リフトアーム616に上向き力を加えない。しかしながら、形状記憶部材630に電流が印加されると、形状記憶部材630が収縮し、これによりリフトアーム616に持ち上げ力を印加して、矢印620により示される方向にリビングヒンジ614を旋回させる。形状記憶部材630の収縮の為の電流は、充電源から提供され得る。これに関して、例えば、安全装置300”’は、電力を受容して形状記憶部材630に印加するように構成され得る充電インタフェース650と回路基板652とを含み得る。
【0104】
接点ポスト600の一つと係合した時に、そして形状記憶部材630が収縮していない状態で、リフト部材610が装着された接点ポスト600の両側との接触状態にリフト部材610が効果的に押入され得る。図6Fはこの状態を示している。その為、形状記憶部材630が収縮していない状態で収容室350からの安全装置300”’の取外しを目的とする力が提供された時には、リフト部材610のエッジ640が接点ポスト600を把持して、接点ポスト600に力を印加し、そして充分である場合に接点ポスト600への電気接続を絶って電気的な開回路を形成する。それ故、接点ポスト600は電気的に絶縁されて開回路であるので、安全装置300”’の取外し後に消耗品204が正しく装填されても作動可能でない点まで、電気インタフェース352が損傷し得る。
【0105】
しかしながら、形状記憶部材630が収縮して、リビングヒンジ614が旋回するようにリフトアーム616が持ち上げられた時には、図6Fで接点ポスト600との係合状態で示されているリフト部材610のエッジ640が接点ポスト600と脱係合する。こうして、エアロゾル提供装置202(又は電子インタフェース352)を損傷すること無く安全装置300”’が管体350から取り外され得る。
【0106】
図6の例のロックアセンブリ320は、ワイヤレスキー又はコードを採用し得る。例えば、ロックアセンブリ320は、回路基板652への音声、光学、又は他の電気信号を介したコード334の付与を介してロック解除されるように構成され得る。図7の例は、ロックアセンブリ320を作動させるのにワイヤレスキー又はコードが使用される別の実施形態を示している。図7図7A,7B,7C,7D,7Eから成る。これに関して、図7Aは装置700の斜視図を示し、図7Bは、回路基板712を露出させるようにハウジングが取り外された装置700の斜視図を示す。図7Cはこの実施形態例の係合アセンブリ330の分解図であり、図7Dは実施形態例の可動スペーサの部分的組立状態を示す。図7Eは、ロック解除(又は解除)状態での装置700の断面図を示す。
【0107】
図7は、ワイヤレス駆動式の安全装置700を示している。装置700は、光学、電気、音声信号(例えばコード334又はキー332)を受信するように構成されている受信要素710を含み得る。回路基板712は受信要素710に動作結合され、受信時にコード334又はキー332を処理するように構成されている処理回路構成を含む。コード334又はキー332が真正である場合に、回路基板712の処理回路構成は、装置700の状態をロック状態からロック解除状態に変更し得る。そして装置700のロック解除は、係合アセンブリ330への信号又はトリガの通信を含み得る。この例の係合アセンブリ330は、図5を参照して上に記載されたものと同じように第1Oリング730及び第2Oリング732により互いに近接して保持され得る第1係合ボデー720と第2係合ボデー722とを含み得る。その為、第1及び第2Oリング730,732は、上に記載された第1及び第2Oリング534,536と形状及び機能の両方において類似し得る。係合シャフト520によってでは無く可動スペーサ740によって第1及び第2係合ボデー720,722が互いに分離されていることを除いて、第1及び第2係合ボデー720,722も、上に記載された第1及び第2係合ボデー510,512に類似し得る。又、この例では、第1係合ボデー720と第2係合ボデー722の一方のみが一以上の収容空洞750を含み得る。第1係合ボデー720と第2係合ボデー722の他方は、収容空洞(又は空洞)750に対応する形状を持って実質的にこれと整合される突出部752を含み得る。
【0108】
