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特表2023-546132中間部分のテーパ率が複数通りあるステップレスゴルフシャフト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】中間部分のテーパ率が複数通りあるステップレスゴルフシャフト
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/12 20150101AFI20231025BHJP
【FI】
A63B53/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523073
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 US2021053909
(87)【国際公開番号】W WO2022081405
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/092,051
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045213
【氏名又は名称】トゥルー テンパー スポーツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーキング,スコット
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA05
2C002CS05
2C002MM04
(57)【要約】
ゴルフグリップに取り付けられるように構成された近位端と、遠位端と、を有する太い側の部分と、ゴルフクラブヘッドに取り付けられるように構成された遠位端と、近位端と、を有する先端部分と、前記先端部分の前記近位端と前記太い側の部分の前記遠位端とを接続する中間部分と、を備え、前記中間部分は、前記先端部分の前記近位端の方向に、第1のテーパ率で徐々に小さくなる第1の外径を有する第1の部分であって、前記第1の外径に段階的な変化がない前記第1の部分と、前記先端部分の前記近位端の方向に、第2のテーパ率で徐々に小さくなる第2の外径を有する第2の部分と、を含み、前記第2のテーパ率は前記第1のテーパ率とは異なる、ステップレスゴルフシャフト。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフグリップに取り付けられるように構成された近位端と、遠位端と、を有する太い側の部分と、
ゴルフクラブヘッドに取り付けられるように構成された遠位端と、近位端と、を有する先端部分と、
前記先端部分の前記近位端と前記太い側の部分の前記遠位端とを接続する中間部分と、を備え、前記中間部分は、
前記先端部分の前記近位端の方向に、第1のテーパ率で徐々に小さくなる第1の外径を有する第1の部分であって、前記第1の外径に段階的な変化がない前記第1の部分と、
前記先端部分の前記近位端の方向に、第2のテーパ率で徐々に小さくなる第2の外径を有する第2の部分であって、前記第2の外径に段階的な変化がない前記第2の部分と、を含み、
前記第2のテーパ率は前記第1のテーパ率とは異なる、ステップレスゴルフシャフト。
【請求項2】
前記中間部分が前記第1のテーパ率から前記第2のテーパ率に変化する点は、前記太い側の部分の前記遠位端と前記先端部分の前記近位端との間の中ほどである、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項3】
前記中間部分が前記第1のテーパ率から前記第2のテーパ率に変化する点は、前記先端部分より前記太い側の部分のほうに近い、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項4】
前記中間部分が前記第1のテーパ率から前記第2のテーパ率に変化する点は、前記太い側の部分より前記先端部分のほうに近い、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項5】
前記第1のテーパ率は、前記第2のテーパ率より大きい、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項6】
前記第1のテーパ率は、前記第2のテーパ率より小さい、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項7】
前記中間部分は、前記先端部分の前記近位端の方向に、第3のテーパ率で徐々に小さくなる第3の外径を有する第3の部分であって、前記第3の外径に段階的な変化がない前記第3の部分をさらに含む、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項8】
前記第3のテーパ率は、前記第2のテーパ率とは異なる、請求項7に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項9】
前記第3のテーパ率は、前記第1のテーパ率および前記第2のテーパ率とは異なる、請求項7に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項10】
前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分の長さが等しい、請求項7に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項11】
前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分のうちの第1の1つの第1の長さが、前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分のうちの第2の1つの第2の長さより長いか、前記第2の長さ未満であるかの一方である、請求項7に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項12】
