(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】タバコ生成物を含むRTBシートの製造方法
(51)【国際特許分類】
A24B 15/14 20060101AFI20231025BHJP
A24B 3/14 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A24B15/14
A24B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523081
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2021078626
(87)【国際公開番号】W WO2022079248
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】ソリアーノ,ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】フェルラーン,テオ
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB01
4B043BB12
4B043BB17
4B043BB22
4B043BC04
4B043BC11
4B043BC20
(57)【要約】
本発明は、タバコ原料及び結合剤を含む再構成タバコ結合材(RTB)シートの製造方法に関する。タバコ原料は前進方向に移動する搬送ベルトに配置される。タバコ原料は、少なくとも1個の形成ヘッドによりタバコ原料層に形成され、結合剤がその後タバコ原料層に適用され、次いで乾燥工程で乾燥されることによりRTBシートが生成される。RTBシートの製造方法は、製造工程にわたり、タバコ粒子及び液体媒質を含むタバコ生成物がタバコ原料層及び/又はRTBシートに適用され、タバコ粒子の平均粒径が30μm以下であることを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ原料(2)及び結合剤(8)を含む再構成タバコ結合材(RTB)シート(1)の製造方法であって、前記タバコ原料(2)が前進方向(5)に移動する搬送ベルト(4)に配置され、前記タバコ原料(2)が少なくとも1個の形成ヘッド(6)によりタバコ原料層(1a)に形成され、続いて前記結合剤(8)が前記タバコ原料層(1a)に適用され、次いで乾燥工程において乾燥されることにより、前記RTBシート(1)を生成し、
前記製造工程にわたり、
タバコ粒子(9)及び液体媒質を含むタバコ生成物(3)が前記タバコ原料層(1a)及び/又は前記RTBシート(1)に適用され、前記タバコ粒子(9)の平均粒径が30μm以下であることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記タバコ粒子(9)が0°~10℃の温度で冷却された液体媒質中に分散されていることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1~2のいずれか1項に記載の方法において、
前記RTBシート(1)がフリース(10)、好適には不織布セルロースを含み、前記フリースが好適には前記RTBシート(1)に接着されていることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法において、
前記タバコ生成物(3)が前記RTBシート(1)及び/又は前記フリース(10)に噴霧及び/又は印刷されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法において、
前記RTBシート(1)及び/又は前記フリース(10)の少なくとも一方の表面(11)に適用された前記タバコ生成物(3)がパターン(12)を形成することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法において、
前記RTBシート(1)に前記結合剤(8)及び前記タバコ生成物(3)を一つの製造ステップで適用することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法において、
乾燥ユニットが、前記RTBシート(1)及び/又は前記フリース(10)に前記タバコ生成物(3)を適用した後で、又は適用する前に、前記RTBシート(1)及び/又は前記フリース(10)を乾燥させることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項3~5及び7のいずれか1項に記載の方法において、
前記タバコ生成物(3)を前記フリース(10)に適用した後、又は適用する前の、追加的な濡らしステップを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法において、
更なる処理のための最後の製造ステップとして、前記RTBシート(1)を細断又は巻き取る、細断又は巻き取りステップを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法において、
前記タバコ生成物(3)の粘度が50~350dPasの範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法において、
前記タバコ生成物(3)の密度が0.8g/cm3~1.5g/cm3の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項12】