可動スペーサ740は、一以上の収容空洞750に対応する形状の貫通孔760を含み得る。可動スペーサ740は、第1及び第2係合ボデー720,722の間の位置において、貫通孔760と収容空洞750(及び突出部752)との間の整合位置へ、そして整合位置から移動可能(例えば摺動可能)である。可動スペーサ740が収容空洞750及び突出部752との整合状態から外れると、可動スペーサ740は、(第1及び第2Oリング730,732からの付勢を受けて)突出部752が収容空洞750まで移動してこれと係合するのを抑止し得る。可動スペーサ740が収容空洞750及び突出部752との整合状態に在る時には、(第1及び第2Oリング730,732からの付勢を受けて)収容空洞750まで移動してこれと係合する為に、可動スペーサ740は、突出部752に貫通孔760を通過させ得る。
【0109】
非整合状態は、可動スペーサ740の幅と突出部752の延出量とにより規定される第1距離だけ第1及び第2係合ボデー720,722が互いに離間している保持状態(又はロック状態)を指し得る。整合状態は、可動スペーサ740の幅のみにより規定される(故に第1距離より小さい)第2距離だけ第1及び第2係合ボデー720,722が互いに離間している解除状態(又はロック解除状態)を指し得る。可動スペーサ740が解除状態に在る時に、係合アセンブリ330を収容室350に保持するのに充分な摩擦圧力を第2Oリング732が収容室350の壁部に加えないように、第1及び第2Oリング730,732は(図7Eに示されているように)第1及び第2係合ボデー720,722を圧迫し得る。しかしながら、第1距離は第2距離より大きいので、可動スペーサ740が保持状態に在る時には、第1及び第2係合ボデー720,722は、係合アセンブリ330を収容室350に保持するのに充分な摩擦圧力を少なくとも第2Oリング732により収容室350の壁部に加え得る。
【0110】
保持状態と解除状態との間での可動スペーサ740の移動は、形状記憶部材770への電流の印加に基づいて実施され得る。形状記憶部材770は通常は収縮しておらず、可動スペーサ740は保持状態になるようにバイアスを受け得る。形状記憶部材770に電力を印加することにより、形状記憶部材770が収縮し、可動スペーサ740を矢印780の方向に持ち上げて解除状態にし得る。幾つかの事例で、可動スペーサ740はこのようにして一度のみ移動する(そして後の動作の為に構成をリセットするには部分的な分解が必要とされ得る)。しかしながら、他の事例では、バイアスアセンブリが含まれて、電力が除去された時に可動スペーサ740が保持状態に戻るように構成され得る。上に記載されたように電力は充電源から、及び/又は、回路基板712の処理回路構成の制御下で提供され得る。一方で、形状記憶部材770又はこれに接続された別のコンポーネント(例えばロックアセンブリ320を係合アセンブリ330に接続するワイヤ)は破断可能であり、ロックアセンブリ320がロック状態に在る間にエアロゾル提供装置202の管体350から装置700を取り外す力の印加を受けて、ロックアセンブリ320を係合アセンブリ330から分離させる。上に記載したように、こうして係合アセンブリ330が永続的に管体350に残って、消耗品204を含むエアロゾル提供装置202の使用を抑止する。
【0111】
図8は、実施形態例によるエアロゾル発生装置の無許可使用を抑止する方法のブロック図を示す。この方法は、動作800において、係合アセンブリとロックアセンブリとを有する安全装置を、然もなければ消耗品カートリッジが装着可能であるエアロゾル発生装置の一部分に適用することを含み得る。この方法は更に、動作810において、エアロゾル発生装置の一部分に係合アセンブリが接合されたロック状態にロックアセンブリを移行させることを含み得る。この方法は更に、動作820において、キー又はコードの受信を受けて、エアロゾル発生装置の一部分への接合から係合アセンブリが解除されるロック解除状態にロックアセンブリを移行させることを含み得る。この方法は、動作830において、ロックアセンブリがロック状態に在る時にエアロゾル発生装置からの安全装置の取外しを受けて利益供与拒否機能を実施することも含み得る。それ故、対応の起動状態(つまりロックアセンブリがロック解除されていない時の安全装置の取外し)が存在する時にのみ、利益供与拒否機能が行われる。
【0112】