前記中間部分は、前記先端部分の前記近位端の方向に、第4のテーパ率で徐々に小さくなる第4の外径を有する第4の部分であって、かつ、前記第3の外径に段階的な変化がない前記第4の部分をさらに含む、請求項7に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項13】
前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分および前記第4の部分のうちの第1の1つの第1の長さが、前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分および前記第4の部分のうちの第2の1つの第2の長さより長いか、前記第2の長さ未満であるかの一方である、請求項12に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項14】
前記先端部分の外径が徐々に小さくなっている、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項15】
前記第1の部分および前記第2の部分が円錐台形である、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項16】
前記太い側の部分の外径が徐々に小さくなっていない、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項17】
前記先端部分の外径が徐々に小さくなっていない、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項18】
前記太い側の部分の第1の肉厚が、前記先端部分の第2の厚さ未満である、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項19】
前記第1の部分の肉厚が、前記先端部分の前記近位端の方向に増している、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【請求項20】
前記第2の部分の肉厚が、前記先端部分の前記近位端の方向に増している、請求項1に記載のステップレスゴルフシャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2020年10月15日に出願された米国特許仮出願第63/092,051号の優先権の利益を主張するものである。上記で言及した出願の開示内容全体を、本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、ゴルフシャフトに関し、特に、テーパ率が複数通りあるステップレスゴルフシャフトに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供する背景についての説明は、本開示の内容を大まかに示すことを目的としたものである。この背景技術に記載した範囲において現時点で名前のある発明者の業績ならびに、状況が変われば出願時における先行技術としては適さないかもしれない説明の態様については、明示的にも黙示的にも、これを本開示に対する先行技術として認めるものではない。
【0004】
ゴルフシャフトによって(例えば、スチール製のものなど)は、太い側の部分と先端部分との間の中間部分に1つ以上の段が含まれていた。そのようなゴルフシャフトは、ステップゴルフシャフトと呼ばれる場合がある。ゴルフクラブシャフトの先端部分には、ゴルフクラブヘッドが接続されている。ゴルフクラブの太い側の部分には、グリップが取り付けられている。ゴルフクラブの中間部分は、先端部分と太い側の部分との間に設けられており、これを移行部と称される場合もある。
【0005】
他のタイプのゴルフシャフトでは、中間部分に段がない。代わりに、そのようなゴルフシャフトでは、太い側の部分から先端部分までの中間部分全体で一定のテーパ率を有することがある。このようなゴルフシャフトは、ステップレスゴルフシャフトと呼ばれる場合がある。購入者にとっては、スチール製のステップレスゴルフシャフトのほうが、スチール製のステップゴルフシャフトよりも上質なシャフトであるとみなされる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある特徴において、ステップレスゴルフシャフトは、ゴルフグリップに取り付けられるように構成された近位端と、遠位端と、を有する太い側の部分と、ゴルフクラブヘッドに取り付けられるように構成された遠位端と、近位端と、を有する先端部分と、先端部分の近位端と太い側の部分の遠位端とを接続する中間部分と、を含み、中間部分は、先端部分の近位端の方向に、第1のテーパ率で徐々に小さくなる第1の外径を有する第1の部分であって、第1の外径に段階的な変化がない第1の部分と、先端部分の近位端の方向に、第2のテーパ率で徐々に小さくなる第2の外径を有する第2の部分であって、第2の外径に段階的な変化がない第2の部分と、を含み、第2のテーパ率は第1のテーパ率とは異なる。
【0007】
さらに別の特徴では、中間部分が第1のテーパ率から第2のテーパ率に変化する点は、太い側の部分の遠位端と先端部分の近位端との間の中ほどである。
【0008】
さらに別の特徴では、中間部分が第1のテーパ率から第2のテーパ率に変化する点は、先端部分より太い側の部分のほうに近い。
【0009】
さらに別の特徴では、中間部分が第1のテーパ率から第2のテーパ率に変化する点は、太い側の部分より先端部分のほうに近い。
【0010】
さらに別の特徴では、第1のテーパ率は、第2のテーパ率より大きい。
【0011】
さらに別の特徴では、第1のテーパ率は、第2のテーパ率より小さい。
【0012】
さらに別の特徴では、中間部分は、先端部分の近位端の方向に、第3のテーパ率で徐々に小さくなる第3の外径を有する第3の部分であって、第3の外径に段階的な変化がない第3の部分をさらに含む。
【0013】
さらに別の特徴では、第3のテーパ率は、第2のテーパ率とは異なる。
【0014】