少なくともタバコ原料(2)及び結合剤(8)を含む再構成タバコ結合材(RTB)シート(1)であって、
前記RTBシート(1)が層の形状をなし、
前記RTBシート(1)が更にタバコ粒子(9)及び液体媒質を含むタバコ生成物(3)を含み、前記タバコ粒子(9)の平均粒径が30μm以下であることを特徴とする再構成タバコ結合材(RTB)シート(1)。
【請求項13】
請求項12に記載のRTBシート(1)において、
前記タバコ生成物(3)が粉挽きタバコを含み、前記粉挽きタバコの重量比が1~50%の範囲にあることを特徴とするRTBシート(1)。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のRTBシート(1)であって、
前記RTBシートに含まれる前記タバコ生成物(3)の重量比が0.1~1%、好適には0.05~2%、より好適に0.01~3%の範囲にあることを特徴とするRTBシート(1)。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1項に記載のRTBシート(1)において、
前記RTBシート(1)に含まれる前記結合剤(8)の重量比が2~3%、好適には1~4%、より好適には0.1~5%の範囲であり、結合剤(8)が液体担持体、好適には水及び/又はグリセリン及び/又はプロピレングリコール及び/又はブチレングリコール及び/又はソルビトール及び/又はトリメチレングリコールを含むことを特徴とするRTBシート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ原料、結合剤及びタバコ生成物を含む再構成タバコ結合材シート(以下では用語「RTBシート」)の製造方法に関する。タバコ生成物は、タバコの風味を満喫できる集中的な喫煙体験を保証する。本発明はまた、上述の方法で製造されたRTBシートにも関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼加熱式生成物の分野の喫煙具は通常、RTB及び好適にはタバコも有する加熱区間を含む。これらの大多数は、加熱区間でタバコ及び/又はRTBを加熱するのに電池駆動加熱システムを用いる。加熱区間に用いるRTBシートは通常、タバコ材料及び適当な結合材から形成されている。結合材は250℃まで加熱されたならば気化し、その結果生じた蒸気を消費者が吸引する。喫煙体験時の温度が低いため、従来のタバコと比較して風味が中途半端である。その結果、使用者は往々にして非燃焼加熱式製品の風味が中途半端であると批判する。タバコの風味を向上させるべく、非燃焼加熱式喫煙具に用いるRTBシートにタバコの風味で香味付けすることができる。RTBシートの製造方法に関して以下の文献がある。
【0003】
文献欧州特許第0565360B1号明細書から、タバコ粉末及び結合材を含むRTBの製造方法が知られている。RTBシートは、水性媒質中でタバコ粉末を結合材と組み合わせてスラリーを生成することにより製造できる。このような方法は均一なRTBシートの製造に有利である。
【0004】
更に、特開平11-103840号公報は、タバコ原料として用いる再生タバコ、及び再生タバコを捲縮糸に成形する製造装置及び製造方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の文献はRTBシートの製造方法を開示している。しかし、これらの方法が提供するRTBシートはタバコ風味が充分に香味付けされていない。所望のタバコ風味を有するRTBシートを製造する方法を提供することが望まれる。そのような方法がRTBシートの標準的な製造工程に適合できることが特に望ましいであろう。好適に、そのような方法に一般的な操作機械を使用してよい。
【0006】
従って、本発明の目的は、香味が添加されたRTBシートの製造方法を提供することである。本発明の目的はまた、添加されたタバコの風味で満たされた非燃焼加熱式喫煙具に用いるRTBシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題は、タバコ原料及び結合剤を含む再構成タバコ結合材シート(RTB)を製造する方法により解決される。タバコ原料は、前進方向に移動する搬送ベルト上に配置されて、少なくとも1個の成形ヘッドによりタバコ原料層に成形され、続いて結合剤がタバコ原料層に適用され、次いで乾燥工程で乾燥されることによりRTBシートが生成される。RTBシート製造方法は、製造工程にわたりタバコ粒子及び液体媒質を含むタバコ生成物がタバコ原料層及び/又はRTBシートに適用され、タバコ粒子の平均粒径が30μm以下であることを特徴とする。
【0008】
タバコ原料は好適にはリサイクルタバコの細い茎、太い茎、断片、回収された粉末、及びかき集められた欠片を含み、これらに接着剤、化学物質、及び充填剤を添加する。
【0009】
このように平均粒径が小さいタバコ粒子は、通過するエアロゾルが接触し得る表面積が大きい。これにより、粒子から香味分子をエアロゾル流に移動させることができる。粒径が≦30μmであることで複数の香味分子の移動を可能にして完全なタバコ風味に寄与することが分かっている。この粒径により、より大きい、及びより小さい分子が粒子の内側から当該粒子の表面に移動できるようになり、当該表面から当該分子がエアロゾル流に移ることができる。
【0010】
本発明の文脈で用語「タバコ生成物」はまた、平均粒径(sD50レーザー回折)が≦30μmの葉タバコ粒子を含む香味物質を指す。
【0011】
また、ニコチンは、同様の仕方でタバコ粒子からエアロゾルに移ることができる。ニコチンは香味を有し、通常はタバコの成分であるため、用語「香味分子」にはニコチンも含む。