幾つかの実施形態例は、装置への他の構造又はソフトウェアの変更を必要とせずに、エアロゾル発生/提供装置の無許可使用に対する安全性を提供し得る。従って、上の例から認識され得るように、エアロゾル発生装置の為の安全装置が用意され得る。安全装置は、エアロゾル発生装置の一部分と解除可能に係合するように構成されている係合アセンブリと、係合アセンブリに動作結合されるロックアセンブリとを含み得る。ロックアセンブリは、エアロゾル発生装置の一部分に係合アセンブリが接合されたロック状態と、エアロゾル発生装置の一部分への接合から係合アセンブリが解除されるロック解除状態とを有するように構成され得る。係合アセンブリは更に、エアロゾル発生装置からの安全装置の取外しを受けて利益供与拒否機能を実施するように構成され得る。
【0113】
安全装置は、幾つかの変形、拡張、又は任意の追加を含み、その幾つかが本明細書に記載される。以下に挙げる変形、拡張、又は任意の追加は、所望の組み合わせで加えられ得る。この文脈において、上に記載の安全装置は第1実施形態と考えられ、他の実施形態は変形、拡張、又は任意の追加の各組み合わせによりそれぞれ規定され得る。例えば、消耗品カートリッジが装着可能な制御ユニットをエアロゾル発生装置が含む第2実施形態が規定され得る。エアロゾル発生装置のこの部分は、カートリッジが制御ユニットに装着されるところである結合インタフェースを制御ユニットに含み、係合アセンブリが結合インタフェースに接合された時に制御ユニットへのカートリッジの動作結合を抑止するように係合アセンブリが構成され得る。代替的又は付加的に、制御ユニットの電源とカートリッジのヒータ要素との間の電気インタフェースを結合インタフェースが含んで利益供与拒否機能が電気インタフェースを作動不能にすることを含む第3実施形態が規定され得る。一実施形態例では、電気インタフェースのポストの両側に係合するように構成されているリフト部材を係合アセンブリが含んで形状記憶部材がリフト部材に動作結合される第4実施形態が規定され得る。ロックアセンブリがロック解除状態に在る時にポストからの取外しの為にリフト部材を整合させるように形状記憶部材が構成され、ロックアセンブリがロック状態に在る時に、安全装置の取外しを受けてリフト部材により制御ユニットの電子機器からポストを電気的に切断するように形状記憶部材が構成され得る。第4実施形態は、第1乃至第3実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、カートリッジを制御ユニットに動作結合するようにカートリッジが挿入可能である収容室を結合インタフェースが含んで、利益供与拒否機能が収容室を損傷させることを含む第5実施形態が規定され得る。第5実施形態は第1乃至第4実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。一実施形態例では、係合アセンブリがラッチアセンブリとバネアセンブリとを含む第6実施形態が規定され得る。ロックアセンブリがロック状態であると、管体に接合されたラッチアセンブリを保持するように張力を付与する構成をバネアセンブリが持ち、又、ロックアセンブリがロック解除状態であると、ラッチアセンブリを管体から解除するように張力を除去する構成をバネアセンブリが持ち得る。第6実施形態は第1乃至第5実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例では、結合インタフェースが、カートリッジが挿入可能な収容室を含んでカートリッジを制御ユニットに動作結合し、係合アセンブリからのロックアセンブリの分離を可能にすることにより係合アセンブリを管体に接合されたままにして制御ユニットへのカートリッジの動作結合を抑止することを利益供与拒否機能が含む第7実施形態が規定され得る。第7実施形態は第1乃至第6実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。一実施形態例では、係合シャフトの両側に配設される第1係合ボデーと第2係合ボデーとを係合アセンブリが含む第8実施形態が規定され得る。ロックアセンブリがロック解除状態に在る時に安全装置の縦軸に対して実質的に平行な方向に平行移動可能なロックシャフトをロックアセンブリが含み得る。ロックアセンブリがロック解除状態に在る時に、ロックアセンブリは、管体と第1及び第2係合ボデーから平行移動し得る。収容室と第1及び第2係合ボデーからのロックアセンブリの平行移動を受けて、ロックアセンブリは、係合アセンブリ及び収容室に対して回転することにより整合位置から回転位置へロックシャフトを回転させるように構成され得る。