さらに別の特徴では、第3のテーパ率は、第1のテーパ率および第2のテーパ率とは異なる。
【0015】
さらに別の特徴では、第1の部分、第2の部分および第3の部分の長さが等しい。
【0016】
さらに別の特徴では、第1の部分、第2の部分および第3の部分のうちの第1の1つの第1の長さが、第1の部分、第2の部分および第3の部分のうちの第2の1つの第2の長さより長いか、第2の長さ未満であるかの一方である。
【0017】
さらに別の特徴では、中間部分は、先端部分の近位端の方向に、第4のテーパ率で徐々に小さくなる第4の外径を有する第4の部分であって、かつ、第3の外径に段階的な変化がない第4の部分をさらに含む。
【0018】
さらに別の特徴では、第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分のうちの第1の1つの第1の長さが、第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分のうちの第2の1つの第2の長さより長いか、第2の長さ未満であるかの一方である。
【0019】
さらに別の特徴では、先端部分の外径が徐々に小さくなっている。
【0020】
さらに別の特徴では、第1の部分および第2の部分が円錐台形である。
【0021】
さらに別の特徴では、太い側の部分の外径が徐々に小さくなっていない。
【0022】
さらに別の特徴では、先端部分の外径が徐々に小さくなっていない。
【0023】
さらに別の特徴では、太い側の部分の第1の肉厚が、先端部分の第2の厚さ未満である。
【0024】
さらに別の特徴では、第1の部分の肉厚が、先端部分の近位端の方向に増している。
【0025】
さらに別の特徴では、第2の部分の肉厚が、先端部分の近位端の方向に増している。
【0026】
本開示を適用可能なさらなる領域が、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明と具体例については、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
図1図1は、1つのテーパ率をもつ中間部分を有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。
図2図2は、2つの異なるテーパ率をもつ中間部分を有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。
図3図3は、2つの異なるテーパ率をもつ中間部分を有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。
図4図4は、2つの異なるテーパ率をもつ中間部分を有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。
図5図5は、2つの異なるテーパ率をもつ中間部分を有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。
図6図6は、2つの異なるテーパ率をもつ中間部分と、テーパ付きの先端部分とを有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。
図7図7は、3つのテーパ率をもつ中間部分を有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。
図8図8は、4つのテーパ率をもつ中間部分を有するステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図と、肉厚のグラフの一例とを含む。
図9図9は、ステップレスゴルフシャフトの外周部にテーパを製造する方法の例示図である。 図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照符号を繰り返して用いることがある。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ステップレスゴルフシャフトには、テーパ率が一定の中間部分を含むことができる。さらにテーパ率を追加すると、製造時間と複雑さが増す場合があり、かつ、追加の工具(例えば、ダイ)が必要になる場合などがあるため、製造コストが増加する場合がある。
【0029】
本願には、それぞれに対応するテーパ率を有する2つ以上の部分を含む中間部分を有するステップレスゴルフシャフトが含まれる。複数のテーパ率ツール(例えば、ダイ)を使用することにより、中間部分(または移行部)に複数のテーパ率を含むゴルフシャフトを製造することが可能である。移行部に複数のテーパ率を使用することで、設計の自由度が増し、打ち出し角、スピン量などのボールの異なる飛行特性および性能特性を達成することができる。あるテーパ率から別のテーパ率への変更は、ゴルフシャフトの移行部のどこででも起こり得る。
【0030】
図1は、1つの一定のテーパ率だけしかない中間部分を有するステップレス(例えば、スチール製)ゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。上述したように、中間部分を、移行部または移行部分と称する場合もある。
【0031】
図2は、2つのテーパ率をもつ中間部分を有するステップレス(例えば、スチール製)スチールゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。ステップレスゴルフシャフトは、ほぼ円筒形である。ほぼ円筒形とは、1つ以上の円筒形部分と複数(2つ以上)の円錐台形部分とを含むことを意味し得る。当該複数の円錐台形部分は、複数の異なる外側のテーパ率を有し、ステップレスゴルフシャフトの複数のテーパ付き部分に対応する。
【0032】
図示のように、ステップレスゴルフシャフトは、太い側の部分204と先端部分208とを含む。ステップレスゴルフシャフトについては、中空の円筒管から形成され、複数のダイなどによって、後述する最終形状に機械加工されてもよい。
【0033】