【0012】
粒子のこの特徴は、高温のエアロゾル流に接触した後で小さい粒子を素早く加熱することによりタバコ粒子内の香味分子の移動が始まることでも説明できる。更に、香味分子は粒子内での位置とは独立に、粒子表面に到達してそこから素早くエアロゾル流に移動することができる。
【0013】
好適にはタバコ粒子の平均粒径(sD50レーザー回折)は≧1μm、好適には≧2.5μm、より好適には≧5μm、最も好適には≧8μmである。タバコ粒子をより小さい粒径に挽くことが風味に影響を与えることが分かっている。タバコの香味分子の一部は、高せん断エネルギーに起因して分解するものと考えられる。更に、いくつかの香味分子は、粉挽き工程又は後の取り扱い工程を通じて極めて微細なタバコ粒子から出る可能性がある。その結果、タバコ粒子内のこれらの香味分子が消散し、完全なタバコ香味に関して香味組成が変化する恐れがある。
【0014】
粉挽き工程を通じて香味の分子が分解するのを回避すべく、粉挽き組成物の粘度を下げることが有利であることが分かっている。これは当該組成物に溶媒を添加することにより実現できる。このような溶媒(又は「分散媒質」)は好適には水、一価アルコール、多価アルコール、糖アルコール、糖類及び多価アルコールエステルを含むグループから選択される。このような分散媒質を用いることにより、風味を顕著に変化させることなくタバコの平均粒径を所望の値に調整することができる。
【0015】
上述のRTBシートの製造方法は好適には搬送ベルトによる搬送、及びタバコ原料をベルトに加える2個の連続した形成ヘッドを含む製紙機械により行われる。別の自動物品搬送方法を用いることも考えられる。好適に、タバコ原料は、タバコ植物の細かく切断された茎及び/又は葉を含む。各形成ヘッドは好適にはタバコ原料をシートに結合する結合材を提供するノズルを含む。処理ステーションの一つは好適には、形成されたRTBを乾燥させる乾燥ユニットである。最後のステーション、好適にはラインの終端において、RTB材料は細断されるか又は巻き取られる。
【0016】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法はタバコ粒子を0°~10℃の温度に冷却された液体媒質中に分散させることを特徴とする。
【0017】
平均粒径が30μm以下のタバコ粒子の他に、タバコ生成物は好適には、タバコ粒子が分散されたアルコール又は水等の液体媒質を含む。
【0018】
好適な一実施形態において、タバコ粒子はタバコ香味の分解及び/又は散逸を防止すべく、温度が≦30℃、好適には≦20℃、より好適に≦15℃、最も好適に≦10℃である液体媒質中で分散される。好適に分散液の液体媒質の温度は、取り扱いを容易にすべく≧-20℃、好適には≧-10℃、より好適には≧-5℃、最も好適には≧0℃である。温度が上述の範囲にある低温分散液はニコチンの分解も防止することが示されている。
【0019】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、RTBシートがフリース、好適には不織布セルロースを含み、フリースが好適にRTBシートに接着されていることを特徴とする。
【0020】
好適に、フリースは、燃焼に適した材料を含む。不織布材料は好適にはシート又はウェブ状に形成された繊維を含む。このような不織布材料は例えば、紙主体の不織布パルプであってよい。フリースの製造工程をRTBシートの標準的な製造工程に組み込むことが可能である。この場合、繊維は好適には、例えば鋸歯状の針で噛合わせることにより、接着剤を用いて、又は熱的に、例えば結合材を繊維に適用して温度を上げることにより、及び結合材を溶融することにより機械的に互いに接続される。
【0021】
好適に、フリースは形成ステップの後、且つ乾燥ステップの前にRTBシートに接着される。フリースは好適にはタバコ生成物を含む液体結合剤に浸される。この場合、フリースは乾燥ステップを通過した後でRTBシートに堅牢に接着する。好適に、結果的に得られたフリースを含むRTBシートは細断されるか又は巻き取られる。この場合、結果的に得られたフリースを含むRTBシートは後の製造ステップで加工可能である。また、結果的に得られたフリースを含むRTBシートを乾燥ステップの直後に加工することも可能である。
【0022】
フリースをロール又はボビンに巻かれた状態で提供し、更なる処理に備えて用意することが考えられる。製造工程にわたりRTBシートの破断の問題は好適には標準的なRTBシートにフリースを加えることにより解決される。
【0023】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法はタバコ生成物をRTBシート及び/又はフリースに噴霧及び/又は印刷することを特徴とする。
【0024】
フリース及び/又はRTBシートに適用するステップ、好適には印刷又は噴霧ステップは、別個の工程ステップであってよい。そのような別個の工程ステップはオフラインとして知られ、フリースのコーティングがRTBシートの標準的な製造工程の前に行われることを意味する。タバコ生成物が、フリースへの別個の適用ステップで既に適用されていることが考えられる。この場合、適用工程はフリースの少なくとも一方の表面にタバコ生成物をスプレー又は印刷することにより好適に実行可能である。この場合、適用ステップに製造機械を適合させる必要はない。従って、RTBシートは公知の製造機械で処理することができ、タバコ生成物を含む事前処理されたフリースを付与することによりタバコ風味を所望に応じて強めている。