第8実施形態は、第1乃至第7実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例では、ロックシャフトの回転中に係合シャフトを支承するようにロックシャフトが構成されている第9実施形態が規定され得る。第1及び第2係合ボデーはバイアスアセンブリにより互いへと付勢され、係合シャフトは、ロックシャフト及び係合シャフトが整合位置に在る時には第1距離だけ、ロックシャフトと係合シャフトとが回転位置に在る時には第1距離より小さい第2距離だけ、第1及び第2係合ボデーを分離し得る。第9実施形態は、第1乃至第8実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。一実施形態例では、破断可能な機械的ヒューズ部材を介してロックシャフトと係合シャフトとが互いに動作結合され、機械的ヒューズ部材の破断を受けて利益供与拒否機能が実行される第10実施形態が規定され得る。第10実施形態は第1乃至第9実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、係合部材が更にキャップ部材を含み、機械的ヒューズ部材が破断した時に機械的ヒューズ部材及び係合シャフトへのアクセスがキャップ部材により制限される第11実施形態が規定され得る。第11実施形態は、第1乃至第10実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、ロックアセンブリが複合ロックを含み得る第12実施形態が規定され得る。第12実施形態は、第1乃至第11実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、キー又はコードの受信を受けてロック状態とロック解除状態との間で移行するようにロックアセンブリが構成され得る第13実施形態が規定され得る。第13実施形態は、第1乃至第12実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例では、キー又はコードが電子的、光学的、又は音声的に受信される第14実施形態が規定され得る。第14実施形態は、第1乃至第13実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、形状記憶部材が収縮して可動スペーサをロック解除状態に再配置し、係合アセンブリの第1係合ボデーと第2係合ボデーとの間の距離を可動スペーサが画定し得る第15実施形態が規定され得る。第15実施形態は、第1乃至第14実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、ロックアセンブリがロック状態に在る間にエアロゾル発生装置から安全装置を取り外す力の印加を受けて係合アセンブリからロックアセンブリを分離するように形状記憶部材が破断可能である第16実施形態が規定され得る。第16実施形態は、第1乃至第15実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、第1係合ボデーと第2係合ボデーとが可動スペーサの両側に配設される第17実施形態が規定され得る。第1係合ボデーと第2係合ボデーの一方は収容空洞を含み、第1係合ボデーと第2係合ボデーの他方は、収容空洞に対応する形状を有して実質的にこれと整合される突出部を含み得る。可動スペーサは貫通孔を含み得る。第17実施形態は、第1乃至第16実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、可動スペーサが保持状態に在る時に貫通孔が収容空洞と整合されずに突出部が貫通孔から収容空洞へ通過するのを抑止することにより第1及び第2係合ボデーを第1距離だけ分離する第18実施形態が規定され得る。貫通孔は、可動スペーサが解除状態である時には収容空洞と整合されて突出部が貫通孔から収容空洞へ通過するのを可能にすることにより、第1及び第2係合ボデーを第2距離だけ分離する。第1距離は第2距離より大きい。第18実施形態は第1乃至第17実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。幾つかの例で、形状記憶部材に電流が印加されない時に形状記憶部材が保持状態にあって、形状記憶部材に電流が印加される時に形状記憶部材が解除状態に在る第19実施形態が規定され得る。第19実施形態は、第1乃至第18実施形態のいずれか又は全てと組み合わされ得る。
【0114】