太い側の部分204の外径は、先端部分208の外径よりも大きい。先端部分208の肉厚は、太い側の部分204の肉厚よりも厚い場合がある。これは、先端部分208で中空の円筒管の直径が小さくなることに起因している場合がある。
【0034】
太い側の部分204は、(テーパ付/円錐台形ではなく)円筒形であってもよく、先端部分208も(テーパ付き/円錐台形ではなく)円筒形であってもよい。様々な実施形態において、太い側の部分204および先端部分208の一方または両方がテーパ付き(円錐台形)であってもよい。
【0035】
先端部分208の遠位端に、ゴルフクラブヘッドを取り付ける(例えば、接着する)ことが可能である。太い側の部分204の近位端には、ゴルフグリップを取り付ける(例えば、接着する)ことが可能である。
【0036】
中間部分212は、太い側の部分204の遠位端と先端部分208の近位端との間に設けられている。本明細書で使用される遠位および近位は、ゴルフグリップが取り付けられるであろう場所を基準に用いられる場合がある。また、中間部分212を、移行部分と称する場合もある。中間部分212は、太い側の部分204の遠位端からゼロではない第1の所定の距離(例えば、少なくとも3インチ)離れた位置から始まり、先端部分208の近位端から第2の所定の距離(例えば、少なくとも3インチ)離れた位置で終わる。
【0037】
中間部分212の外径は、太い側の部分204の遠位端から先端部分208の近位端まで小さくなる。中間部分212は、2つ以上の異なるテーパ率を含む。言い換えれば、中間部分212は、2つ以上の異なる直線的な外径減少率を含む。
【0038】
図2の例では、中間部分212の第1の部分216が第1のテーパ率を有し、中間部212の第2の部分220は第1のテーパ率とは異なる第2のテーパ率を有する。第1の部分216および第2の部分220が円筒形ではない円錐台形になるように、第1の率と第2の率はゼロ以外である。
【0039】
図2の例では、第1のテーパ率は、第2のテーパ率よりも大きいものとして示されている。しかしながら、本願は、第1のテーパ率が第2のテーパ率より小さい場合にも適用可能である。図3は、第1のテーパ率が第2のテーパ率より小さい状態を示す斜視図の一例を含む。
【0040】
再び図2を参照すると、テーパ率が変化する中間部分212に沿った位置を、変化点(図2に「変化」と表示する)と称する場合がある。図2に示すように、2つの異なるテーパ率を有する中間部分212の例では、中間部分212は1つの変化点を含む。変化点は、図2に示すように、中間部分212の長さ(軸方向に測定)の中間にあってもよい。この例では、第1の部分216の長さは、第2の部分220の長さと同一である。
【0041】
あるいは、変化点は、太い側の部分204の遠位端のほうに寄っているか、先端部分208の近位端のほうに寄っていてもよい。図4は、変化点が太い側の部分204のほうに近い状態を示す図の一例を含む。図5は、変化点が先端部分208のほうに近い状態を示す斜視図の一例を含む。変化点が異なれば、性能特性も変わる場合がある。
【0042】
上述したように、先端部分208はテーパ付きであってもよい。図6は、先端部分208の近位端から先端部分208の遠位端まで外径が小さくなるように先端部分208にテーパが付けられた実施形態の一例の斜視図を含む。先端部分208のテーパ率は、第1の部分216および第2の部分220のテーパ率と異なっていてもよく、第1の部分216および第2の部分220のうちの一方のテーパ率と異なっていてもよく、第1の部分216および第2の部分220のうちの一方のテーパ率と同一であってもよい。
【0043】
様々な実施形態において、中間部分212には、2つ以上の変化点が含まれていてもよい。図7は、2つの変化点を含むステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。この例では、中間部分212は、第1のテーパ率を有する第1の部分704と、第2のテーパ率を有する第2の部分708と、第3のテーパ率を有する第3の部分712と、を含む。第1の部分704、第2の部分708および第3の部分712が円筒形ではない円錐台形になるように、第1、第2および第3のテーパ率は、ゼロ以外である。第1のテーパ率は第2のテーパ率とは異なり、第2のテーパ率は第3のテーパ率とは異なる。先端部分208は、テーパ付きであってもよいし、テーパ付きでなくてもよい。変化点は、第1の部分704、第2の部分708および第3の部分712の長さが等しくなるようなものであってもよい。あるいは、第1の部分704、第2の部分708および第3の部分712のうちの1つまたは2つが、第1の部分704、第2の部分708および第3の部分712のうちの1つ以上の他のものより長くてもよく、短くてもよい。
【0044】
1つおよび2つの変化点の例が提供されているが、本願は、3つ以上の変化点にも適用可能である。図8は、3つの変化点を含むステップレスゴルフシャフトの一例を示す斜視図である。この例では、中間部分212は、第1のテーパ率を有する第1の部分804と、第2のテーパ率を有する第2の部分808と、第3のテーパ率を有する第3の部分812と、第4のテーパ率を有する第4の部分816と、を含む。第1の部分804、第2の部分808、第3の部分812および第4の部分816が円筒形ではない円錐台形になるように、第1、第2、第3および第4の率は、ゼロ以外である。
【0045】
第1のテーパ率は第2のテーパ率とは異なり、第2のテーパ率は第3のテーパ率とは異なり、第3のテーパ率は第4のテーパ率とは異なる。先端部分208は、テーパ付き(円錐台形)であってもよいし、テーパ付きでなくても(円筒形)よい。変化点は、第1の部分804、第2の部分808、第3の部分812および第4の部分816の長さが等しくなるようなものであってもよい。あるいは、第1の部分804、第2の部分808、第3の部分812および第4の部分816のうちの1つ以上が、第1の部分804、第2の部分808、第3の部分812および第4の部分816のうちの他のものより長くてもよく、短くてもよい。
【0046】