【0025】
適用ステップに備えて、タバコ生成物を担持液体、好適には水、プロピレングリコール又はグリセリンと混合して印刷又は噴霧装置に適した状態にする。具体的な配合は、使用する製造工程における印刷又は噴霧技術に依存する。印刷ステップは好適には印刷機械を通して供給される連続材料に印刷する従来の印刷機械により実行される。好適に、印刷機械は、インクがコーティング済みの印刷ローラーを含む。印刷ローラーは、連続材料の表面上を転がってパターンを形成する。スクリーン印刷機又はインクジェット印刷機を用いることも考えられる。
【0026】
タバコ生成物は好適には、RTBシートの第1及び/又は第2の表面における製造工程にわたり適用される。タバコ生成物は、フリースの第1及び/又は第2の表面における製造工程にわたり適用することも可能である。最後の工程ステップは好適にはRTBシートを断片に切断することである。切断工程の後でタバコ生成物を適用することも考えられる。
【0027】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、RTBシート及び/又はフリースの少なくとも一方の表面に適用されたタバコ生成物がパターンを形成することを特徴とする。
【0028】
タバコ生成物をRTBシート及び/又はフリースの少なくとも一方の表面に適用することは更にタバコ風味の添加を可能にする。喫煙具に加えられる異なるタバコ生成物の種類に応じてタバコ風味が増減する。タバコ生成物でRTBシート及び/又はフリースの片面又は両面を湿らせる選択肢もあり、RTBシート及び/又はフリースの片面を湿らせた場合、RTBシート及び/又はフリースの両面を湿らせる場合よりもマイルドなタバコ風味が得られる。
【0029】
一般に、パターンは視認可能な表面模様又は表面構造を指す。好適に、パターンは、コーティング済み区間及び未コーティング区間の最小限の反復(周期性)及び対称性を含む。コーティング済み区間及び未コーティング区間の周期性は好適には所望のタバコ風味の強さに応じて変化する。好適に、タバコ生成物はRTBシート及び/又はフリースに適用されてコーティング済み区間が得られる。好適に、可視インクを含むタバコ生成物がRTBシート及び/又はフリースのコーティング済み区間に適用される。
【0030】
RTBシート及び/又は好適にはフリースはタバコ生成物を含むインクで印刷される。タバコ生成物を含むRTBシート及び/又はフリースを有する喫煙物品は好適には喫煙体験中にタバコ風味を強めることを可能にする。好適に、RTBシート及び/又はフリースへの印刷に用いるタバコ生成物を含むインクは可視又は不可視である。また好適に、タバコ生成物を含むインクはRTBシート及び/又はフリースに印刷する通常のインクと同一の成分を含む。
【0031】
また、タバコ生成物をRTBシート及び/又はフリースの表面の少なくとも一方に噴霧することも考えられる。この場合、表面全体にタバコ生成物を含むインクがコーティングされる。担持材料部分の少なくとも一方の表面上のタバコ生成物を含むインクが好適に少なくとも1個の区間に適用される。コーティング済み区間と未コーティング区間は好適にはパターンを形成する。
【0032】
一方の表面にタバコ生成物を備えるRTBシート及び/又はフリースはいくつかの用途に有用である。例えば、装飾された喫煙物品が求められている場合である。フリースを含むRTBシートは好適には構造的完全性が増しており、非燃焼加熱式喫煙物品のRTBシートを形成する更なる操作、例えば切断及び/又はスライシングがはるかに予測可能且つ効率的になる。
【0033】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、RTBシート上の結合剤及びタバコ生成物が一つの製造ステップで適用されることを特徴とする。
【0034】
好適に、タバコ生成物は結合剤と同時に材料に適用される。少なくとも1個の追加的なタバコ生成物噴霧ノズルによりタバコ生成物をタバコ原料に噴霧することにより当該ステップを実行することが可能である。また、タバコ原料層又はタバコ原料をタバコ生成物及び結合剤に浸すことも可能である。本実施形態において、RTBシートは好適には特に均一にタバコ生成物で含浸される。
【0035】
タバコ生成物を追加的な工程ステップで結合材と混合することが考えられる。この場合、タバコ生成物は結合材と共に適用され、好適には噴霧される。好適に、少なくとも1個の結合材噴霧ノズルを用いてタバコ生成物と結合材を混合することができる。追加的なタバコ生成物噴霧ノズルはこの場合必要とされない。本実施形態は、標準的なRTB製造方法と容易に一体化できるという利点を有している。その結果得られるRTBシートは好適にはシート構造全体にわたりタバコ生成物が深く埋め込まれている。RTBシートに異なる風味のタバコ生成物が適用されている場合、異なるタバコ生成物を用いることにより新たな仕方でタバコ風味を強めることができる。タバコ生成物を含むRTBシートが最終喫煙物品に加工されたならば、気化動作の持続期間を通じて好適には一定の風味を提供できる。
【0036】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、乾燥ユニットが、RTBシート及び/又はフリースにタバコ生成物を適用する前後でRTBシート及び/又はフリースを乾燥させることを特徴とする。
【0037】
乾燥ステップに入るRTBシート及び/又はフリースの乾き具合は好適には70%まで、また好適に90%の乾燥度まで上昇する。好適に、RTBシート及び/又はフリースは、多数の蒸気加熱乾燥シリンダを通過する。乾燥ステップの後で平滑化ステップが必要であると考えられる。