本明細書に挙げられた本発明の多くの変形及び他の実施形態は、上の記載及び関連の図面に提示された教示の利益を享受するこれらの発明の関連技術の当業者により発想されるだろう。それ故、開示されている特定の実施形態に本発明が限定されないことと、変形及び他の実施形態が添付請求項の範囲に含まれる意図があることとが理解されるはずである。又、上の記載と関連の図面には、要素及び/又は機能の或る例示的な組み合わせの状況において例示的な実施形態が記載されているが、添付請求項の範囲を逸脱すること無く要素及び/又は機能の異なる組み合わせが代替実施形態により提供され得ることが認識されるべきである。これに関して、例えば、上に明確に記載されたものと異なる要素及び/又は機能の組み合わせも、添付請求項の幾つかに挙げられ得ると考えられる。利点、長所、又は問題の解決法が本明細書に記載されている事例では、このような利点、長所、及び/又は解決法が幾つかの実施形態例に適用可能であるが、必ずしも全ての実施形態例には適用可能でないことが認識されるべきである。故に、本明細書に記載の利点、長所、又は解決法は全ての実施形態又は本明細書で請求されるものにとって重要、必要、又は不可欠であると考えられるべきでは無い。本明細書では特定の語が採用されているが、これらは包括的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定を目的としていない。
【符号の説明】
【0115】
100 エアロゾル提供システム
102 エアロゾル提供装置
104 消耗品
106 エアロゾル発生器
108 ハウジング
110 電源
112 回路構成
114 スイッチ
116 ユーザインタフェース
118 処理回路構成
120 カプラ
122 レセプタクル
124 エアロゾル発生材料
126 活性物質
128 着香料
130 エアロゾル形成材料
132 機能材料
134 基材
140 エアロゾル提供システム
141 エアロゾル提供装置
142 消耗品
144 電気ヒータ
145 ハウジング
150 電源
152 回路構成
154 センサ
156 光源
158 処理回路構成
162 消耗品収容室
164 エアロゾル発生材料
166 電気コネクタ
168 電気接点
170 外部電気コネクタ
174 リザーバ
176 エアロゾル発生材料移送コンポーネント
178 開口部
180 吸入器
182 メッシュプレート
184 ピエゾ材料
186 穿孔
200 エアロゾル提供システム
202 エアロゾル提供装置
204 消耗品
206 電気ヒータ
208 ハウジング
210 電源
212 回路構成
214 センサ
216 光源
218 処理回路構成
220 消耗品収容室
224 エアロゾル発生材料
226 基材
228 加熱端部
230 吸口端部
232 フィルタ
242 外側円筒体
244 抵抗加熱要素
246 収容ベース
248 開口部
250 吸気口
300,300’,300”,300”’ 安全装置
301 インタフェース
310 ハウジング
320 係合アセンブリ
330 ロックアセンブリ
332 キー
334 コード
350 収容室
352 電子インタフェース
400 複合ロック
410 ロックボデー/ラッチアセンブリ
412 第1ラッチセット
414 第2ラッチセット
416 ピン
418 戻り止め
420 張力アセンブリ
422 張力ワイヤ
430 ロックシャフト
432 つめ
440 ロックボデー
442 ホイール
450 ラッチ収容部
500 複合ロック
510 第1係合ボデー
512 第2係合ボデー
514 収容空洞
520 係合シャフト
530 ロックシャフト
532 つめ
534 第1Oリング
536 第2Oリング
540 ロックボデー
542 ホイール
543 シャフト平行移動間隙
580 シヤーピン
582 キャップ部材
600 接点ポスト
610 リビングヒンジ
612 ハウジング
614 リビングヒンジ
616 リフトアーム
630 形状記憶部材
640 エッジ
650 充電インタフェース
652 回路基板
700 安全装置
710 受信要素
712 回路基板
720 第1係合ボデー
722 第2係合ボデー
730 第1Oリング
732 第2Oリング
740 可動スペーサ
750 収容空洞
752 突出部
760 貫通孔
770 形状記憶部材
図1A
図1B-1C】
図1D
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
【国際調査報告】