本明細書で使用する場合、ステップレスとは、外径が徐々に(例えば、ほぼ直線的な)減少することをいう場合がある。これは、外径の段階的な変化、例えば所定量より大きい外径の変化、とは異なる。ステップレスゴルフシャフトには、外径の変化が所定量より大きい外径の段階的な変化が、含まれていなくてもよい。
【0047】
ステップレスゴルフシャフトについては、例えば、それぞれのテーパ率の回転ダイを1つ以上使用して製造することができる。この回転ダイにゴルフシャフトを(軸方向に)供給してもよく、回転ダイは、このゴルフシャフトの外側部分を、半径方向内側にプレス加工して、テーパを付けてもよい。シャフトの2つ以上のテーパ付き部分を形成するために、回転ダイには、2組以上の異なるテーパ付き部分が含まれていてもよい。この製造方法は、円筒形のダイを用いてゴルフシャフトの外径を段階的に小さくすることができる、ステップゴルフシャフトを作るために用いられる製造方法とは異なる。
【0048】
ゴルフシャフトは円筒形の管として始まる場合があるため、外径が小さくなるにつれてゴルフシャフトの肉厚が増す場合があり、逆もまた然りである。例えば、図8の例では、太い側の部分204は、第1の厚さを有していてもよい。第1の部分804の厚さが、先端部分208に向かって次第に増してもよい。第2の部分808の厚さが、先端部分208に向かって次第に増してもよい。第3の部分812の厚さが、先端部分208に向かって次第に増してもよい。第4の部分816の厚さが、先端部分208に向かって次第に増してもよい。先端部分208の厚さが、太い側の部分204の第1の厚さより厚い第2の厚さを有していてもよい。図8には、ステップレスゴルフシャフトの長さに沿った肉厚の一例を示すグラフも含む。
【0049】
図9は、スチール製のステップレスゴルフシャフトの外側部分にテーパ(先細り部分)を形成する方法の例示図である。上述したように、スチール製のステップレスゴルフシャフトは、所定の長さで肉厚が均一な中空の円筒形スチール管904でもともと形成されていてもよい。管904の中にマンドレル908を挿入し、管を成形する間管904を静止させて、ステップレスゴルフシャフトを形成することができる。
【0050】
マンドレル908および管904は、ダイ912に直線的に(軸方向に)挿入される。例えば、マンドレル908および管904を増分1つごとに所定の軸方向距離だけダイ912の中に増分に合わせて動かすことができる。ダイ912には、チューブ904にテーパ率を形成するように先細にされた内側部分916を有する2つの半円部分が含まれていてもよい。2つの半円部分がある例を提供したが、本願は、四分円部分が4つのなどの他のダイ構成にも適用可能である。
【0051】
管904をダイ912の中まで供給するときに、ダイ912を矢印920で示すように回転させることができ、矢印924で示すように開閉することができる。管904の外側に接触するダイ912の内側部分916によって、ダイ912に接触する管904の外側部分が先細りにされる。ダイ912から形成されるテーパ付き部分928の一例を、図9の右側に示す。外側部分をテーパ状にすることで、外側の肉厚の厚みが増す。
【0052】
異なるテーパが付けられた、異なる内側部分を有する異なるダイを使用して、ステップレスゴルフシャフトの中間部分、先端部分、太い側の部分、上述したテーパ付き部分などの、異なるテーパ率を作り出す。
【0053】
上記の説明は、本質的に例示的なものにすぎず、どのような形であっても、本開示、その応用または用途を制限することを意図するものではない。本開示の広い教示内容を、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示には特定の例が含まれるとはいえ、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。なぜなら、図面、明細書および以下の特許請求の範囲を検討すれば、他の改変例も明らかになるためである。ある方法の1つ以上の工程が、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことが理解されるべきである。さらに、上記では各実施形態を特定の特徴を有するものとして説明したが、本開示のいずれかの実施形態に関して述べたそれらの特徴のいずれか1つ以上を、他の実施形態のいずれかの特徴に実装するおよび/またはそれらの特徴と組み合わせることができる。その組み合わせが、明示的に記載されていない場合も同様である。言い換えれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態を入れ替えても、本開示の範囲内にとどまる。
【0054】
要素間の空間的および機能的関係については、「接続され(connected)」、「かみ合い(engaged)」、「結合され(coupled)」、「隣接して(adjacent)」、「隣り合って(next to)」、「の上に(on top of)」、「上に(above)」、「下に(below)」および「配置されて(disposed)」を含む様々な用語を用いて説明されている。「直接(direct)」であることが明記されていない限り、第1の要素と第2の要素との関係が上記開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、第1の要素と第2の要素との関係は、これらの要素の間に1つ以上の介在要素が(空間的にまたは機能的に)存在する間接的な関係であってもよい。本明細書で使用する場合、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という言い回しは、包含的論理和を用いた論理的「AまたはBまたはC」を意味すると解されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、Cのうちの少なくとも1つ」を意味するとは解されるべきではない。
図1
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【国際調査報告】