【0038】
RTBシート及び/又はフリースの乾燥ステップは、RTBシート及び/又はフリースにタバコ生成物を適用する前に実行可能であり得る。これはタバコ生成物の選択的な適用が望まれる場合に特に有利である。そのような場合、例えばパターンが必要ならば、タバコ生成物は好適には着色される。
【0039】
RTBシート及び/又はフリースの乾燥ステップは、タバコ生成物をRTBシート及び/又はフリースに適用した後でも実行可能であり得る。これはタバコ生成物の均一な適用が望まれる場合に特に有利である。そのような場合、タバコ生成物は好適には無着色である。タバコ生成物は次いでRTBシートの外側に適用される。
【0040】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、フリースにタバコ生成物を適用する前後に追加的な濡らしステップを実行することを特徴とする。
【0041】
織物材料を含むRTBシートを用いる場合、好適にはタバコ生成物を含む液体に緩い繊維を浸す。浸されたタバコ生成物は好適には毛細管現象を介して構造に吸い取られる。タバコ生成物を含む液体に効果的に浸すべく好適には製造工程で浴浸漬が用いられる。
【0042】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、更なる処理の最後の製造ステップとしてRTBシートを細断するか又は巻き取る細断又は巻き取りステップを特徴とする。
【0043】
必要とされるRTBシート形状が細片である場合、最後の製造ステップとしての細断ステップが必要である。この場合、好適には細断ステップはRTBシートの標準的な製造工程と一体化されている。細断ステップが必要ないことも考えられ、この場合、タバコ生成物を含む加工されたRTBシートは好適には巻き取られる。タバコ生成物を含む巻き取られたRTBシートは好適にはスプール又はボビンに巻かれて提供される。
【0044】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、タバコ生成物が50~350dPasの範囲の粘度を有していることを特徴とする。
【0045】
タバコ生成物の粘度は好適には30~60dPas、同じく好適に50~350dPasであり、粘度は落差式粘度計により25℃で測定されている。
【0046】
別の実施形態によれば、RTBシートの製造方法は、タバコ生成物が0.8g/cm3~1.5g/cm3の範囲の密度を有していることを特徴とする。タバコ生成物の密度は好適には0.5g/cm3~0.9g/cm3、同じく好適に0.8g/cm3~1.5g/cm3の範囲に含まれている。好適に、製造工程における印刷ステップで用いるインクはタバコ生成物を含む。このインクは好適には、溶剤、顔料、染料、樹脂、潤滑剤、可溶化剤、界面活性剤、粒子状物質及び/又は蛍光剤を含む。蛍光剤が用いる場合、これらは全て摂食しても安全である。
【0047】
上述の目的はまた、少なくともタバコ原料及び結合剤を含む再構成タバコ結合材(RTB)シートにより実現され、当該RTBシートは層の形状をなし、RTBシートは更に、タバコ粒子及び液体媒質を含むタバコ生成物を含み、タバコ粒子の平均粒径は30μm以下である。
【0048】
得られたRTBシートは任意の典型的な用途に用いられる。非燃焼加熱式消耗品は好適にはRTBを有する区間を含む。好適に、区間はRTBシートで作られた細片を含む。好適に非燃焼加熱式喫煙具の加熱区間に用いられるRTBシートにタバコ粒子を含むタバコ生成物を適用することにより、顧客のタバコ風味体験が向上する。RTBシートが加熱された際にタバコ粒子が放出されて実際のタバコエアロゾルに風味を付ける。これによりタバコ風味が更に向上する。好適に、タバコ生成物の添加によりタバコ風味を強める度合いはタバコ生成物の量により調整可能である。
【0049】
RTBシートの第1の表面にタバコ生成物を適用することは、喫煙用物品のRTBシートを装飾することが好適な場合に有利である。この場合、タバコ生成物は顧客から視認でき、これによりタバコ風味が更に好適に強められる。RTBシートの第1の表面に少なくとも部分的にタバコ生成物をコーティングすることが可能である。好適に、タバコ生成物はRTBシートの第1の表面に噴霧される。タバコ生成物をRTBシートの第1の表面に印刷することも考えられる。好適に、印刷装置のインクはタバコ生成物及び着色物質を含む。RTBシートの第1の面に適用されたタバコ生成物が視認できないことも考えられる。この場合、印刷装置のインクは透明である。
【0050】
タバコ生成物をRTBシートの第1の面及び第2の面に適用することも考えられる。必要に応じて、タバコ生成物は着色物質を含むか含まないことが好ましい。好適に、表面に適用されたタバコ生成物は触れば知覚できる。より好適に、RTBシートの表面は、タバコ生成物を含むインクで点字として書かれた文字で構成されている。
【0051】
別の実施形態によれば、RTBシートは、タバコ生成物が挽きタバコを含み、挽きタバコの重量比が1~50%の範囲にあることを特徴とする。
【0052】
タバコ生成物は、担持液体、好適には水、プロピレングリコール又はグリセリンと混合されて印刷及び/又は噴霧装置に適合される。具体的な配合は、使用する印刷及び/又は噴霧技術に依存する。インクは重量比が好適に1~50重量%、更に好適に50重量%超の挽きタバコを含む。このような重量比の挽きタバコを混合することにより充分な色彩強度が保証される。
【0053】
遮蔽機能、色彩強度、及び色自体を向上すべく、インクは好適に、染料、樹脂及び/又は粒子状物質を含む。溶剤、樹脂、潤滑剤、可溶化剤及び/又は界面活性剤を添加することにより、インクの流動性は好適に印刷工程向けに最適化される。このような最適化は、インクを特定の印刷機械に適合させるために特に重要である。蛍光剤を添加することにより、印刷物は好適にはUV光の照射下で読み取り可能である。
【0054】
インクの色彩強度は好適にはタバコの種類及び濃度の選択により適合される。インク中のタバコ生成物の濃度が高いほどインクの色が濃くなる。より濃い種類のタバコを用いることにより、より濃いインクの色が好適に得られる。そのようなより濃いタバコの種類は好適にはバーレイタバコ、濃い火力乾燥タバコ及び濃い空気乾燥タバコである。そのような濃いタバコの種類により、明るい色のフリースに対してより濃いインク色及びより高いコントラストが好適には得られる。
【0055】
別の実施形態によれば、RTBシートは、RTBシート中に含まれるタバコ生成物の重量比が0.1~1%、好適には0.05~2%、より好適に0.01~3%の範囲にあることを特徴としている。
【0056】
好適に、RTBシートに含まれるタバコ生成物の重量比は喫煙具に要求されるタバコ風味に依存する。強いタバコ風味が要求される場合、RTBシートはより高い重量比のタバコ生成物を含むと考えられる。好適に、より強いタバコ風味のRTBシートに含まれるタバコ生成物の重量比は2~3%の範囲であり、3%超も可能である。繊細なタバコ風味が要求される場合、RTBシートはより低い重量比のタバコ生成物を含む。好適に、より繊細なタバコ風味のRTBシートに含まれるタバコ生成物の重量比は0.1~1%の範囲にあり、1~2%も可能である。
【0057】
別の実施形態によれば、RTBシートは、RTBシート中に含まれる結合剤の重量比が2~3%、好適には1~4%、より好適に0.1~5%の範囲であり、結合剤が液体担持、好適には水及び/又はグリセリン及び/又はプロピレングリコール及び/又はブチレングリコール及び/又はソルビトール及び/又はトリメチレングリコールを含むことを特徴とする。
【0058】
好適に、結合材は、湿潤剤の形態で最大5重量%までの範囲にある。結合材は好適にはグリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビトール、トリメチレングリコール及び/又は他の湿潤剤を含む。
【0059】
本発明の更なる利点、目的及び特徴について、添付の図面を参照しながら以下の説明に例示目的でのみ記述する。これらの図面において、異なる実施形態における類似要素には同一参照符号を付与している。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】タバコ生成物を含むRTBシートの製造方法の第1の実施形態を示すフロー図である。
【
図2】タバコ生成物を含むフリース付きRTBシートの製造方法の第2の実施形態のフロー図である。
【
図3】乾燥ステップを最後の製造ステップとするRTBシートの製造方法の第3の実施形態のフロー図である。
【
図4】タバコ材料を含むRTBシートの模式図である。
【
図5】印刷されたフリースを有する製紙用RTB機械の模式図である。
【
図6】フリースを付与しない製紙用RTB機械の模式図である。
【
図7】フリースを付与した製紙用RTB機械の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1に、RTBシート1の製造方法の第1の実施形態のフロー図を示す。本方法は、タバコ原料2を搬送ベルト4に配置100することから開始されてよい。次の工程ステップは、タバコ原料2をタバコ原料層1aに形成101することである。配置100と形成101ステップを1ステップで実行することが考えられる。形成101ステップの後、結合剤8をタバコ原料層1aに適用102するノズル7がある。次の工程ステップは、タバコ原料層1aを乾燥してRTBシートとする乾燥ステップ103である。最後のステップは、RTBシート1にタバコ生成物3を適用するステップ104である。
【0062】
適用ステップ104は噴霧及び/又は印刷ステップ104aであると考えられる。適用ステップ104を行う実施形態において、RTBシート1は好適にタバコ生成物3に浸される。別の適用方法を用いてタバコ生成物3を適用することも可能である。噴霧及び/又は印刷ステップ104aを行う実施形態において、タバコ生成物3は好適にRTBシート1の少なくとも一方の表面19に印刷及び/又は噴霧される。噴霧104aの場合、噴霧ノズル7を用いてタバコ生成物3がRTBシート1の少なくとも一方の表面19に適用される。タバコ生成物3がRTBシート1の少なくとも一方の表面19に噴霧により104a適用された場合、パターン12が生じることが考えらえる。パターン12は、噴霧ノズル7と表面19との間にマスクを配置するか、又は所望のパターン12に従い噴霧ノズル7をRTBシート1の表面19に対して移動させることのいずれかにより実現される。
【0063】
印刷104aによりタバコ生成物3がRTBシート1の表面19に適用104されたならば、タバコ生成物3は好適には印刷ローラーによりRTBシート1の表面19に適用される。プリントローラーは窪んだ表面部分を含んでもよい。好適に、凹んだ表面部品は、タバコ生成物3がRTBシート1の表面19に適用104aされることが望まれるパターン12のネガを形成する。最後のステップの後、RTBシート1が巻き取られるか又は細断される106ことが考えられる。RTBシート1が巻き取られた後は通常、更なる処理のためボビン又はスプールに巻かれて保存される。
【0064】
図2に、タバコ生成物3を含むフリース10を有するRTBシート1の製造方法の第2の実施形態のフロー図を示す。結合剤の配置100、形成101、及び適用102ステップは
図1に示した方法と同一であると考えられる。結合剤8をタバコ原料層1aに適用102した後、フリース10をRTBシート1に適用105する。次のステップは好適にはタバコ原料層1a及びフリース10を乾燥ユニット14により乾燥する乾燥103ステップである。最後のステップは好適には、適用104、印刷又は噴霧104aステップである。最後のステップの後、フリース10を含むRTBシート1を巻き取るか又は細断106することが考えられる。
【0065】
図3に、乾燥ステップを最後の製造ステップとするRTBシートの製造方法の第3の実施形態のフロー図を示す。第1のステップは、RTBシートの製造方法の第1及び第2の実施形態と同一である。配置ステップ100及び形成ステップ101は好適には1ステップで実行される。タバコ原料3をタバコ原料層1aに形成101した後に、適用ステップ104又は印刷或いは噴霧ステップ104aが続くと考えられる。適用104、印刷又は噴霧104aステップにおいて、タバコ原料層1aにタバコ生成物3が好適にコーティングされる。次のステップは、タバコ原料層1aに結合剤8を適用102することである。結合剤8を適用102するステップとタバコ生成物を適用104、104aするステップの順序を逆にすることも可能である。タバコ生成物3及び結合剤8の適用ステップ102、104を1ステップで実行することも可能である。適用ステップ102、104の後で、RTBシートの標準的な製造工程を継続することができる。RTBシートの標準的な製造ステップは好適には乾燥ステップ103及び細断又は巻き取りステップ106を含む。
【0066】
タバコ生成物3の適用104又は104aが原料層1aに対して実行されないことが考えられる。この場合、タバコ原料層1aにはタバコ生成物3がコーティングされないまま、フリース10にはタバコ生成物3がコーティングされる。フリースへの適用ステップ104又は104aは好適にはタバコ原料層1aへの適用ステップ104又は104aと同一である。結合剤8をタバコ原料層1aに適用102した後、フリース10をタバコ原料層1aに適用105する。フリース10は好適には接着ステップ(ここでは図示せず)においてタバコ原料層1aに接着される。好適に、接着ステップは適用ステップ105と一体化されている。この場合、RTBシートの標準的な製造ステップは乾燥ステップ103まで延長することができる。フリースにタバコ生成物3を適用するステップ104は好適には別ステップであってオフラインで行われる。未コーティングフリース10を提供して、タバコ原料層1aの製造工程にわたり適用104、印刷又は噴霧104aステップをオンラインで実行することも可能である。フリースにタバコ生成物3を適用104又は104aした後で、フリース10を含むタバコ原料層1aが乾燥ステップ103で乾燥される。細断又は巻き取りステップ106は好適にはRTBシート1の製造方法の最後のステップである。
【0067】
図4に、タバコ材料を含むRTBシートの模式図を示す。タバコ生成物3がRTBシート1の少なくとも一方の表面19に適用される。タバコ生成物3は好適には区間20に適用され、コーティング済み区間20は距離dだけ互いに離れているためパターン12を形成する。コーティング済み区間20の厚さは、RTBシート1及び/又はフリース10の全体の厚さが一定でないように異なっていると考えられる。RTBシート1及び/又はフリース10の全体の厚さが一定であってもよい。RTBシート1及び/又はフリース10の両面19もタバコ生成物(図示せず)でコーティングされている可能性もある。好適に、表面19に垂直なコーティング済み区間20の厚さ(ここでは図示せず)は一定である。また好適に、コーティング済み1個の区間20の厚さは0.5~5mmの範囲にある。コーティング済み区間20の厚さは所望のタバコ風味の強さに応じて変化すると考えられる。
図4に示すようなRTBシート1及び/又はフリース10は非燃焼加熱式喫煙具に配置可能である。
【0068】
パターン12は、六角形、同心正方形、長方形、又は円、ジグザグ、チェッカボードパターン、正方形又はピクセル或いは蛇行線及び/又は平行な直線又は曲線(ここでは図示しない)の無秩序な分布を含んでよい。厚さを変えることに代替的に、又は追加的に、パターン12の密度を増減させることにより、表面19の単位面積当たりに堆積されるタバコ生成物3の量を増減させることも考えられる。
【0069】
図5、6及び7に製紙用RTB機械の模式図を示す。
図5、6及び7において、タバコ原料2が搬送ベルト4に適用されて前進方向5に移動される。好適に、タバコ原料2は、タバコ植物の葉、茎及び/又は他の要素を含む。タバコ原料2が可燃又は燻焼成分を含んでもよい。
【0070】
図5において、結合剤8がタバコ原料2に適用される。タバコ生成物3は同一ステップでタバコ原料2に適用される。タバコ生成物3及び結合剤8の同時適用はノズル7を用いることにより行うことができる。噴霧ノズルが、プレーンオリフィスノズル、シェイプドオリフィスノズル、表面衝突一流体ノズル、圧力旋回一流体ノズル、中実円錐一流体ノズル、複合ノズル又は他のノズル7であると考えられる。この場合、結合剤8とタバコ生成物3は好適には一緒に混合される。噴霧ノズル7が二流体ノズルであるとも考えられる。
【0071】
噴霧の後、形成ヘッド6がタバコ原料2を形成している。好適に、形成ヘッド6は、2個のロール(ここでは図示せず)を含み、タバコ原料2を搾水してタバコ原料層1aに形成する。形成ヘッド6による形成ステップはノズル7による噴霧ステップと同時に又は先に実行することが考えられる。
図6に示すように少なくとも2個の形成ヘッド6があってもよい。
【0072】
形成ステップの後、フリース10は好適にはタバコ原料層1aに添加される。フリース10の製造が工程の一部であると考えられる。好適に、フリース17を有するボビンが搬送ベルト4に巻き取られる。プリンタ13がタバコ生成物3をフリースに適用する。タバコ生成物3はパターン12として適用されてもよい。タバコ生成物3がフリース10に適用されず、未加工のフリース10がタバコ原料層1aに添加されることも考えられる。
【0073】
タバコ生成物3をフリースに適用した後で、フリース10は、接着ユニット18によりタバコ原料層1aに接続する用意ができている。接着ユニット18は好適には加圧ユニットであり、フリース10はタバコ原料層1a内に押し込められる。
【0074】
上述の後、乾燥ユニット14がフリースを含むタバコ原料層1aを乾燥させる。好適に、乾燥ユニット14は水分を蒸発させる一連の内部蒸気加熱式シリンダである。乾燥ユニット14が材料から水分を乾燥させる別の方法であることも考えられる。乾燥ステップの後でプリンタ13(ここでは図示せず)によりタバコ生成物3をRTBシート1に印刷することが考えられる。この場合、印刷されたタバコ生成物3は好適にはRTBシート(ここでは図示せず)の表面にパターン12を形成する。
【0075】
フリース10を有する又は有しない乾燥タバコ原料層1aはRTBシートである。最後のステップにおいてRTBシート1は好適には細断ユニット15により細断される。細断ユニット15がRTBシートを必要な粒径に切断することが考えられる。RTBシート1がボビンに巻き取られてもよい。このような保存方法は、RTBシート1の輸送に特に有益である。この工程ステップから、RTBシート1は非燃焼加熱式喫煙具に好適に用いる用意ができている。
【0076】
図6、7において、形成ヘッド6による形成ステップの後又は途中で結合剤8がタバコ原料2に適用される。結合剤8はノズル7によりタバコ原料層1aに噴霧される。好適に、
図6、7に示すノズル7は噴霧ノズルであり、また好適にノズル7は
図5に示すノズル7と同一である。結合剤8及びタバコ生成物3は別々のステップで適用される。タバコ原料層1aへのタバコ生成物3の適用に用いるノズル7は結合剤8への適用に用いるノズル7と同一であってよい。この場合、少なくとも2個のノズル7が
図6、7に示すように結合剤8及びタバコ生成物3を別々にタバコ原料層1aに噴霧する。
【0077】
図6に、タバコ原料層1aにタバコ生成物3を適用した後、且つ結合剤8を適用する前に、第2の形成ヘッド6により追加的に形成するステップを示す。フリース10はタバコ原料層1aに添加されない。この場合、タバコ原料層1aは更なる処理に使用できる。この場合、乾燥ユニット14によりタバコ原料層1aが乾燥されることによりRTBシート1が生成され、最後の工程ステップで巻き取りユニット16により巻き取られる。巻き取りユニット16の代わりに細断ユニット17を用いてもよい(ここでは図示せず)。
【0078】
図7において、結合剤8及びタバコ生成物3の適用ステップが順次実行される。結合剤8は、タバコ生成物3をタバコ原料層1aに適用する前後に適用されてよい。結合剤8及びタバコ生成物3が適用された後で、フリース10がタバコ原料層1aに適用される。ノズル7によりタバコ生成物3をフリース10に適用することが考えられる。接着ユニット18は、フリース10にタバコ生成物を適用した後でタバコ原料層1aとフリース10を接続する。フリース10をタバコ原料層1aに接続した後で、乾燥ユニット14はフリース10を含むタバコ原料層1aを乾燥させることによりRTBシート1を生成する。製造されたRTBシートは好適には最後のステップにおいて細断ユニット15により細断される。
【0079】
本出願人は、先行技術との対比において、出願書類に開示する全ての特徴が個々に、又は組み合わされて新規性を有する限り、本発明の本質的特徴であると主張する権利を留保する。更に、各図面において、個々に有利であり得る特徴を記述していることに注意されたい。当業者には、ある図面に開示されている特定の特徴が、当該図面からの更なる特徴を採用することなく有利になり得ることが直接認識されよう。更に、当業者には、1又は複数の図面に開示されている多様な特徴の組み合わせから利点が生じ得ることが認識されよう。
【符号の説明】
【0080】
1 RTBシート
1a タバコ原料層
2 タバコ原料
3 タバコ生成物
4 搬送ベルト
5 前進方向
6 形成ヘッド
7 ノズル
8 結合剤
9 タバコ粒子
10 フリース
11 表面
12 パターン
13 プリンタ
14 乾燥ユニット
15 細断ユニット
16 巻き取りユニット
17 フリースが巻かれたボビン
18 接着ユニット
19 RTBシート/フリースの表面
20 コーティング済み区間
21 未コーティング区間
100 タバコ原料を搬送ベルトに配置
101 タバコ原料をタバコ原料層に形成
102 結合剤をタバコ原料層に適用
103 タバコ原料層を乾燥
104 タバコ生成物をRTBシート及び/又はフリースに適用
104a タバコ生成物をRTBシート及び/又はフリースに噴霧又は印刷
105 フリースをタバコ原料層又はRTBシートに適用
d 距離
【国際調査報告】